JP2017160979A - 内燃機関の軸受構造 - Google Patents

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Shinya Nizaki
晋也 新崎
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【課題】ワッシャの摺動面に潤滑油を供給し易くすることができる内燃機関の軸受構造を提供する。【解決手段】一端側から他端側にかけて貫通する軸受孔11及び軸受孔21を有し、軸受孔11及び軸受孔21の内周側にクランク軸2を挿通する軸受部材10及び軸受キャップ20と、軸受孔11及び軸受孔21の内周面に設けられてクランク軸2を回転可能に支持する主軸受30と、軸受部材10の前記一端側及び前記他端側の少なくとも一方に設けられると共に、クランク軸2のスラストカラー2cと摺動する摺動面41を有するワッシャ40と、を具備し、軸受部材10及び軸受キャップ20は、軸受孔11及び軸受孔21の内周面のうち、クランク軸2の軸線方向における主軸受30とワッシャ40との間の少なくとも一部が、径方向内側に突出するように形成された肉盛り部14及び肉盛り部22を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の軸受構造に関する。
従来、内燃機関の軸受構造の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、軸受ハウジングと、軸受ハウジングの軸受孔に配置されてクランク軸を回転可能に支持する上下一対の半割軸受と、軸受ハウジングの側面における軸受孔の周縁に配置されてクランク軸の軸線方向の力を受ける上下一対のワッシャ(スラストワッシャ)とを具備する軸受装置が開示されている。この軸受装置において、クランク軸と半割軸受との摺動部に供給された潤滑油は、一対の半割軸受の合わせ目を介して、半割軸受の軸線方向外側へと排出され、ワッシャの摺動面に供給される。
しかしながら、特許文献1に記載の軸受装置においては、半割軸受の軸線方向外側へ排出された潤滑油が外部へ排出され易いため、ワッシャの摺動面に潤滑油を十分供給できないおそれがあった。
特開2014−163402号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ワッシャの摺動面に潤滑油を供給し易くすることができる内燃機関の軸受構造を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、一端側から他端側にかけて貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔の内周側にクランク軸を挿通する軸受部と、前記貫通孔の内周面に設けられて前記クランク軸を回転可能に支持する主軸受と、前記軸受部の前記一端側及び前記他端側の少なくとも一方に設けられると共に、前記クランク軸のスラストカラーと摺動する摺動面を有するワッシャと、を具備し、前記軸受部は、前記貫通孔の内周面のうち、前記クランク軸の軸線方向における前記主軸受と前記ワッシャとの間の少なくとも一部が、径方向内側に突出するように形成された肉盛り部を有するものである。
請求項2においては、前記肉盛り部は、前記貫通孔の周方向に沿って延びるように形成されているものである。
請求項3においては、前記肉盛り部は、前記軸線方向に延びる溝部を有するものである。
請求項4においては、前記肉盛り部の内周面は、前記ワッシャの内周面と面一となるように形成されているものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、ワッシャの摺動面に潤滑油を供給し易くすることができる。
請求項2においては、ワッシャの摺動面に潤滑油をより供給し易くすることができる。
請求項3においては、溝部が形成された箇所から、ワッシャの摺動面に潤滑油を案内することができる。
請求項4においては、ワッシャの摺動面に潤滑油を滑らかに供給することができる。
本発明の一実施形態に係る軸受構造を有する軸受装置の一部の分解斜視図。 同じく、横断面図。 (a)軸受部材の正面図。(b)同じく、底面図。 (a)軸受キャップの正面図。(b)同じく、平面図。 軸受装置の正面図。 (a)第二実施形態に係る軸受部材の正面図。(b)同じく、底面図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1から図5を用いて、本発明の一実施形態に係る軸受装置1の構成の概要について説明する。
本発明の一実施形態に係る軸受装置1は、エンジン(内燃機関)に設けられる。軸受装置1は、主としてクランク軸2及び軸受構造3を具備する。
図1及び図2に示すクランク軸2は、正面視において時計回りに回転するように形成される。クランク軸2は、前記エンジンのコンロッド(不図示)に連結される。クランク軸2は、主としてクランクジャーナル2a、クランクアーム2b及びスラストカラー2cを具備する。
クランクジャーナル2aは、クランク軸2の回転軸を構成する部分である。クランクジャーナル2aは、円柱状に形成される。クランクジャーナル2aは、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。
クランクアーム2bは、クランクジャーナル2aとクランクピン(不図示)とを連結する部分である。クランクアーム2bは、上下方向に延びる板状に形成される。クランクアーム2bは、板面を前後方向へ向けた状態で、クランクジャーナル2aの前端及び後端にそれぞれ配置される。なお、図1においては、前側のクランクアーム2bの図示を省略している。
スラストカラー2cは、円環板状に形成される部分である。スラストカラー2cは、クランクジャーナル2aの外周面側に当該クランクジャーナル2aと一体的に形成される。スラストカラー2cは、クランクジャーナル2aの前端及び後端にそれぞれ配置される。
軸受構造3は、クランク軸2を支持するものである。軸受構造3は、軸受部材10、軸受キャップ20、主軸受30及びワッシャ40を具備する。
図1から図3に示す軸受部材10は、シリンダブロック(不図示)の下部に形成されて、後述するクランク軸2を上方から支持する部分である。軸受部材10は、軸受孔11、受座12、内部油路13及び肉盛り部14を具備する。
軸受孔11は、クランク軸2を上方から支持するものである。また、軸受孔11は、後述する主軸受30を収容する部分である。軸受孔11は、軸受部材10を前後方向に貫通するように形成される。軸受孔11は、正面視において下方が開放された半円状に形成される。
受座12は、後述するワッシャ40を収容するものである。受座12は、軸受部材10の前側と後側にそれぞれ形成される。前側の受座12は、軸受部材10の前面から後方へ凹むように形成される。後側の受座12は、軸受部材10の後面から前方へ凹むように形成される。受座12は、正面視(背面視)において、後述する肉盛り部14の内周面の径方向外側に隣接する半円環状に形成される。受座12は、その軸線が軸受孔11の軸線と一致するように形成される。受座12は、その両端部が軸受部材10の下面(後述する軸受キャップ20との対向面)側に開放されるように形成される。
図2及び図3(b)に示す内部油路13は、前記エンジンのオイルポンプ(不図示)から潤滑油をクランク軸2側へ供給するためのものである。内部油路13は、軸受部材10の内部を上下方向に延びるように形成される。内部油路13の下端は、軸受孔11に開口される。
肉盛り部14は、軸受孔11の内周面に形成される凸部である。肉盛り部14は、軸受孔11の内周面が径方向内側に突出するように形成される。肉盛り部14は、軸受孔11の前端及び後端に前後一対形成される。具体的には、肉盛り部14は、軸受孔11の内周面のうち、クランク軸2の軸線方向(前後方向)において、後述する主軸受30と受座12(ワッシャ40)との間に形成される。肉盛り部14は、軸受孔11の周方向に沿って延びるように形成される。肉盛り部14は、正面視において下方が開放された半円環状に形成される。肉盛り部14の内周面は、後述する上側の主軸受30の内周面から突出しないように、且つ、後述するワッシャ40の内周面と面一となるように形成される。前側の肉盛り部14の前面は、前側の受座12の一部とされる。後側の肉盛り部14の後面は、後側の受座12の一部とされる。
図1、図2及び図4に示す軸受キャップ20は、軸受部材10の下方に配置される部分である。軸受キャップ20は、ブロック状に形成される。軸受キャップ20は、軸受部材10と対向するように配置される。具体的には、軸受キャップ20は、その上面が軸受部材10の底面に対向及び当接するように配置される。軸受キャップ20は、軸受孔21及び肉盛り部22を具備する。
軸受孔21は、クランク軸2を下方から支持するものである。また、軸受孔21は、主軸受30を収容する部分である。軸受孔21は、軸受キャップ20の上部を前後方向に貫通するように形成される。軸受孔21は、正面視において上方が開放された半円状に形成される。
肉盛り部22は、軸受孔21の内周面に形成される凸部である。肉盛り部22は、軸受孔21の内周面が径方向内側に突出するように形成される。肉盛り部22は、軸受孔21の前端及び後端に前後一対形成される。具体的には、肉盛り部22は、軸受孔21の内周面のうち、クランク軸2の軸線方向(前後方向)において、下側の主軸受30と軸受キャップ20の前面及び後面との間に形成される。肉盛り部22は、軸受孔11の周方向に沿って延びるように形成される。肉盛り部22は、正面視において上方が開放された半円環状に形成される。肉盛り部22の内周面は、後述する下側の主軸受30の内周面から突出しないように形成される。
図1及び図2に示す主軸受30は、クランク軸2を回転可能に支持するものである。主軸受30は、半円筒状に形成される。主軸受30は、クランク軸2のクランクジャーナル2aの上下にそれぞれ配置される。上側の主軸受30は、前後方向(クランク軸2の軸線方向)において、前後一対の肉盛り部14の間に配置される。下側の主軸受30は、前後方向において、前後一対の肉盛り部22の間に配置される。上側の主軸受30は、開放側を下方に向けて軸受孔11に配置される。下側の主軸受30は、開放側を上方に向けて軸受孔21に配置される。これにより、上側の主軸受30及び下側の主軸受30は、クランクジャーナル2aを上下方向からそれぞれ支持するように配置される。上側の主軸受30には、潤滑油路31及び貫通孔32が形成される。そして、上側の主軸受30及び下側の主軸受30には、面取り部33が形成される。
潤滑油路31は、上側の主軸受30の内周面に形成される溝である。潤滑油路31は、上側の主軸受30の内周面の前後略中央部を周方向に沿って延びるように形成される。
貫通孔32は、潤滑油路31から上側の主軸受30の外周面に貫通する孔である。貫通孔32は、上側の主軸受30の平面視略中央部に形成される。貫通孔32は、上下方向に延びて、軸受部材10に形成される内部油路13と連通する。
面取り部33は、上側の主軸受30及び下側の主軸受30の互いの当接面の内側において切り欠かれた部分である(図5参照)。面取り部33は、前記当接面と主軸受30の内周面とを接続するような斜面として形成される。こうして、面取り部33は、クランクジャーナル2aと上側の主軸受30及び下側の主軸受30との間に、正面視において頂点を外方へ向けた略二等辺三角形状となる空間を形成する。前記空間は、クランクジャーナル2aの左右両側に形成される。前記空間の内部において、クランク軸2の軸線方向に沿って潤滑油が流通可能となる。
図1、図2及び図5に示すワッシャ40は、クランク軸2の軸線方向の力を受けるものである。ワッシャ40は、板面を前後方向へ向けた半円環板状に形成される。ワッシャ40は、一方側の板面がクランク軸2のスラストカラー2cと対向するように、前側の受座12及び後側の受座12にそれぞれ嵌合される。ワッシャ40は、開放側を下方に向けて配置される。ワッシャ40は、その軸線がクランク軸2の軸線と一致するように配置される。ワッシャ40は、その厚みが受座12の深さよりも大きくなるように形成される。ワッシャ40は、摺動面41、周方向端面42、スラストリリーフ43、上流側油溝44及び下流側油溝45を具備する。なお、以下においては、特に断りがない限り、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ40について説明する。軸受部材10の後側に配置されるワッシャ40は、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ40と同じ形状に形成され、前後で対称となるように配置される。
摺動面41は、ワッシャ40の前側の板面であって、スラストカラー2cと対向する面である。ワッシャ40の厚みが受座12の深さよりも大きいため、摺動面41は、軸受部材10の前面よりも前方に位置(突出)し、クランク軸2の回転の際にスラストカラー2cと摺動するように形成される。また、摺動面41は、クランク軸2の軸線方向の力を受けるように形成される。
周方向端面42は、ワッシャ40の周方向における端面である。周方向端面42は、ワッシャ40の左右両側の周方向端部それぞれに形成される。周方向端面42は、水平方向に対して平行となるように形成される。
スラストリリーフ43は、正面視において周方向端面42と隣接する部分に形成される面取り部である。スラストリリーフ43は、摺動面41側に形成される。スラストリリーフ43は、ワッシャ40の周方向において周方向端面42側に向かうに従い薄肉となるように形成される。
上流側油溝44は、潤滑油を適宜案内するものである。上流側油溝44は、摺動面41が凹むことにより形成される。上流側油溝44は、その一端(下端)がワッシャ40の内周面側に開放されるように形成される。上流側油溝44は、その他端(上端)がワッシャ40の外周面側に開放されるように形成される。上流側油溝44は、ワッシャ40の内周面から外周面まで上下方向に延びるように形成される。上流側油溝44は、摺動面41のうちクランク軸2の回転方向上流側(以下、単に上流側という)の領域(正面視においてワッシャ40の中心よりも左側の領域)に形成される。
下流側油溝45は、潤滑油を適宜案内するものである。下流側油溝45は、摺動面41が凹むことにより形成される。下流側油溝45は、その一端(下端)がワッシャ40の内周面側に開放されるように形成される。下流側油溝45は、その他端(上端)がワッシャ40の外周面側に開放されるように形成される。下流側油溝45は、ワッシャ40の内周面から外周面まで上下方向に延びるように形成される。下流側油溝45は、摺動面41のうちクランク軸2の回転方向下流側(以下、単に下流側という)の領域(正面視においてワッシャ40の中心よりも右側の領域)に形成される。
このように構成される軸受装置1においては、上側の主軸受30の前面と、前側のスラストカラー2cと、クランクジャーナル2aと、前側の肉盛り部14及びワッシャ40の内周面とに囲まれた領域に、内周隙間G1が形成される(図2、図3及び図5参照)。また、上側の主軸受30の後面と、後側のスラストカラー2cと、クランクジャーナル2aと、後側の肉盛り部14及びワッシャ40の内周面とに囲まれた領域にも、内周隙間G1が形成される。
また、下側の主軸受30の前面と、前側のスラストカラー2cと、クランクジャーナル2aと、前側の肉盛り部22の内周面とに囲まれた領域に、内周隙間G2が形成される(図2、図4及び図5参照)。また、下側の主軸受30の後面と、後側のスラストカラー2cと、クランクジャーナル2aと、後側の肉盛り部22の内周面とに囲まれた領域にも、内周隙間G2が形成される。
次に、図2及び図5を用いて、潤滑油が流れる流路について説明する。なお、以下においては、特に断りがない限り、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ40における潤滑油の流路について説明する。
前記エンジンのオイルポンプ(不図示)から吐出された潤滑油は、軸受部材10の内部油路13を流通する。次に、潤滑油は、主軸受30の貫通孔32を流通し、潤滑油路31に供給される。潤滑油路31に供給された潤滑油の一部は、当該潤滑油路31に沿って(主軸受30の周方向に沿って)流通すると共に、主軸受30の摺動面(主軸受30の内周面とクランクジャーナル2aの外周面との間)に供給される。また、潤滑油路31に供給された潤滑油の他の一部は、図示せぬクランク軸2の内部油路を流通してクランクピン(不図示)に供給される。また、潤滑油路31に供給された潤滑油の他の一部は、上側と下側の主軸受30の当接面同士の隙間(特に、面取り部33により形成された前記空間)を前後方向へ流通して、内周隙間G1に流出する。
内周隙間G1に流出した潤滑油は、当該内周隙間G1を前方へ流通する。ここで、肉盛り部14の内周面とワッシャ40の内周面とが面一に形成されているので、潤滑油は内周隙間G1を滑らかに流通することができる。また、内周隙間G1に流出した潤滑油は、前方へ流通すると共に、クランク軸2の回転に引き摺られて、当該内周隙間G1をクランク軸2の回転方向に沿って流通する。
ここで、軸受孔11の内周面には肉盛り部14が形成されているので、内周隙間G1の容積は、肉盛り部14が形成されていない場合と比べて狭くなるように形成されている。このため、潤滑油は内周隙間G1をすぐに満たすことができる。また、内周隙間G1における流路が狭いため、潤滑油は内周隙間G1から外部へ排出され難い。このため、内周隙間G1からの漏れ油量を低減することができる。その結果、内周隙間G1において潤滑油は、給油圧力(オイルポンプから供給された油圧)を保持した状態で当該内周隙間G1に満たされた状態となっている。
このようにして内周隙間G1を満たしている潤滑油の一部は、クランク軸2の回転による遠心力等により、上流側油溝44に進入する。当該潤滑油は、上流側油溝44を介して、上流側油溝44の下流側に隣接する摺動面41に供給される。当該潤滑油は、当該摺動面41をクランク軸2の回転方向に沿って流通する。また、上流側油溝44に進入した潤滑油の一部は、当該上流側油溝44に沿ってワッシャ40の径方向外側へ流通した後、クランク軸2の回転に伴ってワッシャ40の外周面に沿って流通する。
上流側油溝44の下流側に隣接する摺動面41を流通する潤滑油は、クランク軸2の回転方向に沿って流通し、その大部分は下流側油溝45を通過して、そのまま下流側油溝45の下流側に隣接する摺動面41に供給される。また、ワッシャ40の外周面に沿って流通する潤滑油は、下流側油溝45に進入し、当該下流側油溝45を介して、下流側油溝45の下流側に隣接する摺動面41に供給される。当該潤滑油は、クランク軸2の回転方向に沿って流通し、軸受キャップ20側に進入する。
ここで、前述の如く、内周隙間G1は潤滑油で満たされているため、ワッシャ40の摺動面41へと供給する潤滑油が常に確保されている。よって、ワッシャ40の摺動面41へ潤滑油を供給し易くすることができる。さらに、内周隙間G1内の潤滑油は、給油圧力を保持した状態で内周隙間G1に満たされており、その給油圧力を保持したままワッシャ40の摺動面41へと供給される。したがって、ワッシャ40の摺動面41において油膜形成を容易とすることができる。
軸受キャップ20の前面へと進入した潤滑油は、クランク軸2の回転に引き摺られて、クランク軸2の下方を流通する。クランク軸2の下方を流通する潤滑油の一部は、そのまま下側の軸受キャップ20の前面を流通し、軸受部材10と軸受キャップ20との左側の合わせ部付近へと到達する。当該潤滑油の一部は、左側のスラストリリーフ43を介して、ワッシャ40の摺動面41へと供給される。
一方、内周隙間G1を流通する潤滑油は、クランク軸2の回転に引き摺られて、そのまま軸受キャップ20側に形成された内周隙間G2に進入する。
内周隙間G2に進入した潤滑油及び右側の面取り部33により形成された空間から内周隙間G2に流出した潤滑油は、クランク軸2の回転に引き摺られて、当該内周隙間G2をクランク軸2の回転方向に沿って流通し、軸受部材10と軸受キャップ20との左側の合わせ部へと到達する。当該潤滑油の一部は、左側のスラストリリーフ43を介して、ワッシャ40の摺動面41へと供給され、当該潤滑油の他の一部は再び内周隙間G1へと戻る。
ここで、軸受孔21の内周面には肉盛り部22が形成されているので、内周隙間G2の容積は、肉盛り部22が形成されていない場合と比べて狭くなるように形成されている。このため、潤滑油は内周隙間G2をすぐに満たすことができる。また、内周隙間G2における流路が狭いため、潤滑油は内周隙間G2から外部へ排出され難い。このため、内周隙間G2からの漏れ油量を低減することができる。したがって、内周隙間G2から内周隙間G1へ戻す潤滑油の量を増加させることができる。その結果、内周隙間G1において、給油圧力を保持した状態で潤滑油を満たすことができ、ひいては、潤滑油を、給油圧力を保持したままワッシャ40の摺動面41へと供給することができる。
また、内周隙間G1及び内周隙間G2に潤滑油が満たされていることにより、潤滑油が主軸受30の摺動面に引き込まれ易くなる。主軸受30の摺動面に引き込まれた潤滑油は、早期に昇温し、粘度が低下する。これにより、エンジンを低燃費化することができる。
以上の如く、本実施形態に係る軸受構造3は、一端側から他端側にかけて貫通する軸受孔11及び軸受孔21(貫通孔)を有し、前記軸受孔11及び軸受孔21の内周側にクランク軸2を挿通する軸受部材10及び軸受キャップ20(軸受部)と、前記軸受孔11及び軸受孔21の内周面に設けられて前記クランク軸2を回転可能に支持する主軸受30と、前記軸受部材10の前記一端側及び前記他端側の少なくとも一方に設けられると共に、前記クランク軸2のスラストカラー2cと摺動する摺動面41を有するワッシャ40と、を具備し、前記軸受部材10及び軸受キャップ20は、前記軸受孔11及び軸受孔21の内周面のうち、前記クランク軸2の軸線方向における前記主軸受30と前記ワッシャ40との間の少なくとも一部が、径方向内側に突出するように形成された肉盛り部14及び肉盛り部22を有するものである。
このように構成されることにより、ワッシャ40の摺動面41に潤滑油を供給し易くすることができる。
具体的には、軸受孔11及び軸受孔21の内周面に肉盛り部14及び肉盛り部22が形成されていることにより、主軸受30とワッシャ40との間に形成される内周隙間G1、G2の容積を小さくすることができる。これにより、上下の主軸受30の合わせ目から流出した潤滑油により、内周隙間G1、G2はすぐに満たされ、且つ、内周隙間G1、G2からの漏れ油量は低減される。したがって、給油圧力を保持したまま、潤滑油をワッシャ40の摺動面41に供給することができる。
また、前記肉盛り部14は、前記軸受孔11の周方向に沿って延びるように形成されているものである。
このように構成されることにより、ワッシャ40の摺動面41に潤滑油をより供給し易くすることができる。
また、前記肉盛り部14の内周面は、前記ワッシャ40の内周面と面一となるように形成されているものである。
このように構成されることにより、ワッシャ40の摺動面41に潤滑油を滑らかに供給することができる。
なお、本実施形態に係る軸受部材10及び軸受キャップ20は、本発明に係る軸受部の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、軸受部材10及び軸受キャップ20にそれぞれ肉盛り部14及び肉盛り部22が形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受部材10にのみ肉盛り部14が形成されるものであってもよく、或いは軸受キャップ20にのみ肉盛り部22が形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、肉盛り部14は、軸受孔11の全周に亘って(周方向に沿って半円環状に)形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受孔11の周方向における一部に形成されるものであってもよい。また、肉盛り部22は、軸受孔21の全周に亘って(周方向に沿って半円環状に)形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受孔21の周方向における一部に形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、肉盛り部14は、前後方向において主軸受30のすぐ前方からワッシャ40のすぐ後方にかけて形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前後方向において主軸受30とワッシャ40の間の一部に形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、肉盛り部22は、軸受孔21の内周面のうち、主軸受30と軸受キャップ20の端面(前面及び後面)との間の全体が突出するように形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受孔21の内周面のうち、主軸受30と軸受キャップ20の端面との間の一部が突出するように形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、肉盛り部14の内周面は、ワッシャ40の内周面と面一となるように形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ワッシャ40の内周面よりも径方向内側であってもよく、或いは径方向外側であってもよい。
また、本実施形態においては、軸受部材10及び軸受キャップ20はそれぞれ別部材としたが、一体に形成されていてもよい。これに伴い、軸受孔11及び軸受孔21も同様に、一体に形成されていてもよい。
次に、図6を用いて、本発明の第二実施形態について説明する。
第二実施形態が、第一実施形態と異なる点は、軸受部材10に代えて、軸受部材50を具備する点である。よって以下では、第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示す軸受部材50は、第一実施形態に係る軸受部材10と同様に、シリンダブロック(不図示)の下部に形成されて、クランク軸2を上方から支持する部分である。軸受部材50は、軸受孔11、受座12、内部油路13及び肉盛り部14を具備する。肉盛り部14には、溝部14aが形成される。
溝部14aは、肉盛り部14に形成される凹状部である。溝部14aは、肉盛り部14の内周面が凹むことにより形成される。溝部14aは、肉盛り部14の左右中央部に、クランク軸2の軸線方向(前後方向)に直線状に延びるように形成される。溝部14aは、肉盛り部14を前後方向に貫通するように形成される。
このように溝部14aが形成されることにより、溝部14aが形成された箇所は内周隙間G1が他の箇所に比べて広く形成される。このため、潤滑油は、溝部14aが形成された箇所からワッシャ40側へ流通し易くなる。このように、適宜の位置に溝部14aを形成することにより、ワッシャ40への給油位置を調整することができる。さらに、溝部14aの上面をワッシャ40の内周面と面一とすれば、潤滑油を滑らかにワッシャ40の摺動面41へと案内することができる。
以上の如く、第二実施形態においては、前記肉盛り部14は、前記軸線方向に延びる溝部14aを有するものである。
このように構成されることにより、溝部14aが形成された箇所から、ワッシャ40の摺動面41に潤滑油を案内することができる。
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第二実施形態においては、溝部14aはクランク軸2の軸線方向(前後方向)に直線状に延びるように形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、曲線状やジグザグ状に形成されるものであってもよい。また、溝部14aは、肉盛り部14を前後方向に貫通するものとしたが、一端側のみ貫通するものであってもよく、或いは両端部が肉盛り部14の前後中途部に位置する(肉盛り部14の前後面と連通していない)ものであってもよい。
また、溝部14aは、肉盛り部14の左右中央部に形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、肉盛り部14の任意の位置に形成することができる。
3 軸受構造
10、50 軸受部材
11 軸受孔
14 肉盛り部
14a 溝部
20 軸受キャップ
21 軸受孔
22 肉盛り部
30 主軸受
40 ワッシャ
41 摺動面

Claims (4)

  1. 一端側から他端側にかけて貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔の内周側にクランク軸を挿通する軸受部と、
    前記貫通孔の内周面に設けられて前記クランク軸を回転可能に支持する主軸受と、
    前記軸受部の前記一端側及び前記他端側の少なくとも一方に設けられると共に、前記クランク軸のスラストカラーと摺動する摺動面を有するワッシャと、
    を具備し、
    前記軸受部は、
    前記貫通孔の内周面のうち、前記クランク軸の軸線方向における前記主軸受と前記ワッシャとの間の少なくとも一部が、径方向内側に突出するように形成された肉盛り部を有する、
    内燃機関の軸受構造。
  2. 前記肉盛り部は、前記貫通孔の周方向に沿って延びるように形成されている、
    請求項1に記載の内燃機関の軸受構造。
  3. 前記肉盛り部は、前記軸線方向に延びる溝部を有する、
    請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の軸受構造。
  4. 前記肉盛り部の内周面は、前記ワッシャの内周面と面一となるように形成されている、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の内燃機関の軸受構造。
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