JP2017160443A - 絶縁樹脂材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、寸法安定性が高く、かつ反りが小さい絶縁樹脂材料を提供すること。
【解決手段】熱硬化性樹脂、無機充填材およびガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂を含む絶縁樹脂材料であって、前記無機充填材の含有量が絶縁樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し50〜95質量%である絶縁樹脂材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁樹脂材料に関する。更に当該絶縁樹脂材料を用いたプリント配線板、ウエハレベルチップサイズパッケージ等の回路基板に関するものである。
プリント配線板、ウエハレベルチップサイズパッケージ等の回路基板に用いる絶縁樹脂材料には、基板の反りを抑えるために低弾性率の材料が求められる。例えば、特許文献1には、低弾性率の熱硬化性樹脂組成物として、特定の線状変性ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このような低弾性率の絶縁樹脂材料は、一般に線熱膨張係数が高くなり寸法安定性が劣るという問題がある。回路基板は、室温のような低温、リフローのような高温など様々な環境にさらされるため、線熱膨張係数が高く寸法安定性が劣ると、回路基板中の絶縁樹脂材料が膨張や収縮を繰り返し、その歪みによってクラックが生じてしまう。線熱膨張係数を低く抑える手法としては、絶縁樹脂材料に大量の無機充填材を配合する方法が知られている。しかし、絶縁樹脂材料に大量の無機充填材を配合すると、今度は絶縁樹脂材料の弾性率が高くなるため、反りを抑えることが困難となってしまう。低弾性率と低線熱膨張係数の双方の要求を満たす実用的な絶縁樹脂材料は必ずしも満足のいくものがないのが現状であった。
特開2006−37083号公報
上記点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、寸法安定性が高く、かつ反りが小さい、絶縁樹脂材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、熱硬化性樹脂と特定の高分子樹脂を含む絶縁樹脂材料において、大量の無機充填材を配合した場合でも、弾性率の上昇が抑えられ、低弾性率と低線熱膨張係数の双方の特性に優れた絶縁樹脂材料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
〔1〕 熱硬化性樹脂、無機充填材およびガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂を含む絶縁樹脂材料であって、前記無機充填材の含有量が絶縁樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し50〜95質量%である、絶縁樹脂材料。
〔2〕 前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線熱膨張係数が3〜30ppm/℃であり、かつ150℃〜220℃における線熱膨張係数が5〜32ppm/℃であり、前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃における弾性率が0.5〜14GPaである、〔1〕記載の絶縁樹脂材料。
〔3〕 前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線熱膨張係数が3〜10ppm/℃であり、かつ150℃〜220℃における線熱膨張係数が5〜15ppm/℃であり、前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃における弾性率が0.5〜6GPaである、〔1〕又は〔2〕記載の絶縁樹脂材料。
〔4〕 前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線膨張係数をA(ppm/℃)とし、150℃〜220℃における線熱膨張係数をB(ppm/℃)とした場合、0≦B−A≦15である、〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔5〕 前記絶縁樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線膨張係数をA(ppm/℃)とし、150℃〜220℃における線熱膨張係数をB(ppm/℃)とした場合、0≦B−A≦4である、〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔6〕 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、〔1〕〜〔5〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔7〕 前記熱硬化性樹脂が液状エポキシ樹脂である、〔1〕〜〔6〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔8〕 前記熱硬化性樹脂の含有量が、絶縁樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、1〜15質量%である、〔1〕〜〔7〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔9〕 前記無機充填材がシリカである、〔1〕〜〔8〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔10〕 前記高分子樹脂の数平均分子量が300〜100000である、〔1〕〜〔9〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔11〕 前記高分子樹脂の数平均分子量が8000〜20000である、〔1〕〜〔10〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔12〕 前記高分子樹脂がブタジエン骨格、カーボネート骨格、アクリル骨格およびシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有する、〔1〕〜〔11〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔13〕 前記高分子樹脂がブタジエン骨格、イミド骨格およびウレタン骨格を有する、〔1〕〜〔12〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔14〕 前記高分子樹脂の含有量が、絶縁樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、1〜30質量%である、〔1〕〜〔13〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料。
〔15〕 〔1〕〜〔14〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料が支持体上に層形成されてなる接着フィルム。
〔16〕 〔1〕〜〔14〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料を熱硬化してなるシート状硬化物。
〔17〕 〔1〕〜〔14〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料をシリコンウェハ上に層形成し、熱硬化させることで、シリコンウェハ上にシート状硬化物を形成したときの25℃における反り量が0〜5mmである、〔16〕記載のシート状硬化物。
〔18〕 〔1〕〜〔14〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料を用いてなるプリント配線板。
〔19〕 〔16〕又は〔17〕記載のシート状硬化物上に導体層が形成されているプリント配線板。
〔20〕 〔1〕〜〔14〕のいずれか記載の絶縁樹脂材料を用いてなるウエハレベルチップサイズパッケージ。
〔21〕 〔16〕又は〔17〕記載のシート状硬化物上に導体層が形成されているウエハレベルチップサイズパッケージ。
本発明によれば、寸法安定性が高く、かつ反りが小さい絶縁樹脂材料を提供される。
〔絶縁樹脂材料〕
本発明の絶縁樹脂材料は、熱硬化性樹脂、無機充填材及びガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂を含有する樹脂組成物であり、さらに必要に応じて硬化促進剤、他の成分等を含んでいてもよい。以下に詳細を述べる。
(a)熱硬化性樹脂
本発明に使用される熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂等が挙げられる。なかでも、メッキ密着性向上という点で、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有するのが好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂より選択される1種以上を用いることが好ましい。また、エポキシ樹脂は液状エポキシ樹脂を含むことで弾性率をより低下させ、反りを小さくすることができる。液状エポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状の芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明でいう芳香族系エポキシ樹脂とは、その分子内に芳香環構造を有するエポキシ樹脂を意味する。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂全体を100質量部としたとき、液状エポキシ樹脂が60〜100質量部が好ましく、75〜100質量部が好ましく、85〜100質量部が更に好ましい。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノール樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、トリアジン骨格含有フェノール樹脂等が挙げられる。フェノールノボラック樹脂としては、例えば、DIC(株)製「TD2090」等が挙げられる。ビフェニル骨格含有フェノール樹脂としては、例えば、明和化成(株)製「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」等が挙げられる。ナフタレン骨格含有フェノール樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製「NHN」、「CBN」および「GPH」;新日鐵化学(株)製「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」および「SN395」;DIC(株)製「EXB9500」;等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤としては、例えば、DIC(株)製「LA3018」、「LA7052」、「LA7054」、「LA1356」等が挙げられる。
シアネートエステル樹脂としては、特に制限はないが、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル樹脂、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。市販されているシアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、PT30S、シアネート当量124)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、BA230S、シアネート当量232)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系樹脂としては、例えば、四国化成(株)製「B−a型ベンゾオキサジン」、「B−m型ベンゾオキサジン」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の含有量は、絶縁樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、1〜15質量%が好ましく、2〜13質量%がより好ましく、3〜11質量%が更に好ましい。
(b)無機充填材
本発明の絶縁樹脂材料は、無機充填材を含有することにより、線熱膨張係数を低下させることができる。無機充填材としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、球状シリカ等のシリカが好ましく、充填性を高める点から溶融シリカ、球状シリカがより好ましく、球状溶融シリカが更に好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。市販されている球状溶融シリカとして、(株)アドマテックス製「SOC2」、「SOC1」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、絶縁層表面の粗化処理後に微細配線形成を可能とするために低粗度にする必要があるという観点、レーザー加工によるビア形状が良好になるという観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましく、1μm以下が更に一層好ましく、0.8μm以下が殊更好ましく、0.6μm以下が特に好ましい。一方、樹脂組成物を樹脂ワニスとした場合に、ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましく、0.07μm以上が更に一層好ましく、0.1μm以上が殊更好ましい。上記無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−950等を使用することができる。
無機充填材の含有量は、硬化物の線熱膨張係数を低くするため、絶縁樹脂材料中の不揮発成分100質量%に対し50質量%以上となる。本発明の絶縁樹脂材料は、線熱膨張係数を高めても、弾性率を低く維持することができるため、無機充填材の含有量を60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上と高めることができる。一方、硬化物が脆くなるのを防止する点や粗化処理後の絶縁層表面を低粗度にするという点から、絶縁樹脂材料中の不揮発成分100質量%に対し95質量%以下となり、好ましくは90質量%以下である。
無機充填材は、表面処理剤で表面処理することが好ましく、具体的には、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、アクリレートシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物及びチタネート系カップリング剤より選択される1種以上の表面処理剤で表面処理することがより好ましい。これにより、無機充填材の分散性や耐湿性を向上させることが出来る。
具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系カップリング剤、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン系カップリング剤、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジエトキシシラン等のアクリレートシラン系カップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン系カップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、t-ブチルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサオクチルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジ−n−オクチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジメチルテトラフェニルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、1,3−ジプロピルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラザン、テトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物、テトラ-n-ブチルチタネートダイマー、チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブチルチタネート、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらのなかでもアミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物が好ましく、アミノシラン系カップリング剤がより好ましい。市販品としては、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤で表面処理された無機充填材は、無機充填材を表面処理剤により表面処理した後、樹脂組成物に添加することが好ましい。この場合には、無機充填材の分散性をより一層高めることが出来る。
表面処理剤で表面処理された無機充填材への表面処理方法は、特に限定されないが、乾式法や湿式法が挙げられる。乾式法としては、回転ミキサーに無機充填材を仕込んで、攪拌しながら表面処理剤のアルコール溶液又は水溶液を滴下又は噴霧した後、さらに攪拌し、ふるいにより分級する。その後、加熱により表面処理剤と無機充填材とを脱水縮合させることにより得ることができる。湿式法としては、無機充填材と有機溶媒とのスラリーを攪拌しながら表面処理剤を添加し、攪拌した後、濾過、乾燥及びふるいによる分級を行う。その後、加熱により表面処理剤と無機充填材とを脱水縮合させることにより得ることができる。さらに、樹脂組成物中に表面処理剤を添加するインテグラルブレンド法でも可能である。
(c)ガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂
本発明の絶縁樹脂材料は、ガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂を含有することにより、硬化物の弾性率を低下させることができ、更には導体層と絶縁層とのピール強度を向上させることができる。また、ガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂は、25℃〜220℃の広い温度領域において線熱膨張係数が変化しにくく、硬化物の線熱膨張係数の差を低く抑えることができる。このため、ガラス転移温度は20℃以下がより好ましく、10℃以下が更に好ましい。ガラス転移温度の下限値は特に限定されないが、一般的に−30℃以上となる。
ガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂としては、特に限定されないが、ブタジエン骨格、アミド骨格、イミド骨格、アセタール骨格、カーボネート骨格、エステル骨格、ウレタン骨格、アクリル骨格またはシロキサン骨格等を有する高分子樹脂が挙げられる。なかでもより柔軟性、密着性を有する点から、ブタジエン骨格、カーボネート骨格、アクリル骨格およびシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有する高分子樹脂を用いることが好ましく、更に耐熱性と相溶性を向上させる点で、ブタジエン骨格、カーボネート骨格、アクリル骨格およびシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格、かつアミド骨格、イミド骨格およびウレタン骨格から選択される1種以上の骨格、を有する高分子樹脂がより好ましい。更に好ましくはブタジエン骨格、イミド骨格およびウレタン骨格を有する高分子樹脂、アクリル骨格を有する高分子樹脂、イミド骨格およびシロキサン骨格を有する高分子樹脂である。また、ブタジエン骨格を有する高分子樹脂においては、高分子樹脂中のブタジエン骨格の含有量が45〜90質量%(好ましくは60〜80質量%)であるものが好ましい。シロキサン骨格を有する高分子樹脂においては、高分子中のシロキサン骨格の含有量が40〜80質量%(好ましくは50〜75質量%)であるものが好ましい。
ここで、上記高分子樹脂のガラス転移温度の測定は、次のようにして行うことができる。高分子樹脂をPETフィルム上に、塗布し、180℃で90分間加熱することで溶剤を乾燥させ、フィルム形状とする。そのフィルムを、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置エスアイアイナノテクノロジー株式会社製「EXSTAR TMA/SS6000」を使用して、引張加重法で熱機械分析を行う。具体的には、試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定し、2回目の測定からTgを算出する。
上記高分子樹脂の数平均分子量は300〜100000の範囲であるのが好ましく、800〜80000の範囲であるのがより好ましく、1500〜60000の範囲であるのが更に好ましく、5000〜40000の範囲であるのが更に一層好ましく、8000〜20000の範囲であるのが特に好ましい。数平均分子量をこの範囲とすることで、絶縁樹脂材料中の相溶性や柔軟性を両立することができる。なお本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
具体例としては、ブタジエン骨格を有する高分子樹脂(日本曹達(株)製「G−1000」、「G−3000」、「GI−1000」、「GI−3000」、出光石油化学(株)製「R−45EPI」、ダイセル化学工業(株)製「PB3600」、「エポフレンドAT501」、クレイバレー社製「Ricon130」、「Ricon142」、「Ricon150」、「Ricon657」、「Ricon130MA」)、ブタジエン骨格とポリイミド骨格を有する高分子樹脂(特開2006−37083号公報記載のもの)、アクリル骨格を有する高分子樹脂(ナガセケムテックス(株)製「SG−P3」、「SG−600LB」、「SG−280」、「SG−790」、「SG−K2」、根上工業(株)製「SN−50」、「AS−3000E」、「ME−2000」)などが挙げられる。
上記高分子樹脂の含有量は、硬化物の弾性率を低くするため、絶縁樹脂材料中の不揮発成分100質量%に対し1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの相溶性を損なわずに均一な硬化物の作製を可能にするという観点から、絶縁樹脂材料中の不揮発成分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
(d)硬化促進剤
本発明の絶縁樹脂材料は、さらに硬化促進剤を含有することにより、熱硬化性樹脂を効率よく硬化させることができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物およびイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(以下、DBUと略記する。)等のアミン化合物等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。
ホスホニウム系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
硬化促進剤を使用する場合、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。
(e)他の成分
本発明の絶縁樹脂材料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー、ゴム粒子等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等の難燃剤、等を挙げることができる。
本発明の絶縁樹脂材料は、上記成分を適宜混合し、また、必要に応じて三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または混合することにより調整することができる。また、さらに有機溶剤を加えることで樹脂ワニスとしても調整することができる。
本発明の絶縁樹脂材料においては、硬化物の寸法安定性を高めながらも、反りを小さくすることができるという優れた性能を発揮することが可能となるため、絶縁樹脂材料を熱硬化してなるシート状硬化物として用いることが好適である。なお、シート状硬化物とは絶縁樹脂材料がシート状に熱硬化されていればよく、回路基板に積層されているものもシート状硬化物となる。
本発明の絶縁樹脂材料の硬化物は、寸法安定性を高めるため、25℃〜150℃における線熱膨張係数が3〜30ppm/℃であり、かつ150℃〜220℃における線熱膨張係数が5〜32ppm/℃であることが好ましい。25℃〜150℃における線熱膨張係数の上限値は25ppm/℃以下がより好ましく、20ppm/℃以下が更に好ましく、15ppm/℃以下が更に一層好ましく、10ppm/℃以下が特に好ましい。一方、25℃〜150℃における線熱膨張係数の下限値は特に限定されず、3ppm/℃以上、4ppm/℃以上、5ppm/℃以上などとなる。また、150℃〜220℃における線熱膨張係数の上限値は30ppm/℃以下がより好ましく、25ppm/℃以下が更に好ましく、20ppm/℃以下が更に一層好ましく、15ppm/℃以下が特に好ましい。一方、150℃〜220℃における線熱膨張係数の下限値は特に限定されず、5ppm/℃以上、6ppm/℃以上、7ppm/℃以上などとなる。
本発明の絶縁樹脂材料の硬化物は、25℃〜150℃かつ150℃〜220℃において、線熱膨張係数の差を小さくして寸法安定性を更に高めるため、25℃〜150℃における線膨張係数をA(ppm/℃)とし、150℃〜220℃における線熱膨張係数をB(ppm/℃)とした場合、0≦B−A≦15とすることが好ましい。より好ましくは0≦B−A≦12であり、更に好ましくは0≦B−A≦9であり、更に一層好ましくは0≦B−A≦6であり、特に好ましくは0≦B−A≦4である。
本発明の絶縁樹脂材料の硬化物は、反りを小さくするため、25℃における弾性率が0.5〜14GPaであることが好ましい。25℃における弾性率の上限値は12GPa以下がより好ましく、10GPa以下が更に好ましく、8GPa以下が更に一層好ましく、6GPa以下が特に好ましい。一方、25℃における弾性率の下限値は特に限定されず、1GPa以上、2GPa以上、3GPa以上などとなる。
本発明のシート状硬化物の反り量については、次のようにして確認する。厚み100μm、直径100mmの円形シリコンウェハを用意し、絶縁樹脂材料をシリコンウェハ上に層形成し、熱硬化させることで、シリコンウェハ上にシート状硬化物を形成する。次に、シリコンウェハ上にシート状硬化物が形成されている積層物を、室温(25℃)で、平らな机上にシリコンウェハを下にして、硬化物の上から一端を指で押さえつける。そして、対角線上のシリコンウェハ端部と平らな机上との距離を測定することで反り量を求めることができる。該積層物の25℃における反り量は0〜5mmが好ましい。
本発明の絶縁樹脂材料の形態としては、特に限定されないが、接着フィルム、プリント配線板やウエハレベルチップサイズパッケージ等の回路基板に適用することが好適である。本発明の絶縁樹脂材料は、ワニス状態で回路基板に塗布して絶縁層を形成することもできるが、工業的には一般に、接着フィルムの形態で用いるのが好ましい。
〔接着フィルム〕
本発明の接着フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に絶縁樹脂材料を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて、支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて、支持体上に樹脂組成物層を形成させることにより、絶縁樹脂材料が支持体上に層形成されてなる接着フィルムとして製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は2種以上を組みわせて用いてもよい。
乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有量(残留溶媒量)が1〜10質量%以下、好ましくは2〜6質量%以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムにおいて形成される樹脂組成物層の厚さは、導体層の厚さ以上とするのが好ましい。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層は10〜200μmの厚さを有するのが好ましく、薄膜化の観点から15〜100μmがより好ましく、20〜60μmが更に好ましい。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。また離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを使用してもよい。中でも、汎用性の点から、プラスチックフィルムが好ましく、PETフィルムがより好ましい。支持体及び後述する保護フィルムには、マッド処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤で離型処理が施してあってもよい。支持体の厚さは特に限定されないが、10〜150μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
樹脂組成物層の支持体が密着していない面には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜40μm、好ましくは5〜20μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって貯蔵することもできる。
〔プリント配線板〕
本発明のプリント配線板としては、リジッド回路基板、フレキシブル回路基板、片面積層基板、薄物基板等が挙げられる。上記のようにして製造した接着フィルムを用いてプリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
まず、接着フィルムを真空ラミネーターを用いて内層回路基板の片面又は両面にラミネート(積層)する。内層回路基板に用いられる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで内層回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。また導体層と絶縁層とを交互に積層してなる多層プリント配線板において、該多層プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターン加工された導体層(回路)となっているものも、ここでいう内層回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。
上記ラミネートにおいて、接着フィルムが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じて接着フィルム及び回路基板をプレヒートし、接着フィルムを加圧及び加熱しながら回路基板にラミネートする。本発明の接着フィルムにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネートの条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力(ラミネート圧力)を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)とし、圧着時間(ラミネート時間)を好ましくは5〜180秒とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。真空ラミネートは、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
接着フィルムを内層回路基板にラミネートした後、室温付近に冷却してから、支持体を剥離する場合は剥離し、樹脂組成物を熱硬化して硬化物を形成することで、内層回路基板上に絶縁層を形成することができる。熱硬化の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃〜220℃で20分〜180分、より好ましくは160℃〜210℃で30〜120分の範囲で選択される。絶縁層を形成した後、硬化前に支持体を剥離しなかった場合は、必要によりここで剥離することもできる。絶縁層の厚みは、接着フィルムにおいて形成される樹脂組成物層の厚さと同様に、10〜200μmの厚さを有するのが好ましく、薄膜化の観点から15〜100μmがより好ましく、20〜60μmが更に好ましい。
次いで、内層回路基板上に形成された絶縁層に穴開け加工を行ってビアホール、スルーホールを形成する。穴あけ加工は、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、また必要によりこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけ加工が最も一般的な方法である。穴あけ加工前に支持体を剥離しなかった場合は、ここで剥離することになる。
次いで、絶縁層表面に粗化処理を行う。乾式の粗化処理の場合はプラズマ処理等が挙げられ、湿式の粗化処理の場合は膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理及び中和液による中和処理をこの順に行う方法が挙げられる。湿式の粗化処理の方が、絶縁層表面に凸凹のアンカーを形成しながら、ビアホール内のスミアを除去することができる点で好ましい。膨潤液による膨潤処理は、絶縁層を50〜80℃で5〜20分間(好ましくは55〜70℃で8〜15分間)、膨潤液に浸漬させることで行われる。膨潤液としてはアルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が挙げられる。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP(Swelling Dip Securiganth P)、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU(Swelling Dip Securiganth SBU)等を挙げることができる。酸化剤による粗化処理は、絶縁層を60〜80℃で10〜30分間(好ましくは70〜80℃で15〜25分間)、酸化剤溶液に浸漬させることで行われる。酸化剤としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等を挙げることができる。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5〜10重量%とするのが好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のコンセントレート・コンパクト CP、ドージングソリューション セキュリガンスP等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。中和液による中和処理は、30〜50℃で3〜10分間(好ましくは35〜45℃で3〜8分間)、中和液に浸漬させることで行われる。中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、アトテックジャパン(株)製のリダクションソリューシン・セキュリガントPが挙げられる。
粗化処理後の絶縁層表面の算術平均粗さ(Ra)は、微細配線形成の点とピール強度の安定化の点から、220〜1000nmが好ましく、300〜800nmがより好ましい。具体的には、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値を求めることができる。
次いで、乾式メッキ又は湿式メッキにより絶縁層上に導体層を形成する。乾式メッキとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の公知の方法を使用することができる。湿式メッキとしては、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせて導体層を形成する方法、導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成する方法、等が挙げられる。
導体層と絶縁層とのピール強度は、0.5kgf/cm以上が好ましく、0.6kgf/cm以上がより好ましく、0.7kgf/cm以上が更に好ましい。ピール強度の上限値は特に制限はなく、1.5kgf/cm以下、1.0kgf/cm以下などとなる。
その後のパターン形成の方法として、例えば、当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができ、上述の一連の工程を複数回繰り返すことで、ビルドアップ層を多段に積層した多層プリント配線板を形成することもできる。このように、本発明においては、寸法安定性が高く、反りが小さいため、リジッド回路基板、フレキシブル回路基板、片面積層基板、薄物基板等のプリント配線板に好適に使用することができ、特に多段に積層しても寸法安定性が高く、反りが小さいため、多層プリント配線板のビルドアップ層としてより好適に使用することができる。
〔ウエハレベルチップサイズパッケージ]
本発明の絶縁樹脂材料を用いることにより、寸法安定性かつ低反り性に優れたウエハレベルチップサイズパッケージを作製することができる。絶縁樹脂材料はウエハレベルチップサイズパッケージの両面に積層してもよいし、片面に積層してもよい。ウエハレベルチップサイズパッケージには種々の構造が考案されているが、ファンイン構造とファンアウト構造に大別することができる。シリコンウエハの厚みは、薄膜化の観点から50〜150μmが好ましく、80〜120μmがより好ましい。
上記のようにして製造した接着フィルムを用いて、ファンイン構造のウエハレベルチップサイズパッケージを製造する方法の一例としては、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)シリコンウェハ上に回路や電極パッドを形成する工程。
(2)シリコンウェハ上に本発明の接着フィルムを積層する工程。
(3)接着フィルムを硬化、支持体を剥離し、穴あけを行い、デスミア処理を行い、無電解メッキおよび電解メッキにより再配線層を形成する工程。
(4)必要に応じて、この再配線層の上から更に、(2)および(3)を繰り返す工程。
(5)再配線層上に半田ボールを形成する工程。
(6)ダイシングを行う工程。
他のファンイン構造のウエハレベルチップサイズパッケージの製造方法の一例としては、例えば、特許第3618330号に記載された方法が挙げられ、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成したシリコンウエハを作成する工程。
(2)シリコンウエハ上の電極パッド部の上面に柱状電極を形成する工程。
(3)柱状電極面側から本発明の接着フィルムを貼り合わせて硬化、支持体を剥離し、絶縁層を形成する工程。
(4)絶縁層と柱状電極の上面部を適宜に研磨除去して柱状電極の上面を露出させる工程。
(5)露出した柱状電極の上面にハンダボールを形成する工程。
(6)ダイシングを行う工程。
上記のようにして製造した接着フィルムを用いて、ファンアウト構造のウエハレベルチップサイズパッケージを製造する方法の一例としては、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)シリコンウェハをダイシングし、チップ個片を作成する工程。
(2)チップ個片を支持基板上にフィルムを介して固定する工程。
(3)本発明の接着フィルムをチップ個片側から積層する工程。
(4)フィルムを硬化、支持体を剥離し、穴あけを行い、デスミア処理を行い、無電解メッキおよび電解メッキにより再配線層を形成する工程。
(5)必要に応じて、更にフィルムを積層する工程。
(6)再配線層上に半田ボールを形成する工程。
他のファンアウト構造のウエハレベルパッケージの製造方法の一例としては、例えば、特開2005−167191に記載された方法が挙げられ、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成したシリコンウエハを作成する工程。
(2)ダイシングを経て半導体チップ個片を作成する工程。
(3)半導体チップを半導体チップ間の距離が後のステップでファンアウトボールアレイを形成するために充分な空間を有するような位置関係で、支持体上のフィルムを介して広く配置し固定する工程。
(4)半導体チップが固定されている面側から半導体チップ間を充填するように本発明の接着フィルムを積層する工程。
(5)接着フィルムを硬化、支持体を剥離し、半導体チップのパッド上の絶縁層をエッチングし、開口を形成し、導電層を開口部内に形成する工程。
(6)フォトレジストを用いて絶縁層の上にファンアウトパターンと電極を形成し、電極パッドの上にハンダボールを形成する工程。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。なお、以下に記載の「部」は「質量部」を意味する。
〔高分子樹脂Aの製造〕
反応容器にG−3000(2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、数平均分子量=5047(GPC法)、ヒドロキシル基当量=1798g/eq.、固形分100wt%:日本曹達(株)製)50gと、イプゾール150(芳香族炭化水素系混合溶媒:出光石油化学(株)製)23.5g、ジブチル錫ラウレート0.005gを混合し均一に溶解させた。均一になったところで50℃に昇温し、更に撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(イソシアネート基当量=87.08g/eq.)4.8gを添加し約3時間反応を行った。次いで、この反応物を室温まで冷却してから、これにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(酸無水物当量=161.1g/eq.)8.96gと、トリエチレンジアミン0.07gと、エチルジグリコールアセテート(ダイセル化学工業(株)社製)40.4gを添加し、攪拌しながら130℃まで昇温し、約4時間反応を行った。FT−IRより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから100メッシュの濾布で濾過して、イミド骨格、ウレタン骨格、ブタジエン骨格を有する高分子樹脂Aを得た。
粘度 :7.5Pa・s(25℃、E型粘度計)
酸価 :16.9mgKOH/g
固形分 :50質量%
数平均分子量 :13723
ガラス転移温度 :−10℃
ポリブタジエン構造部分の含有率 :50/(50+4.8+8.96)×100=78.4質量%
〔実施例1〕
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)40部、イミダゾール誘導体(四国化成(株)製、「2P4MZ」)1部、ポリイミド樹脂A260部、MEK300部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量151、DIC(株)製、「HP4032」20部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下「PETフィルム」と略称する。)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で7分間乾燥し、接着フィルムを得た。
〔実施例2〕
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)54部、イミダゾール誘導体(四国化成(株)製、「2P4MZ」)1部、ポリイミド樹脂A400部、MEK300部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量151、DIC(株)製、「HP4032」20部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)920部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。その後、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
〔実施例3〕
実施例1のフェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)を、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C5」、平均粒径1.6μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
〔実施例4〕
実施例2のフェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)を、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C5」、平均粒径1.6μm)に変更した以外は、実施例2と同様にして接着フィルムを得た。
〔比較例1〕
実施例1の球形シリカを50部に変更した以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
〔参考例1〕
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)40.3部、イミダゾール誘導体(四国化成(株)製、「2P4MZ」)0.5部、MEK30部、液状ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量151、DIC(株)製、「HP4032」10部、固形ナフタレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量250、DIC(株)製、「HP6000」42.5部、フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン(株)製「YX−6954」、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンとの混合溶液、ガラス転移温度120℃)14部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、DIC(株)製、「TD2090」の不揮発分60質量%のMEKワニス)75部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(アドマテックス(株)製、「SO−C2」、平均粒径0.5μm)625部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。その後、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
〔弾性率の測定〕
上記接着フィルムを180℃で90分間、熱硬化させてシート状の硬化物を得た。次に、PETフィルムを剥離し、日本工業規格(JIS K7127)に準拠し、テンシロン万能試験機((株)エー・アンド・デイ製)により硬化物の引っ張り試験を行い、弾性率を測定した。
〔反りの評価〕
PETフィルム上に、実施例1〜4、比較例1に記載の樹脂ワニスを厚みが80μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥し熱硬化性樹脂組成物層を形成し接着フィルムを製造した。この接着フィルム(80μm)をシリコンウエハ(100μm)にバッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500((株)名機製作所製、商品名)にて貼り合わせ、180℃で90分の熱処理を行い、反りの有無を観察した。上記処理後のウエハの端部を押さえつけ、押さえつけた箇所の逆側のウエハ端部と地上との距離を反り量とした。反り量が0〜5mmのものを「○」、反り量が5mmより大きいものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
〔線熱膨張係数の測定〕
上記接着フィルムを190℃で90分間、熱硬化させてフィルム状の硬化物を得た。その硬化物を、幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、(株)リガク製熱機械分析装置(Thermo Plus TMA8310)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃における平均の線熱膨張係数、および150℃から220℃における平均の線熱膨張係数を算出した。
〔寸法安定性の評価〕
上記の25℃から150℃における平均の線熱膨張係数が30ppm/℃以下、かつ150℃から220℃における平均の線熱膨張係数32ppm/℃以下であるものを「○」とし、上記の25℃から150℃における平均の線熱膨張係数が30ppm/℃より大きいか、あるいは150℃から220℃における平均の線熱膨張係数32ppm/℃より大きいものを「△」とし、上記の25℃から150℃における平均の線熱膨張係数が100ppm/℃より大きいか、あるいは150℃から220℃における平均の線熱膨張係数200ppm/℃より大きいものを「×」と評価した。
〔算術平均粗さ(Ra)とピール強度の測定〕
(1)積層板の下地処理
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理を行った。
(2)接着フィルムのラミネート
上記接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500((株)名機製作所製、商品名)を用いて、積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaで圧着することにより行った。
(3)樹脂組成物の硬化
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、180℃、30分の条件で樹脂組成物を硬化し、絶縁層を形成した。
(4)粗化処理
絶縁層を形成した積層板を、膨潤液である、アトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに60℃で5分間浸漬し、次に粗化液として、アトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で5分間浸漬、最後に中和液として、アトテックジャパン(株)のリダクションショリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。この粗化処理後の積層板を評価基板Aとした。
(5)セミアディティブ工法によるメッキ
絶縁層表面に回路を形成するために、評価基板Aを、PdClを含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。次いで、硫酸銅電解メッキを行い、30μmの厚さで導体層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて60分間行った。このメッキ後の積層板を評価基板Bとした。
(6)算術平均粗さ(Ra)の測定
非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製「WYKO NT3300」)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値を求めた。そして、10点の平均値を求めることにより測定した。
(7)ピール強度の測定
評価基板Bの導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ具(株式会社ティー・エス・イー、オートコム型試験機 AC−50C−SL)で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定した。
Figure 2017160443
表1に示す結果から、実施例1〜4では線熱膨張係数が低く寸法安定性に優れ、反りも抑制されていることが分かる。一方、比較例1は無機充填材の含有量が少ないため、反りは低減されているが、寸法安定性が劣っている。また、参考例1はガラス転移温度が30℃以下の高分子樹脂を使用しておらず、反りが発生してしまっているうえに寸法安定性も大きいことが分かる。
本発明の絶縁樹脂材料を用いることで、寸法安定性が高く、かつ反りが小さい絶縁樹脂材料を提供できるようになった。

Claims (22)

  1. 熱硬化性樹脂、無機充填材およびガラス転移温度が30℃以下かつブタジエン骨格、アミド骨格、イミド骨格、アセタール骨格、カーボネート骨格、エステル骨格、ウレタン骨格、アクリル骨格及びシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有する高分子樹脂を含む樹脂材料であって、
    前記無機充填材の含有量が樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し60〜95質量%であり、
    前記樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線熱膨張係数が3〜30ppm/℃であり、かつ前記硬化物の25℃における弾性率が0.5〜14GPaである、樹脂材料。
  2. 前記熱硬化性樹脂の含有量が、樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、3〜15質量であり、かつ、前記高分子樹脂の含有量が、樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、5〜30質量%である、請求項1記載の樹脂材料。
  3. 前記樹脂材料の硬化物の150℃〜220℃における線熱膨張係数が5〜32ppm/℃である、請求項1又は2記載の樹脂材料。
  4. 前記樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線熱膨張係数が3〜10ppm/℃であり、かつ150℃〜220℃における線熱膨張係数が5〜15ppm/℃であり、
    前記樹脂材料の硬化物の25℃における弾性率が0.5〜6GPaである、
    請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂材料。
  5. 前記樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線膨張係数をA(ppm/℃)とし、150℃〜220℃における線熱膨張係数をB(ppm/℃)とした場合、0≦B−A≦15である、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂材料。
  6. 前記樹脂材料の硬化物の25℃〜150℃における線膨張係数をA(ppm/℃)とし、150℃〜220℃における線熱膨張係数をB(ppm/℃)とした場合、0≦B−A≦4である、請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂材料。
  7. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂材料。
  8. 前記熱硬化性樹脂が液状エポキシ樹脂である、請求項1〜7のいずれか1項記載の樹脂材料。
  9. 前記熱硬化性樹脂の含有量が、樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、1〜15質量%である、請求項1、3〜8のいずれか1項記載の樹脂材料。
  10. 前記無機充填材がシリカである、請求項1〜9のいずれか1項記載の樹脂材料。
  11. 前記高分子樹脂の数平均分子量が300〜100000である、請求項1〜10のいずれか1項記載の樹脂材料。
  12. 前記高分子樹脂の数平均分子量が8000〜20000である、請求項1〜11のいずれか1項記載の樹脂材料。
  13. 前記高分子樹脂がブタジエン骨格、カーボネート骨格、アクリル骨格およびシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有する、請求項1〜12のいずれか1項記載の樹脂材料。
  14. 前記高分子樹脂がブタジエン骨格、イミド骨格およびウレタン骨格を有する、請求項1〜13のいずれか1項記載の樹脂材料。
  15. 前記高分子樹脂の含有量が、樹脂材料の不揮発成分100質量%に対し、1〜30質量%である、請求項1、3〜14のいずれか1項記載の樹脂材料。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項記載の樹脂材料が支持体上に層形成されてなる接着フィルム。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項記載の樹脂材料を熱硬化してなるシート状硬化物。
  18. 請求項1〜15のいずれか1項記載の樹脂材料をシリコンウェハ上に層形成し、熱硬化させることで、シリコンウェハ上にシート状硬化物を形成したときの25℃における反り量が0〜5mmであるシート状硬化物。
  19. 請求項1〜15のいずれか1項記載の樹脂材料を用いてなるプリント配線板。
  20. 請求項17又は18記載のシート状硬化物上に導体層が形成されているプリント配線板。
  21. 請求項1〜15のいずれか1項記載の樹脂材料を用いてなるウエハレベルチップサイズパッケージ。
  22. 請求項17又は18記載のシート状硬化物上に導体層が形成されているウエハレベルチップサイズパッケージ。
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