JP2017160087A - プラズマcvd装置及びダイヤモンドの成長方法 - Google Patents

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【課題】ダイヤモンドのさらなる高速成長を可能にするプラズマCVD装置を提供する。【解決手段】ダイヤモンド基板30が載置される基板ホルダ20を備え、基板ホルダ20に対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVD(化学気相堆積法)によってダイヤモンド基板30上にダイヤモンドを成長させる装置であって、基板ホルダ20は、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置することとなる箇所に、ダイヤモンド基板30が載置される載置面24aを有する。【選択図】図2B

Description

本発明は、プラズマCVD装置、及び、プラズマCVD装置によるダイヤモンドの成長方法に関する。
ワイドバンドギャップ半導体であるダイヤモンドは、他の半導体材料と比べて非常に優れた物性やユニークな特性を有しているため、次世代パワーデバイスや量子コンピュータ等への応用が期待されている。
従来、ダイヤモンドデバイスは、高温高圧法(HPHT)で合成されたダイヤモンド基板上にプラズマ化学気相堆積法(プラズマCVD)を用いてホモエピタキシャル成長を行うことで、アンドープダイヤモンドや、不純物をドープしたp形又はn形ダイヤモンドが合成されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1によれば、プラズマCVDによって、ダイヤモンドの成長速度として、25μm/hの速度が達成されている。
T. Teraji, et al, "High rate growth and electrical/optical properties of high-quality homoepitaxial diamond (100) films" Diamond and Related Materials Volume 14, 2005, Pages 255-260
しかしながら、非特許文献1の成長速度では、実用化のためには十分とはいえず、さらなる合成時間の短縮化及び合成時の省エネルギー化によってダイヤモンドの低コスト化を図る必要があり、成長速度のさらなる高速化が望まれている。
そこで、本発明は、ダイヤモンドのさらなる高速成長を可能にするプラズマCVD装置及びダイヤモンドの成長方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係るプラズマCVD装置は、ダイヤモンド基板が載置される基板ホルダを備え、前記基板ホルダに対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVD(化学気相堆積法)によって前記ダイヤモンド基板上にダイヤモンドを成長させるプラズマCVD装置であって、前記基板ホルダは、前記ダイヤモンド基板の上面が前記基板ホルダの上面よりも上方に位置することとなる箇所に、前記ダイヤモンド基板が載置される載置面を有する。
これにより、ダイヤモンド基板の上面が基板ホルダの上面よりも上方に位置する状態で、基板ホルダに対して直接マイクロ波を給電する基板直接給電方式によるプラズマCVDが行われるので、基板ホルダの端部ではなく、ダイヤモンド基板において、マイクロ波の電界集中による高密度プラズマが発生しダイヤモンド基板上にダイヤモンドが高速にエピタキシャル成長される。
ここで、前記基板ホルダの上面には、上方に開口した凹部が形成され、前記載置面は、前記凹部の底面であり、前記凹部の深さは、前記ダイヤモンド基板の厚さよりも小さくてもよい。
これにより、ダイヤモンド基板は、凹部に収容されるので、プラズマの発生時に衝撃力を受けた場合、あるいは、その後の成長中におけるプラズマCVD装置の振動等によって力を受けた場合に、ダイヤモンド基板が基板ホルダから落下してしまうことが防止される。
また、前記基板ホルダは、上方に向けて先細りした錐状構造を有してもよい。具体的には、前記基板ホルダは、上方に向けて先細りした円錐状構造を有してもよい。
これにより、基板ホルダの先細りした先端部分、つまり、ダイヤモンド基板が載置される箇所において、供給されたマイクロ波の電界集中が起こり易くなり、高密度プラズマが基板近傍に発生する事によりダイヤモンドの成長が促進される。
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係るプラズマCVD装置によるダイヤモンドの成長方法は、プラズマCVD装置によるダイヤモンドの成長方法であって、前記プラズマCVD装置が備える基板ホルダの載置面に、ダイヤモンド基板の上面が前記基板ホルダの上面よりも上方に位置することとなるように、前記ダイヤモンド基板を載置する載置ステップと、前記基板ホルダに対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVDによって前記ダイヤモンド基板上にダイヤモンドを成長させる成長ステップとを含む。
これにより、ダイヤモンド基板の上面が基板ホルダの上面よりも上方に位置する状態で、基板直接給電方式によるプラズマCVDが行われるので、基板ホルダの端部ではなく、ダイヤモンド基板においてマイクロ波の電界集中による高密度プラズマが発生しダイヤモンド基板上にダイヤモンドが高速成長される。
本発明により、ダイヤモンドのさらなる高速成長を可能にするプラズマCVD装置及びダイヤモンドの成長方法が実現される。
よって、ダイヤモンドデバイスの次世代パワーデバイスや量子コンピュータ等への応用が期待される今日において、本発明の実用的価値は極めて高い。
実施の形態におけるプラズマCVD装置の構成を示す模式図 図1に示された基板ホルダの外観図 図2AのIIB−IIB線を含む断面で切断して得られる基板ホルダの断面図 プラズマCVD装置におけるマイクロ波の電界集中とプラズマの状態を示す図 真性ダイヤモンド膜を成長させた実験例1の実験条件及び実験結果を示す図 実施の形態に係るプラズマCVD装置及び参考例に係る装置によって得られたダイヤモンドの成長速度をそのときのメタン分圧と対応させてプロットした図 低抵抗ダイヤモンド膜を成長させた実験例2の実験条件を示す図 図6に示された実験例2の実験結果を示す図 図6に示された実験例2によるダイヤモンドの成長後における基板ホルダの外観写真を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
図1は、実施の形態におけるプラズマCVD装置10の構成を示す模式図である。このプラズマCVD装置10は、ダイヤモンド基板30が載置される基板ホルダ20を備え、基板ホルダ20に対して直接マイクロ波を給電する方式(基板直接給電方式)で発生するプラズマによるCVD(化学気相堆積法)によってダイヤモンド基板30上にダイヤモンドの薄膜をエピタキシャル成長させる装置であり、例えば、アリオス社製の基板直接給電方式プラズマCVD装置である。なお、「基板ホルダ20に対して直接マイクロ波を供給する」とは、基板ホルダ20が収容された空間(チャンバ等)に通ずる石英窓等の窓を介する(窓の外部から内部に供給する)ことなく、基板ホルダ20にマイクロ波を供給することである。
マイクロ波の導入については、導波管12から同軸変換し、同軸構造体14の途中で真空シールを行い、真空のチャンバ16に導入し、同軸構造体14の先端がアンテナ14aとなり、チャンバ16内にマイクロ波が導入される。アンテナ14aの直径は、マイクロ波の均一電界を得るために、波長λを考慮して、例えば、10mmである。アンテナ14aは、先端に電界が集中するように(1/4)λの長さであり、アンテナ14aの先端部を基板ホルダ20としてダイヤモンド基板30に直接マイクロ波が給電される。また、チャンバ16は、球形であり、その中心にダイヤモンド基板30を置く構造となっており、これにより、さらに電界集中が起こり易くなっている。すなわち基板ホルダ20から放射されたマイクロ波電力は、球面のチャンバ16で反射され、再び焦点位置である基板ホルダ20に戻る。その結果、ダイヤモンド基板30の近傍にのみ高密度のプラズマ15が発生する。
図2Aは、図1に示された基板ホルダ20の外観図である。なお、本図では、便宜上、基板ホルダ20に載置されるダイヤモンド基板30の図示が省略されている。
基板ホルダ20は、上述したように、ダイヤモンド基板30に直接マイクロ波を給電するためのアンテナ14aの一部であり、かつ、ダイヤモンド基板30を載置するためのホルダであり、高融点材料(例えば、モリブデン)で構成される。この基板ホルダ20は、図示されるように、およそ、下半分20aが筒構造(具体的には、円柱構造)を有し、上半分20bが、上面周縁が面取り加工され、上方に向けて先細りした錐状構造(具体的には、円錐状構造)を有する。このような錐状構造により、基板ホルダ20の先細りした先端部分、つまり、ダイヤモンド基板30が載置される箇所において、供給されたマイクロ波の電界集中が起こり易くなり、高密度プラズマが基板近傍に発生する事によりダイヤモンドの成長が促進される。なお、「上」、「上方」とは、プラズマCVD装置10を水平面に設置した状態で使用する場合における鉛直上方を指す。
また、基板ホルダ20の上半分20bの上方先端には、平坦な面(上面22)が形成されている。その上面22には、上方に開口した凹部24が形成され、凹部24の底面が、ダイヤモンド基板30が載置される載置面24aとなっている。このように、ダイヤモンド基板30が凹部に収容されるので、プラズマの発生時に衝撃力を受けた場合、あるいは、その後の成長中におけるプラズマCVD装置10の振動等によって力を受けた場合に、ダイヤモンド基板30が基板ホルダ20から落下してしまうことが防止される。
ここで、特徴的な構造として、この基板ホルダ20は、ダイヤモンド基板30が基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置することとなる箇所に、ダイヤモンド基板30が載置される載置面24aを有する。この特徴について、図2Bを用いて詳細に説明する。
図2Bは、図2AのIIB−IIB線を含む断面で切断して得られる基板ホルダ20の断面図である。本図では、基板ホルダ20に載置されるダイヤモンド基板30も併せて図示されている。
本図から分かるように、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置している。つまり、ダイヤモンド基板30は、基板ホルダ20の凹部24に収容されているが、凹部24から上方に露出している。言い換えると、凹部24の深さは、ダイヤモンド基板30の厚さよりも小さい。
このような基板ホルダ20の構造により、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置する状態で、基板直接給電方式によるプラズマCVDが行われるので、基板ホルダ20の端部ではなく、ダイヤモンド基板30においてマイクロ波の電界集中による高密度プラズマが発生し、ダイヤモンド基板30上にダイヤモンドの薄膜が高速にエピタキシャル成長される。
図3は、プラズマCVD装置におけるマイクロ波の電界集中とプラズマの状態を示す図である。ここでは、マイクロ波のパワー密度(電界集中の度合い)の分布について、参考例に係る基板ホルダ40を用いた場合のマイクロ波のパワー密度の分布(図3の(a))と、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いた場合のマイクロ波のパワー密度の分布(図3の(b))とプラズマ15の状態が示されている。なお、参考例に係る基板ホルダ40とは、図3の(a)に示されるように、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ40の上面42よりも下方に位置する構造を有する基板ホルダである。
図3の(a)に示されるように、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ40の上面42よりも下方に位置する構造を有する参考例に係る基板ホルダ40によれば、基板ホルダ40の端部(エッジ)においてマイクロ波の電界集中が起こる。
一方、図3の(b)に示されるように、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置する構造を有する本実施の形態に係る基板ホルダ20によれば、ダイヤモンド基板30の上面及び端部においてマイクロ波の電界集中が起こる。これにより、プラズマCVDにおいて、ダイヤモンド基板30においてマイクロ波の電界集中が起こり、高密度のプラズマ15が基板近傍に発生しダイヤモンド基板30上にダイヤモンドが高速成長される。
次に、以上のように構成された本実施の形態におけるプラズマCVD装置10によるダイヤモンドの成長についての実験例を示す。
(実験例1)
まず、実験例1として、真性(アンドープ)ダイヤモンド膜の成長例を説明する。
図4は、真性ダイヤモンド膜を成長させた実験例1の実験条件及び実験結果を示す図である。ここでは、比較のために、図3の(a)に示された参考例に係る基板ホルダ40を用いた実験(図4の(a))と、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いた実験(図4の(b))とが示されている。なお、用いられたダイヤモンド基板30は、HPHTIb型ダイヤモンド(100)単結晶(大きさが1mm×1mm×0.3mmt)である。
実験条件については、図4の「ザグリ直径(mm)」、「ザグリ深さ(mm)」、「マイクロ波投入電力(W)」、「圧力(kPa)」、「基板温度(℃)」、「水素(sccm)」、「メタン(sccm)」、「メタン分圧(kPa)」、「成長時間(min)」に示される通りである。ここで、「ザグリ」とは、基板ホルダに形成された凹部である。
実験結果については、ダイヤモンド基板30上に成長したダイヤモンドに関する「膜厚(μm)」、「成長速度(μm/h)」に示される通りである。
この実験結果から分かるように、参考例に係る基板ホルダ40を用いたプラズマCVDによれば、420分の成長時間で膜厚が1μm以下のダイヤモンドが成長したことから、ダイヤモンドの成長速度として、0.14μm/h以下となる。
一方、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVDによれば、82分の成長時間で膜厚が359μmのダイヤモンドが成長したことから、ダイヤモンドの成長速度として、260μm/hという極めて高い値が得られた。
図5は、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVD装置10によって得られたダイヤモンドの成長速度、及び、参考例に係る他の装置によって得られたダイヤモンドの成長速度(μm/h)について、そのときのメタン分圧(kPa)と対応させてプロットした図である。本図のプロットにおいて、白丸は、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVD装置10によるデータ(上記実験例1での実験結果を含む)を示し、「*」は、図3の(a)に示された参考例に係る基板ホルダ40を用いた参考例1に係る基板直接給電方式プラズマCVD装置によるデータを示し、四角は、ミシガン州立大学が発表した参考例2に係るデータ(非特許文献2;Yajun Gu,et al, “Microwave plasma reactor design for high pressure and high power density diamond synthesis”, Diamond and Related Materials Volume 24, April 2012, Pages 210-214)を示し、三角は、上記非特許文献1に記載された参考例3に係るデータを示す。
本図から分かるように、ダイヤモンドの成長速度はメタン分圧に依存するが、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVD装置10によれば、メタン分圧を考慮したとしても、他の装置に比べ、極めて高い成長速度が得られている。
(実験例2)
次に、実験例2として、低抵抗(ホウ素ドープ)ダイヤモンド膜の成長例を説明する。
図6は、低抵抗ダイヤモンド膜を成長させた実験例2の実験条件を示す図である。ここでは、比較のために、図3の(a)に示された参考例に係る基板ホルダ40を備えるプラズマCVD装置による実験(図6の(a))と、本実施の形態に係る基板ホルダ20を備えるプラズマCVD装置10による実験(図6の(b))とが示されている。なお、用いられたダイヤモンド基板30は、上記実験例1と同様のHPHTIb型ダイヤモンド(100)単結晶(大きさが1mm×1mm×0.3mmt)である。また、ホウ素の濃度については、1020B atoms/cm3以上の高濃度ホウ素ドープダイヤモンドを成長させた。実験条件において、「TMB」は、Trimethylboronである。
本図に示されるように、実験例2では、参考例及び実施の形態ともに、2時間の成長時間で、プラズマCVDによるダイヤモンドのエピタキシャル成長を行った。
図7は、図6に示された実験例2の実験結果を示す図である。ここでは、参考例に係る図6の(a)に対応する実験結果が図7の(a)に示され、本実施の形態に係る図6の(b)に対応する実験結果が図7の(b)に示されている。実験結果として、成長したダイヤモンドの上面の「光学顕微鏡像」、「異常成長粒子密度(cm−2)」、「抵抗率@室温(Ω・cm)」、「膜厚(μm)」、「成長速度(μm/h)」が示されている。
本図に示された「光学顕微鏡像」及び「異常成長粒子密度(cm−2)」から分かるように、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVD装置10によれば、異常成長粒子がないダイヤモンドのエピタキシャル成長が実現されている。また、本図に示された「膜厚(μm)」、「成長速度(μm/h)」から分かるように、本実施の形態に係る基板ホルダ20を用いたプラズマCVD装置10によれば、参考例に係る基板ホルダ40を用いたプラズマCVD装置に比べ、2倍以上のダイヤモンドの成長速度が得られた。
図8は、図6に示された実験例2によるダイヤモンドの成長後における基板ホルダの外観写真を示す図である。ここでは、参考例に係る図6の(a)に対応する外観写真が図8の(a)に示され、本実施の形態に係る図6の(b)に対応する外観写真が図8の(b)に示されている。
本図に示される写真から分かるように、参考例に係る基板ホルダ40には、凹部の端部(エッジ)には、気相中のメタンから変換された炭素膜32が付着している。一方、本実施の形態に係る基板ホルダ20には、そのような炭素膜は付着しておらず、高効率に気相中のメタンがダイヤモンド基板30上のCVDダイヤモンド膜に変換されていることが分かる。
以上のように、本実施の形態におけるプラズマCVD装置10は、ダイヤモンド基板30が載置される基板ホルダ20を備え、基板ホルダ20に対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVD(化学気相堆積法)によってダイヤモンド基板30上にダイヤモンドを成長させる装置であって、基板ホルダ20は、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置することとなる箇所に、ダイヤモンド基板30が載置される載置面24aを有する。
これにより、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置する状態で、基板ホルダ20に対して基板直接給電方式によるプラズマCVDが行われるので、基板ホルダ20の端部ではなく、ダイヤモンド基板30においてマイクロ波の電界集中が起こり、高密度のプラズマ15が基板近傍に発生しダイヤモンド基板30上にダイヤモンドが高速にエピタキシャル成長される。
また、基板ホルダ20の上面22には、上方に開口した凹部24が形成され、載置面24aは、凹部24の底面であり、凹部24の深さは、ダイヤモンド基板30の厚さよりも小さい。
これにより、ダイヤモンド基板30は、凹部24に収容されるので、プラズマの発生時に衝撃力を受けた場合、あるいは、その後の成長中におけるプラズマCVD装置10の振動等によって力を受けた場合に、ダイヤモンド基板30が基板ホルダ20から落下してしまうことが防止される。
また、基板ホルダ20は、上方に向けて先細りした錐状構造を有する。より具体的には、基板ホルダ20は、上方に向けて先細りした円錐状構造を有する。
これにより、基板ホルダ20の先細りした先端部分、つまり、ダイヤモンド基板30が載置される箇所において、供給されたマイクロ波の電界集中が起こり易くなり、高密度プラズマが基板近傍に発生する事によりダイヤモンドの成長が促進される。
また、本実施の形態におけるダイヤモンドの成長方法は、プラズマCVD装置10によるダイヤモンドの成長方法であって、プラズマCVD装置10が備える基板ホルダ20の載置面24aに、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置することとなるように、ダイヤモンド基板30を載置する載置ステップと、基板ホルダ20に対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVDによってダイヤモンド基板30上にダイヤモンドを成長させる成長ステップとを含む。
これにより、ダイヤモンド基板30の上面30aが基板ホルダ20の上面22よりも上方に位置する状態で、基板ホルダ20に対して基板直接給電方式によるプラズマCVDが行われるので、基板ホルダ20の端部ではなく、ダイヤモンド基板30においてマイクロ波の電界集中による高密度プラズマが発生しダイヤモンド基板30上にダイヤモンドが高速にエピタキシャル成長される。
以上、本発明のプラズマCVD装置及びダイヤモンドの成長方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態及び実験例では、基板ホルダ20には凹部24が形成されたが、凹部24は、必ずしも必要ではない。つまり、基板ホルダ20の上面22は、凹凸のない平坦面であってもよい。その場合には、ダイヤモンド基板30が載置される面(載置面24a)は、基板ホルダ20の上面22となる。基板ホルダ20の上面22のサイズ、ダイヤモンド基板30のサイズ、プラズマの発生態様等の条件によっては、ダイヤモンド基板30が基板ホルダ20から落下することを防止する必要がないケースもあり得るからである。
また、上記実施の形態及び実験例では、基板ホルダ20の下半分20aが筒構造を有し、上半分20bが上方に向けて先細りした錐状構造を有したが、基板ホルダ20の構造は、このような構造に限られない。例えば、基板ホルダ20は、全体として、円錐構造を有していてもよいし円柱状等の柱状でも逆円錐状でも良い。
また、上記実施の形態及び実験例では、基板ホルダ20の上面22には、円形の開口を有する凹部24が形成されたが、凹部24の構造は、このような形状に限られず、例えば、矩形の開口を有する凹部であってもよい。
また、上記実施の形態及び実験例では、基板ホルダ20は、モリブデンで構成されたが、他の材料、例えば、タングステン、タンタル、石英又はセラミックなどで構成されてもよい。
本発明は、ダイヤモンドをエピタキシャル成長させるプラズマCVD装置として、例えば、ワイドバンドギャップ半導体としてのダイヤモンドを高速に成長させる基板直接給電方式のマイクロ波プラズマCVD装置として、利用できる。
10 プラズマCVD装置
12 導波管
14 同軸構造体
14a アンテナ
15 プラズマ
16 チャンバ
20 基板ホルダ
20a 基板ホルダの下半分
20b 基板ホルダの上半分
22 基板ホルダの上面
24 凹部
24a 載置面
30 ダイヤモンド基板
30a ダイヤモンド基板の上面

Claims (5)

  1. ダイヤモンド基板が載置される基板ホルダを備え、前記基板ホルダに対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVD(化学気相堆積法)によって前記ダイヤモンド基板上にダイヤモンドを成長させるプラズマCVD装置であって、
    前記基板ホルダは、前記ダイヤモンド基板の上面が前記基板ホルダの上面よりも上方に位置することとなる箇所に、前記ダイヤモンド基板が載置される載置面を有する
    プラズマCVD装置。
  2. 前記基板ホルダの上面には、上方に開口した凹部が形成され、
    前記載置面は、前記凹部の底面であり、
    前記凹部の深さは、前記ダイヤモンド基板の厚さよりも小さい
    請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 前記基板ホルダは、上方に向けて先細りした錐状構造を有する
    請求項1又は2記載のプラズマCVD装置。
  4. 前記基板ホルダは、上方に向けて先細りした円錐状構造を有する
    請求項3記載のプラズマCVD装置。
  5. プラズマCVD装置によるダイヤモンドの成長方法であって、
    前記プラズマCVD装置が備える基板ホルダの載置面に、ダイヤモンド基板の上面が前記基板ホルダの上面よりも上方に位置することとなるように、前記ダイヤモンド基板を載置する載置ステップと、
    前記基板ホルダに対して、直接、マイクロ波を給電することで発生するプラズマによるCVDによって前記ダイヤモンド基板上にダイヤモンドを成長させる成長ステップと
    を含むダイヤモンドの成長方法。
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