JP2017160079A - 窒素ガスの製造方法および装置 - Google Patents

窒素ガスの製造方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】均圧工程の後に吸着容器内に残るガスを回収して利用し、高性能化を図る方法の提供。
【解決手段】2つの吸着容器において吸着工程、均圧工程、再生工程を順次交替で繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する方法。第1吸着容器1は第1の入口側1Aと第1の出口側1Bを有し、第2吸着容器2は第2の入口側2Aと第2の出口側2Bを有し、第1の出口側1Bと第2の出口側の双方に連通する貯留槽3を備え、第1吸着容器における吸着工程と均圧工程の後に、第1の出口側から第1吸着容器内のガスを貯留槽に回収して貯留する貯留工程を行い、貯留工程で貯留したガスを、第1吸着容器の再生工程のときに第1の出口側1Bから第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。前記均圧工程は、第1の出口側と第2の出口側同士を連通させ、かつ、第1の入口側と第2の入口側同士を連通させて、第1吸着容器と第2吸着容器2を均圧にする窒素ガス製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着剤を充填した吸着塔を用いて、原料空気の成分を分離して窒素ガスを製造する窒素ガスの製造方法および装置に関するものである。
圧力スイング吸着法(PSA法)は、原料となる空気から窒素や酸素を分離し、高純度の窒素ガスや酸素ガスを製造する方法として実用化されている。上記PSA法を用いた窒素発生装置を、以下の説明では「NPSA」という。
PSAは、つぎのようにして高純度の窒素ガスを得る。吸着剤を充填した1塔以上の吸着塔に圧縮空気を供給し、上記圧縮空気中の酸素分子を上記吸着剤に優先的に吸着させる。この吸着によって、上記圧縮空気中の窒素分子を選択的に濃縮し、高純度の窒素ガスを得る。上記吸着剤としては分子ふるい炭素などが用いられる。
上記NPSAは、窒素ガスを容易に発生させることができる。このため、各種の産業分野で広く用いられている。たとえば、熱処理や化学分野などにおいて、保安やパージといった安全性を向上させる目的で、上記NPSAで発生させた窒素が用いられる。また、食品分野などにおいて、商品の酸化を防止して品質を保持する目的で、上記NPSAで発生させた窒素が用いられる。
このような窒素ガスを安価に製造し供給することを目的として、NPSAの高性能化が行われている。例えば、原料となる空気を圧縮する圧縮機の省エネに関わる制御技術、NPSAに適した分離ふるい炭素に関する吸着剤に関する技術などが開発されている。
また、NPSAの高性能化として、製品窒素単位発生量あたりの原料空気平均供給量(以下「単位空気供給量」という)や、吸着剤の単位充填容積あたりの製品窒素発生量(以下「単位窒素発生量」という)の向上を目指した技術開発も行われている。
具体的には、吸着剤を充填した2塔以上の吸着塔の他に、別の槽を用いたNPSAが報告されている。このような技術に関する先行技術文献として、出願人は下記の特許文献1〜3を把握している。
〔特許文献1〕
特許文献1(特開平4−322713号公報)は、つぎの技術を開示する。
吸着槽3,4とは別に滞留槽6を設ける。各吸着槽3,4の上部(下流側)同士の配管を連通させて均圧させ(均圧2)、この均圧が終了した後のガスを滞留槽6に回収する(均圧3)。この回収ガスを、再生工程が終了した後の吸着槽3,4と均圧させる(均圧1)。このように、均圧を複数段階で行うことにより、均圧ガスの量を増やし、性能を向上させる。
すなわち特許文献1には、つぎの記載がある。
[0043]1)期間T1〜T2
この期間に於いては、吸着槽A(3)に対し吸着工程を実施し、吸着槽B(4)に対し均圧3工程を実施する。
尚、この期間以前の図2に於ける分離装置の弁(11),(12)は開いており、弁(7),(8),(9),(10),(13),(14),(15)は閉じている。
[0045]
吸着槽A(3)内部にはCMSが充填されており、このCMSが所定の時間加圧されることにより酸素ガスを吸着する結果、所定濃度の窒素ガスが取り出し管(23)を経て製品槽(5)に貯留される。この作動は期間T1〜T4において継続される。従って、期間T2〜T3、期間T3〜T4における吸着槽A(3)の説明は省略する。一方、吸着槽B(4)に於いては、該吸着槽B(4)上部の弁(12),(13)を開けることにより、吸着槽B(4)内の比較的低濃度の窒素ガスを連結管(26)、分岐管(27)を介して滞留槽(6)に送入する。
[0048]3)期間T3〜T4
この期間に於いては、吸着槽A(3)に吸着工程を実施し、吸着槽B(4)に均圧1工程を実施すべく図2における弁(7),(12),(13),(14)を開け、残りの弁を閉じる。
[0049]
弁(12),(13)を開けることにより滞留槽(6)内の比較的低濃度の窒素ガスが分岐管(27)、連結管(26)、取り出し管(24)を介して吸着槽B(4)に送入される。
[0050]4)期間T4〜T5
この期間に於いては、吸着槽A(3)及び吸着槽B(4)双方に対して均圧2工程を実施すべく図2に於ける弁(11),(12)を開け、残りの弁を閉じる。
[0051]
吸着工程の完了した吸着槽A(3)窒素ガス取り出し側は高圧かつ所定濃度の窒素ガスが充満しており、取り出し管(23)、連結管(26)、取り出し管(24)を介してこれを均圧1工程の終了した吸着槽B(4)に送入する。これにより、吸着槽B(4)に先に送入された比較的低濃度の窒素ガスは、槽の下方部、即ち、原料ガス供給側に移動させられ、槽の上方部、即ち、窒素ガス取り出し側は所定濃度の窒素ガスで満たされることになる。
[0058]
[発明の効果]以上詳述したように本発明によれば吸着工程当初において、窒素ガス取り出し側の吸着槽内を当初から所定濃度の窒素ガスで満たしているので、当初から所定濃度の窒素ガスを取り出すことができ、窒素ガスの分離量を増加することができるとともに、製造原価の低減を図ることができる。また、再生工程において吸着槽内を所定濃度の窒素ガスで掃気することとしたので、CMSを高効率に再生することができる結果、CMSの吸着量が増加され、窒素ガスの分離量を増加することができ、上述の如く、製造原価の低減を図ることができる。
[0047]
均圧3工程を終了した吸着槽B(4)は大気圧より高圧であるため、弁(10)を開けると、吸着槽B(4)内の残留ガスは吸気管(22)、これから分岐する排気管(22a)、排気管(20)を介し大気に放出される。
〔特許文献2〕
特許文献2(特開2013−103841号公報)は、つぎの技術を開示する。
主吸着槽4,5とは別に副吸着槽6を設ける。上記副吸着槽6では、主吸着槽4,5の下部から回収されるガス(空気と同レベル以上の酸素濃度である)から酸素を優先的に吸着する。つまり、減圧均圧工程にある主吸着槽4,5から導出された回収ガス中の酸素濃度を、上記副吸着槽6によって低減する。そのガスを加圧均圧工程にある主吸着槽4,5へ導入する。このようにすることにより、高純度の窒素ガスのみを主吸着槽4,5へ回収し、単位窒素発生量を増加させる。
すなわち特許文献2には、つぎの記載がある。
[0081]
すなわち、従来の窒素ガス製造装置は、加圧均圧工程において、一方の吸着槽の上流側に、他方の吸着槽の上流側から導出された回収ガスがそのまま導入されていた。
しかしながら、加圧吸着工程から減圧均圧工程に切り替えられた時点の、吸着槽の上流側から導出する窒素ガスには、不純物である酸素が多く含まれることを本願発明者らは見出した。
[0082]
そこで、本実施形態では、加圧均圧工程において、一方の主吸着槽の上流側から導出される酸素が比較的多く含まれる窒素ガスを、副吸着槽6に導入し、副吸着槽6に充填された吸着剤により酸素を吸着して低減した後に、他方の主吸着槽の上流側に導入するようにした。
これにより、加圧均圧工程において、他方の主吸着槽が汚染されることを防ぐことができ、その結果、窒素回収率が向上するとともに、窒素発生能力が向上して、各主吸着槽に充填する吸着剤量を減らすことが可能となった。
[0088]
もっとも、各主吸着槽4,5の下流側から導出される窒素ガスは比較的高純度なので、このガスを副吸着槽6に導入して酸素を吸着させたとしても、あまり効果は得られない。
〔特許文献3〕
特許文献3(特開平11−239711号公報)は、つぎの技術を開示する。
平衡分離型の吸着剤を用いたPSAにおいて、吸着材床10,12とは別に空隙ガス回収タンク68(VT)を設ける。吸着工程を終了した吸着材床Aと、排気・洗浄工程を終了した吸着材床Bのあいだで、頂部(下流側)同士の配管を連通させて均衡化する。その後、吸着材床A内に残るガスを、吸着材床Aの頂部から空隙ガス回収タンク68(VT)に回収する。この回収したガスを、大気排気工程が終了した吸着材床Aに流通させて洗浄する。この方法により、空気よりO濃度が低く、製品Nまで高純度でないガスを、洗浄用のガスとして有効に利用し、吸着剤からの酸素脱着を促進する。
すなわち特許文献3には、つぎの記載がある。
[図2]
工程#1 昇圧モードでの供給物の供給及びそれとオーバーラップ併行しての生成物加圧
工程#2 昇圧モードでの供給物の供給
工程#3 一定圧での供給物の供給及び生成物の生成
工程#4 降圧モードでの均衡化
工程#5 降圧モードでの排気及びそれと併行しての均衡化
工程#6 昇圧モードでの底部排気及びそれと併行しての頂部空隙ガス排気
工程#7 降圧モードでの排気
工程#8 低純度酸素貯留タンクから酸素パージガスを送る
工程#9 昇圧モードでの供給物の供給及びそれとオーバーラップ併行しての均衡化
工程#10 昇圧モードでの供給物の供給及びそれとオーバーラップ併行しての均衡化
[0034]
以上の説明及び図2及び3から分かるように、本発明は、追加の低純度空隙ガス貯留タンク(VT)を用いる。このタンクは、通常、真空下で作動され、工程#6の空隙ガスを回収して保持する機能を果たす。それでもなお、若干の空隙ガスが、工程#4及び#5における他方の吸着器へのガスの向流圧送流れと共に抽出される。
[0035]
工程#6を追加することにより、その排気操作中、追加のガスがこの低純度空隙ガス貯留タンク(VT)内へ回収される。このタンク内に貯留されたガスは、工程#8において初期低圧パージガスとして吸着容器へ供給される。
[0036]低純度空隙ガス貯留タンク内に貯留されたガスの純度は、生成物ガスの純度(通常、約 から約 容量%の酸素)より低い。なぜなら、このタンク内へ回収され貯留されるガスの大部分は、純度が急激に低下する、吸着床内の移動前線に残されたガスであるからである。このガスは、床をパージするための床パージガスとして導入される初期還流のための工程に用いるのが最も好都合である。この低純度のパージガスを別の貯留タンク内に貯留しておくことにより、吸着容器を漸次高い純度のガスで(段々に純度の高いガスで)順次にパージすることを可能にする。床還流のこの態様は、異なる純度のガスが混ざることに随伴する損失を少なくする。
〔特許文献4〕
特許文献4(特開昭64−56113号公報)は、つぎの技術を開示する。
2つの吸着槽を有する圧力変動吸着方式の窒素ガス分離装置において、均圧操作を、上部均圧、下部均圧、上下部均圧、直列均圧を行う。
すなわち特許文献4には、つぎの記載がある。
[特許請求の範囲]
(1)窒素と酸素を主成分とする加圧状態の混合ガスを原料とし、分子篩炭を充填した複数の吸着槽よりなる圧力変動吸着方式の窒素ガス分離装置において、吸着操作が完了した吸着槽Aと再生操作を終えている吸着槽B両槽の原料ガス入口部どうし並びに製品窒素出口部どうしを同時に連通し、加圧下の吸着槽A中の槽内ガスを吸着槽Bへ短時間に移動する際、製品窒素出口部どうしの連通部に対して原料ガス入口部どうしの連通部におけるガス流量比が3〜70%となるよう調整することを特徴とした窒素ガス分離方法。
[公報第3頁左上欄第4〜18行目]
本発明者は、上部均圧、下部均圧、上下部均圧、直列均圧等の各手段における製品窒素純度に対する影響を調査した結果、理由は必ずしも明らかでないが直列均圧の場合が最も低い窒素純度を示し、次に低いのが下部均圧で、上部均圧、上下部均圧の順に製品窒素の純度は向上した。更に、上下部均圧において上部連通部を移動するガス流量が下部連通部のガス流量を上廻わるよう調整することにより最高の窒素純度が得られる領域の存在を明らかにした。
当該最適領域は再生操作の方法によって異なり、大気圧近傍まで減圧する常圧再生の場合両連結部のガス移動流量比が10〜70%、50〜150Torrの真空再生においては3〜40%の範囲が望ましい。
特開平4−322713号公報 特開2013−103841号公報 特開平11−239711号公報 特開昭64−56113号公報
特許文献1は、滞留槽6を使用して複数段階で均圧を行い、ガス回収量を増やす技術である。しかしながら、この技術において、上記滞留槽6は、単に均圧工程を複数段階で行うために使用するに過ぎない。また、[0047]に記載されたように、この技術では、均圧3を終了した後の排気工程の際に、吸着塔の内部のガスを大気に放出する。均圧3の終了後、吸着塔の上部には、空気よりも酸素濃度が低いガスが残っている。この酸素濃度が低いガスを有効利用せずに廃棄している。
特許文献2は、副吸着槽6を使用することにより、加圧均圧工程で主吸着槽に導入されるガス中の酸素濃度を下げる技術である。しかしながら、この技術において、上記副吸着槽6は単に、減圧均圧工程にある主吸着槽4,5から導出されたガスを回収し、その回収ガスの酸素濃度を低減して加圧均圧工程にある主吸着槽4,5へ導入するものに過ぎない。また、この技術でも、均圧工程が終了した後の吸着搭の内部には、上部(下流側)に酸素濃度が低いガスが残存する。しかしながら、[0088]の記載からわかるように、この技術では、吸着塔の上部(下流側)に残存する酸素濃度が低いガスを利用することについては、まったく考慮されていない。すなわちこの技術では、吸着塔の上部(下流側)に残存する酸素濃度が低いガスを有効利用することができない。
特許文献3は、平衡分離型吸着剤を用いたPSAにおいて、均衡化(均圧)が終了した後に吸着材床Aの頂部に残存するガスを空隙ガス回収タンク68(VT)に回収する技術である。ここで回収されるガスは、空気よりも酸素濃度が低く、その後、吸着材床Aの洗浄に利用される。
しかしながら、この技術は、均圧工程時に吸着材床の上部(下流側)同士だけを連通させて圧力を均衡化している。このとき、吸着材床の下部(上流側)にあるO濃度が高い不純ガスを、吸着材床の上部(下流側)まで流通させてしまう。このため、後に行なう均圧工程が終了した後に、吸着材床の上部(下流側)から回収するガスの窒素純度が悪くなる。この技術では、吸着材床の上部(下流側)から回収した窒素純度が悪いガスを洗浄に用いることにならざるをえない。
また、特許文献3では、均圧工程が終了した後に吸着材床の上部(下流側)に残存するガスを空隙ガス回収タンク68(VT)に回収する。この回収されたガスを、排気工程が終了した吸着材床のパージガスに利用している。この技術では、空隙ガス回収タンク68(VT)に回収されたガスしかパージに使用しないため、パージガスの流量が限られる。したがって、パージによって吸着剤を十分に再生できず、吸着剤の性能を活かしきれない。
特許文献4は、2つの吸着槽を有する圧力変動吸着方式の窒素ガス分離装置において、上部均圧と下部均圧を行うことが開示されている。
しかしながら、特許文献4は、吸着槽以外に貯留タンクをもたない技術であり、貯留タンクに回収するガスのコンディションを均圧操作によって整えるという技術思想は存在しない。
以上のような現状のもとで、均圧終了後の排気工程の際に吸着容器内に残存しているガスを有効に回収し、その回収ガスを有効に利用することにより、より一層の高性能化が可能なNPSAが求められている。
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的をもってなされたものである。
均圧工程が終了した後に吸着容器内に残存するガスを回収して有効利用することにより高性能化を図った窒素ガスの製造方法および装置を提供する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の窒素ガス製造方法は、つぎの構成を採用した。
少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する方法であって、
第1の入口側と第1の出口側を有する第1吸着容器と、
第2の入口側と第2の出口側を有する第2吸着容器と、
上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する貯留槽とを使用し、
上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する貯留工程を行い、
上記貯留工程で貯留したガスを、上記第1吸着容器の再生工程のときに上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込み、
上記均圧工程は、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する。
請求項2記載の窒素ガス製造方法は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記貯留工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する。
請求項3記載の窒素ガス製造方法は、請求項1または2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1吸着容器の上記再生工程のときに、上記第2吸着容器の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。
請求項4記載の窒素ガス製造方法は、請求項1〜3いずれかの記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1吸着容器と上記第2吸着容器には、吸着剤として速度分離型吸着剤が充填されている。
請求項5記載の窒素ガス製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記均圧工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する。
請求項6記載の窒素ガス製造方法は、請求項1〜5いずれかの記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記第1吸着容器の再生工程は、
上記第1吸着容器に再生ガスを導入しながら、上記第1吸着容器内のガスを排出するパージ再生と、
上記第1吸着容器に再生ガスを導入し、上記第1吸着容器内にガスを保持する保持再生を行う。
上記目的を達成するため、請求項7記載の窒素ガス製造装置は、つぎの構成を採用した。
少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する装置であって、
第1の入口側と第1の出口側を有する第1吸着容器と、
第2の入口側と第2の出口側を有する第2吸着容器と、
上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する貯留槽とを備え、
上記第1吸着容器と上記第2吸着容器と上記貯留槽は、
上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する貯留工程を行い、
上記貯留工程で貯留したガスを、上記第1吸着容器の再生工程のときに上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込み、
上記均圧工程は、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する。
請求項1記載の窒素ガス製造方法は、第1吸着容器と第2吸着容器と貯留槽を使用する方法である。この方法は、少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する。
上記第1吸着容器は第1の入口側と第1の出口側を有し、上記第2吸着容器は第2の入口側と第2の出口側を有する。上記貯留槽は上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する。
上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、貯留工程を行う。上記貯留工程では、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する。
上記貯留工程で貯留したガスは、上記第1吸着容器の再生工程のときに、上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。
上記貯留工程の前に行う上記均圧工程では、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する。
上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧するときに、それまで吸着工程を行っていた上記第1吸着容器では、上記第1の入口側から酸素濃度の高いガスが排出される。これにより、その後に行う上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽に貯留される。したがって、上記貯留槽に貯留したガスを上記第1吸着容器の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器以外に設けた貯留槽に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
請求項2記載の窒素ガス製造方法では、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する。
これにより、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽に貯留される。したがって、上記貯留槽に貯留したガスを上記第1吸着容器の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器以外に設けた貯留槽に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
請求項3記載の窒素ガス製造方法では、上記第1吸着容器の上記再生工程のときに、上記第2吸着容器の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。
つまり、上記第1吸着容器の上記再生工程では、貯留槽からの再生ガスに加え、上記第2吸着容器の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。したがって、再生工程における再生ガスの流量が増え、吸着剤の再生を一層促進し、高性能化を図ることができる。
請求項4記載の窒素ガス製造方法では、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器には、吸着剤として速度分離型吸着剤が充填されている。
速度分離型吸着剤では、吸着工程と再生工程のサイクルが比較的短時間で行われる。このため、吸着工程が終わったときに、吸着容器の入口側と出口側の酸素濃度の勾配が大きい。つまり、吸着工程が終わったとき、吸着容器の出口側で酸素濃度が低いのに対し、吸着容器の入口側の酸素濃度が高い。したがって、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスを上記第1の出口側に移動させず、上記貯留槽に貯留されてしまうことを防止する効果を顕著に獲得でき、極めて効果的である。
請求項5記載の窒素ガス製造方法では、上記均圧工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する。
これにより、その後に行う上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽に貯留される。したがって、上記貯留槽に貯留したガスを上記第1吸着容器の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器以外に設けた貯留槽に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
請求項6記載の窒素ガス製造方法では、上記第1吸着容器の再生工程は、
上記第1吸着容器に再生ガスを導入しながら、上記第1吸着容器内のガスを排出するパージ再生と、
上記第1吸着容器に再生ガスを導入し、上記第1吸着容器内にガスを保持する保持再生を行う。
上記保持再生では、上記第1吸着容器に上記貯留槽からの酸素濃度の低い再生ガスを導入する。このため、上記第1吸着容器内の圧力を上げながら吸着剤の再生を行ない、高性能化を図ることができる。
請求項7記載の窒素ガス製造装置は、第1吸着容器と第2吸着容器と貯留槽を使用する方法である。この方法は、少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する。
上記第1吸着容器は第1の入口側と第1の出口側を有し、上記第2吸着容器は第2の入口側と第2の出口側を有する。上記貯留槽は上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する。
上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、貯留工程を行う。上記貯留工程では、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する。
上記貯留工程で貯留したガスは、上記第1吸着容器の再生工程のときに、上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む。
上記貯留工程の前に行う上記均圧工程では、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する。
上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧するときに、それまで吸着工程を行っていた上記第1吸着容器では、上記第1の入口側から酸素濃度の高いガスが排出される。これにより、その後に行う上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽に貯留される。したがって、上記貯留槽に貯留したガスを上記第1吸着容器の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器以外に設けた貯留槽に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
第1実施形態の窒素ガス製造装置を説明する構成図である。 第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程表である。 第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程図である。 第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程図である。 第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程図である。 第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程図である。 第2実施形態の窒素ガス製造装置を説明する構成図である。 比較例に用いた窒素ガス製造装置の構成図である。 比較例に用いた窒素ガス製造装置の構成図である。 比較例に用いた窒素ガス製造装置の構成図である。 実施例と比較例の単位空気供給量比を示す図である。 実施例と比較例の単位窒素発生量比を示す図である。 均圧工程の変形例を説明する図である。 均圧工程の変形例を説明する図である。 均圧工程の変形例を説明する図である。 均圧工程の変形例を説明する図である。 均圧工程の変形例を説明する図である。 再生工程の変形例を説明する図である。
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
〔概要〕
本実施形態は、NPSA装置および方法において、吸着容器とは別に貯留槽を設ける。上記貯留槽は、吸着工程と均圧工程が終了した吸着容器の出口側のガスを回収し、その後の再生工程における再生ガスとして利用する。このNPSA装置および方法では、上記回収ガス中のO濃度をできる限り低くして吸着剤の動的な吸着容量を改善し、高性能化する。
また、本実施形態は、上記再生ガスとして、貯留槽に貯留したガスだけでなく、吸着容器から出てきたガスを加えることにより、再生ガスによるOの脱着効果を向上させる。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の窒素ガス製造装置を説明する構成図である。
この装置は、2つの吸着容器1,2において吸着工程、均圧工程、再生工程を順次交替で繰り返し、原料ガスから製品ガスとして窒素ガスを製造する装置である。上記原料ガスは、主として酸素と窒素を含むガスであり、一般的には圧縮空気である。この装置では、上記各吸着容器に圧縮空気を導入し、各吸着容器内の吸着剤に酸素を吸着させ、窒素ガスを製品ガスとして得る。
〔装置の構成〕
この装置は、第1吸着容器1と、第2吸着容器2と、貯留槽3とを備えている。
上記第1吸着容器1は、第1の入口側と第1の出口側を有する。上記第1の入口側には第1の入口1Aが設けられている。上記第1の出口側には、第1の出口1Bが設けられている。上記第1吸着容器1には、容器内の圧力を検知する第1圧力計1Pが設けられている。
この例では、上記第1吸着容器1は、吸着剤が充填された第1の充填部1Eを有している。また、上記第1吸着容器1は、上記第1の充填部1Eよりも入口側に設けられた第1の入口空間1Cと、上記第1の充填部1Eよりも出口側に設けられた第1の出口空間1Dが設けられている。
この例では、上記第1の入口側は、上記第1の入口空間1Cを含む入口側の領域であり、上記第1の出口側は、上記第1の出口空間1Dを含む出口側の領域である。
上記第2吸着容器2は、第2の入口側と第2の出口側を有する。上記第2の入口側には第2の入口2Aが設けられている。上記第2の出口側には、第2の出口2Bが設けられている。上記第2吸着容器2には、容器内の圧力を検知する第2圧力計2Pが設けられている。
この例では、上記第2吸着容器2は、吸着剤が充填された第2の充填部2Eを有している。また、上記第2吸着容器2は、上記第2の充填部2Eよりも入口側に設けられた第2の入口空間2Cと、上記第2の充填部2Eよりも出口側に設けられた第2の出口空間2Dが設けられている。
この例では、上記第2の入口側は、上記第2の入口空間2Cを含む入口側の領域であり、上記第2の出口側は、上記第2の出口空間2Dを含む出口側の領域である。
上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2には、吸着剤として速度分離型吸着剤が充填されている。上記速度分離型吸着剤は、細孔径が3〜4オングストロームの範囲で均一化されたものを用いることができる。この速度分離型吸着剤は、吸着点に向かって空気中の窒素と酸素の拡散速度の違いで短時間での吸着量が異なる。その時間差を利用し、吸着されなかった窒素が、非吸着ガスとして各吸着容器1,2の各出口1B,2Bから取得される。上記速度分離型吸着剤としては、具体的には分子ふるい炭素吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)を用いることができる。上記分子ふるい炭素は、石炭系,植物系,樹脂系など、各種のものを用いることができる。
上記貯留槽3は、上記第1吸着容器1の第1の出口1Bと、上記第2吸着容器2の第2の出口2Bとの、双方に連通している。具体的には上記貯留槽3は、第1回収路9を通じて上記第1吸着容器1と連通し、第2回収路10を通じて上記第2吸着容器2と連通している。上記第1回収路9と第2回収路10には、それぞれバルブ9A,バルブ10Aが設けられている。
上記原料ガスは、原料タンク4に貯留される。上記原料タンク4には、原料タンク内の原料ガスの圧力を検知する原料圧力計4Pが設けられている。上記原料タンク4は、原料路13および第1入口路11Aによって第1吸着容器1の第1入口1Aと連通している。また、上記原料タンク4は、原料路13および第2入口路12Aによって第2吸着容器2の第2入口2Aと連通している。上記第1入口路11Aと第2入口路12Aには、それぞれバルブ11C,バルブ12Cが設けられている。上記原料タンク4には図示しない圧縮機から圧縮空気が供給される。
上記製品ガスは、製品タンク5に貯留される。上記製品タンク5には、製品タンク5内の製品ガスの圧力を検知する製品圧力計5Pが設けられている。上記製品タンク5は、製品路14および第1出口路11Bによって第1吸着容器1の第1出口1Bと連通している。また、上記製品タンク5は、製品路14および第2出口路12Bによって第2吸着容器2の第2出口2Bと連通している。上記第1出口路11Bと第2出口路12Bには、それぞれバルブ11D,バルブ12Dが設けられている。上記製品タンク5は、図示しない窒素ガス利用設備に窒素ガスを供給する。
上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2は、入口側均圧路7Aおよび出口側均圧路7Bによって連通される。上記入口側均圧路7Aは、第1の入口1Aと第2の入口2Aとに連通している。上記出口側均圧路7Bは、第1の出口1Bと第2の出口2Bとに連通している。上記入口側均圧路7Aには入口側均圧弁7Cが設けられている。上記出口側均圧路7Bには出口側均圧弁7Dが設けられている。
上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2とはパージ路8で連通している。上記パージ路8は、第1の出口1Bと連通し、第2の出口2Bと連通している。上記パージ路8には、オリフィス8Aが設けられている。
〔装置の動作〕
上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2と上記貯留槽3は、つぎのように動作する。
基本動作は、第1吸着容器1と第2吸着容器2でそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し行う。第1吸着容器1で行う各工程のサイクルと、第2吸着容器2で行う各工程のサイクルは、2分の1サイクルだけ時間的にずれている。第1吸着容器1で吸着工程を行っている時、第2吸着容器2で再生工程を行う。反対に、第2吸着容器2で吸着工程を行っている時、第1吸着容器1で再生工程を行う。吸着工程と再生工程のあいだに均圧工程を行う。
以下の説明は、第1吸着容器1におけるサイクルに基づいて説明する。なお、第1吸着容器1と第2吸着容器2は、サイクルがずれるだけで同じ働きをする。したがって、第2吸着容器2におけるサイクルは同様であるため説明を省略する。
本実施形態では、さらに貯留工程を行う。上記貯留工程は、上記第1吸着容器1における上記吸着工程および均圧工程の後に、上記第1の出口1Bから上記第1吸着容器1内のガスを上記貯留槽3に回収して一時的に貯留する。
上記貯留工程で貯留槽3に貯留したガスを、上記再生工程において再生ガスとして利用する。つまり、上記貯留工程で貯留したガスを、上記第1吸着容器1の再生工程のときに上記第1の出口1Bから上記第1吸着容器1に再生ガスとして送り込む。
本実施形態では、上記貯留工程の前に行う均圧工程に特徴を有する。つまり、上記第1吸着容器1の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器2に移送し、上記第1吸着容器1の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器2に移送して、上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2を均圧する。
この例では、上記均圧工程は、上記第1の出口1Bと第2の出口2B同士を連通させ、かつ、第1の入口1Aと第2の入口2A同士を連通させて、上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2を均圧する。このように、上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2の入口側と出口側の双方を連通させて均圧する。
第1吸着容器1で吸着工程が終わったときは、第2吸着容器2では再生工程が終わっている。吸着工程が終わった第1吸着容器1は高圧であり、再生工程が終わった第2吸着容器2は低圧(大気圧)である。この状態で均圧を行うと、高圧の第1吸着容器1から低圧の第2吸着容器にガスが移動する。高圧の第1吸着容器1では減圧均圧が行われ、低圧の第2吸着容器2では加圧均圧が行われる。
このとき出口側では、酸素濃度が低い窒素純度の高いガスが、第1吸着容器1から第2吸着容器に移動する。一方、入口側では、酸素濃度が高い窒素純度の低いガスが、第1吸着容器1から第2吸着容器に移動する。
このように、均圧工程において、出口側だけでなく入口側でもガスを移動させることにより、第1吸着容器1では、入口側の窒素純度の低いガスが第2吸着容器2に移動するため、出口側に向かわない。したがって、第1吸着容器1の出口側では、窒素純度の低いガスが混じらない窒素純度の高いガスが残存する。
そうすると、均圧工程のつぎに行う貯留工程において、第1吸着容器1の出口側に残存した窒素純度の高いガスが貯留槽3に貯留されることになる。そして、貯留工程のあとに行う第1吸着容器1の再生工程では、貯留槽3に貯留された窒素純度の高いガスが再生ガスとして使用される。このため、再生工程での吸着剤の再生が促進され、つぎの吸着工程において酸素を吸着する性能が向上する。
本実施形態では、上記均圧工程のときに、上記第1の入口1Aから上記第1吸着容器1のガスを排気する。このようにすることにより、第1吸着容器1では、入口側の窒素純度の低いガスが第2吸着容器2に移動するだけでなく、排出される。このため、第1吸着容器1の出口側では、窒素純度の低いガスが混じらない、より窒素純度の高いガスが残存する。そうすると、均圧工程のつぎに行う貯留工程において、第1吸着容器1の出口側に残存した窒素純度の高いガスが貯留槽3に貯留される。そして、貯留工程のあとに行う第1吸着容器1の再生工程では、貯留槽3に貯留された窒素純度の高いガスが再生ガスとして使用される。このため、再生工程での吸着剤の再生が促進され、つぎの吸着工程において酸素を吸着する性能が向上する。
本実施形態では、上記貯留工程のときに、上記第1の入口1Aから上記第1吸着容器1のガスを排気する。このようにすることにより、第1吸着容器1では、入口側の窒素純度の低いガスが第2吸着容器2に移動するだけでなく、排出される。このため、第1吸着容器1の出口側では、窒素純度の低いガスが混じらない、より窒素純度の高いガスが残存する。そうすると、均圧工程のつぎに行う貯留工程において、第1吸着容器1の出口側に残存した窒素純度の高いガスが貯留槽3に貯留される。そして、貯留工程のあとに行う第1吸着容器1の再生工程では、貯留槽3に貯留された窒素純度の高いガスが再生ガスとして使用される。このため、再生工程での吸着剤の再生が促進され、つぎの吸着工程において酸素を吸着する性能が向上する。
本実施形態では、上記第1吸着容器1の上記再生工程のときに、上記第2吸着容器2の上記第2の出口2Bから出るガスを、上記第1の出口1Bから上記第1吸着容器1に再生ガスとして送り込む。このようにすることにより、第1吸着容器1における再生は、貯留槽3からのガスだけでなく、上記第2吸着容器2の上記第2の出口2Bから出るガスも再生ガスとして使って行われる。したがって、再生工程で使われる再生ガスの流量が多くなる。このため、再生工程での吸着剤の再生が促進され、つぎの吸着工程において酸素を吸着する性能が向上する。
本実施形態では、上記第1吸着容器1の再生工程は、パージ再生と保持再生を行う。
上記パージ再生は、上記第1吸着容器1に再生ガスを導入しながら、上記第1吸着容器1内のガスを排出する。上記保持再生は、上記第1吸着容器1に再生ガスを導入し、上記第1吸着容器1内にガスを保持する。
上記保持再生では、上記第1吸着容器1に上記貯留槽3からの窒素純度の高い再生ガスを導入する。このため、上記第1吸着容器1内の圧力を上げながら吸着剤の再生を行ない、高性能化を図ることができる。
〔第1実施形態の工程〕
図2は、第1実施形態の窒素ガス製造方法を説明する工程表である。
STEP1〜STEP7では、第1吸着容器1の吸着工程と減圧均圧工程を行い、第2吸着容器2の再生工程と加圧均圧工程を行う。
STEP8〜STEP14では、第1吸着容器1の再生工程と加圧均圧工程を行い、第2吸着容器2の吸着工程と減圧均圧工程を行う。
各STEPに要する時間a、b、c、d、e、f、gは同一とし、それぞれ例えば60秒以内の適当な値とすることができる。
図3−1および図3−2は、STEP1〜STEP7におけるガスの流れを示す工程図である。
図4−1および図4−2は、STEP8〜STEP14におけるガスの流れを示す工程図である。
◆STEP1
第1吸着容器1では、吸着工程を行う。
第2吸着容器2では、パージ再生工程を行う。
貯留槽3では、第2吸着容器2に対して再生ガスを送り出す。
第1吸着容器1は、原料タンク4から原料路13および第1入口路11Aを通して原料ガスの供給を受け、原料ガス中の酸素を吸着剤に吸着させて製品ガスとする。製品ガスは、第1出口路11Bおよび製品路14を通して製品タンク5ヘ供給する。
第2吸着容器2には、再生ガスが送り込まれる。貯留槽3から送出されたガスが、第2回収路10を通して再生ガスとして第2吸着容器2に送り込まれる。また、第1吸着容器1の第1出口1Bから出るガスが、パージ路8を通して再生ガスとして送り込まれる。送り込まれた再生ガスが吸着剤に触れ、吸着された酸素が脱着される。脱着された酸素を含む再生ガスは、第2排気路15Bを通して第2吸着容器2から排出される。
貯留槽3から再生ガスとして送り出されるのは、直前のサイクルで第2吸着容器2から貯留槽3に貯留されたガスである。
貯留槽3からのガスだけでなく、第1吸着容器1からの製品ガスも同時に再生ガスとして利用する。これにより、再生ガスの窒素純度と総流量を上げることができ、再生効率が上がる。
◆STEP2
第1吸着容器1では、引き続き吸着工程を行う。
第2吸着容器2では、保持再生を行う。STEP1と同様に貯留槽3および第1吸着容器1から再生ガスの供給を受けながら、第2排気路15Bからの排気を停止する。
貯留槽3では引き続き第2吸着容器2に対して再生ガスを送り出す。
吸着剤の再生を行いながら、第2吸着容器2内の圧力を回復させる。貯留槽3に回収したガスを再生ガスとして有効に利用しながら、復圧時間を短縮することができる。
◆STEP3
第1吸着容器1、第2吸着容器2、貯留槽3では、それぞれ待機工程を行う。すべてのバルブを確実に閉止させることにより、工程切り替わり時のガスの漏れ等のロスを防ぐことにより、高性能化を可能とする。
◆STEP4
第1吸着容器1では、減圧均圧工程を行う。
第2吸着容器2では、加圧均圧工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
入口側均圧路7Aを通して、第1吸着容器1の入口側にある酸素濃度の高いガスを第2吸着容器2に移動させる。
出口側均圧路7Bを通して、第1吸着容器1の出口側にある窒素純度の高いガスを第2吸着容器2に移動させる。
これにより、第1吸着容器1の入口側にある酸素濃度が高い不純ガスを第1吸着容器1の出口側に向かって移動させないようにする。第1吸着容器1の出口側のガスを窒素純度の高い状態に保つことができる。
◆STEP5
第1吸着容器1では、減圧均圧工程と排気工程を行う。
第2吸着容器2では、加圧均圧工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
STEP4と同様の均圧を行いながら、第1吸着容器1では、第1排気路15Aを通して入口側にある酸素濃度が高い不純ガスを排出する。
これにより、第1吸着容器1の入口側にある酸素濃度が高い不純ガスを第1吸着容器1の出口側に向かって移動させないようにする。第1吸着容器1の出口側のガスを窒素純度の高い状態に保つことができる。
◆STEP6
第1吸着容器1では、排気工程を行う。
第2吸着容器2では、待機工程を行う。
貯留槽3では、貯留工程を行う。
第1吸着容器1では、第1排気路15Aを通じて入口側にある酸素濃度の高い不純ガスを排出する。これと同時に、第1吸着容器1では、第1回収路9を通して出口側にある窒素純度の高いガスを貯留槽に回収して貯留する。
従来は排気していた第1吸着容器1の出口側にあるガスを貯留槽3に回収する。これにより、第1吸着容器1内のガスを有効利用できる。また、第1吸着容器1の出口側のガスを回収するのと同時に、入口側のガスを排気する。これにより、第1吸着容器1の入口側の酸素濃度が高い不純ガスを、出口側に移動させない。第1吸着容器1の出口側のガスを窒素純度の高い状態に保つことができる。
◆STEP7
第1吸着容器1では、排気工程を行う。
第2吸着容器2では、復圧工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
第1吸着容器1では、引き続き第1排気路15Aを通じて入口側にある酸素濃度の高い不純ガスを排出し、吸着剤を再生する。
第2吸着容器2では、原料タンク4から原料路13および第2入口路12Aから原料ガスを導入する。これと同時に第2吸着容器2では、製品タンク5から製品路14および第2出口路12Bを通して製品ガスを導入する。これにより、第2吸着容器2内の圧力を上昇させ、つぎの吸着工程に備える。
貯留槽3では、第1吸着容器1からのガスの回収を停止して待機する。
以下のSTEP8〜STEP14は、第1吸着容器1における動作と第2吸着容器2における動作が、STEP1〜STEP7と逆になる。要点だけ説明して詳細の説明は省略した。
◆STEP8
第1吸着容器1では、パージ再生工程を行う。
第2吸着容器2では、吸着工程を行う。
貯留槽3では、第1吸着容器1に対して再生ガスを送り出す。
◆STEP9
第1吸着容器1では、保持再生を行う。
第2吸着容器2では、引き続き吸着工程を行う。
貯留槽3では引き続き第1吸着容器1に対して再生ガスを送り出す。
◆STEP10
第1吸着容器1、第2吸着容器2、貯留槽3では、それぞれ待機工程を行う。
◆STEP11
第1吸着容器1では、加圧均圧工程を行う。
第2吸着容器2では、減圧均圧工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
◆STEP12
第1吸着容器1では、加圧均圧工程を行う。
第2吸着容器2では、減圧均圧工程と排気工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
◆STEP13
第1吸着容器1では、待機工程を行う。
第2吸着容器2では、排気工程を行う。
貯留槽3では、貯留工程を行う。
◆STEP14
第1吸着容器1では、復圧工程を行う。
第2吸着容器2では、排気工程を行う。
貯留槽3では、待機工程を行う。
〔第1実施形態の特徴〕
吸着剤を再生する時のガス脱着には、再生ガスの純度と流量が大きく影響する。再生ガスの純度は製品ガスに近いほど望ましく、NPSAの場合はO濃度の低い再生ガスほど、吸着剤からのO脱着効果を促進する。また、再生ガスの流量が大きいほど、吸着剤から脱着したOが早期に吸着容器から排出されるため、脱着効果が向上する。
回収ガス中のO濃度を出来る限り低い状態とするための方法として、均圧時に吸着容器の出口側同士だけでなく、吸着容器の入口側同士も連通させて均圧させる。さらに均圧と同時に排気を行う工程を用いる。さらに再生ガスの貯留槽3への回収と排気を同時に行う。いずれも吸着容器の入口側から出口側へのガス流れを制限する。別の観点として、製品Nガスの一部を、吸着容器の出口側から常時少量パージし、吸着容器の出口側の酸素濃度の上昇を防ぎ、窒素純度を維持する。
貯留槽3に回収したガスを再生ガスとして使用する時に、再生ガスの総流量および窒素純度を上げる。このための方法として、回収したガスを再生ガスとして利用するとき、同時に製品窒素ガスの一部を再生ガスとして利用する。また、再生ガスの総流量を上げるための方法として、例えば前述の製品Nガスの一部を、吸着容器の出口側から少量パージする。好ましくは常時少量パージを行う。
貯留槽3への貯留は均圧工程の終了後に開始するのが好ましい。このタイミングよりも早く貯留すれば、他方の吸着容器に回収できたガスを貯留してしまうため、性能低下に繋がる。反対に、このタイミングより遅く貯留すれば、貯留できるガス量が減り、性能低下に繋がる。
パージ再生工程を開始するタイミングは、大気排気により吸着容器の入口側の圧力が大気圧まで降下した後が最も好ましい。
貯留槽3に貯留するガスの量は、製品Nガスの濃度により、最適な貯留量が存在する。たとえば、製品N中のO濃度を80ppmとした場合に、標準状態への換算で吸着容器の容積の50%以下のガスを貯留することが望ましい。それ以上のガスを貯留すると、吸着容器の入口側の酸素濃度が高い不純ガスが吸着容器の出口側に移動し、製品NガスのO濃度を悪化させる。
パージを行う速度はできる限り早いほうが望ましい。脱着が最も顕著な再生初期に、多くの再生ガスを流通させることで、再生効果が最大化される。
〔第2実施形態の装置〕
図5は、第2実施形態の窒素ガス製造装置を説明する構成図である。
この例では、パージ路8とオリフィス8Aが設けられていない。したがって、再生工程は、貯留槽3に貯留したガスだけを再生ガスとして使用する。
それ以外は上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この例でも、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
〔実施例と比較例〕
◆実施例1
図1に示した装置が、実施例1に用いた窒素ガス製造装置である。
◆実施例2
図5に示した装置が、実施例2に用いた窒素ガス製造装置である。
◆比較例1
図6は、比較例1に用いた窒素ガス製造装置である。
この例は、パージ路8とオリフィス8Aが設けられていない。さらにこの例は、貯留槽3、第1回収路9とバルブ9A、第2回収路10とバルブ10Aが設けられていない。したがって再生工程では、貯留槽3のガスもパージ路8からのガスも導入しない。
またこの例は、入口側均圧路7Aが設けられていない。したがって、均圧工程は出口側均圧路7Bによって行い、入口側での均圧を行わない。
それ以外は上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
◆比較例2
図7は、比較例2に用いた窒素ガス製造装置である。
この例は、パージ路8とオリフィス8Aが設けられていない。したがって、再生工程は、貯留槽3に貯留したガスだけを再生ガスとして使用する。
またこの例は、入口側均圧路7Aが設けられていない。したがって、均圧工程は出口側均圧路7Bによって行い、入口側での均圧を行わない。
それ以外は上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
◆比較例3
図8は、比較例3に用いた窒素ガス製造装置である。
この例は、入口側均圧路7Aが設けられていない。したがって、均圧工程は出口側均圧路7Bによって行い、入口側での均圧を行わない。
それ以外は上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
各実施例および各比較例の装置で、原料ガスとして圧縮空気を用い、製品ガスとして窒素ガスを製造した。
製造は、図2、図3−1、図3−1、図4−1、図4−2に示す工程で行った。各STEPの時間a、b、c、d、e、f、gの総時間を45秒とした。
各実施例および各比較例における条件比較の一覧を下記の表1に示す。表中で、『○』印は備えた条件、『×』印は備えていない条件である。
Figure 2017160079
〔評価方法〕
製品ガス中の酸素濃度が80ppmとなるように製品ガスの発生量を調整したときの性能で評価、比較を行った。
原料空気流量、製品窒素流量はいずれもサーマルフローメーターを用いて積算流量を測定し、製品ガス中の酸素濃度はジルコニア式酸素濃度計で測定した。
貯留槽3の容積は、吸着容器1,2の容積に対して約5/6とした。
単位空気供給量と単位窒素発生量を下記の式で算出して評価を行った。
単位空気供給量=(原料空気平均流量)/(製品窒素平均流量)
単位窒素発生量=(製品窒素平均流量)/(充填吸着剤量)
〔結果〕
図9は、各実施例および各比較例の単位空気供給量を比較した図である。
図10は、各実施例および各比較例の単位窒素発生量を比較した図である。
いずれも、比較例1の結果を1.0とした比率で性能比較を行った。
比較例2は、比較例1に比べて単位空気供給量と単位窒素発生量がともに改善されている。再生ガスとして貯留槽3のガスを用い、性能が向上した。
比較例3は、比較例2よりもさらに、単位窒素発生量が改善された。再生ガスとしてパージ路8からのガスを追加し、性能が向上した。
実施例2は、比較例3に比べて単位空気供給量と単位窒素発生量がいずれも大きく改善された。入口側の均圧を加え、性能が向上した。
実施例1は、実施例2に比べて単位窒素発生量が改善された。再生ガスとしてパージ路8からのガスを追加し、性能が向上した。
〔比較例〕
表2は、他の比較例を示す。いずれも、貯留槽3のガスを再生ガスとして用いない例である。
比較例4は、均圧工程は出口側均圧路7Bによって行い、入口側での均圧を行わない。また、再生工程をパージ路8のガスだけを再生ガスとして使用する。
比較例5は、均圧工程は出口側均圧路7Bに加え、入口側均圧路7Aでも行う。また再生工程をパージ路8のガスだけを再生ガスとして使用する。
Figure 2017160079
単位窒素発生量の性能向上率の変動を比較した。比較例5が比較例4に比べて改善する程度と、実施例1が比較例3に比べて改善する程度を比較した。後者が前者にくらべて、性能向上率が2%程度高くなった。
つまり、均圧を出口側に加えて入口側でも行うことにより性能は向上する。再生ガスとして貯留槽3のガスを使用したほうが、その向上率が高くなることがわかる。
〔各実施形態の効果〕
上記各実施形態では、第1吸着容器1と第2吸着容器2と貯留槽3を使用する方法である。この方法は、2つの吸着容器1,2において吸着工程、均圧工程、再生工程を順次交替で繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する。
上記第1吸着容器1は第1の入口側と第1の出口側を有し、上記第2吸着容器2は第2の入口側と第2の出口側を有する。上記貯留槽3は上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する。
上記第1吸着容器1における上記吸着工程および均圧工程の後に、貯留工程を行う。上記貯留工程では、上記第1の出口側から上記第1吸着容器1内のガスを上記貯留槽3に回収して一時的に貯留する。
上記貯留工程3で貯留したガスは、上記第1吸着容器1の再生工程のときに、上記第1の出口側から上記第1吸着容器1に再生ガスとして送り込む。
上記貯留工程の前に行う上記均圧工程では、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する。
上記第1吸着容器1の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器2に移送して上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2を均圧するときに、それまで吸着工程を行っていた上記第1吸着容器1では、上記第1の入口側から酸素濃度の高いガスが排出される。これにより、その後に行う上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽3に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽3に貯留される。したがって、上記貯留槽3に貯留したガスを上記第1吸着容器1の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器1,2内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器1,2以外に設けた貯留槽3に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
上記各実施形態では、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器1のガスを排気する。
これにより、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽3に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽3に貯留される。したがって、上記貯留槽3に貯留したガスを上記第1吸着容器1の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器1,2内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器1,2以外に設けた貯留槽3に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
上記各実施形態では、上記第1吸着容器1の上記再生工程のときに、上記第2吸着容器2の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1の出口側から上記第1吸着容器1に再生ガスとして送り込む。
つまり、上記第1吸着容器1の上記再生工程では、貯留槽3からの再生ガスに加え、上記第2吸着容器2の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1吸着容器1に再生ガスとして送り込む。したがって、再生工程における再生ガスの流量が増え、吸着剤の再生を一層促進し、高性能化を図ることができる。
上記各実施形態では、上記第1吸着容器1と上記第2吸着容器2には、吸着剤として速度分離型吸着剤が充填されている。
速度分離型吸着剤では、吸着工程と再生工程のサイクルが比較的短時間で行われる。このため、吸着工程が終わったときに、吸着容器1,2の入口側と出口側の酸素濃度の勾配が大きい。つまり、吸着工程が終わったとき、吸着容器1,2の出口側で酸素濃度が低いのに対し、吸着容器1,2の入口側の酸素濃度が高い。したがって、上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスを上記第1の出口側に移動させず、上記貯留槽3に貯留されてしまうことを防止する効果を顕著に獲得でき、極めて効果的である。
上記各実施形態では、上記均圧工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器1のガスを排気する。
これにより、その後に行う上記貯留工程のときに、上記第1の入口側に存在する酸素濃度の高いガスが、上記第1の出口側に移動して、上記貯留槽3に貯留されてしまうことが防止される。つまり、上記貯留工程では、酸素濃度の低いガスが貯留槽3に貯留される。したがって、上記貯留槽3に貯留したガスを上記第1吸着容器1の再生工程において再生ガスとして送り込んだときに、再生工程が酸素濃度の低いガスで行われ、再生が促進される。このように、本発明では、均圧工程が終了した後に吸着容器1内に残存するガスを回収し、その回収ガスを有効に利用することにより高性能化を図ることができる。このとき、吸着容器1,2以外に設けた貯留槽3に回収するガスのコンディションを均圧操作で整え、それによって再生を促進するのである。
上記各実施形態では、上記第1吸着容器1の再生工程は、
上記第1吸着容器1に再生ガスを導入しながら、上記第1吸着容器1内のガスを排出するパージ再生と、
上記第1吸着容器1に再生ガスを導入し、上記第1吸着容器1内にガスを保持する保持再生を行う。
上記保持再生では、上記第1吸着容器1に上記貯留槽3からの酸素濃度の低い再生ガスを導入する。このため、上記第1吸着容器1内の圧力を上げながら吸着剤の再生を行ない、高性能化を図ることができる。
〔まとめ〕
速度分離型吸着剤を用いるPSAにおいて、均圧終了後の排気工程時に吸着容器1,2の出口側のガスを回収するために、吸着容器1,2とは別に貯留槽3を設けてガスを回収することにより、これまで排気していた吸着容器1,2内のガスを回収する。その回収ガス中のO濃度をできる限り低い状態にするために、上記均圧時に、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送する。これにより、吸着容器1,2の入口側の酸素濃度が高い不純ガスを吸着容器の出口側に流通させないようにする。この回収したN富化ガスを排気工程が終了した後の再生工程で吸着剤の再生に利用することにより吸着剤の動的な吸着容量を改善し、NPSAの高性能化が可能となる。この高性能化によって、単位窒素発生量を大きく、単位空気供給量を小さくすることが可能となる。結果として圧縮空気の供給エネルギーを削減することができ、必要となる吸着剤量が削減できることで装置のコンパクトが可能となる。
本発明では、上記吸着剤として分子ふるい炭素吸着剤などの速度分離型吸着剤を用いることが好ましい。NとOはこの吸着剤に対し、平衡状態での吸着量はほとんど変わらない。しかし、吸着速度が大きく異なり、Oは速やかに吸脱着し、Nは緩やかに吸脱着する。このため、再生工程の吸着容器1,2内のガス組成は、再生工程の初期ほどO濃度が高く、再生工程の後期ほどO濃度が低い。その吸脱着速度は、空隙中の対象ガスの濃度に影響される。例えば、空隙中のO濃度が高い状態で加圧すれば速やかにOが吸着する。同様の状態で減圧すれば吸着剤に吸着されたOは脱着しにくい。NPSAにおいて脱着時の空隙O濃度は速やかに低下させることで、脱着促進に直結する。
上記吸着剤として、水分除去等を目的とする炭素吸着剤以外のもの(たとえばアルミナなど)を少し入れて混層にすることもできる。
上記の理論に基づき、再生ガスは、再生開始の直後に、O濃度の低い組成で大量に流通させることが最も脱着を促進させる方法である。
本発明は、回収ガスを用いた再生効果を最適なものとするために、回収ガスの利用方法に特徴を持たせたものである。
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
図11〜図15に、上記均圧工程の変形例を示す。本発明における均圧工程には、これらの態様も包含する趣旨である。
図11(A)の装置では、図1の装置に対し、入口側均圧路7Aと入口側均圧弁7Cが設けられていない。それに代えて、第1入口側均圧路27Aと第2入口側均圧路27Bが設けられている。上記第1入口側均圧路27Aは第1入口側均圧弁28Aを有する。上記第2入口側均圧路27Bは第2入口側均圧弁28Bを有する。
上記第1入口側均圧路27Aは、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける入口側寄りの部分と、第2吸着容器2の第2の入口2Aとを連通させて均圧する。
上記第2入口側均圧路27Bは、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける入口側寄りの部分と、第1吸着容器1の第1の入口1Aとを連通させて均圧する。
図11(B)は、図11(A)の装置においてさらに、第1充填部均圧路37Aと第2充填部均圧路37Bを備えたものである。第1充填部均圧路37Aは第1充填部均圧弁38Aを有する。第2充填部均圧路37Bは第2充填部均圧弁38Bを有する。
上記第1充填部均圧路37Aは、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける出口側寄りの部分と、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける中腹部分とを連通させて均圧する。
上記第2充填部均圧路37Bは、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける出口側寄りの部分と、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける中腹部分とを連通させて均圧する。
図12の装置は、図1の装置に対し、入口側均圧路7Aと入口側均圧弁7Cが設けられていない。それに代えて、第1充填部均圧路37Aと第2充填部均圧路37Bを備えたものである。第1充填部均圧路37Aは第1充填部均圧弁38Aを有する。第2充填部均圧路37Bは第2充填部均圧弁38Bを有する。
上記第1充填部均圧路37Aは、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける出口側寄りの部分と、第2吸着容器2の第2充填部2Eにおける入口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第2充填部均圧路37Bは、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける出口側寄りの部分と、第1吸着容器1の第1充填部1Eにおける入口寄りの部分とを連通させて均圧する。
図13の装置は、図1の装置に対し、出口側均圧路7Bと出口側均圧弁7Dが設けられていない。それに代えて、第1出口側均圧路31Aと第2出口側均圧路31Bが設けられている。上記第1出口側均圧路31Aには第1出口側均圧弁32Aが設けられている。上記第2出口側均圧路31Bには第2出口側均圧弁32Bが設けられている。
上記第1出口側均圧路31Aは、第1吸着容器1の第1の出口1Bと第2吸着容器2の第2の充填部2Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第2出口側均圧路31Bは、第2吸着容器2の第2の出口2Bと第1吸着容器1の第1の充填部1Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
図14の装置は、図1の装置に対し、出口側均圧路7Bと出口側均圧弁7Dが設けられていない。またこの装置は、図1の装置に対し、入口側均圧路7Aと入口側均圧弁7Cが設けられていない。
それに代えて、第1出口側均圧路31Aと第2出口側均圧路31Bが設けられている。上記第1出口側均圧路31Aには第1出口側均圧弁32Aが設けられている。上記第2出口側均圧路31Bには第2出口側均圧弁32Bが設けられている。
また、第3充填部均圧路47Aと第4充填部均圧路47Bを備えたものである。第3充填部均圧路47Aは第3充填部均圧弁48Aを有する。第4充填部均圧路47Bは第4充填部均圧弁48Bを有する。
上記第1出口側均圧路31Aは、第1吸着容器1の第1の出口1Bと第2吸着容器2の第2の充填部2Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第2出口側均圧路31Bは、第2吸着容器2の第2の出口2Bと第1吸着容器1の第1の充填部1Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第3充填部均圧路47Aは、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける中腹部分と、第2吸着容器2の第2の入口2Aとを連通させて均圧する。
上記第4充填部均圧路47Bは、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける中腹部分と、第1吸着容器1の第1の入口1Aとを連通させて均圧する。
図15の装置は、図1の装置に対し、出口側均圧路7Bと出口側均圧弁7Dが設けられていない。またこの装置は、図1の装置に対し、入口側均圧路7Aと入口側均圧弁7Cが設けられていない。
それに代えて、第1出口側均圧路31Aと第2出口側均圧路31Bが設けられている。上記第1出口側均圧路31Aには第1出口側均圧弁32Aが設けられている。上記第2出口側均圧路31Bには第2出口側均圧弁32Bが設けられている。
また、第1充填部均圧路37Aと第2充填部均圧路37Bを備えている。第1充填部均圧路37Aは第1充填部均圧弁38Aを有する。第2充填部均圧路37Bは第2充填部均圧弁38Bを有する。
上記第1出口側均圧路31Aは、第1吸着容器1の第1の出口1Bと第2吸着容器2の第2の充填部2Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第2出口側均圧路31Bは、第2吸着容器2の第2の出口2Bと第1吸着容器1の第1の充填部1Eの出口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第1充填部均圧路37Aは、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける出口側寄りの部分と、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける入口寄りの部分とを連通させて均圧する。
上記第2充填部均圧路37Bは、第2吸着容器2の第2の充填部2Eにおける出口側寄りの部分と、第1吸着容器1の第1の充填部1Eにおける入口寄りの部分とを連通させて均圧する。
図16は、再生工程の変形例を説明する図である。
この例では、パージ再生工程および保持再生工程において、製品タンク5の製品ガスを再生ガスとして送り込む。製品タンク5からの再生ガスは、製品パージ路8B、オリフィス8Aおよびパージ路8を経由し、第1吸着容器1または第2吸着容器2に送り込まれる。第1吸着容器1の第1出口1Bから出るガスを第2吸着容器2に送り込んだり、第2吸着容器2の第2出口2Bから出るガスを第1吸着容器1に送り込んだり、ということはしない。それ以外は、上記各実施形態と同様である。
上述した各実施形態では、上記貯留槽3は、第1出口路11Bを経由して第1吸着容器1と連通し、第2出口路12Bを経由して第2吸着容器2と連通している。これに限定するものではなく、上記貯留槽3を、第1出口路11Bを経由させることなく第1回収路9によって第1吸着容器1と連通させ、第2出口路12Bを経由させることなく第2回収路10によって第2吸着容器2と連通させてもよい。
1 :第1吸着容器
1A:第1の入口
1B:第1の出口
1C:第1の入口空間
1D:第1の出口空間
1E:第1の充填部
1P:第1圧力計
2 :第2吸着容器
2A:第2の入口
2B:第2の出口
2C:第2の入口空間
2D:第2の出口空間
2E:第2の充填部
2P:第2圧力計
3 :貯留槽
4 :原料タンク
4P:原料圧力計
5 :製品タンク
5P:製品圧力計
7A:入口側均圧路
7B:出口側均圧路
7C:入口側均圧弁
7D:出口側均圧弁
8 :パージ路
8A:オリフィス
8B:製品パージ路
9 :第1回収路
9A:バルブ
10:第2回収路
10A:バルブ
11A:第1入口路
11B:第1出口路
11C:バルブ
11D:バルブ
12A:第2入口路
12B:第2出口路
12C:バルブ
12D:バルブ
13:原料路
14:製品路
15A:第1排気路
15B:第2排気路
27A:第1入口側均圧路
27B:第2入口側均圧路
28A:第1入口側均圧弁
28B:第2入口側均圧弁
31A:第1出口側均圧路
31B:第2出口側均圧路
32A:第1出口側均圧弁
32B:第2出口側均圧弁
37A:第1充填部均圧路
37B:第2充填部均圧路
38A:第1充填部均圧弁
38B:第2充填部均圧弁
47A:第3充填部均圧路
47B:第4充填部均圧路
48A:第3充填部均圧弁
48B:第4充填部均圧弁

Claims (7)

  1. 少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する方法であって、
    第1の入口側と第1の出口側を有する第1吸着容器と、
    第2の入口側と第2の出口側を有する第2吸着容器と、
    上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する貯留槽とを使用し、
    上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する貯留工程を行い、
    上記貯留工程で貯留したガスを、上記第1吸着容器の再生工程のときに上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込み、
    上記均圧工程は、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する
    ことを特徴とする窒素ガス製造方法。
  2. 上記貯留工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する
    請求項1記載の窒素ガス製造方法。
  3. 上記第1吸着容器の上記再生工程のときに、上記第2吸着容器の上記第2の出口側から出た製品ガスを、上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込む
    請求項1または2記載の窒素ガス製造方法。
  4. 上記第1吸着容器と上記第2吸着容器には、吸着剤として速度分離型吸着剤が充填されている
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の窒素ガス製造方法。
  5. 上記均圧工程のときに、上記第1の入口側から上記第1吸着容器のガスを排気する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の窒素ガス製造方法。
  6. 上記第1吸着容器の再生工程は、
    上記第1吸着容器に再生ガスを導入しながら、上記第1吸着容器内のガスを排出するパージ再生と、
    上記第1吸着容器に再生ガスを導入し、上記第1吸着容器内にガスを保持する保持再生を行う
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の窒素ガス製造方法。
  7. 少なくとも2つの吸着容器においてそれぞれ、吸着工程、均圧工程、再生工程を順次繰り返し、原料ガスから窒素ガスを製造する装置であって、
    第1の入口側と第1の出口側を有する第1吸着容器と、
    第2の入口側と第2の出口側を有する第2吸着容器と、
    上記第1の出口側と上記第2の出口側の双方に連通する貯留槽とを備え、
    上記第1吸着容器と上記第2吸着容器と上記貯留槽は、
    上記第1吸着容器における上記吸着工程および均圧工程の後に、上記第1の出口側から上記第1吸着容器内のガスを上記貯留槽に回収して一時的に貯留する貯留工程を行い、
    上記貯留工程で貯留したガスを、上記第1吸着容器の再生工程のときに上記第1の出口側から上記第1吸着容器に再生ガスとして送り込み、
    上記均圧工程は、上記第1吸着容器の上記第1の出口側から出たガスを第2吸着容器に移送し、上記第1吸着容器の上記第1の出口側以外の部分から出たガスを第2吸着容器に移送して、上記第1吸着容器と上記第2吸着容器を均圧する
    ように構成されていることを特徴とする窒素ガス製造装置。
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