JP2017159613A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】厚みTの支持基材の少なくとも一方の面に、厚みtの表面層を有する積層体であって、前記表面層の厚み方向に、前記表面層の前記支持基材に垂直な断面において、表面層の表面から表面層厚みの20%(以降、位置Aとする)、80%(以降、位置Bとする)の各位置における、原子間力顕微鏡により測定された、弾性率EA,EB、散逸エネルギーDA,DB、が以下の条件1〜4すべてを満たすことを特徴とする積層体。
条件1 T ≦ 30μm
条件2 0.10 ≦t/T≦0.45
条件3 EA>EB
条件4 DB>DA
【選択図】図1
Description
1.厚みTの支持基材の少なくとも一方の面に、厚みtの表面層を有する積層体であって、前記表面層の厚み方向に、前記表面層の前記支持基材に垂直な断面において、表面層の表面から表面層厚みの20%(以降、位置Aとする)、80%(以降、位置Bとする)の各位置における、原子間力顕微鏡により測定された、弾性率EA,EB、散逸エネルギーDA,DB、が以下の条件1〜4すべてを満たすことを特徴とする積層体。
条件1 T ≦ 30μm
条件2 0.10≦t/T≦0.45
条件3 EA>EB
条件4 DB>DA
2.前記表面層の原子間力顕微鏡により測定された、弾性率EA,EB、散逸エネルギーDA,DBが、以下の関係にある条件5、6をすべて満たすことを特徴とする1に記載の積層体。
条件5 EAが0.5GPa以上、DAが220eV未満
条件6 EBが0.4GPa未満、DBが220eV以上
3.前記表面層の前記位置Aと位置Bにおける、フーリエ変換型赤外分光光度計による1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比(以降、A1680/1730,B1680/1730とする。)が以下の条件7から条件9を満たすことを特徴とする、1または2に記載の積層体。
条件7 A1680/1730 < B1680/1730
条件8 A1680/1730 < 0.6
条件9 0.9 < B1680/1730
4.前記表面層の、前記表面層の厚み方向に、前記表面層の前記支持基材に垂直な断面において、表面層の表面から表面層厚みの30%の位置から70%の位置の範囲において、フーリエ変換型赤外分光光度計による1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比が、以下の条件10を満たす位置Cが存在することを特徴とする、1から3のいずれかに記載の積層体。
条件10 A1680/1730 < C1680/1730 < B1680/1730
5.前記積層体が、支持基材上に塗料組成物Bを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程1)、塗料組成物Aを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程2)、紫外線硬化を行う工程(工程3)を、連続してこの順に行うことを特徴とする積層体の製造方法。
以下、本発明の実施の形態について具体的に述べる。
条件1 T ≦ 30μm
条件2 0.10 ≦ t/T ≦0.45
条件3 EA > EB
条件4 DB > DA
ここで、本発明における「表面層」とは、支持基材上に形成された層をいう。すなわち、支持基材上に層が1層のみ形成されている場合は、当該1層が「表面層」となる。また、例えば支持基材上に層が2層以上形成されている場合は、支持基材を除いた当該2層以上の層すべてを1つの「表面層」というものとする。なお「積層体」および「層」の定義については後述する。
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡 DimensionIcon
測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
原子間力顕微鏡による散逸エネルギー測定は、図2に記載のように、カンチレバーの応力5と、厚み方向の変位6の関係を測定し、カンチレバーの押し込み時のカーブ7と、引き離し時のカーブ8で囲まれる面積を、散逸エネルギー9として取り扱うもので、その物理的意味は試料表面の粘性と試料と探針の間に生じる凝着ヒステリシス損の総和に対応する。
条件5 EAが0.5GPa以上、DAが220eV未満
条件6 EBが0.4GPa未満、DBが220eV以上
ここで、条件5は位置A(図1中の3)における好ましい弾性率を示しており、0.6GPa以上がより好ましく、散逸エネルギーは200eV未満がより好ましい。EAは大きい分には問題ないが、現実的には5GPa程度が限界である。また、DAは小さい方が好ましいが、実用材料としては100eV程度が限界である。
条件7 A1680/1730 < B1680/1730
条件8 A1680/1730 < 0.6
条件9 0.9 < B1680/1730
ここで、フーリエ変換型赤外分光光度計による1680cm−1および1730cm−1はカルボニル基に起因するピーク位置であり、特に1680cm−1はウレタン樹脂に起因するピーク位置であり、1730cm−1はアクリル樹脂に起因するピーク位置である。すなわち条件7を満たすことは、支持基材に近い側の方がウレタン結合を有する化合物を多く含むことを意図している。
条件10 A1680/1730 < C1680/1730 < B1680/1730
条件10は、表面層の組成が、厚み方向に組成の境界界面なく連続的に変化、もしくは位置Aと位置Bの間に中間の組成を有する層を有していることを意図している。条件10の関係が満たされない、即ち表面層の厚みの30%の位置から70%の位置の範囲のすべての位置において1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比が、位置Aの1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比と同じであるか小さい、もしくは位置Bの1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比と同じであるか大きいので、表面層の厚み20%の位置から30%の位置、もしくは70%の位置から80%の位置の領域において、組成が厚み方向に対して急激に変化することになる。その領域において応力歪みが発生し、そこを基点とした塗膜の破壊が発生する可能性があるため好ましくない場合がある。
本発明の積層体は支持基材の少なくとも1方の面に表面層を有していれば平面状(フィルム、シート、プレート)、3次元形状(成型体)のいずれであってもよいが、本発明の課題および効果が、薄く柔軟な支持基材であっても平坦性を維持しつつ、耐傷性を付与することにあるため、薄い支持基材、特に30μm以下、より好ましくは25μm以下のプラスチックフィルム上に表面層を形成した積層体の場合に、顕著な効果が得られる。
本発明の積層体は、後述する支持基材上に後述する積層体の製造方法を用いて、塗料組成物を塗布、乾燥、硬化することで、前述の物性を達成可能な構造を持つ表面層を形成できる。
本発明の積層体が有する表面層は、粒子を含んでもよく、本発明の積層体に適した塗料組成物は粒子を含んでもよい。特に塗料組成物Aは粒子を含むことが好ましい。ここで、粒子とは無機粒子、有機粒子のいずれでもよいが、耐久性の観点から無機粒子が好ましい。
本発明の積層体に適した塗料組成物は、溶媒を含んでもよい。溶媒の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下である。ここで「溶媒」とは、塗工後の乾燥工程にてほぼ全量を蒸発させることが可能な、常温、常圧で液体である物質を指す。
本発明の積層体を形成するのに適した塗料組成物は、更に光重合開始剤、熱重合開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。光重合開始剤、熱重合開始剤や硬化剤や触媒は樹脂原料間の反応を促進するために用いられる。光重合開始剤、熱重合開始剤や硬化剤や触媒としては、塗料組成物をラジカル反応等による重合および/またはシラノール縮合および/または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
塗料組成物Aは樹脂原料、粒子原料、光開始剤および溶媒を、塗料組成物Bは樹脂原料および樹脂原料の硬化を促進する硬化触媒、粒子原料および溶媒をそれぞれ含むが、塗料組成物中のそれぞれの質量関係について説明する。
本発明の積層体には、前記「表面層」を設けるため支持基材を必要とする。支持基材に特に限定はなく、ガラス板、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチックレンズ、金属板等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の積層体の製造方法は、前述の支持基材の少なくとも片面に、表面層を形成することができれば、特に限定されないが、前述の塗料組成物を塗布し、次いで乾燥、硬化することにより、積層膜の各層を形成する方法であることが好ましく、支持基材上に塗料組成物Bを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程1)、塗料組成物Aを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程2)、紫外線硬化を行う工程(工程3)を、連続して順に行う製造方法がより好ましい。
[樹脂原料A1]
樹脂原料A1として、ウレタンアクリレートオリゴマー(“KRM”8655 ダイセル・サイテック株式会社製、固形分濃度100質量%、15官能)を使用した。
樹脂原料A2として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(“PET−30”日本化薬株式会社製、固形分濃度100質量%、3官能)を使用した。
樹脂原料A3として、ウレタンアクリレートオリゴマー(“KRM”8452 ダイセル・サイテック株式会社製、固形分濃度100質量%、10官能)を使用した。
樹脂原料A4として、ノニルフェノールEO変性アクリレート(“アロニックス”M113 東亞合成株式会社製、固形分濃度100質量%、単官能)を使用した。
樹脂原料B1として、ウレタン変性アクリルポリオール樹脂(“8UA−017” 大成ファインケミカル社製、固形分濃度50質量%)を使用した。
樹脂原料B2として、ウレタン変性アクリルポリオール樹脂(“8UA−301” 大成ファインケミカル社製、固形分濃度30質量%)を使用した。
樹脂原料B3として、ウレタン変性アクリルポリオール樹脂(“8UA−366” 大成ファインケミカル社製、固形分濃度35質量%)を使用した。
[硬化剤C1]
ポリイソシアネート化合物として、トリメチロールプロパン付加物ポリイソシアネート(“コロネートL”日本ポリウレタン工業社製、固形分濃度75質量%)を使用した。
[粒子D1]
粒子D1として、オルガノシリカゾル(MEK−ST−L 日産化学工業株式会社製、固形分濃度30質量%、平均粒子径50nm)を使用した。
粒子D2として、オルガノシリカゾル(MEK−ST 日産化学工業株式会社製、固形分濃度30質量%、平均粒子径15nm)を使用した。
[塗料組成物A1]
下記材料を混合し塗料組成物A1を得た。
樹脂原料A : 樹脂原料A1 16.0 質量%
粒子D : 粒子D1 27.0 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 56.4 質量%
光重合開始剤 : 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(イルガキュア184 BASF社製) 0.6 質量%。
下記材料を混合し塗料組成物A2を得た。
樹脂原料A : 樹脂原料A2 30.0 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 69.4 質量%
光重合開始剤 : 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(イルガキュア184 BASF社製) 0.6 質量%。
下記材料を混合し塗料組成物A3を得た。
樹脂原料A : 樹脂原料A3 30.0 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 69.4 質量%
光重合開始剤 : 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(イルガキュア184 BASF社製) 0.6 質量%。
下記材料を混合し塗料組成物A4を得た。
樹脂原料A : 樹脂原料A4 30.0 質量%
溶媒 : 酢酸エチル 69.4 質量%
光重合開始剤 : 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(イルガキュア184 BASF社製) 0.6 質量%。
下記材料を混合し塗料組成物A4を得た。
樹脂原料A : 樹脂原料A4 16.0 質量%
粒子D : 粒子D1 27.0 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 56.4 質量%
光重合開始剤 : 1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルーケトン(イルガキュア184 BASF社製) 0.6 質量%。
樹脂原料B : 樹脂原料B1 63.0 質量%
硬化剤 : 硬化剤C1 11.2 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 25.8 質量%。
樹脂原料B : 樹脂原料B2 27.6 質量%
粒子D : 粒子D2 20.0 質量%
硬化剤 : 硬化剤C1 11.2 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 44.2 質量%。
樹脂原料B : 樹脂原料B3 32.2 質量%
粒子D : 粒子D2 20.0 質量%
硬化剤 : 硬化剤C1 8.2 質量%
溶媒 : 酢酸ブチル 39.6 質量%。
[積層体の作成方法1]
支持基材(図1の1)として、易接着性塗料が塗布されている、厚み23μmおよび30μmのPET樹脂フィルムを用いた。塗工設備として、巻き出し部→塗工部→乾燥部→紫外線硬化部→巻き取り部を有する塗工設備を使用した。最初に、支持基材上に塗料組成物Bをスロットダイコーターによる連続塗布装置を用い、乾燥後の表面層の厚みが表1に指定の膜厚になるようにスロットからの吐出流量を調整して塗布し、A層を形成し、次いで下記の条件で乾燥工程Bを行い、支持基材上にB層を形成した。
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間。
送風温湿度 : 温度:80℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分30秒間。
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度 : 200ppm以下。
支持基材(図1の1)として、易接着性塗料が塗布されている、厚み23μmおよび30μmのPET樹脂フィルムを用いた。塗工設備として、巻き出し部→塗工部→乾燥部→紫外線硬化部→巻き取り部を有する塗工設備を使用した。最初に、支持基材上に塗料組成物Bをスロットダイコーターによる連続塗布装置を用い、乾燥後の表面層の厚みが表1に指定の膜厚になるようにスロットからの吐出流量を調整して塗布し、次いで下記の条件で乾燥工程Bおよび硬化工程Bを行い、支持基材上にB層を形成した。
送風温湿度 : 温度:100℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分間。
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度 : 200ppm以下。
送風温湿度 : 温度:80℃
風速 : 塗布面側:5m/秒、反塗布面側:5m/秒
風向 : 塗布面側:基材の面に対して平行、反塗布面側:基材の面に対して垂直
滞留時間 : 1分30秒間。
積算光量 : 120mJ/cm2
酸素濃度 : 200ppm以下。
作製した積層体について、以降に示す性能評価を実施し、得られた結果を表2および表3に示す。特に断りのない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1水準の任意の箇所から3つのサンプルを切り出し、3サンプルについて測定を行い、その平均値を用いた。
実施例1〜9、比較例1〜5の積層体を電顕用エポキシ樹脂(日新EM社製Quetol812)で包埋し硬化させた後、凍結ミクロトーム法により断面を切り出し、当該断面を測定面として専用のサンプル固定台に固定した。AFM(Burker Corporation製 DimensionIcon)を用い、PeakForceQNMモードにて測定を実施し、得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」を用いて、JKR接触理論に基づいた解析を行い、弾性率分布を求めた。
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: Burker Corporation製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 10(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
最大押し込み荷重(Peak Force Setpoint) : 10(nN)
次いで得られた断面像から表面層の厚みが視野角内に収まるように倍率を調整した。この時、表面層−支持基材界面は、表面層と支持基材の境界部分の弾性率の不整合から輝線または暗線として観察され、この輝線または暗線の中央を表面層の厚み方向の測定基準線とした。また最表面についても同様に、表面層と包埋樹脂との弾性率不整合により生じる輝線または暗線の中央を表面層の厚み方向の測定基準線とした。以下の測定においては、「最表面からの距離」という場合は、前述の最表面における輝線または暗線の中央をからの距離をいい、「最表面までの距離」という場合は、前述の最表面における輝線または暗線の中央までの距離をいう。同様に、「表面層−支持基材界面からの距離」という場合は、前述の界面における輝線または暗線の中央をからの距離をいい、「表面層−支持基材界面までの距離」という場合は、前述の界面における輝線または暗線の中央までの距離をいう。続いて表面層の表面から表面層厚みの20%(位置A)および80%(位置B)の各位置にてForce Monitorよりフォースカーブを採取した。更に付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」にフォースカーブを取り込み、DMT Modulusとして弾性率EAおよびEBを、Dissipationとして散逸エネルギーDAおよびDBをそれぞれ算出した。
始めにダイプラ・ウィンテス社製SAICAS装置CN−20を用いて、斜め方向に切り出された断面を作成した。具体的には切刃として単結晶ダイヤモンド刃を用い、定速度モード、水平速度:0.05μm/sec、垂直速度:0.005μm/secの条件にて切削を行い、断面を得た。上記方法は、垂直方向の分布状態の分解能を10倍に拡大することに相当し、後述の顕微型赤外分光と組み合わせることで、厚み方向に約200nmの分解能を持って測定を行うことが可能となる。
分解能:8cm−1
スキャン/ピクセル:2、スキャン速度:1.0cm−1
スキャン開始:3500cm−1、スキャン終了:1700cm−1
ピクセルサイズ:1.56μm
サンプルサイズ:150μm×150μm
続いて、得られたイメージング像から、表面層の表面から表面層厚みの20%(位置A)と80%(位置B)に対応する位置をそれぞれ3点ずつ抽出し、各点における赤外吸収スペクトルから読み取られる1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比の平均値を、それぞれA1680/1730およびB1680/1730とした。
作成した積層体を常態下(24℃、相対湿度65%)で12時間放置した後、10cm四方の正方形状に切り出し、水平面上に静置した。次いで積層体の4隅点と水平面の距離を計測し、その数値の平均により5段階に分類した。
5点:1mm未満
4点:1mm以上、10mm未満
3点:10mm以上、20mm未満
2点:20mm以上
1点:筒状となり計測不可。
作成した積層体を常態下(24℃、相対湿度65%)で12時間放置した後、同環境にてJIS K 5600−5−4(1999年)に記載の引っかき硬度(鉛筆法)に従い、表面層の表面硬度を測定した。
作成した積層体を常態下(24℃、相対湿度65%)で12時間放置した後、表面層を有する面に対して、500g/cm2荷重となるスチールウール(#0000)を垂直にあて、5cmの長さを10往復した際に目視される傷の概算本数を記載し、下記のクラス分けを行った。
5点:0本
4点:1本以上 5本未満
3点:5本以上 10本未満
2点:10本以上 20本未満
1点:20本以上。
ヘイズおよび全光線透過率の測定はJIS−K7136(2000)およびJIS−K 7361−1(1997)に基づき、日本電色工業(株)製ヘイズメーターを用いて、積層体サンプルの支持基材とは反対側(第1層および第2層側)から光を透過するように装置に置いて測定を行った。なお、同一サンプルの異なる3箇所で測定し、その平均値をヘイズおよび全光線透過率とした。
2.表面層
3.位置A
4.位置B
5.カンチレバーの応力
6.厚み方向の変位
7.カンチレバー押し込み時のカーブ
8.カンチレバー引き離し時のカーブ
9.散逸エネルギー
Claims (5)
- 厚みTの支持基材の少なくとも一方の面に、厚みtの表面層を有する積層体であって、前記表面層の厚み方向に、前記表面層の前記支持基材に垂直な断面において、表面層の表面から表面層厚みの20%(以降、位置Aとする)、80%(以降、位置Bとする)の各位置における、原子間力顕微鏡により測定された、弾性率EA,EB、散逸エネルギーDA,DB、が以下の条件1〜4すべてを満たすことを特徴とする積層体。
条件1 T ≦ 30μm
条件2 0.10 ≦ t/T ≦0.45
条件3 EA > EB
条件4 DB > DA - 前記表面層の原子間力顕微鏡により測定された、弾性率EA,EB、散逸エネルギーDA,DB、が、以下の条件5、6をすべて満たすことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
条件5 EAが0.5GPa以上、DAが220eV未満
条件6 EBが0.4GPa未満、DBが220eV以上 - 前記表面層の前記位置Aと位置Bにおける、顕微フーリエ変換型赤外分光光度計による1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比(以降、A1680/1730,B1680/1730とする。)が以下の条件7から条件9をすべて満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
条件7 A1680/1730 < B1680/1730
条件8 A1680/1730 < 0.6
条件9 0.9 < B1680/1730 - 前記表面層の、前記表面層の厚み方向に、前記表面層の前記支持基材に垂直な断面において、表面層の表面から表面層厚みの30%の位置から70%の位置の範囲において、顕微フーリエ変換型赤外分光光度計による1680cm−1の強度と1730cm−1の強度との強度比が、以下の条件10を満たす位置Cが存在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
条件10 A1680/1730 < C1680/1730 < B1680/1730 - 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、支持基材上に塗料組成物Bを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程1)、塗料組成物Aを塗布、次いで乾燥を行う工程(工程2)、紫外線硬化を行う工程(工程3)を、連続してこの順に行うことを特徴とする積層体の製造方法。
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