JP2017159448A - ワークの支持手段及びワークの加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャンク表面の滑らかさを保ちながらシャンク表面に浮いた錆を均等に除去することが可能なツールホルダーのシャンク研削装置を提供する。
【解決手段】円錐台形状の凸状に湾曲した外周面形状様に形成されたシャンクSを有する金属加工装置用のツールホルダーWの当該シャンクSを研削するための研削装置において、モーター14を駆動させてツールホルダーWを軸周りに回転させるとともに、研削機構13のゴム砥石48を機構部本体22をシャンクS外周に当接させ、ハンドル63を回転させることで研削機構13の機構部本体22をスライダクランク機構によって上下動させるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属加工装置用の合金製ツールホルダーにおいて主軸側のスリーブに装着するためのシャンクを研削するためのツールホルダーのシャンク研削装置に関するものである。
金属加工装置、例えばフライス盤やマシニングセンタ等においては主軸に加工ツールを取り付ける際にツールホルダーにツールを支持させ、このツールホルダーを主軸に対して着脱させるようにしている。このようなツールホルダーは公知であり、例えば特許文献1に開示されている。ツールホルダーは主軸側のスリ−ブにシャンクを介して嵌合されて連結されるようになっている。
特開平7−100720号公報
ところで、ツールホルダーは合金製であるため、特に湿度の高い環境で使用したり、湿度は高くなくとも経年使用することでシャンク表面に錆が発生することがある。錆は滑らかなシャンク表面から盛り上がるように生成されるため(つまり「錆が浮く」という状態)、錆が多くなるとシャンクとスリーブの密着性が損なわれ、結果として主軸にツールホルダーをセットした際のツールホルダーの軸心精度が悪くなってしまう。そのため、何らかの手段で適宜シャンク表面の錆を磨いて落とす必要がある。例えば、サンドペーパーや油砥石等を使って手作業で錆を落とすことが考えられるが、このような手作業では予想以上に研削してしまい滑らかなはずのシャンク表面が微妙に凹凸して、かえって精度を劣化させるおそれがある。そのため、シャンク表面の滑らかさを保ちながらシャンク表面に浮いた錆を均等に除去するための技術が求められていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、シャンク表面の滑らかさを保ちながらシャンク表面に浮いた錆を均等に除去することが可能なツールホルダーのシャンク研削装置を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の手段では、円錐台形状又は円筒形形状における凸状に湾曲した外周面形状様に形成されたシャンクを有する金属加工装置用の合金製ツールホルダーの当該シャンクを研削するための研削装置において、前記ツールホルダーを軸周りに回転可能に支持する支持手段と、前記支持手段に支持された前記ツールホルダーを回転させる駆動付与手段と、前記シャンクの外周に対して接触状態に研削部材を保持する研削部材保持手段と、前記シャンクの周方向と交差する方向に前記研削部材を往復動させる作動手段とを備え、前記研削部材を前記シャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に前記研削部材と前記シャンクとの間隔は常に一定に保持されることをその要旨とする。
このような構成においては、ツールホルダーのシャンクを研削する際に、支持手段によって支持されたツールホルダーを回転させながらシャンクの外周に対して研削部材を接触させる。研削部材とシャンクとの間隔は研削部材をシャンクに接していない状態で往復動させた場合に常に一定に保持されるため、シャンクの外周に対して研削部材を接触させると接触の際にシャンクに付与される押圧力は常に均等となる。そして、ツールホルダーは回転するため研削部材が接触した位置において周方向にシャンクの外周が研削されることとなる。更に、作動手段によって研削部材を往復動させることでシャンクの外周全域をほぼ均一の圧力をもって研削することができることととなり、錆をほぼ均等に除去することが可能となる。
ここに「研削部材」としては錆を削ぎ落とすことができる部材であれば素材や形状は問わない。一例としてはゴムに砥粒が分散されたゴム砥石が取り扱いや、シャンクの金属面のダメージの少なさから好ましい。「支持手段」はツールホルダーを軸周りに回転可能に支持できるのであれば手段は問わず、また、軸方向がどのような向きであってもよい。「駆動付与手段」としては、電気を駆動源とするモーター装置が一般的であるが。ろくろのように手動で支持手段を回転させる場合も含んでいる。作動手段によって研削部材を往復動させる場合には一般に軸方向に平行に直線的に動作することがよい。もし、往復動方向が傾斜しているとシャンクの外面と研削部材の接触量が少なくなったり、うまく接触しなかったりするためである。しかし、往復動は絶対的に軸方向に平行に直線的でなくともよく、往復の行路は異なってもよい。「研削部材保持手段」はツールホルダーをセットする際に研削部材がシャンクに当接しないように研削部材をシャンクに対して接離可能に支持することがよい。
また、第2の手段では第1の手段に加え、前記研削部材保持手段は前記シャンクの外周に対して接離可能に研削部材を保持し、前記研削部材を前記シャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に前記研削部材と前記シャンクとの間隔は常に一定に保持されるようにしたことをその要旨とする。
また、第3の手段では第1又は2の手段に加え、前記研削部材を前記シャンクの外周に対して付勢手段によって所定の付勢力をもって接することをその要旨とする。
つまり、研削部材は研削部材保持手段によってシャンクの外周に対して接触状態に保持されるが、研削部材がシャンクの外周に対して接する際にはある所定の(一定の)圧力で接するように付勢手段によって所定の付勢力を付与するというものである。研削部材とシャンクとの間隔は研削部材をシャンクに接していない状態で往復動させた場合に常に一定に保持され、接触した状態ではシャンクに付与される押圧力は常に均等となるため、この付勢力も常にシャンクにほぼ均等に付与される。付勢手段としては例えば、コイルばねや板ばねが使用可能である。また、シリンダ装置を使用することも可能である。
また、第4の手段では第3の手段に加え、前記付勢手段によって付与される所定の付勢力は変更可能であることをその要旨とする。
これによって錆具合や研削部材の種類に応じて例えば異なる強さのばねに変更する等して適宜付勢力を変更することができる。
また、第5の手段では第1〜第4のいずれかの手段に加え、前記研削部材は往復動方向に長尺に構成されていることをその要旨とする。
このように構成すれば往復動する距離を短くすることができ、設計上のコンパクト化に寄与する。
また、第6の手段では第5の手段に加え、前記研削部材は長手方向中央において揺動可能に支持されていることをその要旨とする。このように構成すれば、研削部材はシャンクの当接面形状に応じて揺動するため、研削部材を正確にシャンクの角度に合わせて設定しなくともよくなる。
また、第7の手段では第1〜第6のいずれかの手段に加え、前記作動手段は手動にて駆動させることをその要旨とする。
そもそも研削部材を往復動はツールホルダーが十分な速度で回転するのであればそれほど回数は必要とするものではない。そのため、作動手段を手動にて駆動させることは装置の軽量化、低コスト化、コンパクト化に寄与する。
また、第8の手段では第1〜第7のいずれかの手段に加え水平方向に対する前記研削部材の往復動方向の角度は変更可能であることをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、シャンクの角度に応じて研削部材の往復動方向の角度を変更することができるため、研削部材をシャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に研削部材とシャンクとの間隔を常に一定に保持させることが可能となり、シャンクの角度を変更することで々なシャンクの角度が違う様々なツールホルダーであっても研削が可能となる。
また、第9の手段では第1〜第8のいずれかの手段に加え、前記作動手段はスライダクランク機構であって、前記研削部材はクランクの回転に連動して往復動するスライダに配設されることをその要旨とする。
これは作動手段の具体的な一例を示すものである。スライダクランク機構はクランクの回転運動をスライダのピストン運動に(あるいはこの逆)変換する代表的機構である。これによってリンクを回転させることでスライダとともに研削部材を往復動させることが可能となる。
また、第10の手段では第1〜第9のいずれかの手段に加え、前記ツールホルダーは前記支持手段によって支持位置よりも下方に前記シャンクが配置されるように支持されることをその要旨とする。
つまり、上方から吊り下げ状にツールホルダーを支持することである。このような構成とすることで、ツールホルダーを支持することが容易となり、下方に露出するシャンクに対して側方から研削部材を接離させて研削作業をすることができる。
また、第11の手段では第10の手段に加え、前記ツールホルダーは筐体の天井部に配設された前記支持手段によって吊り下げ支持されることをその要旨とする。
これによって加工対象となるシャンクが筐体内に配置されることとなり、同じく筐体に配設する駆動付与手段、研削部材保持手段、作動手段との関係で部材のセッティングの点で有利である。
また、第12の手段では第10又は11の手段に加え、前記支持手段には前記ツールホルダーの外周を包囲する包囲部と、同包囲部の外方に配置された前記包囲部方向に変位可能に配置された押圧部材とが併設され、前記包囲部内に前記ツールホルダーを遊嵌させた状態で前記押圧部材を前記包囲部方向に変位させることで遊嵌状態にある前記ツールホルダーを所定位置に固定するようにしたことをその要旨とする。
このように構成することで、ツールホルダーを支持可能な位置にセットする際に遊嵌状態とすればよいため比較的容易にツールホルダーを設置することができ、その後に回転する際に正確に加工予定となる回転中心と軸心が一致した所定位置に固定することができるので作業効率が向上する。
本発明によれば、金属加工装置用の合金製ツールホルダーにおいてシャンク表面の滑らかさを保ちながらシャンク表面に浮いた錆を均等に除去することが可能となる。
本発明にかかる実施の形態のツールホルダーのシャンク研削装置の斜視図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置の正面断面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置において、機構部本体が後退してシャンクに当接していない状態の要部拡大断面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における研削機構の分解正面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における機構部本体の正面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における機構部本体及び回転力付与部の背面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置におけるスライダクランク機構を説明する説明図。 スライダにゴム砥石ユニットを装着する手順を説明する説明図。 回転体のストッパー収容部にプレス用コマユニットを装着する手順を説明する説明図。 (a)はレバーとプッシュロッドが略一直線状に配置された後退位置に配置された状態のプッシュロッドユニットの平面図、(b)(a)の状態からレバーを変位させてプッシュロッドを進出させた状態のプッシュロッドユニットの平面図。 (a)は回転体の平面図、(b)は破線pを説明するための回転体の説明図、(c)は回転体にツールホルダーをセットした状態の説明図。 機構部本体後方においてサイドプレート間に配設された支持プレートと、支持プレート上の当接ブロックを説明する一部破断要部斜視図。 (a)及び(b)は他の実施の形態の架台を説明する説明図。 図13のねじ棒、リンク及びピンの分解斜視図。
以下、本発明のツールホルダーのシャンク研削装置の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2に基づいて全体構成についての概要を説明する。この概要説明では図2を装置正面方向から見た図とし、この図2における左方及び右方を左右方向として説明する。
ワークとしてのツールホルダーWのシャンク研削装置(以下、シャンク研削装置)1は直方体形状の筐体2を備えている。筐体2は厚い削りだしの天板3と底板4と底板4の四隅に立設され天板3を支える支柱5とから剛構造の丈夫な骨格が形成され、薄い鋼板製の側板6によって支柱5を外側から包囲して構成されている。
筐体2の側板6前面には内部の研削状態を目視するための長方形形状の窓7が形成されている。窓7は透明なアクリル板8で覆われている。窓7の下方位置にはメインスイッチ9が配設されている。筐体2の内部は隔壁10によって第1及び第2の格納領域11、12に区画されている。右方の第1の格納領域11にはツールホルダーWを研削するための研削部材保持手段、作動手段となる研削機構13が配設されている。左方の第2の格納領域12には駆動付与手段としてのモーター14及びコンデンサ15が配設されている。筐体2の天板3にはワークとなるツールホルダーWを回転可能に支持するための支持機構16が配設されている。天板3の左右寄りには一対の運搬用把手17が配設されている。天板3上には支持機構16にセットされたツールホルダーWもろとも包囲する透明アクリル製のケース18が配設されている。ケース18は天板3上に立設された前後一対の脚部材19の回動軸受け19aに対してアーム20を介して回動可能に連結されている。前側(図1における手前側)のアーム20は脚部材19の側方に張り出した張り出し部20aを有しており、ケース18はこの張り出し部20aをてこの力点として図1の使用状態から回動軸受け19aを支点に上方に向かって回動させることができる(最も回動した状態でケース18は左方の運搬用把手17に当接する)。左方の脚部材19に隣接した位置には通電スイッチ24が配設されている。
次に、具体的な構造についてより詳しく説明する。以下の説明においては図2における左方及び右方をそれぞれ前方及び後方とし、図5における左方及び右方を左右方向として説明する。
図2〜図7に示すように、筐体2の第1の格納領域11に配設された研削機構13は合金製の架台21と、架台21上にスライド移動可能に配置された機構部本体22と、機構部本体22に駆動を与える回転力付与部23とから構成されている。
図4に示すように、架台21は前方に向かって登る傾斜面(かつ平面)からなるベース面21aを備えている。このベース面21aの水平方向に対する角度はツールホルダーWの軸線方向に対するシャンクSのテーパ角度に一致している。ベース面21a上には前後一対の軸受けブロック25が固着されている。図5及び図6に示すように、前後一対の軸受けブロック25が架台21の左右において鏡像関係となる位置に配設されている(軸受けブロック25は合計で4枚)。ベース面21aの最も右寄りにはプッシュロッド支持フレーム26が固着されている。図6に示すようにプッシュロッド支持フレーム26は左右一対の脚フレーム27と、両脚フレーム27の上下位置に架設された連結フレーム28から構成されている。連結フレーム28の中央から後方に向かって張り出し部28aが形成されており、この張り出し部28aの上にプッシュロッドユニット29が固着されている。図2、図3及び図10等に示すように、プッシュロッドユニット29はケース30に形成された案内筒30aに挿通されたプッシュロッド31と、ケース30に回動可能に軸着されたレバー32と、プッシュロッド31とレバー32の回動中心近傍で回動中心の側方に連結されたリンク部材33から構成されている。プッシュロッド31は図10(a)に示すレバー32とプッシュロッド31が略一直線状に配置された後退位置と、図10(b)に示すレバー32が約90度変位し、リンク部材33の位置の変位に伴って進出した位置の2つの位置を取り得るようになっている。図1及び図2に示すように、張り出し部28aは側板6に形成された開口部34から外方に露出させられているためプッシュロッドユニット29も開口部34に隣接した外位置に配設され、プッシュロッド31のみが筐体2内において進退動作をする。
図3〜図6に示すように、機構部本体22は上下方向中央付近に配置されたベースプレート35を基準に上方位置にスライダクランク機構が配設され、下方位置に架台21への取り付け機構が配設されている。まずスライダクランク機構の構成について説明する。ベースプレート35上には前後一対のサイドプレート36がベースプレート35の前後において鏡像関係となる位置に配設されている(サイドプレート36は合計で4枚)。サイドプレート36はベースプレート35の平面に形成された上面35aに対して垂直に立設されている。前後のサイドプレート36間にはそれぞれ第1のスライド軸37が挿通状態に架設されている。左右に1本ずつ配設された第1のスライド軸37は架設状態においてベースプレート35の上面35aから等距離でかつ互いに平行となるように配設されている。各スライド軸37の下方位置(ベースプレート35寄り)であって前後のサイドプレート36間には間隔保持用のシャフト38が配設されている。2本の(前後一対の)スライド軸33には第1のスライドブロック44を介してスライダ用フレーム39が吊り下げ支持されている。スライダ用フレーム39は第1のスライドブロック44に固着されたサイドフレーム40と上下方向に配設されたシャフト支持フレーム41とによって方形のリング状に構成されている。上下に平行に配設されたシャフト支持フレーム41間には一対のスライダ案内シャフト42が平行に配設されている。図2〜図4に示すように、第1のスライド軸37には第1のスライドブロック44と後方に配設されたサイドプレート36との間に付勢手段としてのコイルばね43が付勢状態で配設されており、スライダ用フレーム39は第1のスライドブロック44を介してコイルばね43によって常時前方に押圧されている。
図5に示すように、スライダ用フレーム39内にはスライダ案内シャフト42に挿通された状態でスライダ45が上下方向にスライド移動可能に配設されている。スライダ45にはゴム砥石ユニット46が上下方向に揺動可能に取着されている。スライダ45及びゴム砥石ユニット46の構成について説明する。図8に示すように、スライダ45は直方体形状の外形をなし、前方寄りの一部に切り欠き部45aが形成されている。スライダ45のこの切り欠き部45aと交差する左右方向にかけて透孔45bが形成されている。透孔45bと交差する方向には上方に開口するねじ孔45cが形成されている。
図8に示すように、研削部材としてのゴム砥石ユニット46は取り付け基部47とゴム砥石48から構成されている。ゴム砥石48は直方体形状に構成されている。取り付け基部47には透孔47aが形成されている。ゴム砥石ユニット46の取り付け基部47をスライダ45の切り欠き部45aに嵌合させ、透孔45b、47aを照合させた状態でピン49を前方から挿入し、ネジ50によって所定の進出位置でピン49を固定することでゴム砥石ユニット46はピン49を揺動軸として上下方向に揺動する(但し、部材の干渉があるのでそれほど大きく揺動するわけではない)。
次に機構部本体22の架台21への取り付け機構について説明する。ベースプレート35の下面には第2のスライドブロック51が固着されている。図4に示すように、第2のスライドブロック51には前後一対のブシュ52が挿入されており、ブシュ52に対して第2のスライド軸53が挿通されている。第2のスライド軸53は架台21に形成された前記前後の軸受けブロック25間に挿通状態に架設されている。左右に1本ずつ配設された第2のスライド軸53は架設状態においてベース面21aから等距離でかつ互いに平行となるように配設されている。第2のスライド軸53にはブシュ52と前方に配設された軸受けブロック25との間にコイルばね54が付勢状態で配設されており、機構部本体22はブシュ52(第2のスライドブロック51)を介してコイルばね54によって常時後方に押圧されている。
図2〜図4等から分かるように、機構部本体22(及び回転力付与部23)は架台21のベース面21aを基準としてこれと平行に前後方向にスライド移動することとなる。
次に機構部本体22の回転力付与部23について説明する。ベースプレート35の後方であってスライダ用フレーム39よりも下方位置にはクランクプレート60が配設されている。図6及び図7に示すように、クランクプレート60の後方にはロッド55が配設され、その下端がクランクプレート60の外周寄りに回動自在に連結されている。ロッド55の上端はスライダ45の後方(背面)に回動自在に連結されている。クランクプレート60の裏面中央には後方に向かって延びるシャフト61が連結されている。シャフト61は軸受けブロック62を挿通して前記プッシュロッド支持フレーム26の下方から外方に延出されてハンドル63に連結されている。このような構成では、ハンドル63を回動するとクランクプレート60が共回りし、クランクプレート60の変位に伴ってロッド55はスライダ45を上下方向に押引することとなる。
図3、図4及び図12に示すように、軸受けブロック62は後方側の左右のサイドプレート36間に配設された支持プレート64によって吊り下げ支持されている。支持プレート64の上部にはプッシュロッド31の先端が当接する当接ブロック65が固着されている。つまり、プッシュロッド31の進出に応じて当接ブロック65が押動されて機構部本体22全体が前方に移動することとなる。一方プッシュロッド31が後退すると付勢されたコイルばね54の復帰する際の押圧力によって機構部本体22全体が後方に移動することとなる。尚、機構部本体22は後ろ傾斜となるように架台21に取着されているのでプッシュロッド31が後退すれば機構部本体22全体はコイルばね54がなくとも自然に後退するが、このような構成によってより確実に後退させるこができる。
次に、支持機構16について説明する。
図1及び図2に示すように、第1の格納領域11側であって天板3には上下に連通する円形の透孔70が形成されており、この透孔70に回転ブロックユニット71が嵌合されている。回転ブロックユニット71は透孔70の周囲を包囲するフランジ部72と、フランジ部72に対して転がり軸受け73によって回動可能とされたリング状の回転体74とを備えている。回転体74内周は第1の格納領域11内に連通する円形の開口部77とされている。回転体74の内周下縁には内方に張り出した小フランジ75が形成されている。回転体74の開口部77に面した内周寄りの180度対抗する位置には一対のストッパー収容部74aが形成されている。また、ストッパー収容部74aと直交する位置にはプレス用コマ収容部74bが形成されている。
プレス用コマ収容部74b内にはプレス用コマユニット76が配設されている。図9に示すように、プレス用コマユニット76は外側に配置された外コマ78と内側に配置された内コマ79から構成されている。両者の接触面はテーパ面とされ外コマ78の下降に伴って外コマ78に押動されて内コマ79は開口部77方向に移動する。外コマ78下面にはコイルばね80が配設され、外コマ78はネジ81によって上方からコイルばね80を付勢させた状態で配置される。ネジ81の進出量を調整することによって外コマ78の上下位置を調節できるため、ネジ81を回動させることで内コマ79を所定の移動量で内側方向に移動させることが可能となっている。
第2の格納領域12側であって天板3には前記モーター14が吊り下げ固定されている。モーター14の回転軸14aは天板3に形成された透孔70から天板3の上部位置に突出させられている。モーター14の回転軸14aに取着されたプーリ82の外周と回転体74の外周との間には合成ゴム製のVベルト83が巻回されている。このような構成の支持機構16は回転ブロックユニット71の回転体74のみが露出するように保護カバー85によって覆われている。
このような構成の支持機構16においてはモーター14の回転軸14aからの駆動がVベルト83によって回転体74に伝達され回転ブロックユニット71において回転体74のみが回転することとなる。
ここに回転体74とここに勘合されるツールホルダーWとの関係について説明する。ツールホルダーWは主軸側のスリ−ブに嵌合されるテーパ状のシャンクSと、ツールを保持するホルダー本体Bとを備えている。本実施の形態ではシャンクSに対して大径に構成されるホルダー本体Bを回転体74の内周に形成された小フランジ75で受け、第1の格納領域11内にシャンクSを露出させて側方からゴム砥石48を当接させて回転体74とともに回転するシャンクS外周を研削する構成である。そして、シャンクS外周を均一に研削をするためツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致する必要がある。しかし、その場合回転体74の内径とホルダー本体Bの外径が完全に一致していては、ホルダー本体Bが回転体74の開口部77周縁と干渉してしまってそもそもツールホルダーWを回転体74内にセットすることができない。従って、回転体74の開口部77の内径はホルダー本体Bの外径よりも大きくなくてはならないが、その場合にツールホルダーWを回転体74内にセットすると両者間に隙間が生じるためツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致しなくなってしまう。
そのため、本実施の形態では次のような構成を採用している。
図11(a)に示すように、回転体74の開口部77内周径をホルダー本体Bと同じ径の領域(本実施の形態では160°/360°)77Aと、ホルダー本体Bよりも若干大きくした領域(本実施の形態では200°/360°)77Bとした。つまり、径の異なる2つの円弧を接合して回転体74の開口部77内周を構成するようにした。そして、領域77B側の周方向の中央位置に上記プレス用コマ収容部74bを形成し、上記プレス用コマユニット76を配設するようにした。
図11(b)に示す内側の破線pは領域77Aの内周径を延長した線であってこの位置にホルダー本体Bが配置されることでツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致することとなる。つまり、図11(a)の状態で回転体74の開口部77内に遊嵌されたツールホルダーWのホルダー本体Bをプレス用コマユニット76を操作して側方に押動し、この破線pの位置に配置させるようにするわけである。図11(c)はプレス用コマユニット76を操作してツールホルダーWを移動させツールホルダーWの中心軸が回転体74の回転中心と一致するように調整した状態である。尚、本実施の形態で使用するツールホルダーWは180度対抗する位置に凹部Cが形成されているため、併せてストッパー収容部74aにストッパー86を収容することでツールホルダーWの回転体74に対する相対的な回動を防止することができる。
次に、このように構成された、シャンク研削装置1によるツールホルダーWの研削方法について説明する。
初期状態において、プッシュロッド31は図10(a)に示す後退位置にあり、研削機構13の機構部本体22及び回転力付与部23は架台21上において最も後退した位置(図3の状態)にある。この状態において作業者は天板3上のケース18を開放してツールホルダーWをシャンクSを下向きにして回転ブロックユニット71の回転体74内に挿入する。ツールホルダーWは回転体74の小フランジ75に支持されシャンクSは第1の格納領域11内に露出される。そして上記のようにプレス用コマユニット76を操作してツールホルダーWの中心軸を回転体74の回転中心と一致させる。そして、再びケース18を閉じる。
図3に示すように、本実施の形態ではシャンクSのテーパーの軸方向(垂直方向)に対する角度と架台21のベース面21aの水平方向に対する角度とは一致するように設定されている。そのため、ゴム砥石48の長手方向の垂直方向に対する角度もシャンクSのテーパーの軸方向に対する角度も一致する。この状態でプッシュロッド31を図10(b)に示す進出位置状態とする。すると機構部本体22及び回転力付与部23が前方に移動し図2に示すようにゴム砥石48はシャンクSに当接する。尚、このときのゴム砥石48のシャンクSへ当接する押圧力はスライダ用フレーム39に配設されたコイルばね43を交換することで調整することが可能である。次いで、作業者はメインスイッチ9を回動させて電源投入状態とする(この電源投入動作はこれより前段階であっても構わない)。そして作業者が通電スイッチ24を押すことでモーター14を駆動させ、もって回転ブロックユニット71の回転体74を回転させ、回転体74とともにツールホルダーWを回転(自転)させる。本実施の形態では通電スイッチ24を押している間だけ通電されてモーター14が駆動する。通電スイッチ24の押動に同期して作業者がハンドル63を回転させるとゴム砥石48はツールホルダーWのシャンクSの外周に密着した状態で上下動を繰り返すこととなり、シャンクSは自身の周方向の回転とこのゴム砥石48の上下動によってシャンクSの全周囲が均等に研削されることとなる。作業者はシャンクSが研削されている状況を常に窓7から確認することができる。
以上のような構成のシャンク研削装置1では次のような効果が奏される。
(1)従来のような手作業による錆落としでは研削し過ぎて滑らかなはずのシャンクS表面が微妙に凹凸してしまうような不具合があったが、このようなツールホルダーWを回転させて研削する方式であれば研削は均一に行われるためそのような不具合はない。また、ゴム砥石48の種類や形状、コイルばね43の形状や強さを変更することで研削効率を変更することができるので、最適な研削システムを構築することができる。
(2)研削は表面の錆を落とすだけなのでそれほど時間がかかるものではない。しかし、常に錆の出方は一様ではないので研削時間を一定とすることはかえって不都合である。その点このように通電スイッチ24を押している間だけツールホルダーWを回転させることができるのであれば、作業者は一旦回転を停止させて研削状況を確認できるため削りすぎない最適な錆落としが実現できる。
(3)ゴム砥石48のシャンクSに接離する角度をシャンクSのテーパ角度に対応させるように設定しているので、研削位置によってシャンクSに当接するゴム砥石48の圧力が大きく変わることがなく、均一な研削に寄与する。
(4)機構部本体22全体を後退した位置に逃がしておいてから前方に進出させてセットしたツールホルダーWのシャンクSにゴム砥石48を当接させるようにしているため、ツールホルダーWのセッティング作業において横方向からの押圧力が作用することがない。そのため、ツールホルダーWのセッティング作業を迅速かつ不具合なく行うことが可能となっている。
(5)ハンドル63を回転させるだけでゴム砥石48はツールホルダーWのシャンクSの外周に密着した状態で正確に上下動を繰り返すこととなり、安定してシャンクSの表面を広範囲に研削することが可能となっている。
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態のシャンク研削装置1は一例であって、他の形態で実施することも可能である。例えば、上記では上方から吊り下げられたツールホルダーWに対して側方からゴム砥石48を接近させるようにしていたが、ツールホルダーWは上方から吊り下げる以外にも回転可能に支持できればよく、従ってゴム砥石48の接離方向も上記以外の方向であってもよい。例えば上記実施の形態ではツールホルダーWの中心軸は垂直方向に配置されるわけであるが、水平方向に配置させるようにしてもよい。
・上記実施の形態では架台21の傾斜は前もって分かっているシャンクSの角度に対応させるために傾斜角度が一定であったが、種々のシャンクSの角度に対応できるように架台21の傾斜を変更できるようにしてもよい。例えば図13に示すように、架台90にヒンジ部90aを設けてゴム砥石ユニット92を支持する側をヒンジ部90aを中心に回動させて傾斜させることが可能なテーブル91として、このテーブル91の角度を変更するように構成してもよい。図13(a)ではテーブル91は第1のスペ−サ93をテーブル91の下側に配設することで水平に配置されているが、図13(b)のように大きさの異なるより高さのあるスペーサ(第2のスペ−サ94)を配設することでテーブル91を第2のスペ−サ94に対応した角度に設定することが可能である。架台90にはダイヤル95を備えたねじ棒96が配設されており、ねじ棒96とテーブル91の間にはリンク(ロッド)98が配設されている。図14に示すように、リンク98は2本のピン97a、97bによって構成された部材であって、小ピン97a側でテーブル91と、大ピン97b
側で架台90と連結されている。大ピン97bにはねじ棒96が噛合されており、両者間でねじ対偶が構成されている。
このような構成であれば、ダイヤル95を回動してねじ棒96を回動させるとその動作に伴ってピン97がねじ棒96の軸線方向に移動するため、リンク98によって押動されたテーブル91を起立させることができる。例えば、図13(b)のように第2のスペ−サ94をテーブル91の下側に配置する場合にはねじ棒96を回動させ、ちょうど第2のスペ−サ94の間隔となるまでテーブル91を起立させていき、第2のスペ−サ94を配設する。これによって第2のスペ−サ94とねじ棒96の両方の機能によってテーブル91は所定の角度で保持されることとなる。
・研削部材(ゴム砥石48)は複数あってもよい。つまり、異なる方向から同時にシャンクSを研削するようにしてもよい。
・作動手段として上記では手動のハンドル63を使用したが、これはモータをスイッチで入り切りするような自動化したものであってもよい。
・円筒形形状のシャンクSを研削する場合には架台21は傾ける必要はない。
・回転体74の駆動手段はモーター14以外であってもよい。また回転体74への駆動伝達手段としてVベルト83以外の手段でもよい。例えばタイミングベルトを使用したり、ベルトではなくギア機構で駆動を伝達するようにしてもよい。
・付勢手段として上記ではコイルばね43を使用したが、板ばね、エアシリンダ、油圧シリンダを使用することも可能である。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
1…シャンク研削装置、14…駆動付与手段としてのモーター、31…作動手段としてのプッシュロッド、39…研削部材保持手段としてのスライダ用フレーム、42…研削部材保持手段としてのスライダ案内シャフト、45…研削部材保持手段としてのスライダ、、48…研削部材としてのゴム砥石、60…作動手段としてのクランクプレート、63…作動手段としてのハンドル、66…支持手段としての回転ブロックユニット、W…ツールホルダー、S…シャンク。
本発明は、ワークの支持手段及び回転するワークを加工するワークの加工装置に関するものである。
金属加工装置、例えばフライス盤やマシニングセンタ等においては主軸に加工ツールを取り付ける際にツールホルダーにツールを支持させ、このツールホルダーを主軸に対して着脱させるようにしている。このようなツールホルダーは公知であり、例えば特許文献1に開示されている。ツールホルダーは主軸側のスリ−ブにシャンクを介して嵌合されて連結されるようになっている。
特開平7−100720号公報
ところで、ツールホルダーは合金製であるため、特に湿度の高い環境で使用したり、湿度は高くなくとも経年使用することでシャンク表面に錆が発生することがある。錆は滑らかなシャンク表面から盛り上がるように生成されるため(つまり「錆が浮く」という状態)、錆が多くなるとシャンクとスリーブの密着性が損なわれ、結果として主軸にツールホルダーをセットした際のツールホルダーの軸心精度が悪くなってしまう。そのため、何らかの手段で適宜シャンク表面の錆を磨いて落とす必要がある
上記目的を達成するために、第1の手段では、円錐台形状又は円筒形形状における凸状に湾曲した外周面形状様に形成されたシャンクを有する金属加工装置用の合金製ツールホルダーの当該シャンクを研削するための研削装置において、前記ツールホルダーを軸周りに回転可能に支持する支持手段と、前記支持手段に支持された前記ツールホルダーを回転させる駆動付与手段と、前記シャンクの外周に対して接触状態に研削部材を保持する研削部材保持手段と、前記シャンクの周方向と交差する方向に前記研削部材を往復動させる作動手段とを備え、前記研削部材を前記シャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に前記研削部材と前記シャンクとの間隔は常に一定に保持されることをその要旨とする。
このような構成においては、ツールホルダーのシャンクを研削する際に、支持手段によって支持されたツールホルダーを回転させながらシャンクの外周に対して研削部材を接触させる。研削部材とシャンクとの間隔は研削部材をシャンクに接していない状態で往復動させた場合に常に一定に保持されるため、シャンクの外周に対して研削部材を接触させると接触の際にシャンクに付与される押圧力は常に均等となる。そして、ツールホルダーは回転するため研削部材が接触した位置において周方向にシャンクの外周が研削されることとなる。更に、作動手段によって研削部材を往復動させることでシャンクの外周全域をほぼ均一の圧力をもって研削することができることととなり、錆をほぼ均等に除去することが可能となる。
ここに「研削部材」としては錆を削ぎ落とすことができる部材であれば素材や形状は問わない。一例としてはゴムに砥粒が分散されたゴム砥石が取り扱いや、シャンクの金属面のダメージの少なさから好ましい。「支持手段」はツールホルダーを軸周りに回転可能に支持できるのであれば手段は問わず、また、軸方向がどのような向きであってもよい。「駆動付与手段」としては、電気を駆動源とするモーター装置が一般的であるが。ろくろのように手動で支持手段を回転させる場合も含んでいる。作動手段によって研削部材を往復動させる場合には一般に軸方向に平行に直線的に動作することがよい。もし、往復動方向が傾斜しているとシャンクの外面と研削部材の接触量が少なくなったり、うまく接触しなかったりするためである。しかし、往復動は絶対的に軸方向に平行に直線的でなくともよく、往復の行路は異なってもよい。「研削部材保持手段」はツールホルダーをセットする際に研削部材がシャンクに当接しないように研削部材をシャンクに対して接離可能に支持することがよい。
また、第2の手段では第1の手段に加え、前記研削部材保持手段は前記シャンクの外周に対して接離可能に研削部材を保持し、前記研削部材を前記シャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に前記研削部材と前記シャンクとの間隔は常に一定に保持されるようにしたことをその要旨とする。
また、第3の手段では第1又は2の手段に加え、前記研削部材を前記シャンクの外周に対して付勢手段によって所定の付勢力をもって接することをその要旨とする。
つまり、研削部材は研削部材保持手段によってシャンクの外周に対して接触状態に保持されるが、研削部材がシャンクの外周に対して接する際にはある所定の(一定の)圧力で接するように付勢手段によって所定の付勢力を付与するというものである。研削部材とシャンクとの間隔は研削部材をシャンクに接していない状態で往復動させた場合に常に一定に保持され、接触した状態ではシャンクに付与される押圧力は常に均等となるため、この付勢力も常にシャンクにほぼ均等に付与される。付勢手段としては例えば、コイルばねや板ばねが使用可能である。また、シリンダ装置を使用することも可能である。
また、第4の手段では第3の手段に加え、前記付勢手段によって付与される所定の付勢力は変更可能であることをその要旨とする。
これによって錆具合や研削部材の種類に応じて例えば異なる強さのばねに変更する等して適宜付勢力を変更することができる。
また、第5の手段では第1〜第4のいずれかの手段に加え、前記研削部材は往復動方向に長尺に構成されていることをその要旨とする。
このように構成すれば往復動する距離を短くすることができ、設計上のコンパクト化に寄与する。
また、第6の手段では第5の手段に加え、前記研削部材は長手方向中央において揺動可能に支持されていることをその要旨とする。このように構成すれば、研削部材はシャンクの当接面形状に応じて揺動するため、研削部材を正確にシャンクの角度に合わせて設定しなくともよくなる。
また、第7の手段では第1〜第6のいずれかの手段に加え、前記作動手段は手動にて駆動させることをその要旨とする。
そもそも研削部材を往復動はツールホルダーが十分な速度で回転するのであればそれほど回数は必要とするものではない。そのため、作動手段を手動にて駆動させることは装置の軽量化、低コスト化、コンパクト化に寄与する。
また、第8の手段では第1〜第7のいずれかの手段に加え水平方向に対する前記研削部材の往復動方向の角度は変更可能であることをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、シャンクの角度に応じて研削部材の往復動方向の角度を変更することができるため、研削部材をシャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に研削部材とシャンクとの間隔を常に一定に保持させることが可能となり、シャンクの角度を変更することで々なシャンクの角度が違う様々なツールホルダーであっても研削が可能となる。
また、第9の手段では第1〜第8のいずれかの手段に加え、前記作動手段はスライダクランク機構であって、前記研削部材はクランクの回転に連動して往復動するスライダに配設されることをその要旨とする。
これは作動手段の具体的な一例を示すものである。スライダクランク機構はクランクの回転運動をスライダのピストン運動に(あるいはこの逆)変換する代表的機構である。これによってリンクを回転させることでスライダとともに研削部材を往復動させることが可能となる。
また、第10の手段では第1〜第9のいずれかの手段に加え、前記ツールホルダーは前記支持手段によって支持位置よりも下方に前記シャンクが配置されるように支持されることをその要旨とする。
つまり、上方から吊り下げ状にツールホルダーを支持することである。このような構成とすることで、ツールホルダーを支持することが容易となり、下方に露出するシャンクに対して側方から研削部材を接離させて研削作業をすることができる。
また、第11の手段では第10の手段に加え、前記ツールホルダーは筐体の天井部に配設された前記支持手段によって吊り下げ支持されることをその要旨とする。
これによって加工対象となるシャンクが筐体内に配置されることとなり、同じく筐体に配設する駆動付与手段、研削部材保持手段、作動手段との関係で部材のセッティングの点で有利である。
また、第12の手段では第10又は11の手段に加え、前記支持手段には前記ツールホルダーの外周を包囲する包囲部と、同包囲部の外方に配置された前記包囲部方向に変位可能に配置された押圧部材とが併設され、前記包囲部内に前記ツールホルダーを遊嵌させた状態で前記押圧部材を前記包囲部方向に変位させることで遊嵌状態にある前記ツールホルダーを所定位置に固定するようにしたことをその要旨とする。
このように構成することで、ツールホルダーを支持可能な位置にセットする際に遊嵌状態とすればよいため比較的容易にツールホルダーを設置することができ、その後に回転する際に正確に加工予定となる回転中心と軸心が一致した所定位置に固定することができるので作業効率が向上する。
本発明によれば、押圧部材を操作して遊嵌状態のワークを移動させて支持手段に固定させることができる
本発明にかかる実施の形態のツールホルダーのシャンク研削装置の斜視図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置の正面断面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置において、機構部本体が後退してシャンクに当接していない状態の要部拡大断面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における研削機構の分解正面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における機構部本体の正面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置における機構部本体及び回転力付与部の背面図。 同じツールホルダーのシャンク研削装置におけるスライダクランク機構を説明する説明図。 スライダにゴム砥石ユニットを装着する手順を説明する説明図。 回転体のストッパー収容部にプレス用コマユニットを装着する手順を説明する説明図。 (a)はレバーとプッシュロッドが略一直線状に配置された後退位置に配置された状態のプッシュロッドユニットの平面図、(b)(a)の状態からレバーを変位させてプッシュロッドを進出させた状態のプッシュロッドユニットの平面図。 (a)は回転体の平面図、(b)は破線pを説明するための回転体の説明図、(c)は回転体にツールホルダーをセットした状態の説明図。 機構部本体後方においてサイドプレート間に配設された支持プレートと、支持プレート上の当接ブロックを説明する一部破断要部斜視図。 (a)及び(b)は他の実施の形態の架台を説明する説明図。 図13のねじ棒、リンク及びピンの分解斜視図。
以下、本発明のツールホルダーのシャンク研削装置の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2に基づいて全体構成についての概要を説明する。この概要説明では図2を装置正面方向から見た図とし、この図2における左方及び右方を左右方向として説明する。
ワークとしてのツールホルダーWのシャンク研削装置(以下、シャンク研削装置)1は直方体形状の筐体2を備えている。筐体2は厚い削りだしの天板3と底板4と底板4の四隅に立設され天板3を支える支柱5とから剛構造の丈夫な骨格が形成され、薄い鋼板製の側板6によって支柱5を外側から包囲して構成されている。
筐体2の側板6前面には内部の研削状態を目視するための長方形形状の窓7が形成されている。窓7は透明なアクリル板8で覆われている。窓7の下方位置にはメインスイッチ9が配設されている。筐体2の内部は隔壁10によって第1及び第2の格納領域11、12に区画されている。右方の第1の格納領域11にはツールホルダーWを研削するための研削部材保持手段、作動手段となる研削機構13が配設されている。左方の第2の格納領域12には駆動付与手段としてのモーター14及びコンデンサ15が配設されている。筐体2の天板3にはワークとなるツールホルダーWを回転可能に支持するための支持機構16が配設されている。天板3の左右寄りには一対の運搬用把手17が配設されている。天板3上には支持機構16にセットされたツールホルダーWもろとも包囲する透明アクリル製のケース18が配設されている。ケース18は天板3上に立設された前後一対の脚部材19の回動軸受け19aに対してアーム20を介して回動可能に連結されている。前側(図1における手前側)のアーム20は脚部材19の側方に張り出した張り出し部20aを有しており、ケース18はこの張り出し部20aをてこの力点として図1の使用状態から回動軸受け19aを支点に上方に向かって回動させることができる(最も回動した状態でケース18は左方の運搬用把手17に当接する)。左方の脚部材19に隣接した位置には通電スイッチ24が配設されている。
次に、具体的な構造についてより詳しく説明する。以下の説明においては図2における左方及び右方をそれぞれ前方及び後方とし、図5における左方及び右方を左右方向として説明する。
図2〜図7に示すように、筐体2の第1の格納領域11に配設された研削機構13は合金製の架台21と、架台21上にスライド移動可能に配置された機構部本体22と、機構部本体22に駆動を与える回転力付与部23とから構成されている。
図4に示すように、架台21は前方に向かって登る傾斜面(かつ平面)からなるベース面21aを備えている。このベース面21aの水平方向に対する角度はツールホルダーWの軸線方向に対するシャンクSのテーパ角度に一致している。ベース面21a上には前後一対の軸受けブロック25が固着されている。図5及び図6に示すように、前後一対の軸受けブロック25が架台21の左右において鏡像関係となる位置に配設されている(軸受けブロック25は合計で4枚)。ベース面21aの最も右寄りにはプッシュロッド支持フレーム26が固着されている。図6に示すようにプッシュロッド支持フレーム26は左右一対の脚フレーム27と、両脚フレーム27の上下位置に架設された連結フレーム28から構成されている。連結フレーム28の中央から後方に向かって張り出し部28aが形成されており、この張り出し部28aの上にプッシュロッドユニット29が固着されている。図2、図3及び図10等に示すように、プッシュロッドユニット29はケース30に形成された案内筒30aに挿通されたプッシュロッド31と、ケース30に回動可能に軸着されたレバー32と、プッシュロッド31とレバー32の回動中心近傍で回動中心の側方に連結されたリンク部材33から構成されている。プッシュロッド31は図10(a)に示すレバー32とプッシュロッド31が略一直線状に配置された後退位置と、図10(b)に示すレバー32が約90度変位し、リンク部材33の位置の変位に伴って進出した位置の2つの位置を取り得るようになっている。図1及び図2に示すように、張り出し部28aは側板6に形成された開口部34から外方に露出させられているためプッシュロッドユニット29も開口部34に隣接した外位置に配設され、プッシュロッド31のみが筐体2内において進退動作をする。
図3〜図6に示すように、機構部本体22は上下方向中央付近に配置されたベースプレート35を基準に上方位置にスライダクランク機構が配設され、下方位置に架台21への取り付け機構が配設されている。まずスライダクランク機構の構成について説明する。ベースプレート35上には前後一対のサイドプレート36がベースプレート35の前後において鏡像関係となる位置に配設されている(サイドプレート36は合計で4枚)。サイドプレート36はベースプレート35の平面に形成された上面35aに対して垂直に立設されている。前後のサイドプレート36間にはそれぞれ第1のスライド軸37が挿通状態に架設されている。左右に1本ずつ配設された第1のスライド軸37は架設状態においてベースプレート35の上面35aから等距離でかつ互いに平行となるように配設されている。各スライド軸37の下方位置(ベースプレート35寄り)であって前後のサイドプレート36間には間隔保持用のシャフト38が配設されている。2本の(前後一対の)スライド軸33には第1のスライドブロック44を介してスライダ用フレーム39が吊り下げ支持されている。スライダ用フレーム39は第1のスライドブロック44に固着されたサイドフレーム40と上下方向に配設されたシャフト支持フレーム41とによって方形のリング状に構成されている。上下に平行に配設されたシャフト支持フレーム41間には一対のスライダ案内シャフト42が平行に配設されている。図2〜図4に示すように、第1のスライド軸37には第1のスライドブロック44と後方に配設されたサイドプレート36との間に付勢手段としてのコイルばね43が付勢状態で配設されており、スライダ用フレーム39は第1のスライドブロック44を介してコイルばね43によって常時前方に押圧されている。
図5に示すように、スライダ用フレーム39内にはスライダ案内シャフト42に挿通された状態でスライダ45が上下方向にスライド移動可能に配設されている。スライダ45にはゴム砥石ユニット46が上下方向に揺動可能に取着されている。スライダ45及びゴム砥石ユニット46の構成について説明する。図8に示すように、スライダ45は直方体形状の外形をなし、前方寄りの一部に切り欠き部45aが形成されている。スライダ45のこの切り欠き部45aと交差する左右方向にかけて透孔45bが形成されている。透孔45bと交差する方向には上方に開口するねじ孔45cが形成されている。
図8に示すように、研削部材としてのゴム砥石ユニット46は取り付け基部47とゴム砥石48から構成されている。ゴム砥石48は直方体形状に構成されている。取り付け基部47には透孔47aが形成されている。ゴム砥石ユニット46の取り付け基部47をスライダ45の切り欠き部45aに嵌合させ、透孔45b、47aを照合させた状態でピン49を前方から挿入し、ネジ50によって所定の進出位置でピン49を固定することでゴム砥石ユニット46はピン49を揺動軸として上下方向に揺動する(但し、部材の干渉があるのでそれほど大きく揺動するわけではない)。
次に機構部本体22の架台21への取り付け機構について説明する。ベースプレート35の下面には第2のスライドブロック51が固着されている。図4に示すように、第2のスライドブロック51には前後一対のブシュ52が挿入されており、ブシュ52に対して第2のスライド軸53が挿通されている。第2のスライド軸53は架台21に形成された前記前後の軸受けブロック25間に挿通状態に架設されている。左右に1本ずつ配設された第2のスライド軸53は架設状態においてベース面21aから等距離でかつ互いに平行となるように配設されている。第2のスライド軸53にはブシュ52と前方に配設された軸受けブロック25との間にコイルばね54が付勢状態で配設されており、機構部本体22はブシュ52(第2のスライドブロック51)を介してコイルばね54によって常時後方に押圧されている。
図2〜図4等から分かるように、機構部本体22(及び回転力付与部23)は架台21のベース面21aを基準としてこれと平行に前後方向にスライド移動することとなる。
次に機構部本体22の回転力付与部23について説明する。ベースプレート35の後方であってスライダ用フレーム39よりも下方位置にはクランクプレート60が配設されている。図6及び図7に示すように、クランクプレート60の後方にはロッド55が配設され、その下端がクランクプレート60の外周寄りに回動自在に連結されている。ロッド55の上端はスライダ45の後方(背面)に回動自在に連結されている。クランクプレート60の裏面中央には後方に向かって延びるシャフト61が連結されている。シャフト61は軸受けブロック62を挿通して前記プッシュロッド支持フレーム26の下方から外方に延出されてハンドル63に連結されている。このような構成では、ハンドル63を回動するとクランクプレート60が共回りし、クランクプレート60の変位に伴ってロッド55はスライダ45を上下方向に押引することとなる。
図3、図4及び図12に示すように、軸受けブロック62は後方側の左右のサイドプレート36間に配設された支持プレート64によって吊り下げ支持されている。支持プレート64の上部にはプッシュロッド31の先端が当接する当接ブロック65が固着されている。つまり、プッシュロッド31の進出に応じて当接ブロック65が押動されて機構部本体22全体が前方に移動することとなる。一方プッシュロッド31が後退すると付勢されたコイルばね54の復帰する際の押圧力によって機構部本体22全体が後方に移動することとなる。尚、機構部本体22は後ろ傾斜となるように架台21に取着されているのでプッシュロッド31が後退すれば機構部本体22全体はコイルばね54がなくとも自然に後退するが、このような構成によってより確実に後退させるこができる。
次に、支持機構16について説明する。
図1及び図2に示すように、第1の格納領域11側であって天板3には上下に連通する円形の透孔70が形成されており、この透孔70に回転ブロックユニット71が嵌合されている。回転ブロックユニット71は透孔70の周囲を包囲するフランジ部72と、フランジ部72に対して転がり軸受け73によって回動可能とされたリング状の回転体74とを備えている。回転体74内周は第1の格納領域11内に連通する円形の開口部77とされている。回転体74の内周下縁には内方に張り出した小フランジ75が形成されている。回転体74の開口部77に面した内周寄りの180度対抗する位置には一対のストッパー収容部74aが形成されている。また、ストッパー収容部74aと直交する位置にはプレス用コマ収容部74bが形成されている。
プレス用コマ収容部74b内にはプレス用コマユニット76が配設されている。図9に示すように、プレス用コマユニット76は外側に配置された外コマ78と内側に配置された内コマ79から構成されている。両者の接触面はテーパ面とされ外コマ78の下降に伴って外コマ78に押動されて内コマ79は開口部77方向に移動する。外コマ78下面にはコイルばね80が配設され、外コマ78はネジ81によって上方からコイルばね80を付勢させた状態で配置される。ネジ81の進出量を調整することによって外コマ78の上下位置を調節できるため、ネジ81を回動させることで内コマ79を所定の移動量で内側方向に移動させることが可能となっている。
第2の格納領域12側であって天板3には前記モーター14が吊り下げ固定されている。モーター14の回転軸14aは天板3に形成された透孔70から天板3の上部位置に突出させられている。モーター14の回転軸14aに取着されたプーリ82の外周と回転体74の外周との間には合成ゴム製のVベルト83が巻回されている。このような構成の支持機構16は回転ブロックユニット71の回転体74のみが露出するように保護カバー85によって覆われている。
このような構成の支持機構16においてはモーター14の回転軸14aからの駆動がVベルト83によって回転体74に伝達され回転ブロックユニット71において回転体74のみが回転することとなる。
ここに回転体74とここに勘合されるツールホルダーWとの関係について説明する。ツールホルダーWは主軸側のスリ−ブに嵌合されるテーパ状のシャンクSと、ツールを保持するホルダー本体Bとを備えている。本実施の形態ではシャンクSに対して大径に構成されるホルダー本体Bを回転体74の内周に形成された小フランジ75で受け、第1の格納領域11内にシャンクSを露出させて側方からゴム砥石48を当接させて回転体74とともに回転するシャンクS外周を研削する構成である。そして、シャンクS外周を均一に研削をするためツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致する必要がある。しかし、その場合回転体74の内径とホルダー本体Bの外径が完全に一致していては、ホルダー本体Bが回転体74の開口部77周縁と干渉してしまってそもそもツールホルダーWを回転体74内にセットすることができない。従って、回転体74の開口部77の内径はホルダー本体Bの外径よりも大きくなくてはならないが、その場合にツールホルダーWを回転体74内にセットすると両者間に隙間が生じるためツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致しなくなってしまう。
そのため、本実施の形態では次のような構成を採用している。
図11(a)に示すように、回転体74の開口部77内周径をホルダー本体Bと同じ径の領域(本実施の形態では160°/360°)77Aと、ホルダー本体Bよりも若干大きくした領域(本実施の形態では200°/360°)77Bとした。つまり、径の異なる2つの円弧を接合して回転体74の開口部77内周を構成するようにした。そして、領域77B側の周方向の中央位置に上記プレス用コマ収容部74bを形成し、上記プレス用コマユニット76を配設するようにした。
図11(b)に示す内側の破線pは領域77Aの内周径を延長した線であってこの位置にホルダー本体Bが配置されることでツールホルダーWの中心軸は回転体74の回転中心と一致することとなる。つまり、図11(a)の状態で回転体74の開口部77内に遊嵌されたツールホルダーWのホルダー本体Bをプレス用コマユニット76を操作して側方に押動し、この破線pの位置に配置させるようにするわけである。図11(c)はプレス用コマユニット76を操作してツールホルダーWを移動させツールホルダーWの中心軸が回転体74の回転中心と一致するように調整した状態である。尚、本実施の形態で使用するツールホルダーWは180度対抗する位置に凹部Cが形成されているため、併せてストッパー収容部74aにストッパー86を収容することでツールホルダーWの回転体74に対する相対的な回動を防止することができる。
次に、このように構成された、シャンク研削装置1によるツールホルダーWの研削方法について説明する。
初期状態において、プッシュロッド31は図10(a)に示す後退位置にあり、研削機構13の機構部本体22及び回転力付与部23は架台21上において最も後退した位置(図3の状態)にある。この状態において作業者は天板3上のケース18を開放してツールホルダーWをシャンクSを下向きにして回転ブロックユニット71の回転体74内に挿入する。ツールホルダーWは回転体74の小フランジ75に支持されシャンクSは第1の格納領域11内に露出される。そして上記のようにプレス用コマユニット76を操作してツールホルダーWの中心軸を回転体74の回転中心と一致させる。そして、再びケース18を閉じる。
図3に示すように、本実施の形態ではシャンクSのテーパーの軸方向(垂直方向)に対する角度と架台21のベース面21aの水平方向に対する角度とは一致するように設定されている。そのため、ゴム砥石48の長手方向の垂直方向に対する角度もシャンクSのテーパーの軸方向に対する角度も一致する。この状態でプッシュロッド31を図10(b)に示す進出位置状態とする。すると機構部本体22及び回転力付与部23が前方に移動し図2に示すようにゴム砥石48はシャンクSに当接する。尚、このときのゴム砥石48のシャンクSへ当接する押圧力はスライダ用フレーム39に配設されたコイルばね43を交換することで調整することが可能である。次いで、作業者はメインスイッチ9を回動させて電源投入状態とする(この電源投入動作はこれより前段階であっても構わない)。そして作業者が通電スイッチ24を押すことでモーター14を駆動させ、もって回転ブロックユニット71の回転体74を回転させ、回転体74とともにツールホルダーWを回転(自転)させる。本実施の形態では通電スイッチ24を押している間だけ通電されてモーター14が駆動する。通電スイッチ24の押動に同期して作業者がハンドル63を回転させるとゴム砥石48はツールホルダーWのシャンクSの外周に密着した状態で上下動を繰り返すこととなり、シャンクSは自身の周方向の回転とこのゴム砥石48の上下動によってシャンクSの全周囲が均等に研削されることとなる。作業者はシャンクSが研削されている状況を常に窓7から確認することができる。
以上のような構成のシャンク研削装置1では次のような効果が奏される。
(1)従来のような手作業による錆落としでは研削し過ぎて滑らかなはずのシャンクS表面が微妙に凹凸してしまうような不具合があったが、このようなツールホルダーWを回転させて研削する方式であれば研削は均一に行われるためそのような不具合はない。また、ゴム砥石48の種類や形状、コイルばね43の形状や強さを変更することで研削効率を変更することができるので、最適な研削システムを構築することができる。
(2)研削は表面の錆を落とすだけなのでそれほど時間がかかるものではない。しかし、常に錆の出方は一様ではないので研削時間を一定とすることはかえって不都合である。その点このように通電スイッチ24を押している間だけツールホルダーWを回転させることができるのであれば、作業者は一旦回転を停止させて研削状況を確認できるため削りすぎない最適な錆落としが実現できる。
(3)ゴム砥石48のシャンクSに接離する角度をシャンクSのテーパ角度に対応させるように設定しているので、研削位置によってシャンクSに当接するゴム砥石48の圧力が大きく変わることがなく、均一な研削に寄与する。
(4)機構部本体22全体を後退した位置に逃がしておいてから前方に進出させてセットしたツールホルダーWのシャンクSにゴム砥石48を当接させるようにしているため、ツールホルダーWのセッティング作業において横方向からの押圧力が作用することがない。そのため、ツールホルダーWのセッティング作業を迅速かつ不具合なく行うことが可能となっている。
(5)ハンドル63を回転させるだけでゴム砥石48はツールホルダーWのシャンクSの外周に密着した状態で正確に上下動を繰り返すこととなり、安定してシャンクSの表面を広範囲に研削することが可能となっている。
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態のシャンク研削装置1は一例であって、他の形態で実施することも可能である。例えば、上記では上方から吊り下げられたツールホルダーWに対して側方からゴム砥石48を接近させるようにしていたが、ツールホルダーWは上方から吊り下げる以外にも回転可能に支持できればよく、従ってゴム砥石48の接離方向も上記以外の方向であってもよい。例えば上記実施の形態ではツールホルダーWの中心軸は垂直方向に配置されるわけであるが、水平方向に配置させるようにしてもよい。
・上記実施の形態では架台21の傾斜は前もって分かっているシャンクSの角度に対応させるために傾斜角度が一定であったが、種々のシャンクSの角度に対応できるように架台21の傾斜を変更できるようにしてもよい。例えば図13に示すように、架台90にヒンジ部90aを設けてゴム砥石ユニット92を支持する側をヒンジ部90aを中心に回動させて傾斜させることが可能なテーブル91として、このテーブル91の角度を変更するように構成してもよい。図13(a)ではテーブル91は第1のスペ−サ93をテーブル91の下側に配設することで水平に配置されているが、図13(b)のように大きさの異なるより高さのあるスペーサ(第2のスペ−サ94)を配設することでテーブル91を第2のスペ−サ94に対応した角度に設定することが可能である。架台90にはダイヤル95を備えたねじ棒96が配設されており、ねじ棒96とテーブル91の間にはリンク(ロッド)98が配設されている。図14に示すように、リンク98は2本のピン97a、97bによって構成された部材であって、小ピン97a側でテーブル91と、大ピン97b
側で架台90と連結されている。大ピン97bにはねじ棒96が噛合されており、両者間でねじ対偶が構成されている。
このような構成であれば、ダイヤル95を回動してねじ棒96を回動させるとその動作に伴ってピン97がねじ棒96の軸線方向に移動するため、リンク98によって押動されたテーブル91を起立させることができる。例えば、図13(b)のように第2のスペ−サ94をテーブル91の下側に配置する場合にはねじ棒96を回動させ、ちょうど第2のスペ−サ94の間隔となるまでテーブル91を起立させていき、第2のスペ−サ94を配設する。これによって第2のスペ−サ94とねじ棒96の両方の機能によってテーブル91は所定の角度で保持されることとなる。
・研削部材(ゴム砥石48)は複数あってもよい。つまり、異なる方向から同時にシャンクSを研削するようにしてもよい。
・作動手段として上記では手動のハンドル63を使用したが、これはモータをスイッチで入り切りするような自動化したものであってもよい。
・円筒形形状のシャンクSを研削する場合には架台21は傾ける必要はない。
・回転体74の駆動手段はモーター14以外であってもよい。また回転体74への駆動伝達手段としてVベルト83以外の手段でもよい。例えばタイミングベルトを使用したり、ベルトではなくギア機構で駆動を伝達するようにしてもよい。
・付勢手段として上記ではコイルばね43を使用したが、板ばね、エアシリンダ、油圧シリンダを使用することも可能である。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
1…シャンク研削装置、14…駆動付与手段としてのモーター、31…作動手段としてのプッシュロッド、39…研削部材保持手段としてのスライダ用フレーム、42…研削部材保持手段としてのスライダ案内シャフト、45…研削部材保持手段としてのスライダ、、48…研削部材としてのゴム砥石、60…作動手段としてのクランクプレート、63…作動手段としてのハンドル、66…支持手段としての回転ブロックユニット、W…ツールホルダー、S…シャンク。

Claims (12)

  1. 円錐台形状又は円筒形形状における凸状に湾曲した外周面形状様に形成されたシャンクを有する金属加工装置用の合金製ツールホルダーの当該シャンクを研削するための研削装置において、
    前記ツールホルダーを軸周りに回転可能に支持する支持手段と、
    前記支持手段に支持された前記ツールホルダーを回転させる駆動付与手段と、
    前記シャンクの外周に対して接触状態に研削部材を保持する研削部材保持手段と、
    前記シャンクの周方向と交差する方向に前記研削部材を往復動させる作動手段とを備え、
    前記研削部材を往復動させた場合に前記研削部材が前記シャンクの表面に均等の圧力で接することを特徴とするツールホルダーのシャンク研削装置。
  2. 前記研削部材保持手段は前記シャンクの外周に対して接離可能に研削部材を保持し、前記研削部材を前記シャンクに対して接していない状態で往復動させた場合に前記研削部材と前記シャンクとの間隔は常に一定に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  3. 前記研削部材は前記シャンクの外周に対して付勢手段によって所定の付勢力をもって接することを特徴とする請求項1又は2に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  4. 前記付勢手段によって付与される所定の付勢力は変更可能であることを特徴とする請求項3に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  5. 前記研削部材は往復動方向に長尺に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  6. 前記研削部材は長手方向中央において揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項5に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  7. 前記作動手段は手動にて駆動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  8. 水平方向に対する前記研削部材の往復動方向の角度は変更可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  9. 前記作動手段はスライダクランク機構であって、前記研削部材はクランクの回転に連動して往復動するスライダに配設されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  10. 前記ツールホルダーは前記支持手段によって支持位置よりも下方に前記シャンクが配置されるように支持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  11. 前記ツールホルダーは筐体の天井部に配設された前記支持手段によって吊り下げ支持されることを特徴とする請求項10に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
  12. 前記支持手段には前記ツールホルダーの外周を包囲する包囲部と、同包囲部の外方に配置された前記包囲部方向に変位可能に配置された押圧部材とが併設され、前記包囲部内に前記ツールホルダーを遊嵌させた状態で前記押圧部材を前記包囲部方向に変位させることで遊嵌状態にある前記ツールホルダーを所定位置に固定するようにしたことを特徴とする請求項10又は11に記載のツールホルダーのシャンク研削装置。
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