JP2017159180A - X線ct装置、画像表示方法 - Google Patents

X線ct装置、画像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造影の流入領域、およびその領域と周囲の領域との関係を円滑に把握することが可能なX線CT装置を提供する。【解決手段】収集部は、被検体をX線でスキャンしてデータを反復的に収集する。記憶部は、前記被検体の注目部位を含む所定範囲を表す基準画像をあらかじめ記憶する。制御部は、前記収集部を制御することにより、造影剤が投与された前記被検体の前記所定範囲に対しスキャンを実行させる。画像生成部は、前記スキャンにより反復的に収集されたデータに基づいて、前記被検体の造影画像を順次生成する。画像合成部は、前記基準画像における前記注目部位を表す注目部分と、前記所定部位に流入された前記造影剤を表す造影部分とが重畳された状態を表す合成画像を生成する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線CT装置および画像表示方法に関する。
X線CT(Computed Tomography)装置は、X線を利用して被検体をスキャンし、収集されたデータをコンピュータにより処理することで、被検体の内部を画像化する装置である。
具体的には、X線CT装置は、被検体に対してX線を異なる方向から複数回曝射し、被検体を透過したX線をX線検出器にて検出して複数の検出データを収集する。収集された検出データはデータ収集部によりA/D変換された後、コンソール装置に送信される。コンソール装置は、当該検出データに前処理等を施し投影データを作成する。そして、コンソール装置は、投影データに基づく再構成処理を行う。またX線CT装置は、再構成処理したデータに基づきX線CT画像を作成する。
X線CT画像は疾病の診断、治療、手術計画などを含む多くの医療行為において重要な役割を果たしている。またX線CT装置において、撮影の際リアルタイムに画像を再構成することが可能である。リアルタイムにX線CT画像の再構成処理を行うことにより、撮影とほぼ同時に(リアルタイムに)X線CT画像を表示することが可能となる。
また、X線CT装置においては造影剤を用いた撮影も行われている。造影剤を用いた撮影では、被検体に造影剤を注入し、被検体の特定の臓器等の所定部位に造影剤を流入させる。所定部位に造影剤がされた状態で撮影を行うと、当該部位をコントラストの差により強調表示することができ、当該部位をより認識しやすくすることができる。造影剤による撮影は、当該部位における腫瘍の有無などの診断に資する。例えば、造影剤が注入された被検体のX線CT画像が、骨浸潤の診断に用いられる場合がある。
すなわち、造影剤を被検体に注入し、被検体の骨を含む領域を撮影することによりその骨を含む領域のX線CT画像が得られる。画像の閲覧者は、X線CT画像において骨を含む部分への造影剤の流入の状態を参照することにより、骨浸潤や骨転移等の状況を把握しやすくなる。
特開2003−310597号公報
病変部に対する処置は、臓器や骨などの被検体内の部位応じて、あるいは病変部の状況に応じて行われる。例えば、被検体の部位に対する病変部(腫瘍等)の浸潤の程度が、浸潤した部位の切除を行うか否かの判断に影響することがある。骨浸潤の場合であれば、骨に対する腫瘍の割合に応じて、術式の判断がなされる。術式の判断とは、骨の切除を行うかの判断、あるいは放射線治療を行うかの判断等である。
上述のように、被検体の特定の部位(病変部等)の状態の把握を支援するため、当該部位を造影剤によって強調した画像を表示することが行われている。ただし、被検体の部位に対する造影剤の流入領域を、画像の閲覧者が把握しやすくする必要がある。また、被検体の特定の部位とその部位に対する造影剤の流入領域との対比が、医師によって円滑に行いうるようにする必要がある。
この点、従来のX線CT装置は、被検体の関心領域の造影画像を表示するものである。このようなX線CT装置において、スキャンする被検体の部位によっては、造影剤の流入領域が閲覧しがたい場合がある。例えば、造影剤の流入領域の周囲の構造物により、当該流入領域が見えにくくなる場合がある。また、造影剤の流入領域と重なって描画される構造物により当該領域が見えにくくなる場合がある。また、スキャンする被検体の部位によっては、被検体の部位と、その部位に対する造影剤の流入領域との対比が困難な場合がある。すなわち、従来のX線CT装置においては、医師等による画像診断の支援を適切に行うことが困難な場合があった。
本実施形態は、造影の流入領域、およびその領域と周囲の領域との関係を円滑に把握することが可能なX線CT装置を提供することを目的とする。
実施形態のX線CT装置は、収集部と、記憶部と、制御部と、画像生成部と、算出部と、表示部と、を有する。収集部は、被検体をX線でスキャンしてデータを反復的に収集する。記憶部は、前記被検体の注目部位を含む所定範囲を表す基準画像をあらかじめ記憶する。制御部は、前記収集部を制御することにより、造影剤が投与された前記被検体の前記所定範囲に対しスキャンを実行させる。画像生成部は、前記スキャンにより反復的に収集されたデータに基づいて、前記被検体の造影画像を順次生成する。画像合成部は、前記基準画像における前記注目部位を表す注目部分と、前記注目部位に流入された前記造影剤を表す造影部分とが重畳された状態を表す合成画像を生成する。算出部は、前記造影部分の面積又は体積を順次求め、前記造影部分の面積又は体積の経時変化を示す情報を取得する。表示部は、前記経時変化を示す情報及び前記合成画像を表示する。
第1実施形態にかかるX線CT装置のブロック図である。 第1実施形態にかかる基準画像を概念的に示す図である。 第1実施形態にかかる造影画像を概念的に示す図である。 第1実施形態にかかるサブトラクション画像を概念的に示す図である。 第1実施形態にかかる合成画像を概念的に示す図である。 第1実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第1実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかるX線CT装置のブロック図である。 第2実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第3実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第4実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第6実施形態の変形例にかかるX線CT装置のブロック図である。 第7実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第9実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第12実施形態における第2サブトラクション画像データの変化の概要を示す図である。 第12実施形態における第2サブトラクション画像データの変化の概要を示す図である。 第12実施形態における第2サブトラクション画像データの変化の概要を示す図である。 第12実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第12実施形態の変形例にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第13実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。 第13実施形態の変形例にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。
以下、実施形態にかかるX線CT装置につき、図1〜図16を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4を参照して、第1実施形態におけるX線CT装置1の構成について説明する。図1は、第1実施形態にかかるX線CT装置のブロック図である。なお、「画像」と「画像データ」は一対一に対応するので、本実施形態においては、これらを同一視する場合がある。
(装置構成)
図1に示すように、X線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置20と、コンソール装置30とを含んで構成されている。
(架台装置)
架台装置10は、被検体Eに対してX線を曝射し、被検体Eを透過した当該X線の検出データを収集する装置である。架台装置10は、X線発生部11と、X線検出部12と、回転体13と、高電圧発生部14と、架台駆動部15と、X線絞り部16と、絞り駆動部17と、データ収集部18とを有する。
X線発生部11は、X線を発生させるX線管球(例えば、円錐状や角錐状のビームを発生する真空管。図示なし)を含んで構成されている。発生したX線は被検体Eに対して曝射される。X線検出部12は、複数のX線検出素子(図示なし)を含んで構成されている。X線検出部12は、被検体Eを透過したX線の強度分布を示すX線強度分布データ(以下、「検出データ」という場合がある)をX線検出素子で検出し、その検出データを電流信号として出力する。X線検出部12は、例えば、検出素子が互いに直交する2方向(スライス方向とチャンネル方向)にそれぞれ複数配置された2次元のX線検出器(面検出器)が用いられる。複数のX線検出素子は、例えば、スライス方向に沿って320列設けられている。このように多列のX線検出器を用いることにより、1回転のスキャンでスライス方向に幅を有する3次元の撮影領域を撮影することができる(ボリュームスキャン)。なお、スライス方向は被検体Eの体軸方向に相当し、チャンネル方向はX線発生部11の回転方向に相当する。ただし、本実施形態におけるX線検出部12として、上述のような多列のX線検出器を用いる必要はない。
回転体13は、X線発生部11とX線検出部12とを被検体Eを挟んで対向するよう支持する部材である。回転体13は、スライス方向に貫通した開口部13aを有する。架台装置10内において、回転体13は、被検体Eを中心とした円軌道で回転するよう配置されている。
高電圧発生部14は、X線発生部11に対して高電圧を印加する。X線発生部11は、当該高電圧に基づいてX線を発生させる。架台駆動部15は、回転体13を回転駆動させる。X線絞り部16は、所定幅のスリット(開口)を有し、スリットの幅を変えることで、X線発生部11から曝射されたX線のファン角(チャンネル方向の広がり角)とX線のコーン角(スライス方向の広がり角)とを調整する。絞り駆動部17は、X線発生部11で発生したX線が所定の形状となるようX線絞り部16を駆動させる。
データ収集部18(DAS:Data Acquisition System)は、X線検出部12(各X線検出素子)からの検出データを収集する。また、データ収集部18は、収集した検出データ(電流信号)を電圧信号に変換し、この電圧信号を周期的に積分して増幅し、デジタル信号に変換する。そして、データ収集部18は、デジタル信号に変換された検出データをコンソール装置30(処理部35(後述))に送信する。なお、データ収集部18で収集された検出データに基づき、再構成処理部35b(後述)が短時間で再構成処理を行い、リアルタイムにCT画像を取得するように構成してもよい。したがって、データ収集部18は、検出データの収集レートを短くする。
(寝台装置)
寝台装置20は、撮影対象の被検体Eを載置・移動させる装置である。寝台装置20は、寝台装置30と寝台駆動部22とを備えている。寝台装置30は、被検体Eを載置するための寝台天板23と、寝台天板23を支持する基台24とを備えている。寝台天板23は、寝台駆動部22によって被検体Eの体軸方向および体軸方向に直交する方向に移動することが可能となっている。すなわち、寝台駆動部22は、被検体Eが載置された寝台天板23を、回転体13の開口部13aに対して挿抜させることができる。基台24は、寝台駆動部22によって寝台天板23を上下方向(被検体Eの体軸方向と直交する方向)に移動させることが可能となっている。なお、寝台装置20において寝台天板23を含まない構成を用いることも可能である。すなわち、寝台装置20に対して架台装置10を移動させる構成も本実施形態のX線CT装置に含まれる。
(コンソール装置)
コンソール装置30は、X線CT装置1に対する操作入力に用いられる。また、コンソール装置30は、架台装置10によって収集された検出データから被検体Eの内部形態を表すCT画像データ(断層画像データやボリュームデータ)を再構成する機能等を有している。コンソール装置30は、入力部31と、表示部32と、条件設定部33と、スキャン制御部34と、処理部35と、記憶部36と、表示制御部37と、主制御部38とを含んで構成されている。
<入力部>
入力部31は、コンソール装置30に対する各種操作を行う入力デバイスとして用いられる。入力部31は、例えばキーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック等により構成される。また、入力部31として、表示部32に表示されたGUI(Graphical User Interface)を用いることも可能である。
入力部31により、X線CT装置1のユーザ(操作者)による任意の操作および各種入力を行うことが可能である。例えば、入力部31は、架台装置10によるスキャンに関する任意の操作に用いられる。このスキャンに関する任意の操作には、リアルプレップスキャン、本スキャンの開始および停止の指示操作が含まれる。また、入力部31はスキャン条件の設定操作などのX線CT装置1で使用する各種パラメータの設定操作に用いられる。また、入力部31は再構成処理部35bによる再構成処理に用いられる各種パラメータの設定操作に用いられる。また、入力部31は、X線CT画像のウインドウレベル(WL/Window Level)、ウインドウ幅(WW/Window Width)の設定に用いられる。また、入力部31は寝台天板23の手動操作や被検体への呼吸指示の音声出力操作等に用いられる。また、入力部31はX線CT装置1における全体のメンテナンス等に用いられる。また、入力部31は、造影剤注入器(インジェクタ)の制御パラメータの設定に用いられてもよい。
また、入力部31は、X線CT画像において被検体内の構造物(骨、臓器、人工物等)を特定するための所定値αおよび所定値βの設定に用いられる。入力部31により入力された所定値αおよび所定値βは、主制御部38を介して処理部35に送られ、算出部35dに記憶される。詳細については後述する。
<表示部>
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意の表示デバイスによって構成される。表示部32には、各種X線CT画像が表示される。例えば、表示部32の表示画面には、断層画像やボリュームレンダリング画像、MPR画像等が表示される。また、表示部32には、MPR画像に対応するビューイングボックスを表示してもよい。
また、表示部32はスキャン条件の設定画面(図示なし)を表示する。また、表示部32は架台装置10によるスキャンにかかる操作画面を表示する。また、表示部32は再構成処理に用いられる各種パラメータの設定画面を表示する。また、表示部32はウインドウレベル、ウインドウ幅の設定画面を表示する。また、入力部31によって造影剤注入器の制御パラメータの設定がなされる構成においては、表示部32がその設定画面を表示するように構成してもよい。
また入力部31の少なくとも一部がGUIによって構成される場合は、そのGUIを表示する。例えば、表示部32は、スキャン条件、再構成処理、画像処理等のパラメータの設定画面をGUIとして表示する。また、表示部32は架台・寝台の動作などの操作画面をGUIとして表示する。また、表示部32は造影画像、非造影画像またはサブトラクション画像等において範囲指定を行う操作画面をGUIとして表示する。
<制御部>
条件設定部33、スキャン制御部34、処理部35、表示制御部37および主制御部38は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの図示しない処理装置と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)や、又はHDD(Hard Disc Drive)などの図示しない記憶装置とによって構成されている。記憶装置には、各部の機能を実行するための制御プログラムが記憶されている。CPUなどの処理装置が、記憶装置に記憶されている各プログラムを実行することで各部の機能を実行する。
<条件設定部>
条件設定部33は、例えば入力部31によって入力された、スキャン条件、再構成条件、ウインドウレベル、ウインドウ幅の各種パラメータを記憶する。また、条件設定部33は、上記各種条件の設定画面の画面データ等を記憶する。スキャン条件としては、X線照射条件、視野(Field of View:FOV)、撮影(スキャン)範囲、スキャンモード、スライス厚等が含まれる。
X線照射条件には、照射されるX線にかかるパラメータが含まれる。このパラメータは、例えば、照射X線に関する、管電流mA、管電圧kV、X線管(回転体13)の回転速度、スキャン間隔等が含まれる。視野に関するパラメータには、架台駆動部15が制御するX線絞り部16の動作に関する制御パラメータが含まれる。再構成条件には、再構成関数、再構成間隔等が含まれる。スキャンモードとしては、例えばスキャン方式(コンベンショナルスキャン、ヘリカルスキャン等)が挙げられる。ヘリカルスキャンの場合はヘリカルピッチが含まれ、例えば寝台駆動部22による寝台天板23の動作に関する条件(動作速度、移動量等)等である。
<スキャン制御部>
スキャン制御部34は、X線スキャンに関する各種動作を制御する。スキャン制御部34は、主制御部38を介して入力部31等から受けたスキャン開始の指示を受け、架台装置10によるスキャンを開始する。つまり、条件設定部33によってあらかじめ設定されたX線照射条件、視野、撮影範囲、スキャンモード、スライス厚によって、高電圧発生部14、架台駆動部15、絞り駆動部17、寝台駆動部22等を制御する。
例えば、スキャン制御部34は、主制御部38を介して条件設定部33から受けたX撮影範囲に基づき、寝台駆動部22を制御する。これにより、寝台駆動部22は、所定の移動速度、および移動量にしたがって寝台装置20を移動させる。また、スキャン制御部34は条件設定部33から受けたX線照射条件に基づき、高電圧発生部14を制御する。これにより、高電圧発生部14は、X線発生部11に高電圧を印加させる等の制御を行う。
また、スキャン制御部34は、条件設定部33において設定されたX線管(回転体13)の回転速度に基づき、架台駆動部15を制御する。これにより、架台駆動部15は、回転体13を所定の速度で回転駆動させる。また、スキャン制御部34は、条件設定部33において設定された視野等に基づき絞り駆動部17を制御する。これにより、絞り駆動部17は、X線絞り部16を動作させ、照射されるX線の範囲を制御する。また、スキャン制御部34は、条件設定部33において設定されたスキャンモードに基づき、寝台駆動部22を制御する。これにより、寝台駆動部22は、所定の移動速度、および移動量にしたがって寝台装置20を移動させる。
<処理部>
処理部35は、架台装置10(データ収集部18)から送信された検出データに対して各種処理を実行する。処理部35は、前処理部35aと、再構成処理部35bと、画像生成部35cと、算出部35dと、合成部35eとを含んで構成されている。
前処理部35aは、架台装置10(X線検出部12)で検出された検出データに対して対数変換処理、オフセット補正、感度補正、ビームハードニング補正等の前処理を行い、投影データを作成する。
再構成処理部35bは、前処理部35aで作成された投影データの再構成処理を行う。この再構成処理は、主制御部38を介して条件設定部33から受けた再構成条件に基づき、行われる。断層画像データの再構成には、例えば、2次元フーリエ変換法、コンボリューション・バックプロジェクション法等、任意の方法を採用することができる。ボリュームデータは、再構成された複数の断層画像データを補間処理することにより作成される。ボリュームデータの再構成には、例えば、コーンビーム再構成法、マルチスライス再構成法、拡大再構成法等、任意の方法を採用することができる。上述のように多列のX線検出器を用いる場合は、ボリュームスキャンにより得られたデータに基づき、広範囲のボリュームデータを再構成することができる。
画像生成部35cは、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、X線CT画像データを生成する。例えば、ボリュームデータについては、MPR(Multi Planar Reconstruction)や、サーフェスレンダリング(Surface Rendering:SR,Shaded Surface Display:SSD)、ボリュームレンダリング(Volume Rendering:VR)、MIP(Maximum Intensity Prejection)、MinIP(Maximum Intensity Prejection)等のレンダリング処理を行う。さらに画像生成部35cは、断層画像データやボリュームデータに基づくX線CT画像データに対し、画像の鮮鋭化、ノイズの低減・抑制、S/N比の向上、輪郭の強調などの画像処理を行う。
上記のような処理を経て、画像生成部35cは、X線CT画像データを生成する。X線CT画像データとしては、例えば、造影剤注入前の被検体内の状態を示す非造影画像データや、造影剤注入後の被検体の状態を示す造影画像データが該当する。また、他の例としては、被検体の撮影範囲の設定に用いる撮影準備のための画像データ(以下、「スキャノグラム」と記載することがある。)が該当する。また、非造影画像と造影画像のサブトラクション画像データ(差分画像データ)が該当する。
なお、非造影画像は「基準画像」の一例に該当する。ただし、基準画像の他の例としては造影剤注入後の画像も含まれる。以下において「非造影画像」と記載した場合、造影剤注入前の被検体の画像だけでなく、造影剤注入開始後の画像も含む場合がある。すなわち基準画像としては、被検体内の観察対象となる注目部位(骨等)を表す画像が該当する。また、観察対象となる注目部位とは、造影剤によって強調される部位の周囲の部位が該当する。
架台装置10により造影剤注入前の被検体のスキャンが行われているとき、画像生成部35cは、再構成処理部35bから受けた断層画像データまたはボリュームデータに基づき、非造影画像データを生成する。また、架台装置10により関心領域に造影剤が流入された後の被検体のスキャンが開始されると、画像生成部35cは、再構成処理部35bから受けた断層画像データまたはボリュームデータに基づき、造影画像データを生成する。なお、造影画像データは架台装置10による反復的(連続的または断続的)なスキャンにより得られた収集データに基づく画像データである。また、非造影画像は、反復的なスキャンまたはシングルスキャンによって得られた収集データに基づく画像である。また、関心領域は、「注目部位を含む所定範囲」の一例に該当する。
スキャノグラムは、単一のX線投影角度によってスキャンされた被検体の断層画像データに基づく画像である。スキャノグラムは、表示部32に表示される。ユーザはスキャノグラムに基づいて、リアルプレップスキャンのスキャン位置、本スキャンのスキャン位置を設定する場合がある。サブトラクション画像データは、画像生成部35cが、基準画像(例えば非造影画像)と造影画像とのサブトラクション(差分)処理を行うことにより生成される。以下、画像生成部35cにおけるサブトラクション処理について記載する。
画像生成部35cは、造影画像の画像データと基準画像(例えば非造影画像)の画像データとのサブトラクション処理を行う。このサブトラクション処理について図2A〜図2Dを参照して説明する。図2Aは、第1実施形態にかかる基準画像を概念的に示す図である。図2Bは、第1実施形態にかかる造影画像を概念的に示す図である。図2Cは、第1実施形態にかかるサブトラクション画像を概念的に示す図である。図2Dは、第1実施形態にかかる合成画像を概念的に示す図である。
例えば、架台装置10により関心領域に造影剤が流入された後の被検体のスキャンが開始されると、画像生成部35cは、記憶部36から基準画像データ(図2A:非造影画像データ等)を読み出す。また、画像生成部35cは、上述のように生成した造影画像データ(図2B)と、読み出した基準画像データとのサブトラクション処理を行う。画像生成部35cは、例えば、1〜nスキャン目の造影画像のデータから、単一のスキャンにより収集された基準画像のデータをサブトラクション処理する。また、他の例として、画像生成部35cは、1〜nスキャン目の造影画像のデータから、対応する間隔で収集された1〜nスキャン目の基準画像のデータをサブトラクション処理する。以下、前者の例において説明する。
例えば、画像生成部35cは、1スキャン目の収集データに基づく造影画像(図2B)と、基準画像(図2A)とを記憶部36から読み出した上で、任意の方法によりサブトラクション処理を施す。画像生成部35cは、2〜nスキャン目の収集データに基づく造影画像についても順次当該処理を繰り返す。その結果、1〜n回のスキャンによる造影画像に対応したサブトラクション画像(図2C)を生成する。
また画像生成部35cにより、生成した造影画像と、その前の時点(異なる時相)で生成された造影画像(「第2の造影画像」の一例)とのサブトラクション処理を実行させる構成とすることが可能である。例えば、画像生成部35cは、直前(1回前)のスキャンによって生成した造影画像と現在生成した造影画像とをサブトラクション処理する。この例においてスキャンがn回行われるとした場合、画像生成部35cは、2回目のスキャンによる造影画像と1回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行う。さらに画像生成部35cは、3回目のスキャンによる造影画像と2回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行う。このように順次当該処理を繰り返し、n回目のスキャンのスキャンによる造影画像とn−1回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行う。
<算出部>
処理部35における算出部35dは、画像生成部35cが生成したサブトラクション画像データを受ける。また、算出部35dは、X線CT画像において造影剤を示す画素値(またはCT値(HU:Hounsfield Unit)等)の所定値αをあらかじめ記憶している。また、算出部35dは、X線CT画像における被検体内の構造物(骨、臓器、人工物等)それぞれを示す画素値(またはCT値等)の所定値βをあらかじめ記憶している。また算出部35dが記憶する所定値α、所定値β等は、所定の範囲を有するように設定されてもよい。
算出部35dは、サブトラクション画像データにおいて、画素(ピクセル)ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。例えば、算出部35dは、画像生成部35cからサブトラクション画像データを受けると、当該データにおける画素ごとの画素値と所定値αとを比較することにより、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤が流入した範囲を特定する。なお、以下、においては、造影剤が流入した範囲について「造影剤の流入領域A2」と記載することがある(図2A参照)。さらに算出部35dは、サブトラクション画像データにおける造影剤の流入領域A2の位置情報を、サブトラクション画像データ(図2C)とともに合成部35eに送る。この位置情報は、例えばサブトラクション画像データにおける造影剤を示す部分の座標位置の情報である。なお、造影剤の流入領域A2は、「造影部分」の一例に該当する。
<合成部>
合成部35eは、サブトラクション画像データにおいて造影剤の流入領域A2を抽出して、基準画像データまたは造影画像データと合成することにより合成画像データ(図2D)を生成する。以下、基準画像データと造影剤の流入領域を表すデータとの合成画像データを生成する例について説明する。
合成部35eは、架台装置10により関心領域に造影剤が流入された後の被検体のスキャンが開始されると、合成部35eは、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、算出部35dから造影剤の流入領域の位置情報と共にサブトラクション画像データを受けると、位置情報に基づいて造影剤の流入領域を抽出する。合成部35eは、ここで抽出された造影剤の流入領域の画像データと基準画像データとを合成する。
例えば合成部35e、は上記位置情報に基づいて、基準画像データにおける造影剤の流入領域(図2B・図2C参照)に対応する座標位置を特定する。さらに合成部35eは、基準画像データにおいて特定した位置の各画素と、サブトラクション画像データにおける造影剤の流入領域の各画素との位置との対応付けをする。さらに合成部35eは、基準画像データにおいて造影剤の流入領域に該当する位置の画素の画素値を造影剤の流入領域の画素値に置き換える。このようにして合成画像データが生成される。
さらに合成部35eは、サブトラクション画像データについて表示態様を変更して基準画像データと合成することも可能である。表示態様の変更方法としては、サブトラクション画像データについて、合成対象の画像と異なる色を割り当てる方法が挙げられる。その他、サブトラクション画像データの部分を所定時間毎に反転表示させる、もしくは点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
また合成処理の他の例として、合成部35eは、各画像データをレイヤーとして累積的に合成し、合成比率を調整することにより合成画像データを生成してもよい。すなわち、まず合成部35eは基準画像データ(図2A)と造影画像データ(図2B)を重ね合わせる。さらに合成部35eは、重ね合わせた画像データのうち、造影画像データにおける造影剤の流入領域A2以外の部分(図2B・注目部位を示す領域A1等)の合成比率を下げる。このような合成比率の変更により、合成画像における当該部分については、基準画像データの像(画素)が優先して表示される。
同様に、造影剤の流入領域A2と重畳する基準画像の画素の部分については、基準画像データの方の合成比率を下げる。このような合成比率の変更により、合成画像における当該部分については造影画像データの像、すなわち、造影剤の流入領域が優先して表示される。なお、基準画像データと合成される画像は、サブトラクション画像データであってもよい。また、注目部位を示す領域A1は、「注目部分」の一例に該当し、造影剤の流入領域A2は、「造影部分」の一例に該当する。
合成比率の変更の具体例としては、例えば、透明度の調整が挙げられる。すなわち、造影画像データにおける造影剤の流入領域以外の部分(例:注目部位を示す領域A1)の透明度を上げることにより、当該部分については、重ね合わせられた基準画像データの像(骨等)の視認性を高める。同様に基準画像データにおける、造影剤の流入領域A2に該当する部分との重畳部分の透明度を上げることにより、重ね合わせられたサブトラクション画像データの造影剤の流入領域の視認性が高まる。透明度の調整は、例えば、あらかじめ設定されたパラメータに基づいて行うことが可能である。さらに操作者が入力部31に基づいて当該透明度の調整を行う構成としてもよい。
合成部35eは、合成比率の変更だけでなく、各画像について表示態様を変更することも可能である。表示態様の変更方法としては、サブトラクション画像データについて、合成対象の画像と異なる色を割り当てる方法が挙げられる。その他、サブトラクション画像データの部分を所定時間毎に反転表示させる、もしくは点滅して表示させる等、任意の方法を用いることが可能である。
画像生成部35cは、合成部35eによる造影剤の流入領域の合成処理の前に、画像の鮮鋭化、ノイズの低減・抑制、S/N比の向上、輪郭の強調などの画像処理を行なっている。しかしながらこのような構成に限らず、合成画像データに対して上記画像処理を行なってもよい。
合成画像においては、サブトラクション画像と基準画像との上記合成処理により、両画像に共通する被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。例えば、骨が撮像された合成画像において、骨に対する骨浸潤の状態を相対的に強調することが可能となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。上述のように画像生成部35cが生成したX線CT画像データは、主制御部38を介して記憶部36に順次記憶される。
なお、上記実施形態においては、サブトラクション処理を再構成処理後のデータに基づいて行っている。しかしながら、これに限らず、再構成処理前の投影データに基づいてサブトラクション処理を行うように構成することも可能である。この場合、記憶部36に記憶されるのは、非造影スキャンによって得られた投影データである。
<記憶部、主制御部>
記憶部36は、RAMやROM等の半導体記憶装置によって構成される。記憶部36は、検出データや投影データ、あるいはX線CT画像データ等を記憶する。表示制御部37は、画像表示に関する各種制御を行う。例えば、上述の各種X線CT画像データの表示指示に基づき、記憶部36から当該画像データを受け、所定のフォーマットにより表示する。また、表示制御部37は、上述した各種設定画面の画像データを受け、所定のフォーマットにより表示する。
主制御部38は、架台装置10、寝台装置20およびコンソール装置30の動作を制御することによって、X線CT装置1の全体制御を行う。例えば、主制御部38は、スキャン制御部34を制御することで、架台装置10に対して予備スキャンおよびメインスキャンを実行させ、検出データを収集させる。また、主制御部38は、処理部35を制御することで、検出データに対する各種処理(前処理、再構成処理、MPR処理等)を行わせる。あるいは、主制御部38は、表示制御部37を制御することで、記憶部36に記憶された画像データ等に基づき、X線CT画像を表示部32に表示させる。
(動作)
次に、図2A〜図2D、図3および図4を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図3は、第1実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。図4は、第1実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、スキャノグラムの生成、リアルプレップスキャンを経て、本スキャンによる画像の生成までについて説明する。また、以下においては、サブトラクション処理を行うための基準画像として、非造影画像を用いる場合について説明する。
<S01>
造影剤を用いたスキャンを開始するにあたり、X線CT装置1は、スキャノグラムを生成する。すなわち、あらかじめ設定されたスキャン条件に基づいてスキャン制御部34が架台装置10の高電圧発生部14、架台駆動部15、絞り駆動部17および寝台駆動部22等を制御してスキャノグラムの撮影をする。例えば、スキャン制御部34は、寝台駆動部22を制御して寝台天板23と架台装置10の位置を相対的に変位させ、結果的に被検体をスキャン位置へ移動させる。また、スキャン制御部34は架台駆動部15を制御し、回転体13を移動させる。またスキャン制御部34は、高電圧発生部14を制御し、単一のX線投影角度によって被検体をスキャンする。データ収集部18は被検体を透過したX線に基づいて検出データを収集する。この収集データは、コンソール装置30に送られる。コンソール装置30は、データ収集部18から受けた収集データに基づいて、処理部35によりスキャノグラムを生成させる。
なお、本実施形態におけるスキャン範囲設定画面はスキャノグラムに基づくものに限られない。したがって、スキャノグラムの生成工程が省略される場合がある。また、本スキャンに応じた非造影スキャンの際に収集する検出データに基づいてスキャノグラムを生成してもよく、その場合はスキャノグラム生成に関するスキャンと、基準画像を生成するためのスキャンとを兼ねて実行することも可能である。また、造影剤を用いたスキャンについて、以下、単に「造影スキャン」と記載することがある。
<S02>
表示制御部37は、スキャノグラムおよび条件設定部33から受けた所定のフォーマットに基づいて、スキャン範囲設定画面を生成し、表示部32に表示させる。
<S03>
S02で表示部32に表示されたスキャン範囲設定画面上で、ユーザ等により入力部31を介してリアルプレップスキャンおよび本スキャンのスキャン範囲が設定される。このようにスキャン範囲設定画面上で、各スキャン範囲(例えば、ROI:Region of Interest)が設定されると、表示制御部37から主制御部38を介して条件設定部33に当該スキャン範囲を記憶させる。
<S04>
設定されたスキャン条件に基づいてスキャン制御部34が架台装置10の高電圧発生部14、架台駆動部15、絞り駆動部17および寝台駆動部22等を制御して、基準画像としての非造影画像を生成するためのスキャンをする。図2Aに示すような非造影画像は、本スキャンと同様のスキャン条件の下で生成される。ただし、非造影画像はリアルプレップスキャンや本スキャンと異なり、反復的でなく単一スキャンに基づいて生成される場合がある。また、このS04における非造影画像のスキャンは、次の造影剤注入(S05)の工程からリアルプレップスキャンの開始工程(S06)までの間に行われる場合がある。
<S05>
コンソール装置30の入力部31またはその他の操作部が操作されることにより、造影剤注入器から被検体へ造影剤が注入される。なお、S04における非造影画像を生成するためのスキャンを、S05からS06までに行う場合、パフュージョン解析を行ってもよい
<S06>
コンソール装置30の入力部31を介してリアルプレップスキャンの開始指示がなされると、スキャン制御部34に制御されて架台装置10によるリアルプレップスキャンが開始される。
<S07>
主制御部38は、所定の条件を満たしているか判断する。主制御部38は、所定の条件を満たすことにより、本スキャンへ移行するトリガーをスキャン制御部34に出力する。例えば、主制御部38は、被検体に注入された造影剤の濃度の変化曲線を監視しており、当該濃度があらかじめ設定された閾値に達すると、トリガーをスキャン制御部34に出力する。あるいは、主制御部38が、入力部31による操作に従って本スキャンへの移行のトリガーを出力してもよい。所定の条件を満たすまでは(S07;No)、S06からS07の工程を繰り返す。
<S08>
所定の条件が満たされると(S07;Yes)、スキャン制御部34に制御されて、本スキャンが開始される。本スキャンにおいては、撮影条件が変更される。例えば、X線照射に関する管電流mAや照射間隔(X線発生部11の動作)、照射範囲(X線絞り部16の絞り範囲)等が変更される。
<S09>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、図2Bに示すような造影画像データを生成する。
<S10>
処理部35はS09で造影画像データを生成すると、記憶部36から、図2Aに示すような非造影画像データを読みだす。画像生成部35cは、非造影画像データと造影画像データとのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によって、図2Cに示すようなサブトラクション画像データが生成される。サブトラクション画像データは、算出部35dに送られる。
<S11>
算出部35dは、画像生成部35cが生成したサブトラクション画像データを受ける。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値αとサブトラクション画像データの各画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、サブトラクション画像の画素から、造影剤の流入領域A2(図2C)を特定する。
<S12>
合成部35eは、算出部35dから造影剤の流入領域A2の位置情報と共にサブトラクション画像データを受けると、位置情報に基づいてサブトラクション画像データから造影剤の流入領域A2を抽出する。
<S13>
合成部35eは、記憶部36から読み出した非造影画像データと抽出した造影剤の流入領域A2との合成画像(図2D)を生成する。
<S14>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S14;No)、上記S09〜S14の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S14;Yes)、スキャンを終了する。
(作用効果)
上述した第1実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[変形例]
次に、第1実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第1実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dがサブトラクション画像における造影剤の流入領域を特定し、合成部35eが造影剤の流入領域を抽出し、基準画像(または造影画像)と合成する。しかしながら、このような構成に限られない。例えば、架台装置10におけるスキャンがボリュームスキャンである場合、再構成処理部35bは、基準ボリュームデータおよび造影ボリュームデータを生成する。
基準ボリュームデータとは、造影剤注入前のスキャンによって取得されたボリュームデータ、および造影剤注入開始後のスキャンによって取得されたボリュームデータが該当する。また基準ボリュームデータには、被検体内の観察対象となる注目部位(骨等)が含まれる。また、観察対象となる注目部位としては、造影剤によって強調される部位の周囲の部位、もしくは当該強調される部位を含む周囲の部位が該当する。画像生成部35cは、これら基準ボリュームデータおよび造影ボリュームデータをサブトラクション処理する。算出部35dは、所定値αに基づいてサブトラクション処理されたボリュームデータから3次元的な造影剤の流入領域を特定する。なお、基準ボリュームデータは「基準画像」の一例に該当する。
画像生成部35cは、入力部31等から合成画像の生成指示を受けると、例えば非造影のボリュームデータを記憶部36等から読み出す。例えば合成画像としてオブリーク像を生成しようとする場合、まず上記サブトラクション処理されたボリュームデータから指定された断面の像を生成し、さらに上記特定した位置情報に基づき、造影剤の流入領域を抽出する。その上で非造影のボリュームデータから同じ断面の非造影のオブリーク像を生成する。合成部35eは、当該非造影のオブリーク像と造影剤の流入領域との合成画像を生成する。
また、他の例として、上記説明においてはサブトラクション画像における造影剤の流入領域を基準画像データと合成しているが、当該造影剤の流入領域を造影画像データと合成してもよい。
上述の変形例においても第1実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかるX線CT装置1について図5および図6を参照して説明する。図5は、第2実施形態にかかるX線CT装置1のブロック図である。第2実施形態においては、第1実施形態と比較して、画像生成部35c、算出部35dおよび合成部35eの処理等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第1実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第1実施形態と同様に、第2実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像(図2C)を生成する。ただし、第2実施形態において、算出部35dは、サブトラクション画像データから造影剤の流入領域を特定するのではなく、非造影画像等の基準画像データから関心領域内の注目部位を示す領域A1を特定する。注目部位としては、X線CT画像において造影しようとする領域を含む被検体内の構造物(骨、臓器等)が該当する。例えば、骨浸潤の検査においては、骨が注目部位にあたり、骨浸潤野部分が、造影剤の流入領域A2にあたる。なお、以下においては、実際の被検体内の構造物を「注目部位」と記載し、X線CT画像における被検体内の構造物を示す画素および画素群を、当該注目部位と区別して、「注目部分」と記載することがある。
<画像生成部>
画像生成部35cは、第1実施形態と同様に、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、非造影画像等の基準画像データ、造影画像データ、サブトラクション画像データ等のX線CT画像データを生成する。さらに画像生成部35cは、断層画像データやボリュームデータに基づくX線CT画像データに対し、画像処理を行う。画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また図5に示すように、画像生成部35cは、サブトラクション画像データを合成部35eに送る。
<算出部>
算出部35dは、記憶部36に記憶された基準画像データを読み出す。また、算出部35dは、X線CT画像における被検体内の構造物(骨、臓器等)、すなわち、注目部位を表す画素値(またはCT値)の所定値βをあらかじめ記憶している。この所定値βは、所定の範囲を有していてもよい。
算出部35dは、基準画像データにおいて、画素(ピクセル)ごとにおける各画素値と所定値βとを比較する。例えば、算出部35dは、記憶部36から基準画像データを読み出す。また算出部35dは、当該データにおける画素ごとの画素値と所定値βとを比較する。この比較により、算出部35dは、基準画像データにおける各画素が、所定値βに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、基準画像の各画素から、注目部位を示す画素値に対応する部分を特定することにより、注目部分(例:注目部位を示す領域A1)を特定する。さらに算出部35dは、基準画像データにおける注目部分の位置情報を、基準画像データとともに合成部35eに送る。この位置情報は、例えば基準画像データにおける注目部分の座標位置の情報である。
また算出部35dは、第1実施形態と同様に、サブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較することにより、造影剤が流入した範囲を特定する。さらに算出部35dは、サブトラクション画像データにおける造影剤の流入領域の位置情報を、サブトラクション画像データとともに合成部35eに送る。
<合成部>
合成部35eは、基準画像データにおいて注目部位を抽出して、サブトラクション画像データまたは造影画像データと合成することにより合成画像データを生成する。以下、サブトラクション画像データと注目部位を表すデータとの合成画像データを生成する例について説明する。
合成部35eは、架台装置10により関心領域に造影剤が流入された後の被検体のスキャンが開始されると、合成部35eは、画像生成部35cからサブトラクション画像データを受ける。また、算出部35dから注目部分の位置情報と共に基準画像データを受けると、位置情報に基づいて注目部分を抽出する。合成部35eは、ここで抽出された注目部分の画像データとサブトラクション画像データとを合成する。
例えば合成部35eは、上記位置情報に基づいて、サブトラクション画像データにおける注目部分に対応する座標位置を特定する。さらに合成部35eは、サブトラクション画像データにおいて上記特定した位置の各画素(例:造影剤の流入領域A2・図2C)と、基準画像データにおける注目部分の各画素(例:注目部位を示す領域A1・図2A)との位置との対応付けをする。さらに合成部35eは、サブトラクション画像データにおいて注目部分に該当する位置の画素の画素値を注目部分の画素値に置き換える。このようにして合成画像データが生成される。
また合成処理の他の例として、合成部35eは、各画像データをレイヤーとして累積的に合成し、合成比率を調整することにより合成画像データを生成してもよい。すなわち、まず合成部35eは、サブトラクション画像データと、非造影画像等の基準画像データとを重ね合わせる。さらに合成部35eは、位置情報を基準として、重ね合わせた画像データのうち、基準画像データにおける注目部分以外の部分の合成比率を下げる。基準画像を示す図2Aの例であれば、注目部分を示す領域A1以外の部分の合成比率を下げる。さらに、基準画像データにおいて、造影剤の流入領域A2と重畳する画素の部分については、基準画像データの方の合成比率を下げる。
このような合成比率の変更により、合成画像においては、注目部分(骨等)以外の部分について基準画像データの像(画素/例えば骨の像)が優先して表示される。また、合成画像においては、注目部分と造影部分との重畳部分についてサブトラクション画像データの像が優先して表示される。例えば合成画像では、図2Dに示すようにサブトラクション画像データにおける造影部分(図2D・A2)および注目部分以外の部分が優先して表示される。
同様に、注目部分と重畳するサブトラクション画像データの画素の部分については、サブトラクション画像データの方の合成比率を下げる。このような合成比率の変更により、合成画像における当該部分については基準画像データの像、すなわち、造影部分(図2D・A2)を除いた注目部分(図2D・A1)が優先して表示される。
合成比率の変更の具体例としては、例えば、透明度の調整が挙げられる。すなわち、基準画像データにおける注目部分(図2D・A1)以外の部分の透明度を上げることにより、当該部分については、重ね合わせられたサブトラクション画像データの像(造影剤の流入領域A2等)の視認性を高める。同様にサブトラクション画像データにおける造影部分(図2D・A2)以外の部分の透明度を上げることにより、重ね合わせられた基準画像データの注目部位(図2D・A1)の視認性が高まる。透明度の調整は、例えば、あらかじめ設定されたパラメータに基づいて行うことが可能である。さらに操作者が入力部31に基づいて当該透明度の調整を行う構成としてもよい。
画像生成部35cは、合成部35eによる注目部分の合成処理の前に、画像の鮮鋭化、ノイズの低減・抑制、S/N比の向上、輪郭の強調などの画像処理を行なっている。しかしながらこのような構成に限らず、合成画像データに対して上記画像処理を行なってもよい。
なお、所定値βの設定値は、被検体内の構造物、例えば、骨、臓器等の種別ごとに設定される。例えば、表示部32に所定値βの設定画面を表示し、ユーザが入力部31により任意の設定値を入力する構成であってもよい。また、記憶部36があらかじめ、当該構造物の種別ごとに所定値β(β1、β2・・・)を記憶しておき、ユーザが入力部31により選択する構成であってもよい。この場合、表示部32に被検体内の構造物の選択画面を表示させてもよい。
(動作)
次に、図6を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図6は、第2実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。なお、本スキャンへの移行までの処理は第1実施形態(図3:S01〜S07)と同様であるため説明を割愛し、ここでは、画像生成部35c、算出部35dおよび合成部35eの動作ならびにそれらの動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、サブトラクション処理を行うための基準画像として、非造影画像を用いる場合について説明する。
<S21>
主制御部38が所定のトリガーを受けると、スキャン制御部34に本スキャンの制御を行わせる。本スキャンにおいては、撮影条件が変更される。例えば、X線照射に関する管電流mAや照射間隔(X線発生部11の動作)、照射範囲(X線絞り部16の絞り範囲)等が変更される。
<S22>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、造影画像データを生成する。
<S23>
処理部35はS22で造影画像データを生成すると、記憶部36から本スキャンに応じた非造影画像データ(図2A)を読み出す。画像生成部35cは、非造影画像データと造影画像データ(図2B)とのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によって、図2Cに示すようなサブトラクション画像データが生成される。サブトラクション画像データは、合成部35eに送られる。
<S24>
算出部35dは、記憶部36または画像生成部35cから非造影画像データを読み出す。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値βと非造影画像データの各画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、非造影画像データから、骨などの注目部位を表す注目部分(例:注目部位を示す領域A1)を特定する。
<S25>
合成部35eは、算出部35dから注目部分の位置情報と共に非造影画像データを受けると、位置情報に基づいて注目部分を抽出する。
<S26>
合成部35eは、画像生成部35cから受けたサブトラクション画像データと抽出した注目部分との合成画像(図2D)を生成する。
<S27>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S27;No)、上記S22〜S27の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S27;Yes)、スキャンを終了する。
(作用効果)
上述の第2実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、基準画像から注目部分を抽出してサブトラクション画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[変形例]
次に、第2実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第1実施形態の変形例と同様に、第2実施形態にかかるX線CT装置1においても、画像生成部35cが、基準ボリュームデータおよび造影ボリュームデータをサブトラクション処理してもよい。さらに算出部35dは、所定値βに基づいて基準ボリュームデータを記憶部36から読出し、当該ボリュームデータから3次元的な注目部分の領域を特定する。なお、基準ボリュームデータについては第1実施形態の変形例において説明した内容と同様であるため、説明を割愛する。
画像生成部35cは、入力部31等から合成画像の生成指示を受けると、基準ボリュームデータを記憶部36等から読み出す。例えば合成画像がオブリーク像である場合、まず上記基準ボリュームデータから指定された断面の像を生成し、さらに上記特定した位置情報に基づき、注目部分(例:注目部位を示す領域A1・図2A)を抽出する。その上でサブトラクション処理されたボリュームデータから同じ断面のオブリーク像を生成する。合成部35eは、当該サブトラクション処理されたボリュームデータと、注目部分との合成画像を生成する。
また、他の例として、上記説明においてはサブトラクション画像における造影剤の流入領域を基準画像データと合成しているが、当該造影剤の流入領域を造影画像データと合成してもよい。
これらの変形例においても第2実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかるX線CT装置1について図7を参照して説明する。第3実施形態においては、第1実施形態と比較して、画像生成部35c、算出部35dおよび合成部35eの処理等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第1実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第1実施形態と同様に、第3実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、非造影画像等の基準画像および造影画像を生成する。ただし、第3実施形態において、画像生成部35cはサブトラクション画像を生成しない場合がある。また算出部35dは、造影画像データ(図2B)において造影剤の流入領域(A2)を特定し、かつ、基準画像データ(図2A)において注目部分(A1)を特定する。また、合成部35eは、造影画像データと基準画像データとを重畳する。さらに合成部35eは、造影剤の流入領域の位置情報および注目部分の位置情報に基づき、部分的に合成比率を調整し、合成画像を生成する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、基準画像データ、造影画像データ等のX線CT画像データを生成する。さらに画像生成部35cは、X線CT画像データに対し、画像処理を行う。画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また画像生成部35cは、造影画像データを生成すると、当該データを算出部35dに送る。
<算出部>
算出部35dは、画像生成部35cが生成した造影画像データを受ける。また算出部35dは、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、算出部35dは、造影剤が表す画素値(またはCT値等)の所定値α、および被検体内の注目部位を表す画素値(またはCT値)の所定値βをあらかじめ記憶している。この所定値α、所定値βは、所定の範囲を有していてもよい。
算出部35dは、造影画像データにおいて、画素(ピクセル)ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。例えば、算出部35dは、画像生成部35cから造影画像データを受けると、当該データにおける画素ごとの画素値と所定値αとを比較することにより、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、造影画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤の流入領域A2を特定する。さらに算出部35dは、造影画像データにおける造影剤の流入領域A2の位置情報を、造影画像データとともに合成部35eに送る。この位置情報は、例えば造影画像データにおける造影剤の流入領域A2の座標位置の情報である。
算出部35dは、基準画像データにおいて、画素(ピクセル)ごとにおける各画素値と所定値βとを比較する。例えば、算出部35dは、記憶部36から基準画像データを読み出す。また算出部35dは、当該データにおける画素ごとの画素値と所定値βとを比較する。この比較により、算出部35dは、所定値βに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、基準画像の各画素から、注目部位を示す画素値に対応する部分を特定することにより、注目部分(図2A・注目部位を示す領域A1等)を特定する。さらに算出部35dは、基準画像データにおける注目部分の位置情報を、基準画像データとともに合成部35eに送る。この位置情報は、例えば基準画像データにおける注目部分の座標位置の情報である。
<合成部>
合成部35eは、造影剤の流入領域の位置情報および注目部分の位置情報に基づき、部分的に合成比率を調整し、合成画像を生成する。以下、造影画像データと非造影画像データとの重畳により、合成画像データを生成する例について説明する。
架台装置10により関心領域に造影剤が流入された後の被検体のスキャンが開始されると、合成部35eは算出部35dから非造影画像データおよび造影画像データをそれぞれ上記各位置情報とともに受ける。また、合成部35eは造影画像データから位置情報に基づいて造影剤の流入領域の画素を特定する。また、注目部分の位置情報に基づいて、非造影画像データから注目部分の画素を特定する。
また合成部35eは、各画像データをレイヤーとして累積的に合成し、合成比率を調整することにより合成画像データを生成する。すなわち、まず合成部35eは造影画像データと非造影画像データを重ね合わせる。さらに合成部35eは、重ね合わせた画像データのうち、特定した注目部分(A1)の座標位置に基づき、造影画像データにおける該当する画素の合成比率を下げる。このような合成比率の変更により、合成画像において、造影画像データに付加された位置情報により特定される画素については、基準画像データの像(画素)が優先して表示される。すなわち、注目部分(注目部位を示す領域A1等)が優先して表示される。
同様に、合成部35eは、重ね合わせた画像データのうち、特定した造影剤の流入領域A2の座標位置に基づき、基準画像データにおいて該当する画素の合成比率を下げる。このような合成比率の変更により、合成画像における造影剤の流入領域A2が優先して表示される。例えば造影剤の流入領域A2と注目部分A1とが重畳する場合においても、造影剤の流入領域A2が優先して表示される。
合成比率の変更の具体例としては、例えば、透明度の調整が挙げられる。この点については第1実施形態および第2実施形態と同様である。
画像生成部35cは、合成部35eによる注目部分の合成処理の前に、画像の鮮鋭化、ノイズの低減・抑制、S/N比の向上、輪郭の強調などの画像処理を行なっている。しかしながらこのような構成に限らず、合成画像データに対して上記画像処理を行なってもよい。
なお、所定値βの設定値は、被検体内の構造物、例えば、骨、臓器等の種別ごとに設定される。例えば、表示部32に所定値βの設定画面を表示し、ユーザが入力部31により任意の設定値を入力する構成であってもよい。また、記憶部36があらかじめ、当該構造物の種別ごとに所定値βを記憶しておき、ユーザが入力部31により選択する構成であってもよい。この場合、表示部32に被検体内の構造物の選択画面を表示させてもよい。
(動作)
次に、図7を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図7は、第3実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。なお、本スキャンへの移行までの処理は第1実施形態(図3:S01〜S07)と同様であるため説明を割愛し、ここでは、算出部35dおよび合成部35eの動作ならびにそれらの動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として、非造影画像を用いる場合について説明する。
<S31>
主制御部38が所定のトリガーを受けると、スキャン制御部34に本スキャンの制御を行わせる。本スキャンにおいては、撮影条件が変更される。例えば、X線照射に関する管電流mAや照射間隔(X線発生部11の動作)、照射範囲(X線絞り部16の絞り範囲)等が変更される。
<S32>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、造影画像データを生成する。処理部35において、画像生成部35cが図2Bに示すような造影画像データを生成すると、当該データを算出部35dに送る。
<S33>
算出部35dは、図2Aに示すような非造影画像データ記憶部36から読み出す。
<S34>
算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値αと造影画像データの各画素における画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、造影画像データから、造影剤の流入領域A2を表す造影部分を特定する。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値βと非造影画像データの各画素における画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、非造影画像データから、骨などの注目部位を表す注目部分(注目部位を示す領域A1等)を特定する。算出部35dは、非造影画像データおよび造影画像データを、それぞれ特定した位置情報とともに合成部35eに送る。
<S35>
合成部35eは、算出部35dから注目部分の位置情報とともに非造影画像データを受けると、当該位置情報に基づいて注目部分(A1)を特定する。また算出部35dから造影剤の流入領域A2を表す造影部分の位置情報とともに造影画像データを受けると、当該位置情報に基づいて、造影部分を特定する。
<S36>
合成部35eは、造影画像データと非造影画像データを重畳する。さらにそれぞれ特定した位置情報に基づき、造影画像データおよび非造影画像データの合成比率を画素ごとに調整する。これにより合成画像では、造影画像データの造影剤の流入領域が優先して表示される。また合成画像では、非造影画像データにおける、造影画像データの造影部分との重畳部分を除いた注目部分が優先して表示される。合成部35eはこのようにして合成画像データを生成する。
<S37>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S37;No)、上記S32〜S37の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S37;Yes)、スキャンを終了する。
(作用効果)
上述の第3実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、造影剤の流入領域および注目部分を特定し、合成比率を調整して合成することにより基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、造影画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[第4実施形態]造影部分の輪郭を表示する実施例
次に、第4実施形態にかかるX線CT装置1について図8を参照して説明する。第4実施形態においては、第1実施形態〜第3実施形態と比較して、算出部35dおよび合成部35eの処理等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は、第1実施形態〜第3実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。したがって、第4実施形態において合成画像の生成方法は、第1実施形態〜第3実施形態のいずれであってもよい。以下、第1実施形態の合成画像の生成方法にしたがって、相違点を中心に説明する。
(概要)
第1実施形態と同様に、第4実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像データを生成する。また、算出部35dにより、造影剤の流入領域A2や注目部分(注目部位を示す領域A1等)等が特定される。また合成部35eは、算出部35dにより特定された位置情報に基づき画像データの注目部分や造影部分を抽出して画像データを合成する。ただし、第4実施形態においては、合成画像における造影剤の流入領域が占める範囲の輪郭を抽出して、合成画像においてその輪郭線を表示する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、非造影画像等の基準画像データ、造影画像データ等のX線CT画像データを生成する。さらに画像生成部35cは、X線CT画像データに対し、画像処理を行う。画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また画像生成部35cは、造影画像データを生成すると、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、画像生成部35cは、上述のように生成した造影画像データと、読み出した基準画像データとのサブトラクション処理を行う。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤の流入領域A2を表す造影部分を特定する。さらに算出部35dは、サブトラクション画像データにおける造影部分の位置情報を、サブトラクション画像データとともに合成部35eに送る。
<合成部>
合成部35eは、一例として、上記位置情報に基づいて、基準画像データにおける造影剤の流入領域A2に対応する座標位置を特定する。さらに合成部35eは、基準画像データにおいて特定した位置の各画素と、サブトラクション画像データにおける造影剤の流入領域A2の各画素との位置との対応付けをする。さらに合成部35eは、基準画像データにおいて造影剤の流入領域A2に該当する位置の画素の画素値を造影剤の流入領域A2の画素値に置き換える。このようにして合成画像データが生成される。なお、この構成に限らず、第2実施形態のように基準画像データから注目部分を特定し、合成画像を生成する構成であってもよい。
また合成部35eは、算出部35dからサブトラクション画像データとともに受けた位置情報に基づいて、生成した合成画像における造影部分の輪郭を特定する。一例として、合成部35eは造影部分に属する画素について、造影部分の輪郭に該当するかの判断を行う。すなわち合成部35eは、造影部分に属する画素が、造影部分の最も外側にある画素に該当するかを判断する。
この例において、まず合成部35eは、上記位置情報に基づき造影部分に属する画素(以下、「造影画素」と記載する。)を特定する。また合成部35eは、特定した造影画素それぞれに対して隣接する画素(以下、「隣接画素」と記載する。)の位置、すなわち画像における座標位置を取得する。さらに合成部35eは、取得した座標位置と上記位置情報とを対比する。合成部35eは対比の結果、当該座標位置が上記位置情報に合致すると判断した場合、その隣接画素を造影画素と判断する。これに対し、合成部35eは、対比の結果、検索した隣接画素の座標位置が上記位置情報に合致しないと判断した場合、その隣接画素を造影部分(造影剤の流入領域A2)に属さない画素(以下、「境界画素」と記載する。)と判断する。
このようにして合成部35eは、造影画素ごとに、隣接画素の座標位置と上記位置情報とを対比することにより、各造影画素に対する境界画素が存在するかを判断する。合成部35eは対比の結果、境界画素が存在すると判断された造影画素を、造影部分の輪郭の一部として特定する。
以上のように、合成部35eは、上記位置情報に基づいて特定した造影画素それぞれに対し、境界画素が存在するかの判断を繰り返す。これにより、合成部35eは、造影部分の輪郭の一部として特定された画素を連ねていき、造影部分の輪郭を特定する。
輪郭の特定方法の他の例としては、位置情報に基づき境界画素の有無を判断するのではなく、合成画像等における画素を、所定の画素値(所定値α等)と対比し、造影部分に属する画素を特定し、その後、上述のように境界画素を特定してもよい。もしくは、画素値および位置情報の双方に基づき、合成画像における各画素から、造影画素と造影画素以外の画素とを特定し、造影画像とそれ以外の画素とが隣りあう位置を検索し、その画素を特定することにより、造影部分の輪郭を特定してもよい。
また、合成部35eは合成画像データにおいて特定した輪郭に対して、線(連続又は断続する線)として視認できるような画素値を割り当てる。例えば、合成画像における輪郭線は、造影画素の画素値および境界画素の画素値と識別可能な画素値が割り当てられる。また、輪郭線の表示方法としては、輪郭線に色を割り当てる、輪郭線を所定時間毎に反転表示させる、点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
なお、輪郭の特定処理、輪郭の表示処理に関しては、合成部35eが行う必要はなく、画像生成部35c等、他の機能によって行われてもよい。
(動作)
次に、図8を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図8は、第4実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。なお、合成画像の生成方法は、第1実施形態〜第3実施形態と同様であるため、ここでは、合成部35eによる輪郭線の特定方法の一例および当該表示方法に関連する制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として、非造影画像を用いる場合について説明する。
<S41>
合成部35eは、サブトラクション画像データ、非造影画像データ、造影画像データ等に基づき、造影部分の抽出、注目部分の抽出または合成比率の調整を行なって合成画像データを生成する。
<S42>
合成部35eは、算出部35dから画像データとともに受けた位置情報に基づき、造影部分に属する画素を特定する。
<S43>
合成部35eは、造影画素に隣接する画素の座標位置を取得する。
<S44>
合成部35eは、算出部35dから画像データとともに受けた位置情報と、隣接画素の座標位置を対比することにより、判断対象の造影画素に対する隣接画素のうち、境界画素に該当する画素があるかについて判断する。
<S45>
S44の判断の結果、合成部35eは、造影画素に対する隣接画素のうち、境界画素があると判断した場合(S44;Yes)は、境界画素を有する当該造影画素を造影部分の輪郭の一部と判断する。
<S46>
S44の判断の結果、合成部35eは、造影画素に対する隣接画素のうち、境界画素がないと判断した場合(S44;No)は、判断対象の造影画素は、造影部分の輪郭の一部でないと判断する。
<S47>
合成部35eは、造影画素に対するS44の判断の結果、輪郭を特定できたかについて判断する。例えば、造影画素の全てに対しS44の判断を行ったことにより、輪郭の特定が完了したと判断する。このようにして合成部35eが輪郭を特定したと判断した場合は、(S47;Yes)、輪郭の特定処理を終了する。これに対し、合成部35eが輪郭を特定していないと判断した場合は、(S47;No)、合成部35eは、上記S43〜S47の工程を繰り返す。
(作用効果)
上述の第4実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第4実施形態においては、合成画像において造影部分の輪郭を表示するので、造影剤の流入範囲の把握がさらに容易となる。
[変形例]
次に、第4実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第4実施形態では、算出部35dが求めた位置情報に基づき、流入領域の輪郭線を特定する等、合成画像における画素単位で輪郭に該当するか否かを判断している。しかしながらこのような構成に限定されない。例えば、合成部35eは、合成画像に対してエッジ検出を行う等の画像処理により造影部分の輪郭線を検出して、当該輪郭線を表示してもよい。
上述の変形例においても第4実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第5実施形態においては、第1実施形態〜第3実施形態と比較して、算出部35dの制御等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第1実施形態〜第3実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。したがって、第5実施形態において合成画像の生成方法は、第1実施形態〜第3実施形態のいずれであってもよい。以下、第1実施形態の合成画像の生成方法にしたがって、相違点を中心に説明する。
(概要)
第1実施形態と同様に、第5実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像データを生成する。また、算出部35dにより、造影剤の流入領域A2や注目部分(例:注目部位を示す領域A1)等が特定される。また合成部35eは、算出部35dにより特定された位置情報に基づき画像データの注目部分や造影部分を抽出して画像データを合成する。ただし、第5実施形態においては、合成画像における造影剤の流入領域A2が占める範囲の面積を求め、面積の変化を合成画像に対応して表示する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対するレンダリング処理等を行い、非造影等の基準画像データ、造影画像データ等のX線CT画像データを生成する。さらに画像生成部35cは、X線CT画像データに対し、画像処理を行う。画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また画像生成部35cは、造影画像データを生成すると、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、画像生成部35cは、上述のように生成した造影画像データと、読み出した基準画像データとのサブトラクション処理を行う。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤の流入領域A2を表す造影部分を特定する。
算出部35dは、サブトラクション画像における造影部分に基づいて、造影剤の流入範囲の面積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション画像の当該範囲の面積を順次求めていく。
例えば算出部35dは、画像において造影部分が占める画素数から画像内における流入範囲の面積を算出する。さらに算出部35dは、寝台天板23の実際のサイズと、画像との縮尺に基づいて画像内における面積を実際の面積に置き換えてもよい。このようにして算出部35dは、順次生成されるサブトラクション画像の当該範囲の面積を順次求めていく。なお、第4実施形態のように造影部分の輪郭を特定して、輪郭に基づき面積を求めてもよい。
また、算出部35dは、反復的にスキャンされて生成されるX線CT画像に対し、上記面積を順次求めていき、さらに面積の経時的変化を示す画像を生成する。また算出部35dは、合成画像の表示に同期して面積の経時的変化を示す画像を表示制御部37に送る。表示制御部37は、面積の経時的変化を示す画像を合成画像とともに、または合成画像とは独立に表示する。なお、合成画像における造影部分の経時的変化を示す画像とは、面積の経時的変化を示すグラフ表示や、当該面積の数値表示等が挙げられる。
(作用効果)
上述の第5実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第5実施形態においては、合成画像における造影部分の面積の経時的変化を示す画像を表示するので、造影剤の流入範囲の拡大や縮小についての把握が容易となる。
[変形例]
次に、第5実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第5実施形態では、算出部35dが求めた造影部分の面積を求め、造影部分自体の面積を表示している。しかしながらこのような構成に限定されない。例えば、算出部35dは、造影部分の面積を求めるだけでなく、注目部位(A1:造影部分を含む被検体の構造物(骨浸潤に対する骨等))、すなわち画像における注目部位の面積を求める。
さらに、算出部35dは、注目部分の面積と、造影部分の面積の比を求める。さらに算出部35dは、求めた面積比の経時的変化を示す画像を合成画像とともに、または合成画像とは独立に表示する。なお、合成画像における造影部分の経時的変化を示す画像とは、面積の経時的変化を示すグラフ表示や、当該面積比の数値表示等が挙げられる。なお、面積比でなく注目部分に対する造影部分の割合であってもよい。
また、造影部分の面積は、合成画像データから求める必要はなく、例えばサブトラクション画像データに基づき面積を求めてもよい。この例において、上記変形例のように注目部分の面積と、造影部分の面積の比を求める場合、注目部分の面積は、基準画像データから注目部分を特定してから算出される。
また他の例として、算出部35dは、注目部分の幅(長さ)と、造影部分の幅の比を求める。例えば、注目部分における造影部分とが重複する部分における最も長い幅、または当該重複する部分における幅の平均値を注目部分の幅として求める。また、造影部分の幅(長さ)としては、注目部分の幅と同じ向きにおける最も長い幅、または幅の平均値を造影部分の幅として求める。さらに算出部35dは、注目部分の幅と造影部分の幅の比を求める。
さらに算出部35dは、求めた幅の比の経時的変化を示す画像を合成画像とともに、または合成画像とは独立に表示する。なお、合成画像における造影部分の経時的変化を示す画像とは、幅の経時的変化を示すグラフ表示や、当該幅の比の数値表示等が挙げられる。なお、幅の比でなく注目部分に対する造影部分の割合であってもよい。
これらの変形例においても第5実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。また、造影剤の流入範囲の拡大や縮小についての把握が容易となる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第6実施形態においては、第5実施形態と比較して、算出部35dの浸潤領域のサイズの算出対象のみが異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第5実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第5実施形態と同様に、第6実施形態にかかるX線CT装置1においても、造影剤の流入領域A2のサイズを求める。ただし、第5実施形態においては、ボリュームデータにおける造影剤の流入領域A2が占める範囲の体積を求め、体積の変化を合成画像に対応して表示する。
<再構成処理部>
再構成処理部35bは、基準画像を得るためのスキャン(非造影スキャン等)、および造影スキャンによって得られた検出データに基づき、前処理部35aで作成された投影データの再構成処理を行う。本実施形態においては、再構成処理部35bは、ボリュームデータを生成する。以下、基準画像を得るためのスキャンの結果、得られたボリュームデータを基準ボリュームデータと記載する。なお、基準ボリュームデータについては第1実施形態の変形例において説明した内容と同様であるため、説明を割愛する。また以下において造影スキャンによって得られたボリュームデータを造影ボリュームデータと記載する。
再構成処理部35bは、再構成処理により基準ボリュームデータを生成すると、記憶部36に記憶させる。また、再構成処理部35bは、再構成処理により造影ボリュームデータを生成すると、画像生成部35cに送る。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bから造影ボリュームデータを受ける。また画像生成部35cは、基準ボリュームデータを記憶部36から読み出す。画像生成部35cは、造影ボリュームデータと基準ボリュームデータとのサブトラクション処理を行う。サブトラクション処理されたボリュームデータは、算出部35dに送られる。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおいて、ボクセルごとにおける各ボクセル値と所定値αとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値αに対応するボクセル値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータのボクセルから、造影剤を示すボクセル値に対応する3次元領域を特定することにより、造影剤の流入領域を表す造影部分を特定する。
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおける造影部分に基づいて、造影剤の流入範囲の体積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション処理されたボリュームデータの当該範囲の体積を順次求めていく。
例えば算出部35dは、ボリュームデータにおいて造影部分が占めるボクセル数から画像内における流入範囲の体積を算出する。さらに算出部35dは、架台装置10(回転体13)の内部領域における実際のサイズ(実空間のサイズ)と、画像との縮尺に基づいて画像内における体積を実際の体積に置き換えてもよい。このようにして算出部35dは、順次生成されるサブトラクション処理されたボリュームデータの当該範囲の体積を順次求めていく。
また、算出部35dは、反復的にスキャンされて生成されるボリュームデータに対し、上記体積を順次求めていき、さらに体積の経時的変化を示す画像を生成する。また、算出部35dは、合成画像の表示に同期して体積の経時的変化を示す画像を表示制御部37に送る。表示制御部37は、体積の経時的変化を示す画像を合成画像とともに、または合成画像とは独立に表示する。なお、合成画像における造影部分の経時的変化を示す画像とは、体積の経時的変化を示すグラフ表示や、当該体積の数値表示等が挙げられる。
(作用効果)
上述の第6実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第6実施形態においては、造影部分の体積の経時的変化を示す画像を表示するので、造影剤の流入範囲の拡大や縮小についての把握が容易となる。
[変形例]
次に、第6実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第6実施形態では、算出部35dが求めた造影部分の体積を求め、造影部分自体の体積を表示している。しかしながらこのような構成に限定されない。例えば、算出部35dは、造影部分の体積を求めるだけでなく、注目部位(造影部分を含む被検体の構造物(骨浸潤に対する骨等)、すなわちボリュームデータにおける注目部位の体積を求める。
さらに、算出部35dは、注目部分の体積と、造影部分の体積の比を求める。さらに算出部35dは、求めた体積比の経時的変化を示す画像を合成画像とともに、または合成画像とは独立に表示する。なお、合成画像における造影部分の経時的変化を示す画像とは、体積の経時的変化を示すグラフ表示や、当該体積比の数値表示等が挙げられる。なお、体積比でなく注目部分に対する造影部分の割合であってもよい。
次に、第6実施形態にかかる他の変形例にかかるX線CT装置1について図9を参照して説明する。図9は、第6実施形態の変形例にかかるX線CT装置1のブロック図である。第6実施形態では、サブトラクション処理されたボリュームデータにおける造影部分等の体積を求めている。しかしながら、これに限らず、算出部35dは、造影ボリュームデータにおける造影部分の体積を求めてもよい。この場合、再構成処理された造影ボリュームデータは、図9に示すように再構成処理部35bから算出部35dに送られる。算出部35dは、上記第6実施形態と同様に、造影ボリュームデータにおける造影部分の体積を求める。
また、上記変形例のように注目部分の体積と、造影部分の体積の比を求める場合、算出部35dは、記憶部36から基準ボリュームデータを読出し、上記第6実施形態と同様に、基準ボリュームデータにおける注目部分の体積を求める。
これらの変形例においても第6実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。また、造影剤の流入範囲の拡大や縮小についての把握が容易となる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第7実施形態においては、第5実施形態と比較して、算出部35dおよび合成部35eの制御等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第5実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第5実施形態と同様に、第7実施形態にかかるX線CT装置1においても、画像データにおける造影剤の流入領域A2の面積を求める。ただし、第7実施形態においては、注目部分(注目部位を示す領域A1等)の面積と造影剤の流入領域A2との面積比が閾値に到達した場合または閾値を超えた場合、合成画像における造影剤の流入領域A2の表示態様を変更して表示する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、X線CT画像データを生成して画像処理を行う。また画像生成部35cは、非造影画像データ等の基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また画像生成部35cは、造影画像データを生成すると、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、画像生成部35cは、上述のように生成した造影画像データと、読み出した基準画像データとのサブトラクション処理を行う。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤の流入領域A2を表す造影部分を特定する。
算出部35dは、サブトラクション画像データにおける造影部分に基づいて、造影剤の流入範囲A2の面積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション画像の当該範囲の面積を順次求めていく。
また算出部35dは、記憶部36から読出した基準画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値βとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値βに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、基準画像データの画素から、注目部分(注目部位を示す領域A1等)を特定する。また算出部35dは、基準画像データにおける注目部分に基づいて注目部位の面積を求める。
また、算出部35dは、注目部分(A1等)の面積と、造影剤の流入領域A2の面積との比を求める。算出部35dは、面積比の閾値をあらかじめ記憶している。算出部35dは、面積の経時的変化に対応して、求めた面積比と閾値とを対比する。その対比により、算出部35dは面積比が閾値に達したか、または閾値を超えたかを判断する。算出部35dは面積比がこのような所定の条件満たした場合、合成部35eに対し、合成画像における造影剤の流入領域A2の表示態様の変更指示を送る。
なお、閾値の例としては、骨に対する浸潤面積の割合を設定することが可能であり、例えばその設定値は、1/3とすることができる。具体例としては、医師等が、骨面積に対する骨浸潤面積が1/3を超えていれば、骨の切除を行うといった判断をする場合の、当該判断の支援をすることができる。
<合成部>
合成部35eは、第1実施形態〜第3実施形態に記載したような合成処理を経て合成画像を生成する。また、合成部35eは、算出部35dから上記表示態様の変更指示を受けると、合成画像における造影部分の表示態様を変更する。表示態様の変更方法としては、造影部分に対し、上記変更指示前と異なる色を割り当てる方法が挙げられる。その他、造影部分を所定時間毎に反転表示させる、点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
(動作)
次に、図10を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図10は、第7実施形態にかかるX線CT装置の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S51>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、造影画像データ(図2A参照)を生成する。
<S52>
処理部35はS51で造影画像データを生成すると、記憶部36から非造影画像データ(図2B参照)を読み出す。画像生成部35cは、非造影画像データと造影画像データとのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によってサブトラクション画像データ(図2C参照)が生成される。
<S53>
算出部35dは、画像生成部35cからサブトラクション画像データを受けると、当該画像の各画素の画素値と、あらかじめ記憶している所定値αとを比較する。比較の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データから、造影剤の流入領域A2を特定する。算出部35dは、記憶部36から非造影画像データを読み出す。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値βと非造影画像データの各画素の画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、非造影画像データから、骨などの注目部位を表す注目部分(注目部位を示す領域A1等)を特定する。
<S54>
算出部35dは、画像中において特定した造影剤の流入領域A2の面積を算出する。
<S55>
算出部35dは、画像中において特定した注目部分(A1)の面積を算出する。なお、S54とS55の順序はいずれが先であっても、並行処理であってもよい。
<S56>
算出部35dは、注目部分の面積と、造影部分の面積との比を求める。さらに算出部35dは、面積の経時的変化に対応して、求めた面積比と閾値とを対比する。その対比により、算出部35dは面積比が閾値に達したか、または閾値を超えたかを判断する。面積比が閾値に達するまでは(S56;No)、算出部35dは、S51〜S56の処理を繰り返す。ただし、スキャンの停止指示があった場合は、算出部35dの当該処理も停止する。
<S57>
面積比が閾値に達すると(S56;Yes)、算出部35dは、合成画像における造影部分の表示態様変更の指示を送る。合成部35eは、算出部35dから変更指示を受けると、合成画像における造影剤の流入領域A2の表示態様を変更する。
(作用効果)
上述の第7実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第7実施形態においては、面積比に基づいて造影部分の表示態様を変更する。したがって、注目部位に対する病変部の進行状況、浸潤の程度によって、処置に影響がある場合、当該処置の判断が容易となる。
[変形例]
次に、第7実施形態にかかるX線CT装置1の変形例について説明する。第7実施形態では、算出部35dが注目部分と造影部分との面積比を求め、造影部分の表示態様を変更している。しかしながらこのような構成に限定されない。例えば、算出部35dは、注目部分の幅(長さ)と、造影部分の幅の比を求める。例えば、第4実施形態の変形例のように注目部分の幅と造影部分の幅との比を求める。
また算出部35dは幅の比が閾値に達したか、または閾値を超えたかを判断する。算出部35dは面積比がこのような所定の条件満たした場合、合成部35eに対し、合成画像における造影剤の流入領域A2の表示態様の変更指示を送る。また合成部35eは、算出部35dから上記表示態様の変更指示を受けると、合成画像における造影部分の表示態様を変更する。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第8実施形態においては、第7実施形態と比較して、算出部35dによる浸潤領域および注目部位のサイズの算出対象のみが異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第7実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第7実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第7実施形態と同様に、第8実施形態にかかるX線CT装置1においても、造影剤の流入領域のサイズと、注目部位のサイズの比によって合成画像の表示態様を変更する構成である。ただし、第8実施形態においては、ボリュームデータにおける造影剤の流入領域A2が占める範囲の体積を求める。またボリュームデータにおける注目部位(注目部位を示す領域A1等)が占める体積の変化を求める。合成画像に表示態様は、これらの体積比により求められる。
<再構成処理部>
再構成処理部35bは、基準画像を生成するためのスキャン、および造影スキャンによって得られた検出データに基づき、前処理部35aで作成された投影データの再構成処理を行う。本実施形態においては、再構成処理部35bは、ボリュームデータを生成する。以下、基準画像を生成するためのスキャンの結果、得られたボリュームデータを基準ボリュームデータと記載する。なお、基準ボリュームデータについては第1実施形態の変形例において説明した内容と同様であるため、説明を割愛する。また造影スキャンによって得られたボリュームデータを造影ボリュームデータと記載する。
再構成処理部35bは、再構成処理により基準ボリュームデータを生成すると、記憶部36に記憶させる。また、再構成処理部35bは、再構成処理により造影ボリュームデータを生成すると、画像生成部35cに送る。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bから造影ボリュームデータを受ける。また画像生成部35cは、非造影ボリュームデータを記憶部36から読み出す。画像生成部35cは、造影ボリュームデータと基準ボリュームデータとのサブトラクション処理を行う。サブトラクション処理されたボリュームデータは、算出部35dに送られる。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおいて、ボクセルごとにおける各ボクセル値と所定値αとを比較し、造影剤を示すボクセル値に対応する3次元領域を特定することにより、造影剤の流入領域を表す造影部分を特定する。
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおける造影部分に基づいて、造影剤の流入範囲の体積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション処理されたボリュームデータの当該範囲の体積を順次求めていく。
また算出部35dは、記憶部36から読出した基準ボリュームデータにおいて、ボクセルごとにおける各ボクセル値と所定値βとを比較することにより、基準画像データの画素から、注目部分を特定する。また算出部35dは、基準ボリュームデータにおける注目部分に基づいて注目部位の体積を求める。
また、算出部35dは、注目部分の体積と、造影部分の体積との比を求める。算出部35dは、体積比の閾値をあらかじめ記憶している。算出部35dは、体積の経時的変化に対応して、求めた体積比と閾値とを対比する。その対比により、算出部35dは体積比が閾値に達したか、または閾値を超えたかを判断する。算出部35dは体積比がこのような所定の条件満たした場合、合成部35eに対し、合成画像における造影部分の表示態様の変更指示を送る。
なお、閾値の例としては、骨に対する浸潤体積の割合を閾値として設定することが可能であり、例えばその設定値は、1/3とすることができる。具体例としては、医師等が、骨体積に対する骨浸潤体積が1/3を超えていれば、骨の切除を行うといった判断をする場合の、当該判断の支援をすることができる。
<合成部>
合成部35eは、第1実施形態〜第3実施形態に記載したような合成処理を経て合成画像を生成する。また、合成部35eは、算出部35dから上記表示態様の変更指示を受けると、合成画像における造影部分の表示態様を変更する。表示態様の変更方法としては、造影部分に変更指示前と異なる色を割り当てる、造影部分を所定時間毎に反転表示させる、点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
(作用効果)
上述の第8実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、非造影画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第8実施形態においては、体積比に基づいて造影部分の表示態様を変更する。したがって、注目部位に対する病変部の進行状況、浸潤の程度によって、処置に影響がある場合、当該処置の判断が容易となる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第9実施形態においては、第5実施形態と比較して、算出部35dおよびスキャン制御部34の制御等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第5実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第5実施形態と同様に、第8実施形態にかかるX線CT装置1においても、造影剤の流入領域のサイズを求める。ただし、第8実施形態においては、造影剤の流入領域のサイズが最大値となったときに、スキャンを停止する構成である。
<画像生成部>
画像生成部35cは、非造影画像データ等の基準画像データ(図2A)、造影画像データ(図2B)等のX線CT画像データを生成する。画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また画像生成部35cは、造影画像データを生成すると、記憶部36から基準画像データを読み出す。また、画像生成部35cは、上述のように生成した造影画像データと、読み出した基準画像データとのサブトラクション処理を行う。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション画像データ(図2C)において、画素ごとにおける各画素の画素値と所定値αとを比較し、造影部分を特定する。また、算出部35dは、サブトラクション画像における造影剤の流入範囲A2に基づいて、造影部分の面積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション画像の造影部分の面積を順次求めていき、造影部分の最大面積を求める。例えば、面積が増加し続けている状態では、算出部35dは、まだ最大面積と判断しない。この場合、算出部35dは、面積の増加が停止した時点、あるいは面積が減少し始めた時点で、サブトラクション画像における造影剤の流入領域が最大面積となったと判断する。
算出部35dは、画像における造影剤の流入領域が最大面積となったと判断した場合、主制御部38を介してスキャン制御部34に、スキャンの停止指示を送る。スキャン制御部34は当該指示に基づき架台装置10におけるスキャンを停止させる。例えば、X線発生部11、架台駆動部15、絞り駆動部17の動作を停止させる。
(動作)
次に、図11を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図11は、第9実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S61>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、図2Bに示すような造影画像データを生成する。
<S62>
処理部35はS61で造影画像データを生成すると、記憶部36から、図2Aに示すような非造影画像データを読み出す。画像生成部35cは、非造影画像データと造影画像データとのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によって、図2Cに示すようなサブトラクション画像データが生成される。
<S63>
算出部35dは、画像生成部35cからサブトラクション画像データを受けると、当該画像の各画素の画素値と、あらかじめ記憶している所定値αとを比較する。比較の結果、算出部35dは、サブトラクション画像データから、造影剤の流入領域A2を特定する。算出部35dは、記憶部36から非造影画像データを読み出す。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値βと非造影画像データの各画素の画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、非造影画像データから、骨などの注目部位を表す注目部分(注目部位を示す領域A1等)を特定する。
<S64>
算出部35dは、画像中において特定した造影剤の流入領域A2の面積を算出する。
<S65>
算出部35dは、画像中において特定した注目部分(A1)の面積を算出する。なお、S54とS55の順序はいずれが先であっても、並行処理であってもよい。
<S66>
算出部35dは、算出した造影剤の流入領域A2の面積が最大値であったかについて判断する。例えば、1フレーム前の画像における当該面積との比較において判断する。処理部35は、最大値を算出したと判断するまで(S66;No)、S61〜S65の動作を繰り返す。
<S67>
算出部35dが面積の最大値を算出したと判断した場合(S66;Yes)、算出部35dは、主制御部38にスキャンの停止の指示を送る。主制御部38は、スキャン制御部34を介して架台装置10におけるスキャンを停止させる。
なお、本実施形態においても、ユーザーにより入力部31を介したスキャンの停止の指示がなされる場合があり、その場合にスキャンを停止させてもよい。
(作用効果)
上述の第9実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第9実施形態にかかるX線CT装置1は、造影剤の流入領域A2の面積を算出し、さらに当該面積が最大値となったか判断する。さらにX線CT装置1は、制御部等が当該判断に基づいてスキャンを停止させる。したがって、X線CT装置1の操作者の作業負担を軽減させることが可能である。
[第1変形例]
次に、第9実施形態にかかるX線CT装置1の第1変形例について説明する。第9実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dがサブトラクション画像データにおいて造影剤の流入領域A2の面積を算出する構成である。しかしながら、このような構成に限られず、造影画像データにおいて造影剤の流入領域A2の面積を算出してもよい。この構成においては、算出部35dの面積の算出処理と、画像生成部35cによるサブトラクション処理とを並行して行うことができる場合がある。
[第2変形例]
次に、第9実施形態にかかるX線CT装置1の第2変形例について説明する。第9実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影剤の流入領域A2の面積を順次算出する構成である。しかしながら、このような構成に限られない。例えば、算出部35dは、サブトラクション画像の画素におけるCT値の平均値を算出し、その平均値の最大値を算出する構成であってもよい。また、平均値でなくその他の統計値(標準偏差等)でもよい。
第2変形例においても第9実施形態と同種の効果を達成することが可能である。
[第3変形例]
次に、第9実施形態にかかるX線CT装置1の第3変形例について説明する。第9実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影剤の流入領域A2の面積の最大値を算出し、最大面積を算出した時点でスキャンを停止する。しかしながらこれに限らず例えば算出部35dが造影剤の流入領域A2の面積の最大値を算出した時点で、主制御部38に再構成処理の停止指示を送ってもよい。または算出部35dが造影剤の流入状態に応じて再構成条件の変更指示を送ってもよい。
上記構成においては、算出部35dが造影剤の流入領域A2の面積の最大値を算出したと判断した場合、主制御部38に再構成条件の変更指示または再構成処理の停止指示が送られる。主制御部38は、当該指示を受けて再構成処理部35bによる、再構成処理の間隔、再構成関数をあらかじめ設定された条件に変更する。あるいは主制御部38は、当該指示を受けて再構成処理部35bによる、再構成処理を停止する。または主制御部38は、造影剤の流入領域の算出値の推移、当該領域の全体に占める割合の推移、画素値の平均値の推移に応じて再構成処理の間隔や、再構成関数をあらかじめ設定された条件に変更する。
第3変形例においても第9実施形態と同種の効果を達成することが可能である。
[第4変形例]
次に、第9実施形態にかかるX線CT装置1の第4変形例について説明する。第10実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影部分の面積積の最大値を算出し、最大面積を算出した時点でスキャンを停止する。しかしながらこれに限らず、例えば、算出部35dは、第7実施形態の変形例のように、注目部分の面積と、造影部分の面積の比を求め、比によってスキャン(または再構成処理)を停止させてもよい。すなわち、算出部35dは、注目部分の面積を求め、かつ造影部分の面積を求める。さらに算出部35dは、面積比と閾値を比較し、面積比が閾値に到達したか判断する。面積比が閾値に到達した場合は、スキャン(または再構成処理)を停止させる。
第4変形例においても第9実施形態と同種の効果を達成することが可能である。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第10実施形態においては、第9実施形態と比較して、算出部35dによる浸潤領域および注目部位のサイズの算出対象のみが異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第9実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第9実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第9実施形態と同様に、第10実施形態にかかるX線CT装置1においても、造影剤の流入領域のサイズが最大値となったときに、スキャンを停止する構成である。ただし、第10実施形態においては、ボリュームデータにおける造影剤の流入領域が占める範囲の体積を求める。
<再構成処理部>
再構成処理部35bは、再構成処理を行い、基準ボリュームデータ、造影ボリュームデータを生成する。基準ボリュームデータは、記憶部36に記憶され、造影ボリュームデータは、画像生成部35cに送られる。なお、基準ボリュームデータについては第1実施形態の変形例において説明した内容と同様であるため、説明を割愛する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、再構成処理部35bから造影ボリュームデータを受ける。また画像生成部35cは、基準ボリュームデータを記憶部36から読み出す。画像生成部35cは、造影ボリュームデータと基準ボリュームデータとのサブトラクション処理を行う。サブトラクション処理されたボリュームデータは、算出部35dに送られる。
<算出部>
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおいて、ボクセルごとにおける各ボクセル値と所定値αとを比較し、造影剤を示すボクセル値に対応する3次元領域を特定することにより、造影剤の流入領域を表す造影部分を特定する。
算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータにおける造影部分に基づいて、造影剤の流入範囲の体積を求める。さらに算出部35dは、順次生成されるサブトラクション処理されたボリュームデータの造影部分の体積を順次求めていくことにより、造影部分の体積が最大値になったかを判断する。例えば、体積が増加し続けている状態では、算出部35dは、まだ最大体積と判断しない。この場合、算出部35dは、体積の増加が停止し、体積が減少し始めた時点で、サブトラクション画像における造影剤の流入領域が最大体積となったと判断する。
算出部35dは、画像における造影剤の流入領域が最大体積となったと判断した場合、主制御部38を介してスキャン制御部34に、スキャンの停止指示を送る。スキャン制御部34は当該指示に基づき架台装置10におけるスキャンを停止させる。例えば、X線発生部11、架台駆動部15、絞り駆動部17の動作を停止させる。
(作用効果)
上述の第10実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第10実施形態にかかるX線CT装置1は、造影部分の体積を算出し、さらに当該体積が最大値となったか判断する。さらにX線CT装置1は、制御部等が当該判断に基づいてスキャンを停止させる。したがって、X線CT装置1の操作者の作業負担を軽減させることが可能である。
[第1変形例]
次に、第10実施形態にかかるX線CT装置1の第1変形例について説明する。第10実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dがサブトラクション処理されたボリュームデータにおいて造影剤の流入領域の体積を算出する構成である。しかしながら、このような構成に限られず、造影ボリュームデータにおいて造影部分の体積を算出してもよい。この構成においては、算出部35dの体積の算出処理と、画像生成とを並行して行うことができる場合がある。
[第2変形例]
次に、第10実施形態にかかるX線CT装置1の第2変形例について説明する。第10実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影剤の流入領域の体積を順次算出する構成である。しかしながら、このような構成に限られない。例えば、算出部35dは、サブトラクション処理されたボリュームデータのボクセルにおけるボクセル値の平均値を算出し、その最大値を算出する構成であってもよい。また、平均値でなくその他の統計値(標準偏差等)でもよい。
第2変形例においても第10実施形態と同種の効果を達成することが可能である。
[第3変形例]
次に、第10実施形態にかかるX線CT装置1の第3変形例について説明する。第10実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影部分の体積の最大値を算出し、最大体積を算出した時点でスキャンを停止する。しかしながらこれに限らず、例えば算出部35dが造影部分の体積の最大値を算出した時点で、主制御部38に再構成処理の停止指示を送ってもよい。または算出部35dが造影剤の流入状態に応じて再構成条件の変更指示を送ってもよい。
上記構成においては、算出部35dが画像またはボリュームデータにおける、造影部分の体積の最大値を算出したか判断する。さらにX線CT装置1は、主制御部38は、当該指示を受けて再構成処理部35bによる、再構成処理を停止する。あるいは造影剤の流入領域の算出値の推移、当該領域の全体に占める割合の推移、CT値の平均値の推移によって再構成処理の間隔、再構成関数をあらかじめ設定された条件に変更する。したがって、X線CT装置1の操作者の作業負担を軽減させることが可能な場合がある。またコンソール装置30における処理負担を軽減させることが可能な場合がある。
画像における注目部位の面積を求める。
[第4変形例]
次に、第10実施形態にかかるX線CT装置1の第4変形例について説明する。第10実施形態にかかるX線CT装置1では、算出部35dは造影部分の体積の最大値を算出し、最大体積を算出した時点でスキャンを停止する。しかしながらこれに限らず、例えば、算出部35dは、第8実施形態の変形例のように、注目部分の体積と、造影部分の体積の比を求め、比によってスキャン(または再構成処理)を停止させてもよい。すなわち、算出部35dは、注目部分の体積を求め、かつ造影部分の体積を求める。さらに算出部35dは、体積比と閾値を比較し、体積比が閾値に到達したか判断する。体積比が閾値に到達した場合は、スキャン(または再構成処理)を停止させる。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態にかかるX線CT装置1について説明する。第11実施形態は、第9実施形態または第10実施形態と比較して、主制御部38の構成等が異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第9実施形態または第10実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第9実施形態または第10実施形態との相違点を中心に説明する。
第9実施形態または第10実施形態と同様に、第11実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像を生成する。また、算出部35dが画像またはボリュームデータにおける、造影部分のサイズの最大値を算出したか判断する構成も同様である。ただし、第11実施形態においては、算出部35dが造影部分のサイズの最大値を算出した時点で、画像データ(例えば動画像データ)に付帯情報を付加する点で異なる。
算出部35dが造影部分のサイズの最大値を算出したと判断した場合、例えば主制御部38は、最大値となった時点の情報を、ユーザが参照可能な情報として付加する。具体例としては、最大値となった時点の画像のフレームにその旨を示す情報(文字情報等)として付加する。また、生成された動画像等のデータに、スキャン開始から最大値を算出するまでの経過時間を付加してもよい。
なお、上記実施形態に限らず、他の構成とすることが可能である。例えば、算出部35dが造影剤の流入領域の面積または体積を算出する点のみ共通するが、算出部35dが最大値を算出したか否かの判断をしない構成を用いることも可能である。算出部35dは、造影剤の流入領域の算出値の推移、当該領域の全体に占める割合の推移、画素値の平均値の推移をグラフ等により示してもよい。
(作用効果)
上述の第11実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第11実施形態にかかるX線CT装置1は、算出部35dの算出値をユーザに参照情報として提供する。したがって、X線CT装置1の操作者の作業負担を軽減させることが可能な場合がある。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態にかかるX線CT装置1について図12A〜図12Cおよび図13を参照して説明する。図12A〜図12Cは、第12実施形態における第2サブトラクション画像データの変化の概要を示す図である。第12実施形態においては、第1実施形態と比較して、画像処理部35cの処理内容および合成部35eの処理内容のみが異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第1実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第1実施形態と同様に、第12実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像(図2C)を生成する。
ただし、第12実施形態においては、基準画像および造影画像に基づくサブトラクション画像を生成するだけでなく、時相の異なる造影画像それぞれに基づくサブトラクション画像を経時的に生成していく。なお、以下においては基準画像及び造影画像に基づくサブトラクション画像を「第1のサブトラクション画像」と記載することがある。また、時相の異なるサブトラクション画像同士をサブトラクション処理することにより得られたサブトラクション画像を「第2のサブトラクション画像」と記載することがある。さらに第12実施形態においては、順次生成される第2のサブトラクション画像との表示態様を変更し、かつ合成画像とさらに合成し、表示用の画像を生成する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、第1実施形態と同様に、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、非造影画像等の基準画像データ、造影画像データ、第1のサブトラクション画像データおよび第2のサブトラクション画像データ等のX線CT画像データを生成する。まず画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また第1実施形態と同様に、画像生成部35cは、造影画像データを生成する。
また画像生成部35cは、造影画像データと基準画像データとのサブトラクション処理を行う。つまり第1実施形態と同様に、架台装置10によるスキャンが開始されると、画像生成部35cは第1のサブトラクション画像を生成する。
ただし、第12実施形態における処理部35cは、所定回数だけ第1のサブトラクション画像を生成した後、第2のサブトラクション画像の生成も開始する。すなわち、画像生成部35cは、生成した造影画像と、当該造影画像とは時相の異なる造影画像(「第2の造影画像」の一例)とをサブトラクション処理することにより、第2のサブトラクション画像を生成する。例えば、画像生成部35cは、直前(1回前)のスキャンによって生成した造影画像と現在生成した造影画像とをサブトラクション処理する。
この例においてスキャンが1〜n回行われる場合、画像生成部35cは、まず2回目のスキャンによる造影画像と1回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行うことにより第2のサブトラクション画像を生成し始める。さらに画像生成部35cは、3回目のスキャンによる造影画像と2回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行う。このように順次当該処理を繰り返し、n回目のスキャンのスキャンによる造影画像とn−1回目のスキャンによる造影画像との間でサブトラクション処理を行う。画像生成部35cは、このようにして生成した第2のサブトラクション画像データを合成部35eに送る。
<算出部>
第1実施形態と同様に算出部35dは、第1のサブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較する。算出部35dは、当該比較により、所定値αに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、第1のサブトラクション画像データの画素から、造影剤を示す画素値に対応する部分を特定することにより、造影剤の流入領域を表す造影部分を特定する。
<合成部>
合成部35eは、第1のサブトラクション画像をまたは造影画像データにおいて造影剤の流入領域を抽出して、基準画像データと合成する。さらに、合成部35eは、第2のサブトラクション画像データの表示態様を変更する。第12実施形態において合成部35eは、表示態様変更後の第2サブトラクション画像と当該合成された画像データを合成する。表示態様の変更方法としては、上記特定した部分についてその周囲の部分と異なる色を割り当てる等の方法が挙げられる。その他、表示態様の変更方法として、造影部分を所定時間毎に反転表示させる、点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
第2のサブトラクション画像は、サブトラクション画像同士の差分であるので、当該画像に造影部分が存在する場合は、造影部分に経時的な変化があったことになる。つまり、合成画像と第2のサブトラクション画像を合成した画像においては、当該経時的変化があった部分の表示態様が変更される。したがって、図12A〜図12Cに示すように造影部分の経時的な変化を明確に示すことが可能となる。
ただし、このような構成に限らず、ユーザが認識する必要がない程度の造影部分の微小な変化があったに過ぎない場合は、第2のサブトラクション画像を合成の対象としない構成とすることも可能である。すなわち、算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達するまでは、合成部35eに第2のサブトラクション画像を送らない構成とすることも可能である。言換すると、算出部35dは第2のサブトラクション画像における造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達した場合に、合成部35eに第2のサブトラクション画像を送る構成とすることも可能である。
(動作)
次に、図13を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図13は、第12実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dおよび合成部35eの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S71>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、図2Bに示すような造影画像データを生成する。
<S72>
処理部35はS71で造影画像データを生成すると、記憶部36から、図2Aに示すような非造影画像データを読みだす。画像生成部35cは、非造影画像データと造影画像データとのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によって、図2Cに示すような第1のサブトラクション画像データが生成される。サブトラクション画像データは、算出部35dに送られる。さらに画像生成部35cは、生成した造影画像と、当該造影画像とは時相の異なる造影画像とをサブトラクション処理することにより、第2のサブトラクション画像を生成する。
<S73>
算出部35dは、画像生成部35cが生成した第1のサブトラクション画像データを受ける。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値αと第1のサブトラクション画像データの各画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、第1のサブトラクション画像の画素から、造影部分を特定する。
同様に算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較することにより、第2の造影部分を特定する。算出部35dは、このように時相の異なる第2のサブトラクション画像データの第2の造影部分を順次特定していく。
<S74>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける第2の造影部分の面積を求める。
<S75>
算出部35dは、第2の造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達したか判断する。
<S76>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける第2の造影部分の面積が、あらかじめ設定された閾値に到達したと判断した場合は(S75;Yes)、第2のサブトラクション画像を合成部35eに送る。
<S77>
合成部35eは、算出部35dから造影剤の流入領域A2の位置情報と共に第1のサブトラクション画像データを受けると、位置情報に基づいて造影剤の流入領域A2を抽出する。また、合成部35eは、記憶部36から読み出した非造影画像データと抽出した造影剤の流入領域A2とを合成する(図2D)。さらに合成部35eは、第2のサブトラクション画像の表示態様を変更し、かつ変更後の第2のサブトラクション画像と当該合成画像とをさらに合成した表示用の合成画像を生成する。
<S78>
算出部35dが、第2の造影部分の面積が上記閾値に到達していないと判断した場合(S75;No)、合成部35eは、算出部35dから第2のサブトラクション画像を受けず、抽出した造影剤の流入領域A2と非造影画像(または造影画像)との合成画像(図2D)を生成する。
<S79>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S79;No)、上記S71〜S78の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S79;Yes)、スキャンを終了する。
なお、ボリュームデータ同士をサブトラクション処理し、第2の造影部分を当該サブトラクションされたボリュームデータにおいて特定する構成であってもよい。
さらに、算出部35dによって、合成画像、造影画像等における造影部分のサイズ(面積または体積)を求め、その面積等の増加に基づき、造影部分の広がりをベクトル表示させることも可能である。また造影部分のサイズおよび画素値の変化に基づき濃度勾配を合成画像と共に表示させてもよい。
(作用効果)
上述の第12実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第12実施形態にかかるX線CT装置1は、表示態様を変更した第2のサブトラクション画像データと合成画像とをさらに合成することにより、表示画像中の造影部分の経時的変化を明確に示すことができるので、ユーザが造影剤の流入経路を容易に把握することが可能となる。その結果、例えば、骨に対する浸潤経路を容易に把握することが可能となる。
[変形例]
また第12実施形態の他の例として、順次生成される第2のサブトラクション画像における造影剤の流入領域の変化につき、合成画像中の変化部分の位置を特定して、当該特定部分の表示態様を変更して表示する構成としてもよい。
すなわち、この変形例では算出部35dが第2のサブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較することにより、所定値αに対応する画素値を有する造影部分を特定する。この造影部分について、第1のサブトラクション画像における造影部分と区別するため、以下、「第2の造影部分」と記載する。算出部35dは、このように時相の異なる第2のサブトラクション画像データの第2の造影部分を順次特定していく。
算出部35dは、このように第2のサブトラクション画像から第2の造影部分を特定していくことに応じて、第2のサブトラクション画像データにおいて第2の造影部分が存在するかについて判断する。すなわち、第2のサブトラクション画像は、サブトラクション画像同士の差分であるので、第2の造影部分が存在する場合は、前の時点と比較して造影部分に経時的な変化(図12A〜図12C参照)があったことになる。算出部35dは、第2のサブトラクション画像データに第2の造影部分が存在する場合、その第2の造影部分の位置情報を合成部35eに送る。位置情報とは、例えば画像における座標情報である。
ただし、このような構成に限らず、ユーザが認識する必要がない程度の造影部分の微小な変化があったに過ぎない場合は、表示態様を変更しない構成とすることも可能である。すなわち、算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける第2の造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達するまでは、合成部35eに第2の造影部分の位置情報を送らない構成とすることも可能である。言換すると、算出部35dは第2の造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達した場合に、合成部35eに第2の造影部分の位置情報を送る。
(動作)
次に、図14を参照して、本実施形態の上記変形例にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図14は、第12実施形態にかかるX線CT装置1の変形例の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dおよび合成部35eの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S81〜S85>
この変形例にかかるX線CT装置1では、図13における造影画像の生成(S81)、サブトラクション画像の生成(S82)、造影剤の流入領域の特定(S83)、第2の造影部分の面積の算出(S84)、および第2の造影部分が閾値に到達したかの判断(S85)について、第13実施形態(S71〜S75)と同様であるので説明を割愛する。
<S86>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける第2の造影部分の面積が、あらかじめ設定された閾値に到達したと判断した場合は(S85;Yes)、第2の造影部分の位置情報を合成部35eに送る。
<S87>
合成部35eは、算出部35dからS83において求められた造影剤の流入領域A2の位置情報と共にサブトラクション画像データを受けると、位置情報に基づいて造影剤の流入領域A2を抽出する。また、合成部35eは、算出部35dから受けた第2の造影部分の位置情報に基づき合成画像データにおける対応部分を特定する。さらに合成部35eは、記憶部36から読み出した非造影画像データと抽出した造影剤の流入領域A2との合成画像(図2D)を生成するとともに、特定した部分の表示態様を変更し、当該部分が識別可能な(例えば強調された)合成画像を生成する。
<S88>
算出部35dが、第2の造影部分の面積が上記閾値に到達していないと判断した場合(S85;No)、合成部35eは、造影部分の経時的変化の表示態様を変更することなく、抽出した造影剤の流入領域A2との合成画像(図2D)を生成する。
<S89>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S89;No)、上記S81〜S88の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S89;Yes)、スキャンを終了する。
この変形例においても第12実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、合成画像における第2の造影部分を特定し、その部分の表示態様を変更することにより、表示画像中の造影部分の経時的変化を明確に示すことができるので、ユーザが造影剤の流入経路を容易に把握することが可能となる。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態にかかるX線CT装置1について図15を参照して説明する。第13実施形態においては、第2実施形態と比較して、画像処理部35cの処理内容および合成部35eの処理内容のみが異なる。またこれらの相違に応じた各部の動作や処理内容も異なる場合がある。その他の部分は第1実施形態にかかるX線CT装置1と同様である。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第2実施形態と同様に、第13実施形態にかかるX線CT装置1においても、コンソール装置30の各種制御部により架台装置10を駆動し、サブトラクション画像(図2C)を生成する。
ただし、第13実施形態においては、基準画像および造影画像に基づくサブトラクション画像を生成するだけでなく、時相の異なる造影画像それぞれに基づくサブトラクション画像を経時的に生成していく。なお、第12実施形態の説明と同様に「第1のサブトラクション画像」と「第2のサブトラクション画像」とを区別して説明する。
さらに第13実施形態においては、順次生成される第2のサブトラクション画像との表示態様を変更し、かつ合成画像とさらに合成し、表示用の画像を生成する。
<画像生成部>
画像生成部35cは、第2実施形態と同様に、再構成処理部35bで作成された断層画像データまたはボリュームデータに対する画像処理を行い、非造影画像等の基準画像データ、造影画像データ、第1のサブトラクション画像データおよび第2のサブトラクション画像データ等のX線CT画像データを生成する。まず画像生成部35cは、基準画像データを生成すると、主制御部38を介して記憶部36に記憶させる。また第2実施形態と同様に、画像生成部35cは、造影画像データを生成する。
また画像生成部35cは、造影画像データと基準画像データとのサブトラクション処理を行う。つまり、第1実施形態と同様に、架台装置10によるスキャンが開始されると、画像生成部35cは第1のサブトラクション画像を生成する。
ただし、第13実施形態における処理部35cは、所定回数だけ第1のサブトラクション画像を生成した後、第2のサブトラクション画像の生成も開始する。すなわち、画像生成部35cは、生成した造影画像と、当該造影画像とは時相の異なる造影画像(「第2の造影画像」の一例)とをサブトラクション処理することにより、第2のサブトラクション画像を生成する。例えば、画像生成部35cは、直前(1回前)のスキャンによって生成したサブトラクション画像と現在生成したサブトラクション画像とをサブトラクション処理する。この処理によって第2のサブトラクション画像を生成する。この処理については第12実施形態と同様である。
<算出部>
第2実施形態と同様に算出部35dは、基準画像データにおいて画素ごとにおける各画素値と所定値βを比較することにより注目部位を特定する。算出部35dは、当該比較により、所定値βに対応する画素値を有するかについて判断する。当該判断の結果、算出部35dは、基準画像データの画素から、注目部分を特定する。
<合成部>
合成部35eは、基準画像データにおいて注目部位(例:注目部位を示す領域A1)を抽出して、第1のサブトラクション画像データまたは造影画像データと合成する。さらに、合成部35eは、第2のサブトラクション画像データの表示態様を上記合成された画像と区別するように変更する。第13実施形態において合成部35eは、表示態様変更後の第2サブトラクション画像と当該合成された画像データを合成する。表示態様の変更方法としては、上記特定した部分についてその周囲の部分と異なる色を割り当てる等の方法が挙げられる。その他、表示態様の変更方法として、造影部分を所定時間毎に反転表示させる、点滅して表示させる、特定の輝度(造影部分と識別できる輝度)を割り当てる等、任意の方法を用いることが可能である。
注目部位と第1のサブトラクション画像データ等とを合成した合成画像データと、第2のサブトラクション画像とを合成した表示用の画像においては、当該経時的変化があった部分の表示態様が変更される。したがって、図12A〜図12Cに示すように造影部分の経時的な変化を明確に示すことが可能となる。
ただし、このような構成に限らず、算出部35dは第2のサブトラクション画像における造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達した場合に、合成部35eに第2のサブトラクション画像を送る構成とすることも可能である。
(動作)
次に、図15を参照して、本実施形態にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図15は、第13実施形態にかかるX線CT装置1の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dおよび合成部35eの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S91>
処理部35は、本スキャンによりコンソール装置30が受けた収集データに基づき、造影画像データを生成する。
<S92>
処理部35はS91で造影画像データを生成すると、記憶部36から本スキャンに応じた非造影画像を読み出す。画像生成部35cは、非造影画像データ(図2A)と造影画像データ(図2B)とのサブトラクション処理を実行する。このサブトラクション処理によって、第1のサブトラクション画像データが生成される。第1のサブトラクション画像データは、合成部35eに送られる。
<S93>
算出部35dは、記憶部36から非造影画像データを読み出す。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値βと非造影画像データの各画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、非造影画像データから、骨などの注目部位を表す注目部分(例:注目部位を示す領域A1)を特定する。
さらに算出部35dは、画像生成部35cが生成した第2のサブトラクション画像データを受ける。また、算出部35dは、あらかじめ記憶している所定値αと第2のサブトラクション画像データの各画素値を比較する。比較の結果、算出部35dは、第2のサブトラクション画像の画素から、造影部分を特定する。算出部35dは、このように時相の異なる第2のサブトラクション画像データの造影部分を順次特定していく。
<S94>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の面積を求める。
<S95>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達したか判断する。
<S96>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の面積が、あらかじめ設定された閾値に到達したと判断した場合は(S95;Yes)、第2のサブトラクション画像を合成部35eに送る。
<S97>
合成部35eは、算出部35dから注目部分(例:注目部位を示す領域A1)の位置情報と共に基準画像データを受けると、位置情報に基づいて注目部分を抽出する。また、合成部35eは、第1のサブトラクション画像データまたは造影画像データと、抽出した注目部分とを合成する。さらに合成部35eは、第2のサブトラクション画像の表示態様を変更し、かつ変更後の第2のサブトラクション画像と当該合成画像とをさらに合成した表示用の合成画像を生成する。
<S98>
算出部35dが、造影部分の面積が上記閾値に到達していないと判断した場合(S95;No)、合成部35eは、算出部35dから第2のサブトラクション画像を受けず、注目部分と、第1のサブトラクション画像(または造影画像)との合成画像(図2D)を生成する。
<S99>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S99;No)、上記S91〜S98の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S99;Yes)、スキャンを終了する。
なお、ボリュームデータ同士をサブトラクション処理し、第2の造影部分を当該サブトラクションされたボリュームデータにおいて特定する構成であってもよい。
さらに、算出部35dによって、合成画像、造影画像等における造影部分のサイズ(面積または体積)を求め、その面積等の増加に基づき、造影部分の広がりをベクトル表示させることも可能である。また造影部分のサイズおよび画素値の変化に基づき濃度勾配を合成画像と共に表示させてもよい。
(作用効果)
上述の第13実施形態にかかるX線CT装置1の作用および効果について説明する。
本実施形態におけるX線CT装置1は、サブトラクション画像から造影剤の流入領域を抽出して基準画像との合成画像を生成する。合成画像においては、被検体内の構造物に比べ、造影剤の流入範囲が相対的に強調される。したがって、表示される合成画像おいて、基準画像データに含まれていた被検体内の部位の像と、サブトラクション画像データに含まれていた造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、第13実施形態にかかるX線CT装置1は、表示態様を変更した第2のサブトラクション画像データと合成画像とをさらに合成することにより、表示画像中の造影部分の経時的変化を示すことができるので、ユーザが造影剤の流入経路を容易に把握することが可能となる。その結果、例えば、骨に対する浸潤経路を容易に把握することが可能となる。
[変形例]
また第13実施形態の他の例として、順次生成される第2のサブトラクション画像における造影剤の流入領域の変化につき、合成画像中の変化部分の位置を特定して、当該特定部分の表示態様を変更して表示する構成としてもよい。
すなわち、この変形例では算出部35dが第2のサブトラクション画像データにおいて、画素ごとにおける各画素値と所定値αとを比較することにより、所定値αに対応する画素値を有する第2の造影部分を特定する。算出部35dは、このように時相の異なる第2のサブトラクション画像データの第2の造影部分を順次特定していく。
算出部35dは、このように第2のサブトラクション画像から第2の造影部分を特定していくことに応じて、第2のサブトラクション画像データにおいて第2の造影部分が存在するかについて判断する。算出部35dは、第2のサブトラクション画像データに第2の造影部分が存在する場合、その第2の造影部分の位置情報を合成部35eに送る。
ただし、このような構成に限らず、算出部35dは第2の造影部分の面積があらかじめ設定された閾値に到達した場合に、合成部35eに第2の造影部分の位置情報を送る構成とすることも可能である。
(動作)
次に、図16を参照して、本実施形態の上記変形例にかかるX線CT装置1の動作について説明する。図16は、第13実施形態にかかるX線CT装置1の変形例の動作の概要を示すフローチャートである。ここでは、算出部35dおよび合成部35eの動作およびその動作に基づく制御について主に説明する。また、以下においては、基準画像として非造影画像を用いる場合について説明する。
<S101〜S105>
この変形例にかかるX線CT装置1では、図15における造影画像の生成(S101)、サブトラクション画像の生成(S102)、注目部分の特定(S103)、第2の造影部分の面積の算出(S104)、および第2の造影部分が閾値に到達したかの判断(S105)について、第13実施形態(S91〜S95)と同様であるので説明を割愛する。
<S106>
算出部35dは、第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の面積が、あらかじめ設定された閾値に到達したと判断した場合は(S105;Yes)、造影部分の位置情報を合成部35eに送る。
<S107>
合成部35eは、算出部35dからS103において求められた注目部分(例:注目部位を示す領域A1)の位置情報と共に基準画像データを受けると、位置情報に基づいて注目部分を抽出する。また、合成部35eは、算出部35dから受けた第2のサブトラクション画像データにおける造影部分の位置情報に基づき合成画像データにおける対応部分を特定する。さらに合成部35eは、第1のサブトラクション画像データまたは造影画像データと、抽出した注目部分との合成画像(図2D)を生成するとともに、特定した部分の表示態様を変更し、当該部分が識別可能な(例えば強調された)合成画像を生成する。
<S108>
算出部35dが、造影部分の面積が上記閾値に到達していないと判断した場合(S105;No)、合成部35eは、造影部分の経時的変化の表示態様を変更することなく、抽出した注目部分との合成画像(図2D)を生成する。
<S109>
架台装置10の主制御部38は、入力部31を介した本スキャンの終了指示があったかを判断する。主制御部38は、当該指示が未だ入力されていない時点では(S109;No)、上記S101〜S108の工程を繰り返す。つまり、X線CT装置1はスキャンを継続する。これに対し主制御部38は、本スキャンの終了指示があったと判断すると(S109;Yes)、スキャンを終了する。
この変形例においても第13実施形態と同じく、合成画像おいて、被検体内の部位の像と、造影剤の流入領域の像とが明確に識別可能な状態となる。つまり、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握が容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することが可能となる。
また、合成画像における第2の造影部分を特定し、その部分の表示態様を変更することにより、表示画像中の造影部分の経時的変化を明確に示すことができるので、ユーザが造影剤の流入経路を容易に把握することが可能となる。
[実施形態の組み合わせ]
上述した第1実施形態〜第13実施形態およびこれらの変形例にかかるX線CT装置は、適宜組み合わせて構成することが可能である。このように適宜、上記実施形態を組み合わせることにより、表示された画像における造影剤の流入範囲の把握がさらに容易となる。その結果、病変部に対する処置(術式等)の判断を支援することがより確実に可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
10 架台装置
11 X線発生部
12 X線検出部
13 回転体
13a 開口部
14 高電圧発生部
15 架台駆動部
16 X線絞り部
17 絞り駆動部
18 データ収集部
20 寝台装置
22 寝台駆動部
23 寝台天板
24 基台
30 コンソール装置
31 入力部
32 表示部
33 条件設定部
34 スキャン制御部
35 処理部
35a 前処理部
35b 再構成処理部
35c 画像生成部
35d 算出部
35e 合成部
36 記憶部
37 表示制御部
38 主制御部

Claims (12)

  1. 被検体をX線でスキャンしてデータを反復的に収集する収集部と、
    前記被検体の注目部位を含む所定範囲を表す基準画像をあらかじめ記憶する記憶部と、
    前記収集部を制御することにより、造影剤が投与された前記被検体の前記所定範囲に対しスキャンを実行させる制御部と、
    前記スキャンにより反復的に収集されたデータに基づいて、前記被検体の造影画像を順次生成する画像生成部と、
    前記基準画像における前記注目部位を表す注目部分と、前記注目部位に流入された前記造影剤を表す造影部分とが重畳された状態を表す合成画像を生成する画像合成部と、
    前記造影部分の面積又は体積を順次求め、前記造影部分の面積又は体積の経時変化を示す情報を取得する算出部と、
    前記経時変化を示す情報及び前記合成画像を表示する表示部と、
    を有するX線CT装置。
  2. 前記算出部は、前記経時変化を示す情報として、前記造影部分の面積又は体積の経時変化を表す変化曲線を生成し、
    前記表示部は、前記変化曲線の表示と前記合成画像の表示とを同期させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記算出部は、前記注目部分の面積又は体積を求め、前記注目部分の面積と前記造影部分の面積との比、又は、前記注目部分の体積と前記造影部分の体積との比を順次取得し、
    前記表示部は、前記比の表示と前記合成画像の表示とを同期させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記算出部は、前記注目部分の面積又は体積を求め、前記注目部分の面積と前記造影部分の面積との比、又は、前記注目部分の体積と前記造影部分の体積との比を順次取得し、
    前記制御部は、前記比があらかじめ設定された閾値を超えたときに、前記表示部による前記造影部分又は当該造影部分の輪郭の表示態様を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  5. 前記算出部は、前記経時変化を示す情報に基づいて前記造影部分の面積又は体積の最大値を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  6. 前記制御部は、前記算出部が前記最大値を求めたことに応じて、前記収集部による前記スキャンを停止させる
    ことを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  7. 前記画像生成部は、前記収集部から受けた前記データに再構成処理を行うことにより、断層像又はボリュームデータを生成し、
    前記制御部は、前記算出部が前記最大値を求めたことに応じて、前記画像生成部による前記再構成処理を停止させる
    ことを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  8. 前記画像生成部は、前記収集部から受けた前記データに再構成処理を行うことにより、断層像又はボリュームデータを生成し、
    前記制御部は、前記経時変化を示す情報に基づき、前記画像生成部による前記再構成処理を行う間隔を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  9. 前記画像生成部は、前記収集部から反復的に受けた前記データに基づき前記合成画像の動画像を生成し、
    前記制御部は、前記算出部が前記最大値を求めたことに応じて、対応する前記動画像のフレームに対し、付帯情報を付加する
    ことを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  10. 前記画像生成部は、前記収集部から反復的に受けた前記データに基づき前記合成画像の動画像を生成し、
    前記制御部は、前記算出部が前記最大値を求めたことに応じて、前記動画像の画像データに対し、前記最大値の数値を示す情報を付帯情報として付加する
    ことを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  11. 前記画像生成部は、前記収集部から反復的に受けた前記データに基づき前記合成画像の動画像を生成し、
    前記制御部は、前記動画像の画像データに対し、前記経時変化を示す情報を付帯情報として付加する
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  12. 記憶部が、被検体の注目部位を含む所定範囲を表す基準画像をあらかじめ記憶するステップと、
    収集部が、前記所定範囲に対してスキャンを実行するステップと、
    画像生成部が、前記スキャンにより反復的に収集されたデータに基づいて、造影剤が投与された前記被検体の造影画像を順次生成するステップと、
    画像合成部が、前記基準画像における前記注目部位を表す注目部分と、前記注目部位に流入された前記造影剤を表す造影部分とが重畳された状態を表す合成画像を生成するステップと、
    算出部が、前記造影部分の面積又は体積を順次求め、前記造影部分の面積又は体積の経時変化を示す情報を取得するステップと、
    表示部が、前記経時変化を示す情報及び前記合成画像を表示するステップと、
    を有する、X線CT装置による画像表示方法。
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