以下、添付図面を参照して、画像処理装置、X線診断装置及び画像処理プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る画像処理装置、X線診断装置及び画像処理プログラムは、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るX線診断装置の全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、X線高電圧装置11と、X線管12と、X線絞り13と、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16と、Cアーム回転・移動機構17と、天板移動機構18と、Cアーム・天板機構制御回路19と、絞り制御回路20と、処理回路21と、入力インターフェース22と、ディスプレイ23と、画像データ生成回路24と、記憶回路25とを有する。
図1に示すX線診断装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路25へ記憶されている。Cアーム・天板機構制御回路19、絞り制御回路20、処理回路21、及び、画像データ生成回路24は、記憶回路25からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
X線高電圧装置11は、処理回路21による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する高電圧電源である。X線管12は、X線高電圧装置11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
X線絞り13は、絞り制御回路20による制御の下、X線管12が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線絞り13は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。X線絞り13は、絞り制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、開口の形状、サイズ、位置を任意に変化させる。このように、X線絞り13によって開口のサイズ及び位置が調整されることで、X線検出器16の検出面へのX線照射領域のサイズ及び位置が調整される。すなわち、X線管12が発生したX線が、X線絞り13の開口によって絞り込まれ、被検体Pに照射される。なお、X線絞り13の絞り羽根は、例えば、操作者によって設定されたROIのみにX線が照射されるようにスライド移動される。また、X線絞り13は、線質を調整するための付加フィルタを備えることができる。付加フィルタは、例えば、検査に応じて設定される。
天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台装置の上に配置される。なお、被検体Pは、X線診断装置100に含まれない。
X線検出器16は、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器16は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を画像データ生成回路24に送信する。ここで、本実施形態に係るX線検出器16は、画素ピッチの異なる2つの検出器を有する。図2A及び図2Bは、第1の実施形態に係るX線検出器16の構成の一例を示す図である。ここで、図2Aは、X線検出器16の縦断面図を示す。また、図2Bは、X線検出器16の上面図を示す。
例えば、X線検出器16は、図2Aに示すように、第1の光検出器16aと、第2の光検出器16bと、シンチレータ16cとを有する。第1の光検出器16aとシンチレータ16cとにより第1の検出器が構成され、第2の光検出器16bとシンチレータ16cとにより第2の検出器が構成される。
シンチレータ16cは、X線管12から照射されたX線を光に変換する。第1の光検出器16aは、例えば、アモルファスシリコンにより形成されたTFT(Thin Film Transistor)アレイを採用した2次元のイメージセンサを備え、シンチレータ16cによって変換された光を検出して電気信号を出力する。第2の光検出器16bは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを採用した2次元のイメージセンサを備え、シンチレータ16cによって変換された光を検出して電気信号を出力する。なお、以下では、第1の光検出器16aによって出力される電気信号を第1の電気信号と呼び、第2の光検出器16bによって出力される電気信号を第2の電気信号と呼ぶ。
このように、シンチレータ16cは、第1の光検出器16aと第2の光検出器16bとで共有される。言い換えると、X線検出器16は、X線管12から照射されたX線を光に変換するシンチレータ16cと、シンチレータ16cを共有し、シンチレータ16cによって変換された光を検出して電気信号を出力する第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bとを有する。そして、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bは、シンチレータ16cで変換された光を同時に検出した電気信号をそれぞれ出力する。なお、X線診断装置100においては、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bのうち、どちらか一方からのみ電気信号を出力するように制御することもできる。
また、図2Aに示すように、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bは、画素の構成単位となる素子を複数有する。この素子それぞれは、X線入射によって得られた蛍光像を電気信号に変換してフォトダイオード(PD:Photo Diode)に蓄積する。図2Aの例では、第1の光検出器16aが1列に8つの素子を有し、第2の光検出器16bが1列に8つの素子を有する場合を図示している。
ここで、第2の光検出器16bの各素子の画素ピッチは、第1の光検出器16aの各素子の画素ピッチよりも細かい。図2Aに示す例では、第1の光検出器16aの各素子の画素ピッチは、第2の光検出器16bの素子2つ分の画素ピッチに相当する。すなわち、X線検出器16のXY平面においては、第1の光検出器16aの1つの素子が、第2の光検出器16bの4つの素子に相当する。したがって、第2の光検出器16bは、第1の光検出器16aと比較して、解像度が高い。
また、図2Bに示すように、第1の光検出器16aは、第2の光検出器16bよりも視野サイズが広い。すなわち、図2Bに示すように、第2の光検出器16bは、第1の光検出器16aにおける一部の検出領域と重複するサイズである。したがって、第2の光検出器16bは、第1の光検出器16aと重複する領域における高解像度のX線画像データを収集する。ここで、X線診断装置100においては、X線絞り13が4枚の絞り羽根を有し、絞り制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根をスライド可能に構成することもできる。かかる場合には、例えば、X線診断装置100は、図2Bに示すように、X線絞り13が絞り羽根13a〜13dを有する。
絞り羽根13aは、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bの1辺に平行に配置され、両矢印51の方向にスライドされることにより、X線の照射領域を調整する。また、絞り羽根13bは、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bの1辺に平行、かつ、絞り羽根13aと平行に配置され、両矢印52の方向にスライドされることにより、X線の照射領域を調整する。また、絞り羽根13cは、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bの1辺に平行、かつ、絞り羽根13a及び絞り羽根13bと直交する方向に配置され、両矢印53の方向にスライドされることにより、X線の照射領域を調整する。また、絞り羽根13dは、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bの1辺に平行、かつ、絞り羽根13cと平行に配置され、両矢印54の方向にスライドされることにより、X線の照射領域を調整する。
図1に戻って、Cアーム15は、X線管12、X線絞り13及びX線検出器16を保持する。Cアーム15は、支持器に設けられたモータなどのアクチュエータにより、複数の軸で個別に回転する。
Cアーム回転・移動機構17は、支持器に設けられたモータなどを駆動することによって、Cアーム15を回転及び移動させるための機構である。天板移動機構18は、天板14を移動させるための機構である。例えば、天板移動機構18は、アクチュエータが発生させた動力を用いて、天板14を移動させる。
Cアーム・天板機構制御回路19は、処理回路21による制御の下、Cアーム回転・移動機構17及び天板移動機構18を制御することで、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。絞り制御回路20は、処理回路21による制御の下、X線絞り13が有する絞り羽根の開度を調整することで開口の形状、サイズ、位置を変化させ、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
画像データ生成回路24は、X線検出器16によってX線から変換された電気信号を用いて投影データを生成し、生成した投影データを記憶回路25に格納する。具体的には、画像データ生成回路24は、第1の光検出器16aによって出力された第1の電気信号から第1の投影データを生成し、第2の光検出器16bによって出力された第2の電気信号から第2の投影データを生成し、生成した各投影データを記憶回路25に格納する。例えば、画像データ生成回路24は、X線検出器16から受信した第1の電気信号及び第2の電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換をそれぞれ行い、第1の電気信号に基づく第1の投影データと第2の電気信号に基づく第2の投影データをそれぞれ生成する。そして、画像データ生成回路24は、生成した第1の投影データ及び第2の投影データを記憶回路25に格納する。
記憶回路25は、画像データ生成回路24によって生成された投影データを受け付けて記憶する。例えば、記憶回路25は、第1の電気信号に基づく第1の投影データと第2の電気信号に基づく第2の投影データをそれぞれ記憶する。また、記憶回路25は、処理回路21によって生成されたX線画像や、ボリュームデータ、合成画像を記憶する。なお、合成画像の詳細については後述する。
また、記憶回路25は、図1に示す各回路によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。一例を挙げると、記憶回路25は、処理回路21によって読み出されて実行される制御機能211に対応するプログラム、生成機能212に対応するプログラム及び画像処理機能213に対応するプログラムを記憶する。なお、図1においては単一の記憶回路25が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路が分散して配置され、処理回路21などの各種回路が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
入力インターフェース22は、所定の領域(例えば、部分透視におけるROI)などの設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等や、X線の照射などを行うためのフットスイッチ等によって実現される。
入力インターフェース22は、処理回路21に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路21へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース22は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ディスプレイ23は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、処理回路21によって生成された種々の画像を表示する。また、ディスプレイ23は、処理回路21による種々の処理結果を表示する。
処理回路21は、制御機能211、生成機能212及び画像処理機能213を実行することで、X線診断装置100全体の動作を制御する。具体的には、処理回路21は、装置全体を制御するための制御機能211に対応するプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、種々の処理を実行する。例えば、制御機能211は、入力インターフェース22から転送された操作者の指示に従ってX線高電圧装置11を制御し、X線管12に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、制御機能211は、操作者の指示に従ってCアーム・天板機構制御回路19を制御し、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。
また、例えば、制御機能211は、操作者の指示に従って絞り制御回路20を制御し、X線絞り13が有する絞り羽根13a〜13dの開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
また、制御機能211は、操作者の指示に従って、画像データ生成回路24による投影データ生成処理を制御する。また、制御機能211は、投影データに対する画像処理や、解析処理などを制御する。例えば、制御機能211は、記憶回路25が記憶する投影データ(第1の投影データ及び第2の投影データ)に対して各種画像処理を行うことでX線画像を生成する。或いは、制御機能211は、画像データ生成回路24から直接投影データ(第1の投影データ及び第2の投影データ)を取得し、取得した投影データ(第1の投影データ及び第2の投影データ)に対して各種画像処理を行うことでX線画像を生成する。
なお、制御機能211は、画像処理後のX線画像を、記憶回路25に格納することも可能である。例えば、制御機能211は、移動平均(平滑化)フィルタ、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、リカーシブフィルタ、バンドパスフィルタなどの画像処理フィルタによる各種処理を実行することが可能である。
また、制御機能211は、回転撮影によって収集された投影データ(第1の投影データ及び第2の投影データ)を用いて再構成データ(ボリュームデータ)を再構成して、再構成したボリュームデータを記憶回路25に格納することもできる。さらに、画像処理回路26は、ボリュームデータから3次元画像を生成することも可能である。
また、制御機能211は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや記憶回路25が記憶する画像、処理回路21による処理結果などを、ディスプレイ23に表示するように制御する。
生成機能212は、合成画像を生成する。また、画像処理機能213は、合成画像に対する画像処理を実行する。なお、生成機能212及び画像処理機能213については、後に詳述する。ここで、制御機能211は、特許請求の範囲における撮像部の一例である。また、生成機能212は、特許請求の範囲における生成部の一例である。また、画像処理機能213は、特許請求の範囲における処理部の一例である。
以上、X線診断装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係るX線診断装置100は、高精細な画像を表示させつつ、被曝量の増大を抑止する。上述したように、X線診断装置100は、高解像度の第2の光検出器16bを備え、より高精細なX線画像を表示することができる。しかしながら、第2の光検出器16bは視野が狭いため、第2の光検出器16bによって検出された第2の投影データに基づくX線画像をディスプレイ上で大きく表示させる場合には、より高い線量で収集されたX線画像が求められることとなる。その結果、高解像度のX線画像を観察しながら手技を行おうとした場合、被検体の被曝量が増大することとなる。
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置100では、通常の線量で収集された第1のX線画像と、第1のX線画像よりも高い線量で収集された第2のX線画像とを合成した合成画像に対して画像処理を施すことで、高精細な画像を表示させつつ、被曝量の増大を抑止する。例えば、X線診断装置100においてステント留置やコイル塞栓などの手技が行われる際の画像表示に上記した合成画像を用いることで、高精細な画像を観察しながら手技を行うことができ、かつ、被曝量の増大を抑止することができる。ここで、本実施形態における第1のX線画像とは、手技を実施する際の通常の線量で収集された画像であり、例えば、第1の光検出器16aによって収集される透視画像等である。また、本実施形態における第2のX線画像とは、第1のX線画像よりも高い線量で収集された画像であり、例えば、第2の光検出器16bによって収集されるX線画像や、第1の光検出器16aによって収集される撮影画像等である。なお、以下では、第2のX線画像を参照画像とも記載する。
以下、X線診断装置100における詳細について説明する。X線診断装置100における制御機能211は、被検体をX線により撮像して第1のX線画像を順次収集する。また、制御機能211は、第1のX線画像よりも前の時点において第1のX線画像よりも高いX線量により被検体を撮像して第2のX線画像を収集する。例えば、制御機能211は、操作者による操作に応じて、第2のX線画像の収集と、その後の第1のX線画像の収集とを制御する。ここで、本実施形態では、第1のX線画像が第1の光検出器16aによって収集される透視画像であり、第2のX線画像が第2の光検出器16bによって収集されるX線画像である場合を例に挙げて説明する。
かかる場合には、制御機能211は、操作者による操作に応じて、まず、X線高電圧装置11、絞り制御回路20、Cアーム・天板機構制御回路19及び画像データ生成回路24を制御して、第2の光検出器16bから第2のX線画像を収集する。その後、制御機能211は、X線高電圧装置11、絞り制御回路20、Cアーム・天板機構制御回路19及び画像データ生成回路24を制御して、第1の光検出器16aから第1のX線画像(透視画像)を順次収集する。
生成機能212は、第1のX線画像よりも前の時点において第1のX線画像よりも高いX線量により撮像された第2のX線画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を、第1のX線画像の取得と並行して生成する。具体的には、生成機能212は、制御機能211の制御によって収集された第2のX線画像を、順次収集される複数の第1のX線画像(透視画像)とそれぞれ合成することで、複数の合成画像を生成する。ここで、生成機能212は、例えば、第1のX線画像の順次取得に応じて、合成画像を順次生成する。以下、生成機能212による処理の一例を、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、第1の実施形態に係る生成機能212による処理の一例を説明するための図である。
例えば、生成機能212は、第1のX線画像が収集されるごとに、図3に示す合成画像を生成する。一例を挙げると、生成機能212は、図3に示すような、第1のX線画像I1と第2のX線画像I2とを合成した合成画像を生成する。すなわち、生成機能212は、予め収集されている第2のX線画像I2を、順次生成される第1のX線画像にそれぞれ合成した合成画像を生成する。例えば、生成機能212は、図4に示すように、第1のX線画像I11と第2のX線画像I2とを合成した合成画像を生成する。その後、生成機能212は、第1のX線画像I11の後に収集された第1のX線画像I12と、第2のX線画像I2とを合成した合成画像を生成する。このように、生成機能212は、順次収集された第1のX線画像と、第1のX線画像よりも前に収集された第2のX線画像とを順次合成することで、複数の合成画像を順次生成する。
すなわち、生成機能212は、1枚の高精細なX線画像に対して、通常のX線画像を順次合成した複数の合成画像を生成する。ここで、生成機能212によって生成される合成画像は、第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域を第2のX線画像で置換した画像であってもよく、或いは、第1のX線画像上に第2のX線画像を重畳させた画像であってもよい。例えば、生成機能212は、第1のX線画像I11において第2のX線画像I2に対応する領域を、第2のX線画像I2に置換した合成画像を生成する。或いは、生成機能212は、第1のX線画像I11において第2のX線画像I2に対応する領域に第2のX線画像I2に重畳した合成画像を生成する。
ここで、生成機能212は、合成画像の生成に先立ち、第1のX線画像と第2のX線画像との位置合わせを行う。例えば、生成機能212は、まず、画像内の解剖学的な特徴点等に基づいて、第1のX線画像と第2のX線画像との間に位置ずれが生じているか否かを判定し、位置ずれが生じている場合には画像間の位置合わせを実行する。そして、生成機能212は、経時的に収集される複数の第1のX線画像について、時系列で前後する画像間で位置ずれを判定し、判定結果に応じて位置合わせを実行する。
例えば、生成機能212は、時系列で前後する第1のX線画像において、対応する位置(同一位置)の画素の画素値の変化(例えば、画素値の差分)と閾値とを比較して、画素値の変化が閾値を超えた画素の数に基づいて、時系列で前後する第1のX線画像間で位置ずれが生じているか否かを判定する。例えば、被検体の体動により位置ずれが生じた場合、時系列で前後する第1のX線画像間での多数の画素に画素値の変化が生じることとなる。そこで、生成機能212は、画素値の変化が閾値を超えた画素の数が閾値を超えた場合に、位置ずれが生じていると判定する。そして、生成機能212は、位置ずれが生じている場合には第1のX線画像の位置合わせを実行した後に、位置合わせ後の第1のX線画像と第2のX線画像とを合成する。換言すると、生成機能212は、順次取得される第1のX線画像において、画素値が変化した画素の数が閾値を超えた場合に、第1のX線画像と第2のX線画像との位置合わせ処理を実行した後に合成画像を生成する。生成機能212は、生成した合成画像を記憶回路25に格納する。
制御機能211は、生成機能212によって生成された合成画像をディスプレイ23に表示させる。例えば、制御機能211は、生成機能212から合成画像を受け付けて、受け付けた合成画像をディスプレイ23に表示させる。或いは、制御機能211は、記憶回路25に記憶された合成画像を読み出してディスプレイ23に表示させる。
画像処理機能213は、第1のX線画像の時間変化に基づいて、合成画像における、少なくとも第2のX線画像に対応する画素の位置に第1のX線画像に基づく画素値の情報を反映させる。具体的には、画像処理機能213は、第2のX線画像に対応する第1のX線画像の領域に含まれる画素の画素値の変化に応じて、第1のX線画像の変化後の画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置に反映させる。例えば、画像処理機能213は、第2のX線画像の対応する位置の画素の画素値を、第1のX線画像の変化後の画素値に置換する。
上述したように、X線診断装置100においては、ステント留置やコイル塞栓などの手技が行われる際の画像表示に合成画像を用いることで、高精細な画像を観察しながら手技を行うことができ、かつ、被曝量の増大を抑止することを可能にする。すなわち、X線診断装置100においては、ステントの留置位置や、動脈瘤の位置などの関心領域を高精細な画像(第2のX線画像)で収集しておき、より広い視野を通常の透視画像(第1のX線画像)で収集しながら、合成画像を生成して表示する。そして、X線診断装置100では、第2のX線画像の領域(関心領域)における画素値の変化を第2のX線画像上に反映することで、高精細な画像上で関心領域内の変化(例えば、関心領域内へのデバイスの侵入等)を観察することを可能にする。ここで、観察中の収集画像は、通常の透視画像であることから、被曝量の増大も抑止することが可能となる。
例えば、画像処理機能213は、制御機能211によって生成される第1のX線画像の画素値の変化を検出し、検出結果に応じて、第2のX線画像に画素値の情報を反映させる。一例を挙げると、画像処理機能213は、第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域内に画素値の変化が生じたか否かを検出する。ここで、画像処理機能213は、生成機能212による位置合わせの情報に基づいて、第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域を識別する。
以下、図5を用いて、画像処理機能213の処理の一例を説明する。図5は、第1の実施形態に係る画像処理機能213による処理の一例を説明するための図である。ここで、図5においては、経時的に収集される第1のX線画像「I11、I12、I13、・・・」に対して第2のX線画像I2を合成する合成画像が生成される場合について示す。例えば、画像処理機能213は、順次収集される第1のX線画像において時系列で前後する画像間を差分し、差分後の値が閾値を超えた画素を、画素値に変化が生じた画素と判定する。画像処理機能213は、第1のX線画像が生成されるごとに上記した判定を行い、第2のX線画像I2に対応する領域に画素値の変化が生じたか否かをさらに判定する。
ここで、例えば、図5の左図の下段に示すように、第1のX線画像I13において第2のX線画像I2に対応する領域にデバイスD1が侵入すると、画像処理機能213は、第2のX線画像I2に対応する領域に画素値の変化が生じたことを検出する。そして、画像処理機能213は、図5の右図の下段に示すように、検出したデバイスD1に対応する画素値を第2のX線画像の対応する位置に反映させる。例えば、画像処理機能213は、第2のX線画像I2においてデバイスD1に対応する位置の画素値を、第1のX線画像I13におけるデバイスD1に対応する画素値に置換する。
これにより、ディスプレイ23によって表示される合成画像は、図5の右図の上段に示すように、第2のX線画像I2上にデバイスD1が示された画像となる。なお、画素値が反映される前の合成画像は、図5の左図の上段に示すように、第2のX線画像I2上にデバイスD1が示されていない画像である。
このように、画像処理機能213は、第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域の画素値に変化を検出して、変化した画素値の情報を第2のX線画像の対応する位置に反映させる。例えば、第2のX線画像I2に対応する領域においてデバイスD1が移動すると、画像処理機能213は、デバイスD1の移動に伴う画素値の変化を、経時的に収集された第1のX線画像からそれぞれ検出し、各合成画像における第2のX線画像I2の対応する位置に画素値の情報を反映させる。これにより、操作者は、高精細な第2のX線画像I2においてデバイスD1の動きを観察することができる。
ここで、上記した例では、第2のX線画像の画素値を、第1のX線画像の画素値に置換する例について説明した。かかる方法は、第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域を第2のX線画像で置換した合成画像、及び、第1のX線画像上に第2のX線画像を重畳させた合成画像のいずれの場合でも適用することができる。なお、第1のX線画像上に第2のX線画像を重畳させた合成画像の場合、画素値の置換以外にも第2のX線画像の不透過度(opacity)を変化させることで、第1のX線画像の画素値の情報を第2のX線画像の対応する位置に反映させることができる。
かかる場合には、生成機能212は、第1のX線画像に第2のX線画像を重畳させることで合成画像を生成する。画像処理機能213は、第2のX線画像の不透過度を低下させることで、前記第1のX線画像の変化後の画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置に反映させる。例えば、画像処理機能213は、第1のX線画像I13における第2のX線画像に対応する領域の画素値に変化を検出した場合に、第2のX線画像I2全体の不透過度を低下させることで、第1のX線画像I13の画素値を第2のX線画像I2上に反映させる。一例を挙げると、画像処理機能213は、異なるレイヤーにて表示されている第1のX線画像と第2のX線画像のうち、第2のX線画像を表示させているレイヤーの不透過度を低下させることで、第2のX線画像I2全体の不透過度を低下させる。
或いは、画像処理機能213は、第1のX線画像I13における第2のX線画像に対応する領域の画素値に変化を検出した場合に、第2のX線画像I2における対応する位置の画素の不透過度を低下させることで、第1のX線画像I13の画素値を第2のX線画像I2上に反映させる。例えば、画像処理機能213は、第1のX線画像において画素値に変化が生じた位置に対応する第2のX線画像I2上の位置の不透過度を低下させるレイヤーマスクを用いることで、第2のX線画像I2における対応する位置の画素の不透過度を低下させる。
上述したように、X線診断装置100においては、広い視野で第1のX線画像(透視画像)を収集しながら、第1のX線画像と予め収集した高精細な第2のX線画像とを合成した合成画像を表示させ、順次収集している第1のX線画像において第2のX線画像に対応する位置に画素値の変化が生じた場合に、変化した画素値の情報を第2のX線画像上に反映させる。すなわち、広い視野の第1のX線画像における第2のX線画像に対応する領域以外は、リアルタイムに画像が更新され、画素値の変化に応じて第2のX線画像上の画素値が更新されることとなる。
次に、図6を用いて、第1の実施形態に係るX線診断装置100の処理について説明する。図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すステップS101〜103、106、107は、処理回路21が記憶回路25から制御機能211に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS103〜105、109は、処理回路21が記憶回路25から生成機能212に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS104、108は、処理回路21が記憶回路25から画像処理機能213に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図6に示すように、処理回路21は、参照画像を収集して(ステップS101)、その後、透視画像を経時的に収集する(ステップS102)。次に、処理回路21は、透視画像を収集しながら、順次合成画像を生成して表示する(ステップS103)。ここで、処理回路21は、参照画像と透視画像との位置合わせを適宜行う。
そして、処理回路21は、経時的に収集する透視画像において、参照画像に対応する領域の画素値が変化したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、画素値が変化していない場合には(ステップS104否定)、処理回路21は、透視画像の収集及び合成画像の生成・表示を継続する。
一方、画素値が変化した場合には(ステップS104肯定)、処理回路21は、さらに、変化した画素数が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、変化した画素数が閾値を超えていない場合には(ステップS105否定)、処理回路21は、透視中か否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、透視中ではない場合(ステップS106否定)、処理回路21は、透視に変更して(ステップS107)、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。なお、ステップS106において、透視中の場合(ステップS106肯定)、処理回路21は、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。
ステップS105において、変化した画素数が閾値を超えた場合には(ステップS105肯定)、処理回路21は、位置合わせを実行する(ステップS109)。ステップS108及びステップS109の後、処理回路21は、撮像を終了するか否かを判定する(ステップS110)。ここで、終了する場合には(ステップS110肯定)、処理回路21は、処理を終了する。一方、終了しない場合には(ステップS110否定)、処理回路21は、ステップS104に戻って、処理を継続する。
上述したように、第1の実施形態によれば、制御機能211は、被検体をX線により撮像して第1のX線画像を順次収集する。生成機能212は、第1のX線画像よりも前の時点において第1のX線画像よりも高いX線量により撮像した第2のX線画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を、第1のX線画像の収集と並行して生成する。画像処理機能213は、第1のX線画像の時間変化に基づいて、合成画像における、少なくとも第2のX線画像に対応する画素の位置に第1のX線画像に基づく画素値の情報を反映させる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、通常の線量で第1のX線画像(透視画像)を収集しながら、高精細な第2のX線画像(参照画像)上に画素値の変化を反映させることでき、高精細な画像を表示させつつ、被曝量の増大を抑止することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像処理機能213は、第2のX線画像に対応する第1のX線画像の領域に含まれる画素の画素値の変化に応じて、第1のX線画像の変化後の画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置に反映させる。また、画像処理機能213は、第2のX線画像の対応する位置の画素の画素値を、第1のX線画像の変化後の画素値に置換する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、第2のX線画像上の正確な位置で画素値の変化を表示させることができ、手技の精度を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、生成機能212は、第1のX線画像に第2のX線画像を重畳させることで合成画像を生成する。画像処理機能213は、第2のX線画像の不透過度を低下させることで、第1のX線画像の変化後の画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置に反映させる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、第1のX線画像と第2のX線画像とを重畳した合成画像を生成する際に、第2のX線画像上に画素値の変化を容易に反映させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能211は、第2のX線画像として、第1のX線画像を収集した検出器よりも高い解像度を有する検出器によって第1のX線画像よりも高いX線量で収集されたX線画像を取得する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、高精細な参照画像により合成画像を表示させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、生成機能212は、順次取得される第1のX線画像において、画素値が変化した画素の数が閾値を超えた場合に、第1のX線画像と第2のX線画像との位置合わせ処理を実行した後に合成画像を生成する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、手技中の被検体の体動などにも対応することを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、第1のX線画像(透視画像)を収集しながら合成画像を生成する場合について説明した。第2の実施形態では、第2のX線画像を収集しながら合成画像を生成する場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2の実施形態に係る制御機能211は、第2のX線画像の領域について、第2のX線画像よりも低いX線量により撮像された第3のX線画像を順次取得する。例えば、制御機能211は、X線高電圧装置11を制御して、第2のX線画像よりも低い線量でX線を照射させ、第2の光検出器16bから経時的に複数の第3のX線画像を収集する。
そして、第2の実施形態に係る生成機能212は、複数の第3のX線画像を加算平均した加算平均画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を、第3のX線画像の取得と並行して生成する。ここで、生成機能212は、例えば、第3のX線画像の順次取得に応じて、合成画像を順次生成する。例えば、生成機能212は、第2の光検出器16bによって収集された複数の第3のX線画像(例えば、予め決められた枚数の第3のX線画像)に対してそれぞれ重み付けを行って加算することで、加算平均画像を生成する。ここで、加算平均における重み付けは、例えば、時系列的に最新の画像に対する重みを最大にし、時系列的に前の画像になるにつれて重みが小さくなるように設定される。
そして、生成機能212は、生成した加算平均画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を生成する。具体的には、生成機能212は、第3のX線画像が収集されるごとに、収集された第3のX線画像を最新の画像として加算平均処理を行い、加算平均画像を順次生成する。そして、生成機能212は、順次生成した加算平均画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を生成する。ここで、第1のX線画像は、第3のX線画像よりも前に低い線量で収集された画像であり、例えば、第1の光検出器16aによって収集した透視画像である。
第2の実施形態に係る画像処理機能213は、第3のX線画像における画素値の変化を契機として順次収集された第1のX線画像に基づく画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置又は加算平均画像の対応する位置に反映させる。すなわち、画像処理機能213は、第3のX線画像を用いた合成画像を表示している際に、第2のX線画像に対応する領域内(すなわち、第3のX線画像内)で画素値が変化した場合に、画素値の変化を第2のX線画像に反映させる第1の実施形態の処理を実行する。換言すると、第2の実施形態では、画素値の変化が生じるまで、第3のX線画像の収集と合成画像の生成・表示を継続して行う。そして、第3のX線画像の領域で画素値の変化が生じた場合に、制御機能211は、第1のX線画像を収集するように切り替え、生成機能212は、収集された第1のX線画像を用いた合成画像を生成する。ここで、第2の実施形態では、第1のX線画像との合成画像に用いられるX線画像は、加算平均画像であってもよく、或いは、第2の光検出器16bによってより高い線量で収集されたX線画像(第1の実施形態における第2のX線画像)であってもよい。
画像処理機能213は、第3のX線画像の領域で画素値の変化が生じることで収集が開始された第1のX線画像における画素値の情報を、加算平均画像或いは第2の光検出器16bによってより高い線量で収集されたX線画像に反映させる。
上述したように、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、画素値の変化が生じるまで加算平均画像を用いた合成画像を生成して表示する。ここで、X線診断装置100は、画素値の変化がない場合に、自動的に加算平均画像を用いた合成画像を生成して表示するように制御することもできる。例えば、X線診断装置100は、第1の実施形態で説明した合成画像を生成して表示している間、一定の時間画素値の変化がない場合に、加算平均画像を用いた合成画像を生成して表示するように制御することもできる。この場合の例について、図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態に係る処理回路21の処理の一例を説明するための図である。なお、以下では、第1の実施形態で説明した合成画像を生成して表示するモードを精細画像参照モード、加算平均画像を用いた合成画像を生成して表示するモードを加算平均モードと記載する。
図7に示すように、X線診断装置100においては、まず、精細画像参照モードで合成画像を生成して表示する。すなわち、制御機能211が、第2の光検出器16bによって高精細な第2のX線画像I4を収集する。その後、制御機能211は、検出器を切り替えて、第1の光検出器16aによる第1のX線画像I3(透視画像)の経時的な収集を行う。生成機能212は、第1のX線画像I3が収集されるごとに合成画像を順次生成し、制御機能211は、順次生成される合成画像をディスプレイ23に表示させる。
ここで、デバイスD2が第2のX線画像I4の領域に侵入した場合には、画像処理機能213が、図7の上段の図に示すように、第2のX線画像I4にデバイスD2の画素値を反映させる。一方、精細画像参照モードでの合成画像の表示を開始してから一定時間画素値の変化がない場合、或いは、第2のX線画像I4の領域内でのデバイスD2の移動が停止して一定時間移動しない場合、X線診断装置100は、図7の中段の図に示すように、加算平均モードに移行する。
すなわち、制御機能211は、第1のX線画像の第2のX線画像に対応する領域における画素値の変化が閾値未満であることを条件に、第3のX線画像の順次取得を開始する。例えば、制御機能211は、検出器を切り替えて、第2の光検出器16bによる第3のX線画像の経時的な収集を行う。生成機能212は、時系列の複数の第3のX線画像が収集されると、n枚のフレーム(Frame 1〜Frame n)を用いた加算平均処理により、加算平均画像I41を生成する。そして、生成機能212は、精細画像参照モードで収集した第1のX線画像I3と、加算平均画像I41とを合成した合成画像を生成する。生成機能212は、第3のX線画像が収集されるごとに、新たな加算平均画像を生成して、生成した新たな加算平均画像を用いて合成画像を生成する。制御機能211は、順次生成される合成画像をディスプレイ23にて表示させる。
なお、加算平均モードにおいて、第1の光検出器16a及び第2の光検出器16bからの電気信号をそれぞれ用いるように制御する(各検出器で同時にX線画像を収集する)ことで、第1のX線画像の領域についてもリアルタイムに更新することができる。すなわち、X線の照射範囲を第1のX線画像の領域まで広げてX線を照射することで、第1のX線画像と第3のX線画像とを同時に収集し、それぞれの画像を用いて合成画像を生成することもできる。
上記した加算平均モードは、画素値の変化が検出されるまで継続される。そして、画素値の変化が検出されると、X線診断装置100は、図7の下段の図に示すように、再度、精細画像参照モードに移行する。例えば、生成機能212は、順次収集される第3のX線画像内で画素値の変化が生じたか否かを判定する。ここで、画素値の変化が生じた場合(例えば、デバイスD2が移動した場合)、制御機能211は、検出器を切り替えて、第1の光検出器16aによる第1のX線画像の経時的な収集を行う。そして、生成機能212は、第1のX線画像が収集されるごとに、合成画像を生成する。
ここで、生成機能212は、収集済みの第2のX線画像I4又は加算平均画像I41を合成画像の生成に用いることができる。例えば、生成機能212は、新たに生成された第1のX線画像I31と第2のX線画像I4とを合成した合成画像、或いは、第1のX線画像I31と加算平均画像I41とを合成した合成画像を生成することができる。
画像処理機能213は、生成機能212によって生成された合成画像における第2のX線画像I4又は加算平均画像I41に、第1のX線画像において変化した画素値の情報を反映させる。例えば、画像処理機能213は、第1のX線画像I31において変化した画素値の情報を、第2のX線画像I4の対応する位置に反映させる。或いは、画像処理機能213は、第1のX線画像I31において変化した画素値の情報を、加算平均画像I41の対応する位置に反映させる。
次に、図8、図9を用いて、第2の実施形態に係るX線診断装置100の処理について説明する。図8、図9は、第2の実施形態に係るX線診断装置100の処理手順を示すフローチャートである。なお、図8は、一定の時間画素値の変化がない場合に、加算平均画像を用いた合成画像を生成して表示する処理について示す。また、図9は、処理開始から加算平均処理を行う処理について示す。また、なお、図8においては、第1の実施形態での処理(図6に示す処理)と同一の処理に同一の符号を付している。また、図9においては、図6及び図8と同一の処理に同一の符号を付している。
図8に示すステップS201、202は、処理回路21が記憶回路25から制御機能211に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS203は、処理回路21が記憶回路25から生成機能212に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図8に示すように、処理回路21は、参照画像を収集して(ステップS101)、その後、透視画像を経時的に収集する(ステップS102)。次に、処理回路21は、透視画像を収集しながら、順次合成画像を生成して表示する(ステップS103)。ここで、処理回路21は、参照画像と透視画像との位置合わせを適宜行う。
そして、処理回路21は、経時的に収集する透視画像において、参照画像に対応する領域の画素値が変化したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、画素値が変化していない場合には(ステップS104否定)、処理回路21は、さらに、透視中か否かを判定する(ステップS201)。ここで、透視中の場合(ステップS201肯定)、処理回路21は、参照画像を収集対象に変更する(ステップS202)。例えば、処理回路21は、検出器を第2の光検出器16bに切り替え、ステップS101にて収集した参照画像よりも低い線量での経時的なX線画像の収集を開始する。
そして、処理回路21は、収集した複数のX線画像に対して加算平均処理を実行して(ステップS203)、加算平均処理により生成した参照画像を用いた合成画像を生成し、生成した合成画像をディスプレイ23に表示する。その後、処理回路21は、ステップS110の判定処理を行う。なお、ステップS201において透視中ではない場合(ステップS201否定)、処理回路21は、ステップS203に進み、加算平均処理を実行する。
一方、ステップS104の判定において、画素値が変化した場合には(ステップS104肯定)、処理回路21は、さらに、変化した画素数が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、変化した画素数が閾値を超えていない場合には(ステップS105否定)、処理回路21は、透視中か否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、透視中ではない場合(ステップS106否定)、処理回路21は、透視に変更して(ステップS107)、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。なお、ステップS106において、透視中の場合(ステップS106肯定)、処理回路21は、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。
ステップS105において、変化した画素数が閾値を超えた場合には(ステップS105肯定)、処理回路21は、位置合わせを実行する(ステップS109)。ステップS108、ステップS109及びステップS203の後、処理回路21は、撮像を終了するか否かを判定する(ステップS110)。ここで、終了する場合には(ステップS110肯定)、処理回路21は、処理を終了する。一方、終了しない場合には(ステップS110否定)、処理回路21は、ステップS104に戻って、処理を継続する。
図9に示すステップS301〜303は、処理回路21が記憶回路25から制御機能211に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS303は、さらに、処理回路21が記憶回路25から生成機能212に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図9に示すように、処理回路21は、透視画像を収集して(ステップS301)、その後、参照画像を経時的に収集する(ステップS302)。次に、処理回路21は、経時的に収集したX線画像を加算平均した参照画像を順次生成しながら、順次合成画像を生成して表示する(ステップS303)。ここで、処理回路21は、参照画像と透視画像との位置合わせを適宜行う。
そして、処理回路21は、経時的に収集する透視画像において、参照画像に対応する領域の画素値が変化したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、画素値が変化していない場合には(ステップS104否定)、処理回路21は、さらに、透視中か否かを判定する(ステップS201)。ここで、透視中の場合(ステップS201肯定)、処理回路21は、参照画像を収集対象に変更する(ステップS202)。
そして、処理回路21は、収集した複数のX線画像に対して加算平均処理を実行して(ステップS203)、加算平均処理により生成した参照画像を用いた合成画像を生成し、生成した合成画像をディスプレイ23に表示する。その後、処理回路21は、ステップS110の判定処理を行う。なお、ステップS201において透視中ではない場合(ステップS201否定)、処理回路21は、ステップS203に進み、加算平均処理を実行する。
一方、ステップS104の判定において、画素値が変化した場合には(ステップS104肯定)、処理回路21は、さらに、変化した画素数が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、変化した画素数が閾値を超えていない場合には(ステップS105否定)、処理回路21は、透視中か否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、透視中ではない場合(ステップS106否定)、処理回路21は、透視に変更して(ステップS107)、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。なお、ステップS106において、透視中の場合(ステップS106肯定)、処理回路21は、参照画像における対象画素の画素値を透視画像の画素値に変換する(ステップS108)。
ステップS105において、変化した画素数が閾値を超えた場合には(ステップS105肯定)、処理回路21は、位置合わせを実行する(ステップS109)。ステップS108、ステップS109及びステップS203の後、処理回路21は、撮像を終了するか否かを判定する(ステップS110)。ここで、終了する場合には(ステップS110肯定)、処理回路21は、処理を終了する。一方、終了しない場合には(ステップS110否定)、処理回路21は、ステップS104に戻って、処理を継続する。
上述したように、第2の実施形態によれば、制御機能211は、第2のX線画像の領域について、第2のX線画像よりも低いX線量により撮像された第3のX線画像を順次取得する。生成機能212は、複数の第3のX線画像を加算平均した加算平均画像と、第1のX線画像とを合成した合成画像を、第3のX線画像の順次取得に応じて順次生成する。画像処理機能213は、第3のX線画像における画素値の変化を契機として順次収集された第1のX線画像に基づく画素値の情報を、第2のX線画像の対応する位置又は前記加算平均画像の対応する位置に反映させる。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、被曝量の増大を抑止しつつ、リアルタイムの参照画像の観察を可能にする。
また、第2の実施形態によれば、制御機能211は、第1のX線画像の第2のX線画像に対応する領域における画素値の変化が閾値未満であることを条件に、第3のX線画像の順次取得を開始する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、画素値に変化がない場合のX線画像について画質を向上させることを可能にする。
また、第2の実施形態によれば、制御機能211は、第2のX線画像として、第1のX線画像を収集した検出器によって第1のX線画像よりも高いX線量で収集されたX線画像、又は、当該X線画像を複数用いて加算平均した加算平均画像を取得する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、種々の画像を用いて合成画像を生成することを可能にする。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した第1及び第2の実施形態では、第2のX線画像として、第2の光検出器16bによって収集されたX線画像を用いる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の光検出器16aによって収集されたX線画像を用いる場合であってもよい。
図10は、第3の実施形態に係る合成画像の一例を示す図である。例えば、第3の実施形態に係る生成機能212は、図10に示すように、第1の光検出器16aによって収集した透視画像と、第1の光検出器16aによって収集した撮影画像、或いは、複数の撮影画像を用いて加算平均処理を実行した加算平均画像とを合成した合成画像を生成する。かかる場合には、例えば、制御機能211は、まず、絞り制御回路20を制御して、X線の照射範囲を設定し、撮影画像の収集条件でX線を照射することで、第1の光検出器16aから第2のX線画像の領域の撮影画像を収集する。
その後、制御機能211は、絞り制御回路20を制御して、X線の照射範囲を広げ、透視画像の収集条件でX線を照射することで、第1の光検出器16aから第1のX線画像の領域の透視画像を収集する。生成機能212は、最初に収集された撮影画像と、順次収集される透視画像とから合成画像を順次生成する。なお、加算平均画像を収集する場合には、制御機能211が複数枚の撮影画像を収集して、生成機能212が、複数の撮影画像を用いて加算平均画像を生成する。なお、加算平均画像を用いる場合には、撮影画像よりも低い線量で収集したX線画像を用いる場合であってもよい。また、上述した撮影画像を用いて合成画像を生成するモード(通常画像参照モード)は、第1の実施形態及び第2の実施形態における精細画像参照モードの代わりに適宜適用することができる。
また、上述した実施形態では、シンチレータ16cが、第1の光検出器16aと第2の光検出器16bとで共有されるX線検出器16を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、X線検出器16は、それぞれシンチレータと光検出器を備えた複数の検出器によって構成される場合であってもよい。図11は、第3の実施形態に係るX線検出器16の構成の一例を示す図である。
図11に示すように、第3の実施形態に係るX線検出器16は、第1の光検出器16d及び第1のシンチレータ16eを有する第1の検出器と、第2の光検出器16f及び第2のシンチレータ16gを有する第2の検出器とから構成される。第1の光検出器16dは、第1の光検出器aと同様の解像度を有する。また、第2の光検出器16fは、第2の光検出器16bと同様の解像度を有する。ここで、第2の検出器は、図11に示すように、回転機構40を備える支持器によって支持され、収集に用いる検出器に応じて位置が変更される。
例えば、第1の検出器によってX線画像を収集する場合、第2の検出器は、回転機構40を支点に回転することで、第1の検出器の視野外の位置に移動される。一方、第2の検出器によってX線画像を収集する場合、第2の検出器は、回転機構40を支点に回転することで、X線管12と対峙する位置に移動される。第3の実施形態に係るX線検出器16は、上述した第1及び第2の実施形態におけるX線検出器として適用することができる。かかる場合には、検出器の切り替えのタイミングで、第2の検出器に対して回転機構40を支点にした回転移動が行われることとなる。
また、上述した実施形態では、収集した第2のX線画像の全体を用いて合成画像を生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、第2のX線画像における一部を用いて合成画像を生成する場合であってもよい。かかる場合には、生成機能212は、第2のX線画像において合成画像に用いる領域を特定する。さらに、生成機能212は、特定した領域に対応する第1のX線画像における領域を特定する。そして、生成機能212は、第1のX線画像において特定した領域に対して、第2のX線画像において特定した領域を合成した合成画像を生成する。例えば、生成機能212は、特定の血管領域、或いは、血管内に留置されたデバイス(例えば、ステント等)の領域のみを合成した合成画像を生成する。
また、上述した実施形態では、血管に挿入中のデバイスの動きに対応する画素値を反映させる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、収集中のX線画像内で生じた画素値の変化であれば、どのような変化を反映させる場合であってもよい。例えば、カテーテル操作中に留置済みのステントの形状が変化した場合、第2のX線画像に描写されたステントに対して、変化後の形状を反映させてもよい。
また、画素値の変化は、デバイスの動きに起因するものだけではなく、例えば、造影剤の流入・流出に起因するものであってもよい。かかる場合には、生成機能212は、造影剤の流入によって変化した画素値を第2のX線画像に反映させるとともに、造影剤の流出によって変化した画素値を第2のX線画像に反映させる。この結果、高精細な画像上で造影剤の流れを観察することができる。また、例えば、造影剤の流出によって変化した画素値を第2のX線画像に反映させないように制御することで、血管像を取得することもできる。
上述した実施形態では、X線診断装置100が各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置が、X線診断装置100からX線画像を取得して上述した処理を実行する場合であってもよい。図12は、第3の実施形態に係る画像処理装置300の構成の一例を示す図である。図12に示すように、画像処理装置300は、通信インターフェース31と、記憶回路32と、入力インターフェース33と、ディスプレイ34と、処理回路35とを有する。
通信インターフェース31は、処理回路35に接続され、ネットワークを介して接続されたX線診断装置100との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インターフェース31は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。本実施形態では、通信インターフェース31は、X線診断装置100からX線画像を受信し、受信したX線画像を処理回路35に出力する。ここで、通信インターフェース31は、X線診断装置100によって収集されたリアルタイムのX線画像を受信して、処理回路35に出力することができる。
記憶回路32は、処理回路35に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路32は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路32は、X線診断装置100から受信したX線画像を記憶する。例えば、記憶回路32は、X線診断装置によって収集された第1の光検出器16a、16dによって収集された透視画像及び撮影画像、第2の光検出器16b、16fによって収集された高解像度のX線画像等を記憶する。
また、記憶回路32は、処理回路35の処理に用いられる種々の情報や、処理回路35による処理結果等を記憶する。例えば、記憶回路32は、処理回路35によって生成された加算平均画像や、合成画像などを記憶する。
入力インターフェース33は、種々の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。
入力インターフェース33は、処理回路35に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路35に出力する。なお、本明細書において入力インターフェース33は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ディスプレイ34は、処理回路35に接続され、処理回路35から出力される各種情報及び各種画像を表示する。例えば、ディスプレイ34は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。例えば、ディスプレイ34は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、種々の画像、処理回路35による種々の処理結果を表示する。
処理回路35は、入力インターフェース33を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、画像処理装置300が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路35は、プロセッサによって実現される。本実施形態では、処理回路35は、通信インターフェース31から出力されるX線画像を記憶回路32に記憶させる。また、処理回路35は、記憶回路32からX線画像を読み出し、読み出したX線画像から生成した合成画像をディスプレイ34に表示させる。
処理回路35は、図12に示すように、例えば、制御機能351、生成機能352及び画像処理機能353を実行する。ここで、例えば、図12に示す処理回路35の構成要素である制御機能351、生成機能352及び画像処理機能353が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路32内に記録されている。処理回路35は、例えば、プロセッサであり、記憶回路32から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路35は、図12の処理回路35内に示された各機能を有することとなる。
制御機能351は、画像処理装置300の全体を制御する。また、制御機能351は、X線診断装置100からX線画像を取得し、上述した制御機能211と同様の処理を実行する。生成機能352は、上述した生成機能212と同様の処理を実行する。画像処理機能353は、上述した画像処理機能213と同様の処理を実行する。
上述した実施形態では、単一の処理回路(処理回路21及び処理回路35)によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路21(及び処理回路35)は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路21(及び処理回路35)が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路25(或いは、記憶回路32)に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路25(或いは、記憶回路32)にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行される画像処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、この画像処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、この画像処理プログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、上述した実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上説明したとおり、少なくとも1つの実施形態によれば、高精細な画像を表示させつつ、被曝量の増大を抑止することを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。