JP2017158262A - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外乱入力があった場合にモータ回転数の振動を抑える。
【解決手段】車両の制御装置100は、車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを算出するドライバー要求トルク算出部102と、制御対象である車輪速又はモータ回転数を目標値に一致させるためモータのトルクダウン量を算出し、制御対象である車輪速又はモータ回転数が目標値と一致するようにフィードバック制御を行う回転数フィードバック(F/B)制御部108と、トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するトルク制限部110と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】車両の制御装置100は、車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを算出するドライバー要求トルク算出部102と、制御対象である車輪速又はモータ回転数を目標値に一致させるためモータのトルクダウン量を算出し、制御対象である車輪速又はモータ回転数が目標値と一致するようにフィードバック制御を行う回転数フィードバック(F/B)制御部108と、トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するトルク制限部110と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、モータ回転数を使用してスリップ制御を行う制御方法が知られている。
スリップ抑制性能を確保するためには、スリップに対する応答性の高いモータ回転数を使用したスリップ制御を行うことが望ましい。しかしながら、モータを搭載した電動車において、スリップ制御にモータ回転数を用いた場合、モータと車輪を接続するドライブシャフトの捩れの影響で、路面の凹凸などによるタイヤへの外乱入力があると、モータ回転が振動し、スリップと誤判定されてしまう。この結果、スリップしていないにも関わらず急激なトルクダウンが行われ、自励振動となり制御が発散してしまう問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、外乱入力があった場合にモータ回転数の振動を抑えることが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置及び車両の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを取得する要求トルク取得部と、制御対象である車輪速又はモータ回転数を目標値に一致させるため前記モータのトルクダウン量を算出し、前記制御対象である車輪速又はモータ回転数が目標値と一致するようにフィードバック制御を行う制御部と、前記トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するトルク制限部と、を備える、車両の制御装置が提供される。
前記トルク制限部は、前記要求トルクが小さくなる程、前記トルクダウン量が小さくなるように前記トルクダウン量を制限するものであっても良い。
また、前記トルク制限部は、前記要求トルクが所定値以下の場合は、前記要求トルクによらず前記トルクダウン量を一定値とするものであっても良い。
また、前記要求トルクに基づいて、制御対象として前記車輪速と前記モータ回転数のいずれか一方を指定する制御対象指定部を備えるものであっても良い。
また、前記制御対象指定部は、前記要求トルクが所定の閾値以上の場合は前記モータ回転数を制御対象として指定し、前記要求トルクが前記閾値未満の場合は前記車輪速を制御対象として指定するものであっても良い。
また、前記制御対象指定部により指定された制御対象と前記目標値とを比較した結果に基づいて車輪のスリップを判定するスリップ判定部を備え、前記制御部は、前記スリップ判定部によりスリップが発生していると判定された場合に、前記フィードバック制御を行うものであっても良い。
また、前記制御部は、前記スリップ判定部によりスリップが発生していると判定されている最中は、前記制御対象指定部の指定に応じた制御対象の切り換えは行わないものであっても良い。
また、前記制御部は、前記制御対象指定部により指定された制御対象に応じた制御ゲインに基づいて、前記フィードバック制御を行うものであっても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを取得するステップと、制御対象である車輪速とモータ回転数のいずれか一方を目標値に一致させるため、前記モータのトルクダウン量を算出し、制御対象である車輪速とモータ回転数のいずれか一方が目標値と一致するようにフィードバック制御を行うステップと、前記トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するステップと、を備える、車両の制御方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、外乱入力があった場合にモータ回転数の振動を抑えることが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両500の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る車両500の構成を示す模式図である。図1に示すように、車両500は、前輪及び後輪の4つのタイヤ(車輪)12,14,16,18、車両制御装置(コントローラ)100、後輪のタイヤ16,18のそれぞれの回転を制御する2つのモータ(駆動部)20,22、各モータ20,22と各タイヤ16,18を連結するドライブシャフト24,26、各モータ20,22の回転を減速してドライブシャフト24,26に伝達する減速機構(不図示)、後輪の各タイヤ16,18の回転から車輪速を検出する車輪速センサ28,30、各モータ20,22の回転数を検出するモータ回転数センサ32,34、加速度センサ36、ヨーレートセンサ38を有して構成されている。また、車両500は、後輪と同様に、前輪のタイヤ12,14のそれぞれの回転を制御する2つのモータ(駆動部)50,52、各モータ50,52と各タイヤ12,14を連結するドライブシャフト54,56、前輪の各タイヤ12,14の回転から車輪速を検出する車輪速センサ58,60、前輪の各モータの回転数を検出するモータ回転数センサ62,64を有して構成されている。各輪の車輪速センサによって各輪のタイヤ回転数(車輪速)N_wheel(FL,FR,RL,RR)が検出される。また、各輪のモータ回転数センサによって各輪のモータ回転数N_motor(FL,FR,RL,RR)が検出される。また、車両500は、パワーステアリング機構(P/S)40、舵角センサ42、前輪の各タイヤ12,14の操舵角を操作するステアリング44を有して構成されている。車両500は、4つのタイヤ(12,14,16,18)を独立して駆動する電動車として構成されている。
図2は、本実施形態に係る車両の制御装置100の主要構成を示す模式図である。図2に示すように、制御装置100は、ドライバー要求トルク算出部(要求トルク取得部)102、目標回転数算出部103、フィードバック(F/B)信号切換部(制御対象指定部)104、スリップ判定部106、回転数フィードバック(F/B)制御部108、トルク制限部110、を有して構成されている。なお、図2に示す各構成要素は、回路(ハードウェア)、又はCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)から構成されることができる。
ドライバー要求トルク算出部102は、アクセル開度等に基づいて、各タイヤ12,14,16,18への要求トルクを算出する。各タイヤ12,14,16,18への要求トルクは、フィードバック(F/B)信号切換部104とトルク制限部110に入力される。フィードバック(F/B)信号切換部104には、各車輪のモータ回転数N_motor(FL,FR,RL,RR)、各車輪のタイヤ回転数(車輪速)N_wheel(FL,FR,RL,RR)が入力される。
目標回転数算出部103は、車体速(計算値、もしくは推定値)に任意のスリップ率を乗算して各車輪の目標回転数を算出する。スリップ率は適合により決定する。算出された目標回転数は、スリップ判定部106と回転数フィードバック(F/B)制御部108に入力される。
フィードバック(F/B)信号切換部104は、要求トルクに応じて回転数フィードバック制御に用いるための回転数を切り換える。すなわち、フィードバック(F/B)信号切換部104は、要求トルクに応じて、モータ回転数N_motor(FL,FR,RL,RR)とタイヤ回転数(車輪速)N_wheel(FL,FR,RL,RR)を切り換え、いずれか一方を制御対象として指定(選択)する。
回転数フィードバック(F/B)制御部108は、スリップ判定部106によりタイヤのスリップが判定された場合に、フィードバック(F/B)信号切換部104によって制御対象として指定された回転数に基づいて、当該回転数が目標回転数となるように各車輪のスリップ制御(回転数F/B制御)を行う。このため、フィードバック(F/B)信号切換部104は、回転数を切り換えた結果を示す切換フラグを回転数フィードバック(F/B)制御部108へ送る。フィードバック(F/B)信号切換部104は、回転数を切り換えた結果に応じて、制御対象として指定した車輪速、又はモータ回転数のいずれか一方を、スリップ判定部106と回転数フィードバック(F/B)制御部108に送る。
また、フィードバック(F/B)信号切換部104は、回転数を切り換えた結果に応じて、制御対象として指定した車輪速、又はモータ回転数のいずれか一方を、スリップ判定部106に送る。
また、フィードバック(F/B)信号切換部104は、車輪速を制御対象とした場合の制御ゲインと、モータ回転数を制御対象とした場合の制御ゲインを算出し、回転数フィードバック(F/B)制御部108へ送る。
ここで、車輪速を制御対象としてフィードバック制御を行った場合と、モータ回転数を制御対象としてフィードバック制御を行った場合では、要求トルクの大小に応じて、図3に示すような特徴がある。
先ず、要求トルクが高い場合にモータ回転数を制御対象とすると、ドライブシャフトを介在することなくモータを直接制御できるため、応答が早くなり、スリップを確実に抑制できる。また、要求トルクが高い場合は、モータトルクが高くなるため、車輪から入力される外乱の影響を受け難く、外乱入力時でも振動が少なくなる。
一方、要求トルクが低い場合にモータ回転数を制御対象とすると、要求トルクが高い場合と同様、応答が早くなるためスリップを効果的に抑制できるが、車輪から入力される外乱の影響を受け易く、外乱入力時にドライブシャフトの捩れ振動が発生する。これにより、本来はスリップが生じていないにも関わらず、スリップが生じていると誤判定されスリップ制御が働いてしまう。この場合、スリップが生じていない状態(グリップ状態)でスリップ抑制のためのモータトルク変動が生じるため、モータが自励振動を発生させて振動が発散してしまう。
また、要求トルクが高い場合に車輪速を制御対象とすると、車輪速はドライブシャフトの捩れ振動の影響をほとんど受けないため、外乱入力時等におけるスリップ誤判定を抑えることができる。しかし、モータの回転はドライブシャフトを介して各タイヤに伝達されるため、応答が遅くなり、スリップを十分に抑制できない場合がある。
一方、要求トルクが低い場合に車輪速を制御対象とすると、要求トルクが高い場合と同様、車輪速はドライブシャフトの捩れ振動の影響をほとんど受けないため、外乱入力時等におけるスリップ誤判定を抑えることができる。また、要求トルクが低い場合に車輪速を制御対象とした場合、モータの回転はドライブシャフトを介して各タイヤに伝達されるため応答は遅くなるが、要求トルクが低い場合はスリップ量が少なくなるため、応答が遅くてもスリップの抑制が可能である。
また、車輪速を制御対象として使用している場合、外乱入力時の振動が少なくなるためスリップ誤判定時のトルクダウン量がモータ回転数を制御対象とした場合よりも少なくなり、制御の発散やドライバーの違和感を抑えることができる。
このため、回転数フィードバック(F/B)制御部108は、要求トルクに基づいて、低要求トルク時は、タイヤ回転数(車輪速)N_wheel(FL,FR,RL,RR)に基づいてスリップ制御を行う。また、高要求トルク時は、モータ回転数N_motor(FL,FR,RL,RR)基づいてスリップ制御を行う。このため、フィードバック(F/B)信号切換部104は、要求トルクに基づいて、低要求トルク時はタイヤ回転数(車輪速)N_wheel(FL,FR,RL,RR)を制御対象として指定し、高要求トルク時はモータ回転数N_motor(FL,FR,RL,RR)を制御対象として指定し、指定した制御対象をスリップ判定部106と回転数フィードバック(F/B)制御部108に送る。
図4は、制御対象となる回転数をフィードバック(F/B)信号切換部104が切り換える様子を説明するための模式図である。図4において、横軸は要求トルクを示しており、縦軸は外乱入力時のモータ振動量(左側の縦軸)と最大スリップ量(右側の縦軸)を示している。図4において、実線の特性はタイヤのスリップ量(車輪速使用時、モータ回転数使用時)を示しており、破線の特性は外乱入力時のモータ振動量(車輪速使用時、モータ回転数使用時)を示している。また、図4には、モータ振動量とスリップ量の上限値をそれぞれ示している。
図4に示すように、要求トルクがT1以下の場合は、モータ回転数を制御対象として使用するとモータ振動量が上限値を超えるため、モータ振動を抑制する観点から車輪速を使用する必要がある。また、要求トルクがT2より大きい場合は、車輪速を制御対象として使用するとスリップ量が上限値を超えるため、スリップ量を抑制する観点からモータ回転数を使用する必要がある。スリップ量の観点からは、要求トルクがT2に達するまでは車輪速の使用が可能である。
このため、フィードバック(F/B)信号切換部104は、要求トルクがT1以下では車輪速を使用し、要求トルクがT2よりも大きくなるとモータ回転数を使用するように、モータ回転数と車輪速の切り換えを行う。そして、フィードバック(F/B)信号切換部104は、要求トルクがT1よりも大きくT2以下となる範囲で、切換閾値を設定し、要求トルクが切換閾値以上になると、制御対象を車輪速からモータ回転数へ切り換える。
これにより、低要求トルク時には車輪速を制御対象としてフィードバック制御を行うことで、外乱入力時のモータ振動を抑えるとともに、スリップを抑制することが可能となる。また、高要求トルク時にはモータ回転数を制御対象としてフィードバック制御を行うことで、応答を早くしてスリップを確実に抑制できるとともに、外乱入力時のモータ振動を抑えることが可能となる。
スリップ判定部106は、目標回転数算出部103から送られた目標回転数と、フィードバック(F/B)信号切換部104から送られた制御対象の回転数(車輪速又はモータ回転数)との差分から各車輪のスリップを判定する。スリップ判定部106は、目標回転数と制御対象の回転数との差分が所定の閾値を超える場合は、スリップが発生していると判定し、判定結果を示すスリップ判定フラグをフィードバック(F/B)信号切換部104と回転数フィードバック(F/B)制御部108へ送る。
これにより、回転数フィードバック(F/B)制御部108では、スリップ判定フラグに基づいて、スリップが発生していると判定された場合は、スリップ制御(回転数F/B制御)を行う。スリップ制御は、スリップが発生している各車輪で行うことができる。
上述したように、回転数フィードバック(F/B)制御部108には、車輪速を制御対象とした場合の制御ゲインと、モータ回転数を制御対象とした場合の制御ゲインとが送られる。図5は、回転数フィードバック(F/B)制御部108が、制御対象の回転数をフィードバック制御するための制御ゲインを切り換える構成を示す模式図である。図5に示すように、回転数フィードバック(F/B)制御部108は、切換スイッチ108a、乗算部108b、減算部108cを有している。
図5に示す構成において、切換スイッチ108aには、フィードバック(F/B)信号切換部104から受け取った切換フラグが入力される。また、切換スイッチ108aには、フィードバック(F/B)信号切換部104から受け取ったモータ回転数用の制御ゲインと車輪速用の制御ゲインが入力される。切換スイッチ108aは、切換フラグに基づいて、制御対象がモータ回転数である場合は、モータ回転数用の制御ゲインを乗算部108bへ出力する。また、切換スイッチ108aは、切換フラグに基づいて、制御対象が車輪速である場合は、車輪速用の制御ゲインを乗算部108bへ出力する。
減算部108cには、目標回転数算出部103から送られた目標回転数から、フィードバック(F/B)信号切換部104から制御対象として送られた回転数(モータ回転数又は車輪速)を減算し、減算結果を乗算部108bへ出力する。
乗算部108bは、切換スイッチ108aから送られた制御ゲインと減算部108cから送られた減算結果とを乗算する。回転数フィードバック(F/B)制御部108は、乗算部108bによる乗算結果に基づいて、PI制御により回転数をフィードバック制御する。具体的には、回転数フィードバック(F/B)制御部108は、要求トルクT_req_1(FL)からどれだけのトルクダウンをすれば目標回転数に対して制御対象の回転数が一致するかを演算し、得られたトルクダウン量をトルク制限部110に送る。回転数フィードバック(F/B)制御部108は、目標回転数と制御対象の回転数によるPID制御を行うことで、目標回転数に対して制御対象の回転数が一致するようにトルクダウン量を求める。PID制御のゲインは適合によって決定する。
図6は、フィードバック(F/B)信号切換部104、スリップ判定部106、回転数F/B制御部108で行われる処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS10では、ドライバー要求トルクを取得する。次のステップS12では、スリップ判定フラグを取得する。次のステップS14では、モータ回転数を取得する。次のステップS16では、車輪速を取得する。
次のステップS18では、回転数を切り換えた結果を示す切換フラグを取得する。なお、モータ回転数を制御対象とする場合は切換フラグが“0”とされ、車輪速を制御対象とする場合は切換フラグが“1”とされる(ステップS26,S28,S32,S34)。次のステップS20では、要求トルクに基づいてモータ回転数と車輪速を切り換えるための切換閾値を算出する。なお、切換閾値として予め定められた値を取得しても良い。
次のステップS22では、切換フラグ=1であるか否かを判定し、切換フラグ=1の場合はステップS24へ進む。ステップS24では、要求トルクが切換閾値以上であり、且つスリップ判定フラグの前回値が“0”であるか否かを判定する。ステップS24の条件が成立する場合は、ステップS26へ進み、切換フラグ=0とする(ステップS28)。これにより、モータ回転数を制御対象として回転数F/B制御が行われる。
一方、ステップS24の条件が成立しない場合は、ステップS28へ進み、切換フラグ=1とする。これにより、車輪速を制御対象として回転数F/B制御が行われる。なお、ステップS24でスリップ判定フラグ(前回値)が“1”の場合は、既に車輪速を制御対象としてスリップ制御が行われているため、制御対象を切り換えることなく、車輪速を制御対象として回転数F/B制御が行われる。これにより、スリップ制御中の制御対象の切り換えによるトルク変動を回避することができる。
また、ステップS22で切換フラグ=0の場合はステップS30に進む。ステップS30では、要求トルクが切換閾値未満であり、且つスリップ判定フラグの前回値が“0”であるか否かを判定する。ステップS30の条件が成立する場合は、ステップS32へ進み、切換フラグ=1とする。これにより、車輪速を制御対象として回転数F/B制御が行われる。
一方、ステップS30の条件が成立しない場合は、ステップS34へ進み、切換フラグ=0とする。これにより、モータ回転数を制御対象として回転数F/B制御が行われる。なお、ステップS34でスリップ判定フラグが“0”の場合は、既にモータ回転数を制御対象としてスリップ制御が行われているため、制御対象を切り換えることなく、モータ回転数を制御対象として回転数F/B制御が行われる(ステップS34)。これにより、スリップ制御中の制御対象の切り換えによるトルク変動を回避することができる。
ステップS26,S28,S32,S34の後はステップS36へ進む。ステップS36では、切換フラグ=1であるか否かを判定し、切換フラグ=1の場合はステップS38へ進む。ステップS38では、回転数の出力値を車輪速とする。これにより、回転数フィードバック(F/B)制御部108からスリップ判定部106及び回転数F/B制御部108へ、制御対象の回転数として車輪速が送られる。
次のステップS40では、回転数F/B制御の制御ゲインが、車輪速を制御対象とした場合の制御ゲイン(Gain_A)に設定される。
また、ステップS36で切換フラグ=0の場合はステップS42へ進む。ステップS42では、回転数の出力値をモータ回転数とする。これにより、回転数フィードバック(F/B)制御部108からスリップ判定部106及び回転数F/B制御部108へ、制御対象の回転数としてモータ回転数が送られる。
次のステップS44では、回転数F/B制御の制御ゲインが、モータ回転数を制御対象とした場合の制御ゲイン(Gain_B)に設定される。ステップS40,S44の後は処理を終了する。
以上のようにして、本実施形態では、要求トルクに基づいて制御対象の回転数を指定し、低要求トルクの場合は車輪速を制御対象とすることで、車輪から外乱の入力があった場合にモータ回転数に振動が生じてしまうことを確実に抑止することが可能となる。また、高要求トルクの場合はモータ回転数を制御対象とすることで、スリップ制御の応答性を高めることができ、スリップを確実に抑制することが可能となる。
一方、要求トルクに基づいて制御対象を変更した場合においても、想定外の大きさの外乱が車輪に加わった場合は、スリップが生じていないにも関わらず、スリップが生じていると誤判定されてしまう可能性がある。この場合、回転数フィードバック(F/B)制御部108が目標回転数に対して制御対象の回転数を一致させるために算出したトルクダウン量が過大になることで、モータ回転数が振動、発散してしまう可能性がある。
このため、トルク制限部110は、要求トルクに応じたトルクダウン制限値を算出し、要求トルクからのトルクダウン量に制限を設ける。これにより、想定外の外乱が加わった場合にスリップ誤判定がされた場合でも、モータ回転数が発散してしまうことを確実に抑えることができる。従って、スリップ抑制性能を低下させることなくロバスト性を向上させることができる。
図7は、トルク制限部110が要求トルクに応じたトルクダウン制限値を算出するためのマップを示す模式図である。図7に示すように、要求トルクが大きくなる程、トルクダウン制限値(絶対値)は大きくなり、より大きなトルクダウンが行われる。
一方、要求トルクが小さい程、トルクダウン制限値(絶対値)は小さくなる。なお、要求トルクが所定値(Tq1)以下の場合は、トルクダウン制限値はそれ以上低下せず、トルクダウン上限値に保たれる。これにより、極低μ路面(氷雪路の走行、車両の一時的なジャンプ、フリーローラ上を走行する場合等)を走行した場合など、要求トルクが微小の場合に、スリップ発生時の制御性を確保することができる。
トルク制限部110は、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量が、図7に示すトルクダウン制限値(絶対値)よりも小さい場合は、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量により要求トルクのトルクダウンを行い、その結果を各車輪のモータへのトルク指示値として出力する。
一方、トルク制限部110は、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量が、図7に示すトルクダウン制限値(絶対値)よりも大きい場合は、図7に示すトルクダウン制限値(絶対値)で要求トルクのトルクダウンを行い、その結果を各車輪のモータへのトルク指示値として出力する。
なお、図7では、力行時のトルクダウン制限値を示しており、トルクダウンの下限値を示している。回生時については、回転数フィードバック(F/B)制御部108がトルク付加量を算出するため、同様にトルク付加量に上限値を設ければ良い。
図8は、トルク制限部110の構成を示す模式図である。図8に示すように、トルク制限部110は、トルクダウン制限値算出部110a、切換スイッチ110b、トルクダウン量選択部110c、減算部110dを有して構成される。トルクダウン制限値算出部110aは、図7のマップに基づいて、要求トルクからトルクダウン制限値を算出する。トルクダウン制限値は、切換スイッチ110bに送られる。切換スイッチ110bは、スリップ判定フラグに基づいて、スリップが発生していると判定される場合は、トルクダウン制限値をトルクダウン量選択部110cに送る。
また、トルクダウン量選択部110cには、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量が入力される。トルクダウン量選択部110cは、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量と、トルクダウン制限値算出部110aが算出したトルクダウン制限値のうち、値の小さい方を選択し、減算部110dへ送る。減算部110dは、要求トルクから、回転数フィードバック(F/B)制御部108が算出したトルクダウン量とトルクダウン制限値算出部110aが算出したトルクダウン制限値のうちの値の小さい方を減算し、トルク指示値として出力する。前後輪のモータは、このトルク指示値に基づいて制御される。
図9及び図10は、本実施形態の制御による効果を説明するための特性図である。ここで、図9は本実施形態の制御を行った場合の特性(モータ駆動力、モータ回転数(車輪速換算))を示しており、図10は、比較のため本実施形態の制御を行わない場合の特性(モータ駆動力、モータ回転数(車輪速換算))を示している。
図9に示すように、本実施形態の制御を行った場合は、外乱として走行中に大きな段差を通過させているにも関わらず、前輪のモータ駆動力(Ft駆動力)、後輪のモータ駆動力(Rr駆動力)のトルク変化が抑えられており、トルクの発散も生じていない。また、車輪速に換算したモータ回転数についても、段差通過後に大きな変化は生じていない。従って、外乱があっても車両挙動が安定していることが判る。
一方、図10では、外乱として急激なグリップ回復を与えた後、前輪のモータ駆動力(Ft駆動力)、後輪のモータ駆動力(Rr駆動力)に急激な変化が発生し、トルクが発散している。また、車輪速に換算したモータ回転数についても、グリップ回復後に発散している。従って、車両挙動が不安定になっていることが判る。
以上説明したように本実施形態によれば、要求トルクの大きさに応じて、制御対象として車輪速とモータ回転数を切り換えて回転数フィードバック制御を行うようにしたため、スリップ制御の応答性を高めるとともに、ドライブシャフトの捩れに起因する振動が生じてしまうことを確実に抑止することが可能となる。また、要求トルクの大きさに応じて、スリップ制御(回転数F/B制御)におけるトルクダウン量に制限をかけることで、想定を超えた外乱が車輪に入力された場合においても、モータ回転数が振動してしまうことを確実に抑止することが可能となる。従って、スリップ制御のロバスト性を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 制御装置
102 ドライバー要求トルク算出部
104 フィードバック(F/B)信号切換部
106 スリップ判定部
108 回転数フィードバック(F/B)制御部
110 トルク制限部
102 ドライバー要求トルク算出部
104 フィードバック(F/B)信号切換部
106 スリップ判定部
108 回転数フィードバック(F/B)制御部
110 トルク制限部
Claims (9)
- 車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを取得する要求トルク取得部と、
制御対象である車輪速又はモータ回転数を目標値に一致させるため前記モータのトルクダウン量を算出し、前記制御対象である車輪速又はモータ回転数が目標値と一致するようにフィードバック制御を行う制御部と、
前記トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するトルク制限部と、
を備えることを特徴とする、車両の制御装置。 - 前記トルク制限部は、前記要求トルクが小さくなる程、前記トルクダウン量が小さくなるように前記トルクダウン量を制限することを特徴とする、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記トルク制限部は、前記要求トルクが所定値以下の場合は、前記要求トルクによらず前記トルクダウン量を一定値とすることを特徴とする、請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記要求トルクに基づいて、制御対象として前記車輪速と前記モータ回転数のいずれか一方を指定する制御対象指定部を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに車両の制御装置。
- 前記制御対象指定部は、前記要求トルクが所定の閾値以上の場合は前記モータ回転数を制御対象として指定し、前記要求トルクが前記閾値未満の場合は前記車輪速を制御対象として指定することを特徴とする、請求項4に記載の車両の制御装置。
- 前記制御対象指定部により指定された制御対象と前記目標値とを比較した結果に基づいて車輪のスリップを判定するスリップ判定部を備え、
前記制御部は、前記スリップ判定部によりスリップが発生していると判定された場合に、前記フィードバック制御を行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載の車両の制御装置。 - 前記制御部は、前記スリップ判定部によりスリップが発生していると判定されている最中は、前記制御対象指定部の指定に応じた制御対象の切り換えは行わないことを特徴とする、請求項6に記載の車両の制御装置。
- 前記制御部は、前記制御対象指定部により指定された制御対象に応じた制御ゲインに基づいて、前記フィードバック制御を行うことを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 車輪を駆動するモータに要求される要求トルクを取得するステップと、
制御対象である車輪速とモータ回転数のいずれか一方を目標値に一致させるため、前記モータのトルクダウン量を算出し、制御対象である車輪速とモータ回転数のいずれか一方が目標値と一致するようにフィードバック制御を行うステップと、
前記トルクダウン量を要求トルクに基づいて制限するステップと、
を備えることを特徴とする、車両の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016038098A JP2017158262A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 車両の制御装置及び車両の制御方法 |
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Family Applications (1)
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JP2016038098A Pending JP2017158262A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 車両の制御装置及び車両の制御方法 |
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JP (1) | JP2017158262A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109017449A (zh) * | 2018-08-17 | 2018-12-18 | 南京越博动力系统股份有限公司 | 一种纯电动车的驱动防滑控制方法及系统 |
JP2019170054A (ja) * | 2018-03-23 | 2019-10-03 | 日産自動車株式会社 | 電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置 |
JP7461260B2 (ja) | 2020-09-24 | 2024-04-03 | 株式会社Subaru | モータ制御装置 |
-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016038098A patent/JP2017158262A/ja active Pending
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CN109017449B (zh) * | 2018-08-17 | 2021-05-07 | 南京越博动力系统股份有限公司 | 一种纯电动车的驱动防滑控制方法及系统 |
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