以下、本発明の一実施形態に係るインフラ設備管理システム1について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインフラ設備管理システム1の全体構成図である。
インフラ設備管理システム1は、一次元的に配置されたインフラ設備の保守に関連する保守情報を管理する。例えば、本実施形態では、インフラ設備として高速道路を管理対象とする場合を例にとって説明する。しかしながら、インフラ設備管理システム1の管理対象は高速道路に限定されない。管理対象のインフラ設備は、一次元の長さ方向に伸びたインフラ設備であればよい。例えば、交通系インフラ設備(高速道路の他、一般道、鉄道、索道等)、ライフライン系インフラ設備(ガスまたは水道などの配管(パイプライン)、通信網、電力網等)あるいは河川や海岸の防波堤または防潮堤なども対象となり得る。
図1は、インフラ設備管理システム1の全体構成図を示す。同図に示すように、設備管理システム1は、管理サーバ10と、端末装置3とを有する。
端末装置3は、入力装置301と、表示装置302と、通信装置303とを有する。端末装置3は、例えばプロセッサ、メモリ及び通信装置303を備えた汎用的なコンピュータに、入力装置301及び表示装置302が接続されたものであってもよい。
管理サーバ10は、例えばプロセッサ、メモリ等を備えた汎用的なコンピュータでよい。以下に説明する管理サーバ10の各構成あるいは機能は、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されてもよい。
管理サーバ10は、通信部101と、制御部103と、記憶制御部105と、劣化予測部107と、抽出部109と、表示制御部111と、記憶部130とを有する。記憶部130には、劣化状態テーブル131と、設備状態テーブル132と、道路テーブル133と、構造物テーブル134と、劣化予測テーブル135とが記憶されている。
劣化状態テーブル131、設備状態テーブル132、道路テーブル133、及び構造物テーブル134のデータ更新は、例えば以下のような手順で行ってもよい。すなわち、入力装置301で入力を受け付けた更新データは、通信装置303、通信部101、制御部103を介して記憶制御部105へ送られる。記憶制御部105は、受け取ったデータに基づいて各テーブルを更新してもよい。
図2は、劣化状態テーブル131の一例を表している。劣化状態テーブル131は、主要設備である道路の劣化状態を示す情報を保持する。
劣化状態テーブル131は、データ項目として、道路の名称である道名1311と、上りまたは下りの別を示す上下1312と、車線1313と、位置ID1314と、劣化状態指標1315(1315−0〜4)と、検査日1316とを有する。
位置ID1314は、管理対象のインフラ設備を複数の区間に区切り、それぞれの区間に割り当てられた識別情報でよい。つまり、位置ID1314は、例えば、一次元の長さ方向に伸びた高速道路を複数の区間に区切り、各区間に割り当てられた番号(本実施形態では1から始まる連番)でよい。各区間はそれぞれ距離を有する。各区間の距離は一定でもよいし、一定でなくもよい。
劣化状態指標1315は、管理対象のインフラ設備の劣化状態を示す指標である。劣化状態指標1315は、例えば、公知の手法で求めた指標を端末装置3などから取得するようにしてもよい。劣化状態指標は最新状態の他、複数の旧世代の情報を含んでもよい。同図の例では、劣化状態指標(最新)1315−0から劣化状態指標(旧世代4)1315−4までの5つの世代の情報を有している。
検査日1316は、劣化状態指標1315−0を算出するための検査を行った日である。
劣化状態テーブル131の主キーは、道名1311、上下1312、車線1313,位置ID1314及び検査日1316であってもよい。劣化状態テーブル131の更新の種類は、新規レコードの追加のみとしてもよい。主キーのうち、道名1311、上下1312、車線1313及び位置ID1314を固定し、検査日1316が最新であるレコードの情報のみを表示装置302に表示させてもよい。
本実施形態では、劣化状態テーブル131は複数あってもよい。各劣化状態テーブル131は、互いに異なる劣化状態指標を有する。本実施形態では、記憶部130は3種類の劣化指標を保存するために3つの劣化状態テーブル131を有し、それぞれに劣化状態指標1、劣化状態指標2及び劣化状態指標3が保存されるようにしてもよい。
図3は、設備状態テーブル132の一例を表している。設備状態テーブル132は、主要設備である道路に付帯する付帯設備の状態を示す情報を保存する。
設備状態テーブル132は、データ項目として、道路の名称である道名1321と、上りまたは下りの別を示す上下1322と、車線1323と、位置ID1324と、設備名1325と、設備個数1326と、設置区分1327と、故障種別1328と、検査日1329と、位置誤差1320(進行方向−位置誤差1320−1,進行方向逆−位置誤差1320−2)とを有する。
設備名1325は、道名1321〜位置ID1324で特定されるインフラ設備の位置に存在する付帯設備の名称でよい。
設備個数1326は、設備名1325の付帯設備の個数でよい。
設置区分1327は、付帯設備の位置が路上か路下かの区分でよい。
故障種別1328は、設備名1325の付帯設備に生じた故障の種別でよい。故障していないときは、故障種別1328にNULLが設定されてもよい。
検査日1329は、検査を行った日でよい。
位置誤差1320は、設備名1325の付帯設備の位置ID1324からの位置誤差を示す。進行方向への位置誤差である進行方向−位置誤差1320−1と進行方向と逆への位置誤差である進行方向逆−位置誤差1320−2とがある。位置誤差1320は、位置IDの単位で設定されてもよい。例えば、位置ID1324が「6」の位置に設置されている「ポストコーン」のレコード132Aを例にとると、進行方向−位置誤差1320−1に「1」がセットされていて、進行方向逆−位置誤差1320−2に「0」がセットされている。このとき、対象の「ポストコーン」は位置IDが「6」または「6」から1進んだ「7」までの範囲に存在する可能性があるということを示す。また、位置ID1324が「7」の位置に設置されている「ガードレール」のレコード132Bを例にとると、進行方向−位置誤差1320−1に「0」がセットされていて、進行方向逆−位置誤差1320−2に「1」がセットされている。このとき、対象の「ガードレール」は位置IDが「7」または「7」から1戻った「6」までの範囲に存在する可能性があるということを示す。
本実施形態では、簡単のため、位置誤差1320には「0」または「1」のみがセットされることとするが、「2」より大きい誤差が設定されるようにしてもよい。
設備状態テーブル132の主キーは、道名1321、上下1322、車線1323,位置ID1324及び設備名1325でよい。設備状態テーブル132の更新の種類は、既存レコードの各項目の更新、既存レコード削除及び新規レコード追加としてもよい。設備状態テーブル132は主キーで識別される最新レコードのみを保持するようにしてもよい。
図4は、道路テーブル133の一例を表している。道路テーブル133は、主要設備の道路について、位置IDごとの属性情報及び工事情報を有する。
道路テーブル133は、データ項目として、道路の名称である道名1331と、上りまたは下りの別を示す上下1332と、位置ID1333と、舗装種別1334と、勾配1335と、曲率半径1336と、曲率1337と、曲率向き1338と、工事中情報1339(1339−1,1339−2)とを有する。
舗装種別1334、勾配1335、曲率半径1336、曲率1337、及び曲率向き1338はそれぞれの道路の特性である。なお、曲率半径1336、曲率1337、曲率向き1338、にNULLが設定されている場合、道名1331〜位置ID1333で特定される位置の道路は直線となっていることを表してもよい。
工事中情報1339は、道名1331〜位置ID1333で特定される位置において工事が行われているときは、その工事に関する情報が設定される。つまり、工事中情報1339で工事が行われている付帯設備及び位置が特定される。NULLが設定されている場合は、工事が行われていないことを示す。工事中情報1339は複数の工事情報を設定できるようにしてもよい。
道路テーブル133の主キーは、道名1331、上下1332、位置ID1333でよい。道路テーブル133の更新の種類は、既存レコードの各項目の更新であり、基本的に新規レコード追加は行われないとしてもよい。道路テーブル133の主キーで識別される最新レコードのみを保持するようにしてもよい。
図5は、構造物テーブル134の一例を表している。構造物テーブル134は、主要設備に関連する構造物に関する情報を保存する。
構造物テーブル134は、データ項目として、道路の名称である道名1341と、上りまたは下りの別を示す上下1342と、位置ID1343と、構造物1344とを有する。
構造物1344は、道名1341〜位置ID1343で特定される位置に存在する構造物の名称でよく、例えば、トンネル、パーキングエリアやインターチェンジを含んでもよい。
構造物テーブル134の主キーは、道名1341、上下1342、位置ID1343でよい。構造物テーブル134の更新の種類は、既存レコードの各項目の更新、既存レコードの削除、及び新規レコード追加でよい。構造物テーブル134の主キーで識別される最新レコードのみを保持するようにしてもよい。
図6は、劣化予測テーブル135の一例を表している。劣化状態テーブル131の劣化状態指標から将来の道路の劣化状態を予測した結果を保存する。
劣化予測テーブル135は、データ項目として、道路の名称である道名1351と、上りまたは下りの別を示す上下1352と、車線1353と、位置ID1354と、劣化状態指標1355(1355−1〜4)と、予測日1356とを有する。
劣化状態指標1355は、劣化予測部107で予測された将来の劣化状態を示す指標である。劣化状態指標1355は、複数の世代の指標を有してもよい。つまり、劣化状態指標1355は、一定の期間間隔で、複数期間先の劣化状態をそれぞれ予測した指標を有してもよい。同図の例では、劣化状態指標(予測世代1)1355−1から劣化状態指標(予測世代4)1355−4までの4つの世代の情報を有している。
予測日1356は、劣化状態指標(予測世代1)1355−1を予測した日でよい。
劣化予測テーブル135の主キーは、道名1351、上下1352、車線1353及び位置ID1354、予測日1356でよい。劣化予測テーブル135の更新の種類は、新規レコードの追加のみでよい。劣化予測テーブル135は、既存レコードの項目変更や、既存レコードの削除は行われないこととしてもよい。主キーのうち、道名1351、上下1352、車線1353及び位置ID1354を固定し、予測日1356が最新であるレコードの情報のみを表示装置302に表示させてもよい。
本実施形態では、劣化予測テーブル135は複数あってもよい。例えば、各劣化予測テーブル135は、複数の劣化状態テーブル131にそれぞれ対応させてもよい。例えば、複数の劣化状態テーブル131にそれぞれ異なる劣化状態指標(劣化状態指標1、劣化状態指標2及び劣化状態指標3)が保存されているとき、各劣化状態指標の予測値をそれぞれに対応する劣化予測テーブル135に保存するようにしても良い。
図1へ戻ると、通信部101は、端末装置3とデータの送受信を行う。例えば、表示制御部111が生成した表示画面データを通信部101が端末装置3へ送信すると、表示装置302にその表示画面データに従う表示画面が表示される。また、通信部101は、端末装置3から送信されたデータを取得し、制御部103へ送信する。例えば、通信部101は、表示装置302に後述するいずれか画面が表示されたときに入力装置301が受け付けた入力に従うデータあるいは指示を受信して、制御部103へ送信する。
図7は、通信部101の処理手順を示す。
通信部101は、通信装置303または表示制御部111から送信されたデータを受信することで起動されてもよい。通信部101は、まずデータの送信元を判定する(S101)。
データの送信元が通信装置303であるときは、通信部101は通信装置303から送信されたデータを受信する(S103)。通信部101は、受信データを制御部103へ送信し、制御部103を起動する(S105)。
データの送信元が表示制御部111であるときは、通信部101は表示制御部111から表示画面データを受信する(S107)。表示画面データは、例えば、所定の画面テンプレートに表示すべき情報が設定されている画面表示のためのデータでよい。表示される画面は、例えば、図16以降に示す各画面で良い。通信部101は、受信した表示画面データを通信装置303へ送信する(S109)。
次に、制御部103は、受信したデータに応じて、記憶部130のテーブルの参照または更新を行うための前処理をする。
図8は制御部103の処理手順を示す。
制御部103は、通信部101により起動されると、通信部101から送信されたデータを受信する(S201)。受信したデータは、通信装置303から送信されたデータでよい。
制御部103は受信したデータの種別を判定する(S203)。
受信データが参照要求であるとき、制御部103は受信データを抽出部109へ送信し、抽出部109を起動する(S231)。このとき、参照要求には、この参照要求にかかるデータを表示させる表示レイアウトの識別情報を含んでもよい。
受信データが更新要求であるとき、制御部103は更新するテーブルの種別を判定する(S205)。制御部103は、更新するテーブルの種別に応じたフラグを更新データに設定する。すなわち、更新データが劣化状態テーブル131の更新データである場合、劣化状態テーブルを示すフラグを更新データに設定する(S207)。更新データが設備状態テーブル132の更新データである場合、設備状態テーブルを示すフラグを更新データに設定する(S209)。更新データが道路テーブル133の更新データである場合、道路テーブルを示すフラグを更新データに設定する(S211)。更新データが構造物テーブル134の更新データである場合、構造物テーブルを示すフラグを更新データに設定する(S213)。
制御部103は、フラグが付与された更新データを記憶制御部105へ送信し、記憶制御部105を起動する(S215)。
つぎに、記憶制御部105は、記憶部130に保存されているテーブルのデータの入出力及び更新を行う。
図9は、記憶制御部105の処理手順を示す。
記憶制御部105が起動されると、起動元判定を行う。最初の起動元判定では、記憶制御部105は、バッチ処理による起動か、それ以外かを判定する(S301)。
バッチ処理による起動である場合、記憶制御部105は誤差修正処理を行う(S330)。誤差修正処理の詳細は後述する。
バッチ処理による起動でない場合、記憶制御部105はさらに起動元を判定する(S303)。
ここで、起動元が劣化予測部107であるとき、記憶制御部105は、劣化予測データを劣化予測部107から受信し(S321)、劣化予測テーブル135を更新する(S323)。
起動元が制御部103であるとき、記憶制御部105はフラグが付与されている更新データを受信する(S305)。記憶制御部105は、受信した更新データに付与されているフラグの種別を判定する(S307)。そして、記憶制御部105は、判定されたフラグに従って、所定のテーブルを更新する。すなわち、フラグが劣化状態テーブル131である場合、記憶制御部105は、劣化状態テーブル131を更新する(S307)。フラグが設備状態テーブル132である場合、記憶制御部105は、設備状態テーブル132を更新する(S309)。フラグが道路テーブル133である場合、記憶制御部105は、道路テーブル133を更新する(S311)。フラグが構造物テーブル134である場合、記憶制御部105は、構造物テーブル134を更新する(S313)。
図10は、ステップS330の誤差修正処理の処理手順を示す。誤差修正処理では、設備状態テーブル132で、付帯設備の属する位置IDが一意に定まらないときは、その付帯設備に関する工事中情報に基づいて位置IDを一つに特定し、設備状態テーブル132の位置誤差1320を修正してもよい。
記憶制御部105は、道路テーブル133のすべてのレコードについて、以下の処理を行う。
まず、記憶制御部105は、道路テーブル133の処理対象のレコードに工事中情報があるか否か、つまり、工事中情報1339にNULL以外が設定されているか否かを判定する(S401)。
工事中情報1339に工事中情報がなければ、記憶制御部105は処理を行わずに次のレコードにスキップする(S401:No)。
工事中情報1339に工事中情報があれば(S401:Yes)、記憶制御部105は、工事が行われている位置を道名1331〜位置ID1333で特定し、その位置ID1333をxとする(S403)。図4の例では、工事中情報1339が設定されている位置ID「7」では「電灯照明(新)交換」と「ガードレール修理」が行われている。従って、この例ではx=7となる。
記憶制御部105は、設備状態テーブル132を参照して、位置ID1324がxの位置にある設備名1325を抽出し、それをAとする(S405)。Aは複数あってもよい。
ここで、図11に具体例を示す。同図には、誤差修正前後の設備状態テーブル132のレコード132A、132Bを含む一部レコードの一部項目の抜粋を示す。以下、この図も参照しつつ説明する。同図(A)では、位置IDが「7」に存在する「道路照明(新)」、「ガードレール」及び「通信ケーブル」がAとなる。
記憶制御部105は、設備状態テーブル132を参照して、位置ID1324がx−1の位置にある設備名1325を抽出し、それをA−1とする(S407)。A−1は複数あってもよい。上の例では、位置IDが「6」に存在する「道路照明(新)」、「ポストコーン」及び「通信ケーブル」がA−1となる。
記憶制御部105は、設備状態テーブル132を参照して、位置ID1324がx+1の位置にある設備名1325を抽出し、それをA+1とする(S409)。A+1は複数あってもよい。上の例では、位置IDが「8」に存在する「道路照明(新)」、「ガードレール」及び「通信ケーブル」がA+1となる。
次に、記憶制御部105は、道路テーブル133において、位置ID1333がxの工事中情報1339がAに関するものであるか否かを判定する(S411)。上の例では、位置IDが「7」で行われている工事が「道路照明(新)」、「ガードレール」及び「通信ケーブル」のいずれかであるか否かが判定される。ここでは、工事中情報1339は「道路照明(新)電灯交換」と「ガードレール修理」である。
工事中情報1339がAに関するものでないときは(S411:No)、ステップS413をスキップする。
工事中情報1339がAに関するものであるとき(S411:Yes)、記憶制御部105は、設備状態テーブル132の位置IDがxにある設備名1325がAである設備の位置誤差1320を0とする(S413)。これは、位置IDがxの工事中情報がAに関するものであれば、Aはxに存在することが確定するからである。
図11の例では、工事中情報1339がAの「道路照明(新)」と「ガードレール」に関するものであるので、レコード132B(位置IDが「7」の「ガードレール」)の進行方向逆−位置誤差1320−2を「0」とする。誤差修正前には、進行方向逆−位置誤差1320−2に「1」が設定されていた。これは、位置IDが「7」の「ガードレール」は、実は位置ID「6」に存在するかもしれないことを意味していた。しかし、位置IDが「7」の「ガードレール」は工事情報により位置ID「7」に存在するものであることが確定した。上記の処理は、これを設備状態テーブル132で反映させるためのものである。
図10に戻ると、記憶制御部105は、道路テーブル133において、位置ID1333がxの工事中情報1339がA−1またはA+1と矛盾するものであるか否かを判定する(S415)。図11の例では、位置IDが「7」で行われている工事「道路照明(新)電灯交換」と「ガードレール修理」が、A−1の「道路照明(新)」、「ポストコーン」及び「通信ケーブル」またはA+1の「道路照明(新)」、「ガードレール」及び「通信ケーブル」と矛盾するか否かを判定する。
例えば、位置ID「7」で行われている「ガードレール修理」は、A−1の「ポストコーン」と矛盾する。なぜならば、「ガードレール」と「ポストコーン」は同じ位置に同時に存在し得ないものであるとすれば、「ガードレール修理」が行われている位置(位置ID「7」)に「ポストコーン」は存在しえない。
ステップS415において上記の矛盾がないときは、ステップS417をスキップする。
ステップS415において上記の矛盾があれば、記憶制御部105は、設備状態テーブル132の位置ID1324がxにある、設備名1325がA−1の設備の進行方向−位置誤差1320−1を0とし、設備状態テーブル132の位置ID1324がxにある、設備名1325がA+1の設備の進行方向逆−位置誤差1320−2を「0」とする(S415)。
図11の例では、位置ID「7」に「ポストコーン」は存在しないので、レコード132Aの進行方向−位置誤差1320−1は「1」ではない。従って、記憶制御部105はレコード132Aの進行方向−位置誤差1320−1を「0」に修正する。
上記の処理により、工事中情報を利用して設備の位置誤差の修正をすることができる。
次に、抽出部109は、記憶部130の各テーブルからデータを読み出す。
図12は、抽出部109の処理手順を示す。
抽出部109が起動されると、起動元判定を行う。この起動元判定では、バッチ処理による起動か、制御部103からの起動かを判定する(S501)。
抽出部109が制御部103により起動された場合、抽出部109は参照要求を制御部103から受信する(S503)。抽出部109は、参照要求に従って、各テーブル(劣化状態テーブル131、設備状態テーブル132、道路テーブル133、構造物テーブル134、劣化予測テーブル135)から要求されたデータを抽出する(S505〜S513)。
抽出部109は、抽出したデータを表示制御部111に送信し、表示制御部111を起動する(S515)。このとき、参照要求に表示レイアウトの識別情報が含まれているときは、抽出したデータと併せて表示制御部111に送信してもよい。
抽出部109がバッチ処理によって起動された場合、抽出部109はバッチ処理に用いるデータを各テーブル(劣化状態テーブル131、設備状態テーブル132、道路テーブル133、構造物テーブル134)から抽出する(S531〜S537)。
抽出部109は、抽出したデータを劣化予測部107へ送信し、劣化予測部107を起動する(S539)。
表示制御部111は、端末装置3で表示させる表示画面のための表示画面データを生成する。
図13は、表示制御部111の処理手順を示す。
表示制御部111が起動されると、抽出部109が抽出したデータを取得する(S601)。
表示制御部111は、抽出されたデータに対応する画面レイアウトを選定する(S603)。画面レイアウトの識別情報は抽出部109から取得してもよい。
表示制御部111は、ステップS603で選定した画面レイアウトに設備状態が含まれるか否かを判定する(S605)。設備状態が含まれないときは(S605:No)、ステップS611へスキップする。
設備状態が含まれるときは(S605:Yes)、画面レイアウトに含まれている設備のそれぞれについて、以下の処理を行う。すなわち、表示制御部111は、画面レイアウトに含まれる設備状態について、設備状態テーブル132の位置誤差1320に「0」以外の値が設定されているか否かを判定する(S607)。「0」以外が設定されていれば、設備の存在する位置IDを位置誤差分だけ広げる(S609)。
例えば、図25に示すように、設備表示を含む画面レイアウトに、レコード132Bに基づく「ガードレール」を表示する場合を例にとって説明する。この進行方向逆−位置誤差1320−2が「1」である。つまり、このガードレールは位置ID「7」または「6」に存在するので、ステップS705では、位置IDを「7」単独から「6」から「7」にまたがるように表示してもよい。
表示制御部111は、画面レイアウトに含まれるすべての設備についてステップS607、S609を行う。
表示制御部111は、S603で選定された画面レイアウトに所定のデータを割り当てて、表示画面データを生成する(S611)。
表示制御部111は、ここで生成した表示画面データを通信部101へ送信し、通信部101を起動する(S613)。
これにより、表示画面データが端末装置3へ送信されて、そのデータに基づく表示画面が表示装置302に表示される。
劣化予測部107は、劣化状態テーブル131から抽出したデータに基づいて、将来のインフラ設備の劣化状態を予測する。
図14は、劣化予測部107の処理手順を示す。
劣化予測部107は、抽出部109から劣化予測のために抽出された劣化予測用データを受信する(S801)。劣化予測用データは、劣化状態テーブル131、設備状態テーブル132、道路テーブル133及び構造物テーブル134から抽出されたデータでよい。
劣化予測部107は、受信した劣化予測用データに基づいて、劣化予測シミュレーション処理を行って、劣化予測データを算出する(S803)。劣化予測シミュレーション処理は、既知のアルゴリズムを用いることができ、例えば、過去の劣化状態指標データを用いた回帰分析によって行ってもよい。
劣化予測部107は、算出した劣化予測データを記憶制御部105へ送信し、記憶制御部105を起動する(S805)。
次に、図15は、インフラ設備管理システム1が、これ以下で説明する各画面を表示する処理手順の概要を示す。
まず、通信部101が端末装置3から参照要求を受け付け、図7に示すフローチャートに従って処理をする(S901)。
次に、制御部103が通信部101から参照要求を受け付けると、図8に示すフローチャートに従って処理をする(S903)。
抽出部109が、参照要求に従って記憶部130の各テーブルから必要なデータを抽出する(S905)。例えば、抽出部109は、参照要求に係る各画面に表示する道路の状態を示すデータ、付帯設備のデータ及び属性のデータ等を取得する。
表示制御部111が、抽出部109が抽出したデータを所定の画面レイアウトに割り当てて、表示画面データを生成する(S907)。表示画面は、後述する各画面のように、例えば、位置IDごとの道路の状態示すエリアを、現実の位置IDの配置と同じ位置関係で並べたレイアウトを有してもよい。
表示制御部111が生成した表示画面データは、通信部101を介して端末装置3へ送信される(S909)。
端末装置3では、通信装置303が表示画面データを受信し、表示装置302に表示画面データに従う画面が表示される(S911)。
次に、端末装置3に表示される画面について説明する。各画面は、表示制御部111が生成した表示画面データに基づいて表示装置302に表示されてもよい。
図16は、道路状況一覧表示画面500を示す図である。道路状況一覧表示画面500は、一次元的に配置された管理対象のインフラ設備である道路の状態を示す。道路は、上り線(上りインフラ設備)と下り線(下りインフラ設備)とを含むので、道路状況一覧表示画面500は、上り線の状態を示すエリアと、下り線の状態を示すエリアとを分けてもよい。上り線(上りインフラ設備)及び下り線(下りインフラ設備)がそれぞれ複数の車線(系統)を含む場合は、道路状況一覧表示画面500は、それぞれの車線の状態を示すエリアを分けて表示してもよい。
道路状況一覧表示画面500は、上り車線に関する情報を表示する上り表示エリア501a〜503aと、上り表示エリア501a〜503aの下に設けられた下り車線に関する情報を表示する下り表示エリア501b〜503bとを有する。上り表示エリアは、複数の位置IDの現実の配置と同じ位置関係で、各位置IDの上り車線の状態を表示する第1エリア501aと、各位置IDの上り車線に関連する構造物を表示する第2エリア502aと、各位置IDの上り設備の属性を表示する第3エリア503aとを有する。下り表示エリアは、複数の位置IDの現実の配置と同じ位置関係で、各位置IDの下り車線の状態を表示する第4エリア501bと、各区間の下り車線に関連する構造物を表示する第5エリア502bと、各位置IDの下り設備の属性を表示する第6エリア503bとを有する。上り表示エリアの第1エリア501a、第2エリア502a及び第3エリア503aの配置と、下り表示エリアの第4エリア501b、第5エリア502b及び第6エリア503bの配置とが対称であってもよい。
道路状況一覧表示画面500は、本システムの初期画面(第1の管理画面)であってもよい。例えば、後述するように、道路状況一覧表示画面500から他の種々の画面(第2の管理画面)へ遷移できる。
道路状況一覧表示画面500は、一次元的に配置された管理対象のインフラ設備である道路の一覧を表示するとともに、その道路の保守に関連する情報を示す。例えば、同図に示すように、道路状況一覧表示画面500は、主要設備である道路の上り及び下り車線を示すエリア501(501a,501b)と、上り及び下り車線にそれぞれ付随する設備である構造物を示すエリア502(502a,502b)と、上り及び下りの道路の属性を示すエリア503(503a,503b)とをそれぞれ有する。各エリア501−503は、位置ID504に区分して表示されている。位置ID504は、道路状況一覧表示画面500上では、現実の位置IDの配置と同じ位置関係で配置されている。例えば、現実の道路では位置IDとして連番の数字が割り当てられているとき、道路状況一覧表示画面500上でも位置IDが連続するように並べて表示するようにしてもよい。位置IDの並びは、以下に説明する各表示画面においても同様である。
道路状況一覧表示画面500では、上り線に関する情報を上段に配置し、下り線に関する情報を下段に配置している。上段の上り線のエリアでは下から上り車線エリア501a,上り構造物エリア502a,上り属性エリア503aと配置されているのに対して、下段の下り線のエリアでは、これと線対称の配置なっている。すなわち、下段の下り線エリアでは、上から下り車線エリア501b,下り構造物エリア502b,下り属性エリア503bと配置されている。
これの変形として、上り線に関する情報を下段に配置し、下り線に関する情報を上段に配置してもよい。また、上り線と下り線を上下に配置する代わりに、左右に対称の位置関係になるように配置してもよい。
車線エリア501の位置ID504で区切られた各エリアは、それぞれの車線のそれぞれの位置IDの区間の状態を示す。例えば、所定の保守に関する管理項目について所定の管理目標に達した車線及び位置IDのエリアは所定の表示態様で表示されるようにしてもよい。例えば、所定の管理項目について管理者に報知すべき情報が存在する車線及び位置IDのエリアは、他のエリアと異なる態様で表示してもよい。例えば、劣化状態指標の値が所定の値の範囲(例えば、直ちに保守が必要なレベル(警告)、または近いうちに保守が必要になるレベル(注意))の範囲に入る車線及び位置IDのエリアは、警告を示す表示または注意を示す表示態様で示してもよい。
構造物エリア502の位置ID504で区切られた各エリアは、それぞれの車線のそれぞれの位置IDの区間に存在する構造物を示す。
属性エリア503の位置ID504で区切られた各エリアは、それぞれの車線のそれぞれの位置IDの区間の属性を示す。同図の例では、属性として、道路の曲率、勾配、舗装種別が表示されている。
同図では、位置ID504が「5」から「11」の区間が表示されているが、スライドバー511または矢印513を操作して、区間を変更することができる。
道路状況一覧表示画面500が表示装置302に表示されているときにユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて表示装置302に表示される画面を他の画面へ遷移させてもよい。例えば、道路状況一覧表示画面500で上り線または下り線のいずれか一方が選択されると、選択された上り線または下り線の保守に関する詳細な情報を表示する詳細表示エリアと、選択された上り線または下り線の概要を表示する概要表示エリアとを有し、選択されない上り線または下り線の保守に関する情報の表示を有しない第2の管理画面へ遷移してもよい。また、道路状況一覧表示画面500で所定の保守に関する管理項目について所定の管理目標に達したことを示す表示態様のエリアが選択されたときは、選択されたエリアに対応する車線及び位置IDのインフラ設備の保守に関する詳細な情報を含む第2の管理画面へ遷移してもよい。
例えば、警告表示521または注意表示523がされている車線及び位置IDのエリアが選択されると、その警告または注意に関する詳細情報を表示する画面、例えば上り車線の劣化状態表示画面600(図17)、下り車線の劣化状態表示画面800(図21)、上り車線の設備故障表示画面620(図18)または下り車線の設備故障表示画面820(図22)に示すレイアウトの画面のいずれかへ遷移してもよい。また、車線名の表示エリア531,533が選択されると、その車線の状態に関する詳細情報を表示する画面へ遷移してもよい。例えば、上り普通車線の表示エリア531が選択されると、上り車線の劣化状態指標分布画面640(図19)または上り車線の設備故障一覧画面660(図20)へ遷移してもよいし、下り追越車線の表示エリア533が選択されると、下り車線の劣化状態指標分布画面840(図23)または下り車線の設備故障一覧画面860(図24)に示すレイアウトの画面へ遷移してもよい。
図17は、上り車線の劣化状態表示画面600である。
上り車線の劣化状態表示画面600の上段には道路状況一覧表示画面500と同様に、位置ID604別に、上り車線の構造物エリア602と属性エリア603とが表示されている。上り車線の劣化状態表示画面600は、さらに、位置ID604別に、上り車線に関する劣化状態指標の状態を表示する表示エリア605及び付帯設備の状態を示す設備故障表示エリア607を有する。上り車線の劣化状態表示画面600の下段には、劣化状態指標に関する詳細表示エリア610と、車線タブ618が表示されている。
つまり、上り車線の劣化状態表示画面600は、上段に上り車線の概要表示エリア、下段に上り車線の詳細表示エリアを有する。上り車線の劣化状態表示画面600では、下り車線の保守に関連する情報は非表示である。これにより、限られた表示画面で必要な情報を有効に表示できる。以下に説明する上り車線に関する他の情報の表示画面620,640,660でも同様に、上段に概要表示エリア、下段に詳細表示エリアを有し、下り車線の保守関連情報は非表示である。
劣化状態指標の状態の表示エリア605の位置ID604で区切られた各エリアには、それぞれの車線のそれぞれの位置IDの区間の劣化状態指標1〜3の状態を示してもよい。例えば、各劣化状態指標1〜3の値が所定の範囲にある車線及び位置IDのエリアは、他のエリアと異なる態様で表示されてもよい。各劣化状態指標1〜3の所定の範囲は、警告レベルの範囲と注意レベルの範囲とがあり、警告レベルと注意レベルは異なる態様としてもよい。
故障設備の表示エリア607の位置ID604で区切られた各エリアには、それぞれの車線及び位置IDの付帯設備の状態を示してもよい。例えば、何らかの保守が必要な状態にある付帯設備の属する車線及び位置IDのエリアは、他のエリアと異なる所定の態様で表示されてもよい。保守が必要な状態には警告レベルと注意レベルとがあり、警告レベルと注意レベルは異なる表示態様としてもよい。
詳細表示エリア610について説明する。詳細表示エリア610には、劣化状態指標1〜3と設備故障のタブ619が設けられている。いずれかのタブを選択することで、詳細表示エリア610に表示される情報が切り替わるようにしてもよい。これは、以下に説明する上り車線に関する他の情報の表示画面620,640,660の詳細表示エリア630,650,670でも同様であってもよい。
詳細表示エリア610には、ポインタ608が指すエリア(この例では位置ID7の劣化状態指標1、警告表示になっている)についての詳細情報が表示されている。
詳細表示エリア610には、過去の検査から求められた劣化状態指標の変化と、今後の劣化予測が表示されるようにしてもよい。ここでは、詳細表示エリア610には、劣化状態テーブル131から抽出された位置ID7の劣化状態指標1の経時変化が表示されている。過去の検査から求められた劣化状態指標1(棒グラフ)と、劣化予測部107が算出した劣化状態指標1の変化(回帰曲線)が表示されている。将来については、予測値として破線で表示されている。ここでは、最新の劣化状態指標1が、その限界値40に達していることを示している。
位置ID表示エリア611は、ポインタ608で選択された位置IDを示す。ユーザが位置ID表示エリア611に位置IDを入力することもできる。ユーザにより位置ID表示エリア611に新たな位置IDが入力されると、詳細表示エリア610の表示が入力された位置IDの劣化状態指標1の表示に遷移するようにしてもよい。
上り車線の劣化状態表示画面600がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、設備故障で警告(注意)表示がされているエリア609または設備故障タブ612が選択されると、上り車線の設備故障表示画面620(図18)へ遷移してもよい。また、表示中の車線タブ内の位置ID表示613が選択されると、上り車線の劣化状態指標分布画面640(図19)へ遷移してもよい。また、下り車線タブ614が選択されると、下り車線の劣化状態表示画面800(図21)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ615が選択されると、道路状況一覧表示画面500へ遷移してもよい。
図18は、上り車線の設備故障表示画面620である。
上り車線の設備故障表示画面620は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、上段に概要表示エリアを有する。概要表示エリアは、位置ID624別に、上から属性623、構造物622、劣化状態指標625、及び設備故障627の表示エリアを有する。
上り車線の設備故障表示画面620の下段は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、右側に詳細表示エリア630と、左側に車線タブ638とを有する。
詳細表示エリア630には、設備故障に関する詳細な情報が表示されるようにしてもよい。ここでは、詳細表示エリア630には、設備状態テーブル132及び道路テーブル133から抽出された位置IDが「7」の設備の故障の詳細情報が表示されている。例えば、この詳細表示において、ガードレールの位置IDの表示「7(−1)」は位置誤差1320を反映している。同じく詳細表示において、対応方針は、故障種別1328に応じて予め定められている対応方針が表示されてもよい。
詳細表示エリア630には、ポインタ628が指すエリア(この例では位置ID7の設備故障、警告表示になっている)についての詳細情報が表示されている。
位置ID表示エリア631は、ポインタ628で選択された位置IDを示す。ユーザが位置ID表示エリア631に位置IDを入力することもできる。ユーザにより位置ID表示エリア631に新たな位置IDが入力されると、詳細表示エリア630の表示が入力された位置IDの設備故障の表示に遷移するようにしてもよい。
上り車線の設備故障表示画面620がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、劣化状態指標で警告(注意)表示がされているエリア629または劣化状態指標1タブ632が選択されると、劣化状態指標1に関する詳細画面である上り車線の劣化状態表示画面600(図17)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示633が選択されると、上り車線の設備故障一覧画面660(図20)へ遷移してもよい。また、下り車線タブ634が選択されると、下り車線の設備故障表示画面820(図22)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ635が選択されると、道路状況一覧表示画面500(図16)へ遷移してもよい。
図19は、上り車線の劣化状態指標分布画面640である。
上り車線の劣化状態指標分布画面640は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、上段に概要表示エリアを有する。概要表示エリアは、位置ID644別に、上から属性643、構造物642、劣化状態指標645、及び設備故障647の表示エリアを有する。
上り車線の劣化状態指標分布画面640の下段は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、右側に詳細表示エリア650と、左側に車線タブ658とを有する。
詳細表示エリア650には、複数の位置ID644の区間の劣化状態指標の空間的な分布を示すようにしてもよい。ここでは、詳細表示エリア650には、点線枠641が指す範囲の劣化状態指標1の位置ID別の分布が折れ線で表示されている。
上り車線の劣化状態指標分布画面640がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、設備故障の項目エリア647aまたは設備故障タブ652が選択されると、上り車線の設備故障一覧画面660(図20)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示653が選択されると、上り車線の劣化状態表示画面600(図17)へ遷移してもよい。また、下り車線タブ654が選択されると、下り車線の劣化状態指標分布画面840(図23)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ655が選択されると、道路状況一覧表示画面500(図16)へ遷移してもよい。
図20は、上り車線の設備故障一覧画面660である。
上り車線の設備故障一覧画面660は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、上段に概要表示エリアを有する。概要表示エリアは、位置ID664別に、上から属性663、構造物662、劣化状態指標665、及び設備故障667の表示エリアを有する。
上り車線の設備故障一覧画面660の下段は、上り車線の劣化状態表示画面600と同様に、右側に詳細表示エリア670と、左側に車線タブ678とを有する。
詳細表示エリア670には、複数の位置ID664の区間内の設備故障に関する情報が表示されている。ここでは、点線枠661が指す範囲にある設備の故障に関する詳細情報が表示されてもよい。詳細情報の表示態様は上り車線の設備故障表示画面620の詳細表示エリア630と同様でもよい。
上り車線の設備故障一覧画面660がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、劣化状態指標1の項目エリア666aまたは劣化状態指標1タブ672が選択されると、上り車線の劣化状態指標分布画面640(図19)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示673が選択されると、上り車線の設備故障表示画面620(図18)へ遷移してもよい。
図21は、上り車線の劣化状態表示画面600に対応する下り車線の劣化状態表示画面800である。下り車線の劣化状態表示画面800は、まず、上り車線の劣化状態表示画面600とは上段と下段の配置が反対になっている。すなわち、下り車線の劣化状態表示画面800は、上段に下り線の詳細表示エリア、下段に下り車線の概要表示エリアを有する。換言すれば、上り車線の劣化状態表示画面600と下り車線の劣化状態表示画面800は詳細表示エリアと概要表示エリアとの配置が互いに対称である。これにより、ユーザは、表示画面を一瞥しただけで、画面に上下線のいずれの詳細情報を表示されているのかを容易に判別できる。
下り車線の劣化状態表示画面800では、上り車線の車線、構造物、属性の情報は非表示である。以下に説明する下り車線に関する他の情報の表示画面820,840,860でも同様に、上段に下り線の詳細表示エリア、及び下段に下り線の概要表示エリアを有し、上り車線の保守に関連する情報は非表示である。
下り車線の劣化状態表示画面800は、上段の右側に詳細表示エリア810と、左側に車線タブ818とを有する。下り車線の劣化状態表示画面800の下段は、位置ID804別に、上から劣化状態指標805、設備故障807,構造物802及び属性803が表示されている。下り車線の劣化状態表示画面800は、上下が反転していることを除き、上り車線の劣化状態表示画面600と同様の構成を有している。つまり、下り車線の劣化状態表示画面800のそれぞれの表示は上り車線の劣化状態表示画面600と同様の意味を持ち、下り車線の劣化状態表示画面800から他の画面へ上り車線の劣化状態表示画面600と同様に遷移することができる。
位置ID表示エリア811は、ポインタ808で選択された位置IDを示す。ユーザが位置ID表示エリア811に位置IDを入力することもできる。ユーザにより位置ID表示エリア611に新たな位置IDが入力されると、詳細表示エリア810の表示が入力された位置IDの劣化状態指標1の表示に遷移するようにしてもよい。
下り車線の劣化状態表示画面800がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、設備故障で警告(注意)表示がされているエリア809または設備故障タブ812が選択されると、下り車線の設備故障表示画面820(図22)へ遷移してもよい。また、表示中の車線タブ内の位置ID表示813が選択されると、下り車線の劣化状態指標分布画面840(図23)へ遷移してもよい。また、上り車線タブ814が選択されると、上り車線の劣化状態表示画面600(図17)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ815が選択されると、道路状況一覧表示画面500(図16)へ遷移してもよい。
図22は、上り車線の設備故障表示画面620に対応する下り車線の設備故障表示画面820である。
下り車線の設備故障表示画面820は、上段の右側に詳細表示エリア830と、左側に車線タブ838とを有する。下り車線の設備故障表示画面820の下段は、位置ID824別に、上から劣化状態指標825、設備故障827,構造物822及び属性823が表示されている。下り車線の設備故障表示画面820は、上下が反転していることを除き、上り車線の設備故障表示画面620と同様の構成を有している。つまり、下り車線の設備故障表示画面820のそれぞれの表示は上り車線の設備故障表示画面620と同様の意味を持ち、下り車線の設備故障表示画面820から他の画面へ上り車線の設備故障表示画面620と同様に遷移することができる。
位置ID表示エリア831は、ポインタ828で選択された位置IDを示す。ユーザが位置ID表示エリア831に位置IDを入力することもできる。ユーザにより位置ID表示エリア831に新たな位置IDが入力されると、詳細表示エリア830の表示が入力された位置IDの設備故障の表示に遷移するようにしてもよい。
下り車線の設備故障表示画面820がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、劣化状態指標で警告(注意)表示がされているエリア829または劣化状態指標1タブ832が選択されると、劣化状態指標1に関する詳細画面である上り車線の劣化状態表示画面800(図21)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示833が選択されると、下り車線の設備故障一覧画面860(図24)へ遷移してもよい。また、上り車線タブ834が選択されると、上り車線の設備故障表示画面620(図18)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ835が選択されると、道路状況一覧表示画面500(図16)へ遷移してもよい。
図23は、上り車線の劣化状態指標分布画面640に対応する下り車線の劣化状態指標分布画面840である。
下り車線の劣化状態指標分布画面840は、上段の右側に詳細表示エリア850と、左側に車線タブ858とを有する。下り車線の劣化状態指標分布画面840の下段は、位置ID844別に、上から劣化状態指標845、設備故障847,構造物842及び属性843が表示されている。下り車線の劣化状態指標分布画面840は、上下が反転していることを除き、上り車線の劣化状態指標分布画面640と同様の構成を有している。つまり、下り車線の劣化状態指標分布画面840のそれぞれの表示は上り車線の劣化状態指標分布画面640と同様の意味を持ち、下り車線の劣化状態指標分布画面840から他の画面へ上り車線の劣化状態指標分布画面640と同様に遷移することができる。
下り車線の劣化状態指標分布画面840がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、設備故障の項目エリア847aまたは設備故障タブ852が選択されると、下り車線の設備故障一覧画面860(図24)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示853が選択されると、下り車線の劣化状態表示画面800(図21)へ遷移してもよい。また、上り車線タブ854が選択されると、上り車線の劣化状態指標分布画面640(図19)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ855が選択されると、道路状況一覧表示画面500(図16)へ遷移してもよい。
図24は、上り車線の設備故障一覧画面660に対応する下り車線の設備故障一覧画面860である。
下り車線の設備故障一覧画面860は、上段の右側に詳細表示エリア870と、左側に車線タブ878とを有する。下り車線の設備故障一覧画面860の下段は、位置ID864別に、上から劣化状態指標865、設備故障867,構造物862及び属性863が表示されている。下り車線の設備故障一覧画面860は、上下が反転していることを除き、上り車線の設備故障一覧画面660と同様の構成を有している。つまり、下り車線の設備故障一覧画面860のそれぞれの表示は上り車線の設備故障一覧画面660と同様の意味を持ち、下り車線の設備故障一覧画面860から他の画面へ上り車線の設備故障一覧画面660と同様に遷移することができる。
下り車線の設備故障一覧画面860がユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作に応じて他の画面へ遷移するようにしてもよい。例えば、劣化状態指標1の項目エリア866または劣化状態指標1タブ872が選択されると、下り車線の劣化状態指標分布画面840(図23)へ遷移してもよい。表示中の車線タブ内の位置ID表示873が選択されると、下り車線の設備故障表示画面820(図22)へ遷移してもよい。
図25は、上り車線の劣化状態表示画面900で、図17に示す上り車線の劣化状態表示画面600の変形例である。
上り車線の劣化状態表示画面900は、設備表示エリア910を有する。設備表示エリア910は、位置IDごとに分かれた表示エリアに、対応する位置IDに設置されている付帯設備表示(例えば、アイコン等)を表示してもよい。設備表示エリア910の位置IDごとのエリアに表示される付帯設備表示は、路上に存在する付帯設備と路下に存在する付帯設備とを区別可能に表示してもよい。例えば、路上ボタン912と路下ボタン914で、路上にある設備の表示と路下にある設備の表示を切り替え可能としてもよい。
例えば、設備状態テーブル132から付帯設備の属する一つの位置IDが定まるときは、設備表示エリア910でその位置IDのエリアに付帯設備表示がされてもよい。設備状態テーブル132から付帯設備の属する一つの位置IDが定まらないときは、設備表示エリア910で付帯設備が属する可能性のある複数の位置IDのエリアに付帯設備表示がされてもよい。
同図の例では、設備表示エリア910に、路上に存在する付帯設備の表示として「ガードレール」が表示されている。このガードレールの表示は、設備状態テーブル132のレコード132Bに基づく。つまり、位置ID1324が「7」で進行方向逆−位置誤差1320−2が「1」で、位置IDが一意に定まらない。レコード132Bが示すガードレールが存在する可能性のある位置は、位置ID「6」及び「7」である。従って、設備表示エリア910では、位置ID「6」から「7」にまたがってガードレールの表示がされてもよい。
なお、ここでは、上り車線の劣化状態表示画面900は上り車線の劣化状態表示画面600に設備表示エリアが付加されている。しかしながら、上り車線の劣化状態表示画面600以外の上述した各画面にも設備表示エリアを付加することができる。
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。