JP2017156587A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送能力が高すぎて現像スリーブと規制ブレードとのギャップを小さくすることなく、搬送能力が低すぎて現像剤のコートを不安定にすることなく、溝や凹部のピッチによる濃度ムラを発生させることのない現像装置を提供する。【解決手段】非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する現像剤を担持して搬送する現像スリーブ20を備え、現像スリーブ20は、現像スリーブ20の表面20aから凹んで設けられ、現像スリーブ20の搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能な第1の溝21と、表面20aから凹んで設けられ、搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能であると共に、第1の溝21のキャリアに対する搬送能力より低い搬送能力を有する第2の溝22と、を有し、第1の溝21と第2の溝22とは、規則的に搬送方向に繰り返される位置に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式等の画像形成装置に適用される現像装置に関し、特に、非磁性のトナーと磁性キャリアとの混合物である二成分現像剤を利用する画像形成装置に適用される現像装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、複写機、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ、及びこれらの複数の機能を有する複合機等として広く応用されている。これらの画像形成装置において画像形成のために使用される現像剤としては、非磁性のトナーと磁性のキャリアとの混合物である二成分現像剤(以下、現像剤という)が普及している。この二成分現像剤を使用する画像形成装置の現像装置では、回転する現像剤担持体(以下、現像スリーブという)に現像剤を磁気的に吸着させながら、感光ドラムの近傍まで搬送する。これにより、感光ドラムの静電潜像を現像剤中のトナーで現像し、可視像化することができる。この現像装置では、回転する現像スリーブの内部にケースに対して固定配置された磁石を備え、現像剤を現像スリーブの表面上に磁気的な力で保持している。さらに、この現像装置では、現像スリーブに対して所定の間隔で対向配置された規制ブレードを有し、現像剤を所望の現像剤量に規制しながら現像スリーブ上を感光ドラムの近傍まで搬送するのが一般的である。
近年の複写機、プリンタは高画質、高信頼、高安定性に対する要求が高い。これらを満足させるには、現像スリーブ上の現像剤量の経時安定性が重要である。このため、現像スリーブとして、例えば、表面部に砥粒によるサンドブラストによって凹凸を形成したものが知られている。サンドブラストを施した現像スリーブでは、加工時における現像スリーブの変形防止のため、凹凸量を比較的小さい状態で形成しているのが一般的である。このため、長時間使用することにより、表面の凹凸が摩耗してしまい、現像剤の搬送能力が低下して安定しなくなると共に、現像装置の寿命を早めてしまう虞がある。
これを解決するために、現像スリーブとして、表面部に回転軸に対して平行に延びる複数の溝を有するものが普及している(特許文献1参照)。この現像スリーブでは、引き抜き等でのダイスによって溝を形成しているので、サンドブラストのように現像スリーブを変形させることなく凹凸の高低差を大きくすることが可能である。そのため、サンドブラスト加工を施した現像スリーブに比べて、長時間使用での摩耗の影響を受けにくく、現像剤の搬送能力の安定化が可能となる。
また、溝の代わりに、磁性キャリアが入り込む複数の凹部が均等に配された現像スリーブも提案されている(特許文献2参照)。この現像スリーブでも、溝を備えた現像スリーブと同様に、サンドブラスト加工を施した現像スリーブに比べて現像スリーブを変形させることなく凹凸の高低差を大きくすることが可能であり、現像剤の搬送能力の安定化が可能となる。
特開平02−50182号公報 特開2007-93705号公報
しかしながら、上述した特許文献1の現像スリーブでは、表面の溝の凹凸の高低差が大きく現像剤の搬送能力が高すぎることで、現像スリーブと規制ブレードのギャップ(SBギャップ)を小さくしなければ、現像スリーブ上の現像剤量が多くなってしまう。このため、現像スリーブと規制ブレードとのギャップを小さくしなければならないという課題を生じてしまう。
特に高画質化の要求に対し、現像スリーブ上の現像剤と感光ドラム上に形成されたトナー像との摺擦による粒状性の悪化を極力避けるために、近年、現像スリーブ上の現像剤量を少なくする傾向にある。このようなスリーブ上の現像剤の薄層化の要求に対しては、現像スリーブと規制ブレードとのギャップは、より一層小さくなる傾向にある。しかし、現像スリーブと規制ブレードのギャップを小さくし過ぎると、規制ブレード部に異物が詰まり、現像スリーブ上のコートを阻害してしまう虞がある。
一方、現像スリーブと規制ブレードのギャップを広げるために、溝の深さを浅くしてしまうと、搬送能力が低下してしまい、コートが不安定になったり、コートしなくなったりする虞がある。また、現像スリーブの表面の溝の本数を減らすことでも規制ブレードのギャップを広げることはできるが、この場合は溝ピッチの濃度ムラが画像に出やすくなってしまう。この原因としては、溝の本数が少なくなったことで、溝の部分に現像剤が溜まりやすくなったため、また、溝と溝との間隔が広くなり溝のない非溝部が目立ちやすくなり画像上の溝ピッチの視認性が増してしまうためである。
また、上述した特許文献2の現像スリーブについても、特許文献1の現像スリーブと同様の課題を発生する虞がある。即ち、特許文献2の現像スリーブの表面の凹部の凹凸の高低差が大きく現像剤の搬送能力が高すぎることで、SBギャップを小さくしなければ、現像スリーブ上の現像剤量が多くなってしまう。
本発明は、搬送能力が高すぎて現像スリーブと規制ブレードとのギャップを小さくすることなく、搬送能力が低すぎて現像剤のコートを不安定にすることなく、溝や凹部のピッチによる濃度ムラを発生させることのない現像装置を提供することを目的とする。
本発明の現像装置は、非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する現像剤を担持して搬送する現像剤担持体を備え、前記現像剤担持体は、前記現像剤担持体の表面から凹んで設けられ、前記現像剤担持体の搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能な第1の引っ掛け部と、前記表面から凹んで設けられ、前記搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能であると共に、前記第1の引っ掛け部のキャリアに対する搬送能力より低い搬送能力を有する第2の引っ掛け部と、を有し、前記第1の引っ掛け部と前記第2の引っ掛け部とは、規則的に前記搬送方向に繰り返される位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、第1の引っ掛け部と、第1の引っ掛け部よりも搬送能力の低い第2の引っ掛け部とが、規則的に搬送方向に繰り返される位置に配置されている。このため、搬送能力の高い第1の引っ掛け部の増加を抑制できるので、搬送能力が高すぎて現像スリーブと規制ブレードとのギャップを小さくしなければならないことを回避できる。また、搬送能力の低い第2の引っ掛け部の増加を抑制できるので、搬送能力が低すぎて現像剤のコートを不安定にしてしまうことを防止できる。更に、第1の引っ掛け部及び第2の引っ掛け部が規則的に繰り返して配置されるので、引っ掛け部のピッチを適正な程度にでき、引っ掛け部のピッチによる濃度ムラの発生を抑制できる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る現像スリーブの表面部を示す拡大断面図であり、(a)は第1の溝、(b)は第2の溝を示す。 (a)は第1の実施形態に係る現像スリーブの表面部を示す拡大断面図、(b)は第1の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図である。 第1の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は比較例1、(e)は比較例2、(f)は比較例3である。 第1の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図であり、(a)は実施例4、(b)は実施例5、(c)は比較例4、(d)は比較例5である。 (a)は第2の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図。(b)は第2の実施形態に係る現像スリーブの溝の配置を示す概略の側面図である。 (a)は第3の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図、(b)は第3の実施形態に係る現像スリーブの溝の配置を示す概略の側面図である。 (a)は第4の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図、(b)は第4の実施形態に係る現像スリーブの溝の配置を示す概略の側面図である。 (a)は第5の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図、(b)は第6の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図である。 第7の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図であり、(a)は第1の溝及び第2の溝、(b)は断面U字形状の溝、(c)は側面が傾斜した断面略U字形状の溝である。 (a)は第8の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図、(b)は第8の実施形態に係る現像スリーブの表面部を示す拡大断面図、(c)は第8の実施形態に係る現像スリーブの凹部の配置を示す概略の側面図である。 第8の実施形態に係る現像スリーブの変形例の表面部を示す拡大断面図である。 (a)は第9の実施形態に係る現像スリーブを示す概略の斜視図、(b)は第9の実施形態に係る現像スリーブの凹部の配置を示す概略の側面図である。 (a)は第10の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図、(b)は第10の実施形態に係る現像スリーブの表面部の拡大断面図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の現像装置を、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。尚、第1の実施形態では、現像装置を、画像形成装置の一例としてタンデム型のフルカラープリンタに適用した場合について説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置の現像装置に限られず、他の方式の画像形成装置の現像装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。あるいは、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。また、本実施形態では、画像形成装置1は、中間転写ベルト44bを有し、感光ドラム51から中間転写ベルト44bに各色のトナー像を一次転写した後、各色の複合トナー像をシートSに一括して二次転写する方式としている。但し、これには限られず、シート搬送ベルトで搬送されたシートに感光ドラムから直接に転写する方式を採用してもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体10と、シート給送部30と、画像形成部40と、不図示のシート搬送部と、シート排出部60と、制御部70とを備えている。尚、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である合成樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
シート給送部30は、装置本体10の下部に配置されており、シートSを積載して収容するシートカセット31と、給送ローラ32とを備え、シートSを画像形成部40に給送する。
画像形成部40は、画像形成ユニット50y,50m,50c,50kと、トナーボトル41y,41m,41c,41kと、露光装置42y,42m,42c,42kと、中間転写ユニット44と、二次転写部45と、定着部46とを備えている。画像形成部40は、画像情報に基づいてシートSに画像を形成可能である。なお、本実施形態の画像形成装置1は、フルカラーに対応するものであり、画像形成ユニット50y,50m,50c,50kは、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。このため、図1中では4色の各構成について同符号の後に色の識別子を付して示すが、図2乃至図4、及び明細書中では色の識別子を付さずに符号のみで説明する場合もある。
本実施形態では、現像剤として、非磁性のトナーと磁性のキャリアとの混合物である二成分現像剤を使用している。トナーとしては、粒径4μm以上、10μm以下のものが好適であり、本実施形態では、重量平均粒径が6μmのカラー複写機用トナーを用いている。トナーの重量平均粒径をMとし、トナーの粒径をrとする。このとき、より鮮明なカラー像を形成するためには、1/2M<r<2/3Mの範囲に90重量%以上のトナー粒子が含まれると共に、0<r<2Mの範囲に99重量%以上のトナー粒子が含まれていることが好ましい。トナーに使用される結着樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、又はスチレン−メタクリル酸エステル樹脂の如きスチレン系共重合体又はポリエステル樹脂が例示される。カラートナーの定着時における混色性を考慮した場合、ポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するので好ましい。
キャリアは、体積分布基準の平均粒径(50%粒径:D50)が25〜50μmであるものが好適であり、本実施形態では、体積平均粒径35μmのものを用いている。以下、キャリアの粒径と述べた場合は、明示しない限り体積平均粒径のことを指すものとする。このようなキャリア粒子としては、フェライト粒子(最大磁化230emu/cm程度のCu−Znフェライト)、又はこれに薄く樹脂コーティングしたものを好適に使用できる。磁性キャリアの体積分布基準の平均粒径(50%粒径:D50)は、例えばマルチイメージアナライザ(ベックマン・コールタ社製)を用いて、以下のように測定される。
粒度分布測定は、レーザ回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。測定には、鑑識測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件としては、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力17kPaとした。制御は、ソフトウェア上で自動的に行う。粒径は体積分布基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。測定条件は、例えば、以下の通りである。SetZero時間:10秒、測定時間:10秒、測定回数:1回、粒子屈折率:1.81、粒子形状:非球形、測定上限:1208μm、測定下限:0.243μm、測定環境:常温常湿環境(23℃、50%RH)。
尚、キャリアとしては、バインダ樹脂と磁性金属酸化物や非磁性金属酸化物などからなる樹脂磁性キャリアを用いてもよい。樹脂磁性キャリアは、フェライト粒子に比べて最大磁化が小さく、190emu/cm程度であることが特徴である。そのため、隣り合う磁気ブラシの磁気的な相互作用が小さく、その結果、磁気ブラシの穂が緻密、かつ短くなることで、画像としては濃度ムラ等のない解像度が高い画像を提供できる。
画像形成ユニット50は、4色のトナー画像を形成するための4個の画像形成ユニット50y,50m,50c,50kを含んでいる。各画像形成ユニット50は、トナー画像を形成する感光ドラム51と、帯電ローラ52と、現像装置53と、規制ブレード59とを備えている。
感光ドラム51は、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を持つよう形成された感光層を有し、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。本実施形態では、感光ドラム51は、矢示方向に273mm/secのプロセススピード(周速度)で回転する。
帯電ローラ52は、感光ドラム51の表面に接触して、感光ドラム51の表面を、例えば、一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。感光ドラム51の表面は、帯電後、露光装置42y,42m,42c,42kによって画像情報に基づいて形成される。感光ドラム51は、形成された静電像を担持して、周回移動し、現像装置53によってトナーで現像される。現像装置53の詳細な構成については、後述する。
現像されたトナー像は、後述する中間転写ベルト44bに一次転写される。一次転写後の感光ドラム51は、不図示の前露光部によって表面を除電される。規制ブレード59は、感光ドラム51の表面に接して配置され、一次転写後の感光ドラム51の表面に残留する転写残留トナー等の残留物を清掃する。
中間転写ユニット44は、画像形成ユニット50y,50m,50c,50kの下方に配置されている。中間転写ユニット44は、駆動ローラ44aや従動ローラ44d、1次転写ローラ44y,44m,44c,44k等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト44bとを備えている。1次転写ローラ44y,44m,44c,44kは、感光ドラム51y,51m,51c,51kにそれぞれ対向して配置され、中間転写ベルト44bに当接する。
中間転写ベルト44bに1次転写ローラ44y,44m,44c,44kによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光ドラム51y,51m,51c,51k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト44bに多重転写される。これにより、中間転写ベルト44bは、感光ドラム51y,51m,51c,51kの表面で静電像を現像して得られたトナー像を転写して移動する。
二次転写部45は、二次転写内ローラ45aと、二次転写外ローラ45bとを備えている。二次転写外ローラ45bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写する。定着部46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えている。定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持され搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱及び加圧されてシートSに定着される。
シート排出部60は、排出経路の下流側に配置された排出ローラ対61と、装置本体10の側部に配設された排出口62及び排出トレイ63とを備えている。排出ローラ対61は、排出経路から搬送されるシートSをニップ部から給送し、排出口62から排出可能である。排出口62から排出されたシートSは、排出トレイ63に積載される。
制御部70はコンピュータにより構成され、例えばCPUと、各部を制御するプログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、外部と信号を入出力する入出力回路とを備えている。CPUは、画像形成装置1の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPUは、入出力回路を介して、シート給送部30、画像形成部40、シート搬送部、シート排出部60、操作部に接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御する。
次に、このように構成された画像形成装置1における画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、まず感光ドラム51が回転して表面が帯電ローラ52により帯電される。そして、露光装置42y,42m,42c,42kにより画像情報に基づいてレーザ光が感光ドラム51に対して発光され、感光ドラム51の表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化され、中間転写ベルト44bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ32が回転し、シートカセット31の最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト44bのトナー画像にタイミングを合わせて、搬送経路を介してシートSが二次転写部45に搬送される。更に、中間転写ベルト44bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着部46に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着され、排出ローラ対61により排出口62から排出されて排出トレイ63に積載される。
次に、現像装置53について、図2に基づいて詳細に説明する。現像装置53は、現像剤Dを収容する現像容器54と、第1及び第2の搬送スクリュ55,56と、現像スリーブ(現像剤担持体)20とを有している。現像容器54は、感光ドラム51に対向する位置に、現像スリーブ20が露出する開口部54aを有している。本実施形態では、現像剤担持体として断面円形の現像スリーブ20を採用しているが、これには限られず、現像剤担持体としては例えばベルトを適用してもよい。
現像容器54には、トナーが充填されたトナーボトル41(図1参照)からトナーが供給される。現像容器54は、略中央部にて長手方向に延在する隔壁57を有している。現像容器54は、この隔壁57によって水平方向に現像室54bと攪拌室54cとに区画されている。現像剤Dは、これら現像室54b及び攪拌室54cに収容されている。現像室54bは、現像スリーブ20に現像剤Dを供給する。攪拌室54cは、現像室54bに連通し、現像スリーブ20からの現像剤Dを回収して攪拌する。
第1の搬送スクリュ55は、現像室54bに現像スリーブ20の軸方向に沿って現像スリーブ20と略平行に配置され、現像室54b内の現像剤Dを攪拌しつつ搬送する。第2の搬送スクリュ56は、攪拌室54c内に第1の搬送スクリュ55の軸と略平行に配置され、攪拌室54c内の現像剤Dを第1の搬送スクリュ55と反対方向に搬送する。即ち、現像室54bと攪拌室54cとは、現像剤Dを撹拌しつつ搬送する現像剤Dの循環経路を構成している。トナーは、キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
また、攪拌室54cの壁部には、トナー濃度検知センサ58(インダクセンサ)が設けられている。トナー濃度検知センサ58は、現像容器54内のトナー量を検知可能であり、検知結果を制御部70(図1参照)に送信する。
現像スリーブ20は、非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する現像剤Dを担持して搬送する。現像スリーブ20の搬送方向Rは、回転方向であり、長手方向に直交する方向である。現像スリーブ20は、例えばアルミニウムや非磁性ステンレス等の非磁性材料で構成され、本実施形態ではアルミニウム製としている。また、本実施形態では、現像スリーブ20は直径20mmであり、現像スリーブ20と感光ドラム51とが近接して対向する領域である現像部23の最短間隔は約300μmである。これにより、現像部23に搬送した現像剤Dを、磁気ブラシ状態で感光ドラム51と接触させて現像が行なえるように設定されている。即ち、二成分磁気ブラシ現像法では、現像剤Dは、現像時に磁性体のキャリアがマグネットローラ24の磁束に拘束されて現像スリーブ20の表面に担持される。現像スリーブ20の表面では、正極性に帯電したキャリアの表面に負極性に帯電したトナーが静電気的に拘束されて磁気ブラシを形成する。そして、現像スリーブ20に印加する直流電圧と感光ドラム51の静電潜像との間に電位差を設けることにより、潜像を可視像化する。尚、本実施形態では、現像スリーブ20は直径20mmの場合について説明したが、これに限られないのは勿論である。
現像スリーブ20は、感光ドラム51の表面の移動方向と順方向(矢印方向)で回転し、対感光ドラム周速比は、1.75倍としている。対感光ドラム周速比は、大きいほど現像効率がアップするが、大き過ぎるとトナー飛散、現像剤劣化等が発生するため、0.5〜2.0倍の間に設定することが好ましい。
現像スリーブ20には、現像効率(静電像へのトナーの付与率)を向上させるために、−500Vの直流電圧に、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vpp=1300V、周波数f=12kHzの交流電圧を重畳した現像電圧が印加されている。また、一般に、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆に白地かぶりトナーが発生し易くなる。このため、現像スリーブ20に印加する直流電圧と感光ドラム51の帯電電位(即ち、白地部電位)との間に電位差を設けることにより、白地かぶりトナーを防止している。尚、直流電圧及び交流電圧の組み合わせは、これらに限られるものではない。
現像スリーブ20の内側には、ローラ状のマグネットローラ24が現像容器54に対して非回転状態で固定設置されている。マグネットローラ24は、表面に複数の磁極N1、S1、N2、S2、N3を有している。現像極S2は、現像部23において感光ドラム51に対向して配置される。磁極S1は、規制ブレード59に対向して配置される。磁極N2は、磁極S1及び現像極S2の間に配置される。磁極N1及び磁極N3は、現像室54bに対向して配置される。本実施形態では、現像に供されるS2極の磁束密度を100mTとし、他の磁極の磁束密度を40mT〜70mTとしている。
現像極S2が現像部23に形成する現像磁界により、感光ドラム51の略対向位置に現像剤Dの磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが現像領域で矢印方向に回転する感光ドラム51に静電潜像を現像する。現像領域を通過した現像剤Dは、隣り合う磁極が異極となるように配置されたマグネットローラ24の磁極N3のような磁極によって現像スリーブ20上を搬送され、磁極N3と磁極N1とが形成する反発磁界によって現像スリーブ20上から剥ぎ落される。剥ぎ落された現像剤Dは、攪拌室54cで攪拌及び搬送され、再び現像室54bから現像スリーブ20に供給される。
現像容器54における開口部54aの上部、即ち、感光ドラム51に対向する現像部23の回転方向上流には、規制ブレード59が設けられている。規制ブレード59は、先端を現像スリーブ20に対して所定の隙間を空けた状態で固定され、現像スリーブ20の表面に担持された現像剤Dの磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制する。規制ブレード59は、現像スリーブ20の長手方向に配置した非磁性の金属板(アルミニウム板)からなり、規制ブレード59の先端部と現像スリーブ20との間を現像剤Dが通過して現像領域へ送られる。本実施形態では、規制ブレード59の厚みは、例えば1.2mmとしている。
規制ブレード59の先端と現像スリーブ20の表面とのギャップを調整することによって、現像スリーブ20に担持されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。ここでは、現像スリーブ20上の単位面積当りの現像剤コート量を、0.3mg/mmに調整している。現像剤コート量としては、画像の粒状性の観点で規制ブレード59の通過後の単位面積あたりの現像剤量が0.3±0.2mg/mmの範囲で設定することが好ましい。また、その時の規制ブレード59と現像スリーブ20のギャップは、0.2mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3mm以上である。これは、規制ブレード59と現像スリーブ20のギャップが小さいと、異物等が詰まりやすく画像に影響を与える可能性があるからである。
尚、規制ブレード59として磁性板からなる磁性ブレードや非磁性板と磁性板を貼りあわせたブレードを用いた場合、磁性板の効果で現像剤が磁性板位置に留まろうとするため、現像スリーブ20の現像剤Dの搬送能力が低下する。このため、規制ブレード59と現像スリーブ20のギャップを大きくすることが可能であるが、磁性板位置に現像剤Dが滞留しやすいため、現像剤Dが劣化しやすくなる虞がある。このため、上記のような磁性板からなる磁性ブレードや非磁性板と磁性板を貼りあわせたブレードを用いず、磁性板位置に現像剤Dを滞留させずに、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げられることが好ましい。
ここで、現像スリーブ20の表面部に溝や凹み(以下、溝等という)を設けた場合は、溝等を設けない場合よりも搬送能力が高くなりやすく、結果として規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップが小さくなりやすい。一方、溝等の深さや開口幅を小さくするなどして搬送能力を低下すれば、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げることが可能となるが、搬送能力を低下しすぎると現像スリーブ20の現像剤Dのコート状態が不安定になる虞がある。また、溝等の数を少なくすることで搬送能力を低下することも可能ではあるが、この場合は溝等のピッチの濃度ムラが画像に出やすくなってしまう。従って、搬送能力を適正に保ちつつ、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げることが望まれている。
溝等の深さや開口幅を小さくすることで、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げることが可能となるが、溝等の深さや開口幅を小さくし過ぎると、搬送能力が低下し現像スリーブ20の現像剤Dのコート状態が不安定になりやすい。現像剤Dのコート状態が不安定になる理由としては、現像剤Dが現像スリーブ20の溝に引っ掛かりにくくなるためと考えられる。現像剤Dのコート状態を安定化させるには、現像剤Dが溝等に引っ掛かる必要があるが、現像剤Dが溝等に引っ掛かるためには、現像剤Dの搬送の担い手であるキャリアが溝等に引っ掛かる必要がある。
尚、本明細書中で、溝21,22とは、例えば図4に示すように、表面20aより凹んだ形状であると共に、凹みが連続した長手形状であって、多くの部分では一部が表面20aに囲まれていない形状を意味する。また、本明細書中で凹部261,262とは、例えば図12に示すように、表面260aより凹んだ形状であると共に、全周が表面260aに囲まれて閉じている形状を意味する。
以下、現像スリーブ20の表面部に溝を形成した場合について説明する。図3(a)に示すように、現像スリーブ20の表面部において、深さD、開口幅Wの第1の溝21を形成する。また、図3(b)に示すように、現像スリーブ20の表面部において、深さD、開口幅Wの第2の溝22を形成する。尚、各開口幅W,Wは、各溝21,22の搬送方向Rの開口した長さである。このとき、キャリアの体積平均粒径(直径)を2Rとする。本実施形態では、各溝21,22は、半径を中心に対称的な断面V字形状であり、溝21,22の斜面の傾斜角度を同じに設定している。
この場合、コート状態を安定させるために、現像剤DのキャリアCが第1の溝21に引っ掛かるためには、深さD及び開口幅WのいずれもがキャリアCの体積平均粒径2R以上であることが好ましい。これにより、第1の溝21に対するキャリアCの引っ掛かりが強くなり、現像剤Dのコート状態が安定する。但し、この場合は、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップが狭くなる虞がある。
一方、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広くするために、キャリアCを第2の溝22の引っ掛かりを弱くするためには、深さD及び開口幅Wの少なくとも一方がキャリアCの体積平均粒径2R未満であることが好ましい。これにより、第2の溝22に対するキャリアCの引っ掛かりが弱くなり、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広くできる。但し、この場合は、現像剤Dのコート状態が不安定となりやすい。
そこで、第1の溝21のみを設け、その本数を減らしていけば、現像剤Dのコート状態を安定させたまま、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広くすることが可能である。しかしながら、第1の溝21の本数を少なした場合は、第1の溝21のピッチの濃度ムラが画像に出やすくなる虞がある。この原因は、第1の溝21の本数が少なくなったことで、各溝21に多くの現像剤Dが溜まりやすくなり、各溝21に磁気穂が集中するとともに、溝21同士の間隔が広くなり溝21のない非溝部が目立ちやすくなるためである。その結果、磁気穂の集中した溝21の部分の画像が濃く、非溝部の部分の画像が薄くなり、溝ピッチの濃度ムラのある画像が出やすくなってしまう。特に、現像スリーブ20の円周長Lに対する溝21の開口幅Wの総和の比率で表される溝比率αが、0.1以下になると、溝ピッチの濃度ムラが出やすい。
これに対し、本願発明者が鋭意検討した結果、深さ及び開口幅の異なる2種類の溝21,22を組み合わせることを発案した。即ち、図4(a)に示すように、本実施形態の現像スリーブ20は、現像スリーブ20の表面部に形成された第1の溝21(第1の引っ掛け部)及び第2の溝(第2の引っ掛け部)22を有している。図4(b)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22は、平行に配置されると共に、現像スリーブ20の搬送方向Rに直交する方向、即ち回転軸に対して平行な方向を長手方向として、複数本ずつ配置されている。
第1の溝21は、現像スリーブ20の表面20aから凹んで設けられ、現像スリーブ20の搬送方向RにキャリアCを引っ掛けて搬送可能であり、キャリアCに対する所定の搬送能力を有している。第2の溝22は、表面20aから凹んで設けられ、搬送方向RにキャリアCが引っ掛けて搬送可能であると共に、第1の溝21のキャリアCに対する搬送能力より低い搬送能力を有している。本実施形態では、第1の溝21は、深さD≧2R、かつ、開口幅W≧2Rの関係を満たす。第2の溝22は、深さD<2R及び開口幅W<2Rの少なくとも一方の関係を満たす。
第1の溝21と第2の溝22とは、規則的に搬送方向Rに繰り返される位置に配置されている。本実施形態では、1本の第1の溝21と2本の第2の溝21との3本の溝を順に等間隔のピッチにより搬送方向Rに繰り返して配置されている。即ち、搬送能力の高い第1の溝21の本数を比較的少なくし、代わりに、第1の溝21に比べキャリアCが引っ掛かりにくく搬送能力が低い第2の溝22を、第1の溝21同士の間に配置している。
本実施形態では、第1の溝21を略等間隔に配置した後、第2の溝22を第1の溝21の間に略等間隔のピッチになるように規則正しく配置している。第1の溝21が周方向の1か所に集中する等、不規則な配置を行うと、その不規則性に起因する濃度ムラが形成された画像に現われる可能性があるためである。そのため、第1の溝21と第2の溝22を組み合わせたユニット20uが、現像スリーブ20の上に連続して繰り返し配置された形状であることが好ましい。
これにより、搬送能力の高い第1の溝21の存在により、全体としては現像剤のコート状態は安定させることができる。そして、搬送能力の高い第1の溝21の本数を減らすことで規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広くでき、また、第1の溝21の間に配置された第2の溝22の存在により、溝ピッチの濃度ムラを発生しにくくできる。
第2の溝22は、深さD<2R及び開口幅W<2Rの少なくとも一方の関係を満たすので、キャリアCに対する引っ掛かりが弱く、搬送能力が低い。そのため、第2の溝22を設けても、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げることができる。一方で、弱いながらも引っ掛かりはあるため、非溝部にも一定量の現像剤が存在するようになり、溝ピッチの濃度ムラを発生しにくくすることができる。但し、引っ掛かりが弱すぎると、第2の溝22を設けた効果が薄まり、溝ピッチの濃度ムラが発生しやすくなってしまう虞がある。そのため、第2の溝22の開口幅Wは、キャリアCの直径2Rの1/3(=2R/3)よりも大きくすることが好ましい。また、第2の溝22の深さDも、磁性キャリアの直径2Rの1/3(=2R/3)よりも大きくすることが好ましい。即ち、2R/3<D<2R及び2R/3<W<2Rの少なくとも一方の関係を満たすことが好ましい。
更に、第2の溝22については、深さD<2R、かつ、開口幅W<2Rのように、溝の幅W2と溝の深さD2の両方が同時に小さくなると、キャリアCの引っ掛かりが弱くなりすぎる場合がある。そのため、深さDか開口幅Wの片方のみが小さくなる形状とすることで、キャリアCが弱いながらも引っ掛かりがあるという第2の溝22に求められる機能を、より満たしやすくすることができる。尚、深さDか開口幅Wの片方のみが小さくなる形状とは、深さD<2R、かつ、開口幅W≧2R、あるいは、深さD≧2R、かつ、開口幅W<2Rとなる形状を意味する。
第1の溝21の溝比率αは、現像スリーブ20の断面における円周長Lに対する第1の溝21の部分の開口幅Wの総和の比率で表される。即ち、第1の溝21の本数をnとした場合に、開口幅Wの総和はW×nで表される。そして、本実施形態では、0.05≦W×n/L≦0.1の関係を満たすようにしている。第1の溝21の溝比率αを0.1以下とすることで、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広くすることが可能となる。また、搬送能力の高い第1の溝21の本数を減らし過ぎると、現像剤のコート状態が不安定になりやすくなるので、第1の溝21の溝比率αを0.05以上とすることが好ましい。
第2の溝22の溝比率αは、現像スリーブ20の断面における円周長Lに対する第2の溝22の部分の開口幅Wの総和の比率で表される。即ち、第2の溝22の本数をnとした場合に、開口幅Wの総和はW×nで表される。そして、本実施形態では、0.1≦(W×n+W×n)/Lの関係を満たすようにしている。α+αを0.1以上とすることで、分散効果により一つ一つの溝部に磁気穂が集中することを防止でき、溝ピッチの濃度ムラを抑制できる。
尚、現像スリーブ20の表面部の全体で溝21,22の本数を増やし、溝21,22同士の間隔を狭くすることでも溝ピッチの濃度ムラを抑制できる。しかしながら、第1の溝21の本数を増やすと、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップが小さくなってしまう虞がある。このため、溝を増やす場合は、第2の溝22の本数を増やすことで、全体の溝の本数を増やし、溝ピッチを小さくすることが好ましい。そのため、第1の溝21の本数と第2の溝22の本数とが同じか、第2の溝22の本数が第1の溝21の本数より多くなるよう構成することが好ましい。即ち、第1の溝21の本数をn、第2の溝22の本数をnとした場合に、n≦nの関係を満たすことが好ましい。より好ましくは、n/n≧2となることが好ましい。
次に、上述した現像スリーブ20の作用を説明する。
図2に示すように、現像室54bに収納された現像剤Dは、搬送スクリュ55により攪拌及び搬送されて、マグネットローラ24の磁力によって現像スリーブ20の表面に担持される。この時、図3(a)(b)に示すように、現像スリーブ20の表面部では、第1の溝21及び第2の溝22にキャリアCが入り込み、磁気ブラシを形成する。この時、第1の溝21は、深さD≧2R、かつ、開口幅W≧2Rの関係であるので、キャリアCが強く引っ掛かり、現像剤Dのコート状態が安定する。また、第2の溝22は、深さD<2R及び開口幅W<2Rの少なくとも一方の関係を満たすので、キャリアCに対する引っ掛かりが弱く、搬送能力が低く、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップを広げることができる。一方で、第2の溝22は、弱いながらも引っ掛かりはあるため、非溝部にも一定量の現像剤が存在するようになり、溝ピッチの濃度ムラが発生しにくくなる。
現像スリーブ20は回転し、現像スリーブ20の表面に担持された現像剤Dは、規制ブレード59(図2参照)によって磁気ブラシを穂切りされ、現像剤Dの層厚が規制される。更に、現像スリーブ20は回転し、磁気ブラシが感光ドラム51(図2参照)に接触し、感光ドラム51の静電潜像がトナーにより現像される。
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、第1の溝21と、第1の溝21よりも搬送能力の低い第2の溝22とが、規則的に搬送方向Rに繰り返される位置に配置されている。このため、搬送能力の高い第1の溝21の増加を抑制できるので、搬送能力が高すぎて現像スリーブ20と規制ブレード59とのギャップを小さくしなければならないことを回避できる。また、搬送能力の低い第2の溝22の増加を抑制できるので、搬送能力が低すぎて現像剤Dのコートを不安定にしてしまうことを防止できる。更に、第1の溝21及び第2の溝22が規則的に繰り返して配置されるので、溝21,22のピッチを適正な程度にでき、溝21,22のピッチによる濃度ムラの発生を抑制できる。
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、各溝21,22は現像スリーブ20の回転軸に対して平行に延びる形状としている。このため、各溝21,22が現像スリーブ20の回転軸に対して平行以外の角度を有して延びる形状である場合と異なり、搬送能力の高い第1の溝21と搬送能力の比較的低い第2の溝22とが交差することがない。このため、第2の溝22が搬送能力の低さを維持できるので、搬送能力が高すぎて現像スリーブ20と規制ブレード59とのギャップを小さくしなければならないことを回避できる。
上述した実施形態の画像形成装置1では、第1の溝21と第2の溝22との2種類のみの寸法の溝が配置された現像スリーブ20について説明したが、これには限られず、3種以上の寸法の溝が配置された現像スリーブとしてもよい。その場合、各溝の開口幅W及び深さDの両方について、磁性キャリアの粒径(直径)よりも大きい溝をまとめて第1の溝とし、その他の溝をまとめて第2の溝とすれば、本実施形態の2種の溝の場合と同様に扱うことができる。但し、溝の開口幅または深さが磁性キャリアの粒径の1/3より小さければ、その溝の存在を無視しても良い。
次に、上述した第1の実施形態の画像形成装置1を用いて、第1の溝21及び第2の溝22の各本数n,n、深さD,D及び開口幅W,Wを変更し、各寸法において所定の評価点について評価した。評価に用いた現像剤は、先に述べたトナーとフェライトからなる磁性のキャリアCとが、重量比率でP=0.1と(1−P)=0.9との割合で混合されたものを使用した。また、キャリアCの粒径(直径)は35μmであった。評価点としては、規制ブレード59と現像スリーブ20とのギャップの距離(以下、SBという)、現像剤のコート状態、溝ピッチの濃度ムラとした。ここでの溝ピッチPは、溝の種類を問わずに隣接する溝の平均間隔であり、現像スリーブ20の円周長Lを第1の溝21と第2の溝22の合計本数(n+n)で割ったものとする。実施例1〜3の寸法を表1に、比較例1〜3の寸法を表2に、それぞれ示す。
SBの評価に関しては、規制ブレード59を通過後の現像スリーブ20上の現像剤量をM/S=0.3mg/mm(=30mg/cm)となるよう設定した場合に、各現像スリーブ20を用いた時のSBをどのように設定可能かで評価した。そして、SB=0.2mm以上に設定できなかった場合は×、SB=0.2mm以上に設定できた場合は○、SB=0.3mmよりも大きく設定できた場合は◎とした。現像剤のコート状態の評価に関しては、現像スリーブ20上のコート状態を目視で評価した。ムラの無い状態は◎、ムラが発生し画像に影響がある状態を×とした。画像に影響がないレベルだが、軽微なコートのムラが生じはじめた状態は○とした。溝ピッチの濃度ムラの評価に関しては、濃度(OD)が0.6程度の画像形成を行い、溝ピッチの濃度ムラの有無を評価した。濃度ムラが無い状態を◎、濃度ムラがある状態を×とした。濃度ムラはほとんどないが、軽微な濃度ムラが生じ始めた状態は○とした。実施例1〜3の結果を表1に、比較例1〜3の結果を表2に、それぞれ示す。
Figure 2017156587
(実施例1)
図5(a)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝21は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝22は、本数n:100本、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmとし、溝比率αは0.064となった。この場合、全溝比率(α+α):0.144、溝ピッチ:0.418mmとなった。その結果、第1の溝21の溝比率αが0.080であって、0.1以下であるため、SB=0.35mmと、SBを0.3mm以上に設定できた。また、コート状態も安定していた。更に、全体の溝比率(α+α)は0.144であって、0.1以上であり、かつ、溝ピッチも0.418と小さかったため、溝ピッチの濃度ムラも発生しなかった。
(実施例2)
図5(b)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝21は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝22は、本数n:100本、開口幅W:0.03mm、深さD:0.04mmとし、溝比率αは0.048となった。この場合、全溝比率(α+α):0.128、溝ピッチ:0.418mmとなった。その結果、SB及びコートの安定性は、実施例1と同様に良好であった。また、全体の溝比率(α+α)は0.128であって、0.1以上であり、かつ、溝ピッチPも0.418と小さかったため、溝ピッチPの濃度ムラも発生しなかった。
(実施例3)
図5(c)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝21は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝22は、本数n:100本、開口幅W:0.03mm、深さD:0.03mmとし、溝比率αは0.048となった。この場合、全溝比率(α+α):0.128、溝ピッチ:0.418mmとなった。また、第2の溝22は、深さD<2R、かつ、開口幅W<2Rという関係になった。その結果、SB及びコートの安定性は、実施例1と同様に良好であった。また、全体の溝比率(α+α)は0.128であって、0.1以上であり、かつ、溝ピッチPも0.418と小さかったため、溝ピッチPの濃度ムラも問題は無かったが、軽微な濃度ムラが生じはじめた状態であった。これは、深さD及び開口幅W共にキャリアCの直径以下であったため、第2の溝22に対するキャリアCの引っ掛かりが弱まり始めたためと考えられる。
Figure 2017156587
(比較例1)
図5(d)に示すように、第1の溝121の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝121は、本数n:150本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.239となった。第2の溝は、形成しなかった。この場合、全溝比率(α+α):0.239、溝ピッチ:0.418mmとなった。また、第1の溝121は、深さD≧2R、かつ、開口幅W≧2Rという関係になった。その結果、SBが0.2mm以下の小さな値にしか設定できなかった。この時、コート状態は安定し、溝ピッチの濃度ムラも発生しなかった。
(比較例2)
図5(e)に示すように、第2の溝122の各部の寸法は、以下の通りとした。第2の溝122は、本数n:150本、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmとし、溝比率αは0.096となった。第1の溝は、形成しなかった。この場合、全溝比率(α+α):0.096、溝ピッチ:0.418mmとなった。また、第2の溝122は、深さD<2R、かつ、開口幅W<2Rという関係になった。その結果、SBを0.3mm以上に設定できるようになった。一方で、現像スリーブ20上のコート状態が不安定になった。これは、深さD及び開口幅Wが両方ともキャリアCの直径より大きい状態ではないため、第2の溝22に対するキャリアCの引っ掛かりが弱いためと考えられる。
(比較例3)
図5(f)に示すように、第1の溝121の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝121は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝は、形成しなかった。この場合、全溝比率(α+α):0.080、溝ピッチ:1.256mmとなった。また、第1の溝121は、深さD≧2R、かつ、開口幅W≧2Rという関係になった。その結果、比較例1よりも本数が減少して搬送能力が低下したため、SBは0.3mm以上に設定できるようになった。この時、コート状態は安定していたが、一方で、溝ピッチの濃度ムラが発生した。これは、全溝比率が低下して0.1より小さくなったため、各溝に磁気穂が集中しやすくなると共に溝ピッチが広がったために、溝ピッチの濃度ムラが悪化したと考えられる。
次に、上述した第1の実施形態の画像形成装置1を用いて、実施例1〜3と同様に、第1の溝21及び第2の溝22の各本数n,n、深さD,D及び開口幅W,Wを変更し、各寸法において所定の評価点について評価した。実施例4,5の寸法及び結果を表3に、比較例4,5の寸法及び結果を表4に、それぞれ示す。
Figure 2017156587
(実施例4)
図6(a)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝21は、本数n:30本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.048となった。第2の溝22は、本数n:120本、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmとし、溝比率αは0.076となった。この場合、全溝比率(α+α):0.124、溝ピッチ:0.418mmとなった。その結果、第1の溝21の溝比率αが0.048であって、SB=0.45mmと大きな値に設定できたが、コート状態が画像に分からないレベルで軽微に不安定な状態となった。これは、第1の溝21を減らし過ぎたためと考えられる。従って、実施例4の第1の溝21の溝比率αは0.048であるが、αは0.05以上であることが好ましいことが確認された。
(実施例5)
図6(b)に示すように、第1の溝21及び第2の溝22の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝21は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝22は、本数n:50本、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmとし、溝比率αは0.032となった。この場合、全溝比率(α+α):0.112、溝ピッチ:0.628mmとなった。その結果、SB及びコート状態に関しては問題なかったが、溝ピッチの濃度ムラが軽微に出はじめた状態となった。これは、第2の溝22の本数を減らした結果、溝ピッチが0.628と大きくなり、溝ピッチの濃度ムラがやや出やすい状態になったためと考えられる。従って、溝ピッチの濃度ムラが出ない状態を維持するには、溝ピッチを0.5以下にしておくことが好ましいことが確認された。
Figure 2017156587
(比較例4)
図6(c)に示すように、第1の溝121の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝121は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝122は、本数n:100本、開口幅W:0.02mm、深さD:0.01mmとし、溝比率αは0.032となった。この場合、全溝比率(α+α):0.112、溝ピッチ:0.418mmとなった。また、第2の溝122は、深さD<2R、かつ、開口幅W<2Rという関係になった。その結果、SB及びコートの安定性は、実施例3と同様に良好であった。しかし、比較例4の現像スリーブ120では、溝ピッチの濃度ムラが発生した。これは第2の溝122の深さDが0.01mmで、キャリアCの粒径の1/3以下と小さくしすぎたため、第2の溝122が機能しなくなったためと考えられる。従って、第2の溝の深さDはキャリアCの直径2Rの1/3(=2R/3)よりも大きいことが好ましいことが確認された。
(比較例5)
図6(d)に示すように、第1の溝121の各部の寸法は、以下の通りとした。第1の溝121は、本数n:50本、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmとし、溝比率αは0.080となった。第2の溝122は、本数n:150本、開口幅W:0.01mm、深さD:0.02mmとし、溝比率αは0.024となった。この場合、全溝比率(α+α):0.104、溝ピッチ:0.418mmとなった。また、第2の溝122は、深さD<2R、かつ、開口幅W<2Rという関係になった。その結果、SB及びコートの安定性は、実施例3と同様に良好であった。しかし、比較例5の現像スリーブ120では、比較例4と同様に溝ピッチの濃度ムラが発生した。これは第2の溝122の開口幅Wが0.01mmで、キャリアCの粒径の1/3以下と小さくしすぎたため、第2の溝122が機能しなくなったためと考えられる。従って、第2の溝の開口幅WはキャリアCの直径2Rの1/3(=2R/3)よりも大きいことが好ましいことが確認された。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の現像スリーブ200を、図7を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態では、第1の溝201及び第2の溝202がそれぞれ交差している点で第1の実施形態と異なっているが、それ以外の構成については第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図7(a)では、各溝201,202の一部のみを示している。
本実施形態では、図7(a)に示すように、現像スリーブ200は、第1の溝201及び第2の溝202を有している。各溝201,202の開口幅及び深さとキャリアの直径との関係は、第1の実施形態と同様である。図7(b)に示すように、第1の溝201及び第2の溝202は、平行な複数の溝201,202を有するユニット同士が所定角度、例えば60°程度傾斜して交差して配置された所謂アヤメ形状のパターンで配置されている。本実施形態では、第1の溝201は、開口幅W:0.10mm、深さD:0.05mmであり、第2の溝202は、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmである。また、第1の溝201は、現像スリーブ200の回転軸に対して角度θ1で交差し、第2の溝202は、現像スリーブ200の回転軸に対して角度θ2で交差する。ここでは、θ1=−θ2=30°としている。
搬送能力の高い第1の溝201は右肩上がり及び右肩下がり共に30本ずつ、合計60本が一定間隔で配置されている。搬送能力の低い第2の溝202は、第1の溝201同士の間に2本ずつ、合計120本が一定間隔で配置されている。第1の溝201に対して開口幅Wや深さDが小さい第2の溝202が配置されることで、アヤメ形状の配置パターンの場合でも、搬送能力に差のある2種類の溝201,202を規則的に配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得られる。溝201,202がアヤメ形状の配置パターンである現像スリーブ200は、溝201,202が回転軸に対して傾いて配置されているため、回転軸に対して平行に配置された場合に比べて、回転方向への現像剤の搬送能力を弱めることができる。そのため、平行な溝の現像スリーブに比べて、アヤメ形状の配置パターンの現像スリーブ200は、SBが小さくなりにくく、溝201,202を密に構成できるので、溝ピッチムラを出にくくすることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の現像スリーブ210を、図8を参照しながら詳細に説明する。第3の実施形態では、第1の溝211及び第2の溝212が互いに交差している点、第1の溝211及び第2の溝212の開口幅W及び深さDが同じである点で第1の実施形態と異なっている。第3の実施形態のそれ以外の構成については第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図8(a)では、各溝211,212の一部のみを示している。
本実施形態では、図8(a)に示すように、現像スリーブ210は、第1の溝211及び第2の溝212を有している。図8(b)に示すように、第1の溝211及び第2の溝212は、開口幅W及び深さDを同じに設定しているが、溝211,212の角度を異ならせることで搬送能力を異ならせている。即ち、搬送能力の比較的高い第1の溝211と搬送能力の比較的低い第2の溝212とは、開口幅W及び深さDは同じであるが、第1の溝211の回転軸に対する角度θ3と第2の溝212の回転軸に対する角度θ4とが異なる。この時、|θ3|<|θ4|の関係である。
この現像スリーブ210では、第1の溝211、第2の溝212ともに開口幅:0.10mm、深さ:0.05mmと同じである。これに対し、第1の溝211の回転軸に対する角度θ3=0°(回転軸に平行)、第2の溝212の回転軸に対する角度θ4=45°としている。また、第1の溝211は50本、第2の溝212は60本で、各々規則的に配置している。
第1の溝211だけを設けた場合は、上述した比較例3と同じで、溝ピッチムラが発生したが、図8に示した現像スリーブ28では、回転軸に対する角度θ2=40°の第2の溝212が加わることで、溝ピッチムラを解消することができる。また、第2の溝212の回転軸に対して傾斜する角度θ4があることで、搬送能力が低下しているため、SBの増加を少なくすることができる。本実施形態では、第1及び第2の実施形態とは異なり、溝211,212の断面形状及び寸法を同じにしたまま回転軸に対する角度θ3,θ4を変えて搬送能力の大小を設けている。その結果、2種類の断面形状の作成を不要にでき、現像スリーブ210の製造工程を簡易化することができる。
搬送能力に差のある2種類の溝211,212を規則的に配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得るためには、第1の溝211は搬送能力がある程度必要である。このため、回転軸に対する角度(の絶対値)を、θ3=0〜45°の範囲に設定することが好ましい。角度θ3を45°よりも大きくすると、回転方向の搬送能力が十分得られなくなる。角度θ3は、30°以下とすることがより好ましい。一方、第2の溝212は搬送能力が必要ないため、回転軸に対する角度(の絶対値)をθ4=30〜70°の範囲に設定することが好ましい。角度θ4が30°よりも小さいと搬送能力が高くなり、第1の実施形態と同様の効果を十分に得られない場合がある。一方、角度θ4を70°よりも大きくすると、搬送能力が少なくなりすぎてしまい、第2の溝212を設けた効果が弱くなる。そのため、角度θ4は70°以下とするのが好ましく、θ3<θ4の関係を保つ必要がある。
また、搬送能力に差のある2種類の溝211,212を規則的に配置することによる効果を得るためには、搬送方向Rにおいて、第1の溝211と隣接する第1の溝211の間には必ず第2の溝212が存在することが必要である。第1の実施形態でも述べたように、第1の溝211同士の間に第2の溝212を配置する必要があるためである。第1の溝211と隣接する第1の溝211の間には必ず第2の溝212が存在するためには、第2の溝212の本数を第1の溝211の本数よりも多くしておけばよい。第3の実施形態では、第1の溝211の本数を50本、第2の溝212の本数を60本としているので、第1の溝211と隣接する第1の溝211の間に必ず第2の溝212が存在する。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の現像スリーブ220を、図9を参照しながら詳細に説明する。第4の実施形態では、第1の溝221及び第2の溝222の開口幅W及び深さDが異なる点で第3の実施形態と異なっている。第4の実施形態のそれ以外の構成については第3の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図9(a)では、各溝221,222の一部のみを示している。
本実施形態では、現像スリーブ220は、図8に示す第3の実施形態の現像スリーブ210に対して、第1の溝221に関しては、角度θ3、開口幅W、深さD、本数のいずれも同じにしている。一方、第2の溝222は、角度θ4は第3の実施形態と同じであるが、開口幅W:0.04mm、深さD:0.02mmと、第3の実施形態の現像スリーブ210に対して小さい値に変更するとともに、本数を120本に増やしている。第3の実施形態のように各溝211,212の寸法を同じくして角度だけを異ならせる場合に比べて、本実施形態のように各溝221,222の開口幅及び深さをも変更することで、第2の溝222の搬送能力をより効果的に下げることができる。但し、搬送能力が小さくなりすぎると、搬送能力に差のある2種類の溝221,222を規則的に配置することによる効果を十分得られない虞がある。そのため、第1の実施形態と同様に、第2の溝222の開口幅W又は深さDの一方のみが磁性キャリアCの径2Rよりも小さくなることが好ましい。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態の現像スリーブ230を、図10(a)を参照しながら詳細に説明する。第5の実施形態では、第1の溝231及び第2の溝232の側面の傾斜角度が異なる点で第1の実施形態と異なっている。第5の実施形態のそれ以外の構成については第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
本実施形態では、現像スリーブ230は、断面形状、特に搬送方向上流側面の傾斜角度θ5,θ6を異ならせた第1の溝231及び第2の溝232を有している。即ち、第1の溝231及び第2の溝232は、搬送方向上流側面の傾斜角度θ5,θ6を異ならせることで、キャリアCの搬送能力を異ならせている。本願発明者が検討した結果、溝によるキャリアの搬送能力は、溝の開口幅や深さだけでなく、溝の回転軸に垂直な面で切り取った断面の傾斜角度、特に溝の回転方向上流側面の傾斜角度θ5,θ6が影響することが判明した。ここでの回転方向上流側面の傾斜角度θ5,θ6とは、現像スリーブ230の表面230aに対して溝の上流側面が傾斜している角度を意味する。
本実施形態では、傾斜角度のより大きい第1の溝231は、開口幅W:0.084mm、深さD:0.05mm、傾斜角度θ5:50°に設定され、現像スリーブ230の周上に50本配置されている。第1の溝231は、溝の回転方向上流側面の傾斜角度θ5が大きいためキャリアCの搬送能力が高い。一方、傾斜角度のより小さい第2の溝232は、開口幅W:0.173mm、深さD:0.05mm、傾斜角度θ6:30°に設定され、現像スリーブ230の周上に50本、第1の溝231同士の間に規則的に配置されている。第2の溝232は、溝の回転方向上流側面の傾斜角度θ6が小さいためキャリアCの搬送能力が比較的低い。尚、各溝231,232は、断面が対称的なV字形状となっており、溝231,232の回転方向上流側面の傾斜角度と回転方向下流側面の傾斜角度は同じになっている。
本実施形態において搬送能力に差のある2種類の溝231,232を規則的に配置することによる効果を得るためには、第1の溝231は搬送能力がある程度必要であり、傾斜角度θ5=35〜90°の範囲に設定することが好ましい。傾斜角度θ5が35°よりも小さいと、回転方向の搬送能力を十分得られなくなる。傾斜角度θ5は、40°以下とすることがより好ましい。一方、第2の溝232は搬送能力が必要ないため、傾斜角度をθ6=15〜45°の範囲に設定することが好ましい。傾斜角度θ6が45°よりも大きいと、搬送能力が高すぎて効果を十分得られない虞がある。傾斜角度θ6を15°よりも小さくすると、搬送能力が低すぎて効果を十分に得られない虞があるので、15°以上とするのが好ましい。この時、θ5<θ6の関係を保つ必要がある。
本実施形態においても、搬送能力に差のある2種類の溝を規則的に配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。即ち、第1の実施形態では溝21,22の深さD等を変えることで搬送能力を変更したが、本実施形態では溝231,232の回転方向上流側面の傾斜角度を変えることで搬送能力を変更している。いずれも、搬送能力の異なる2種類の溝を配置している点では共通であるため、同様の効果を得ることができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態の現像スリーブ240を、図10(b)を参照しながら詳細に説明する。第6の実施形態では、第1の溝241及び第2の溝242の回転方向上流側面の傾斜角度と回転方向下流側面の傾斜角度が異なる点で第5の実施形態と異なっている。第6の実施形態のそれ以外の構成については第5の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
本実施形態では、第1の溝241の回転方向上流側面の傾斜角度θ7と回転方向下流側面の傾斜角度が異なっており、非対称な断面略V字形状である。また、第2の溝242の回転方向上流側面の傾斜角度θ8と回転方向下流側面の傾斜角度が異なっており、非対称な断面略V字形状である。これらの場合、回転方向上流側面の傾斜角度、開口幅、深さを独立して設定できるので、設計の自由度を向上することができる。尚、溝の搬送能力はキャリアCの引っ掛かりが起こる回転方向上流側面が大きく寄与するので、回転方向下流側面の傾斜角度が異なっていても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態の現像スリーブ250を、図11(a)を参照しながら詳細に説明する。第7の実施形態では、第1の溝251が断面V字形状ではなく台形形状である点で第5の実施形態と異なっている。第7の実施形態のそれ以外の構成については第5の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。本実施形態では、第2の溝252は、第5の実施形態と同様に、断面が対称的なV字形状となっており、第2の溝252の回転方向下流側面の傾斜角度と回転方向上流側面の傾斜角度は同じになっている。第1の溝251は、回転方向下流側面及び回転方向上流側面の他に、底面を有している。第1の溝251の回転方向下流側面の傾斜角度と回転方向上流側面の傾斜角度は同じになっており、断面は対称形になっている。この場合も、搬送能力に差のある2種類の溝251,252を規則的に配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、溝の形状としては、断面V字形状や断面台形状には限られず、例えば断面U字形状にしたり、あるいは各種の形状の溝を組み合わせて配置してもよい。例えば、溝としては、図11(b)に示すように、回転方向上流側面の傾斜角度θ9と回転方向下流側面の傾斜角度が90°である断面U字形状の例えば第1の溝253としてもよい。また、例えば、溝としては、図11(c)に示すように、回転方向上流側面の傾斜角度θ10と回転方向下流側面の傾斜角度が45°程度である断面略U字形状の例えば第1の溝254としてもよい。いずれの場合も、溝の搬送能力はキャリアCの引っ掛かりが起こる回転方向上流側面が大きく寄与するので、回転方向下流側面の傾斜角度が異なっていても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態の現像スリーブ260を、図12を参照しながら詳細に説明する。第8の実施形態では、第1及び第2の引っ掛け部が溝ではなく、凹部である点で第1の実施形態と異なっている。第8の実施形態のそれ以外の構成については第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図12(a)では、各凹部261,262の一部のみを示している。
図12(a)に示すように、現像スリーブ260は、第1の凹部(第1の引っ掛け部)261及び第2の凹部(第2の引っ掛け部)262を有している。第1の凹部261は、現像スリーブ260の表面260aから凹んで設けられ、現像スリーブ260の搬送方向RにキャリアCを引っ掛けて搬送可能であり、キャリアCに対する所定の搬送能力を有している。第2の凹部262は、表面260aから凹んで設けられ、搬送方向RにキャリアCが引っ掛けて搬送可能であると共に、第1の凹部261のキャリアCに対する搬送能力より低い搬送能力を有している。
本実施形態では、各凹部261,262は、開口形状は真円形状で、概ね円柱状に窪んだ形状をしている。図12(b)に示すように、大径の第1の凹部261は、開口幅(直径)W:0.1mm、深さD:0.05mmである。小径の第2の凹部262は、開口幅(直径)W:0.03mm、深さD:0.05mmである。尚、各開口幅W,Wは、各凹部261,262の搬送方向Rの開口した長さである。第1の凹部261は、第2の凹部262に比べて、開口の大きさの差から搬送能力が高い。このような搬送能力の異なる各凹部261,262を組み合わせて規則的に配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
各開口幅W,W、各深さD,D、キャリアCの半径Rの関係は、第1の実施形態と同様としている。例えば、第1の凹部261の開口幅Wは磁性キャリアCの直径2Rよりも大きいことが好ましく、第2の凹部262の開口幅Wは磁性キャリアCの直径2Rよりも小さいことが好ましい。本実施形態では、第1の凹部261の開口幅W(=0.1mm)は磁性キャリア径(=0.035mm)よりも大きく、第2の凹部262の開口幅W(=0.03mm)は磁性キャリア径(=0.035mm)よりも小さく設定している。このように、磁性キャリアCの搬送能力が高い引っ掛け部と低い引っ掛け部とを組み合わせることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。ただし、第2の凹部262の開口幅Wは磁性キャリア径の1/3よりも大きいことが好ましい。これは、搬送能力が低くなりすぎて、第2の凹部262を設けた効果が低減することを防止するためである。
図12(c)に示すように、第1の凹部261の配置としては、回転軸方向に沿って所定間隔を開けて直線状に配置したA1列が搬送方向Rに所定間隔を開けて配置される。そして、A1列同士の間に、回転軸方向に沿って所定間隔を開けて直線状に配置したA2列が、A1列に対して回転軸方向にピッチを半分ずらして配置される。即ち、第1の凹部261は、現像スリーブ260の回転軸方向に直線状に等間隔で配置する(図中、A1列)と共に、その中間に相当する位置にも搬送方向Rに移動させながら第1の凹部261を配置している(図中、A2列)。このようにして、第1の凹部261を現像スリーブ260上に千鳥格子状に配置させる。更に、三角形の頂点位置に配置されて隣接する3つの第1の凹部261の形成する三角形の略中心位置に、第2の凹部262が配置されている。このように、第1の凹部261の間に第2の凹部262が位置するように規則正しく配置することで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる
上述した本実施形態では、第1の凹部261及び第2の凹部262の深さDを同じにして、開口幅Wを異ならせることで搬送能力を異ならせるようにしたが、これには限られない。例えば、第1の凹部263及び第2の凹部264の開口幅Wを同じにして、深さDを異ならせることで搬送能力を異ならせるようにしてもよい。例えば、図13に示すように、第1の凹部263は、開口幅W:0.1mm、深さD:0.05mmとし、第2の凹部264は、開口幅W:0.1mm、深さD:0.02mmとする。この場合も、磁性キャリアCの搬送能力が高い引っ掛け部と低い引っ掛け部とを組み合わせることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1の凹部263の深さDは磁性キャリア径よりも大きいことが好ましく、第2の凹部264の深さDは磁性キャリア径よりも小さいことが好ましい。ただし、第2の凹部264の深さDは磁性キャリア径の1/3よりも大きいことが好ましい。これは、搬送能力が低くなりすぎて、第2の凹部264を設けた効果が低減することを防止するためである。
あるいは、第1の凹部261及び第2の凹部262について、開口幅W及び深さDの両方を異ならせるようにしてもよい。ただし、搬送能力が小さくなりすぎると、発明の効果が十分得られない懸念も生じるため、第1の実施形態と同様に、第2の凹部262の開口幅W又は深さDの一方のみが磁性キャリア径よりも小さくなる構成が好ましい。
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態の現像スリーブ270を、図14を参照しながら詳細に説明する。第9の実施形態では、第1及び第2の凹部271,272が楕円形状である点で第8の実施形態と異なっている。第9の実施形態のそれ以外の構成については第8の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図14(a)では、各凹部271,272の一部のみを示している。
図14(a)に示すように、現像スリーブ270は、第1の凹部271及び第2の凹部272を有している。各凹部271,272は、開口形状は楕円形状で、概ね楕円柱状に窪んだ形状をしている。各凹部271,272は、短径を搬送方向Rと平行にして配置されている。これにより、少なくとも第1の凹部271は、高いキャリア搬送能力を得ることができる。第1の凹部271の開口幅(楕円の短径)W(=0.1mm)がキャリアCの直径(=0.035mm)よりも大きく、第2の凹部272の開口幅(楕円の短径)W(=0.02mm)がキャリアCの直径(=0.035mm)よりも小さく設定されている。
また、図14(b)に示すように、第1の凹部271の配置としては、回転軸方向に沿って所定間隔を開けて直線状に配置したB1列が搬送方向Rに所定間隔を開けて配置される。そして、B1列同士の間に、回転軸方向に沿って所定間隔を開けて直線状に配置したB2列が、B1列に対して回転軸方向にピッチを半分ずらして配置される。更に、第1の凹部271の搬送方向Rの両側には、隣接して第2の凹部272が配置されている。ここで、回転軸方向に隣接する第1の凹部271の間隔G1は、その間隔G1の搬送方向Rに隣接する第2の凹部272の長径L1よりも小さくしている。これにより、第1の凹部271と、その回転方向下流に位置する第1の凹部271との間には、必ず2つの第2の凹部272が存在するようになる。これにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、第8及び第9の実施形態では、凹部の開口形状を円形にした場合について説明したが、これには限られない。例えば、凹部の開口形状を矩形や多角形等にしてもよい。
[第10の実施形態]
次に、本発明の第10の実施形態の現像スリーブ280を、図15を参照しながら詳細に説明する。第10の実施形態では、現像スリーブ280は、第1の溝(第1の引っ掛け部)281及び第2の凹部(第2の引っ掛け部)282を有する点で第1の実施形態と異なっている。第10の実施形態のそれ以外の構成については第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。尚、図15(a)では、第1の溝281及び第2の凹部282の一部のみを示している。
第1の溝281は、第2の実施形態の第1の溝201と同様に、所謂アヤメ状のパターンに交差して配置されている。第2の凹部282は、第1の溝281で囲まれた閉空間の中心に配置されている。即ち、第1の引っ掛け部及び第2の引っ掛け部の一方は第1の溝281であり、第1の引っ掛け部及び第2の引っ掛け部の他方は第2の凹部282である。第1の溝201は、現像スリーブ280の搬送方向RにキャリアCを引っ掛けて搬送可能であり、キャリアCに対する所定の搬送能力を有している。第2の凹部282は、搬送方向RにキャリアCが引っ掛けて搬送可能であると共に、第1の溝281のキャリアCに対する搬送能力より低い搬送能力を有している。これにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態では、第1の引っ掛け部を溝にすると共に、第2の引っ掛け部を凹部にした場合について説明したが、これには限られない。例えば、第1の引っ掛け部を凹部にすると共に、第2の引っ掛け部を溝にしてもよい。
20,200,210,220,230,240,250,260,270,280…現像スリーブ(現像剤担持体)、20a…表面、21,201,211,221,231,241,251,253,254…第1の溝(第1の引っ掛け部)、22,202,212,222,232,242,252…第2の溝(第2の引っ掛け部)、53…現像装置、260a…表面、261,263,271,281…第1の凹部(第1の引っ掛け部)、262,264,272,282…第2の凹部(第2の引っ掛け部)、C…キャリア、D…現像剤、R…搬送方向。

Claims (15)

  1. 非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する現像剤を担持して搬送する現像剤担持体を備え、
    前記現像剤担持体は、前記現像剤担持体の表面から凹んで設けられ、前記現像剤担持体の搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能な第1の引っ掛け部と、前記表面から凹んで設けられ、前記搬送方向にキャリアを引っ掛けて搬送可能であると共に、前記第1の引っ掛け部のキャリアに対する搬送能力より低い搬送能力を有する第2の引っ掛け部と、を有し、
    前記第1の引っ掛け部と前記第2の引っ掛け部とは、規則的に前記搬送方向に繰り返される位置に配置される、
    ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記キャリアの体積平均粒径を2R、前記第1の引っ掛け部の深さをD、前記第1の引っ掛け部の前記搬送方向の長さをWとした場合に、D≧2R、かつ、W≧2Rの関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記キャリアの体積平均粒径を2R、前記第2の引っ掛け部の深さをD、前記第2の引っ掛け部の前記搬送方向の長さをWとした場合に、D<2R及びW<2Rの少なくとも一方の関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 2R/3<D<2R及び2R/3<W<2Rの少なくとも一方の関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、溝である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤担持体は断面円形の現像スリーブであり、
    前記現像スリーブの円周長をL、前記第1の引っ掛け部の本数をnとした場合に、W×n/L≦0.1の関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 0.05≦W×n/Lの関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
  8. 前記現像剤担持体は断面円形の現像スリーブであり、
    前記現像スリーブの円周長をL、前記第1の引っ掛け部の本数をn、前記第2の引っ掛け部の本数をnとした場合に、0.1≦(W×n+W×n)/Lの関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記第1の引っ掛け部の本数をn、前記第2の引っ掛け部の本数をnとした場合に、n≦nの関係を満たす、
    ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、平行に配置される、
    ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の現像装置。
  11. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、前記搬送方向に直交する方向を長手方向として配置される、
    ことを特徴とする請求項10に記載の現像装置。
  12. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、交差して配置される、
    ことを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の現像装置。
  13. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、断面V字形状である、
    ことを特徴とする請求項5乃至12のいずれか1項に記載の現像装置。
  14. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部は、凹部である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
  15. 前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部の一方は溝であり、前記第1の引っ掛け部及び前記第2の引っ掛け部の他方は凹部である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
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