JP2015222303A - 現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】規制ブレード9近傍の現像剤の磁気担持力の割合を大きくした構成で複数の溝を有する現像スリーブ8を使用した場合に、現像スリーブ8による現像剤の担持量が不均一になることを抑制できる構成を実現する。
【解決手段】規制ブレード9から現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置まで現像スリーブ8の法線方向の磁気力Frを積分した値をFrNearとする。また、現像スリーブ8の回転方向に関してガイド部材11の後端から規制ブレード9までのFrを積分したFrの総和をFrAllとする。このとき、FrAllに対するFrNearが少なくとも60%以上となるように、マグネット8aの複数の磁極を形成する。現像スリーブ8の外周面の溝は、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、規制ブレード9から2mm上流の位置までの間に複数存在するように形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】規制ブレード9から現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置まで現像スリーブ8の法線方向の磁気力Frを積分した値をFrNearとする。また、現像スリーブ8の回転方向に関してガイド部材11の後端から規制ブレード9までのFrを積分したFrの総和をFrAllとする。このとき、FrAllに対するFrNearが少なくとも60%以上となるように、マグネット8aの複数の磁極を形成する。現像スリーブ8の外周面の溝は、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、規制ブレード9から2mm上流の位置までの間に複数存在するように形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を用いて、感光ドラムなどの像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置に関する。
電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらのうちの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置では、感光ドラムなどの像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて可視像化(現像)する。このような現像に使用される現像装置では、従来から、非磁性粒子のトナーと磁性粒子のキャリアからなる2成分現像剤(以下、現像剤と称する)を用いるものが知られている。
このような現像装置では、内側にマグネットを配置した現像スリーブの表面に現像剤を担持し、現像スリーブが回転することで現像剤が搬送される。現像剤は、現像スリーブに近接して配置された現像剤規制部材としての規制ブレードにより現像剤の量(層厚)が規制されて、感光ドラムと対向する現像領域に搬送される。そして、感光ドラム上に形成された静電潜像を現像剤中のトナーにより現像する。
ここで、規制ブレードの現像スリーブの回転方向上流では、規制ブレードにより現像剤の流れが堰き止められる部分(不動層)と、現像スリーブの回転に追従して現像剤が搬送される部分との境界部でせん断面が生じる。そして、このせん断面で現像剤が摺擦されることでトナーがキャリアから遊離し、遊離したトナー同士が固着してトナー層を形成する場合がある。このようなトナー層が発生すると、現像スリーブにより感光ドラムとの対向部に搬送される現像剤が、トナー層の影響により部分的に減少し、現像するのに十分なトナー量を供給できず出力画像濃度が低下してしまう。
このため、現像スリーブに沿った現像剤搬送力の総和を減少させつつ、規制ブレード付近の現像剤に加わる磁気吸引力の総和を増加させた構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の構成によれば、規制ブレード近傍の現像剤が現像スリーブ中心方向へと移動し、トナー層の発生を抑制できる。
一方、現像スリーブの耐摩耗性を向上させるために、現像スリーブとして、外周面に複数の溝を形成した構成が知られている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に記載されたような外周面に複数の溝を有する現像スリーブを特許文献1に記載された構成に適用する場合、溝の間隔によっては、現像スリーブによる現像剤の担持量が不均一になり、濃度ムラが発生する可能性がある。即ち、特許文献1に記載された構成では、現像スリーブの規制ブレード近傍の現像剤の磁気担持力の割合を大きくしている。一方、外周面に複数の溝を有する現像スリーブは、溝によって現像剤を担持する。このため、磁気担持力の割合が大きい規制ブレード近傍で現像スリーブの溝が複数存在しない場合には、現像剤を十分に担持搬送できず、局所的な現像剤搬送量の変動が大きくなり、濃度ムラが発生する可能性がある。
本発明は、現像剤規制部材近傍の現像剤の磁気担持力の割合を大きくした構成で複数の溝を有する現像スリーブを使用した場合に、現像スリーブによる現像剤の担持量が不均一になることを抑制できる構成を実現すべく発明したものである。
本発明は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する円筒状の現像スリーブと、前記現像スリーブ内に配置され、周方向に複数の磁極を有するマグネットと、前記現像スリーブの外周面に所定の隙間を介して対向配置され、前記現像スリーブに担持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材よりも前記現像スリーブの回転方向上流に前記現像スリーブと対向して設けられ、前記現像容器内の現像剤を前記現像スリーブに向けて案内するガイド部材と、を備え、前記マグネットの複数の磁極は、前記現像スリーブの外周面において、前記現像スリーブの法線方向の磁気力Frを、前記現像スリーブの回転方向に関して前記ガイド部材の後端から前記現像剤規制部材の位置まで積分した値に対する、前記磁気力Frを前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置まで積分した値が、少なくとも60%以上となるように形成されており、前記現像スリーブは、前記現像スリーブの回転方向の位置に拘らず、外周面に前記現像スリーブの回転軸線方向に沿って延びる溝が、前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置までの間に複数存在するように、周方向の複数個所に形成されていることを特徴とする現像装置にある。
本発明によれば、現像剤規制部材近傍の現像剤の磁気担持力の割合を大きくした領域に、前記現像スリーブの回転方向の位置に拘らず、現像スリーブの溝が複数存在するため、現像スリーブによる現像剤の担持量が不均一になることを抑制できる。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の現像装置を有する画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の現像装置を有する画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して設けられ4つの画像形成部Y、M、C、Kを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は画像形成装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Pに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。このような画像形成プロセスの概略を説明すると、まず、各画像形成部Y、M、C、Kでは、それぞれ、像担持体としての感光ドラム(電子写真感光体)10Y、10M、10C、10K上に各色のトナー像を形成する。このように形成された各色のトナー像は、記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材は、定着装置25に搬送されて、トナー像が記録材に定着される。以下、詳しく説明する。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して設けられ4つの画像形成部Y、M、C、Kを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は画像形成装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Pに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。このような画像形成プロセスの概略を説明すると、まず、各画像形成部Y、M、C、Kでは、それぞれ、像担持体としての感光ドラム(電子写真感光体)10Y、10M、10C、10K上に各色のトナー像を形成する。このように形成された各色のトナー像は、記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材は、定着装置25に搬送されて、トナー像が記録材に定着される。以下、詳しく説明する。
なお、画像形成装置100が備える4つの画像形成部Y、M、C、Kは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部に属する要素であることを表すために符号に付した添え字Y、M、C、Kは省略し、総括的に説明する。
画像形成部には、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム10が配設されている。感光ドラム10は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム10の周囲には帯電手段としての帯電器21と、現像手段としての現像装置1、転写手段としての一次転写帯電器23、クリーニング手段としてのクリーニング装置26が配置されている。感光ドラム10の図中上方には露光手段としてのレーザースキャナ(露光装置)22が配置されている。
また、各画像形成部の感光ドラム10と対向して記録材搬送ベルト24が配置されている。記録材搬送ベルト24は、複数のローラにより張架され、図中矢印方向に周回移動する。記録材搬送ベルト24の記録材搬送方向下流には定着装置25が配置される。
上述のように構成される画像形成装置100により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム10の表面が帯電器21によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム10は、露光装置22から発せられる画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム10上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム10上の静電潜像は、現像装置1内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像となる。画像形成で消費された現像剤中のトナーはトナー補給槽としてのホッパー20から補給される。
感光ドラム10上に形成されたトナー像は、記録材搬送ベルト24を挟んで配置される一次転写帯電器23との間で構成される転写部にて、記録材搬送ベルト24により搬送される記録材Pに転写される。転写後に感光ドラム10の表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置26によって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、記録材搬送ベルト24により搬送される記録材P上で4色のトナー像を重ね合わせる。次いで、記録材Pは定着手段としての定着装置25に搬送される。そして、この定着装置25によって、加熱、加圧されることで、記録材P上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの画像として記録材Pに定着される。その後、記録材Pは機外に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。なお、所望の画像形成部のみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
[現像装置]
次に、現像装置1の詳しい構成について、図2及び図3を用いて説明する。現像装置1は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む現像剤を収容する現像容器2と、現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ8とを有する。現像容器2内には、現像容器内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる現像剤搬送部材としての搬送スクリュー5、6が配置されている。また、現像スリーブ8内には、周方向に複数の磁極を有するマグネット8aが、回転不能に配置されている。
次に、現像装置1の詳しい構成について、図2及び図3を用いて説明する。現像装置1は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む現像剤を収容する現像容器2と、現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ8とを有する。現像容器2内には、現像容器内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる現像剤搬送部材としての搬送スクリュー5、6が配置されている。また、現像スリーブ8内には、周方向に複数の磁極を有するマグネット8aが、回転不能に配置されている。
現像容器2の内部は、その略中央部が紙面に垂直方向に延在する隔壁7によって現像室3と攪拌室4に垂直方向の上下に区画されており、現像剤は現像室3及び攪拌室4に収容されている。現像室3及び攪拌室4には、搬送スクリュー5、6がそれぞれ配置されている。搬送スクリュー5、6は、回転軸上に螺旋状のスクリュー翼を有し、回転することで軸方向に現像剤を搬送する。
図3に示すように、搬送スクリュー5は、現像室3の底部に現像スリーブ8の軸方向に沿って配置されており、不図示のモータによって回転軸を回すことで現像室3内の現像剤Tを軸線方向に沿って搬送しつつ、現像スリーブ8に現像剤を供給する。また、搬送スクリュー6は、攪拌室4内の底部に現像スリーブ8の軸方向に沿って配置され、攪拌室4内の現像剤Tを搬送スクリュー5とは反対の軸方向に搬送する。
現像室3と攪拌室4は、連通部71、72で連通している。連通部71では、攪拌室4で現像スリーブ8から回収した現像剤と現像室3から搬送された現像剤を現像室3に組み上げる。連通部72では、現像室3から現像スリーブ8に供給されずに現像室3を通過した現像剤を攪拌室4に搬送する。このように、搬送スクリュー5、6の回転による搬送によって、現像剤が隔壁7の両端部の連通部71、72を通じて現像室3と攪拌室4との間で循環される。本実施形態では、現像室3と攪拌室4とが鉛直方向上下に配置されており、現像室3から攪拌室4への現像剤は上から下へ、又、攪拌室4から現像室3への現像剤は下から上へ動く。特に、攪拌室4から現像室3へは、端部に溜まった現像剤の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤が受け渡される。
現像容器2には感光ドラム10に対向した現像領域Aに相当する位置に開口部があり、この開口部において現像スリーブ8が感光ドラム10方向に一部露出するように回転自在に配設されている。一方、現像スリーブ8に内包されたマグネット8aは非回転に固定されている。このような現像スリーブ8は、不図示のモータにより回転させられて、現像剤を感光ドラム10に搬送する。本実施形態では、現像スリーブ8は、非磁性材料として例えばアルミニウムやステンレスにより円筒状に形成され、ドラム対向部での断面において直径が20mmとした。なお、現像スリーブ8の表面の形状については後述する。
現像スリーブ8内には、ローラ状の磁界発生手段であるマグネット8aが現像容器2に固定配置されている。このマグネット8aは、図2に示すように、周方向に複数の磁極N1、N2、N3、S1、S2極の合計5極を有している。なお、図2では、各極の現像スリーブ8の外周面に対する法線方向の磁束密度の最大値位置(ピーク位置)を示している。現像領域Aに対向する位置には、現像極N2を配置し、現像領域Aで形成するN2極の磁界により現像剤が磁気ブラシを形成する。そして、この磁気ブラシが、現像領域Aで矢印a方向に回転する感光ドラム10に接触しつつ、帯電したトナーを静電気的な力によって静電潜像をトナー像として現像する。
マグネット8aの各磁極の役割と現像剤の流れを説明する。まず、搬送スクリュー5の現像剤搬送に伴って、現像剤が跳ね上がり、現像スリーブ8に供給されると、現像剤は磁性キャリアが混合しているためN1極(現像剤規制極)が形成する磁気力に拘束される。次に、現像スリーブ8の回転に伴って、現像剤規制部材としての規制ブレード9に対向する位置を通過し、現像剤が所定量に規制される。規制された現像剤はS1極を通過し、感光ドラム10に対向するN2極へ供給される。現像領域Aを通過し、静電潜像に対してトナーを消費した現像剤はS2極によって現像容器内に取り込まれて、N3極とN1極の極間において、磁極による磁気拘束力から解放され、搬送スクリュー6に回収される。
ここで、規制ブレード9は、現像スリーブ8の外周面に所定の隙間を介して対向配置され、現像スリーブ8に担持された現像剤の層厚を規制する。このために規制ブレード9は、現像スリーブ8の回転方向の現像領域Aの上流に配置される。本実施形態では規制ブレード9は、現像スリーブ8の回転軸線方向(長手方向)に沿って延在した板状の部材である。また、規制ブレード9の材質としては、非磁性部材として例えばアルミニウムを用いる。また、規制ブレード9は、感光ドラム10よりも現像スリーブ8の回転方向上流においてブレード先端がスリーブ中心を向くように現像容器側に配設している。現像スリーブ8が回転することで、現像スリーブ8上の現像剤は、規制ブレード9の先端部と現像スリーブ8の間を通過して現像領域Aへと送られる。従って、規制ブレード9と現像スリーブ8の表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ8上に担持され現像領域へ搬送される現像剤量が調整できる。
なお、規制ブレード9と現像スリーブ8の間隙が狭すぎると現像剤内の異物やトナーの凝集塊が詰まりやすいので好ましくない。また、現像スリーブ8上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量が多過ぎると、感光ドラム10との対向位置近傍で現像剤が詰まったり、感光ドラム10にキャリアが付着したりする等の問題が生じる。一方、現像スリーブ8上を搬送される現像剤の単位面積当たりの質量が少なすぎると、所望のトナー像を現像できず、画像濃度が低下する問題が生じる。本実施形態においては、規制ブレード9により規制される現像剤搬送量が30mg/cm2となるように規制している。なお、規制ブレード9と現像スリーブ8の間隔は、200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では、規制ブレード9と現像スリーブ8の間隔を400μmに設定した。
また、本実施形態では、現像スリーブ8の直径は20mm、感光ドラム10の直径は30mm、現像スリーブ8と感光ドラム10との最近接領域を300μmの距離に設定した。この構成によって、現像領域Aに搬送した現像剤を感光ドラム10と接触させた状態で、現像が行なえるように設定した。
上記構成にて、現像スリーブ8は、現像時に図2に示したように矢印b方向に回転し、規制ブレード9によって適量に規制された現像剤を感光ドラム10と対向した現像領域Aに搬送する。現像領域において現像剤はマグネット8aの磁界によって磁気ブラシを形成し、感光ドラム10上に形成された静電潜像にトナーを供給し、トナー像を得る。この時、現像スリーブ8には不図示の電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。本実施形態では、−500Vの直流電圧と、矩形波でピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。また、現像領域において、感光ドラム10上の非画像領域は−600Vに帯電し、静電潜像が形成されている画像領域では、出力画像の濃度に応じて電位が上がるようにレーザによって静電潜像が形成されている。
また、現像領域Aにおいては、現像スリーブ8は、感光ドラム10の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光ドラム1.75倍で移動している。この周速比に関しては、0.5〜2.5倍の間で設定され、好ましくは、1.0〜2.0倍の間に設定されればよい。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
次に、本実施形態にて用いられる、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤について説明する。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。そして、トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、本実施形態では体積平均粒径は7.0μmのトナーを用いた。
また、キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。本実施形態では体積平均粒径が40μm、抵抗率が5×108Ωcm、磁化量が260emu/ccのキャリアを用いた。
本実施形態にて用いられるトナーの体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、個数平均分布、体積平均分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びCX−Iパーソナルコンピュータ(キヤノン(株)製)を使用した。また、電界水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。
測定方法は以下に示す通りである。即ち、上記の電界水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電界水溶液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記のコールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
また、本実施形態にて用いられる磁性キャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて測定した。即ち、片方の電極に1kgの重量の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流から、キャリアの抵抗率を得る方法によって測定した。また、キャリアの体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子(株)製)を用いて、体積基準で粒径0.5〜350μmの範囲を32対数分割して測定する。そして、それぞれのチャンネルにおける粒子数を測定する。その測定結果から体積50%のメジアン径をもって体積平均粒径とする。
また、本実施形態にて用いられる磁性キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製の振動磁場磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定した。キャリア粉体の磁気特性値は、795.7kA/m、79.58kA/mの外部磁場をそれぞれつくり、磁性キャリアの磁化の強さを求めた。磁性キャリアの測定用サンプルは、円筒状のプラスチック容器に充分密になるようにパッキングした状態で作成する。この状態で、磁化モーメントを測定し、更に上記で充填した試料の実際の重量を測定して磁化の強さ(emu/g)を求める。また、磁性キャリア粒子の真比重を、例えば乾式自動密度計アキュピック1330((株)島津製作所製)等により求め、上記のようにして得られた磁化の強さに真比重を掛けることで、単位体積あたりの磁化の強さを求めることができる。
また、本実施形態の現像装置1は、前述の特許文献1に記載の構成と同様に、現像スリーブ8に沿った現像剤搬送力の総和を減少させつつ、規制ブレード付近の現像剤に加わる磁気吸引力の総和を増加させるようにしている。これにより、規制ブレード近傍の現像剤が現像スリーブ中心方向へと移動し、トナー層の発生を抑制できる。図2を用いて具体的に説明する。
現像室3と攪拌室4とを区画する隔壁7は、規制ブレード9近傍まで延長した形状を有し、現像室3に収容されている現像剤を重力方向上方から現像スリーブ8に案内するガイド部材(搬送ガイド)11を有する。ガイド部材11は、規制ブレード9よりも現像スリーブ8の回転方向上流側に対向して設けられている。ガイド部材11の規制ブレード9に対向する面(ガイド面)は、搬送スクリュー5の駆動によって規制ブレード9とガイド部材11の間隙から現像剤を適正に供給するためのガイド機能を兼ねている。
更に、ガイド部材11は、現像スリーブ8の周方向に対向配置することで、現像室3から現像スリーブ8に対する現像剤の供給開始位置P1を規制する規制部として機能している。ガイド部材11のガイド面の角度は、現像スリーブ8の表面の法線方向に設定している。またガイド部材11の現像スリーブ8の最近接距離は1mmとしている。またガイド部材11の供給開始位置P1は、現像スリーブ8と感光ドラム10とが最も近接する位置(最近接位置、本実施形態では現像極N2の磁束密度のピーク位置)から、現像スリーブ8の回転方向とは逆方向に130度となる位置に設定している。また隔壁7の現像スリーブ8最近接位置で、且つ現像スリーブ8回転方向上流側の位置P3は、本実施形態においては、最近接位置から、現像スリーブ8の回転方向とは逆方向に150度となる位置に設定している。
次に本実施形態の現像剤の流れについて説明する。まずガイド部材11の現像スリーブ8への最近接位置P3は、同極(N1極、N3極)によって形成される斥力領域の下流であって、現像剤は斥力により現像スリーブ8から離れる方向に力を受けるために斥力領域ではぎとられる。したがって、現像剤は、現像スリーブ8と隔壁7のギャップを通過しない。言い換えれば、規制ブレード9への現像剤の供給は、搬送スクリュー5からガイド部材11を乗り越えた経路を通ることになり、乗り越えた現像剤は、規制ブレード9とガイド部材11との間に貯蔵される。
本実施形態においては、ガイド部材11の頂点位置P4と規制ブレード9の下点位置(現像スリーブ8との最近接位置)P2とは、互いの位置を結ぶ線が水平方向に対して仰角30°になるように設定している。即ち、ガイド部材11の頂点位置P4は、規制ブレード9と現像スリーブ8の最近接位置に対して、水平方向上側に位置する。この理由は、規制ブレード9とガイド部材11との間の空間に、現像スリーブ8に現像剤を安定してコートできうる量に貯蔵するためである。なお、ガイド部材11の長さdは11mmである。また本実施形態においては、ガイド部材11は隔壁7と一体に構成されており、現像容器2と同じ材質を用いている。
また、規制ブレード9からガイド部材11の現像剤供給開始位置P1までの間隔(現像スリーブ8の周方向距離)の望ましい範囲は、2mm以上8mm以下であって、本実施形態では約5mmに設定している。これは、規制ブレード9からガイド部材11までの間隔が2mm以下だと、現像剤が搬送される搬送路が狭くなり、詰まる虞があるためである。一方、間隔が広すぎる場合、現像スリーブ8と現像剤の接触距離が長くなるために、磁気力で摺擦される時間が長くなり、現像剤劣化が懸念されるため好ましくないためである。
なお、本実施形態のように、搬送スクリュー5が規制ブレード9の位置に対して略横方向にある場合、ガイド部材11は現像剤をガイドする機能及び現像剤を貯蔵する機能を有する。これと共に、搬送スクリュー5の駆動時の現像剤押圧を遮蔽する効果も有している。搬送スクリュー5の駆動に伴い、現像剤はスクリュー軸方向に押圧されて搬送されるが、スクリューの動径方向にも押圧が加わる。規制ブレード9と搬送スクリュー5の位置関係が略横方向の場合、動径方向の押圧によって規制ブレード9の面に対して略垂直方向の現像剤搬送力が加わることになり、コート不良の観点で望ましくない。従って搬送スクリュー5の押圧の影響を遮蔽するためにもガイド部材11の特に頂点位置P4は高く配置することが好ましい。少なくとも規制ブレード下点位置P2と搬送スクリュー5の軸中心を結ぶ線に対して上方に、ガイド部材11の頂点位置P4を位置させることが好ましい。
[マグネットが形成する磁束分布とキャリアに係る磁気力]
次に、マグネット8aが作り出す磁束密度及び磁力について、図2を参照しつつ図4ないし図6を用いて説明する。尚、本実施形態の説明に際して、Br、Bθ、Fr、Fθを以下のように定義する(図4参照)。
Br:ある点における現像スリーブ8の外周面(表面)に対する法線方向(垂直方向)の磁束密度
Bθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向の磁束密度
Fr:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する法線方向に働く磁気力(但し、吸引方向(現像スリーブ8に向かう方向)を負とする)
Fθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向に働く磁気力(但し、現像スリーブ8の回転方向を正とする)
次に、マグネット8aが作り出す磁束密度及び磁力について、図2を参照しつつ図4ないし図6を用いて説明する。尚、本実施形態の説明に際して、Br、Bθ、Fr、Fθを以下のように定義する(図4参照)。
Br:ある点における現像スリーブ8の外周面(表面)に対する法線方向(垂直方向)の磁束密度
Bθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向の磁束密度
Fr:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する法線方向に働く磁気力(但し、吸引方向(現像スリーブ8に向かう方向)を負とする)
Fθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向に働く磁気力(但し、現像スリーブ8の回転方向を正とする)
なお、特に断らないかぎり、Br、Bθ、Fr、Fθといえば、現像スリーブ8上のある点における磁束密度又は磁気力のことを指す。
[磁気力又は磁束密度の測定方法]
ここで、本実施形態における磁気力の測定方法について説明する。本実施形態で述べた磁気力は以下説明する計算方法によって算出できる。キャリアに作用する磁気力は、下記の(1)式で求められる。ここで、μ0が真空の透磁率、μがキャリアの透磁率、bがキャリアの半径、Bが磁束密度である。
ここで、本実施形態における磁気力の測定方法について説明する。本実施形態で述べた磁気力は以下説明する計算方法によって算出できる。キャリアに作用する磁気力は、下記の(1)式で求められる。ここで、μ0が真空の透磁率、μがキャリアの透磁率、bがキャリアの半径、Bが磁束密度である。
この(2)式から、Br及びBθが分かれば、Fr及びFθを求めることができる。ここで、磁束密度Brは、測定器としてF.W.BELL社製磁場測定器「MS−9902」(商品名)を用いて、測定器の部材であるプローブと現像スリーブの表面との距離を約100μmに設定して測定したものである。
さらに、Bθは以下のように求めることが出来る。磁束密度Brの測定位置でのベクトルポテンシャルAZ(R,θ)は測定された磁束密度Br(R,θ)を用いて、
以上より測定及び計算されたBr及びBθを(1)式に当てはめることで、Fr及びFθを導き出すことができる。また上記式に従えば、本実施形態で必要なFr分布を形成する磁束密度の分布が得られる。
本実施形態のマグネット8aは、上述したように、現像極N2と現像剤を搬送する磁極S1、S2、N1、N3を有している。このうち同極である第1磁極N3極と第2磁極(現像剤規制極)N1極は、隣り合って現像容器内部側に設置されている。そして、極間に反発磁界が形成され、現像剤に対しては現像スリーブから離間する方向に力を受け、攪拌室4にて現像剤を落下させるように構成されている。第2磁極N1極は、現像スリーブ8の回転方向に関してガイド部材11と規制ブレード9との間に配置している。第1磁極N3と第2磁極N1の同極によって形成される反発領域は、少なくともガイド部材11の現像スリーブ8の回転方向上流側になるように配置している。なお第1磁極N3極は、ピーク磁束密度が35mT、半値幅30°、第2磁極N1極はピーク磁束密度30mT、半値幅35°に調整している。
次に、図5及び図6を用いて本実施形態において使用したマグネット8aから作用する磁束密度Br、Bθ及び法線方向の磁気力Frの分布について説明する。現像剤は、図5及び図6において右から左へ搬送されており、規制ブレード9は約100°の位置に配置されている(図5、図6の破線)。なお、角度の基準は、前述したように、現像スリーブ8と感光ドラム10とが最も近接する位置(最近接位置、本実施形態では現像極N2の磁束密度のピーク位置)とし、以下では、この位置から現像スリーブ8の回転方向とは逆方向の角度とする。ガイド部材11は、前述したように約130°の位置に配置している(図5、図6の実線)。Frは−符号側が現像スリーブ8への引力方向、+符号側が斥力方向になっている。本実施例においては引力方向基準で増加及び減少を示す(即ち、絶対値が大きくなる場合をFr増加と呼ぶ)。
本実施形態においては、ガイド部材11の位置から規制ブレード9間のFrは常に引力方向であって、且つ規制ブレード9に近づくにつれてFrが急峻且つ単調増加するように構成している。即ち、本実施形態のマグネット8aの複数の磁極は、現像スリーブ8の法線方向の磁気力Frの絶対値が、現像スリーブ8の回転方向に関して、ガイド部材11の後端から規制ブレード9の位置に向かって単調的に増加するように形成されている。ここで、単調増加するとは、現像スリーブ8の周方向にFrを測定したときに、スリーブ周方向に関して角度2度以上10度以下の範囲でサンプリングした場合において、Frが単調増加していることを指す。
またガイド部材11の上流側(位置P3よりも上流側)にはFrが略0又は正の領域(斥力領域)になるよう構成している。なお、斥力領域は、現像スリーブ8の回転による遠心力により現像剤が現像スリーブ8の表面から離れる程度に絶対値が小さければ、Frが負の値であっても良い。本実施形態では約180°〜200°位置が斥力領域になっており、斥力領域から現像スリーブ8の回転方向下流側に向うにつれてFrが増加させる構成にしている。
Frはスリーブ方向への磁気吸引力のため、Frが大きいとガイド部材11を乗り越えた現像剤が現像スリーブ8へ強く引き込まれる。従って、ガイド部材11と規制ブレード9間のFr分布を規制ブレード9に近づくにつれて単調的に増加傾向にする。こうすることで、規制ブレード9近傍の現像剤は、規制ブレード9とガイド部材11間の他の個所に比べて強いFrで現像スリーブ8近傍へ引き込まれていることになる。規制ブレード9近傍の現像剤を縦方向(規制ブレードに対して平行、現像スリーブ8の外周面の法線方向と略平行)の流れにしたいために、規制ブレード近傍のFrは大きい方が好ましい。本実施形態では、ガイド部材11と規制ブレード9との間においてFrの最大値は規制ブレード9対向部としている。即ち、マグネット8aの複数の磁極は、現像スリーブの回転方向に関してガイド部材11の後端から規制ブレード9の位置までの領域において、磁気力Frの絶対値が最大となる位置が規制ブレード9と対向する位置となるように形成されている。
一方、規制ブレード9との衝突による現像剤の滞留を弱めるべく、現像スリーブ8の回転に伴う現像スリーブ8に沿った現像剤搬送力は弱めるためには、規制ブレード9とガイド部材11間のFrの総和は小さいほうが好ましい。現像スリーブ8の回転に伴う現像剤搬送は現像剤と現像スリーブ8間の摩擦力によって為されるため、垂直抗力=磁気吸引力Frと現像剤搬送力とは比例関係にある。すなわち規制ブレード9に加わる横方向の現像剤搬送力は、規制ブレード9からガイド部材11間の各個所の現像剤搬送力の総和になるために、同様の機序から規制ブレード9とガイド部材11間のFr総和に比例する。従って規制ブレード9に衝突して不動層の起源になる現像スリーブ8に平行な現像剤搬送力を弱めるためには、規制ブレード9とガイド部材11との間のFrの総和は小さい方が望ましいことになる。
なお規制ブレード9近傍の現像剤の流れは、規制ブレード近傍の現像剤の縦方向の力と横方向(規制ブレードに直交する方向、現像スリーブ8の外周面の接線方向と略平行)の力の大小関係によって決定される。従って、規制ブレード近傍の現像剤の流れを縦方向にするには、規制ブレード近傍のFrを強めることで縦方向の力を強めて、且つ、規制ブレードから搬送ガイド間のFrの総和を小さくすることで横方向の力を弱めることが必要十分条件になる。上記二事象を両立するためには、規制ブレード9とガイド部材11間のFr分布は規制ブレード近傍のみFrが大きくなる分布が好ましい。換言すると規制ブレード9とガイド部材11間のFr分布は、規制ブレード9に近づくにつれて急峻に且つ単調に増加する傾向を取ることが定性的に望ましいといえる。
ここで、規制ブレード9から規制ブレード9よりも現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置までFrを積分した値をFrNearと定義する。また、現像スリーブ8の回転方向に関して、ガイド部材11の後端から規制ブレード9までのFrを積分したFrの総和をFrAllと定義する。このとき、特許文献1に記載されているように、定量的には、積分値FrAllに対するFrNearの割合が、60%以上でコート不良の発生がなくなる。したがって、本実施形態では、FrAllに対するFrNearが、少なくとも60%以上となるように、マグネット8aの複数の磁極を形成している。
なお、FrNearを規制ブレードから上流2mm間のFr積分値に定義した理由は、現像剤が圧縮され不動層になりやすい領域が規制ブレードから2mm以内の近傍位置にあるためである。即ち、現像剤が圧縮状態になりやすい領域のFrを限定して高い値に保ち、それ以外の領域はFrを下げる(現像スリーブ8周方向の現像剤の流れを減らす)ことがコート不良を防止するに効果的である。
以上で述べたガイド部材11の構成とガイド部材11から規制ブレード9間の磁気吸引力Fr分布を上述した急峻で且つ単調的な増加分布を採用することで、規制ブレード9上流側の現像剤の流れを規制ブレード9に平行な縦の流れへ変更することが可能になる。この結果、規制ブレードと現像剤の衝突による剤の滞留及び、それによって引き起こされるトナー層の発生を防止できる。
[現像スリーブの表面の形状について]
次に、本実施形態の現像スリーブ8について、図7ないし図9を用いて更に詳しく説明する。一般的に、内部にマグネットを備えた現像スリーブにおいては、現像剤の搬送性を向上させるために現像スリーブ8の表面に凹凸を形成する。例えば、細粒の硬質粒子を現像スリーブの表面に投射するブラスト処理により現像スリーブの表面に凹凸を形成し、凹凸の凹部により現像剤を担持搬送するようにする。しかしながら、このようにブラスト処理によって表面を凹凸にしたものは、使用により摩耗し易く、耐久性が劣るという問題点がある。
次に、本実施形態の現像スリーブ8について、図7ないし図9を用いて更に詳しく説明する。一般的に、内部にマグネットを備えた現像スリーブにおいては、現像剤の搬送性を向上させるために現像スリーブ8の表面に凹凸を形成する。例えば、細粒の硬質粒子を現像スリーブの表面に投射するブラスト処理により現像スリーブの表面に凹凸を形成し、凹凸の凹部により現像剤を担持搬送するようにする。しかしながら、このようにブラスト処理によって表面を凹凸にしたものは、使用により摩耗し易く、耐久性が劣るという問題点がある。
このために本実施形態では、現像スリーブ8の外周面(表面)に、図7に示すように、現像スリーブ8の回転軸線方向に沿って延びる溝12を、周方向に複数個所形成している。本実施形態では、複数の溝12を現像スリーブ8の回転軸線方向にほぼ平行に形成している。これにより、現像スリーブ8の耐摩耗性能を向上させている。但し、本実施形態のようにガイド部材11を備え、かつ規制ブレード9付近の磁気力が大きくすることで、この付近の現像剤の滞留を解消する構成においては、溝12の間隔によっては、現像スリーブ8上の現像剤担持量が不均一になる場合がある。これは溝12の間隔が大きく、規制ブレード9近傍の磁気力が大きくなっているブレード上流2mmの部分に溝12が複数本ないと、現像スリーブ8が回転しても、規制ブレード9近傍において現像剤の搬送が滞るためである。
ここで、ブレード9上流2mmの領域に溝部12が常に複数ある状態とは、以下のことを言う。1本目の溝部の後端(搬送方向上流端)がブレード9と対向する位置を通過する際に、2本目の溝部はもちろん、3本目の溝部の先端(搬送方向下流端)が上流2mmの領域内に存在することを指す。即ち、溝12の周方向の幅をW、隣り合う溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+W<2mmを満たす。
また、ここで、磁力が大きく現像剤の搬送に寄与するブレード9上流2mmの領域内に溝部が常には複数ない場合(つまり回転する現像スリーブの位相によっては2本以上ない状態になる構成の場合)を考える。この場合、非溝部13が規制ブレード9対向位置を通過する際、直上流の非溝部13が搬送に寄与しない状態になる。そのため、規制ブレード9対向位置を通過している非溝部13の搬送量が不安定になりやすい。このため、ブレード9上流2mmの領域において搬送が滞る箇所ができ、搬送量にムラが生じる虞があると考えられる。これは、非溝部13は上流の溝部が担持した現像剤に押し出されるようにして現像剤を搬送するからである。更に、溝部は、直上流側の非溝部の搬送性の影響を受けるからである。
一方、本発明のように、ブレード9上流2mmの領域に溝部が常に複数ある場合、非溝部13が規制ブレード9対向位置を通過する際、直上流の非溝部13が搬送に寄与する。このため、非溝部13が規制ブレード9対向位置を通過する際の搬送が安定し、搬送量にムラが生じにくいと考えられる。尚、搬送ムラをより抑制する構成として、1本目の溝部の後端(搬送方向上流端)がブレード9と対向する位置を通過する際に、3本目の溝部の後端(搬送方向上流端)が上流2mmの領域内に存在する構成が好ましい。即ち、溝12の周方向の幅をW、隣り合う溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+2W<2mmを満たすことが好ましい。
この点について、図8を用いてより詳しく説明する。図8は、外周面に複数の溝201を有する現像スリーブ200の現像剤搬送時の様子を表した図である。ここで、破線は現像スリーブ200上の現像剤分布を表し、丸は現像剤のキャリアを表すが、すべてのキャリアは図示しない。現像剤は現像スリーブ200に内包されるマグネットにより穂立ちを形成しつつ、主に溝201に拘束される。一方で溝201と溝201の間にある現像剤はそれぞれ搬送方向上流側の溝201に拘束されている磁気穂により力を受け押し出される形で搬送される。このため現像スリーブ200上の現像剤密度は微視的には一定でなく、溝201は密度が大きく、そこから搬送方向下流側に行くに従って徐々に密度が小さくなっていく。
このように、溝201が最も現像剤密度が大きく、溝201と溝201の間において搬送方向下流側になるに従い現像剤密度が徐々に小さくなっていくため、溝201の間隔が大きいと、現像剤の密度が大きい個所と小さい個所が顕著になる。このとき、感光ドラム上に形成されるトナー像の濃度は現像スリーブ200上の現像剤密度に影響される。したがって、現像スリーブ200上の現像剤密度にムラがあると、感光ドラム上に形成されるトナー像に濃度ムラが生じ易くなる。特に感光ドラム上のトナー像の濃度ムラが大きくなるのは、現像剤が現像スリーブ200上に存在しない個所が存在する場合である。
そこで、本実施形態では、現像スリーブ8の外周面に、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、溝12が規制ブレード9から現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置までの間に複数存在するように形成されている。このために本実施形態では、複数の溝12を、現像スリーブ8の周方向に等間隔に設けている。そして、図7に示すように、溝12の周方向の幅をW、隣り合う溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+W<2mmを満たすように、複数の溝12を形成している。これにより、磁気力の総和の占める割合が大きい領域(規制ブレード9から2mm上流の位置までの領域)に、常に複数の溝12が存在するようにしている。
溝間隔が狭く規制ブレード9上流2mmの領域に多数の溝が設けられている場合、周方向の長さ当たりの搬送性が高くなるため、規制する現像剤量を所望量に揃えると、規制ブレード9と現像スリーブ8の間隙が狭く設置することになる。該間隙が狭い場合、異物が詰まり易い等の弊害が生じるため、規制ブレード9上流2mmの領域に設けられる溝12は、通常7本を上限として使用する。即ち、規制ブレード9上流2mmの領域に設けられる溝12は、2本以上7本以下存在するようにすることが好ましい。
また、複数の溝12は、それぞれ、現像スリーブ8の径方向の溝深さD(図7)がキャリアの体積平均粒径の半分よりも大きく、現像スリーブ8の周方向の幅Wがキャリアの体積平均粒径よりも大きくしている。即ち、現像剤が溝12に引っ掛かって搬送されるようにするために、少なくともキャリアが1個以上、溝12に進入して引っ掛かり易くするために、溝深さDがキャリアの半径以上、溝の幅Wがキャリアの直径以上としている。
本実施形態では、図7に示すように現像スリーブ8の回転軸線に直交する断面の形状が左右対称なV字型の溝12を、周方向に同じ間隔で80本平行に形成した。また、各溝12の溝深さDを50μm、溝幅Wは100μmとした。なお、キャリアの体積平均粒径は、前述したように、40μmである。また、図7に示すV字型の溝12の斜面の傾斜角度θは、45°とした。なお、本実施形態の場合、現像スリーブの外周面に形成する溝の形状は、図7に示したV字型に限らず、現像剤が溝に引っ掛かって搬送され易い形状であれば良い。例えば、図9(a)に示すように、現像スリーブ8の回転軸線に直交する断面の形状がU字型の溝12a、図9(b)に示すように、同じく断面形状が矩形状の溝12bなどを採用することができる。
本実施形態の場合、上述のように、規制ブレード9近傍の現像剤の磁気担持力の割合を大きくした領域に、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、現像スリーブ8の溝12が複数存在する。このため、現像スリーブ8による現像剤の担持量が不均一になることを抑制できる。即ち、磁気力の総和の占める割合が大きい領域(規制ブレード9から2mm上流の位置までの領域)に、常に複数の溝12が存在するため、溝12の間部分13においても、現像剤が上流側に隣接する溝12が担持する現像剤に押し出されながら搬送される。このため、磁気力の総和の占める割合が大きい領域での現像剤の密度の変動を小さくできる。このため、現像スリーブ8による現像剤の担持量が不均一になることを抑制でき、現像されるトナー像の濃度ムラを抑制できる。
なお、磁気力の総和の占める割合が大きい領域外においては、規制ブレード9近傍に比べて磁気力が小さいため、溝12の間隔を小さくしても、現像スリーブ8の回転方向に現像剤を押し出すような現像剤の搬送への寄与は小さい。したがって、本実施形態のように規制ブレード9近傍の磁気力が大きい領域を有する構成で、上述のように溝12の間隔を小さくすることによる効果が顕著になる。
<実施例>
上述のような本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、同じ形状及び大きさの現像スリーブに形成する溝の本数を変えて、それぞれの現像スリーブを図2に示すような現像装置に組み込んで現像した場合のトナー像の濃度ムラを比較した。比較例として、溝の本数が40本、50のものを、実施例として、溝の本数が60本、80本、100本のものをそれぞれ用意した。なお、それぞれ、溝は等間隔に形成し、溝の形状については、図7に示したような溝深さDが50μm、溝幅Wが100μmの左右対称なV字型とした。そして、溝同士の間の長さIを変更することで、溝の本数を変更した。このような各比較例及び実施例の諸元及び実験結果を表1に示す。
上述のような本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、同じ形状及び大きさの現像スリーブに形成する溝の本数を変えて、それぞれの現像スリーブを図2に示すような現像装置に組み込んで現像した場合のトナー像の濃度ムラを比較した。比較例として、溝の本数が40本、50のものを、実施例として、溝の本数が60本、80本、100本のものをそれぞれ用意した。なお、それぞれ、溝は等間隔に形成し、溝の形状については、図7に示したような溝深さDが50μm、溝幅Wが100μmの左右対称なV字型とした。そして、溝同士の間の長さIを変更することで、溝の本数を変更した。このような各比較例及び実施例の諸元及び実験結果を表1に示す。
表1に示す現像剤の搬送量ムラは、規制ブレード9と現像スリーブ8との間隔などを調整することで、規制ブレード9により規制される現像剤搬送量の平均を30mg/cm2に揃えた状態で、局所的な搬送量の変動量を測定した。また、実験では、ベタ画像を出力し濃度ムラがあるか目視確認した。なお、ベタ画像とは、感光ドラムの画像形成可能領域の全面に形成したトナー像であり、画像比率(印字率)が100%の場合を言う。表1から明らかなように、溝の本数を増やしていくと、現像剤搬送量の局所的なムラが減っていき、出力画像の濃度ムラが解消していくことが分かった。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図10ないし図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、現像剤規制極であるN1極の磁束密度のピーク位置をガイド部材11と規制ブレード9間に配置した。これに対して本実施形態では、図10に示すように、N1極の磁束密度のピーク位置を規制ブレード9の現像スリーブ8の回転方向下流側に配置した。ここで、本発明では現像剤規制極のFr分布とそれに対するガイド部材11の配置及び頂点位置が重要であって、磁束密度のピーク位置そのものは、適宜設定可能である。このため、本実施形態では、上述のようにN1極の磁束密度のピーク位置を設定した。その他の構成及び作用、特に、ガイド部材11の配置及び頂点位置は、第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態異なる部分を中心に説明する。
本発明の第2の実施形態について、図10ないし図12を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、現像剤規制極であるN1極の磁束密度のピーク位置をガイド部材11と規制ブレード9間に配置した。これに対して本実施形態では、図10に示すように、N1極の磁束密度のピーク位置を規制ブレード9の現像スリーブ8の回転方向下流側に配置した。ここで、本発明では現像剤規制極のFr分布とそれに対するガイド部材11の配置及び頂点位置が重要であって、磁束密度のピーク位置そのものは、適宜設定可能である。このため、本実施形態では、上述のようにN1極の磁束密度のピーク位置を設定した。その他の構成及び作用、特に、ガイド部材11の配置及び頂点位置は、第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の現像装置1Aは、上述のようにN1極の磁束密度のピーク位置を規制ブレード9の現像スリーブ8の回転方向下流側に配置したマグネット8bを使用している。このような本実施形態のマグネット8bの磁束密度Br、Bθ及び法線方向の磁気力Frの分布について、図11及び図12を用いて説明する。現像剤T(図10)は、図11及び図12において右から左へ搬送されており、規制ブレード9は第1の実施形態と同様に約100°の位置に配置されている(図11、図12の破線)。なお、角度の基準は、前述したように、現像スリーブ8と感光ドラム10とが最も近接する位置(最近接位置、本実施形態では現像極N2の磁束密度のピーク位置)とし、以下では、この位置から現像スリーブ8の回転方向とは逆方向の角度とする。ガイド部材11は、約120°の位置に配置している(図11、図12の実線)。Frは−符号側が現像スリーブ8への引力方向、+符号側が斥力方向になっている。本実施形態においては、図11に示すとおり、現像剤規制極N1極の磁束密度のピーク位置は規制ブレード9の現像スリーブ8の回転方向下流側に配置しており、磁束密度Brのパターンは第1の実施形態と異なる。
しかしながら、図12に示すとおり、本実施形態においても、ガイド部材11の位置から規制ブレード9間のFrは常に引力方向であって、且つ規制ブレード9に近づくにつれてFrが増加するように構成している。また、ガイド部材11の上流側にはFrが略0又は正の領域(斥力領域)になるよう構成している。本実施形態では約160°〜190°位置が斥力領域になっている。また、図12に示すように、ガイド部材11の上流の斥力位置(斥力領域の中央位置、太実線)から規制ブレード9間はFr増加領域であって、且つガイド部材11の位置(120°)がFr増加領域の中間に配置されている。即ち、第1の実施形態と同様に、規制ブレード方向に漸近するに従って増加傾向になるFr分布である。ガイド部材11は斥力領域の下流であることも、第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、FrAllに対するFrNearが、少なくとも60%以上となるように、マグネット8bの複数の磁極を形成している。これにより、第1の実施形態と同様に、本実施形態のマグネット8bの磁束密度パターンであっても、規制ブレード9の上流の現像剤が下向きへ流動されるために、規制ブレード9の上流に滞留しつづける現像剤が存在しにくくなる。そして、現像剤不動層の発生を抑制できる。
また、本実施形態の場合も、現像スリーブ8の外周面に、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、溝12が規制ブレード9から現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置までの間に複数存在するように形成されている(図7など参照)。具体的には、第1の実施形態と同様に、溝深さDが50μm、溝幅Wが100μmの左右対称なV字型の溝12を同じ間隔で80本平行に設けた現像スリーブ8を使用した。また、V字型の溝12の斜面の傾斜角度θも、第1の実施形態と同様に45°とした。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図13ないし図15を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、同極である第1磁極N3極と第2磁極N1極のうち現像スリーブ8の回転方向下流側の第2磁極N1極を規制ブレード9の上流近傍に配置した。これに対して本実施形態では、図13に示すように、規制ブレード9の上流側近傍の磁極として、第1磁極N3極と同極の磁極ではないS1極を配置した。その他の構成及び作用、特に、ガイド部材11の配置及び頂点位置は、第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態異なる部分を中心に説明する。
本発明の第3の実施形態について、図13ないし図15を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、同極である第1磁極N3極と第2磁極N1極のうち現像スリーブ8の回転方向下流側の第2磁極N1極を規制ブレード9の上流近傍に配置した。これに対して本実施形態では、図13に示すように、規制ブレード9の上流側近傍の磁極として、第1磁極N3極と同極の磁極ではないS1極を配置した。その他の構成及び作用、特に、ガイド部材11の配置及び頂点位置は、第1の実施形態と同様である。このため、第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の現像装置1Bは、上述のように規制ブレード9の上流側近傍にS1極を配置したマグネット8cを使用している。このような本実施形態のマグネット8cの磁束密度Br、Bθ及び法線方向の磁気力Frの分布について、図14及び図15を用いて説明する。現像剤T(図13)は、図14及び図15において右から左へ搬送されており、規制ブレード9は第1の実施形態と同様に約100°の位置に配置されている(図14、図15の破線)。なお、角度の基準は、前述したように、現像スリーブ8と感光ドラム10とが最も近接する位置(最近接位置、本実施形態では現像極N2の磁束密度のピーク位置)とし、以下では、この位置から現像スリーブ8の回転方向とは逆方向の角度とする。ガイド部材11は、約130°の位置に配置している(図14、図15の実線)。Frは−符号側が現像スリーブ8への引力方向、+符号側が斥力方向になっている。本実施形態においては、図13に示すとおり、規制ブレード9の現像スリーブ8の回転方向上流側に最近接する磁極(現像剤規制極)がS1極であり、第1の実施形態と異なる。
しかしながら、図15に示すとおり、本実施形態においても、ガイド部材11の位置から規制ブレード9間のFrは常に引力方向であって、且つ規制ブレード9に近づくにつれてFrが増加するように構成している。また、ガイド部材11の上流側にはFrが略0又は正の領域(斥力領域)になるよう構成している。本実施形態では約200°〜240°位置が斥力領域になっている。また、図15に示すように、ガイド部材11の上流の斥力位置(斥力領域の中央位置、太実線)から規制ブレード9間はFr増加領域であって、且つガイド部材11の位置(130°)がFr増加領域の中間に配置されている。即ち、第1の実施形態と同様に、規制ブレード方向に漸近するに従って増加傾向になるFr分布である。ガイド部材11は斥力領域の下流であることも、第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態の場合、図13に示すように、N1極の上流は反発極N3極であるので、N1極の上流側の磁束密度の変化の勾配は小さい。一方、N1極の下流側では異極で且つN1極よりやや磁束密度の大きいS1極が隣接しているために、磁束密度の変化の勾配は、N1極の上流側よりやや大きい。更に、S1極の下流側に隣接するN2極は、S1極より更に磁束密度が大きいために磁束密度の変化の勾配は大きい。したがって、本実施形態のマグネット8cの磁極構成によれば、磁束密度の二乗の勾配である磁力(式(1)参照)は、単調に増加する傾向が強くなり、Fr分布が単調増加する傾向になる。
また、本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、FrAllに対するFrNearが、少なくとも60%以上となるように、マグネット8bの複数の磁極を形成している。これにより、第1の実施形態と同様に、本実施形態のマグネット8bの磁束密度パターンであっても、規制ブレード9の上流の現像剤が下向きへ流動されるために、規制ブレード9の上流に滞留しつづける現像剤が存在しにくくなる。そして、現像剤不動層の発生を抑制できる。
また、本実施形態の場合も、現像スリーブ8の外周面に、現像スリーブ8の回転方向の位置に拘らず、溝12が規制ブレード9から現像スリーブ8の回転方向に関して2mm上流の位置までの間に複数存在するように形成されている(図7など参照)。具体的には、第1の実施形態と同様に、溝深さDが50μm、溝幅Wが100μmの左右対称なV字型の溝12を同じ間隔で80本平行に設けた現像スリーブ8を使用した。また、V字型の溝12の斜面の傾斜角度θも、第1の実施形態と同様に45°とした。
<他の実施形態>
上述の各実施形態では、図1に示すように、画像形成装置として、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから記録材搬送ベルト24により搬送された記録材Pに直接転写する構成を適用した。但し、本発明は、これ以外の構成にも適用可能である。例えば、記録材搬送ベルト24の代わりに中間転写ベルトなどの中間転写体を設けた構成にも適用可能である。即ち、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後、記録材Pに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置においても本発明は適用できる。また、帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
上述の各実施形態では、図1に示すように、画像形成装置として、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから記録材搬送ベルト24により搬送された記録材Pに直接転写する構成を適用した。但し、本発明は、これ以外の構成にも適用可能である。例えば、記録材搬送ベルト24の代わりに中間転写ベルトなどの中間転写体を設けた構成にも適用可能である。即ち、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後、記録材Pに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置においても本発明は適用できる。また、帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
また、上述の各実施形態では、現像容器の上側に現像室を下側に攪拌室を配置した縦攪拌型の現像装置に本発明を適用した例について説明した。但し、本発明は、現像スリーブ内にマグネットを配置して現像剤を担持搬送し、規制ブレードで担持された現像剤の層厚を規制する構成であれば、他の構成にも適用可能である。例えば、上述の現像室と攪拌室とを水平方向に配置した構成にも適用可能である。また、上述の実施形態のように、現像スリーブに現像剤を供給する現像室と、現像スリーブから現像剤を回収する攪拌室とを備えた構成以外にも本発明を適用可能である。例えば、現像室により現像スリーブに対する現像の供給及び回収を行い、攪拌室では現像室との間で現像剤を循環させる構成にも適用可能である。
1、1A、1B・・・現像装置/2・・・現像容器/8・・・現像スリーブ/8a、8b、8c・・・マグネット/9・・・規制ブレード(現像剤規制部材)/11・・・ガイド部材/12、12a、12b・・・溝
Claims (8)
- トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する円筒状の現像スリーブと、
前記現像スリーブ内に配置され、周方向に複数の磁極を有するマグネットと、
前記現像スリーブの外周面に所定の隙間を介して対向配置され、前記現像スリーブに担持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材よりも前記現像スリーブの回転方向上流に前記現像スリーブと対向して設けられ、前記現像容器内の現像剤を前記現像スリーブに向けて案内するガイド部材と、を備え、
前記マグネットの複数の磁極は、前記現像スリーブの外周面において、前記現像スリーブの法線方向の磁気力Frを、前記現像スリーブの回転方向に関して前記ガイド部材の後端から前記現像剤規制部材の位置まで積分した値に対する、前記磁気力Frを前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置まで積分した値が、少なくとも60%以上となるように形成されており、
前記現像スリーブは、前記現像スリーブの回転方向の位置に拘らず、外周面に前記現像スリーブの回転軸線方向に沿って延びる溝が、前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置までの間に複数存在するように、周方向の複数個所に形成されている、
ことを特徴とする現像装置。 - 前記複数の溝は、前記現像スリーブの周方向に等間隔に設けられ、前記溝の周方向の幅をW、隣り合う前記溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+W<2mmを満たす、
ことを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。 - トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する円筒状の現像スリーブと、
前記現像スリーブ内に配置され、周方向に複数の磁極を有するマグネットと、
前記現像スリーブの外周面に所定の隙間を介して対向配置され、前記現像スリーブに担持された現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材よりも前記現像スリーブの回転方向上流に前記現像スリーブと対向して設けられ、前記現像容器内の現像剤を前記現像スリーブに向けて案内するガイド部材と、を備え、
前記マグネットの複数の磁極は、前記現像スリーブの外周面において、前記現像スリーブの法線方向の磁気力Frを、前記現像スリーブの回転方向に関して前記ガイド部材の後端から前記現像剤規制部材の位置まで積分した値に対する、前記磁気力Frを前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置まで積分した値が、少なくとも60%以上となるように形成されており、
前記現像スリーブは、外周面に前記現像スリーブの回転軸線方向に沿って延びる溝が、前記現像スリーブの周方向に等間隔に設けられ、前記溝の周方向の幅をW、隣り合う前記溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+W<2mmを満たす、
ことを特徴とする現像装置。 - 前記マグネットの複数の磁極は、前記現像スリーブの回転方向に関して前記ガイド部材の後端から前記現像剤規制部材の位置までの領域において、前記磁気力Frの絶対値が最大となる位置が前記現像剤規制部材と対向する位置となるように形成されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の現像装置。 - 前記マグネットの複数の磁極は、前記磁気力Frの絶対値が、前記現像スリーブの回転方向に関して、前記ガイド部材の後端から前記現像剤規制部材の位置に向かって単調的に増加するように形成されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の現像装置。 - 前記複数の溝は、前記現像スリーブの径方向の溝深さDがキャリアの体積平均粒径の半分よりも大きく、前記現像スリーブの周方向の幅Wがキャリアの体積平均粒径よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項1ないし5のうちの何れか1項に記載の現像装置。 - 前記複数の溝は、前記現像スリーブの周方向に等間隔に設けられ、前記溝の周方向の幅をW、隣り合う前記溝同士の間の周方向の長さをIとした場合に、2I+2W<2mmを満たす、
ことを特徴とする、請求項1ないし6のうちの何れか1項に記載の現像装置。 - 前記現像スリーブは、前記現像スリーブの回転方向の位置に拘らず、外周面に前記現像スリーブの回転軸線方向に沿って延びる溝が、前記現像剤規制部材から前記現像スリーブの回転方向に関して2mm上流の位置までの間に2本以上7本以下存在するように、周方向の複数個所に形成されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし7のうちの何れか1項に記載の現像装置。
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JP2017146398A (ja) * | 2016-02-16 | 2017-08-24 | コニカミノルタ株式会社 | 現像装置および画像形成装置 |
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- 2014-05-22 JP JP2014106046A patent/JP2015222303A/ja active Pending
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