JP2017156113A - X線検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、複数種類の内容物を含む物品であっても、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができるX線検査装置を提供することである。【解決手段】X線検査装置は、複数種類の内容物を含む物品を検査する。X線検査装置は、X線照射部と、X線検出部と、X線画像生成部と、判別領域抽出部と、内容物種類判別部とを備える。X線照射部は、物品にX線を照射する。X線検出部は、物品を透過したX線である透過X線を検出する。X線画像生成部は、透過X線に基づいて、物品のX線画像を生成する。判別領域抽出部は、X線画像においてそれぞれの内容物が占める領域である内容物領域の一部を判別領域として抽出する。内容物種類判別部は、判別領域の特徴量に基づいて、内容物の種類を判別する。【選択図】図8
Description
本発明は、複数種類の内容物を含む物品を検査するX線検査装置に関する。
従来、食品等の内容物が包装された物品にX線を照射して、物品の検査を行うX線検査装置が用いられている。X線検査装置は、検査対象の物品にX線を照射し、物品を透過したX線の検出値に基づいてX線画像を生成する。X線検査装置は、X線画像を解析して物品の検査を行う。具体的には、X線画像において内容物が占める領域の面積および周囲長を特徴量として用いて、内容物の欠品等が検査される。
例えば、特許文献1(特開2002―228761号公報)には、X線画像に基づいて、包装材の内部に並べられた物品の個数検査を行うX線検査装置が開示されている。この場合、検査対象の物品は、例えば、冷凍餃子および冷凍シュウマイ等、同一種類の内容物が複数個包装された物品である。
しかし、従来のX線検査装置は、複数種類の内容物が包装された物品を適切に検査できないという問題があった。なぜなら、X線画像から得られる内容物に関する特徴量として、X線画像において内容物が占める領域の面積および周囲長を用いる場合、互いに近い特徴量を有する複数種類の内容物が物品に混在していると、内容物の種類を正確に判別できないおそれがあるからである。
本発明の目的は、複数種類の内容物を含む物品であっても、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができるX線検査装置を提供することである。
本発明に係るX線検査装置は、複数種類の内容物を含む物品を検査する。X線検査装置は、X線照射部と、X線検出部と、X線画像生成部と、判別領域抽出部と、内容物種類判別部とを備える。X線照射部は、物品にX線を照射する。X線検出部は、物品を透過したX線である透過X線を検出する。X線画像生成部は、透過X線に基づいて、物品のX線画像を生成する。判別領域抽出部は、X線画像においてそれぞれの内容物が占める領域である内容物領域の一部を判別領域として抽出する。内容物種類判別部は、判別領域の特徴量に基づいて、内容物の種類を判別する。
このX線検査装置は、複数種類の内容物を含む物品のX線画像から、内容物が占める領域である内容物領域の一部を判別領域として抽出し、判別領域の特徴量に基づいて内容物の種類を判別する。従って、X線検査装置は、複数種類の内容物を含む物品であっても、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、X線検査装置は、特徴量記憶部をさらに備えることが好ましい。特徴量記憶部は、内容物の種類ごとに、判別領域の特徴量を記憶する。
このX線検査装置は、内容物の種類ごとに、判別領域の特徴量を記憶しているので、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、判別領域抽出部は、内容物領域の周縁部を除いた領域を判別領域として抽出することが好ましい。
このX線検査装置は、内容物の種類による差異が少ない周縁部を内容物領域から除いた領域を判別領域として抽出するので、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、内容物が串状部材を有する場合、判別領域抽出部は、串状部材が占める領域、および、串状部材の近傍の領域を判別領域として抽出することが好ましい。
このX線検査装置は、焼き鳥等の串状部材を有する内容物の種類による差異が大きい領域を判別領域として抽出するので、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、内容物種類判別部は、X線画像の濃度に関するヒストグラムから得られるデータを特徴量とすることが好ましい。
このX線検査装置は、判別領域の濃度に関するヒストグラムから得られるデータを特徴量として用いるので、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、内容物種類判別部は、ヒストグラムの最頻値、および、ヒストグラムの所定個数以上のビンからなる形状の少なくとも1つを特徴量とすることが好ましい。
このX線検査装置は、判別領域の濃度に関するヒストグラムから得られる、各内容物に特徴的なパラメータを特徴量として用いるので、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
また、X線検査装置は、重量推定部をさらに備えることが好ましい。重量推定部は、内容物種類判別部によって判別された内容物の種類に基づいて、内容物の重量を推定する。
このX線検査装置は、内容物の重量を推定することで、物品に含まれる内容物の欠損を高精度で検知することができる。
本発明に係るX線検査装置は、複数種類の内容物を含む物品であっても、内容物の種類を高精度で判別して物品を検査することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)X線検査装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態であるX線検査装置10の外観を示す斜視図である。図2は、X線検査装置10が組み込まれる検査ライン100の概略図である。検査ライン100は、食品等の物品Pの検査を行う。検査ライン100において、物品Pは、前段コンベア60によってX線検査装置10まで搬送される。図2において、物品Pの搬送方向は、矢印で示されている。
図1は、本発明の一実施形態であるX線検査装置10の外観を示す斜視図である。図2は、X線検査装置10が組み込まれる検査ライン100の概略図である。検査ライン100は、食品等の物品Pの検査を行う。検査ライン100において、物品Pは、前段コンベア60によってX線検査装置10まで搬送される。図2において、物品Pの搬送方向は、矢印で示されている。
X線検査装置10は、前段コンベア60によって連続的に搬送されてくる物品PにX線を照射することにより、物品Pの良否判断を行う。具体的には、X線検査装置10は、物品Pの欠品検査を行い、検査結果に基づいて、物品Pを良品または不良品に分類する。X線検査装置10による検査結果は、X線検査装置10の下流側に配置されている振り分け機構70に送られる。振り分け機構70は、X線検査装置10において良品と判断された物品Pを、良品(正常品)を排出するラインコンベアユニット80へ送る。振り分け機構70は、X線検査装置10において不良品と判断された物品Pを、不良品排出方向90,91に振分けてラインから排出する。
X線検査装置10の検査対象となる物品Pは、複数種類の内容物Gと、包装材m1と、仕切り材m2とからなる。図3は、物品Pの概略的な平面図である。内容物Gは、所定の形状を有する。本実施形態では、内容物Gは、串状部材に刺されている食品であり、物品Pは、互いに異なる3種類の内容物Gを含む。具体的には、物品Pは、焼き鳥の冷凍食品であり、3種類の内容物Gは、それぞれ、つくねg1、皮g2および身g3からなる。つくねg1、皮g2および身g3は、それぞれ、串状部材である串s1、串s2および串s3に刺されている。物品Pは、内容物Gとして、つくねg1、皮g2および身g3をそれぞれ1本ずつ含む。包装材m1は、内容物Gおよび仕切り材m2を包装するための袋状のフィルムである。仕切り材m2は、包装材m1の内部で内容物Gを仕切るための仕切トレーである。つくねg1、皮g2および身g3は、仕切り材m2によって、包装材m1の内部において、互いに重ならないように並べられている。
(2)X線検査装置の詳細説明
X線検査装置10は、主として、シールドボックス11と、コンベアユニット12と、X線照射器(X線照射部)13と、X線ラインセンサ(X線検出部)14と、モニタ30と、制御装置20とから構成される。
X線検査装置10は、主として、シールドボックス11と、コンベアユニット12と、X線照射器(X線照射部)13と、X線ラインセンサ(X線検出部)14と、モニタ30と、制御装置20とから構成される。
(2−1)シールドボックス
図4は、X線検査装置10のシールドボックス11の内部の概略図である。シールドボックス11は、X線検査装置10のケーシングである。シールドボックス11は、図1に示されるように、両側面に、物品Pを搬出入するための開口11aを有する。開口11aは、シールドボックス11の外部から内部に物品Pを搬入するため、および、シールドボックス11の内部から外部に物品Pを搬出するために用いられる。開口11aは、遮蔽のれん19により塞がれている。遮蔽のれん19は、シールドボックス11の内部から外部へのX線の漏洩を抑える。遮蔽のれん19は、鉛を含むゴムから成形される。遮蔽のれん19は、物品Pが搬出入されるときに物品Pによって押しのけられる。
図4は、X線検査装置10のシールドボックス11の内部の概略図である。シールドボックス11は、X線検査装置10のケーシングである。シールドボックス11は、図1に示されるように、両側面に、物品Pを搬出入するための開口11aを有する。開口11aは、シールドボックス11の外部から内部に物品Pを搬入するため、および、シールドボックス11の内部から外部に物品Pを搬出するために用いられる。開口11aは、遮蔽のれん19により塞がれている。遮蔽のれん19は、シールドボックス11の内部から外部へのX線の漏洩を抑える。遮蔽のれん19は、鉛を含むゴムから成形される。遮蔽のれん19は、物品Pが搬出入されるときに物品Pによって押しのけられる。
シールドボックス11の内部には、コンベアユニット12、X線照射器13、X線ラインセンサ14および制御装置20(図6参照)等が収容されている。シールドボックス11の正面上部には、モニタ30、キーの差し込み口、および、電源スイッチ等が配置されている。
(2−2)コンベアユニット
コンベアユニット12は、シールドボックス11の内部で物品Pを搬送するためのベルトコンベアである。コンベアユニット12は、図1に示されるように、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。
コンベアユニット12は、シールドボックス11の内部で物品Pを搬送するためのベルトコンベアである。コンベアユニット12は、図1に示されるように、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。
コンベアユニット12は、図4に示されるように、主として、無端状のベルト12dと、コンベアローラ12cと、コンベアモータ12a(図6参照)とから構成されている。コンベアローラ12cは、コンベアモータ12aによって駆動される。コンベアローラ12cの駆動により、ベルト12dが回転し、ベルト12d上の物品Pが搬送される。図4において、物品Pの搬送方向は、矢印で示されている。
コンベアユニット12による物品Pの搬送速度は、X線検査装置10のオペレータによって入力された設定速度に応じて変動する。制御装置20は、設定速度に基づいてコンベアモータ12aをインバータ制御し、物品Pの搬送速度を細かく制御する。コンベアモータ12aには、コンベアユニット12による搬送速度を検出して制御装置20に送るためのエンコーダ12b(図6参照)が装着されている。
(2−3)X線照射器
X線照射器13は、図4に示されるように、コンベアユニット12の上方に配置されている。X線照射器13は、物品Pの下方に配置されるX線ラインセンサ14に向けて扇状のX線(放射光)を照射する。X線の照射範囲Xは、図4に示されるように、コンベアユニット12の搬送面に対して垂直であり、かつ、コンベアユニット12による物品Pの搬送方向に対して直交する方向に広がる。すなわち、X線照射器13から照射されるX線は、ベルト12dの幅方向に広がる。
X線照射器13は、図4に示されるように、コンベアユニット12の上方に配置されている。X線照射器13は、物品Pの下方に配置されるX線ラインセンサ14に向けて扇状のX線(放射光)を照射する。X線の照射範囲Xは、図4に示されるように、コンベアユニット12の搬送面に対して垂直であり、かつ、コンベアユニット12による物品Pの搬送方向に対して直交する方向に広がる。すなわち、X線照射器13から照射されるX線は、ベルト12dの幅方向に広がる。
(2−4)X線ラインセンサ
X線ラインセンサ14は、物品Pおよびコンベアユニット12を透過したX線である透過X線を検知するセンサである。X線ラインセンサ14は、図4に示されるように、コンベアユニット12の下方に配置されている。X線ラインセンサ14は、主として、多数のX線検出素子14aから構成されている。X線検出素子14aは、コンベアユニット12による物品Pの搬送方向に直交する方向に沿って一直線に水平配置されている。
X線ラインセンサ14は、物品Pおよびコンベアユニット12を透過したX線である透過X線を検知するセンサである。X線ラインセンサ14は、図4に示されるように、コンベアユニット12の下方に配置されている。X線ラインセンサ14は、主として、多数のX線検出素子14aから構成されている。X線検出素子14aは、コンベアユニット12による物品Pの搬送方向に直交する方向に沿って一直線に水平配置されている。
X線ラインセンサ14は、透過X線を検出し、検出された透過X線の強度に応じた電圧を示すX線透過信号を出力する。X線透過信号により、X線画像(透過画像)の明るさ(濃淡)が決定される。図5は、X線ラインセンサ14のX線検出素子14aによって検出される透過X線量(検出量)の例を示すグラフである。グラフの横軸は、各X線検出素子14aの位置に対応する。また、グラフの横軸は、コンベアユニット12の搬送方向に直交する水平方向(ベルト12dの幅方向)の距離に対応する。グラフの縦軸は、X線検出素子14aで検出された透過X線量(検出量)を示す。透過画像において、検出量の多いところが明るく(淡く)表示され、検出量が少ないところが暗く(濃く)表示される。すなわち、透過画像の明暗(濃淡)は、透過X線の検出量に対応する。図5に示されるように、内容物Gを透過したX線の検出量は、内容物Gを透過しなかったX線の検出量より低い。
さらに、X線ラインセンサ14は、物品Pが扇状のX線の照射範囲X(図4参照)を通過するタイミングを検知するためのセンサとしても機能する。すなわち、X線ラインセンサ14は、コンベアユニット12のベルト12d上で搬送される物品PがX線ラインセンサ14の上方の位置(照射範囲Xと重なる位置)に来たとき、所定の閾値以下の電圧を示すX線透過信号(第1信号)を出力する。一方、X線ラインセンサ14は、物品Pが照射範囲Xを通過すると、所定の閾値を上回る電圧を示すX線透過信号(第2信号)を出力する。第1信号および第2信号が制御装置20に送られることにより、照射範囲Xにおける物品Pの有無が検出される。
(2−5)モニタ
モニタ30は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイである。モニタ30は、X線検査装置10の表示部および入力部として機能する。モニタ30には、物品Pの検査結果等が表示される。また、モニタ30には、初期設定および物品Pの良否判断に関するパラメータを入力するための画面等が表示される。
モニタ30は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイである。モニタ30は、X線検査装置10の表示部および入力部として機能する。モニタ30には、物品Pの検査結果等が表示される。また、モニタ30には、初期設定および物品Pの良否判断に関するパラメータを入力するための画面等が表示される。
X線検査装置10のオペレータは、モニタ30を操作して、検査パラメータおよび動作設定情報等を入力することができる。検査パラメータとは、物品Pの良否を判定するために必要なパラメータである。具体的には、検査パラメータは、物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別するために用いられる透過X線量の閾値等である。動作設定情報とは、物品Pの検査速度、および、コンベアユニット12の搬送方向等の情報である。
モニタ30は、制御装置20に接続されており、制御装置20と信号の送受信を行う。モニタ30によって入力された検査パラメータおよび動作設定情報は、制御装置20の記憶部21に記憶される。
(2−6)制御装置
制御装置20は、主として、CPU、ROM、RAMおよびHDD(ハードディスク)等によって構成されている。制御装置20は、図示しない表示制御回路、キー入力回路および通信ポート等も備えている。表示制御回路は、モニタ30のデータ表示を制御する回路である。キー入力回路は、モニタ30のタッチパネルを介してオペレータにより入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、プリンタ等の外部機器、および、LAN等のネットワークとの接続を可能にするポートである。
制御装置20は、主として、CPU、ROM、RAMおよびHDD(ハードディスク)等によって構成されている。制御装置20は、図示しない表示制御回路、キー入力回路および通信ポート等も備えている。表示制御回路は、モニタ30のデータ表示を制御する回路である。キー入力回路は、モニタ30のタッチパネルを介してオペレータにより入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、プリンタ等の外部機器、および、LAN等のネットワークとの接続を可能にするポートである。
図6は、制御装置20のブロック図である。制御装置20は、主として、記憶部21と制御部22とを有する。制御装置20は、コンベアモータ12a、エンコーダ12b、X線照射器13、X線ラインセンサ14およびモニタ30等に電気的に接続されている。制御装置20は、エンコーダ12bからコンベアモータ12aの回転数に関するデータを取得し、そのデータに基づいて物品Pの移動距離を算出する。制御装置20は、X線ラインセンサ14から出力されたX線透過信号を受信し、コンベアユニット12のベルト12d上の物品PがX線の照射範囲Xに到達したタイミングを検出する。
制御装置20は、透過X線量(検出量)に基づいて、物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別して、物品Pの良否を判定する。具体的には、制御装置20は、図3に示されるように、つくねg1、皮g2および身g3がそれぞれ1本ずつ内容物Gとして物品Pに含まれているか否かを検査する。制御装置20は、つくねg1、皮g2および身g3をそれぞれ1本ずつ含む物品Pを良品と判定し、つくねg1、皮g2および身g3をそれぞれ1本ずつ含まない物品Pを不良品と判定する。不良品は、例えば、つくねg1および皮g2をそれぞれ1本ずつ含むが、身g3を含まない物品P、および、つくねg1を1本、皮g2を2本含む物品Pである。
(2−6−1)記憶部
記憶部21は、検査パラメータ、動作設定情報、および、制御部22に実行させる各種プログラムを記憶する。検査パラメータおよび動作設定情報は、モニタ30のタッチパネル機能を使ってオペレータによって入力される。
記憶部21は、検査パラメータ、動作設定情報、および、制御部22に実行させる各種プログラムを記憶する。検査パラメータおよび動作設定情報は、モニタ30のタッチパネル機能を使ってオペレータによって入力される。
記憶部21は、主として、透過画像記憶部21a、内容物領域記憶部21b、判別領域記憶部21cおよび特徴量記憶部21dを有する。
(a)透過画像記憶部
透過画像記憶部21aは、後述する透過画像生成部22aによって生成された透過画像に関するデータを記憶する。透過画像は、X線ラインセンサ14によって検出された透過X線量に基づくX線画像である。図7は、図3に示される物品Pの透過画像の例を示す図である。透過画像は、複数の画素から構成される。透過画像の各画素は、複数の濃度レベルの内の一つを有する。透過画像の各画素の濃度レベルは、X線の検出量に対応する。図7では、透過画像の濃度レベルは、ハッチングの間隔で表されている。すなわち、ある領域のハッチングの間隔が狭いほど、その領域を構成する画素の濃度レベルが高く、X線の検出量が少ない。
透過画像記憶部21aは、後述する透過画像生成部22aによって生成された透過画像に関するデータを記憶する。透過画像は、X線ラインセンサ14によって検出された透過X線量に基づくX線画像である。図7は、図3に示される物品Pの透過画像の例を示す図である。透過画像は、複数の画素から構成される。透過画像の各画素は、複数の濃度レベルの内の一つを有する。透過画像の各画素の濃度レベルは、X線の検出量に対応する。図7では、透過画像の濃度レベルは、ハッチングの間隔で表されている。すなわち、ある領域のハッチングの間隔が狭いほど、その領域を構成する画素の濃度レベルが高く、X線の検出量が少ない。
物品Pの透過画像には、図7に示されるように、物品Pに含まれる包装材m1、仕切り材m2および内容物G(つくねg1、皮g2および身g3)に相当する画素が含まれる。内容物Gは、包装材m1および仕切り材m2と比べて厚みが大きい。そのため、内容物Gを透過したX線の検出量は、包装材m1および仕切り材m2を透過したX線の検出量よりも少ない。従って、図7に示されるように、物品Pの透過画像では、内容物G(串s1〜s3を除いた部分)に相当する画素は、包装材m1および仕切り材m2に相当する画素よりも暗く(濃く)表示される。また、串s1〜s3に相当する画素は、包装材m1および仕切り材m2に相当する画素よりも暗く(濃く)表示され、内容物G(串s1〜s3を除いた部分)に相当する画素よりも明るく(淡く)表示される。
(b)内容物領域記憶部
内容物領域記憶部21bは、後述する内容物領域抽出部22bによって抽出された内容物領域に関するデータを記憶する。内容物領域は、物品Pの透過画像において、物品Pを構成する各内容物Gが占める領域である。図8は、図3に示される物品Pの透過画像における内容物領域、および、後述する判別領域を示す図である。
内容物領域記憶部21bは、後述する内容物領域抽出部22bによって抽出された内容物領域に関するデータを記憶する。内容物領域は、物品Pの透過画像において、物品Pを構成する各内容物Gが占める領域である。図8は、図3に示される物品Pの透過画像における内容物領域、および、後述する判別領域を示す図である。
図8には、図3に示される物品Pの透過画像における内容物領域r1〜r3が太線で囲まれた領域として示されている。内容物領域r1は、つくねg1が占める領域である。内容物領域r2は、皮g2が占める領域である。内容物領域r3は、身g3が占める領域である。内容物領域r1〜r3は、串s1〜s3が占める領域を含まない。なお、物品Pの複数の内容物Gは、仕切り材m2によって互いに仕切られており、内容物領域r1〜r3は、互いに重なっていないものとする。すなわち、物品Pの透過画像には、内容物Gの数と同じだけの内容物領域r1〜r3が含まれている。
(c)判別領域記憶部
判別領域記憶部21cは、後述する判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域に関するデータを記憶する。判別領域は、物品Pの内容物領域r1〜r3の一部の領域である。図8には、図3に示される物品Pの透過画像における判別領域d1〜d3が実線でハッチングされた長方形の領域として示されている。判別領域d1は、内容物領域r1の一部の領域である。判別領域d2は、内容物領域r2の一部の領域である。判別領域d3は、内容物領域r3の一部の領域である。なお、判別領域d1〜d3の形状は、長方形であるとする。
判別領域記憶部21cは、後述する判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域に関するデータを記憶する。判別領域は、物品Pの内容物領域r1〜r3の一部の領域である。図8には、図3に示される物品Pの透過画像における判別領域d1〜d3が実線でハッチングされた長方形の領域として示されている。判別領域d1は、内容物領域r1の一部の領域である。判別領域d2は、内容物領域r2の一部の領域である。判別領域d3は、内容物領域r3の一部の領域である。なお、判別領域d1〜d3の形状は、長方形であるとする。
(d)特徴量記憶部
特徴量記憶部21dは、各内容物Gの特徴量に関するデータを記憶する。特徴量は、物品Pの透過画像から得られ、内容物Gの種類の判別に用いられるパラメータである。例えば、図3に示される物品Pの場合、各内容物Gに対応する特徴量が、特徴量記憶部21dに記憶されている。すなわち、特徴量記憶部21dは、つくねg1に対応する特徴量、皮g2に対応する特徴量、および、身g3に対応する特徴量を記憶している。
特徴量記憶部21dは、各内容物Gの特徴量に関するデータを記憶する。特徴量は、物品Pの透過画像から得られ、内容物Gの種類の判別に用いられるパラメータである。例えば、図3に示される物品Pの場合、各内容物Gに対応する特徴量が、特徴量記憶部21dに記憶されている。すなわち、特徴量記憶部21dは、つくねg1に対応する特徴量、皮g2に対応する特徴量、および、身g3に対応する特徴量を記憶している。
(2−6−2)制御部
制御部22は、記憶部21に記憶された各種プログラムを実行することにより、透過画像生成部22a、内容物領域抽出部22b、判別領域抽出部22c、特徴量取得部22d、内容物種類判別部22eおよび良否判定部22fとして機能する。
制御部22は、記憶部21に記憶された各種プログラムを実行することにより、透過画像生成部22a、内容物領域抽出部22b、判別領域抽出部22c、特徴量取得部22d、内容物種類判別部22eおよび良否判定部22fとして機能する。
(a)透過画像生成部
透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14によって検出された透過X線量に基づいてX線画像(透過画像)を生成する。具体的には、透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14の各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号を細かい時間間隔で取得し、取得したX線透過信号に基づいて透過画像を生成する。すなわち、透過画像生成部22aは、扇状のX線の照射範囲X(図4参照)を物品Pが通過する際に各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号に基づいて、物品Pの透過画像(図7参照)を生成する。照射範囲Xにおける物品Pの有無は、X線ラインセンサ14が出力する信号により判断される。
透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14によって検出された透過X線量に基づいてX線画像(透過画像)を生成する。具体的には、透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14の各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号を細かい時間間隔で取得し、取得したX線透過信号に基づいて透過画像を生成する。すなわち、透過画像生成部22aは、扇状のX線の照射範囲X(図4参照)を物品Pが通過する際に各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号に基づいて、物品Pの透過画像(図7参照)を生成する。照射範囲Xにおける物品Pの有無は、X線ラインセンサ14が出力する信号により判断される。
透過画像生成部22aは、各X線検出素子14aから得られる透過X線の強度(輝度)に関する細かい時間間隔毎のデータをマトリクス状に時系列につなぎ合わせて、物品Pについての透過画像を生成する。透過画像生成部22aによって生成された透過画像は、透過画像記憶部21aに記憶される。
(b)内容物領域抽出部
内容物領域抽出部22bは、物品Pの透過画像から内容物領域r1〜r3を抽出する(図8参照)。具体的には、内容物領域抽出部22bは、透過画像の二値化処理によって、内容物領域r1〜r3を抽出する。二値化処理は、二値化フィルタを使用して行われる。内容物領域抽出部22bは、二値化フィルタに設定された所定の閾値と、透過画像を構成する各画素の濃度とを比較し、透過画像を構成する各画素の濃度が所定の閾値以上か否かを判断する。各画素の濃度が所定の閾値以上である場合、内容物領域抽出部22bは、当該画素は物品Pの内容物Gに相当する画素であり、内容物領域r1〜r3を構成する画素であると判断する。
内容物領域抽出部22bは、物品Pの透過画像から内容物領域r1〜r3を抽出する(図8参照)。具体的には、内容物領域抽出部22bは、透過画像の二値化処理によって、内容物領域r1〜r3を抽出する。二値化処理は、二値化フィルタを使用して行われる。内容物領域抽出部22bは、二値化フィルタに設定された所定の閾値と、透過画像を構成する各画素の濃度とを比較し、透過画像を構成する各画素の濃度が所定の閾値以上か否かを判断する。各画素の濃度が所定の閾値以上である場合、内容物領域抽出部22bは、当該画素は物品Pの内容物Gに相当する画素であり、内容物領域r1〜r3を構成する画素であると判断する。
内容物領域抽出部22bによって抽出された内容物領域r1〜r3に関するデータは、対応する物品Pの透過画像に関するデータと関連付けられて、内容物領域記憶部21bに記憶される。
(c)判別領域抽出部
判別領域抽出部22cは、物品Pの透過画像の内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3を抽出する。具体的には、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、内容物領域r1〜r3の周縁部p1〜p3を除いた領域を判別領域d1〜d3として抽出する。判別領域d1〜d3は、長方形である。図8には、図3に示される物品Pの透過画像における周縁部p1〜p3が点線でハッチングされた領域として示されている。判別領域d1は、内容物領域r1から周縁部p1を除いた領域である。判別領域d2は、内容物領域r2から周縁部p2を除いた領域である。判別領域d3は、内容物領域r3から周縁部p3を除いた領域である。
判別領域抽出部22cは、物品Pの透過画像の内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3を抽出する。具体的には、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、内容物領域r1〜r3の周縁部p1〜p3を除いた領域を判別領域d1〜d3として抽出する。判別領域d1〜d3は、長方形である。図8には、図3に示される物品Pの透過画像における周縁部p1〜p3が点線でハッチングされた領域として示されている。判別領域d1は、内容物領域r1から周縁部p1を除いた領域である。判別領域d2は、内容物領域r2から周縁部p2を除いた領域である。判別領域d3は、内容物領域r3から周縁部p3を除いた領域である。
判別領域d1〜d3は、内容物領域r1〜r3の中央部の領域であることが好ましい。なぜなら、後述するように、判別領域d1〜d3は、対応する内容物Gの種類の判別に用いられるので、特徴量の差異が最も表れやすい領域であることが好ましいからである。例えば、図8に示されるように、内容物Gがつくねg1、皮g2および身g3である場合、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3のうち、串s1〜s3が占める領域、および、その近傍の領域を判別領域d1〜d3として抽出することが好ましい。
判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域d1〜d3に関するデータは、対応する物品Pの透過画像に関するデータと関連付けられて、判別領域記憶部21cに記憶される。
(d)特徴量取得部
特徴量取得部22dは、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の特徴量を取得する。特徴量として用いられるパラメータは、物品Pに含まれる各内容物Gの間の差異が大きいものほど好ましい。例えば、特徴量は、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られるデータである。具体的には、特徴量は、ヒストグラムの最頻値、および、ヒストグラムの所定個数以上のビンからなる形状の少なくとも1つである。
特徴量取得部22dは、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の特徴量を取得する。特徴量として用いられるパラメータは、物品Pに含まれる各内容物Gの間の差異が大きいものほど好ましい。例えば、特徴量は、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られるデータである。具体的には、特徴量は、ヒストグラムの最頻値、および、ヒストグラムの所定個数以上のビンからなる形状の少なくとも1つである。
(e)内容物種類判別部
内容物種類判別部22eは、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の特徴量に基づいて、物品Pに含まれる各内容物Gの種類を判別する。図7に示されるように、内容物Gがつくねg1、皮g2および身g3である場合、内容物種類判別部22eは、各内容物Gが、つくねg1、皮g2および身g3のいずれかであるのかを判別する。
内容物種類判別部22eは、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の特徴量に基づいて、物品Pに含まれる各内容物Gの種類を判別する。図7に示されるように、内容物Gがつくねg1、皮g2および身g3である場合、内容物種類判別部22eは、各内容物Gが、つくねg1、皮g2および身g3のいずれかであるのかを判別する。
また、内容物種類判別部22eは、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の数に基づいて、物品Pに含まれる内容物Gの数を判定する。例えば、図7に示されるように、判別領域d1〜d3の数が3である場合、内容物種類判別部22eは、物品Pには3個の内容物Gが含まれていると判定する。
(f)良否判定部
良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによる判別結果に基づいて、物品Pに関する良品/不良品の判定を行う。すなわち、良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによって、物品Pに含まれる内容物Gの種類および数が正常であると判定された場合には、物品Pを良品と判定する。一方、良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによって、物品Pに含まれる内容物Gの種類および数が正常でないと判定された場合には、物品Pを不良品と判定する。本実施形態において、内容物Gの種類および数が正常であるとは、物品Pに含まれる内容物Gが、図3に示されるように、つくねg1、皮g2および身g3それぞれ1本ずつから構成されている状態を意味する。
良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによる判別結果に基づいて、物品Pに関する良品/不良品の判定を行う。すなわち、良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによって、物品Pに含まれる内容物Gの種類および数が正常であると判定された場合には、物品Pを良品と判定する。一方、良否判定部22fは、内容物種類判別部22eによって、物品Pに含まれる内容物Gの種類および数が正常でないと判定された場合には、物品Pを不良品と判定する。本実施形態において、内容物Gの種類および数が正常であるとは、物品Pに含まれる内容物Gが、図3に示されるように、つくねg1、皮g2および身g3それぞれ1本ずつから構成されている状態を意味する。
良否判定部22fは、物品Pの良品/不良品を判定すると、物品Pが良品/不良品のいずれかであるのかに関する信号を出力する。良否判定部22fによって出力された信号は、振り分け機構70に送られる。振り分け機構70は、良否判定部22fによる判定結果に基づき、物品P(良品)をラインコンベアユニット80へ送り、または、物品P(不良品)を不良品排出方向90,91に振り分ける。
(3)X線検査装置による処理
次に、X線検査装置10による物品Pの処理について説明する。具体的には、制御装置20が、物品Pの透過画像に基づいて物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別して、物品Pの良否を判定する処理について説明する。図9は、X線検査装置10による物品Pの良否を判定する処理のフローチャートである。以下において、X線検査装置10は、図3,7,8に示される物品Pの良否を判定するとする。
次に、X線検査装置10による物品Pの処理について説明する。具体的には、制御装置20が、物品Pの透過画像に基づいて物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別して、物品Pの良否を判定する処理について説明する。図9は、X線検査装置10による物品Pの良否を判定する処理のフローチャートである。以下において、X線検査装置10は、図3,7,8に示される物品Pの良否を判定するとする。
ステップS1では、X線検査装置10に物品Pが投入され、透過画像生成部22aによって物品Pの透過画像が生成される(図7参照)。物品Pの透過画像が生成されると、透過画像に関するデータ(画像データ)が透過画像記憶領域21aに記憶される。画像データが透過画像記憶領域21aに記憶されると、ステップS2に進む。
ステップS2では、内容物領域抽出部22bによって物品Pの透過画像から内容物領域r1〜r3が抽出される(図8参照)。具体的には、二値化フィルタに設定された閾値と、透過画像を構成する各画素の濃度とを比較して、物品Pに含まれる各内容物Gに相当する画素からなる領域が、内容物領域r1〜r3として抽出される。その後、ステップS3に進む。
ステップS3では、判別領域抽出部22cによって内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3が抽出される(図8参照)。具体的には、内容物領域r1〜r3から、その周縁部p1〜p3を除いた領域が、判別領域d1〜d3として抽出される。その後、ステップS4に進む。
ステップS4では、特徴量取得部22dによって判別領域d1〜d3から特徴量が取得される。具体的には、物品Pの透過画像の判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから、内容物Bの種類を判別するために有用な所定のパラメータが、特徴量として算出される。その後、ステップS5に進む。
ステップS5では、内容物種類判別部22eによって、物品Pに含まれる内容物Gの種類が判別される。具体的には、内容物種類判別部22eは、ステップS4において判別領域d1〜d3から取得された特徴量と、特徴量記憶部21dに記憶されている内容物Gの特徴量とを比較して、各判別領域d1〜d3に対応する内容物Bが、つくねg1、皮g2および身g3のいずれかであるのかを判別する。例えば、内容物種類判別部22eは、ステップS4において判別領域d1から取得された特徴量が、特徴量記憶部21dに記憶されている特徴量であってつくねg1に対応する特徴量に近い場合、判別領域d1に対応する内容物Bは、つくねg1であると判定する。その後、ステップS6に進む。
ステップS6では、良否判定部22fによって、物品Pが良品または不良品のいずれかであるのかが判定される。具体的には、良否判定部22fは、ステップS5において、物品Pに含まれる内容物Gの種類が、つくねg1、皮g2および身g3が各1本ずつであると判別された場合に物品Pは良品であると判定し、それ以外の場合に、物品Pは不良品であると判定する。物品Pが良品であると判定された場合、ステップS7に進み、物品Pが不良品であると判定された場合、ステップS8に進む。
ステップS7では、良否判定部22fによって物品Pが良品であると判定されたので、良否判定部22fから振り分け機構70に対して信号が送られ、物品Pがラインコンベアユニット80に送られる(図2参照)。
ステップS8では、良否判定部22fによって物品Pが不良品であると判定されたので、良否判定部22fから振り分け機構70に対して信号が送られ、物品Pが不良品排出方向90,91に振り分けられる(図2参照)。
(4)特徴
(4−1)
X線検査装置10は、検査対象となる物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別して、物品Pの良否を判定する検査を行う。物品Pは、複数種類の内容物Gを含む。図3に示されるように、内容物Gは、互いに重ならないように配置されている。X線検査装置10は、X線照射器13と、X線ラインセンサ14と、制御装置20とを備える。X線照射器13は、物品Pに対してX線を照射する。X線ラインセンサ14は、物品Pを透過したX線である透過X線を検出する。制御装置20は、透過X線の検出データから透過画像を生成し、透過画像に基づいて内容物Gの種類を判別することで、物品Pの良否を判定する。具体的には、制御装置20は、物品Pの透過画像において各内容物Gが占める内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3を抽出し、判別領域d1〜d3の特徴量から、内容物Gの種類を判別する。
(4−1)
X線検査装置10は、検査対象となる物品Pに含まれる内容物Gの種類を判別して、物品Pの良否を判定する検査を行う。物品Pは、複数種類の内容物Gを含む。図3に示されるように、内容物Gは、互いに重ならないように配置されている。X線検査装置10は、X線照射器13と、X線ラインセンサ14と、制御装置20とを備える。X線照射器13は、物品Pに対してX線を照射する。X線ラインセンサ14は、物品Pを透過したX線である透過X線を検出する。制御装置20は、透過X線の検出データから透過画像を生成し、透過画像に基づいて内容物Gの種類を判別することで、物品Pの良否を判定する。具体的には、制御装置20は、物品Pの透過画像において各内容物Gが占める内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3を抽出し、判別領域d1〜d3の特徴量から、内容物Gの種類を判別する。
従来のX線検査装置では、複数種類の内容物を含む物品の良否を適切に判定できない場合があった。なぜなら、物品の内容物の種類を判別するための特徴量として、内容物領域(物品のX線画像における内容物が占める領域)の面積および周囲長等、内容物領域の全体に関するパラメータを用いる場合、互いに近い特徴量を有する複数種類の内容物が物品に混在していると、内容物の種類を高精度で判別できないおそれがあるからである。
しかし、実施形態のX線検査装置10は、複数種類の内容物Gを含む物品Pの透過画像から、内容物Gが占める領域である内容物領域r1〜r3の一部を判別領域d1〜d3として抽出し、判別領域d1〜d3から取得される特徴量に基づいて、内容物Gの種類を判別する。判別領域d1〜d3は、図8に示されるように、内容物Gの種類による差異が小さい周縁部p1〜p3を内容物領域r1〜r3から除いた領域である。すなわち、X線検査装置10は、内容物Gの種類による差異が大きい領域を判別領域d1〜d3として抽出し、判別領域d1〜d3から取得した特徴量を、内容物Gの種類の判別に用いる。その理由は、仮に、内容物領域r1〜r3の全体から取得した特徴量から内容物Gの種類を判別しようとすると、内容物Gの種類による差異が小さい周縁部p1〜p3が各内容物Gの特徴を弱めてしまい、内容物Gの種類を高精度で判別できないおそれがあるからである。
従って、X線検査装置10は、物品Pに含まれる内容物Gの種類を高精度で判別して物品を検査することができる。また、X線検査装置10は、内容物Gの種類ごとに、判別領域d1〜d3の特徴量を特徴量記憶部21dに予め記憶しているので、内容物Gの種類を効率的に判別して物品Pを検査することができる。
(4−2)
X線検査装置10は、物品Pの透過画像に含まれる判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られるデータを特徴量として、内容物Gの種類を判別する。図10(a)〜(c)は、図3に示される物品Pの透過画像に含まれる判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムの一例である。図10(a)は、判別領域d1の濃度に関するヒストグラムである。図10(b)は、判別領域d2の濃度に関するヒストグラムである。図10(c)は、判別領域d3の濃度に関するヒストグラムである。図10(a)〜(c)のグラフにおいて、横軸は、透過X線の強度(輝度)を表し、縦軸は、透過X線の各強度のビンの個数を表す。
X線検査装置10は、物品Pの透過画像に含まれる判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られるデータを特徴量として、内容物Gの種類を判別する。図10(a)〜(c)は、図3に示される物品Pの透過画像に含まれる判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムの一例である。図10(a)は、判別領域d1の濃度に関するヒストグラムである。図10(b)は、判別領域d2の濃度に関するヒストグラムである。図10(c)は、判別領域d3の濃度に関するヒストグラムである。図10(a)〜(c)のグラフにおいて、横軸は、透過X線の強度(輝度)を表し、縦軸は、透過X線の各強度のビンの個数を表す。
図10(a)〜(c)に示されるように、判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムの形状は、互いに異なっている。特に、ヒストグラムの最頻値(ピーク)、および、ヒストグラムの所定個数以上のビンからなる形状(プロファイル)は、互いに明確に異なるため、内容物Gを判別するための特徴的なパラメータとして適している。なお、判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られる他のパラメータが、内容物Gの種類を判別するための特徴量として用いられてもよい。
X線検査装置10は、判別領域d1〜d3の濃度に関するヒストグラムから得られるデータであって、各内容物Gに特徴的なデータを特徴量として用いることで、内容物Gの種類を高精度で判別して物品Pを検査することができる。そのため、X線検査装置10は、内容物領域r1〜r3の面積および周囲長が同程度である複数種類の内容物G同士であっても、内容物Gの種類を高精度で判別することができる。
(5)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(5−1)変形例A
実施形態において、内容物種類判別部22eは、判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、内容物Gの種類を判別する。判別領域d1〜d3は、内容物Gの種類による差異が少ない周縁部p1〜p3を内容物領域r1〜r3から除いた領域である。そのため、判別領域d1〜d3は、内容物Gの種類による差異が大きい領域である。
実施形態において、内容物種類判別部22eは、判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、内容物Gの種類を判別する。判別領域d1〜d3は、内容物Gの種類による差異が少ない周縁部p1〜p3を内容物領域r1〜r3から除いた領域である。そのため、判別領域d1〜d3は、内容物Gの種類による差異が大きい領域である。
しかし、判別領域抽出部22cは、内容物Gの種類による差異が大きい領域であれば、他の基準に従って、内容物領域r1〜r3から判別領域d1〜d3を抽出してもよい。例えば、図3に示されるように内容物Gが串状部材s1〜s3に刺されている食品g1〜g3である場合、判別領域抽出部22cは、串状部材s1〜s3が占める領域、および、串状部材s1〜s3の近傍の領域を判別領域d1〜d3として抽出してもよい。
(5−2)変形例B
実施形態において、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、長方形の判別領域d1〜d3を抽出する。しかし、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、他の形状の判別領域d1〜d3を抽出してもよい。例えば、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、楕円形状の判別領域d1〜d3を抽出してもよい。
実施形態において、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、長方形の判別領域d1〜d3を抽出する。しかし、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、他の形状の判別領域d1〜d3を抽出してもよい。例えば、判別領域抽出部22cは、内容物領域r1〜r3から、楕円形状の判別領域d1〜d3を抽出してもよい。
(5−3)変形例C
X線検査装置10の制御装置20は、内容物Gの重量を推定する重量推定部をさらに備えてもよい。重量推定部は、内容物種類判別部22eによって判別された内容物Gの種類に基づいて、内容物Gの重量を推定する。具体的には、制御装置20の記憶部21は、内容物Gの種類と重量とが対応付けられた重量変換テーブルを記憶しており、重量推定部は、重量変換テーブルを用いて内容物Gの種類から内容物Gの重量を推定する。図3に示される物品Pの場合、X線検査装置10は、重量推定部によって推定された全ての内容物G(つくねg1、皮g2および身g3)の重量の合計値と、予め設定された包装材m1および仕切り材m2の重量とに基づいて、物品Pの重量を推定することができる。
X線検査装置10の制御装置20は、内容物Gの重量を推定する重量推定部をさらに備えてもよい。重量推定部は、内容物種類判別部22eによって判別された内容物Gの種類に基づいて、内容物Gの重量を推定する。具体的には、制御装置20の記憶部21は、内容物Gの種類と重量とが対応付けられた重量変換テーブルを記憶しており、重量推定部は、重量変換テーブルを用いて内容物Gの種類から内容物Gの重量を推定する。図3に示される物品Pの場合、X線検査装置10は、重量推定部によって推定された全ての内容物G(つくねg1、皮g2および身g3)の重量の合計値と、予め設定された包装材m1および仕切り材m2の重量とに基づいて、物品Pの重量を推定することができる。
本変形例では、X線検査装置10は、物品Pの重量を実際に測定して得られた値と、重量推定部によって推定された内容物Gの重量に基づく物品Pの重量の推定値とを比較して、物品Pを良品または不良品に分類することができる。例えば、このX線検査装置10は、物品Pの内容物Gの欠損を高精度で検知することができる。
(5−4)変形例D
X線検査装置10は、他の検査機能をさらに備えてもよい。例えば、X線検査装置10は、異物混入検査機能をさらに備えてもよい。異物混入検査機能は、例えば、金属探知機等を用いて、金属製の異物が物品Pに混入されているか否かを検知する機能である。この場合、X線検査装置10は、物品Pに含まれる内容物Gの種類の判別結果の他に、異物混入検査の結果に基づいて、物品Pを良品または不良品に分類することができる。
X線検査装置10は、他の検査機能をさらに備えてもよい。例えば、X線検査装置10は、異物混入検査機能をさらに備えてもよい。異物混入検査機能は、例えば、金属探知機等を用いて、金属製の異物が物品Pに混入されているか否かを検知する機能である。この場合、X線検査装置10は、物品Pに含まれる内容物Gの種類の判別結果の他に、異物混入検査の結果に基づいて、物品Pを良品または不良品に分類することができる。
(5−5)変形例E
実施形態において、X線検査装置10の検査対象である物品Pは、図3に示される焼き鳥の冷凍食品であり、物品Pに含まれる内容物Gは、つくねg1、皮g2および身g3が1本ずつである。しかし、図3に示されるように、物品Pが複数種類の内容物Gを含み、かつ、物品P内で内容物Gが互いに重ならないように配置されていれば、X線検査装置10は、他の物品Pを検査することができる。
実施形態において、X線検査装置10の検査対象である物品Pは、図3に示される焼き鳥の冷凍食品であり、物品Pに含まれる内容物Gは、つくねg1、皮g2および身g3が1本ずつである。しかし、図3に示されるように、物品Pが複数種類の内容物Gを含み、かつ、物品P内で内容物Gが互いに重ならないように配置されていれば、X線検査装置10は、他の物品Pを検査することができる。
例えば、物品Pは、チョコレートおよびクッキー等の菓子類が内容物Gとして複数種類含まれる箱であってもよい。この場合、同一種類の内容物Gであれば、互いに重なった状態で箱の内部に配置されてもよい。例えば、内容物Gがクッキーである場合、同じ種類のクッキーが複数枚重なった状態で箱の内部の所定位置に配置されていれば、X線検査装置10は、複数枚重なったクッキーに関する特徴量を用いて、クッキーの種類を判別することができる。
(5−6)変形例F
実施形態において、X線検査装置10の内容物種類判別部22eは、判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、内容物Gの種類を判別する。しかし、内容物種類判別部22eは、物品Pに含まれる全ての内容物Gに関して、判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて種類を判別しなくてもよい。例えば、図3に示されるように、物品Pが、3種類の内容物Gを1つずつ含む場合、内容物種類判別部22eは、3つの内容物Gのうちの2つに関して、判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、2種類の内容物Gを判別できたとする。この場合、残りの1つの内容物Gに関する特徴量が、既に種類が判別された他の2つの内容物Gに関する特徴量と明確に異なる場合、その事実をもって、内容物種類判別部22eは、物品Pには3種類の内容物Gが含まれていると判断してもよい。
実施形態において、X線検査装置10の内容物種類判別部22eは、判別領域抽出部22cによって抽出された判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、内容物Gの種類を判別する。しかし、内容物種類判別部22eは、物品Pに含まれる全ての内容物Gに関して、判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて種類を判別しなくてもよい。例えば、図3に示されるように、物品Pが、3種類の内容物Gを1つずつ含む場合、内容物種類判別部22eは、3つの内容物Gのうちの2つに関して、判別領域d1〜d3から取得した特徴量に基づいて、2種類の内容物Gを判別できたとする。この場合、残りの1つの内容物Gに関する特徴量が、既に種類が判別された他の2つの内容物Gに関する特徴量と明確に異なる場合、その事実をもって、内容物種類判別部22eは、物品Pには3種類の内容物Gが含まれていると判断してもよい。
10 X線検査装置
13 X線照射器(X線照射部)
14 X線ラインセンサ(X線検出部)
21d 特徴量記憶部
22a 透過画像生成部(X線画像生成部)
22c 判別領域抽出部
22e 内容物種類判別部
G 内容物
g1 つくね(内容物)
g2 皮(内容物)
g3 身(内容物)
P 物品
r1〜r3 内容物領域
d1〜d3 判別領域
p1〜p3 周縁部
s1〜s3 串(串状部材)
13 X線照射器(X線照射部)
14 X線ラインセンサ(X線検出部)
21d 特徴量記憶部
22a 透過画像生成部(X線画像生成部)
22c 判別領域抽出部
22e 内容物種類判別部
G 内容物
g1 つくね(内容物)
g2 皮(内容物)
g3 身(内容物)
P 物品
r1〜r3 内容物領域
d1〜d3 判別領域
p1〜p3 周縁部
s1〜s3 串(串状部材)
Claims (7)
- 複数種類の内容物を含む物品を検査するためのX線検査装置であって、
前記物品にX線を照射するX線照射部と、
前記物品を透過した前記X線である透過X線を検出するX線検出部と、
前記透過X線に基づいて、前記物品のX線画像を生成するX線画像生成部と、
前記X線画像においてそれぞれの前記内容物が占める領域である内容物領域の一部を判別領域として抽出する判別領域抽出部と、
前記判別領域の特徴量に基づいて、前記内容物の種類を判別する内容物種類判別部と、
を備える、X線検査装置。 - 前記内容物の種類ごとに、前記判別領域の前記特徴量を記憶する特徴量記憶部をさらに備える、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記判別領域抽出部は、前記内容物領域の周縁部を除いた領域を前記判別領域として抽出する、
請求項1または2に記載のX線検査装置。 - 前記内容物は、串状部材を有し、
前記判別領域抽出部は、前記串状部材が占める領域、および、前記串状部材の近傍の領域を前記判別領域として抽出する、
請求項3に記載のX線検査装置。 - 前記内容物種類判別部は、前記X線画像の濃度に関するヒストグラムから得られるデータを前記特徴量とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記内容物種類判別部は、前記ヒストグラムの最頻値、および、前記ヒストグラムの所定個数以上のビンからなる形状の少なくとも1つを前記特徴量とする、
請求項5に記載のX線検査装置。 - 前記内容物種類判別部によって判別された前記内容物の種類に基づいて、前記内容物の重量を推定する重量推定部をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載のX線検査装置。
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JP2016037100A JP2017156113A (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | X線検査装置 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308406A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Ishida Co Ltd | X線検査装置 |
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-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016037100A patent/JP2017156113A/ja active Pending
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