JP2017155801A - 変速装置 - Google Patents

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JP2017155801A JP2016038548A JP2016038548A JP2017155801A JP 2017155801 A JP2017155801 A JP 2017155801A JP 2016038548 A JP2016038548 A JP 2016038548A JP 2016038548 A JP2016038548 A JP 2016038548A JP 2017155801 A JP2017155801 A JP 2017155801A
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Atsushi Adachi
惇 安達
欣宣 塩見
Yoshinobu Shiomi
欣宣 塩見
惇也 小野
Junya Ono
惇也 小野
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Abstract

【課題】変速クラッチの加圧部材を押圧するクラッチリフタカムを軸方向にのみ移動することで、摩擦を低減してクラッチリフタカムに加わる負荷を軽減し、クラッチリフタ機構を円滑に動作させる変速装置を堤供する。
【解決手段】レリーズボール78を間に挟んで対向するクラッチリフタプレート76とクラッチリフタカム77が相対回動し、クラッチリフタカム77が変速クラッチ40の加圧部材45を押圧して変速クラッチ40の接続を解除するクラッチリフタ機構70と、シフトスピンドルの回動をクラッチリフタプレート76とクラッチリフタカム77の相対回動に伝達するクラッチ作動機構とを備え、クラッチリフタプレート76は軸方向の移動を規制され回動可能に支持され、クラッチリフタカム77は回動を規制され軸方向にのみ移動可能に支持され、クラッチ作動機構70は、クラッチリフタプレート76を回動させることを特徴とする変速装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、変速クラッチを備えた変速装置に関する。
パワーユニットの内燃機関と一体に構成される変速機に変速クラッチである多板式クラッチが備えられた変速装置には、多板式クラッチの加圧プレートを押圧してクラッチの接続を解除するために、レリーズボールを間に挟んで対向するクラッチリフタプレートとクラッチリフタカムが互いに相対回動することにより、軸方向に移動するクラッチリフタカムが多板式クラッチの加圧プレートを押圧するクラッチリフタ機構を備えた例(例えば、特許文献1参照)がある。
特開2013−228079号公報
特許文献1に開示されたクラッチリフタ機構は、固定されたクラッチリフタプレートに対してクラッチリフタカムが相対回動され、レリーズボールを介して同クラッチリフタカムが軸方向に移動して多板式クラッチの加圧プレートを押圧してクラッチの接続を解除している。
特許文献1に開示されたクラッチリフタ機構では、クラッチリフタカムは回動しながら軸方向に移動して多板式クラッチの加圧プレートを押圧するので、クラッチリフタカムの回動方向と軸方向の2方向の作動により摩擦が大きく、クラッチリフタカムに加わる負荷が増大し、クラッチリフタ機構の円滑な動作が妨げられる場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、変速クラッチの加圧部材を押圧するクラッチリフタカムを軸方向にのみ移動することで、摩擦を低減してクラッチリフタカムに加わる負荷を軽減し、クラッチリフタ機構を円滑に動作させる変速装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明に係る変速装置は、
パワーユニットの内燃機関と一体に構成される変速機に変速クラッチが設けられ、
前記変速クラッチの中心軸であるクラッチ軸上でレリーズボールを間に挟んで対向するクラッチリフタプレートとクラッチリフタカムが互いに相対回動することにより、前記クラッチ軸の軸方向に移動する前記クラッチリフタカムが前記変速クラッチの接続側に加圧する加圧部材を接続側と反対側に押圧して前記変速クラッチの接続を解除するクラッチリフタ機構と、
前記クラッチリフタプレートと前記クラッチリフタカムを相対回動させるクラッチ作動機構と、
を備えた変速装置において、
前記クラッチリフタプレートは軸方向の移動を規制され回動可能に支持され、
前記クラッチリフタカムは回動を規制され軸方向にのみ移動可能に支持され、
前記クラッチ作動機構は、前記クラッチリフタプレートを回動させることを特徴とする。
この構成によれば、クラッチ作動機構がクラッチリフタ機構のクラッチリフタプレートを回動すると、回動を規制され軸方向にのみ移動可能なクラッチリフタカムに対してクラッチリフタプレートが相対回動し、レリーズボールを介してクラッチリフタカムを軸方向にのみ移動して変速クラッチの加圧部材を押圧して変速クラッチの接続を解除する。
クラッチリフタカムは回動を伴わずに軸方向にのみ移動することで、摩擦が大幅に低減されるため、クラッチリフタカムに加わる負荷が軽減され、クラッチリフタ機構が円滑に動作して変速段の切換えが円滑に行われる。
前記構成において、
前記クラッチ作動機構は、前記変速機の変速段を切り換えるシフトスピンドルの回動を前記クラッチリフタプレートの回動に伝達するようにしてもよい。
この構成によれば、変速機の変速段を切り換えるシフトスピンドルの回動をクラッチリフタプレートの回動に伝達するので、変速作動により駆動されるシフトスピンドルの回動が、シフトドラム等を駆動して変速機の変速段の切り換えを行うとともに、連動して変速クラッチの接続解除を行うことができ、簡単な構成で変速段の切換えを円滑に実行することができる。
前記構成において、
前記クラッチリフタ機構を前記クラッチ軸の軸方向外側から覆うケースカバーに軸方向に嵌挿されたアンカーボルトが、前記クラッチリフタカムの係合部に係合して前記クラッチリフタカムの回動を規制するようにしてもよい。
この構成によれば、クラッチリフタ機構をクラッチ軸の軸方向外側から覆うケースカバーに軸方向に嵌挿されたアンカーボルトが、クラッチリフタカムの係合部に係合するようにして、クラッチリフタカムの回動規制を簡単に構成することができる。
前記構成において、
前記クラッチリフタカムは、前記クラッチ軸より前記クラッチリフタカムの重心の位置する方向に前記係合部が形成され、
前記アンカーボルトは、前記ケースカバーにおける前記係合部が前記クラッチ軸の軸方向で対向する部位に形成されたボルト孔に嵌挿されるようにしてもよい。
この構成によれば、クラッチリフタカムは、クラッチ軸よりクラッチリフタカムの重心の位置する方向に係合部が形成されるので、クラッチリフタカムがクラッチ軸に軸支されると、クラッチリフタカムは自重により係合部をクラッチ軸の真下の所定位置に位置させるため、ケースカバーにより係合部を直接目視できなくとも、ケースカバーにおける係合部がクラッチ軸の軸方向で対向する部位に形成されたボルト孔にアンカーボルトを嵌挿することで、アンカーボルトをクラッチリフタカムの係合部に係合することが可能であり、クラッチリフタカムの回動を容易に規制することができ、組付作業性が良い。
前記構成において、
前記クラッチリフタカムは、別体のカラー部材を介して前記加圧部材を押圧するようにしてもよい。
この構成によれば、クラッチリフタ機構の回動を規制され軸方向にのみ移動するクラッチリフタカムが別体のカラー部材を介して変速クラッチの加圧部材を軸方向に押圧するので、クラッチリフタカムの作動性は良好に維持され、かつカラー部材を介装することで変速クラッチに対するクラッチリフタ機構の配置の自由度を大きくすることができる。
前記構成において、
前記カラー部材は、前記クラッチリフタカムの前記クラッチ軸を中心軸とするカム円筒軸部に嵌合するとともに、前記クラッチリフタプレートの前記クラッチ軸を中心軸とするプレート円筒軸部に摺動可能に嵌合するようにしてもよい。
この構成によれば、カラー部材は、クラッチリフタカムのクラッチ軸を中心軸とするカム円筒軸部に嵌合するとともに、クラッチリフタプレートのクラッチ軸を中心軸とするプレート円筒軸部に摺動可能に嵌合するので、クラッチリフタプレートによってカラー部材がクラッチ軸を中心軸とする位置決めがなされて支持され、さらに同カラー部材によってクラッチリフタカムがクラッチ軸を中心軸とする位置決めがなされて支持されるため、簡単な構造で、カラー部材とクラッチリフタカムをクラッチ軸上に同軸に支持することができる。
前記構成において、
前記内燃機関のクランクシャフトに設けられる発進クラッチは、前記クラッチ軸の軸方向で前記クラッチリフタ機構と前記変速クラッチの間に空間を介して挟まれるようにしてもよい。
この構成によれば、クランクシャフトに設けられる発進クラッチが、クラッチ軸の軸方向でクラッチリフタ機構と変速クラッチの間に空間を介して挟まれるので、クランクシャフトに変速クラッチを近づけることができ、よって変速機もクランクシャフトに近づけて配置することができ、パワーユニットの小型化を図ることができる。
本発明は、クラッチリフタ機構のクラッチリフタカムは回動を規制され軸方向にのみ移動可能に支持され、クラッチリフタプレートは軸方向の移動を規制され回動可能に支持され、クラッチ作動機構はクラッチリフタプレートを回動させるので、クラッチ作動機構がクラッチリフタ機構のクラッチリフタプレートを回動すると、回動を規制され軸方向にのみ移動可能なクラッチリフタカムに対してクラッチリフタプレートが相対回動し、レリーズボールを介してクラッチリフタカムを軸方向にのみ移動して変速クラッチの加圧部材を押圧して変速クラッチの接続を解除する。
クラッチリフタカムは回動を伴わずに軸方向にのみ移動することで、摩擦が大幅に低減されるため、クラッチリフタカムに加わる負荷が軽減され、クラッチリフタ機構が円滑に動作して変速段の切換えが円滑に行われる。
本発明の一実施の形態に係るパワーユニットの正面図である。 同パワーユニットのギアケース等を外した要部正面図である。 同パワーユニットの前ケースカバーを外した要部正面図である。 図1および図3におけるIV−IV線断面および図3のIV´−IV´線断面を示す断面図である。 図4の要部拡大断面図である。 図2におけるVI−VI線断面を示す断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図6に基づいて説明する。
本実施の形態に係る変速装置Aは、内燃機関Eと一体に変速機Mが構成されるパワーユニットPに設けられており、該パワーユニットPは、内燃機関Eのクランクシャフト10を車両の前後方向に指向させて縦置きに四輪バギー等の不整地走行用車両(図示せず)に搭載されるものである。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る車両の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るパワーユニットPの正面図である。
クランクケース2の上面のクランクシャフト10の位置する右寄りからシリンダブロック3が斜め上方に突設され、同シリンダブロック3の上にシリンダヘッド4が重ねられて一体に締結され、シリンダヘッド4の上にはシリンダヘッドカバー5が被せられている。
図4のパワーユニットPの断面図(図1の正面図においてIV−IV線断面図)を参照して、 シリンダブロック3からシリンダスリーブ3cがクランクケース2に嵌入しており、同シリンダスリーブ3aに摺動自在にピストン12が嵌合している。
クランクシャフト10の前後一対のクランクウエブ10w,10w間に架設されたクランクピン10pと前記ピストン12に設けられたピストンピン12pとの間をコネクティングロッド13が連結している。
内燃機関Eは、水冷式単気筒の4ストローク内燃機関であり、シリンダブロック3の上に重ね合わされて締結されるシリンダヘッド4に、図示されないが吸排気ポートとともに動弁機構が設けられている。
内燃機関Eの車両の前後方向に指向させたクランクシャフト10は、図4に示されるように、クランクウエブ10w,10wの前後で、前後割りのクランクケース2の前クランクケース2Fと後クランクケース2Rに主軸受11f,11rを介して回転自在に軸支されている。
前クランクケース2Fには、前方から前ケースカバー6が覆い結合されて、前クランクケース2Fとの間に前収納室6sが形成される。
前クランクケース2Fに保持される主軸受11fから前方へ前収納室6sに延出するクランクシャフト10の前端部は、軸受11zを介して前ケースカバー6に回転自在に支持される。
前収納室6s内のクランクシャフト10には、前端部の近傍に発進クラッチ15が設けられている。
発進クラッチ15は、遠心式のクラッチであり、クラッチインナ15iがクランクシャフト10の前端近傍にインナボス部15ibを介して固着され、クラッチインナ15iの外周と側方を覆うクラッチアウタ15oは、インナボス部15ibにワンウエイクラッチ16を介して回転自在に軸支されるアウタボス部15obに支持されている。
アウタボス部15obは、クランクシャフト10に回転自在に嵌合する円筒部材17の前端部にセレーション嵌合して支持され、円筒部材17の後端部にはプライマリドライブギア18が形成されている。
発進クラッチ15は、クラッチインナ15iがクランクシャフト10と一体に回転すると、遠心力によりクラッチシュー15s(図3参照)が揺動し、クランクシャフト10の回転速度が上昇するに従いクラッチシュー15sはクラッチアウタ15oの内周面に摺接してクラッチアウタ15oを連れ回りし半クラッチ状態とし、さらに回転速度が上昇すると、クラッチシュー15sはクラッチアウタ15oと一体となって回転して発進クラッチ15が接続される。
発進クラッチ15のクラッチアウタ15oの回転は、円筒部材17のプライマリドライブギア18から変速機M側に伝達される。
また、クランクシャフト10のプライマリドライブギア18と主軸受11fとの間には、駆動スプロケット19が形成されている。
駆動スプロケット19は、図3に示される動弁駆動用のカム軸21に嵌着された被動スプロケット21sとの間にチェーン22が架渡されて、チェーン22を介して動弁系を駆動する。
また、カム軸21の前方には、同軸で駆動される水ポンプ23が前ケースカバー6に設けられている(図2参照)。
図2に示されるように、前ケースカバー6の右上方に形成された水ポンプボディ部23b内に、ポンプ駆動軸23aにインペラ23iが嵌着されて水ポンプ23が構成されており、ポンプ駆動軸23aがカム軸21に同軸に連結されている。
したがって、クランクシャフト10の回転がチェーン22を介して動弁系を駆動するとともに水ポンプ23も駆動する。
一方で、後クランクケース2Rには、後方から後ケースカバー7が覆い結合されて、後クランクケース2Rとの間に後収納室7sが形成されている。
後クランクケース2Rに保持される主軸受11rから後方へ後収納室7sに延出するクランクシャフト10には、ACジェネレータ20等が設けられる。
ACジェネレータ20は、アウタロータ20oがクランクシャフト10の後端部に嵌合され、アウタロータ20oに外周を覆われるインナステータ20iが後ケースカバー7に支持されている。
図4を参照して、クランクシャフト10の後収納室7s内の後部には、ACジェネレータ20の前方に回転自在に軸支されたギアボス部27bにスタータドリブンギア27が嵌着支持されており、後ケースカバー7の後面上部に突設されるスタータモータ25の駆動軸25aの回転が減速ギア機構26を介してスタータドリブンギア27に伝達される。
スタータドリブンギア27と一体のギアボス部27bとACジェネレータ20のアウタロータ20oとの間にワンウエイクラッチ28が介装されている。
スタータモータ25の駆動により、減速ギア機構26,スタータドリブンギア27,ワンウエイクラッチ28,アウタロータ20oを介してクランクシャフト10が強制的に回転されて内燃機関Eを始動することができる。
内燃機関Eのクランクシャフト10を軸支するクランクケース2には、クランクシャフト10の左側に内燃機関Eと一体に変速機Mが収容されてパワーユニットPが構成されている。
図3および図4を参照して、変速機Mのメインシャフト31は、クランクシャフト10の左側LHの斜め上方にクランクシャフト3と平行に配置され、前クランクケース2Fと後クランクケース2Rに軸受32,32を介して回転自在に軸支されている。
変速機Mのメインシャフト31と平行なカウンタシャフト33は、メインシャフト31のさらに左側LHの斜め下方に配置され、前クランクケース2Fと後クランクケース2Rに軸受34,34を介して回転自在に軸支されている。
メインシャフト31に軸支される変速駆動歯車群31gとカウンタシャフト33に軸支される変速被動歯車群33gとが、互いに対をなして変速段を構成する歯車どうしが噛合して常時噛合い式の変速機Mを構成している。
常時噛合い式の変速機Mは、メインシャフト31とカウンタシャフト33に軸方向に摺動自在に軸支されたシフタが変速歯車に係脱することで、変速段が確立する。
カウンタシャフト33の下方で僅かに右寄りに出力シャフト35が配置され(図3参照)、同出力シャフト35は前クランクケース2Fと後クランクケース2Rに軸受36,36を介して回転自在に軸支されている(図4参照)。
図4に示されるように、カウンタシャフト33のクランク室から後方へ後収納室7sに突出した後端には減速駆動ギア33rが嵌着され、カウンタシャフト33と平行に配設された出力シャフト35に嵌着された減速従動ギア35rが減速駆動ギア33rと噛合して、減速された動力が出力シャフト35に伝達されるようになっている。
出力シャフト35は、前後に延びて前ケースカバー6および後ケースカバー7を貫通して外部に突出しており(図4参照)、前後両端の回転がそれぞれドライブシャフト等を介して前輪と後輪の駆動に供される。
メインシャフト31の前クランクケース半体2Fに保持される軸受32より前方へ前収納室6sに延出する前端部には、変速クラッチ40が設けられている。
変速クラッチ40は、多板式クラッチである。
図5を参照して、多板式クラッチ40のクラッチアウタ41は、その円筒状のアウタボス部41bがメインシャフト31の前端部にスリーブ51を介して回転自在に嵌合している。
クラッチアウタ41のアウタボス部41bには、プライマリドリブンギア38が外嵌され、プライマリドリブンギア38とクラッチアウタ41との間に周方向に伸縮するダンパスプリング39が周方向に介装されている。
プライマリドリブンギア38は、クランクシャフト10に回転自在に嵌合された円筒部材17のプライマリドライブギア18と噛合している。
多板式クラッチ40のクラッチインナ42は、その後方に延出した円筒状のインナボス部42bがメインシャフト31にスプライン嵌合してクラッチアウタ41を回転自在に軸支するスリーブ51との間に環状板部材52を挟んでいる。
メインシャフト31の先端部には雄ねじが刻設されており、ナット54を螺合してワッシャ53を介して締め付けると、インナボス部42bとスリーブ51が軸受32のインナレースとともに緊締されてメインシャフト31に固定される。
すなわち、クラッチインナ42は変速機Mのメインシャフト31に対して固定され、メインシャフト31と一体に回転する。
クラッチアウタ41には摩擦板43が、クラッチインナ42にはクラッチ板44が、それぞれ複数個づつ軸方向に摺動可能に保持され、交互に重なった状態で配置されている。
摩擦板43はクラッチアウタ41に対して相対回転不可能に保持され、クラッチ板44はクラッチインナ11に対して相対回転不可能に保持されている。
そして、クラッチインナ42の後方に延出したインナボス部42bの外周に加圧プレート45が軸方向に摺動可能に取りつけられている。
この多板式クラッチ40では、交互に重ねて配置された摩擦板43とクラッチ板44は、加圧プレート45の外周の加圧部45pとクラッチインナ42の外周の受圧部42pとの間に挟まれている。
加圧プレート45には周方向等間隔に6本の円筒突出部45sが前方(図5における左方)に向け突出して設けられ、クラッチインナ42に設けられた6つの貫通孔にそれぞれ挿通されて前方に突出している。
したがって、クラッチインナ42と加圧プレート45は、互いに相対回転はできず、メインシャフト31の周りを一緒に回転する。
加圧プレート45の加圧部45pより内周の後面には、円環板状の環状リテーナ46が添接されて止め輪47で抜け止めされ、クラッチインナ42のインナボス部42bの外周面の周方向溝に止め輪48が係合されており、環状リテーナ46と止め輪48との間に皿ばね型のクラッチスプリング49が介装されている。
したがって、クラッチスプリング49は、クラッチインナ42に対して加圧プレート45を前方に付勢してクラッチインナ42の受圧部42pに加圧プレート45の加圧部45pを近づけるので、両者間の摩擦板43とクラッチ板44を挟み込んで、挟圧による摩擦で多板式クラッチ40は接続する。
加圧プレート45のクラッチインナ42の貫通孔を挿通した6本の円筒突出部45sの前部にそれぞれ嵌合する円筒部55sを環状に連結した環状連結部材55と、環状連結部材55の6本の円筒部55sの前端にそれぞれ嵌合する円孔56sが周方向に6つ形成された円環状プレート56とを備え、加圧プレート45の6本の円筒突出部45sに環状連結部材55の円筒部55sを嵌め、次いで、環状連結部材55の円筒部55sに円環状プレート56の円孔56sの順に嵌め込む。
そして、加圧プレート45の各円筒突出部45sの内周面に形成された雌ねじにワッシャ57を介してボルト58をそれぞれ螺合して、加圧プレート45の6本の円筒突出部45sの前部に環状連結部材55と円環状プレート56を取り付け、6本の円筒突出部45sを前端で連結する。
環状連結部材55の外周部とクラッチインナ42の受圧部42pの外周部との間に皿ばね61が介装され、円環状プレート56の内周部とクラッチインナ42のインナボス部42bとの間にコイルスプリング62が介装されている。
円環状プレート56がコイルスプリング62の付勢力に抗して後方に移動されると、環状連結部材55が後方に押されて皿ばね60の付勢力に抗して後方に移動し、環状連結部材55と円筒突出部45sの嵌合を介して加圧プレート45がクラッチインナ42に対して後方に移動して、クラッチインナ42の受圧部42pから加圧プレート45の加圧部45pを遠ざけるので、両者間の摩擦板43とクラッチ板44の摩擦を低減して、多板式クラッチ40の接続は解除される。
円環状プレート56に作用して加圧プレート45を後方に押圧して多板式クラッチ40の接続を解除するクラッチリフタ機構70が、多板式クラッチ40の前方に設けられている。
多板式クラッチ40の中心軸(メインシャフト31の中心軸と同軸)をクラッチ軸Lcとする。
図5を参照して、多板式クラッチ40を前方から覆う前ケースカバー6におけるメインシャフト31の前方の部位に、メインシャフト31の前方に突出するねじ孔ボス部6aと後方に円筒状に突出する支持ボス部6bがメインシャフト31と同軸のクラッチ軸Lc上に形成されている。
ねじ孔ボス部6aには、ねじ71がクラッチ軸Lc上で進退自在に螺入し、ねじ71の前方に突出した部分にワッシャ73を介してナット72が螺合してねじ71を位置決めする。
支持ボス部6bには、支持軸部材74の大径基端部74aがクラッチ軸Lc上で嵌挿され、支持軸部材74は大径基端部74aより後方に小径支軸部74bが突出している。
ねじ孔ボス部6aに螺入されナット72により位置決めされたねじ71の後端面に、支持軸部材74の大径基端部74aが後方から接して支持軸部材74の前方への移動が規制されて支持軸部材74の位置決めがなされる。
支持軸部材74の小径支軸部74bにクラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aが回動自在に嵌合されてクラッチリフタプレート76がクラッチ軸Lc上で軸支される。
図3および図5を参照して、クラッチリフタプレート76は、円板状部76bの中央にプレート円筒軸部76aが長尺に突出して形成されており、支持軸部材74の大径基端部74aと円板状部76bとの間にスラストころ軸受75を介装して支持軸部材74の小径支軸部74bに回動自在に軸支される。
クラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aは支持軸部材74の小径支軸部74bよりも後方に大きく延出している(図5参照)。
クラッチリフタプレート76の円板状部76bの後面には周方向に凹部と凸部が交互に形成されたカム面76cが形成されている。
また、クラッチリフタプレート76の円板状部76bは、外縁の一部が遠心方向に延出した延出連結部76eが形成されている(図3参照)。
延出連結部76eには連結円筒部76eeが形成されている。
クラッチリフタプレート76の円板状部76bの後面に対向してクラッチリフタカム77が設けられる。
図3および図5を参照して、クラッチリフタカム77は、円板状部77bの中央にカム円筒軸部77aが短尺に突出して形成されており、同カム円筒軸部77aがクラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに摺動自在に嵌合してクラッチ軸Lc上で軸支され、クラッチリフタプレート76とクラッチリフタカム77は、クラッチ軸Lc上で互いに相対回動する。
クラッチリフタカム77の円板状部77bは、クラッチリフタプレート76の円板状部76bに対向し、クラッチリフタカム77の円板状部77bの前面にはクラッチリフタプレート76の円板状部76bの後面のカム面に対向して周方向に凹部と凸部が交互に形成されたカム面77cが形成されている。
クラッチリフタカム77の円板状部77bは、一部が遠心方向に延出した延出廻止め部77eが形成され、延出廻止め部77eには、係合凹部77eeが形成されている(図3参照)。
クラッチリフタプレート76とクラッチリフタカム77との間に、ボールリテーナ79により支持された3個のレリーズボール78が挟まれる。
ボールリテーナ79は、ほぼ正三角形状をなす2枚のプレートを重ね合わせて構成され、その3つの角部にそれぞれレリーズボール78を回転自在に保持するもので、中央部をクラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに嵌合されてプレート円筒軸部76aに軸支される。
クラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに、3個のレリーズボール78を保持したボールリテーナ79が嵌合して軸支されるとともに、クラッチリフタカム77が摺動自在に嵌合して軸支されることで、クラッチリフタプレート76の円板状部76bの後面のカム面76cとクラッチリフタカム77の円板状部77bの前面のカム面77cとの間にレリーズボール78が挟まれる。
クラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに摺動自在に軸支されるクラッチリフタカム77は、円板状部77bに延出形成された延出廻止め部77eにより重心がプレート円筒軸部76aより延出廻止め部77eがある側に位置するので、クラッチリフタカム77は自重により延出廻止め部77eを下方に向けた姿勢で軸支される(図3参照)。
そこで、クラッチリフタカム77のプレート円筒軸部76aの中心軸(クラッチ軸Lc)より下方に安定して位置する延出廻止め部77eの係合凹部77eeが対向する前ケースカバー6の部位に、雌ねじのボルト孔6hが形成されており(図2参照)、同ボルト孔6hにアンカーボルト85を前方から螺入すると、前ケースカバー6を貫通して後方に突出したアンカーボルト85の後端部が、クラッチリフタカム77の自重により下方に延出した延出廻止め部77eの係合凹部77eeに係合する(図3,図5参照)。
図2に示されるように、前ケースカバー6により係合凹部77eeを直接目視できなくとも前ケースカバー6のクラッチ軸Lcの真下の所定位置に形成されたボルト孔6hにアンカーボルト85を螺入し嵌挿することで、クラッチリフタカム77の係合凹部77eeに自ずと係合することができ、組付作業性が良い。
このようにクラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに摺動自在に軸支されるクラッチリフタカム77は、アンカーボルト85により回動が規制され、軸方向の移動のみが可能となる。
クラッチリフタ機構70は、以上のように構成されており、レリーズボール78を間に挟んで対向するクラッチリフタプレート76とクラッチリフタカム77は、一方の回動自在なクラッチリフタプレート76が他方の回動を規制されたクラッチリフタカム77に対して軸方向位置を維持したまま相対回転する。
本クラッチリフタ機構70は、レリーズボール78がクラッチリフタプレート76のカム面76cの凹部とクラッチリフタカム77のカム面77cの凹部の双方に入り込んでいるときが、クラッチリフタプレート76にクラッチリフタカム77が最も近づいて最も前方に位置しているときであり、この状態からクラッチリフタプレート76がクラッチリフタカム77に対して相対回動すると、レリーズボール78が前側のカム面76cの凸部と後側のカム面77cの凸部に転動しながら乗り上げることで、クラッチリフタプレート76からクラッチリフタカム77が離れる。
すなわち、クラッチリフタプレート76が回動すると、クラッチリフタカム77は後方に移動する。
このクラッチ軸Lc上を軸方向に移動するクラッチリフタカム77のカム円筒軸部77aとカム円筒軸部77aより後方に延出するクラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aの双方に外嵌する円筒カラー部材80が設けられている。
円筒カラー部材80は、クラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aに摺動自在に嵌合し、前端部80aの若干拡径した内周面がクラッチリフタカム77のカム円筒軸部77aに嵌合している。
円筒カラー部材80は、前端面がクラッチリフタカム77の円板状部77bに当接して、クラッチリフタプレート76のプレート円筒軸部76aより後方に延びている。
円筒カラー部材80の後方に延びた後部の縮径された後端部80bと前記多板式クラッチ40の前方に取り付けられた円環状プレート56の内周縁部との間に軸受81が係合部材82とともに介装されている。
軸受81は、インナレースが円筒カラー部材80の縮径された後端部80bに嵌合し、アウタレースが係合部材82の円筒部と内側に延出した後側係合片に嵌合している。
円環状プレート56の内周縁部は、係合部材82は円筒部と外側に延出した前側係合片に嵌合している。
多板式クラッチ40のクラッチインナ42と円環状プレート56との間に介装されたコイルスプリング62により円環状プレート56は前方に付勢されているので、係合部材82と軸受81を介して円筒カラー部材80とともにクラッチリフタカム77が前方に付勢されている。
図4および図5に示されるように、円筒カラー部材80は長尺であり、円筒カラー部材80と軸方向位置(前後方向位置)を同じくして前記発進クラッチ15が位置し、発進クラッチ15は、クラッチリフタ機構70と多板式クラッチ40との間に空間を介して挟まれている。
図5は、加圧プレート45が前方に位置してクラッチインナ42との間に摩擦板43とクラッチ板44を挟圧して多板式クラッチ40が接続状態にあるときを実線で示しており、このときクラッチリフタ機構70は、レリーズボール78がクラッチリフタプレート76のカム面76cの凹部とクラッチリフタカム77のカム面77cの凹部の双方に入り込んでクラッチリフタカム77がコイルスプリング62の付勢力により最も前方に位置している。
なお、クラッチリフタ機構70の前後位置は、ねじ71とナット72の螺合により支持軸部材74,スラストころ軸受75を介して調節することができる。
この状態からクラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76が回動すると、図5に2点鎖線で示されるように、レリーズボール78が前側のカム面76cの凸部と後側のカム面77cの凸部に転動しながら乗り上げて、クラッチリフタカム77がコイルスプリング62の付勢力に抗して後方に移動するので、クラッチリフタカム77とともに円筒カラー部材80,軸受81,円環状プレート56,環状連結部材55を介して加圧プレート45が後方に移動して、多板式クラッチ40の接続を解除する。
クラッチリフタ機構70の回動を規制され軸方向にのみ移動するクラッチリフタカム77が別体の円筒カラー部材80を介して多板式クラッチ40の加圧プレート45を軸方向後方に押圧するので、クラッチリフタカム77の作動性は良好に維持され、かつ円筒カラー部材80を介装することで、多板式クラッチ40に対するクラッチリフタ機構70の配置の自由度が大きい。
したがって、図5に示されるように、クラッチリフタ機構70を前ケースカバー6に近づけて配置することができるため、前ケースカバー6に螺合し貫通してクラッチリフタカム77の係合凹部77eeに係合してクラッチリフタカム77の回動を規制するアンカーボルト85も短くてすみ、組付作業性をより一層良くしている。
多板式クラッチ40の接続を解除するために、クラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76を回動するクラッチ作動機構90は、変速機Mの変速段を切り換えるシフトスピンドル91の回動を利用している。
図3を参照して、クラッチリフタ機構70の右方最外側位置70Rと左方最外側位置70Lとの間の水平方向幅をWとすると、図3に示されるように、シフトスピンドル91は、メインシャフト31の下方、すなわちクラッチ軸Lcの下方であって、クラッチ軸Lcの軸方向視(図3)でクラッチリフタ機構70の水平方向幅W内に配置されている。
図6に示されるように、シフトスピンドル91は、前クランクケース2Fと後クランクケース2Rに回動自在に軸支され、前クランクケース2Fより前方へ前収納室6sに延出して前ケースカバー6を貫通している。
このシフトスピンドル91の前ケースカバー6の裏面(後面)に沿った部位にクラッチアーム92が取り付けられている。
クラッチアーム92は、基端部がシフトスピンドル91に嵌着されて右側RHに延出して設けられている(図3参照)。
したがって、図3に示されるように、クラッチアーム92は、クラッチ軸Lcとシフトスピンドル91の中心軸を含む平面Sに関してパワーユニットPの出力シャフト35のある側(左側LH)と反対側(右側RH)に延出している。
クラッチアーム92の延出した先端の延出連結部92eに連結孔92eeが形成されている(図6参照)。
図3に示されるように、クラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76は、円板状部76bの延出連結部76eがクラッチアーム92の延出方向と平行な方向に延出しており、このクラッチリフタプレート76の延出連結部76eと下方のクラッチアーム92の延出連結部92eとをリンクロッド95が連結する。
図3に示されるように、リンクロッド95はほぼ上下方向に指向しており、リンクロッド95の上端部にボルト96bにより螺着され後方に突設された連結ピン96が、クラッチリフタプレート76の延出連結部76eの連結円筒部76eeに軸受97を介して回転自在に軸支され(図5参照)、他方、リンクロッド95の下端部にボルト93bにより螺着され後方に突設された連結ピン93が、クラッチアーム92の延出連結部92eの連結孔92eeに軸受94を介して回転自在に軸支される(図6参照)。
図3を参照して、クラッチ作動機構90は、クラッチ軸Lcを中心に回動するクラッチリフタプレート76の延出連結部76eとシフトスピンドル91に嵌着されたクラッチアーム92の延出連結部92eとをそれぞれ連結ピン96と連結ピン93とを介してリンクロッド95が連結して構成されている。
本クラッチ作動機構90のクラッチ軸Lc,シフトスピンドル91,連結ピン93,連結ピン96は、平行四辺形の頂点に位置しており、したがって、クラッチ作動機構90は、4節平行リンク機構を構成している。
したがって、シフトスピンドル91が回動すると、リンクロッド95を介してクラッチリフタプレート76が同じ角度回動する。
そして、クラッチリフタプレート76の回動は、前記クラッチリフタ機構70によりクラッチリフタカム77を後方に移動して多板式クラッチ40の加圧プレート45を押圧することで、加圧プレート45が後方に移動して多板式クラッチ40の接続を解除することになる。
図3に示されるように、リンクロッド95は、クラッチ軸Lcの軸方向視でクラッチ軸Lcとクランクシャフト10との間に位置している。
また、リンクロッド95は、クラッチ軸Lcの軸方向視(図3)でクランクシャフト10に設けられる発進クラッチ15と重なる。
本シフトスピンドル91は、変速用モータ100により駆動される。
クランクケース2の前方を覆う前ケースカバー6には、左右幅方向の中央下半部に減速ギア機構101を収納するギア収納部6cが前方に開口して形成されており(図2参照)、図1に示されるように、ギア収納部6cを前方からギアカバー8が覆っており、ギアカバー8に変速用モータ100が取り付けられている。
図2および図6を参照して、変速用モータ100の駆動軸100aとシフトスピンドル91に嵌着されたギアシフトアーム104との間に中間軸102,103に軸支された減速ギア102a、102b、103a,103bのギア列が介装されて減速ギア機構101が構成されている。
変速用モータ100の駆動軸100aの回動は、減速ギア機構101の減速ギア102a、102b、103a,103bのギア列を介して減速されてギアシフトアーム104と一体にシフトスピンドル91を回動する。
図6を参照して、シフトスピンドル91の回動は、間欠送り機構105を介してシフトドラム115を所要角度回動する。
シフトドラム115の外周面に形成された3本のリード溝に、シフトフォークシャフト111に摺動自在に支持されたシフトフォーク112a,112b,112cの各シフトピンが摺動自在に嵌合しており、シフトドラム115の回動によりシフト溝にガイドされて軸方向に移動するシフトフォーク112aがメインシャフト31上のシフタを移動させ、シフトフォーク112b,112cがカウンタシャフト33上のシフタを移動させて有効に動力伝達する互いに噛み合うギア対を変更して変速段の切換えを行う。
以上の変速段の切換え時に回動するシフトスピンドル91の前ケースカバー6の後面に沿った位置に、前記クラッチ作動機構90のクラッチアーム92が嵌着されている(図6参照)。
したがって、変速用モータ100が駆動され、シフトスピンドル91が回動すると、間欠送り機構105を介してシフトドラム115等を駆動して変速機Mの変速段の切り換えが行われるとともに、クラッチ作動機構90を介してクラッチリフタ機構70が作動して多板式クラッチ40の接続が解除される。
図2を参照して、クラッチ作動機構90のクラッチアーム92は、前記したように、クラッチ軸Lcとシフトスピンドル91の中心軸を含む平面Sに関してパワーユニットPの出力シャフト35のある側(左側LH)と反対側(右側RH)に延出しており(図3参照)、よって、クラッチアーム92は、図2に示すクラッチ軸Lcの軸方向視で、変速用モータ100の駆動をシフトスピンドル91に伝達する減速ギア機構101と重なる。
以上、詳細に説明した本発明に係る変速装置Aの一実施の形態では、以下に記す効果を奏する。
図5を参照して、クラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76は軸方向の移動を規制され回動可能に支持され、クラッチリフタカム77は回動を規制され軸方向にのみ移動可能に支持され、クラッチ作動機構90はクラッチリフタプレート76を回動させるので、クラッチ作動機構90がクラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76を回動すると、回動を規制され軸方向にのみ移動可能なクラッチリフタカム77に対してクラッチリフタプレート76が相対回動し、レリーズボール78を介してクラッチリフタカム77を軸方向にのみ移動して多板式クラッチ40の加圧プレート45を押圧して多板式クラッチ40の接続を解除する。
したがって、クラッチリフタカム77は回動を伴わずに軸方向にのみ移動することで、摩擦が大幅に低減されるため、クラッチリフタカム77に加わる負荷が軽減され、クラッチリフタ機構70が円滑に動作して変速段の切換えが円滑に行われる。
図3および図6に示されるように、変速機Mの変速段を切り換えるシフトスピンドル91の回動をクラッチリフタ機構70のクラッチリフタプレート76の回動に伝達するので、変速作動により駆動されるシフトスピンドル91の回動が、シフトドラム115等を駆動して変速機Mの変速段の切り換えを行うとともに、同時に多板式クラッチ40の接続解除を行うことができ、簡単な構成で変速段の切換えを円滑に実行することができる。
図3および図5に示されるように、クラッチリフタ機構70をクラッチ軸Lcの軸方向外側から覆う前ケースカバー6に軸方向に嵌挿されたアンカーボルト85が、クラッチリフタ機構70のクラッチリフタカム77の係合凹部77eeに係合するようにして、クラッチリフタカム77の回動規制を簡単に構成することができる。
図5に示されるように、クラッチリフタ機構70のクラッチリフタカム77は、クラッチ軸Lcよりクラッチリフタカム77の重心の位置する方向に係合凹部77eeが形成されるので、クラッチリフタカム77がクラッチ軸Lcに軸支されると、クラッチリフタカム77は自重により係合凹部77eeをクラッチ軸Lcの真下に位置させるため、ケースカバー6により係合凹部77eeを直接目視できなくとも、ケースカバー6における係合凹部77eeがクラッチ軸Lcの軸方向で対向する部位に形成された雌ねじ孔(ボルト孔)6hにアンカーボルト85を螺合し嵌挿することで、クラッチリフタカム77の係合凹部77eeに係合することが可能であり、クラッチリフタカム77の回動を容易に規制することができ、組付作業性が良い。
図5に示されるように、クラッチリフタ機構70の回動を規制され軸方向にのみ移動するクラッチリフタカム77が、別体の円筒カラー部材80を介して多板式クラッチ40の加圧プレート45を軸方向に押圧するので、クラッチリフタカム77の作動性は良好に維持され、かつ円筒カラー部材80を介装することで、多板式クラッチ40に対するクラッチリフタ機構70の配置の自由度を大きくすることができる。
図5に示されるように、円筒カラー部材80は、クラッチリフタカム77のクラッチ軸Lcを中心軸とするカム円筒軸部77aに嵌合するとともに、クラッチリフタプレート76のクラッチ軸Lcを中心軸とするプレート円筒軸部76aに摺動可能に嵌合するので、クラッチリフタプレート76によって円筒カラー部材80がクラッチ軸Lcを中心軸とする位置決めがなされて支持され、さらに同円筒カラー部材80によってクラッチリフタカム77がクラッチ軸Lcを中心軸とする位置決めがなされて支持されるため、簡単な構造で、円筒カラー部材80とクラッチリフタカム77をクラッチ軸Lc上に同軸に支持することができる。
図3および図5に示されるように、クランクシャフト10に設けられる発進クラッチ15が、クラッチ軸Lcの軸方向でクラッチリフタ機構70と変速クラッチ40の間に空間を介して挟まれるので、クランクシャフト10に変速クラッチ40を近づけることができ、よって変速機Mもクランクシャフト10に近づけて配置することができ、パワーユニットPの小型化を図ることができる。
以上、本発明に係る一実施の形態に係る変速装置について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
P…パワーユニット、E…内燃機関、A…変速装置、M…変速機、Lc…クラッチ軸、
1…、2…クランクケース、2F…前クランクケース、2R…後クランクケース、3…シリンダブロック、6…前ケースカバー、7…後ケースカバー、8…ギアカバー、
10…クランクシャフト、15…発進クラッチ(遠心クラッチ)、18…プライマリドライブギア、20…ACジェネレータ、25…スタータモータ、31…メインシャフト、33…カウンタシャフト、35…出力シャフト、38…プライマリドリブンギア、
40…多板式クラッチ(変速クラッチ)、41…クラッチアウタ、42…クラッチインナ、43…摩擦板、44…クラッチ板、45…加圧プレート、46…円環状リテーナ、49…クラッチスプリング、55…環状連結部材、56…円環状プレート、58…ボルト、61…皿ばね、62…コイルスプリング、
70…クラッチリフタ機構、71…ねじ、72…ナット、74…支持軸部材、76…クラッチリフタプレート、76a…プレート円筒軸部、76e…延出連結部、77…クラッチリフタカム、77a…カム円筒軸部、77ee…係合凹部、78…レリーズボール、79…ボールリテーナ、
80…円筒カラー部材、81…軸受、82…係合部材、85…アンカーボルト、
90…クラッチ作動機構、91…シフトスピンドル、92…クラッチアーム、93…連結ピン、94…軸受、95…リンクロッド、96…連結ピン、
100…変速用モータ、101…減速ギア機構、105…間欠送り機構、115…シフトドラム。

Claims (7)

  1. パワーユニット(P)の内燃機関(E)と一体に構成される変速機(M)に変速クラッチ(40)が設けられ、
    前記変速クラッチ(40)の中心軸であるクラッチ軸(Lc)上でレリーズボール(78)を間に挟んで対向するクラッチリフタプレート(76)とクラッチリフタカム(77)が互いに相対回動することにより、前記クラッチ軸(Lc)の軸方向に移動する前記クラッチリフタカム(77)が前記変速クラッチ(40)の接続側に加圧する加圧部材(45)を接続側と反対側に押圧して前記変速クラッチ(40)の接続を解除するクラッチリフタ機構(70)と、
    前記クラッチリフタプレート(76)と前記クラッチリフタカム(77)を相対回動させるクラッチ作動機構(90)と、
    を備えた変速装置において、
    前記クラッチリフタプレート(76)は軸方向の移動を規制され回動可能に支持され、
    前記クラッチリフタカム(77)は回動を規制され軸方向にのみ移動可能に支持され、
    前記クラッチ作動機構(90)は前記クラッチリフタプレート(76)を回動させることを特徴とする変速装置。
  2. 前記クラッチ作動機構(90)は、前記変速機(M)の変速段を切り換えるシフトスピンドル(91)の回動を前記クラッチリフタプレート(76)の回動に伝達することを特徴とする請求項1記載の変速装置。
  3. 前記クラッチリフタ機構(70)を前記クラッチ軸(Lc)の軸方向外側から覆うケースカバー(6)に軸方向に嵌挿されたアンカーボルト(85)が、前記クラッチリフタカム(77)の係合部(77ee)に係合して前記クラッチリフタカム(77)の回動を規制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の変速装置。
  4. 前記クラッチリフタカム(77)は、前記クラッチ軸(Lc)より前記クラッチリフタカム(77)の重心の位置する方向に前記係合部(77ee)が形成され、
    前記アンカーボルト(85)は、前記ケースカバー(6)における前記係合部(77ee)が前記クラッチ軸(Lc)の軸方向で対向する部位に形成された嵌挿孔(6h)に嵌挿されることを特徴とする請求項3記載の変速装置。
  5. 前記クラッチリフタカム(77)は、別体のカラー部材(80)を介して前記加圧部材(45)を押圧することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の変速装置。
  6. 前記カラー部材(80)は、前記クラッチリフタカム(77)の前記クラッチ軸(Lc)を中心軸とするカム円筒軸部(77a)に嵌合するとともに、前記クラッチリフタプレート(76)の前記クラッチ軸(Lc)を中心軸とするプレート円筒軸部(76a)に摺動可能に嵌合することを特徴とする請求項5記載の変速装置。
  7. 前記内燃機関のクランクシャフト(10)に設けられる発進クラッチ(15)は、前記クラッチ軸(Lc)の軸方向で前記クラッチリフタ機構(70)と前記変速クラッチ(40)の間に空間を介して挟まれることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の変速装置。
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