JP2017155579A - 押出成形セメント板及び押出成形セメント板の製造方法 - Google Patents

押出成形セメント板及び押出成形セメント板の製造方法 Download PDF

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Hirosuke Sakamoto
裕輔 坂本
吉大 細田
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Abstract

【課題】表面部分に設けられたリブの天面部と側壁部のコーナー部である境界部分の丸みをなくし、さらに、リブの天面部と、この天面部間の溝部とを完全に塗り分けられるようにして、意匠性を向上させることができる押出成形セメント板及び押出成形セメント板の製造方法を提供する。【解決手段】表面部分に中空部2に沿って略直線状に延びる複数のリブ4が形成された押出成形セメント板1である。リブ4の長手方向に沿って延びる天面部5と、この天面部5の両側で長手方向に沿って延びる側壁部6との境界部分7を角張らせ、天面部5と側壁部6とを境界部分7で区画分けして、天面部5と隣り合う天面部5間の溝部9を互いに異なる色彩で色分けした。【選択図】図2

Description

本発明は建物の外壁、間仕切壁などに用いる押出成形セメント板に関するものであり、特に表面部分に設けられたリブの天面部と側壁部とを区画分けした押出成形セメント板と、その製造方法に関するものである。
押出成形セメント板は軽量かつ高い強度を有していることから、建物の外壁、間仕切壁として広く用いられている。押出成形セメント板には、デザインパネルとして表面の意匠性を高めるため、表面に押出方向に平行した複数のリブを設けることも行われている。さらに、押出成形セメント板の表面を縞状模様として外壁の意匠性を向上させることも行われている。それには、押出成形セメント板の表面部分に設けられたリブの天面部と、このリブの側壁部及びリブ間の底部からなる溝部とを塗り分けることで、押出成形セメント板の表面を縞状模様とする。
リブの天面部と、天面部間の溝部とを塗り分けるには、リブが設けられた押出成形セメント板の天面部と溝部を含む表面全体を1つめの色で塗装し、その後、ローラー掛けによってリブの天面部のみを2つめの色で塗装し、天面部に溝部と異なる色彩を施す。
押出成形セメント板を押出成形する際、押出成形し易いようにリブの天面部と側壁部のコーナー部に丸みをもたせて成形する。図7のようにリブ30の天面部31と側壁部32のコーナー部である境界部分33に丸みがあるため、リブ30のシャープさが低下する。そして、押出成形セメント板の天面部31を塗料35でローラー掛けしたときには、境界部分33での塗り分けが曖昧となり、シャープさに欠けた仕上がりとなる。なお図7は模式図であり塗料の厚みを強調して描いている。このように境界部分33を境とした天面部31と、側壁部32を含む溝部との完全な塗り分けが難しく、天面部31と溝部の境界が曖昧な模様となり、所望の意匠性を得ることができなかった。
特許文献1には、化粧凹溝が形成されたALCパネルの表面全面に第1塗料を塗布した後、化粧凹以外の部分の表面に第2塗料をローラーで塗布する塗装方法が記載されている。
特開2001−089263号公報
特許文献1に記載のALCパネルは軽量気泡コンクリート製であり、この軽量気泡コンクリートは、素材の特性上、切削加工によって容易に凹部などの形状を設けることができる。これに対し押出成形セメント板では、ALCパネルよりも比重が大きく緻密であり、非常に硬度が高いため、切削加工によって凹部を形成しようとすると、多大のコストを要することになる。そのため、押出成形セメント板に切削加工で凹部を設けるのは現実的には困難である。
従って、押出成形セメント板に特許文献1に記載の切削加工と塗装方法を用いることはできず、上記のように押出成形セメント板のリブの天面部と側壁部のコーナー部である境界部分に丸みが生じてリブのシャープさが低下し、さらに、リブの天面部と、この天面部間の溝部とを完全に塗り分けられない。そのため、高い意匠性を得ることはできない。
そこで本発明は従来技術の問題点に鑑み、表面部分に設けられたリブの天面部と側壁部のコーナー部である境界部分の丸みをなくし、さらに、リブの天面部と、この天面部間の溝部とを完全に塗り分けられるようにして、意匠性を向上させることができる押出成形セメント板及び押出成形セメント板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の押出成形セメント板は、複数の中空部が一方向に並設されると共に、表面部分に当該中空部に沿って略直線状に延びる複数のリブが形成された押出成形セメント板であって、前記リブは長手方向に沿って延びる天面部と、この天面部の両側で長手方向に沿って延びる側壁部とを有し、前記天面部と前記側壁部との境界部分が角張っており、当該平面部と当該側壁部とが当該境界部分で区画分けされていることを特徴とするものである。
本発明の押出成形セメント板によれば、リブの天面部と側壁部との境界部分が角張って当該境界部分の丸みが無くなっており、天面部と側壁部とが境界部分で区画分けされているため、リブの表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。さらに、天面部と側壁部とが境界部分で区画分けされているため、天面部と側壁部を完全に塗り分けることができる。そのため、天面部と側壁部の境界部分を境とした当該天面部と溝部の完全な塗り分けができ、天面部と溝部の色彩の違いが明確となる。これにより、塗装後の押出成形セメント板の意匠性を向上させることができる。
前記天面部と前記側壁部を塗装によって互いに異なる色彩で色分けすれば、明確でシャープな色調の意匠を得ることができる。
前記天面部及び前記側壁部のうちのいずれかを当該押出成形セメント板の素地面として、当該天面部と当該側壁部を異なる色彩で色分けし、素地面の色彩を有する意匠としてもよい。
前記天面部と前記側壁部との境界部分を構成する、当該側壁部の上縁部分を外方へ向かうアール状としてもよい。この場合、リブを形成するときの形状保持性が高まることで、境界部分での区分けがより明確となり、意匠性をさらに向上させることができる。
前記天面部と前記側壁部との境界部分を構成する、当該側壁部の上縁部分を天面部外側へ向かって傾斜させてもよい。この場合、リブを形成するときの形状保持性が高まることで、境界部分での区分けがより明確となり、意匠性をさらに向上させることができる。
前記側壁部の上縁部分を天面部外側へ向かって傾斜させた場合の、当該側壁部の上縁部分の傾斜角度を、前記天面部と平行する平行線を基準として40°〜80°とすれば、リブを形成するときの形状保持性をより高めることができると共に、境界部分での区分けも明確にすることができる。
前記側壁部を天面部外側へ向かって傾斜させてよい。前記側壁部が天面部外側へ向かって傾斜していれば、押出成形セメント板の異なる意匠性が得られるのと共に、上述の側壁部の上縁部分を天面部外側へ向かって傾斜させる場合と同様の効果を得ることができる。
本発明の押出成形セメント板の製造方法は、押出成形によって、複数の中空部が一方向に並設されると共に、表面部分に当該中空部に沿って略直線状に延びる複数のリブが形成された押出成形品を成形し、養生硬化後、前記各リブの頂部を除去して、当該各リブの長手方向に沿って延びる天面部と、この天面部の両側で長手方向に沿って延びる側壁部との境界部分を角張らせ、当該平面部と当該側壁部とを当該境界部分で区画分けすることを特徴とするものである。
本発明の押出成形セメント板の製造方法によれば、得られた押出成形セメント板のリブの天面部と側壁部との境界部分が角張って当該境界部分の丸みが無くなっており、天面部と側壁部とが境界部分で区画分けされているため、リブの表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。さらに、天面部と側壁部とが境界部分で区画分けされているため、天面部と側壁部を完全に塗り分けることができる。そのため、天面部と側壁部の境界部分を境とした当該天面部と溝部の完全な塗り分けができ、天面部と溝部の色彩の違いが明確となる。これにより、塗装後の押出成形セメント板の意匠性を向上させることができる。押出成形セメント板に切削加工を施す必要はないので、コストを抑えることができる。
側壁部の上縁部分を外方へ向かうアール状とするか、又は側壁部の上縁部分を天面部外側へ向かって傾斜させるには、前記押出成形品を成形する工程において前記各リブの上端コーナーを面取状又は外方へ向かうアール状に成形し、それと共に、前記各リブの頂部を除去する工程において当該上端コーナーの面取状部分又はアール状部分の高さ範囲内で当該頂部を除去すればよい。
本発明によれば、押出成形セメント板のリブの天面部と側壁部の境界部分の丸みが無くなり、当該境界部分で区画分けされているため、リブの表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。さらに、天面部と側壁部とが境界部分で区画分けされ、天面部と側壁部を完全に塗り分けることができるため、天面部と側壁部の境界部分を境とした当該天面部と溝部の完全な塗り分けができ、天面部と溝部の色彩の違いが明確となり、シャープな色調の意匠が得られる。これにより、塗装後の押出成形セメント板の意匠性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る押出成形セメント板を示す断面図である。 図1の押出成形セメント板の拡大断面図である。 押出成形セメント板の製造方法を説明するためのリブとその近傍の断面図である。 リブの天面部と、側壁部を含む溝部とを塗り分けた状態の境界部分とその近傍の拡大模式図である。 塗装後の押出成形セメント板の平面図である。 (a)及び(b)はそれぞれリブの変形例を示す断面図である。 従来の押出成形セメント板でリブの天面部と、側壁部を含む溝部とを塗り分けた状態の境界部分とその近傍の拡大模式図である。 (a)、(b)は本発明の第2実施形態である2つの例に係る押出成形セメント板における頂部を切除する前のリブの断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ図8(a)、(b)に対応する、頂部を切除した後のリブの断面図である。 (a)〜(c)は本発明の第3実施形態である3つの例に係る押出成形セメントにおける頂部を切除する前のリブの断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ図10(a)〜(c)に対応する、頂部を切除した後のリブの断面図である。 図11(b)のリブの天面部と、側壁部を含む溝部とを塗り分けた状態の境界部分とその近傍の拡大模式図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る押出成形セメント板1を示す断面図であり、図2は押出成形セメント板1の拡大断面図である。押出成形セメント板1は縦張り工法又は横張り工法で建物の躯体に取り付けられる外装材である。押出成形セメント板1は、水、セメント、骨材、繊維などを混練した混合物を押出成形機で押し出して製作される。
押出成形セメント板1には、断面矩形状の複数の中空部2が押出方向である長手方向に向かって互いに平行して構成されている。これら複数の中空部2が構成されていることで、押出成形セメント板1の表面側基材1aと背面側基材1bを繋ぐ複数の隔壁3が形成されている。押出成形セメント板1の表面部分には、長手方向に沿って略直線状に延びる3種の大きさで構成された複数のリブ4が形成されている。
リブ4は断面矩形状に構成されており、長手方向に延びる天面部5と、この天面部5の両側で長手方向に沿って延びる側壁部6とを有している。図2のように天面部5と側壁部6との境界部分7が角張っており、天面部5と側壁部6とが境界部分7で互いに略直交している。天面部5と側壁部6とが曲面で繋がるのではなく、長手方向に延びる直線状の境界部分7で明確に区画分けされている。これにより、リブ4の天面部5と、隣り合う天面部5間の底部8及び側壁部6からなる溝部9と、が明確に区画分けされている。
図3は本実施形態の押出成形セメント板の製造方法を説明するためのリブ4とその近傍の断面図である。まず、押出成形によって、複数のリブ4Aが表面部分に形成された押出成形セメント板(押出成形品)1Aを成形する。成形後の押出成形セメント板1Aのリブ4Aの天面部5Aと側壁部6Aの境界部分7AはR:1.5〜3mm程度のR形状となっている。
押出成形した押出成形セメント板1Aを第1次養生し、所定の硬度まで押出成形セメント板1Aを硬化させる。その後、図3に示すようにリブ4Aの頂部4A1を、例えばベルトサンダーで研削して切除し、押出成形セメント板1を得る。図3の破線よりも下側の部分が切除後のリブ4である。押出成形後のリブ4Aの頂部4A1を切除することにより、リブ4の長手方向に沿って延びる天面部5と、この天面部5の両側で長手方向に沿って延びる側壁部6との境界部分7を角張らせる。天面部5と、この天面部5の両側の側壁部6との境界部分7を角張らせることで、天面部5と側壁部6とを境界部分7で明確に区画分けする。リブ4Aの頂部4A1を切除した後、オートクレーブによって第2次養生し、完全硬化させて押出成形セメント板1を得る。このように得られた押出成形セメント板1は、リブ4の表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成している。
リブ4Aの頂部4A1の切除を、第2次養生で完全に硬化させた後に行ってもよいが、研削用具の摩耗が多くなること、及び研削により多くの時間を要することから、ハンドリングが良好な程度に硬化した第1次養生後に切除を行うのが好ましい。
押出成形セメント板1Aの切除前のリブ4Aのリブ高さは、切除後のリブ4のリブ高さに、切除する頂部4A1の厚み(研削代)を加えたものである。切除する頂部4A1の厚みは、天面部5Aと側壁部6Aの境界部分7Aが取り除かれる厚みであり、即ちR形状の境界部分7Aの高さである。切除前のリブ4Aの境界部分7AのR形状は、成形する押出成形セメント板1Aによって異なる。例えば境界部分7AのR寸法が2mmである場合は、切除する頂部4A1の厚みは2mmとなる。
リブ4Aの頂部4A1の切除によって得られた押出成形セメント板1に塗装を施しても良い。押出成形セメント板1のリブ4及び底部8を含む表面全体に1色目の塗装を行い、ローラー掛けによってリブ4の天面部5のみに2色目の塗装を行う。2色目の塗装を行うことで、天面部5と、側壁部6を含む溝部9と、が互いに異なる色彩で色分けされた塗装後の押出成形セメント板1を得る。
図4は押出成形セメント板1のリブ4の天面部5と、側壁部6を含む溝部9とを塗り分けた状態の境界部分7とその近傍の拡大模式図であり、図5は塗装後の押出成形セメント板1の平面図である。なお図4は模式図であり、塗料の厚みを強調して描いている。押出成形セメント板1のリブ4の側壁部6を含む溝部9が、1色目の第1塗料20で覆われており、天面部5が第1塗料20と異なる色の2色目の第2塗料21で覆われている。リブ4の天面部5と側壁部6が境界部分7で明確に区画分けされた押出成形セメント板1へ塗装しているため、天面部5と側壁部6とが完全に塗り分けられて境界部分7がシャープになっている。
図5のように天面部5と溝部9の色彩の違いが明確となり、シャープな色調の意匠を得ることができる。これにより、塗装後の押出成形セメント板1の意匠性を向上させることができる。天面部5と溝部9に施す色彩に関し、天面部5を濃い色彩とし、溝部9をそれよりも薄い色彩とするか、又はその逆とすることで、塗り分けが強調されて凹凸が目立つ塗装後の押出成形セメント板1とすることができる。
また、天面部5と溝部9を同じ色彩とした場合であっても、天面部5と側壁部6の境界部分7が明確に区画分けされているため、同じ色彩でありながら天面部5と溝部9で光の反射角度の違いによる濃淡が明確となった塗装後の押出成形セメント板1が得られる。
本実施形態の押出成形セメント板1のリブ4の天面部5と溝部9に異なる色彩を施すには、上記実施形態のように2段階で2つの色彩を塗装する他、天面部5と溝部9のいずれかのみを塗装して、天面部5及び溝部9のうちいずれかを押出成形セメント板1の素地面としてもよい。
それには、押出成形後の押出成形セメント板1Aのリブ4A及び底部8を含む表面全体に塗装を行った後、リブ4Aの頂部4A1を切除し、リブ4の天面部5を素地面とすればよい。又は、押出成形後の押出成形セメント板1Aに塗装を行わずに、リブ4Aの頂部4A1を切除し、その後、ローラー掛けによってリブ4の天面部5のみを塗装して、側壁部6を含む溝部9を素地面とすればよい。これにより、素地面の色彩を有する意匠を得ることができる。
本実施形態の押出成形セメント板1及び押出成形セメント板の製造方法によれば、リブ4の天面部5と側壁部6との境界部分7が角張って当該境界部分7の丸みが無くなっており、天面部5と側壁部6とが境界部分7で区画分けされているため、リブ4の表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。さらに、天面部5と側壁部6とが境界部分7で区画分けされているため、天面部5と側壁部6を完全に塗り分けることができる。そのため、天面部5と側壁部6の境界部分7を境とした当該天面部5と溝部9の完全な塗り分けができ、天面部5と溝部9の色彩の違いが明確となる。これにより、塗装後の押出成形セメント板1の意匠性を向上させることができる。天面部5と、側壁部6を含む溝部9とを塗装によって互いに異なる色彩で色分けすれば、明確でシャープな色調の意匠を得ることができる。
本実施形態の押出成形セメント板1及び押出成形セメント板の製造方法は例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。本発明に係る押出成形セメント板の躯体への取付構造は限定されない。押出成形セメント板の製造方法には、必要に応じて他の工程を含めてもよい。押出成形セメント板の形状、寸法、リブの数、寸法及び形状は限定しない。
リブの形状は、頂部を切除して天面部と側壁部の境界部分を角張らせることができればどのような形状であってもよい。図6(a)及び(b)はそれぞれリブの変形例を示す断面図である。図6(a)は押出成形後のリブ10Aを断面台形状に形成した例であり、破線よりも下側の部分が切除後のリブ10である。この例では側壁部12を天面部外側へ向けて傾斜させている。破線よりも上側の頂部10A1が切除されて、天面部11と側壁部12が境界部分13で明確に区画分けされている。図6(b)は押出成形後のリブ15Aを断面半円形状に形成した例であり、破線よりも下側の部分が切除後のリブ15である。破線よりも上側の頂部15A1が切除されて、天面部16と側壁部17が境界部分18で明確に区画分けされている。これらの場合、リブを断面矩形状とした押出成形セメント板とは異なる意匠を得ることができる。
図6(a)及び(b)のリブ10、15の形状とすれば、頂部10A1、15A1を切除してリブ10、15を形成するときの形状保持性が高まり、境界部分13、18での区分けがより明確となって、意匠性をさらに向上させることができる。天面部11、16の高い平滑性を維持することもできる。
図8(a)、(b)は本発明の第2実施形態である2つの例に係る押出成形セメント板における頂部50A1、60A1を切除する前のリブ50A、60Aの断面図であり、図9(a)、(b)はそれぞれ図8(a)、(b)に対応する、頂部50A1、60A1を切除した後のリブ50、60の断面図である。図8(a)、(b)の破線のラインで頂部50A1、60A1が切除され、図9(a)、(b)のリブ50、60となる。図9(a)、(b)では、天面部51、61と側壁部52、62が境界部分53、63で明確に区画分けされている。
本実施形態の押出成形セメント板は、第1実施形態の押出成形セメント板の製造工程中、押出機の口金を変更することで、押出成形品を成形する工程において各リブ50A、60Aの上端コーナーを外方へ向かうアール状に成形し、それと共に、各リブ50A、60Aの頂部50A1、60A1を除去する工程において当該上端コーナーのアール状部分r1、r2の高さ範囲内で頂部50A1、60A1を除去して製造する。即ち、リブ50A、60Aの頂部50A1、60A1を除去する工程で上端コーナーのアール状部分r1、r2の中途の水平ラインで頂部を除去する。
図9(a)、(b)のように、リブ50、60の天面部51、61と側壁部52、62との境界部分53、63を構成する、当該側壁部52、62の上縁部分52g、62gが外方へ向かうアール状となっている。図9(a)はアール状部分r1のアールRを5mmとした例であり、同図(b)はアール状部分r2のアールRを4mmとした例である。アール状部分のアールRは1.5〜5mmが好ましい。
このように押出工程で各リブ50A、60Aの上端コーナーをアール状に成形し、アール状部分r1、r2の高さ範囲内で頂部50A1、60A1を切除することで、上縁部分52g、62gが外方へ向かうアール状となり、境界部分53、63の側壁側が天面部51、61に直交するのではなく、リブ外側へ向けて膨らんでいる。
これらの場合、リブ50A、60Aの頂部50A1、60A1を切除してリブ50、60を形成するときの形状保持性が高まり、境界部分53、63での区分けがより明確となって、意匠性をさらに向上させることができる。天面部51、61の高い平滑性を維持することもできる。第1実施形態と同様に、天面部51、61と側壁部52、62との境界部分53、63が角張り、境界部分53、63で区画分けされるため、リブ50、60の表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。
図10(a)〜(c)は本発明の第3実施形態である3つの例に係る押出成形セメント板における頂部70A1、80A1、90A1を切除する前のリブ70A、80A、90Aの断面図であり、図11(a)〜(c)はそれぞれ図10(a)〜(c)に対応する、頂部70A1、80A1、90A1を切除した後のリブ70、80、90の断面図である。図10(a)〜(c)の破線のラインで頂部70A1、80A1、90A1が切除され、図11(a)〜(c)のリブ70、80、90となる。図11(a)〜(c)では、天面部71、81、91と側壁部72、82、92が境界部分73、83、93で明確に区画分けされている。
本実施形態の押出成形セメント板は、第1実施形態の押出成形セメント板の製造工程中、押出機の口金を変更することで、押出成形品を成形する工程において各リブ70A、80A、90Aの上端コーナーを面取状に成形し、それと共に、各リブ70A、80A、90Aの頂部70A1、80A1、90A1を除去する工程において上端コーナーの面取状部分m1、m2、m3の高さ範囲内で頂部70A1、80A1、90A1を除去して製造する。即ち、リブ70A、80A、90Aの頂部70A1、80A1、90A1を除去する工程で上端コーナーの面取状部分m1、m2、m3の中途の水平ラインで頂部70A1、80A1、90A1を除去する。
図11(a)〜(c)のように、リブ70、80、90の天面部71、81、91と側壁部72、82、92との境界部分73、83、93を構成する、当該側壁部72、82、92の上縁部分72g、82g、92gが天面部外側へ向かって傾斜している。同図(a)〜(c)はそれぞれ、上縁部分72g、82g、92gの傾斜角度θ(図10参照)を、天面部71、81、91と平行する平行線を基準として45°、60°、70°とした例である。側壁部72、82、92の上縁部分72g、82g、92gの傾斜角度θは天面部71、81、91と平行する平行線を基準として40°〜80°が好ましい。
このように押出工程で各リブ70A、80A、90Aの上端コーナーを面取状に成形し、面取状部分m1、m2、m3の高さ範囲内で頂部70A1、80A1、90A1を除去することで、上縁部分72g、82g、92gが天面部外側へ向かって傾斜し、境界部分73、83、93の側壁側が天面部71、81、91に直交するのではなく、リブ外側へ向けて傾斜している。
図12は図11(b)のリブ80の天面部81と、側壁部82を含む溝部84とを塗り分けた状態の境界部分83とその近傍の拡大模式図である。この例では、天面部81にのみ塗装を施し、傾斜している上縁部分82gを含む側壁部82は素地のままとなっている。それには、押出成形後の押出成形セメント板に塗装を行わずに、図10(b)に示すリブ80Aの頂部80A1を切除し、その後、ローラー掛けによって、図11(b)に示すリブ80の天面部81のみを塗装して、側壁部82を含む溝部84を素地面とする。リブ80の天面部81と側壁部82が境界部分83で明確に区画分けされた押出成形セメント板へ塗装しているため、天面部81と側壁部82とが完全に塗り分けられて境界部分83がシャープになっている。
これらの場合、リブ70A、80A、90Aの頂部70A1、80A1、90A1を切除してリブ70、80、90を形成するときの形状保持性が高まり、境界部分73,83,93での区分けがより明確となって、意匠性をさらに向上させることができる。側壁部72、82、92の上縁部分72g、82g、92gの傾斜角度θを40°〜80°とすることで、リブ70、80、90を形成するときの形状保持性をより高めることができる。天面部71、81、91の高い平滑性を維持することもできる。第1実施形態と同様に、天面部71、81、91と側壁部72、82、92との境界部分73,83,93が角張り、境界部分73、83、93で明確に区画分けされるため、リブ70、80、90の表面のシャープさが際立ち、硬質で深みのある表情を形成することができ、意匠性が向上する。
1 押出成形セメント板
1A 押出後の押出成形セメント板(押出成形品)
2 中空部
3 隔壁
4、10、15 リブ
4A、10A、15A 押出成形後のリブ
4A1、10A1、15A1 頂部
5、11、16 天面部
5A 押出成形後の天面部
6、12、17 側壁部
6A 押出成形後の側壁部
7、13、18 境界部分
7A 押出成形後の境界部分
8 底部
9 溝部
20 第1塗料
21 第2塗料
50、60、70、80、90 リブ
50A、60A、70A、80A、90A 押出成形後のリブ
50A1、60A1、70A1、80A1、90A1 頂部
51、61、71、81、91 天面部
52、62、72、82、92 側壁部
52g、62g、72g、82g、92g 上縁部分
53、63、73、83、93 境界部分
84 溝部
r1、r2 アール状部分
m1、m2、m3 面取状部分
θ 傾斜角度

Claims (9)

  1. 複数の中空部が一方向に並設されると共に、表面部分に当該中空部に沿って略直線状に延びる複数のリブが形成された押出成形セメント板であって、
    前記リブは長手方向に沿って延びる天面部と、この天面部の両側で長手方向に沿って延びる側壁部とを有し、
    前記天面部と前記側壁部との境界部分が角張っており、当該天面部と当該側壁部とが当該境界部分で区画分けされていることを特徴とする押出成形セメント板。
  2. 前記天面部と前記側壁部が塗装によって互いに異なる色彩で色分けされていることを特徴とする請求項1に記載の押出成形セメント板。
  3. 前記天面部及び前記側壁部のうちのいずれかが当該押出成形セメント板の素地面であることを特徴とする請求項2に記載の押出成形セメント板。
  4. 前記天面部と前記側壁部との境界部分を構成する、当該側壁部の上縁部分が外方へ向かうアール状となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形セメント板。
  5. 前記天面部と前記側壁部との境界部分を構成する、当該側壁部の上縁部分が天面部外側へ向かって傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形セメント板。
  6. 前記側壁部の上縁部分の傾斜角度は、前記天面部と平行する平行線を基準として40°〜80°であることを特徴とする請求項5に記載の押出成形セメント板。
  7. 前記側壁部が、天面部外側へ向かって傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の押出成形セメント板。
  8. 押出成形によって、複数の中空部が一方向に並設されると共に、表面部分に当該中空部に沿って略直線状に延びる複数のリブが形成された押出成形品を成形し、養生硬化後、前記各リブの頂部を除去して、当該各リブの長手方向に沿って延びる天面部と、この天面部の両側で長手方向に沿って延びる側壁部との境界部分を角張らせ、当該平面部と当該側壁部とを当該境界部分で区画分けすることを特徴とする押出成形セメント板の製造方法。
  9. 前記押出成形品を成形する工程において前記各リブの上端コーナーを面取状又は外方へ向かうアール状に成形し、
    それと共に、前記各リブの頂部を除去する工程において当該上端コーナーの面取状部分又はアール状部分の高さ範囲内で当該頂部を除去することを特徴とする請求項8に記載の押出成形セメント板の製造方法。
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