JP2017155418A - 作業機械および作業機械の干渉回避方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、バケット等を旋回体に接近させると、作業機の姿勢によっては、油圧ショベルのキャブ等の作業機械本体と干渉する恐れがある。
このため、特許文献1には、バケットが牽制面に位置した状態で、運転席の作業者がブームを上昇させる操作を行うと、アームを駆動するアクチュエータが、ダンプ方向にアームを駆動して、自動的にバケットの干渉を回避する技術が開示されている。
一方、干渉回避面と、作業機械本体の距離を大きく設定すると、遠い位置で干渉回避が行われるので、干渉回避動作中の作業機の速度は速く設定でき、生産性は上げられるが、小旋回性が犠牲になるため、周囲の障害物に接触する可能性があるという課題がある。
また、作業機と周囲の障害物との距離は、作業機械を操作する現場や、作業機の姿勢だけでなく、旋回方向位置によっても異なる。通常、掘削・積み込みなどの作業は、旋回動作も伴うので、作業機械本体の旋回方向位置が変化するにつれて、作業機と周囲の障害物の距離は逐次変化する。
前記特許文献1に記載の干渉自動回避機能では、干渉回避面と作業機械本体との距離を作業機の操作中に変更する手段がなく、逐次変化する周囲の障害物との距離に対応できないという課題もあった。
前記作業機を操作する操作手段による操作指令を検出する操作指令検出手段と、
前記作業機械本体から所定距離離れた位置に制御対象面を設定し、前記操作指令検出手段により、前記第一作業機の上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記第二作業機の操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記作業機械本体との干渉を回避させる制御手段と、
前記第二作業機への操作指令の操作量に基づいて、前記制御対象面と前記作業機械本体との距離を変更する制御対象面変更手段とを備えていることを特徴とする。
走行体と、前記走行体に旋回可能に設けられた旋回体と、
前記旋回体に動作可能に設けられたブーム、オフセットブーム、およびアームを有する作業機と、
前記作業機を操作する操作手段による操作指令を検出する操作指令検出手段と、
前記旋回体から所定距離離れた位置に制御対象面を設定し、前記操作指令検出手段により前記ブームの上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記アームへの掘削操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記旋回体との干渉を回避させる制御手段と、
前記操作検出手段により、前記アームへの掘削操作指令が検出されたら、前記アームの掘削操作指令の操作量に基づいて、前記制御対象面と前記旋回体との距離を変更し、前記アームの掘削操作指令の操作量が大きいほど、前記制御対象面と前記旋回体との接近する方向の距離を変更する変更量を大きくする制御対象面変更手段とを備えていることを特徴とする。
作業機械本体と、前記作業機械本体に動作可能に設けられた第一作業機、および第二作業機を有する作業機とを備えた作業機械の干渉回避方法であって、
前記作業機を操作する操作指令を検出する手順と、
前記第二作業機への操作指令が検出されたら、前記第二作業機の操作指令の操作量に基づいて、前記作業機械本体から所定距離離れた位置に設定された制御対象面と前記作業機械本体との距離を変更する手順と、
前記第一作業機の上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記第二作業機への操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記作業機械本体との干渉を回避させる手順と、
を実施することを特徴とする。
したがって、第二作業機への操作量に応じ、作業機械本体に接近させた制御対象面に変更し、作業機の基準を作業機械本体に接近させて作業機を回避動作させることができるため、周囲の障害物に接触する可能性を低減できる。一方、周囲の障害物を気にしなくて良い旋回方向や作業現場であれば、第二作業機への操作指令の掘削方向の操作量を小さいままとすることで、作業機械本体から遠ざけた制御対象面に変更し、作業機の基準を作業機械本体から遠ざけた位置で作業機を回避動作させることができるため、生産性を向上させることができる。
[1]全体構成
図1、図2において、作業機械である油圧ショベル1は、走行体2、旋回体3、運転席4、を備えた作業機械本体と、作業機5とを備えて構成される。本実施形態に係る干渉回避制御における作業機械本体は、少なくとも運転席4を含んでいる。本発明に説明においては運転席4を基準として、作業者が着座した場合の視線方向を前方として、前後左右の各方向を規定する。また前後方向をX軸、左右(幅)方向をZ軸、垂直方向をY軸と規定する。
走行体2は、履帯式であり、旋回体3の直下に設けられる図示を省略したトラックフレームと、このトラックフレームにおいて、走行方向に直交する車幅方向の両端に設けられた一対の走行装置21とを備えて構成される。走行装置21は、トラックフレームに突設された駆動輪および遊動輪に巻回される履帯22を備えて構成され、駆動輪を駆動させることによって、履帯22の延出方向に沿って油圧ショベル1を前後進させる。
操作レバー71は、前後に操作すれば、第1ブーム51の下降操作、上昇操作を行うことができ、左右に操作すれば、バケット55の掘削操作、ダンプ操作を行うことができる。
操作レバー73は、前後に操作すればアーム54のダンプ操作、掘削操作を行うことができ、左右に操作すれば、旋回体3を左右に旋回させることができる。また、図1および図2では図示を省略するが、運転席4の床面42には、走行操作用の走行ペダル74、75と、オフセット操作用のオフセットペダル72とが設けられている。この運転席4の側方には、作業機5が設けられている。すなわち、運転席4と作業機5とは、旋回体3の前方を走行体2の走行方向に向けた状態において、旋回体3上で車幅方向に隣接して配置されている。
作業機5は、第1ブーム51、第2ブーム52、ブラケット53、アーム54、およびバケット55と、これら各要素を動作させるためのブームシリンダ51A、オフセットシリンダ52A、アームシリンダ54A、およびバケットシリンダ55Aを備えている。
ここで、各シリンダ51A、52A、54A、55Aは油圧シリンダであり、その油圧源は、旋回体3に設けられた図示しないエンジン等の原動機で駆動される油圧ポンプ30(図3参照)である。
本発明における第2ブーム52はいわゆるオフセットブームで、オフセットブームは第1ブーム51に対して左右に動作可能に設けられている。
さらに、第2ブーム52においては、油圧配管のうち、アームシリンダ54A用およびバケットシリンダ55A用の油圧配管が、第2ブーム52の内部に挿通されている。そして、この第2ブーム52の先端には、ブラケット53が連結されている。
第1ブーム51、第2ブーム52、ブラケット53、およびリンクロッド52Dによって4節の平行リンク機構が構成され、第1ブーム51と第2ブーム52の先端部を連結するオフセットシリンダ52Aの伸縮により、ブラケット53が第1ブーム51の軸線に対して動作する。なお、図1では図示を略したが、第2ブーム52には、ポテンショメータ82(図4参照)が設けられており、第2ブーム52の第1ブーム51に対するオフセット角度を検出し、検出されたオフセット角度は、後述する制御ユニット8に出力される。
そして、このブラケット53の先端には、アーム54が連結されている。
そして、このアーム54の先端には、バケット55が連結されている。
バケット55とアーム54のシリンダ取付部541とは、バケットシリンダ55Aで連結されており、このバケットシリンダ55Aを伸縮することで、バケット55が動作する。
図3には、本実施形態に係る油圧ショベル1の油圧パイロット式の油圧回路および制御ユニット8が示されている。油圧ショベル1は、前述したブームシリンダ51A、オフセットシリンダ52A、アームシリンダ54A、バケットシリンダ55Aの他に、油圧ポンプ30、および油圧モータ23、24、31を備える。
油圧ポンプ30は、作動油を供給して油圧シリンダ51A、52A、54A、55Aを伸縮駆動させるとともに、作動油を供給して油圧モータ23、24、31を回転駆動させる。油圧モータ31は、旋回体3を旋回させる旋回モータであり、油圧モータ23、24は、走行装置21の駆動輪を回転させる駆動モータである。
このような油圧回路には、パイロットラインからのパイロット圧により、スプールを駆動する流量制御弁61、62、63、64、65、66、67が設けられている。また、パイロットライン中には、電磁制御弁63C、比例電磁制御弁61C、64C、64D、
およびシャトル弁64Eと、パイロット圧発生用の油圧ポンプ30Aが設けられている。
操作レバー71を前後方向に操作すると、パイロット圧が発生し、流量制御弁61の駆動部61A、61Bが駆動され、流量制御弁61のポジションが変更される。具体的には、駆動部61Aが押される方向に駆動されると、ブームシリンダ51Aのキャップ側に作動油が供給され、ブームシリンダ51Aが伸張して、第1ブーム51が上昇動作を行う。逆に駆動部61Bが押される方向に駆動されると、ブームシリンダ51Aのロッド側に作動油が供給され、第1ブーム51が下降動作を行う。
操作レバー71を左右方向に操作すると、パイロット圧が発生し、流量制御弁62の駆動部62A、62Bが駆動され、流量制御弁62のポジションが変更される。具体的には、駆動部62Aが押される方向に駆動されると、バケットシリンダ55Aのキャップ側に作動油が供給され、バケットシリンダ55Aが伸張して、バケット55が掘削動作を行う。逆に駆動部62Bが押される方向に駆動されると、バケットシリンダ55Aのロッド側に作動油が供給され、バケットシリンダ55Aが収縮して、バケット55がダンプ動作を行う。
電磁制御弁としてオフセットシリンダに対して停止以外の制御を行ってもよい。
作業者がオフセットペダル72を踏むと、パイロット圧が発生し、流量制御弁63の駆動部63A、63Bが駆動され、流量制御弁63のポジションが変更される。具体的には、駆動部63Aが押される方向に駆動されると、オフセットシリンダ52Aのキャップ側に作動油が供給され、オフセットシリンダ52Aが伸張し、第2ブーム52が運転席4から離れる方向に移動する。逆に駆動部63Bが押される方向に駆動されると、オフセットシリンダ52Aのロッド側に作動油が供給され、第2ブーム52が運転席4に接近する方向に移動する。
作業者が操作レバー73を前後方向に操作すると、パイロット圧が発生し、流量制御弁64の駆動部64A、64Bが駆動され、流量制御弁64のポジションが変更される。具体的には、駆動部64Aが押される方向に駆動されると、アームシリンダ54Aのキャップ側に作動油が供給され、アームシリンダ54Aが伸張し、アーム54が掘削動作を行う。逆に駆動部64Bが押される方向に駆動されると、アームシリンダ54Aのロッド側に作動油が供給され、アームシリンダ54Aが収縮し、アーム54がダンプ動作を行う。
操作指令検出手段としての圧力センサ64Fは、アーム操作レバー73の掘削操作のパイロット圧を検出し、制御ユニット8に出力する。
操作レバー73を左右方向に操作すると、パイロット圧が発生し、流量制御弁65の駆動部65A、65Bが駆動され、流量制御弁65のポジションが変更され、旋回体3が旋回動作を行う。
図4には、制御ユニット8の処理部8Bにおける機能ブロック図が示されている。
処理部8Bは、距離演算部84、第1制限値演算部85、第2制限値演算部86、制限速度演算部87、ブーム上昇操作判定部88、接近方向速度演算部89、制限速度減算部90、アームシリンダ制限速度演算部91、第1変換部91A、第2変換部91B、アーム制御切替部92、ブーム上昇指令制限出力部93A、アーム掘削指令制限出力部93B、アームダンプ指令値出力部93C、オフセット接近指令制限出力部93D、および制御対象面変更部94を備える。
第2制限値演算部86は、運転席4と作業機5の基準の距離に基づきアームシリンダ54Aのシリンダ速度に制限をかけている。具体的には、第2制限値演算部86は、運転席4と作業機5の基準の距離に応じた、アームシリンダ54Aの速度に制限値を与えるテーブルを、記憶部8Cから呼び出して、制限値を演算する。なお、本実施形態における第1制限値演算部85および第2制限値演算部86により決まる制限は、必ずしも行われなくともよい。
具体的には、図6に示されるように、制限速度演算部87は、距離演算部84で演算された、作業機5の基準と干渉回避面SFとの距離に応じて、作業機5の基準と干渉回避面SFの距離が小さくなるにしたがって、制限速度が小さくなるテーブルを、記憶部8Cから呼び出して接近制限速度を演算する。制限速度演算部87は、演算結果を制限速度減算部90に出力する。ここで、接近制限速度とは作業機5の基準が作業機械本体に対して接近する方向の速度を制限する速度である。
具体的には、図7に示されるように、接近方向速度演算部89は、ブーム上昇操作量演算部89Aと、選択器89Bと、ブーム操作接近速度演算部89Cと、オフセット動作接近速度演算部89Dと、加算部89Eとを備える。
選択器89Bは、ブーム上昇操作量演算部89Aで演算されたブーム上昇操作量と、第1制限値演算部85で演算された第1ブーム51の上昇速度の制限値とを比較して、最小値を選択して、ブーム操作接近速度演算部89Cに出力する。
ブーム操作接近速度演算部89Cは、選択器89Bで選択された最小値と、ポテンショメータ81〜83で検出された第1ブーム51のブーム角度、アーム54のアーム角度、および第2ブーム52のオフセット角度に基づいて、ブーム上昇操作による作業機5の基準の接近方向速度を演算する。
加算部89Eは、ブーム操作接近速度演算部89Cで演算されたブーム上昇操作による作業機5の基準の接近方向速度に、オフセット動作接近速度演算部89Dで演算されたオフセット動作による作業機5の基準の接近方向速度を加算して、制限速度減算部90に出力する。
制御手段としての制限速度減算部90は、制限速度演算部87で演算された接近制限速度から、接近方向速度演算部で演算された接近方向速度を減算する。アーム54以外の作業機5による接近方向速度を減算して、作業機5の基準が接近制限速度より速い速度で作業機械本体に接近してしまわないようにするためである。制限速度減算部90は、減算した結果をアームシリンダ制限速度演算部91に出力する。
アーム54をダンプ方向に動作させる場合、アームシリンダ制限速度演算部91は、アームシリンダ54Aの収縮をさせるアームダンプ指令速度を出力する。アームシリンダ制限速度演算部91で出力されたアームダンプ指令速度は、第2変換部91Bに入力されて、アームシリンダ54Aを収縮させるアームダンプ指令値に変換する。
各変換部91A、91Bで変換された各指令値は、アーム制御切替部92に出力される。
具体的には、図8に示されるように、アーム制御切替部92は、アーム掘削指令制限を出力する切替器92Cと、アームダンプ指令値を出力する切替器92Dとを備える。
ブーム上昇操作ある場合、第1のポジションを選択し、干渉回避制御が実行される。ブーム上昇操作がない場合、第2ポジションを選択する。第2のポジションは、第2制限値演算部86で演算されたアーム54の掘削動作の速度の制限値を用いるポジションである。掘削制限速度を出力切替器で切り替えられた出力は、アーム掘削指令制限出力部93Bに出力される。
アーム掘削指令制限出力部93Bは、掘削指令制限を出力する切替器92Cの出力に基づいて、比例電磁制御弁64Cに電圧、電流等の指令値を出力する(図3参照)。比例電磁制御弁64Cは、流量制御弁64の駆動部64Aに作用するレバー操作によるパイロット圧に制限を与え、流量制御弁64のポジションを、アームシリンダ54Aのキャップ側に作動油が供給されるのを制限するように変更する。
オフセット接近指令制限出力部93Dは、第2ブーム52の運転席4への接近方向動作について、電磁制御弁63Cに遮断指令を出力する(図3参照)。電磁制御弁63Cは、流量制御弁63の駆動部63Aにレバー操作によるパイロット圧を遮断し、オフセットシリンダ52Aのキャップ側への作動油の供給を遮断し第2ブーム52を停止する。
具体的には、図9に示されるように、制御対象面変更部94は、アーム操作量演算部94A、センサ異常判定部94B、および回避面変更部94Cを備える。
センサ異常判定部94Bは、アーム操作レバー73のパイロット圧を検出する圧力センサ64Fに異常が生じているか否かを判定する、センサ異常判定部94Bは、圧力センサ64Fに異常が生じたと判定された場合、圧力センサ64Fに異常が生じたとの判定結果を、回避面変更部94Cに出力する。
また、回避面変更部94Cは、センサ異常判定部94Bから圧力センサ64Fに異常が生じたとの判定結果が入力されると、変更後の干渉回避面SF’と運転席4との距離を許容される最も接近した距離に変更する。
次に、本実施形態に係る作業機械の干渉回避方法について、図12〜図15に示されるフローチャートに基づいて説明する。
アーム操作量演算部94Aは、圧力センサ64Fからアーム54の操作レバー73のパイロット圧を検出する(手順S1)。
この際、同時に、センサ異常判定部94Bは、圧力センサ64Fに異常があるか否かを判定する(手順S2)。
センサ異常判定部84Bは、圧力センサ64Fに異常があると判定したら(手順S2:Yes)、その旨を回避面変更部94Cに出力し、回避面変更部94Cは、変更後の干渉回避面SF’と運転席との距離を許容される最も接近した距離に変更する(手順S3)。
アーム54の掘削操作指令が所定の閾値よりも小さいと判定されたら(手順S4:No)、回避面変更部94Cは、干渉回避面SFを変更しない(手順S5)。
アーム54の掘削操作指令が所定の閾値よりも大きいと判定されたら(手順S4:Yes)、回避面変更部94Cは、干渉回避面SFを干渉回避面SF’に変更する(手順S7)。
第1制限値演算部85は、第1ブーム51の上昇速度の制限値を演算する(手順S9)。
ブーム上昇指令制限出力部93Aは、第1制限値演算部85で演算された第1ブーム51の上昇速度の制限値に基づいて、ブーム制限指令を出力する(手順S10)。
接近方向速度演算部89は、圧力センサ61Dでブーム上昇操作のパイロット圧を検出したら、第1ブーム51の上昇操作量と、第2ブーム52のオフセット角度の変化量と、作業機5の姿勢とに基づいて、ブーム上昇操作と、オフセット動作による作業機5の基準での接近方向速度を演算する(手順S12)。
アームシリンダ制限速度演算部91は、制限速度減算部90の出力に基づいて、アーム掘削指令制限またはアームダンプ指令値を演算する(手順S14)。
図14に進み、ブーム上昇操作判定部88は、ブーム上昇操作があるか否かを判定する(手順S15)。
ブーム上昇操作がない(手順S15:No)と判定された場合、第2制限値演算部86は、作業機5の基準と作業機械本体となる運転席4との距離に基づきアーム掘削指令制限を演算しアーム掘削指令制限を出力する。(手順S16)。また切替器92Dの選択に基づきアームダンプ指令=0として出力する(手順S17:第2ポジション)。アーム掘削指令制限を出力し(手順S16)、アームダンプ指令=0として出力する(手順S17)。
アーム掘削指令制限出力部93Bは、比例電磁制御弁64Cに電圧、電流等の指令を出力し、アームダンプ指令値出力部93Cは、比例電磁制御弁64Dに電圧、電流等の指令を出力する。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
制御対象面変更部94を備えていることにより、通常のレバー操作以外の操作を要せずに、作業機5の干渉回避制御を行う干渉回避面SFを、逐次干渉回避面SF’に変更することができるので、作業機5の速度が速い生産性向上を優先するか、周囲の障害物との接触防止のための小旋回性を優先するかを作業機5の動作中に逐次変更することができ、操作性が向上する。
このようなバケット高さ範囲において、アームの根元位置の旋回半径をバケットの根元(アームの先端)部分の旋回半径が超えない程度に、干渉回避面SFを作業機械本体より遠目に設定することで、周囲の障害物との干渉に影響を及ぼすことなく、干渉回避動作中の作業機速度を上げることが可能になるので、生産性を向上することができる。
なお、このような高さ範囲においても、必要に応じてアーム掘削操作を行うことにより、干渉回避面SFを干渉回避面SF’に逐次変更し、バケットを作業機械本体の近くで回避動作できるのはもちろんである。
このようなバケット55が高い位置において、干渉回避面SFとSF’が一致するような設定にしたことで、第1ブーム51を上昇操作し、旋回を行いたいような位置に到達したときには、アーム54による操作を略行わない状態であっても、自然に旋回に適した旋回半径の小さい姿勢をとることができるようになり、操作性を一層向上させることができる。
これによって、ブーム上昇操作を行って干渉回避動作をさせる際にバケット55を特に運転席4の近くで動作させたい要求がない場合、アーム掘削操作を行わなければ、運転席4の前方においては、運転席4から離れた距離でより速い第1ブーム51の上昇速度で回避動作を行うことが可能となり、生産性が向上する。
一方、ブームを上昇させると同時にオフセット操作も行なって旋回姿勢に近づけたい場合には、バケット55が幅方向に移動してくるにつれて、通常の干渉回避面SFと、変更後の干渉回避面SF’との距離が小さくなるので、アーム掘削動作を略行わないまま、特別な操作を追加することなく旋回姿勢を取ることが出来、作業性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、すでに説明した部分と同一の部分については、同一符号を付して、その説明を省略する。
前述した第1実施形態では、油圧ショベル1は、油圧パイロット式の油圧回路を備え、油圧回路を制御する制御ユニット8上で干渉防止手段、および干渉回避手段を機能させていた。
これに対して、本実施形態では、図16に示されるように、電気レバー式の油圧回路の制御ユニット8上で干渉回避手段を機能させる点が相違する。
操作レバー71、73、オフセットペダル72、走行ペダル74、75には、制御ユニット8からの電気信号線が接続され、操作レバー71、73、オフセットペダル72、走行ペダル74、75の操作は、電気信号線を介して制御ユニット8に入力される。
また、操作レバー71を左右方向に操作すれば、バケットの掘削、ダンプ操作指令が出力され、制御ユニット8を介して、電磁駆動部102A、102Bのいずれかに電気信号が出力され、比例電磁制御弁102のポジションが変更され、バケットシリンダ55Aに作動油が供給される。
操作レバー73は、第1実施形態と同様に前後方向に操作すれば、アームの掘削、ダンプ操作指令が出力され、制御ユニット8を介して、電磁駆動部104A、104Bのいずれかに電気信号が出力され、比例電磁制御弁104のポジションが変更され、アームシリンダ54Aに作動油が供給される。
走行ペダル74、75も同様に、走行ペダル74、75を踏むと、走行操作指令が出力され、制御ユニット8を介して、比例電磁制御弁106、107のポジションが変更され、油圧モータ23、24が駆動して、油圧ショベルが前後方向に走行する。
このような油圧回路を制御する制御ユニット8は、前述した第1実施形態のブロック図と同様の構成を有するが、第1実施形態のように、パイロットライン中の比例電磁制御弁61C、62D、64C、電磁制御弁63Cに制御指令を出力するのではなく、比例電磁制御弁101〜104の電磁駆動部101A、101B〜104A、104Bに直接指令を出力する点が相違する。このため、本実施形態における制御ユニット8は、第1実施形態におけるシャトル弁64Eによる指令を直接出力する機能が付加されている。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の作用および効果を享受することができる。
Claims (8)
- 作業機械本体と、前記作業機械本体に動作可能に設けられた第一作業機、および第二作業機を有する作業機と、
前記作業機を操作する操作手段による操作指令を検出する操作指令検出手段と、
前記作業機械本体から所定距離離れた位置に制御対象面を設定し、前記操作指令検出手段により、前記第一作業機の上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記第二作業機の操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記作業機械本体との干渉を回避させる制御手段と、
前記操作指令検出手段により、前記第二作業機への操作指令が検出されたら、前記第二作業機への操作指令の操作量に基づいて、前記制御対象面と前記作業機械本体との距離を変更する制御対象面変更手段とを備えていることを特徴とする作業機械。 - 請求項1に記載の作業機械において、
前記制御対象面変更手段は、前記第二作業機の掘削操作指令の操作量に基づいて、前記制御対象面と前記作業機械本体との距離の変更を決定することを特徴とする作業機械。 - 請求項2に記載の作業機械において、
前記制御対象面変更手段は、前記第二作業機の掘削操作指令の操作量が大きいほど、前記制御対象面を作業機械本体側に近づく方向に前記制御対象面と作業機械本体との距離を変更する変更量を大きく決定することを特徴とする作業機械。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の作業機械において、
前記制御対象面と前記作業機械本体との接近する方向の距離を変更する変更量は、前記作業機械本体の中央から上下または端部に向かうにしたがって、連続的に小さくなっていることを特徴とする作業機械。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の作業機械において、
前記作業機械本体は、走行体と前記走行体に旋回可能に設けられた旋回体を有し、
前記制御対象面変更手段は、前記作業機の全体の旋回半径に対して、前記第二作業機の先端の旋回半径が小さいときに、前記制御対象面と前記作業機械本体との距離を変更することを特徴とする作業機械。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の作業機械において、
前記制御対象面変更手段は、前記操作指令検出手段により、前記操作指令検出手段の異常を検出したら、前記制御対象面と前記作業機械本体との距離を、許容される最も接近した距離に変更することを特徴とする作業機械。 - 走行体と、前記走行体に旋回可能に設けられた旋回体と、
前記旋回体に動作可能に設けられたブーム、オフセットブーム、およびアームを有する作業機と、
前記作業機を操作する操作手段による操作指令を検出する操作指令検出手段と、
前記旋回体から所定距離離れた位置に制御対象面を設定し、前記操作指令検出手段により前記ブームの上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記アームへの掘削操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記旋回体との干渉を回避させる制御手段と、
前記操作指令検出手段により、前記アームへの掘削操作指令が検出されたら、前記アームの掘削操作指令の操作量に基づいて、前記制御対象面と前記旋回体の距離を変更し、前記アームの掘削操作指令の操作量が大きいほど、前記制御対象面を作業機械本体側に近づく方向に前記制御対象面と前記旋回体との距離を変更する変更量を大きくする制御対象面変更手段とを備えていることを特徴とする作業機械。 - 作業機械本体と、前記作業機械本体に動作可能に設けられた第一作業機、および第二作業機を有する作業機とを備えた作業機械の干渉回避方法であって、
前記作業機を操作する操作指令を検出する手順と、
前記第二作業機への操作指令が検出されたら、前記第二作業機の操作指令の操作量に基づいて、前記作業機械本体から所定距離離れた位置に設定された制御対象面と前記作業機械本体との距離を変更する手順と、
前記第一作業機の上昇操作指令が検出されたら、前記制御対象面と前記作業機の基準との距離に基づいて、前記第二作業機への操作指令への介入指令により、前記作業機の基準と前記作業機械本体との干渉を回避させる手順と、
を実施することを特徴とする作業機械の干渉回避方法。
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