JP2017155375A - 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法 - Google Patents

電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017155375A
JP2017155375A JP2016041249A JP2016041249A JP2017155375A JP 2017155375 A JP2017155375 A JP 2017155375A JP 2016041249 A JP2016041249 A JP 2016041249A JP 2016041249 A JP2016041249 A JP 2016041249A JP 2017155375 A JP2017155375 A JP 2017155375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
nozzle
tip
collector
conductive member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016041249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6617055B2 (ja
Inventor
幸助 谷口
Kosuke Taniguchi
幸助 谷口
泰久 下田
Yasuhisa Shimoda
泰久 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2016041249A priority Critical patent/JP6617055B2/ja
Publication of JP2017155375A publication Critical patent/JP2017155375A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6617055B2 publication Critical patent/JP6617055B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

【課題】ナノファイバの生産性を向上する電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法を提供する。【解決手段】ノズル17は、第1の極性に帯電された溶液11を、第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電されたコレクタ30に向けて、先端開口57から出す。ノズル17は、ノズル本体52と先端平坦面52aと傾斜面52cとを備える。先端平坦面52aは、内部流路58における溶液11の流れ方向FDに直交する平坦面であり、外縁Eoと内縁Eiとの距離は大きくても0.5mmである。傾斜面52cは、先端平坦面52aと外壁面52bとを接続し、先端平坦面52a及び外壁面52Bとに交差する。内壁面52dの先端開口57から1mmの領域は樹脂材料から構成される。【選択図】図2

Description

本発明は、電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法に関する。
例えば数nm以上1000nm未満のナノオーダの径を有する繊維(ナノファイバ)は、バイオフィルタ、センサ、燃料電池電極材、精密フィルタ、電子ペーパ、あるいはヒートパイプのウィック等の製品の素材として利用されており、工学や医療等の各分野においての用途開発が盛んに行われている。
ナノファイバを製造する方法の一つに、電界紡糸法がある。電界紡糸法は、エレクトロスピニング法とも呼ばれ、ノズルとコレクタと電源とを有する電界紡糸装置(エレクトロスピニング装置とも呼ばれる)を用いて行われる(例えば、特許文献1参照)。この電界紡糸装置では、電源によりノズルとコレクタとの間に電圧を印加し、例えば、ノズルをマイナス、コレクタをプラスに帯電させる。
電圧を印加した状態でノズルから原料である溶液を出すと、ノズルの先端の開口にテイラーコーンと呼ばれる溶液で構成される円錐状の突起が形成される。印加電圧を徐々に増加し、クーロン力が溶液の表面張力を上回ると、テイラーコーンの先端から溶液が飛び出し、紡糸ジェットが形成される。紡糸ジェットはクーロン力によってコレクタまで移動し、コレクタ上でナノファイバとして捕集される。
ノズルから送られる溶液の溶媒の沸点が低いほど、先端の開口で溶液が固化しやすいためノズルが詰まりやすい。また、ある程度固化が進んだ場合には、固化により形成された固化物が先端の開口から脱離し、コレクタ上に集積されたナノファイバの捕集面に落ちてしまうことがある。そこで、特許文献2では、クリーニング手段を用いて、先端の開口に柔軟部材を接触させて上記の固化物を除去したり、先端の開口を吸引して固化物を除去したりしている。
特開2005−330624号公報 特開2008−202169号公報
特許文献2に記載される方法は、柔軟部材が先端開口から離れた際にノズルが元の姿勢に戻る。そして、この戻る際の勢いで柔軟部材や先端開口に付着している固化物を跳ね飛ばしてしまうことがあり、固化物が雰囲気中またはコレクタ上に集積したナノファイバに飛散してしまうことがある。このような場合には、製造装置内を洗浄するために製造を停止させたり、集積したナノファイバのうち固化物が付着した箇所を除いた部分のみが製品とされ、製品ロスが生じる。このような、製造の停止、または、製品ロスは、生産性を下げてしまう。また、特許文献2の方法は、そもそも、形成してしまった固化物を除去するものであり、固化を抑制するものではないから、生産性の向上には寄与しない。
そこで本発明は、生産性を向上させる電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の電界紡糸ノズルは、ノズル本体と、先端面と、傾斜面とを有し、ポリマーが溶媒に溶解しており第1の極性に帯電された溶液を第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電されたまたは電位を0にされたコレクタに向けて、先端に形成された開口から出す。ノズル本体は、溶液を上記開口へ案内する内部流路が形成されている。先端面は、上記先端に形成され、内部流路における液の流れ方向に直交する平坦面とされており、外縁と内縁との距離が大きくても0.5mmである。傾斜面は、先端面とノズル本体の外壁面とを接続し、先端面と外壁面とに交差する。内部流路を形成する内壁面は、開口から1mmの領域が樹脂材料から構成されている。
傾斜面は、先端面に対する交差角度が大きくても150°であることが好ましい。ノズル本体は樹脂材料から構成されている、または金属製であることが好ましい。
ノズル本体が樹脂材料から形成されている場合には、電界紡糸ノズルは、ノズル本体の上流端に、導電性材料から形成されている第1導電部材を備え、第1導電部材は、内部流路と連通し溶液を案内する帯電流路を有し、電圧が印加されることにより帯電流路内の溶液を帯電させることが好ましい。
ノズル本体が樹脂材料から形成されている場合には、電界紡糸ノズルは、ノズル本体の外周に設けられ、導電性材料から形成されており、電圧が印加されることにより第1の極性に帯電する第2導電部材を備えることが好ましく、上記先端面は、第2導電部材の先端と面一である、または第2導電部材の先端よりも突出していることが好ましい。
ノズル本体が金属製である場合には、電界紡糸ノズルは、内壁面が上記樹脂材料から構成されている樹脂部を有することが好ましい。先端面は樹脂部を有することが好ましく、傾斜面は樹脂部を有することが好ましい。
樹脂材料は、ポリテトラフルオロエチレンと、ポリプロピレンと、ポリエチレンと、ポリスチレンと、ポリカーボネートと、ポリエステルと、ポリアミドと、シリコーンとのうちいずれかひとつであることが好ましい。
ポリマーがセルロースアシレートである場合に上記電界紡糸ノズルは特に効果がある。
本発明のナノファイバ製造装置は、上記の電界紡糸ノズルと、コレクタと、電圧印加部とを備える。コレクタは、電解紡糸ノズルから出た溶液を誘引し、ナノファイバとして捕集する。電圧印加部は、電解紡糸ノズルから出る溶液とコレクタとに電圧を印加することにより、溶液とコレクタとを逆極性に帯電させる。
本発明のナノファイバ製造方法は、ポリマーが溶媒に溶解し、第1の極性に帯電された状態の溶液を、上記の電界紡糸ノズルから出すステップと、第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電されたコレクタにより、電界紡糸ノズルから出た溶液を誘引しナノファイバとして捕集するステップとを有する。
本発明によれば、ナノファイバの生産性が向上する。
本発明を実施したナノファイバ製造装置の概略を示す側面図である。 電界紡糸ノズルの一部断面概略図である。 電界紡糸ノズルの一部断面概略図である。 電界紡糸ノズルの一部断面概略図である。
図1に示すように、本発明のナノファイバ製造装置10は、ポリマーが溶媒に溶解した溶液11からナノファイバ12を製造するためのものである。ポリマーと溶媒との詳細は後述する。ナノファイバ製造装置10は、紡糸室15と、溶液供給部16と、電界紡糸ノズル(以下、単にノズルと称する)17と、集積部20と、電源21とを備える。紡糸室15は、例えば、ノズル17、溶液供給部16の配管22、集積部20の一部などを収容して、密閉可能に構成されており、溶媒ガスが外部に洩れることを防止している。溶媒ガスは、溶液11の溶媒が気化したものである。
紡糸室15内の上部には、ノズル17が配される。ノズル17は、後述のように第1の極性に帯電された溶液11を出すためのものである。ノズル17の溶液11が出る先端は、図1におけるノズル17の下方に配したコレクタ30へ向けてある。ノズル17の詳細については別の図面を用いて後述する。
溶液供給部16は、ノズル17に溶液11を供給するためのものである。溶液供給部16は、貯留容器25とポンプ26と配管22とを備える。配管22はノズル17の基端である上流端に接続する。貯留容器25は溶液11を例えば5℃以上溶媒の沸点未満の範囲内の一定温度として貯留する。これにより、ノズル17から出る溶液11の温度を、5℃以上溶媒の沸点未満の範囲内の一定温度にしている。ノズル17から出る溶液11の温度が5℃以上である場合には、5℃未満の場合に比べて径がより細いナノファイバ12が製造される。ノズル17から出た溶液11は、温度を直接検知することはできないが、ノズル17から出て間もなく雰囲気と概ね同じ温度になると推測される。なお、本実施形態では雰囲気の温度を30℃にしている。
ポンプ26は、配管22を介して溶液11をノズル17に送る。ポンプ26の回転数を変えることにより、ノズル17から送り出す溶液11の流量を調節することができる。本実施形態においては、溶液11の流量を4cm3/時としているが、流量はこれに限定されない。溶液11がノズル17に送られ、ノズル17の先端に形成されている開口(以下、先端開口と称する)57(図2参照)から出る際に、先端開口57には溶液11によって略円錐状のテイラーコーン27が形成される。
集積部20は、ノズル17の下方に配される。集積部20は、コレクタ30と、コレクタ回転部31と、支持体供給部32と、支持体巻取部33とを有する。コレクタ30はノズル17から出た溶液11を誘引してナノファイバ12として捕集するためのものであり、本実施形態では、後述の支持体36上に捕集する。コレクタ30は、金属製の帯状物、例えばステンレス鋼から形成された無端ベルトから構成されている。コレクタ30はステンレス製に限定されず、電源21による電圧の印加により帯電する素材から形成されていればよい。コレクタ回転部31は、一対のローラ37,38と、モータ39などから構成されている。コレクタ30は、一対のローラ37,38に水平に掛け渡されている。一方のローラ37の軸には紡糸室15の外に配されたモータ39が接続されており、ローラ37を所定速度で回転させる。この回転によりコレクタ30はローラ37とローラ38との間で循環するように移動する。本実施形態においては、コレクタ30の移動速度は、10cm/時としているが、これに限定されない。
コレクタ30には、支持体供給部32によって、帯状のアルミニウムシートからなる支持体36が供給される。本実施形態における支持体36は、厚みが概ね25μmである。支持体36は、ナノファイバ12を集積させて不織布42として得るためのものである。支持体供給部32は送出軸32aを有する。送出軸32aには支持体ロール43が装着される。支持体ロール43は支持体36が巻芯44に巻き取られて構成されている。支持体巻取部33は巻取軸47を有する。巻取軸47は図示省略のモータにより回転され、セットされる巻芯48に、不織布42が形成された支持体36を巻き取る。このように、このナノファイバ製造装置10は、ナノファイバ12を製造する機能と、ナノファイバ12からなる不織布42を製造する機能とをもち、電界紡糸法によるナノファイバ製造方法が実施される。コレクタ30の移動速度と支持体36の移動速度とは両者の間に摩擦が生じることがないように同じにすることが好ましい。同じ速度とは厳密である必要はない。また、支持体36は、コレクタ30上に載せて、コレクタ30の移動によって移動させてもよい。
なお、コレクタ30の上にナノファイバ12を直接集積して不織布42を形成してもよいが、コレクタ30を形成する素材またはコレクタ30の表面状態等によっては不織布42が貼り付いてこれを剥がしにくい場合がある。このため、本実施形態のように、不織布42が貼り付きにくい支持体36をコレクタ30上に案内して、この支持体36上にナノファイバ12を集積することが好ましい。
電源21は、ノズル17とコレクタ30とに電圧を印加して、ノズル17を第1の極性に帯電させ、コレクタ30を第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電させる電圧印加部である。本実施形態ではノズル17をプラス(+)に帯電させ、コレクタ30をマイナス(−)に帯電させているが、ノズル17とコレクタ30との極性は逆であってもよい。なお、コレクタ30側をアースして電位を0としても良い。本実施形態では、ノズル17とコレクタ30とに印加する電圧は30kVとしている。この帯電により、テイラーコーン27からは紡糸ジェット49がコレクタ30に向かって噴出される。
ノズル17とコレクタ30との距離L2は、ポリマーと溶媒との種類、溶液11における溶媒の質量割合等によって適切な値が異なるが、30mm以上300mm以下の範囲内が好ましく、本実施形態では180mmとしている。この距離L2が30mm以上であることにより、30mmよりも短い場合に比べて、噴出される紡糸ジェット49が、コレクタ30に到達するまでに、自身の電荷による反発でより確実に分裂するので、細いナノファイバ12がより確実に得られる。また、このように細く分裂することで溶媒がより確実に蒸発するから不織布42における溶媒の残留がより確実に防がれる。また、距離L2が300mm以下であることにより、300mmを超えて長すぎる場合と比べて、印加する電圧を低く抑えることができる。
ノズル17とコレクタ30とに印加する電圧の大きさによって、得られるナノファイバ12の太さが変わる。ノズル17とコレクタ30とにかける電圧は、2kV以上40kV以下が好ましい。ナノファイバ12を細く形成する観点では電圧はこの範囲内でなるべく高いほうが好ましいが、高すぎるとテイラーコーンの形状の変動が大きくなり、紡糸ジェットが不安定になる。
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、より具体的にはセルローストリアセテート(以下、TACと称する)を用いているが、これに限定されない。セルロースアシレート以外のポリマーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸などが挙げられる。またTAC以外のセルロースアシレートとしては、例えば、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースの少なくともいずれかひとつ、またはそれらの混合物であればよい。
溶液11に用いる溶媒としては、本実施形態ではジクロロメタン(沸点は40℃)とN−メチルピロリドン(NMP)(沸点は202℃)との混合物を用いている。ポリマーとしてセルロースアシレートを用いる場合の溶液の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。これらは、セルロースアシレートの種類に応じて単独で使用しても混合して使用してもよい。
溶媒を単物質から構成する場合、すなわち一成分で構成する場合において、溶媒の沸点がおおよそ60℃以下であると、テイラーコーン27の周囲の雰囲気温度が室温である場合に、表面の固化、いわゆる皮ばりが発生しやすくなる。また、沸点の低い物質は蒸発速度が大きいためにこれを溶媒として用いると溶液11は皮ばりを形成しやすい。これを抑制するために、沸点が低い物質を溶媒の成分とする場合には、沸点がより高い物質と混合して溶媒とし、蒸発速度を調節するとさらによい。
図2に示すように、本実施形態のノズル17は、ノズル本体52と第1導電部材53と第2導電部材54とを備える。ノズル本体52は、供給されてきた溶液11を出すためのものである。ノズル本体52は、前述の先端開口57を有しており、先端にテーパ形状をもつ円筒状とされている。内部には溶液11を先端開口57へ案内する流路(以下、内部流路と称する)58が形成されている。ノズル本体52は、例えば、内径は0.35mmで一定であり、テーパ形状部分を除いた部分の外径は0.55mmで一定であり、長さは15mmとされている。ノズル本体52は、円筒状に限られず、先端開口57が特定方向、例えば図2の紙面奥行方向に延びたスリット状でもよい。
先端開口57が形成されているノズル本体52の先端面は、内部流路58における溶液11の流れ方向FDに直交する平坦面とされており、これを以下、先端平坦面と称し、符号52aを付す。先端平坦面52aの外縁Eoと先端開口57側の縁である内縁Eiとの距離D2は大きくても0.5mm、すなわち0.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以下であり、さらに好ましくは0.05mmである。本実施形態では例えば0.05mmとしてある。
ノズル本体52は、先端平坦面52aと外壁面52bとを接続する傾斜面52cを有し、傾斜面52cは、ノズル本体52の先端に向かうに従い次第に縮径するテーパ状とされている。先端平坦面52aと傾斜面52cとの交差角度θ1は90°より大きければよく、すなわち、傾斜面52cは先端平坦面52aと外壁面52bとに交差していればよい。交差角度θ1は、120°以上がより好ましく、大きくても150°、すなわち150°以下であることが好ましい。傾斜面52cを形成し、ノズル17の先端を平坦に研磨していくことにより、距離D2を所望の長さ、例えば0.05mm以下に精度良く加工することができる。なお、交差角度θ1は、図2に示すように、ノズル本体52の内部側における先端平坦面52aと傾斜面52cとのなす角である。
ノズル本体52の先端平坦面52aから1mmの領域を、以下先端領域と称し、符号RTを付す。ノズル本体52は、樹脂材料から構成されている。したがって、内部流路58を形成する内壁面52dの全域は樹脂材料から構成されている。ただし、樹脂材料から構成されている領域は、内壁面52dのうち先端開口57から1mmの領域、すなわち内壁面52dのうちの先端領域RTであればよい。先端開口57から1mmの領域が樹脂材料から構成されているとは、先端開口57から1mmよりも大きい範囲の領域が樹脂材料から構成されている場合を含む。
先端平坦面52aと傾斜面52cとの少なくともいずれか一方は、樹脂材料から形成されていることが好ましい。本実施形態のノズル本体52は、樹脂材料から構成されているから、先端平坦面52aと、傾斜面52cとは、ともに樹脂材料から構成されている。
上記の樹脂材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する)と、ポリプロピレンと、ポリエチレンと、ポリスチレンと、ポリカーボネートと、ポリエステルと、ポリアミド(例えばナイロン)と、シリコーンとのうちいずれかひとつが好ましい。ただし、樹脂材料は、溶液11の溶媒に溶解しないものとする。本実施形態ではPTFEとしている。
第1導電部材53は、ノズル本体52へ供給する溶液11を帯電させるためのものである。第1導電部材53は、導電性材料から形成されており、ノズル本体52の上流端に設けられている。この例の第1導電部材53は、図2における下面側にノズル本体52の上流側端部が嵌合する円形の窪みが形成されており、この窪みにノズル本体52が嵌めこまれてノズル本体52と第1導電部材53とは一体にされている。第1導電部材53は、内部流路58と連通し、溶液11を内部流路58へ案内する流路(以下、帯電流路と称する)61を有する。第1導電部材53は、電源21によって電圧が印加され、これにより、帯電流路61内の溶液11を第1の極性に帯電させる。この結果、溶液11は、第1の極性に帯電した状態でノズル本体52へ供給される。内壁面52dと帯電流路61を形成する内壁面53aとは面一であることが好ましく、本実施形態でもそのようにしてある。内壁面52dと内壁面53aとが面一であることにより、異物の滞留あるいは固着が防がれ、異物の堆積による先端開口57からの流量の不安定化が抑えられるから、メンテナンス頻度が減る。また、異物が堆積したまま放置されることによる異物の変質が抑制されるから、ナノファイバ12及び不織布42の品質低下が防がれる。第1導電部材53は設けられなくてもよいが、本実施形態のように設けられる方が好ましい。なお、第1導電部材53を設けない場合には、例えば、配管22に、溶液11を帯電させる電圧印加部(図示無し)を設ければよく、電圧印加部としては、例えば、電極棒がある。
第2導電部材54は、先端開口57からの溶液11の飛散を防止するための飛散防止部材である。第2導電部材54は、この例では内周と外周とがそれぞれ一定の円筒状に、導電性材料から形成されており、ノズル本体52の外周に設けられている。第2導電部材54も第1導電部材53と同様に、電源21に接続しており、電源21による電圧の印加により、溶液11と同極の第1の極性に帯電する。なお、この例では、第1導電部材53と第2導電部材54とを離間した状態に配しているので、電源21を第1導電部材53と第2導電部材54とのそれぞれに接続している。しかし、第1導電部材53と第2導電部材54とを接した状態に配している場合には、電源21をこれらのうちの一方に接続させればよい。また、この例の第2導電部材54は、樹脂材料から構成されるノズル本体52を保護するための保護部材でもある。そこで、第2導電部材54を後述の通りステンレス鋼から形成し、かつ、ノズル本体52と密着または隙間を非常に小さく抑えて設けてある。なお、第2導電部材54は、設けられなくてもよいが、本実施形態のように設けられる方が好ましい。
第2導電部材54は、その先端54aが先端平坦面52aと面一となるように、または、先端平坦面52aが第2導電部材54の先端54aよりも突出するように、配されることが好ましい。先端平坦面52aが先端54aよりも突出するように第2導電部材54を配した場合には、突出量が2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。本実施形態では図2に示すように、先端54aが先端平坦面52aと面一となるように第2導電部材54を配してあり、この態様が最も好ましい。
第1導電部材53と第2導電部材54とを形成する導電性材料は、例えば、ステンレス鋼と、アルミニウム合金と、銅合金と、チタン合金とのうちいずれかひとつであることが好ましい。ただし、導電性材料は、溶液11との接触により腐食などしない耐久性をもつものとする。なお、第1導電部材53と第2導電部材54とを形成する導電性材料は互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。実施形態では第1導電部材53と第2導電部材54とを形成する導電性材料をともにステンレス鋼としてある。
上記構成の作用を説明する。図1において、ノズル17の第1導電部材53及び第2導電部材54と、循環して移動するコレクタ30とには、電源21により電圧が印加される。これにより、第1導電部材53と第2導電部材54とは第1の極性としてのプラスに帯電し、コレクタ30は第2の極性としてのマイナスに帯電する。ノズル17には、貯留容器25から溶液11が連続的に供給され、移動するコレクタ30上には、支持体36が連続的に供給される。溶液11は、第1導電部材53の帯電流路61に接することにより第1の極性であるプラスに帯電し、帯電した状態で、ノズル本体52へ案内される。コレクタ30は、第1の極性に帯電した状態で先端開口16bから出た溶液11を誘引する。これにより、先端開口57にはテイラーコーン27が形成され、このテイラーコーン27から紡糸ジェット49がコレクタ30に向けて噴出される。第1の極性に帯電している紡糸ジェット49は、コレクタ30に向かう間に、自身の電荷による反発でより細い径に分裂し、支持体36上にナノファイバ12として捕集される。
ここで、先端開口を閉塞したり、ナノファイバが集積して形成された不織布において製品対象から除外される箇所を生じる球状の固化物は、径が1mm程度である。しかし、本実施形態によると、内壁面52dは先端開口57から1mmの範囲の領域が樹脂材料から形成されている。金属材料の臨界表面張力は500mN/m以上であるが、これに対し、PTFEの臨界表面張力は18mN/mであり、溶液11の付着を低減する効果が大きい。また、他の樹脂材料を用いた場合でも概ね50mN/m以下であり、溶液11の付着を低減する効果が大きい。このため、先端開口57において溶液11の固化が抑制される。また固化しても固化物の径は1mmに満たない程度に小さく抑えられ、これが不織布42に付着しても不織布42は製品として許容されるものであり、廃棄などの製品ロスが小さく抑えられる。
前述の距離D2が大きくとも0.05mmである先端平坦面52aと、先端平坦面52aとノズル本体52の外壁面52bとに接続し、交差角度θ1が大きくとも150°とされている傾斜面52cとを有し、傾斜面52cは樹脂材料から構成されている。このため、図2に破線K2で示すテイラーコーン27のように、溶液11が先端開口57の外縁Eoを超えて傾斜面52cまで濡れ広がることが抑えられる。溶液11が濡れ広がると、この濡れ広がり部分25aには溶液11が滞留するため、時間の経過と共に溶媒が蒸発して固化しやすいが、本実施形態では、溶液11の濡れ広がりが抑えられることにより、固化が抑えられる。特に、本実施形態のように、沸点が前述のように低い溶媒にセルロースアシレートが溶解されており、常温で蒸発し易い溶液11を用いた場合でも、溶液11の固化が抑制され、例えば連続製造時間が長くなるなど、生産性が向上する。また、固化しても、形成される球状の固化物は径が1mmに満たない程度に小さく抑えられ、これが不織布42に付着しても不織布42は製品として許容されるものであり、廃棄などの製品ロスが小さく抑えられる。
先端平坦面52aは、前述の距離D2が大きくとも0.05mmとされているから、溶液11の濡れ広がりが0.05mm以下に抑えられ、濡れ広がり部分11aが小さく抑えられる。このため、図2の二点鎖線K1で示すように溶液11が先端開口57の内縁Eiを超えて大きく濡れ広がることが、より確実に抑えられる。この結果濡れ広がり部分11a内において進むことがある溶液11の滞留が抑制され、したがって、溶媒がより蒸発しにくくなり、固化がより確実に抑制される。交差角度θ1が大きくとも150°にされているから、図2の破線K2で示すように溶液11が先端開口57の外縁Eoを超えて上方に濡れ広がることがより確実に抑えられる。
ノズル本体52の上流端に第1導電部材53が設けられており、この第1導電部材53により溶液11が帯電されるから、配管22の内部に帯電用部材を設ける場合と比べて、異物の滞留あるいは固着が防がれ、これにより、メンテナンスの頻度が減る。さらに、メンテナンスにおいては分解洗浄が不要となるから時間を削減することができる。以上の結果、生産時間がより多く確保される。
第2導電部材54は第1の極性に帯電しているから、同極である第1の極性に帯電している溶液11が先端開口57から周囲へ飛散することが抑制され、第2導電部材への付着も防止される。
第2導電部材54は後述の通りステンレス鋼から形成され、かつ、ノズル本体52と密着または隙間を非常に小さく抑えて設けてあるから、例えば洗浄などのメンテナンスの際に、ノズル本体52の破損が防止される。
先端平坦面52aと第2導電部材54の先端54aとが面一とされているから、先端開口57から出る溶液11とコレクタ30との間の電気力線が第2導電部材54の影響をより受けにくいので、テイラーコーン27が安定し、紡糸ジェット49は安定してコレクタ30へ到達し、紡糸ジェット49のコレクタ30以外への飛散が抑制される。第2導電部材54の先端54aよりも先端平坦面52aが突出するように第2導電部材54が配されている場合も同様である。
捕集されたナノファイバ12は不織布42として支持体36とともに支持体巻取部33に送られる。不織布42は、支持体36と重なった状態で巻芯48に巻かれる。巻芯48は巻取軸47から取り外された後に、支持体36から不織布42が分離される。この後、不織布42は、例えば所望のサイズに切断されて、不織布シートなどにされてもよい。
ノズル17を、図3に示すノズル80に置き換えてもよい。ノズル80は、ノズル本体81と樹脂部82とを備える。ノズル80は、ノズル17と同様に、先端開口57と内部流路58と先端平坦面52aと外壁面52bと傾斜面52cと内壁面52dとを有する。なお、ノズル80に関し、ノズル17と同じ部材には図2と同じ符号を付し、同じ部材や形状等について説明を略す。
ノズル本体81は金属製であり、先端にテーパ形状を有する円筒状に形成されている。ただし、ノズル本体52と同様に、図3の紙面奥行方向に延びたスリット状の先端開口57をもつ態様でもよい。樹脂部82は、ノズル本体81の先端面81aと傾斜面81cと内壁面81dとに一体に設けられている。樹脂部82の厚みは概ね一定とされており、先端面81aは、先端平坦面52aを構成するために、内部流路58における溶液11の流れ方向FDと直交する平坦面として形成されている。傾斜面81cは先端面81aとのなす角が交差角度θ1と概ね同じ角度となるように形成されており、傾斜面81cと傾斜面52cとは概ね平行とされている。内壁面81dは樹脂部82が設けられた状態で、内部流路58を形成している。なお、ノズル本体81は、内径が0.33mm、テーパ形状部分を除いた部分の外径が0.55mm、長さが15mmとされているが、これに限定されない。
この例では、ノズル本体81の内壁面81dの全域に樹脂部82が設けられ、これにより、内部流路58を形成する内壁面52dの全域が樹脂材料から構成されている。ただし、内壁面52dの樹脂材料から構成されている領域は、前述のように先端領域RTであればよい。樹脂部82を構成する樹脂材料は、ノズル本体52を構成する前述の樹脂材料と同じである。したがって、先端開口57から1mmの領域になる内壁面81dの部分が樹脂部82を備えればよい。内部流路58の上流側がノズル本体81の金属、下流側に相当する先端開口57側が樹脂部82である場合には、異物の滞留あるいは固着を防ぐ観点から、これらを面一にすることが好ましい。
ノズル本体81を構成する金属は、例えば、ステンレス鋼と、アルミニウム合金と、銅合金と、チタン合金とのうちいずれかひとつであることが好ましい。ただし、用いる金属は、溶液11との接触により腐食などしない耐久性をもつものが好ましく、本実施形態ではステンレス鋼としてある。
樹脂部82の厚みは、特に限定されず、例えば10μm以上500μm以下の範囲内というように、ノズル本体81の厚みと概ね同等レベルの厚みでもよい。本実施形態では、樹脂部82を流動浸漬法による粉体塗装の後に研磨する手法により薄い被膜、すなわち層状に形成しており、このように層状に形成する場合の厚みは、例えば5μm以上30μm以下の範囲内が好ましく、本実施形態では20μmとしている。なお、層状の樹脂部82を形成する場合の手法は上記の手法に限られず、例えば、流動浸漬法、静電粉体塗装法等の粉体塗装法を単独で用いてもよい。また、ノズル本体81と概ね同等レベルの厚みの樹脂部82を形成する手法も上記の手法でよい。
樹脂部82の形成は、先端平坦面52aを形成する前であっても、後であってもよい。樹脂部82となる被膜を形成した後に、先端平坦面52aを研磨により形成する場合には、その研磨による除去量によっては先端面81aには樹脂部82が形成されない。
この例のノズル80にも第2導電部材54を設けてあるが、その主たる目的は、前述のように溶液11の飛散を防止することにある。このノズル本体81が金属製であるため、ノズル本体52よりも耐久性に優れており、そのため前述の保護部材の機能は必ずしも要しないからである。
上記実施形態では、ノズル17,80を1本のみとしてそれぞれ説明しているが、これらノズル17,80は複数用いてもよい。複数用いる場合には、支持体36の送り方向、又は送り方向に直交する方向にノズル17または80を離間して複数設けることが好ましい。また、支持体36の表面に沿って複数のノズル17,80を配置し、支持体36の表面をその表面に直交する方向から見たときに、複数のノズル17,80をマトリックス状に配置してもよい。ノズル17,80を複数にすることで、得られる不織布42の面積を増やすことができ、生産性がさらに向上する。なお、ノズル17とノズル80とを併用してもよい。また、ノズル17,80の本数が増加して複数のノズル17,80からの溶液吐出量の合計量が増加する場合には、紡糸室15内に溶媒回収部(図示無し)を設けることが好ましい。
また、ノズル本体52,81は複数組み合わされてもよく、また、長さは例えば0.1mm以上15mm以下の範囲内というように短くされてもよい。例えば、図4に示すノズル100は、複数のノズル本体101と、第1導電部材103と、第2導電部材104とを備える。この例のノズル本体101は、長さが5mmと短くされている他は、ノズル本体52と同じ構成をもつ。第1導電部材103は、第1導電部材53と同様に構成されているが、以下が第1導電部材53と異なる。第1導電部材103は、第1導電部材53よりも大きな板状に形成されている。第1導電部材103は、図4における下面に円形の窪みが複数形成されており、これらの窪みの各々にノズル本体101の上流側端部が嵌合している。なお、第1導電部材103は、平板状の導電部材を切削加工することにより形成することができる。第2導電部材104は、第2導電部材54と同様に構成されているが、以下が第2導電部材54と異なる。第2導電部材104は、第2導電部材54よりも大きな板状に形成されており、厚み方向に貫通する貫通孔104aが複数形成されている。これらの貫通孔104aの各々に、ノズル本体101が嵌合している。なお、第1導電部材103を第1導電部材53に置き換えてもよいし、第2導電部材104を第2導電部材54に置き換えてもよい。なお、この例では複数のノズル本体101が個々に独立しているが、これらを樹脂材料を用いて一体化してもよい。
上記各実施形態では、コレクタ30として循環移動するベルトを用いたが、コレクタはベルトに限定されない。例えば、コレクタは固定式の平板であってもよいし、円筒状の回転体としてもよい。平板や円筒体からなるコレクタの場合にも、不織布をコレクタから容易に分離することができるように支持体36を用いることが好ましい。なお、回転体を用いる場合には、回転体の周面にナノファイバからなる筒状の不織布が形成されるため、紡糸後に回転体から筒状の不織布を抜き取り、所望の大きさ及び形状にカットして不織布製品とすることができる。円筒状の回転体を用いる場合には、不織布を連続的には製造することができないが、均質な製品が作りやすく、細胞培養用足場や医療用途などへの応用が容易である。また円筒の回転数を高くすることによって、ナノファイバの配向度を高めることができ、異方性のある製品を作ることができる。
[実施例1]〜[実施例4]
互いに異なるノズル17を用いてナノファイバ12を連続的に製造し、実施例1〜4とした。なお、ナノファイバ製造装置10のノズル17を10本にし、各ノズル17から溶液11を連続的に出した。10本のノズル17はノズルアレイの態様で並べて配した。溶液11は、TACを溶媒に溶解したものとした。この溶媒は、前述の通りジクロロメタンとNMPとの混合物であり、質量比は、ジクロロメタン:NMP=9:1とした。溶液に11におけるTACの濃度は4質量%とした。この濃度は、TACの質量をM1とし、溶媒の質量をM2とするときに、{M1/(M1+M2)}×100で求めたものである。電源21により各ノズル17とコレクタ30とに印加した電圧は、前述の通り30kVとした。ノズル本体52は前述の通りPTFEであるので、表1の「ノズル本体の素材」欄にはPTFEと記載する。先端平坦面52aと傾斜面52cとの交差角度θ1は表1の「交差角度θ1」欄に、先端平坦面52aの外縁Eoと内縁Eiとの距離D2は「距離D2」欄に、それぞれ示す。製造したナノファイバ12の平均径は0.4μmである。平均径は、走査型電子顕微鏡で撮像した画像から100本のナノファイバ12の径を測定し、平均値を算出することにより求めた。
固化物の発生時間と、固化物によるノズル17の閉塞時間とについて評価した。評価方法及び評価基準は以下の通りである。
1.固化物の発生時間
ノズル17から溶液11を出し始めてから、ノズル17の先端に固化物が発生するまでの時間を、目視で観測した。結果は、表1の「固化物の発生時間」欄に示す。
A;30秒以上
B;10秒以上30秒未満
C;10秒未満
2.固化物によるノズル17の閉塞時間
10本のノズル17を観測対象とし、ノズル17から溶液11を出し始めてから、10本のうちいずれか1本から溶液11が出なくなった時点までの時間を、ノズル17が閉塞するまでの時間として、目視により観測した。結果は、表1の「閉塞時間」欄に示す。
A;5分以上
B;1分以上5分未満
C;1分未満
Figure 2017155375
[比較例1],[比較例2]
実施例のノズル17のノズル本体52を,ステンレス鋼(SUS,Steel Use Stainless)から形成されたノズル本体に置き換えた。そこで、表1の「ノズル本体の素材」欄にはSUSと記載する。また、第2導電部材54は用いなかった。その他の条件は実施例と同様にした。
実施例と同様の方法及び基準で、固化物の発生時間と、固化物によるノズルの閉塞時間とについて評価した。評価結果は表1に示す。
10 ナノファイバ製造装置
11 溶液
11a 濡れ広がり部分
12 ナノファイバ
15 紡糸室
16 溶液供給部
17 ノズル
20 集積部
21 電源
22 配管
25 貯留容器
26 ポンプ
27 テイラーコーン
30 コレクタ
31 コレクタ回転部
32 支持体供給部
32a 送出軸
33 支持体巻取部
36 支持体
37,38 ローラ
39 モータ
42 不織布
43 支持体ロール
44 巻芯
47 巻取軸
48 巻芯
49 紡糸ジェット
52 ノズル本体
52a 先端平坦面
52b 外壁面
52c 傾斜面
52d 内壁面
53 第1導電部材
53a 内壁面
54 第2導電部材
54a 先端
57 先端開口
58 内部流路
61 帯電流路
80 ノズル
81 ノズル本体
81a 先端面
81c 傾斜面
81d 内壁面
82 樹脂部
100 ノズル
101 ノズル本体
103 第1導電部材
104 第2導電部材
104a 貫通孔
D2 距離
Eo 外縁
Ei 内縁
FD 溶液の流れ方向
RT 先端領域
θ1 交差角度

Claims (13)

  1. ポリマーが溶媒に溶解しており第1の極性に帯電された溶液を、前記第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電されたまたは電位を0にされたコレクタに向けて、先端に形成された開口から出す電界紡糸ノズルにおいて、
    前記溶液を前記開口へ案内する内部流路が形成されているノズル本体と、
    前記先端に形成され、前記内部流路における前記溶液の流れ方向に直交する平坦面とされ、外縁と内縁との距離が大きくても0.5mmである先端面と、
    前記先端面と前記ノズル本体の外壁面とを接続し、前記先端面と前記外壁面とに交差する傾斜面と
    を有し、
    前記内部流路を形成する内壁面は、前記開口から1mmの領域が樹脂材料から構成されている電界紡糸ノズル。
  2. 前記傾斜面は、前記先端面に対する交差角度が大きくても150°である請求項1に記載の電界紡糸ノズル。
  3. 前記ノズル本体は前記樹脂材料から構成されている請求項1または2に記載の電界紡糸ノズル。
  4. 前記ノズル本体の上流端に、導電性材料から形成されている第1導電部材を備え、
    前記第1導電部材は、前記内部流路と連通し前記溶液を案内する帯電流路を有し、電圧が印加されることにより前記帯電流路内の前記溶液を帯電させる請求項3に記載の電界紡糸ノズル。
  5. 前記ノズル本体の外周に設けられ、導電性材料から形成されており、電圧が印加されることにより前記第1の極性に帯電する第2導電部材を備える請求項3または4に記載の電界紡糸ノズル。
  6. 前記先端面は、前記第2導電部材の先端と面一である、または前記第2導電部材の先端よりも突出している請求項5に記載の電界紡糸ノズル。
  7. 前記ノズル本体は金属製であり、
    前記内壁面は前記樹脂材料から構成されている樹脂部を有する請求項1または2に記載の電界紡糸ノズル。
  8. 前記先端面は前記樹脂部を有する請求項7に記載の電界紡糸ノズル。
  9. 前記傾斜面は前記樹脂部を有する請求項7または8に記載の電界紡糸ノズル。
  10. 前記樹脂材料は、ポリテトラフルオロエチレンと、ポリプロピレンと、ポリエチレンと、ポリスチレンと、ポリカーボネートと、ポリエステルと、ポリアミドと、シリコーンとのうちいずれかひとつである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電界紡糸ノズル。
  11. 前記ポリマーがセルロースアシレートである請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電界紡糸ノズル。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電界紡糸ノズルと、
    前記電解紡糸ノズルから出た前記溶液を誘引し、ナノファイバとして捕集するコレクタと、
    前記電解紡糸ノズルから出る前記溶液と前記コレクタとに電圧を印加することにより前記溶液と前記コレクタとを逆極性に帯電させる電圧印加部と、
    を備えるナノファイバ製造装置。
  13. ポリマーが溶媒に溶解し、第1の極性に帯電された状態の溶液を、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電界紡糸ノズルから出すステップと、
    前記第1の極性と逆極性の第2の極性に帯電されたコレクタにより、前記電界紡糸ノズルから出た前記溶液を誘引しナノファイバとして捕集するステップと、
    を有するナノファイバ製造方法。
JP2016041249A 2016-03-03 2016-03-03 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法 Active JP6617055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041249A JP6617055B2 (ja) 2016-03-03 2016-03-03 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016041249A JP6617055B2 (ja) 2016-03-03 2016-03-03 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017155375A true JP2017155375A (ja) 2017-09-07
JP6617055B2 JP6617055B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=59809331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016041249A Active JP6617055B2 (ja) 2016-03-03 2016-03-03 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6617055B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013047410A (ja) * 2009-09-09 2013-03-07 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP2014010971A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Panasonic Corp 高分子電解質膜、膜電極接合体、高分子電解質型燃料電池および高分子電解質膜の製造方法
JP2014148763A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013047410A (ja) * 2009-09-09 2013-03-07 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP2014010971A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Panasonic Corp 高分子電解質膜、膜電極接合体、高分子電解質型燃料電池および高分子電解質膜の製造方法
JP2014148763A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6617055B2 (ja) 2019-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6205330B2 (ja) 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法
US10167575B2 (en) Nanofiber manufacturing method and nanofiber manufacturing device
JP4598083B2 (ja) 静電噴霧装置及び静電噴霧方法
US10501868B2 (en) Electrospinning device and nanofiber manufacturing device provided with same
EP1999304B2 (en) Solution spun fiber process
JP2009127150A (ja) エレクトロスピニング装置
JP2012510006A (ja) 不織ポリマーウェブ
WO2016035473A1 (ja) ナノファイバ製造方法
TW201134999A (en) Spinning apparatus, apparatus and process for manufacturing nonwoven fabric, and nonwoven fabric
JP2011127234A (ja) ナノファイバー製造方法
JP2012107364A (ja) ナノファイバー製造方法
JP6755203B2 (ja) シート及びシート製造方法
JP6672198B2 (ja) ナノファイバ製造方法及び装置
JP6170889B2 (ja) ナノファイバ製造方法及び装置、不織布製造方法
JP6170888B2 (ja) ナノファイバ製造方法及び装置
JP2014047440A (ja) エレクトロスピニング装置
JP6840854B2 (ja) 不織布製造方法及び装置
JP6617055B2 (ja) 電界紡糸ノズル、ナノファイバ製造装置及び方法
JP2011032593A (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP6150921B2 (ja) 接着剤吹き付け方法
JP7163363B2 (ja) ファイバシート
JP4904083B2 (ja) 静電紡糸法により高分子化合物繊維構造体を製造する装置
JP5253361B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
JP2012092478A (ja) 不織布製造装置、および、不織布製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6617055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250