JP2017155146A - 導体形成組成物、導体の製造方法、装置の製造方法、導体及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境適合性に優れ、シート抵抗が低く基材との接着力に優れる金属パターンを形成可能な導体形成組成物、導体の製造方法、装置の製造方法、導体及び装置を提供する。【解決手段】金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体形成組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、導体形成組成物、導体の製造方法、装置の製造方法、導体及び装置に関する。
金属パターンの形成方法として、金属基板をレジストでパターニングした状態でめっきを行い、その後に不要な金属部をエッチングによって除去するフォトリソグラフィ法が知られている。この方法では、不要な金属部をエッチングによって除去する際に生じる廃液を処理する必要があり、環境適合性が低いという課題がある。また、基材の材質がメッキ又はエッチングのプロセスに適合しない場合は、フォトリソグラフィ法の適用は困難である。
また、フォトリソグラフィ法とは異なる金属パターンの形成方法として、金、銀、銅等の金属粒子を含むインク、ペースト等の導電材料をインクジェット印刷、スクリーン印刷等の手法で基材上に付与する工程と、基材上に付与した導電材料を加熱して金属粒子を融着させ、導電性を発現させる導体化工程とを含む、いわゆるプリンテッドエレクトロニクス法が知られている。
プリンテッドエレクトロニクス法としては、例えば、特許文献1には、低温で融着でき、良好な導電性を発現する有機物で被覆された銅粒子を用いて金属パターンを形成する方法が記載されている。この銅粒子は、シュウ酸銅等の銅前駆体とヒドラジン等の還元性化合物とを混合して複合化合物を得る工程と、前記複合化合物をアルキルアミンの存在下で加熱する工程とを有する方法によって製造されるものである。特許文献1の実施例では、作製した銅粒子を含むインクをアルゴン雰囲気中、60℃/分で300℃まで昇温して30分保持することで導体化を達成している。
特許文献2には、特許文献1に記載の方法において、銅前駆体として脂肪酸銅を用いる銅粒子の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、得られた銅粒子の薄膜が200℃の加熱で導体化したと記載されている。
特許文献2には、特許文献1に記載の方法において、銅前駆体として脂肪酸銅を用いる銅粒子の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、得られた銅粒子の薄膜が200℃の加熱で導体化したと記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のようなプリンテッドエレクトロニクス法で形成される金属パターンは、フォトリソグラフィ法で形成される金属パターンに比べて体積抵抗率が高く、基材との接着力が低い傾向にある。
本発明は上記事情に鑑み、環境適合性に優れ、体積抵抗率が低く基材との接着力に優れる金属パターンを形成可能な導体形成組成物、導体の製造方法、装置の製造方法、導体及び装置を提供する。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
<1>金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体形成組成物。
<2>前記炭素材料がカーボンナノファイバーを含む、<1>に記載の導体形成組成物。
<3>前記金属が銅を含む、<1>又は<2>に記載の導体形成組成物。
<4>金属と、炭素材料と、樹脂と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体。
<5><4>に記載の導体と、前記導体の上に配置されるめっき層と、を有する装置。
<6><1>〜<3>のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程を含む、導体の製造方法。
<7><1>〜<3>のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程と、前記導体の上にめっき層を形成する工程と、を含む、装置の製造方法。
<1>金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体形成組成物。
<2>前記炭素材料がカーボンナノファイバーを含む、<1>に記載の導体形成組成物。
<3>前記金属が銅を含む、<1>又は<2>に記載の導体形成組成物。
<4>金属と、炭素材料と、樹脂と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体。
<5><4>に記載の導体と、前記導体の上に配置されるめっき層と、を有する装置。
<6><1>〜<3>のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程を含む、導体の製造方法。
<7><1>〜<3>のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程と、前記導体の上にめっき層を形成する工程と、を含む、装置の製造方法。
本発明によれば、環境適合性に優れ、体積抵抗率が低く基材との接着力に優れる金属パターンを形成可能な導体形成組成物、導体の製造方法、装置の製造方法、導体及び装置が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
<導体形成組成物>
本実施形態の導体形成組成物は、金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である。
本実施形態の導体形成組成物は、金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である。
本実施形態の導体形成組成物は、特定量の炭素材料を含むことにより、乾燥して分散媒を除去することで充分な導電性を発現することができる。また、特定量の樹脂を含むことにより、基材に対する充分な接着力を確保することができる。
本実施形態の導体形成組成物は、炭素材料を含み、金属100質量部に対する炭素材料の量が0.3質量部以上であることで、良好な導電性を有する導体が得られる傾向にある。また、金属100質量部に対する炭素材料の量が60質量部以下であることで、導体形成組成物から得られる導体上にめっき層を形成した場合にめっき層の強度が充分に確保される傾向にある。
本実施形態の導体形成組成物は、樹脂を含み、金属100質量部に対する樹脂の量が3質量部以上であることで、導体形成組成物から得られる導体上にめっき層を形成した場合にめっき層の強度と基材への接着性が充分に確保される傾向にある。また、金属100質量部に対する炭素材料の量が200質量部以下であることで、良好な導電性を有する導体が得られる傾向にある。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量は、1質量部〜45質量部であることが好ましく、10質量部〜40質量部であることがより好ましく、25質量部〜35質量部であることが更に好ましい。
接着性と導電性の観点からは、導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量は、5質量部〜180質量部であることが好ましく、15質量部〜130質量部であることがより好ましく、30質量部〜90質量部であることが更に好ましい。
印刷性の観点からは、導体形成組成物中の炭素材料及び樹脂の合計量は、導体形成組成物100質量部に対して5質量部〜80質量部であることが好ましく、10質量部〜70質量部であることがより好ましく、20質量部〜60質量部であることが更に好ましい。
本実施形態の導体形成組成物を用いることで、フォトリソグラフィ法に比べて金属廃棄物量を抑制しつつ導体を形成することができる。これは、必要な箇所に直接導体パターンを形成できるため、エッチング工程が不要となるからである。
また、本実施形態の導体形成組成物を用いることで、従来のプリンテッドエレクトロニクス法に比べて体積抵抗率が低く、基材との接着力も良好な導体を形成することができる。これは、良好な接着力を有するめっきシード層にめっき膜を形成することができるからである。
また、本実施形態の導体形成組成物を用いることで、従来のプリンテッドエレクトロニクス法に比べて体積抵抗率が低く、基材との接着力も良好な導体を形成することができる。これは、良好な接着力を有するめっきシード層にめっき膜を形成することができるからである。
本実施形態の導体形成組成物は、比較的低温の熱処理(例えば、150℃以下)で導体化することができる。従って、この導体をめっきシード層としてその上に電解めっき又は無電解めっきによりめっき層を形成することで、従来のプリンテッドエレクトロニクス法に比べて低温で金属パターンを形成することができる。従って、熱可塑性樹脂等の耐熱性の低い基材の上であっても金属パターンを形成することができる。
本明細書において導体形成組成物が「導体化する」とは、シート抵抗が10MΩ/□以下の物体に導体形成組成物が変化することを意味し、「導体」とは導体形成組成物から得られるシート抵抗が10MΩ/□以下の物体を意味する。導体のシート抵抗は特に制限されず、導体の用途等に応じて選択できる。例えば、1MΩ/□以下であることが好ましく、0.1MΩ/□以下であることがより好ましく、10KΩ/□以下であることが更に好ましく、1KΩ/□以下であることが特に好ましい。本明細書において導体のシート抵抗は、4端針面抵抗測定器で測定した値とする。
(金属)
本実施形態の導体形成組成物は、金属を含む。金属の種類は特に制限されない。例えば、銀、ニッケル、ベリリウム、白金、コバルト、アンチモン、ゲルマニウム、タリウム、イリジウム、亜鉛、ニオブ、金、パラジウム、カドミウム、ルテニウム、銅、チタン、インジウム、タングステン、モリブデン、アルミニウム、鉛、ビスマス、ロジウム、クロム、スズ、鉄、バナジウム、マンガン等の導電性を有する金属、又はこれらの金属を含む合金から選択できる。導電性の観点からは金、銀、銅又はこれらの金属を含む合金が好ましく、耐酸化性の観点からは金、銀又はこれらの金属を含む合金が好ましく、コストの観点からは銅及び銅を含む合金からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。導体形成組成物に含まれる金属は1種のみであっても、2種以上であってもよい。
本実施形態の導体形成組成物は、金属を含む。金属の種類は特に制限されない。例えば、銀、ニッケル、ベリリウム、白金、コバルト、アンチモン、ゲルマニウム、タリウム、イリジウム、亜鉛、ニオブ、金、パラジウム、カドミウム、ルテニウム、銅、チタン、インジウム、タングステン、モリブデン、アルミニウム、鉛、ビスマス、ロジウム、クロム、スズ、鉄、バナジウム、マンガン等の導電性を有する金属、又はこれらの金属を含む合金から選択できる。導電性の観点からは金、銀、銅又はこれらの金属を含む合金が好ましく、耐酸化性の観点からは金、銀又はこれらの金属を含む合金が好ましく、コストの観点からは銅及び銅を含む合金からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。導体形成組成物に含まれる金属は1種のみであっても、2種以上であってもよい。
金属の形状は、導体形成組成物が作製可能であれば特に制限されない。例えば、球状粒子、板状粒子、ロッド状粒子等から選択できる。導体形成組成物の流動性を高める観点からは球状粒子であることが好ましく、基材に導体形成組成物を付与する際のチキソ性を向上させる観点からは板状粒子又はロッド状粒子であることが好ましい。導体形成組成物に含まれる金属の形状は1種のみであっても、2種以上であってもよい。
金属が粒子状である場合、その大きさは特に制限されない。薄膜形成の観点からは、体積平均粒子径(D50)が0.01μm〜3μmの範囲内であることが好ましく、0.06μm〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。金属粒子の体積平均粒子径(D50)は、粒度分布において小径側からの体積累積50%に対応する粒子径を意味する。粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計を用いて公知の方法により測定できる。
(炭素材料)
本実施形態の導体形成組成物は、炭素材料を含む。導体形成組成物に含まれる炭素材料は、特に制限されない。例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャネルブラック等)、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いることができる。導体形成組成物中への分散性の観点からは、カーボンナノファイバーが好ましい。導体形成組成物に含まれる炭素材料は1種のみであっても、形状、大きさ等の異なる2種以上であってもよい
本実施形態の導体形成組成物は、炭素材料を含む。導体形成組成物に含まれる炭素材料は、特に制限されない。例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャネルブラック等)、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いることができる。導体形成組成物中への分散性の観点からは、カーボンナノファイバーが好ましい。導体形成組成物に含まれる炭素材料は1種のみであっても、形状、大きさ等の異なる2種以上であってもよい
(樹脂)
本実施形態の導体形成組成物は、樹脂を含む。導体形成組成物に含まれる樹脂の種類は特に制限されない。例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ナイロン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ニトリルブタジエン樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂(ユリア樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された熱硬化性樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂、イソブチレン及び無水マレイン酸の共重合体、及び各種の変性樹脂が挙げられる。また、重量平均分子量が5000以上のペプチドを用いてもよく、このようなペプチドも本明細書においては「樹脂」に含めるものとする。導体形成組成物に含まれる樹脂は1種のみであっても、種類、分子量等の異なる2種以上であってもよい
本実施形態の導体形成組成物は、樹脂を含む。導体形成組成物に含まれる樹脂の種類は特に制限されない。例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ナイロン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ニトリルブタジエン樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂(ユリア樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された熱硬化性樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂、イソブチレン及び無水マレイン酸の共重合体、及び各種の変性樹脂が挙げられる。また、重量平均分子量が5000以上のペプチドを用いてもよく、このようなペプチドも本明細書においては「樹脂」に含めるものとする。導体形成組成物に含まれる樹脂は1種のみであっても、種類、分子量等の異なる2種以上であってもよい
導体化後の耐久性及び耐熱性の観点からは、樹脂のガラス転移温度(Tg)は15℃〜250℃の範囲であることが好ましく、80℃〜200℃の範囲であることがより好ましい。樹脂のTgが15℃以上であると、導体形成組成物を用いて形成した導体の表面タック力が抑制される傾向にあり、樹脂のTgが250℃以下であると導体形成組成物を用いて形成した導体の柔軟性が良好に維持される傾向にある。
導体形成組成物は、導体化の際の熱による流動を抑制する目的で、熱硬化性の樹脂を含有してもよい。熱硬化性の樹脂としては、上述した樹脂のうち熱により架橋反応を起こす樹脂が挙げられる。中でも、粒子分散性の観点からはウレタン樹脂が好ましく、熱による流動の抑制効果を付与する観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
導体形成組成物は、導体化の際の熱による流動を抑制する目的で、上述した樹脂以外の熱硬化性化合物を含有してもよい。熱硬化性化合物としては、熱により架橋反応を起こす化合物が挙げられ、このような化合物も本明細書においては「樹脂」に含めるものとする。熱硬化性化合物としては、酸二無水物、イソシアネート化合物、多官能の(メタ)アクリレート化合物、スチリル基を有する化合物、ジアリルビスフェノールA、ビスアリルナジイミド、ジアリルフタレート又はジアリルフタレートのプレポリマー、ジアリルメラミン、トリアリルイソシアヌレート、アリル変性フェノールノボラック、1,3−ジアリル−5−グリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。これらの熱硬化性化合物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(分散媒)
導体形成組成物は、分散媒を含む。分散媒の種類は特に制限されず、導体形成組成物の用途に応じて一般に用いられる有機溶媒から選択できる。導体形成組成物に含まれる分散媒は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。導体形成組成物の粘度コントロールの観点からは、テルピネオール、シクロヘキサノン、エチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピネオール及びジヒドロターピネオールアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、低温での除去性と、金属及び炭素材料の分散性の観点からはテルピネオールがより好ましい。
導体形成組成物は、分散媒を含む。分散媒の種類は特に制限されず、導体形成組成物の用途に応じて一般に用いられる有機溶媒から選択できる。導体形成組成物に含まれる分散媒は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。導体形成組成物の粘度コントロールの観点からは、テルピネオール、シクロヘキサノン、エチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピネオール及びジヒドロターピネオールアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、低温での除去性と、金属及び炭素材料の分散性の観点からはテルピネオールがより好ましい。
(脂肪酸)
導体形成組成物は、金属の分散性を向上させるために、脂肪酸を含んでもよい。脂肪酸は、RCOOHで表される1価のカルボン酸(Rは鎖状の炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐を有していてもよい)である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。金属を効率的に被覆して酸化を抑制する観点からは、直鎖状の飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は1種のみでも、2種以上であってもよい。
導体形成組成物は、金属の分散性を向上させるために、脂肪酸を含んでもよい。脂肪酸は、RCOOHで表される1価のカルボン酸(Rは鎖状の炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐を有していてもよい)である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。金属を効率的に被覆して酸化を抑制する観点からは、直鎖状の飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は1種のみでも、2種以上であってもよい。
脂肪酸の炭素数は、9以下であることが好ましい。炭素数が9以下である飽和脂肪酸としては、酢酸(炭素数2)、プロピオン酸(炭素数3)、酪酸及びイソ酪酸(炭素数4)、吉草酸及びイソ吉草酸(炭素数5)、カプロン酸(炭素数6)、エナント酸及びイソエナント酸(炭素数7)、カプリル酸及びイソカプリル酸及びイソカプロン酸(炭素数8)、ノナン酸及びイソノナン酸(炭素数9)等が挙げられる。炭素数が9以下である不飽和脂肪酸としては、上記の飽和脂肪酸の炭化水素基中に1つ以上の二重結合を有するものを挙げることができる。
(アルキルアミン)
導体形成組成物は、金属の酸化抑制及び分散性向上のために、アルキルアミンを含んでもよい。アルキルアミンはRNH2(Rは炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される1級アミン、R1R2NH(R1及びR2は同じであっても異なっていてもよい炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される2級アミン、炭化水素鎖に2つのアミノ基が置換したアルキレンジアミン等を意味する。アルキルアミンは、1つ以上の二重結合を有していてもよく、酸素、ケイ素、窒素、硫黄、リン等の原子を有していてもよい。アルキルアミンは、1種のみであっても2種以上であってもよい。
導体形成組成物は、金属の酸化抑制及び分散性向上のために、アルキルアミンを含んでもよい。アルキルアミンはRNH2(Rは炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される1級アミン、R1R2NH(R1及びR2は同じであっても異なっていてもよい炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される2級アミン、炭化水素鎖に2つのアミノ基が置換したアルキレンジアミン等を意味する。アルキルアミンは、1つ以上の二重結合を有していてもよく、酸素、ケイ素、窒素、硫黄、リン等の原子を有していてもよい。アルキルアミンは、1種のみであっても2種以上であってもよい。
アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は、7以下であることが好ましい。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数が7以下であると、導体形成組成物を導体化する際にアルキルアミンが脱離しやすく、良好な導体が形成される傾向にある。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は6以下であることがより好ましく、3以上であることが更に好ましい。
1級アミンとして具体的には、エチルアミン、2−エトキシエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等が挙げられる。
2級アミンとして具体的には、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルペンチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン等が挙げられる。
アルキレンジアミンとして具体的には、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノへキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。
アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、より低温で導体化しやすい導体形成組成物を製造することができる。アルキルアミンは1種単独で用いても、2種以上を併用してよい。アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと、炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンと、を含んでもよい。炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンとを併用する場合、アルキルアミン全体に占める炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの割合は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
導体形成組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。このような成分としては、シランカップリング剤、高分子化合物、ラジカル開始剤、還元剤等が挙げられる。
導体形成組成物の粘度は特に制限されず、導体形成組成物の使用方法に応じて選択できる。例えば、導体形成組成物をスクリーン印刷法に適用する場合は、粘度が0.1Pa・s〜30Pa・sであることが好ましく、1Pa・s〜30Pa・sであることがより好ましい。導体形成組成物をインクジェット印刷法に適用する場合は、使用するインクジェットヘッドの規格にもよるが、粘度が0.1mPa・s〜30mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜20mPa・sであることがより好ましい。ペーストの粘度はE型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV22、適用コーンプレート型ロータ:3°×R17.65)を用い、25℃における値を測定した。
<導体の製造方法>
本実施形態の導体の製造方法は、上述した実施形態の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程(以下、導体化工程とも称する)を含む。
本実施形態の導体の製造方法は、上述した実施形態の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程(以下、導体化工程とも称する)を含む。
導体化工程では、導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる。ここで乾燥とは、導体形成組成物に含まれる分散媒の少なくとも一部を揮発させて導体形成組成物が導体化しうる程度に除去することを意味する。
乾燥の方法は特に制限されない。例えば、熱板を用いる方法、赤外ヒータを用いる方法、減圧による方法等を挙げることができる。乾燥は、導体形成組成物に含まれる分散媒が除去される温度及び時間で行われることが好ましい。
乾燥の方法は特に制限されない。例えば、熱板を用いる方法、赤外ヒータを用いる方法、減圧による方法等を挙げることができる。乾燥は、導体形成組成物に含まれる分散媒が除去される温度及び時間で行われることが好ましい。
導体化工程における周辺の温度は、特に制限されない。本実施形態の製造方法では、比較的低い温度でも分散媒が揮発して導体形成組成物層を導体化することができる。このため、例えば、導体形成組成物が熱可塑性樹脂等の耐熱性に劣る基材の上に存在する場合であっても、基材を損なわずに導体化工程を実施することができる。導体化工程の温度は、例えば、200℃以下であってよく、150℃以下であってもよい。また、導体化工程を実施している間の温度又は昇温速度は一定であっても、不規則に変化させてもよい。
導体化工程が実施される雰囲気中の成分は特に制限されず、大気中で行っても、窒素、アルゴン等の雰囲気中で行ってもよい。また、水素、ギ酸等の還元性物質を、窒素等に飽和させた雰囲気中で行ってもよい。導体化工程は大気圧中で行っても、減圧又は加圧した状態で行ってもよい。
導体化工程の時間は特に制限されず、導体化工程における周辺の温度、導体化工程が実施される雰囲気中の成分、導体形成組成物中の分散媒の含有量等を考慮して選択できる。
導体の製造方法は、必要に応じてその他の工程を有していてもよい。例えば、導体化工程前に導体形成組成物を基材上に付与する工程、導体化工程前に導体形成組成物中の分散媒の少なくとも一部を予め除去する工程、導体化工程後に還元雰囲気中で加熱することにより生成した酸化物を還元する工程、導体化工程後に光焼成を行って残存成分を除去する工程、導体化工程後に得られた導体に対して荷重をかける工程などを挙げることができる。
導体化工程前に導体形成組成物を基材上に付与する方法は特に制限されない。例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンス印刷、スピンコート、スプレーコート、刷毛塗り、吹き付け等が挙げられる。基材の種類は特に制限されず、上述した本実施形態の導体に使用可能なものが挙げられる。
基材上に導体を形成する場合、基材の材質は特に制限されない。基材は、導電性を有していても有していなくてもよい。基材の材質として具体的には、Cu、Au、Pt、Pd、Ag、Zn、Ni、Co、Fe、Al、Sn等の金属、これら金属の合金、ITO、ZnO、SnO、Si等の半導体、ガラス、黒鉛、グラファイト等のカーボン材料、樹脂、紙、これらの組み合わせなどが挙げられる。
本実施形態の方法では、熱可塑性樹脂等の耐熱性が比較的低い材質の基材を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。基材の形状は特に制限されず、板状、棒状、ロール状、フィルム状等であってよい。
導体形成組成物中の分散媒の少なくとも一部を予め除去する方法は特に制限されない。例えば、自然乾燥によって行っても、分散媒が揮発しやすい温度で行ってもよい。
導体化工程後に還元雰囲気中で加熱することにより生成した酸化物を還元する方法は特に制限されない。例えば、水素焼成炉、ギ酸リフロー炉等の装置を用いる方法が挙げられる。生成する酸化物としては、酸化銅が挙げられる。
導体化工程後に光焼成を行って残存成分を除去する方法は特に制限されない。例えば、パルスレーザー照射装置を用いる方法が挙げられる。
導体化工程後に得られた導体に対して荷重をかける方法は特に制限されない。例えば、圧着機を用いる方法が挙げられる。
<導体>
本実施形態の導体は、金属と、炭素材料と、樹脂と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である。
本実施形態の導体は、金属と、炭素材料と、樹脂と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である。
本実施形態の導体は、例えば、上述した本実施形態の導体形成組成物を熱処理することで得られる。導体の形態は、特に制限されない。例えば、基材上に形成された層の状態であってもよい。導体が層の状態である場合、パターン状であってもパターン状でなくてもよい。
本実施形態の導体は、金属と炭素材料が樹脂中に分散した構造を有する。導体が金属と炭素材料が樹脂中に分散した構造を有するか否かは、例えば、導体の断面を走査イオン顕微鏡などによって観察することで確認できる。
本実施形態の導体は、その上にめっき層を形成するためのめっきシード層として好適に用いることができる。導体がめっきシード層である場合、その厚さは特に制限されない。例えば、0.1μm〜5μmの範囲から選択できる。
本実施形態の導体は、種々の用途に用いることができる。具体的には、積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、タッチパネル、トランジスタ、半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサ等の電子部品に使用される、電気配線、放熱膜、表面被覆膜等の部材として利用することができる。特に、本実施形態の導体は樹脂等のフレキシブルな基材上にも形成できるため、フレキシブルな積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、タッチパネル等の製造に好適である。
<装置の製造方法>
本実施形態の装置の製造方法は、上述した実施形態の導体形成組成物を熱処理して導体に変化させる工程と、前記導体の上にめっき層を形成する工程と、を含む。
本実施形態の装置の製造方法は、上述した実施形態の導体形成組成物を熱処理して導体に変化させる工程と、前記導体の上にめっき層を形成する工程と、を含む。
上記方法において、導体形成組成物を熱処理して導体に変化させる工程の詳細及び好ましい態様は、上述した導体化工程の詳細及び好ましい態様と同様である。
導体の上にめっき層を形成する方法は特に制限されず、電解めっきでも無電解めっきであってもよい。めっき層の厚さは特に制限されない。例えば、0.5μm〜30μmの範囲から選択できる。
導体上にめっき層を形成する場合、めっきする金属の種類は特に制限されない。例えば、銅、ニッケル、金、クロム等が挙げられる。
<装置>
本実施形態の装置は、上述した実施形態の導体と、前記導体の上に配置されるめっき層と、を有する。
本実施形態の装置は、上述した実施形態の導体と、前記導体の上に配置されるめっき層と、を有する。
めっき層に含まれる金属の種類は特に制限されない。例えば、銅、ニッケル、金、クロム等が挙げられる。めっき層の厚さは特に制限されない。例えば、0.5μm〜30μmの範囲内とすることができる。めっき層は、パターン状であってもパターン状でなくてもよい。
本実施形態の装置は、例えば、上述した本実施形態の導体をめっきシード層とし、その上にめっき層を形成することで得られる。導体上にめっき層を形成する方法は特に制限されず、電解めっきでも無電解めっきであってもよい。
本実施形態の装置は、種々の用途に用いることができる。具体的には、積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、トランジスタ、半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサ等の電子部品に使用される、電気配線、放熱膜、表面被覆膜等の部材として利用することができる。特に、本実施形態の装置は樹脂等のフレキシブルな基材上にも形成できるため、フレキシブルな積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ等の製造に好適である。
以下、本発明について実施例をもとに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(導体形成組成物の調製)
金属と、炭素材料と、樹脂とを混合し、次いで金属、炭素材料及び樹脂の合計量と同量の分散媒(テルピネオール)とともに混錬脱泡機で撹拌して、導体形成組成物を調製した。導体形成組成物中の金属、炭素材料及び樹脂の比率及び詳細を表1〜4に示す。表中の「−」は、該当する記載がないことを意味する。
金属と、炭素材料と、樹脂とを混合し、次いで金属、炭素材料及び樹脂の合計量と同量の分散媒(テルピネオール)とともに混錬脱泡機で撹拌して、導体形成組成物を調製した。導体形成組成物中の金属、炭素材料及び樹脂の比率及び詳細を表1〜4に示す。表中の「−」は、該当する記載がないことを意味する。
金属としては、以下の製品を用いた。
樹脂としては、ウレタン樹脂(荒川化学工業(株)製:KL−424)を用いた。
炭素材料としては、カーボンブラック(三菱化学(株):#2600)又はカーボンナノファイバー(昭和電工(株)製:VGCF−H)を用いた。
炭素材料としては、カーボンブラック(三菱化学(株):#2600)又はカーボンナノファイバー(昭和電工(株)製:VGCF−H)を用いた。
(導体形成組成物の導体化)
上記で得た導体形成組成物を用いて、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にスクリーン印刷で10cm×10cmの大きさの層を形成した。次いで、100℃のホットプレート上で10分の熱処理を行い、導体形成組成物を導体化した。
上記で得た導体形成組成物を用いて、基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にスクリーン印刷で10cm×10cmの大きさの層を形成した。次いで、100℃のホットプレート上で10分の熱処理を行い、導体形成組成物を導体化した。
(導電性の評価)
得られた導体のシート抵抗を、4端針面抵抗測定器で測定した面抵抗値から求めた。導電性の評価は、シート抵抗が10MΩ/より大きい場合は「×」、10MΩ/□〜1MΩ/□である場合は「△」、1MΩ/□より小さい場合は「○」として行った。結果を表2〜4に示す。
得られた導体のシート抵抗を、4端針面抵抗測定器で測定した面抵抗値から求めた。導電性の評価は、シート抵抗が10MΩ/より大きい場合は「×」、10MΩ/□〜1MΩ/□である場合は「△」、1MΩ/□より小さい場合は「○」として行った。結果を表2〜4に示す。
(めっき可否の評価)
上記で得られた導体に対して電解銅めっき処理を行い、導体上にめっき層を形成した。めっき可否の評価は、めっき層が形成できた場合は「○」、それ以外の場合は「×」として行った。結果を表2〜4に示す。
上記で得られた導体に対して電解銅めっき処理を行い、導体上にめっき層を形成した。めっき可否の評価は、めっき層が形成できた場合は「○」、それ以外の場合は「×」として行った。結果を表2〜4に示す。
(めっき層の強度の評価)
上記で得られた導体に対して電解銅めっき処理を行い、導体上にめっき層を形成した。次いで、めっき層の強度(接着力)を評価するため、クロスカット試験をJIS K5600に準じて実施した(幅1mm)。評価は、テープ剥離後のめっき層のはがれがなく、残存したマス目の数が100個/100個であった場合は接着力が「○」、テープ剥離後に残存したマス目の数が51個〜99個/100個であった場合は「△」、テープ剥離後に残存したマス目の数が50個以下であった場合は「×」として行った。結果を表2〜4に示す。
上記で得られた導体に対して電解銅めっき処理を行い、導体上にめっき層を形成した。次いで、めっき層の強度(接着力)を評価するため、クロスカット試験をJIS K5600に準じて実施した(幅1mm)。評価は、テープ剥離後のめっき層のはがれがなく、残存したマス目の数が100個/100個であった場合は接着力が「○」、テープ剥離後に残存したマス目の数が51個〜99個/100個であった場合は「△」、テープ剥離後に残存したマス目の数が50個以下であった場合は「×」として行った。結果を表2〜4に示す。
表2に示すように、導体形成組成物が金属、炭素材料及び樹脂を含む実施例1〜18では導体の導電性が良好であり、導体上にめっき層を形成でき、めっき層の強度及びコストの評価結果も良好であった。
導体形成組成物が金属又は炭素材料のいずれか一方を含まない比較例1、2では、導体の導電性は良好であったが、導体上にめっき層を形成できなかった。
導体形成組成物が金属を含まない比較例3、4は、導体の導電性は良好であったが、導体上にめっき層を形成できなかった。
導体形成組成物が金属又は炭素材料のいずれも含まない比較例5では、導体が形成されなかった。
導体形成組成物が金属又は炭素材料のいずれか一方を含まない比較例1、2では、導体の導電性は良好であったが、導体上にめっき層を形成できなかった。
導体形成組成物が金属を含まない比較例3、4は、導体の導電性は良好であったが、導体上にめっき層を形成できなかった。
導体形成組成物が金属又は炭素材料のいずれも含まない比較例5では、導体が形成されなかった。
表3に示すように、導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部の範囲内である実施例19〜45では、導体の導電性が良好であり、導体上にめっき層を形成でき、めっき層の強度も良好であった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量が60質量部を超えている比較例7、8、10、11、13、14では、充分なめっき層の強度が得られなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量が0.3質量部未満である比較例6、9、12では、導体が形成されなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量が60質量部を超えている比較例7、8、10、11、13、14では、充分なめっき層の強度が得られなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する炭素材料の量が0.3質量部未満である比較例6、9、12では、導体が形成されなかった。
表4に示すように、導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量が3質量部〜200質量部の範囲内である実施例46〜71では、導体の導電性が良好であり、導体上にめっき層を形成でき、めっき層の強度も良好であった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量が3質量部未満である比較例15〜17、20〜22では、導体上にめっき層を形成できたが、充分なめっき層の強度が得られなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量が200質量部を超えている比較例18、19、23、24では、導体が形成されなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量が3質量部未満である比較例15〜17、20〜22では、導体上にめっき層を形成できたが、充分なめっき層の強度が得られなかった。
導体形成組成物中の金属100質量部に対する樹脂の量が200質量部を超えている比較例18、19、23、24では、導体が形成されなかった。
Claims (7)
- 金属と、炭素材料と、樹脂と、分散媒と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体形成組成物。
- 前記炭素材料がカーボンナノファイバーを含む、請求項1に記載の導体形成組成物。
- 前記金属が銅を含む、請求項1又は請求項2に記載の導体形成組成物。
- 金属と、炭素材料と、樹脂と、を含み、前記金属100質量部に対する前記炭素材料の量が0.3質量部〜60質量部であり、前記金属100質量部に対する前記樹脂の量が3質量部〜200質量部である、導体。
- 請求項4に記載の導体と、前記導体の上に配置されるめっき層と、を有する装置。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程を含む、導体の製造方法。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導体形成組成物を乾燥して導体に変化させる工程と、前記導体の上にめっき層を形成する工程と、を含む、装置の製造方法。
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