JP2017154768A - 吐出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立て後に、容器本体に対する吐出孔の開口方向を容易に変えられる吐出容器を提供する。【解決手段】吐出容器1は、容器本体2と、吐出孔13Aが形成された吐出ヘッド13を有するポンプ14と、ポンプを容器本体の口部3に装着する装着キャップ11と、吐出ヘッドを押下げる押下部材16を支持する支持部材15と、を備える。吐出ヘッドと支持部材とは中心軸線O回りに一体に回転し、ポンプはフランジ部61を備えるシリンダ42と、シリンダの下端から下方に向けて延設されたパイプ213と、を有し、パイプの下端開口部は容器本体内の底部において開口し、フランジ部61は口部の上端開口縁3aと装着キャップとにより上下方向に挟まれ、シリンダおよび口部が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクが、シリンダおよび支持部材が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、吐出容器に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示される吐出容器が知られている。
この吐出容器は、内容物が収容された容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されると共に前方に向けて開口する内容物の吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、吐出孔に連通可能なシリンダと、シリンダの下端から下方に向けて延設されて容器本体内の底部に開口し、かつ内部がシリンダ部の内部と連通されたパイプと、容器本体の口部に取り付けられ、ポンプをこの口部に装着するキャップと、キャップから上方に向けて延びる支持部材と、支持部材に揺動軸回りに揺動自在に配設され、吐出ヘッドを押下げる押下部材と、を備えている。
この吐出容器では、押下部材を揺動軸回りに下方に向けて揺動させることで、吐出ヘッドを下方移動させる。これにより、パイプの下端開口部から吸い上げられた内容物を、吐出孔を通じて外部に吐出することができる。
特開2008−30798号公報
ところで、この種の吐出容器では、吐出孔が開口する方向を容器本体に対して自在に変えられることが望まれる場合がある。
具体的には、例えば吐出容器の組立て時に、パイプの下端部を容器本体の底部に突き当てることでパイプを屈曲変形させ、パイプの下端開口部を径方向に向けて開口させる場合がある。そのような場合には、組立て後のパイプの下端開口部が開口する方向と、吐出孔が開口する方向と、が互いに異なることがあり、この場合、容器本体内の内容物が残り少なくなったときに、パイプの下端開口部に内容物が集まるように吐出容器を傾けて使用しづらくなる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、組立て後に、容器本体に対する吐出孔の開口方向を容易に変えられる吐出容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の吐出容器は、内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、前記口部に取り付けられ、前記ポンプを前記口部に装着する装着キャップと、前記吐出ヘッドを押下げる押下部材を揺動軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、を備え、前記押下部材を前記揺動軸回りに下方に向けて揺動させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出容器であって、前記吐出ヘッドと前記支持部材とは、上下方向に延びる前記吐出ヘッドの中心軸線回りに一体に回転し、前記ポンプは、前記口部の上端開口縁と前記装着キャップとにより上下方向に挟まれたフランジ部を有するシリンダと、このシリンダの下端から下方に向けて延設され下端開口部が前記容器本体内の底部において開口し、かつ内部が前記シリンダの内部と連通されたパイプと、を備え、前記シリンダおよび前記口部が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクが、前記シリンダおよび前記支持部材が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいことを特徴とする。
本発明の吐出容器によれば、吐出ヘッドと支持部材とは一体に回転し、シリンダおよび容器本体の口部が相対的に回転し始める初動回転トルクが、シリンダおよび支持部材が相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいため、吐出ヘッドとともに支持部材をシリンダに対して回転させたときに、シリンダが容器本体の口部に対して回転するのを抑止し、吐出ヘッドにおける吐出孔の向きを、容器本体に対して容易に変えることができる。
また、容器本体の口部と装着キャップとにより上下方向に挟まれたシリンダのフランジ部が、容器本体の口部に対して回転するのが抑止されるため、シリンダのフランジ部と容器本体の口部における上端開口縁との間のシール性を維持することができる。
ここで、前記パイプの下端開口部は、前記容器本体内の底部において径方向に向けて開口していてもよい。
この場合、パイプの下端開口部が容器本体内の底部において径方向に向けて開口しているから、容器本体内の内容物が残り少なくなったときに、容器本体を傾けて内容物を容器本体の底部の一部分に集めて使用する場合に、底部の一部分に集められた内容物にパイプの下端開口部を向けて、内容物を吸い上げて吐出させやすい。特に、パイプの下端開口部が開口する方向と、吐出孔が開口する方向と、を一致させると、容器本体内の内容物が残り少なくなっても、この内容物を容易に吐出することができる。
また、前記パイプの下端開口部は、前記容器本体内の底部の外周縁部に位置していてもよい。
この場合、パイプの下端開口部は容器本体内の外周縁部に位置しているから、容器本体の底部の一部分に集められた内容物にパイプの下端開口部を位置させやすく、内容物が残り少なくなったときに内容物を吸い上げて吐出させやすくする効果をより確実に奏功させることができる。
また、前記装着キャップは前記口部に螺着され、前記支持部材は、前記装着キャップに前記中心軸線回りに回転自在に外装され、前記装着キャップおよび前記口部が前記中心軸線回りに沿う緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクが、前記装着キャップおよび前記支持部材が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きくてもよい。
この場合、支持部材が、口部に螺着された装着キャップに回転自在に外装され、装着キャップおよび口部が螺着の緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクが、装着キャップおよび支持部材が相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいため、装着キャップと口部との螺着を確実に維持しながら、支持部材を装着キャップに対して回転させて、支持部材と一体として回転する吐出ヘッドにおける吐出孔の向きを、より容易にパイプの下端開口部の向きに合わせることができる。
また、前記装着キャップは、前記口部に螺着される螺着筒と、前記螺着筒の上方に配置され前記支持部材が前記中心軸線回りに回転自在に外装された外装筒と、を備え、前記螺着筒および前記外装筒は互いに別体に形成されていてもよい。
この場合、装着キャップは螺着筒と外装筒とを備え、これらが別体に形成されているから、種々の設計変更に容易に対応することができる。
本発明によれば、組立て後に、容器本体に対する吐出孔の開口方向を容易に変えられる吐出容器を提供することができる。
第1実施形態の吐出容器を示す軸方向断面図である。 図1に示す吐出容器の、シリンダの下端部から容器本体の底部にかけての軸方向断面図である。 図1に示す吐出容器を前方から見た正面部分断面図である。 吐出容器を示す図であって、図1に示す状態から押下部材を下方に揺動させて吐出ヘッドを押下げた状態を示す軸方向断面図である。 第2実施形態の吐出容器を示す軸方向断面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る吐出容器1の構成を、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
図1に示すように、吐出容器1は、図示しない内容物が収容された有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に取り付けられる装着キャップ11と、装着キャップ11により口部3に装着されると共に、内容物の吐出孔13Aが形成された吐出ヘッド13を有するポンプ14と、内側に吐出ヘッド13が嵌合されるガイド筒15cを備える支持部材15と、支持部材15に揺動軸L回りに揺動自在に配設され、吐出ヘッド13を押下げる押下部材(トリガー)16と、を備えている。吐出ヘッド13は、装着キャップ11から上方に向けて突出する円筒状のステム12と、ステム12が外嵌する有頂筒状の装着筒部31と、を備えている。
容器本体2、装着キャップ11、ステム12、および装着筒部31は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を中心軸線Oと称し、図1において中心軸線Oに沿って容器本体2側から吐出ヘッド13側に向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、中心軸線Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向から見た平面視で中心軸線Oに直交する方向を径方向、中心軸線O回りで周回する方向を周方向とする。
さらに、径方向のうち吐出ヘッド13の吐出孔13Aが開口する方向を前方、その逆方向を後方とし、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向とする。
なお、容器本体2の中心軸線は、共通軸である中心軸線Oからずれていてもよい。
さらにこの吐出容器1では、図2に示すように、容器本体2の底部における上面が上方に凸の曲面状に形成されており、径方向の中央部が上下方向において最も高い位置に位置している。また、図1に示すように、支持部材15は装着キャップ11から上方に向けて延びており、支持部材15と吐出ヘッド13とは中心軸線O回りに一体に回転する。本実施形態では、吐出ヘッド13が、支持部材15に配設された押下部材16に左右方向に挟まれているため、押下部材16の回転に伴い吐出ヘッド13および支持部材15が一体に回転する。また、吐出ヘッド13は後述する圧縮バネ200により上方に付勢されるとともに、支持部材15により下方移動自在に支持されている。そして、押下部材16を揺動軸L回りに下方に向けて揺動させることにより、吐出ヘッド13が下方移動し、内容物が吐出孔13Aから吐出される。
(装着キャップ)
装着キャップ11は、ポンプ14を容器本体2の口部3に装着するためのキャップである。装着キャップ11は2段の円筒状に形成され、有頂筒状に形成された小筒部21と、小筒部21の下端から径方向の外側に向けて延在する段部22aと、段部22aの外周縁から下方に向けて延在し、かつ小筒部21よりも内径および外径が大きい大筒部22と、を有する。小筒部21は、ステム12を径方向の外側から囲繞している。小筒部21の天頂壁21aにおける径方向の中央部には、天頂壁21aを上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。天頂壁21aの貫通孔内にステム12が挿通されている。小筒部21の外周面における上下方向の中間部には、外側に向けて突出する環状ガイド部21bが形成されている。環状ガイド部21bの上部には、径方向の外側に向かうに従い漸次下方に向けて延びる係合部21cが形成されている。これら小筒部21、大筒部22、および環状ガイド部21bは、中心軸線Oと同軸に配設されている。
小筒部21の内周面には、上下方向における中間部から下端にわたって延びる溝部21dが形成されている。溝部21dは、周方向に間隔をあけて複数形成されている。装着キャップ11の段部22aにおける下面は、後述するシリンダ42のフランジ部61の上面に当接している。
大筒部22の内周面には、容器本体2の口部3における外周面に形成された雄ネジに螺着する雌ネジが形成されている。
なお、装着キャップ11は、容器本体2の口部3に対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により装着されていても構わない。
(ポンプ)
ポンプ14は、容器本体2の口部3に上方付勢状態で下方移動自在に配設された吐出ヘッド13と、吐出ヘッド13のステム12に連係された二重円筒状のピストン41と、ピストン41が上下摺動自在に収容された円筒状のシリンダ42と、ステム12から下方に向けて延設され、ピストン41の内側を上下方向に貫く有底円筒状のピストンガイド43と、シリンダ42内に配設された球状の弁体44と、を有する。
ステム12は、支持部材15のガイド筒15cにおける内側に上方付勢状態で上下移動自在に挿通されている。ステム12の上部は、ガイド筒15cの上端部から上方に向けて突出している。ステム12の下部の内径および外径は、ステム12の上部の内径および外径よりも大きい。また、ステム12の上部と下部との間には、拡径部12Aが設けられており、段差が形成されている。
ステム12の下端部には、比較的薄肉の円筒状の弾性部25が形成されている。
弾性部25には、上下方向に延在すると共に下方に向けて開口するスリット状の切欠部25Aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、弾性部25の下端開口縁は、径方向外側から内側に向かうにしたがって漸次下方に向かうように傾斜している。
吐出ヘッド13は、ステム12の上端部に装着された有頂円筒状の装着筒部31と、装着筒部31から前方に向けて突設された筒状のノズル筒部32と、を有する。
装着筒部31は、ステム12内に嵌合されている。装着筒部31の頂壁部に、上方に向けて被押下部100が突設されている。被押下部100は、装着筒部31の頂壁部における左右方向の中央部に配設されている。被押下部100は、表裏面が左右方向を向く板状に形成され、上端部は、左右方向から視て上方に突の曲線状に形成されている。被押下部100は、押下部材16に押下げられる部分である。
ノズル筒部32内には、前後方向に延在する芯棒体35と、芯棒体35の前端部に被着された有頂円筒状のチップ36と、が配設されている。
芯棒体35の外周面には、ノズル筒部32の内周面との間で内容物の流動を可能とする複数の流路溝部35Aが前後方向に亘って形成されている。
チップ36は、芯棒体35と同軸上に配設されており、内側に芯棒体35が嵌合された円筒状のチップ筒部37と、チップ筒部37の前端部に設けられた端壁部38と、を有する。
チップ筒部37は、ノズル筒部32内に嵌合されている。端壁部38は、芯棒体35の前端面に当接している。端壁部38のうち芯棒体35の前端面に当接する後面には、芯棒体35の流路溝部35Aに連通するスピン流路38Aが形成されている。端壁部38の中央部分には、スピン流路38Aに連通する吐出孔13Aが前方に向けて開口している。
チップ36により、内容物を霧状に吐出することができる。また、チップ36およびノズル先端形状等を変更することで、内容物を泡状および直線状等に吐出することが可能となる。例えば、本実施形態のノズル先端にメッシュ等の発泡部材を設けることで、泡状吐出が可能となる。
ピストン41は、円筒状の摺動部51と、摺動部51よりも径方向内側に配設された円筒状の閉塞部52と、摺動部51の上端および閉塞部52の上下方向中間部を連結する平面視円環状の環状連結部53と、を有する。これら摺動部51、閉塞部52および環状連結部53は、中心軸線Oと同軸に配設されている。
摺動部51の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲している。これにより、摺動部51の下端は、シリンダ42の内周面に摺接している。
閉塞部52の下端部は、上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向内側に向けて反るように湾曲している。これにより、ピストンガイド43の後述する底壁43A近傍に形成された当接部43Eに当接している。閉塞部52の上端部は、下方から上方に向かうにしたがって漸次径方向外側に向けて反るように湾曲しており、ステム12の下部の内周面に摺接している。
環状連結部53の上面は、径方向外側から内側に向かうにしたがって漸次下方に向かうように傾斜する、ステム12の弾性部25における下端開口縁を受ける受け面53Aが形成されている。
シリンダ42は多段の円筒状に形成されており、上下方向に延在する大径部62と、大径部62の下端部から下方に向けて延在する、大径部62よりも外径が小さい中径部63と、中径部63の下端部から下方に向けて延在する中筒部64と、中筒部64の下端部から下方に向けて延在する小径部65と、を有する。大径部62の上端開口縁62Aは、ステム12の拡径部12Aと上下方向において略同じ位置に位置する。大径部62の上下方向における中央部には、大径部62の内外を連通させる空気孔62Bが形成されている。空気孔62Bの上方には、大径部62の外周面から径方向の外側に向けて突出する円環状のフランジ部61が形成されている。フランジ部61と容器本体2の口部3における上端開口縁3aとの間には、第1パッキン66が配設されている。これらフランジ部61、大径部62、中径部63、中筒部64、および小径部65は、中心軸線Oと同軸に配設されている。
シリンダ42の上端開口縁62Aと装着キャップ11の天頂壁21aとの間には、円環状の第2パッキン76が介在している。第2パッキン76の内周縁は、ステム12の上部の外周面に密に摺接する。第1パッキン66および第2パッキン76は、ゴムなどの弾性を有する摩擦係数の大きい材質により形成されている。第1パッキン66は口部3を密閉し、第2パッキン76はシリンダ42の上端開口縁62Aを密閉している。
大径部62の外周面のうち、フランジ部61の上方に位置する部分には、径方向の外側に突出し、装着キャップ11に形成された溝部21dに係合する係合突起62Dが形成されている。係合突起62Dは周方向に間隔をあけて複数形成されており、複数の溝部21dに各別に係合して、装着キャップ11およびシリンダ42の中心軸線O回りにおける相対的な回転を規制している。
中筒部64は、中径部63の下端部から下方に向けて延び、かつ中径部63よりも内径および外径が小さい直筒部67と、直筒部67の下端から下方に向けて延び、かつ内径および外径が上方から下方に向かうにしたがって縮径するテーパ筒部68と、を有する。直筒部67の上端縁には上方から圧縮バネ200の下端部が当接している。テーパ筒部68の内側には、弁体44がテーパ筒部68のテーパ面に離着自在に配設されている。
なお、弁体44は、球状に形成された合成樹脂製のいわゆるボール弁とされている。弁体44は、廃棄時における分別の手間を抑制する観点で合成樹脂製とすることが好ましい。また、弁体44は、金属製等であってもよい。さらに、ボール弁に替わる種々の弁体を用いた逆止弁でもよい。
テーパ筒部68の内周面には、径方向外側から内側に向かうにしたがって上方に向けて傾斜する規制突部68Aが突設されている。規制突部68Aの上端の内径は、弁体44よりも小さくなっている。これにより、規制突部68Aは、弁体44の上方への抜けを規制している。なお、規制突部68Aには、周方向の延在を中断する間隙が形成されている。
シリンダ42の下端に位置する小径部65内には、小径部65の下端から下方に向けて延設され、かつ内部がシリンダ42の内部と連通するパイプ213が嵌合している。図2に示すように、パイプ213は小径部65の下方において湾曲し、下端開口部213aが容器本体2内の底部において径方向に向けて開口している。また、パイプ213の下端開口部213aは容器本体2内の底部の外周縁部に位置している。
ピストンガイド43は有底筒状に形成されており、中心軸線Oと同軸に配設されている。ピストンガイド43のうち、ピストン41の閉塞部52よりも下方に位置する底壁43Aは、この底壁43Aよりも上方に位置する周筒部に対して径方向外側に向けて突出する円板状に形成されている。ピストンガイド43の下部には、底壁43Aから下方に向けて突出する円柱状の円柱部が形成されている。上下方向において、円柱部の下端部はシリンダ42の中径部63における中央部と同等の位置に位置している。
円柱部の根本には、他の部位よりも外径が大きい拡径部が形成されており、この拡径部に圧縮バネ200の上端部が外嵌されている。圧縮バネ200の上端縁は、底壁43Aの下面に下方から接触している。圧縮バネ200の下端部は、シリンダ42の中径部63における縮径部に内側から嵌合している。先述の通り、直筒部67の上端縁には上方から圧縮バネ200の下端部が当接している。これにより、ピストンガイド43は圧縮バネ200から上向きの付勢力を受け、この付勢力はピストン41を介して吐出ヘッド13に伝わる。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる連通孔43Bが形成されている。連通孔43Bは、例えば中心軸線Oを径方向で挟む両側に形成されている。連通孔43Bは、当接部43Eおよび閉塞部52の下端よりも上方に位置しており、シリンダ42の中径部63の内側との連通が遮断されている。
ピストンガイド43の上記周筒部には、ピストンガイド43内とシリンダ42内とを連通させる貫通孔43Cが形成されている。貫通孔43Cは、連通孔43Bと同様に、例えば中心軸線Oを径方向で挟む両側に形成されている。貫通孔43Cは、ステム12の拡径部12Aにおける内周面に向けて開口している。貫通孔43Cは、連通孔43Bよりも上方に位置している。
ピストンガイド43のうち貫通孔43Cよりも上側に位置する部分は、ステム12内に嵌合している。これにより、ピストンガイド43は、ステム12と共に一体に上下移動する。
以上のように構成されたポンプ14を容器本体2に取り付ける際には、装着キャップ11を容器本体2の口部3に対して中心軸線O回りに回転させる。すると、口部3の雄ネジと装着キャップ11の雌ネジが螺合することにより、装着キャップ11が容器本体2に対して回転しながら下降する。すると、装着キャップ11の段部22aと、シリンダ42のフランジ部61と、第1パッキン66と、口部3の上端開口縁3aとが上下方向において互いに密接する。さらに所定の締め付けトルクで装着キャップ11を口部3に対して中心軸線O回りに回転させると、口部3の雄ネジと装着キャップ11の雌ネジとが螺合して、この締め付けトルクを、装着キャップ11と口部3とがフランジ部61および第1パッキン66を上下方向に圧縮させる圧縮力に変換する。この圧縮力によって、第1パッキン66がフランジ部61と口部3との間で圧縮変形させられ、フランジ部61と口部3との隙間が密閉されて容器本体2の内容物が漏れ出ることを防止するとともに、装着キャップ11が口部3に対して固定される。
なお、ポンプ14を容器本体2に取り付ける際、容器本体2の底部にパイプ213の下端部を突き当てることにより、パイプ213の下端開口部213aを径方向に向けて開口させることができる。
(支持部材)
支持部材15は、装着キャップ11の小筒部21に中心軸線O回りに回転自在に外装された有頂筒状の囲繞筒部15aと、囲繞筒部15aの頂壁から上方に向けて延びるガイド筒15cと、囲繞筒部15aの内周面における上下方向の中央部に形成された被ガイド部15bと、囲繞筒部15aから後方に向けて突設され、左右方向に間隔をあけて配設された一対の側壁部77と、側壁部77の後端縁同士を左右方向に接続する後壁部78と、を有する。
ガイド筒15cの内側には、吐出ヘッド13のステム12が嵌合されている。被ガイド部15bは囲繞筒部15aの内周面において径方向の外側に向けて凹む溝状に形成されている。被ガイド部15b内に、装着キャップ11の環状ガイド部21bが配設されている。支持部材15を装着キャップ11に対して中心軸線O回りに回転させる際、被ガイド部15bが環状ガイド部21bにガイドされる。また、囲繞筒部15aの内周面における下端部には、径方向の内側に向けて突出し、環状ガイド部21bの外径よりも内径が小さい縮径部15dが形成されている。支持部材15を装着キャップ11に対して上方に移動させると、縮径部15dが環状ガイド部21bに下方から当接するため、支持部材15の装着キャップ11に対する上方移動が規制されている。
支持部材15の縮径部15dにおける下部には、径方向の内側に向かうに従い漸次上方に向かって延びる被係合部15eが形成されている。支持部材15を装着キャップ11に組み付ける際には、支持部材15の囲繞筒部15aを装着キャップ11の小筒部21に対して上方から外嵌させる。すると、装着キャップ11の係合部21cと支持部材15の被係合部15eとが係合して囲繞筒部15aの下端開口縁を拡径させ、被係合部15eが環状ガイド部21bを下方に乗り越え、環状ガイド部21bが被ガイド部15b内に進入すると、囲繞筒部15aの拡径した下端開口縁は復元変形し、支持部材15が装着キャップ11に組み付けられる。
側壁部77は、前側から後側に向かうに従い漸次、上側に向けて延びている。側壁部77の上端には、上方に向けて左右方向から見た正面視で半円状に突出した突出片80がそれぞれ形成されている。これら突出片80の外側面には、円柱状の軸体77Aが左右方向に沿って外向きに突設されている。軸体77Aは、ステム12より後方に配置されている。
なお、軸体77Aの中心を通り、かつ左右方向に延びる仮想の軸線が押下部材16の揺動軸Lとなる。これにより、揺動軸Lは、ステム12より後方に配置されるとともに左右方向に延びている。また、後壁部78の内面には、突出片80の内側に位置するように上方に向かって突出し、一対の側壁部77の内面同士および突出片80同士を左右方向に連結する補強壁78aが形成されている。
(押下部材)
押下部材16は、支持部材15の軸体77Aを介して支持部材15に取り付けられている。これにより、押下部材16は、支持部材15に対し揺動軸L回りに揺動可能に連結されている。
押下部材16は、吐出ヘッド13を上方から覆う天板部90と、天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在する前板部91と、天板部90の左右両側の側端縁から下方に向けて延在し、左右方向に向かい合う一対の側板部92と、を有する。
そして、天板部90と一対の側板部92とで囲まれる内部空間に吐出ヘッド13が配置されている。よって、一対の側板部92は、吐出ヘッド13を左右方向から挟むように配置されている。
天板部90は、上方に向けて膨らむように滑らかに湾曲した形状とされ、その後端部は支持部材15における後壁部78の上端開口縁に上方から接触している。これにより、押下部材16は、揺動軸Lを中心としたこれ以上の上方への揺動が規制された状態で位置決めされている。
天板部90の前側部分には、該天板部90を貫通する第1貫通孔93が形成されている。この第1貫通孔93は、天板部90における左右方向の中央部分に形成されていると共に、前方に開口するように形成されている。
これにより、天板部90の前側部分は、左右方向に二股に分かれた形状とされている。
前板部91は、二股に分かれた天板部90の前端縁から前方に向けて斜め下方に延在している。この際、前板部91の上側部分には、前板部91を貫通すると共に上下方向に延在する第2貫通孔94が形成されている。この第2貫通孔94は、前板部91の中央部分に形成されていると共に上方に開口しており、第1貫通孔93に対して一体に繋がっている。
そして、第2貫通孔94内に吐出ヘッド13のノズル筒部32が挿通されている。これにより、ノズル筒部32は、第2貫通孔94を通して前板部91から突出しており、押下部材16と吐出ヘッド13との中心軸線O回りにおける相対的な回転が規制されている。なお、前板部91の下側部分は、指先を掛けるための指掛部分とされている。
押下部材16の一対の側板部92は、支持部材15の一対の側壁部77における上部を左右方向に挟んでいる。これにより、支持部材15と押下部材16との中心軸線O回りにおける相対的な回転が規制されている。一対の側板部92の後部側の内面には、軸体77Aが挿通される軸孔部92Aが形成されている。これにより、押下部材16は、軸体77A回り、すなわち揺動軸L回りに揺動可能に支持されている。
上述した押下部材16は、吐出ヘッド13を介して伝わる圧縮バネ200からの弾性力(ばね力)によって上方付勢されている。
押下部材16には、吐出ヘッド13に形成された被押下部100の上端部を収容する窪み101が形成されている。
図3に示すように、窪み101は、押下部材16の天板部90における左右方向の中央部に配設されている。窪み101は、被押下部100の左右方向の厚みよりも僅かに大きい幅で形成されている。
窪み101は、図1に示すように、天板部90に対して前後方向に一定の深さで形成されている。窪み101は、被押下部100の上端部を前後方向に移動可能に収容する。窪み101は、天板部90の下面に対して上方に窪んだ上面が、被押下部100の上端部の上面に上方から面接触している。
これにより、押下部材16を揺動軸L回りに下方に揺動させた際、窪み101を利用して被押下部100を上方から押下させることが可能とされている。したがって、吐出ヘッド13を下方移動させることができる。
なお、押下部材16の下方への揺動を解除した場合には、先に述べたように圧縮バネ200が吐出ヘッド13を介して押下部材16を上方付勢しているので、押下部材16は揺動軸L回りに上方に揺動して、元の位置に復帰する。
また、押下部材16には、吐出ヘッド13に形成された軸部100Aに係合する係合溝102が形成されている。軸部100Aは、図3に示すように円柱状に形成され、装着筒部31の上端部の左右の側面から一対の側板部92に向けてそれぞれ突設されている。
係合溝102は、押下部材16における一対の側板部92の内面に吐出ヘッド13に対して離間する方向に窪んでいる。係合溝102の下端外周面には、図3に示すように、下方に向かうにしたがって吐出ヘッド13から離間する方向に傾斜する傾斜面102Aが形成されている。一方、軸部100Aの上端には、上方に向かうにしたがって一対の側板部92から離間する方向に傾斜する傾斜面100A1を有する。これにより、係合溝102に対し下方から軸部100Aを組み付け易くなる。
図1に示すように、吐出ヘッド13には、被係止部120が突設されている。被係止部120は、左右方向に一対の肉抜き溝121を有するブロック状に形成されている。被係止部120は、装着筒部31の上端から後方に突設されている。すなわち、被係止部120は、ノズル筒部32が突設されている方向と反対の方向に突設されている。被係止部120は、上下方向において、ガイド筒15cの上端開口縁の一部と隙間をあけて対向している。
被係止部120には、後述するストッパー130の規制位置から規制解除位置への移動を抑止するための係合突起122が形成されている。係合突起122は、被係止部120の後端部から下方に突設されている。係合突起122の下端は、ステム12の上端よりも上方に位置する。係合突起122の後部には、後方に向かうにしたがって上方に傾斜する傾斜面122aが形成されている。
(ストッパー)
ストッパー130は、押下部材16の揺動軸Lに平行な軸体131回りに揺動可能に設けられた部材であり、吐出ヘッド13の下方移動を規制するものである。ストッパー130は、吐出ヘッド13の下方移動を規制する規制位置(図1に示す位置)と、規制位置に対して軸体131回りに後方に揺動し、吐出ヘッド13の下方移動を許容する規制解除位置(図4に示す位置)と、に切り替え可能になっている。
ストッパー130は、図1に示す規制位置に位置するとき、被係止部120の下面に当接若しくは近接する。また、ストッパー130は、図4に示す規制解除位置に位置するとき、被係止部120の下面から離れ、吐出ヘッド13の下方移動を許容する。
ストッパー130は、支持部材15の対向配置された一対の側壁部77の間に架設される軸体131と、軸体131の上方に配設された被挟持部132と、軸体131における左右方向の両端部に接続された一対の摘み部134と、備えている。
軸体131は、左右方向に延在する丸棒状に形成され、軸体131の左右方向の両端部は、図3に示すように、一対の側壁部77に形成された支持凹部82に中心軸回りに回転可能に嵌め込まれている。支持凹部82は、吐出ヘッド13よりも後方であって、揺動軸Lよりも前方に配置されている。ストッパー130は、吐出ヘッド13よりも後方において、軸体131回りに揺動可能に支持部材15に取り付けられている。
被挟持部132は、側面視L字形状のブロック状に形成されている。被挟持部132の後端部の下部には、左右方向に突出する一対の連結部が配置されている。各連結部における左右方向の外端部は、摘み部134に連結されている。
被挟持部132の上端部は、上方に向かうにしたがって左右方向の長さが短くなる先細りに形成されている。また、被挟持部132の上端面における前側部分には、前方に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面132aが形成されている。被挟持部132は、図1に示す規制位置に位置するとき、上下方向において、被係止部120の下面とガイド筒15cの上端開口縁との間に挟み込まれる。
一対の摘み部134は、表裏面が左右方向を向く板状に形成され、押下部材16の側板部92の左右方向における外側に配置されている。
次に、上述のように構成された吐出容器1の使用方法について説明する。
まず、ストッパー130を図1に示す規制位置から後方に揺動させて、図4に示す規制解除位置に移動させる。詳しく説明すると、被挟持部132の上端部が係合突起122を乗り越えて被係止部120よりも後方に位置するまで、ストッパー130を後方側に向けて軸体131周りに揺動させる。これにより、ストッパー130による吐出ヘッド13の下方移動の規制が解除され、押下部材16の下方への揺動が許容される。
その後、押下部材16を回転軸L回りに下方に向けて揺動させる。この際、例えば押下部材16の前板部91の指掛部分に指先を掛けながら、圧縮バネ200の付勢力に抗して押下部材16を下方に向けて揺動させる。押下部材16を下方に向けて揺動させると、吐出ヘッド13が下方移動し、弁体44によってシリンダ42のテーパ筒部68内を閉塞した状態で、ステム12およびピストン41をシリンダ42に対して押し込んで、シリンダ42内が正圧になる。すると、シリンダ42内の内容液がステム12内を上昇してノズル筒部32内に導入され、吐出ヘッド13の吐出孔13Aから吐出される。
詳しくは、シリンダ42内が正圧になると、図4に示すように、ステム12の弾性部25における自由端部がピストン41の受け面53Aに沿って径方向内側に向けて反るように摺動しつつ、弾性部25の上下方向の長さが短くなるように収縮変形する。また、吐出ヘッド13およびピストンガイド43は、ピストン41に対して下方移動し始める。吐出ヘッド13およびピストンガイド43がピストン41に対して下方に移動すると、ピストン41の閉塞部52の下端が、ピストンガイド43の当接部43Eから離間する。これにより、閉塞部52の下端部とピストンガイド43の外周面との間には、間隙が形成される。そのため、連通孔43Bは、この間隙を通してシリンダ42の大径部62内に対して開放される。なお、連通孔43Bがシリンダ42の大径部62内に対して開放されるまで、大径部62の内圧はさらに上昇する。
これにより、大径部62内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙及び連通孔43Bを通ってピストンガイド43内に流入する。さらに、大径部62内の内容物は、閉塞部52の内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、ステム12の下側部分及び拡径部12Aの内周面とピストンガイド43の外周面との間の間隙、並びに貫通孔43Cを通ってピストンガイド43内に流入する。
そして、ピストンガイド43内に流入した内容物は、ステム12の上側部分内を流動してノズル筒部32に至り、ノズル筒部32の吐出孔13Aから吐出される。この結果、容器本体2内に収容された内容物を、吐出孔13Aを通じて外部に吐出することができる。
その後、押下部材16の把持を解除すると、ステム12およびピストン41が、圧縮バネ200からの付勢力に基づいてシリンダ42に対して復元移動する。このとき、シリンダ42内が負圧になり、この負圧が、弁体44に作用してテーパ筒部68内を開放する。その結果、容器本体2内の内容液が、パイプ213の下端開口部213aから吸い上げられてシリンダ42内に流入する。
ところで、本実施形態では、シリンダ42の係合突起62Dが装着キャップ11の溝部21dに係合して、シリンダ42と装着キャップ11との中心軸線O回りにおける相対的な回転を規制している。このため、装着キャップ11の口部3に対する螺着を緩めるためには、相互に密接している容器本体2と、第1パッキン66と、シリンダ42と、装着キャップ11と、の間に作用する摩擦力と、中心軸線Oからこれらの摩擦力が発生する各位置までの径方向における距離と、の積の総和からなる初動トルクを付与する必要がある。
さらに、容器本体2の口部3とシリンダ42のフランジ部61との間には、ゴムなどの摩擦係数が大きく弾性を有する材質により形成された第1パッキン66が介在し、容器本体2と装着キャップ11との螺着により発生する圧縮力によってこの第1パッキンが変形させられているため、装着キャップ11およびシリンダ42と、口部3と、が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクはさらに大きくなっている。
一方、本実施形態では、吐出ヘッド13、押下部材16、および支持部材15の中心軸線O回りにおける相対的な回転は規制されており、支持部材15は装着キャップ11に対して中心軸線O回りに回転自在に外装されている。このため、吐出ヘッド13、押下部材16、および支持部材15を中心軸線O回りに回転させる際、これらの部材は一体として回転し、支持部材15と装着キャップ11との間にのみ摩擦力が生じる。
以上のことから、装着キャップ11および口部3が中心軸線O回りに沿う緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクは、装着キャップ11および支持部材15が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きい。
ここで、前述したように、シリンダ42は、フランジ部61が装着キャップ11と口部3との間に挟まれるとともに、シリンダ42の係合突起62Dが装着キャップ11の溝部21dに係合して、シリンダ42と装着キャップ11との中心軸線O回りにおける相対的な回転を規制しているため、シリンダ42および口部3が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクは、装着キャップ11および口部3が中心軸線O回りに沿う緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクと同等であり、シリンダ42および支持部材15が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクは、装着キャップ11および支持部材15が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクと同等である。
従って、シリンダ42および口部3が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクは、シリンダ42および支持部材15が中心軸線O回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きい。
以上説明したように、本実施形態に係る吐出容器1によれば、吐出ヘッド13と支持部材15とは一体に回転し、シリンダ42および容器本体2の口部3が相対的に回転し始める初動回転トルクが、シリンダ42および支持部材15が相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいため、吐出ヘッド13とともに支持部材15をシリンダ42に対して回転させたときに、シリンダ42が容器本体2の口部3に対して回転するのを抑止し、吐出ヘッド13における吐出孔13Aの向きを、容器本体2に対して容易に変えることができる。例えば容器本体2が上面視において長方形などの異形状である場合や、容器本体2の中心軸線が吐出ヘッド13における装着筒部31の中心軸線からずれていた場合などには、容器本体2に対する吐出孔13Aの開口方向を変えられることで操作性が向上する。
また、容器本体2の口部3と装着キャップ11とに上下方向に挟まれたシリンダ42のフランジ部61が、容器本体2の口部3に対して回転するのが抑止されるため、シリンダ42のフランジ部61による容器本体2の口部3のシール性を維持することができる。
また、シリンダ42のフランジ部61が、第1パッキン66を介して容器本体2の口部3と装着キャップ11とにより上下方向に挟まれるため、第1パッキン66が上下方向に圧縮変形させられることにより、シリンダ42および支持部材15が相対的に回転し始める初動回転トルクを増加させて、支持部材15と一体として吐出ヘッド13を回転させたときのシリンダ42の回転を確実に抑止し、吐出ヘッド13における吐出孔13Aの向きをパイプ213における下端開口部213aの向きに容易に合わせることができるという効果をより確実に奏功させることができる。
また、支持部材15が、容器本体2の口部3に螺着された装着キャップ11に回転自在に外装され、装着キャップ11および口部3が螺着の緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクが、装着キャップ11および支持部材15が相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいため、螺着によって装着キャップ11と口部3との相対的な回転を確実に抑えながら支持部材15を装着キャップ11に対して自在に回転させて、支持部材15と一体として回転する吐出ヘッド13における吐出孔13Aの向きを、より容易にパイプ213における下端開口部213aの向きに合わせることができる。
また、パイプ213の下端開口部213aが容器本体2内の底部において径方向に向けて開口しているから、容器本体2内の内容物が残り少なくなったときに、容器本体2を傾けて内容物を容器本体2の底部の一部分に集めて使用する場合に、底部の一部分に集められた内容物に下端開口部213aを向けて、内容物を吸い上げて吐出させやすい。
さらに、パイプ213の下端開口部213aは容器本体2内の外周縁部に位置しているから、容器本体2の底部の一部分に集められた内容物に下端開口部213aを位置させやすく、内容物が残り少なくなったときに内容物を吸い上げて吐出させやすくする効果をより確実に奏功させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、装着キャップ11の形状が異なる。
図5に示すように、第2実施形態の装着キャップ18は、有頂筒状に形成され、かつ容器本体2の口部3に螺着する螺着筒17と、有頂筒状に形成され、かつ支持部材15が中心軸線O回りに回転自在に外装された外装筒45と、を備える。
螺着筒17の頂壁部17aにおける径方向の中央部には、頂壁部17aを上下方向に貫通する貫通孔17cが形成されている。頂壁部17aの下面はシリンダ42のフランジ部61に上方から接触している。螺着筒17の筒部17bにおける内周面には、容器本体2の口部3における外周面に形成された雄ネジに螺着する雌ネジが形成されている。貫通孔17cの径方向における内側には、螺着筒17よりも外径が小さい有頂筒状に形成された外装筒45が配設されている。
外装筒45は、ステム12を径方向の外側から囲繞している。外装筒45の天頂壁45eにおける径方向の中央部には、天頂壁45eを上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。天頂壁45eの貫通孔はステム12に外嵌されている。外装筒45の筒部45bは上下方向に延在し、下端開口縁がシリンダ42のフランジ部61に上方から接触している。
筒部45bにおける外周面のうち上下方向における中央部には、外側に向けて突出する環状ガイド部45cが形成されている。筒部45bにおける外周面のうち環状ガイド部45cの上部には、下方に向かうに従い漸次拡径する係合部45dが形成されている。これら外装筒45および環状ガイド部45cは、中心軸線Oと同軸に配設されている。
筒部45bの内周面には、筒部45bの上下方向における中央部から下方に向かって延在する溝部45aが形成されている。溝部45aは、周方向に間隔をあけて複数形成されている。複数の溝部45aは、シリンダ42の複数の係合突起62Dと各別に係合して、外装筒45およびシリンダ42の中心軸線O回りの相対的な回転を規制している。
支持部材15を外装筒45に組み付ける際には、支持部材15の囲繞筒部15aを外装筒45に対して上方から外嵌させる。すると、外装筒45の係合部45dと支持部材15の被係合部15eとが係合して支持部材15の囲繞筒部15aにおける下端部を拡径させ、被係合部15eが係合部45dを下方向に通過すると囲繞筒部15aの拡径した下端部は弾性により元の径に戻り、装着が完了する。
また、外装筒45の環状ガイド部45cにおける外径は支持部材15の被ガイド部15bにおける内径よりもわずかに大きい。このため、被ガイド部15bと環状ガイド部45cとの間には径方向においてわずかな隙間があり、支持部材15は外装筒45に対して中心軸線O回りに回転自在に支持されている。支持部材15を外装筒45に対して中心軸線O回りに回転させる際、被ガイド部15bが環状ガイド部45cにガイドされる。また、支持部材15を外装筒45に対して上方に移動させると、支持部材15の縮径部15dが環状ガイド部45cに下方から当接するため、支持部材15の外装筒45に対する上方移動が規制されている。
本実施形態に係る吐出容器1によれば、装着キャップ18は螺着筒17と外装筒45とを備え、これらが別体に形成されているから、種々の設計変更に容易に対応することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記第1実施形態では、シリンダ42のフランジ部61は第1パッキン66を介して容器本体2の口部3と装着キャップ11とにより上下方向に挟まれていると説明したが、これに限られず、フランジ部61は第1パッキン66を介して口部3と装着キャップ11とにより挟まれていなくてもよい。
また、前記第1実施形態では、組立て時に、容器本体2の底部にパイプ213の下端部を突き当てて下端開口部213aを径方向に向けて開口させたが、これに限られず、パイプ213を予め曲げてからポンプ14を容器本体2に取り付けてもよい。この場合であっても、本実施形態の吐出容器1によれば、組立て後にパイプ213の下端開口部213aの開口方向に合わせて吐出孔13Aの開口方向を容易に合わせることができるため、組立て時に吐出孔13Aの開口方向とパイプ213の下端開口部213aの開口方向とを合わせる必要がなく、製造工数を削減することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…吐出容器、2…容器本体、3…口部、3a…上端開口縁、11…装着キャップ(第1実施形態)、13…吐出ヘッド、13A…吐出孔、14…ポンプ、15…支持部材、16…押下部材、17…螺着筒、18…装着キャップ(第2実施形態)、42…シリンダ、45…外装筒、61…フランジ部、66…第1パッキン、213…パイプ、213a…下端開口部、L…揺動軸、O…容器軸

Claims (5)

  1. 内容物が収容された容器本体と、
    前記容器本体の口部に、上方付勢状態で下方移動自在に配設されるとともに、前方に向けて開口する吐出孔が形成された吐出ヘッドを有するポンプと、
    前記口部に取り付けられ、前記ポンプを前記口部に装着する装着キャップと、
    前記吐出ヘッドを押下げる押下部材を揺動軸回りに揺動自在に支持する支持部材と、を備え、
    前記押下部材を前記揺動軸回りに下方に向けて揺動させることにより、前記吐出ヘッドを下方移動させ、前記内容物を前記吐出孔から吐出させる吐出容器であって、
    前記吐出ヘッドと前記支持部材とは、上下方向に延びる前記吐出ヘッドの中心軸線回りに一体に回転し、
    前記ポンプは、前記口部の上端開口縁と前記装着キャップとにより上下方向に挟まれたフランジ部を有するシリンダと、このシリンダの下端から下方に向けて延設され下端開口部が前記容器本体内の底部において開口し、かつ内部が前記シリンダの内部と連通されたパイプと、を備え、
    前記シリンダおよび前記口部が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクが、前記シリンダおよび前記支持部材が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいことを特徴とする吐出容器。
  2. 前記パイプの下端開口部は、前記容器本体内の底部において径方向に向けて開口していることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記パイプの下端開口部は、前記容器本体内の底部の外周縁部に位置していることを特徴とする請求項2に記載の吐出容器。
  4. 前記装着キャップは前記口部に螺着され、
    前記支持部材は、前記装着キャップに前記中心軸線回りに回転自在に外装され、
    前記装着キャップおよび前記口部が前記中心軸線回りに沿う緩み方向に相対的に回転し始める初動回転トルクが、前記装着キャップおよび前記支持部材が前記中心軸線回りに相対的に回転し始める初動回転トルクよりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の吐出容器。
  5. 前記装着キャップは、前記口部に螺着される螺着筒と、前記螺着筒の上方に配置され前記支持部材が前記中心軸線回りに回転自在に外装された外装筒と、を備え、
    前記螺着筒および前記外装筒は互いに別体に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器。
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