JP2017154501A - 塗装亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形加工時に疵付き等が発生しても十分な耐食性を有し、また成形加工後の製品状態において製品形状の立体感を強調するような高い意匠性を塗膜機能として有する、意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板を提供する。
【解決手段】亜鉛または亜鉛を含む合金めっき鋼板と、該鋼板の少なくとも片面に形成されたクロム酸化合物を含有しない化成処理皮膜と、該化成処理皮膜上に形成された着色プライマー塗膜と、該着色プライマー塗膜上に形成され、チタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークを1〜8質量%含有する、膜厚さが5〜30μmである光屈折性塗膜と、を含有し、前記鱗片状のシリコンフレークが、平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmであり、前記光屈折性塗膜中にそのシリコンフレークの中心軸が鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に形成されているようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば建築物の屋根・壁、シャッターなどの外装材や内装材、家電製品、容器などの、意匠性と耐食性が要求される用途に好適な、プレコートしてなる、意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
亜鉛または亜鉛―アルミニウム合金めっき鋼板など亜鉛を含む合金めっき鋼板(以下、亜鉛系めっき鋼板と略す)の表面に、鋼板と塗膜の密着性を向上させるための化成処理皮膜、および耐食性を向上させるためのクロム酸化合物を含有するプライマー塗膜を介して、種々な色調に着色した上塗り塗膜をプレコートした塗装亜鉛系めっき鋼板は、需要家での塗装工程を省略できる合理化メリットなどより、建築物の屋根・壁、シャッターなどの外装材や内装材、家電製品や容器などの部材として広く使用されている。このような用途は、いずれも意匠性が要求され、単に塗装の色調だけでは十分な意匠性が得られないことから、プレス加工やエンボス加工などによって種々の形状に成形し、意匠性の向上を図る工夫がされてきた。
種々の形状に成形され使用されることから、成形加工時に疵付き等が発生しても腐食を抑止しうる十分な耐食性と、種々の形状に対する塗膜の意匠性効果が要求されるが、特に、塗膜の意匠性効果すなわち製品形状と塗膜の組み合わせによる意匠性機能の相乗効果については効果的な方法が見い出されていなかった。
塗膜の意匠性を向上させる技術としては、例えば、特許文献1、2などが提案されている。
特許文献1には、亜鉛系めっき鋼板の表面にクロム付着量60〜100mg/mのクロメート皮膜が形成され、そのクロメート皮膜の上に防錆顔料を含有する膜厚10〜20μmの着色塗膜と酸化雲母粉末を0.3〜3.0%含有する膜厚10〜20μmのクリア塗膜とが順次形成されていることを特徴とするパール調意匠塗装鋼板が開示されている。しかしながら、本技術に示されるクリア塗膜中に単に酸化雲母粉末を含有させるだけでは、パール調の意匠性は付与されても、製品形状との相乗効果すなわち製品形状の立体感を強調するような相乗作用は無く十分な意匠性効果が得られなかった。また、環境負荷物質であるクロム酸化合物を含有する化成処理皮膜(クロメート皮膜)とクロム酸化合物を防錆顔料とする着色塗膜を塗膜層として形成することは、環境上問題があった。また、クロム酸化合物は橙色を呈しており例えば淡色系の着色が困難など塗膜の着色に限界があった。
特許文献2に記載の技術は、自動車車体外板等の各種工業製品に対して、基材上に鱗片状光輝性顔料を含んでなるベースコート塗料を塗装して得られた塗膜上に、さらに表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、金属酸化物で被覆したシリカフレーク顔料、ホログラム顔料、金属酸化物を被覆したガラスフレーク顔料、および金属をめっきしたガラスフレーク顔料から選ばれる1種以上の鱗片状光輝性顔料を含んでなる光輝クリア塗料を塗装する複層塗膜形成方法に関するものである。本技術は、鱗片状光輝性顔料を含有する塗料を複層に塗装するものであるが、特許文献1と同様に、単に鱗片状の光輝性顔料を含有させた塗料を複層に塗装しても製品形状の立体感を強調するような相乗効果は十分に得られなかった。
また上述以外にも、意匠性の向上を目的として、アルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス等の鱗片状金属顔料やガラスフレーク顔料、グラファイト顔料、シリカフレーク顔料、アルミナフレーク顔料、合成マイカ顔料、およびそれら顔料の表面を金属酸化物や着色顔料で被覆した種々の顔料を塗膜に含有させる技術が提案されているが、特許文献1、2と同様に、いずれの顔料においても、塗膜中に単に添加するだけでは製品形状の立体感を強調するような意匠性の相乗効果は十分に得られなかった。また顔料によっては、プレコート塗膜に必要な成形加工性すなわち成形加工時の塗膜の損傷が著しくそれにより加工製品としての耐食性を大きく損なうものであった。
特開平7−265789号公報 特開2005−177642号公報
本発明は、プレコートしてなる塗装亜鉛系めっき鋼板において、環境負荷物質でもあるクロム酸化合物を含有しない塗膜層構造をベースとして、成形加工時に疵付き等が発生しても十分な耐食性を有し、また成形加工後の製品状態において製品形状の立体感を強調するような高い意匠性(製品形状との相乗効果)を塗膜機能として有する、意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記に示すように、環境負荷物質でもあるクロム酸化合物を含有しない塗膜層構造をベースとして、特に上塗りの光屈折性塗膜中に含有する特定の顔料の配向性を制御することにより課題解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、亜鉛または亜鉛を含む合金めっき鋼板の少なくとも片面に、クロム酸化合物を含有しない化成処理皮膜と着色プライマー塗膜を順次形成し、その上層にチタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークを1〜8質量%含有する光屈折性塗膜を5〜30μm形成してなる塗装亜鉛系めっき鋼板において、前記鱗片状のシリコンフレークが平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmであり、前記光屈折性塗膜中にそのシリコンフレークの中心軸が鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に形成されていることを特徴とした意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板を提供するものである。
さらに、前記着色プライマー塗膜および光屈折性塗膜を、ロールコーター法で形成することを特徴として、前記の意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板を提供するものである。
本発明によれば、プレコートしてなる塗装亜鉛系めっき鋼板において、環境負荷物質でもあるクロム酸化合物を含有しない塗膜層構造をベースとして、成形加工時に疵付き等が発生しても十分な耐食性を有し、また成形加工後の製品状態において製品形状の立体感を強調するような高い意匠性(製品形状との相乗効果)を塗膜機能として有する、意匠性に優れた塗装亜鉛系めっき鋼板が提供される。
本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板に用いるシリコンフレークの模式図である。 本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板の光屈折性塗膜中のシリコンフレークの配向状態の模式図である。 本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板を製造するためのロールコーターの模式図である。 本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板中の塗膜の形成状態を示す断面写真である。 (a)塗装亜鉛系めっき鋼板の、塗膜表面を、変角測色計を用いて連続的に角度を変えて色調を測定した結果のグラフと、(b)変角測色計の模式図である。である。 本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板をロール成形した製品の外観写真である。
化成処理皮膜については、基材とする亜鉛系めっき鋼板のめっき表面および化成処理皮膜の上層に塗装する着色プライマー塗膜と良好な密着性を有し、また成形加工時に塗膜に疵付きなどの損傷を生じても良好な耐食性を呈するものであれば、特に限定するものではなく、環境負荷物質であるクロム酸化合物を含有しないものであれば、常法の技術になる化成処理皮膜を使用することができる。
例えば、樹脂成分と無機成分を複合してなる化成処理皮膜で、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂やアクリル樹脂など亜鉛系めっきおよび塗膜との密着性に優れる樹脂成分と、バナジウム化合物やジルコニウム化合物などの耐食性機能を呈する無機成分を主成分とする化成処理皮膜などが好適である。
化成処理皮膜の付着量範囲も、上記のとおり、亜鉛系めっき鋼板のめっき表面および化成処理皮膜の上層に塗装する着色プライマー塗膜と良好な密着性を有し、また成形加工時に塗膜に疵付きなどの損傷を生じても良好な耐食性を呈する範囲であれば、特に限定するものではない。
例えば、常法による樹脂成分と無機成分を複合してなる化成処理皮膜においては、0.03g/m未満では下地の亜鉛系めっき鋼板および上層の着色プライマー塗膜との密着性の低下や耐食性が低下する傾向にあり、0.3g/mを超えると厳しい曲げ加工を受けた場合に化成処理皮膜が破壊して密着性や耐食性が低下する傾向があり、0.03〜0.3g/m程度の付着量範囲が好適である。
化成処理皮膜の形成は、スプレー法やロールコーター法などで連続的に塗布し、その後乾燥させることにより形成される。この乾燥には熱風や誘導加熱などを用いて、60℃〜200℃程度の到達板温で乾燥させることにより皮膜が得られる。
次に着色プライマー塗膜について説明する。
着色プライマー塗膜についても、前記の化成処理皮膜と同様に、下層の化成処理皮膜および上層に塗装する光屈折性塗膜と良好な密着性を有し、常法により着色した塗膜であって、成形加工時に塗膜に疵付きなどの損傷を生じても良好な耐食性を呈するものであれば、特に限定するものではない。ただし、防食剤として環境負荷物質でありまた着色を損なうクロム酸化合物を含有しないことが必要である。
例えば、樹脂成分としては、化成処理皮膜および上塗り塗膜と良好な密着性を有するウレタン樹脂やエポキシ樹脂やアクリル樹脂やポリエステル樹脂などを、耐候性や耐成形加工性など必要特性に応じて一種以上複合することが好適である。防食剤としては、バナジウム化合物、モリブデン化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、シリコン化合物、リン酸塩などを、必要耐食性能に応じて一種以上複合して使用することが好適である。また、着色剤としては、無機質または有機質の着色顔料や染料などが使用でき、メタリック調を付与するために鱗片状のアルミニウムやまた光輝性を付与するために着色マイカなどを添加配合してもよい。
着色プライマー塗膜の膜厚は、特に限定するものではないが、下層の化成処理皮膜表面の色調や光沢を隠蔽するために、3μm以上が好適である。
着色プライマー塗膜の形成は、平滑な塗膜表面を形成させるためにロールコーター法が好適である。塗料を連続的に塗布し、その後加熱して乾燥・硬化させることにより形成される。この加熱には熱風や誘導加熱などが用いられ、250℃程度の到達板温まで加熱して硬化した塗膜が得られる。
次に光屈折性塗膜について説明する。
光屈折性塗膜は、前記の着色プライマー塗膜の上層に形成され、着色プライマー塗膜の色調をベースに、成形加工後の製品形状の立体感を強調するような意匠性(製品形状との相乗効果)を塗膜機能として付与するものである。
光の屈折性などを利用した意匠性塗膜としては、前述のとおり、酸化雲母粉末や干渉マイカ顔料やシリカフレーク顔料や金属酸化物を被覆したガラスフレーク顔料、また本発明と同様の、金属酸化物をコーティングした鱗片状の光輝性顔料を含有する塗料を複層に塗装するものなどがあったが、いずれの顔料においても、塗膜中に単に添加するだけでは製品形状の立体感を強調するような意匠性の相乗効果は十分に得られなかった。また顔料によっては、プレコート塗膜に必要な成形加工性すなわち成形加工時の塗膜の損傷が著しくそれにより加工製品としての耐食性を大きく損なうものであった。
本発明者らは、前記の、製品形状の立体感を強調するような意匠性効果とプレコート塗膜に必要な成形加工性の確保を両立しうる顔料および塗膜構造について鋭意検討した結果、光透過性を有する塗膜中に、チタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークを含有させることにより、光の屈折作用によって下層の着色プライマー塗膜の色調を見る角度で変化させること、さらにその鱗片状のシリコンフレークの中心軸を鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に配向させることによって製品形状の立体感を強調するような意匠性の相乗効果が得られることを見出した。
また、意匠性の効果とプレコート塗膜に必要な成形加工性を両立させるための条件として、鱗片状のシリコンフレークの大きさが平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmであること、またその含有率として光透過性を有する塗膜中に1〜8質量%含有させることで光屈折性塗膜が形成され、前記の両立が得られることを見出した。
光屈折性塗膜中に含有されるチタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークは、そのチタン酸化物のコーティング厚さやシリコンフレークの純度などは特に限定するものでなく、常法により製造され市販されているものなどが使用できる。
チタン酸化物のコーティング厚さは、そのコーティング方法により異なるが、光学的効果より0.1μm以下の厚さでコーティングされているものが好ましい。また鱗片状のシリコンフレークの大きさは、図1に示すような平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmであるものが、光学的効果および成形加工性の点から好適である。
シリコンフレークの大きさとして、平面方向に50μmを超えることがあると、十分な成形加工性が得られなくなる。一方、長径が平面方向に2μm未満であると、十分な光学的効果が得られなくなる。
また、シリコンフレークの厚みが1μm未満となると、十分な光学的効果が得られなくなる。また、シリコンフレークの厚みが5μm超となると、十分な成形加工性が得られなくなる。よって、シリコンフレークの大きさは、平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmである。
また、上記のシリコンフレークの大きさは、走査型電子顕微鏡による塗膜写真の観察により測定できる。
光屈折性塗膜全量を100質量%とした際、塗膜中、シリコンフレークは1〜8質量%が好適である。1質量%未満であると意匠効果が不十分であり、8質量%を超えると下地着色プライマーの色調が弱まり所望の色調が得られない。よって、本発明では、光屈折性塗膜は、シリコンフレークを1〜8質量%含有する。
光屈折性塗膜を形成する樹脂は、プレコート塗装鋼板として要求される成形加工性や用途に応じた品質特性を満足するものであれば特に限定するものではなく、例えば、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂の一種以上を複合した樹脂などが使用できる。
光屈折性塗膜中に含有されるチタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークは、製品形状の立体感を強調するような意匠性の相乗効果を得るために、シリコンフレークの中心軸を鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に配向させる必要がある。
図2に示すように、光屈折性塗膜中にシリコンフレークの中心軸を鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に配向させることによって、例えば図5(実施例)に示すように、見る角度によって色調が異なり、これにより成形加工後の製品形状において凹凸の平面部と傾斜面の色調が異なることから製品形状の立体感が強調されるものである。シリコンフレークの角度が45度を超えた場合はその効果が小さく、0〜45度の角度の範囲内に配向させることが好適である。より好ましくは、上記の角度は0〜30度であり、0度に近づく程その効果は大きくなる。
なお、上記の0〜45度の角度とは、鋼板表面に対する角の大きさが0〜45度であればよく、シリコンフレークの向きについては特に限定されない。
シリコンフレークの鋼板表面に対する配向状態は、走査型電子顕微鏡による塗膜の断面写真の観察により把握することができる。
光屈折性塗膜の成分には、前記の鱗片状のシリコンフレーク以外に、光沢度を調整するためのシリカ粒子や、良好な成形加工性を得るためのポリエチレンなどのワックス成分や、耐候性を向上させるための紫外線吸収材などを添加する場合があるが、光の透過性を阻害するものでなければ、それらの含有を制限するものではない。
光屈折性塗膜の膜厚は、5〜30μmの範囲が好適である。膜厚が5μm未満では意匠性効果が不十分であり、一方30μmを超えて厚い場合は下層の着色プライマー塗膜の色調が弱まり所望の色調感が低下する。
光屈折性塗膜の形成は、塗膜中のシリコンフレークの角度を0〜45度の範囲内に配向制御させるためにロールコーター法が好適である。
ロールコーター法とは、例えば図3に示すように、塗料を塗料皿からピックアップロールでピックアップし、ピックアップロールとアプリケーションロールとの押付け圧力および回転周速比で塗布する塗料厚さを調整して、アプリケーションロールで鋼板表面に転写して連続的に塗布するものであり、ピックアップロールとアプリケーションロールとの押付け圧力および回転周速比で塗料厚さを調整する際にロール間で塗料に鋼板表面と平行するせん断力がかかることによって塗料中の鱗片状のシリコンフレークが鋼板表面と平行方向に配向して、その結果、所望とする鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に配向制御を容易とするものである。
またロールコーター法では、塗膜の厚さが比較的均一でありまた平滑な塗膜表面が形成されることから、光屈折性塗膜の形成および前記の着色プライマー塗膜の形成方法として好適である。
光屈折性塗膜は、該塗料を連続的に塗布し、その後加熱して乾燥・硬化させることにより形成される。この加熱には熱風や誘導加熱などが用いられ、250℃程度の到達板温まで加熱して硬化した塗膜が得られる。
本発明に用いる亜鉛系めっき鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛―5%アルミニウム合金めっき鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、あるいはこれらのめっき中にマグネシウムなどを添加した合金めっき鋼板、その他、亜鉛を含むめっき鋼板を使用することができる。
板厚0.35mmのめっき付着量が片面あたり80g/mの溶融55質量%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板の表面に、ロールコーターおよび熱風加熱装置によって、クロム酸を含有しない化成処理皮膜を0.15g/m、その上層にクロム酸を含有しない桃色の着色プライマーを15μm形成後、さらにその上層に、チタン酸化物をコーティングしてなる平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmの範囲内にある鱗片状のシリコンフレークを6質量%含有する光屈折性塗膜を20μm形成した塗装亜鉛系めっき鋼板を作製した。
作製した塗装亜鉛系めっき鋼板の、塗膜の形成状態(走査型電子顕微鏡による塗膜の断面写真)を、図4に示す。
図4から明らかなように、ロールコーター法によって、着色プライマー塗膜および光屈折性塗膜が、比較的均一な厚さでまた平滑な表面状態で形成され、また光屈折性塗膜中に鱗片状のシリコンフレークが鋼板表面に対して概ね0〜45度の角度の範囲内に配向していることが分かった。
作製した塗装亜鉛系めっき鋼板の、塗膜表面を、変角測色計を用いて連続的に角度を変えて色調を測定した結果を、図5に示す。
比較として、従来の一般的な塗装鋼板との比較を模擬しまた光屈折性塗膜の効果を調べるために、実施例の鋼板作製時に、光屈折性塗膜を形成していない着色プライマー塗膜まで形成した比較サンプルを作製し、測定に供した。変角測色計は、日本電色工業株式会社製の「分光変角色差計GC5000」を使用し、測定鋼板面の垂直から45度の角度から投光し、測定鋼板面の垂直から連続的に−80〜+80度の角度で受光器を動かし、JIS Z8730(色差表示方法)にしたがい、L値(明度)、a値(緑方向〜赤方向)、b値(青方向〜黄方向)を測定した。
図5から明らかなように、光屈折性塗膜を形成した作製塗装亜鉛系めっき鋼板は、従来の一般的な塗装鋼板と同様の外観を呈する着色プライマー塗膜鋼板と比較して、角度によって色調が大きく変化することが分かった。
作製した塗装亜鉛系めっき鋼板を、ロール成形した製品の外観を図6に示す。
図6から明らかなように、本発明の塗装亜鉛系めっき鋼板を使用して成形した製品は、凹凸部で色調が異なり凹凸の立体感がより強調された高い意匠性(製品形状との相乗効果)を呈することが分かった。また、成形加工時に疵付き等が発生しても十分な耐食性を有していることが分かった。

Claims (2)

  1. 亜鉛めっきまたは亜鉛を含む合金めっきが施された鋼板と、
    該鋼板の少なくとも片面に形成されたクロム酸化合物を含有しない化成処理皮膜と、
    該化成処理皮膜上に形成された着色プライマー塗膜と、
    該着色プライマー塗膜上に形成され、チタン酸化物をコーティングしてなる鱗片状のシリコンフレークを1〜8質量%含有する、膜厚さが5〜30μmである光屈折性塗膜と、
    を有し、
    前記鱗片状のシリコンフレークが、平面方向に2〜50μmで厚さが1〜5μmであり、前記光屈折性塗膜中のシリコンフレークの中心軸が鋼板表面に対して0〜45度の角度の範囲内に形成されていることを特徴とする、塗装亜鉛系めっき鋼板。
  2. 請求項1に記載の塗装亜鉛系めっき鋼板の製造方法であり、前記着色プライマー塗膜および前記光屈折性塗膜を、ロールコーター法で形成することを特徴とする、塗装亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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