JP2006334485A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、複層塗膜のワキを充分に抑えることのできる複層塗膜形成方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の複層塗膜形成方法は、亜鉛めっき鋼板上に、非晶質系の化成被膜を形成する化成処理工程と、この化成被膜上に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成する工程と、この下塗り塗膜上に熱硬化型塗料を塗布し、少なくとも1層の新らたな塗膜を形成する工程と、未硬化状態の前記下塗り塗膜及び前記新たな塗膜を同時に加熱硬化する工程と、を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複層塗膜形成方法に関し、特に、一般工業品とりわけ自動車車体等の亜鉛めっき鋼板上に、ワキ発生を抑え、かつ、平滑性に優れる複層塗膜を廉価で短時間に形成する方法に関する。
自動車塗装の意匠外観は、表面の粗さの程度から生じる質感(艶感、ムジ感、チリ感、うねり感など)及び、着色顔料の種類や光輝材の配向程度から生じる質感(明度、彩度、陰影感、緻密感、奥行き感、深み感など)に大別される。表面の粗さの程度から生じる質感は、特に商品魅力に影響を与えるものである。自動車に於いては車格ごとにこの質感の差別化が行われており、その質感を高めるべく各カーメーカー単位で種々の取り組みがなされている。
自動車車体外板素材には鋼板が主に用いられており、特に、塩害地などにおいては錆防止のために、亜鉛めっき鋼板が採用されている。自動車塗装においては、車体外板素材上に、防錆性、塗膜密着性を主目的とする燐酸亜鉛系化成被膜を形成した後、電着塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料をそれぞれ塗装後、順次焼き付けて複層塗膜を形成する3コート3ベーク塗装方式が主流である。
しかしながら、近年、塗料分野、特に自動車塗装分野において、省資源、省コスト及び環境負荷(CO、VOC及びHAPs等)の削減を目的として、塗装工程の短縮化が強く求められている。特に、長大な加熱硬化工程を短縮する塗装方法が検討されており、その一環で電着加熱乾燥炉を短縮させる電着〜中塗り塗装プロセスが検討されている。
これに関して、近年、電着塗装後に得られた未硬化の電着塗膜上に中塗り塗装を行い、両者を同時に焼付け硬化するいわゆる2ウェット塗装方式や、電着塗装後に得られた未硬化の電着塗膜上に中塗り塗装及び上塗り塗装を行い、これらを同時に焼付け硬化するいわゆる3ウェット塗装方式が提案されている。また、これらの塗装方式により得られた硬化塗膜上にさらにソリッドカラー塗料、あるいはベース塗料/クリヤー塗料を塗装して2度目の焼付けを行う複層塗膜形成方法を採用することもできる。例えば、水性中塗り塗装を含む基本的な2ウェット塗装システムは、既に公知化されている技術である。ウェットオンウェットで塗装するこれらの塗装方法によれば、焼付け工程を削減でき、塗装工程の短縮化を実現できる。
しかしながら、現在の技術水準では、これらの塗装方法により得られる複層塗膜には、自動車用塗膜としての性能上、解決しなければならないワキ(発泡)という外観上、性能上の致命的問題をはらんでいる課題が残されている。
上記のワキの発生に対しては、電着塗料を塗布し下塗り塗膜を形成し、この下塗り塗膜を水洗し、更に温純水で最終洗浄して、この下塗り塗膜中の空隙にたまった水や泡を予め除去しておくことにより、2ウェット塗装方式での加熱硬化時における中塗り塗膜に生じるワキを抑制する方法(特許文献1参照)や、親水性溶剤(低沸点アルコール)を中塗り塗料全量に対して10重量%〜30重量%配合した中塗り塗装を、未硬化の下塗り電着塗膜上に塗布することによって、未硬化の下塗り電着塗膜中に残存する水分を中塗り塗膜側に吸収し、焼付け時には比較的低温にて、迅速に系外(大気中)へ散逸させることによって、加熱硬化時に複層塗膜に生じるワキ不具合を防止する方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2002−18349号公報 特開2004−321895号公報
しかしながら、前述した従来技術は電着塗膜中の水分や泡によるワキの対策法であり、後述する亜鉛めっき銅板上に形成された化成被膜中の結晶水の脱離によるワキに対しては全く無力であり、ワキは塗膜全体に高密度に発生し、表面の平滑性を低下させるため、著しく塗装物の外観商品性が損なわれていた。また、従来技術によっては、塗膜内に残存した無数の泡が空隙を形成することによって、水分遮断性、酸素遮蔽性、塗膜ガラス転移温度(Tg)が低下するため、素材の物性、とりわけ耐食性も損なわれていた。
ここで、ワキの発生機構について説明する。化成被膜は一般には燐酸亜鉛系化合物であり、亜鉛めっき鋼板の場合はホパイト、Zn(P0・4H0と呼ばれる結晶として存在し、亜鉛めっきのない鋼板(冷間圧延鋼板)の場合はホスフォフィライト、ZnFe(PO4)・4H0と呼ばれる結晶として存在し、ホパイト結晶の結晶水は所定温度で除去されることが熱分析結果から判っている。
電着塗膜(下塗り塗膜)を単膜で加熱硬化する従来法において、亜鉛めっき鋼板の場合、ホパイト結晶の結晶水が除去される温度では電着塗膜の硬化が開始しないため、電着塗膜(下塗り塗膜)は、流動性はあるものの、溶媒が含有されていないために高粘性状態にあることから、脱雛結晶水の膨張による発泡を抑制できる。併せて、電着塗膜は薄膜である(膜厚が約20μm)ことから、脱離結晶水の気層への散逸の逃げ道が確保されている。このような機構で、亜鉛めっき鋼板上に形成した複層塗膜にはワキが発生しにくいものと考えられる。
一方、未硬化の下塗り塗膜上へ中塗り塗料を塗布し、これらを同時に加熱硬化する場合においては、亜鉛めっき鋼板上ではホパイト結晶水が除去される温度では、多量の溶媒を含む新たな塗膜中から、溶媒や樹脂成分が下塗り塗膜側へ拡散することにより、下塗り塗膜の粘性が低下する。また、加熱硬化の過程で亜鉛めっき鋼板上に形成した化成被膜中の結晶水が脱離する温度に達したとき、多くの化成被膜の場合において、下塗り塗膜及び新たな塗膜は硬化を開始しておらず、それらの粘性が上昇していない。従って、この結晶水の膨張による発泡を抑制できない。また、下塗り塗膜及び新たな塗膜をウェットオンウェットで塗布すると、膜厚が大きくなるから、脱離した結晶水の気層への散逸が困難になる。従って、脱離したこの結晶水が発泡しやすく、複層塗膜にワキが発生する。
このように、従来の方法では、亜鉛めっき鋼板上にウェットオンウェットで塗装する場合にはワキ発生を防止できない。このため、ウェットオンウェットで塗装する場合にも、複層塗膜のワキを充分に抑えることのできる複層塗膜形成方法が切実に求められていた。
また、例えば自動車車体を塗装する場合、車体が三次元形状であるため、水平塗装面及び垂直塗装面が存在する。従って、塗料粘度を決定する際には、平滑性を高めて嗜好性を向上させるためには低粘度とする必要があると同時に、垂直面のタレ防止のためには高粘度とする必要があるという、互いに背反する問題が課されていた。タレ止め添加剤などを用いながら、この高粘度と低粘度との間で妥協できる塗料粘度を見出し、この粘度の塗料を用いて塗装しているのが現状で、需要者の嗜好性を満足できるレベルの塗装物品を提供することはできなかった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、複層塗膜のワキを充分に抑えることのできる複層塗膜形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、複層塗膜のワキを充分に抑えるとともに、タレを生じさせず、かつ、需要者満足度の高い複層塗膜を形成する方法を提供することにある。
本発明者らは、以上のような目的を達成するために鋭意研究を行った。その結果、素材上に非結晶質系の化成被膜を形成することにより、複層塗膜のワキを、充分に抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)亜鉛めっき鋼板上に、非晶質系の化成被膜を形成する化成処理工程と、この化成被膜上に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成する工程と、この下塗り塗膜上に熱硬化型塗料を塗布し、少なくとも1層の新らたな塗膜を形成する工程と、未硬化状態の前記下塗り塗膜及び前記新たな塗膜を同時に加熱硬化する工程と、を含む複層塗膜形成方法。
(2)前記化成処理工程において、形成後の前記化成被膜を所定条件で予備加熱する工程を含む(1)記載の複層塗膜形成方法。
(3)前記化成被膜は結晶水を有する化合物を含み、前記所定条件はこの結晶水を除去できる条件である(2)記載の複層塗膜形成方法。
(1)の発明によれば、まず化成処理工程において、自動車車体外板等に主に使用される亜鉛めっき鋼板上に、非晶質系の化成被膜を形成する。この化成被膜は結果として非晶質系であればよく、被膜形成時から非晶質となるものであってもよい。
次いで、この加熱された化成被膜上に下塗り塗料(例えば、電着塗料)を塗布し、下塗り塗膜を形成する。更にこの下塗り塗膜上に熱硬化型塗料を塗布し、少なくとも1層の新たな塗膜を形成する。そして、未硬化状態の前記下塗り塗膜及び前記新たな塗膜を同時に加熱硬化する。このとき、化成被膜は非晶質系であるので、結晶水含有量が少ないか又は結晶水を全く有していない。このため、加熱硬化による化成被膜からの結晶水の脱離が少ない又は全くない。このため、発泡、すなわちワキの発生を効果的に防止できる。
以上より、(1)の発明によれば、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、複層塗膜のワキを充分に抑えることができる。
また、(2)の発明によれば、化成処理工程において形成後の化成被膜を所定条件で予備加熱する工程を行うことで、吸着水の除去を促進することができる。ここで、所定条件とは、ウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いて形成する複層塗膜のワキを充分に抑えられる条件をいい、例えば化成被膜の組成などによって異なるため、使用者が適宜選択すればよい。
また、(3)の発明によれば、亜鉛めっき鋼板上に、結晶水を有する化合物を含む化成被膜を形成し、この結晶水を除去できる条件でこの化成被膜を加熱するから、化成被膜から結晶水が除去される。化成被膜が例えばリン酸亜鉛系化合物の場合、結晶水が除去できる条件とは、常温で安定な四水和塩(正塩)が加熱により二水和塩に完全に転換しているか、又はワキ発生を防止できる水準まで一部転換される条件を示す。二水和塩が一水和塩に転換する温度は高温であり、この温度は電着塗料が硬化開始後の温度領域なので、ワキとは無関係であり、本発明における結晶水が除去できる条件の対象としない。そして、上述したワキの発生機構によればワキの原因である結晶水が除去された化成被膜上に複層塗膜を形成するから、複層塗膜のワキを充分に抑えることができる。
(4)前記熱硬化型塗料は、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有し、この活性エネルギー線照射を前記加熱硬化の直前又は同時に行う(1)から(3)いずれか記載の複層塗膜形成方法。
活性エネルギー線照射による塗膜の粘性増大と塗膜外観との関係について、本発明者らが鋭意研究を行った結果、まず、塗装外観測定機「Wave Scan−DOI(商品名)」(BYK Gardner社製)により得られるうねり(Wd)値は、需要者の嗜好性との間に相関性があることが分かった(図1)。そして、水平塗装面及び垂直塗装面ともに、そのWd値と、加熱硬化時間における複素粘性率(加熱時間粘性率)との間には相関性はなく(水平塗装面:図2、垂直塗装面:図3)、熱硬化型液状塗料の付着初期における複素粘性率(初期粘性率)及び前記付着後加熱硬化開始前(準備時間)における複素粘性率(準備時間粘性率)との間には相関性がある(水平塗装面:図4及び図5、垂直塗装面:図6及び図7)ことを見出した。更に、本発明者は、塗膜のタレ性と、初期粘性率及び準備時間粘性率との間には相関性がなく(図8、図9)、加熱時間粘性率との間には相関性がある(図10)ことも見出した。
これらの知見は、初期粘性率及び準備時間粘性率を低くし、加熱時間粘性率を高くすることができれば、従来の各種の曖昧な良否判断基準を尺度にするよりも、より需要者の好みに適った商品的魅力が高いレベルにおいて、需要者に与える嗜好性を調節された塗装物品を、タレを生じさせることなく、提供することができることを示唆する。
しかし、現在使われている自動車用熱硬化型塗料では、初期粘性率及び準備時間粘性率と、加熱時間粘性率と、を独立して制御することができない。従って、初期粘性率及び準備時間粘性率を下げると加熱時間粘性率も連動して下がり、他方、加熱時間粘性率を上げるためには初期粘性率及び準備時間粘性率も連度して上げざるを得ない。
そこで、本発明者らは、熱硬化型液状塗料に活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有させ、この塗料を被塗装物へ付着させた後、この付着塗料に対して前記活性エネルギー線照射及び加熱硬化することにより、これらの粘性率を独立して制御できることを見出た。
即ち、(4)の発明によれば、前記熱硬化型塗料は、活性エネルギー線(例えば、紫外線)照射により粘性が増大する成分(例えば、紫外線硬化モノマー)を含有し、この活性エネルギー線照射を前記加熱硬化の直前又は同時に行う。活性エネルギー線照射をすると、この成分の粘性が増大するから、熱硬化型塗料の粘性率が増大する。また、この照射は加熱硬化の直前又は同時に行うため、初期粘性率及び準備時間粘性率は増大させることなく、加熱時間粘性率のみを増大できる。よって、高いレベルの嗜好性を備える複層塗膜を得るために、初期粘性率及び準備時間粘性率の低い塗料を用いても、タレを生じることなく、複層塗膜を形成できる。更にこの方法を、未硬化下塗り塗膜上に中塗り塗料を塗布し同時に加熱硬化させるウェット塗装方式に応用すれば、より低い初期粘性率及び準備時間粘性率とすることができる。また、この方法は既設ラインに活性エネルギー線照射設備を追加するだけでよいので、塗装プロセス長が延長されることもないし、新たな増員をする必要もない。
従って、(4)の発明によれば、(1)から(3)の発明によるワキ防止効果に加えて、タレを防止しながら平滑性にも優れる複層塗膜を形成できる。
(5)前記新たな塗膜を形成する工程は、未硬化状態の前記下塗り塗膜上に熱硬化型中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成する工程である(1)から(4)いずれか記載の複層塗膜形成方法。
(6)硬化後の前記中塗り塗膜上に、熱硬化型ベース塗料を塗布してベース塗膜を形成する工程と、未硬化状態のこのベース塗膜上に、熱硬化型クリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程と、未硬化状態の前記ベース塗膜及び前記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化する工程と、をさらに含む(5)記載の複層塗膜形成方法。
(7)硬化後の前記クリヤー塗膜上に、熱硬化型オーバーコートクリヤー塗料を塗布して再度加熱硬化する工程をさらに含む(6)記載の複層塗膜形成方法。
(5)の発明によれば、未硬化状態の前記下塗り塗膜上に熱硬化型中塗り塗料を塗布する。この中塗り塗膜の形成によって、下塗り塗膜の粗度が平滑化されるから、複層塗膜の嗜好性を向上できる。中塗り塗膜の形成によって、一部の着色をすることもできる。
本発明に用いられる中塗り塗料としては特に限定されないが、紫外線遮断性を備えた中塗り塗料であることが好ましい。紫外線遮断性の中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成すれば、下塗り塗膜に到達する前に紫外線等が遮蔽されるから、耐候性の弱い下塗り塗膜の紫外線等による劣化を抑制できる。また、必要に応じて、塩害地における石はねによるチッピングを防止するために、下塗り塗膜上に耐チッピングプライマーを塗布し、未硬化の状態で熱硬化型中塗り塗料を塗布し、これらを同時に加熱硬化させるウェット塗装方式を用いてもよい。これにより、硬化後の下塗り塗膜上にチッピングプライマーを塗布し、これらが未硬化の状態において中塗り塗料を塗布し、次いで同時焼付する従来の2ウェット塗装方式と同程度の耐チッピング性を確保することができる。
また、(6)の発明によれば、前記中塗り塗膜上にベース塗膜を形成し、このベース塗膜上にクリヤー塗膜を形成する(いわゆる、上塗り塗膜の形成)。これにより、意匠性、耐候性、耐酸性、耐擦り傷性などの高い複層塗膜を形成できる。
また、(7)の発明によれば、前記クリヤー塗膜上に、オーバーコートクリヤー塗料を塗布して再度加熱硬化する。これにより、(6)で形成される複層塗膜よりも、更に意匠性の高い複層塗膜を形成できる。
(8)前記亜鉛めっき鋼板は、自動車車体用部品又は自動車車体である(1)から(7)いずれか記載の複層塗膜形成方法。
(8)の発明によれば、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、自動車車体用部品又は自動車車体上に形成された複層塗膜のワキを充分に抑えることができる。
本発明によれば、省資源、省コスト及び環境負荷の削減を目指すウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、複層塗膜のワキを充分に抑え、更に、必要に応じてタレを防止しながら平滑性にも優れた複層塗膜形成方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[亜鉛めっき鋼板]
亜鉛めっき鋼板とは、鉄鋼板(例えば、冷間圧延鋼板)上に少なくとも亜鉛が処理された鋼板を指す。亜鉛めっき鋼板は、例えば、電気亜鉛めっき鋼板としてEG(Electric Galvanized steel)、ZL(亜鉛−ニッケル)、EL(亜鉛−鉄)などが挙げられ、溶融亜鉛めっき鋼板としてGIと呼ばれる非合金めっき鋼板、GAと呼ばれる亜鉛−鉄合金化めっき鋼板、GA−E(上層亜鉛−鉄合金めっき)、SD(亜鉛−アルミ−マグネシウム合金めっき)、GL(亜鉛−アルミ合金めっき)などが挙げられる。
これらの亜鉛めっき鋼板は、高いレベルの意匠性が要求される物品、例えば自動車車体、自動2輪車車体、自転車車体、これらの部品、又は建材用板材などが挙げられる。
[化成処理工程]
<化成被膜の形成>
化成被膜の形成方法は、非晶質系であれば特に限定されるものではなく、公知の化成処理剤を使用して、公知の方法で形成すればよい。
このような化成処理剤としては、例えばジルコニウムを用いた非晶質系化成被膜などが挙げられる。化成処理液の組成物としては、特表2001−516810号公報、WO2002/103080号公報、特開2003−334490号公報、特開2004−218070号公報、特開2004一218075号公報に記載されているものを用いることができる。
<化成被膜の予備加熱>
本発明において必須ではないが、化成皮膜の予備加熱を行うことで、更に吸着水の除去を促進できる。加熱方法は、特に限定されるものではなく、用いる化成処理剤の組成に応じて、公知の手段(例えば、遠赤外線ヒーターなど)から適宜選択し、複層塗膜のワキの発生を充分に抑えることのできる加熱温度や時間を適宜選択すればよい。
例えば、亜鉛めっき鋼板上に形成したジルコニウム系化成被膜であれば、この化成被膜を常温でエアーブローした後、遠赤外線ヒーターで鋼板温度として80℃、10分キープさせれば、複層塗膜のワキをより効果的に抑えることができる。
[下塗り塗膜の形成]
下塗り塗膜は、防錆性付与や下地調整を目的とする塗膜をいう。本発明によれば、予め加熱されてワキを生じない化成被膜上に、下塗り塗膜を形成する。従って、使用する下塗り塗料は公知の組成物でよく、塗装方法も特に限定されず、例えばスプレー塗装、ロールコート塗装、電気泳動塗装、インクジェット塗装、浸積塗装、静電塗装、非静電塗装等あらゆる塗膜形成の為の塗装法を適用できる。自動車車体や自動車車体部品の塗装の場合、例えば、カチオン電着塗料又はアニオン電着塗料を用いて、電気泳動法によって電着塗装することができる。
本発明では、結晶水を含まない化成被膜を形成するから、ワキ発生の抑制のためにこの段階で加熱硬化する必要は、特にない。中塗り塗料を塗布する前の下塗り塗膜のゲル分率も任意でよい。
ただし、例えば自動車塗装において、未硬化の下塗り塗膜と中塗り塗膜とを同時に加熱硬化している時に、車体袋構造部において突沸した下塗り塗料が中塗り塗膜へ流れ落ちたり、あるいは溶剤型中塗り塗料を使用する場合に複層塗膜のハジキが不良化したりすることを防止するため、必要最小限の加熱(プレヒート)を施して、下塗り塗膜から水分を除去してもよい。なお、これらの問題が常温でも発生しない環境が整えば、プレヒートの必要はない。
[新たな塗膜の形成]
新たな塗膜の形成は、中塗り塗膜の形成のみ又は上塗り塗膜の形成のみであってもよいし、この中塗り塗膜上に上塗り塗膜を形成してもよい。
<中塗り塗膜の形成、加熱硬化>
中塗り塗料の溶媒は水、公知の溶剤のいずれであってもよく、無溶剤塗料でもよい。硬化開始温度、硬化方式についても、下塗り塗膜の場合と同様に、塗料の組成に応じて、任意に選択できる。
本発明において水性の中塗り塗料を用いる場合、この中塗り塗料には所定の高沸点アルコールが所定量配合されていることが好ましい。所定の高沸点アルコールを所定量配合された中塗り塗料を塗布すると、このアルコールが下塗り塗膜へ移行するから、水性中塗り塗膜の硬化時間を短縮化できるとともに、複層塗膜の平滑性を向上することもできる。なお前述した、下塗り塗膜と中塗り塗膜との間にチッピングプライマー塗膜を形成し、同時に加熱硬化する3ウェット塗装方式も適用できる。このチッピングプライマーは、中塗り塗料とのなじみ適性のある公知の塗料を適用することができ、例えば、中塗り塗料が溶剤系の場合は溶剤系を、水系の場合は親水性溶剤系又は水系のものでよい。
また、活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して粘性増大する成分を含有する熱硬化型塗料を塗布して中塗り塗膜を形成し、次いで、この中塗り塗膜に、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前又は同時に行えば、複層塗膜のワキを充分に抑えるとともに、タレを生じさせず、かつ、より需要者満足度の高い複層塗膜を形成できるため、好ましい。活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して粘性増大する成分としては、従来公知のUV硬化成分等を用いることができる。
<上塗り塗膜の形成、加熱硬化>
上塗り塗膜は、主として塗膜や色彩に光輝性等の美観性及び意匠性を付与し維持するために塗布されるものであり、溶剤型及び水性塗料のいずれでもよいが、低VOC対策上、環境対応型の水性ベース塗料の使用が好ましい。ベース上塗り塗料としては、例えば水性カラーベース塗料、水性メタリック塗料、水性ソリッドベース塗料を挙げることができる。本工程で用いることのできるベース上塗り塗料は、必要に応じてアルコール等の水と可溶しうる媒体を含む水中に、バインダー樹脂を溶解若しくは分散したものであれば、いかなるものでも適用できる。
未硬化の下塗り塗膜上に塗布した中塗り塗料を同時に加熱硬化し、この中塗り塗膜上にベース上塗り塗料及びクリヤー上塗り塗料をウェットオンウェットで塗布しベース上塗り塗膜及びクリヤー上塗り塗膜を形成した後、これらの上塗り塗膜を同時に加熱硬化してもよく、あるいはモノコートソリッドカラー上塗り塗料を塗布し上塗り塗膜を形成した後、未硬化のこの上塗り塗膜を加熱硬化(1コート1ベーク方式)してもよい。あるいは、これらの上塗り塗膜上に更にクリヤー塗膜を形成する方式(オーバーコートクリヤ方式)も適用できる。
また、ここでも上記と同様に、活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して粘性増大する成分を含有する熱硬化型塗料を塗布して上塗り塗膜を形成し、次いで、この上塗り塗膜に、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前又は同時に行えば、複層塗膜のワキを充分に抑えるとともに、タレを生じさせず、かつ、需要者満足度の高い複層塗膜を形成できるため、好ましい。
次に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、ウェットオンウェットで塗装する塗装方法であっても、非晶質系の化成被膜上に下塗り塗膜等を形成することにより、複層塗膜におけるワキを抑える、という本質を損なわない限りにおいて、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例において使用した材料や条件などを以下にまとめて示す。
[化成処理工程]
<化成処理方法A(非晶質系ジルコニウム系化成処理)>
〔工程(1)脱脂〕
濃度1.6重量%、45±2℃に調整した脱脂薬液(日本ペイント社製;EC90)を2分間、鋼板(亜鉛めっき鋼板、冷間圧延鋼板)にスプレーして、この鋼板を脱脂した後、更に同薬液中でこの鋼板に2分間の浸漬脱脂を行った。
〔工程(2)水洗〕
25℃の上水でこの鋼板を2分間オーバーフロー水洗し、これを計2回行った。
〔工程(3)化成処理〕
硝酸ジルコニール(日本軽金属社製)、アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製;KBE―903)、及びフッ化水素酸を水中に溶解させて、ジルコニウム濃度500ppm、フッ素濃度420ppm、アミノプロピルトリエトキシシラン250ppmとし、そこに被膜形成促進剤である硝酸亜鉛を500ppm添加して、化成処理液を得た。温度は43±1℃とし、水酸化ナトリウム又は硝酸によりpH3に調整した化成処理液中に、この鋼板に90秒間の浸漬処理を行った。
〔工程(4)純水洗〕
25℃の純水でこの鋼板を2分間オーバーフロー純水洗し、これを計2回行った後、この純水でこの鋼板を2分間ミスト水洗した。
〔工程(5)乾燥〕
この鋼板を常温でエアーブローした後、付着水分(吸着水)を風乾した。
以上の工程により得られた化成被膜中のジルコニウム密度は、亜鉛めっき鋼板上では60mg/m、冷間圧延鋼板上では80mg/mであった。
<化成処理方法B(結晶質系リン酸亜鉛系化成処理)>
〔工程(1)脱脂〕
濃度16〜20ppm、45±2℃に調整した脱脂薬液(日本パーカライジング社製;FC―L4460)を2分間、鋼板(亜鉛めっき鋼板、冷間圧延鋼板)にスプレーして、この鋼板を脱脂した後、更に同薬液中でこの鋼板に2分間の浸漬脱脂を行った。
〔工程(2)水洗〕
25℃の上水でこの鋼板材を2分間オーバーフロー水洗し、これを計2回行った。
〔工程(3)表面調整〕
濃度1.0〜1.5ppm、pH8.6、25℃に調整した表面調整薬液(日本パーカライジング社製;PL4040)中で、この鋼板に2分間の浸漬処理を行った。
〔工程(4)化成処理〕
全酸度22〜24ppm、遊離酸度0.8〜0.9ppm、促進剤濃度2.5〜3.0ppm、43±1℃に調整した化成処理薬液(日本パーカライジング社製;PB―L―3020)中で、この鋼板に2分間の浸漬処理を行った。
〔工程(5)純水洗〕
25℃の純水でこの鋼板を2分間オーバーフロー純水洗し、これを計2回行った後、この純水でこの鋼板を2分間ミスト水洗した。
〔工程(6)乾燥〕
この鋼板を常温でエアーブローした後、付着水分(吸着水)を風乾した。
以上により得られた化成被膜の被膜量は、亜鉛めっき鋼板上では4.0〜4.4g/m、冷間圧延鋼板上では2.4g/mであった。結晶の大きさは、亜鉛めっき鋼板上では12〜15μm、冷間圧延鋼板上では3〜7μmであった。
[下塗り塗膜形成]
<下塗り塗膜形成方法A>
〔工程(1)電着塗膜の塗布方法〕
化成被膜上に、自動車車体用熱硬化型鉛フリー電着塗料(関西ペイント社製;商品名HG350E)を、浴温28℃、電圧200V、通電時間3分間の条件のもと、乾燥膜厚20μmが得られるように塗布した。
〔工程(2)水分除去〕
熱風乾燥炉内で、鋼板温度80℃で10分間加熱した後、放冷により常温へ冷却した。
<下塗り塗膜形成方法B>
〔工程(1)電着塗膜の塗布方法〕
化成被膜上に、自動車車体用熱硬化型鉛フリー電着塗料(関西ペイント社製;商品名HG350E)を、浴温28℃、電圧200V、通電時間3分間の条件のもと、乾燥膜厚20μmが得られるように塗布した。
〔工程(2)電着塗膜の加熱硬化〕
熱風乾燥炉内で、鋼板温度を10分間で常温から170℃まで昇温させ、これを20分間維持した後、放冷により常温へ冷却した。
[中塗り塗膜(新たな塗膜)形成、加熱硬化]
<中塗り塗膜形成方法A>
〔工程(1)中塗り塗膜の塗布方法〕
自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名HS―60 N9ホワイト)をソルベッソ150(石油系ナフサ溶剤;エクソン化学社製)により、塗料100部に対しソルベッソ150が15重量部になるように希釈し、エアースプレーを用いて、乾燥膜厚が35μmになる量を塗布し、これを常温で10分間放置(セッティング)した。
〔工程(2)中塗り塗膜の加熱硬化方法〕
熱風乾燥炉内で、鋼板温度を10分間で常温から170℃まで昇温させ、これを20分間維持した後、放冷により常温へ冷却した。
<中塗り塗膜形成方法B>
〔工程(1)中塗り塗膜の塗布方法〕
自動車車体用熱硬化型水性中塗り塗料(商品名WP405関西ペイント社製)を、エアースプレーを用いて、乾燥膜厚が35μmになる量を塗布し、常温で10分間セッティングを行った。
〔工程(2)中塗り塗膜の加熱硬化方法〕
熱風乾燥炉内で、鋼板温度を50℃で5分間維持して、予備加熱をした後、鋼板温度を10分間で50℃から170℃まで昇温させ、これを20分間維持した後、放冷により常温へ冷却した。
<中塗り塗膜形成方法C>
〔工程(1)中塗り塗膜の塗布方法〕
ジエチレングリコールモノブチルエーテルを自動車車体用熱硬化型水性中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名WP405)の全固形分に対し10体積%になるよう配合した塗料を、エアースプレーを用いて、乾燥膜厚が35μmになる量を塗布し、常温で10分間セッティングを行った。
〔工程(2)中塗り塗膜の加熱硬化方法〕
熱風乾燥炉で鋼板温度50℃で5分間キープさせ予備加熱した後50℃から170℃までを10分で昇温させ、以降20分キープさせた後、放冷により常温へ冷却した。
<中塗り塗膜形成方法D>
〔工程(1)中塗り塗膜の塗布方法〕
自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名HS-60 N9ホワイト)をソルベッソ150(石油系ナフサ溶剤;エクソン化学社製)にて塗料100部に対し15重量部になるように希釈し、エアースプレーを用いて、乾燥膜厚が35μmになる量を塗布し、常温で10分間セッティングした。
〔工程(2)中塗り塗膜の加熱硬化方法〕
熱風乾燥炉内で、鋼板温度を10分間で常温から140℃まで昇温させ、これを30分間維持した後、放冷により常温へ冷却した。
<中塗り塗膜形成方法E>
〔工程(1)中塗り塗膜の塗布方法〕
自動車車体用熱硬化型水性中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名WP405)を、エアースプレーを用いて、乾燥膜厚が35μmになる量を塗布し、常温で10分間セッティングした。
〔工程(2)中塗り塗膜の加熱硬化方法〕
熱風乾燥炉で鋼板温度を50℃で5分間維持した後、10分間で50℃から140℃まで昇温させ、これを30分間維持した後、放冷により常温へ冷却した。
<実施例1〜8、比較例1〜9>
(実施例1)
亜鉛めっき鋼板EG(新日本製鐵社製;商品名ジンコート)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法A)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例2)
亜鉛めっき鋼板ZL(新日本製鐵社製;商品名ジンクライト)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法A)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例3)
亜鉛めっき鋼板GI(新日本製鐵社製;商品名シルバージンク)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法A)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例4)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法A)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例5)
亜鉛めっき鋼板EG(新日本製鐵社製;商品名ジンコート)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例6)
亜鉛めっき鋼板ZL(新日本製鐵社製;商品名ジンクライト)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例7)
亜鉛めっき鋼板GI(新日本製鐵社製;商品名シルバージンク)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(実施例8)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法A)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例1)
亜鉛めっき鋼板EG(新日本製鐵社製;商品名ジンコート)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例2)
亜鉛めっき鋼板ZL(新日本製鐵社製;商品名ジンクライト)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例3)
亜鉛めっき鋼板GI(新日本製鐵社製;商品名シルバージンク)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例4)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例5)
冷間圧延鋼板SPC(新日本製鐵社製)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例6)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理を施さずに、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法B)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例7)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法A)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法C)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例8)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、下塗り塗膜を形成する工程(下塗り塗膜形成方法B)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法E)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
(比較例9)
亜鉛めっき鋼板GA(新日本製鐵社製;商品名シルバーアロイ)上に、化成処理工程(化成処理方法B)と、中塗り塗膜(1層の新たな塗膜)を形成する工程と、加熱硬化する工程と、(中塗り塗膜形成方法A)からなる複層塗膜形成方法によって、複層塗膜を形成した。
[ワキの評価方法]
ワキの評価は、実施例1〜8、比較例1〜9によって形成した複層塗膜を目視し、以下の基準によって行った。それぞれの評価結果を表1に示す。
評点1・・・ワキが塗膜一般面及びエッジ溜まり部に無数に存在し、縮み外観を呈している。
評点2・・・ワキが塗膜一般面及びエッジ溜まり部に多数存在する。
評点3・・・ワキが塗膜一般面及びエッジ溜まり部に散見される。
評点4・・・ワキが塗膜一般面には発生していないがエッジ溜まり部に散見される。
評点5・・・ワキが塗膜一般面及びエッジ溜まり部共に発生していない。
[試験結果]
総ての試験結果を表1にまとめて示す。なお、表1中、2C1Bとは2コート1ベーク方式、2C2Bとは2コート2ベーク方式を表す。
Figure 2006334485
実施例1〜4(中塗り塗料の溶媒:溶剤)、実施例5〜8(中塗り塗料の溶媒:水)のいずれにおいても、複層塗膜のワキ評点は5だったことから、本発明においては、中塗り塗料の溶媒が溶剤、水のいずれも使用できることが示された。また、中塗り塗料の塗布前に下塗り塗膜を加熱硬化する比較例8で形成された複層塗膜と同じワキ評点だったことから、本発明によれば、ウェットオンウェットで塗装する塗装方法を用いても、同等のワキ抑制効果を得られることが示された。
実施例5〜8で形成された複層塗膜のワキ評点は5だったのに対し、比較例1〜4で形成された複層塗膜のワキ評点は2だった。従って、EZ、ZL、GI、GAのいずれの亜鉛めっき鋼板上に形成する複層塗膜のワキの発生を抑えるためには、化成処理方法Bでは不充分で、化成処理方法Aによる化成処理工程が有効であることがわかる。
一方、比較例1〜4で形成された複層塗膜のワキ評点は2だったのに対し、比較例5で形成された複層塗膜のワキ評点は5だったことから、化成処理方法Bによる化成処理であっても、冷間圧延鋼板(亜鉛めっきをされていない鋼板)上に形成するのであれば、複層塗膜にワキは生じないことが示された。従って、本発明は、特に亜鉛めっき鋼板上に形成する場合に有効である。
比較例4で形成された複層塗膜のワキ評点は2だったのに対し、実施例4、実施例8、比較例6で形成された複層塗膜のワキ評点は5だったことから、ワキ発生の原因は、亜鉛めっき自体にあるのではなく、亜鉛めっき鋼板上に化成処理方法Bによって形成した化成被膜にあることが示された。
比較例4で形成された複層塗膜のワキ評点は2だったのに対し、比較例7で形成された複層塗膜のワキ評点は1だったことから、下塗り塗料の親溶媒を中塗り塗料に配合すると、ワキの発生が促進されることが示された。この理由は、下塗り塗料の粘性が低下したため、結晶水の膨張による発泡を抑制できないからだと推定される。
比較例4で形成された複層塗膜のワキ評点は2だったのに対し、比較例9で形成された複層塗膜のワキ評点は1だったことから、未硬化の下塗り塗膜を中塗り塗膜と同時に加熱硬化すること自体が、ワキ発生の原因である訳ではないことが示された。
<実施例9〜17、比較例10〜11>
実施例9〜17、比較例10〜11における条件などを述べるにあたり、穴タレ限界膜厚について説明する。穴タレ限界膜厚は、それぞれの条件の工程を経て得られる試験板において、穴下端からのタレ筋が5mmを超えない、新たな塗膜(中塗り、上塗り、オーバーコート塗膜)の膜厚の最大値を、穴タレ限界膜厚とした。
(実施例9)
直径10mmの穴が穴中心間ピッチ30mmの間隔で設けられた冷間圧延鋼板に化成処理方法Aによる化成処理を施した、次いで、下塗り塗膜形成方法Aにより、下塗り塗膜を形成し、穴タレ下地試験板を得た。
ソルベッソ150(石油系ナフサ溶剤;エクソン化学社製)、ソルベッソ100(石油系ナフサ溶剤;エクソン化学社製)、n−ブチルアルコールを60/30/10の重量比率で混合して希釈溶剤を作成した。前記穴タレ試験板上に自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名HS―60 N9ホワイト)塗布し、10分間セッティングし、加熱硬化(170℃、20分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、この中塗り塗料を前記希釈溶剤によって希釈した。
表面粗さ{Wa(カットオフ0.8mm)=1.127μm、Wa(カットオフ1〜10mm)=0.239μm}の溶融亜鉛めっき鋼板GA(住友金属社製)上に、化成処理方法Aによる化成処理を行い、表面粗さ{Wa(カットオフ0.8mm)=0.964μm、Wa(カットオフ1〜10mm)=0.21μm}の化成処理試験板を得た。次いで、この化成処理試験板上に、下塗り塗膜形成方法Aによる下塗り塗膜形成工程を経て、下塗り塗膜を形成した(下塗り塗膜付板)。
前記希釈後の中塗り塗料をこの下塗り塗膜上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μmを得られる吐出量、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量をそれぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で170℃になる昇温速度で加熱し、その後20分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
塗装機及び塗装条件は、EGベル5型(ホンダエンジニアリング社製)、ベルカップ径50φ、基本塗装速度500mm/秒、パターン巾300mm、ロボットガン移動ピッチ100mm、ガン距離210mm、ベル回転数35000rpm、シェーピングエアー300nl/分、印加電圧60kV、1ゲート塗装であった。
(実施例10)
自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(ホワイト関西ペイント社製;商品名HS―60 N9)に、UV硬化性モノマであるペンタエリスリトールテトラアクリレート(三菱レイヨン社製;商品名UK4154)、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製;商品名IRGACURE819)を、熱硬化性樹脂/UV硬化性モノマ/光重合開始剤の固形分重量比率で80/20/3となるよう添加した。実施例9で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名HS―60 N9ホワイト)塗布し、準備時間(10分間)、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Vバルブ)によるUV照射(500mJ)、加熱硬化(170℃、20分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、この中塗り塗料を、実施例9で作成した希釈溶剤で希釈した。
この希釈後の中塗り塗料を実施例9で作成した下塗り塗膜付板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μmを得られる吐出量、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量をそれぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Vバルブ)によるUV照射(500mJ)をした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、鋼板温度が10分間で常温から170℃になる昇温速度で加熱し、その後20分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
(実施例11)
実施例9で用いたものと同じ冷間圧延鋼板に化成処理方法Aによる化成処理を施した。次いで、下塗り塗膜形成方法A(1)と同じ条件で下塗り塗料を塗布した後、加熱硬化(170℃、20分間)して、穴タレ下地試験板を作成した。
この穴タレ下地試験板上に、乾燥膜厚12μmを得られる吐出量の自動車車体用熱硬化型水性着色ベースコート塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名アクアBC3 B92Pブラックパール)を塗布し、80℃5分プレヒートしてベースコート上塗り塗膜を得た後、このベースコート上塗り塗膜上に、自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)を塗布し、10分間セッティングし、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このクリヤー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で、希釈した。
実施例9で得られた平滑性評価試験板上に、乾燥膜厚12μmを得られる吐出量の前記ベースコート塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名アクアBC3 B92Pブラックパール)を塗布し、80℃5分プレヒートした後、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、この希釈後クリヤー塗料をそれぞれ塗布した。次いで、水平評価用試験板は水平状態で、垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
ベースコートの塗装に用いた塗装機、塗装条件は、回転霧化型水性塗料用内部印加ベル(ホンダエンジニアリング社製;商品名EGベル7型)、ベルカップ径70φ、基本塗装速度500mm/秒、パターン巾250mm、ロボットガン移動ピッチ70mm、ガン距離250mm、ベル回転数32000rpm、シェービングエアー700nl/分、印加電圧50kV、2ゲート塗装であった。クリヤー塗料の塗装機、塗装条件は、EGII型μμ改ベル(ホンダエンジニアリング社製)、ベルカップ径50φ、基本塗装速度500mm/秒、パターン巾300mm、ロボットガン移動ピッチ70mm、ガン距離250mm、ベル回転数40000rpm、シェーピングエアー500nl/分、印加電圧90kV、1ゲート塗装であった。
(実施例12)
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)を塗布し、10分間セッティングし、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このクリヤー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で、希釈した。
実施例11で得られた平滑性評価試験板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)を、それぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
クリヤー塗料の塗装に用いた塗装機、塗装条件は、実施例11でクリヤー塗料を塗装したときと同じにした。
(実施例13)
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、自動車車体用熱硬化型ソリッドカラー塗料(日本ペイント社製;商品名OS61)を塗布し、10分間セッティングし、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このソリッドカラー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で、希釈した。
実施例9で得られた平滑性評価試験板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、この希釈後ソリッドカラー塗料を、それぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
ソリッドカラー塗料の塗装に用いた塗装機、塗装条件は、実施例11でクリヤー塗料を塗装したときと同じにした。
(実施例14)
自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)、UV硬化性モノマであるペンタエリスリトールテトラアクリレート(三菱レイヨン社製;商品名UK4154)、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製;商品名IRGACURE754)を、熱硬化性樹脂/UV硬化性モノマ/光重合開始剤の固形分重量比率で80/20/3となるよう添加した。
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、乾燥膜厚12μmを得られる吐出量の自動車車体用熱硬化型水性着色ベースコート塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名アクアBC3 B92Pブラックパール)を塗布し、80℃で5分間プレヒートした後、前記クリヤー塗料を塗布し、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Hバルブ)によるUV照射(500mJ)、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このクリヤー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で希釈した。
実施例9で得られた平滑性試験板に、乾燥膜厚12μmを得られる吐出量の前記ベースコート塗料を塗布し、80℃で5分間プレヒートした後、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μmを得られる吐出量、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、この希釈後クリヤー塗料をそれぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Hバルブ)によるUV照射(500mJ)をした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、鋼板温度が10分間で常温から140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
(実施例15)
自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)、UV硬化性モノマであるペンタエリスリトールテトラアクリレート(三菱レイヨン社製;商品名UK4154)、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製;商品名IRGACURE754)を、熱硬化性樹脂/UV硬化性モノマ/光重合開始剤の固形分重量比率で80/20/3となるよう添加した。
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、自動車車体用熱硬化型溶剤クリヤー塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名ベルコートNo.6100)を塗布し、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Hバルブ)によるUV照射(500mJ)、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このクリヤー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で希釈した。
実施例11で得られた平滑性評価試験板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、この希釈後クリヤー塗料を、それぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Hバルブ)によるUV照射(500mJ)をした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、鋼板温度が10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
(実施例16)
自動車車体用熱硬化型ソリッドカラー塗料(日本ペイント社製;商品名OS61)、UV硬化性モノマであるペンタエリスリトールテトラアクリレート(三菱レイヨン社製;商品名UK4154)、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製;商品名IRGACURE819)を、熱硬化性樹脂/UV硬化性モノマ/光重合開始剤の固形分重量比率で80/20/3となるよう添加した。
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、自動車車体用熱硬化型ソリッドカラー塗料(日本ペイント社製;商品名OS61)を塗布し、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Vバルブ)によるUV照射(500mJ)、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、このソリッドカラー塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で希釈した。
実施例9で得られた平滑性評価試験板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、この希釈後ソリッドカラー塗料を、それぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、UV照射装置(フュージョンUVシステムズ社製;商品名Vバルブ)によるUV照射(500mJ)をした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、鋼板温度が10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
ソリッドカラー塗料の塗装機、塗装条件は、実施例11でクリヤー塗料を塗装したときと同じにした。
(実施例17)
実施例14で得られた平滑性評価試験板上(水平垂直)に、実施例15と同じ条件でクリヤー塗料を塗布し、実施例15と同様の条件で平滑性評価試験板を得た。
(比較例10)
実施例11で使用したものと同じ穴タレ下地試験板上に、自動車車体用熱硬化型溶剤中塗り塗料(関西ペイント社製;商品名HS―60 N9ホワイト)塗布し、準備時間(10分間)、加熱硬化(140℃、30分間)を経た後の穴タレ限界膜厚が35μmになることを予め確認してある希釈度で、この中塗り塗料を実施例9で作成した希釈溶剤で希釈した。
実施例9で使用したものと同じ溶融亜鉛めっき鋼板GA上に、化成処理方法Bによる化成処理を行い、表面粗さ{Wa(カットオフ0.8mm)=0.969μm、Wa(カットオフ1―10mm)=0.22μm}の化成処理試験板を得た。次いで、この化成処理試験板上に、下塗り塗膜形成方法A(1)と同じ条件で下塗り塗料を塗布した後、水平評価用試験板は水平状態で、垂直評価用試験板は垂直状態で、それぞれ熱風乾燥内に投入し、10分間で170℃になる昇温速度で加熱し、その後20分間維持した後、放冷により常温へ冷却して、下塗り塗膜を形成した(下塗り塗膜付板)。
前記希釈後の中塗り塗料を、この下塗り塗膜付板上に、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μmを得られる吐出量、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量をそれぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングした後、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
(比較例11)
比較例10で得られた平滑性評価試験板上に、乾燥膜厚12μmを得られる吐出量の自動車車体用熱硬化型水性着色ベースコート塗料(日油BASFコーティングス社製;商品名アクアBC3 B92Pブラックパール)を塗布し、80℃で5分間プレヒートした後、水平評価用試験板には乾燥膜厚35μm、垂直評価用試験板には乾燥膜厚30μmを得られる吐出量の、実施例11で使用した希釈後クリヤー塗料をそれぞれ塗布した。次いで、この水平評価用試験板は水平状態で、この垂直評価用試験板は垂直状態で、10分間セッティングし、それぞれその状態のまま熱風乾燥内に投入し、10分間で140℃になる昇温速度で加熱し、その後30分間維持することにより、平滑性評価試験板を得た。
[ワキの評価方法]
上述したワキの評価方法と同じ条件により、ワキの評価を行った。以下に述べるWa、Wdは共に、オレンジピール、長波長うねり、平滑感などと表現されるうねりを表し、その値が小さい程、複層塗膜表面が平滑であるという性質を備えるパラメータである。なお、光学的外観測定機(BYK Gardner社製;商品名Wave Scan−DOI)は、塗膜の光沢によって対象とするうねりの波長成分の平滑度が影響を受けるため、中塗り塗膜表面の平滑性評価は、表面粗さパラメータWaにて行った。
[平滑性評価方法(Wa)]
Waは、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製;商品名サーフテストSV‐3000S4・3D)を用いて、スタイラス先端半径5μm、スタイラス先端角度90°でX軸評価長さ52mm、サンプリングピッチ10μmの条件のもと、1本の断面曲線データを採取し、1mmの低域カットオフフィルタで1mm以下の波長成分を遮断し、10mmの高域カットオフフィルタで10mm以上の波長成分を遮断することによって得たうねり曲線から、JIS B0601 4.2.1において、Wa=1/L∫ |Z(x)|dxで定義される算術平均うねりを求めた。これを異なる部位で3回繰り返しその平均値を採用した。
[平滑性評価方法(Wd)]
Wdは、光学的外観測定機(BYK Gardner社製;商品名Wave Scan−DOI)から得られるパラメータの中の一つで、波長1〜10mmの成分のうねりの大きさを示すパラメータである。測定は異なる部位を10回測定し、最高値と最低値とを除いた8点のデータの平均値を採用した。
[試験結果]
それぞれの評価結果を表1に示す。この表1から、以下のことが示された。
比較例10に比べて実施例9、比較例11に比べて実施例11で形成された複層塗膜のWa値が、水平塗装面、垂直塗装面のいずれにおいても低かったことから、本発明によれば、ウェットオンウェットで塗装した方が、複層塗膜の嗜好性が高まることが示された。
実施例9で形成された複層塗膜のWa値に比べて、実施例10で形成された複層塗膜のWa値が、水平塗装面、垂直塗装面のいずれにおいても低かった。従って、本発明においては、複層塗膜の嗜好性を高めるために粘性の低い中塗り塗料を用いても、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有する中塗り塗料を塗布し、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前に行えば、タレを生じることなく、嗜好性の高い複層塗膜を形成できることが示された。
実施例11に比べて実施襟14、実施例13に比べて実施例16で形成された複層塗膜のWa値が、水平塗装面、垂直塗装面のいずれにおいても低かった。従って、本発明においては、いずれの上塗り塗膜形成方法であっても、複層塗膜の嗜好性を高めるために粘性の低い上塗り塗料を用いても、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有する上塗り塗料を塗布し、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前に行えば、タレを生じることなく、嗜好性の高い複層塗膜を形成できることが示された。
実施例12で形成された複層塗膜のWa値に比べて、実施例15で形成された複層塗膜のWa値が、水平塗装面、垂直塗装面のいずれにおいても低かった。従って、本発明において、複層塗膜の嗜好性を高めるために粘性の低いオーバーコートクリヤー塗料を用いても、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有するオーバーコートクリヤー塗料を塗布し、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前に行えば、タレを生じることなく、嗜好性の高い複層塗膜を形成できることが示された。
実施例15で形成された複層塗膜のWa値に比べて、実施例17で形成された複層塗膜のWa値が、水平塗装面、垂直塗装面のいずれにおいても低かった。従って、本発明においては、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有するオーバーコートクリヤー塗料を塗布し、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前に行うことに加えて、複層塗膜の嗜好性を高めるために粘性の低い第1クリヤー塗料を用いても、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有する第1クリヤー塗料を塗布し、この活性エネルギー線照射を加熱硬化の直前に行えば、タレを生じることなく、嗜好性のより高い複層塗膜を形成できることが示された。
Wave Scan−DOI(商品名)によるうねり(Wd)と、嗜好スコアとの関係を示す図である。 水平塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(加熱時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 垂直塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(加熱時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 水平塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(初期粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 水平塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(準備時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 垂直塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(初期粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 垂直塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(準備時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 タレ安全率(タレ性指標)と塗料特数(初期粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 タレ安全率(タレ性指標)と塗料特数(準備時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。 垂直塗装面のWd(嗜好性指標)と塗料特数(加熱時間粘性率を用いた指標)との関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 亜鉛めっき鋼板上に、非晶質系の化成被膜を形成する化成処理工程と、
    この化成被膜上に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成する工程と、
    この下塗り塗膜上に熱硬化型塗料を塗布し、少なくとも1層の新らたな塗膜を形成する工程と、
    未硬化状態の前記下塗り塗膜及び前記新たな塗膜を同時に加熱硬化する工程と、
    を含む複層塗膜形成方法。
  2. 前記化成処理工程において、形成後の前記化成被膜を所定条件で予備加熱する工程を含む請求項1記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記化成被膜は結晶水を有する化合物を含み、
    前記所定条件はこの結晶水を除去できる条件である請求項2記載の複層塗膜形成方法。
  4. 前記熱硬化型塗料は、活性エネルギー線照射により粘性が増大する成分を含有し、
    この活性エネルギー線照射を前記加熱硬化の直前又は同時に行う請求項1から3いずれか記載の複層塗膜形成方法。
  5. 前記新たな塗膜を形成する工程は、
    未硬化状態の前記下塗り塗膜上に熱硬化型中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成する工程である請求項1から4いずれか記載の複層塗膜形成方法。
  6. 硬化後の前記中塗り塗膜上に、熱硬化型ベース塗料を塗布してベース塗膜を形成する工程と、
    未硬化状態のこのベース塗膜上に、熱硬化型クリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程と、
    未硬化状態の前記ベース塗膜及び前記クリヤー塗膜を同時に加熱硬化する工程と、
    をさらに含む請求項5記載の複層塗膜形成方法。
  7. 硬化後の前記クリヤー塗膜上に、熱硬化型オーバーコートクリヤー塗料を塗布して再度加熱硬化する工程をさらに含む請求項6記載の複層塗膜形成方法。
  8. 前記亜鉛めっき鋼板は、自動車車体用部品又は自動車車体である請求項1から7いずれか記載の複層塗膜形成方法。
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JP2013508157A (ja) * 2009-10-27 2013-03-07 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング コンパクトな被覆システム及び方法
JP2013202495A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Kmew Co Ltd 化粧建築板の製造方法
JP2017154501A (ja) * 2016-03-01 2017-09-07 Jfe鋼板株式会社 塗装亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法

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