JP2017154041A - イオン交換材料およびその製造方法 - Google Patents

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Toshiyuki Tanaka
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Abstract

【課題】リン酸イオン等に対するイオン交換能の高いイオン交換材料およびその製造方法を提供すること。【解決手段】金属水酸化物層間の陰イオンがギ酸イオンである層状複水酸化物[M2+1−xM3+x(OH)2]x+(HCOO−)x・mH2O(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)であることを特徴とする、オルトリン酸用のイオン交換材料である。製造に際しては1−プロパノールを溶媒とすることが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、イオン交換材料およびその製造方法に関し、特に、リン等の水中有害物質の除去能力の高いイオン交換材料およびその製造方法に関する。
従来、層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)という、無機の骨格である金属水酸化物層を有する層状化合物が知られている。これは、一般式は[M2+ 1−x3+ (OH)x+(Ay−x/y・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)として表される鉱物であり、金属水酸化物層間の陰イオンを別の陰イオンに交換する陰イオン交換能を有することが知られている。
そのうち、ハイドロタルサイト:MgAl(OH)16CO・4HOは、別途、制酸剤として胃腸薬に使用されたり、塩化ビニールの安定剤として配合されたりしている。
WO2012−102151
本発明は、リン酸イオン等に対するイオン交換能の高いイオン交換材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のイオン交換材料は、金属水酸化物層間の陰イオンがギ酸イオンである層状複水酸化物[M2+ 1−x3+ (OH)x+(HCOO・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)であることを特徴とする、オルトリン酸用のイオン交換材料である。
なお、リン系のイオン用に限らず、I,Br,Cl,NO を含み、他のイオンも交換可能である。すなわち、より上位に「金属水酸化物層間の陰イオンがギ酸イオンである層状複水酸化物[M2+ 1−x3+ (OH)x+(HCOO・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)であることを特徴とするイオン交換材料」としてもよい。
請求項2に記載のイオン交換材料は、請求項1に記載のイオン交換材料において、二価の金属がMg、三価の金属がAlであることを特徴とする。
請求項3に記載のイオン交換材料の製造方法は、1−プロパノールを溶媒として、層状複水酸化物[M2+ 1−x3+ (OH)x+(CO 2−x/2・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)中の炭酸イオンをギ酸イオンに置換し、イオン交換材料を得ることを特徴とするイオン交換材料の製造方法である。
なお、1−プロパノール下では、炭酸イオンからギ酸イオンへの事実上の当量置換が可能であるので、置換に際しては、製造過程におけるギ酸の添加量は、炭酸イオン量の90%〜110%当量となるようにするのが好ましく、95%〜105%当量となるようにするのが更にが好ましい。
また、1−プロパノール中のギ酸の溶解濃度は、3mmol/l〜520mmol/lであることが好ましく、当量置換の観点からは13mmol/l〜260mmol/lとするのが更に好ましい(なお、層状複水酸化物は固体であるため、ギ酸の1−プロパノール溶液との固液比としては、概ね1g/l〜160g/lであることが好ましく、当量置換の観点からは概ね4g/l〜80g/lとするのが更に好ましい)。
請求項4に記載の請求項3に記載のイオン交換材料の製造方法は、層状複水酸化物がハイドロタルサイトであることを特徴とする。
本発明によれば、リン酸イオン等に対するイオン交換能の高いイオン交換材料およびその製造方法を提供することができる。
ハイドロタルサイト(炭酸型)と得られた粉末試料(ギ酸型ハイドロタルサイト)についてのFTIRスペクトルである。 液中のNO ,F,Cl,Br,Iの収着量と、ギ酸イオンの放出量との関係を示したグラフである。 ギ酸型ハイドロタルサイトのリン置換能を示したプロットである。あわせて、炭酸型ハイドロタルサイトのリン置換能もプロットしてある。
本願発明者は、主として制酸剤や樹脂添加剤、また、難燃剤として利用されているハイドロタルサイトのイオン交換能に着目し、本願はその能力向上を鋭意検討する中でなされた発明である。すなわち、ゲスト層の炭酸イオンをギ酸イオンに置換すると著しいイオン交換能を発揮する層状複水酸化物となり、特に、少なくともリン系イオンを極めて効率的に除去できることを発見したことに基づく発明である。また、ギ酸イオンに置換する際に効果的な溶媒が1−プロパノールであることを見いだしたことに由来する、製造方法に関する発明でもある。
<製造例>
まず、1−プロパノール(和光純薬工業社製、特級:濃度99.5%)にギ酸(和光純薬工業社製、特級:濃度98%)を溶解し、ギ酸13mmol/lの1−プロパノール溶液を調整した。
次に、この溶液50mlに、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、品番DHT−6)を0.2g添加し(固液比4g/l)、蓋付きガラス管で撹拌した後、4000rpm×5分間遠心分離した。
固形分をとりわけ、これを1−プロパノールで洗浄した後、真空乾燥して粉末試料を得た。
ハイドロタルサイトと得られた粉末試料についてのFTIRスペクトルを図1に示す。炭酸イオンが減少する一方でギ酸イオンが増加しており、ピーク面積の比から、炭酸イオンの90%以上がギ酸イオンに置換されていることが確認できた。すなわち、1−プロパノールを用いた場合、事実上当量で炭酸イオンがギ酸イオンに置換することが確認できた。
以降では、得られた試料をギ酸型ハイドロタルサイトと称することとする。なお、原料であるハイドロタルサイト自体を炭酸型ハイドロタルサイトと適宜称することとする。
<比較製造例>
この他、ギ酸の溶媒として、水、ヘキサン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、を用い、ギ酸13mmol/lの溶液を調整し、同様にギ酸型ハイドロタルサイトの製造を試みた。
まず、水、ヘキサンの場合は、炭酸型のままであり、全くギ酸型への置換が起こらなかった。
次に、メタノールとエタノールについては、1−プロパノールを用いた場合と同等以上にギ酸型への置換が進行したが、同時に、骨格部分の金属水酸化物層自体の溶解が顕著であり、イオン交換材料として使用できるものとはならなかった。
2−プロパノール、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドについては、いずれも1−プロパノールを溶媒とした場合ほどはギ酸型に置換しなかった。
<製造条件>
次に、ギ酸の1−プロパノール溶液の濃度について検討した。
まず、ギ酸の1−プロパノール溶液について、ギ酸を炭酸イオンの当量となる量より少なく仕込んだ場合、ギ酸型への置換が十分とならならないことを確認した。反対に、ギ酸を炭酸イオンの当量となる量より過剰にして仕込んだ場合、骨格の溶解が顕著であることも確認した。
したがって、準備したギ酸溶液に、当量となる炭酸型タルサイトを振盪や撹拌により速やかに分散させ、骨格構造を維持させつつ炭酸型からギ酸型への置換反応を進行させることが重要である。このとき、収量をなるべく多くするため、ギ酸濃度を高くそしてハイドロタルサイトを多く添加して、固液比を大きくすることが理想であるが、性向として上述のように、濃度が高すぎると骨格構造にダメージを与えてしまい、イオン交換材料とならない。材としての姿を維持できる上限を検討したところ、ギ酸濃度520mmol/l(固液比160g/l)であった。濃度を下げていく検討をおこなったところ、ダメージがギリギリ生じない上限はギ酸濃度260mmol/l(固液比80g/l)であった。置換反応時間にも依存するが、ギ酸濃度の下限は13mmol/lであり、これより濃度が低いと、炭酸型が残存してくるようになることを確認した。
<ギ酸型ハイドロタルサイトのイオン交換能>
ギ酸型ハイドロタルサイトがイオン交換材料であることを確認する試験をおこなった。
ギ酸型ハイドロタルサイト0.5gを、KNO,KF,KCl,KBr,KIの50mmol/l水溶液50mlにそれぞれ加え、所定時間振盪させた後、固液分離した。
分離後の液中のNO ,F,Cl,Br,Iの収着量と、ギ酸イオンの放出量との関係を図2に示した。直交回帰線の傾きはほぼ1であり、上記一価の陰イオンと一価のギ酸イオンとが1対1で交換していることが確認できた。すなわち、ギ酸型ハイドロタルサイトがイオン交換材料であることが確認できた。
次に、ギ酸型ハイドロタルサイトのリン除去能力を、炭酸型ハイドロタルサイトとの比較において確認する試験をおこなった。
ギ酸型ハイドロタルサイトと炭酸型のハイドロタルサイトとを、それぞれ0.5gとり、10mmol/lのリン酸水素二カリウム水溶液50mlに加え、所定時間振盪させた後固液分離した。
分離後の液中のリンと有機物の濃度とをプロットしたものを図3に示す。なお、リン酸は、水中でリン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、二リン酸イオン、三リン酸イオン等となるため、ここでは、全リンの濃度をリン濃度として算出した。また、有機物の濃度はTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)として評価した。図から明らかなように、炭酸型ではリンへの若干の置換は見られるものの事実上リンを除去できないのに対して、ギ酸型では振盪1時間以内に99%のリン吸着(リン除去)を実現することを確認した。また、その後にギ酸の再置換が生じないことも確認した。すなわち、ギ酸型ハイドロタルサイトには、想定外のリン除去能力を発揮することが確認できた。なお、図2に示した結果も考慮すると、リン系のイオンだけでなく、陰イオン全般に対して広くイオン交換能力を有するといえる。
ギ酸型ハイドロタルサイトは、リン系のイオン、その他、硝酸イオン等を除去できるので、下水処理場等における排水処理に好適である。

Claims (4)

  1. 金属水酸化物層間の陰イオンがギ酸イオンである層状複水酸化物[M2+ 1−x3+ (OH)x+(HCOO・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)であることを特徴とする、オルトリン酸用のイオン交換材料。
  2. 二価の金属がMg、三価の金属がAlであることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換材料。
  3. 1−プロパノールを溶媒として、層状複水酸化物[M2+ 1−x3+ (OH)x+(CO 2−x/2・mHO(ただし、M2+は二価の金属イオン、M3+は三価の金属イオン、0<x<1、mは整数)中の炭酸イオンをギ酸イオンに置換し、イオン交換材料を得ることを特徴とするイオン交換材料の製造方法。
  4. 層状複水酸化物がハイドロタルサイトであることを特徴とする請求項3に記載のイオン交換材料の製造方法。
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