JP2017152228A - 高圧開閉器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易・小型の構造であるにも拘わらず絶縁性能を安定的に維持するとともに、活線状態の開閉接点部と非活線状態の開閉接点部が並ぶ箇所の電界緩和を実現する高圧開閉器を提供する。
【解決手段】複数並べて配置されたモールド開閉器10が高圧母線と地中配電線の間の電路を開閉するようになされた高圧開閉器に関するものであり、空間を挟んで対向する二個のモールド開閉器10の側面の少なくとも一方に電界緩和処理面120が形成される高圧開閉器とした。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば高圧母線と配電線の間の電路を開閉する高圧開閉器に関する。
従来技術の高圧開閉器では、相間方向の寸法を小型化しようとした場合に異なる回路間で電界による影響を受けることがあった。高圧開閉器で電界による影響が発生する理由および電界緩和の必要性について図を参照しつつ説明する。図10は、高圧開閉器における電界による影響の発生の説明図である。高圧開閉器の設置箇所で、配線作業の前に、回路の死活を判別する検電作業を行う。この検電作業時において、例えば、第1回路は電圧が印加された活線状態であり、かつ、第1回路に隣接する第2回路は電圧が印加されていない非活線状態であるものとする。そして、異回路間である第1回路と第2回路との間の隙間距離dが数mm程度と小さいものとする。
この際、電圧が印加されていない第2回路の地中配電線側の導体部に、電圧が印加されている第1回路からの静電誘導により電圧が誘起されることがある。そうすると、第2回路は、電圧が印加されていないにもかかわらず、検電作業時に活線状態であると誤認されるおそれがある。そこで、このような電圧が誘起されないようにするため、異回路(図10の第1回路と第2回路など)の間の箱体Cの隙間に誘導性の金属板を挿入する方法が考えられる。
この種の先行技術が、例えば特許文献1(特許第4374207号公報)にも開示されている。特許文献1の地中配電用気中モールド開閉器は、三相分の接点部を一回路とし、この回路を複数有する。特許文献1の図9,図10の金属製の取付金具Dの側面板34や取付板35は、隣接する箱体の間に位置している。
箱体Cが破裂した場合に,取付金具Dは、破片の飛散抑制、隣接回路への波及防止、電撃防止、完全地絡優先構造を実現する。箱体Cに電界緩和処理を施さなくても、この取付金具Dにより、電界緩和の効果を得ている。
特許第4374207号公報(段落番号[0017]、[0022]、[0025]、図1,図9,図10)
先行技術の地中配電用気中モールド開閉器は、特許文献1の図1,図9,図10で示すように、隣接する単極モールド接点部Bの間に取付金具Dを介在させる構造であるため、隣接する単極モールド接点部Bの間に空間を確保する必要があり、小型化が容易ではなかった。また、特許文献1の明細書の[0017]に記載のようにボルトで螺着すると、相間方向の隙間をボルトの太さ以下に小さくすることができない。相間・異回路間の距離を小さくすることは困難であった。
また、取付金具Dを介在させないで相間方向の隙間を小さくすると単極モールド接点が収納される絶縁樹脂ケース間の電界が高くなるため大気の湿度、気圧あるいは汚損などの影響を受けやすく、部分放電などの絶縁特性を安定的に維持するのは困難であった。
そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易・小型の構造であるにも拘わらず絶縁性能を安定的に維持するとともに、活線状態の開閉接点部と非活線状態の開閉接点部が並ぶ箇所の電界緩和を実現する高圧開閉器を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、
側面隔壁を有する略直方体箱状の絶縁樹脂ケースと、前記絶縁樹脂ケース内に収容されており固定接触子に可動接触子を接離させる開閉接点部と、を有する単極モールド接点部を三相分有し、高圧母線と配電線の間の電路を開閉するモールド開閉器が複数並べて配置される高圧開閉器であって、
隣接する二個の前記モールド開閉器の間で対向する前記絶縁樹脂ケースの前記側面隔壁の少なくとも一方の面に、側面から視て、開状態の前記可動接触子を包含する範囲の電界緩和処理面が形成されることを特徴とする高圧開閉器である。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の高圧開閉器において、
前記電界緩和処理面は、全ての前記モールド開閉器の前記絶縁樹脂ケースの外側の側面隔壁に形成されることを特徴とする高圧開閉器である。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1に記載の高圧開閉器において、
前記電界緩和処理面は、全ての前記単極モールド接点部の前記絶縁樹脂ケースの両側の側面隔壁に形成されることを特徴とする高圧開閉器である。
本発明によれば、簡易・小型の構造であるにも拘わらず絶縁性能を安定的に維持するとともに、活線状態の開閉接点部と非活線状態の開閉接点部が並ぶ箇所の電界緩和を実現する高圧開閉器を提供することができる。
本発明を実施するための形態の高圧開閉器の外観図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図、図1(c)は左側面図、図1(d)は底面図である。 本発明を実施するための形態の高圧開閉器の内部構造図であり、図2(a)はA−A線断面図、図2(b)は負荷側端子の断面拡大図、図2(c)は底面図である。 本発明を実施するための形態の高圧開閉器の内部構造図であり、図3(a)は開状態を示す図、図3(b)は閉状態を示す図である。 本発明を実施するための形態の高圧開閉器における電界緩和処理面の説明図であり、図4(a)は電界緩和処理面の形成箇所の説明図、図4(b)は電界緩和処理面と開状態の可動接触子との位置関係を示す図である。 電界緩和の原理の説明図である。 隣接するモールド開閉器における電界緩和処理面の形成箇所の説明図である。 本発明の変形形態の高圧開閉器における電界緩和処理面の形成箇所の説明図であり、図7(a)は先に説明したモールド開閉器の両外側に形成した場合の説明図、図7(b)は単極モールド接点部の両外側に形成した場合の説明図である。 単極モールド接点部における電界緩和処理面の変形形態の説明図であり、図8(a)は開閉接点部の位置の説明図、図8(b)は電界緩和処理面の形成箇所の説明図である。 本発明の変形形態の高圧開閉器の内部構造図であり、図9(a)は先に説明した形態のモールド開閉器のB−B線断面図、図9(b)は先に説明した形態のモールド開閉器の底面図、図9(c)は変形形態のモールド開閉器のC−C線断面図、図9(d)は変形形態のモールド開閉器の底面図である。 従来技術の高圧開閉器における電界による影響の発生の説明図である。
続いて、本発明を実施するための形態の高圧開閉器について図面を参照しつつ説明する。図1(a),(b),(c),(d)に示す高圧開閉器1は、複数(本形態では2台)のモールド開閉器10、三相分の母線側ブッシュ20、支持部30,40を備える。
この高圧開閉器1では、一回路三極型のモールド開閉器10を二回路分横並びに設けたものである。三相分の母線側ブッシュ20は支持部30,40によりモールド開閉器10の上側に固定されている。
高圧開閉器1は図示しないキャビネット内に収納される。高圧開閉器1を搭載するキャビネットは、例えば高圧の地中配電線の分岐開閉に使用される。複数のモールド開閉器10の三相各相と、母線側ブッシュ20の三相各相と、が電気的に接続されており、二回路を構成する。さらに、これら二回路に対し、地中から立ち上げた地中配電線のケーブルと接続している。
そして、一台のモールド開閉器10は、図1(a),(b),(c),(d)、図2(a),(b),(c)で示すように、複数(三相分)の単極モールド接点部100、絶縁板200、機構ケース300を備える。単極モールド接点部100は、三相のうちの一相の開閉接点部である。
三相分の単極モールド接点部100の前側の三つの開口面を塞ぐように、エポキシ樹脂等の絶縁材から成る絶縁板200が取り付けられる。これにより内部に密閉された各相独立空間が形成され、開閉接点部(後述)の周辺が絶縁物で覆われて遮断性能が増す。開閉接点部内蔵の単極モールド接点部100の間隔を空けて各相分離構成とし、1枚の絶縁板200に単極モールド接点部100が各相独立して取り付けられているので各空間の絶縁が確保される。
そしてこの絶縁板200に操作機構(後述)が組み付けられた後で、絶縁板200に機構ケース300が取り付けられる。すなわち、各相分離型の樹脂ケース(開閉接点部収納)と機構ケースとを一体にした構造としている。この際、モールド開閉器10の各単極モールド接点部100では異相間で相互に間隔を空けて設けられる。図1(a),(d)に示すように、隣接する単極モールド接点部100の間の隙間は近接している。
さらに一台の単極モールド接点部100は、図2(a),(b),(c)で示すように、絶縁樹脂ケース101、絶縁ロッド102、可動接触子103、固定接触子104、消弧筒105、母線側端子106、負荷側端子107、端子カバー108を備える。また、図1(c)で示すように、モールド開閉器10が有する絶縁樹脂ケース101の側面に電界緩和処理面120が形成される。この電界緩和処理面120は、図6で示すように、一回路のモールド開閉器10の左右の最外に形成されるものであり、外側にある絶縁樹脂ケース101の外側に面する側面隔壁に形成される。
これらの構成のうち、図2(a)で示すように、絶縁ロッド102、可動接触子103、固定接触子104、消弧筒105により本発明の開閉接点部を構成する。開閉接点部は絶縁樹脂ケース101内に収納されている。
絶縁樹脂ケース101は、ほぼ直方体状の箱であり、縦長長方形の正面に開口部が形成されている。その内部には、一相用の独立空間が形成されている。絶縁樹脂ケース101は、エポキシ樹脂等により形成されるので、絶縁性能や機械的強度に優れ、寸法精度も確保され、肉厚が薄くて幅が狭い小型の箱構造にすることができる。そして、単極モールド接点部100も幅が狭い箱体となり、高圧開閉器1の軽量化と横幅の縮小化が図れる。
また、機構ケース300の正面外側には、図1(a)で示すように、連結部301、表示器302が配置され、機構ケース300の内側には、図2(a)で示すように、駆動シャフト303、駆動レバー304が配置される。これらは操作機構を構成する。この操作機構が開閉接点部を開閉するようになされており、操作機構と開閉接点部を併せて開閉機構を形成する。
操作機構では、回動可能に軸支される駆動シャフト303に、三個の各駆動レバー304の一端が固着され、これら各駆動レバー304の他端は、絶縁ロッド102の一端に回動自在に軸支されている。この絶縁ロッド102は、絶縁板200の開口部から、各単極モールド接点部100の絶縁樹脂ケース101内に挿入され、可動接触子103と回動自在に連結される。
図1(a)で示すように、機構ケース300に設けた孔内にある連結部301に図示しないハンドルが嵌められ、このハンドルを回して操作することにより、図2(a)で示す駆動シャフト303が回動するようになされている。この駆動シャフト303の回動により各駆動レバー304を回動させると、後述するが開閉接点部が開閉動作を行うとともに、図1(a)で示す表示器302が「入」、または、「切」を指す。
続いて開閉動作について説明する。まず、閉動作について説明する。図3(a)に示すように開閉接点部は開状態にあって、図1(a)で示す表示器302が「切」を示した状態にあるものとする。この状態から、ハンドルにより連結部301を回動させる。
このとき開閉接点部では、図3(b)に示すように、駆動シャフト303が回動し、駆動レバー304が上方に回動し、それに伴って絶縁ロッド102が上方に移動し、それと共に側面から見てほぼフの字形のブレード電極である可動接触子103を、下側の支持部の軸支点を中心として矢印方向の上方に回動させ、細隙状の消弧筒105を通過させた後に、可動接触子103の回動経路上に配置されている固定接触子104と接続させる。
このような動作は一台のモールド開閉器10の三相全ての単極モールド接点部100で行われる。そして、開閉接点部は図3(b)に示すような閉状態となり、図1(a)で示す表示器302が「入」を示す。
続いて開動作について説明する。図3(b)に示すように開閉接点部が閉状態にあって、図1(a)で示す表示器302が「入」を示した状態にあるものとする。この状態から、ハンドルにより連結部301を回動させる。
このとき開閉接点部では、図3(a)で示す駆動シャフト303が回動し、図3(a)に示すように、駆動レバー304が下方に回動し、それに伴って絶縁ロッド102が下方に移動し、それと共に可動接触子103を、下側の支持部の軸支点を中心として下方に回動させ、可動接触子103の可動接点は、固定接触子104から脱離して細隙状の消弧筒105を通過する。
この脱離の瞬間に可動接触子103と固定接触子104との間でアーク放電が起こるが、アークが消弧筒105に触れることにより蒸発ガスを発生して消弧を促進させる。この消弧筒105は、アークによりアブレーション(蒸発して昇華)する材料で形成されている。例えばナイロン6、ポリオキシメチレン(登録商標:ジュラコン)等のポリアミド系合成樹脂である。このような動作は三相全ての単極モールド接点部100で行われる。開閉接点部は図3(a)に示すような開状態となり、図1(a)で示す表示器302が「切」を示す。
このように三相それぞれの可動接触子103を一同に回動させて、各可動接触子103と各固定接触子104とを着脱することにより、一台のモールド開閉器10の各単極モールド接点部100を三極連動して開閉する。
絶縁樹脂ケース101の上側には、図2(a)に示すように母線側端子106が設けられる。母線側端子106は埋込導体である。母線側端子106は固定接触子104の基端部と電気的に接続されている。なお、埋込導体に代えて絶縁樹脂ケース101に後からボルトで組み付けるような端子としても良い。
また、絶縁樹脂ケース101の下側には、負荷側端子107が設けられる。負荷側端子107は埋込導体である。負荷側端子107は可動接触子103の基端部と電気的に接続されている。負荷側端子107には、図2(b)で示すように、端子カバー108が取り付けられ、絶縁性を確保している。なお、埋込導体に代えて絶縁樹脂ケース101に後からボルトで組み付けるような端子としても良い。
そして、この様にして形成した単極モールド接点部100を、図1(d)や図2(c)に示すように、間隔を空けて三相並べて設け、母線側端子106と母線側ブッシュ20と相別に電気的に接続してモールド開閉器10とする。このモールド開閉器10では3個の単極モールド接点部100各相の端子であって3個の母線側端子106や負荷側端子107は奥行き方向では位置がずらされて配置されている。そして、母線側ブッシュ20は図示されていない高圧母線に接続される。また、負荷側端子107は図示されていない地中配電線に接続される。なおこれらの母線及び地中配電線の端末には、接地層を設けていない。
続いて、本発明の特徴をなす電界緩和処理面120について説明する。モールド開閉器10では、図1(c)、図4(a),(b)、図6で示すように電界緩和処理面120が単極モールド接点部100の絶縁樹脂ケース101の側面隔壁に形成される。なお、この電界緩和処理面120の形成は絶縁樹脂ケース101を三相並べて配置組立する以前に絶縁樹脂ケース単独の状態で行う。
電界緩和処理面120は、エポキシ樹脂製の絶縁樹脂ケース101の側面隔壁に被膜形成されたメタリコン、導電塗料、銅箔貼付、シールド等である。電界緩和処理面120の範囲は、側方から視て、図4(b)や図5に示すように開状態のときの可動接触子103を含むような範囲である。また、固定接触子104や消弧筒105を含まない範囲である。このような電界緩和処理面120を接地電位にする。
そして、電界緩和処理面120を形成する箇所は、詳しくは図6で示すように、隣接する二個のモールド開閉器10の間で対向する絶縁樹脂ケース101の側面隔壁の少なくとも一方の面に形成されていれば良い。本形態では対向する絶縁樹脂ケース101の側面隔壁の両方の面に形成されている。
本形態の高圧開閉器1では、特に以下の(A),(B),(C)のような特有の利点を有する。
(A)例えば図6に示すように、右側のモールド開閉器10が開状態であって非活線状態であり、かつ左側のモールド開閉器10が閉状態であって活線状態であるとき、閉状態であるモールド開閉器10からの静電誘導を電界緩和処理面120が電界緩和するため、開状態であるモールド開閉器10の可動接触子103は電界による影響を受けないこととなり、開状態であるモールド開閉器10の可動接触子103に電圧が誘起されるような事態は起こらない。
(B)また、高圧母線側の回路の死活を確認しようとする場合,充電部である固定接触子104の課電状況について検電器を用いてモールド開閉器10の外部から検知することができる。電界緩和処理面を形成する範囲から固定接触子104を除くことにより電界緩和による静電遮蔽の効果が固定接触子104に及ばないようにし,検電器により検出できるようになる。
(C)仮に、側面から視て消弧筒105および固定接触子104を含む範囲に電界緩和処理面が形成されていて、さらに固定接触子104や消弧筒105の周囲で汚損又はクラックにより絶縁樹脂ケース101の絶縁性能が低下しているものと仮定する。このような状況下で、固定接触子104や消弧筒105の周囲に位置する絶縁樹脂ケース101の絶縁性能が低下した箇所へ電界集中やアーク放電が到達したならば、電界緩和処理面を通じて地絡を発生するおそれがある。一方、本発明では、固定接触子104や消弧筒105の周囲では電界緩和処理面が形成されていないため、固定接触子104や消弧筒105の周囲で絶縁が確保されて電界集中が形成されにくい状態であり、さらにこの周囲で絶縁破壊等が起きても電界緩和処理面が離れているため直ちに地絡に進展し難いという利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて把握される技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲を含む。
次に、本発明に含まれる各種の変形形態について説明する。例えば、図6では、二個のモールド開閉器10の対向する両面に電界緩和処理面120が形成されている。しかしながら、図6では二個のモールド開閉器10の対向する両面のうち何れか一方にのみ電界緩和処理面120が形成されていれば電界緩和処理機能が発揮される。そこで、電界緩和処理面120が何れか一方にのみ形成されるようなモールド開閉器10としても良い。
続いて、他の変形形態について説明する。先の形態ではモールド開閉器10が二個あるものとして説明した。しかしながら、二個のモールド開閉器10に限定する趣旨ではなく、二以上の複数回路、例えば、図7(a)に示すように三回路有するような高圧開閉器1としても良い。また、図7(a)の高圧開閉器1でも、二個のモールド開閉器10の対向する両面に電界緩和処理面120が形成されているが、何れか一方にのみ電界緩和処理面120が形成されるようなモールド開閉器10としても良い。
続いて、他の変形形態について説明する。例えば、図7(a)では、三個のモールド開閉器10の対向する両面に電界緩和処理面120が形成されている。しかしながら、図7(b)に示すように全ての単極モールド接点部100の絶縁樹脂ケース101の両側の側面隔壁に電界緩和処理面120を形成しても良い。製造工程や部品の共通化や標準化を実現する観点から単極モールド接点部100の両面に導電処理を施すようにしても良い。この場合も、回路数を三に限定する趣旨ではなく、二以上の回路を採用することができる。
続いて、他の変形形態について説明する。この形態では、電界緩和処理面120は、図8(a),(b)で示すように、側面から視て可動接触子103を含む範囲であるが、詳しくは、固定接触子104および消弧筒105を含まない範囲であって、電界緩和処理面120が消弧筒105の入り口手前までを含む範囲とする。本発明では、特に消弧筒105の手前直前まで電界緩和処理面が形成されており、移動する最中の可動接触子103にも電圧が誘起されないように配慮している。
続いて、他の変形形態について説明する。この形態では、負荷側端子107の配置が異なる例である。先に説明した形態では、図9(a),(b)に示すように、負荷側端子107を、下側から視て対角線方向に配置することにより、負荷側端子107間では相間ピッチを長くしており、操作性を犠牲にすることなく薄型化・小型化を実現することができる。
しかしながら、図9(a),(b)に示す配置に代えて、図9(c),(d)で示すように、負荷側端子107を、下側から視て水平方向に並べる構成を採用しても良い。この場合でも、従来技術のように単極モールド接点部の間に金属の取付板を介在させるより相間ピッチを短くすることができる。
続いて、他の変形形態について説明する。単極モールド接点部100内の開閉接点部の具体的な構成を説明したが、本発明はこれら構成に限定されるものではなく、各種の形態を採用できる。少なくとも、電界緩和処理面120が、図4(b)、図5、図8(b)で示すように、側面から視て可動接触子103を含む範囲とできるような開閉接点部であれば良い。
続いて、他の変形形態について説明する。本発明では高圧気中開閉器を対象として説明したが、これ以外にも、SFガス等の絶縁媒体を内部に充填したガス絶縁式の高圧ガス開閉器にも適用可能である。更に、キャビネットに引き込まれるのは地中配電線路に限定する趣旨ではなく、例えば、建家内の屋内配電線路を採用することなども可能である。本発明に係る高圧開閉器の設置場所や使用状態は何ら限定されない。
続いて、他の変形形態について説明する。単極モールド接点部100にセンサー、機構等必要部品を付加すれば、手動開閉器の他にSOG(過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形)機能付き開閉器、自動開閉器を構成することができる。部分的に不具合が生じた場合、相単位の交換が容易に出来る。
続いて、他の変形形態について説明する。本形態では各相分離型の樹脂ケース(接点部収納)を構造ケースに取り付ける構造としているが、三相分一体モールド構造としても良い。モールド開閉器10の両側側壁に電界緩和処理面120が形成されて、回路間で電界緩和処理が行われる。
以上説明した本発明の高圧開閉器1では、上記した(A),(B),(C)の効果に加え、以下のような利点がある。
(1)電界緩和処理面120の被膜厚さは、過大に見積もっても1mmを超えることはなく、相間距離、異回路間の距離(隙間)を大幅に少なくすることができる。高圧開閉器の幅方向の薄型化を実現する。
(2)特に、都市部に敷設されて省スペースが要求される地中配電線用の高圧開閉器では、モールド開閉器10をコンパクトに構成して高圧開閉器や、高圧開閉器が搭載されるキャビネット全体の小型化を図ることが強く要請されていた。本発明の高圧開閉器の小型化により、従来地中配電線用の高圧開閉器が必要としている諸特性、取扱い作業性、操作性、信頼性等を維持する。また、この高圧開閉器がキャビネットに収納される場合には省スペースによりキャビネット自体の薄型化、小型化、及び収容回路数の増加に寄与することができる。
(3)絶縁樹脂ケースを近接して隣接配置しても電界緩和処理面の間は大気中の電位分担がないので絶縁性能が安定しており、コロナレベルは高く、地絡が起こりにくい。
総じて、簡易・小型の構造であるにも拘わらず開状態の可動接触子には電圧が誘起されにくくするとともに絶縁樹脂ケース間の大気中の状態による影響を考慮することで絶縁性能を維持し、死活両開閉接点部が並ぶ箇所の電界緩和を実現する高圧開閉器とした。
本発明の高圧開閉器は、特に地中配電用の気中モールド開閉器としての適用に好適である。
1:高圧開閉器
10:モールド開閉器
100:単極モールド接点部
101:絶縁樹脂ケース
102:絶縁ロッド
103:可動接触子
104:固定接触子
105:消弧筒
106:母線側端子
107:負荷側端子
108:端子カバー
120:電界緩和処理面
200:絶縁板
300:機構ケース
301:連結部
302:表示器
303:駆動シャフト
304:駆動レバー

20:母線側ブッシュ
30,40:支持部

Claims (3)

  1. 側面隔壁を有する略直方体箱状の絶縁樹脂ケースと、前記絶縁樹脂ケース内に収容されており固定接触子に可動接触子を接離させる開閉接点部と、を有する単極モールド接点部を三相分有し、高圧母線と配電線の間の電路を開閉するモールド開閉器が複数並べて配置される高圧開閉器であって、
    隣接する二個の前記モールド開閉器の間で対向する前記絶縁樹脂ケースの前記側面隔壁の少なくとも一方の面に、側面から視て、開状態の前記可動接触子を包含する範囲の電界緩和処理面が形成されることを特徴とする高圧開閉器。
  2. 請求項1に記載の高圧開閉器において、
    前記電界緩和処理面は、全ての前記モールド開閉器の前記絶縁樹脂ケースの外側の側面隔壁に形成されることを特徴とする高圧開閉器。
  3. 請求項1に記載の高圧開閉器において、
    前記電界緩和処理面は、全ての前記単極モールド接点部の前記絶縁樹脂ケースの両側の側面隔壁に形成されることを特徴とする高圧開閉器。
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