JP2017152171A - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

【課題】均一な発光を実現しつつ、発光に高級感を演出することができる車両用灯具を提供すること。
【解決手段】ハウジング２とその開口部を覆うアウタレンズ３によって画成された灯室４内に、ＬＥＤ（光源）５と、該ＥＤ５から入射する光を出射面から出射させることによって発光する導光レンズ６を収容して成る車両用灯具１において、前記導光レンズ６の少なくとも反出射面に、光を拡散させる複数のフルートカット６ｃと、光を反射させる複数のプリズムカット６ｄ，６ｅを形成するとともに、前記複数のプリズムカット６ｄ，６ｅを平面上にランダムに配置する。又、前記導光レンズ６の光出射方向前方にインナレンズ７を配置し、該インナレンズ７の表面と裏面に光拡散用の複数のフルートカット７ａ，７ｂを形成する。
【選択図】図３

Description

本発明は、光源から入射する光によって発光する導光レンズを備える車両用灯具に関するものである。

例えば、テールランプやポジションランプ等の車両用灯具には、ＬＥＤ（発光ダイオード）等の光源から入射する光を長手方向に導く過程で反射させて出射面から出射させることによって発光する導光レンズを備えたものがあり、斯かる車両用灯具の導光レンズの反出射面には配光用の複数のレンズカットが長手方向に沿って形成されている。

ところで、導光レンズを備える車両用灯具においては、光源の近くと遠くの明暗差が大きく、発光面の明るさの均一度が悪いという問題がある。

そこで、特許文献１には、図９に示す導光レンズを備える車両用灯具が提案されている。

即ち、図９は特許文献１において提案された車両用灯具の導光レンズの部分断面図であり、図示の導光レンズ１０１においては、反出射面（図９の下面）の不図示の光源に近い側に形成された複数のプリズムカット１０１ａ間に凹曲面１０１ｂを形成し、隣接するレンズカット１０１ａ同士を凹曲面１０１ｂで繋ぐ構成が採用されている。

斯かる導光レンズ１０１によれば、光源からの光が凹曲面１０１ｂで拡散して光源から遠い側に届き、導光レンズ１０１内を全反射して光源から遠い側に届いた光は、プリズムカット１０１ａによって配光が制御されて導光レンズ１０１の出射面（図９の上面）から出射する。従って、光源に近い側と遠い側との光の明暗差が小さく抑えられ、車両用灯具の発光面の明るさの均一度が高められる。そして、隣接するプリズムカット１０１ａ間に凹曲面１０１ｂを形成することによって、束になっていた光を拡散させてムラの無い発光状態とすることができる。

特開２０１３−０４５６７１号公報

しかしながら、図９に示す導光レンズ１０１を備える車両用灯具においては、光源の近くと遠くでの光の明暗差は小さく抑えられる反面、導光レンズ１０１が広角範囲で均一に発光して見えるため、発光が単調で高級感を演出することができないという問題がある。

本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、均一な発光を実現しつつ、発光に高級感を演出することができる車両用灯具を提供することにある。

上記目的を達成するため、請求項１記載の発明は、ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成された灯室内に、光源と、該光源から入射する光を出射面から出射させることによって発光する導光レンズを収容して成る車両用灯具において、前記導光レンズの少なくとも反出射面に、光を拡散させる複数のフルートカットと、光を反射させる複数のプリズムカットを形成するとともに、前記複数のプリズムカットを平面上にランダムに配置したことを特徴とする。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明において、前記導光レンズのプリズムカットは、大小の凹又は凸の形状が配置され、フルートカットは、規則正しく配置されていることを特徴とする。

請求項３記載の発明は、請求項１又は２記載の発明において、前記導光レンズの光出射方向前方にインナレンズを配置し、該インナレンズの表面と裏面に光拡散用の複数のフルートカットを形成したことを特徴とする。

請求項４記載の発明は、請求項３記載の発明において、前記フルートカットは、半多角柱状を成し、前記インナレンズの表面又は裏面のみ或いは表面と裏面の双方に形成されていることを特徴とする。

請求項１及び２記載の発明によれば、光源から導光レンズ内に入射した光が該導光レンズの反出射面に形成された複数のフルートカットによって拡散して広い範囲に弱い光として出射するため、発光面の全体が均一に発光する。

又、光源から導光レンズ内に入射した光は、導光レンズの反出射面にランダムに配置された複数のプリズムカットによって反射して狭い範囲に強い光となって出射するため、散点的な輝点が形成されて発光面が宝石の輝きのようにキラキラ光り、このキラキラ感によって発光に高級感が演出される。

請求項３及び４記載の発明によれば、導光レンズから出射する光がインナレンズの表面と裏面に形成された複数のフルートカットによって拡散するため、散点的なキラキラ感が緩和されてギラツキが抑えられ、これによって発光に上品な高級感が得られる。

本発明に係る車両用灯具の平断面図である。 図１の要部拡大詳細図である。 導光レンズの部分斜視図である。 図３のＡ−Ａ線断面図である。 図３のＢ−Ｂ線断面図である。 図３のＣ−Ｃ線断面図である。 図２のＤ部拡大詳細図である。 図７のＥ−Ｅ線断面図である。 特許文献１において提案された車両用灯具の導光レンズの部分断面図である。

以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。

図１は本発明に係る車両用灯具の平断面図、図２は図１の要部拡大詳細図、図３は導光レンズの部分斜視図、図４は図３のＡ−Ａ線断面図、図５は図３のＢ−Ｂ線断面図、図６は図３のＣ−Ｃ線断面図、図７は図２のＤ部拡大詳細図、図８は図７のＥ−Ｅ線断面図である。

本実施の形態に係る車両用灯具１は、車両の後部左右に配置されるテールランプとして使用されるものであって、その基本構成は左右で同じであるため、以下、一方の車両用灯具１についてのみ図示及び説明する。

テールランプとして使用される車両用灯具１は、図１に示すように、車体の外形形状に沿って平面視弓状に成形されたハウジング２とその開口部を覆う同形状の透明なアウタレンズ３によって画成された灯室４内に、光源であるＬＥＤ５（図２参照）と、該ＬＥＤ５から入射する光によって発光する導光レンズ６と、該導光レンズ６の光出射方向前方（正面側）に配置されたインナレンズ７と、導光レンズ６の背面側に配置されたリフレクタ８と、インナレンズ７の周囲を覆うエクステンション９を収容して構成されている。

上記ハウジング２は、光を透過しない不透明樹脂によって平面視弓状に一体成形されており、図１及び図２に示すように、その背面の長手方向中間位置には孔２ａが形成されている。そして、ハウジング２の孔２ａには、リフレクタ８の長手方向中間位置（ハウジング２の孔２ａに対応する位置）に背面方向に向かって一体に突出する膨出部８Ａが貫通しており、この膨出部８Ａのハウジング２外へ露出する端部には、ＬＥＤソケット１０がブラケット１１を介して取り付けられている。ここで、ＬＥＤソケット１０は、ヒートシンクを兼ねる部材であって、リフレクタ８の膨出部８Ａに対向する端面には基板１２（図２参照）が取り付けられており、この基板１２には前記ＬＥＤ５が実装されている。尚、リフレクタ８の膨出部８ＡのＬＥＤ５に対向する部位には孔８ａが貫設されている。

前記導光レンズ６と前記インナレンズ７及び前記リフレクタ８は、ハウジング２及びアウタレンズ３の形状に沿って平面視弓状に成形されており、リフレクタ８の導光レンズ６に対向する表面は反射面を構成しており、この反射面にはアルミ蒸着等の反射処理が施されるとともに、上下方向（図１及び図２の紙面垂直方向）に沿う断面半円柱状の光拡散用の複数のフルートカット８ｂが長手方向に沿って形成されている。

ここで、導光レンズ６は、導光性の高いアクリル等の透明樹脂によって構成されており、その裏面の長手方向中間位置（リフレクタ８の膨出部８に形成された孔８ａに対応する位置）からは突起状の入光部６Ａが背面方向に向かって直角に突設されている。そして、この入光部６Ａは、リフレクタ８の膨出部８Ａに形成された孔８ａを貫通しており、その端面は凹曲面状の入射面６ａとしてＬＥＤ５に対向している。

又、導光レンズ６の表面は出射面を構成しており、図２に詳細に示すように、この表面の入光部６Ａに対向する位置にはＶノッチ状の反射カット６ｂが形成されている。そして、この反射カット６ｂには、各反射カット６ｂの周縁からの漏光を防ぐための平断面三角状のシェード１３が配置されている。尚、シェード１３は、遮光性の高い不透明樹脂によって構成されている。

而して、本実施の形態に係る導光レンズ６の反出射面（裏面）には、図３及び図５に示すように、光を拡散させるための半円柱状の複数のフルートカット６ｃが形成されている。具体的には、各フルートカット６ｃは、導光レンズ６の反出射面から突出する半円柱状突起として図３のＣ−Ｃ線に沿って（図５の紙面垂直方向に沿って）直線状に形成されており、複数のフルートカット６ｃは、図３のＢ−Ｂ線に沿って（図５の左右方向に沿って）所定のピッチで整然と配置されている。

又、図３、図４及び図６に示すように、導光レンズ６の反出射面（裏面）には、光を反射させるための大小の凹状の複数のプリズムカット６ｄ，６ｅが形成されているが、これらのプリズムカット６ｄ，６ｅは、平面上にランダムに配置されている。ここで、各プリズムカット６ｄ，６ｅは、図３のＡ−Ａ線断面では、図４に示すように、凹状の三角形状を有しており、図３のＣ−Ｃ線断面では、図６に示すように（図６には小さい方のプリズムカット６ｅの断面形状を示している）、凹状の台形形状を有している。ここで、本実施の形態では、大小のプリズムカット６ｄ，６ｅの数の合計は、フルートカット６ｃの数よりも少なく設定されている。

尚、本実施の形態では、フルートカット６ｃとプリズムカット６ｄ，６ｅを導光レンズ６の反出射面（裏面)のみに形成したが、これらを出射面（表面）にも形成しても良い。又、フルートカット６ｃを凸状とし、プリズムカット６ｄ，６ｅを凹状としたが、これとは逆にフルートカット６ｃを凹状とし、プリズムカット６ｄ，６ｅを凸状としても良く、これらのフルートカット６ｃとプリズムカット６ｄ，６ｅの断面形状は任意である。

導光レンズ６の光出射方向前方（正面側）に配置された前記インナレンズ７も導光レンズ６と同様にアクリル等の透明樹脂によって構成されているが、該インナレンズ７の表面と裏面には、図７及び図８に示すように、光拡散用の凸状の複数のフルートカット７ａ，７ｂが互いに直交する方向に格子状に形成されている。具体的には、インナレンズ７の表面と裏面に形成された複数のフルートカット７ａ，７ｂは、凸状の半多角柱（例えば、半正八角柱や半正十角柱）を成しており、これらは互いに直交する方向に沿って適当な間隔で整然と形成されており、インナレンズ７を正面方向から見ると、これらのフルートカット７ａ，７ｂは格子状を成している。尚、前記エクステンション９は、光を透過しない不透明樹脂によって構成されている。

以上のように構成された車両用灯具１において、灯室４内の長手方向中央に配置された光源であるＬＥＤ５に電流が供給されて該ＬＥＤ５が発光すると、その光は、図２に矢印にて示すように、導光レンズ６の入光部６Ａの端面に形成された入射面６ａから該導光レンズ６内に入射する。そして、導光レンズ６に入射して入光部６Ａを直進する光は、Ｖノッチ状の反射カット６ｂによって反射してその進行方向が略直角に曲げられ、導光レンズ６内を全反射しながら該導光レンズ６の長手方向両端に向かって進む過程で、導光レンズ６の反出射面（裏面）に形成された複数のフルートカット６ｃと大小のプリズムカット６ｄ，６ｅによって正面方向に反射して出射面から出射する。

より詳細には、図４に示すように、導光レンズ６内を進む光の一部Ｌ１は、該導光レンズ６の反出射面に形成された複数のフルートカット６ｃによって拡散して広い範囲に弱い光（拡散光）として出射面から出射するため、発光面の全体が均一に発光する。

又、導光レンズ６内を進む他の光Ｌ２，Ｌ３は、図４に示すように、導光レンズ６の反出射面にランダムに配置された大小の複数のプリズムカット６ｄ，６ｅによって反射して狭い範囲に強い光（反射光）として出射面から出射するため、散点的な輝点が形成されて発光面が宝石の輝きのようにキラキラ光り、このキラキラ感によって発光に高級感が演出される。この場合、大きい方のプリズムカット６ｄの台形状の発光面は、小さい方のプリズムカット６ｅの台形状の発光面よりも大きくて明るく光っているため、キラキラ感が増長される。

そして、導光レンズ６の出射面から出射する光Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３は、インナレンズ７とアウタレンズ３を通過して車両後方へと出射するため、車両用灯具１が点灯してテールランプとしての機能を果たす。この場合、導光レンズ６の出射面から出射する光Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３は、インナレンズ７を通過する際、該インナレンズ７の表面と裏面に格子状に形成された複数のフルートカット７ａ，７ｂによって拡散するため、発光面の散点的なキラキラ感が緩和されてギラツキが抑えられ、これによって発光に上品な高級感が得られる。

ところで、インナレンズ７の表面と裏面に形成された半多角柱状の複数のフルートカット７ａ，７ｂにおいては、半多角柱の多面の数だけ大小のプリズムカットによって光が拡散するが、インナレンズ７の裏面に形成されたフルートカット７ｂにより多面の数だけ、多数の大小のプリズムカットによる台形状の発光面が上下方向に散るように拡散し、更に、表面に形成されたフルートカット７ａにより多面の数だけ、多数の大小のプリズムカットによる台形状の発光面が左右方向に散るように拡散する。この場合、裏面のフルートカット７ｂで散るように拡散した多数の発光面も表面のフルートカット７ａを通ることもあるため、アウタレンズ３から入射する大小の台形状の発光面は、表面と裏面のフルートカット７ａ，７ｂが半正八角柱の場合には、発光面は、４面×４面＝１６面か、それ以上の数になるため、発光面の散的なキラキラ感が増長され、単なる導光板による散的な輝点よりも高級感のある宝石のようなキラキラ感が得られる。

又、テールランプやストップランプ等の配光特性が必要な場合は、インナレンズ７の表面と裏面に形成されるフルートカット７ａ，７ｂの方向を変えたり、形状を半多角柱から半円柱に変更する等の設計変更が必要である。その場合、キラキラ感の感度が多少低下するが、インナレンズ７の表面だけにフルートカット７ａを形成するだけでも、大小のプリズムからの発光面は４面＝４倍増えるため、キラキラ感が増長されて高級感が得られる。

以上の結果、本実施の形態に係る車両用灯具１によれば、均一な発光を実現しつつ、発光に高級感を演出することができるという効果が得られる。

尚、導光レンズ６から裏面側に漏れた光は、リフレクタ８の反射面によって正面方向へと反射して導光レンズ６内に再入射して発光面の発光に供せられるため、光の利用効率が高められる。このとき、リフレクタ８の反射面には複数のフルートカット８ｂが形成されているため、反射光が拡散されて導光レンズ６内の全域に亘って光が再入射して該導光レンズ６の発光に供せられる。

尚、以上は本発明をテールランプとして使用される車両用灯具に対して適用した形態について説明したが、本発明は、光源からの光を導光レンズによって導光する方式を採用するストップランプ、ターンシグナルランプ、ポジションランプ、ＤＲＬ（Day Running Lamp）等の他の任意の車両用灯具に対しても同様に適用可能であることは勿論である。

１ 車両用灯具
２ ハウジング
３ アウタレンズ
４ 灯室
５ ＬＥＤ（光源）
６ 導光レンズ
６Ａ 導光レンズの入光部
６ａ 導光レンズの入射面
６ｂ 導光レンズの反射カット
６ｃ 導光レンズのフルートカット
６ｄ，６ｅ 導光レンズのプリズムカット
７ インナレンズ
７ａ，７ｂ インナレンズのフルートカット
８ リフレクタ
８Ａ リフレクタの膨出部
８ａ リフレクタの孔
８ｂ リフレクタのフルートカット
９ エクステンション
１０ ＬＥＤソケット
１１ ブラケット
１２ 基板
１３ シェード
Ｌ１〜Ｌ３ 光

Claims (4)

1. ハウジングとその開口部を覆うアウタレンズによって画成された灯室内に、光源と、該光源から入射する光を出射面から出射させることによって発光する導光レンズを収容して成る車両用灯具において、
   前記導光レンズの少なくとも反出射面に、光を拡散させる複数のフルートカットと、光を反射させる複数のプリズムカットを形成するとともに、前記複数のプリズムカットを平面上にランダムに配置したことを特徴とする車両用灯具。
2. 前記導光レンズのプリズムカットは、大小の凹又は凸の形状が配置され、フルートカットは、規則正しく配置されていることを特徴とする請求項１記載の車両用灯具。
3. 前記導光レンズの光出射方向前方にインナレンズを配置し、該インナレンズの表面と裏面に光拡散用の複数のフルートカットを形成したことを特徴とする請求項１又は２記載の車両用灯具。
4. 前記フルートカットは、半多角柱状を成し、前記インナレンズの表面又は裏面のみ或いは表面と裏面の双方に形成されていることを特徴とする請求項３記載の車両用灯具。
   

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