以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、描画方法、描画装置および描画プログラムの一実施形態を示す。図1に示す描画装置100は、ネットワーク図NTDを表示装置600の表示画面610に表示する描画処理を実行する。ネットワーク図NTDは、ノードを表す描画オブジェクトDO(DO1、DO2、DO3、DO4)とノード間を結ぶアークA(A1、A2、A3)とを用いて複数のノード間の関係を表現する。アークAは、ノード間を結ぶ線の一例である。なお、図1では、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDの一例を括弧内に示す。図1に示す例では、描画オブジェクトDOは、ノードの位置を含む円形のシンボルである。なお、描画オブジェクトDOは、ノードの位置を含むシンボルに限定されない。例えば、描画オブジェクトDOは、ノードの情報を示す文字列等のラベルでもよい。あるいは、1つのノードに対して、シンボルおよびラベル等の複数種の描画オブジェクトDOが用いられてもよい。
描画装置100は、例えば、ディスプレイ等の表示装置600を有するコンピュータ等の情報処理装置に搭載される。描画装置100が実行する描画処理等の処理は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、描画処理をコンピュータに実行させてもよい。
描画装置100は、描画部200、受け付け部300、拡大率修正部400および拡大部500を有する。描画部200は、ネットワーク図NTDに含まれる描画オブジェクトDOの配置等を示す図形情報GINF(GINF1、GINF2)を受け、図形情報GINFを保持する。図形情報GINFは、例えば、ノード間の接続関係、各描画オブジェクトDOの大きさ、各描画オブジェクトDOを配置する際の座標(以下、配置座標とも称する)等を示す情報を有する。例えば、描画部200は、ネットワーク図NTDを表示装置600の表示画面610に表示するための描画データDDATAを図形情報GINFに基づいて生成し、生成した描画データDDATAを表示装置600に出力する。これにより、ネットワーク図NTDは、表示画面610に表示される。
なお、図形情報GINF1は、例えば、ネットワーク図NTDのオリジナルの図形情報GINFであり、描画装置100の外部のメモリ等から描画部200に転送される。各描画オブジェクトDOの配置座標を示す情報は、図形情報GINF1から省かれてもよい。この場合、描画部200は、例えば、力学モデル等を用いて各描画オブジェクトDOの配置座標を決定する。
また、図形情報GINF2は、拡大指示EINF等によりサイズが変更されたネットワーク図NTDの図形情報GINFであり、拡大部500から描画部200に転送される。すなわち、描画部200が保持している図形情報GINFは、拡大部500から描画部200に図形情報GINF2が転送される度に更新される。例えば、描画部200が保持している図形情報GINFは、ネットワーク図NTDを拡大する度に更新される。
例えば、受け付け部300は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大させる拡大指示EINFを受け付ける。例えば、表示画面610に表示された拡大前のネットワーク図NTD(図1の(a)拡大前のネットワーク図NTD)を見ているユーザは、ネットワーク図NTDを拡大するための操作を、マウス等の入力装置(図示せず)を用いて実行する。これにより、拡大指示EINFが受け付け部300に通知される。そして、受け付け部300は、拡大指示EINFに基づいて第1の拡大率EF1を算出する。第1の拡大率EF1は、ユーザが所望するネットワーク図NTDの拡大率に対応する。受け付け部300は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1を示す情報を拡大率修正部400および拡大部500に出力する。
拡大率修正部400は、第1の拡大率EF1で拡大した場合のネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOの配置状態に基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。そして、拡大率修正部400は、第2の拡大率EF2を示す情報を拡大部500に出力する。
例えば、拡大率修正部400は、描画部200が保持している図形情報GINFに基づいて、複数の描画オブジェクトDO2、DO3が互いに重なる重複領域(図の網掛け部分)を検出する。そして、拡大率修正部400は、描画オブジェクトDOの配置状態を示す情報として、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合の重複領域の総面積を算出する。この場合、拡大率修正部400は、描画オブジェクトDOの配置状態を示す情報として算出した重複領域の総面積に基づいて、第2の拡大率EF2を算出する。例えば、拡大率修正部400は、重複領域の総面積が大きくなるほど、第2の拡大率EF2を小さくする。
なお、拡大率修正部400は、重複領域の総面積とは別の情報を、配置状態を示す情報として算出してもよい。例えば、拡大率修正部400は、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合に表示画面610に表示される描画オブジェクトDOの描画面積の総和を算出する。図1に示す例では、拡大率修正部400は、比較例に示した表示画面610における描画オブジェクトDO1、DO2、DO3の面積の総和を描画オブジェクトDOの描画面積の総和として算出する。そして、拡大率修正部400は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和の割合を、描画オブジェクトDOの配置状態を示す情報として算出してもよい。この場合、例えば、拡大率修正部400は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和の割合と予め設定された閾値との比較結果に基づいて、第2の拡大率EF2を算出する。表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和の割合が予め設定された閾値より大きい場合、拡大率修正部400は、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EF1より小さくする。
拡大部500は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素(すなわち、描画オブジェクトDO間の位置関係)を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。これにより、ネットワーク図NTDが拡大される。例えば、拡大部500は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1で描画オブジェクトDO間の距離(例えば、描画オブジェクトDO間の位置関係、アークA等)を拡大する。そして、拡大部500は、描画オブジェクトDOの配置状態に基づいて修正された第2の拡大率EF2で描画オブジェクトDOを表示画面610の横方向および縦方向にそれぞれ拡大する。
このように、拡大部500は、ネットワーク図NTDを拡大指示EINFに基づいて拡大する場合、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDO間の位置関係を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。そして、拡大部500は、拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2を描画部200に出力する。これにより、図1の(b)拡大後のネットワーク図NTDに示すように、拡大後のネットワーク図NTDが表示画面610に表示される。
図1に示す例では、描画オブジェクトDO2、DO3に着目した場合、描画オブジェクトDO2、DO3間の距離(描画オブジェクトDO2、DO3間の位置関係)が第1の拡大率EF1で拡大される。そして、描画オブジェクトDO2、DO3の大きさが第1の拡大率EF1より小さい第2の拡大率EF2で拡大される。このため、描画オブジェクトDO2と描画オブジェクトDO3との重なりが解消される。このように、図1に示す描画装置100による描画方法では、ノードを表す描画オブジェクトDOの重なりの発生を抑制できる。すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。
ここで、図1に示す比較例では、描画オブジェクトDO2、DO3間の距離と描画オブジェクトDO2、DO3の大きさとの両方が第1の拡大率EF1で拡大されるため、描画オブジェクトDO2と描画オブジェクトDO3との重なりは解消されない。このため、比較例では、ネットワーク図NTDが見難い状態から改善されない場合がある。換言すれば、図1に示す描画装置100による描画方法では、描画オブジェクトDO2と描画オブジェクトDO3との重なりが解消されるため、図1に示す比較例に比べて、ネットワーク図NTDを見やすくできる。
なお、描画装置100の構成および動作は、図1に示す例に限定されない。例えば、描画装置100は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを縮小させる縮小指示を受けた場合、描画オブジェクトDO間の位置関係および描画オブジェクトDOの両方を縮小指示に基づく縮小率で縮小してもよい。これにより、ネットワーク図NTDは、縮小指示に基づく縮小率で縮小される。
以上、図1に示す実施形態では、描画装置100は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大させる拡大指示EINFを受け付ける。そして、描画装置100は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1で拡大した場合のネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOの配置状態に基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。描画装置100は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。そして、描画装置100は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示する。
このように、描画オブジェクトDOの拡大率が拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正されるため、描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制すること、すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。この結果、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを見やすくすることができる。
図2は、描画方法、描画装置および描画プログラムの別の実施形態を示す。図1で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。図2に示す描画装置110は、図1に示した拡大率修正部400の代わりに拡大率修正部410を有する。描画装置110のその他の構成は、図1に示した描画装置100と同一または同様である。描画装置110は、例えば、ディスプレイ等の表示装置600、マウス等の入力装置800およびメモリ700を有するコンピュータ等の情報処理装置に搭載される。描画装置110が実行する描画処理等の処理は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、描画処理をコンピュータに実行させてもよい。
なお、図2では、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDの一例を括弧内に示す。図2に示す例では、1つのノードに対して、ノードの位置を含む円形のシンボルとノードの情報を示す文字列等のラベルの2種類の描画オブジェクトDO(DOn、Dol)が表示画面610に表示される。複数種の描画オブジェクトDOのうち、描画オブジェクトDOn(DOn1、DOn2、DOn3)は、ノードの位置を含むシンボルであり、描画オブジェクトDOl(DOl1、DOl2、DOl3)は、ノードの情報を示すラベルである。なお、描画オブジェクトDOは、シンボルおよびラベルの一方のみでもよい。あるいは、1つのノードに対して、3種類以上の描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されてもよい。
描画装置110は、描画部200、受け付け部300、拡大率修正部410および拡大部500を有する。
描画部200は、例えば、ネットワーク図NTDのオリジナルの図形情報GINF1をメモリ700から受け、図形情報GINF1を保持する。そして、描画部200は、ネットワーク図NTDの描画データDDATAを図形情報GINF1に基づいて生成し、生成した描画データDDATAを表示装置600に出力する。これにより、オリジナルの図形情報GINF1に基づくネットワーク図NTDが表示画面610に表示される。
また、描画部200は、保持している図形情報GINFを、拡大部500から図形情報GINF2を受ける度に、図形情報GINF2に更新する。そして、描画部200は、ネットワーク図NTDの描画データDDATAを図形情報GINF2に基づいて生成し、生成した描画データDDATAを表示装置600に出力する。これにより、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDは、例えば、拡大指示EINFにより拡大されたネットワーク図NTDに更新される。
受け付け部300は、例えば、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大させる拡大指示EINFを入力装置800から受け、拡大指示EINFに基づいて第1の拡大率EF1を算出する。そして、受け付け部300は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1を示す情報を拡大率修正部410および拡大部500に出力する。
拡大率修正部410は、複数の描画オブジェクトDOが互いに重なる重複領域(図の網掛け部分)の総面積に基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。そして、拡大率修正部400は、第2の拡大率EF2を示す情報を拡大部500に出力する。
例えば、拡大率修正部410は、重複領域算出部412および拡大率算出部414を有する。重複領域算出部412は、例えば、描画部200が保持している図形情報GINF、すなわち、表示画面610に表示されているネットワーク図NTDに対応する図形情報GINFに基づいて、複数の描画オブジェクトDOが互いに重なる重複領域を検出する。そして、重複領域算出部412は、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合における重複領域の総面積TAを、描画オブジェクトDOの配置状態を示す情報として算出する。重複領域算出部412は、重複領域の総面積TAを示す情報を拡大率算出部414に出力する。
図2に示す例では、重複領域算出部412は、ノードのシンボルを示す複数の描画オブジェクトDOnが互いに重なる領域およびノードのラベルを示す複数の描画オブジェクトDOlが互いに重なる領域を、重複領域として検出する。すなわち、重複領域算出部412は、描画オブジェクトDOの種類毎に重複領域を検出する。これにより、共通のノードに対応する描画オブジェクトDOn、DOlが重なる領域(例えば、描画オブジェクトDOn1、DOl1が重なる領域)を解消対象の重複領域から除外することができる。なお、重複領域算出部412は、互いに異なる種類の描画オブジェクトDOが重なる領域も重複領域として検出してもよい。
拡大率算出部414は、重複領域の総面積TAに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。そして、拡大率算出部414は、第2の拡大率EF2を示す情報を拡大部500に出力する。例えば、第2の拡大率EF2は、第1の拡大率EF1および重複領域の総面積TAを用いて、式(1)で表される。
EF2=EF1/(EF1−(EF1−1)/(TA+1)) ・・・(1)
このように、第2の拡大率EF2は、重複領域の総面積TAが大きくなるほど、小さくなる。なお、第2の拡大率EF2の算出式は、式(1)に限定されない。
拡大部500は、ネットワーク図NTDを第1の拡大率EF1で拡大する際、描画オブジェクトDOを第1の拡大率EF1で拡大する代わりに第2の拡大率EF2で拡大してネットワーク図NTDを拡大する。そして、拡大部500は、拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2を描画部200に出力する。これにより、拡大後のネットワーク図NTDが表示画面610に表示される。このように、描画装置110は、例えば、図2の(a)拡大前のネットワーク図NTDに示す状態から図2の(b)拡大後のネットワーク図NTDに示す状態のように、ネットワーク図NTDを拡大して表示画面610に表示する。
図2に示す例では、描画オブジェクトDOn2、DOl2、DOn3、DOl3に着目した場合、描画オブジェクトDOn2、DOl2と描画オブジェクトDOn3、DOl3との間隔が第1の拡大率EF1で拡大される。すなわち、描画オブジェクトDOn2、DOl2と描画オブジェクトDOn3、DOl3との位置関係が第1の拡大率EF1で拡大される。そして、描画オブジェクトDOn2、DOl2、DOn3、DOl3の大きさが第1の拡大率EF1より小さい第2の拡大率EF2で拡大される。このため、描画オブジェクトDOl2と描画オブジェクトDOl3との重なり(図2に示す例では、ノードのラベルの重なり)が解消される。このように、図2に示す描画装置120による描画方法では、ノードを表す描画オブジェクトDOの重なりの発生を抑制できる。すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。
ここで、図2に示す比較例では、描画オブジェクトDOn2、DOl2と描画オブジェクトDOn3、DOl3との間隔と、描画オブジェクトDOn2、DOl2、DOn3、DOl3の大きさとの両方が第1の拡大率EF1で拡大される。このため、比較例では、描画オブジェクトDOl2と描画オブジェクトDOl3との重なりが解消されず、ネットワーク図NTDが見難い状態から改善されない場合がある。換言すれば、図2に示す描画装置110による描画方法では、描画オブジェクトDOl2と描画オブジェクトDOl3との重なりが解消されるため、図2に示す比較例に比べて、ネットワーク図NTDを見やすくできる。なお、描画装置110の構成は、図2に示す例に限定されない。
図3は、図2に示した描画装置110の動作の一例を示す。なお、図3は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大する際の描画装置110の動作の一例を示す。例えば、ステップS100の処理が実行される前に、拡大対象のネットワーク図NTD(例えば、オリジナルの図形情報GINF1等に基づくネットワーク図NTD)は、表示画面610に表示される。
なお、図3に示す動作は、ネットワーク図NTDを表示画面610に表示する描画方法の一態様である。図3に示す動作は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、図3に示す動作をコンピュータに実行させてもよい。
ステップS100では、受け付け部300は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大させる拡大指示EINFを受け付け、拡大指示EINFに基づいて第1の拡大率EF1を算出する。例えば、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを見ているユーザは、ネットワーク図NTDを拡大するための操作を、マウス等の入力装置800を用いて実行する。これにより、拡大指示EINFが受け付け部300に通知され、描画装置110の動作は、ステップS200に移る。すなわち、ステップS200以降の動作は、受け付け部300が拡大指示EINFを受け付けるまで待機される。
ステップS200では、重複領域算出部412は、複数の描画オブジェクトDOが互いに重なる重複領域の総面積TAを算出する。例えば、重複領域算出部412は、表示画面610に表示されているネットワーク図NTDに対応する図形情報GINFに基づいて、複数の描画オブジェクトDOの重複領域を検出する。そして、重複領域算出部412は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合における重複領域の総面積TAを算出する。
次に、ステップS300では、拡大率算出部414は、ステップS200で算出された重複領域の総面積TAに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。例えば、拡大率算出部414は、図2で説明した式(1)を用いて、第2の拡大率EF2を算出する。
次に、ステップS400では、拡大部500は、第1の拡大率EF1および第2の拡大率EF2を用いて、ネットワーク図NTDを拡大する。例えば、拡大部500は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素(すなわち、描画オブジェクトDO間の位置関係)を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。これにより、拡大後のネットワーク図NTDに対応する図形情報GINF2が生成される。
次に、ステップS500では、描画部200は、拡大後のネットワーク図NTD(ステップS400で拡大されたネットワーク図NTD)を表示画面610に表示する。例えば、描画部200は、第1の拡大率EF1で拡大された描画オブジェクトDO間の位置関係および第2の拡大率EF2で拡大された描画オブジェクトDOを示す情報を含む図形情報GINF2に基づいて、描画データDDATAを生成する。そして、描画部200は、描画データDDATAを表示装置600に出力する。これにより、拡大後のネットワーク図NTDが表示装置600の表示画面610に表示される。なお、描画装置110の動作は、図3に示す例に限定されない。
図4は、表示画面610に表示される拡大後のネットワーク図NTDの一例を示す。図4の(a)描画装置110による拡大、(b)比較例1、(c)比較例2は、拡大対象のネットワーク図NTDを拡大点付近を中心にして拡大した場合に表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを示す。比較例1および比較例2は、描画装置110による拡大方法の比較例である。なお、図4では、図を見やすくするために、描画オブジェクトDOおよびアークAの符号の記載を省略している。例えば、図4に示す”ノード番号1”等は、ノードのラベルを示す描画オブジェクトDOであり、図4に示す円形等のシンボルは、ノードの位置を含むシンボルを示す描画オブジェクトDOである。また、図4に示す円形等のシンボルを結ぶ線は、アークAである。また、図4では、描画オブジェクトDO間の位置関係の拡大は、平面領域の拡大とも称される。
描画装置110は、図2で説明した式(2)に示したように、描画オブジェクトDOの拡大率を、描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAに基づいて、第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。図4の(a)に示す例では、第2の拡大率EF2は、第1の拡大率EF1(=1.5倍)より小さい1.2倍である。これにより、平面領域は、1.5倍(第1の拡大率EF1)に拡大され、ノードのシンボルおよびラベルを示す描画オブジェクトDOは、1.2倍(第2の拡大率EF2)に拡大される。この結果、拡大後のネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制することができ、表示画面610に表示される拡大後のネットワーク図NTDを見やすくすることができる。
これに対し、比較例1では、平面領域と描画オブジェクトDO(ノードのシンボル、ラベル)との両方が共通の拡大率(第2の拡大率EF1=第1の拡大率EF1)で拡大される。例えば、平面領域と描画オブジェクトDOが1.2倍に拡大される。このため、比較例1では、描画オブジェクトDOの重なりが解消されない。したがって、表示画面610に表示される拡大後のネットワーク図NTDは、描画装置110による拡大に比べて、ノードのラベルが読み辛く見難い。
また、比較例2では、平面領域の拡大率(すなわち、第1の拡大率EF1)に応じて、描画オブジェクトDOの拡大率(すなわち、第2の拡大率EF2)が一意に決定される。図4に示す比較例2では、第2の拡大率EF2は、”(EF1+4)/5”で表される式により、第1の拡大率EF1に応じて一意に決定される。換言すれば、描画オブジェクトDOの大きさをユーザが所望する大きさに拡大する場合、第1の拡大率EF1(平面領域の拡大率)は、”5×EF2−4”で表される式により、第2の拡大率EF2(描画オブジェクトDOの拡大率)に応じて一意に決定される。
例えば、描画オブジェクトDOの大きさをユーザが所望する大きさまで拡大するための第2の拡大率EF2が1.2倍である場合、第1の拡大率EF1は、2倍に決定される。この場合、平面領域は、2.0倍(第1の拡大率EF1)に拡大され、描画オブジェクトDO(ノードのシンボル、ラベル)は、1.2倍(第2の拡大率EF2)に拡大される。
図4に示す比較例2では、着目するノード(例えば、”ノード番号5”)の接続先のノードが表示画面610に収まらず、ノード間の接続関係が見難い。このように、比較例2では、描画オブジェクトDOの大きさをユーザが所望する大きさまで拡大した場合、ノードを表す描画オブジェクトDO間の距離が必要以上に大きくなり、ノード間の接続関係が見難くなる場合がある。すなわち、平面領域の拡大率に応じて描画オブジェクトDOの拡大率を一意に決定する方式では、描画オブジェクトDOの重なりが解消されるまで描画オブジェクトDOを拡大した場合、ノード間の接続関係が見難くなる場合がある。
これに対し、図4の(a)描画装置110による拡大では、例えば、”ノード番号5”(着目するノード)の接続先の”ノード番号35”等のノードは、表示画面610に表示される。このように、描画装置110による拡大では、ノード間の接続関係が見難くなることを抑制できる。
以上、図2から図4に示す実施形態においても、図1に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、描画装置110は、複数の描画オブジェクトDOが互いに重なる重複領域を検出し、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合における重複領域の総面積TAを算出する。そして、描画装置110は、複数の描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。例えば、描画装置110は、重複領域の総面積TAが大きくなるほど、第2の拡大率EF2を小さくする。そして、描画装置110は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。
このように、描画装置110は、描画オブジェクトDOの拡大率を、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に重複領域の総面積TAに基づいて修正する。これにより、描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制すること、すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。この結果、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを見やすくすることができ、ノードの詳細情報(ノードのラベル、ノード間の接続関係等)を容易に読み取ることができる。
図5は、描画方法、描画装置および描画プログラムの別の実施形態を示す。図1から図4で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。図5に示す描画装置120は、図2に示した拡大率修正部410の代わりに拡大率修正部420を有する。描画装置120のその他の構成は、図2に示した描画装置110と同一または同様である。描画装置120は、例えば、ディスプレイ等の表示装置600、マウス等の入力装置800およびメモリ700を有するコンピュータ等の情報処理装置に搭載される。描画装置120が実行する描画処理等の処理は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、描画処理をコンピュータに実行させてもよい。
描画装置120は、描画部200、受け付け部300、拡大率修正部420および拡大部500を有する。描画部200および受け付け部300は、図2に示した描画部200および受け付け部300と同一または同様である。
拡大率修正部420は、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合に表示画面610に表示される描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを算出する。そして、拡大率修正部420は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARの割合FR(以下、平面充填率FRとも称する)に基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。また、拡大率修正部400は、第2の拡大率EF2を示す情報を拡大部500に出力する。
例えば、拡大率修正部420は、描画面積算出部422、充填率算出部424および拡大率算出部426を有する。
描画面積算出部422は、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合に表示画面610に表示される描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを算出する。例えば、描画面積算出部422は、描画部200が保持している図形情報GINF、すなわち、表示画面610に表示されているネットワーク図NTDに対応する図形情報GINFに基づいて、描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを算出する。図1に示したネットワーク図NTDの例では、描画面積算出部422は、比較例に示した表示画面610における描画オブジェクトDO1、DO2、DO3の面積の総和を描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARとして算出する。
また、図2に示したネットワーク図NTDの例では、描画面積算出部422は、比較例に示した表示画面610における描画オブジェクトDOn1−DOn3、DOl1−DOl3の面積の総和を描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARとして算出する。なお、描画面積算出部422は、ノードのラベルを示す描画オブジェクトDOlの描画面積として、例えば、ラベルに外接する矩形領域の面積を算出する。
そして、描画面積算出部422は、描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを示す情報を充填率算出部424に出力する。
充填率算出部424は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARの割合FR(平面充填率FR)を、描画オブジェクトDOの配置状態を示す情報として算出する。そして、充填率算出部424は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRを示す情報を拡大率算出部426に出力する。
拡大率算出部426は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。例えば、拡大率算出部426は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値より大きい場合、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EFより小さくする。この場合、例えば、第2の拡大率EF2は、第1の拡大率EF1および描画オブジェクトDOの平面充填率FRを用いて、式(2)で表される。
EF2=EF1/(EF1−(EF1−1)/(FR+1)) ・・・(2)
このように、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値より大きい場合、第2の拡大率EF2は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが大きくなるほど、小さくなる。なお、第2の拡大率EF2の算出式は、式(2)に限定されない。なお、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値以下の場合、拡大率算出部426は、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EF1と同じ値にする。
拡大部500は、図2に示した拡大部500と同一または同様である。図5に示す描画装置120は、複数の描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAを算出する代わりに、描画オブジェクトDOの平面充填率FRを算出する。これにより、描画装置120は、複数の描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAの算出が困難なネットワーク図NTDにおいても、ネットワーク図NTDを拡大する際の描画オブジェクトDOの拡大率を調整できる。なお、描画装置120の構成は、図5に示す例に限定されない。
図6は、図5に示した描画装置120の動作の一例を示す。なお、図6は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大する際の描画装置120の動作の一例を示す。例えば、ステップS100の処理が実行される前に、拡大対象のネットワーク図NTD(例えば、オリジナルの図形情報GINF1等に基づくネットワーク図NTD)は、表示画面610に表示される。
なお、図6に示す動作は、ネットワーク図NTDを表示画面610に表示する描画方法の一態様である。図6に示す動作は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、図6に示す動作をコンピュータに実行させてもよい。
また、図6に示す動作では、図3に示したステップS200の処理の代わりにステップS210、S220の処理が実行され、図3に示したステップS300の処理の代わりにステップS310の処理が実行される。その他の動作は、図3に示した動作と同一または同様である。
ステップS100では、受け付け部300は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大させる拡大指示EINFを受け付け、拡大指示EINFに基づいて第1の拡大率EF1を算出する。
次に、ステップS210では、描画面積算出部422は、図5で説明したように、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合に表示画面610に表示される描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを算出する。
次に、ステップS220では、充填率算出部424は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARの割合FR(平面充填率FR)を算出する。
次に、ステップS310では、拡大率算出部426は、ステップS220で算出された描画オブジェクトDOの平面充填率FRに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。例えば、拡大率算出部426は、は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値より大きい場合、図5で説明した式(2)を用いて、第2の拡大率EF2を算出する。また、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値以下の場合、拡大率算出部426は、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EF1と同じ値にする。
次に、ステップS400では、拡大部500は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大することにより、ネットワーク図NTDを拡大する。これにより、拡大後のネットワーク図NTDに対応する図形情報GINF2が生成される。
次に、ステップS500では、描画部200は、拡大後のネットワーク図NTD(ステップS400で拡大されたネットワーク図NTD)を表示画面610に表示する。なお、描画装置120の動作は、図6に示す例に限定されない。
以上、図5から図6に示す実施形態においても、図2から図4に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、描画装置120は、第1の拡大率EF1でネットワーク図NTDを拡大した場合に表示画面610に表示される描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARを算出する。さらに、描画装置120は、表示画面610の面積に対する描画オブジェクトDOの描画面積の総和DARの割合FR(平面充填率FR)を算出する。そして、描画装置120は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRに基づいて、描画オブジェクトDOの拡大率を第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に修正する。
例えば、描画装置120は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値より大きい場合、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EFより小さくする。また、描画装置120は、描画オブジェクトDOの平面充填率FRが予め設定された閾値以下の場合、第2の拡大率EF2を第1の拡大率EF1と同じ値にする。そして、描画装置120は、ネットワーク図NTDにおける描画オブジェクトDOを除く要素を第1の拡大率EF1で拡大し、描画オブジェクトDOを第2の拡大率EF2で拡大する。
このように、描画装置120は、複数の描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAを算出する代わりに、描画オブジェクトDOの平面充填率FRを算出する。これにより、描画装置120は、複数の描画オブジェクトDOの重複領域の総面積TAの算出が困難なネットワーク図NTDにおいても、ネットワーク図NTDを拡大する際の描画オブジェクトDOの拡大率を調整できる。
例えば、描画装置120は、描画オブジェクトDOの拡大率を、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に描画オブジェクトDOの平面充填率FRに基づいて修正する。これにより、描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制すること、すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。この結果、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを見やすくすることができ、ノードの詳細情報(ノードのラベル、ノード間の接続関係等)を容易に読み取ることができる。
図7は、描画方法、描画装置および描画プログラムの別の実施形態を示す。図1から図6で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。図7に示す描画装置112では、判定部510および位置修正部520が図2に示した描画装置110に追加される。描画装置112のその他の構成は、図2に示した描画装置110と同一または同様である。描画装置112は、例えば、ディスプレイ等の表示装置600、マウス等の入力装置800およびメモリ700を有するコンピュータ等の情報処理装置に搭載される。描画装置112が実行する描画処理等の処理は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、描画処理をコンピュータに実行させてもよい。
描画装置112は、描画部200、受け付け部300、拡大率修正部410、拡大部500、判定部510および位置修正部520を有する。描画部200、受け付け部300、拡大率修正部410および拡大部500は、図2に示した描画部200、受け付け部300、拡大率修正部410および拡大部500と同一または同様である。
例えば、拡大部500は、ネットワーク図NTDを第1の拡大率EF1で拡大する際、描画オブジェクトDOを第1の拡大率EF1で拡大する代わりに第2の拡大率EF2で拡大してネットワーク図NTDを拡大する。そして、拡大部500は、拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2aを判定部510および位置修正部520に出力する。
判定部510は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示した場合に表示画面610の中心に最も近いノードである第1のノードを特定する。そして、判定部510は、第1のノードに接続されるノードのうちの少なくとも1つを第2のノードに特定し、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるか否かを判定する。
例えば、図4の(a)に示したネットワーク図NTDの場合、判定部510は、”ノード番号5”のノードを第1のノードに特定する。そして、判定部510は、第1のノード(例えば、図4に示した”ノード番号5”)に接続されるノード(例えば、図4に示した”ノード番号35”、”ノード番号32”等)のうちの少なくとも1つを第2のノードに特定する。
例えば、判定部510は、第1のノードに接続されるノードのうち、第1のノードに最も近い位置に配置されたノードを第2のノードに特定する。なお、第2のノードの特定条件は、第1のノードに最も近い位置に配置されたノードに限定されない。例えば、判定部510は、第1のノードに接続されるノードのうち、第1のノードとの距離が所定値以下のノードを第2のノードに特定してもよいし、第1のノードに接続される全てのノードを第2のノードに特定してもよい。あるいは、第2のノードは、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを見ているユーザにより指定されてもよい。
第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるか否かの判定結果は、位置修正部520に通知される。
位置修正部520は、拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2aを拡大部500から受け、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるか否かの判定結果を示す情報を判定部510から受ける。そして、位置修正部520は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を表示画面610に表示される位置に修正する。
そして、位置修正部520は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を修正した拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2bを描画部200に出力する。これにより、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるように拡大されたネットワーク図NTDが、表示画面610に表示される。第1のノードに接続される第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるため、第1のノードと第2のノードとの接続関係を容易に読み取ることができる。
なお、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されると判定部510により判定された場合、位置修正部520は、拡大部500から受けた図形情報GINF2aを、図形情報GINF2bとして描画部200に出力する。これにより、拡大後のネットワーク図NTDが表示画面610に表示される。
描画装置112の構成は、図7に示す例に限定されない。例えば、位置修正部520は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610からはみ出さないようにする第3の拡大率を算出してもよい。この場合、位置修正部520は、第1のノードを表す描画オブジェクトDOと第2のノードを表す描画オブジェクトDOとの間隔を第1の拡大率EF1の代わりに第3の拡大率で広げた場合における第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を算出する。そして、位置修正部520は、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を、第3の拡大率を用いて算出した位置に修正する。あるいは、位置修正部520は、第1のノードを表す描画オブジェクトDOと、第1のノードに接続されるノードを表す描画オブジェクトDOとの間隔を、第2のノードか否かに拘わらず、第3の拡大率で広げてもよい。
図8は、図7に示した描画装置112の動作の一例を示す。なお、図8は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大する際の描画装置112の動作の一例を示す。例えば、ステップS100の処理が実行される前に、拡大対象のネットワーク図NTD(例えば、オリジナルの図形情報GINF1等に基づくネットワーク図NTD)は、表示画面610に表示される。
なお、図8に示す動作は、ネットワーク図NTDを表示画面610に表示する描画方法の一態様である。図8に示す動作は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、図8に示す動作をコンピュータに実行させてもよい。
また、図8に示す動作では、ステップS410、S420の処理が図3に示した動作に追加される。その他の動作は、図3に示した動作と同一または同様である。なお、描画装置112の動作は、図8に示す例に限定されない。
ステップS100、S200、S300、S400の各ステップでは、描画装置112は、図3で説明したステップS100、S200、S300、S400の各処理と同一または同様の処理を実行する。そして、ステップS400の処理が実行された後、描画装置112の動作は、ステップS410に移る。
ステップS410では、判定部510は、図7で説明したように、第1のノードに接続される第2のノード(すなわち、第2のノードを表す描画オブジェクトDO)が表示画面610に表示されるか否かを判定する。なお、第1のノードは、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示した場合に表示画面610の中心に最も近いノードであり、第2のノードは、第1のノードに接続されるノードのうちの少なくとも1つのノードである。
第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示される場合、描画装置112の動作は、ステップS500に移る。一方、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、描画装置112の動作は、ステップS420に移る。
ステップS420では、位置修正部520は、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードの位置(すなわち、第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置)を表示画面610に表示される位置に修正する。これにより、ステップS400で拡大したネットワーク図NTDに対して第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を修正したネットワーク図NTDに対応する図形情報GINF2bが生成される。ステップS420の処理が実行された後、描画装置112の動作は、ステップS500に移る。
ステップS500では、描画部200は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示する。拡大後のネットワーク図NTDは、ステップS400で拡大されたネットワーク図NTD、または、ステップS420で第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置が修正されたネットワーク図NTDである。
以上、図7から図8に示す実施形態においても、図2から図4に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、描画装置112は、拡大指示EINFに基づいてネットワーク図NTDを拡大する際、描画オブジェクトDOの拡大率を、拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に重複領域の総面積TAに基づいて修正する。これにより、描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制すること、すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。この結果、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを見やすくすることができ、ノードの詳細情報(ノードのラベル、ノード間の接続関係等)を容易に読み取ることができる。
さらに、描画装置112は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示した場合に表示画面610の中心に最も近い第1のノードに接続されるノードのうちの少なくとも1つを第2のノードに特定する。そして、描画装置112は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を表示画面610に表示される位置に修正する。これにより、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるように拡大されたネットワーク図NTDが、表示画面610に表示される。第1のノードに接続される第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるため、第1のノードと第2のノードとの接続関係を容易に読み取ることができる。すなわち、ノード間の接続関係が見難くなることを防止することができる。
図9は、描画方法、描画装置および描画プログラムの別の実施形態を示す。図1から図8で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。図9に示す描画装置122では、判定部510および位置修正部520が図5に示した描画装置120に追加される。描画装置122のその他の構成は、図5に示した描画装置120と同一または同様である。描画装置122は、例えば、ディスプレイ等の表示装置600、マウス等の入力装置800およびメモリ700を有するコンピュータ等の情報処理装置に搭載される。描画装置122が実行する描画処理等の処理は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、描画処理をコンピュータに実行させてもよい。
描画装置122は、描画部200、受け付け部300、拡大率修正部420、拡大部500、判定部510および位置修正部520を有する。描画部200、受け付け部300、拡大率修正部420および拡大部500は、図5に示した描画部200、受け付け部300、拡大率修正部420および拡大部500と同一または同様である。
例えば、拡大部500は、ネットワーク図NTDを第1の拡大率EF1で拡大する際、描画オブジェクトDOを第1の拡大率EF1で拡大する代わりに第2の拡大率EF2で拡大してネットワーク図NTDを拡大する。そして、拡大部500は、拡大後のネットワーク図NTDの図形情報GINF2aを判定部510および位置修正部520に出力する。
判定部510および位置修正部520は、図7に示した判定部510および位置修正部520と同一または同様である。例えば、判定部510は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示した場合に表示画面610の中心に最も近いノードである第1のノードを特定する。そして、判定部510は、第1のノードに接続されるノードのうちの少なくとも1つを第2のノードに特定し、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるか否かを判定する。
位置修正部520は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を表示画面610に表示される位置に修正する。なお、描画装置122の構成は、図9に示す例に限定されない。
図10は、図9に示した描画装置122の動作の一例を示す。なお、図10は、表示画面610に表示されたネットワーク図NTDを拡大する際の描画装置122の動作の一例を示す。例えば、ステップS100の処理が実行される前に、拡大対象のネットワーク図NTD(例えば、オリジナルの図形情報GINF1等に基づくネットワーク図NTD)は、表示画面610に表示される。
なお、図10に示す動作は、ネットワーク図NTDを表示画面610に表示する描画方法の一態様である。図10に示す動作は、ハードウェアのみで実現されてもよく、描画プログラム等のソフトウェアによりハードウェアを制御することにより実現されてもよい。例えば、描画プログラムは、図10に示す動作をコンピュータに実行させてもよい。
また、図10に示す動作では、ステップS410、S420の処理が図6に示した動作に追加される。その他の動作は、図6に示した動作と同一または同様である。なお、描画装置122の動作は、図10に示す例に限定されない。
ステップS100、S210、S220、S310、S400の各ステップでは、描画装置122は、図6で説明したステップS100、S210、S220、S310、S400の各処理と同一または同様の処理を実行する。そして、ステップS400の処理が実行された後、描画装置122の動作は、ステップS410に移る。
ステップS410では、描画装置122は、図8で説明したステップS410の処理と同一または同様の処理を実行する。例えば、ステップS410では、判定部510は、図7で説明したように、第1のノードに接続される第2のノード(すなわち、第2のノードを表す描画オブジェクトDO)が表示画面610に表示されるか否かを判定する。第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示される場合、描画装置122の動作は、ステップS500に移る。一方、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、描画装置122の動作は、ステップS420に移る。
ステップS420では、描画装置122は、図8で説明したステップS420の処理と同一または同様の処理を実行する。例えば、ステップS420では、位置修正部520は、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードの位置(すなわち、第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置)を表示画面610に表示される位置に修正する。ステップS420の処理が実行された後、描画装置122の動作は、ステップS500に移る。
ステップS500では、描画装置122は、図8で説明したステップS500の処理と同一または同様の処理を実行する。すなわち、ステップS500では、描画部200は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示する。
以上、図9から図10に示す実施形態においても、図5から図6に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、描画装置122は、拡大指示EINFに基づいてネットワーク図NTDを拡大する際、描画オブジェクトDOの拡大率を拡大指示EINFに基づく第1の拡大率EF1以下の第2の拡大率EF2に描画オブジェクトDOの平面充填率FRに基づいて修正する。これにより、描画オブジェクトDO2の重なりの発生を抑制すること、すなわち、ノードの重なりの発生を抑制することができる。この結果、表示画面610に表示されるネットワーク図NTDを見やすくすることができ、ノードの詳細情報(ノードのラベル、ノード間の接続関係等)を容易に読み取ることができる。
さらに、描画装置122は、拡大後のネットワーク図NTDを表示画面610に表示した場合に表示画面610の中心に最も近い第1のノードに接続されるノードのうちの少なくとも1つを第2のノードに特定する。そして、描画装置122は、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されない場合、拡大後のネットワーク図NTDにおける第2のノードを表す描画オブジェクトDOの位置を表示画面610に表示される位置に修正する。これにより、第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるように拡大されたネットワーク図NTDが、表示画面610に表示される。第1のノードに接続される第2のノードを表す描画オブジェクトDOが表示画面610に表示されるため、第1のノードと第2のノードとの接続関係を容易に読み取ることができる。すなわち、ノード間の接続関係が見難くなることを防止することができる。
図11は、描画プログラムを実行するハードウェアの一例を示す。なお、図1から図10で説明した要素と同一または同様の要素については、同一または同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、描画プログラムは、図1、図2、図5、図7および図9に示した描画装置100、110、120、112、122の機能をコンピュータCPで実現する。
コンピュータCPは、プロセッサPU、メモリMEM、ハードディスク装置HDD、出力部OUTU、入力部INUおよび光学ドライブ装置ODRを有する。プロセッサPU、メモリMEM、ハードディスク装置HDD、出力部OUTU、入力部INUおよび光学ドライブ装置ODRは、バスBUSに接続される。描画装置100、110、112、120、122の機能は、例えば、プロセッサPU、メモリMEMおよびハードディスク装置HDDにより実現される。
光学ドライブ装置ODRは、光ディスク等のリムーバブルディスクDISを装着可能であり、装着したリムーバブルディスクDISに記録された情報の読み出しおよび記録を実行する。
出力部OUTUは、例えば、プロセッサPUにより実行された処理の結果を出力するユニットであり、図1等に示した表示装置600に対応する。出力部OUTUの一例は、ディスプレイ、タッチパネル等である。また、入力部INUは、例えば、ユーザからの操作を受け、コンピュータCPにデータを入力するユニットであり、図2等に示した入力装置700に対応する。入力部INUの一例は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
メモリMEMは、例えば、コンピュータCPのオペレーティングシステムを格納する。また、メモリMEMは、例えば、図3、図6、図8、図10等に示した動作をプロセッサPUが実行するための描画プログラム等のアプリケーションプログラムを格納する。なお、描画プログラム等のアプリケーションプログラムは、ハードディスク装置HDDに格納されてもよい。
また、メモリMEMの一部の領域は、図2等に示したメモリ700に割り当てられてもよい。あるいは、メモリMEMとは別の記憶装置(図示せず)に、図2等に示したメモリ700が割り当てられてもよい。
描画プログラム等のアプリケーションプログラムは、例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスクDISに記録して頒布することができる。例えば、コンピュータCPは、描画プログラム等のアプリケーションプログラムを、リムーバブルディスクDISから光学ドライブ装置ODRを介して読み出し、メモリMEMやハードディスク装置HDDに格納してもよい。また、コンピュータCPは、描画プログラム等のアプリケーションプログラムを、インターネット等のネットワークに接続する通信装置(図示せず)を介してダウンロードし、メモリMEMやハードディスク装置HDDに格納してもよい。
例えば、プロセッサPUは、メモリMEM等に格納された描画プログラムを実行することにより、図1、図2、図5、図7および図9に示した描画装置100、110、120、112、122の機能を実現する。すなわち、描画装置100、110、112、120、122は、プロセッサPU、メモリMEMおよびハードディスク装置HDDの協同により実現することができる。
なお、描画プログラムを実行するハードウェアは、図11に示す例に限定されない。例えば、コンピュータCPは、入力部INUおよび出力部OUTUの代わりに、タッチパネル等の入出力部を有してもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。