JP2017151235A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニップ部を通過した用紙の全体をより確実に定着部材から分離でき、かつニップ部通過直後の用紙を冷却する。【解決手段】定着装置は、筐体34内に、用紙Pを加熱する定着部材31と、定着部材31を押圧し定着部材31との間にニップ部Nを形成する加圧部材32とを備え、ニップ部Nに通紙される用紙Pに画像を熱定着させる定着装置であって、ニップ部Nに用紙搬送方向下流側から空気を吹き付け、用紙Pを分離するための送風部33と、筐体34の内部温度に基づき、送風部33が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する制御部と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、複写機等の電子写真方式の画像形成装置においては、画像が印字された用紙が機外へ排出され、排紙トレイ等に複数積載されると、用紙同士で画像面がくっ付き合うタッキングと呼ばれる現象が発生する場合がある。このような問題に対しては、画像形成装置に、画像印字後の用紙を冷却する専用のファンやローラー対を設け、用紙の温度を低下させる対応がなされている。しかしながら、これによって画像形成装置の大型化やコストアップを伴うといった別の問題が生じ得る。
また、定着装置における加熱部材と加圧部材との間のニップ部を通過した後の用紙は、十分に冷却されていないうちに搬送ローラーやガイド部材等に当接することで、画像不良を生じてしまうおそれがある。このため、ニップ部を通過した後、用紙を速やかに冷却することが好ましい。
ここで、定着装置には、ニップ部に空気を吹き付けることによって、ニップ部を通過した後の用紙を定着ローラー等の定着部材から効率良く分離させる送風部が設けられる場合があり、この送風部を用いてニップ部を通過した直後の用紙を冷却することで上記問題に対応し得ると考えられる。しかしながら、用紙の分離用途で用いられる送風部の風速は弱く、しかも空気の吹き付け位置が限定的であるため、この送風部をそのまま用いてもニップ部通過直後の用紙を十分に冷却することはできない。
そこで、例えば、用紙の搬送方向先端部がニップ部に存在するときには、ニップ部に空気を吹き付けて用紙の分離を行い、用紙の搬送方向先端部がニップ部を通過した後には、送風部の空気吹き付け位置を切り替えて、用紙全面に空気を吹き付けて用紙の冷却を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記技術にあっては、用紙の搬送方向先端部がニップ部を通過した後には、送風部の空気吹き付け位置を切り替えており、ニップ部に空気を吹き付けない。このため、用紙の搬送方向先端部以外の部分がニップ部を通過するときにはニップ部に空気が吹き付けられないため、定着部材からの用紙の分離が十分とはいえない。
そこで、本発明は、ニップ部を通過した用紙の全体をより確実に定着部材から分離でき、かつニップ部通過直後の用紙を冷却できる定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、定着装置において、
筐体内に、用紙を加熱する定着部材と、前記定着部材を押圧し前記定着部材との間にニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記ニップ部に通紙される用紙に画像を熱定着させる定着装置であって、
前記ニップ部に用紙搬送方向下流側から空気を吹き付け、用紙を分離するための送風部と、
前記筐体の内部温度に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する制御部と、を備えることを特徴とする。
筐体内に、用紙を加熱する定着部材と、前記定着部材を押圧し前記定着部材との間にニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記ニップ部に通紙される用紙に画像を熱定着させる定着装置であって、
前記ニップ部に用紙搬送方向下流側から空気を吹き付け、用紙を分離するための送風部と、
前記筐体の内部温度に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、
前記制御部は、前記筐体の内部温度が所定値を超えたときに、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを冷却能が増大するように調整することを特徴とする。
前記制御部は、前記筐体の内部温度が所定値を超えたときに、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを冷却能が増大するように調整することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の定着装置において、
前記制御部は、通紙枚数又は駆動時間に基づき、前記筐体の内部温度が所定値を超えたか否かを判定することを特徴とする。
前記制御部は、通紙枚数又は駆動時間に基づき、前記筐体の内部温度が所定値を超えたか否かを判定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記送風部は、
前記筐体の近傍の空気を取り入れる第1吸入口と、
前記第1吸入口よりも前記筐体から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口と、
前記制御部による制御下で、前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整する吸入量調整部と、を有し、
前記第1吸入口及び前記第2吸入口の少なくとも一方から取り入れた空気を前記ニップ部に吹き付けることを特徴とする。
前記送風部は、
前記筐体の近傍の空気を取り入れる第1吸入口と、
前記第1吸入口よりも前記筐体から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口と、
前記制御部による制御下で、前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整する吸入量調整部と、を有し、
前記第1吸入口及び前記第2吸入口の少なくとも一方から取り入れた空気を前記ニップ部に吹き付けることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の定着装置において、
前記送風部は、吹き付ける空気の温度を検出する温度検出部を有し、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度に基づき、前記吸入量調整部に前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整させることを特徴とする。
前記送風部は、吹き付ける空気の温度を検出する温度検出部を有し、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度に基づき、前記吸入量調整部に前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整することを特徴とする。
前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記送風部は、前記ニップ部に通紙される用紙の用紙幅方向に沿って複数設けられていることを特徴とする。
前記送風部は、前記ニップ部に通紙される用紙の用紙幅方向に沿って複数設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置において、
前記送風部は、空気を吹き出す吹出口の開口面積を調整する吹出口調整部を有することを特徴とする。
前記送風部は、空気を吹き出す吹出口の開口面積を調整する吹出口調整部を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の定着装置において、
前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記吹出口調整部に前記吹出口の開口面積を調整させることを特徴とする。
前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記吹出口調整部に前記吹出口の開口面積を調整させることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、画像形成装置において、
用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記トナー像を定着させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする。
用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記トナー像を定着させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ニップ部を通過した用紙の全体をより確実に定着部材から分離でき、かつ定着ニップ部通過直後の用紙を冷却できる定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成を示す図である。図2は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、用紙に画像を形成する複合機等の画像形成装置である。図1に示すように、画像形成装置1は、原稿読取部15、搬送部16、給紙部18、画像形成部20及び定着部30等を備える。
原稿読取部15は、コピー用に設けられたスキャナー等であり、制御部11の指示に従って、原稿台上にセットされた原稿dを読み取って、画素ごとにR(赤)、G(緑)及びB(青)の色値を有するビットマップ形式の原画像を生成する。原稿読取部15により生成されたR、G及びBの色値を有する原画像は、図示しない色変換部によりC、M、Y及びKの色値を有する原画像に色変換された後、記憶部12(図2参照)に記憶される。
搬送部16は、複数の搬送ローラー161A、161B、161C、161D、レジストローラー162及び排紙ローラー163等で構成されている。搬送部16は、制御部11の指示に従って、給紙部18や手差しトレイから給紙された用紙を、画像形成部20、定着部30へ搬送し、画像形成及び定着された用紙を排紙口24から排紙トレイ25に排出する。排紙トレイ25は、排出された用紙を載置する。搬送部16は、定着部30から搬送された用紙を反転して再度画像形成部20に搬送する反転部16aを有する。
給紙部18は、複数の給紙トレイを備え、制御部11の指示に従って、給紙手段181により画像形成部20に用紙を供給する。各給紙トレイには、それぞれ予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
画像形成部20は、制御部11の指示に従って、画像処理部17(図2参照)により画像処理された原画像に基づいて、C、M、Y及びKの複数の色からなる画像を用紙上に形成する。画像形成部20は、4つの書込みユニット21Y、21M、21C、21K、中間転写ベルト22、2次転写ローラー23を備えている。
4つの書込みユニット21Y、21M、21C、21Kは、中間転写ベルト22のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、それぞれC、M、Y及びKの色の画像を形成する。書込みユニット21Yは、感光体211Y、帯電部212Y、光走査装置213Y、現像部214Y、1次転写ローラー215Y及びクリーニング部216Yを備えている。画像形成時、書込みユニット21Yでは、帯電部212Yにより感光体211Yに電圧を印加して帯電させた後、光走査装置213Yにより原画像に基づいて発光させた光束で感光体211Y上を走査して静電潜像を形成する。現像部214Yによりトナー等の色材を供給して、感光体211Y上の静電潜像を現像すると、像担持体である感光体211Y上にトナー像が形成される。
なお、各書込みユニット21M、21C、21Kは、書込みユニット21Yと同様に構成されているため、その説明を省略する。
なお、各書込みユニット21M、21C、21Kは、書込みユニット21Yと同様に構成されているため、その説明を省略する。
各書込みユニット21Y〜21Kにおいて、感光体211Y〜211K上にトナー像が形成されると、1次転写ローラー215Y〜215Kにより、感光体211Y〜211K上のトナー像が中間転写ベルト22上に順次重ねて転写(1次転写)される。これにより、中間転写ベルト22上には複数の色からなるトナー像が形成される。1次転写後、クリーニング部216Y〜216Kにより感光体211Y〜211K上に残留する色材が除去される。
中間転写ベルト22は、複数のローラーにより巻き回されて回転する像担持体である。複数のローラーの中には、1次転写ローラー215Y〜215Kが含まれる。
2次転写ローラー23は、給紙部18から搬送される用紙の搬送経路上に配置されている。2次転写ローラー23は、給紙部18から給紙された用紙上に、中間転写ベルト22上のトナー像を転写(2次転写)し、定着部30に搬送する。
定着部30は、制御部11の指示に従って、画像形成部20により色材の像としてのトナー像が形成された用紙に、画像を熱定着させる。すなわち、定着部30は、画像形成部20によりトナー像が形成された用紙を加熱及び加圧する。用紙の両面に画像を形成する場合、定着部30により一方の面に画像が定着された用紙は、反転部16aにより用紙面を反転された後、再度2次転写ローラー23の位置へ給紙される。
図2に示すように、画像形成装置1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、原稿読取部15、搬送部16、画像処理部17、給紙部18、通信部19、画像形成部20及び定着部30等を備える。画像形成装置1の各部は、バス40を介して接続されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、画像形成装置1の各部を制御する。ROMは、各種プログラム及び各種データが記憶されている記憶部である。制御部11は、CPUがROMから各種プログラムを読み出して適宜RAMに展開し、展開したプログラムとCPUの協働で、各種処理を実行する。例えば、制御部11は、原稿読取部15により生成され又は通信部19を介して受信され、記憶部12に保持されたビットマップ形式の原画像を、画像処理部17により画像処理させて、画像処理後の原画像データに基づき、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、各種画像処理に係る画像データ等の各種データを一時的に記憶する画像メモリーである。また、記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)等を有し、各種データを書き込み及び読み出し可能に記憶する構成としても良い。
操作部13及び表示部14は、ユーザーインターフェイスとして画像形成装置1に設けられる。操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。操作部13としては、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等を用いることができる。表示部14は、制御部11の指示に従って、操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
画像処理部17は、記憶部12に記憶された画像データ、原稿読取部15により原稿から画像を読み取って得られた画像データ、通信部19を介して外部装置から入力された画像データに必要な画像処理を行い、画像処理後の画像データを画像形成部20に出力する。画像処理には、階調処理、中間調処理、色変換処理等が含まれる。階調処理は、画像データの各画素の階調値を、用紙上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように補正された階調値に変換する処理である。中間調処理は、誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。色変換処理は、RGBの各階調値をCMYKの各階調値に変換する処理である。
通信部19は、ネットワークカード等で構成され、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続される。通信部19は、ネットワーク上の外部装置、例えばPC(Personal Computer)等のユーザー端末、サーバー等と通信する。通信部19は、ネットワークを介して、画像を形成するための画像データを外部装置から受信する。
次に、図3及び図4を参照して、定着部30の構成をより詳細に説明する。図3は、定着部30の概略図である。図4は、定着部30を構成する送風部33の一部を示す概略図である。
定着部30は、図3に示すように、用紙を加熱する定着部材31、当該定着部材31を押圧し当該定着部材31との間にニップ部Nを形成する加圧部材32、ニップ部Nに用紙搬送方向(図3中、矢印a方向)下流側から空気を吹き付け、用紙Pを分離するための送風部33、これらの各部材を収容する筐体34、及び筐体34の内部温度を検出する内部温度検出部35等を主に備えて構成されている。また、このように構成される定着部30と、当該定着部30の各部を制御する上記制御部11とにより、定着装置が構成されている。
定着部材31及び加圧部材32により形成されるニップ部Nに、トナー像が形成された用紙Pが通紙され、当該用紙Pを定着部材31が加熱するとともに加圧部材32が加圧することで、用紙P上に画像が熱定着される。また、送風部33が、ニップ部Nに空気を吹き付けることで、ニップ部Nを通過した用紙Pが定着部材31から分離されやすくなっている。また、上記制御部11は、筐体34の内部温度に基づき、送風部33が吹き付ける空気の送風条件、すなわち、風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する。吹き付ける空気の風速及び風量のうちの少なくとも一方を上昇させるか、吹き付ける空気の温度を低下させるか、又はこれらの両方を行うことで、送風部33の冷却能を増大させることができる。
定着部材31及び加圧部材32により形成されるニップ部Nに、トナー像が形成された用紙Pが通紙され、当該用紙Pを定着部材31が加熱するとともに加圧部材32が加圧することで、用紙P上に画像が熱定着される。また、送風部33が、ニップ部Nに空気を吹き付けることで、ニップ部Nを通過した用紙Pが定着部材31から分離されやすくなっている。また、上記制御部11は、筐体34の内部温度に基づき、送風部33が吹き付ける空気の送風条件、すなわち、風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する。吹き付ける空気の風速及び風量のうちの少なくとも一方を上昇させるか、吹き付ける空気の温度を低下させるか、又はこれらの両方を行うことで、送風部33の冷却能を増大させることができる。
定着部材31は、加熱ローラー311、加圧部材32を押圧する定着ローラー312、並びに、これら加熱ローラー311及び定着ローラー312に張架された定着ベルト313等を有する。加熱ローラー311及び定着ローラー312は、制御部11の指示に従って回転駆動する。なお、定着ベルト313の内側には、定着ベルト313を内側から押圧するテンションローラーが更に設けられていても良い。
加熱ローラー311は、ハロゲンヒーター311aを内蔵し、制御部11の指示に従って定着ベルト313を加熱する。加熱ローラー311は、例えば、アルミニウム等で形成された肉厚3mmの円筒状の芯金311bの外周面が、厚さ30μmのPFAでコーティングした樹脂層311cで被覆されて構成されている。また、加熱ローラー311の外径寸法は、例えば52mmである。
また、ハロゲンヒーター311aとしては、異なった紙幅に対応するため例えば930Wと600Wの部分が設けられ、軸方向に異なる発熱分布を有している。
また、ハロゲンヒーター311aとしては、異なった紙幅に対応するため例えば930Wと600Wの部分が設けられ、軸方向に異なる発熱分布を有している。
定着ローラー312は、例えば、鉄等の金属から形成された筒状の芯金312aの外周面が、耐熱性のソリッドゴムであるシリコンゴム(硬度JIS−A10°)からなる厚さ7.5mmの弾性層312bで被覆されて構成されている。また、定着ローラー312の外径寸法は、例えば60mmである。なお、弾性層312bは、シリコンゴムに代えてフッ素ゴムを用いても良い。
定着ベルト313は、無端状に形成されている。定着ベルト313は、例えば、導電性のPI(ポリイミド)からなる厚さ70μmの無端状の基体の外周面に、耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A30°)からなる厚さ220μmの弾性層と、耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)からなる厚さ30μmのチューブとが積層されて構成されたものが用いられる。また、定着ベルト313の内径寸法は、例えば99mmである。
加圧部材32は、制御部11の指示に従って回転駆動するローラー部材である。また、加圧部材32は、所定の付勢手段(図示略)により、定着ベルト313を介して定着ローラー312を押圧し、これにより用紙Pが通紙されるニップ部Nを形成している。当該付勢手段による加圧部材32の定着ローラー312への荷重は、例えば1000Nである。また、加圧部材32は、ハロゲンヒーター321を内蔵し、制御部11の指示に従って発熱する。これにより、画像形成装置1の電源投入直後の定着部30の昇温時間を短縮することができる。
加圧部材32は、例えば、アルミニウム等から形成された肉厚3mmの円筒状の芯金322の外周面が、耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A20°)からなる厚さ2mmの弾性層323と、厚さ30μmのPFAチューブの樹脂層324とで被覆されて構成されている。また、加圧部材32の外径寸法は、例えば60mmである。
加圧部材32は、例えば、アルミニウム等から形成された肉厚3mmの円筒状の芯金322の外周面が、耐熱性のシリコンゴム(硬度JIS−A20°)からなる厚さ2mmの弾性層323と、厚さ30μmのPFAチューブの樹脂層324とで被覆されて構成されている。また、加圧部材32の外径寸法は、例えば60mmである。
送風部33は、内部で生じた空気の流れをニップ部Nに導くダクト部331、ダクト部331内に設けられて図3及び図4中の矢印b方向に空気の流れを生じさせる送風ファン332、ダクト部331内において送風ファン332よりも空気の流れ方向上流側に設けられる流量調整弁(吸入量調整部)333、吹き付ける空気の温度を検出する温度検出部334、及びダクト部331の吹出口331aの開口面積を調整する吹出口調整部335等を有する。
ダクト部331は、中空の筒状部材であって、一端が定着部30のニップ部N近傍に設けられ、他端が筐体34の外部へ連通している。
ダクト部331の一端は、先端ほど断面積が小さくなるように形成され、その先端部には、ニップ部Nに空気を吹き付けるための吹出口331aが設けられている。吹出口331aは、ニップ部Nの用紙幅方向全体に亘って設けられている。
ダクト部331の一端は、先端ほど断面積が小さくなるように形成され、その先端部には、ニップ部Nに空気を吹き付けるための吹出口331aが設けられている。吹出口331aは、ニップ部Nの用紙幅方向全体に亘って設けられている。
また、ダクト部331の流量調整弁333よりも空気の流れ方向上流側の部分は、二つに分岐し、第1吸入管331bと第2吸入管331cとを構成している。
第1吸入管331bは、筐体34の外側に設けられ、その先端には筐体34の近傍の空気を取り入れる第1吸入口331dが設けられている。ここで、筐体34の近傍とは、定着部30が発する熱によって、当該定着部30の昇温開始前よりも昇温された空気が存在する箇所をいう。したがって、第1吸入管331b及び第1吸入口331dは、筐体34の内側に設けられていても良い。
また、第2吸入管331cは、画像形成装置1の外側に連通し、その先端には第1吸入口331dよりも筐体34から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口331eが設けられている。このため、第2吸入口331eが設けられている位置は筐体34の近傍ではなく、第2吸入口331eから取り入れられる空気は、第1吸入口331dから取り入れられる空気よりも低温である。
第1吸入管331bは、筐体34の外側に設けられ、その先端には筐体34の近傍の空気を取り入れる第1吸入口331dが設けられている。ここで、筐体34の近傍とは、定着部30が発する熱によって、当該定着部30の昇温開始前よりも昇温された空気が存在する箇所をいう。したがって、第1吸入管331b及び第1吸入口331dは、筐体34の内側に設けられていても良い。
また、第2吸入管331cは、画像形成装置1の外側に連通し、その先端には第1吸入口331dよりも筐体34から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口331eが設けられている。このため、第2吸入口331eが設けられている位置は筐体34の近傍ではなく、第2吸入口331eから取り入れられる空気は、第1吸入口331dから取り入れられる空気よりも低温である。
送風ファン332は、ダクト部331内に設けられ、制御部11の指示に従って回転駆動することでダクト部331内に、吹出口331aへ向かう空気の流れを生じさせる。これにより、ダクト部331が、第1吸入口331d及び第2吸入口331eから空気を取り入れて、吹出口331aから空気を吹き付けることが可能となっている。また、送風ファン332は、制御部11の指示に従って、回転駆動速度を変化させることができ、吹出口331aから吹き付ける空気の風速及び風量を調整することができる。
流量調整弁333は、ダクト部331の他端が第1吸入管331bと第2吸入管331cとに分岐する分岐点に設けられている。流量調整弁333は、制御部11の制御下で図3中の矢印e方向に移動して第1吸入管331b及び第2吸入管331cの開度を調整し、第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の量の割合を調整する。これにより、第1吸入管331bから取り入れる空気の割合と、第2吸入管331cから取り入れる空気の割合とを調整して、吹出口331aから吹き付ける空気の温度を変化させることができ、制御部11は、送風部33の送風条件を調整することができる。また、送風部33が送風条件を調整する際に、制御部11は、流量調整弁333の開度を徐々に変化させることで、吹き付ける空気の温度を徐々に変化させることができる。これにより、用紙P上に形成される画像の光沢等の画質の急激な変化を抑制することができる。
温度検出部334は、ダクト部331内において、送風ファン332よりも空気の流れ方向下流側に設けられて、送風ファン332により吹出口331aへ流れる空気の温度を検出する。また、温度検出部334は、検出した空気の温度を制御部11に出力する。
これにより、制御部11は、温度検出部334により検出された温度に基づき、流量調整弁333に第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の量の割合を調整させることができる。よって、送風部33が吹き付ける空気の温度を精度良く調整することができる。
これにより、制御部11は、温度検出部334により検出された温度に基づき、流量調整弁333に第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の量の割合を調整させることができる。よって、送風部33が吹き付ける空気の温度を精度良く調整することができる。
吹出口調整部335は、図4に示すように、ダクト部331の吹出口331a近傍に設けられている。吹出口調整部335は、制御部11の指示に従って、ダクト部331の一部を図4中の矢印f方向に移動させ、吹出口331aの開口面積を調整する。ここで、開口面積とは、吹出口331aを構成するダクト部331の先端における、内壁面よりも内側の領域の面積である。制御部11は、用紙の種類及び坪量に基づき、吹出口調整部335に吹出口331aの開口面積を調整させる。これにより、送風部33が吹出口331aから空気を吹き付ける範囲を変更することができ、用紙のサイズ等に応じて効率的に用紙の分離及び冷却を行うことができる。
なお、このように構成される送風部33は、ニップ部Nに通紙される用紙Pの用紙幅方向に沿って複数設けられているものとしても良い。この場合、複数の送風部33は、ニップ部Nの用紙幅方向全体に亘って空気を吹き付けることができるように、それらの吹出口331aが用紙幅方向に沿ってほぼ隙間なく配置されていることが好ましい。送風部33が複数設けられていることにより、用紙幅方向においてニップ部Nに対して異なる送風条件で空気を吹き付けることができ、高温になりやすい用紙幅方向中央部に対して冷却能を増大させたり、用紙幅方向において用紙Pのトナー付着量が多い部分に対して冷却能を増大させたりすることが可能となる。これにより、用紙Pの定着ベルト313からの分離及び冷却をより確実に行うことができる。
筐体34は、図3に示すように、定着部材31、加圧部材32、送風部33の一部及び内部温度検出部35等を収容する部材である。
内部温度検出部35は、筐体34内において定着ベルト313を介して加熱ローラー311に対向して設けられ、筐体34の内部温度を検出し、検出された温度を制御部11に出力する。これにより、制御部11は、筐体34の内部温度が所定値を超えたか否かを判定することができる。
また、内部温度検出部35は、定着ベルト313の表面温度を検出して、検出された温度を制御部11に出力する。これにより、制御部11は、検出された定着ベルト313の表面温度が定着温度に達したか否かを判定でき、定着温度に達したときに定着部30への通紙を開始してジョブを実施する。なお、定着ベルト313の表面温度が定着温度に達するタイミングと、筐体34の内部温度が所定値を超えるタイミングとは異なる。
また、内部温度検出部35は、定着ベルト313の表面温度を検出して、検出された温度を制御部11に出力する。これにより、制御部11は、検出された定着ベルト313の表面温度が定着温度に達したか否かを判定でき、定着温度に達したときに定着部30への通紙を開始してジョブを実施する。なお、定着ベルト313の表面温度が定着温度に達するタイミングと、筐体34の内部温度が所定値を超えるタイミングとは異なる。
上記した制御部11は、筐体34の内部温度に基づき、当該内部温度が所定値を超えたときに、送風部33が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを冷却能が増大するように調整する。
より具体的には、制御部11は、定着部30への通紙を開始した後に、内部温度検出部35により検出された筐体34の内部温度が所定値を超えたと判定すると、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整する。すなわち、送風部33が吹き付ける空気の風速(m/s)及び風量(m3/s)の少なくとも一方を上昇させるか、吹き付ける空気の温度を低下させるか、又はこれらの両方を行うことで、より冷却能を増大させる。吹き付ける空気の風速(m/s)又は風量(m3/s)を上昇させる場合には、制御部11は、送風ファン332の回転駆動速度を上昇させる。また、吹き付ける空気の温度を低下させる場合には、制御部11は、流量調整弁333により、第2吸入管331cから取り入れる空気の割合を増大させる。
より具体的には、制御部11は、定着部30への通紙を開始した後に、内部温度検出部35により検出された筐体34の内部温度が所定値を超えたと判定すると、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整する。すなわち、送風部33が吹き付ける空気の風速(m/s)及び風量(m3/s)の少なくとも一方を上昇させるか、吹き付ける空気の温度を低下させるか、又はこれらの両方を行うことで、より冷却能を増大させる。吹き付ける空気の風速(m/s)又は風量(m3/s)を上昇させる場合には、制御部11は、送風ファン332の回転駆動速度を上昇させる。また、吹き付ける空気の温度を低下させる場合には、制御部11は、流量調整弁333により、第2吸入管331cから取り入れる空気の割合を増大させる。
なお、制御部11は、通紙枚数又は駆動時間に基づき、筐体34の内部温度が所定値を超えたか否かを判定するものとしても良い。通紙枚数とは、ジョブの実施を開始してから定着部30を通過する用紙の枚数であり、駆動時間とは、定着部30の昇温が開始された時からの経過時間である。具体的には、例えば、制御部11は、ユーザーにより操作部13を介して入力された情報や、定着部30に設けられた所定の検出手段等により、通紙枚数又は駆動時間をカウントし、その値が所定値を超えたときに、筐体34の内部温度が所定値を超えたと判定する。この場合には、内部温度検出部35が筐体34の内部温度を検出しなくても良い。
以上のように構成される定着装置の動作について説明する。
制御部11の指示に従って、定着ローラー312及び加熱ローラー311が回転すると、定着ベルト313が従動して回転する。加熱ローラー311はハロゲンヒーター311aにより加熱され、加熱ローラー311に当接する定着ベルト313も加熱される。そして、所定の付勢手段によって加圧部材32が定着ローラー312に近付く方向に付勢されているので、定着ローラー312に巻回された定着ベルト313と加圧部材32との間のニップ部Nで、給紙された用紙Pが加熱・加圧されて、用紙P上のトナー像が定着される。
制御部11の指示に従って、定着ローラー312及び加熱ローラー311が回転すると、定着ベルト313が従動して回転する。加熱ローラー311はハロゲンヒーター311aにより加熱され、加熱ローラー311に当接する定着ベルト313も加熱される。そして、所定の付勢手段によって加圧部材32が定着ローラー312に近付く方向に付勢されているので、定着ローラー312に巻回された定着ベルト313と加圧部材32との間のニップ部Nで、給紙された用紙Pが加熱・加圧されて、用紙P上のトナー像が定着される。
また、送風部33によりニップ部Nに用紙搬送方向下流側から空気が吹き付けられることによって、ニップ部Nを通過した用紙Pが定着ベルト313から分離されるとともに、用紙Pが冷却される。また、筐体34の内部温度が所定値を超えると、制御部11は、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整して、当該送風部33により用紙Pを冷却する。
ここで、定着ベルト313から用紙を分離させるためには、送風部33からある一定以上の風速又は風量の空気が吹き付けられれば良く、用紙の種類や坪量によっては必ずしも高い風速又は風量が必要なわけではない。しかしながら、ニップ部N通過後の用紙をタッキングが生じない程度に冷却させるためには、用紙の種類や坪量によらず、吹き付ける空気の風速又は風量を十分に高めるか、当該空気の温度を十分に低くすることで送風部33による冷却能を増大させる必要がある。これについて図5を参照して説明する。
図5は、画像形成装置1の印字枚数と、画像形成装置1から排紙される用紙Pの温度との関係を示すグラフである。また、図5中、実線Aは、ニップ部Nに吹き付ける空気の風速を10m/sとしたときの用紙温度の温度推移、破線Bは、ニップ部Nに吹き付ける空気の風速を30m/sとしたときの用紙温度の温度推移、一点鎖線Cは、タッキングが発生する用紙温度(67℃)をそれぞれ示している。なお、図5は、定着部材31の温度:190℃、加圧部材32の温度:80℃として、坪量157g/m2のグロスコート紙に対して所定の画像を形成した場合における、排紙時の用紙温度を示すものである。
図5に示すように、ニップ部Nに吹き付ける空気の風速にかかわらず印字開始直後(定着部30への通紙開始直後)の用紙温度は55℃程度であるが、実線Aで示す温度推移においては、印字枚数が増大するにつれて用紙温度も上昇し、印字枚数が300枚程度に達したときに用紙温度が67℃を超え、タッキングが発生してしまうことが分かる。一方、破線Bで示す温度推移においては、印字枚数の増大につれて用紙温度も上昇するが、66℃程度で温度上昇がほぼ飽和し、67℃を超えていない。
このように、ニップ部Nに吹き付ける空気の風速が一定値以上、すなわち、送風部33の冷却能が大きければ、印字枚数が増大しても用紙温度の上昇が抑えられ、タッキングの発生を抑制することができる。
このように、ニップ部Nに吹き付ける空気の風速が一定値以上、すなわち、送風部33の冷却能が大きければ、印字枚数が増大しても用紙温度の上昇が抑えられ、タッキングの発生を抑制することができる。
そこで、仮に、定着部30への通紙開始直後に送風部33の送風条件を調整して冷却能を増大させるものとすると、定着不良の原因となる場合がある。これについて、下記表1を参照して説明する。
表1は、定着部30への通紙開始後に、風速20m/s、30m/sで一定時間ニップ部Nに空気を吹き付けたときの、定着ベルト313の温度の低下量を示すものである。定着ベルト313の温度低下量は、空気吹き付け前後で、内部温度検出部35により定着ベルト313の表面温度を検出し、その差を算出したものである。また、定着ベルト313の温度低下量の算出は、内部温度検出部35により検出された筐体34の内部温度が所定値に到達する前と、内部温度検出部35により検出された筐体34の内部温度が所定値に到達した後と、のそれぞれで行った。
表1に示すように、筐体34の内部温度が所定値に到達した後は、送風部33により吹き付ける空気の風速が20m/s又は30m/sのいずれであっても、定着ベルト313の温度低下量は大きくない。これは、筐体34の内部温度が所定値に到達した後は、定着部30を構成する各部材が十分に昇温されて蓄熱していることで、送風部33の冷却能が大きくても定着ベルト313の温度が大きく低下しないためと考えられる。一方で、筐体34の内部温度が所定値に到達する前に送風部33により風速30m/sで空気を吹き付けると、温度低下量が30℃となってしまう。温度低下量が30℃以上となると、定着不良が発生してしまうため、筐体34の内部温度が所定値に到達する前は、吹き付ける空気の風速を30m/s以上とすることは好ましくないことが分かる。したがって、定着部30への通紙の開始に適したタイミングと、送風部33の冷却能を増大させるのに適したタイミングとは異なることが分かる。
そのため、本実施形態では、上記したように、筐体34の内部温度が所定値を超えてから、送風部33の送風条件を調整するものとしており、定着部30を構成する各部材が十分に昇温された後に、送風部33による冷却能を増大させるものとしている。なお、筐体34の内部温度が所定値を超える前までは、排紙される用紙Pの温度が高くなく、排紙トレイ25上に積載される用紙Pの枚数が少ないため、タッキングは起きにくい。
したがって、制御部11が上記制御を行うことで、ニップ部Nを通過した用紙Pを十分に冷却してタッキングの発生を抑制することができるとともに、定着部30の温度低下を抑制して定着不良の発生をも抑制することができる。
したがって、制御部11が上記制御を行うことで、ニップ部Nを通過した用紙Pを十分に冷却してタッキングの発生を抑制することができるとともに、定着部30の温度低下を抑制して定着不良の発生をも抑制することができる。
また、本実施形態では、制御部11は、筐体34の内部温度が所定値を超えてから、送風部33の送風条件を調整するものとしているが、更に、用紙Pの種類及び坪量に基づき、送風部33の送風条件を調整するものとしても良い。
例えば、表面が平滑なグロスコート紙は、普通紙や上質紙に比べて熱容量が大きいためタッキングが発生しやすい傾向にある。したがって、制御部11は、操作部13により入力された情報等に基づいて、用紙Pがグロスコート紙である場合には、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整し、用紙Pが普通紙や上質紙である場合には、送風部33の冷却能が低減するように送風条件を調整するものとしても良い。
例えば、表面が平滑なグロスコート紙は、普通紙や上質紙に比べて熱容量が大きいためタッキングが発生しやすい傾向にある。したがって、制御部11は、操作部13により入力された情報等に基づいて、用紙Pがグロスコート紙である場合には、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整し、用紙Pが普通紙や上質紙である場合には、送風部33の冷却能が低減するように送風条件を調整するものとしても良い。
また、例えば、用紙の坪量が大きいほどタッキングの発生温度は低い傾向にある。
すなわち、20℃50%RHの外部環境下にて、A3サイズのグロスコート紙に、トナー付着量が最大となるようなベタ画像を形成し、用紙の坪量ごとにタッキングの発生温度を測定したところ、用紙の坪量が大きくなるほどタッキング発生温度が低下することが確認された。
この場合、制御部11は、用紙Pの坪量が大きいほど、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整することで、より確実にタッキングの発生を抑制することが可能となる。
すなわち、20℃50%RHの外部環境下にて、A3サイズのグロスコート紙に、トナー付着量が最大となるようなベタ画像を形成し、用紙の坪量ごとにタッキングの発生温度を測定したところ、用紙の坪量が大きくなるほどタッキング発生温度が低下することが確認された。
この場合、制御部11は、用紙Pの坪量が大きいほど、送風部33の冷却能が増大するように送風条件を調整することで、より確実にタッキングの発生を抑制することが可能となる。
また、一方で、用紙は坪量が大きくなるほど剛性も大きくなるため、坪量の大きい用紙ほど定着ベルト313への巻き付きは起きにくくなる。したがって、制御部11は、用紙の坪量が大きいほど、送風部33が吹き付ける空気の風速及び風量が小さくなるように送風条件を調整するものとしても良い。これにより、送風部33が過剰に空気を吹き付けることを回避することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
よって、用紙の坪量が大きいほど、制御部11は、送風部33より吹き付ける空気の風速及び風量を小さくしつつ、温度を低くすることが好ましい。
よって、用紙の坪量が大きいほど、制御部11は、送風部33より吹き付ける空気の風速及び風量を小さくしつつ、温度を低くすることが好ましい。
以上、本実施形態によれば、筐体34内に、用紙Pを加熱する定着部材31と、定着部材31を押圧し定着部材31との間にニップ部Nを形成する加圧部材32とを備え、ニップ部Nに通紙される用紙Pに画像を熱定着させる定着装置であって、ニップ部Nに用紙搬送方向下流側から空気を吹き付け、用紙Pを分離するための送風部33と、筐体34の内部温度に基づき、送風部33が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する制御部11と、を備えるので、ニップ部Nを通過直後の用紙P全面に対して空気を吹き付けることができ、当該用紙Pの全体をより確実に定着部材31から分離することができる。また、筐体34の内部温度に基づいて送風条件を調整するので、用紙Pをより確実に冷却してタッキングの発生を抑制することができる。
また、制御部11が、筐体34の内部温度が所定値を超えたときに、送風部33が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを冷却能が増大するように調整するので、定着部30を構成する各部材が十分に昇温されてから送風部33の送風条件を調整することができる。これにより、定着部30の大幅な温度低下を抑制して、定着不良を抑制することができる。
また、制御部11が、通紙枚数又は駆動時間に基づき、筐体34の内部温度が所定値を超えたか否かを判定する場合には、筐体34の内部温度を直接的に検出する手段を省くことができ、装置構成を簡略化してコストダウンを図ることができる。
また、送風部33が、筐体34の近傍の空気を取り入れる第1吸入口331dと、第1吸入口331dよりも筐体34から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口331eと、制御部11による制御下で、第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の量の割合を調整する流量調整弁333と、を有し、第1吸入口331d及び第2吸入口331eの少なくとも一方から取り入れた空気をニップ部Nに吹き付けるので、簡易な構成で、送風部33が吹き付ける空気の温度を調整することができる。
また、送風部33が、吹き付ける空気の温度を検出する温度検出部334を有し、制御部11が、温度検出部334により検出された温度に基づき、流量調整弁333に第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の量の割合を調整させるので、送風部33が吹き付ける空気の温度をより精度良く調整することができる。
また、制御部11が、用紙Pの種類及び坪量に基づき、送風部33が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整するので、タッキングの発生をより確実に抑制することができ、また、送風部33のエネルギー効率を向上させることができる。
また、送風部33が、ニップ部Nに通紙される用紙Pの用紙幅方向に沿って複数設けられている場合には、用紙幅方向においてニップ部Nに対して異なる送風条件で空気を吹き付けることができ、用紙Pの定着ベルト313からの分離及び冷却をより確実に行うことができる。
また、送風部33が、空気を吹き出す吹出口331aの開口面積を調整する吹出口調整部335を有し、制御部11が、用紙の種類及び坪量に基づき、吹出口調整部335に吹出口331aの開口面積を調整させるので、送風部33が空気を吹き付ける範囲を変更することができ、用紙のサイズ等に応じて効率的に用紙の分離及び冷却を行うことができる。
なお、上記した実施形態における記述は、本発明に係る好適な定着装置及び画像形成装置の一例であり、これに限られるものではない。
例えば、上記した実施形態では、画像形成装置1の画像形成部20は、カラーの画像形成を行うものとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、画像形成部20は、モノクロの画像形成を行うものとしても良い。
また、上記した実施形態では、定着部材31が、定着ローラー312及び定着ベルト313を有しているものとしたが、これらを有していなくても良い。その場合には、加圧部材32が加熱ローラー311を直接押圧して、加熱ローラー311と加圧部材32との間にニップ部Nが形成される。
また、上記した実施形態では、所定の付勢手段により加圧部材32が定着部材31を押圧するように付勢されているものとしたが、所定の付勢手段により定着部材31が加圧部材32を押圧するように付勢されていても良い。また、定着部材31及び加圧部材32のそれぞれに付勢手段が設けられ、互いに近付く方向に付勢されていても良い。
また、上記した実施形態では、加熱ローラー311及び加圧部材32の最外層には、樹脂層311c、324がそれぞれ設けられているものとしたが、これに限られるものではない。当該樹脂層311c、324の更に外側、又はそれらに替えて、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のチューブの被覆が設けられているものとしても良いし、コーティング加工が施されているものとしても良い。
また、上記した実施形態では、定着部材31及び加圧部材32が加熱手段としてそれぞれハロゲンヒーター311a、321を有するものとしたが、これらの代わりに、例えば励磁コイルを用いた誘導加熱発熱体を有していても良い。また、当該加熱手段は、必ずしも加熱ローラー311や加圧部材32に内蔵されていなくても良く、定着部材31及び加圧部材32を加熱することができれば、いずれの位置に設けられていても良い。また、加圧部材32は加熱手段を備えていなくても良い。
また、上記した実施形態では、制御部11が、内部温度検出部35により検出された筐体34の内部温度が所定値を超えたか否かを、通紙枚数又は駆動時間に基づき判定しても良いとしたが、これらに限られるものではない。すなわち、定着部30よりも用紙搬送方向下流側に用紙温度を検出する温度センサーを設け、検出された用紙温度に基づき、筐体34の内部温度が所定値を超えたか否かを判定するものとしても良い。
また、上記した実施形態では、流量調整弁333により第1吸入口331d及び第2吸入口331eから取り入れる空気の割合を調整することで、吹出口331aから吹き付ける空気の温度を調整するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、ダクト部331内に加熱手段や冷却手段等が設けられ、制御部11の指示に従ってこれらがダクト部331内を加熱又は冷却することによって、吹き付ける空気の温度を調整するものとしても良い。
1 画像形成装置
11 制御部
20 画像形成部
31 定着部材
32 加圧部材
33 送風部
34 筐体
331a 吹出口
331d 第1吸入口
331e 第2吸入口
333 流量調整弁(吸入量調整部)
334 温度検出部
335 吹出口調整部
N ニップ部
11 制御部
20 画像形成部
31 定着部材
32 加圧部材
33 送風部
34 筐体
331a 吹出口
331d 第1吸入口
331e 第2吸入口
333 流量調整弁(吸入量調整部)
334 温度検出部
335 吹出口調整部
N ニップ部
Claims (10)
- 筐体内に、用紙を加熱する定着部材と、前記定着部材を押圧し前記定着部材との間にニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記ニップ部に通紙される用紙に画像を熱定着させる定着装置であって、
前記ニップ部に用紙搬送方向下流側から空気を吹き付け、用紙を分離するための送風部と、
前記筐体の内部温度に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整する制御部と、を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記制御部は、前記筐体の内部温度が所定値を超えたときに、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを冷却能が増大するように調整することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御部は、通紙枚数又は駆動時間に基づき、前記筐体の内部温度が所定値を超えたか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記送風部は、
前記筐体の近傍の空気を取り入れる第1吸入口と、
前記第1吸入口よりも前記筐体から離れた位置から空気を取り入れる第2吸入口と、
前記制御部による制御下で、前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整する吸入量調整部と、を有し、
前記第1吸入口及び前記第2吸入口の少なくとも一方から取り入れた空気を前記ニップ部に吹き付けることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の定着装置。 - 前記送風部は、吹き付ける空気の温度を検出する温度検出部を有し、
前記制御部は、前記温度検出部により検出された温度に基づき、前記吸入量調整部に前記第1吸入口及び前記第2吸入口から取り入れる空気の量の割合を調整させることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記送風部が吹き付ける空気の風速、風量及び温度の少なくとも一つを調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記送風部は、前記ニップ部に通紙される用紙の用紙幅方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記送風部は、空気を吹き出す吹出口の開口面積を調整する吹出口調整部を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、用紙の種類及び坪量に基づき、前記吹出口調整部に前記吹出口の開口面積を調整させることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
- 用紙上にトナー像を形成する画像形成部と、
前記トナー像を定着させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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