JP2017151039A - 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】構造体の変形を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーの製造方法、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する基板2と、基板2に配置され、ダイアフラム25との間に空洞部Sを形成する周囲構造体4と、周囲構造体4の少なくとも一部を覆う補強部5と、を有している。また、周囲構造体5は、基板2から立設する枠状の側壁部4Aと、側壁部4Aの開口を覆う天井部4Bと、を有し、基板2と側壁部4Aと天井部4Bとで囲まれた空間が空洞部Sとなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、基板上に配置された周囲構造体と、を有し、基板と周囲構造体とによって圧力基準室が形成されている。
特開2015−184222号公報
このような構成の圧力センサーでは、圧力基準室の大きさ、圧力基準室の天井部(圧力基準室を介してダイアフラムと対向している部分)の機械的強度等によっては、天井部が撓んでダイアフラムと接触し、圧力の検出精度が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、構造体の変形を低減することのできる圧力センサー、この圧力センサーの製造方法、この圧力センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
前記基板に配置され、前記ダイアフラムとの間に圧力基準室を形成する構造体と、
前記構造体の少なくとも一部を覆う被覆部と、を有することを特徴とする。
これにより、構造体の変形を低減することのできる圧力センサーが得られる。そのため、例えば、蓋部(圧力基準室を介してダイアフラムと対向する部分)とダイアフラムとの接触が低減され、圧力検知精度の低下を低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記構造体は、前記基板から立設する枠状の側壁部と、前記側壁部の開口を覆う蓋部と、を有し、
前記基板と前記側壁部と前記蓋部とで囲まれた空間が前記圧力基準室となることが好ましい。
これにより、構造体の構成が簡単となり、圧力基準室を画成し易くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部は、少なくとも、前記蓋部に設けられていることが好ましい。
これにより、蓋部の撓みを効果的に低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、圧力センサーが受ける圧力をPとし、
前記基板の平面視での前記ダイアフラムの幅をaとし、
前記基板の法線方向での前記圧力基準室の高さをbとし、
前記基板の平面視での前記圧力基準室の幅をdとし、
前記ダイアフラムの厚さをt0とし、
前記蓋部の厚さをt1とし、
前記被覆部の前記蓋部上に位置する部分の厚さをt2とし、
前記ダイアフラムのヤング率をE0とし、
前記蓋部のヤング率をE1とし、
前記蓋部のポアソン比をνとし、
前記被覆部の引張応力をσとし、
前記被覆部の引張応力に起因する前記蓋部の前記ダイアフラム側への撓み量をWとし、
前記圧力に起因する前記ダイアフラムの前記蓋部側への撓み量をZとしたとき、
Figure 2017151039
Figure 2017151039
Figure 2017151039
の関係を満足することが好ましい。
これにより、蓋部のダイアフラムとの接触を防止することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部は、前記基板と同じ材料を含んでいることが好ましい。
これにより、被覆部と基板との線膨張係数の差を小さくすることができ、熱歪みが発生し難くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部は、無機材料を含んでいることが好ましい。
これにより、被覆部の構成が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーでは、前記無機材料は、シリコンであることが好ましい。
これにより、被覆部の構成が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部の引張応力は、100MPa以下であることが好ましい。
これにより、蓋部の撓みを低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部の圧縮応力は、300MPa以下であることが好ましい。
これにより、蓋部の撓みを低減することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記被覆部は、前記構造体を覆う部分と、前記基板を覆う部分と、を有していることが好ましい。
これにより、構造体の変形をより効果的に低減することができる。
本発明の高度計は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。 図1に示す圧力センサーが有する圧力センサー部を示す平面図である。 図2に示す圧力センサー部を含むブリッジ回路を示す図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を示すフローチャートである。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーが有する圧力センサー部を示す平面図である。図3は、図2に示す圧力センサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図4は、図1に示す圧力センサーの製造方法を示すフローチャートである。図5ないし図10は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、基板2の平面視(図1中の上側から見た平面視)を単に「平面視」とも言う。
図1に示す圧力センサー1は、基板2と、圧力センサー部3と、周囲構造体(構造体)4と、空洞部Sと、補強部(被覆部)5と、を有している。以下、これら各部について順に説明する。
[基板]
基板2は、図1に示すように、SOI基板(第1シリコン層211、酸化シリコン層212、第2シリコン層213の積層基板)である半導体基板21上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成された第1絶縁膜22と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜23と、をこの順に積層(成膜)することで構成されている。ただし、半導体基板21としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることもできる。また、第1絶縁膜22や第2絶縁膜23についても、エッチング耐性と絶縁性とを発揮することができれば、材料は特に限定されない。また、第1絶縁膜22、第2絶縁膜23、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
また、半導体基板21には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム25が設けられている。このダイアフラム25は、半導体基板21の下面に開放する有底の凹部26を設けることで凹部26の底部に形成され、ダイアフラム25の下面(凹部26の底面)が受圧面251となっている。なお、本実施形態では、第1シリコン層211をドライエッチング(シリコンディープエッチング)することで凹部26を形成しており、酸化シリコン層212は、当該ドライエッチングのストップ層として機能する。また、本実施形態では、ダイアフラム25の平面視形状が略正方形であるが、ダイアフラム25の平面視形状としては、正方形に限定されず、例えば、円形であってもよい。
[圧力センサー部]
圧力センサー部3は、図2に示すように、ダイアフラム25に設けられている4つのピエゾ抵抗素子31、32、33、34を有する。また、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路30(ホイートストンブリッジ回路)を構成する。なお、図2中の斜線で示す部分がピエゾ抵抗素子であり、白抜きの部分が前記配線である。
ブリッジ回路30には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路30は、ダイアフラム25の撓みに基づくピエゾ抵抗素子31、32、33、34の抵抗値変化に応じた信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された信号に基づいてダイアフラム25が受けた圧力を検出することができる。
ピエゾ抵抗素子31、32、33、34は、それぞれ、例えば、半導体基板21にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、これらピエゾ抵抗素子31〜34を接続する配線は、例えば、半導体基板21に、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
[空洞部]
空洞部Sは、図1に示すように、基板2と周囲構造体4とに囲まれることで画成されている。このような空洞部Sは、密閉された空間であり、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部Sは、ダイアフラム25の受圧面251とは反対側に位置し、ダイアフラム25と重なって配置されている。なお、空洞部Sは、真空状態(例えば、10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー1を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができ、利便性の高い圧力センサー1となる。ただし、空洞部Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。また、本実施形態では、空洞部Sの平面視形状が略正方形であるが、空洞部Sの平面視形状としては、正方形に限定されず、例えば、円形であってもよい。
[周囲構造体]
周囲構造体4は、図1に示すように、基板2と共に空洞部Sを画成している。この周囲構造体4は、基板2から立設して設けられ、空洞部Sの周囲を囲んで位置する枠状の側壁部4Aと、側壁部4Aの開口を覆うように位置する天井部(蓋部)4Bと、を有し、基板2と側壁部4Aと天井部4Bとで囲むことで空洞部Sが画成されている。このように、周囲構造体4を、側壁部4Aおよび天井部4Bを備える構成とすることで、周囲構造体4が比較的簡単な形状となり、また、空洞部Sを比較的簡単に画成することができる。
ここで、基板2上には周囲構造体4が設けられていない部分(すなわち、上側から見た平面視で、周囲構造体4と重ならない部分)があり、当該部分には、ピエゾ抵抗素子31、32、33、34と電気的に接続された前記配線と電気的に接続された端子29が設けられている。圧力センサー1では、この端子29を介して外部装置と電気的な接続を行うことができる。なお、端子29は、例えば、金、アルミニウム等の各種金属材料で構成することができる。
このような周囲構造体4は、層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。
配線層42は、空洞部Sを囲んで配置された枠状をなす部分421を有している。同様に、配線層44は、空洞部Sを囲んで配置された枠状をなす部分441を有している。また、配線層44は、図1に示すように、部分441から空洞部Sの天井に向けて延出して設けられ、空洞部Sを挟んでダイアフラム25と対向配置されて(空洞部Sの天井に位置して)いる被覆層444を有している。また、被覆層444には空洞部Sの内外を連通する複数の貫通孔(細孔)445が設けられている。貫通孔445は、後述する製造方法で説明するように、空洞部Sにエッチング液を侵入させるリリースエッチング用の孔である。また、被覆層444上には封止層46が配置されており、この封止層46によって貫通孔445が封止されている。
表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。このような表面保護膜は、被覆層444の貫通孔445を塞がないように、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。
このような周囲構造体4のうち、層間絶縁膜41、43としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層42、44としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層46としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
なお、封止層46としては、上述した材料の中でも、シリコン膜やシリコン酸化膜を用いることが好ましい。これにより、基板2との線膨張係数差を小さくすることができるため、熱歪みの発生を低減することができる。そのため、ダイアフラム25の不本意な撓み(受圧以外の応力に起因した撓み)が低減され、圧力センサー1の圧力検知精度の低下を低減することができる。また、周囲構造体4へのクラック等の発生が低減され、空洞部Sの気密性をより確実に維持することができる。特に、封止層46は、シリコン膜、シリコン酸化膜およびシリコン膜がこの順で積層した積層構造となっていることが好ましい。これにより、上述の効果を発揮することができると共に、より確実に、貫通孔445を封止することができる。
ここで、空洞部Sの大きさ、天井部4Bの厚さ、周囲の圧力等によっては、天井部4Bが一時的に撓んで、ダイアフラム25に接触してしまう可能性がある。また、天井部4Bがダイアフラム25に接触すると、スティッキングが生じ、天井部4Bがそのままダイアフラム25に貼り付いてしまう可能性もある。このように、天井部4Bがダイアフラム25に接触してしまうと、受けた圧力に応じてダイアフラム25が正常に撓み変形できなくなるため、圧力検出精度が著しく低下してしまう。
[補強部]
このような問題に対して、圧力センサー1では、周囲構造体4の周囲に周囲構造体4を補強する補強部5を配置し、周囲構造体4の機械的強度を高めることで、周囲構造体4の変形(特に、上述した天井部4Bの撓み)を低減するように構成されている。このような補強部5は、図1に示すように、周囲構造体4を覆い、さらには、基板2の上面の周囲構造体4から露出している部分(端子29を除く)も覆って配置されている。すなわち、補強部5は、周囲構造体4を覆う第1部分5Aと、基板2を覆う第2部分5Bと、を有している。このような補強部5によれば、第1部分5Aによって周囲構造体4の機械的強度を高めることができ、周囲構造体4の変形(特に、天井部4Bのダイアフラム25側への撓み)を低減することができる。特に、本実施形態では、第1部分5Aが天井部4B上にも配置されているため、天井部4Bの機械的強度を効果的に高めることができ、天井部4Bの撓みをより効果的に低減することができる。さらには、第2部分5Bを有しているため、補強部5が周囲構造体4と基板2との境界部を跨いで配置され、その結果、第2部分5Bがアンカー部(支え部)となって補強部5による周囲構造体4の補強効果がより向上し、周囲構造体4の変形をより低減することができる。
また、補強部5の厚み(天井部4Bの厚み)Tとしては、補強部5の構成材料等によっても異なるが、例えば、1μm以上、10μm以下程度であることが好ましい。これにより、補強部5の過度な厚肉化を抑えつつ、補強部5の機械的強度を十分に高めることができる。そのため、より効果的に、周囲構造体4の変形(特に、上述した天井部4Bの撓み)を低減することができる。なお、補強部5の機械的強度としては、特に限定されないが、例えば、10気圧の圧力を受ける状態において、天井部4Bがダイアフラム25に接触するのを防止できる程度の強度であることが好ましい。これにより、10気圧までは圧力検出精度が低下し難い圧力センサー1となり、利便性が向上する。例えば、圧力センサー1を水深計として利用した場合、水深100mまでは精度よく水深を検知することができ、フリーダイビング用の水深計として好適に用いることができる。
また、補強部5が引張応力を有する場合、その引張応力が0MPa以上、100MPa以下であることが好ましい。このように、引張応力を抑えることで、当該引張応力に起因した天井部4Bの下側への変形が低減され、天井部4Bがダイアフラム25と接触してしまうのを効果的に低減することができる。一方、補強部5が圧縮応力を有する場合、その圧縮応力が0MPa以上、300MPa以下であることが好ましく、0MPa以上、100MPa以下であることがより好ましい。このように、圧縮応力を抑えることで、当該圧縮応力に起因した天井部4Bの上側への変形が低減され、圧力センサー1の高さが嵩んでしまうことを低減することができる。また、引張応力および圧縮応力の共通の効果として、周囲構造体4に加わる応力を低減することができるため、周囲構造体4へのクラックの発生等を低減することができ、空洞部Sの真空度の低下を低減することができる。なお、上述の引張応力および圧縮応力の値は、単結晶シリコン基板上に補強部5を成膜した状態での値である。
このような補強部5の構成材料としては、特に限定されないが、Al、Cu、W、Mo、Ti、TiN等の各種金属材料、結晶シリコン(単結晶シリコン、多結晶シリコン)、非結晶シリコン、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、炭素添加酸化シリコン(SiOC)等のシリコン化合物等の無機材料を用いることができる。このように無機材料を用いることで、補強部5の構成や製造が簡単なものとなると共に、薄くても比較的強度の高い補強部5とすることができる。また、補強部5の構成材料としては、特に限定されないが、基板2と同じ材料を含んでいることが好ましい。すなわち、補強部5としては、シリコンを含んでいることが好ましい。これにより、基板2と補強部5の線膨張係数の差を小さくすることができ、熱歪みの発生を低減することができると共に、基板2と補強部5の密着性も高まる。そのため、圧力検知精度の低下を低減することができると共に、補強部5による補強効果をより高めることができる。また、補強部5の構成や製造が簡単なものとなる。このようなことから、補強部5の構成材料としては、結晶シリコン、非結晶シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、炭素添加酸化シリコン等のシリコン化合物であることが好ましい。なお、この他、W、Mo等を用いても、基板2と補強部5の線膨張係数の差を小さくすることができる。
また、圧力センサー1が受ける圧力(周囲環境の圧力)をPとし、ダイアフラム25の幅(基板2の平面視での幅。本実施形態ではダイアフラム25が略正方形であるため、一辺の長さ)をaとし、空洞部Sの高さ(基板2の法線方向での長さ)をbとし、空洞部Sの幅(基板2の平面視での幅。本実施形態では空洞部Sが略正方形であるため、一辺の長さ)をdとし、ダイアフラム25の厚さをt0とし、天井部4Bの厚さをt1とし、補強部5の天井部4B上に位置する部分の厚さをt2とし、ダイアフラム25のヤング率をE0とし、天井部4Bのヤング率をE1とし、天井部4Bのポアソン比をνとし、補強部5の引張応力をσとし、補強部5の引張応力に起因する天井部4Bのダイアフラム25側への撓み量をWとし、圧力Pに起因するダイアフラム25の天井部4B側への撓み量をZとしたとき、Wは下記式(1)を満足し、Zは下記式(2)を満足し、かつ、WとZとが下記式(3)の関係を満足することが好ましい。ただし、各値の単位は、SI単位である。
Figure 2017151039
Figure 2017151039
Figure 2017151039
このような式(3)の関係を満足することで、天井部4Bとダイアフラム25との接触を防止することができる。
以上、補強部5について説明したが、補強部5の構成としては、少なくとも周囲構造体4の一部を覆うように配置されていれば、特に限定されない。例えば、補強部5は、周囲構造体4の天井部4B上にのみ配置されていてもよいし、側壁部4Aの周囲にのみ配置されていてもよい。
次に、圧力センサー1の製造方法について説明する。圧力センサー1の製造方法は、図4に示すように、基板2上に犠牲層48を配置する犠牲層配置工程と、犠牲層48を除去することで空洞部Sを形成する空洞部形成工程と、被覆層444上に封止層46を配置して、貫通孔445を封止する封止工程と、補強部5を形成する補強部形成工程と、ダイアフラム25を形成するダイアフラム形成工程と、を有する。
[犠牲層配置工程]
まず、図5に示すように、SOI基板である半導体基板21を用意し、半導体基板21の上面にリン、ボロン等の不純物を注入することで、圧力センサー部3を形成する。次に、図6に示すように、半導体基板21上に第1絶縁膜22、第2絶縁膜23、端子29をスパッタリング法、CVD法等を用いて成膜して基板2を得る。次に、図7に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43および配線層44、表面保護膜45をスパッタリング法、CVD法等を用いて順に形成する。これにより、基板2および配線層42、44で囲まれた犠牲層48(空洞部Sを埋める部分)と、犠牲層48を上方から被覆する被覆層444と、が形成される。
[空洞部形成工程]
次に、図8に示すように、基板2を例えばバッファードフッ酸等のエッチング液に晒す。これにより、貫通孔445を介して犠牲層48がリリースエッチングされ、空洞部Sが形成される。
[封止工程]
次に、図9に示すように、空洞部Sを真空状態とし、被覆層444上に封止層46をスパッタリング法、CVD法等を用いて成膜し、貫通孔445を封止する。これにより、空洞部Sが封止され、真空状態が維持される。また、周囲構造体4が得られる。
[補強部形成工程]
次に、図10に示すように、周囲構造体4上に補強部5をスパッタリング法、CVD法等を用いて成膜する。なお、補強部5の成膜方法としては、特に、CVD法を用いることが好ましい。これは、CVD法の方がスパッタリング法に比べて着き回り性がよく、周囲構造体4の上面および基板2の上面のみならず、周囲構造体4の側面にも十分な厚みで補強部5を成膜することができるためである。
[ダイアフラム形成工程]
次に、半導体基板21の下面に、ドライエッチング(シリコンディープエッチング)によって凹部26を形成して、ダイアフラム25を形成する。ただし、凹部26は、ウェットエッチングにより形成してもよい。以上により、圧力センサー1が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。
以下、第2実施形態の圧力センサーについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る圧力センサーは、圧力センサー部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図11に示すように、本実施形態の圧力センサー1の圧力センサー部6は、ダイアフラム25上に設けられている固定電極61および可動電極62からなる振動子60を有している。また、可動電極62は、ダイアフラム25上に設けられている支持部621と、固定電極61と空隙を隔てて対向配置された可動部622と、支持部621と可動部622とを連結する弾性変形可能な連結部623とを有している。また、基板2のダイアフラム25とずれた位置には、振動子60の発振回路69が形成されている。このような圧力センサー部6では、ダイアフラム25の受圧面251が受ける圧力に応じて、ダイアフラム25が変形し、これにより、可動部622と固定電極61とのギャップ(離間距離)が変化する。そして、ギャップが変化すると振動子60の共振周波数が変化するため、この共振周波数の変化から、受圧面251で受けた圧力を求めることができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る高度計について説明する。
図12は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図12に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。このような高度計200は、圧力センサー1を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る電子機器について説明する。
図13は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
本実施形態の電子機器は、圧力センサー1を備えたナビゲーションシステム300である。図13に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、位置情報上は一般道路と同位置を示す高架道路を走行する場合、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかを判断できない。そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー1を搭載し、一般道路から高架道路へ進入すること(またはこの逆)による高度変化を検出することで、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかを判断でき、実際の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。このようなナビゲーションシステム300は、圧力センサー1を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の圧力センサーを備える電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る移動体について説明する。
図14は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
本実施形態の移動体は、圧力センサー1を備えた自動車400である。図14に示すように、自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300(圧力センサー1)が内蔵されている。このような自動車400は、圧力センサー1を備えているため、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサー、2…基板、21…半導体基板、211…第1シリコン層、212…酸化シリコン層、213…第2シリコン層、22…第1絶縁膜、23…第2絶縁膜、25…ダイアフラム、251…受圧面、26…凹部、29…端子、3…圧力センサー部、30…ブリッジ回路、31、32、33、34…ピエゾ抵抗素子、4…周囲構造体、4A…側壁部、4B…天井部、41…層間絶縁膜、42…配線層、421…部分、43…層間絶縁膜、44…配線層、441…部分、444…被覆層、445…貫通孔、45…表面保護膜、46…封止層、48…犠牲層、5…補強部、5A…第1部分、5B…第2部分、6…圧力センサー部、60…振動子、61…固定電極、62…可動電極、621…支持部、622…可動部、623…連結部、69…発振回路、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、S…空洞部

Claims (13)

  1. 受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
    前記基板に配置され、前記ダイアフラムとの間に圧力基準室を形成する構造体と、
    前記構造体の少なくとも一部を覆う被覆部と、を有することを特徴とする圧力センサー。
  2. 前記構造体は、前記基板から立設する枠状の側壁部と、前記側壁部の開口を覆う蓋部と、を有し、
    前記基板と前記側壁部と前記蓋部とで囲まれた空間が前記圧力基準室となる請求項1に記載の圧力センサー。
  3. 前記被覆部は、少なくとも、前記蓋部に設けられている請求項2に記載の圧力センサー。
  4. 圧力センサーが受ける圧力をPとし、
    前記基板の平面視での前記ダイアフラムの幅をaとし、
    前記基板の法線方向での前記圧力基準室の高さをbとし、
    前記基板の平面視での前記圧力基準室の幅をdとし、
    前記ダイアフラムの厚さをt0とし、
    前記蓋部の厚さをt1とし、
    前記被覆部の前記蓋部上に位置する部分の厚さをt2とし、
    前記ダイアフラムのヤング率をE0とし、
    前記蓋部のヤング率をE1とし、
    前記蓋部のポアソン比をνとし、
    前記被覆部の引張応力をσとし、
    前記被覆部の引張応力に起因する前記蓋部の前記ダイアフラム側への撓み量をWとし、
    前記圧力に起因する前記ダイアフラムの前記蓋部側への撓み量をZとしたとき、
    Figure 2017151039
    Figure 2017151039
    Figure 2017151039
    の関係を満足する請求項3に記載の圧力センサー。
  5. 前記被覆部は、前記基板と同じ材料を含んでいる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  6. 前記被覆部は、無機材料を含んでいる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  7. 前記無機材料は、シリコンである請求項6に記載の圧力センサー。
  8. 前記被覆部の引張応力は、100MPa以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  9. 前記被覆部の圧縮応力は、300MPa以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  10. 前記被覆部は、前記構造体を覆う部分と、前記基板を覆う部分と、を有している請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする高度計。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする電子機器。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする移動体。
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