JP2017150007A - 処理方法及び処理装置 - Google Patents

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正司 山本
弘幸 橋富
Hiroyuki Hashitomi
弘幸 橋富
大悟 山本
Daigo Yamamoto
大悟 山本
祐大 永坂
Yudai Nagasaka
祐大 永坂
俊成 道元
Toshinari Michimoto
俊成 道元
上坂 裕之
Hiroyuki Kamisaka
裕之 上坂
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Abstract

【課題】被加工材に複数の工程を行う、小型で生産性のよい処理方法及び処理装置の提供。【解決手段】被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品が得られる処理ユニット部と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群と、各設備から処理ユニット部に要素を供給する接続部と、を用い、処理ユニット部は、複数のワーク部に分割され、各ワーク部では、それぞれ要素を用いて被加工材に対して複数の工程を順に行うとともに、接続部において、各設備からそれぞれ複数のワーク部に要素を分配するとともに、各ワーク部に要素を供給するタイミングをずらすことで複数のワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらす処理方法。【選択図】図6

Description

本発明は、被加工材に複数の工程行うことで処理品を得る処理方法及び処理装置に関する。
例えば、被加工材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を形成するにあたって、真空容器内で複数の被加工材に対して複数の工程を行うバッチ処理がよく行われる。しかしながら、1バッチ当たりの真空容器内での被加工材の数を増やすと、装置が巨大化するおそれがあった。
そこで、特許文献1では、各工程毎に別々のステーションを設けて、ステーション間で被加工材を移動させながら、被加工材に順次工程を行う工程分割型の処理方法が開示されている。
特開2007−113049号公報
しかしながら、特許文献1に開示された工程分割型処理方法では、被加工材について各ステーション間を移動させる特別な移動手段が必要とされる。また、駆動部の故障や、真空引きの際のリーク発生の可能性があるなど信頼性が低い。また、ステーションのどこか1箇所が停止すると、装置全体が停止するおそれがある。
また、特許文献1の工程分割型を採用して複数の被加工材を1まとまりとし、各ステーションにおいて同時に同じ工程を行いながら各ステーション間を移動させて処理を行うことも考えられる。しかし、処理設備が大型化して、設備費が高くなる。
本願はかかる事情に鑑みてなされたものであり、小型で生産性のよい処理装置及びこれを用いた処理方法を提供することを課題とする。
本発明の処理方法は、被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品が得られる処理ユニット部と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群と、前記各設備から前記処理ユニット部に前記要素を供給する接続部と、を用い、前記処理ユニット部は、複数のワーク部に分割され、前記各ワーク部では、それぞれ前記要素を用いて前記被加工材に対して複数の工程を順に行うとともに、
前記接続部において、前記各設備からそれぞれ複数の前記ワーク部に前記要素を分配するとともに、前記各ワーク部に前記要素を供給するタイミングをずらすことで複数の前記ワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすことを特徴とする。
本発明の処理装置は、被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品を得る処理ユニット部と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群と、前記各設備から前記処理ユニット部に前記要素を供給する接続部と、を備える処理装置において、前記処理ユニット部は、複数のワーク部に分割され、前記各ワーク部において、それぞれ前記要素を用いて前記被加工材に複数の工程が順に行われ、前記接続部は、前記各設備から複数の前記ワーク部に前記要素を分配し得る切替部を有し、前記各ワーク部に前記要素を供給するタイミングをずらすことにより複数の前記ワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすように前記切替部及び前記処理ユニット部を制御する制御部を更に備えることを特徴とする。
上記構成によれば、複数のワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらして行うように各設備から接続部を通じて各ワーク部に要素が供給される。
複数の工程が実施タイミングをずらして行われるため、同時に同じ工程の集中を回避できる。このため、設備を小型化できる。
また、同じ場所で複数の工程が行われるため、各工程間で被加工材を搬送させる必要がない。このため、被加工材の搬送時間を削減できる。また、搬送に伴う被加工材の損傷などの不具合も考慮する必要もない。
以上のように、本発明によれば、小型で生産性のよい処理方法及び処理装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の処理装置の説明図である。 第1の実施形態のチャンバーの断面図である。 第1の実施形態のチャンバーの斜視図である。 第1の実施形態の各種設備と各ワーク部とを接続する接続部の説明図である。 第1の実施形態のガス供給源と各ワーク部との間を接続する接続部の説明図である。 図6の上段は第1の実施形態の第1のワーク部の工程説明図であり、図6の下段は各種設備から第1のワーク部へ供給される各種要素の供給タイミングの説明図である。 被加工材が大きい場合のチャンバーの断面図である。 被加工材が小さい場合のチャンバーの断面図である。 第2の実施形態の処理装置のチャンバーの断面図である。 第2の実施形態のガス供給源と各ワーク部との間を接続する接続部の説明図である。 図11の上段は第2の実施形態の第1、第2,第3のワーク部の工程説明図であり、図11の下段は各種設備から第1,第2,第3のワーク部に供給される各種要素の供給タイミングの説明図である。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態の処理装置は、プラズマ成膜装置である。プラズマ成膜装置は、被加工材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を形成する。図1に示すように、プラズマ成膜装置10は、成膜ユニット部(処理ユニット部)1と、2以上の設備を有する設備群3と、接続部5とを備えている。
成膜ユニット部1は、第1、第2、第3のワーク部11,12,13に分割されている。各ワーク部11,12,13において、被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品が得られる。
図2、図3に示すように、各ワーク部11,12,13は、チャンバー2を有する。チャンバー2は、基体21と蓋体22とを有する。基体21は、有底円筒形であり、底壁21aと、底壁21aの周縁から上側に延びる側壁21bとを有する。蓋体22は、円形の天井壁22aと、天井壁22aの外周縁から下方に延びる側壁22bと、側壁22bの下端から径方向外側に広がる接続壁22cとを有する。接続壁22cの周縁は下方に屈曲されており、屈曲された屈曲部22dの先端は、基体21の側壁21bの上端に対して脱着可能に気密に固定されている。
チャンバー2の基体21の側壁21bには、ガス導入部23と、ガス排出部24と、電源取り出し部25と、計測部26とが設けられている。電源取り出し部25からチャンバー2内には、被加工材29との間を電気的に接続する導線25aが引き出されている。計測部26は、チャンバー2の内部の温度を検知する温度計及びチャンバー2の内部の気圧を検知する気圧計を備える。
基体21の底壁21aの中央には、マイクロ波導入部27が設けられている。マイクロ波導入部27は、基体21の底壁21aの中央に形成された開口21cと、開口21cを塞ぐように底壁21a上に配置された誘電体27cと、誘電体27cの側面を保持して誘電体27cを底壁21a上に固定する治具28とを有する。治具28は、図略のネジで底壁21aに固定されている。
誘電体27cは、石英からなる。誘電体27cの上面は円形であり、その中央に凹状の保持部27aが形成されている。保持部27aの周囲には、リング形状の導入面27bが設けられている。保持部27aには、被加工材29の下端が嵌合されて、被加工材29は、チャンバー2の蓋体22の側壁22bと略平行に立設される。本実施形態において、図3に示すように、被加工材29は丸棒状体である。被加工材29は、アルミニウム、銅、鉄などの導電性材料からなる。
図4に示すように、設備群3は、複数の設備を備え、これらの設備はそれぞれ、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる1種以上の要素を準備する。本実施形態において、各設備において、要素として、負バイアス電圧、マイクロ波、各種ガス、真空雰囲気が準備される。
本実施形態において、具体的には、複数の設備は、ガス供給源31、ポンプ室35、マイクロ波発振部36、及び第1,第2の電源37,38である。図5に示すように、ガス供給源31は、第1,第2の昇温窒化ガス系統71,72、及びボンバードDLC系統73を有する。第1、第2の昇温窒化ガス系統71,72は、それぞれH(水素ガス)源75及びN(窒素ガス)源76を有する。H源75及びN源76には流量計74aが設けられており、制御部39の指令に基づいて各種ガスの流量が調整される。流量計74aにより流量が調整されたH及びNは、流量計74aの下流側に設けた合流部74bにおいて混合される。ボンバードDLC系統73は、C(アセチレンガス)源77、Ar(アルゴンガス)源78及びTMS(テトラメチルシラン)源79を有する。C源77、Ar源78及びTMS源79にはそれぞれ流量計74cが設けられており、制御部39の指令に基づいて各種ガスの流量が調整される。流量計74cにより流量が調整されたC(アセチレンガス)、Ar(アルゴンガス)及びTMSガスは、流量計74cの下流側に設けた合流部74dにおいて混合される。なお、アセチレンガス、アルゴンガス、及びTMSガスはDLC原料ガスであるが、DLC原料ガスの種類はこれに限らない。アセチレンガス及びTMSガスの代わりに、又はこれらとともに、他の有機ガス成分を用いることができる。
図4に示すように、ポンプ室35は、低圧雰囲気、特に、真空雰囲気を発生させる。ポンプ室35は、真空バッファ35aと真空ポンプ35bとを有する。真空バッファ35aは、真空ポンプ35bよりも上流側に配設されていて、内部に真空室が設けられている。真空バッファ35aは、後述の弁開時に瞬時にチャンバー2内を真空引きし、また、弁開閉時に伴う真空プンプ35b近傍の気圧の変動を抑えている。
マイクロ波発振部36は、例えば、周波数0.3GHz〜50GHzの範囲のマイクロ波を発振し得る。マイクロ波発振部36は、スイッチ36aを介して、マイクロ波電源36bと電気的に接続されている。マイクロ波発振部36は、スイッチ36aをONにしてマイクロ波電源36bからマイクロ波発振部36に電気を供給するとマイクロ波を発振する。スイッチ36aをoffにすると、マイクロ波の発振は停止される。
第1、第2の電源37,38は、いずれも、負バイアス電圧を得るための直流電圧を主体とした交流電圧を含むプラズマ励起・促進用電圧を被加工材に発生させるためのバイアス電源である。なお、チャンバー2は接地されていて、電位はゼロとされている。
接続部5は、各設備から各ワーク部11,12,13に、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる1種以上の要素を供給する。接続部5は、各チャンバー2のガス排出部24とポンプ室35との間を接続する排気接続部55と、各チャンバー2のマイクロ波導入部27とマイクロ波発振部36との間を接続するマイクロ波接続部56と、各チャンバー2の電源取り出し部25と第1の電源37との間を接続する第1の電気接続部57と、各チャンバー2の電源取り出し部25と第2の電源38との間を接続する第2の電気接続部58とを有する。
また、接続部5は、図5に示すように、各チャンバー2のガス導入部23と第1の昇温窒化ガス系統71の合流部74bとの間を接続する第1の昇温窒化ガス接続部81と、各チャンバー2のガス導入部23と第2の昇温窒化ガス系統72の合流部74bとの間を接続する第2の昇温窒化ガス接続部82と、各チャンバー2のガス導入部23とボンバードDLC系統73の合流部74dとの間を接続するボンバードDLCガス接続部83とを有する。
図4、図5に示すように、第1、第2の昇温窒化ガス接続部81,82、ボンバードDLCガス接続部83、排気接続部55、マイクロ波接続部56、第1、第2の電気接続部57,58及び計測接続部58は、それぞれ、3つのワーク部11,12,13の各チャンバー2に接続されている。
接続部5は、各設備から複数のワーク部11,12,13に各種要素を分配し得る切替部6を有する。切替部6は、分岐部60、開閉弁61、分配器62及び分配管63a、63bを有する。第1、第2の昇温窒化ガス接続部81,82、ボンバードDLCガス接続部83及び排気接続部55は、パイプからなり、途中に分岐部60及び開閉弁61が設けられている。分岐部60は設備群3(上流)側の1つの導線を、成膜ユニット部1(下流)側の3つの導線とを連結している。開閉弁61は、分岐部60よりも下流側に配置されており、3つのワーク部11,12,13のチャンバー2に流出入するガスの供給及び停止をしている。
マイクロ波接続部56は、導波管からなり、途中に2つの分配管63a、63bが設けられている。一つめの分配管63aは、マイクロ波発振部36側の1つの導波管を2つの分岐させており、2つに分岐した一方の導波管は第1のワーク部1に接続されている。他方の導波管は二つめの分配管63bに接続されている。二つめの分配管63bは、更に2つの導波管に分岐している。二つめの分配管63bで分岐された2つの導波管の一方は第2のワーク部12に接続され、他方は第3のワーク部13に接続されている。分配管63a、63bは制御部39の指令に従って、各ワーク部11,12,13にマイクロ波を分配している。
プラズマ成膜装置10は、制御部39を有する。制御部39は、各ワーク部のチャンバー2に設けられている計測部26、設備群3及び切替部6と通信可能に接続されている。計測部26は、チャンバー2内の温度、気圧などの測定データを制御部39に送信する。制御部39は、測定データ及びプログラムに基づいて、設備群3及び切替部6を制御する。制御部79は、複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらして複数のワーク部11,12,13において同時に互いに異なる工程を行うように各ワーク部11、12,13を制御するとともに、各ワーク部11,12,13に各設備から接続部5を通じて各ワーク部11,12,13に要素を供給するにあたって各ワーク部11,12,13への供給タイミングをずらして各要素を供給するように切替部6を制御する。制御部39は、1つの設備で準備される要素の各ワーク部11,12,13において必要とされる実施タイミングが、他のワーク部11,12,13において要素の必要とされる実施タイミングと重ならないようにしている。
本実施形態においては、第1電源37及び第2電源38を用いてワーク部11,12,13に設けられた被加工材29に電圧を印加している。第1電源37及び第2電源38は、それぞれ、各ワーク部の被加工材に電圧を供給する時期が同時に重ならないように制御されている。このため、第1電源37及び第2電源38は、それぞれ、1つのワーク部の被加工材に供給する電圧を出力できればよく、電源の大型化は不要である。また、1つの電源で、一のワーク部に一定の電圧を印加し続けつつ、他のワーク部に供給される電圧のONとOFFをすることはできない。そこで、電源を第1電源37及び第2電源38の2つ設けて、一方の電源で一のワーク部に一定の電圧を印加し続けつつ、他の電源で他のワーク部に供給される電圧のONとOFFをすることとしている。
また、ガス供給源31に設けられた各種ガス容器は、それぞれ、各ワーク部のチャンバーにガスを供給する時期が同時に重ならないように設定されている。具体的には、窒化用ガスの供給時間は、他のガスよりも長く、同時に2つのワーク部に供給するときがある。この場合、流量計74a、74cを大型化する必要がある。そこで、第1昇温窒化ガス系統71及び第2昇温窒化ガス系統72の2つを設けて、流量計74a、74cの大型化を回避して設備費を抑えている。なお、ボンバードDLC系統73については、各1つのみであっても、3つのワーク部に供給するタイミングが重なることはないため、それぞれ1つの容器のみを用いている。
本実施形態の処理装置を用いたプラズマ成膜法について説明する。
本実施形態の処理装置を用いたプラズマ成膜法では、図5に示すように、交換工程、排気工程、昇温工程、窒化工程、Arボンバード工程、DLC工程、冷却工程を順に行った。プラズマ成膜法を行うにあたっては、設備群3を稼動させ、以下に示す各工程での状況に応じて切替部6を操作することにより、各種ガスの移動及び電流の供給と遮断を行った。本処理装置は、第1,第2,第3のワーク部11,12,13をもち、各ワーク部では、互いに同じ工程が所定の間隔でずらして行われた。3つのうち第1のワーク部11において行われる工程を代表して説明する。
まず、交換工程において、すべての開閉弁61、分配器62及び分配管63をOFFにして、被加工材29をチャンバー2内の保持部27aに固定した。
排気工程において、排気接続部55の開閉弁61を開き、ポンプ室35による吸引力により、チャンバー2内のガスを排出させた。チャンバー2内の気圧を1Pa以下まで下げた。
昇温工程において、昇温窒化ガス接続部81に設けられた開閉弁61を開いた。これにより、第1の昇温窒化ガス系統71からガス導入部23を通じて、水素ガスをチャンバー2内に導入した。H源75の流量計74aによるチャンバー2内への水素ガスの供給量は50〜200sccmとした。また、排気接続部55の開閉弁61を開いて、チャンバー2内のガスの吸引を開始して、チャンバー2内が所定の気圧、例えば真空に近い気圧を維持するようにした。
昇温工程において、更に、スイッチ36aをONにしてマイクロ波電源36bからマイクロ波発振部36に電気を供給してマイクロ波発振部36からマイクロ波を発振させた。マイクロ波接続部56の分配管63aにおいて、マイクロ波発振部36側の導波管を第1のワーク部11側の導波管に接続して、マイクロ波を第1のワーク部11のチャンバー2内に供給した。マイクロ波供給条件は、電力1300kW、パルス周期2ミリ秒とした。パルス印加時間は、10〜90%とした。これと同時に、第1の電気接続部37の分配器62において、第1の電源37側の端子62aを、第1のワーク部11側の端子62aに接続して、ワーク部11のチャンバー2内の被加工材29に負のバイアス電圧を印加した。負のバイアス電圧は、ONとOFFが所定間隔で繰り返されるパルス信号として被加工材29に印加した。負のバイアス電圧値は−300〜−800Vがよく、本例においては、−500Vとした。負のバイアス電圧のパルス間隔は2ミリ秒とした。パルス印加時間は、10〜90%がよい。負バイアス電圧パルスとマイクロ波パルスとは、同期させた。チャンバー2内の水素ガスはプラズマ化されて、チャンバー2内は500℃に昇温させた。
窒化工程において、スイッチ36aをOFFにしてマイクロ波発振部36からのマイクロ波の発振を停止させた。第1の昇温窒化ガス接続部81に設けられた開閉弁61を開いた。これにより、第1の昇温窒化ガス系統71からガス導入部23を通じて、水素ガス及び窒素ガスをチャンバー2内に導入した。チャンバー2内部は、100sccmの水素ガス及び100sccmの窒素ガスで満たした。昇温ガス供給、ガス排出部によるガス吸引及び負バイアス電圧の印加は持続させて、チャンバー2内部の温度を500℃に維持し続けた。
Arボンバード工程において、スイッチ36aをONにしてマイクロ波電源36bからマイクロ波発振部36に電気を供給してマイクロ波発振部36からのマイクロ波の発振を再開させた。第1の昇温窒化ガス接続部81の開閉弁61を閉じた。ボンバードDLCガス接続部83の開閉弁61を開いて、ボンバードDLCガス系統73からボンバードDLCガス接続部83及びガス導入部23を通じて、水素ガス及びアルゴンガスをチャンバー2に供給した。流量計74cによるチャンバー2内への各ガスの供給量は、水素ガス:20sccm、アルゴンガス:70sccmとした。負バイアス電圧は被加工材29に印加しつづけた。Arボンバードガスは、マイクロ波によりプラズマ化され、被加工材29表面に衝突して、被加工材29の表面をスパッタリングした。これにより、被加工材29は表面粗化された。
次に、DLC工程において、ボンバードDLCガス接続部83の開閉弁61を開いた状態を維持して、ボンバードDLC系統73からボンバードDLCガス接続部83及びガス導入部23を通じて、アセチレンガス、アルゴンガス及びTMSガスをチャンバー2に供給した。74cによるチャンバー2内への各ガスの供給量は、アセチレンガス:00sccm、アルゴンガス:40sccm、及びTMSガス:20sccmとした。マイクロ波発振部36からのチャンバー2へのマイクロ波の供給は維持させた。マイクロ波供給条件は、電力1300kW、パルス周期2ミリ秒とした。パルス印加時間は、10〜90%とした。
DLC工程において、ガス排出部24によるガス吸引及び負バイアス電圧の被加工材29への印加は持続させた。負バイアス電圧パルスとマイクロ波パルスとは、同期させた。
負バイアス電圧印加により、被加工材29表面にシース層が生成した。チャンバー2内部に供給されたマイクロ波は、シース層とプラズマとの界面に沿って伝播し、被加工材29の表面に沿って高密度プラズマが発生した。被加工材29表面付近に原料ガス由来のプラズマが生成した。被加工材29表面にDLC膜が生成された。
冷却工程において、ボンバードDLCガス接続部83の開閉弁61を閉じて原料ガス供給を停止した。マイクロ波接続部56の分配管63において接続端63oを閉止端63dに接続して、チャンバー2へのマイクロ波の供給を停止した。第1電気接続部57の分配器62において、第1の電源37側の端子62oを開放側の端子62dに接続にして、負バイアス電圧の印加を停止した。そして、チャンバー2内部を放冷させた。このようにして、表面にDLC膜を形成した処理品を得た。
冷却工程終了後は、最初の交換工程に戻り、以後、各工程を順に繰り返し行った。
図6に示すように、3つのワーク部のチャンバーでは、各工程の所要時間が、それぞれ、交換工程:2分、排気工程:2分、昇温工程:5分、窒化工程:15分、Arボンバード工程:3分、DLC工程:1分、冷却工程:8分である。第1、第2,第3の3つのワーク部のチャンバーでは、各工程が12分ずらして行われた。即ち、第1のワーク部11を最初に作動を開始した。12分経過後に第2のワーク部12の作動を開始した。第3のワーク部13は、第2のワーク部12の作動開始後12分経過時に作動を開始した。このタイムスケジュールで3つのワーク部11,12,13を作動させると、1つのワーク部で窒化工程の開始直後に、次のワーク部の交換工程が開始し、1つのワーク部で窒化工程の終了間近にもう一つのワーク部の交換工程が開始した。
複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらした。そのために、複数のワーク部11,12,13において同時に2種以上の工程を行うように各設備から接続部5を通じて各ワーク部11,12,13に要素が供給された。複数の工程が実施タイミングをずらして行われるため、同時に同じ工程の集中を回避できる。このため、各工程を行うための設備群3を小型化できる。
また、同じ場所で複数の工程が順次行われるため、各工程間で被加工材を搬送させる必要がない。このため、搬送時間を削減でき、また、搬送に伴う被加工材29の損傷などの不具合も考慮する必要もない。
また、各ワーク部11,12,13のチャンバー2は、基体21に、接続ポートとしてのガス導入部23,ガス排出部24、電源取り出し部25、計測部26を設けており、蓋体22には接続ポートを設けていない。このため、蓋体22は容易に取り換え可能である。しかも、蓋体22の側面22bは、被加工材29と平行に延び被加工材29と一定の間隔を保持して対向している。このため、蓋体22の側面22bと被加工材29との電位差を均一に保持でき、被加工材29の表面に均一なDLC膜を形成できる。また、蓋体22の側面22bと被加工材29との間の距離が一定範囲内になるように被加工材29の大きさに合わせて蓋体22を選択することで、チャンバー2内の空間部の大きさを調整できる。図7に示すように、被加工材29が径方向に大きいものである場合には、蓋体22は径方向に大きいものが選ばれる。図8に示すように、被加工材29の小さい場合には、蓋体2は軸方向に長いものを選ぶ。チャンバー2内を過度に大きくさせずに、チャンバー2内に余剰のガスを送り込む必要はなく、ガス成分の節約になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の処理装置は、筒状の被加工材の内面にDLC膜を形成するプラズマ成膜装置である。プラズマ成膜装置は、図9に示すように、チャンバー2内部に被加工材29だけでなく、ターゲット20も配設している。
第2の実施形態のプラズマ成膜装置は、図9、図10に示すように、チャンバー2内部にターゲット20が更に配設されている点、及び、ガス供給源31が、ボンバードDLC系統73の代わりにプラズマ生成ガス系統70を有している点で、第1の実施形態と相違する。
ターゲット20は、マイクロ波導入部27の上の保持部27aに保持されている。ターゲット20は、炭素丸棒であり、蓋体22の側面22bと平行に立設される。ターゲット2は、電源取り出し部25からチャンバー2内に引き出された導線25aが接続されている。なお、ターゲット20は、導電性の皮膜材料であればよく、例えば、炭素以外に、クロム、チタンなどがあげられる。チタン及び/又はクロムを成膜した後に、プラズマCVD法でDLC膜を形成してもよい。
チャンバー2内部には、円筒状の被加工材29が図略の支持手段により配設される。被加工材29は、円筒状であり、アルミニウム、銅、鉄などの導電性材料からなる。被加工材29は、ターゲット20を同軸状に包囲して配置されている。
プラズマ生成ガス系統70は、プラズマ生成ガスとしてのアルゴンガスの供給源であるAr源78を有する。Ar源78には、アルゴンガスのチャンバー2への供給量を調整する流量計74cが設けられている。接続部5は、プラズマ生成ガス系統70のAr源78と、各ワーク部のチャンバー2のガス導入部23との間を接続するプラズマ生成ガス接続部80を有する。プラズマ生成ガス接続部80には、制御部39により操作される開閉弁61が設けられている。
本実施形態の処理装置を用いたプラズマ成膜法について説明する。
本実施形態の処理装置を用いたプラズマ成膜法では、図11に示すように、交換工程、排気工程、昇温工程、窒化工程、Arボンバード工程、DLC工程、冷却工程を順に行う。交換工程、排気工程、昇温工程、窒化工程、Arボンバード工程、及び冷却工程は、第1の実施形態と作用が同じである。DLC工程においては、チャンバー2にプラズマ生成ガスの供給及びガス排出、並びにターゲット20にマイクロ波供給、負バイアス電圧印加が行われる。負バイアス電圧を印加されたターゲット20は、その表面に沿ってシース層が形成され、ターゲット20の表面に沿ってプラズマ生成ガス由来の高密度プラズマが促進されて、ターゲット20にスパッタリングが行われる。ターゲット20から膜成分が生成され、対向する被加工材29の内面に付着する。これにより、被加工材29の内面にDLC膜が形成される。
プラズマ成膜法を行うにあたっては、設備群3のすべてを稼動させ、以下に示す各工程での状況に応じて切替部6を作動させることにより、各種ガスの移動及び電流の供給と遮断を行う。本処理装置は、図11に示すように、第1の実施形態と同様に、第1,第2,第3のワーク部11,12,13をもち、各ワーク部では、互いに同じ工程が所定の間隔でずらして行われる。
複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらして複数のワーク部11,12,13において同時に2種以上の工程を行うように各設備から接続部5を通じて各ワーク部11,12,13に要素が供給される。複数の工程が実施タイミングをずらして行われるため、同時に同じ工程の集中を回避できる。このため、各工程を行うための設備群3を小型化できる。
また、同じ場所で複数の工程が行われるため、各工程間で被加工材29を搬送させる必要がない。このため、搬送時間を削減でき、また、搬送に伴う被加工材29の損傷などの不具合も考慮する必要もない。
また、各ワーク部のチャンバー2は、第1の実施形態と同様に、基体21に、各種設備群3と接続する接続ポートとしてのガス導入部23、ガス排出部24、電源取り出し部25、計測部26を設けており、蓋体22には接続ポートが設けられていない。このため、蓋体2を容易に取り換え可能である。被加工材29の大きさに合わせて蓋体22を選択することで、チャンバー2内の空間部の大きさを調整できる(図7、図8参照)。
第1、第2の実施形態は、プラズマCVD法を用いたDLC膜形成方法において、本発明を適用した実施形態であるが、物理気相蒸着方法を用いた皮膜形成方法において本発明を適用することもできる。
(1)本発明の処理方法は、被加工材29に複数の工程が順に行われることで処理品が得られる処理ユニット部(成膜ユニット部1)と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる1種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群3、各設備から処理ユニット部に要素を供給する接続部5と、を用い、処理ユニット部は、複数のワーク部11,12、13に分割され、各ワーク部11,12,13では、それぞれ要素を用いて被加工材29に対して複数の工程を順に行うとともに、接続部5において、各設備からそれぞれ複数のワーク部11,12,13に要素を分配するとともに、各ワーク部11,12,13に要素を供給するタイミングをずらすことで複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすことを特徴とする。
上記構成によれば、複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらして複数のワーク部11,12,13において同時に2種以上の工程を行うように各設備から接続部5を通じて各ワーク部11,12,13に要素が供給される。
複数の工程が実施タイミングをずらして行われるため、同時に同じ工程の集中を回避できる。このため、各工程を行うための設備を小型化できる。
また、同じ場所で複数の工程が行われるため、各工程間で被加工材29を搬送させる必要がない。このため、搬送時間を削減でき、また、搬送に伴う被加工材の損傷などの不具合も考慮する必要もない。
要素は、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる1種以上からなる。要素となり得るエネルギーは、例えば、電気、磁気、機械、光、熱があり、要素となり得る物質は、例えば、気体、液体、固体、流動体、粉体があり、雰囲気は、例えば、所定の圧力、温度、湿度、酸化還元などの雰囲気がある。
(2)複数の工程と、複数の工程が行われた被加工材29を未処理の被加工材29に交換する交換工程とを、ワーク部11,12,13毎に互いに実施タイミングをずらして繰り返し行うことが好ましい。上記構成によれば、各ワーク部11,12,13において被加工材29に繰り返し、複数の工程を順に行うことができる。
(3)1つの設備群3で準備される要素の各ワーク部11,12,13において必要とされる実施タイミングが、他のワーク部11,12,13において当該要素の必要とされる実施タイミングと重ならないようにすることが好ましい。上記構成によれば、設備の負担を増加させることなく、設備の数を減らすことができる。
(4)本発明の処理装置(プラズマ成膜装置10)は、被加工材29に複数の工程が順に行われることで処理品を得る処理ユニット部(成膜ユニット部1)と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群3と、各設備から処理ユニット部に要素を供給する接続部5と、を備える処理装置において、処理ユニット部は、複数のワーク部11,12,13に分割され、各ワーク部11,12,13において、それぞれ被加工材29に複数の工程が順に行われ、接続部5は、各設備から複数のワーク部11,12,13に要素を分配し得る切替部6を有し、各ワーク部11,12,13に要素を供給するタイミングをずらすことにより複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすように切替部6及び処理ユニット部(成膜ユニット部1)を制御する制御部39を更に備えることを特徴とする。
上記構成によれば、複数のワーク部11,12,13において行われる工程の実施タイミングを互いにずらして複数のワーク部11,12,13において同時に2種以上の工程を行うように各設備から接続部5を通じて各ワーク部11,12,13に要素が供給される。
複数の工程が実施タイミングをずらして行われるため、同時に同じ工程の集中を回避できる。このため、各工程を行うための設備群3を小型化できる。
また、同じ場所で複数の工程が行われるため、各工程間で被加工材29を搬送させる必要がない。このため、搬送時間を削減でき、また、搬送に伴う被加工材29の損傷などの不具合も考慮する必要もない。
(5)制御部39は、1つの設備群3で準備される要素の各ワーク部11,12,13において必要とされる実施タイミングが、他のワーク部11,12,13において当該要素の必要とされる実施タイミングと重ならないようにすることが好ましい。上記構成によれば、設備の負担を増加させることなく、設備の数を減らすことができる。
(6)処理装置は、被加工材29表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置またはスパッタリング装置であることが好ましい。この場合には、皮膜を生産性よく形成できる。この場合、例えば、ダイヤモンドライクカーボン、チタン、又はクロムからなる皮膜を形成できる。
(7)ワーク部11,12,13は、被加工材29を収容したチャンバー2を有し、複数の設備群3は、原料ガスを保持するガス供給源31、低圧雰囲気を発生させるポンプ室35、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部36、及び負バイアス電圧を発生させる電源(第1の電源37,第2の電源38)であり、ガス供給源31、ポンプ室35、マイクロ波発振部36及び電源から、それぞれ原料ガス、低圧雰囲気、マイクロ波、及び負バイアス電圧を、接続部5を通じてワーク部11,12,13に供給することにより、被加工材29表面に原料ガス由来の皮膜を形成させることが好ましい。
上記構成によれば、皮膜を生産性よく形成できる。
「低圧雰囲気を発生させるポンプ室」は、ワーク部11,12,13から気体を吸引してワーク部11,12,13を低圧ないし真空にする。ポンプ室75には、例えば、真空ポンプ75b、真空バッファ75aなどが設けられているとよい。
「気化因子」は、ターゲットを気化させるための雰囲気、物質、エネルギーをいい、例えば、ターゲットに印加される電気エネルギー、ターゲットに衝突させるスパッタ用ガス、ターゲットの成分を蒸発させる熱エネルギー、ターゲット表面に高密度プラズマを生成させ得る電気エネルギー及び波動エネルギーなどがある。
(8)ワーク部11,12,13は、ターゲット20及び被加工材29を収容したチャンバー2を有し、複数の設備群3は、プラズマ生成ガスを収容するガス供給源31、低圧雰囲気を発生させるポンプ室35、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部36、及び負バイアス電圧を発生させる電源(第1の電源37,第2の電源38)であり、ガス供給源31、ポンプ室35、マイクロ波発振部36及び電源から、それぞれプラズマ生成ガス、低圧雰囲気、マイクロ波及び負バイアス電圧を、接続部5を通じて、ワーク部11,12,13に供給することにより、被加工材29表面にターゲット由来の皮膜を形成させることが好ましい。
上記構成によれば、皮膜を生産性よく形成できる。
(9)上記(7)において、チャンバー2は、基体21と、基体21とともに内部に被加工材29を収容し得る空間部を形成するとともに基体21に着脱可能に気密に固定された蓋体22とを備え、基体21には、接続部5を通じて、ガス供給源31、ポンプ室35、マイクロ波発振部36及び電源(第1の電源37,第2の電源38)に接続する接続ポート(ガス導入部23,ガス排出部24,電源取り出し部25、計測部26、マイクロ波導入部27)が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、各ワーク部11,12、13のチャンバー2は、基体21に、接続ポートを設けており、蓋体22には接続ポートを設けていない。このため、蓋体2は容易に取り換え可能である。
また、被加工材29の大きさに合わせて蓋体22を選択することで、チャンバー2内の空間部の大きさを調整できる。チャンバー2内を過度に大きくさせずに、チャンバー2内に余剰のガスを送り込む必要はなく、ガス成分の節約になる。
また、蓋体22の側壁22bとチャンバー2内の被加工材29との間の間隔は、被加工材29の一端から他端までの間で一定であることが好ましい。この場合には、被加工材29表面に、高密度プラズマを生成しやすく、被加工材29表面に確実に皮膜を形成できる。
蓋体22の側面22bは、被加工材29と平行に延び被加工材29と一定の間隔を保持して対向しているとよい。このため、蓋体22の側面22bと被加工材29との電位差を均一に保持でき、被加工材29表面に均一なシース層が生成される。チャンバー2内部に供給されたマイクロ波は、シース層とプラズマとの界面に沿って伝播し、被加工材29の表面に沿って高密度プラズマが発生して、被加工材29表面付近に原料ガス由来のプラズマが生成し、被加工材29表面に均一な皮膜が生成される。
(10)上記(8)において、チャンバー2は、基体21と、基体21とともに内部に被加工材29を収容し得る空間部を形成するとともに基体に着脱可能に気密に固定された蓋体とを備え、
基体21には、接続部5を通じてガス供給源31、ポンプ室35、マイクロ波発振部36及び電源(第1の電源37,第2の電源38)に接続する接続ポートが設けられており、蓋体22の側壁22bとチャンバー2内のターゲット20との間の間隔は、ターゲット20の一端から他端までの間で一定であることが好ましい。
この場合には、ターゲット20表面に、高密度プラズマを生成しやすく、ターゲット20から皮膜成分を発生させやすい。このため、被加工材表面29に確実に、ターゲット由来の皮膜成分からなる皮膜を形成できる。
1:成膜ユニット部(処理ユニット部)、
10:プラズマ成膜装置、
11:第1のワーク部、
12:第2のワーク部、
13:第3のワーク部、
2:チャンバー、
20:ターゲット、
21:基体、
22:蓋体、
23:ガス導入部、
24:ガス排出部、
25:電源取り出し部、
26、46:計測部、
27:マイクロ波導入部、
28:治具、
29:被加工材、
3:設備群、
31:ガス供給源、
35:ポンプ室、
36:マイクロ波発振部、
37:第1の電源、
38:第2の電源、
39:制御部、
5:接続部、
55:排気接続部、
56:マイクロ波接続部、
57:第1の電気接続部、
58:第2の電気接続部、
6:切替部、
60:分岐部、
61:弁、
62:分配器、
63a、63b:分岐管、
64:スイッチ、
70:プラズマ生成ガス系統、
71:第1の昇温窒化ガス系統、
72:第2の昇温窒化ガス系統、
73:ボンバードDLCガス系統
74a、74c:流量計、
75:蒸着用ガス容器
81:第1の昇温窒化ガス接続部、
82:第2の昇温窒化ガス接続部、
83:ボンバードDLCガス接続部、

Claims (10)

  1. 被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品が得られる処理ユニット部と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群と、前記各設備から前記処理ユニット部に前記要素を供給する接続部と、を用い、
    前記処理ユニット部は、複数のワーク部に分割され、前記各ワーク部では、それぞれ前記要素を用いて前記被加工材に対して複数の工程を順に行うとともに、
    前記接続部において、前記各設備からそれぞれ複数の前記ワーク部に前記要素を分配するとともに、
    前記各ワーク部に前記要素を供給するタイミングをずらすことで複数の前記ワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすことを特徴とする処理方法。
  2. 複数の前記工程と、複数の前記工程が行われた前記被加工材を未処理の被加工材に交換する交換工程とを、前記ワーク部毎に互いに実施タイミングをずらして繰り返し行う請求項1に記載の処理方法。
  3. 1つの前記設備で準備される前記要素の前記各ワーク部において必要とされる実施タイミングが、他の前記ワーク部において当該要素の必要とされる実施タイミングと重ならないようにする請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 被加工材に複数の工程が順に行われることで処理品を得る処理ユニット部と、複数の工程を行うに必要なエネルギー、物質及び雰囲気の群から選ばれる2種以上の要素を準備する2以上の設備からなる設備群と、前記各設備から前記処理ユニット部に前記要素を供給する接続部と、を備える処理装置において、
    前記処理ユニット部は、複数のワーク部に分割され、前記各ワーク部において、それぞれ前記要素を用いて前記被加工材に複数の工程が順に行われ、
    前記接続部は、前記各設備から複数の前記ワーク部に前記要素を分配し得る切替部を有し、
    前記各ワーク部に前記要素を供給するタイミングをずらすことにより複数の前記ワーク部において行われる工程の実施タイミングを互いにずらすように前記切替部及び前記処理ユニット部を制御する制御部を更に備えることを特徴とする処理装置。
  5. 前記制御部は、1つの前記設備で準備される前記要素の前記各ワーク部において必要とされる実施タイミングが、他の前記ワーク部において当該要素の必要とされる実施タイミングと重ならないようにする請求項4に記載の処理装置。
  6. 前記被加工材表面に皮膜を形成する、プラズマCVD装置またはスパッタリング装置である請求項4又は5に記載の処理装置。
  7. 前記ワーク部は、前記被加工材を収容したチャンバーを有し、
    複数の前記設備は、原料ガスを保持するガス供給源、低圧雰囲気を発生させるポンプ室、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部、及び負バイアス電圧を発生させる電源であり、
    前記ガス供給源、前記ポンプ室、前記マイクロ波発振部及び前記電源から、それぞれ前記原料ガス、前記低圧雰囲気、前記マイクロ波、及び前記負バイアス電圧を、前記接続部を通じて前記ワーク部の前記チャンバーに供給することにより、前記被加工材表面に前記前記原料ガス由来の皮膜を形成させる請求項6に記載の処理装置。
  8. 前記ワーク部は、ターゲット及び前記被加工材を収容したチャンバーを有し、
    複数の前記設備は、プラズマ生成ガスを収容するガス供給源、低圧雰囲気を発生させるポンプ室、マイクロ波を発振するマイクロ波発振部、及び負バイアス電圧を発生させる電源であり、前記ガス供給源、前記ポンプ室、前記マイクロ波発振部及び前記電源から、それぞれ前記プラズマ生成ガス、前記低圧雰囲気、前記マイクロ波及び前記負バイアス電圧を、前記接続部を通じて、前記ワーク部の前記チャンバーに供給することにより、前記被加工材表面に前記ターゲット由来の皮膜を形成させる請求項6に記載の処理装置。
  9. 前記チャンバーは、基体と、前記基体とともに内部に前記被加工材を収容し得る空間部を形成するとともに前記基体に着脱可能に気密に固定された蓋体とを備え、
    前記基体には、前記接続部を通じて、前記ガス供給源、前記ポンプ室、前記マイクロ波発振部及び前記電源に接続する接続ポートが設けられている請求項7に記載の処理装置。
  10. 前記チャンバーは、基体と、前記基体とともに内部に前記被加工材を収容し得る空間部を形成するとともに前記基体に着脱可能に気密に固定された蓋体とを備え、
    前記基体には、前記接続部を通じて前記ガス供給源、前記ポンプ室、前記マイクロ波発振部及び前記電源に接続する接続ポートが設けられている請求項8に記載の処理装置。
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