JP2017149363A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用空調装置において、コンパクトな構成で、操作ケーブルから付与される荷重による変形を抑制し、リンク間の係合が外れてしまうことを防止する。
【解決手段】車両用空調装置10において、内外気切替ユニット14の内部には内気と外気とを切り替える切替ダンパ24が回動自在に設けられ、ケーシング22の側壁には前記切替ダンパ24を回動させるリンク機構28が設けられる。このリンク機構28は、切替ダンパ24の軸部32aに連結される従動リンク36と、該従動リンク36に係合され、操作ケーブル48による引っ張り又は押し出しによって回動する操作リンク38とを備える。そして、操作リンク38が、従動リンク36とケーシング22との間に配置されることで、操作ケーブル48からの力が付与された際の変形が抑制され、係合溝50と従動ピン42との係合状態が確実に維持される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載され、熱交換器によって温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
従来から、車両に搭載される車両用空調装置は、送風機によって内気・外気を空気通路を内部に有した空調ケースへと取り込み、冷却手段であるエバポレータにより冷却された空気と、加熱手段であるヒータコアにより加熱された空気とを前記空調ケース内においてダンパを作動させることで所望の混合比率で混合した後、前記空調ケースに設けられた複数の吹出口から送風ダクトを通じて車室内へと送風することで前記車室内の温度及び湿度の調整を行っている。
この車両用空調装置は、例えば、特許文献1に開示されるように、空調ケースの側壁に、ダンパを回動させ送風モード等を切り換えるためのリンク機構が設けられ、このリンク機構は複数のリンクから構成され、メインリンクはその中央が空調ケースに対して回転自在に支持され四方に延在した第1〜第4アームを有している。また、中間リンクは、メインリンクにおける第1アームとダンパに接続されたダンパリンクとを接続するものであり、空調ケースの側壁に対して回転軸を介して回動自在に支持されている。また、中間リンクの一端側に形成された溝にはメインリンクの第1アームに突設されたピンが係合され、他端側に突設されたピンがダンパリンクに形成された溝へと係合されている。
そして、乗員が車室内の切替レバーを操作することで操作ケーブルを進退動作させ、メインリンクの第4アームに設けられた入力ピンへと伝達された力によって軸を中心として前記メインリンクを回動させることで中間リンク及びダンパリンクを介してダンパを回動させている。
特開平8−58351号公報
上述した車両用空調装置では、メインリンクが軸を中心にして放射状に延びる第1〜第4アーム毎にそれぞれピンを有しており、前記ピンを介して操作ケーブルからの力を他の中間リンク等へと伝達している。そのため、操作ケーブルの力が他のピン(アーム)へと与える影響は少ないが、アームが放射状に形成されているために回動するための大きなスペースが必要とされ、適用可能な場所が限定的となってしまう。
また、メインリンクの軸と操作ケーブルの力が伝達される入力ピンの近傍に、この力を他のリンクへと出力するためのピンや溝が設けられる場合には、前記操作ケーブルからの力によって前記メインリンクが変形してしまい、それに伴って、ピンと溝との係合状態が解除され動作不良が生じることが懸念される。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、コンパクトな構成で、操作ケーブルから付与される荷重による変形を抑制し、リンク間の係合が外れてしまうことを防止することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ケースと、空調ケースに接続され内気・外気を切り替えて取り込む内外気切替ユニットと、空調ケースの内部に設けられ空気の熱交換を行う熱交換器とを有した車両用空調装置において、
内外気切替ユニットは、ケーシングに対して回転軸を介して回動自在に設けられ内気と外気とを切り替えるダンパと、
回転軸に連結される従動リンクと、従動リンクと係合され内外気切替用レバーと接続された操作ケーブルと連結される操作リンクとからなり、ダンパを回動させるリンク機構と、
を有し、
操作リンクには、内外気切替ユニットに支持される支軸と、操作ケーブルに接続される操作ピンと、支軸と操作ピンとをつなぐ仮想線を境とした両側の少なくともいずれか一方側に形成された係合部とが形成され、
操作ピン及び係合部は、操作リンクにおいてケーシングに臨む面とは反対側の面に形成され、係合部が従動リンクと係合していることを特徴とする。
本発明によれば、車両用空調装置を構成する内外気切替ユニットにおいて、ケーシングに対して回転軸を介して回動自在に設けられ内気と外気とを切り替えるダンパと、回転軸に連結される従動リンクと、従動リンクと係合され内外気切替用レバーと接続された操作ケーブルと連結される操作リンクとからなり、ダンパを回動させるリンク機構とを備え、この操作リンクには、内外気切替ユニットに支持される支軸と、操作ケーブルに接続される操作ピンと、支軸と操作ピンとをつなぐ仮想線を境とした両側の少なくともいずれか一方側に形成された係合部とが形成され、操作ピンと係合部とがケーシングに臨む面とは反対側の面に形成され、係合部が従動リンクと係合している。
このように操作ケーブルからの荷重が付与され変形しやすい操作リンクを従動リンクに対して内側となるケーシング側へ設けることで、操作ケーブルの操作作用下に操作リンクに対して支軸を起点とした外側への荷重が付与された場合でも、従動リンクによって変形を好適に抑制することが可能となる。その結果、操作リンク及び従動リンクからなるコンパクトな構成で、従動リンクと操作リンクの係合部とが互いに離間する方向に移動してしまうことを防止し、その係合が外れてしまうことを確実に防止することができる。
また、従動リンクのアーム長さを、操作リンクにおける支軸と操作ピンとの離間距離よりも短く設定することにより、操作リンクの変形を抑えるための反力を大きくすることができ、操作リンクの変形による従動リンクとの係合外れをより一層確実に抑制することができる。
さらに、操作ピンを、係合部に隣接して形成することにより、操作リンクにおいて最も操作ケーブルからの力がかかりやすく変形しやすい操作ピンに対して係合部を隣接させることで、例えば、操作ピンと係合部とが離れて配置される場合と比較して変形をより一層確実に抑制することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、車両用空調装置を構成する内外気切替ユニットにおいて、ダンパの回転軸に連結される従動リンクと、従動リンクと係合され内外気切替用レバーに接続された操作ケーブルと連結される操作リンクとからなるリンク機構を有し、この操作リンクに、内外気切替ユニットに支持される支軸と、操作ケーブルに接続される操作ピンと、支軸と操作ピンとをつなぐ仮想線を境とした両側の少なくともいずれか一方側に形成された係合部とを形成し、操作ピンと係合部とをケーシングに臨む面とは反対側の面に形成して係合部が従動リンクとを係合させることで、操作ケーブルからの荷重によって操作リンクが外側へ変形しようとした場合でも、外側に設けられた従動リンクによって変形が好適に抑制される。その結果、操作リンク及び従動リンクからなるコンパクトな構成で、従動リンクと操作リンクの係合部とが互いに離間する方向に移動してしまうことを防止し、両者の係合が外れてしまうことを確実に防止できる。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の全体正面図である。 図1に示す車両用空調装置の内外気切替ユニットを示す一部断面側面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 内外気切替ユニットにおける切替ダンパ及びリンク機構の分解斜視図である。
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。
この車両用空調装置10は、図1に示されるように、空気の各通路を構成する空調ケース12と、該空調ケース12の側部に連結され、外気・内気を取り込む内外気切替ユニット14とを含む。
空調ケース12は、その内部に図示しないエバポレータ及びヒータコアが設けられ、前記エバポレータによって通路内を流通する空気が冷却され、一方、ヒータコアによって通路内を流通する空気が加熱される。そして、冷却された冷風と加熱された温風とがダンパの回動作用下に所定割合で混合され、図示しない送風口を通じて車室内へと供給される。
また、空調ケース12の内部には送風機16が設けられ、内外気切替ユニット14を通じて吸い込まれた空気が空調ケース12内へと導かれる。
内外気切替ユニット14は、図1〜図3に示されるように、外気を取り込む外気導入口18及び内気を取り込む内気導入口20を有したケーシング22と、前記外気導入口18と前記内気導入口20の開口状態を切り替える切替ダンパ24と、前記ケーシング22の内部に設けられるフィルタ26と、ケーシング22の側面に設けられ前記切替ダンパ24を回動させるためのリンク機構28とを含む。
ケーシング22は、例えば、車両の幅方向(図1中、矢印A方向)に分割可能な2つの分割ケーシング部30a、30bからなり、一方の分割ケーシング部30aが空調ケース12に対して接続されると共に、他方の分割ケーシング部30bの側壁には後述するリンク機構28が設けられる。そして、外気導入口18がケーシング22の上方へと開口し、内気導入口20が前記外気導入口18と略直交するように側方へと開口している。
切替ダンパ24は、例えば、断面扇形状に形成され、図3に示されるように、その開口した幅方向端部にそれぞれ軸部32a、32bが突出するように形成され、前記軸部32a、32bがケーシング22の側壁に形成された孔部34a、34bにそれぞれ挿通されることで、前記切替ダンパ24が前記ケーシング22の内部において回動自在に支持される。そして、ケーシング22の内部において外気導入口18又は内気導入口20を閉塞するように回動する。
また、切替ダンパ24における一方の軸部32aには、ケーシング22の外側においてリンク機構28を構成する従動リンク36が連結される。
リンク機構28は、切替ダンパ24の軸部32aに連結される従動リンク36と、該従動リンク36と係合されケーシング22に対して回転自在に支持される操作リンク38とを含む。
この従動リンク36は、所定長さを有したアーム状に形成され、ケーシング22(分割ケーシング部30b)の側壁と略平行に設けられ、その一端部には従動リンク36の延在方向に対して直交し切替ダンパ24の軸部32aと連結される連結部40が形成されることで、前記切替ダンパ24と一体的に回動するように設けられる(図3参照)。一方、切替ダンパ24の他端部には、その延在方向と直交し、且つ、前記連結部40と同じ方向に突出した従動ピン42が設けられる。換言すれば、従動リンク36の連結部40及び従動ピン42がケーシング22側に向かって突出するように形成される。
操作リンク38は、ケーシング22(分割ケーシング部30b)の側壁と略平行に設けられ、その一部は従動リンク36と前記ケーシング22との間となるように設けられる。
この操作リンク38は、図2に示されるように、例えば、略中央部が所定角度で折曲された形状で形成され、その一端部が支軸44を介してケーシング22に回転自在に支持される。なお、支軸44は、操作リンク38の延在方向と直交するように形成される。
また、操作リンク38の略中央部には、前記支軸44とは反対方向に向かって突出した操作ピン46が形成され、該操作ピン46には、車室内の操作パネルに設けられた内外気切替用レバー(図示せず)と接続される操作ケーブル48の一端部が接続される。
さらに、操作リンク38には、操作ピン46の形成される側面に係合溝(係合部)50が形成され、従動リンク36の従動ピン42が挿入される。この係合溝50は、操作リンク38の略中央部から他端部側に向かって所定幅で延在し、且つ、該操作リンク38の形状に対応して折曲した断面略L字状に形成される。また、係合溝50は、操作リンク38の略中央部近傍において操作ピン46と近接した位置に設けられる。
この操作リンク38において、支軸44と操作ピン46との間の距離L1は、従動リンク36における連結部40と従動ピン42との間の距離(アーム長さ)L2よりも長く設定される(L1>L2)。換言すれば、従動リンク36のアーム長さは、操作リンク38における支軸44と操作ピン46との間の長さよりも短く形成される。
そして、操作リンク38は、操作ピン46に接続された操作ケーブル48が引っ張り又は押し出されることで、一端部の支軸44を支点として他端部側が回動し、それに伴って、従動ピン42が係合溝50に沿って移動することで従動リンク36が軸部32aを支点として回動する。これにより、操作リンク38及び従動リンク36の回動に伴って切替ダンパ24が回動し、開口端部とは反対側に形成された壁部によって外気導入口18及び内気導入口20のいずれか一方が選択的に閉塞される。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、図2の内外気切替ユニット14において切替ダンパ24が外気導入口18を閉塞した状態を初期位置として説明する。
先ず、乗員が車室内に配置された内外気切替用レバー(図示せず)を操作することで、該内外気切替用レバーに接続された操作ケーブル48が軸方向に移動し、操作リンク38の操作ピン46を押し出す。これにより、操作リンク38が支軸44を支点として時計回りに回動し、それに伴って従動ピン42が係合溝50に沿って移動する。
そして、係合溝50の移動に伴って従動ピン42が移動することで、従動リンク36の他端部が回動し始め、それに伴って、一端部が回動することで連結部40を介して連結された切替ダンパ24が反時計回りに回動し、その壁部が内気導入口20に臨む位置まで回動することで前記内気導入口20が閉塞され、外気導入口18が開口した外気導入状態へと切り替えられる。
そして、図示しないコントローラからの制御信号に基づき、送風機16が回転駆動することで開口した外気導入口18を通じて空気がケーシング22内へと吸い込まれ、フィルタ26を通過して塵埃等が除去された後に、空調ケース12内へと流通してエバポレータ及びヒータコアを通過して温度調整がなされて送風口から車室内へと供給される。
以上のように、本実施の形態では、車両用空調装置10を構成する内外気切替ユニット14において、外気と内気とを切り替える切替ダンパ24がケーシング22の内部に設けられると共に、前記ケーシング22の側壁には、前記切替ダンパ24を駆動させるためのリンク機構28が設けられ、前記リンク機構28において、前記切替ダンパ24の軸部32aに連結される従動リンク36を、操作ケーブル48に接続される操作リンク38よりも外側(ケーシング22より離間する方向)に配置し、前記従動リンク36の従動ピン42を前記操作リンク38の係合溝50へと係合させている。
これにより、操作ケーブル48からの荷重が付与される操作リンク38を従動リンク36よりも内側(ケーシング22側)に設けることで、該操作ケーブル48の操作作用下に操作リンク38に対して支軸44を起点とした外側(ケーシング22から離間する方向)への力が付与された場合でも、従動リンク36が抵抗となることで変形が好適に抑制される。その結果、従動リンク36の従動ピン42と操作リンク38の係合溝50とが互いに離間する方向に移動してしまうことが防止され、両者の係合状態が好適に維持される。
また、従動リンク36のアーム長さL2を、操作リンク38における支軸44と前記操作ピン46との距離L1よりも短くすることで、操作リンク38の変形を抑えるための反力を大きくすることができ、操作リンク38の変形による係合外れをより一層確実に抑制することが可能となる。
さらに、操作リンク38において操作ピン46は最も力がかかり変形しやすいため、係合溝50を操作ピン46に近接して設けることで、例えば、操作ピン46と係合溝50とを離して配置した場合と比較して変形をより一層抑制できる。
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両用空調装置 12…空調ケース
14…内外気切替ユニット 22…ケーシング
24…切替ダンパ 28…リンク機構
32a、32b…軸部 36…従動リンク
38…操作リンク 40…連結部
42…従動ピン 44…支軸
46…操作ピン 48…操作ケーブル
50…係合溝

Claims (3)

  1. 空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ケースと、前記空調ケースに接続され内気・外気を切り替えて取り込む内外気切替ユニットと、前記空調ケースの内部に設けられ前記空気の熱交換を行う熱交換器とを有した車両用空調装置において、
    前記内外気切替ユニットは、ケーシングに対して回転軸を介して回動自在に設けられ内気と外気とを切り替えるダンパと、
    前記回転軸に連結される従動リンクと、該従動リンクと係合され内外気切替用レバーと接続された操作ケーブルと連結される操作リンクとからなり、前記ダンパを回動させるリンク機構と、
    を有し、
    前記操作リンクには、前記内外気切替ユニットに支持される支軸と、前記操作ケーブルに接続される操作ピンと、前記支軸と前記操作ピンとをつなぐ仮想線を境とした両側の少なくともいずれか一方側に形成された係合部とが形成され、
    前記操作ピン及び前記係合部は、前記操作リンクにおいて前記ケーシングに臨む面とは反対側の面に形成され、前記係合部が前記従動リンクと係合していることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1記載の車両用空調装置において、
    前記従動リンクのアーム長さは、前記操作リンクにおける前記支軸と前記操作ピンとの離間距離よりも短く設定されることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用空調装置において、
    前記操作ピンは、前記係合部に隣接して形成されることを特徴とする車両用空調装置。
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