JP2017149163A - インク吸収体およびインクジェットプリンター - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
溶融樹脂は、セルロース繊維間の結合を図り、液体吸収体200に適度な強度(硬度など)を保持したり、紙粉・繊維の飛散を防止したり、液体を吸収した際の形状維持に寄与したりするものである。溶融樹脂は、繊維状や粉状など各種形態を採用することができる。そして、セルロース繊維と溶融樹脂とを混合した混合物を加熱することにより、溶融樹脂を溶融させセルロース繊維に融着させ固化させることができる。なお、セルロース繊維等を熱劣化させない程度の温度で融着させることが望ましい。また、溶融樹脂は、解繊物中の紙繊維と絡みやすい繊維状のものが好ましい。さらに、芯鞘構造の複合繊維が望ましい。芯鞘構造の溶融樹脂は、周囲の鞘部が低温で溶融し、繊維状の芯部が溶融樹脂自身、あるいは、セルロース繊維と接合することで強固な接合を行うことができる。
なお、添加物の選択としては他に、例えば、液体吸収体200に対して液体を滴下した場合に、液体吸収体200の表面に対する液滴の接触角がほぼゼロとなる、すなわち、液体が濡れ広がる臨界表面張力を有するように添加物を選択してもよい。このようにすれば、液体の浸透性をさらに高めることができる。
添加剤のサイズは、毛細管現象をおこす、主たるセルロース繊維間に入るサイズから、こぼれ落ちないサイズであればよい。また、セルロース繊維径と同程度のサイズであれば、セルロース繊維を歪ませることなく、より好ましい。
次に、本発明にかかる具体的な実施例について説明する。
裁断機を用いて数cmに裁断された漂白済みのパルプシートをターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊した。
芯鞘構造を有し、鞘が100℃以上で溶融するポリエチレンであり、芯がポリエステルから成る1.7dtexの溶融繊維(テトロン、帝人株式会社製)。
水酸化アルミニウムB53(日本軽金属株式会社製)。
(4−1)シリカ:平均粒径2.6μm(NIPGEL AZ−200、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−2)シリカ:平均粒径6.6μm(NIPGEL AY−603、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−3)炭酸カルシウム:平均粒径2.4μm(カルライトKT、白石工業製)。
(4−4)炭酸カルシウム:平均粒径3.1μm(カルライトSA、白石工業製)。
(4−5)粉砕酸化鉄:平均粒径4.5μm
(4−6)粉砕ソーダガラス:平均粒径5.0μm
(4−7)シリカスラリー:(AZ−200、東ソー・シリカ株式会社製)。
(4−8)炭酸カルシウムスラリー:(Vakofil900、白石カルシウム株式会社製)。
なお、上記各添加剤の平均粒径は、Sysmex社 FPIA2000で測定したD50の値である。
(実施例1:液体吸収体Aの形成)
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−1)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Aを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維40重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−2)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Bを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−3)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Cを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維40重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−4)20重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Dを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−5)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Eを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部及び添加物(上記4−6)10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Fを形成した。
漂白したパルプシートに添加物(上記4−7)を塗り、塗ったものを乾燥した。その後、ターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊し、セルロース繊維100重量部と添加物(上記4−7)25重量部を含む解繊物を形成した。添加剤のサイズは平均粒径5.8μmまで粉砕されていた(電子顕微鏡観察による)。そして、当該解繊物と溶融繊維30重量部及び難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Gを形成した。
漂白したパルプシートに添加物(上記4−8)を塗り、塗ったものを乾燥した。その後、ターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊し、セルロース繊維100重量部と添加物(上記4−8)25重量部を含む解繊物を形成した。添加剤のサイズは平均粒径9.9μmまで粉砕されていた(電子顕微鏡観察による)。そして、当該解繊物と溶融繊維30重量部及び難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Hを形成した。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維30重量部、難燃剤10重量部を気中混合し、混合された混合物を篩に通してメッシュベルト上に堆積させた。そして、堆積した堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して液体吸収体Rを形成した。すなわち、添加物を含まない液体吸収体Rを形成した。
次いで、上記の実施例1から実施例8及び比較例1において、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性の評価を行う。各評価方法は、下記の通りである。
図4は、液体吸収体のインク浸透性及び保持性の評価方法を示す模式図である。図4(a)に示すように、150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)の液体吸収体Tを平坦面に載置し、上面の第1ポイントP1から液滴Dとしてのインク80mlをゆっくりと注入する。吸収体Tに染み込まない場合は5分放置し、その後注入を続ける。なお、5分放置しても染み込まない場合は、インクが浸透しないとみなし、インク浸透性の判定はNGとなる。一方、全て注入することができた場合には、インク浸透性の判断はOKとなる。
また、全てインクを注入することができたら、5分間放置し、図4(b)に示すように、第2ポイントP2からストラップS等を用いてインクを注入した第1ポイントP1が下方となるように吊るす。このように吊るされた状態では、浸透したインクが液体吸収体Tの一端部に集まり、保持されにくくなる。そして、液体吸収体Tからインクが垂れた場合には、インクを保持することができないとみなし、インク保持性の判断はNGとなる。一方、インクが垂れない場合には、インク保持性の判断はOKとなる。なお、インク浸透性の判定がNGの場合、所望の量を吸収させることができないため、インク保持性の評価は行わない。この評価により、インクジェットプリンター等の液体を扱う電子機器や液体吸収タンクが斜めになったとしてもインクが漏れ出すことがないことがわかる。
150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)の液体吸収体Tを平坦面に載置し、40℃20%RHの環境下において、載置された液体吸収体Tの上面の中央部にインクを1時間に1回0.4gずつ滴下する。そして、240時間後、液体吸収体Tの表面に固形分の堆積物の厚みが1mm未満であれば、インク堆積性の判断はOKとなる。一方、堆積物の厚みが1mm以上であれば、インク堆積性の判断はNGとなる。
また、インクジェットプリンター10の他に、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含むインクを噴射する装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となるインクを噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成する装置、紫外線硬化液を噴射し光や熱で硬化させる装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の電子機器に本発明を適用することができる。
なお、液滴吐出装置として吐出しないような液体を吸収してもよい。例えば、水や油、汚水、尿など一般的に液体と言えるものである。
上記実施例において、液体吸収体200を直方体としたが、これに限らない。直方体の一部に切り欠きや凹みがあってもよいし、直方体でなく円弧部や傾斜部を有していてもよい。
上記実施例において、セルロース繊維主体とするものとしたが、インクを吸収可能で、添加剤と表面張力の差が出る材料であれば、セルロース繊維に限られない。ポリウレタンやポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチックを原料とする繊維や、羊毛などの他の繊維でもよい。
廃インク吸収体を成形する方法は上記実施例に記載の方法に限られない。本願の特徴が出せれば、湿式など他の製法でもよい。
Claims (5)
- 液体を吸収する液体吸収体であって、
前記液体吸収体は繊維を主体とするとともに、前記繊維の臨界表面張力よりも臨界表面張力が大きい添加物を含むことを特徴とする液体吸収体。 - 請求項1に記載の液体吸収体において、
前記添加物は、前記液体の表面張力よりも臨界表面張力が大きいことを特徴とする液体吸収体。 - 請求項1または請求項2に記載の液体吸収体において、
前記添加物の臨界表面張力は、前記繊維の臨界表面張力の1.5倍以上であることを特徴とする液体吸収体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体吸収体と、
前記液体吸収体を収容する収容部と、を備えたことを特徴とする液体吸収タンク。 - 液体を排出する排出部と、
排出された前記液体を捕獲する請求項4に記載の液体吸収タンクと、を備えたことを特徴とする電子機器。
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