まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する第1演出装置300、第2演出装置400、第3演出装置500が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9,405,506、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R、第3演出用モータ510といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図3は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S50)。その後、演出制御用CPU120は、後述する第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを移動させる慣らし動作を実行する可動体慣らし処理を実行する(S51)。
具体的に可動体慣らし処理においては、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rを後述する第1収納位置から第1進出位置に移動させるよう第1演出用モータ340を制御する。そして、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rの移動において異常が検出されたか否かを判定する。異常が検出されたと判定した場合、演出制御用CPU120は該異常を報知する。尚、該異常の報知は、演出表示装置5での表示、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光等によって行われる。次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行われたかを判定する。第1可動体302L,302Rの移動において異常が検出されていないと判定した場合、および報知を停止させる操作が行われたと判定した場合、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rを第1収納位置に移動させるよう第1演出用モータ340を制御する。
また、演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rを後述する第2収納位置から第2進出位置に移動させるよう第2演出用モータ410L,410Rを制御する。そして、演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rの移動において異常が検出されたか否かを判定する。異常が検出されたと判定した場合、演出制御用CPU120は該異常を報知する。尚、該異常の報知は、演出表示装置5での表示、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光等によって行われる。次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行われたかを判定する。第2可動体402L,402Rの移動において異常が検出されていないと判定した場合、および報知を停止させる操作が行われたと判定した場合、演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rを第2収納位置に移動させるよう第2演出用モータ410L,410Rを制御する。
また、演出制御用CPU120は、第3可動体502L,502Rを第3収納位置から第3進出位置に移動させるよう第3演出用モータ510を制御する。そして、演出制御用CPU120は、第3可動体502L,502Rの移動において、異常が検出されたか否かを判定する。異常が検出されたと判定した場合、演出制御用CPU120は該異常を報知する。尚、該異常の報知は、演出表示装置5での表示、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光等によって行われる。次に、演出制御用CPU120は、報知を停止させる操作が遊技店の店員によって行われたかを判定する。第3可動体502L,502Rの移動において異常が検出されていないと判定した場合、および報知を停止させる操作が行われたと判定した場合、演出制御用CPU120は、第3可動体502L,502Rを第3収納位置に移動させるよう第3演出用モータ510を制御する。
このように、本実施例では、電源が投入されてから最初に実行される演出制御メイン処理において第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを予めそれぞれ個別に移動させることにより、これら第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの動きを慣らすことができる。
そして、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの動作パターンの動作を確認したり、各初期位置センサ(後述する初期位置センサ310,420,550など)によって第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの初期位置を検出したり、各初期位置に第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを移動させたりする可動体処理を実行する(S52)。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S53)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S54)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(S55)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S56)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。更に、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S57)。
図4は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。尚、ここで前述した可動体処理を実行するようにしてもよい。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施例では、以下に説明する第1演出装置300、第2演出装置400、第3演出装置500による可動体演出や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、演出制御用CPU120は、上記したステップS74の演出図柄変動開始処理において、上記した各種演出の実行の有無及び実行する演出の演出パターンや実行タイミングなどを決定する処理を実行する。
尚、本実施例では、可動体演出として、後述する第1演出装置300の第1可動体302L,302R、第2演出装置400の第2可動体402L,402R、第3演出装置500の第3可動体502L,502Rをそれぞれ個別に動作させる可動体演出や、第1演出装置300の第1可動体302L,302R、第2演出装置400の第2可動体402L,402Rを同時に動作させる合体演出を実行可能である。
次に、図5〜図11に基づいて、第1演出装置300、第2演出装置400、第3演出装置500について説明する。図5は、第1可動体、第2可動体、第3可動体が第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置にある状態を示す斜視図である。図6は、第1可動体、第2可動体、第3可動体が第1進出位置、第2進出位置、第3進出位置にある状態を示す斜視図である。図7は、(A)は第1可動体が第1収納位置にある状態を示す第1演出装置の正面図、(B)は背面図である。図8は、(A)は第1可動体が第1進出位置にある状態を示す第1演出装置の正面図、(B)は背面図である。図9は、(A)〜(E)は第1可動体のスライド移動に伴う態様の変化状態を示す説明図である。図10は、(A)は第2可動体が第1進出位置にある状態、(B)は待機位置にある状態、(C)は第2進出位置にある状態、(D)は長孔に対する連結軸の位置関係を示す説明図である。図11は、(A)は第3可動体が第3収納位置、第3進出位置にある状態を示す第3演出装置の正面図、(B)は背面図である。
図5及び図6に示すように、第1演出装置300は、演出表示装置5の上方に配設される左右方向を向く第1ベース体301に組付られ、第2演出装置400は、演出表示装置5の下方に配設される左右方向を向く第2ベース体401に組付られ、第3演出装置500は、演出表示装置5の上方に配設される左右方向を向く第3ベース体501に組付られている。第3ベース体501は、第1ベース体301の前側に一体に組付られている。
第1演出装置300は、第1可動体302L,302Rを有し、該第1可動体302L,302Rは、演出表示装置5の左右側方に設けられた第1収納位置(図5参照)と、演出表示装置5の表示領域の前面側に重畳する第1進出位置(図6参照)と、の間で第1ベース体301に対し左右方向にスライド移動可能に設けられている。尚、本実施例では、第1収納位置が駆動初期位置とされている。
第2演出装置400は、第2可動体402L,402Rを有し、該第2可動体402L,402Rは、演出表示装置5の下方左右側に設けられた第2収納位置(図5参照)と、演出表示装置5の表示領域の前面側に重畳する第2進出位置(図6参照)と、の間で第2ベース体401に対し回動可能に設けられている。尚、本実施例では、第2収納位置が駆動初期位置とされている。
第3演出装置500は、第3可動体502L,502Rを有し、該第3可動体502L,502Rは、演出表示装置5の左右側方に設けられた第3収納位置(図5参照)と、演出表示装置5の表示領域の前面側に重畳する第3進出位置(図6参照)と、の間で第3ベース体501に対し左右方向にスライド移動可能に設けられている。尚、本実施例では、第3収納位置が駆動初期位置とされている。
尚、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとは、後述するように互いの移動可能範囲の一部が重なる、つまり、互いに接触し得る状態に配設されている。第3可動体502L,502Rは、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとに接触しないように第1可動体302L,302Rの前側で左右方向に移動するように設けられている。つまり、第3可動体502L,502Rは、移動可能範囲が第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402R双方の移動可能範囲と重ならない、つまり、互いに接触しない状態に設けられている。
また、本実施例では、第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置各々において第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R、第3可動体502L,502Rは演出表示装置5の表示領域と重畳していないが、各々の一部が演出表示装置5の表示領域と重畳していてもよい。また、第1進出位置、第2進出位置、第3進出位置各々において第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R、第3可動体502L,502Rの全体が演出表示装置5の表示領域と重畳しているが、一部が演出表示装置5表示領域と重畳していなくてもよい。つまり、第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置では、第1進出位置、第2進出位置、第3進出位置にあるときよりも演出表示装置5の表示領域との重畳面積が小さければよい。
図7〜図9に示すように、第1演出装置300は、ステッピングモータからなる第1演出用モータ340と、第1演出用モータ340の駆動軸に固着された第1ギヤ303と、第1ギヤ303に噛合する第2ギヤ304と、第2ギヤに噛合する連動ギヤ305と、連動ギヤ305に噛合する移動部306L,306Rを含む第1可動体302L,302Rと、を有する。第1演出用モータ340、第1ギヤ303、第2ギヤ304は第1ベース体301に背面側に設けられ、連動ギヤ305及び移動部306L,306Rは第1ベース体301に前面側に設けられている。第1ギヤ303、第2ギヤ304及び連動ギヤ305は前後方向を向く回動軸(図示略)を中心として回転可能に設けられている。
移動部306L,306Rは、第1ベース体301の前面に形成された左右方向を向くガイド溝307により左右方向にスライド移動可能に設けられており、左側の移動部306Lは、右側方に向けて延設され連動ギヤ305の下部に噛合するラックギヤ部308Lを有し、右側の移動部306Rは、左側方に向けて延設され連動ギヤ305の上部に噛合するラックギヤ部308Rを有している。よって、移動部306L,306Rは、第1演出用モータ340により第1ギヤ303、第2ギヤ304を介して連動ギヤ305が回転することで左右方向に移動する。また、ラックギヤ部308L,308Rの先端部は、第1ベース体301に形成されたガイド溝320A,320Bにより左右方向にスライド移動可能に案内されている。
また、右側の移動部306Rのラックギヤ部308Rの先端部には検出片309が突設されており、第1ベース体301の前面に取付けられた初期位置センサ310、中間位置センサ311それぞれに検出されるようになっている。詳しくは、検出片309は、第1可動体302L,302Rが第1収納位置へ移動したときに初期位置センサ310により検出され、第1可動体302L,302Rが後述する検出位置へ移動したときに中間位置センサ311により検出されるようになっている。
移動部306L,306Rにおけるラックギヤ部308L,308Rの外側端部には、第1可動体302L,302Rを吊支するための吊支部306A,306Bが各々設けられている。吊支部306Aは移動部306L,306Rに対し固定され、吊支部306Bは、移動部306L,306Rに対し吊支部306Aから外側方に離れる方向へ移動可能に設けられている(図7(A)、図8(A)参照)。
第1可動体302L,302Rは、移動部306L,306Rと、吊支部306A,306Bと、内側演出部302A及び外側演出部302Bと、内側演出部302A及び外側演出部302Bそれぞれの上部から上方へ延設される連結軸部302Cと、を有し、内側演出部302A、外側演出部302B及び連結軸部302Cは、透光性を有する合成樹脂材にて形成されている。各連結軸部302Cは、吊支部306A,306Bにそれぞれ軸心周りに回動可能に取付けられている。
内側演出部302A及び外側演出部302Bは、第1可動体302L,302Rが第1進出位置へ移動したときに、互いの側辺同士が当接または近接した状態で左右に並設されることにより合体して、正面視円形をなすとともに前方に膨出する球面状の演出部が形成されるようになっている(図8参照)。言い換えると、内側演出部302A及び外側演出部302Bは、球面状の演出部を横方向に4分割することにより形成されるパーツであり、第1可動体302L,302Rが第1進出位置へ移動したときに、左側の第1可動体302Lの内側演出部302A及び外側演出部302Bは球面状の演出部の左半分を構成し、右側の第1可動体302Rの内側演出部302A及び外側演出部302Bは球面状の演出部の右半分を構成する。
図9に示すように、各連結軸部302Cには、第1ベース体301の下部に形成された左右方向に延設されるガイド溝330内に移動可能に挿入されたガイドローラ331が設けられている。ガイドローラ331は、連結軸部302Cとは異なる位置、つまり、連結軸部302Cの回動軸心から偏心した位置に設けられており、移動部306L,306Rの移動に伴い左右方向に移動しながら連結軸部302Cを中心として回動可能とされている。
ガイド溝330は、左右方向に延設される第1ガイド部330Aと、第1ガイド部330Aよりも後側に形成される第2ガイド部330Bと、第1ガイド部330Aと第2ガイド部330Bとを接続する接続部330Cと、から構成される。また、接続部330Cの後部には、ガイドローラ331を一時的に後側へ退避させるための退避部330Dが第2ガイド部330Bより後側へ突出するように形成されている。
次に、第1可動体302L,302Rの内側演出部302A及び外側演出部302Bの動作態様を、図9に基づいて説明する。尚、左右の第1可動体302L,302Rは同様に構成されているため、図9では、左側の第1可動体302Lのみ図示して説明し、右側の第1可動体302Rについての説明は省略する。
図9(A)に示すように、第1可動体302Lが第1収納位置にある状態では、内側演出部302A及び外側演出部302Bは、それぞれの前面302Fが左側方を向く縦向き姿勢をなし、内側演出部302Aが外側演出部302Bの背面側に入り込み近接する収納態様となる。また、ガイドローラ331は第1ガイド部330Aに配置されている。
図9(B)に示すように、移動部306Lが右側へ向けて移動すると、内側演出部302A及び外側演出部302Bは、ガイドローラ331が第1ガイド部330Aにより案内されている間は、収納態様を維持したまま右側へ移動していく。
図9(C)に示すように、内側演出部302Aのガイドローラ331が接続部330Cに到達すると、連結軸部302Cが右側へ移動するのに伴い、ガイドローラ331が右斜め後方へ案内され、これにより内側演出部302Aは連結軸部302Cを中心として反時計回りに回動し始める。そしてさらに連結軸部302Cが右側へ移動すると、ガイドローラ331が退避部330Dに入り込んで右側への移動が阻害され、その間に連結軸部302Cがガイドローラ331を追い越していく。これにより、内側演出部302Aは、連結軸部302Cを中心としてさらに反時計回りに回動し、前面302Fが側方を向く縦向き姿勢をなす収納態様から、前面302Fが前方を向く横向き姿勢をなす進出態様に変化する。
次いで、図9(D)に示すように、内側演出部302Aの連結軸部302Cがガイドローラ331を追い越して移動を続け、ガイドローラ331が退避部330Dから抜け出して第2ガイド部330Bへ進入すると、外側演出部302Bのガイドローラ331が接続部330Cに到達する。そして、内側演出部302Aと同じように、外側演出部302Bが右側へ移動するのに伴い、連結軸部302Cを中心としてさらに反時計回りに回動し、収納態様から進出態様に変化する。尚、ガイドローラ331が退避部330Dに入り込んで右側への移動が阻害されている間、吊支部306Bは吊支部306Aから離れていくことで、外側演出部302Bの回動時に内側演出部302Aに接触することが回避される。
そして、図9(E)に示すように、内側演出部302Aと外側演出部302Bのガイドローラ331が第2ガイド部330Bに案内されている間、内側演出部302Aと外側演出部302Bは、互いの側端辺が当接または近接した状態で右側へ移動し、第1可動体302Lが第1進出位置に到達すると、内側演出部302Aと、同じく第1進出位置に到達した第1可動体302Rの内側演出部302Aとの側端辺同士が当接または近接して合体し、球面状の演出部が形成される。
尚、特に詳細な説明はしないが、第1可動体302Lは、第1進出位置から第1収納位置へ移動するときは図9(E)から図9(A)の順に逆動作し、第1進出位置の手前から進出態様から収納態様へ変化しながら移動する。
また、第1可動体302Lは、第1収納位置において内側演出部302Aと外側演出部302Bとが縦向き姿勢となって互いに近接する収納態様となったとき、内側演出部302Aと外側演出部302Bとの左右寸法L1は、第1進出位置において進出態様となったときの左右寸法L2よりも短寸となる(L1<L2)。よって、第1収納位置での第1可動体302Lの配置領域の左右寸法を短寸化することができる。
次に、第2演出装置400の詳細を図10に基づいて説明する。
図10(A)に示すように、第2可動体402L,402Rは、正面視半円形状をなす板状の演出部402Aと、演出部402Aから延設されるアーム部402Bと、から構成されている。演出部402Aは、図13(E)に示すように、ベース板403と、該ベース板403の前面を覆う透光性を有する合成樹脂材からなるカバー板404とから構成され、内部には、前面に複数の演出用LED405が配設されたLED基板406が内蔵されている。
左側の第2可動体402Lのアーム部402Bの下端は、第2ベース体401の前面右側に前後方向を向く回動軸407を中心として回動可能に軸支され、右側の第2可動体402Rのアーム部402Bの下端は、第2ベース体401の前面左側に前後方向を向く回動軸407を中心として回動可能に軸支されている。尚、左側の第2可動体402Lのアーム部402Bは右側の第2可動体402Rのアーム部402Bよりも前側に配置されて互いに干渉しないようになっている。
第2ベース体401の前面右側には、第2可動体402Lを駆動するステッピングモータからなる第2演出用モータ410Lが設けられ、前面左側には、第2可動体402Rを駆動するステッピングモータからなる第2演出用モータ410Rが設けられている。第2ベース体401には、正面視円形状の回動板411が前後方向を向く回動軸周りに回動可能に設けられている。回動板411は、第2演出用モータ410Rにより回転するギヤ部材(図示略)に噛合されており、第2演出用モータ410Rにより回転する。
回動板411の前面における周縁部には連結軸412が突設されており、連結軸412は、アーム部402Bにおける回動軸407の近傍位置に形成される円弧状の長孔413に挿入されている。よって、図10(D)に示すように、回動板411が回動して連結軸412が長孔413内を移動することにより、アーム部402Bが回動軸407を中心として回動する。また、第2可動体402Lのアーム部402Bの背面にはガイド軸415が突設されており、第2可動体402Rのアーム部402Bに形成されたガイド孔414に移動可能に挿入されて、第2可動体402Lと第2可動体402Rとが相対移動可能に連結されている。
このように構成された第2可動体402L,402Rは、第2演出用モータ410L,410Rにより回動軸407を中心として、図10(A)に示す第2収納位置と図10(C)に示す第2進出位置との間で回動するようになっている。また、本実施例では、第2収納位置と第2進出位置との間であり該第2進出位置よりも前の待機位置(図10(B)参照)で停止することもある。また、第2ベース体401には、第2可動体402L,402Rが第2収納位置に位置したことを検出する初期位置センサ420(図2参照)が設けられている。
第2収納位置では、左右の演出部402Aが下方位置において互いに左右に離間した状態で配置され、第2進出位置では、左右の演出部402Aの側端辺同士が当接または近接して合体し、正面視円形状の演出部が形成される。つまり、アーム部402Bは互いに前後にずらして配置されているが、演出部402Aは互いに前後方向の同位置に配置されているので合体して一の演出部を形成する。尚、第2進出位置で合体した正面視円形状の演出部の直径は、第1進出位置で合体した第1可動体302L,302Rの正面視円形状の演出部の直径よりも短寸となっている。
また、第2演出用モータ410L,410Rは、第2可動体402L,402Rを第2収納位置から第2進出位置まで回動させる場合、後述するように駆動軸を295ステップ回動させる必要があるが、特に図10(D)に示すように、回動板411の連結軸412は、第2収納位置において正面視略C字形をなす長孔413の下端部に配置され、第2進出位置において長孔413の上端部に配置される。よって、第2可動体402L,402Rを第2収納位置から待機位置まで回動させる(第2演出用モータ410L,410Rを100ステップまで回動させる)期間では、連結軸412は上方向への移動量よりも左方向への移動量が大きいため、演出部402Aの上昇ストロークは、第2可動体402L,402Rを待機位置からさらに回動させる(第2演出用モータ410L,410Rを100ステップから200ステップまで回動させる)期間における演出部402Aの上昇ストロークよりも短い。
また、第2可動体402L,402Rをさらに回動させる(第2演出用モータ410L,410Rを200ステップから295ステップまで回動させる)期間における演出部402Aの上昇ストロークは、第2演出用モータ410L,410Rを100ステップから200ステップまで回動させる期間における演出部402Aの上昇ストロークよりも短い。つまり、第2演出用モータ410L,410Rの駆動軸を一定速度で回転させても、連結軸412が長孔413の下部及び上部を移動するときには、上部と下部との間を移動するときよりも演出部402Aの上昇速度が遅くなる。
次に、第3演出装置500の詳細を図11に基づいて説明する。
図11(A)に示すように、第3演出装置500は、第3ベース体501の背面に設けられるステッピングモータからなる第3演出用モータ510と、第3演出用モータ510の駆動軸に固着された第1ギヤ503と、3つの中間ギヤ504と、中間ギヤ504に噛合する連動ギヤ505と、連動ギヤ505に噛合する第3可動体502L,502Rと、を有する。第3演出用モータ510、第1ギヤ303、中間ギヤ504は第1ベース体301に背面側に設けられ、連動ギヤ505及び第3可動体502L,502Rは第1ベース体301に前面側に設けられている。第1ギヤ503、中間ギヤ504及び連動ギヤ505は前後方向を向く回動軸(図示略)を中心として回転可能に設けられている。
第3可動体502L,502Rは、第3ベース体501に形成された左右方向を向くガイド溝507により左右方向にスライド移動可能に設けられており、左側の第3可動体502Lの上部には、連動ギヤ505の下部に噛合するラックギヤ部508Lが右側方に向けて延設され、右側の第3可動体502Rは、連動ギヤ505の上部に噛合するラックギヤ部508Rが左側方に向けて延設されている。よって、第3可動体502L,502Rは、第3演出用モータ540により第1ギヤ503、中間ギヤ504を介して連動ギヤ505が回転することで左右方向に移動する。また、ラックギヤ部508L,508Rの先端部は、第3ベース体501に形成されたガイド520A,520Bにより左右方向にスライド移動可能に案内されている。
第3可動体502L,502Rの下部には、正面視縦長棒形状をなす上下方向を向く演出部502Aが形成されている。演出部502Aは、特に図示しないがベース板と該ベース板の前面を覆う透光性を有する合成樹脂材からなるカバー板とから構成され、内部には、前面に複数の演出用LED506が配設されたLED基板が内蔵されている。
このように構成された第3可動体502L,502Rは、第3演出用モータ510により、図11(A)(B)において実線で示す第3収納位置と図11(A)(B)において2点鎖線で示す第3進出位置との間で左右方向にスライド移動する。また、第3ベース体501には、第3可動体502L,502Rが第3収納位置に位置したことを検出する初期位置センサ550が設けられている。
次に、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rとの関係について、図12〜図14に基づいて説明する。図12は、第1可動体と第2可動体それぞれの移動可能範囲と干渉領域及び非干渉領域とを示す説明図である。図13は、(A)〜(E)は第1可動体と第2可動体が正常に収納位置から進出位置へ移動する状況を示す概略説明図である。図14は、(A)〜(F)は第1可動体が第2可動体より遅れて移動を開始したときの移動状況を示す概略説明図である。尚、第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402Rそれぞれの干渉領域、非干渉領域は左右同一であるため、図12においては左側にのみ領域を記載し、右側は省略している。
まず、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとの関係について説明する。図12(A)(B)に示すように、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとは、互いの移動可能範囲の一部が重なるように配設されている。具体的には、第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402Rは、それぞれが第1収納位置、第2収納位置にある状態において、第1可動体302L,302Rの下方位置に第2可動体402L,402Rが配置される。
図12(A)に示すように、第1可動体302L,302Rの移動可能範囲E1(図12(A)(B)において右上がり斜線で示す領域)と、第2可動体402L,402Rの移動可能範囲E2(図12(A)(B)において右下がり斜線で示す領域)とを平面視した場合、移動可能範囲E1における左右側後部と移動可能範囲E2の左右側とが重なり、それ以外は重ならない。一方、図12(B)に示すように、第1可動体302L,302Rの移動可能範囲E1と第2可動体402L,402Rの移動可能範囲E2とを正面視した場合、移動可能範囲E1の下部から上部にかけて左右幅が漸次短寸となる略三角形状部分が重なり、それ以外は重ならない。
ここで、第1可動体302L,302Rにおいて、平面と正面双方の視点において移動可能範囲E1に対し移動可能範囲E2が重なる領域、つまり、第2可動体402L,402Rと干渉(接触)し得る干渉領域は、移動可能範囲E1における一部の区間となり、平面または正面いずれかの視点においてのみ移動可能範囲E1に対し移動可能範囲E2が重なる領域、つまり、第2可動体402L,402Rと干渉(接触)しない非干渉領域は、移動可能範囲E1における干渉領域を除く区間となる。
一方、第2可動体402L,402Rにおいて、平面と正面双方の視点において移動可能範囲E2に対し移動可能範囲E1が重なる領域、つまり、第1可動体302L,302Rと干渉(接触)し得る干渉領域は、移動可能範囲E2における一部の区間となり、平面または正面いずれかの視点においてのみ移動可能範囲E2に対し移動可能範囲E1が重なる領域、つまり、第1可動体302L,302Rと干渉(接触)しない非干渉領域は、移動可能範囲E2における干渉領域を除く区間となる。
すなわち、平面と正面双方の視点(複数の視点)において移動可能範囲E1と移動可能範囲E2とが重なる干渉領域E3(図12(B)において網点で示す領域)は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402R双方が進入したときに互いに干渉(接触)する領域である。一方、平面または正面いずれかの視点においてのみ移動可能範囲E1と移動可能範囲E2とが重なる領域は、平面と正面とのうち一方の視点から見たときに重なるが、他方の視点から見たときに重ならない領域であるため、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが進入しても干渉(接触)しない。このように、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとは、互いの移動可能範囲E1,E2の一部が重なる干渉領域E3を有するように配設されている。
また、第2可動体402L,402Rの待機位置は、干渉領域E3に一部が入り込むことがない非干渉領域に設定されている。
ここで、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの移動態様の概要を、図13に基づいて説明する。尚、図13(A)〜(E)それぞれの上部は平面図、下部は正面図である。
図13(A)に示すように、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rがそれぞれ第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置にある場合、第1可動体302L,302Rの後部が第2可動体402L,402Rの上方位置に配置されているため、第1可動体302L,302Rが動かずに第2可動体402L,402Rが上昇してくると第1可動体302L,302Rの後部に干渉(接触)する。また、第3可動体502L,502Rは第1可動体302L,302Rの前側に干渉しないように配置されている。
次いで、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが同時に移動を開始すると、第1可動体302L,302Rは中央側へ移動しながら回動して収納態様から進出態様へ変化する。進出態様になると第1可動体302L,302Rは第2可動体402L,402Rの前側に配置されるので互いに干渉しなくなるが、収納位置から進出態様へ変化するまでの間に第2可動体402L,402Rが上昇して移動可能範囲E1に進入してくると、第1可動体302L,302Rの後部に干渉(接触)することになる。
そして、図13(B)に示すように、第2可動体402L,402Rが待機位置に到達したときは、第2可動体402L,402Rは非干渉領域にあるため、第1可動体302L,302Rとは接触しない。次いで、図13(C)に示すように、第1可動体302L,302Rの検出片309が中間位置センサ311にて検出される検出位置に到達してから、図13(D)に示すように第1可動体302L,302Rが待機位置を通過し、さらに図13(E)に示すように第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402Rが第1進出位置、第2進出位置へ移動するまでの区間では、第1可動体302L,302Rは第2可動体402L,402Rの前側に配置される。よって、第1可動体302L,302Rが中間位置センサ311にて検出される検出位置に到達した後は、第2可動体402L,402Rが待機位置を通過して移動可能範囲E1に進入しても、第1可動体302L,302Rに干渉することはない。
また、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが第1進出位置、第2進出位置及び第3進出位置へ到達したとき、第2可動体402L,402Rの前側に第1可動体302L,302Rが重なるように配置されるとともに、第1可動体302L,302Rの前側に第3可動体502L,502Lが重なるように配置される。つまり、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rは、互いに干渉しないが、正面から見たときに前後に重なるように合体する。
また、このように合体した状態で、演出制御用CPU120が第2可動体402L,402Rの演出用LED405と第3可動体502L,502Rの演出用LED506とを発光させると、演出用LED405からの光が第1可動体302L,302Rを透過して前方へ出射され、演出用LED506からの光がそのまま前方へ出射される発光演出が実行される(図18(F)参照)。
このように、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを合体させた状態で発光演出を実行することにより、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが重なっている状態をより強調でき、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rによる合体演出の興趣をより一層高めることができる。
演出制御用CPU120は、上記のように第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが第1進出位置、第2進出位置及び第3進出位置にほぼ同時に到達して前後に重なる合体演出を開始する場合、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R、第3演出用モータ540を一斉に駆動し、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rをほぼ同時に移動、つまり、連係動作させる。
前述したように、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが干渉領域E3に進入すると互いに干渉してしまう。よって、演出制御用CPU120は、合体演出の開始に伴い、第2可動体402L,402Rを第2収納位置から第2進出位置よりも前の待機位置へ向けて移動させるが、第1可動体302L,302Rが干渉領域E3を通過して中間位置センサ311により検出される検出位置に到達したことに応じて、第2可動体402L,402Rを待機位置から第2進出位置へ移動可能とする。
言い換えると、演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rを待機位置まで移動させたときに、第1可動体302L,302Rが検出位置に到達している場合、待機位置の通過を許容するが、第2可動体402L,402Rを待機位置まで移動させたときに、第1可動体302L,302Rが検出位置に到達していない場合、待機位置の通過を許容せずにその場で待機させる制御を行う。
ここで、合体演出を開始した場合において、第1可動体302L,302Rが何らかの要因(例えば、ゴミや汚れによる引っ掛かりや、第1演出用モータ340の不具合など)により、第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが遅れてしまった場合における第2可動体402L,402Rの移動態様の一例を、図14に基づいて説明する。
図14(A)に示すように、演出制御用CPU120は、合体演出の開始条件が成立した場合(例えば、合体演出を開始させるタイミングになった場合や、遊技者の操作に応じて合体演出を開始させる場合など)、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R、第3演出用モータ540を一斉に駆動し、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを一斉に移動させる。
ここで、第1可動体302L,302Rが何らかの要因(例えば、ゴミや汚れによる引っ掛かり)により、第1演出用モータ340は駆動しているが第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが所定時間(例えば、約1秒)遅れてしまった場合、第2可動体402L,402Rと第3可動体502L,502Rだけが移動を開始する。
次いで、第2演出用モータ410L,410Rの駆動軸を100ステップ回転させた時点で、中間位置センサ311の検出信号の入力があったか否か、つまり、第1可動体302L,302Rが非干渉領域である検出位置まで到達しているか否かを判定する。そして、中間位置センサ311の検出信号の入力があったと判定した場合、つまり、遅れて移動を開始した第1可動体302L,302Rが非干渉領域である検出位置まで到達していると判定した場合は、第2演出用モータ410L,410Rの駆動軸の回転を継続するため、第2可動体402L,402Rは待機位置で停止することなく通過するが、中間位置センサ311の検出信号の入力がないと判定した場合、つまり、第1可動体302L,302Rが非干渉領域である検出位置まで到達していないと判定した場合、第2演出用モータ410L,410Rの駆動軸の回転を停止させる。よって、図14(B)に示すように、第2可動体402L,402Rは待機位置で停止し、第1可動体302L,302Rが検出位置まで到達するまで待機する。
そして、図14(C)に示すように、第1可動体302L,302Rが所定時間(例えば、約1秒)遅れて移動を開始し、図14(D)に示すように検出位置に到達したことにより、中間位置センサ311からの検出信号の入力を検出した場合、図14(E)に示すように、第2演出用モータ410L,410Rの駆動軸の回転を再開する。
よって、図14(F)に示すように、第1可動体302L,302Rが所定時間(例えば、約1秒)遅れて移動を開始した場合でも、第2可動体402L,402Rを待機位置で待機させておいたことにより、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとをほぼ同じタイミングで第1進出位置と第2進出位置に到達させることができる。尚、第3可動体502L,502Rだけは第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rより先に第3進出位置に到達してしまうが、第3可動体502L,502Rも第2可動体402L,402Rと同じように所定の待機位置で待機させるようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU120が可動体演出の一例である合体演出を実行する際の合体演出処理について、図15に基づいて説明する。図15は、合体演出処理を示すフローチャートである。尚、合体演出処理は、前述したS75の演出図柄変動中処理やS78の大当り遊技中処理等にて行う可動体演出処理の実行中において合体演出を実行するときに実行される処理である。
図15に示す合体演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、既に合体演出が実行中であることを示す合体演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S401)。合体演出実行中フラグがセットされていない場合は(S401;N)S402に進み、合体演出実行中フラグがセットされている場合は(S401;Y)S407に進む。S402において演出制御用CPU120は、合体演出の開始条件が成立したか否かを判定する。合体演出の開始条件が成立した場合は(S402;Y)S403に進み、合体演出の開始条件が成立していない場合は(S402;N)合体演出処理を終了する。
S403において演出制御用CPU120は、合体演出実行中フラグをセットする(S403)。また、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを各進出位置まで移動させた後、発光演出を実行する期間に応じた所定値(例えば、約5秒に相当する値)を進出動作用タイマにセットする(S404)。そして、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R及び第3演出用モータ510を各収納位置から各進出位置まで移動させるために必要なステップ数に基づいて駆動開始する(S405)。
詳しくは、図17(A)に示すように、第1演出用モータ340は、第1可動体302L,302Rを第1収納位置から第1進出位置まで移動させるのに0ステップ〜155ステップまで回動させる必要があり、1ステップ毎に3度回動する。図17(B)に示すように、第2演出用モータ410L,410Rは、第2演出用モータ410L,410Rを第2収納位置から第2進出位置まで移動させるのに0ステップ〜295ステップまで回動動させる必要があり、1ステップ毎に1.25度回動する。第2演出用モータ410L,410Rは、それぞれ第2可動体402L,402Rの左右に配置されているため、一方の第2演出用モータ410L,410Rは他方の第2演出用モータ410L,410Rとは逆方向に回動する。また、図17(C)に示すように、第3演出用モータ510は、第3可動体502L,502Rを第3収納位置から第3進出位置まで移動させるのに0ステップ〜138ステップまで回動させる必要があり、1ステップ毎に3度回動する。
図15に戻って、S406において、演出制御用CPU120は、第1演出用モータ340が最大ステップ数(155ステップ)まで動作している場合は第1演出用モータ340の駆動を停止し、第2演出用モータ410L,410Rが最大ステップ数(295ステップ)まで動作している場合は第2演出用モータ410L,410Rの駆動を停止し、第3演出用モータ510が最大ステップ数(138ステップ)まで動作している場合は第3演出用モータ510の駆動を停止する。
一方、S407において演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが各進出位置から各収納位置に向けて移動中(後述する収納動作処理の実行中)であることを示す収納動作フラグがセットされているか否かを判定する。収納動作フラグがセットされていない場合は(S407;N)S408に進み、収納動作フラグがセットされている場合は(S407;Y)S416に進む。
S408において演出制御用CPU120は、進出動作用タイマを−1し、該進出動作用タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S409)。進出動作用タイマがタイマアップしていない場合(S409;N)はS410に進み、進出動作用タイマがタイマアップした場合(S409;Y)はS417に進む。
S410において演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rが待機位置まで移動したか否かを判定する。尚、第2可動体402L,402Rが待機位置まで移動したか否かは、第2演出用モータ410L,410Rのステップ数が100に達したか否かを判定する。第2可動体402L,402Rが待機位置まで移動していない場合(S410;N)はS411に進み、第2可動体402L,402Rが待機位置まで移動した場合(S410;Y)はS413に進む。
S411において演出制御用CPU120は、中間位置センサ311がonになったか否か、つまり、中間位置センサ311が第1可動体302L,302Rを検出したか否かを判定する。中間位置センサ311がoffである場合(S411;N)はS406に進み、中間位置センサ311がonになった場合(S411;Y)は第2可動体402L,402Rの待機位置から第2進出位置に向けての移動を許可する第2可動体進出許可フラグをセットしてS406に進む(S412)。
S413において演出制御用CPU120は、第2可動体進出許可フラグがセットされているか否かを判定する。第2可動体進出許可フラグがセットされていない場合(S413;N)は、第1可動体302L,302Rが中間位置センサ311にて検出される検出位置に到達していないため、第2演出用モータ410L,410Rの駆動を停止してS406に進む(S414)。また、第2可動体進出許可フラグがセットされている場合(S413;Y)は、第1可動体302L,302Rが中間位置センサ311にて検出される検出位置に到達しているため、第2可動体402L,402Rを待機位置で待機させていなければ第2演出用モータ410L,410Rの駆動を継続し、第2可動体402L,402Rを待機位置で待機させているために第2演出用モータ410L,410Rの駆動が停止している場合は、該第2演出用モータ410L,410Rの駆動を再開してS406に進む(S415)。
また、S416において演出制御用CPU120は、収納動作処理を実行して合体演出処理を終了する。収納動作処理は、第1可動体302L,302Rを第1進出位置から第1収納位置、第2可動体402L,402Rを第2進出位置から第2収納位置、第3可動体502L,502Rを第3進出位置から第3収納位置にそれぞれ移動させるために、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R及び第3演出用モータ510の駆動を実行する処理である。尚、合体演出実行中フラグと収納動作フラグは、該収納動作処理の完了タイミング、つまり、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rが各収納位置に収納されることでクリアされる。
尚、図17(A)〜図17(C)に示すように、本実施例における収納動作処理においては、第1演出用モータ340は、第1可動体302L,302Rが初期位置センサ310によって検出されてから6ステップ駆動(第1可動体302L,302Rを第1収納位置から第1進出位置に向けて移動させる場合とは逆方向への駆動)して停止し、第2演出用モータ410L,410Rは、第2可動体402L,402Rが第2収納位置検出センサ(図示略)によって検出されてから35ステップ駆動(第2可動体402L,402Rを第2収納位置から第2進出位置に向けて移動させる場合とは逆方向への駆動)して停止し、第3演出用モータ510は、第3可動体502L,502Rが第3収納位置検出センサ(図示略)によって検出されてから5ステップ駆動(第3可動体502L,502Rを第3収納位置から第3進出位置に向けて移動させる場合とは逆方向への駆動)して停止する。このようにすることで、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを各収納位置に確実に収納することが出来るようになっている。
また、S417において演出制御用CPU120は、第2可動体進出許可フラグがセットされていたら該第2可動体進出許可フラグをクリアする。そして、収納動作フラグをセットして合体演出処理を終了する(S418)。尚、前述したように、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rのいずれかが何らかの要因により進出位置へ到達せずに待機位置などの途中位置で停止してしまっている場合でも、合体演出を開始してから所定期間である約5秒が経過したらS416の収納動作処理を実行するので、各収納位置へ戻すことができる。
つまり、本実施例における合体演出では、図16(A)及び図16(B)のタイミングチャートに示すように、演出制御用CPU120は、合体演出の開始条件が成立すると、第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R及び第3演出用モータ510を同時に駆動させ、第1可動体302L,302Rの第1収納位置から第1進出位置への移動と、第2可動体402L,402Rの第2収納位置から第2進出位置への移動と、第3可動体502L,502Rの第3収納位置から第3進出位置への移動を開始させる。
図16(A)に示すように、第1演出用モータ340の駆動により第1可動体302L,302Rが正常に第1収納位置から第1進出位置に向けて移動する場合は、第2可動体402L,402Rが待機位置へ到達するよりも前のタイミングにおいて中間位置センサ311が第1可動体302L,302Rを検出している。つまり、第2可動体402L,402Rが待機位置を通過させても第1可動体302L,302Rに干渉する虞がないため、演出制御用CPU120は、第2可動体402L,402Rが待機位置に到達しても第2演出用モータ410L,410Rを停止することなく継続し、本動作として第2可動体402L,402Rを引き続き第2進出位置まで移動させる。
そして、第1可動体302L,302Rが第1進出位置に移動し、第2可動体402L,402Rが第2進出位置に移動し、第3可動体502L,502Rが第3進出位置に移動した後、発光演出を実行する。そして、演出制御用CPU120が収納動作処理を実行することにより、第1可動体302L,302Rの第1進出位置から第1収納位置への収納動作、第2可動体402L,402Rの第2進出位置から第2収納位置への収納動作及び第3可動体502L,502Rの第3進出位置から第3収納位置への収納動作が実行される。
一方、図16(B)に示すように、合体演出の開始条件が成立したときに、何らかの要因により第1演出用モータ340の駆動が伝達されずに第1可動体302L,302Rの第1収納位置から第1進出位置への移動開始が遅れると、中間位置センサ311が第1可動体302L,302Rを検出するよりも前のタイミングにおいて第2可動体402L,402Rが待機位置へ到達する。つまり、第2可動体402L,402Rが待機位置へ到達したときは、未だ第1可動体302L,302Rが検出位置に到達していないので、第2可動体402L,402Rが待機位置を通過して第2進出位置に向けて移動すると、第1可動体302L,302Rと干渉する虞がある。よって、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rが検出位置に到達するまで、第2演出用モータ410L,410Rの駆動を停止して第2可動体402L,402Rを待機位置に待機させる。
そして、第1可動体302L,302Rが遅れて検出位置に到達したとき、停止させていた第2演出用モータ410L,410Rの駆動を再開し、第2可動体402L,402Rを待機位置から第2進出位置まで移動させる。
尚、図16(B)に示すように、異常動作が発生した第1可動体302L,302Rは、第1可動体302L,302Rが第1進出位置に到達するよりも前に第1演出用モータ340が155ステップまで駆動することにより、第1進出位置に到達する前に第1収納位置から第1進出位置に向けての移動が終了する。また、第2可動体402L,402Rが第1可動体302L,302Rが中間位置センサ311によって検出されるまで待機位置にて待機するため、第2進出位置への到達が遅れるとともに、第2可動体402L,402Rが第2進出位置に到達するより前に発光演出が開始される。
次に、本実施例における合体演出の演出態様の一例を図18に基づいて説明する。
先ず、図18(A)及び図18(B)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の表示中に「左」の演出図柄表示エリア5Lと「右」の演出図柄表示エリア5Rに同一の演出図柄が停止してリーチ状態となる。リーチ状態となった後は、図18(C)及び図18(D)に示すように、演出表示装置5において味方キャラクタと敵キャラクタが対戦を行うスーパーリーチ演出(バトルリーチ演出)が実行される。そして、図18(E)に示すように、該スーパーリーチ演出の実行中において演出表示装置5に遊技者に対してプッシュボタン31Bを操作するよう促す表示が実行される。
遊技者がプッシュボタン31Bの操作受付期間中に該プッシュボタン31Bを操作すると、本実施例における合体演出の開始条件が成立したとして合体演出が実行され、図18(F)に示すように、第1可動体302L,302Rが第1収納位置から第1進出位置、第2可動体402L,402Rが第2収納位置から第2進出位置、第3可動体502L,502Rが第3収納位置から第3進出位置にそれぞれ移動して合体した後、発光演出が実行される。
また、演出制御用CPU120は、発光演出の実行とともに、演出表示装置5の表示領域において、合体している第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの周囲に対応する領域に演出効果表示であるエフェクト画像を表示させる。
発光演出の実行後は、図18(G)に示すように、第1可動体302L,302Rが第1進出位置から第1収納位置、第2可動体402L,402Rが第2進出位置から第2収納位置、第3可動体502L,502Rが第3進出位置から第3収納位置にそれぞれ移動するとともに、演出表示装置5において変動表示結果が大当りとなったことが所定のエフェクト画像を表示させる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、移動可能範囲E1、移動可能範囲E2の少なくとも一部が重なる第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとを含む複数の可動体を備え、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rを第1進出位置に向けて移動させるとともに、第2可動体402L,402Rを第2収納位置から第2進出位置よりも前の待機位置へ向けて移動させ、第1可動体302L,302Rが干渉領域E3を通過して中間位置センサ311により検出される検出位置(図13(C)参照)に到達したことに応じて、第2可動体402L,402Rを待機位置から第2進出位置へ移動可能とする。
このようにすることで、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rの連係動作を速めて、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rを連係させた演出の演出効果を高めることができ、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rによる演出の興趣を向上できる。
より詳しくは、演出制御用CPU120は、合体演出において、第1可動体302L,302Rが何らかの要因により移動開始タイミングが若干遅れてしまった場合でも、第2可動体402L,402Rは第2収納位置から第1可動体302L,302Rと干渉しない待機位置まで移動させておく(準備動作させておく)。これにより、第1可動体302L,302Rが少し遅れて移動を開始して検出位置に到達した場合、第2可動体402L,402Rを第2収納位置からではなく、第2収納位置よりも第2進出位置に近い待機位置から移動を再開させることができる。
さらに、待機位置を非干渉領域のうち移動可能範囲E1に最も近い位置に設定していることで、第1可動体302L,302Rが検出位置に到達した直後から第1可動体302L,302Rに追従して移動できるので、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとを限りなく同じタイミングで第1進出位置、第2進出位置に到達させることが可能となるため、違和感なく合体させることができる。
また、特に図18に示すように、プッシュボタン31Bの操作が検出されたことにより合体演出の開始条件が成立するようにした場合、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rの連係動作が速まることで、プッシュボタン31Bの操作検出から可動体が合体するまでの期間を短縮できるため、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rを連係させた演出の演出効果をさらに高めることができる。
また、本実施例では、第1可動体302L,302Rが正常に動作する場合、第2可動体402L,402Rが待機位置に到達したときには既に第1可動体302L,302Rが検出位置に到達していることで、第2可動体402L,402Rを一時的に停止させることなく待機位置を通過させることができるため、遊技者に動作の違和感を与えることを回避できる。つまり、検出位置は、干渉領域E3以外の非干渉領域であって、第2可動体402L,402Rが待機位置に到達する前に第1可動体302L,302Rの到達を確認できる位置に設定することが好ましい。
また、本実施例では、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを各収納位置から各進出位置まで移動させるのに必要なステップ数だけ第1演出用モータ340、第2演出用モータ410L,410R、第3演出用モータ510を駆動した時点で駆動を停止するようになっているので、前述したように第1可動体302L,302Rが引っ掛かりなど機構的な要因による動作異常で第1進出位置に到達しなくても、第1演出用モータ340を停止させることができる。
また、本実施例では、第2可動体402L,402Rの第2収納位置から待機位置までの上昇ストロークは比較的に短いが、図10(D)にて説明した構造上の特性により、第2演出用モータ410L,410Rの駆動速度を変化させなくても、第2可動体402L,402Rの上昇速度を遅くすることができるため、第2演出用モータ410L,410Rの駆動制御を複雑化することなく、第2可動体402L,402Rを待機位置まで移動させることができる。
また、第1可動体302L,302Rは、位置に応じて収納態様から進出態様に変化することで、収納スペースを最小限に抑えることができる。また、態様を変化させながら移動させるので、合体したときに遊技者に意外性を与えることができる。
また、第2可動体402L,402Rは、演出用LED405により発光可能であり、第1可動体302L,302Rは、第1進出位置に配置されているときに第2可動体402L,402Rからの光を透過可能であることで、発光演出により第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが重なっている状態をより強調でき、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rによる演出の興趣をより一層高めることができる。
さらに、第3可動体502L,502Rは演出用LED405とは別個の演出用LED506により発光することで、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとは別の発光態様の発光演出が可能となるので、演出の興趣をより高めることができる。
また、複数の可動体は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402L,402Rとは異なる第3可動体502L,502Rを含み、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rと第3可動体502L,502Rとは連係動作可能であることで、複数の可動体による演出効果を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、移動可能範囲の少なくとも一部が重なる第1可動体と第2可動体の一例として、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302Rと第3可動体502L,502R、第2可動体402L,402Rと第3可動体502L,502Rの移動可能範囲の少なくとも一部が重なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、複数の可動体として第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、4以上の可動体を有していてもよい。
さらに、前記実施例では、移動可能範囲の少なくとも一部が重なる2つの可動体を対象とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動可能範囲の少なくとも一部が重なる3以上の可動体を対象として本発明を適用してもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302L,302Rの移動可能範囲E1の一部に第2可動体402L,402Rの移動可能範囲E2の上部が下方から重なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302L,302Rの移動可能範囲E1の一部を、第2可動体402L,402Rの移動可能範囲E2が横切るように配設される形態でもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302L,302Rが第1進出位置へ移動し、かつ、第2可動体402L,402Rが第2進出位置へ移動したとき、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが正面から見たときに前後に重なる合体演出が実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとは、各進出位置へ移動した状態において一の視点から見たときに重ならないものであってもよい。
また、前記実施例では、移動可能範囲の少なくとも一部が重なる2つの可動体を対象とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが、移動可能範囲の少なくとも一部が重ならない(干渉領域E3が存在しない)、つまり、干渉(接触)しないように配設されるものであってよい。
この場合、第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが遅れた場合であっても、第2可動体402L,402Rを待機位置で待機させておくことで、少なくとも第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが各進出位置に到達するタイミング(合体するタイミングなど)を合わせることができるので、遊技者に違和感を与えることがない。
また、前記実施例では、第2可動体402L,402Rの待機位置を、非干渉領域における移動可能範囲E1に最も近い位置に設定した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、非干渉領域において、第2収納位置と待機位置との間の任意の位置に設定してもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302Rが検出位置に到達したか否かを中間位置センサ311の検出信号の入力により判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出用モータ340のステップ数により第1可動体302L,302Rが検出位置に到達したか否かを判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが遅れた場合に第2可動体402L,402Rを待機位置で待機させておく形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2可動体402L,402Rの移動開始タイミングが遅れた場合、第1可動体302L,302Rを、例えば、検出位置にて待機させておき、第2可動体402L,402Rが待機位置に到達したら第1可動体302L,302Rの移動を再開するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが遅れた場合に第2可動体402L,402Rを待機位置で待機、つまり、第2演出用モータ410L,410Rの駆動を停止させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302L,302Rの移動開始タイミングが遅れた場合、第2演出用モータ410L,410Rの駆動速度をそれまでの移動速度よりも遅くする制御を行うようにしてもよい。この場合、待機位置に若干の移動幅を持たせておくことが好ましい。
また、前記実施例では、合体演出を開始してから進出動作期間である約5秒が経過した時点で第1可動体302L,302Rが検出位置まで到達できていない場合、待機位置で待機させていた第2可動体402L,402Rを収納動作処理において待機位置から第2収納位置へ戻す制御を行うようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納動作処理へ移行する前であっても、待機位置に到達してからの経過時間が所定時間(例えば、2秒)を越えた時点で第2可動体402L,402Rを第2収納位置へ戻す制御を行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rは、合体演出を含む可動体演出を実行した場合、可動体演出の終了時には第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置に戻るようになっているが、例えば、演出制御用CPU120は、可動体演出の終了時に各初期位置センサ310,420,550からの検出信号の入力状況を確認し、少なくともいずれかの初期位置センサ310,420,550からの検出信号の入力がないと判定した場合、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rのいずれかかが第1収納位置、第2収納位置、第3収納位置に戻っていない可動体エラー(動作異常)が発生している可能性があるとして、該可動体エラーが発生している可能性がある旨を報知するための処理(例えば、演出表示装置5に可動体エラーが発生した旨を表示したり、所定の演出用LED9を点灯させたり、遊技場のホールコンピュータ(図示略)等に可動体エラー信号等を出力する処理など)を実行するようにしてもよく、このようにすることで、可動体エラーが発生していることを遊技場の店員等が確認できるので、早期に対処することが可能となる。
さらに、上記のように可動体エラーが発生している可能性がある旨を報知するための処理を実行した場合において、パチンコ遊技機1での遊技を不能化しない場合、演出制御用CPU120は、少なくとも不具合が解消されるまで、全ての可動体を対象とした可動体演出の実行を決定しないようにしてもよい。このようにすることで、一部の可動体に不具合が生じている可能性がある状態で他の可動体を動作させると、該他の可動体にも不具合(例えば、意図しないタイミングで動作して第1可動体302L,302Rと第2可動体402L,402Rとが干渉(接触)するなど)が生じる可能性があるため、二次故障の発生を抑制することができる。
また、特に第1可動体302L,302Rで不具合が生じている可能性がある状態で合体演出を続けた場合、第2可動体402L,402Rは常に第2収納位置から待機位置までしか移動しない不自然な動作を繰り返すことになるので、遊技者に違和感を与えることを回避できる。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出として味方キャラクタと敵キャラクタが対戦を行うバトルリーチ演出を実行する形態を図18にて例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチ演出としては、バトルリーチ演出に加えて、或いは替えて特定の物語のようなストーリー性があるストーリーリーチ演出等のバトルリーチ演出以外の演出を実行してもよい。
更に、このようにスーパーリーチ演出としてバトルリーチ演出とストーリーリーチ演出の両方を実行可能とする場合は、変形例として図19(A)に示すように、実行するスーパーリーチの変動パターンが大当り(変動表示結果が大当り)の変動パターンであるかはずれ(変動表示結果がはずれ)の変動パターンであるかに応じてバトルリーチ演出とストーリーリーチ演出の決定割合を異ならせてもよい。尚、図19(A)に示す例では、実行するスーパーリーチの変動パターンが大当りとなるスーパーリーチの変動パターンである場合は、40%の割合でバトルリーチ演出の実行を決定し、60%の割合でストーリーリーチ演出の実行を決定する。そして、実行するスーパーリーチの変動パターンがはずれとなるスーパーリーチの変動パターンである場合は、60%の割合でバトルリーチ演出の実行を決定し、40%の割合でストーリーリーチ演出の実行を決定する。
このように、本変形例においては、実行されるスーパーリーチ演出がストーリーリーチ演出である場合は、実行されるスーパーリーチ演出がバトルリーチ演出である場合よりも大当りとなる割合が高い形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行されるスーパーリーチ演出がバトルリーチ演出である場合は、実行されるスーパーリーチ演出がストーリーリーチ演出である場合よりも大当りとなる割合が高いようにしてもよい。
更に、本変形例に示すように、スーパーリーチ演出としてバトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とを実行可能とする場合は、前述した合体演出の実行時において、演出表示装置5に表示するエフェクト(演出効果表示)の表示態様を異ならせてもよい。例えば、スーパーリーチの変動パターンの変動表示においてバトルリーチ演出の実行が決定された場合は、図19(B)に示すように、先ず、スーパーリーチ演出としてバトルリーチ演出の画像を演出表示装置5に表示する。そして、合体演出の実行期間中は、赤色のエフェクト(演出効果表示)を演出表示装置5に表示する。一方、図スーパーリーチの変動パターンの変動表示においてストーリーリーチ演出の実行が決定された場合は、図19(C)に示すように、先ず、スーパーリーチ演出としてストーリーリーチ演出の画像を演出表示装置5に表示する。そして、合体演出の実行期間中は、金色のエフェクト表示(演出効果表示)を演出表示装置5に表示する。このようにスーパーリーチ演出の演出態様に応じて、演出表示装置5に表示するエフェクトの色を異ならせることによって、第1可動体302L,302R、第2可動体402L,402R及び第3可動体502L,502Rの動作と演出表示装置5でのエフェクト表示とを連係させた演出効果を高めることができる。
尚、本変形例においては、実行するスーパーリーチ演出がバトルリーチ演出であるかストーリーリーチ演出であるかに応じて演出表示装置5に表示するエフェクトの色を異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチ演出を実行する際に演出表示装置5に表示するエフェクトは、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とで色、形状、大きさ等の要素のうち、少なくともいずれか1の要素が異なっていればよい。
また、本変形例においては、スーパーリーチ演出としてバトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との2つの演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチ演出としては、3以上の演出を実行可能としてもよい。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出の実行中に遊技者がプッシュボタン31Bを操作することによって合体演出が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合体演出は、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したか否かに拘らずスーパーリーチ演出の実行中の特定のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。