以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.IP電話システムおよび交換機の基本構成>
本発明は、一例として「2−1.第1の実施形態」〜「2−7.第7の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本発明の実施形態による交換機10(通信制御装置)は、
A.携帯型端末である利用者端末20(第1の通話端末)からプロトコルメッセージを受信する通信部100(受信部)と、
B.受信された前記プロトコルメッセージに含まれる商品ID(物体ID)に対応する端末IDを、店員端末30(第2の通話端末)の端末IDと商品IDとが対応づけられた接続先管理テーブル40から取得する接続先管理テーブル操作部102と、
C.取得された端末IDを有する前記店員端末30と前記利用者端末20とを接続させる回線接続部104と、を備える。
[1−1.IP電話システムの基本構成]
以下では、まず、このような本発明の実施形態による交換機10を含むIP電話システム(通信システム)の基本構成について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態によるIP電話システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態によるIP電話システムは、交換機10、通信網12、利用者端末20、商品22、自動取引装置24、および店員端末30を有する。
交換機10は、IP電話システムに接続した利用者端末20と店員端末30との間の通信を制御する装置である。詳細については後に説明するが、例えば、利用者がある商品22に関して店員に問合せを希望する場合、交換機10は、この利用者が所持する利用者端末20からの呼を、当該商品22の担当者が所持する店員端末30に接続させる。
通信網12は、店舗14とコールセンター18とを接続するネットワークであり、IP(Internet Protocal)ネットワークなどにより構成される。また、店舗14およびコールセンター18の施設内にはそれぞれLAN(Local Area Network)などのネットワークが設置されており、これらのネットワークは通信網12と接続される。
店舗14は、商品群ごとに区分けされた複数の売り場16から構成されており、各売り場16には、複数の商品22が陳列されている。利用者は、このような店舗14内を自由に移動して、商品22を手に取り、購入することができる。また、各商品22には、商品IDを含む商品IDタグ220が付けられている。この商品IDタグ220には、例えばバーコードタグや電子タグなどが用いられる。
利用者端末20は、店舗14を訪れる利用者により利用される端末である。この利用者端末20は、商品IDの読み取り機能と通話機能とを有する携帯型の端末であり、例えば市販の携帯電話が用いられる。また、利用者端末20は、無線通信により通信網12に接続できる。なお、利用者端末20は、利用者が個人所有する端末であってもよいし、店舗14で貸し出される端末であってもよい。
店員端末30は、店舗14またはコールセンター18で勤務する従業員により利用される端末である。図1に示したように、店員端末30は携帯型端末30aであってもよいし、固定端末30b、30cであってもよい。また、店員端末30は、店舗14から従業員に貸し出される端末であってもよいし、従業員が個人所有する端末であってもよい。
自動取引装置24は、IP電話システムに接続するためのアプリケーションを、利用者が利用者端末20にダウンロードするために使用される端末である。利用者は、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションを起動させることにより、店舗14やコールセンター18の従業員と通話することができる。また、自動取引装置24は、利用者が利用者端末20にダウンロードしたアプリケーションを停止(削除)するためにも使用される端末である。利用者は、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションを停止(削除)させることにより、店舗14やコールセンター18の従業員と通話することができなくなる。
なお、自動取引装置24は店舗14内の所定の場所に設置されていてもよい。また、自動取引装置24は、本発明の各実施形態において説明するアプリケーション等の送受信を行うためのハードウェアであって、自動取引装置24が設置されている所定の場所の施設情報案内機能等を有するキオスク(KIOSK)端末のような多機能端末であってもよい。
[1−2.自動取引装置を用いた初期登録の流れ]
ここで、図2を参照して、利用者による自動取引装置24を用いた初期登録の流れについて説明する。図2に示したように、まず、利用者が自動取引装置24に対して利用者端末20をかざすことなどにより、利用者端末20は自動取引装置24に対してアプリケーションのダウンロードを要求する(S10)。そして、自動取引装置24は、利用者端末20からの要求を受信したら、アプリケーションのダウンロード先のURL(Uniform Resource Locator)を利用者端末20に送信する。利用者端末は、上記のURLに接続することにより、アプリケーションを所定のサーバからダウンロードする(S12)。次に、利用者端末20は、当該アプリケーションを起動し、交換機10に対して登録依頼の要求を送信することにより(S14)、利用者端末20は、店舗内のIP電話システムに接続することが可能となる。
なお、上述の、利用者が自動取引装置24に対して利用者端末20をかざす行為は、NFC(Near Field Communication)による通信に参加する契機を意味する。また、NFCを実現する規格として、例えばISO/IEC 18092およびその互換規格(互換技術)等が適用できる。この場合、自動取引装置24と利用者端末20とは、ISO/IEC 18092に対応し、NFCでやりとりできる。
また、利用者端末20は、アプリケーションのダウンロードの要求(S10)などのNFCでのやりとりの制御を行うNFCアプリケーションを有してもよい。このNFCアプリケーションは、NFCでのやりとりの制御に加え、利用者端末20がNFCで得た(自動取引装置24から受信)URLへの接続、NFCに基づいたアプリケーションのダウンロード、またはNFCに基づきダウンロードしたアプリケーションのインストールおよび起動などをおこなう。また、このNFCアプリケーションは、アプリケーションのダウンロードにおいて、NFCに基づいた正常なダウンロードに該当するかを確認し、正常なダウンロードに該当する場合にダウンロードを実施する。
NFCアプリケーションは、上述したとおり、NFCでのやりとりに加え、なんらかのURLに対して接続することができる。換言すると、NFCアプリケーションは、NFCのプロトコルと、NFCとは異なるプロトコル(例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocol)等)との間に介在するアプリケーションといえる。なお、NFCアプリケーションがURLに接続する場合、NFCアプリケーション自身がURLに接続してもよいし、NFCアプリケーションが他のアプリケーションを制御してURLに接続してもよい。後者の場合、NFCアプリケーションと、他のアプリケーションとはプロセス間通信のプロトコルで接続される。NFCアプリケーションは、正常なダウンロードの判断を、NFCでのやりとりで得たURLと、NFCと異なるプロトコルのやりとりで受信するURLとの比較により行う。例えば、NFCで得たURLが「http://test/download」の場合、NFCアプリケーションは、スキーム名である「HTTP」に基づいて、ホスト名「test」のパス名「download」に接続をする。したがって、NFCアプリケーションは、HTTPでのやりとりの中で、NFCで得たURL「http://test/download」を受信できれば正常と判断する。このようにNFCに基づいた正常なダウンロードに該当するかを確認することで、NFCアプリケーションは、利用者端末20における不確定アプリケーションのダウンロードやインストールを未然に防ぎセキュリティーを向上させることができる。さらには、IP電話システム(図1)における不確定アプリケーションの流入を未然に防ぎセキュリティーを向上させることができる。
上述のとおり、NFCアプリケーションは、NFCのプロトコルと、NFCとは異なるプロトコルとの間に介在するアプリケーションであるから、NFCのプロトコルスタックとNFCとは異なるプロトコルスタックとを有する。なお、NFCアプリケーションは、NFCのプロトコルと、NFCとは異なる複数のプロトコルとの間に介在してもよく、この場合、NFCとは異なる複数のプロトコルスタックを有する。ここで、プロトコルスタックは、NFCアプリケーション自身に含んでもよいし、NFCアプリケーションの動作環境(利用者端末20自身、利用者端末20が具備するデバイス、利用者端末20のOS(Operating System)、モジュール(Module)およびライブラリ(Library)等)に含んでもよい。NFCアプリケーションは、プロトコルスタックを介し、NFCでのやりとり、URLに対する接続、アプリケーションのダウンロード等を、通信プロトコル(Communications protocol)とNFCアプリケーション内部情報とのあいだで翻訳(変換)する。
また、NFCアプリケーションは、利用者端末20がNFCで得たURLを変更し、変更後のURLへ接続させるようにしてもよい。例えば、NFCで得たURLが「http://test/download」の場合、NFCアプリケーションが、NFCで得たURLを「http://test/download/app.apk」と変更し、HTTPに基づいて変更後のURLに接続をする。具体的には、NFCアプリケーションは、NFCで得たURLにダウンロードするインストールファイルのファイル名を付加する変更を行っている。NFCで得たスキーム名、ホスト名およびパス名に対しファイル名を付加するということである。つまり、NFCアプリケーションは、予め付加する情報(ファイル名)を保持し、NFCで得たURLと自身が付加する情報(ファイル名)とによって接続先URLを決定する。この場合、NFCアプリケーションは、HTTPでのやりとりの中で、NFCで得たURL「http://test/download/app.apk」を受信または付加した情報(ファイル名)「app.apk」を受信できれば正常と判断する。このようにNFCに基づいた正常なダウンロードに該当するかを確認することで、NFCアプリケーションは、利用者端末20における不確定アプリケーションのダウンロードやインストールを未然に防ぎセキュリティーを向上させるとともに、変更されやすいネットワーク上のリソースに対する接続性を向上させることができる。
また、NFCアプリケーションが、利用者端末20がNFCで得たURLに接続するか、利用者端末20がNFCで得たURLを変更し変更後のURLへ接続するかを選択できるようにしてもよい。この場合、自動取引装置24が、アプリケーションのダウンロード先のURLに加えURL変更指示を利用者端末20に送信する。利用者端末20が、自動取引装置24からURLを受信すると、NFCアプリケーションがURLへ接続する。他方、利用者端末20が、自動取引装置24からURLとURL変更指示とを受信すると、NFCアプリケーションがURLを変更し接続する。
また、NFCアプリケーションは、ダウンロードしたアプリケーションの起動において、以下の5つの起動モードのうちいずれかのモードに対応する。第1起動モードは、アプリケーションのダウンロード直後にアプリケーションを起動する。第2起動モードは、アプリケーションのダウンロード後に、所定期間内(例えば5分間や201201021645(2012年1月2日16時45分まで起動可能の意味)等)や所定時間経過後(例えば5分経過後や201201021645(2012年1月2日16時45分に起動の意味)等)にダウンロードしたアプリケーションを起動する。第3起動モードは、アプリケーションのダウンロード後に、利用者端末20で起動されているアプリケーションの停止を行った後、ダウンロードしたアプリケーションを起動する。第4起動モードは、アプリケーションのダウンロード後に、起動可能である旨が利用者端末20に表示された後、利用者の操作に伴いダウンロードしたアプリケーションを起動する。第5起動モードは、アプリケーションのダウンロード後にメモリに常駐するよう起動する(利用者端末20において起動したアプリケーションに係わる画面は表示されないが、タスクに起動したアプリケーションが存在するよう起動する)。
なお、本明細書では以後、NFCアプリケーションが、第1起動モードに対応するものとして説明するが、本発明はかかる例に限定されず、他の起動モードに対応してもよい。また、NFCアプリケーションは、例えば、第3起動モードと第4起動モードとを組み合わせた変形例に対応してもよい。この起動モードの変形例は、アプリケーションのダウンロード後に、起動可能である旨が利用者端末20に表示された後、利用者の操作に伴い、利用者端末20で起動されているアプリケーションの停止を行い、その後、ダウンロードしたアプリケーションを起動する。また、NFCアプリケーションは、例えば、第2起動モードと第4起動モードとを組み合わせた変形例に対応してもよい。この起動モードの変形例は、アプリケーションのダウンロード後に、所定時間経過後に起動可能である旨が利用者端末20に表示された後、利用者の操作に伴いダウンロードしたアプリケーションを起動する。
(1−2−1.変形例)
(1−2−1−1.変形例1)
なお、図2に示したS12の変形例として、自動取引装置24は、利用者端末20からの要求を受信したら、利用者端末20に対して直接アプリケーションを送信し、ダウンロードさせてもよい。
(1−2−1−2.変形例2)
また、自動取引装置24によるURLの送信における変形例として、自動取引装置24は、アプリケーションのダウンロード先のURLに加え、アプリケーションの動作に係わるアプリケーション情報を送信してもよい。この変形例では、NFCアプリケーションは、アプリケーションの起動において、アプリケーション情報を適用したアプリケーションの起動を行うことができる。
ここで、アプリケーション情報とは、例えば、アプリケーションの起動に必要となる認証情報(ユーザIDやパスワード等)、アプリケーションの起動に必要となるライセンス情報(例えばシリアル番号やプロダクトID等)、アプリケーションの起動モード情報(例えば第1起動モードや第3起動モードと第4起動モード等)、アプリケーションの起動時間情報(例えば5分経過後や201201021645(2012年1月2日16時45分に起動の意味)等)、アプリケーションの起動期間情報(例えば5分間や201201021645(2012年1月2日16時45分まで起動可能の意味)等)およびアプリケーションの起動に伴い停止する停止アプリケーション情報(アプリケーション名(Application name)や実行名(Executable name)やプロセス名(Process name)やプロセスID(Process ID)等)である。なお、アプリケーション情報は、1つの情報要素で構成(アプリケーション情報=認証情報)されてもよいし、複数の情報要素で構成(アプリケーション情報=(認証情報、ライセンス情報、起動モード情報、起動時間情報、起動期間情報および停止アプリケーション情報)されてもよい。
また、NFCアプリケーションは、起動するアプリケーションにアプリケーション情報を適用するためのソフトウェアインタフェース(I/F)を有する。このソフトウェアインタフェースは、起動するアプリケーションに対し、2つの適用方法でアプリケーション情報を適用できる。第1の適用方法は、ソフトウェアインタフェースが、起動するアプリケーション自身に結合し、アプリケーション情報を与える。つまり、第1の適用方法は、起動するアプリケーションに対し、アプリケーション情報をパラメータや引数等として引き渡す。第2の適用方法は、ソフトウェアインタフェースが、起動するアプリケーションに係わる情報(設定情報等)を格納するデータ(ファイルや変数(variable)等)に結合し、アプリケーション情報を与える。つまり、第2の適用方法は、起動するアプリケーションに係わる情報を格納するデータに対し、アプリケーション情報を書き込む。ここで、第2の適用方法において、ソフトウェアインタフェースは、結合先となる起動するアプリケーションに係わる設定情報を格納するデータが存在しない場合、データそのものを生成し、生成したデータに結合し、アプリケーション情報を与えてもよい。
なお、上述した、認証情報、ライセンス情報、起動モード情報、起動時間情報、起動期間情報および停止アプリケーション情報等の複数の情報要素のそれぞれは、対応する適用方法を指定する適用方法指定情報(第1の適用方法と第2の適用方法の両方、またはいずれか一方)を含んでいる。適用方法指定情報が、第2の適用方法を指定する場合、適用方法指定情報は、起動するアプリケーションに係わる設定情報を格納するデータを示す情報も含む。したがって、NFCアプリケーションは、アプリケーション情報を適用したアプリケーションの起動の際、ソフトウェアインタフェースによってアプリケーション情報の情報要素ごとの適用方法指定情報を識別し、情報要素ごとに対応した適用方法でアプリケーション情報を適用し、アプリケーションの起動を行う。
例えば、NFCで得たアプリケーション情報が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234、適用方法指定情報=第1の適用方法」および「起動モード情報=第1起動モード、適用方法指定情報=第1の適用方法」の場合、NFCアプリケーションは、「ライセンス情報=1234」および「起動モード情報=第1起動モード」を引数としてダウンロードしたアプリケーションを起動する。この場合、利用者端末20は、「ライセンス情報=1234」および「起動モード情報=第1起動モード」の条件でアプリケーションを起動した状態となり、図10に示したような、起動したアプリケーションの画面を表示する。
また、例えば、NFCで得たアプリケーション情報が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234、適用方法指定情報=第1の適用方法」および「起動モード情報=第5起動モード、適用方法指定情報=第1の適用方法」の場合、NFCアプリケーションは、「ライセンス情報=1234」および「起動モード情報=第5起動モード」を引数としてダウンロードしたアプリケーションを起動する。この場合、利用者端末20は、「ライセンス情報=1234」および「起動モード情報=第5起動モード」の条件でアプリケーションを起動した状態となり、利用者端末20のメモリに常駐するようアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに係わる画面を表示しない。
また、例えば、NFCで得たアプリケーション情報が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234、適用方法指定情報=第1の適用方法&第2の適用方法(ファイル:config)」、「起動モード情報=第3起動モード&第4起動モード、適用方法指定情報=第1の適用方法」および「停止アプリケーション情報(アプリケーション名)=AAA、適用方法指定情報=第1の適用方法」の場合、NFCアプリケーションは、「ライセンス情報=1234」、「起動モード情報=第3起動モード&第4起動モード」および「停止アプリケーション情報=AAA」を引数としてダウンロードしたアプリケーションを起動するとともに、ファイル名「config」に「ライセンス情報=1234」を書き込む。この場合、利用者端末20は、「ライセンス情報=1234」、「起動モード情報=第3起動モード&第4起動モード」および「停止アプリケーション情報=AAA」の条件でアプリケーションを起動する状態となり、利用者端末20において、アプリケーションが起動可能である旨が画面に表示された後、利用者による操作に伴い、利用者端末20においてアプリケーション「AAA」が起動されているか判断し、起動されている場合、アプリケーション「AAA」の停止を行い、その後、アプリケーションを起動し、起動したアプリケーションの画面(図10)を表示する。ファイル名「config」が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234」を記憶するから、ダウンロードしたアプリケーションが、NFCアプリケーションによるアプリケーションの起動以外の方法で起動(例えば利用者の操作による直接起動やNFCアプリケーション以外のアプリケーションの呼び出し(call)によるアプリケーションの起動等)であっても、利用者端末20は、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234」の条件でアプリケーションを起動できることとなる。
また、例えば、NFCで得たアプリケーション情報が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234、適用方法指定情報=第1の適用方法&第2の適用方法(ファイル:config)」、「起動モード情報=第2起動モード&第4起動モード、適用方法指定情報=第1の適用方法」、「起動時間情報=5分経過後、適用方法指定情報=第1の適用方法」、「起動期間情報=201201021645、適用方法指定情報=第1の適用方法&第2の適用方法(ファイル:config)」および「停止アプリケーション情報(アプリケーション名)=AAA、適用方法指定情報=第1の適用方法&第2の適用方法(ファイル:config)」の場合、NFCアプリケーションは、「ライセンス情報=1234」、「起動モード情報=第2起動モード&第4起動モード」、「起動時間情報=5分経過後」、「起動期間情報=201201021645」および「停止アプリケーション情報=AAA」を引数としてダウンロードしたアプリケーションを起動するとともに、ファイル名「config」に「ライセンス情報=1234」と、「起動期間情報=201201021645」と、「停止アプリケーション情報=AAA」とを書き込む。この場合、利用者端末20は、「ライセンス情報=1234」、「起動モード情報=第2起動モード&第4起動モード」「起動時間情報=5分経過後」、「起動期間情報=201201021645」および「停止アプリケーション情報=AAA」の条件でアプリケーションを起動する状態となり、利用者端末20において、現在が2012年1月2日16時45分に達しているか判断し、達していない場合、5分経過後、アプリケーションが起動可能である旨が画面に表示され、その後、利用者による操作に伴い、さらに利用者端末20においてアプリケーション「AAA」が起動されているか判断し、起動されている場合、アプリケーション「AAA」の停止を行い、その後、アプリケーションを起動し、起動したアプリケーションの画面(図10)を表示する。ファイル名「config」が、「ライセンス情報(シリアル番号)=1234」、「起動期間情報=201201021645」および「停止アプリケーション情報(アプリケーション名)=AAA」を記憶するから、ダウンロードしたアプリケーションが、NFCアプリケーションによるアプリケーションの起動以外の方法で起動(例えば利用者の操作による直接起動やNFCアプリケーション以外のアプリケーションの呼び出し(call)によるアプリケーションの起動等)であっても、利用者端末20は、「ライセンス情報=1234」、「起動期間情報=201201021645」および「停止アプリケーション情報=AAA」の条件でアプリケーションを起動できることとなる。
[1−3.自動取引装置を用いた使用終了登録の流れ]
次に、利用者による自動取引装置24を用いた使用終了登録の流れについて説明する。まず、利用者が初期登録後の利用者端末20を自動取引装置24に対してかざすことなどにより、利用者端末20は、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションを起動し、そして、利用を終了する旨の終了登録依頼の要求を交換機10に対して送信する。これにより、利用者端末20は、店舗14内のIP電話システムに接続することが不可能となる。
続いて、利用者端末20は、起動中の当該アプリケーションを停止する。そして、利用者端末20は、当該アプリケーションを削除する。なお、具体的には、利用者端末20における起動中の当該アプリケーションの停止及び削除はNFCアプリケーションが行う。NFCアプリケーションは、起動中の当該アプリケーションを停止する場合には、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションのプロセス名またはPIDに基づいてアプリケーションを停止する。また、NFCアプリケーションは、起動中の当該アプリケーションを削除する場合には、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションのインストールファイル、実行ファイル名、または実行ファイルのパスに基づいてアプリケーションを削除する。
なお、自動取引装置24を用いた使用終了登録の後、利用者端末20は、使用終了登録が完了した旨、及び/又は初期登録を促す旨を表示してもよい。例えば、利用者端末20は、初期登録を促す旨の表示として、店舗14内のIP電話システムの案内情報、店舗14内の自動取引装置24の場所情報、自動取引装置24を用いた初期登録の案内情報、及び/又は自動取引装置24を用いた使用終了登録の案内情報を画面表示する。
[1−4.初期登録を行うか使用終了登録を行うかの判断]
上述のとおり、利用者端末20は、自動取引装置24を用いた初期登録及び使用終了登録を行うことが可能である。例えば、利用者端末20は、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが自己に含まれているか否かによって、初期登録または使用終了登録を行う。より具体的には、利用者端末20は、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが自己に含まれていると判断した場合には、使用終了登録を行う。また、利用者端末20は、上記のアプリケーションが自己に含まれていないと判断した場合には、初期登録を行う。
なお、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが含まれているか否かの判断は、利用者端末20のNFCアプリケーションが行う。例えば、NFCアプリケーションは、利用者端末20がインストールファイル、実行ファイル名、実行ファイルのパス、プロセス名またはPIDのいずれかを含む場合には、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが含まれていると判断する。また、NFCアプリケーションは、利用者端末20が上記のいずれも含まない場合には、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが含まれていないと判断する。なお、NFCアプリケーションは、自動取引装置24を用いた初期登録の際、NFCに基づきインストール、起動したアプリケーションを取得(記憶)することが可能である。また、NFCアプリケーションは、NFCに基づくインストールによりインストールファイル、実行ファイル名、および実行ファイルのパス(実行ファイルの絶対パスや相対パス)を取得することが可能である。また、NFCアプリケーションは、NFCに基づく起動によりプロセス名やPID(process ID)を取得することが可能である。
また、NFCアプリケーションは、利用者が自動取引装置24に対して利用者端末20をかざすことを契機に、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが含まれているか否かの判断をすることも可能である。したがって、利用者が自動取引装置24に対して利用者端末20をかざすと、まず、利用者端末20のNFCアプリケーションが、自動取引装置24を通してダウンロードしたアプリケーションが含まれているか否かの判断を行う。そして、利用者端末20が、初期登録または終了登録を行う。なお、利用者が自動取引装置24に対して利用者端末20をかざした場合に、利用者端末20は、初期登録または終了登録を行うか選択的に表示し、利用者に対し操作を促し、そして、利用者の操作に基づいて初期登録または終了登録を行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態によるIP電話システムの構成について説明したが、本発明におけるIP電話システムは上述した構成に限定されない。例えば、利用者端末20と店員端末30とが交換機10を介して接続される通信システムであれば、店舗14に限定されない。例えば美術館や図書館のように物品の売買が原則として行われない他の施設であってもよい。また、IP電話システムを利用するユーザは顧客や店員に限定されず、例えば落し物を拾った者と、落とし主などとの間で利用されてもよい。また、コールセンター18は設置されなくてもよい。また、IDが付与されていれば、対象は商品22でなくてもよく、例えばサービスなどであってもよい。
続いて、本発明の各実施形態について順次詳細に説明する。後述するように、本発明の各実施形態による交換機10は、利用者の利便性を向上させることができる。
<2.実施形態の詳細な説明>
[2−1.第1の実施形態]
(2−1−1.構成)
図3は、第1の実施形態による交換機10、利用者端末20、商品22および店員端末30の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示したように、第1の実施形態による交換機10は、通信部100、接続先管理テーブル操作部102、および回線接続部104を有する。
通信部100は、通信網12を介して利用者端末20または店員端末30との間でプロトコルメッセージの送受信を行う。接続先管理テーブル操作部102は、接続先管理テーブル40に対して照会、登録、更新、削除などを行う。また、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間で通話回線を接続させる。ここで、本発明に係わるプロトコルメッセージは、通信プロトコルに準拠した情報の型(フォーマット:format)と手順(プロシージャ:procedure)とによって構成されている。
図4は、接続先管理テーブル40の一例を示す説明図である。図4に示したように、接続先管理テーブル40には、商品IDと、店員端末30の端末IDとが対応づけて記憶される。なお、図4において、商品IDが”shohinA”である場合のように、商品IDと端末IDとは一対一対応であるとは限らない。1個の商品IDに対して複数の端末IDが対応してもよいし、複数の商品IDに対して1個の端末IDが対応してもよい。
また、図3に示したように、第1の実施形態による利用者端末20は、商品ID読取部200、端末ID記憶部202、メッセージ生成部204、および通信部206を有する。ここで、商品ID読取部200、端末ID記憶部202およびメッセージ生成部204は、上述した、ダウンロードしたアプリケーションの起動によって形成されてもよい。
商品ID読取部200は、商品22に付けられた商品IDタグ220から商品IDを読み取る。商品ID読取部200は、例えばバーコードリーダや、電子タグリーダなどにより、商品IDを読み取る。また、端末ID記憶部202は、利用者端末20に設定される端末IDを記憶する。なお、端末ID記憶部202は、通常は、通信事業者などから利用者端末20に付与される固定の端末IDを記憶している。
メッセージ生成部204は、利用者端末20から交換機10などの他の通信装置へ送信されるプロトコルメッセージを生成する。プロトコルメッセージは、例えばSIP(Session Initiation Protocol)による通信で使用されるメッセージであってもよい。また、プロトコルメッセージは、送り元を表すFrom欄と、送り先を表すTo欄と、を有する。なお、第1の実施形態におけるメッセージ生成部204は、第一プロトコルメッセージと第二プロトコルメッセージとの2種類のメッセージを生成する。第一プロトコルメッセージは、セッションを確立するために一回目に送信されるメッセージである。また、第二プロトコルメッセージは、二回目以降、つまり第一プロトコルメッセージ送信後に送信されるメッセージである。
例えば、プロトコルメッセージがSIPに対応する場合、第一プロトコルメッセージは、SIPのリクエストのINVITEに相当する。第二プロトコルメッセージは、SIPのリクエストのOPTIONS、PRACK、INFO、SUBSCRIBE、NOTIFY、MESSAGE、UPDATE、PUBLISH、SIPのレスポンスの1xx、2xxおよび3xxのいずれかに相当する。また、上述した図2の登録依頼の要求(S14)はSIPのリクエストのREGISTERに相当する。つまり、第一プロトコルメッセージは、通信プロトコルにおいて、接続を要求する伝達に相当する。また、第二プロトコルメッセージは、通信プロトコルにおいて、接続の要求を終了させることない要求や応答の伝達に相当する。
通信部206は、通信網12を介して交換機10または店員端末30との間でプロトコルメッセージの送受信を行う。
また、図3に示したように、第1の実施形態による商品22は、商品IDタグ220を含む。上述したように、商品IDタグ220には、例えばバーコードタグや電子タグなどが用いられる。
また、図3に示したように、第1の実施形態による店員端末30は、端末ID記憶部300、メッセージ生成部302、および通信部304を有する。
端末ID記憶部300は、店員端末30に設定される端末IDを記憶する。なお、端末ID記憶部300は、通常は、通信事業者などから店員端末30に付与される固定の端末IDを記憶している。また、メッセージ生成部302は、店員端末30から交換機10などの他の通信装置へ送信されるプロトコルメッセージを生成する。なお、プロトコルメッセージの構成については、利用者端末20により生成されるプロトコルメッセージと同様であるので、ここでは説明を省略する。
通信部304は、通信網12を介して交換機10または利用者端末20との間でプロトコルメッセージの送受信を行う。
(2−1−2.動作)
以上、第1の実施形態による構成について説明した。続いて、第1の実施形態による動作について説明する。図5は、第1の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図5に示したように、まず、利用者による操作により、利用者端末20は、IP電話システムに接続するためのアプリケーションを起動する(S100)。続いて、利用者が利用者端末20を商品IDタグ220に近づけることなどにより、商品ID読取部200は、商品22の商品IDを読み取る(S102)。
商品IDが読み取られると、メッセージ生成部204は、第一プロトコルメッセージを生成する。なお、メッセージ生成部204は、この第一プロトコルメッセージに関して、From欄には利用者端末20の端末IDを、To欄には読み取った商品IDをそれぞれ設定する(S104)。続いて、通信部206は、生成された第一プロトコルメッセージを交換機10に送信する(S106)。
交換機10が第一プロトコルメッセージを受信すると、接続先管理テーブル操作部102は、接続先管理テーブル40を照会し、接続先管理テーブル40の「商品ID」列の値が、受信した第一プロトコルメッセージのTo欄の値と一致する行を抽出する。そして、接続先管理テーブル操作部102は、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する(S108)。なお、一致する行が複数存在する場合は、接続先管理テーブル操作部102は、例えば、一致する行のうち先頭の行に含まれる「端末ID」列の値を取得してもよい。具体的には、図4に示した接続先管理テーブル40の例では、商品IDが”shohinA”である行は3つ存在するが、接続先管理テーブル操作部102は、先頭の行に含まれる「端末ID」列の値である”tenin90”を取得してもよい。続いて、通信部100は、取得した端末IDを持つ店員端末30に対して、受信した第一プロトコルメッセージを送信する(S110)。
店員端末30が第一プロトコルメッセージを受信すると、メッセージ生成部302は第二プロトコルメッセージを生成する。なお、メッセージ生成部302は、この第二プロトコルメッセージに関して、From欄には店員端末30の端末IDを、To欄には、受信した第一プロトコルメッセージに含まれるFrom欄の値をそれぞれ設定する(S111)。そして、通信部304は、生成した第二プロトコルメッセージを交換機10に送信する(S112)。
交換機10が第二プロトコルメッセージを受信すると、通信部100は、第二プロトコルメッセージのTo欄の値と等しい端末IDを持つ利用者端末20に、受信した第二プロトコルメッセージを送信する(S114)。
利用者端末20が第二プロトコルメッセージを受信すると、メッセージ生成部204は新しい第二プロトコルメッセージを生成する。なお、メッセージ生成部204は、この第二プロトコルメッセージに関して、From欄には利用者端末20の端末IDを、To欄には、受信した第二プロトコルメッセージに含まれるFrom欄の値をそれぞれ設定する(S115)。そして、通信部206は、生成した第二プロトコルメッセージを交換機10に送信する(S116)。
続いて、交換機10は、受信した第二プロトコルメッセージを、受信した第二プロトコルメッセージのTo欄の値と等しい端末IDを持つ店員端末30に送信する(S118)。
続いて、S111〜S118と同様の処理を繰り返して、複数の第二プロトコルメッセージを交換することにより、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間で通話回線を接続させる(S120)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間の通話回線を切断する(S122)。
(2−1−3.効果)
以上説明したように、第1の実施形態によれば、利用者が利用者端末20を商品IDタグ220に近づけ、利用者端末20に商品IDを読み取らせることにより、交換機10は、読み取られた商品IDに対応する店員端末30と利用者端末20との間で通話回線を接続させる。利用者端末20は携帯型端末であるので、上記のIP電話システムに接続することにより、利用者は施設内を自由に移動しながら店員などと通話することができる。
また、利用者は、個人所有の携帯端末を利用者端末20として使用することもできるので、他の端末を使用することに抵抗感がある利用者であっても気軽に店員に問合せをすることができる。
[2−2.第2の実施形態]
以上、第1の実施形態について説明した。上述したように、第1の実施形態では、利用者端末20は、第一プロトコルメッセージと第二プロトコルメッセージとの2種類のメッセージを生成することで、交換機10を介して店員端末30と通信を行う。次に説明するように、第2の実施形態によれば、利用者端末20は一種類のメッセージを生成するだけで、交換機10を介して店員端末30と通信を行うことができる。
(2−2−1.構成)
図6は、第2の実施形態による交換機10、利用者端末20、商品22、および店員端末30の構成を示す機能ブロック図である。図6に示したように、第2の実施形態による交換機10は、第1の実施形態に含まれる構成要素に加えて、Call−IDテーブル操作部106(発呼IDテーブル操作部)を含む。Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42(発呼IDテーブル)に対して照会、登録、更新、削除などを行う。
図7は、Call−IDテーブル42の一例を示す説明図である。図7に示したように、Call−IDテーブル42には、Call−ID(発呼ID)と端末IDとが対応づけて記憶される。また、Call−IDテーブル42における「端末ID」の列は、利用者端末20の端末IDと店員端末30の端末IDとを含む。なお、Call−IDは、一続きの呼で交換される複数のメッセージに対して同一の識別子が付与されるようなIDである。
また、図6に示したように、第2の実施形態による利用者端末20は、第1の実施形態に含まれる構成要素に加えて、Call−ID生成部208を含む。Call−ID生成部208は、店員端末30に対する呼に用いられるCall−IDを生成する。ここで、Call−ID生成部208は、上述した、ダウンロードしたアプリケーションの起動によって形成されてもよい。
なお、図6に示したように、第2の実施形態による商品22および店員端末30の構成は、第1の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−2−2.動作)
以上、第2の実施形態による構成について説明した。続いて、第2の実施形態による動作について説明する。図8は、第2の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図8に示したように、まず、図5におけるS100〜S102と同様に、利用者による操作により、利用者端末20は、アプリケーションを起動し(S200)、商品ID読取部200は、商品22の商品IDを読み取る(S202)。
商品IDが読み取られると、Call−ID生成部208は、店員端末30に対する呼に用いられるCall−IDを生成する(S204)。続いて、メッセージ生成部204は、プロトコルメッセージを生成する。なお、第2の実施形態におけるプロトコルメッセージは、From欄、To欄、およびCall−ID欄を有する。また、メッセージ生成部204は、このプロトコルメッセージに関して、From欄には利用者端末20の端末IDを、To欄には読み取った商品IDを、Call−ID欄には生成されたCall−IDをそれぞれ設定する(S206)。続いて、通信部206は、生成されたプロトコルメッセージを交換機10に送信する(S208)。
交換機10がプロトコルメッセージを受信すると、交換機10は、接続先管理テーブル40を照会し、受信したプロトコルメッセージの送り先である端末IDを取得し、取得した端末IDを持つ店員端末30に対してプロトコルメッセージを送信する(S210〜S214)。ここで、図9を参照して、S210〜S214における交換機10の動作をより詳細に説明する。
図9に示したように、まず、交換機10が利用者端末20からプロトコルメッセージを受信する(S250)。ここで、このプロトコルメッセージの各プロパティ値が、Call−ID欄に”Call−ID”、From欄に”From”、To欄に”To”のようにそれぞれ設定されているとする。
続いて、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42を照会し、Call−IDテーブル42の「Call−ID」列の値に”Call−ID”が設定されている行が1つ以上存在するか調べる(S252)。
ここで、”Call−ID”が設定されている行が1つも存在しないということは、Call−ID欄に”Call−ID”という値が設定されたプロトコルメーセージを交換機10が初めて受信したことを示す。この場合には、接続先管理テーブル操作部102は、図5におけるS108と同様にして、接続先管理テーブル40の「商品ID」列の値が、受信したプロトコルメッセージのTo欄の値と一致する行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する(S254)。次に、Call−IDテーブル操作部106は、受信したプロトコルメッセージの各プロパティ値をCall−IDテーブル42に記録する(S256)。そして、通信部100は、受信したプロトコルメッセージを、S254で取得した端末IDを持つ店員端末30に送信する(S258)。
一方、S252の判定において条件が成立する場合、つまり”Call−ID”が設定されている行が1つ以上存在する場合は、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42の「Call−ID」列の値に”Call−ID”が設定されている行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する(S260)。そして、Call−IDテーブル操作部106は、S260で取得された端末IDの中から、受信したプロトコルメッセージのFrom欄の値とは異なる値、つまり店員端末30の端末IDを取得する(S262)。そして、通信部100は、受信したプロトコルメッセージを、S262で取得した端末IDを持つ店員端末30に送信する(S264)。
以上、S210〜S214における交換機10の動作について説明した。次に、図8を再度参照して、S215以降の動作について説明する。
店員端末30がプロトコルメッセージを受信すると、メッセージ生成部302は新しいプロトコルメッセージを生成する。なお、メッセージ生成部302は、このプロトコルメッセージに関して、From欄には店員端末30の端末IDを、To欄には、受信したプロトコルメッセージに含まれるFrom欄の値、Call−ID欄には受信したプロトコルメッセージに含まれるCall−ID欄の値をそれぞれ設定する(S215)。そして、通信部304は、生成したプロトコルメッセージを交換機10に送信する(S216)。
交換機10がプロトコルメッセージを受信すると、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42の「Call−ID」の列の値が、受信したプロトコルメッセージのCall−ID欄の値と一致する行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する。そして、Call−IDテーブル操作部106は、取得された端末IDの中から、受信したプロトコルメッセージのFrom欄の値とは異なる値、つまり利用者端末20の端末IDを取得する(S218)。そして、通信部100は、受信したプロトコルメッセージを、S218で取得した端末IDを持つ利用者端末20に送信する(S220)。
利用者端末20がプロトコルメッセージを受信すると、メッセージ生成部204は新しいプロトコルメッセージを生成する。なお、メッセージ生成部204は、このプロトコルメッセージに関して、From欄には利用者端末20の端末IDを、To欄には読み取った商品IDの値を、Call−ID欄には受信したプロトコルメッセージに含まれるCall−ID欄の値をそれぞれ設定する(S221)。そして、通信部206は、生成したプロトコルメッセージを交換機10に送信する(S222)。From欄には利用者端末20の端末IDを、To欄には読み取った商品IDを、Call−ID欄には生成されたCall−IDをそれぞれ設定する(S206)。ここで、上記S221において、To欄に、受信したプロトコルメッセージに含まれるFrom欄の値を設定するようにしてもよい。
続いて、交換機10は、受信したプロトコルメッセージに含まれるCall−IDを基にしてCall−IDテーブル42を照会し、Call−IDテーブル42から店員端末30の端末IDを取得する(S224)。そして、取得した端末IDを持つ店員端末30に対して、受信したプロトコルメッセージを送信する(S226)。
続いて、S215〜S226と同様の処理を繰り返して、複数のプロトコルメッセージを交換することにより、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間で通話回線を接続させる(S228)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間の通話回線を切断する(S230)。
(2−2−3.効果)
以上説明したように、第2の実施形態によれば、利用者端末20が、一続きの呼で交換される複数のプロトコルメッセージに対して同一となるCall−IDを生成し、そして、生成したCall−IDを含むプロトコルメッセージを生成し、交換機10に送信する。また、交換機10は、受信したプロトコルメッセージに含まれるCall−IDに対応づけて、プロトコルメッセージに含まれる端末IDをCall−IDテーブル42に記憶させる。上記の構成により、利用者端末20は、セッション確立のために交換するプロトコルメッセージが一番目か、二番目以降かを区別する必要がなく、一種類のプロトコルメッセージを生成するだけで、交換機10を介して店員端末30と通信を行うことができる。ここで、一種類のプロトコルメッセージとは、一番目と二番目以降のプロトコルメッセージが形式上同様であることを意味する。なお、一番目と二番目以降のプロトコルメッセージが一部異なる場合であっても、一番目と二番目以降のプロトコルメッセージが同一のCall−IDを有するという意味で同様であり、一種類のプロトコルメッセージであるといえる。
また、Call−IDは、一続きの呼で交換される複数のメッセージに対して同一の識別子が付与されるようなIDであるので、利用者端末20は、一続きの呼において、例えば接続先管理テーブル40の更新などの影響を受けずに、同一の店員端末30と通話を続けることができる。
[2−3.第3の実施形態]
以上、第2の実施形態について説明した。第2の実施形態では、利用者が複数の商品22の問合せを希望する場合には、利用者は、上述した問合せ操作を商品22ごとに繰り返す必要がある。次に説明するように、第3の実施形態によれば、利用者が複数の商品22の問合せを希望する場合でも、利用者は容易な操作で問い合わせることができる。
(2−3−1.構成)
第3の実施形態によれば、携帯型端末である通信端末であって、
A.物体IDを含むプロトコルメッセージを、前記物体IDに対応付けられた他の通信端末と前記通信端末との接続を制御する通信制御装置に送信する通信部を備え、
B.前記プロトコルメッセージは、前記他の通信端末を示す端末IDの蓄積を要求する第1のデータ、または、前記第1のデータに基づいて蓄積された端末IDを有する他の通信端末の呼び出しを要求する第2のデータを含む、通信端末が提供される。
さらに、前記通信端末は、
C.前記第2のデータを含むプロトコルメッセージの送信を指示するユーザ操作を受け付けるための表示画面を生成する表示制御部と、
D.前記物体IDを取得する物体ID取得部と、
をさらに備え、
E.前記通信部は、前記物体ID取得部により前記物体IDが取得される度に前記第1のデータを含むプロトコルメッセージを送信し、前記表示画面におけるユーザ操作に従って前記第2のデータを含むプロトコルメッセージを送信してもよい。
さらに、
F.前記通信部は、さらに、前記通信制御装置から端末用一時IDを受信し、
G.前記通信端末は、前記端末用一時IDを前記通信端末に記憶されている端末固定IDの代わりに、前記通信端末の端末IDとして設定する端末ID管理部をさらに備えてもよい。
さらに、前記通信端末は、
H.前記端末用一時IDに関する所定の使用終了条件が満たされるか否かを判定する使用終了条件判定部、
をさらに備え、
I.前記端末ID管理部は、前記使用終了条件判定部により前記所定の使用終了条件が満たされると判定された場合には、前記端末用一時IDの代わりに前記端末固定IDを前記通信端末の端末IDとして再設定し、
J.前記通信部は、前記端末用一時IDの使用を終了したことの通知を前記通信制御装置へさらに送信してもよい。
さらに、
K.前記端末ID管理部は、前記使用終了条件判定部により前記所定の使用終了条件が満たされると判定された場合には、前記端末用一時IDを削除してもよい。
さらに、
L.前記所定の使用終了条件は、前記端末用一時IDの使用期限に関する条件、または前記端末用一時IDの使用領域に関する条件を含んでもよい。
以下、このような通信端末(利用者端末20)の構成について詳細に説明する。第3の実施形態による利用者端末20は、第2の実施形態に含まれる構成要素に加えて、表示制御部230と表示部240とを含む(図示省略)。ここで、表示制御部230は、上述した、ダウンロードしたアプリケーションの起動によって形成されてもよい。
表示制御部230は、利用者による商品ID読取や発呼要求などの操作を受け付ける画面情報を生成する。また、表示部240は、表示制御部230が生成した画面情報を利用者端末20に表示させる。
図10は、表示部240に表示されるアプリケーションのメニュー画面の構成を示す説明図である。図10に示したように、このメニュー画面は、商品IDカメラ入力ボタン250、商品ID手入力ボタン252、発呼ボタン254、および商品ID表示領域256を有する。
商品IDカメラ入力ボタン250は、利用者端末20付属のカメラ(図示省略)により、商品22に取り付けられた商品IDタグ220を読み取らせる場合に押下されるボタンである。この商品IDカメラ入力ボタン250が押下されると、図11に示したカメラ入力画面が利用者端末20に表示される。なお、商品IDカメラ入力ボタン250が押下されると、アプリケーションが、利用者端末20付属のカメラを活性(撮影できる状態に制御)し、カメラにより撮影された動画像をカメラ入力画面に表示するよう制御する。また、カメラにより撮影された動画像をカメラ入力画面に表示する際、アプリケーションが、低品質な動画像を撮影するよう制御してもよい。この場合、低品質とは、利用者端末20付属カメラの機能・性能で撮影できる動画像の質を作為的に劣化させることである。具体的には、低品質な動画像とは、白黒(グレースケール)、低画素数、低フレーム数、低明度(明るいものを明るくなく)、低彩度(鮮やかなものを鮮やかでなく)のいずれか、またはいずれかの組み合わせで撮影することである。また、アプリケーションが、利用者端末20付属のカメラで低品質な動画像を撮影するように制御してもよいし、カメラが撮影した動画像に対し低品質化の処理を行って動画像を取得してもよい。また、交換機10からの指示に基づき、アプリケーションが、低品質で動画像を撮影・取得するよう制御してもよい。このようにすることで、例えば、被服販売コーナーなどにおいて、カメラ撮影によるプライバシー侵害のリスクを軽減できる効果がある。
商品ID手入力ボタン252は、利用者端末20に表示される入力フォームに対して、利用者が商品IDを手入力する場合に押下されるボタンである。この商品ID手入力ボタン252が押下されると、図12に示した手入力画面が利用者端末20に表示される。
発呼ボタン254は、カメラ入力画面、または手入力画面を通して入力された商品IDに対応する店員端末30に対して発呼を行うために用いられるボタンである。詳細については後に説明するが、複数の商品IDが入力されている場合でも、発呼ボタン254が一回押下されるだけで、各商品IDに対応する店員端末30に順次発呼がなされる。
商品ID表示領域256は、カメラ入力画面、または手入力画面を通して入力された商品IDが表示される領域である。複数の商品IDが入力された場合は、商品ID表示領域256には、複数の商品IDが並べて表示される。なお、商品ID表示領域256には、商品IDの代わりに、商品IDに対応する商品名が表示されてもよい。この商品名は、入力された商品IDを基にして利用者端末20が外部の情報処理装置から取得してもよい。
図11は、カメラ入力画面の構成を示した説明図である。図11に示したように、カメラ入力画面は、バーコード読取領域258、および読取ボタン260を有する。バーコード読取領域258は、利用者端末20付属のカメラにより撮影されるバーコードの読込み可能な範囲を表示する領域である。また、読取ボタン260は、バーコードを読み取るために利用者により押下されるボタンである。
利用者は、このカメラ入力画面において、まず、商品IDタグ220に記載されたバーコードがバーコード読取領域258における読取可能な範囲に収まるように、商品IDタグ220に対してカメラの位置を調整する。そして、利用者は、読取ボタン260を押下することにより、商品IDタグ220に記載されたバーコードを利用者端末20に読み取らせることができる。なお、読み取り対象となるバーコードは、一次元バーコードであってもよいし、二次元バーコードであってもよい。
また、図12は、手入力画面の構成を示した説明図である。図12に示したように、手入力画面は、入力文字表示欄262、確定ボタン264、およびソフトウェアキーボード部266を含む。
入力文字表示欄262は、利用者がソフトウェアキーボード部266を介して手入力した文字列を表示する領域である。また、確定ボタン264は、入力文字表示欄262に表示された文字列を利用者が確定するためのボタンである。また、ソフトウェアキーボード部266は、文字キーボタンが複数個配列され、利用者が商品IDを手入力するために使用される領域である。
また、図13は、商品IDが一回だけ利用者端末20付属のカメラにより読み取られたか、もしくは手入力により入力された後の、利用者端末20の表示例である。図13に示したように、商品ID表示領域256には、商品ID読取部200が読み取った商品IDが表示される。
また、図14は、商品IDが5回、利用者端末20付属のカメラにより読み取られたり、または手入力により入力された後の、利用者端末20の表示例である。図14に示したように、商品ID表示領域256には、商品ID読取部200が読み取った5個の商品IDが並べて表示される。
なお、第3の実施形態による交換機10、商品22、および店員端末30の機能構成は、第2の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−3−2.動作)
(2−3−2−1.動作例1)
以上、第3の実施形態による構成について説明した。続いて、第3の実施形態による動作について説明する。図15は、第3の実施形態による動作例1を示すシーケンス図である。図15では、利用者が、2個の商品22に付与された商品IDをそれぞれ利用者端末20に読み取らせた後、発呼要求を行い、それぞれの商品IDに対応する店員端末30a、30bと通信を行う例を示している。
図15に示したように、まず、利用者による操作により、利用者端末20は、アプリケーションを起動する(S300)。そして、上述した利用者端末20のUIに対する操作により、商品ID読取部200は、商品22の商品IDを読み取る(S302)。
商品IDが読み取られると、図8におけるS204と同様にして、Call−ID生成部208は、店員端末30に対する呼に用いられるCall−IDを生成する(S304)。続いて、メッセージ生成部204は、図16に示した構成を有するプロトコルメッセージ50を生成する(S306)。
ここで、図16を参照して、第3の実施形態で生成されるプロトコルメッセージ50の構成について説明する。このプロトコルメッセージ50は、リクエスト行500、ヘッダ510、空白行520、およびボディ530からなる型であって、リクエスト行500による手順を含む通信プロトコルの情報である。
リクエスト行500は、リクエストの種類やリクエストの宛先を含む。また、ヘッダ510は、To欄512、From欄514、Call−ID欄516、および拡張ヘッダ518を含む。
拡張ヘッダ518は、プロトコルメッセージの送信に関する指示を含む。詳細については後に説明するが、例えば、利用者端末20から受信したプロトコルメッセージに含まれる拡張ヘッダ518に”continue”(継続)が設定されている場合(第1のデータ)は、交換機10は、受信したプロトコルメッセージに含まれる商品IDに対応する端末IDをCall−IDテーブル42に記憶させる。また、拡張ヘッダ518に”call”(発呼)が設定されている場合(第2のデータ)は、交換機10は、Call−IDテーブル42に記憶された端末IDを有する店員端末30に対して発呼を行う。
空白行520は、文字を含まない空白の行である。また、ボディ530は、ユーザ名やセッションIDなど通話に関する情報を含む。
なお、第1の実施形態におけるプロトコルメッセージは、図16に示したCall−ID欄516および拡張ヘッダ518を含まないが、その他の構成に関しては図16と同様であってもよい。また、第2の実施形態におけるプロトコルメッセージは、図16に示した拡張ヘッダ518を含まないが、その他の構成に関しては図16と同様であってもよい。
以上、第3の実施形態で生成されるプロトコルメッセージ50の構成について説明した。次に、図15を再び参照し、S306以降の動作について説明する。
利用者端末20は、S306で生成したプロトコルメッセージを、交換機10に送信する(S308)。
交換機10がプロトコルメッセージを受信すると、交換機10は、接続先管理テーブル40を照会し、受信したプロトコルメッセージの送り先である端末IDを取得し、取得した端末IDをCall−IDテーブル42に登録する(S310)。ここで、図17を参照して、S310〜S324において、利用者端末20からプロトコルメッセージを受信した場合の交換機10の動作についてより詳細に説明する。
図17は、利用者端末20からプロトコルメッセージを受信した場合の交換機10の動作を示すフローチャートである。図17に示したように、まず、交換機10が利用者端末20からプロトコルメッセージを受信する(S350)。ここで、このプロトコルメッセージの各プロパティ値が、Call−ID欄516に”Call−ID”、From欄514に”From”、To欄512に”To”のようにそれぞれ設定されているとする。
続いて、交換機10は、受信したプロトコルメッセージが交換可能であるか判定する(S352)。ここで、さらに図18を参照して、S352における交換機10の動作についてより詳細に説明する。
図18は、受信したプロトコルメッセージが交換可能であるか判定する交換機10の動作を示すフローチャートである。図18に示したように、交換機10は、まず、受信したプロトコルメッセージに含まれるTo欄512において、「To:」と「<」の間に商品IDが含まれているか判定する(S400)。S400において条件が成立する場合には、交換機10は、受信したプロトコルメッセージを交換可と判断する(S402)。例えば、図16に示したプロトコルメッセージ50の例では、「To:」と「<」の間に”shohinA”という商品IDが含まれているので、交換機10は、交換可と判断する。
S400において条件が成立しない場合には、交換機10は、次に、To欄512において、「<」と「>」の間に商品IDが含まれているか判定する(S404)。S404において条件が成立する場合には、交換機10は、受信したプロトコルメッセージを交換可と判断する(S402)。一方、S404において条件が成立しない場合には、交換機10は、受信したプロトコルメッセージを交換不可と判断する(S406)。
なお、S400の変形例として、交換機10は、プロトコルメッセージに含まれるTo欄512において、「To:」と「”」の間に商品IDが含まれているか判定してもよい。
また、図18に示した交換機10の判定ロジックは、From欄514に設定された端末IDが所定の値である場合に限定して適用するようにしてもよい。
以上、S352における交換機10の動作について説明した。次に、図17を再び参照して、S352以降の交換機10の動作について説明する。
交換機10が、受信したプロトコルメッセージを交換不可と判断した場合は、交換機10は、当該プロトコルメッセージに対して特に処理をせず、新しいプロトコルメッセージが受信されるまで待機する(S350)。
交換機10が、受信したプロトコルメッセージを交換可と判断した場合は、プロトコルメッセージに含まれる拡張ヘッダ518に”continue”が設定されているか判定する(S354)。拡張ヘッダ518に”continue”
が設定されている場合、つまり利用者端末20から発呼要求がなされていない場合には、Call−IDテーブル操作部106は、図9におけるS252と同様にして、Call−IDテーブル42の「Call−ID」列の値に”Call−ID”が設定されている行が1つ以上存在するか調べる(S356)。
S356において条件が成立しない場合には、接続先管理テーブル操作部102は、図9におけるS254と同様にして、接続先管理テーブル40の「商品ID」列の値が、受信したプロトコルメッセージのTo欄512の値と一致する行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する(S358)。そして、Call−IDテーブル操作部106は、図9におけるS256と同様にして、受信したプロトコルメッセージの各プロパティ値をCall−IDテーブル42に記録する(S360)。S360の処理後は、交換機10は、新しいプロトコルメッセージが受信されるまで待機する(S350)。
一方、S356の判定において条件が成立する場合、つまり”Call−ID”が設定されている行が1つ以上存在する場合は、接続先管理テーブル操作部102は、S358と同様にして、受信したプロトコルメッセージのTo欄512の値に対応する端末IDを接続先管理テーブル40から取得する(S362)。そして、Call−IDテーブル操作部106は、「Call−ID」列の値に”Call−ID”が設定されている行に対して、S362で取得された端末IDを「端末ID」列に追加する(S364)。S364の処理後は、交換機10は、新しいプロトコルメッセージが受信されるまで待機する(S350)。
S354の判定において条件が成立しない場合は、次に、拡張ヘッダ518に”call”が設定されているか判定する(S366)。拡張ヘッダ518に”call”が設定されている場合は、図15におけるS320のように、利用者端末20から発呼要求がなされた場合である。この場合には、図9におけるS260〜S264と同様にして、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42の「Call−ID」の列の値に”Call−ID”が設定されている行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する(S368)。そして、Call−IDテーブル操作部106は、S368で取得された端末IDの中から、受信したプロトコルメッセージのFrom欄の値とは異なる値、つまり店員端末30の端末IDを取得する(S370)。そして、通信部100は、受信したプロトコルメッセージを、S370で取得した端末IDを持つ店員端末30に送信する(S372)。
以上、利用者端末20からプロトコルメッセージを受信した場合の交換機10の動作について説明した。次に、図15を再び参照して、S324以降の動作について説明する。
店員端末30aが交換機10からの発呼を受信したときに(S324)、店員端末30aを有する従業員が通話可能である場合は、交換機10に対して応答のメッセージを店員端末30aに送信させる(S326)。
交換機10が応答のメッセージを受信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30aとの間で通話回線を接続させる(S328)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30aとの間の通話回線を切断する(S330)。
続いて、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42の「Call−ID」の列に、店員端末30aに対する呼で使用されていたCall−IDと同じ値が設定されている行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する。そして、Call−IDテーブル操作部106は、取得された「端末ID」列から店員端末30aの端末IDを削除するとともに、他の店員端末である店員端末30bの端末IDを取得する(S332)。そして、通信部100は、店員端末30bに対して発呼を行う(S334)。
店員端末30bが交換機10からの発呼を受信したときに、店員端末30bを有する従業員が通話可能である場合は、S326と同様にして、交換機10に対して応答のメッセージを店員端末30bに送信させる(S336)。
交換機10が応答のメッセージを受信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30bとの間で通話回線を接続させ(S338)、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30bとの間の通話回線を切断する(S340)。
以上、図15を参照しながら、第3の実施形態による動作例1の流れについて説明した。ここで、さらに図19を参照して、第3の実施形態による動作例1に関して、プロトコルメッセージ50の構成やCall−IDテーブル42の登録処理に注目して、動作の流れの概略を説明する。
図19に示したように、(1)交換機10は、新しいCall−ID(=”call50)が設定されたプロトコルメッセージ50を利用者端末20から受信すると、まず、受信したプロトコルメッセージ50におけるTo欄512の値(=”shohinA”)に対応する端末IDを接続先管理テーブル40から取得する。そして、交換機10は、Call−ID(=”call50”)と、利用者端末20の端末ID(=”kojin10”)と、接続先管理テーブル40から取得した値(=”tenin90”)と、を対応づけてCall−IDテーブル42に記憶させる。
続いて、(2)交換機10は、Call−IDが同じで、かつ、拡張ヘッダ518に”continue”が設定されたプロトコルメッセージ50を利用者端末20から受信すると、まず、受信したプロトコルメッセージ50におけるTo欄512の値(=”shohinB”)に対応する端末IDを接続先管理テーブル40から取得する。そして、交換機10は、取得した値(=”tenin91”)を、Call−IDテーブル42における同じCall−ID(=”call50”)の行の「端末ID」列に追加させる。
続いて、(3)交換機10は、Call−IDが同じで、かつ、拡張ヘッダ518に”call”が設定されたプロトコルメッセージ50を利用者端末20から受信すると、交換機10は、同じCall−ID(=”call50”)の行に含まれる「端末ID」の値の中から1つを取得して、取得された端末IDを有する店員端末30に対して発呼を行う。
(2−3−2−2.動作例2)
以上、第3の実施形態による動作例1について説明した。次に、第3の実施形態による動作例2について説明する。
図20は、第3の実施形態による動作例2を示すシーケンス図である。図20では、交換機10が最初の発呼をしたときに、発呼先である店員端末30aが他者と通話中である場合の動作例を示している。なお、図15におけるS300〜S318までの動作は動作例1と同様であるので、図20では記載を省略している。
図20に示したように、交換機10は、利用者端末20からの発呼要求を受信すると(S450)、図15におけるS322と同様に、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42から、受信されたプロトコルメッセージに含まれるCall−IDに対応する店員端末30aの端末IDを取得し、取得した端末IDを有する店員端末30aに対して発呼を行う(S454)。
店員端末30aが交換機10からの発呼を受信したときに、店員端末30aが他者と通話中である場合は、店員端末30aは交換機10に対して、他者と通話中である旨の回答メッセージを送信する(S456)。
交換機10が他者通話中の回答メッセージを受信すると、交換機10は、店員端末30aの端末IDをキャンプオン、つまり内線登録する(S458)。次に、Call−IDテーブル操作部106は、Call−IDテーブル42の「Call−ID」の列において、店員端末30aに対する呼で使用されていたCall−IDと同じ値が設定されている行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する。そして、取得された「端末ID」列の値から、店員端末30aの端末ID以外の端末IDを有する店員端末30bの端末IDを取得する(S460)。そして、通信部100は、店員端末30bに対して発呼を行う(S462)。
店員端末30bが交換機10からの発呼を受信したときに、店員端末30bを有する従業員が通話可能である場合は、図15におけるS326と同様にして、交換機10に対して応答のメッセージを店員端末30bに送信させる(S464)。
交換機10が応答のメッセージを受信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30bとの間で通話回線を接続させる(S466)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30bとの間の通話回線を切断する(S470)。なお、図20では、利用者端末20と店員端末30bとが通話中に、交換機10は、店員端末30aから他者との通話の切断通知を受けた(S468)例を記載している。
S470の後に、交換機10は、Call−IDテーブル42を照会し、キャンプオンされている店員端末30aの端末IDを取得し(S472)、店員端末30aに対して再発呼を行う(S474)。
ここで、店員端末30aを有する従業員が通話可能である場合は、交換機10に対して応答のメッセージを店員端末30aに送信させる(S476)。
交換機10が応答のメッセージを受信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30aとの間で通話回線を接続させる(S478)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30aとの間の通話回線を切断する(S480)。
(2−3−3.効果)
以上説明したように、第3の実施形態によれば、交換機10は、商品IDを読み取った際に利用者端末20から送信されるプロトコルメッセージを受信した場合は、商品IDに対応する端末IDをCall−IDテーブル42に記憶させるが、店員端末30に対する発呼は行わない。また、交換機10は、利用者端末20から発呼要求を受信した場合は、Call−IDテーブル42に記憶された端末IDを有する店員端末30に対して順次発呼を行う。上記の構成により、利用者は、複数の商品22の問合せを希望する場合でも、容易な操作により順次問い合わせを行うことができる。
また、交換機10は、利用者端末20から受信したプロトコルメッセージのTo欄512に商品IDが含まれているかを判定し、プロトコルメッセージの交換の可否を判断するので、不正なプロトコルメッセージが交換されることを防止することができる。
(2−3−4.変形例)
(2−3−4−1.変形例1)
なお、第3の実施形態の変形例1として、交換機10は、利用者端末20からプロトコルメッセージを受信してから、発呼要求を受信しないまま、所定の時間が経過した場合には、交換機10は、受信したプロトコルメッセージの宛先に対応する端末IDをCall−IDテーブル42から削除してもよい。
具体的には、交換機10が利用者端末20からプロトコルメッセージを受信すると、Call−IDテーブル操作部106は、受信したプロトコルメッセージに含まれる商品IDに対応する端末IDと、Call−IDと、受信した時刻とを対応づけてCall−IDテーブル42に登録する。次に、交換機10は、時刻の監視を開始するとともに、利用者端末20から次のプロトコルメッセージを受信するまで待機する。そして、利用者端末20から発呼要求を受信しないまま、前回のプロトコルメッセージを受信した時刻から所定の時間が経過した場合には、Call−IDテーブル操作部106は、受信したプロトコルメッセージに対応する端末IDをCall−IDテーブル42から削除する。
変形例1によれば、例えば、利用者が商品IDを多数読み取った後で、発呼要求をしないまま店外に出てしまった場合でも、交換機10は、所定時間経過後にCall−IDテーブル42の登録内容を削除するので、Call−IDテーブル42に対する負荷を減少させることができる。
(2−3−4−2.変形例2)
また、上記の説明では、カメラ入力画面、または手入力画面を通して商品IDが入力されるたびに、利用者端末20は、生成したプロトコルメッセージを交換機10に送信するように説明したが(S302〜S308)、本発明はかかる構成に限定されない。変形例2として、カメラ入力画面、または手入力画面を通して商品IDが入力された場合には、利用者端末20は、生成したプロトコルメッセージを利用者端末20に一時的に記憶しておき、そして、利用者により発呼ボタン254が押下された場合に、記憶されたプロトコルメッセージをまとめて交換機10に送信してもよい。
[2−4.第4の実施形態]
以上、第3の実施形態について説明した。第3の実施形態では、利用者端末20は通信事業者などから付与される固定の端末IDを用いて、交換機10または店員端末30と通信を行う。次に説明するように、第4の実施形態によれば、利用者端末20は固定の端末IDを用いずに、交換機10または店員端末30と通信を行うことができる。
(2−4−1.構成)
図21は、第4の実施形態による交換機10、利用者端末20、商品22、および店員端末30の構成を示す機能ブロック図である。図21に示したように、第4の実施形態による交換機10は、第3の実施形態に含まれる構成要素に加えて、一時ID生成部108を含む。なお、本明細書では以後、一時ID生成部108は、交換機10に組み込まれる例について説明するが、IP電話システムに接続される他のサーバなどの情報処理装置に組み込まれてもよい。
一時ID生成部108は、利用者端末20または店員端末30から端末ID発行依頼メッセージが受信されると、この端末ID発行依頼メッセージに含まれる固定の端末IDに対して、所定の規則に従って未使用の一時的な端末IDを生成する。なお、一時ID生成部108が生成した一時的な端末IDは、通信部100によって利用者端末20に送信される。ここで、未使用の一時的な端末IDは、一時ID生成部108が一度も生成していない端末IDであってもよい。また、未使用の一時的な端末IDは、一時ID生成部108が一度も生成しておらず、かつ、交換機10が一度も使用していない端末IDであってもよい。
なお、生成規則は、本発明に係わるIP電話システムが用いる番号規則(使用するコード(code)や桁数などを規定)に対応してもよい。この場合、一時ID生成部108は、交換機10から番号規則に係わる情報を取得し、取得した番号規則に対応した未使用の一時的な端末IDを生成する。さらに、生成規則は、例えば、利用者の識別番号、使用可能な領域の識別番号、使用期限の日時、または連番などを含んでもよい。ここで、利用者の識別番号は、来客と店舗の従業員などを識別する番号であってもよい。
また、一時ID生成部108は、交換機10から番号規則に係わる情報に加え、交換機10が使用している端末IDもしくは交換機10が使用していない端末IDを取得するようにしてもよい。また、一時ID生成部108は、交換機10が使用している端末IDもしくは交換機10が使用していない端末IDに基づいて、交換機10が一度も使用していない端末IDを判断するようにしてもよい。
また、一時ID生成部108および交換機10が、活性状態(以前の活性状態)から不活性状態となり、その後、活性状態(現在の活性状態)となった場合は、一時ID生成部108または交換機10は、現在の活性状態において、以前の活性状態で生成・使用した端末IDと同一の端末IDを生成したり、使用してもよい。
なお、図21に示したように、第4の実施形態による利用者端末20、商品22および店員端末30の構成は、第3の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−4−2.動作)
以上、第4の実施形態による構成について説明した。続いて、第4の実施形態による動作について説明する。図22は、第4の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図22に示したように、まず、利用者による操作により、利用者端末20は、アプリケーションを起動する(S500)。次に、利用者端末20に対する所定の操作により、メッセージ生成部204は、端末ID発行依頼メッセージを生成する(S502)。そして、通信部206は、生成した端末ID発行依頼メッセージを交換機10に送信する(S504)。
交換機10が端末ID発行依頼メッセージを受信すると、一時ID生成部108は、受信した端末ID発行依頼メッセージに含まれる固定の端末IDに対して、未使用の一時的な端末ID(第1端末用一時ID)を生成する(S506)。そして、通信部100は生成した一時的な端末IDを利用者端末20に送信する(S508)。
続いて、利用者端末20は、受信した一時的な端末IDを端末ID記憶部202に記憶させる。そして、利用者端末20は、受信した一時的な端末IDを固定の端末IDの代わりに、自己の端末IDとして設定する(S510)。
その後、交換機10、利用者端末20、および店員端末30は、第3の実施形態におけるS300〜S340と同様の動作を行う。
その後、利用者端末20は、固定の端末IDを自己の端末IDに設定し直す。そして、利用者端末20は、端末ID記憶部202に記憶された一時的な端末IDを削除する(S520)。なお、一時的な端末IDの使用終了の条件については、後述する。
続いて、利用者端末20の通信部206は、一時的な端末IDを削除した旨を交換機10へ通知する。そして、交換機10は、通知された一時的な端末IDの使用が終了したことを、例えば一時的な端末IDを管理するデータベースに対して記録する(S522)。その後、利用者端末20は、上述したIP電話システムに接続するためのアプリケーションを削除する(S524)。
‐変形例‐
なお、図2において、アプリケーションを起動後に交換機10に対して登録依頼の要求を送信する(S14)と示したが、第4の実施形態においては、利用者端末20がアプリケーションを起動(図22のS500)し、一時的な端末IDを端末ID記憶部202に記憶(図22のS510)した後に交換機10に対して登録依頼の要求を送信するようにしてもよい。この場合、利用者端末20は、端末ID記憶部202に記憶した一時的な端末IDを登録依頼の要求に含めるようにしてもよい。
また、利用者端末20は、一時的な端末IDを削除(S520)の後、削除した旨を表示し、利用者に一時的な端末IDを利用できないことを知らせてもよい。また、利用者端末20は、IP電話システムに接続するためのアプリケーションを削除(S524)の後、削除した旨を表示し、利用者にIP電話システムを利用できないことを知らせてもよい。
また、S520〜S524の動作は、上記の順序に限定されない。例えば、利用者端末20は、S520、S524、S522の順に処理してもよいし、あるいは、S522、S520、S524の順に処理してもよい。
(2−4−2−1.一時的な端末IDの使用終了の条件)
次に、S520において利用者端末20が一時的な端末IDを削除するための、使用終了の条件について説明する。なお、利用者端末20は、例えば以下で述べる第1終了条件〜第9終了条件のうち1以上の条件を含む、使用終了の条件が満たされると判定した場合には、一時的な端末IDを削除する。
‐第1終了条件‐
例えば、上記使用終了の条件は、一時的な端末IDの使用期限が経過している(第1終了条件)ことを含む。より具体的には、使用期限内である場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、使用期限外である場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
なお、上記の使用期限は、例えば、利用者端末20に予め設定されていてもよいし、起動したアプリケーション(S500)に予め設定されていてもよい。または、上記の使用期限は、交換機10が利用者端末20へ通知してもよい。または、上記の使用期限は、一時ID生成部108が一時的な端末IDと共に生成し、そして交換機10が利用者端末20へ通知してもよい。
また、上記の使用期限は、例えば、利用者端末20が一時的な端末IDを記憶してから1時間以内といったように期間(時間、分間、秒間)で表されてもよいし、例えば22時00分など具体的な日付や時刻(年・月・日・時・分・秒)で表されてもよい。
この第1終了条件によれば、例えば当日の営業時間終了後など、使用期限が超過した場合には、一時的な端末IDの使用が停止される。このため、特定の期限内でのみ使用可能である一時的な端末IDを実現できる。
‐第2終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、一時的な端末IDが使用可能である領域の範囲(使用範囲)に当該一時的な端末IDを使用する利用者端末20が位置しない(第2終了条件)ことを含む。より具体的には、使用範囲内に位置する場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、使用範囲外に位置する場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
なお、上記の使用範囲を示す情報(使用範囲情報)は、例えば、利用者端末20に予め設定されていてもよいし、起動したアプリケーション(S500)に予め設定されていてもよい。または、上記の使用範囲情報は、交換機10が利用者端末20へ送信してもよい。または、上記の使用範囲情報は、一時ID生成部108が一時的な端末IDと共に生成し、そして交換機10が利用者端末20へ通知してもよい。
また、上記の使用範囲情報が示す使用範囲は、例えば、店舗14に設けられた無線アクセスポイントと通信可能な範囲として定められてもよい。例えば、利用者端末20は、通信中の無線アクセスポイントから受信される無線アクセスポイントのIDを確認することにより、店舗14内に位置するか否かを確認する。
この第2終了条件によれば、例えば使用範囲が店舗14内として設定されている場合に利用者が店舗14から退出した場合など、使用範囲内で使用されない場合には、一時的な端末IDの使用が停止される。このため、特定の範囲内でのみ使用可能である一時的な端末IDを実現できる。
‐第3終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、利用者端末20からIP電話システムの利用の停止が要求される(第3終了条件)ことを含む。より具体的には、利用者端末20は、利用者によりIP電話システムの利用の停止が要求されたか否かに応じて一時的な端末IDの使用を終了するかを判断する。例えば、利用者端末20は、アプリケーションにおいてIP電話システムの利用停止を要求する入力が利用者によりなされた場合には、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
この第3終了条件によれば、利用者の意思に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、利用者は、原則として任意のタイミングで一時的な端末IDの使用を停止することができるので、IP電話システムを安心して利用することができる。
‐第4終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、交換機10と利用者端末20との間の通信パスにおいて、利用者端末20により所定時間内に受信が行われない(第4終了条件)ことを含む。なお、この第4終了条件では、例えば、当該IP電話システムにおいて交換機10がメンテナンス情報などの所定の情報を定期的に利用者端末20へ送信することを前提とする。
より具体的には、利用者端末20は、所定時間内に交換機10から情報が受信される場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、所定時間内に情報が受信されない場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
なお、利用者端末20は、所定時間の周期で上記所定の情報が受信されるか否かを監視してもよい。
また、上記所定時間は、交換機10と利用者端末20との間の通信パスで用いられる通信プロトコルにおいてタイムアウトと判断される期間であってもよい。また、上記通信プロトコルが、役割の異なる複数のプロトコルが階層的に繋がって形成されている場合には、いずれかの階層の通信プロトコルにおいてタイムアウトと判断される期間であってもよい。
例えば、利用者端末20は、所定時間を5秒と記憶し、5秒の周期で、交換機10から所定の情報が受信されるか否かを監視する。仮に、交換機10が所定の情報を随時または定期的に送信しない場合には、利用者端末20は、5秒の間において、交換機10から所定の情報を受信しない。この場合、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
この第4終了条件によれば、所定の情報の内容に関わらず、通信の有無に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、利用者端末20が交換機10から情報を受信可能であるときのみ使用可能な一時的な端末IDを実現できる。
‐第5終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、交換機10と利用者端末20との間の通信パスにおいて、利用者端末20により所定時間内に一時的な端末IDを用いた受信が行われない(第5終了条件)ことを含む。
より具体的には、利用者端末20は、INVITEメッセージを含む接続要求に対する応答が交換機10から所定時間内に受信された場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、上記接続要求に対する応答が交換機10から所定時間内に受信されない場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
この第5終了条件によれば、所定時間内に一時的な端末IDを用いた通信の可否に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、利用者端末20が交換機10から一時的な端末IDを用いた受信が可能であるときのみ使用可能な一時的な端末IDを実現できる。
‐第6終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、交換機10と利用者端末20との間の通信パスにおいて、交換機10への一時的な端末IDを用いた接続要求に対する応答の受信が所定回数行われた(第6終了条件)ことを含む。
より具体的には、利用者端末20は、例えば交換機10への接続要求に対する応答の受信が成功する度に、使用回数に「1」を加算し、そして、記憶された所定回数と使用回数とを比較する。受信回数が所定回数未満である場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、受信回数が所定回数に達した場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
なお、上記の所定回数は、例えば、利用者端末20に予め設定されていてもよいし、起動したアプリケーション(S500)に予め設定されていてもよい。または、上記の所定回数は、交換機10が利用者端末20へ通知してもよい。または、上記の所定回数は、一時ID生成部108が一時的な端末IDと共に生成し、そして交換機10が利用者端末20へ通知してもよい。
この第6終了条件によれば、一時的な端末IDの使用回数に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、特定の回数以内でのみ使用可能である一時的な端末IDを実現できる。
‐第7終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、交換機10と利用者端末20との間の通信パスにおいて、通信プロトコルのステータスコードがエラーを示す(第7終了条件)ことを含む。より具体的には、利用者端末20は、交換機10からデータを受信した場合において、受信データにおける通信プロトコルのステータスコードがエラーを示すか否かに応じて一時的な端末IDの使用を終了するかを判断する。
なお、上記通信プロトコルが、役割の異なる複数のプロトコルが階層的に繋がって形成されている場合には、上記ステータスコードは、それぞれの階層または所定の階層における通信プロトコルのステータスコードであってもよい。また、上記所定の階層とは、一時的な端末IDを含む通信プロトコルの階層である。
また、利用者端末20は、予め通信プロトコルに対応するステータスコードをステータスコードの内容と対応付けて記憶してもよい。例えば、ステータスコードの内容は、ステータスコード100〜199が暫定応答(経過情報)、ステータスコード200〜299が成功応答、ステータスコード300〜399が転送応答、ステータスコード400〜499がリクエストエラー、ステータスコード500〜599がサーバーエラーおよびステータスコード600〜699がグローバルエラー、などのように定められていてもよい。この例において、エラーを示すステータスコードの範囲は、ステータスコード400〜699である。
例えば、ステータスコード400を含むデータが交換機10から受信された場合には、利用者端末20は、ステータスコードがエラーを示すものと判定し、そして、使用終了の条件が満たされると判定する。そして、利用者端末20は、一時的な端末IDを削除する。
この第7終了条件によれば、一時的な端末IDを用いた通信の通信状態に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、交換機10と利用者端末20との間で通信がエラーでないときのみ使用可能である一時的な端末IDを実現できる。
‐第8終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、利用者端末20の計算資源(computational resource)がリソース不足である(第8終了条件)ことを含む。より具体的には、利用者端末20は、自己の計算資源がリソース不足ではない場合には使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、自己の計算資源がリソース不足である場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
なお、この第8終了条件では、利用者端末20は、自己の計算資源情報を随時または定期的に監視することを前提とする。ここで、計算資源情報とは、例えば、CPUの使用率、主記憶装置(物理メモリや仮想メモリ等)の使用率、補助記憶装置(HDD(Hard disk drive)等)の使用率、表示装置(LCD(Liquid Crystal Display)等)の面積、OSの種類(OS名やバージョン等)、VMの種類(VM名やバージョン等)、プログラムの種類(プログラム名やバージョン等)および端末状態(カメラ機能無しや電波OFF等)等であってもよい。
また、利用者端末20は、個々の計算資源情報ごとに対応づけられたリソース不足の境界を示すリソース不足閾値を予め記憶していてもよい。また、利用者端末20は、計算資源情報とリソース不足閾値とを随時または定期的に比較し、そして、リソース不足閾値に合致する場合には、リソース不足と判定してもよい。
例えば、上記リソース不足閾値として、CPUの使用率が80%以上であること、OSの種類がバージョン2以下であること、VMの種類がバージョン3以下であること、および端末状態がカメラ機能無しであることがそれぞれ設定されていたとする。この例において、利用者端末20が、自己の計算資源情報として、CPUの使用率が80%以上、OSの種類がバージョン2以下、VMの種類がバージョン3以下、または端末状態がカメラ機能無しであることのうち少なくとも1以上を検知した場合には、利用者端末20は、計算資源がリソース不足であると判定し、そして、使用終了の条件が満たされると判定する。
この第8終了条件によれば、利用者端末20の計算資源の状態に応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、利用者端末20がリソースを十分有しているときのみ使用可能である一時的な端末IDを実現できる。
‐第9終了条件‐
また、上記使用終了の条件は、例えば、利用者端末20が不正な端末である(第9終了条件)ことを含む。より具体的には、利用者端末20は、自己が不正な端末ではないと判断した場合には使用終了の条件が満たされないと判定し、そして、一時的な端末IDを使用し続けるように制御する。また、自己が不正な端末であると判断した場合には、利用者端末20は、使用終了の条件が満たされると判定し、そして、一時的な端末IDを削除する。
例えば、利用者端末20は、SIMカードインタフェースまたはSIMカードを利用者端末20が有さない場合には、自己が不正な端末であると判断する。この場合に該当する例としては、SIMカードインタフェースまたはSIMカードが、利用者または他の人物により利用者端末20から抜き取られた場合などが挙げられる。なお、SIMカードには、原則として、書き換え不能な固有番号(電話番号を特定するための固有番号)と、通信事業者が定めた電話番号(固定ID)とが記憶されていることを前提とする。
なお、利用者端末20が、上記の書き換え不能な固有番号と通信事業者が定めた電話番号(固定ID)とをSIMカードの代わりに、主記憶装置または補助記憶装置に記憶している場合には、利用者端末20は、自己が不正な端末ではないと判断してもよい。
また、利用者端末20は、通信事業者により電話サービスの利用開始要求が許可されなかった場合には、自己が不正な端末であると判断する。なお、通信事業者により電話サービスの利用開始要求が許可されない場合の例としては、以下のような場合が挙げられる。
例えば、利用者端末20は、PSTN通信デバイスを介してPSTNに固有番号と電話番号とを送信し、電話サービスの利用開始を要求する。そして、通信事業者は、PSTN上で、利用者端末20(SIMカード)の固有番号と電話番号とが契約者情報と一致するかを確認する。つまり、通信事業者(PSTN上の管理装置)は、固有番号および電話番号を契約者情報と照合して利用者端末20を認証する。そして、固有番号および電話番号が契約者情報と一致する(認証成功)場合には、通信事業者は、利用者端末20に対して電話サービスの利用開始を許可する。また、固有番号および電話番号が契約者情報と一致しない(認証失敗)場合には、通信事業者は、利用者端末20に対して電話サービスの利用開始を許可しない。
この第9終了条件によれば、例えばSIMカードの有無や、通信事業者による利用者端末20の認証状態などに応じて一時的な端末IDの使用を停止することが可能になる。このため、利用者端末20が不正な端末ではない場合のみ使用可能な一時的な端末IDを実現できる。
‐変形例‐
なお、利用者端末20は、上述した第1終了条件〜第9終了条件のうちいずれか一つの条件だけを上記使用終了の条件として設定してもよい。
また、利用者端末20は、上述した第1終了条件〜第9終了条件のうちいずれか2以上の条件を組み合わせて、上記使用終了の条件として設定してもよい。より具体的には、利用者端末20は、第1終了条件〜第9終了条件から選ばれた複数の条件の全てが満たされる場合に限り(AND条件)、上記使用終了の条件が満たされると判定することが可能である。この判定例による効果として、一時的な端末IDの使用が終了される場面がより限定的になるので、一時的な端末IDを使用可能な状況が大きく制限されることを防止できる。また、使用環境が過度に制約されることがないので、利用者は、利便性高く一時的な端末IDを使用することができる。
例えば、第2終了条件と第5終了条件とをAND条件で組み合わせることにより、利用者端末20が使用範囲外に位置し、かつ、所定時間内に受信が行われない場合に限り、一時的な端末IDの使用が終了される。この条件では、例えば使用範囲として店舗14内が設定されている場合には、利用者端末20が例えば店舗14内の地下やエレベータの中など電波状況が悪い場所に位置しており、所定時間内に受信が行われない場合であっても一時的な端末IDの使用が終了されない。このため、利用者は、店舗14内において電波状況が悪い場所に一時的に位置しても、一時的な端末IDの使用が停止されることはなく、使用を継続できるという利点がある。なお、利用者端末20が店舗14の外に位置する場合には、原則として所定時間内に受信が行われないので、一時的な端末IDの使用を確実に終了させることが可能になる。
また、利用者端末20は、第1終了条件〜第9終了条件から選ばれた複数の条件のうち一つでも満たされる場合には(OR条件)、上記使用終了の条件が満たされると判定することが可能である。この判定例による効果として、一時的な端末IDの使用が終了される場面がより多様になるので、例えば店舗14の運営者は、一時的な端末IDの使用をより厳格に管理することができる。
例えば、第1終了条件と第2終了条件とをOR条件で組み合わせることにより、例えば使用期限が当日の15:00〜17:00であり、かつ、使用範囲が特定の売り場16に限定されるなど、特定の期間および場所でのみ使用可能な一時的な端末IDを実現することが可能になる。このため、例えば限定商品の販売イベントや特売イベントといった各種イベントの開催時にのみ利用可能な一時的な端末IDを実現することができる。
また、第4終了条件と第8終了条件とをOR条件で組み合わせることにより、交換機10の故障により利用者端末20が所定時間内に受信が行われないとき、または利用者端末20自体がリソース不足である場合には、一時的な端末IDの使用が終了される。このため、交換機10または利用者端末20のうちいずれか一方でも不具合が発生している場合には使用不可能な一時的な端末IDを実現することができる。そして、利用者は、一時的な端末IDをより安全に利用することができる。
(2−4−3.効果)
以上説明したように、第4の実施形態によれば、交換機10は、利用者端末20から受信した端末ID発行依頼メッセージに含まれる固定の端末IDに対して一時的な端末IDを生成し、生成した一時的な端末IDを利用者端末20の端末IDとして設定させる。上記の構成により、利用者端末20は固定の端末IDを用いずに、交換機10または店員端末30と通信を行うので、利用者は、固定の端末IDを知られることなく、店舗の従業員などに問合せを行うことができる。このため、利用者は店舗の従業員などに対して、第3の実施形態よりもさらに気軽に問合せを行うことができる。
[2−5.第5の実施形態]
以上、第4の実施形態について説明した。次に第5の実施形態について説明する。第5の実施形態によれば、店員端末30も固定の端末IDを用いずに、交換機10または利用者端末20と通信を行うことができる。
(2−5−1.構成)
第5の実施形態による交換機10、利用者端末20、商品22、および店員端末30の機能構成は、第4の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−5−2.動作)
図23は、第5の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図23に示したように、まず、店員による操作により、店員端末30は、アプリケーションを起動する(S600)。次に、店員端末30に対する所定の操作により、メッセージ生成部302は、端末ID発行依頼メッセージを生成する(S602)。そして、通信部304は、生成した端末ID発行依頼メッセージを交換機10に送信する(S604)。
交換機10が端末ID発行依頼メッセージを受信すると、一時ID生成部108は、端末ID発行依頼メッセージに含まれる固定の端末IDに対して、未使用の一時的な端末ID(第2端末用一時ID)を生成する(S606)。そして、通信部100は生成した一時的な端末IDを店員端末30に送信する(S608)。
続いて、店員端末30は、受信した一時的な端末IDを端末ID記憶部300に記憶させる。そして、店員端末30は、受信した一時的な端末IDを固定の端末IDの代わりに、自己の端末IDとして設定する(S610)。
その後、交換機10、利用者端末20、および店員端末30は、第3の実施形態におけるS300〜S340と同様の動作を行う。
その後、店員端末30は、固定の端末IDを自己の端末IDに設定し直す。そして、店員端末30は、端末ID記憶部300に記憶された一時的な端末IDを削除する(S620)。なお、一時的な端末IDの使用終了の条件については、2−4−2−1節で述べた条件と同様であってもよい。この場合、2−4−2−1節における「利用者端末20」および「利用者」という記載は、それぞれ「店員端末30」および「店員」という記載に代替される。
続いて、店員端末30の通信部304は、一時的な端末IDを削除した旨を交換機10へ通知する。そして、交換機10は、通知された一時的な端末IDの使用が終了したことを、例えば一時的な端末IDを管理するデータベースに対して記録する(S622)。その後、店員端末30は、上述したIP電話システムに接続するためのアプリケーションを削除する(S624)。
‐変形例‐
なお、図2において、アプリケーションを起動後に交換機10に対して登録依頼の要求を送信する(S14)と示したが、第5の実施形態においては、店員端末30がアプリケーションを起動(図23のS600)し、一時的な端末IDを端末ID記憶部300に記憶(図23のS610)した後に交換機10に対して登録依頼の要求を送信するようにしてもよい。この場合、店員端末30は、端末ID記憶部300に記憶した一時的な端末IDを登録依頼の要求に含めるようにしてもよい。
また、S620〜S624の動作は、上記の順序に限定されない。例えば、店員端末30は、S620、S624、S622の順に処理してもよいし、あるいは、S622、S620、S624の順に処理してもよい。
(2−5−3.効果)
以上説明したように、第5の実施形態によれば、交換機10は、店員端末30から受信した端末ID発行依頼メッセージに含まれる固定の端末IDに対して一時的な端末IDを生成し、生成した一時的な端末IDを店員端末30の端末IDとして設定させる。上記の構成により、店員端末30は固定の端末IDを用いずに、交換機10または利用者端末20と通信を行うので、店員は、固定の端末IDを知られることなく、利用者と通信を行うことができる。
[2−6.第6の実施形態]
以上、第5の実施形態について説明した。次に第6の実施形態について説明する。第6の実施形態によれば、店員端末30が受け付ける問合せの担当商品を容易に変更することができる。
(2−6−1.構成)
図24は、第6の実施形態による交換機10、売り場16、利用者端末20、商品22、および店員端末30の構成を示す機能ブロック図である。図24に示したように、第6の実施形態による交換機10は、第5の実施形態に含まれる構成要素に加えて、商品群IDテーブル操作部110を含む。商品群IDテーブル操作部110は、商品群IDテーブル44に対して照会、登録、更新、削除などを行う。
図25は、商品群IDテーブル44の一例を示す説明図である。図25に示したように、商品群IDテーブル44には、商品群IDと、商品IDとが対応づけて記憶される。
また、図24に示したように、第6の実施形態による売り場16は、商品群ID提供部160を含む。商品群ID提供部160は、各売り場16に対応する商品群IDを他の通信端末に送信する。
また、図24に示したように、第6の実施形態による店員端末30は、第5の実施形態に含まれる構成要素に加えて、商品群ID受信部306を含む。商品群ID受信部306は、商品群ID提供部160から商品群IDを受信する。受信方法については、例えば非接触ICカードを介した受信であってもよいし、無線通信による受信であってもよい。
なお、図24に示したように、第6の実施形態による利用者端末20、および商品22の構成は、第5の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−6−2.動作)
以上、第6の実施形態による構成について説明した。続いて、第6の実施形態による動作について説明する。図26は、第6の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図26に示したように、まず、店員による操作により、店員端末30は、売り場16に設けられた商品群ID提供部160から商品群IDを受信する(S700)。次に、メッセージ生成部302は、担当変更メッセージを生成する。この担当変更メッセージは、店員端末30の端末IDと、受信した商品群IDとを含む(S702)。そして、通信部304は、生成した担当変更メッセージを交換機10に送信する(S704)。
交換機10が担当変更メッセージを受信すると、商品群IDテーブル操作部110は、商品群IDテーブル44から、受信された担当変更メッセージに含まれる商品群IDに対応する商品IDを取得する(S706)。
続いて、接続先管理テーブル操作部102は、接続先管理テーブル40の「端末ID」列の値が、受信した担当変更メッセージに含まれる端末IDと一致するデータ行(以下、データ行Aと称する)を抽出する。また、接続先管理テーブル操作部102は、接続先管理テーブル40の「商品ID」列の値が、S706で取得した商品IDと一致する商品IDを抽出する(S708)。
続いて、接続先管理テーブル操作部102は、抽出したデータ行Aに含まれるデータ行の中で、「商品ID」列の値が、S706で取得した商品IDのいずれとも等しくないデータ行を抽出し、抽出したデータ行を接続先管理テーブル40から削除する。そして、接続先管理テーブル操作部102は、S708で取得した商品IDと、受信された担当変更メッセージに含まれる端末IDと、を含むデータ行を、接続先管理テーブル40に新たに追加する(S710)。
なお、図26におけるS710の後の動作は、実施形態5におけるS600以降の動作と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−6−3.効果)
以上説明したように、第6の実施形態によれば、店員端末30は、商品群ID提供部160から受信した商品群IDと端末IDとを含む担当変更メッセージを生成し、交換機10は、店員端末30から受信した担当変更メッセージの情報と、商品群IDテーブル44の登録内容とに基づいて、接続先管理テーブル40の登録内容を更新する。上記の構成により、交換機10は、店員端末30が受け付ける問合せの担当商品を容易に変更することができる。
例えば、ある家電量販店において、商品群IDに”携帯電話コーナー”が登録されたNFCカードが携帯電話コーナーに設置されており、また、携帯電話コーナーに置かれている各商品の商品IDが上記の商品群IDに対応づけられているとする。この場合には、店員は、NFCリーダを備えた店員端末30を上記のNFCカードにかざすことによって、この店員が問合せを担当する商品を、他の商品群から携帯電話コーナーの商品群に容易に変更することができる。
[2−7.第7の実施形態]
以上、第6の実施形態について説明した。次に第7の実施形態について説明する。次に説明するように、第7の実施形態によれば、利用者は利用者端末20に問合せ内容を入力することにより、入力した問合せ内容を店員端末30に提示することができる。
(2−7−1.構成)
図27は、第7の実施形態による交換機10、売り場16、利用者端末20、商品22、および店員端末30の構成を示す機能ブロック図である。図27に示したように、第7の実施形態による交換機10は、第6の実施形態に含まれる構成要素に加えて、問合せ記録テーブル操作部112を含む。問合せ記録テーブル操作部112は、問合せ記録テーブル46に対して照会、登録、更新、削除などを行う。
図28は、問合せ記録テーブル46の一例を示す説明図である。図28に示したように、問合せ記録テーブル46には、商品IDと、問合せ内容とが対応づけて記憶される。なお、問合せ記録テーブル46における「問合せ内容」の列には、利用者端末20から受信した問合せ内容が登録される。
また、図27に示したように、第7の実施形態による利用者端末20は、第6の実施形態に含まれる構成要素に加えて、問合せ内容入力部210を含む。問合せ内容入力部210は、利用者に問合せ内容を入力させる。問合せ内容の入力方法については、例えば、文章の入力であってもよいし、あらかじめ用意された選択肢から選択させる方法であってもよい。なお、問合せ内容入力部210は、上述した、ダウンロードしたアプリケーションの起動によって形成されてもよい。
また、図27に示したように、第7の実施形態による店員端末30は、第6の実施形態に含まれる構成要素に加えて、問合せ内容表示部308を含む。問合せ内容表示部308は、店員端末30が受信したプロトコルメッセージに含まれる問合せ内容を店員端末30に表示させる。
なお、図27に示したように、第7の実施形態による売り場16、および商品22の構成は、第6の実施形態による構成と同様である。従って、ここでは説明を省略する。
(2−7−2.動作)
以上、第7の実施形態による構成について説明した。続いて、第7の実施形態による動作について説明する。図29は、第7の実施形態による動作を示すシーケンス図である。図29に示したように、まず、利用者による操作により、利用者端末20は、アプリケーションを起動する(S800)。次に、利用者端末20に対する所定の操作により、商品ID読取部200は、商品22の商品IDを読み取る(S802)。そして、問合せ内容入力部210は、読み取った商品IDに対応する商品に関する問合せ内容を利用者に入力させる(S804)。
続いて、Call−ID生成部208は、図15におけるS304と同様にして、店員端末30に対する呼に用いられるCall−IDを生成する(S806)。次に、メッセージ生成部204は、入力された問合せ内容を含むプロトコルメッセージを生成する(S808)。そして、通信部206は、生成されたプロトコルメッセージを、交換機10に送信する(S810)。
交換機10がプロトコルメッセージを受信すると、接続先管理テーブル操作部102は、受信したプロトコルメッセージに含まれる商品IDの値に対応する端末IDを接続先管理テーブル40から取得する。そして、Call−IDテーブル操作部106は、受信したプロトコルメッセージに含まれるCall−IDと、利用者端末20の端末IDと、接続先管理テーブル40から取得した端末IDと、を対応づけてCall−IDテーブル42に記憶させる(S812)。
続いて、問合せ記録テーブル操作部112は、受信したプロトコルメッセージに含まれる商品IDと問合せ内容とを対応づけて、問合せ記録テーブル46に記録する(S814)。
続いて、交換機10は、利用者端末20から発呼要求、つまり拡張ヘッダ518に”call”が設定されたプロトコルメッセージを受信すると(S816)、図15におけるS322〜S324と同様にして、Call−IDテーブル操作部106は、まず、Call−IDテーブル42の「Call−ID」の列の値に、受信した発呼要求に含まれるCall−IDの値が設定されている行を抽出し、抽出した行に含まれる「端末ID」列の値を取得する。次に、Call−IDテーブル操作部106は、取得された端末IDの中から、受信したプロトコルメッセージのFrom欄の値とは異なる値、つまり店員端末30の端末IDを取得する。そして、交換機10は、取得した端末IDを持つ店員端末30に対して発呼する(S820)。
店員端末30が交換機10からの発呼を受信したときに、店員端末30を有する従業員が通話可能である場合は、交換機10に対して応答のメッセージを店員端末30に送信させる。また、問合せ内容表示部308は、交換機10から受信した発呼のメッセージに含まれる問合せ内容を、店員端末30に表示させる(S822)。
交換機10が応答のメッセージを受信すると、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間で通話回線を接続させる(S824)。そして、利用者端末20が回線切断の通知を交換機10へ送信すると、図15におけるS330と同様にして、回線接続部104は、利用者端末20と店員端末30との間の通話回線を切断する(S826)。
(2−7−3.効果)
以上説明したように、第7の実施形態によれば、交換機10は、利用者端末20から受信したプロトコルメッセージに含まれる問合せ内容と商品IDとを対応づけて問合せ記録テーブル46に記録する。また、店員端末30が交換機10からプロトコルメッセージを受信すると、問合せ内容表示部308は、受信したプロトコルメッセージに含まれる問合せ内容を店員端末30に表示させる。上記の構成により、利用者は利用者端末20に入力した問合せ内容を店員端末30に提示することができる。このため、通話よりもテキストによる問合せを好む利用者は、より気軽に店員などに問合せることができる。
また、問合せ記録テーブル46には、商品IDと問合せ内容とが対応づけて記録されるので、店舗の経営者は、問合せ記録テーブル46の記録内容をマーケティングデータとして活用することができる。
<3.むすび>
以上説明したように、本発明の第1の実施形態〜第7の実施形態によれば、利用者の利便性を向上させることができる。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第3の実施形態における利用者端末20のUIの構成は、他の実施形態でも適用可能である。