JP2017147146A - 有機el素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置 - Google Patents

有機el素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光取出し効率と高い発光均一性の両方を有する有機EL素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子10において、光透過性を有する基板11と、基板11とは反対側の面に形成された複数の凹凸部からなる凹凸領域と平面部からなる平面領域との少なくとも2種類の微小領域を有する構造層12と、光透過性を有する第1電極層14と、発光層を含む機能層15と、第2電極層16と、がこの順に積層されている。ここで、構造層12と第1電極層との間に設けられたバリア層13を備えていても良い。更に、基板11の構造層12の形成面とは反対側の面に設けられた光取出しレンズ層30を備えていても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置に関する。
近年、照明装置や表示装置等に用いられる次世代発光デバイスとして、有機材料の電界発光現象である有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)現象を利用した発光素子(有機EL素子)が大きな注目を集めている。有機EL素子は、面発光が可能、低温動作が可能、低コスト化が可能、軽量化が可能、フレキシブルな素子作製が可能、等の利点がある。
有機EL素子は、一般的に、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、有機EL層の両面にそれぞれ設けられた陽極及び陰極を備えている。有機EL層としては、発光層の他、必要に応じて電子輸送層、ホール輸送層等が設けられる。有機EL素子は、ガラス基板等の透明な基板上に順次形成された、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム・スズ)等の透明導電材料からなる陽極、発光層を含む有機EL層、金属からなる陰極を備えている。有機EL素子には、基板側から光が取り出されるボトムエミッション型の素子や、基板上に陰極、有機EL層、陽極が順次形成され、基板側とは反対側から光が取り出されるトップエミッション型の素子等がある。
有機EL素子は、上述の利点の他、視野角依存性が少ない、消費電力が少ない、極めて薄いものができる等の利点がある一方、光取出し効率が低いという問題がある。光取出し効率は、発光層から出射した光エネルギーに対する、光の取出し面(例えばボトムエミッション型の場合は基板面)から大気中に放出される光エネルギーの割合である。例えば発光層からの光は全方向に出射するため、その多くが屈折率の違う複数の層の界面で全反射を繰り返す導波モードとなり、層間を導波するうちに熱に変わったり側面から放出されたりして光取出し効率が低下する。
また、有機EL素子では、発光層と金属である陰極との間の距離が近いことから、発光層からの近接場光の一部は陰極の表面で表面プラズモンに変換されて失われ、光取出し効率が低下する。光取出し効率は、有機EL素子を備えたディスプレイ、照明等の明るさに影響することから、その改善のために種々の方法が検討されている。
光取出し効率を改善する方法の一つとして、集光性を示す集光層が設けられたガラス基板を用いた有機EL素子がある。例えば、以下の特許文献1には、マイクロレンズ等の集光性構造物と、集光性構造物を覆う透明性樹脂とから成る集光層が開示されている。特許文献1では、透明性樹脂として、集光性構造物よりも屈折率が高い材料が用いられている。このような集光層をガラス基板上に設けることで、ガラス基板の表面で生じる全反射を抑制し、光取出し効率の向上を図っている。
また、光取出し効率を改善する方法の一つとして、表面プラズモン共鳴を利用する方法が提案されている。例えば、以下の特許文献2には、金属層(陰極)の表面に1次元又は2次元の周期的微細構造を設ける方法が開示されている。これらの方法において、周期的微細構造は、回折格子として機能する。これにより、陰極表面で表面プラズモンとして失われていたエネルギーが光として取り出され、光取出し効率が向上する。
特開2003−86353号公報 特許第4762542号明細書
しかしながら、上述したような集光層をガラス基板に設けたとしても、集光層とガラス基板との界面で全反射が生じるので、有機EL素子からの光取出し効率が十分に高いとは必ずしもいえない。また、上述したような周期的微細構造を金属層に設ける場合、実際に有機EL素子を製造する上では凹凸構造に起因するリーク電極の発生、積層する各層の不均一による発光むら及び経時安定性の低下の問題もあった。このため、理論上効率の良い周期的な構造を設けたとしても、有機EL素子を安定的に製造することが可能とは限らなかった。一方で、有機EL照明の省電力化やフレキシブル化に向けて、光取出し効率の更に高い有機EL素子が求められている。
本発明の目的は、高い光取出し効率と高い発光均一性の両方を有する有機EL素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る有機EL素子は、光透過性を有する基板と、光透過性を有し、基板とは反対側の面に形成された複数の凹凸部からなる凹凸領域と平面部からなる平面領域との少なくとも2種類の微小領域を有する構造層と、光透過性を有する第1電極層と、発光層を含む機能層と、第2電極層と、がこの順に積層されている。
例えば、上記構造層において、平面領域の面積に対する凹凸領域の面積の比(凹凸領域の面積/平面領域の面積)は、1/4から10/1である。
また、上記構造層において、凹凸領域の凹凸部の高さは、50nm以上800nm以下である。
また、上記構造層において、凹凸領域の凹凸部の幅に対する高さの比(凹凸部の高さ/凹凸部の幅)は、1/5から8/5である。
更に、上記構造層において、凹凸領域の複数の凹凸部のそれぞれの間の距離は、凹凸の幅より大きく、且つ300nm以上2μm以下である。
本発明の一態様に係る有機EL素子は、構造層と第1電極層との間に設けられたバリア層を備えていても良い。更に、基板の構造層の形成面とは反対側の面に設けられた光取出しレンズ層を備えていても良い。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明装置、面状光源、及び表示装置は、上述した有機EL素子を少なくとも一部に有する。
本発明の一態様によれば、高い光取出し効率と高い発光均一性の両方を有する有機EL素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る光取出し基板を概略的に示す上面図である。
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る有機EL素子、並びに照明装置、面状光源及び表示装置について説明する。なお、本発明の実施形態は、以下に記載する実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計等の変更を加えることも可能であり、そのような変更が加えられた実施形態も本発明の実施形態の範囲に含まれるものである。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子10は、光透過性基板11と、構造層12と、バリア層13と、第1電極層14と、機能層15と、第2電極層16がこの順に積層されている。
光透過性基板11は、有機EL素子10の基板であり、光透過性を有している。構造層12は、光透過性を有し、積層方向においてバリア層13側の面(光透過性基板11とは反対側の面)に形成された凹凸領域と平面領域とを有している。バリア層13は、光透過性を有し、水分等の浸入を妨げる。第1電極層14は、光透過性を有し、陽極となる。機能層15は、発光層を含む。第2電極層16は、第1電極層14の対極となる。なお、ここでいう光透過性とは、透明である性質(透光性)を意味する。
また、図1に示すように、光透過性基板11、構造層12、バリア層13及び第1電極層14は、光取出し基板20を構成する。
図2に示すように、本実施形態に係る光取出し基板20は、凹凸領域21と、平面領域22と、を有している。凹凸領域21は、複数の凹凸部を有している。平面領域22は、平面部を有している。
ここでは、凹凸領域21は、構造層12のバリア層13側の面(光透過性基板11とは反対側の面)に形成された凹凸領域である。また、平面領域22は、構造層12のバリア層13側の面(光透過性基板11とは反対側の面)に形成された平面領域である。
また、図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子10は、光透過性基板11の構造層12の形成面とは反対側の面(光透過性基板11の裏面側)に設けられた光取出しレンズ層30を備える。
以下、有機EL素子10を構成する各部について詳細に説明する。
〔光透過性基板〕
光透過性基板11は、可視光領域において透過する板状部材であれば良く、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はない。光透過性基板11として、好ましくはガラス板、ポリマー板、樹脂フィルム等を挙げることができる。
ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
ポリマー板としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、シクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていても良く、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1.0×10−3cm/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が1.0×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、上記の水蒸気透過度が1.0×10−5g/(m・24h)以下であることが更に好ましい。
バリア性フィルムを形成する材料としては、有機EL素子10の劣化をもたらす水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する材料であれば良く、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更にバリア性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる有機層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア性フィルムの形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
〔光取出しレンズ層〕
光透過性基板11の構造層12の形成面とは反対側の面(光透過性基板11の裏面側)には、光散乱あるいは集光層として光取出しレンズ層30が適宜設けられている。光取出しレンズ層30は、光透過性を有する光透過性シート31と、光透過性シート31の表面に設けられたレンズ層32とを備えている。レンズ層32は、光透過性シート31の表面をマイクロレンズアレイ状の構造に形成したものであっても良く、また、いわゆる集光シートを用いても良い。これにより、光取出しレンズ層30によって、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光して特定方向上の輝度を高めることができる。
光取出しレンズ層30を構成する樹脂材料としては、例えば、低密度又は高密度のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体;ポリメチルメタクリルイミド等のアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン−アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等の疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶樹脂等のエンジニアリングプラスチック系樹脂等が挙げられる。
光取出しレンズ層30は、上述した樹脂材料に微粒子を添加して、光散乱効果を更に向上させて良い。光取出しレンズ層30に含まれる微粒子としては、無機微粒子又は有機微粒子を使用できる。
例えば、微粒子としては、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコーン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、スメクタイト、カオリナイト、タルク等の粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等の無機酸化物粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等の無機微粒子等を挙げることができる。
〔構造層〕
構造層12は、光透過性を有し、光透過性基板11の光出射面(図1に示す光取出しレンズ層30の貼合面)とは反対側の面に設けられる。構造層12は、第1電極層14側の面に形成された複数の凹凸部からなる凹凸領域と平面部からなる平面領域とを有している。すなわち、構造層12は、構造層12の第1電極層14側の面の一部が少なくとも一つ以上の凹凸領域とされており、残りの部分が平面領域とされている。凹凸部は平面部に対して凹形状か凸形状のいずれかとなるように形成されている。
構造層12の第1電極層14側の面に凹凸領域と平面領域とが形成されることにより、構造層12の上に形成される第1電極層14の形状が構造層12表面の形状に追随する。また、これにより、第1電極層14上に機能層15及び第2電極層16を積層すると、第1電極層14の表面形状に追随して第2電極層16の機能層15側の面にも凹凸が反転した反転凹凸領域及び平面領域が形成される。第2電極層16の機能層15側の面に形成された反転凹凸領域により、プラズモン吸収を抑制することができる。また、第2電極層16に形成された平面領域によって出射光の一部を反射するため、光取出し効率が改善される。
構造層12の平面領域の面積に対する凹凸領域の面積の比(凹凸領域の面積/平面領域の面積)は、1/4から10/1であることが好ましい。面積比が1/4より小さい場合は、凹凸領域の複数の凹凸部が少なく、その光学的な効果が光取出し効率に反映されない。また、面積比が10/1より大きい場合は、平面領域が少なく、第2電極の反射率が大幅に低下し、結果光取出し効率が低減する。
また、構造層12の凹凸領域の複数の凹凸部の高さは、50nm以上800nm以下であることが好ましい。複数の凹凸部の高さが50nmより小さい場合は、凹凸の高さが小さいため、表面プラズモン共鳴の効果が得られない。複数の凹凸部の高さが800nmより大きい場合は、機能層の全体の高さを大きく超えるため、機能層の均一性が著しく低下し、発光むらやショート(短絡)の原因となり、発光不良が発生する。
更に、凹凸領域の複数の凹凸部の幅に対する高さの比(凹凸部の高さ/凹凸部の幅)は、1/5から8/5の範囲であることが好ましい。構造層12上に各層を構成しやすいためである。ここで、平面領域の平面部に対して凹形状となるように凹凸領域の凹凸部が形成されている場合、「凹凸部の幅に対する高さの比」とは、凹凸部を構成する凹部の幅に対する高さの比をいう。また、平面領域の平面部に対して凸形状となるように凹凸領域の凹凸部が形成されている場合、「凹凸部の幅に対する高さの比」とは、凹凸部を構成する凸部の幅に対する高さの比をいう。
凸部の幅に対する高さの比が1/5から8/5の範囲外であると、凹凸部の斜面が切り立つような形状であったり、微細な面と面の境界が明確となるような形状であったり、凹凸の周期が細かく頂部や溝部が点状に近い形状となる。このため、特に、構造層12上に、第1電極層14、機能層15及び第2電極層16の少なくとも1つを形成する方法としてスパッタ法や蒸着法を選択する場合、その周辺部と同様の均一な膜が形成されにくくなる。
構造層12を構成する材料としては、樹脂が好ましい。樹脂としては、例えば、低密度又は高密度のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体;ポリメチルメタクリルイミド等のアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン−アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等の疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体等の水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶樹脂等のエンジニアリングプラスチック系樹脂等が挙げられる。
構造層には、微粒子を添加して、屈折率の調整や光散乱効果を有しても良く、無機微粒子又は有機微粒子からなる粒子を使用できる。例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコーン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、スメクタイト、カオリナイト、タルク等の粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等の無機酸化物粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等の無機微粒子等を挙げることができる。
〔バリア層〕
バリア層13は、有機EL素子10の劣化をもたらす水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する層であり、必要に応じて構造層12の光透過性基板11側の面と反対側の面に設けられる。バリア層13は必須ではないが、設けられることが好ましい。バリア層13が設けられることにより、構造層12と第1電極層14との密着性が向上する。これは、構造層12と第1電極層14との間にバリア層13があることにより、第1電極層14の成膜時に第1電極層14が構造層12からのアウトガスの影響を受けず、第1電極層14の膜質が向上するためである。第1電極層14の膜質が向上することにより、有機EL素子10の初期の欠陥(例えばダークスポット)を減少させることができる。このため、バリア層13を設けることにより、有機EL素子10の経時安定性を向上させることができる。
バリア層13としては、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等が用いられる。
バリア層13の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、次に積層する透明電極と合わせた形成方法で連続的に成膜できることが好ましい。
バリア層13の厚みは、例えば、2nm以上50nm以下であり、好ましくは2nm以上20nm以下である。バリア層13を設けることによる水分等の浸入防止効果を得るために、バリア層13は比較的厚い膜とすることが好ましい。一方、光学的には、バリア層13の屈折率の方が構造層12の屈折率より低くなる場合は全反射光による低減を抑制するために薄い膜が好ましい。しかしながら、2nmより薄くなると、構造層12の表面に均一に成膜できないために好ましくない。
〔電極層〕
以下、第1電極層14及び第2電極層16について説明する。ここでは、第1電極層14が陽極、第2電極層16が陰極であるものとして説明する。但し、実際には、これらの例に限定されない。
(第1電極層:陽極)
第1電極層14である陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料としては、例えば、アンチモンやフッ素等をドープ(添加)した酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物等が挙げられる。中でも、陽極の材料として導電性金属酸化物が好ましく、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、(1)印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、(2)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、(3)CVD、プラズマCVD法等の化学的方式等の公知の方法の中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィー等による化学的エッチングによって行っても良いし、レーザー等による物理的エッチングによって行っても良い。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行っても良いし、リフトオフ法や印刷法によって行っても良い。
陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に、膜厚は材料にもよるが、通常は、10nm以上1000nm以下の範囲であり、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲で選ばれる。
(第2電極層:陰極)
第2電極層16である陰極の材料としては、例えば、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金電気伝導性化合物及びこれらの混合物が好適に挙げられる。陰極材料としては、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。中でも、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、陰極の材料として、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極は、蒸着やスパッタリング等の公知の方法により陰極材料からなる薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm以上5μm以下の範囲であり、好ましくは50nm以上200nm以下の範囲で選ばれる。
〔機能層〕
機能層15は、発光層を含む層であり、第1電極層14と第2電極層16との間に設けられる層である。第1電極層14、機能層15及び第2電極層16は、様々な積層構成とすることができる。
以下、具体的に第1電極層14、機能層15及び第2電極層16の積層構造について説明する。一例として、以下の層構成a)〜p)を示す。ここでは、上記の通り、第1電極層14が陽極、第2電極層16が陰極である。すなわち、陽極と陰極との間の層は全て機能層15である。また、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。なお、機能層15の構成及び第1電極層14、機能層15及び第2電極層16の積層構造は、以下の層構成a)〜p)に限定されない。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
e)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
m)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/発光層/電子注入層/陰極
o)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
p)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
以下、機能層15を構成する各層(発光層、注入層、輸送層)について説明する。
(発光層)
発光層は、電極、注入層、又は輸送層から移動してくる電子と正孔(ホール)とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても良く、発光層と隣接層との界面であっても良い。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、2nm以上5μm以下とすることが好ましく、2nm以上200nm以下とすることがより好ましく、10nm以上20nm以下の範囲とすることが特に好ましい。膜の均質性や発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、且つ駆動電流に対する発光色の安定性が向上するためである。
発光層は、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層の少なくとも1層である。有機EL素子10において、青色発光層は発光極大波長が430nm以上480nm以下の範囲、緑色発光層は発光極大波長が510nm以上550nm以下の範囲、赤色発光層は発光極大波長が600nm以上640nm以下の範囲にある単色発光層であることが好ましい。
また、発光層は、これらの少なくとも3色の発光層(青色発光層、緑色発光層、赤色発光層)を積層して白色発光層とした層であっても良い。更に、複数の発光層を積層する場合には、発光層間に非発光性の中間層が設けられていても良い。
本実施形態に係る有機EL素子10の発光層は、白色発光層であることが好ましい。すなわち、本実施形態は、有機EL素子10の発光層が白色発光層である場合において特に有効である。また、本実施形態に係る照明装置、面状光源及び表示装置は、白色発光層を含むことが好ましい。したがって、本実施形態に係る照明装置、面状光源及び表示装置は、発光層が白色発光層である有機EL素子10を少なくとも一部に有することが好ましい。
発光層は、発光ホスト化合物と、リン光ドーパントや蛍光ドーパント等の発光性ドーパント化合物を含有する。
発光ホスト化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、又は、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体等が挙げられる。
蛍光ドーパント化合物としては、例えば、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
(注入層:正孔注入層、電子注入層)
注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、必要に応じて電極と有機層との間に設けられる層である。注入層には、正孔注入層(陽極バッファー層)と、電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
正孔注入層は、上述したように、陽極と発光層との間に設けられる(例えば、上記の層構成b)、c)、d)、e))か、又は陽極と正孔輸送層との間(例えば、上記の層構成j)、k)、l)、m))に設けられる。
また、電子注入層は、陰極と発光層との間に設けられる(例えば、層構成(c)、g)、k)、n))か、又は陰極と電子輸送層との間(例えば、層構成e)、i)、m)、p))に設けられる。
正孔注入層としては、例えば、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
電子注入層としては、例えば、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
正孔注入層、電子注入層は、ごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm以上5μm以下の範囲が好ましい。
(阻止層:正孔阻止層、電子阻止層)
阻止層は、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられる層である。阻止層には、正孔阻止層と、電子阻止層とがある。
正孔阻止層は、広い意味では電子輸送層の機能を有している。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を、必要に応じて正孔阻止層として用いることができる。
正孔阻止層、電子輸送層の膜厚は、好ましくは3nm以上100nm以下であり、更に好ましくは5nm以上30nm以下である。
正孔阻止層は、前述のホスト化合物として挙げたカルバゾール誘導体、またカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
一方、電子阻止層は、広い意味では正孔輸送層の機能を有している。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を、必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
(輸送層:正孔輸送層、電子輸送層)
輸送層は、正孔又は電子の輸送のために、必要に応じて設けられる層である。輸送層には、正孔輸送層と、電子輸送層とがある。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなる。上述した正孔注入層、電子阻止層は、広い意味で正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであっても良い。正孔輸送材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送層は、上述した正孔輸送材料のうちの1種又は2種以上の材料を含んでいる。
正孔輸送層は、上述した正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成される。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm以上5μm以下程度、好ましくは5nm以上200nm以下である。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料からなる。上述した電子注入層、正孔阻止層は、広い意味で電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。電子輸送層は、発光層の陰極側に隣接するように設けられる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良く、このような機能を有していれば従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。電子輸送材料としては、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更に、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、電子輸送材料として、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されている材料も好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更に、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。電子輸送層は、上述した電子輸送材料のうちの1種又は2種以上の材料を含んでいる。また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。
電子輸送層は、上述した電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成される。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm以上5μm以下の範囲であり、好ましくは5nm以上200nm以下の範囲で選ばれる。
〔封止部材〕
有機EL素子10の表示領域は、封止部材によって覆われる。封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材は、有機EL素子10の表示領域を覆うように配置されていれば良く、凹板状でも平板状でも良い。また、封止部材は、透明性、電気絶縁性の有無は特に問わない。
封止部材としては、例えば、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
封止に用いられる接着剤としては、例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子10が熱処理により劣化する場合がある。このため、接着剤としては、室温から80℃までの温度範囲で接着硬化できる材料を用いることが好ましい。また、乾燥剤を分散させた接着剤を用いても良い。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使っても良いし、スクリーン印刷のように印刷しても良い。
封止部材と有機EL素子10の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、封止部材と有機EL素子10の表示領域との間隙を真空とすることも可能である。更に、封止部材の内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物、及び過塩素酸類においては、無水塩が好適に用いられる。
〔用途〕
本実施形態に係る有機EL素子10は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられる。光源としては、例えば、面状光源が挙げられる。有機EL素子10の用途はこれに限定されるものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
上述した実施形態を具体化した実施例を、比較対象としての比較例とともに説明する。
本実施例では、構造層12の凹凸領域の各凹凸部は各条件において凹形状か凸形状のいずれかを選択し、高さに合わせて、円形の山あるいは谷になるように幅の大きさを形成した。それぞれの凹凸をランダムに配置し、それぞれの凹凸の平均距離は走査型プローブ顕微鏡を用いて、凹凸領域の10箇所について凹凸部の画像を測定した後、凹凸画像中の任意の隣り合う凸形状ないしは凹形状の間隔を10点以上測定し、その平均を求めることにより算出できる値を採用した。
<実施例1>
(光取出し基板の作製)
まず、光透過性基板11、構造層12及び光透過性を有する第1電極層13がこの順に積層された光取出し基板を作製する。
光透過性基板11として、厚みが0.7mmで大きさが30mm×40mmの洗浄した無アルカリガラス板を使用した。
この光透過性基板11上に、1層目としてUV(紫外線)硬化型アクリル系樹脂をスピンコーターにより膜厚2μmで成膜し、ホットプレート上にて90℃で2分間加熱して樹脂層を形成した。続いて、光透過性基板11に塗布形成した樹脂層の表面に、平面領域と微細な凹凸パターン領域とを有するフィルム板を押し付けるようにラミネートした後、UVランプで150mJ/cm照射し、フィルム板を剥離して表面に凹凸部と平面部とを有する構造層12を形成した。これにより、構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅100nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が400nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率(凹凸領域の占める割合)/平面領域の合計の面積の比率(平面領域の占める割合)が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
次に、構造層12の表面に、光透過性を有する第1電極層14(陽極)として、透明電極であるITO層をスパッタ法にて、厚みが150nmとなるよう成膜した後、パターニングを行った。
(有機EL素子の作製)
第1電極層14の表面に、機能層15の有機層として、正孔輸送層、発光層、電子輸送層をそれぞれ蒸着法で積層した。
正孔輸送層は、4,4’,4’’−トリス(9−カルバゾール)トリフェニルアミンを用いて、厚み35nmで形成した。発光層は、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)錯体をドープした4,4’,4’’−トリス(9−カルバゾール)トリフェニルアミンを用いた厚み15nmの層と、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)錯体をドープした1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンを用いた厚み15nmの層とで形成した。
電子輸送層は、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンを用いて厚み65nmで形成した。
更に、有機層の表面に、電子注入層としてフッ化リチウム層(厚み:1.5nm)を蒸着した。これにより、発光層を含む機能層15を形成した。
最後に、機能層15の表面に、金属電極(アルミニウム、厚み:50nm)を蒸着法で形成した。
続いて、PETフィルム(光透過性シート31)の表面に直径5μmの半球形状のマイクロレンズと5μmピッチの頂角89度のクロスプリズム構造からなるレンズ面(レンズ層32)を形成したプリズムレンズシートを、粘着剤を介して光透過性基板11に貼合して、光取出しレンズ層30を形成した。このとき、レンズ面の裏面が光透過性基板11に対向するようにしてプリズムレンズシートを、光透過性基板11の構造層12の形成面の裏面に貼合して、レンズ面が表面となるようにした。
これにより、図1に示すような、光透過性基板11の表面(一方の面)に構造層12、第1電極層14、機能層15、及び第2電極層16がこの順に積層され、裏面(他方の面)に光取出しレンズ層30が形成された有機EL素子10を得た。
<実施例2>
構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅100nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が400nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が20%/80%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例3>
構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅100nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が400nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が91%/9%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例4>
構造層12の表面に、高さ50nmかつ幅250nmの凹状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が300nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例5>
構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅250nmの凹状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が400nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例6>
構造層12の表面に、高さ250nmかつ幅400nmの凹状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が600nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例7>
構造層12の表面に、高さ500nmかつ幅500nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が1000nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<実施例8>
構造層12の表面に、高さ800nmかつ幅500nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が2000nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が50%/50%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<比較例1>
光透過性基板11上に、1層目としてUV硬化型アクリル系樹脂をスピンコーターにより膜厚2μmで成膜し、ホットプレート上にて90℃で2分間加熱して樹脂層を形成した。この後、樹脂層を形成した光透過性基板11をNパージしたボックスに入れて、UVランプで150mJ/cm照射して、平滑性の高い構造層12を形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<比較例2>
構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅600nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が800nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が15%/85%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<比較例3>
構造層12の表面に、高さ100nmかつ幅600nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が800nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が95%/5%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<比較例4>
構造層12の表面に、高さ30nmかつ幅180nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が250nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が15%/85%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<比較例5>
構造層12の表面に、高さ900nmかつ幅500nmの凸状の円形の山でそれぞれの山間の平均距離が2500nmのパターンを有する凹凸領域を、総面積における凹凸領域の合計の面積の比率/平面領域の合計の面積の比率が15%/85%となるように形成した。構造層12の表面の形状は、走査型プローブ顕微鏡にて確認した。
これ以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子10を作成した。
<評価>
実施例1から実施例8及び比較例1から比較例5のそれぞれの有機EL素子10について、光取出し効率の測定とショートの確認を行った。以下の表1に、実施例1から実施例8及び比較例1から比較例5のそれぞれの有機EL素子10における構造層12の構成の詳細と、光取出し効率比及びショートの有無の評価の結果を示す。
Figure 2017147146
光取り出し効率の測定にあたっては、実施例1から実施例8及び比較例1から比較例5のそれぞれの有機EL素子10に対して、直流(DC)電源から電流密度が20mA/cmの定電流を流し、出射される全放射束を積分球により計測し、その計測結果に基づいて光取り出し効率を求めた。
また、ショートの確認にあたっては、実施例1から実施例8及び比較例1から比較例5のそれぞれの有機EL素子10に対して上記の定電流を流したときに、電圧を上昇させることで電流値が増加した場合を「ショート無し」(良好)と評価し、電圧を上昇させても電流値が増加しない場合を「ショート有り」(不良)と評価した。
表1において、光取出し効率比は、比較例1の1層目の構造層12に凹凸領域がなく、平面領域が100%である光透過性基板11を備える有機EL素子10の光取出し効率を1.00としている。実施例1から実施例8及び比較例2から比較例5の光取出し効率は、比較例1の有機EL素子10の光取出し効率に対する相対値で表したものである。光取出しの効果は1.50以上を良好とする。
表1に示すように、実施例1から実施例8の有機EL素子10では、光取出し効率が1.52から1.78と高い値を示していることが確認された。これにより、実施例1から実施例4の有機EL素子10では、比較例1の有機EL素子10に比べて、光取出し効率が向上していることが分かった。
これは、構造層12に凸部又は凹部を形成したことによる第2電極層16の機能層15側の面に形成された凹凸形状によってプラズモン吸収の抑制と発光の反射のバランスとが良好で光取出し効率が向上したと推定される。
また、実施例1から実施例8の有機EL素子10では、ショートも無く良好であった。
これは、凹凸の幅に対する高さが高すぎず、ITO膜からなる第1電極層14の膜質が均一に形成され、更にその上に発光層を含む有機層が均一に形成されたために、その上の第2電極層16と第1電極層14が部分的に接する不良が発生しなかったためと推定される。
比較例2では、比較例1と同等の光取出し効率となり効果が得られなかった。また、ショートは発生しなかった。
これは、構造層12の表面の凹凸領域が少なく、平面領域が多いために、光取出し効率の向上効果は得られなかったと推定される。
比較例3では、光取出し効率が1.40とやや高い値を示した。また、ショートは発生しなかった。
これは、構造層12の凹凸領域によって、プラズモン吸収の抑制や発光の反射に関して一定の効果が得られたが、平面領域が少ないために、出射光からの反射が少なく、その結果、全体的な効率の向上が十分で無いと推定される。
比較例4では、比較例1と同等の光取出し効率となり効果が得られなかった。また、ショートは発生しなかった。
これは、構造層12の表面の凹凸領域が少なく、平面領域が多いために、光取出し効率の向上効果は得られなかったと推定される。
比較例5では、比較例1より低い光取出し効率となり効果が得られなかった。また、測定の開始から電流のリークが発生し、測定を行った後にショートした。
これは、構造層12の表面の凹凸領域の凹凸部の高さが幅に対して非常に大きいために、切り立つ形状となり、一部の頂部で第1電極層14上に機能層15の蒸着膜の形成が進行せず、周辺部の機能層15よりも薄いかあるいは欠損したために。第1電極層14が第2電極層15側に露出した状態となって、微小な両極の通電領域が発生したため、電流が過剰に流れ、後にショートして発光不良となるとともに、発光領域に均一に電子又は正孔等のキャリア(電荷担体)が流れず、結果発光効率が低下したと推定される。
以上のように、本実施形態に係る有機EL素子10は、光透過性基板11上に、構造層12及び光透過性を有する第1電極層14と、発光層を含む機能層15と、第2電極層16とをこの順で積層されている。また、構造層12には、凹凸領域と平面領域とが設けられている。これにより、有機EL素子10の光取出し効率を向上させ、発光むらを低減して、発光品質を向上させることが可能であることが分かった。
また、本発明を実施例により説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。
本発明の有機EL素子は、良好な光取出し効率を維持しつつも、発光むらを抑制し良好な経時安定性を得ることができる。このため、本発明の有機EL素子は、均一な発光が求められるディスプレイ、面状光源、照明装置等の種々の用途に好適であり、省エネルギー化にも貢献できる。
10 有機EL素子
11 光透過性基板
12 構造層
13 バリア層
14 第1電極層
15 機能層
16 第2電極層
20 光取出し基板
21 凹凸領域
22 平面領域
30 光取出しレンズ層
31 光透過性シート
32 レンズ層

Claims (10)

  1. 光透過性を有する基板と、
    光透過性を有し、前記基板とは反対側の面に形成された複数の凹凸部からなる凹凸領域と平面部からなる平面領域との少なくとも2種類の微小領域を有する構造層と、
    光透過性を有する第1電極層と、
    発光層を含む機能層と、
    第2電極層と、がこの順に積層されていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記凹凸領域の面積/前記平面領域の面積は、1/4から10/1である請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記凹凸領域の前記凹凸部の高さは、50nm以上800nm以下である請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記凹凸部の高さ/前記凹凸部の幅は、1/5から8/5である請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記凹凸領域の複数の前記凹凸部のそれぞれの間の距離は、凹凸の幅より大きく、且つ300nm以上2μm以下である請求項4に記載の有機EL素子。
  6. 前記構造層と前記第1電極層との間に設けられたバリア層を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  7. 前記基板の前記構造層の形成面とは反対側の面に設けられた光取出しレンズ層を更に備える請求項1から6のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の有機EL素子を少なくとも一部に有することを特徴とする照明装置。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の有機EL素子を少なくとも一部に有することを特徴とする面状光源。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の有機EL素子を少なくとも一部に有することを特徴とする表示装置。
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