JP2017147081A - 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー - Google Patents
非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017147081A JP2017147081A JP2016027115A JP2016027115A JP2017147081A JP 2017147081 A JP2017147081 A JP 2017147081A JP 2016027115 A JP2016027115 A JP 2016027115A JP 2016027115 A JP2016027115 A JP 2016027115A JP 2017147081 A JP2017147081 A JP 2017147081A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slurry
- secondary battery
- electrolyte secondary
- negative electrode
- nonaqueous electrolyte
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【解決手段】ケイ素系材料を含んだ非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法であって、ケイ素系材料を含み、バインダ成分としての熱硬化性樹脂を固形分比で4〜12重量%含有する非水電解質二次電池の負極用材料に対して、キャビテーションを生じさせる分散、混合装置を用いて分散、混合を行う非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法。
【選択図】図10
Description
本発明の非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法は、活物質として現在汎用されている黒鉛に対して、電気容量が黒鉛の10倍程度あるケイ素系材料を含んだ非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法であって、ケイ素系材料を含み、バインダ成分としての熱硬化性樹脂を固形分比で4〜12重量%含有する非水電解質二次電池の負極用材料に対して、キャビテーションを生じさせる分散、混合装置を用いて分散、混合を行うことを特微とする。
以下、本発明の非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法の分散、混合工程に用いる分散混合ポンプを備えた分散、混合装置について、図1〜図8に基づいて説明する。
この分散、混合装置100は、分散質として粉体P(固形分)を用い、液相分散媒として溶媒Rを用いて、粉体Pを溶媒Rに分散、混合して、スラリーFを生成するものである。
本実施形態においては、例えば、粉体Pとして、活物質としてのアモルファスタイプの一酸化ケイ素(SiO)及び導電助剤としての気相成長炭素繊維(VGCF)を用い、溶媒Rとして、N−メチルピロリドン(NMP)(可溶の固形分であるバインダ成分としてのポリイミド(PI)を含む。)を用いた。
図1に示すように、定量供給装置Xは、上部開口部31aから受け入れた粉体Pを下部開口部31bから排出させるホッパ31と、ホッパ31内の粉体Pを撹拌する撹拌機構32と、ホッパ31の上部開口部31aが大気開放された状態で、下部開口部31bの下流側に接続された分散混合ポンプYの吸引により下部開口部31bに作用する負圧吸引力によって、下部開口部31bから排出された粉体Pを分散混合ポンプYに定量供給する容積式の定量供給部40とを備えて構成されている。
具体的には、ホッパ31の下部開口部31bに接続される導入部41と、供給口43a及び排出口43bを備えたケーシング43と、ケーシング43内に回転可能に配設された計量回転体44と、計量回転体44を回転駆動する計量回転体駆動モータM2とを備えて構成される。
図2及び図3に示すように、ケーシング43の上面には、導入部41のスリット状の開口に対応したスリット状の供給口43aが設けられ、ホッパ31の下部開口部31bからの粉体Pをケーシング43内に供給可能に構成されている。傾斜状に配置されたケーシング43の下方側の側面(図2において右側面)の下部には、計量回転体44にて定量供給された粉体Pを膨張室47を介して下流側の分散混合ポンプYに排出する排出口43bが設けられ、その排出口43bには、粉体排出管45が接続されている。当該膨張室47は、供給口43aから計量回転体44の粉体収容室44bに供給された粉体Pが定量供給されるケーシング43内の位置に設けられ、排出口43bから作用する負圧吸引力によって、供給口43aよりも低圧に維持される。すなわち、排出口43bは、分散混合ポンプYの一次側に接続されることによって、負圧吸引力が膨張室47に作用し排出口43bよりも低圧状態に維持されるようにしている。計量回転体44の回転に伴って、各粉体収容室44bの状態が負圧状態と当該負圧状態よりも高圧の状態に変化するように構成されている。
図1に示すように、溶媒供給部50は、貯留混合タンク51に貯留された溶媒Rを、設定流量で分散混合ポンプYの第1の供給部11に連続的に供給するように構成されている。
具体的には、溶媒供給部50は、溶媒供給管51Rを介して供給される溶媒Rを貯留し、送出する貯留混合タンク51と、貯留混合タンク51から溶媒Rが送出される送出ポンプ52Pを介在させた供給管52と、貯留混合タンク51から供給管52に送出される溶媒Rの流量を設定流量に調整する流量調整バルブ(図示せず)と、設定流量に調整された溶媒Rを定量供給部40から定量供給される粉体Pに混合して第1の供給部11に供給するミキシング機構60とを備えて構成されている。
ここで、貯留混合タンク51は、後述するように、排出路22から粉体Pが分散、混合した状態のスラリーFが、スラリーFに含まれる気泡と共に、導入されるように構成されている。
このため、貯留混合タンク51には、撹拌機構51Kを配設するとともに、空気(気体)Gの放出管51G及び製造されたスラリーFの排出路53を接続するようにする。
このミキシング部材61は、円筒状の第1の供給部11よりも小径に構成されて、第1の供給部11との間に環状のスリット63を形成すべく第1の供給部11に挿入状態で配設される筒状部62及び環状のスリット63に全周に亘って連通する状態で第1の供給部11の外周部に環状流路64を形成する環状流路形成部65を備えて構成されている。
ミキシング部材61には、粉体排出管45が筒状部62に連通する状態で接続されるとともに、供給管52が環状流路64に対して溶媒Rを接線方向に供給するように接続される。
粉体排出管45、ミキシング部材61の筒状部62及び第1の供給部11は、それらの軸心A2を供給方向が下向きとなる傾斜姿勢(水平面(図1の左右方向)に対する角度が45度程度)となるように傾斜させて配置されている。
したがって、円筒状の第1の供給部11により、粉体Pと溶媒Rとが均等に予備混合され、その予備混合物Fpが分散混合ポンプYの第1の導入室13内に吸引導入される。
図1及び図4〜図8に基づいて、分散混合ポンプYについて説明する。
図4に示すように、分散混合ポンプYは、両端開口が前壁部2と後壁部3とで閉じられた円筒状の外周壁部4を備えたケーシング1を備え、そのケーシング1の内部に同心状で回転駆動自在に設けられたロータ5と、そのケーシング1の内部に同心状で前壁部2に固定配設された円筒状のステータ7と、ロータ5を回転駆動するポンプ駆動モータM3等を備えて構成されている。
円筒状のステータ7には、絞り流路となる複数の透孔7a、7bが周方向に夫々並べて備えられ、そのステータ7が、ロータ5の前方側(図4の左側)で、かつ、回転翼6の径方向の内側に位置させて前壁部2に固定配設されて、そのステータ7とケーシング1の外周壁部4との間に、排出室を兼ねた、回転翼6が周回する環状の翼室8が形成されている。
図4及び図6に示すように、ケーシング1の前壁部2の内面に環状溝10が形成され、環状溝10と連通する状態で第1の供給部11が設けられている。
図4及び図5に示すように、粉体Pと溶媒Rとが混合されて生成されたスラリーFを吐出する円筒状の吐出部12が、ケーシング1の円筒状の外周壁部4の周方向における1箇所に、その外周壁部4の接線方向に延びて翼室8に連通する状態で設けられている。
また、図4〜図6に示すように、ステータ7の内周側を前壁部2側の第1の導入室13とロータ5側の第2の導入室14とに区画する仕切板15が、ロータ5の前方側に当該ロータ5と一体回転する状態で設けられるとともに、仕切板15の前壁部2側に掻出翼9が設けられている。掻出翼9は、同心状に、周方向において均等間隔で複数(図6では、4つ)備えられ、各掻出翼9がその先端部9Tを環状溝10内に進入した状態でロータ5と一体的に周回可能に配設されている。
具体的には、第1の導入室13と翼室8とは、ステータ7における第1の導入室13に臨む部分に周方向に等間隔で配設された複数の第1の導入室13側の透孔7aにて連通され、第2の導入室14と翼室8とは、ステータ7における第2の導入室14に臨む部分に周方向に等間隔で配設された複数の第2の導入室14側の透孔7bにて連通されている。
図4に示すように、ロータ5は、その前面が概ね円錐台状に膨出する形状に構成されるとともに、その外周側に、複数の回転翼6が前方に突出する状態で等間隔に並べて設けられている。なお、図5では、周方向に等間隔に10個の回転翼6が配設されている。また、この回転翼6は、内周側から外周側に向かうに連れて、回転方向後方に傾斜するようにロータ5の外周側から内周側に突出形成されており、回転翼6の先端部の内径は、ステータ7の外径よりも若干大径に形成されている。
このロータ5が、ケーシング1内においてケーシング1と同心状に位置する状態で、後壁部3を貫通してケーシング1内に挿入されたポンプ駆動モータM3の駆動軸19に連結されて、そのポンプ駆動モータM3により回転駆動される。
そして、ロータ5が、その軸心方向視(図5に示すような図4のV−V方向視)において回転翼6の先端部が前側となる向きに回転駆動されることにより、回転翼6の回転方向の後側となる面(背面)6aには、いわゆるキャビテーション(局所沸騰)が発生するように構成されている。
そして、図4及び図5に示すように、この仕切板15が、頂部の筒状摺接部15aがケーシング1の前壁部2側を向く姿勢で、周方向に等間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では、4箇所)に配設された間隔保持部材20を介して、ロータ5の前面の取付部5aに取り付けられる。
掻出翼9は、仕切板15に固定される基端部9B、第1の導入室13に露呈する状態となる中間部9M、環状溝10に嵌め込まれる(すなわち、進入する)状態となる先端部9Tを基端から先端に向けて一連に備えた棒状に構成されている。
図5、図6、図7(a)及び(b)に示すように、掻出翼9の中間部9Mは、横断面形状が概ね三角形状になる概ね三角柱状に構成されている(特に、図5参照)。そして、掻出翼9が上述の如き傾斜姿勢で設けられることにより、三角柱状の中間部9Mの三側面のうちのロータ5の回転方向前側を向く一側面9m(以下、「放散面」と記載する場合がある。)は、ロータ5の回転方向前側に向けて傾斜する前下がり状で、しかも、ロータ5の径方向に対して径方向外方側に向く(以下、「斜め外向き」と記載する場合がある。)ように構成されている(特に、図6、図7参照)。
また、四角柱状の先端部9Tの四側面のうちの、ロータ5の回転方向前側を向く掻き出し面9fは、ロータ5の回転方向前側に向けて傾斜する前下がり状で、しかも、ロータ5の径方向に対して径方向外方側に向く(以下、「斜め外向き」と記載する場合がある。)になるように構成されている。
これにより、掻出翼9の先端部9Tにより環状溝10から掻き出された予備混合物Fpは、掻出翼9の先端部9Tの掻き出し面9fにより、ロータ5の径方向外方側に向けて第1の導入室13内に放出されることになる。
さらに、掻出翼9の先端部9Tの先端面9tは、その先端部9Tが環状溝10に嵌め込まれた状態で環状溝10の底面と平行になるように構成されている。
これにより、ロータ5の膨出状の前面と仕切板15の後面との間に、ケーシング1の前壁部2側ほど小径となる先細り状の第2の導入室14が形成され、第2の供給部17が仕切板15の筒状摺接部15aを介して第2の導入室14に連通するように構成されている。
また、ケーシング1の前壁部2と仕切板15の前面との間に、第1の供給部11に連通する環状の第1の導入室13が形成される。
再循環機構部(分離部の一例)70は、円筒状容器71内において比重によって溶解液を分離するように構成され、図1に示すように、分散混合ポンプYの吐出部12から吐出路18を通して供給されるスラリーFから、完全に分散、混合していない粉体Pを含む可能性がある状態の未分散スラリーFrを循環流路16に、粉体Pがほぼ完全に分散、混合した状態のスラリーFを、スラリーFに含まれる気泡と共に、排出路22にそれぞれ分離するように構成されている。吐出路18及び循環流路16は、夫々、円筒状容器71の下部に接続され、排出路22は、円筒状容器71の上部に形成された排出部73から貯留混合タンク51に接続される。
ここで、再循環機構部70は、図8に示すように、吐出路18が接続される導入パイプ72を円筒状容器71の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器71の上部に排出路22に接続される排出部73を備えるとともに、下部に循環流路16に接続される循環部74を備え、導入パイプ72の吐出上端に、導入パイプ72から吐出されるスラリーFの流れを旋回させる捻り板75を配設して構成されている。これにより、スラリーF内から溶媒Rの気泡を分離して、循環流路16に循環供給される未分散スラリーFrから溶媒Rの気泡を分離した状態で第2の導入室14内に供給することができる。
分散、混合装置100に備えられる制御部は、図示しないが、CPUや記憶部等を備えた公知の演算処理装置からなり、分散、混合装置100を構成する定量供給装置X、分散混合ポンプY、溶媒供給部50等の各機器の運転を制御可能に構成されている。
特に、制御部は、回転翼6の周速度(ロータ5の回転数)を制御可能に構成され、第1の導入室13及び第2の導入室14内の圧力が所定の負圧状態となるように、回転翼6の周速度(ロータ5の回転数)を設定し、当該設定された周速度(ロータ5の回転数)で回転翼6を回転することで、少なくとも、ステータ7の第1の導入室13側の透孔7a及び第2の導入室14側の透孔7bを通過した直後の翼室8内の領域を、翼室8内の全周に亘って連続して、溶媒Rの微細気泡(マイクロバブル)が多数発生した微細気泡領域(キャビテーション(局所沸騰)による気泡発生領域)として形成させることができるように構成されている。
次に、この分散、混合装置100の動作について説明する。
まず、定量供給装置Xを停止し、シャッタバルブ46を閉止して粉体排出管45を介する粉体Pの吸引を停止した状態で、溶媒供給部50の貯留混合タンク51から溶媒Rのみを供給しながらロータ5を回転させ、分散混合ポンプYの運転を開始する。所定の運転時間が経過して、分散混合ポンプY内が、負圧状態となると、シャッタバルブ46を開放する。これによって、定量供給装置Xの膨張室47を負圧状態とし、導入部41の内部及びホッパ31の下部開口部31b近傍を当該負圧状態と大気圧状態との間の圧力状態にする。
ミキシング機構60のミキシング部材61からは、粉体Pがミキシング部材61の筒状部62を通して第1の供給部11に供給されるとともに、溶媒Rが、環状のスリット63を通して切れ目のない中空円筒状の渦流の状態で第1の供給部11に供給され、第1の供給部11により、粉体Pと溶媒Rとが予備混合され、その予備混合物Fpが環状溝10に導入される。
これにより、図4及び図5において実線矢印にて示すように、第1の供給部11を流動して環状溝10に導入された予備混合物Fpは、環状溝10に嵌め込まれて周回する掻出翼9の先端部9Tにより掻き出され、その掻き出された予備混合物Fpは、概略的には、第1の導入室13内を仕切板15における漏斗状部15bの前面と環状平板部15cの前面とに沿いながらロータ5の回転方向に流動し、さらに、ステータ7の第1の導入室13側の透孔7aを通過して翼室8に流入し、その翼室8内をロータ5の回転方向に流動して、吐出部12から吐出される。
つまり、第1の導入室13内の予備混合物Fpに剪断力を作用させるとともに、局所沸騰を発生させることができるので、掻き出される予備混合物Fpは、掻出翼9及び第1の導入室13側の透孔7aから剪断作用を受けて混合されるとともに、掻出翼9の背面9aに発生するキャビテーション(局所沸騰)により、溶媒Rに対する粉体Pの分散がより良好に行われることとなる。よって、このような予備混合物Fpを供給することができ、翼室8内において溶媒Rに対する粉体Pの良好な分散を期待することができる。
これによって、翼室8内の全周に亘って、粉体Pの凝集物(いわゆるダマ)に浸透した溶媒Rが発泡することで当該凝集物の解砕が促進され、さらに、その発生した微細気泡が翼室8において加圧され消滅する際の衝撃力によりさらに粉体Pの分散が促進されることになり、結果、翼室8内の全周に存在するスラリーFのほぼ全体に亘って、溶媒R中での粉体Pの分散が良好な高品質のスラリーFを生成することができる。
これにより、粉体Pの非供給時に、シャッタバルブ46より上流側の粉体排出管45の内部が湿潤して、閉塞することを防止することができ、併せて、分散混合ポンプYの第1の供給部11から空気が吸引されることを防止することができる。
このとき、溶媒供給部50の貯留混合タンク51からは、溶媒Rと置き換わったスラリーFが供給される。
そして、この粉体Pの非供給時においては、第1の供給部11から空気が吸引されることがないため、分散混合ポンプY内、すなわち、第1の導入室13と第2の導入室14の真空度が高まるため(ここで、第1の導入室13と第2の導入室14とは、シャッタバルブ46を閉じた状態ではほぼ同圧となる。)、設定された周速度(ロータ5の回転数)で回転翼6を回転することで、少なくとも、ステータ7の第1の導入室13側の透孔7a及び第2の導入室14側の透孔7bを通過した直後の翼室8内の領域を、翼室8内の全周に亘って連続して、溶媒Rの微細気泡(マイクロバブル)が多数発生した微細気泡領域(キャビテーション(局所沸騰)による気泡発生領域)として形成させることができる。
ここで、前記負圧状態は、圧力計80により測定した第1の導入室13及び第2の導入室14内の圧力(本実施形態においては、第1の導入室13内の圧力(ここで、第1の導入室13と第2の導入室14とは、シャッタバルブ46を閉じた状態ではほぼ同圧となる。)。)をいう。
すなわち、負圧状態で発生するキャビテーションの気泡(キャビティー)が、ステータ7の第2の導入室14側の透孔7bを通過した直後に、翼室8内において高速回転する回転翼6によってさらに微細な気泡に粉砕されることによって、スラリーFは泡状となり、凝集状態の粉体P(ケイ素系材料など)は、解され、分散が促進される。
そして、泡状のスラリーFは、このように、翼室8内において高速で回転する回転翼6により剪断作用を受けて解砕されながら、遠心力によって翼室8の外周部へ移動し、吐出部12から吐出されるが、この間に、泡状のスラリーFが液状に戻る際に生じる衝撃によって、スラリーFに含まれる凝集状態の粉体P(ケイ素系材料)は、さらに分散が促進され、粉体P(ケイ素系材料など)が1次粒子になるまで分散された高品質のスラリーFを生成することができる。
分散、混合装置100による分散、混合条件は、周速度25m/s、循環時間10分、減圧度−0.06〜0.08MPa、温度25℃とした。
同様の配合で、通常の撹拌ミキサ(自公転ミキサ)を用いて分散、混合を行い、スラリーの生成を行った。
撹拌ミキサ(自公転ミキサ)による分散、混合条件は、2000rpm、撹拌時間30分とした。
・集電体:Niめっき鋼箔又はSUS箔
・熱処理:真空雰囲気(300℃、1時間以上)
・スラリー:活物質としてのリン酸鉄リチウム(LFP)89重量%(固形分比。以下同じ。)、導電助剤としての活性炭素繊維(ACF)1.5重量%、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)3重量%及び気相成長炭素繊維(VGCF)1.5重量%並びにバインダ成分としてのアクリル系バインダ5重量%を用い、スラリーの生成を行った。
・集電体:アルミニウム箔
・試験極:リチウム金属(CR2032型コインセル)
・電解液:LiPF6(エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)=50:50容量%、ビニレンカーボネート(VC)1重量%含有)
・セパレータ:ガラス不織布
・充電:放電=CC 0.2C:CC 0.2C
なお、ポリイミドの添加量が少ないと、微細孔の影響が大きくなり、ケイ素系材料の表面の拘束力が低下するため、充放電を繰り返すと電極構造に歪みが生じ、サイクル寿命が低下する。
多量(例えば、固形分比で18重量%)のポリイミドを添加してキャビテーションを生じさせる分散、混合装置を用いて分散、混合を行った場合、図10(b)に示すように、生成したスラリーの分散、混合が完全で、スラリーに気泡が含有されない。このため、スラリーを集電体上に塗工、乾燥(硬化)させることによってケイ素系材料の表面をポリイミドでコーティングするようにしたとき、ポリイミドのコーティング層(厚膜)にイオンの脱入経路ができず、電池特性が得られない。
少量(例えば、固形分比で10重量%)のポリイミドを添加してキャビテーションを生じさせる分散、混合装置を用いて分散、混合を行った場合、図10(c)に示すように、生成したスラリーの分散、混合が完全で、スラリーに気泡が含有されない。このため、スラリーを集電体上に塗工、乾燥(硬化)させることによってケイ素系材料の表面をポリイミドでコーティングするようにしたとき、ポリイミドのコーティング層(薄膜)にイオンの脱入経路ができ、電池特性が得られるとともに、ポリイミドの添加量が少なくても、微細孔の影響を受けないため、ケイ素系材料の表面の拘束力が低下することがなく、充放電を繰り返しても電極構造に歪みが生じず、サイクル寿命が低下することがない。
5 ロータ
6 回転翼
6a 背面部
7 ステータ
7a 絞り流路(透孔)
7b 絞り流路(透孔)
8 翼室(排出室)
9 掻出翼
10 環状溝
11 第1の供給部
12 吐出部
13 第1の導入室
14 第2の導入室
14a 絞り部
15 仕切板
16 循環流路
16P 循環ポンプ
17 第2の供給部
22 排出路
50 溶媒供給部
51 貯留混合タンク
52 供給管
52P 送出ポンプ
60 ミキシング機構(供給機構部)
70 再循環機構部
71 円筒状容器(分離部)
80 圧力計
100 分散、混合装置
Y 分散混合ポンプ
F スラリー
Fp 予備混合物
Fr 未分散スラリー
P 粉体(固形分)
R 溶媒(液相分散媒)
G 空気(気体)
Claims (7)
- ケイ素系材料を含んだ非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法であって、ケイ素系材料を含み、バインダ成分としての熱硬化性樹脂を固形分比で4〜12重量%含有する非水電解質二次電池の負極用材料に対して、キャビテーションを生じさせる分散、混合装置を用いて分散、混合を行うことを特微とする非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法。
- 熱硬化性樹脂が、ポリイミドからなることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法。
- ケイ素系材料を含んだ非水電解質二次電池の負極用スラリーであって、ケイ素系材料を含み、バインダ成分としての熱硬化性樹脂を固形分比で4〜12重量%含有してなることを特徴とする非水電解質二次電池の負極用スラリー。
- 熱硬化性樹脂が、ポリイミドからなることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質二次電池の負極用スラリー。
- 請求項3又は4に記載の非水電解質二次電池の負極用スラリーを用いてなることを特徴とする非水電解質二次電池の負極。
- 請求項5に記載の非水電解質二次電池の負極を備えてなる非水電解質二次電池。
- 請求項6に記載の非水電解質二次電池を用いた電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016027115A JP6744569B2 (ja) | 2016-02-16 | 2016-02-16 | 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016027115A JP6744569B2 (ja) | 2016-02-16 | 2016-02-16 | 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017147081A true JP2017147081A (ja) | 2017-08-24 |
JP2017147081A5 JP2017147081A5 (ja) | 2019-03-28 |
JP6744569B2 JP6744569B2 (ja) | 2020-08-19 |
Family
ID=59683072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016027115A Active JP6744569B2 (ja) | 2016-02-16 | 2016-02-16 | 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6744569B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117101463A (zh) * | 2023-10-20 | 2023-11-24 | 博鼎精工智能科技(山东)有限公司 | 一种电化学储能的电解液混合设备 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281017A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Izumi Food Machinery Co Ltd | 粉体混合ポンプ |
JP2014103019A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-06-05 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 蓄電デバイス用負極材、蓄電デバイス用電極および蓄電デバイスならびにそれらの製造方法 |
JP2015035344A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-19 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | カーボンを含有したペーストの製造方法 |
-
2016
- 2016-02-16 JP JP2016027115A patent/JP6744569B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281017A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Izumi Food Machinery Co Ltd | 粉体混合ポンプ |
JP2014103019A (ja) * | 2012-11-21 | 2014-06-05 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 蓄電デバイス用負極材、蓄電デバイス用電極および蓄電デバイスならびにそれらの製造方法 |
JP2015035344A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-19 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | カーボンを含有したペーストの製造方法 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
川久保舞子 ほか, 第56回電池討論会 講演要旨集, JPN7019003889, 2015, pages 325, ISSN: 0004167062 * |
浅見圭一, 工業材料, vol. 63(12), JPN7019003888, 2015, pages 73 - 75, ISSN: 0004167061 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117101463A (zh) * | 2023-10-20 | 2023-11-24 | 博鼎精工智能科技(山东)有限公司 | 一种电化学储能的电解液混合设备 |
CN117101463B (zh) * | 2023-10-20 | 2024-01-02 | 博鼎精工智能科技(山东)有限公司 | 一种电化学储能的电解液混合设备 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6744569B2 (ja) | 2020-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6245625B1 (ja) | 非水電解質二次電池の正極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の正極用スラリー | |
JP2015037009A (ja) | カーボンを含有したスラリーの製造に用いる分散混合ポンプを備えた分散混合システム | |
KR102507484B1 (ko) | 슬러리제조장치, 및 슬러리제조장치의 운전방법 | |
JP6610851B2 (ja) | カーボンを含有したペーストの製造方法 | |
JP2021003703A (ja) | スラリーの製造に用いる分散混合ポンプを備えた分散混合システム | |
JP2017100117A5 (ja) | ||
US11433364B2 (en) | Slurry production apparatus | |
JP2017147081A (ja) | 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー | |
JP2017147081A5 (ja) | ||
WO2018211610A1 (ja) | 非水電解質二次電池の負極用スラリーの製造方法及び非水電解質二次電池の負極用スラリー | |
JP6864698B2 (ja) | 非水電解質二次電池の正極用スラリーの製造方法及びその装置 | |
JP2006236658A (ja) | 非水電解液二次電池用電極の製造方法及び非水電解液二次電池 | |
JP6973223B2 (ja) | 活物質合材の製造方法 | |
US11978882B2 (en) | Method and apparatus for manufacturing active material mixture | |
TWI741232B (zh) | 非水電解質二次電池的正極用漿料之製造方法及其裝置 | |
JP2017202431A (ja) | 分散混合装置及びその運転方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190213 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190213 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191204 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200330 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200708 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200714 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6744569 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |