JP2017146202A - モアレ法による高速変位・ひずみ分布測定方法及び測定装置 - Google Patents

モアレ法による高速変位・ひずみ分布測定方法及び測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】走査モアレ法やサンプリングモアレ法は静的な状態での変位ひずみ分布計測では多くの利点を有するが、動的な変位ひずみ分布計測をする場合、走査型レーザ顕微鏡を使用すると高分解能な画像を得るのに時間がかかり、あるいは面内変形の測定では試料ステージまたは顕微鏡の走査線を90°回転する必要があり、その間の試料の変形の影響を受けると言う問題があって、迅速かつ正確に構造材料の二次元の変位ひずみ分布を測定できなかった。【解決手段】走査線数を少なくして、変位とひずみの測定感度を低下させることなく、より高速にモアレ画像を取得した。また交差格子を試料格子に用いて、xとyの2方向の走査点間隔を適宜配置して、試料の回転をしないで取得した一枚のモアレ縞画像から両方向の一次元走査モアレ縞に分離し、高速モアレ法と組み合わせて迅速かつ正確に構造材料の二次元の変位ひずみ分布を測定できるようになった。【選択図】図1

Description

本発明は、モアレ法による高速かつ高精度で構造材料の二次元変位ひずみ分布を測定に関し、主に実験力学や非破壊検査の光学測定技術の分野に属する。
構造材料の変位ひずみ分布を測定する技術は、ナノマイクロ材料の機械的特性評価から大型インフラ構造物の健全性評価まで幅広く利用されている。
これまでに走査モアレ縞を利用したマイクロ/ナノスケールでの変位ひずみ計測では、レーザ走査顕微鏡(Laser Scanning Microscope: LSM)(非特許文献1)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)(特許文献1)、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope: AFM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope: TEM)などが用いられてきた。
またミリ/メートリスケールでの変位ひずみ計測では、電荷結合素子(Charge-couple Device: CCD)、相補性金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor: CMOS)などのイメージセンサを利用したサンプリングモアレ法が用いられている(特許文献2)。
これらの手法では、構造材料表面に自然に存在するまたは人工的に付けた繰り返し模様を、各種走査型顕微鏡(例えば、LSM、SEM、AFM、TEM等)を用いた走査モアレ法では模様ピッチと近い間隔で走査(スキャニング)、または各種イメージセンサ(例えば、CCD、CMOS等)を用いたサンプリングモアレ法では画像処理で撮影画像上での模様ピッチと近い画素間隔で間引き処理(ダウンサンウリング)して得られるモアレ縞の変化から定量的に構造材料表面の変位ひずみ分布を評価できる。
特許第5152615号公報(微小な規則的パターンの配列の乱れ検出測定方法) 特許第4831703号公報(物体の変位測定方法)
Q.H. Wang, T. Hiroshi, S. Kishimoto, Y. Tanaka, and Y. Kagawa, Moire techniques based on memory function of laser scanning microscope for deformation measurement at micron/submicron scales, International Journal of Automation Technology, Vol.9, No.5, pp.494-501(2015).
従来の走査モアレ法やサンプリングモアレ法は静的な状態での変位ひずみ分布計測では多くの利点を有するが、動的な変位ひずみ分布計測の際に以下のようにいくつかの問題点が挙げられる。
1.走査モアレ法では、レーザ光源を走査して画像を取得するため、高分解能な画像を得るのに時間がかかる。
モアレ画像取得に時間がかかると、変位ひずみ分布評価に必要なモアレパターンが試料クリープの影響を受けやすく、測定誤差が発生しやすい。
2.明確なモアレ縞が生成するためには、走査間隔に近いピッチがある試料格子のみを使用することができるので、使用可能な試料格子の範囲が狭い。
特に、一般的にレーザ走査型顕微鏡(LSM)装置で用いられる対物レンズの倍率は通常5×、10×、20×、50×、100×、150×といった具合に不連続であり、LSMモアレ法を様々なアプリケーションへ応用する際の障害となる。
3.材料性能評価のために不可欠であり、x方向及びy方向の両方の面内変形の測定には、従来の走査モアレ法で、試料ステージまたは顕微鏡の走査線を90°回転する必要がある。
回転前後のモアレ縞を得るために、顕微鏡は二回で走査する必要がある。
回転プロセスや二回走査が不便であり、試料の位置誤差をもたらすことになる。
この場合、時間依存現象を捉えるための動的変形測定を適用することは困難である。
上述の問題を踏まえて、迅速かつ正確に構造材料の二次元の変位ひずみ分布を測定する方法が求められる。
また、実用上では使用可能な試料格子ピッチの範囲を拡大できる手法が望まれている。
図1に、公知のモアレ法と、そのモアレ法を応用した、迅速かつ正確に構造材料の二次元変位ひずみ分布を実現するための本発明の三つの新変形測定方法を提案する。
第1の方法は、図1(b)右上に示す高速走査モアレ法であり、第2の方法は図1(c)左下に示す二次元走査モアレ法であり、第三の方法は図1(d)右下に示した高速二次元走査モアレ法である。
なお、ここでは、走査モアレは回転ミラーなどで機械的にレーザ光源等を走査して得られる各走査点での輝度情報を取得するのに対して、サンプリングモアレ法はCCD面に配置された二次元画素配列を飛び飛び(間引き)の画素での明るさ情報をサンプリング点として取り出しているという点では異なるものの、離散的にサンプリング点での輝度情報を取得している点は本質的に同じである。
よって本説明で走査モアレ法と言う時には、図面を含めて、走査モアレ法とサンプリングモアレ法に共通な特徴が含まれるものとする。
これらの手法によって、変位ひずみ分布を評価するうえで必要となるモアレ画像の取得速度の向上と二次元の変形測定精度の向上が同時に達成することができる。
1.高速走査モアレ法
高速縞走査とは従前の変形計測の縞走査方法に要する時間よりも走査時間の短縮を意味する。
より詳しくは従前の半分以下の走査線数で同等の精度の変形計測ができる。
最初に、試料表面上に規則格子を作製する。
その後、試料台上に設置した試料をレーザ走査型顕微鏡(LSM)や走査型電子顕微鏡(SEM)または原子間力顕微鏡(AFM)などの走査型顕微鏡より観察する。
次に、走査線の間隔を、試料格子ピッチの整数(≧2)倍に近くなるように調整する。
走査線(試料格子ピッチの整数倍)と試料格子間の干渉から、高速走査モアレパターンが生成することができる(図2)。
この場合、従来の走査モアレ法に比べて走査線数が少ないため、より高速でモアレ画像を取得できる。
最後に、高速走査モアレ法より得られるモアレ縞画像から、全視野で試料の変位とひずみ分布を測定することができる。
1.1 高速走査モアレ縞の形成原理
初めに従前の走査モアレ縞の形成原理を紹介する。
従前のモアレ縞は試料の格子と走査線(参照格子)間の干渉から発生する。
試料格子のピッチと走査線の間隔がそれぞれy方向にpとT0として定義されている場合、試料格子と走査線の位相表現はそれぞれ2πy/p、2πy/T0と表せる。
y方向は走査線の方向に対して垂直である。
従前の走査モアレ縞が発生する理由は、走査線と試料の格子間の小さな不一致またはずれであり、T0はpに近接している。
1次モアレ縞の位相は次式で表現できる。
Figure 2017146202
ただしφhは高次周波数の位相(2πy/p、2πy/T0、2πy(1/p+1/T0))としφ0はその初期位相とする。
場合によっては、走査線間隔が試料格子ピッチに近接している条件を満足するのは容易でない。
この条件では、図2に示したように、走査線間隔が試料格子ピッチの整数倍に近接していれば、すなわちT(n)がnp(nは正の整数で2以上)に近接していれば、高速走査モアレ縞が現われる。
高速走査は走査解像度を落として走査線間隔を大きく走査する事で実現される。
高速走査線間隔は次の式で定義される。
Figure 2017146202
ただしT0は試料格子ピッチに近接した基本走査線間隔とする。
そうすると高速走査モアレ縞は次式で表される。
Figure 2017146202
ただしφh (n)は高次周波数の位相であって(2πy/p、2πy/T0、2πy(1/p+1/T0)、2πy(1/p−1/T0を含む)、φ0(n)はその初期位相とする。
1.2 高速走査モアレ法の変形計測原理
モアレ縞はおおよそ周期的分布状態であるので高速走査モアレ縞のモアレ間隔は次式で表される。
Figure 2017146202
ただし、d(n)はy方向のモアレ間隔であり、φh(n)とφ0(n)は高次周波数の位相と高速走査モアレ縞の初期位相とする。
数式(3)と(4)のモアレ位相の基本周波数要素を比較すれば、次式に示す試料格子ピッチと高速走査線間隔と高速走査モアレ間隔の相関を得ることができる。
Figure 2017146202
数式(2)を数式(5)に代入するとモアレ間隔はnに依存せず一定であることがわかる。
よって次の2つの数式が得られる。
Figure 2017146202
Figure 2017146202
低走査線解像度のモアレ縞は基本走査線間隔の関数であり相対変位の等高線である。
モアレ縞次数をmとして、基本走査線に関してy方向におけるモアレ縞の変位は次式で表される。
Figure 2017146202
0間隔の基本走査線に相対的なピッチpの試料格子のひずみはy方向の相対変位の一次微分から得ることができる。
Figure 2017146202
ただし方向変数yの漸増の半分はひずみを計算する場合において半微分ステップと呼ぶ。
試料格子の実際のひずみは試料格子ピッチ(または基本走査間隔)の変形前後の幾何学的関係から得られる。
実際のひずみは次式によって与えられる。
Figure 2017146202
ただし、p0はy方向における変形前の試料格子ピッチとする。
1.3 高速走査モアレ法による変形計測感度
高速走査モアレ法ではT0間隔の基本走査線に相対的なピッチpの試料格子のひずみは式、ε(n)=(p−T0)/T0で表される。
この数式と数式(7)とを比較すれば、T(n)<npの場合には式、ε(n)=T0/(d−T0)で得られ、T(n)<npの場合には式、ε(n)=−T0/(d+T0)で得られる。
モアレ間隔は通常y方向には基本走査線間隔よりはるかに大きいことから相対ひずみは式、|ε(n)|≒T0/d=T(n)/(nd)で簡素化される。
次に提案法の変形計測精度について理論的に述べる。
数式(8)から提案法の変位感度は縞模様につきT(n)/nであり、従来の走査モアレ法の縞模様あたりの変位感度と同じである。
ひずみ感度は測定可能な最小のひずみ、すなわち全視野で2個のモアレ縞のみ観測される場合のひずみ、d=N(n)T(n)と定義される。ただしN(n)は走査線数とする。
簡素化された相対ひずみ式に代入すれば高速モアレ法のひずみ感度は式、T(n)/[n N(n)T(n)]=1/[n N(n)]となる。
0がpに近接している場合の基本走査線数をN0とすれば全視野ではd=N00となるので、ひずみ感度は、T(n)/[nN00]=1/N0となって、結局従来のモアレ法の感度と同じになることがわかる。
言い換えれば提案法の変位とひずみ計測感度は従来の走査モアレ法と同等である。
公知の位相シフト法と組み合わせることにより変形計測精度を改善する事ができる。
本発明で得られる高速走査モアレ縞は、従来の走査モアレ縞と同じモアレ間隔を有している。
よって高速走査モアレ法は、変位とひずみの測定感度を低下させることなく、高い速度でモアレ画像を取得できることから、従来の走査モアレ法より、試料のクリープを受けにくい。
また変形計測のためにより多くのピッチの試料格子に適用することができる。
2.二次元走査モアレ法
二次元走査モアレ法は、単一の二次元走査モアレ画像から、二方向の変形が同時に測定できることを示している。
最初に、試料表面上に規則的な交差格子を作製する。その後で、試料を走査型顕微鏡の試料台上に載置する。
次に、走査顕微鏡の走査線は多くの走査点で構成しているので、垂直方向と水平方向共に走査点の間隔が等しく、かつ、試料格子ピッチに近接するように走査解像度を調整する。
走査点と交差格子間との干渉から、二次元走査モアレ縞が生成する(図3)。
最後に、二次元走査モアレ法により、全視野で試料の二方向の変位とひずみ分布を同時に測定することができる。
2.1 二次元走査モアレ縞の生成原理
走査顕微鏡の走査プロセスでは並行走査線が知られている。
実際のところ、図3に示すように、走査型顕微鏡では走査線は多くの走査点から構成されている。
試料格子が交差格子である場合、交差格子と走査点との干渉により二次元走査モアレ縞が発生する。x方向の走査点間隔(Tx)とy方向の走査点間隔(Ty)は等しいからTx=Ty=T0となる。
2.2 二次元走査モアレ法による変形計測原理
図4に示すように、二次元走査モアレ縞は2つの従来の一次元走査モアレ縞を二方向に合成したものと考えてよい。
フーリエ変換と逆フーリエ変換を用いて図4に示すように二次元走査モアレ縞をx方向とy方向の一次元走査モアレ縞に分離することができる。
交差格子の二方向における走査点に相対的な変位は次式で表すことができる。
Figure 2017146202
ただし、図4に示すように、モアレ縞次数をm、x方向とy方向における指数(図の左上を基点とする)を、走査点間隔をTとする。
走査点に対する試料格子のひずみ、すなわち、二方向の相対ひずみは、それぞれ、二方向での相対変位の一次微分から得ることができる。
Figure 2017146202
ただし、方向変数iの漸増の半分はひずみを計算する場合において半微分ステップと呼ぶ。
試料格子の実際のひずみは、変形前後の試料格子ピッチや走査点間隔との幾何学的関係(関数)から求めることができる。
試料格子の実際の二方向ひずみは次式による。
Figure 2017146202
ただし変形前のx方向またはy方向の試料格子ピッチをpi_0とする。
相対ひずみが最初に計測されるのは試料格子を観測することなく走査モアレが低倍率で記録されるので全視野が顕著に拡大できることによる。
より小さな格子を用いれば、より高精細な変位・ひずみ分布が得られる。
せん断ひずみは次式により求められるεxy=∂ux/∂y+∂uy/∂x。試料の実際のせん断ひずみは走査点に対する相対せん断ひずみとなる。
本発明は主にx方向とy方向の通常ひずみの測定に焦点をあてている。
二次元走査モアレ縞を用いて二方向での変形を測定するために、例えば、フーリエ変換または各種ローパスフィルタの画像処理を使用して、二方向に2つの一次元モアレ縞に分離することができる。
二次元走査モアレ法は、試料や走査方向を回転させることなく、単一の二次元モアレ縞を使用して、二次元の変位とひずみ分布を測定することができる。
従って、この方法は、二次元変形計測のために、簡単な操作、節約の時間、および高精度の利点を有する。
3.高速二次元走査モアレ法
高速二次元走査モアレ法は、高速走査モアレ法と二次元走査モアレ法を融合する方法である。最初に、試料表面上に規則的な交差格子を作製する。
その後で、試料を走査型顕微鏡の試料台上に載置する。
次に、走査解像度を垂直方向の走査点の間隔が試料格子ピッチの整数(≧2)倍数に近くに、水平方向の走査点の間隔が試料格子ピッチの整数(≧1)倍数に近くなるように調整する。
高速走査点と試料交差格子間の干渉は、高速二次元走査モアレ縞を生成する。
最後に、高速二次元走査モアレ法による、全視野で試料の二方向の変位とひずみ分布を同時に迅速に測定することができる。
図5は変形計測における高速二次元走査モアレ縞とモアレ像処理の生成原理を表している。
高速二次元走査モアレ縞は高速走査点と交差格子間の干渉で生成する。
y方向の走査点間隔は基本走査点間隔の2倍以上、かつ、x方向の間隔は基本走査点間隔と等しいまたはその倍数、Ti(ni)=ni0、ny≧2, nx≧1,である。
ただしT0は試料格子ピッチに近接する基本走査点間隔とし、iはx方向またはy方向とする。
基本走査点に相対する二方向の試料格子変位は次式で表される。
Figure 2017146202
ただし、図5に示すように、i方向におけるモアレ縞次数をmi、走査点間隔をTとする。
走査点に対する試料格子のひずみ、すなわち、二方向の相対ひずみは、それぞれ、二方向での相対変位の一次微分から得ることができる。
Figure 2017146202
試料格子の実際のひずみは、変形前後の試料格子ピッチや走査点間隔との幾何学的関係(関数)から求めることができる。
試料格子の実際の二方向ひずみは次式による。
Figure 2017146202
高速二次元走査モアレ縞が高速で記録され、二次元走査モアレ縞のような二方向において同じモアレ間隔を有する。
高速二次元走査モアレ法は、高速走査モアレ法と二次元走査モアレ法の両方の利点を有している。
図6に、本発明で述べたこれらの走査モアレ法による変位ひずみ分布の解析フローチャートを示す。
解析手順は3つの走査モアレ法に共通であり、(ステップ1)まず試料表面に格子を作製し、(ステップ2)いずれかのモアレ画像を取得する。
(ステップ3)次に二次元のモアレ縞が含まれる場合は、(ステップ4)二次元走査モアレ縞をx方向とy方向の一次元走査モアレ縞に分離する前処理を行ってから、(ステップ5)適宜一次元または二次元の変位解析処理を行い、最後にひずみ解析処理を行う(ステップ6)。
図7にレーザ顕微鏡を用いて金属材料の引張試験の実験装置の一例を示す。
これらの方法は、様々な材料や構造の広視野や全視野での非破壊ミクロン/ナノスケールの変形を測定することができる。
4.CCDカメラ又はCMOSカメラへの拡張
本発明で述べたこれらの走査モアレ法は、走査線または走査点から、デジタル格子または、電荷結合素子(CCD)カメラ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラの画素に変更することにより、ミリメートル/メートルスケールの変形を測定するために拡張することができる。
図8に示す提案した高速CCD又はCMOSカメラを使用して、高速サンプリングモアレ法よりミリメートル/メートルスケールの変形を迅速に測定することができる。
本発明は迅速に正確に簡単に全視野での二次元変位ひずみ分布を測定でき、以下の効果を有する。
効果1:高速走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法で、モアレ画像取得速度が高く、使用可能な試料格子ピッチの範囲が広い。
高速変形測定は、計測感度を低下させることなく、変位ひずみ分布を計測できる。
試料クリープの影響を受けにくく、動的測定に適している。
効果2:二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法で、二次元変形測定精度は高い。
試料または走査方向の回転動作および2回の走査を必要としないため、回転による誤差がなく、二方向の変形を同時に測定することができる。
また実験操作は簡単で、簡易に動的計測に利用できる。
効果3:開発したこれらの3つの走査モアレ法で、広視野での変位とひずみ分布を非破壊かつ定量的に測定することができる。
格子そのものを観察するではなく、拡大現象であるモアレ縞から変位ひずみ分布を評価しているため、試料格子ピッチの千倍以上の視野を観察できる。
提案した3つの変形測定方法(高速、二次元、高速二次元走査モアレ法/サンプリングモアレ法)の説明図である。 (a)従来の走査/サンプリングモアレ縞、及び(b)高速走査/サンプリングモアレ縞の形成原理を表す図である。 二次元走査/サンプリングモアレ縞の生成原理を表す図である。 二次元走査/サンプリングモアレ縞と二方向に2つの一次元モアレ縞の関係を表す図である。 高速二次元走査/サンプリングモアレ縞の生成原理、および二方向に2つの一次元モアレ縞との関係を表す図である。 提案した変形測定方法のフローチャートである。 提案した変形測定方法の実験装置を撮影した写真である。 提案した高速CCD又はCMOSカメラ装置の概略図である。図8右上は高速一次元記録モード、図8右下は高速二次元記録モードを表す図である。 高速走査/サンプリングモアレ縞と従来の走査/サンプリングモアレ縞のシミュレーション結果を表す図である。 走査モアレ縞を生成するために使用する、シリコン上にナノインプリントリソグラフィによって作製したマイクロン交差格子を撮影した画像である。 レーザ走査型顕微鏡で撮影した、シリコン上に生成した高速走査モアレ縞及び従来の走査モアレ縞を比較する図である。 (a)従来の走査モアレ法から測定した、(b)高速走査モアレ法から測定した、基本的な走査線に対する相対変形の結果を表す図である。 従来の走査モアレ法と提案した高速走査モアレ法について測定した相対ひずみと測定した試料格子ピッチに関する比較検証図である。 レーザ走査型顕微鏡で撮影した、シリコン上に生成した二次元走査モアレ縞と高速二次元走査モアレ縞の画像である。 レーザ走査顕微鏡で撮影した二次元走査モアレ縞の処理前後の画像。(a)は図12(a)中の任意の正方形で標識した二次元走査モアレパターン。(b)と(c)は、各x方向とy方向における、二次元走査モアレパターンをフーリエ変換と逆フーリエ変換後でのモアレパターンである。 レーザ走査顕微鏡で撮影した高速二次元走査モアレ縞の処理前後の画像。(a)は図12(b)中の正方形で標識した高速二次元走査モアレパターン。(b)と(c)は、各x方向とy方向における、高速二次元走査モアレパターンをフーリエ変換と逆フーリエ変換後でのモアレパターンである。 (a)と(b)は、各提案した二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法について測定した相対ひずみと測定した試料格子ピッチに関する比較検証図である。 (a)と(b)と(c)は、それぞれ提案した高速走査、二次元走査、及び高速二次元走査モアレ法から、計算した試料格子ピッチの相対的な差に関する比較図である。
以下に実施例を示す。
1.シミュレーションと実験から高速走査モアレ縞の生成
本実施例では、本発明による高速走査モアレ縞の生成方法、及び従来の走査モアレ縞との関係を示す。
図9に走査モアレ法とサンプリングモアレ法に共通して、一次元のモアレ縞の生成に関するシミュレーション結果を示す。
図9は、異なる走査解像度または走査間隔でダウンサンプリングした場合に得られるモアレ縞を示している。
図9(a)は試料格子に相当する13画素のピッチを有する余弦型平行格子である。
これに対して、図9(b)に示すように基本的な走査線間隔T0を12画素として、格子試料とT0=12画素を有する走査格子の重ね合わせから、従来の走査モアレ縞を生成できる。
次に、図9(c)にT(1)=T0=12画素のサンプリング間隔(走査間隔に該当する)でのダウンサンプリングと輝度補間より得られるサンプリングモアレ縞は図9(b)と同様に従来のモアレ縞を生成することができる。
従って、以降はサンプリングモアレを試料格子と走査線の干渉より得られる重畳モアレと走査モアレの代わりに、異なる走査解像度の場合の比較として使用した。
図9(c)と同様にT(2)=24画素, T(3)=36画素, T(4)=48画素の異なるサンプリング間隔でダウンサンプリング(縦方向の間引き処理)と輝度補間の画像処理より得られるモアレ縞を、それぞれ図9(d)、図9(e)、図9(f)に示す。
この結果からnの値(n=1, 2, 3, 4)に依らず、生成されるモアレ縞のピッチ間隔は変わらないことを確認できる。
すなわち、走査線間隔T(n)は基本的な走査線間隔T0のn倍であれば、モアレ縞の間隔は変わらないことを意味する。
ただし、図9(a)〜図9(f)中に示すモアレ縞画像のグレースケールの範囲は−1から1まで同じであり、得られるモアレ縞画像のコントラストはnの増加に伴ってわずかに減少する。
しかし、シミュレーション及び実際の実験では、画像のヒストグラムを調整することで、モアレ縞画像のコントラストを高くすることができる。
本シミュレーション結果から、従来の走査モアレ法で得られるモアレ縞の間隔と、高速走査モアレ法で得られるモアレ縞の間隔が変わらないことを確認できる。
レーザ走査型顕微鏡での実験からも、高速走査モアレ縞と従来のモアレ縞の関係を示す観察結果が得られる。
図10にUVナノインプリントリソグラフィよりシリコンウェハ上に作製した0.79μmのピッチを有する交差格子を示す。
作製した試料格子を有するシリコンウェハを、次にレーザ走査型顕微鏡(レーザーテックハイブリッドL3-URW)の試料台上に載置した。
レーザ走査顕微鏡を用いた顕微鏡画像を撮影する際に、y方向に走査線数を1024、512及び256ラインに変更することができる。
20倍の倍率の対物レンズで、y方向に走査線数を512に設定した場合、走査線間隔は試料格子ピッチ(p=0.79μm)に近いT(1)=T0=0.726μmに相当する。
従って、試料格子ピッチ0.79μmと走査線間隔0.726μmの干渉から、図9(a)に示すように従来の走査モアレ縞画像を生成できる。
同じ対物レンズを用いて、走査線数を256ラインに設定したときに、走査線間隔はT(2)=2T0=1.452μmに該当する。
この場合、試料格子ピッチ0.79μmの倍である1.58μmと走査線間隔1.452μmの干渉から、図11(b)に示すように低解像度走査モアレ縞画像が得られる。
ここで図11(c)と図11(d)に正方形で囲んだ同じ領域での走査モアレ縞の拡大画像を示す。
図11(c)と図11(d)から、高速走査モアレ縞と従来の走査モアレ縞のピッチ間隔は同じであり、モアレ縞の輝度値分布もほぼ同じであることを確認できる。
このことから、高速走査モアレ縞を用いて従来の走査モアレ法と同様に材料の変位ひずみ分布を算出できることを示唆している。
2.高速走査モアレ法の変形測定と検証
この実施例では、従来の走査モアレ法と比較することで、本発明である第1手法の高速走査モアレ法の変形測定精度を確認する。
式(8)及び式(9)による、図11(c)と図11(d)にレーザ走査モアレ縞から、基本的な走査線(T0=0.726μm)に対して、格子試料の変形分布を算出した。
ここでは2つのモアレ縞の間の変位を、1方向の放物線補間(2次補間)法から得た。
半微分ステップの値が10である場合、図11(c)に示すT(1)=0.726 μmで得られたモアレ縞画像から算出した変位分布とひずみ分布をそれぞれ図12(a)と図12(b)にプロットした。
また図11(d)に示すT(2)=1.452μmで得られたモアレ縞画像から算出した変位分布とひずみ分布をそれぞれ図12(c)と図12(d)にプロットした。
基本的な走査線(T0=0.726μm)に対して、異なる半微分ステップにおける、図13(a)に示すT(1)=0.726μmから得られた平均ひずみ値は0.08992であり、T(2)=1.452μmから得られた平均ひずみ値は0.08981である。
従来の走査モアレ法(T(1)=T0=0.726 μm)の結果と比較すると、T(2)=1.452 μmのときの高速走査モアレ法からのひずみの相対差はわずか0.12%である。
これらの変位分布とひずみ分布間のわずかな差異は、主に画像撮影時に発生した振動と外部ノイズに起因するものと考えられる。
図13(b)に示すように、高速走査モアレ法と従来の走査モアレ法を用いて得られたひずみから算出した試料格子ピッチの差は0.2nm以下である。
これらの結果から、本発明である第1手法の高速走査モアレ法は高速でありながら、従来の走査モアレ法と同程度の計測精度で変位ひずみ分布を算出できることを実証し、本手法の有効性を示した。
3.二次元(以下、2Dとも言う)走査モアレ縞と高速2D走査モアレ縞の生成
この実施例では、レーザ走査型顕微鏡で二次元走査モアレ縞と高速二次元走査モアレ縞の生成結果を示している。
二次元走査モアレ縞を観察するためには、交差格子は試料格子になることが不可欠である。
先に実施例1と同様に、UVナノインプリントリソグラフィによって、シリコンウェハ上に0.79μmのピッチを有する交差格子(図10と同じ)を作製した。
このとき使用したナノインプリントのレジストはPAK01であった。
次に交差試料格子をレーザ走査型顕微鏡で観察した。
y方向の走査点数を512に設定した。
対物レンズの倍率は20倍であるときに、y方向の走査点間隔は試料格子ピッチ(T<P)より少し小さい0.726μmであった。
x方向の走査点間隔は、y方向の走査点の間隔に等しい。
試料格子の主方向の一方が水平方向とほぼ平行であったとき、試料格子とレーザ走査点の間の干渉から、図14(a)に示すような二次元レーザ走査モアレ縞を生成できる。
ここで同じく20倍率の対物レンズを用いて走査点数をy方向に256ラインに設定した場合、y方向の走査点間隔は試料格子ピッチの2倍に近い1.452μmであった。
x方向の走査点間隔はまだ0.726μmのままである。
この場合、走査速度は、従来の走査速度より2倍高い。
試料格子の主方向の一方が水平方向とほぼ平行であるとき、試料格子とレーザ高速走査点の間の干渉から、図14(b)に示すような高速二次元レーザ走査モアレ縞を得ることができる。
そのモアレ縞のピッチ間隔は従来の走査モアレ法と変わらない。
3.2D走査モアレ法と高速2D走査モアレ法の変形測定と検証
この実施例では、従来の走査モアレ法と比較して、本発明である第2手法の二次元走査モアレ法と、本発明である第3手法の高速二次元走査モアレ法の変形測定精度を確認する。
二次元走査モアレ法による相対変形を測定するため、図14(a)中の正方形領域を評価した。
図14(a)に示すように、二次元走査モアレ縞の評価領域の面積は217.7×217.7 μm2であった。
フーリエ変換と逆フーリエ変換の画像処理を用いて適切な周波数分離処理を施すことで、図15(a)の二次元モアレパターンをそれぞれ、x方向の一次元モアレ縞画像(図15(b))とy方向の一次元モアレ縞画像(図15(c))に分離することができる。
また図16(a)に、高速二次元走査モアレ法による相対変形を測定するため、図14(b)中の正方形領域を示す。
なお、図15(a)と図16(a)の領域は同じである。
フーリエ変換と逆フーリエ変換の画像処理を用いて適切な周波数分離処理を施すことで、図16(a)の二次元モアレパターンをそれぞれ、x方向の一次元モアレ縞画像(図16(b))とy方向の一次元モアレ縞画像(図16(c))に分離することができる。
式(11)によれば、x方向及びy方向の走査点に対して試料格子の変位が得られる。
式(12)を用いて、これら2つの方向の走査点に対して試料格子のひずみを算出できる。
図17に二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法より算出した相対ひずみの平均値を示す。
この2つのモアレ法から測定したx方向又はy方向の相対ひずみはほぼ同じであることがわかる。
x方向の相対ひずみは0.091であり、y方向の相対ひずみは0.090である。
両方が従来の走査モアレ法から得られたひずみ値である0.090とよく一致している。
二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法の変形測定精度も、算出した試料格子ピッチから検証することができる。
図17(b)に示すように、二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法から算出した試料格子ピッチがほぼ同じである。
ここで測定した試料格子ピッチは、x方向では0.792μmであり、y方向では0.791μmである。
x方向とy方向にピッチの差はわずか1nmのみであることから高精度な測定が実現できているといえる。
図18に、従来の走査モアレ法より測定した試料格子ピッチ0.7904μmに対して、二次元走査モアレ法と高速二次元走査モアレ法より測定した試料格子ピッチの相対差をプロットした。
図18に示すとおり、算出した試料格子ピッチの相対差はx方向では0.2%であり、y方向では0.05%である。
これらの結果から本発明である第2手法の二次元走査モアレ法、と本発明である第3手法の高速二次元走査モアレ法は、従来の走査モアレ法と同程度の計測精度で変位・ひずみ分布を算出できることを実証し、本手法の有効性を示した。
さらに、二次元走査モアレ法は、試料や走査方向を回転させることなく、単一の二次元モアレ縞を使用して、二次元の変位とひずみ分布を測定することができる。
高速二次元走査モアレ法は、高速と簡便な二次元変形測定の両方の利点を有する。
4.高速CCD又はCMOSカメラへの拡張
図8は提案した高速CCD又はCMOSカメラ装置の概略図である
図8右上は高速一次元モアレ縞画像記録モード、図8右下は高速二次元モアレ縞画像記録モードを表す図である。
CCD/CMOS検出装置(イメージセンサ)を用い、縦横に整列した基本撮像素子間隔の縦または横、または縦横の各整数倍の撮像素子列に記録し、記録された輝度情報を取り出して、実施例1乃至実施例4に示したように、モアレ縞画像処理すればよい。
また、全撮像素子に記録する公知の記録モードでは、測定物の表面に生成されたピッチPの規則格子または規則交差格子のイメージセンサにおけるピッチpに従って、実施例1乃至実施例4に示したように、基本撮像素子間隔の縦または横、または縦横の各整数倍の撮像素子列に記録し、記録された輝度情報を取り出してアレ縞画像処理すればよい。
こうすると、画像処理の高速化を図る事ができる。
また以上の実施例の画像処理は、パーソナルコンピュータにおいてプログラムを作成しておよび画像処理ツールを用いて行ったが、当該処理手段を備える走査型顕微鏡装置上で行ってもよいし、また、そのプログラム等を分割して走査型顕微鏡装置とパーソナルコンピュータで協同して行ってもよい。
本発明の画像の演算処理は、パーソナルコンピュータ上のC/C++プログラムにより実行して計測結果を求めたが、プログラムの種類は本発明を実施する計測実行環境により適宜変更することができる。
またプログラムは内蔵式、組み込み式(Imbedded)、読み込み式、あるいはダウンロード方式を問わない。
本発明である高速二次元走査モアレ法は、航空宇宙、自動車、電子パッケージ、バイオ医薬などの産業分野における材料の全視野変位ひずみ測定に有用である。
好適には、強化プラスチック、金属複合材料、セラミック複合材料、積層材料、フィルム/基板構造、パッケージ構造、などの金属、ポリマー、セラミック、半導体、複合材料及び構造を含む各種材料の変形を解析するのに適している。
特に以下の3つの材料評価に有効である。
1.亀裂発生、亀裂伝播および損傷挙動の評価
2.界面最適設計のための界面接合性能の評価
3.機械特性、残留応力および構造物の健全性評価
1 試料表面の格子
2,3,4,5 参照格子
6 走査線・サンプリング列
7 公知の走査モアレ縞・公知のサンプリングモアレ縞
8 高速走査線・高速サンプリング列
9 高速走査モアレ縞・高速サンプリングモアレ縞
10 走査点・サンプリング点
11 主方向がx方向の走査線・サンプリング列
12 主方向がy方向の走査線・サンプリング列
13 顕微鏡(走査型レーザ顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡など)
14 機械荷重(引張、圧縮、3点曲げ)
15 並進・回転荷重
16 熱負荷
17 電気負荷
18 CCD/CMOS検出装置(イメージセンサ)
19 対物レンズ
20 公知の記録モード
21 高速一次元モアレ縞記録モード
22 高速二次元モアレ縞記録モード

Claims (13)

  1. 縦横の走査点からなり基本走査線間隔T0の整数倍の間隔T(整数は1以上の自然数)に走査し得る走査線を有する走査型顕微鏡を備え、
    試料台に載置されその表面に一方向にピッチp(pはT0に近接しているとする)の規則格子が生成された試料の表面を前記走査型顕微鏡の走査線により走査して前記試料表面のモアレ縞画像を取得し、
    当該取得したモアレ縞画像の走査点の輝度情報から前記試料の変位ひずみ量を計算し、
    前記計算した試料の変位ひずみ量を表示する、
    走査モアレ方法による変位ひずみ分布測定システムであって、
    前記走査型顕微鏡の走査点間隔Tを前記ピッチpの2以上の整数倍またはその近傍とし前記規則格子と前記走査点が小さな不一致またはずれが生じるようにしたことを特徴とする高速走査モアレ方法による高速変位ひずみ分布測定システム。
  2. 前記規則格子ピッチpの相対的ひずみ量ε(n)は前記一方向の変位u(n)の一次微分から得たことを特徴とする請求項1に記載の高速変位ひずみ分布測定システム。
    ただし、前記一方向をy方向とし、mは前記モアレ縞の次数、u(n)は前記基本走査線に関してy方向におけるモアレ縞の変位とする。
    Figure 2017146202
    Figure 2017146202
  3. 前記ひずみ量εactualを変形前後の前記規則格子の幾何学的関係から得たことを特徴とする請求項2に記載の高速変位ひずみ分布測定システム。
    ただしp0はy方向における変形前の試料の規則格子ピッチとする。
    Figure 2017146202
  4. 縦横の走査点からなり基本走査線間隔T0の整数倍の間隔T(整数は1以上の自然数)に走査し得る走査線を有する走査型顕微鏡を備え、
    試料台に載置されその表面に直交する二方向にピッチp(pはT0に近接しているとする)の規則交差格子が生成された試料の表面を前記走査型顕微鏡の走査線により走査して前記試料表面の二次元モアレ縞画像を取得し、
    当該取得した二次元モアレ縞画像の走査点の輝度情報から前記試料変位ひずみ量を計算し、
    前記計算した試料の変位ひずみを計測して表示する、
    走査モアレ方法による変位ひずみ分布測定システムであって、
    前記規則交差格子と前記基本間隔T0の走査点とを近接して配置し前記規則交差格子と前記走査点が小さな不一致またはずれが生じるようにしたことを特徴とする二次元走査モアレ方法による変位ひずみ分布測定システム。
  5. 前記規則交差格子の相対的ひずみ量εi(i=x,y)は前記二次元モアレ縞画像に画像処理(例えば、フーリエ変換やローパスフィルタ等)を施して直交する二方向の一次元走査モアレ縞に分離した後に前記規則交差格子の二方向における基本走査線に相対的な変位ui(i=x,y)の一次微分から求めた事を特徴とする請求項4に記載の変位ひずみ分布測定システム。
    ただし、前記二方向はxとy方向とする。
    Figure 2017146202
    Figure 2017146202
  6. 前記二方向の規則交差格子の前記ひずみ量は、変形前後の前記規則交差格子ピッチの幾何学的関係(関数)から求めたことを特徴とする請求項5に記載の変位ひずみ分布測定システム。
    ただし変形前のx方向またはy方向の試料格子ピッチをpi_0(i=x,y)とする。
    Figure 2017146202
  7. 縦横に基本走査線間隔T0の整数倍の間隔T(整数は1以上の自然数)に走査し得る走査点からなる走査線を有する走査型顕微鏡を備え、
    試料台に載置されその表面に直交する二方向にピッチp(pはT0に近接しているとする)の規則交差格子が生成された試料の表面を前記走査型顕微鏡の走査線により走査して前記試料表面の二次元モアレ縞画像を取得し、
    当該取得した二次元モアレ縞画像の走査点の輝度情報から前記試料変位ひずみ量を計算し、
    前記計算した試料の変位ひずみ量を表示する、
    走査モアレ方法による変位ひずみ分布測定システムであって、
    前記走査型顕微鏡の直交する二方向の走査線間隔Tx、Tyを前記ピッチpの整数倍(整数は1以上の自然数)またはその近傍となるようにし、かつ、
    少なくとも前記二方向の走査線間隔の一つは前記ピッチpの2以上の整数倍またはその近傍とし、
    前記規則交差格子と前記走査線間隔Tx、Tyの走査点とを近接して配置し前記規則交差格子と前記走査点が小さな不一致またはずれが生じるようにしたことを特徴とする高速二次元走査モアレ方法による高速変位ひずみ分布測定システム。
  8. 前記規則交差格子の相対的ひずみ量εi(ni)(i=x,y)は前記二次元モアレ縞画像に画像処理(例えば、フーリエ変換やローパスフィルタ等)を施して直交する二方向の一次元走査モアレ縞に分離した後に前記規則交差格子の二方向における走査点に相対的な変位ui(ni)(i=x,y)の一次微分から求めた事を特徴とする請求項7に記載の変位ひずみ分布システム。
    ただし、前記二方向はxとy方向とし、miはi方向(i=x,y)における前記モアレ縞の次数、ui(ni)は前記基本走査線に関してi方向におけるモアレ縞の変位とする。
    Figure 2017146202
    Figure 2017146202
  9. 前記二方向の規則交差格子の前記ひずみ量は、変形前後の前記規則交差格子ピッチの幾何学的関係(関数)から求めたことを特徴とする請求項8に記載の変位ひずみ分布測定システム。
    ただし変形前のx方向またはy方向の試料格子ピッチをpi_0(i=x,y)とする。
    Figure 2017146202
  10. 少なくとも対物レンズと二方向に整列した撮像素子からなるCCD・CMOSイメージセンサを備えた撮影装置を用いてその表面に一方向にピッチPの規則格子が生成された測定物の表面を撮影してモアレ縞画像を取得し、
    当該取得したモアレ縞画像の撮像素子に記憶された輝度情報から前記測定物の変位ひずみ量を計算し、
    前記計算した測定物の変位ひずみ量を表示する、
    サンプリングモアレ方法による変位ひずみ分布測定システムであって、
    前記一方向の前記ピッチPの前記イメージセンサにおけるピッチpの整数倍(整数は1以上の自然数)またはその近傍にある前記一方向の撮像素子列に前記モアレ縞画像を記憶し、
    前記記憶された輝度情報から前記測定物の変位ひずみ量を計算したことを特徴とする高速サンプリングモアレ方法による高速変位ひずみ分布測定システム。
  11. 少なくとも対物レンズと二方向に整列した撮像素子からなるCCD・CMOSイメージセンサを備えた撮影装置を用いてその表面に前記二方向にピッチPの規則交差格子が生成された測定物の表面を撮影して二次元モアレ縞画像を取得し、
    当該取得した二次元モアレ縞画像の撮像素子に記憶された輝度情報から前記測定物の変位ひずみ量を計算し、
    前記計算した測定物の変位ひずみ量を表示する、
    サンプリングモアレ方法による変位ひずみ分布測定システムであって、
    前記二方向の前記ピッチPの前記イメージセンサにおけるピッチpの整数倍(整数は1以上の自然数)またはその近傍にある撮像素子列であって、かつ、
    少なくとも前記一方向の撮像素子列は前記ピッチpの2以上の整数倍またはその近傍にある、
    前記二方向の撮像素子列に前記モアレ縞画像を記録し、
    前記記録された輝度情報から前記測定物の変位ひずみ量を計算したことを特徴とする高速二次元サンプリングモアレ方法による高速変位ひずみ分布測定システム。
  12. 前記二方向は直交していることを特徴とする請求項10又は請求項11のいずれか1項に記載する高速変位ひずみ分布測定システム。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載する前記取得した前記モアレ縞画像または前記二次元モアレ縞画像を当該処理する事を特徴とするプログラムおよび当該プログラムを収納した記録媒体。
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