JP2017145767A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターボチャージャ10Aは、回転軸14と、タービンホイール12と、コンプレッサホイール13と、スクロール流路34と、スクロール流路34にガスを導入するガス導入部33と、筒状をなし、タービンホイール12から排出されるガスを案内する排気部35と、ガス導入部33からガスの一部を分岐させるバイパス流路37Aと、排気部35の外周部に形成されて周方向に連続し、バイパス流路37Aからガスが送り込まれるヘッダ流路36Aと、ヘッダ流路36Aの周方向に沿って間隔を空けた複数個所に形成され、それぞれヘッダ流路36Aと排気部35とを排気部35の径方向に沿って連通し、ヘッダ流路36Aから排気ガスG1を排気部35内に吹き出すノズル孔40と、を備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、タービンから排出される排気ガスを均一に温度上昇させて触媒に送り込み、触媒を活性化することができるターボチャージャを提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、ターボチャージャは、軸線に沿って延びる回転軸と、前記回転軸の第一端部側に設けられたタービンホイールと、前記回転軸の第二端部側に設けられたコンプレッサホイールと、前記タービンホイールの外周部に沿って周方向に連続して前記タービンホイールの外周部に面して設けられ、前記タービンホイールを回転駆動させるガスが流れるスクロール流路と、前記スクロール流路に前記ガスを導入するガス導入部と、筒状をなし、前記タービンホイールから排出されるガスを案内する排気部と、前記ガス導入部から前記ガスの一部を分岐させる分岐管と、前記排気部の外周部に形成されて周方向に連続し、前記分岐管から前記ガスが送り込まれるヘッダ流路と、前記ヘッダ流路の周方向に沿って間隔を空けた複数個所に形成され、それぞれ前記ヘッダ流路と前記排気部とを前記排気部の径方向に沿って連通し、前記ヘッダ流路から前記ガスを前記排気部内に吹き出すノズル孔を有した排気導入部と、を備える。
さらに、ノズル孔は、排気部の径方向に延びて形成されている。さらに、ノズル孔は周方向の複数個所に設けられている。このため、排気部内で、タービンホイールから排出されるガスと、ノズル孔を通して送り込まれる高温のガスとの混合性が高まる。これによって排気部内におけるガスの温度分布を抑え、触媒を有効に活性化させることができる。
このような構成では、ターボチャージャを備えたエンジンが通常作動しているときには、バルブでノズル孔を閉じておくことができる。また、例えば、ターボチャージャを備えたエンジンの起動時、排気部内におけるガス温度が低いとき、触媒温度が低いとき等、必要時のみノズル孔を開き、ヘッダ流路からノズル孔を通して排気部内にガスの供給を行うことができる。
このように構成することで、筒状のバルブを中心軸方向にスライドさせるのみで、ノズル孔を開閉することができる。この場合、筒状のバルブには、ノズル孔に連通する開口部を形成する必要が無い。
このように構成することで、筒状のバルブを中心軸回りに回転させてスライドさせ、開口部をノズル孔に連通させると、ノズル孔及び開口部を通して、ヘッダ流路から排気部内にガスが送り込まれる。
ヘッダ流路においては、ガス導入部から送り込まれるガスは、周方向に間隔を空けた複数のノズル孔を通して順次排気部内に送り込まれる。これにより、ヘッダ流路内では、ガス導入部から遠ざかるほどガスの流量が減少する。ヘッダ流路の流路断面積を、ガス導入部から遠ざかるに従って漸次縮小させることで、ヘッダ流路の周方向におけるガスの流速を均一化することができる。その結果、ヘッダ流路から複数のノズル孔を通して排気部内に供給するガスの周方向の分布を均一化することができる。
(第一実施形態)
図1は、この発明の第一実施形態におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。図2は、図1におけるX−X矢視断面図である。図3は、図1におけるY−Y矢視断面図である。
図1に示すように、ターボチャージャ10Aは、ターボチャージャ本体11と、コンプレッサ20と、タービン30と、を備えている。このターボチャージャ10Aは、例えば、回転軸14が水平方向に延在するような姿勢で自動車等にエンジンの補機として搭載される。
ハウジング16は、その内部にジャーナルベアリング15A,15Bを有している。回転軸14は、ジャーナルベアリング15A,15Bによって、中心軸C回りに回転自在に支持されている。回転軸14の第一端部14a、第二端部14bは、それぞれ開口部16a,16bを通してハウジング16の外部に突出している。
潤滑油供給管から給油管接続口17に送り込まれる潤滑油は、潤滑油供給流路(図示無し)を経て、ハウジング16内のジャーナルベアリング15A,15B等に供給される。ハウジング16の下部には、ジャーナルベアリング15A,15B等に供給された潤滑油を排出する排油部18が形成されている。排油部18には、潤滑油を排出する配管(図示無し)が接続される。
タービンホイール12は、ハウジング16の外部で、回転軸14の第一端部14aに一体に設けられている。コンプレッサホイール13は、ハウジング16の外部で、回転軸14の第二端部14bに設けられている。タービンホイール12及びコンプレッサホイール13は、回転軸14と一体に中心軸C回りに回転する。
さらに、タービンハウジング31は、その断熱性を高めるため、外周面を、保温材(図示無し)により被覆してもよい。保温材としては、例えば、ガラス繊維、発泡ウレタン等からなる断熱材を用いることができる。
これらの構成を採用した場合、タービンハウジング31内における排気ガスの温度低下を抑えることができる。
スクロール流路34は、その周方向の少なくとも一部が、タービンホイール12の外周部に面するよう設けられ、タービンホイール12を回転駆動させる排気ガスG1が周方向に流れる流路を形成する。
この排気部35の後流側には、排気管(図示無し)を介して触媒装置(図示無し)が設けられている。
ここで、この実施形態におけるノズル孔40は、排気部35の上流端に位置するタービンホイール12よりも下流側に、例えばタービンホイール12の外径と同寸法以上、軸流方向S下流側に形成されている。このようにノズル孔40の形成位置を、タービンホイール12から離れた下流位置とすることで、タービンホイール12から排出された排気ガスGeが排気部35内で拡散するため、ノズル孔40から流れ込んだ排気ガスG1が排気ガスGeに混合しやすくなる。
このスライドバルブ50Aは、アクチュエータ(図示無し)により、中心軸C方向に沿って、ノズル孔40に対向した閉状態(図1において二点鎖線で示した状態)と、ノズル孔40に対向した位置からスライドした開状態(図1において実線で示した状態)との間でスライド移動可能に設けられている。スライドバルブ50Aが開状態のとき、排気ガスG1がヘッダ流路36Aからノズル孔40を通って排気部35内に吹き出す。また、スライドバルブ50Aが閉状態のとき、ノズル孔40を通る排気ガスG1が遮断される。さらに、スライドバルブ50Aがノズル孔40と重なる量、すなわち開度を調整することで、ノズル孔40を通る排気ガスG1の排気部35内への吹出量が調整できる。
排気部35の中央部には、タービンホイール12から送り出される排気ガスGeが中心軸C方向に流れている。これにより、タービンホイール12から送り出される排気ガスGeに、外周側から流れ込む排気ガスG1が混合され、排気部35の出口における排気ガス温度が上昇する。この温度上昇した排気ガスは、後流の排気管(図示無し)、触媒装置(図示無し)へと流れていく。
また、ノズル孔40は、排気部35の径方向に延びて形成されている。さらに、ノズル孔40は周方向の複数個所に設けられている。このため、排気部35内で、タービンホイール12から排出される排気ガスGeと、ノズル孔40を通して送り込まれた高温の排気ガスG1との混合性が高まる。これによって排気部35内におけるガスの温度分布を抑え、触媒を有効に活性化させることができる。
このようにして、タービン30から排出される排気ガスGeを均一に温度上昇させて触媒に送り込むことが可能となる。
上述した第一実施形態では、スライドバルブ50Aを、中心軸C方向に沿ってスライド移動可能に設けたが、これに限るものではない。
図4は、上記ターボチャージャが備えるスライドバルブの変形例を示す図である。
図4に示すように、スライドバルブ(バルブ)50Bは、ノズル孔40が形成されている部分に内周側から対向する筒状に形成されている。スライドバルブ50Bは、中心軸C回りの周方向にスライド移動可能とされている。このスライドバルブ50Bには、複数のノズル孔40に連通する複数の開口(開口部)50hが形成されている。
次に、この発明に係るターボチャージャの第二実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一実施形態とスライドバルブ50Cの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図5は、この発明の第二実施形態におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。図6は、図5におけるX−X矢視断面図である。
図5、図6に示すように、この実施形態において、ターボチャージャ10Cのスライドバルブ(バルブ)50Cは、ノズル孔40が形成されている部分に対し、筒状部38の外周側から対向する筒状に形成されている。スライドバルブ50Cには、複数のノズル孔40に連通する複数の開口(開口部)50gが形成されている。
スライドバルブ50Cは、各開口50gがノズル孔40の開口と一致するように対向したときに開状態となる。この開状態において、ノズル孔40を通る排気ガスG1が排気部35内に吹き出される。また、スライドバルブ50Cは、各開口50gがノズル孔40と対向した位置からスライドし、開口50gの形成されていない非開口部50dがノズル孔40と対向したときに閉状態となる。これにより、ノズル孔40を通る排気ガスG1が遮断される。さらに、スライドバルブ50は、開口50gがノズル孔40と重なる量、すなわち開度を調整することで、ノズル孔40を通る排気ガスG1の排気部35内への吹出量を自在に調整することができる。
排気部35の中央部には、タービンホイール12から送り出される排気ガスGeが中心軸C方向に流れている。これにより、タービンホイール12から送り出される排気ガスGeに、外周側から流れ込む高温の排気ガスG1が混合され、排気部35の出口における排気ガス温度が上昇する。この温度上昇した排気ガス、後流の排気管(図示無し)、触媒装置(図示無し)へと流れていく。
次に、この発明に係るターボチャージャの第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一実施形態とヘッダ流路36D、バイパス流路(分岐管)37Dの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図7は、この発明の第三実施形態におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。図8は、図7におけるX−X矢視断面図である。
図7、図8に示すように、この実施形態において、ターボチャージャ10Dは、タービンハウジング31の排気部35を構成する筒状部38の中心C1に対し、その外周側に設けられた環状壁39の中心C2(図8参照)が、下方にオフセットしている。これにより、筒状部38と環状壁39との間に形成されるヘッダ流路36Dは、筒状部38の外周側において周方向に連続し、下方から上方に行くに従ってその断面積が漸次小さくなるよう形成されている。
このように、ノズル孔40を通って排気ガスG1が排気部35内に流れ込むことで、ヘッダ流路36Dを流れる排気ガスG1の流量は漸次縮小する。ここで、ヘッダ流路36Dは、下方から上方に向かってその断面積が漸次縮小するので、ヘッダ流路36D内を流れる排気ガスG1の流速を周方向で均一化することができる。
したがって、ヘッダ流路36Aから複数のノズル孔40を通して排気部35内に供給する排気ガスG1の周方向の分布を均一化することができる。
次に、この発明に係るターボチャージャの第四実施形態について説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第一実施形態とバイパス流路37Eの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図9は、この発明の第四実施形態におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。
図9に示すように、この実施形態におけるターボチャージャ10Eは、ヘッダ流路(分岐管)36Eが、筒状部38の外周側において周方向に連続する環状に形成されるとともに、周方向において、その流路断面積が漸次縮小するスクロール状に形成されている。
バイパス流路37Eは、ヘッダ流路36Eの流路断面積が最大である部分36mに対し、接線方向から接続されている。
上記第四実施形態で示したような構成に加え、以下に示すような構成とすることも可能である。
図10は、この発明の第四実施形態の第一変形例におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。
例えば、図10に示すように、ヘッダ流路36Eにおいて、その流路断面積が最小となる部分の近傍に、筒状部38と環状壁39との間を閉塞する仕切壁70を設けてもよい。
図11は、この発明の第四実施形態の第二変形例におけるターボチャージャの構成を示す断面図である。
例えば、図11に示すように、ヘッダ流路36Eにおいて、その流路断面積が最小となる部分に、外周側の環状壁39から内周側の筒状部38に向かって、ヘッダ流路36Eにおける排気ガスG1の流れ方向(スクロール方向)に向かうにつれて漸次内周側に延びて筒状部38に接続されるガイドベーン71を設けてもよい。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、図12に示すように、スライドバルブ50A〜50Cに代えて、バイパス流路37Aの入口部や中間部に、ヘッダ流路36Aに送り込む排気ガスG1の流量を調整する弁73を設けるようにしても良い。
ここで、ヘッダ流路36Aに送り込む排気ガスG1の流量を調整できるのであれば、弁73の設置位置や構造についてはいかなる構成であってもよい。
11 ターボチャージャ本体
12 タービンホイール
12w タービン翼
13 コンプレッサホイール
14 回転軸
14a 第一端部
14b 第二端部
15A,15B ジャーナルベアリング
16 ハウジング
16a 開口部
16b 開口部
16f 外周面
17 給油管接続口
18 排油部
20 コンプレッサ
30 タービン
31 タービンハウジング
31a,31e 開口部
31f フランジ部
32 取付金具
33 ガス導入部
33a 先端部
34 スクロール流路
35 排気部
36A,36D,36E ヘッダ流路
36m 流路断面積が最大である部分
37A,37D,37E バイパス流路(分岐管)
38 筒状部
38a 拡径部
38b ディフューザ部
38c ストレート部
38g 外周面
38t 係止爪
39 環状壁
40 ノズル孔
41 排気導入部
50A,50B,50C スライドバルブ(バルブ)
50c,50d 非開口部
50g,50h 開口(開口部)
70 仕切壁
71 ガイドベーン
73 弁
C 中心軸(軸線)
C1,C2 中心
D 外径
G1,Ge 排気ガス(ガス)
R1,R2 孔列
Claims (5)
- 軸線に沿って延びる回転軸と、
前記回転軸の第一端部側に設けられたタービンホイールと、
前記回転軸の第二端部側に設けられたコンプレッサホイールと、
前記タービンホイールの外周部に沿って周方向に連続して前記タービンホイールの外周部に面するよう設けられ、前記タービンホイールを回転駆動させるガスが流れるスクロール流路と、
前記スクロール流路に前記ガスを導入するガス導入部と、
筒状をなし、前記タービンホイールから排出されるガスを案内する排気部と、
前記ガス導入部から前記ガスの一部を分岐させる分岐管と、
前記排気部の外周部に形成されて周方向に連続し、前記分岐管から前記ガスが送り込まれるヘッダ流路と、
前記ヘッダ流路の周方向に沿って間隔を空けた複数個所に形成され、それぞれ前記ヘッダ流路と前記排気部とを前記排気部の径方向に沿って連通し、前記ヘッダ流路から前記ガスを前記排気部内に吹き出すノズル孔を有した排気導入部と、を備えるターボチャージャ。 - 前記排気導入部は、前記ノズル孔を開閉するバルブをさらに備える請求項1に記載のターボチャージャ。
- 前記バルブは、筒状で、前記排気部の内周側又は外周側に配置され、前記排気部の中心軸方向にスライドすることで前記ノズル孔を開閉する、請求項2に記載のターボチャージャ。
- 前記バルブは、筒状で、前記ノズル孔に連通する開口部を有し、前記排気部の内周側又は外周側に配置されて、前記排気部の中心軸回りの周方向にスライドすることで前記ノズル孔を開閉する、請求項2に記載のターボチャージャ。
- 前記ヘッダ流路は、前記ガス導入部から遠ざかるに従って、流路断面積が漸次縮小する、請求項1から4の何れか一項に記載のターボチャージャ。
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