JP2017145412A - 紫外発光蛍光体と紫外発光デバイス及び紫外発光蛍光体の作製方法 - Google Patents

紫外発光蛍光体と紫外発光デバイス及び紫外発光蛍光体の作製方法 Download PDF

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【課題】希土類アルミニウムガーネット結晶をベースとした紫外発光蛍光体を用いて、高輝度と発光中心波長の制御性を同時に実現できる紫外発光デバイスを提供する。
【解決手段】希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の希土類イオンが少なくとも共添加された紫外発光蛍光体を用いる。添加する希土類イオンの各添加量は、240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になるように添加比率が調製される。また、xとyの少なくとも一方をパラメータとして発光中心波長および輝度が調製される。上記の紫外発光蛍光体と、紫外発光蛍光体に対して励起光を照射させる手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類アルミニウムガーネットをベースとした紫外発光蛍光体と、それを備えた紫外発光デバイス及び紫外発光蛍光体の作製方法に関するものである。
水銀を使わない深紫外域UVB(凡そ280〜320nm)およびUVC(凡そ200〜280nm)の波長領域の光源開発は、国が進める水銀フリー化に沿う急務の事項である。水銀ランプに代わる水銀フリー光源として、窒化物半導体の発光ダイオードが積極的に研究されているが、窒化ガリウムのバンドギャップで決まる365nmより短波長では高輝度発光は実現できていないのが実情である。これは、発光ダイオードは発光の活性層材料よりも大きなバンドギャップ材料でサンドイッチした構造を作らねばならないが、深紫外域で発光を得るためには最大のバンドギャップをもつ窒化アルミニウムでサンドイッチしてもキャリアの閉じ込めは不十分であり、また、大きなバンドギャップ材料に対してすぐれたオーミック電極材料がないことから、発光効率は極端に落ちてしまうという要因から実現が困難となっている。
また、ルテチウムアルミニウムガーネット結晶(LuAl12;以下、LuAGと表記)に代表されるこれまでの紫外発光蛍光体は、光源応用するには発光輝度が低く、様々なアプリケーションで求められる波長での発光を実現することは困難であった。
本発明者の一人は、高輝度な紫外光源デバイスを提供すべく、窒化アルミニウムをホスト材料としてガドリニウム(Gd)希土類イオンを添加した紫外発光蛍光体結晶を有するアノード基板を備えた紫外光源デバイスを既に提案している(特許文献1を参照)。発光中心となるガドリニウムイオンが高含有率になると濃度消光によって発光強度が低下するという問題を克服すべく、提案した紫外光源デバイスにおける紫外発光蛍光体結晶は、スパッタリング装置内の真空チャンバー内部の残留ガス中の水成分を積極的に除去し、この水分除去された雰囲気下で、窒化アルミニウムをホスト材料として希土類金属イオンを添加し結晶化させることにより、窒化アルミニウム中に、高含有量のガドリニウムイオンをドープさせている。
また一方で、紫外光発生効率を高める紫外光発生用ターゲットが知られている(特許文献2,3を参照)。特許文献2,3に開示された紫外線発生用ターゲットは、紫外光を透過する基板と、電子線を受けて紫外光を発生する発光層を備え、この発光層が希土類含有アルミニウムガーネット結晶を含むもので、例えば、LuAGやYAG(Yttrium Aluminum Garnet)に対して、ランタン(La)やスカンジウム(Sc)の賦活剤が添加された紫外光発生用材料が開示されている。特許文献2,3の実施例では、LaとScを共添加するものはなく、LaとScをそれぞれ賦活剤として添加させた場合の発光ピーク波長が示されているだけで、LaとScを共添加することにより発光中心波長を制御し、かつ、高輝度化を図るといった着想はない。
また、放射線検出用LuAG結晶材料の製造方法が知られている(特許文献4を参照)。特許文献4では、LuAG結晶材料において、Luの一部にLaやScなどの少なくとも1種以上の希土類元素を置換した材料を用いることが開示されているが、特許文献4の実施例では、LuAGにCeを添加した材料が示されているが、LaとScを共添加することにより発光中心波長を制御し、かつ、高輝度化を図るといった着想はない。
また、非特許文献1には、LuAGに対してLa又はScを添加した材料が開示されているが、LaとScを共添加することにより発光中心波長を制御し、かつ、高輝度化を図るといった着想はない。非特許文献2には、Y−LuAG(Y−Lu−Al−Garnets)にLa又はScを添加した材料が示されているが、LaとScを共添加することにより発光中心波長を制御し、かつ、高輝度化を図るといった着想はない。非特許文献3,4には、LuAGにScを添加した材料が示されているが、LaとScを共添加することにより発光中心波長を制御し、かつ、高輝度化を図るといった着想はない。
再表2009/031584号公報 特開2014−84402号公報 特開2014−86255号公報 特開2006−16251号公報
"Luminescence of Sc3+ and La3+ isoelectronic impurities in Lu3Al5O12 single-crystal films", Yu. V. Zorenko, Optics and Spectroscopy, April 2006, Volume 100, Issue 4, pp 572-580. "Novel UV-emitting single crystalline film phosphors grown by LPE method", Y.Zorenko et al., Radiation Measurements, 45 (2010), pp 444-448. "Luminescence of undoped and Ce3+ -doped Lu(Sc,Y)AG crystalsl., V. Babin et al., Journal of Luminescence, 122-123 (2007), pp 332-334. "SCINTILLATION PROPERTIES OF LU3Al5-xSCx012 CRYSTALS", N. N. RYSKIN et al., JOURNAL OF PHYSICS CONDENSED MATTER 6 (1994), pp 10423-10434.
上述したように、従来の紫外発光蛍光体は、光源応用するには発光輝度が低く、様々なアプリケーションで求められる波長での発光を実現することは困難であった。
上記状況に鑑みて、本発明は、希土類アルミニウムガーネット結晶をベースとした紫外発光蛍光体を用いて、高輝度と発光中心波長の制御性を同時に実現できる紫外発光デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の紫外発光蛍光体は、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンが少なくとも共添加された紫外発光蛍光体であって、励起光を照射し、該励起光の照射により励起されて紫外光を発光することを特徴とする。
共添加する遷移元素イオンの各添加量は、240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になるように添加比率が調製され、xとyの少なくとも一方をパラメータとして発光中心波長および輝度が調製されることが好ましい。
本発明の紫外発光蛍光体によれば、紫外域における発光スペクトルの広帯域化と、ホスト結晶のバンドギャップ制御による高効率励起を実現し、高輝度化を図ることができる。また、広帯域発光中心の特性を生かして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンの組み合わせを変更し、添加比率を調製することにより、発光中心波長を制御できると共に、濃度消光による限界濃度を超えて、高含有量の遷移元素イオンをドープさせ、高輝度化を実現できる。
240〜400nmの範囲の紫外域を発光中心とすることで、滅菌・殺菌能力に優れた紫外発光蛍光体を得ることが可能となる。毒性の強いテトラクロロダイオキシン類の光分解、DNA分解を利用した殺菌応用や,光触媒応用など様々なアプリケーションで求められる波長での発光を実現できる。
本発明の紫外発光蛍光体において、アルミニウム(Al)の組成を、B、Ga、In、或は、Tlに一部置換させて、発光中心波長および輝度を調製する。すなわち、(Lu1−x(Al1−y12において、パラメータyを制御として発光中心波長および輝度を調製し、目的とする発光中心波長および輝度を実現する。アルミニウムの組成を他の第13族元素である、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)で置き換えることにより、発光中心波長および輝度を制御することができる。
ここで、xやyをパラメータとして変化させると、発光中心波長および輝度が変化する。これは、ホスト結晶であるガーネット結晶のバンドギャップが変化することに起因する。例えば、プラズマ励起を用いる場合、励起波長は147nmと172nmであるが、励起波長172nmは、ホスト結晶であるガーネット結晶のバンドギャップに近いことから励起効率が低い。そのため、xやyのパラメータを制御してバンドギャップを小さくすると、励起効率が上がり、輝度が向上するのである。
本発明の紫外発光蛍光体における希土類アルミニウムガーネット結晶は、(Lu1−x(Al1−y12(但し、0<x<1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)であることが好ましい。LuAl12(LuAG)結晶でも、YAl12(YAG)結晶でもなく、LuとYが混在した希土類アルミニウムガーネット結晶をベースとすることにより、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンに加わるひずみを変化させて発光中心波長をシフトさせることができる。
本発明の紫外発光蛍光体において、共添加する遷移元素イオンは希土類イオンであり、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、ジプシロシウム(Dy)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、テルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、プロメチウム(Pm)、およびホルミウム(Ho)からなる群より選択される1種のイオンである。
なお、3価の希土類金属イオンのGd3+イオンの内核電子遷移(4f軌道電子遷移)が効率よく約310nmのナローバンド紫外発光をする。
より好ましくは、共添加する遷移元素イオンは、LaイオンとScイオンであり、各々の添加量は、280〜320nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量である。
希土類アルミニウムガーネット結晶をベースにして、LaとScイオンの添加比率で、発光中心波長を制御すると共に、LaとScイオンのそれぞれ単独イオンの場合の濃度限界の添加量を超えて、両イオンの合計添加量を増やして輝度を制御する。
LaとScイオンは発光中心を形成するが、これらの原子に加わるひずみなどが変化すると発光中心波長がシフトする。特に、Scイオンの場合、最外殻軌道が3d軌道であり、Laイオンの5d軌道に比べてイオン中心に近く、周辺原子の入れ替えによる発光中心波長シフトの効果が大きい。
また、Yの添加量を増大することによって、(Lu1−x(Al1−y12結晶をベースとし、励起エネルギーの高効率吸収を制御することができる。
本発明の紫外発光蛍光体において、希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)であり、共添加する遷移元素イオンは、ランタン(La)イオンとスカンジウム(Sc)イオンであり、各々の添加量は、280〜320nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量であることが好ましい態様である。
別の観点によれば、本発明の紫外発光蛍光体は、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する1種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンが少なくとも添加された蛍光体であって、添加された遷移元素イオンは、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの両サイトに置換されており、励起光を照射し、該励起光の照射により励起されて紫外光を発光することを特徴とする。
添加する遷移元素イオンの添加量は、240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になるように添加量が調製され、xとyの少なくとも一方をパラメータとして発光中心波長および輝度が調製されることが好ましい。
本発明の紫外発光蛍光体によれば、紫外域における発光スペクトルの広帯域化と、ホスト結晶のバンドギャップ制御による高効率励起を実現し、高輝度化を図ることができる。また、広帯域発光中心の特性を生かして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンの置換サイトを制御することにより、発光中心波長を制御できると共に、濃度消光による限界濃度を超えて、高含有量の遷移元素イオンをドープさせ、高輝度化を実現できる。
本発明の紫外発光蛍光体においても、アルミニウム(Al)の組成を、B、Ga、In、或は、Tlに一部置換させて、発光中心波長および輝度を調製できる。すなわち、(Lu1−x(Al1−y12において、パラメータyを制御として発光中心波長および輝度を調製し、目的とする発光中心波長および輝度を実現する。xやyをパラメータとして変化させると、発光中心波長および輝度が変化するのは、ホスト結晶であるガーネット結晶のバンドギャップが変化することに起因する。
本発明の紫外発光蛍光体において、希土類アルミニウムガーネット結晶が(Lu1−xAl12(但し、x=0又は1)であり、添加された遷移元素イオンは、Lu又はYの希土類サイトとAlサイトの両サイトに置換されたことが好ましい。
ここで、添加する遷移元素イオンは、Laイオン又はScイオンであり、各々の添加量は、280〜340nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量である。
LaとScイオンは発光中心を形成するが、これらの原子に加わるひずみなどが変化すると発光中心波長がシフトする。特に、Scイオンの場合、最外殻軌道が3d軌道であり、Laイオンの5d軌道に比べてイオン中心に近く、周辺原子の入れ替えによる発光中心波長シフトの効果が大きい。
次に、本発明の紫外発光デバイスについて説明する。
本発明の紫外発光デバイスは、本発明の紫外発光蛍光体と、紫外発光蛍光体に対して励起光を照射させる励起光照射手段を備えるものである。
また、本発明の紫外発光デバイスは、励起光を照射させる手段は、プラズマ放電による紫外光が励起光となって、本発明の紫外発光蛍光体に対して照射されるものであることでもよい。
また、本発明の紫外発光デバイスは、本発明の紫外発光蛍光体が薄膜であり、この薄膜を有するアノード基板と、電界電子放出材料を有するカソード基板と、アノード基板とカソード基板とを対向して配設させ、基板間の空隙を真空雰囲気に保持させるスペーサと、アノード基板とカソード基板の間に電界を印加させる電圧回路とを少なくとも有する。そして、アノード基板とカソード基板の間の空隙を真空チャネル領域とし、基板間に電界を印加することにより電界電子放出材料からの電子を紫外発光蛍光体の薄膜に注入させて、紫外発光蛍光体から紫外光を発光させる。
カソード電極を構成する熱フィラメントや冷陰極材料などの電子放出材料に電圧が印加されると、電界放出により電子が発生し真空中に放たれる。この電子がアノード電極に引き寄せられて進み、アノード電極を構成する紫外発光蛍光体の薄膜に衝突する。電子が衝突することにより紫外発光蛍光体の薄膜は電子エネルギーを光エネルギーに変換して発光することとなる。
次に、本発明における紫外発光蛍光体の作製方法について説明する。
本発明の紫外発光蛍光体の作製方法は、上述の本発明の紫外発光蛍光体の作製方法であって、以下の(S1)〜(S6)のステップを備える。
(S1)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップ
(S2)発光中心を形成する2種以上の遷移元素イオンの添加比率を調製して発光中心波長を制御するステップ
(S3)発光中心を形成する2種以上の遷移元素イオンの各添加量の合計添加量が、各イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して輝度を制御するステップ
(S4)パラメータxとyの少なくとも一方を調製して発光中心波長および輝度を制御するステップ
(S5)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加比率と合計添加量が調製された2種以上の遷移元素イオンを共添加するステップ
(S6)焼成し、アニール処理するステップ
特に、希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)であり、発光中心を形成する2種の遷移元素イオンは、ランタン(La)イオンとスカンジウム(Sc)イオンである構成を備える紫外発光蛍光体の作製方法では、以下の(S1a)〜(S6a)のステップを備える。
(S1a)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップ
(S2a)発光中心を形成するランタン(La)イオンとスカンジウム(Sc)イオンの添加比率を調製して発光中心波長を制御するステップ
(S3a)ランタン(La)イオンとスカンジウム(Sc)イオンの各添加量の合計添加量が、各イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して輝度を制御するステップ
(S4a)パラメータxを調製し、イットリウム(Y)イオンの添加量を調製して発光中心波長および輝度を制御するステップ
(S5a)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加比率と合計添加量が調製されたランタン(La)イオンとスカンジウム(Sc)イオンを共添加するステップ
(S6a)焼成し、アニール処理するステップ
別の観点によれば、本発明の紫外発光蛍光体の作製方法は、上述の本発明の紫外発光蛍光体の作製方法であって、以下の(S1b)〜(S6b)のステップを備える。
(S1b)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップ
(S2b)発光中心を形成する1種以上の遷移元素イオンの添加量が、イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して発光中心波長を制御するステップ
(S3b)添加された遷移元素イオンが、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの少なくとも何れかのサイトに置換するように、Lu又はYの希土類イオンの含有量と、Al又はZの含有量を制御するステップ
(S4b)パラメータxとyの少なくとも一方を調製して発光中心波長および輝度を制御するステップ
(S5b)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加量が調製された1種以上の遷移元素イオンを添加するステップ
(S6b)焼成し、アニール処理するステップ
特に、希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−xAl12(但し、x=0又は1)であり、発光中心を形成する遷移元素イオンがLaイオン又はScイオンである構成を備える紫外発光蛍光体の作製方法では、以下の(S1c)〜(S6c)のステップを備える。
(S1c)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップ
(S2c)発光中心を形成するLaイオン又はScイオンの添加量が、イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して発光中心波長を制御するステップ
(S3c)添加されたLaイオン又はScイオンが、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの少なくとも何れかのサイトに置換するように、Lu又はYの希土類イオンの含有量と、Al又はZの含有量を制御するステップ
(S4c)パラメータxを調製して発光中心波長および輝度を制御するステップ
(S5c)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加量が調製されたLaイオン又はScイオンを添加するステップ
(S6c)焼成し、アニール処理するステップ
本発明よれば、希土類アルミニウムガーネット結晶をベースとした紫外発光蛍光体を用いて、高輝度と発光中心波長の制御性を同時に実現できる。
紫外発光デバイスにおける紫外発光蛍光体の作製方法の処理フロー(1) 紫外発光デバイスにおける紫外発光蛍光体の作製方法の処理フロー(2) 紫外発光蛍光体の試料作製フロー 実施例1の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 実施例1の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 比較例1の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 比較例1の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 比較例2の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 比較例2の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 実施例1、比較例1、比較例2の紫外発光蛍光体の発光スペクトルの比較グラフ 実施例1,2,3の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 実施例1,2,3の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 比較例3の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 比較例3の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 比較例4の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(発光スペクトル) 比較例5の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果(積分強度) 実施例1,2,3の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(X線回折スペクトル) 実施例1,2,3の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(回折ピークシフト) 比較例1,2の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(X線回折スペクトル) 比較例1,2の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(回折ピークシフト) 比較例1,3,5の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(X線回折スペクトル) 比較例1,3,5の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(回折ピークシフト) 比較例2,4,6の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(X線回折スペクトル) 比較例2,4,6の紫外発光蛍光体のX線回折測定結果(回折ピークシフト) 紫外発光デバイスの構成模式図(1) 紫外発光デバイスの構成模式図(2) 実施例8の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例8aの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例8bの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 実施例9の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例9aの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例9bの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結 実施例11の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例11aの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例11bの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 実施例12の紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例12aの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 比較例12bの紫外発光蛍光体のフォトルミネッセンス測定結果 実施例10のPLE測定結果のグラフであり、(1)母体結晶の変化,(2)置換サイトの変化,(3)置換元素の変化を示す。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
(紫外発光蛍光体の作製方法)
本発明の紫外発光デバイスにおける紫外発光蛍光体の作製方法について説明する。図1は、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の希土類イオンが少なくとも共添加された紫外発光蛍光体の作製方法の処理フローを示している。
まず、240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定する(ステップS01)。例えば、皮膚治療の用途に用いる装置のアプリケーションの場合、一般的には280〜320nmの波長域の紫外線UVBを用いることが知られているが、仮に305nmの紫外光が皮膚損傷治癒に最も効果的であるならば、発光中心波長を305nmに決定する。そして、ベースとなる希土類アルミニウムガーネット結晶に含有されているLu,Y以外で、共添加する少なくとも2種の希土類イオンの添加比率を調製して発光中心波長を制御する(ステップS02)。例えば、発光中心波長が305nmになるように、Gd、Eu、Dy、La、Ce、Sm、Nd、Tb、Pr、Er、Tm、Yb、Sc、Pm、およびHoの中から、共添加する2種以上の希土類イオンを選択し、それらの添加比率を調製する。
次に、共添加する少なくとも2種の希土類イオンの各添加量の合計添加量が、濃度消光が生じる限界近傍の添加量となるように調製して輝度を制御する(ステップS03)。この時、各々の希土類イオンの濃度消光による限界濃度となる添加量を予め求めておく。各添加量の合計添加量が、各イオンの限界濃度となる添加量を超えるように調製する。これにより、高含有量の希土類イオンをドープさせ、高輝度化を実現する。また、(Lu1−x(Al1−y12におけるパラメータx又はy、或は、パラメータx及びyを調製して発光中心波長および輝度を制御する(ステップS04)。そして、ベースとなる希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加比率と合計添加量に調製された少なくとも2種の希土類イオンを共添加する(ステップS05)。その後、焼成し、1400〜1700℃で約10時間、アニール処理を行い、紫外発光蛍光体結晶を得る(ステップS06)。
これにより、希土類アルミニウムガーネット結晶をベースとして、少なくとも2種の希土類イオンが共添加された紫外発光蛍光体結晶が得られることになる。
特に、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)をベースとして、発光中心を形成するランタン(La)とスカンジウム(Sc)の2種の希土類イオンが共添加された紫外発光蛍光体結晶について図2のフローを参照して説明する。
図2は、紫外発光デバイスにおける紫外発光蛍光体の作製方法の処理フローを示している。図1のフローと同様に、紫外域で目標とする発光中心波長を決定し(ステップS11)、LaとScイオンの添加比率を調製して発光中心波長を制御する(ステップS12)。また、LaとScイオンの各添加量の合計添加量が、濃度消光が生じる限界近傍の添加量となるように調製して輝度を制御する(ステップS13)。そして、パラメータxを調製し、Yイオンの添加量を調製して輝度を制御する(ステップS14)。調整された添加量のYイオンとLuイオンを含有する希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、添加比率と合計添加量に調製されたLaとScイオンを共添加する(ステップS15)。その後、焼成し、1400〜1700℃で約10時間、アニール処理を行い、紫外発光蛍光体結晶を得る(ステップS16)。
本実施例では、LuAl12(LuAG)結晶をベースとして、LaイオンとScイオンが共添加された紫外発光蛍光体を用いる紫外発光デバイスについて説明する。
図3は、紫外発光蛍光体の試料作製フローを示している。紫外発光蛍光体の試料の作製は、Lu、Al、La、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量し(ステップS31)、アルミナ乳鉢を用いて粉末を混合し(ステップS32)、その後、アニール処理を行った(ステップS33)。アニール処理は、電気炉を用いて大気中で行い、アニール温度は1600℃で、アニール時間は10時間であった。なお、Laは潮解性があるため、電気炉でアルミナるつぼを用いて1時間アニール処理を行ってから測り取った。
紫外発光蛍光体の試料の光学特性評価は、フォトルミネッセンス(PhotoLuminescence:以下、PLと表記)測定により行った。なお、PL測定は、励起光源としてキセノンエキシマランプを用い、励起波長を172nm(7.2eV)、測定温度を室温として測定した。
下記表1は、実施例1の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。共添加するLaイオンとScイオンの添加量を、各々0.6、0.8、1.0、1.2(原子%)となるように調製し、作製する紫外発光蛍光体Lu3−a−bLaScAl12(但し、0<a,b<3)が10gになるように、Lu、Al、La、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
下記表2は、比較例1の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。比較例1の紫外発光蛍光体として、LuAl12(LuAG)結晶をベースとして、Laイオンのみが添加された紫外発光蛍光体を用いた。添加するLaイオンの添加量を、0.8、1.0、1.2,1.4(原子%)となるように調製し、比較例1の紫外発光蛍光体Lu3−aLaAl12(但し、0<a<3)が10gになるように、Lu、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
下記表3は、比較例2の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。比較例2の紫外発光蛍光体として、LuAl12(LuAG)結晶をベースとして、Scイオンが添加された紫外発光蛍光体を用いた。添加するScイオンの添加量を、1.1、1.3,1.5、1.7(原子%)となるように調製し、比較例2の紫外発光蛍光体Lu3−bScAl12(但し、0<b<3)が10gになるように、Lu、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
なお、比較例1および比較例2のアニール処理の条件として、アニール温度は1500℃、アニール時間は10時間で、電気炉を用いて大気中で行った。
図4および図5は、実施例1の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図4はPLスペクトル、図5はその積分強度を示している。また、図6および図7は、比較例1の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図6はPLスペクトル、図7はその積分強度を示している。また、図8および図9は、比較例2の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図8はPLスペクトル、図9はその積分強度を示している。
比較例1の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuAGに関するLaの添加濃度依存性がわかる。積分強度は1.2(原子%)で最大になっている(図7参照)。添加量が1.4(原子%)になると発光強度が下がっているが、これは濃度消光に起因するものと推察する。なお、Laの添加量が増えると結晶構造が悪くなるが、La=1.2(原子%)のとき発光強度が最大となっているのは、結晶構造悪化による発光の低下より、La発光中心の増加割合の方が多かったためであると推察する。
また、PLスペクトルから、いずれの添加量の場合でも、ピーク波長は280nmでありシフトは確認できなかった(図6参照)。なお、図6のPLスペクトル中の全てに、330nm辺りでスペクトル形状が乱れているが、この乱れは測定装置によるものであり、前後のスペクトルの変化から330nm近辺も滑らかにスペクトルは変化していると推察する。また、図7のPLスペクトルにおいて、PL強度は規格化していない。他の図のPLスペクトルも同様である。
また、比較例2の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuAGに関するScの添加濃度依存性がわかる。積分強度は1.5(原子%)で最大になっている(図9参照)。添加量が1.7(原子%)になると発光強度が若干下がっているが、これも濃度消光に起因するものと推察する。なお、Scの添加量が増えると結晶構造が悪くなるが、Sc=1.5(原子%)のとき発光強度が最大となっているのは、結晶構造悪化による発光の低下より、Sc発光中心の増加割合の方が多かったためであると推察する。
また、PLスペクトルから、添加量が増大するとともに、ピークは290nmから300nmにシフトし、スペクトル幅が増大していることがわかる(図8参照)。Scの最外殻が3dであるため、周辺の原子の影響を受けやすいことに起因すると推察する。一方、比較例1のLaの場合、5d軌道が最外殻なので周辺の影響をあまり受けず、スペクトル幅も比較的小さく、添加濃度による依存性が現れなかったものと推察する。
なお、Lu、La、Scのイオン半径は、La(0.116 nm) > Lu(0.097 nm) > Sc(0.087 nm)の順になっており、3種のイオンの内、Scはイオン半径が最も小さい。イオン半径の小さなScの濃度が大きくなると、イオン半径の大きなLuの影響を受けやすくなり、ScイオンはLuイオンに引っ張られて遷移エネルギーが小さくなる。すなわち発光中心波長が低エネルギー側(長波長側)にシフトするのである。
実施例1の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuAGに対するLa,Scの共添加濃度依存性がわかる。LuAGに対してLa1.0(原子%)とSc1.0(原子%)の合計添加濃度2.0(原子%)の時に、積分強度は最大になっている(図5参照)。上述の如く、比較例1(Laのみ添加)の場合、最大積分強度はLa添加濃度が1.2(原子%)であり、比較例2(Scのみ添加)の場合、最大積分強度はSc添加濃度が1.5(原子%)であった。これに対して、実施例1の場合、La,Scの共添加濃度が合計2.0(原子%)で最大になっていた。すなわち、La,Scの共添加の場合、最大積分強度の添加量がLaのみ添加やScのみ添加よりも増大していることがわかる。実施例1(La,Scの共添加)の最大積分強度(図5参照)は、比較例1(Laのみ添加)の最大積分強度よりも大きくなっている(図7参照)。このことから、濃度消光を示す添加濃度限界が、共添加によって向上していることがわかる。
なお、比較例2(Scのみ添加)の最大積分強度(図9参照)が、実施例1(LaとScの共添加)の最大積分強度(図5参照)よりも大きくなっているが、これは、PLスペクトルの発光強度の絶対値が測り方によって多少の誤差が生じるためであると推察する(今回の発光強度の測定では積分球を用いた測定は行っていない)。積分強度に関するグラフの縦軸は、あくまでも相対強度の位置付けで解釈すべきである。また、Scのみの添加の場合、LaとScの共添加の場合よりも、発光中心波長がより長波長側にシフトし、PLスペクトルが殺菌効果のない長波長側へ広がっていることが確認でき(図4、図8参照)、これも積分強度が大きくなっている原因と推察する。
また、PLスペクトルは、比較例1(Laのみ添加)と比較例2(Scのみ添加)のそれぞれのスペクトル幅の中間程度であり、添加量が増大するとともに、280nmから290nmにシフトしていることがわかった(図4参照)。これから、LaとScイオンの添加量を調製することで、紫外発光蛍光体の発光中心波長を制御できることがわかる。また、実施例1のようにLaとScを共添加することにより、比較例1や比較例2のようにLa又はScをそれぞれ単独で添加するよりも、合計添加量を増大させることができ、発光強度を大きくできる。すなわち、高輝度化と同時に発光中心波長の制御性を実現できるのである。
図10は、実施例1(La,Scの共添加)、比較例1(Laのみ添加)、比較例2(Scのみ添加)のそれぞれのPLスペクトルの比較を示している。ピーク波長のシフト、スペクトル幅の変化が明確に確認できる。
本実施例では、(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)(以下、LuYAGと表記)結晶をベースとして、LaイオンとScイオンが共添加された紫外発光蛍光体を用いる紫外発光デバイスについて説明する。
下記表4は、実施例2の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。共添加するLaイオンとScイオンの添加量を、各々1.0(原子%)となるように調製し、作製する紫外発光蛍光体(Lu1−x3−a−bLaScAl12(但し、0<x<1、0<a,b<3)が10gになるように、Lu、Al、La、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
下記表5は、比較例3の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。比較例3の紫外発光蛍光体として、(Lu1−xAl12(LuYAG)結晶をベースとして、Laイオンのみが1.2(原子%)添加された紫外発光蛍光体を用いた。ここで、前述の比較例1のデータで示した通り、Laイオンが1.2(原子%)添加される場合は、比較例1で最大積分強度を示すLaの添加量である。
パラメータxを調製し、添加するYイオンの添加量を、0,2,5,8,11,13.8(原子%)となるように調製し、比較例3の紫外発光蛍光体(Lu1−x3−aLaAl12(但し、0<a<3)が10gになるように、Lu、Al、La、Yの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
下記表6は、比較例4の紫外発光蛍光体の試料作製条件を示したものである。比較例4の紫外発光蛍光体として、(Lu1−xAl12(LuYAG)結晶をベースとして、Scイオンのみが1.5(原子%)添加された紫外発光蛍光体を用いた。ここで、前述の比較例2のデータで示した通り、Scイオンが1.5(原子%)添加される場合は、比較例2で最大積分強度を示すScの添加量である。
パラメータxを調製し、添加するYイオンの添加量を、0,2,5,8,11,13.5(原子%)となるように調製し、比較例4の紫外発光蛍光体(Lu1−x3−bScAl12(但し、0<b<3)が10gになるように、Lu、Al、La、Yの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。
なお、実施例2、比較例3および比較例4のアニール処理の条件として、アニール温度は1600℃、アニール時間は10時間で、電気炉を用いて大気中で行った。
図11および図12は、実施例2の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図11はPLスペクトル、図12はその積分強度を示している。また、図13および図14は、比較例3の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図13はPLスペクトル、図14はその積分強度を示している。また、図15および図16は、比較例4の紫外発光蛍光体のPL測定結果を示し、図15はPLスペクトル、図16はその積分強度を示している。
比較例3の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuYAGに関するYの添加濃度依存性がわかる。積分強度はYの添加濃度11(原子%)で最大になっている(図14参照)。また、積分強度はYの添加濃度13.8(原子%)になると発光強度が下がっていることがわかる。
また、PLスペクトルから、Yの添加濃度が変化しても、ピーク波長は280nmでありシフトは確認できなかった(図13参照)。
また、比較例4の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuYAGに対するYの添加濃度依存性がわかる。積分強度はYの添加濃度0.5(原子%)で最小になり、Yの添加濃度13.5(原子%)で最大になっている(図16参照)。
また、PLスペクトルから、Yの添加濃度が増加とともに、ピークは290nmから300nmにシフトし、スペクトル幅も増大していることがわかる(図15参照)。
なお、Lu、Y、Scのイオン半径は、Y(0.102 nm) > Lu(0.097 nm) > Sc(0.087 nm)の順になっており(参照データベース:NIMS物質・材料データベース http://mits.nims.go.jp/)、3種のイオンの内、Yはイオン半径が最も大きい。Yの添加によって、イオン半径の大きなYの濃度が大きくなると、イオン半径の小さなScは影響を受けやすくなり、ScイオンはYイオンに引っ張られて遷移エネルギーが小さくなる。すなわち発光中心波長が低エネルギー側(長波長側)にシフトするのである。
実施例2の紫外発光蛍光体のPL測定結果から、LuYAGに関するYの添加濃度依存性がわかる(図11参照)。Y添加とともに285nmから305nmへピークシフトし、強度も強くなっていた。
これから、Yの添加量を調製することで、紫外発光蛍光体の発光中心波長を制御できることがわかる。また、実施例1と同様、LaとScを共添加することにより、比較例3や比較例4のようにLa又はScをそれぞれ単独で添加するよりも、合計添加量を増大させることができ、発光強度を大きくできる。実施例2の紫外発光蛍光体は、実施例1と同様、高輝度化と同時に発光中心波長の制御性を実現できるのである。
上記の実施例1,2では、LuAl12(LuAG)結晶、(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)(LuYAG)結晶をベースとして、LaイオンとScイオンが共添加された紫外発光蛍光体について説明したが、YAl12(YAG)結晶をベースとして、LaイオンとScイオンが共添加された紫外発光蛍光体を用いることができる。
一例として、YAG結晶をベースとして、LaイオンとScイオンがそれぞれ1.0(原子%)共添加された紫外発光蛍光体のPL測定結果を図11、図12に示す。上述した通り、図11はPLスペクトル、図12はその積分強度を示している。
上記の実施例1,2,3の紫外発光蛍光体の試料の結晶構造評価は、X線回折(X‐ray diffraction:以下、XRDと表記)測定により行った。なお、XRD測定は、θ−2θ測定とし、CuKα線(0.1541nm)を用いた。
実施例1,2,3の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を図17および図18に示す。図17はXRDスペクトル、図18はLuAG(実施例1)に対する回折ピークのシフトを示している。また、比較例1,2の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を図19および図20に示す。また、比較例1,3,5の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を図21および図22に示す。また、比較例2,4,6の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を図23および図24に示す。ここで、比較例5は、YAG結晶をベースとしてLaイオンのみ1.2(原子%)添加した試料であり、比較例6は、YAG結晶をベースとしてScイオンのみ1.5(原子%)添加した試料である。図19,21,23はXRDスペクトル、図20,22,24はLuAGに対する回折ピークのシフトを示している。なお、図18,20,22,24は、JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)データとの角度シフトを比較したものである。
下記表7に示すように、La,Y,Lu,Sc及びAlのそれぞれのイオン半径は、La(0.116nm) > Y(0.102nm) > Lu(0.097nm) > Sc(0.087nm)>Al(0.054nm)である(参照データベース:NIMS物質・材料データベース http://mits.nims.go.jp/)。
実施例1(LuAGをベース)、実施例2(LuYAGをベース)、実施例3(YAGをベース)を対比すると、Yの添加が大きくなる実施例2,3では、Yの添加とともに格子面間隔が広がり、回折ピークが低角度側にシフトしていることが、図18のグラフから確認できる。これは、十二面体サイトの歪が生じているものと推察する。イオン半径差や不純物により回折ピークのシフトが生じているといえるであろう。
また、実施例2(LuYAGをベース)のXRD測定結果から、Yの添加量が増えるとLuAGからYAGにホスト結晶が変化していくような特性を示すことがわかる。
比較例1(LuAGをベースとしてLaのみ添加)、比較例2(LuAGをベースとしてScのみ添加)の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を対比すると、図20のグラフから、La添加では格子面間隔が広がり回折ピークが低角度側にシフトし、一方、Sc添加では逆に格子面間隔は縮まり回折ピークが高角度側にシフトしていることがわかる。
比較例1(LuAGをベースとしてLaのみ添加)、比較例3(LuYAGをベースとしてLaのみ添加)、比較例5(YAGをベースとしてLaのみ添加)の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を対比すると、Yの添加とともに格子面間隔が広がり、回折ピークが低角度側にシフトしていることが、図22のグラフから確認できる。
比較例2(LuAGをベースとしてScのみ添加)、比較例4(LuYAGをベースとしてScのみ添加)、比較例6(YAGをベースとしてScのみ添加)の紫外発光蛍光体の試料のXRD測定結果を対比すると、Yの添加とともに格子面間隔が広がり、回折ピークが低角度側にシフトしていることが、図24のグラフから確認できる。
上記の実施例1,2で説明したように、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−xAl12(但し、0≦x≦1)をベースとして、LaイオンとScイオンが共添加された紫外発光蛍光体では、LaとScイオンの添加比率で、発光中心波長を制御すると共に、LaとScイオンのそれぞれ単独イオンの場合の濃度限界の添加量を超えて、両イオンの合計添加量を増やして輝度を制御することがわかる。さらに、パラメータxを調製し、Yの添加量を調製することで、紫外発光蛍光体の発光中心波長を制御できる。
さらに、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−xAl12のアルミニウム(Al)の組成を、B、Ga、In、或は、Tlに一部置換させて、発光中心波長および輝度を調製できる。すなわち、(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)において、さらに置換組成Zの選定およびパラメータyを制御として発光中心波長および輝度を調製し、目的とする発光中心波長および輝度を実現するのである。
図25に紫外発光デバイスの構造模式図の一例を示す。励起光源2は、上述の実施例に示した紫外発光蛍光体1を励起する励起光を生成する光源である。励起光源2は、α線、β線、γ線、X線、紫外線、可視光あるいは電磁波の放射源である。各種の放射線発生手段、放電光発生手段、固体発光素子などが該当し、例えば、プラズマ放電装置、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、半導体レーザーを含むレーザー光発生装置を好適に用いることができる。
図25において、出力光4は、励起光源2が放出する励起光3によって、紫外発光蛍光体1が励起されて放つ蛍光である。
なお、図25では、紫外発光蛍光体1の出力光4の照射方向は、励起光3が紫外発光蛍光体1を照射する方向と同じ方向である構造の紫外発光デバイスであるが、それ以外にも、励起光3が紫外発光蛍光体1を照射する方向とは逆方向に紫外発光蛍光体1の出力光4が放射される構造でも構わない。
図26に紫外発光デバイスの構造模式図の一例を示す。本実施例の紫外発光デバイスは、シリコン(Si)基板18と、Si基板18上に低温成長させたSiドープ窒化アルミニウム(AlN)薄膜17と、石英ガラス基板12と、上述の実施例の紫外発光蛍光体の薄膜11と、スペーサ15と、電圧回路16とから構成される。SiドープAlN薄膜17が電界電子放出材料になる。
ここで、Si基板18上に低温成長させたSiドープAlN薄膜17はエミッタを形成する。また、Si基板18とSiドープAIN薄膜17はカソード電極19(陰極)を形成し、石英ガラス基板12と紫外発光蛍光体薄膜11はアノード電極13(陽極)を形成し、スペーサ15を挟んで対向する。カソード電極19とアノード電極13の間の空隙は高真空雰囲気に保持される。
アノード電極13とカソード電極19の間の空隙を真空チャネル領域として、電極間に電界を印加することにより電子放出材料であるSiドープAlN薄膜17からの電子を紫外発光蛍光体薄膜11に注入させて発光させる。
なお、カソード電極19とアノード電極13の間にグリッドを挿入して、放出電流を制御することも可能である。カソード電極19とアノード電極13の間にグリッドを挿入する3極方式を採用することでもよい。
本実施例では、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、x=1、y=1)、すなわち、LuAl12をベースとして、発光中心を形成するLu以外の遷移元素イオンのScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Luの希土類サイトと、Alの第13族元素サイトの両サイトに置換された紫外発光蛍光体(実施例8)の発光特性について説明する。
また、比較例として、LuAl12をベースとしてScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Luの希土類サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例8a)の発光特性と、LuAl12をベースとしてScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Alの第13族元素サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例8b)の発光特性について説明する。
まず、紫外発光蛍光体の試料の作製手順について説明する。図3のフローに示すように、紫外発光蛍光体の試料の作製は、Lu、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量し(ステップS31)、アルミナ乳鉢を用いて粉末を混合し(ステップS32)、その後、混合した粉末に対してアニール処理を行った(ステップS33)。アニール処理は、電気炉を用いて大気中で行い、アニール温度は1600℃、アニール時間は10時間、昇温温度は4時間の条件で行った。
紫外発光蛍光体の試料作製条件を説明する。
実施例8の紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が2.6、2.8、3.0、3.2、3.4(原子%)となるように調製し、またLu側サイトとAl側サイトの両サイトに置換されるように、Lu、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、置換されるAl側サイトにScが1.5(原子%)置換されるようにし、Lu側サイトに1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)置換されるようにした。すなわち、Alを1.5(原子%)だけ少なくし、Luを1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)だけ少なくし、そして、Scが2.6、2.8、3.0、3.2、3.4(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量することによって、ScイオンをLu側サイトとAl側サイトの両サイトに置換させた。
比較例8aの紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、またLu側サイトにのみ置換されるように、Lu、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Lu側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Luを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Scが1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
比較例8bの紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)となるように調製し、またAl側サイトにのみ置換されるように、Lu、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Al側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)置換されるように、Alを1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)だけ少なくし、そして、Scが1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
実施例8と比較例8a,8bの紫外発光蛍光体の試料を纏めると下記の通りである。
8−1)実施例8の紫外発光蛍光体の試料・・・(LuSc)(AlSc)Gと表記
添加したSc(Lu側サイトとAl側サイトの両方に置換)は、
2.6、2.8、3.0、3.2、3.4(原子%)の5種類
但し、Al側サイトに、Scが1.5(原子%)置換されるように計量。
8−2)比較例8aの紫外発光蛍光体の試料・・・(LuSc)AlGと表記
添加したSc(Lu側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)の4種類
8−3)比較例8bの紫外発光蛍光体の試料・・・Lu(AlSc)と表記
添加したSc(Al側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)の5種類
ここで、Lu,Sc,Alのそれぞれのイオン半径は、Lu(0.097nm) > Sc(0.087nm)>Al(0.054nm)である。
実施例8と比較例8a,8bの紫外発光蛍光体の試料の発光特性について説明する。
実施例8の紫外発光蛍光体のPL測定結果を図27に、比較例8aの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図28に、比較例8bの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図29に示す。それぞれのPL測定結果において、(1)はPLスペクトル、(2)はPLピーク波長、(3)は(420)面X線回折ピークシフト、(4)は積分強度を示している。
なお、XRD測定は、θ−2θ測定とし、CuKα線(0.1541nm)を用いた。フォトルミネッセンス(PL)測定は、励起光源としてキセノンエキシマランプを用い、励起波長を172nm(7.2eV)、測定温度を室温として測定した。
図27の測定結果、特に図27(2)のグラフから、実施例8の紫外発光蛍光体の試料において、Scの添加量が増加すればPLピーク波長がほぼ線形に長波長側へシフトしていることがわかる。Scの添加量が2.8(原子%)の場合には、PLピークは321(nm)であり、Scの添加量が3.4(原子%)の場合には、PLピークは328(nm)であった。また、図27(4)のグラフから、Scの添加量が2.8と3.0(原子%)の場合には、積分強度が4.1×10以上であることが確認できた。
一方、比較例8aの紫外発光蛍光体の試料では、図28の測定結果から、実施例8の試料と同様に、Scの添加量に応じてPLピーク波長がほぼ線形に長波長側へシフトしているが、Scの添加量が1.1(原子%)の場合には、PLピークは297(nm)であり、Scの添加量が1.7(原子%)の場合には、PLピークは303(nm)であった。また、図28(4)のグラフから、Scの添加量が1.1から1.5(原子%)の場合には、積分強度が増加し、1.5(原子%)の時にピーク値(4.0×10未満)となり、1.7(原子%)では減少していることが確認できた。1.7(原子%)で積分強度が減少するのは濃度消光によって発光強度が低下するためであり、限界濃度に達していることがわかる。
また、比較例8bの紫外発光蛍光体の試料では、図29の測定結果から、実施例8の試料と同様に、Scの添加量に応じてPLピーク波長が長波長側へシフトしているが、Scの添加量が1.1(原子%)の場合には、PLピークは308(nm)であり、Scの添加量が1.9(原子%)の場合には、PLピークは313(nm)であった。また、図28(4)のグラフから、Scの添加量が1.1から1.7(原子%)の場合には、積分強度が増加あるいは一定であり、1.7(原子%)の時にピーク値(4.0×10未満)となり、1.9(原子%)では減少していることが確認できた。1.9(原子%)で積分強度が減少するのは濃度消光によって発光強度が低下するためであり、限界濃度に達していることがわかる。
以上から、実施例8の紫外発光蛍光体の試料の場合には、Lu側サイトとAl側サイトの両方にScを置換させることにより、Lu側サイトまたはAl側サイトの単独のサイトに置換させた場合と比べて、濃度消光の限界濃度以上のScを添加させて積分強度(発光強度)を高めることができた。また、PLピーク波長の観点からは、Lu側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは297(nm)〜303(nm)、Al側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは308(nm)〜313(nm)であり、Lu側サイトとAl側サイトの両方にScを置換させることにより、PLピークは321(nm)〜328(nm)にシフトさせることができた。すなわち、Scイオンの置換サイトを制御することによって、PLピーク波長を、297(nm)〜328(nm)、約30nmもシフトさせることができた。
本実施例では、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、x=0、y=1)、すなわち、YAl12をベースとして、発光中心を形成するY以外の遷移元素イオンのScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Yの希土類サイトと、Alの第13族元素サイトの両サイトに置換された紫外発光蛍光体(実施例9)の発光特性について説明する。
また、比較例として、YAl12をベースとしてScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Yの希土類サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例9a)の発光特性と、YAl12をベースとしてScイオンが添加された蛍光体であって、添加されたScイオンは、Alの第13族元素サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例9b)の発光特性について説明する。
まず、紫外発光蛍光体の試料の作製手順について説明する。図3のフローに示すように、紫外発光蛍光体の試料の作製は、Y、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量し(ステップS31)、アルミナ乳鉢を用いて粉末を混合し(ステップS32)、その後、混合した粉末に対してアニール処理を行った(ステップS33)。アニール処理は、電気炉を用いて大気中で行い、アニール温度は1600℃、アニール時間は10時間、昇温温度は4時間の条件で行った。
紫外発光蛍光体の試料作製条件を説明する。
実施例9の紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が2.6、2.8、3.0、3.2(原子%)となるように調製し、またY側サイトとAl側サイトの両サイトに置換されるように、Y、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、置換されるAl側サイトにScが1.5(原子%)置換されるようにし、Y側サイトに1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるようにした。すなわち、Alを1.5(原子%)だけ少なくし、Yを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Scが2.6、2.8、3.0、3.2(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量することによって、ScイオンをY側サイトとAl側サイトの両サイトに置換させた。
比較例9aの紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、またY側サイトにのみ置換されるように、Y、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Y側サイトにのみ1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Yを1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Scが1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
比較例9bの紫外発光蛍光体の試料は、添加するScイオンの添加量が1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)となるように調製し、またAl側サイトにのみ置換されるように、Y、Al、Scの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Al側サイトにのみ1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)置換されるように、Alを1.1、1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)だけ少なくし、そして、Scが1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
実施例9と比較例9a,9bの紫外発光蛍光体の試料を纏めると下記の通りである。
9−1)実施例9の紫外発光蛍光体の試料・・・(YSc)(AlSc)Gと表記
添加したSc(Y側サイトとAl側サイトの両方に置換)は、
2.6、2.8、3.0、3.2(原子%)の4種類
但し、Al側サイトに、Scが1.5(原子%)置換されるように計量。
9−2)比較例9aの紫外発光蛍光体の試料・・・(YSc)AlGと表記
添加したSc(Y側サイトにのみ置換)は、
1.3、1.5、1.7(原子%)の3種類
9−3)比較例9bの紫外発光蛍光体の試料・・・Y(AlSc)と表記
添加したSc(Al側サイトにのみ置換)は、
1.3、1.5、1.7、1.9(原子%)の4種類
ここで、Y,Sc,Alのそれぞれのイオン半径は、Y(0.102nm) > Sc(0.087nm)>Al(0.054nm)である。
実施例9と比較例9a,9bの紫外発光蛍光体の試料の発光特性について説明する。
実施例9の紫外発光蛍光体のPL測定結果を図30に、比較例9aの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図31に、比較例9bの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図32に示す。それぞれのPL測定結果において、(1)はPLスペクトル、(2)はPLピーク波長、(3)は(420)面X線回折ピークシフト、(4)は積分強度を示している。測定方法は、実施例8と同じである。
図30の測定結果、特に図30(2)のグラフから、実施例9の紫外発光蛍光体の試料は、Scの添加量が増加すればPLピーク波長がほぼ線形に長波長側へシフトしていることがわかる。Scの添加量が2.6(原子%)の場合には、PLピークは329(nm)であり、Scの添加量が3.2(原子%)の場合には、PLピークは333(nm)であった。また、図27(4)のグラフから、Scの添加量が2.6〜3.2(原子%)の全てで、積分強度が大凡4.7×10以上であることが確認できた。
一方、比較例9aの紫外発光蛍光体の試料では、図31の測定結果から、実施例9の試料と同様に、Scの添加量に応じてPLピーク波長がほぼ線形に長波長側へシフトしているが、Scの添加量が1.3(原子%)の場合には、PLピークは314(nm)であり、Scの添加量が1.7(原子%)の場合には、PLピークは319(nm)であった。また、図31(4)のグラフから、Scの添加量が1.3から1.5(原子%)の場合には、積分強度が増加し、1.5(原子%)の時にピーク値(4.1×10未満)をとることが確認できた。
また、比較例9bの紫外発光蛍光体の試料では、図32の測定結果から、実施例9の試料と同様に、Scの添加量に応じてPLピーク波長が長波長側へシフトしているが、Scの添加量が1.3(原子%)の場合には、PLピークは314(nm)であり、Scの添加量が1.9(原子%)の場合には、PLピークは318(nm)であった。また、図32(4)のグラフから、Scの添加量が1.3から1.9(原子%)の場合には、積分強度は増加しており、1.9(原子%)の時にピーク値(3.7×10未満)となっていることが確認できた。
以上から、実施例9の紫外発光蛍光体の試料の場合には、Y側サイトとAl側サイトの両方にScを置換させることにより、Y側サイトまたはAl側サイトの単独のサイトに置換させた場合と比べて、濃度消光の限界濃度以上のScを添加させて積分強度(発光強度)を高めることができた。また、PLピーク波長の観点からは、Y側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは314(nm)〜319(nm)、Al側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは314(nm)〜318(nm)であり、Lu側サイトとAl側サイトの両方にScを置換させることにより、PLピークは329(nm)〜333(nm)にシフトさせることができた。すなわち、Scイオンの置換サイトを制御することによって、PLピーク波長を、314(nm)〜333(nm)、約20nmもシフトさせることができた。
本実施例では、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、x=1、y=1)をベース、すなわち、LuAl12をベースとして、発光中心を形成するLu以外の遷移元素イオンのLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されたLaイオンは、Luの希土類サイトと、Alの第13族元素サイトの両サイトに置換された紫外発光蛍光体(実施例10)の発光特性について説明する。
また、比較例として、LuAl12をベースとしてLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されたLaイオンは、Luの希土類サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例10a)の発光特性と、LuAl12をベースとしてLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されLaイオンは、Alの第13族元素サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例10b)の発光特性について説明する。
まず、紫外発光蛍光体の試料の作製手順について説明する。図3のフローに示すように、紫外発光蛍光体の試料の作製は、Lu、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量し(ステップS31)、アルミナ乳鉢を用いて粉末を混合し(ステップS32)、その後、混合した粉末に対してアニール処理を行った(ステップS33)。アニール処理は、電気炉を用いて大気中で行い、アニール温度は1600℃、アニール時間は10時間、昇温温度は4時間の条件で行った。
紫外発光蛍光体の試料作製条件を説明する。
実施例10の紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)となるように調製し、またLu側サイトとAl側サイトの両サイトに置換されるように、Lu、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、置換されるAl側サイトにLaが1.3(原子%)置換されるようにし、Lu側サイトに1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるようにした。すなわち、Alを1.3(原子%)だけ少なくし、Luを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量することによって、LaイオンをLu側サイトとAl側サイトの両サイトに置換させた。
比較例10aの紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、作製する紫外発光蛍光体LuAl12が同量になるようにし、またLu側サイトにのみ置換されるように、Lu、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Lu側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Luを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
比較例10bの紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、またAl側サイトにのみ置換されるように、Lu、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Al側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Alを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
実施例10と比較例10a,10bの紫外発光蛍光体の試料を纏めると下記の通りである。
10−1)実施例10の紫外発光蛍光体の試料・・・(LuSc)(AlLa)Gと表記
添加したLa(Lu側サイトとAl側サイトの両方に置換)は、
2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)の4種類
但し、Al側サイトに、Laが1.3(原子%)置換されるように計量。
10−2)比較例10aの紫外発光蛍光体の試料・・・(LuLa)AlGと表記
添加したLa(Lu側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)の4種類
10−3)比較例10bの紫外発光蛍光体の試料・・・Lu(AlLa)と表記
添加したLa(Al側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)の4種類
ここで、La,Lu,Alのそれぞれのイオン半径は、La(0.116nm)>Lu(0.097nm) >Al(0.054nm)である。
実施例10と比較例10a,10bの紫外発光蛍光体の試料の発光特性について説明する。
実施例10の紫外発光蛍光体のPL測定結果を図33に、比較例10aの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図34に、比較例10bの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図35に示す。それぞれのPL測定結果において、(1)はPLスペクトル、(2)は積分強度を示している。測定方法は、実施例8と同じである。なお、実施例8と異なり、PLピーク波長および(420)面X線回折ピークシフトは差が僅かであったことから割愛した。
図33の測定結果のグラフから、実施例10の紫外発光蛍光体の試料において、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は295nm付近であった。また、図33(2)のグラフから、Laの添加量が2.8の場合に、積分強度が1.56×10とピークになることが確認できた。
一方、比較例10aの紫外発光蛍光体の試料では、図34の測定結果から、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は285nm付近であった。また、図34(4)のグラフから、Laの添加量が1.5の場合に、積分強度が1.42×10とピークになることが確認できた。Laの添加量が1.7(原子%)で積分強度が減少するのは濃度消光によって発光強度が低下するためであり、限界濃度に達していることがわかる。
また、比較例10bの紫外発光蛍光体の試料では、図35の測定結果から、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は300nm付近であった。また、図36(4)のグラフから、Laの添加量が1.3〜1.5の場合に、積分強度が2.8×10とピークになることが確認できた。Laの添加量が1.7(原子%)で積分強度が減少するのは濃度消光によって発光強度が低下するためであり、限界濃度に達していることがわかる。
以上から、実施例10の紫外発光蛍光体の試料の場合には、Lu側サイトとAl側サイトの両方にLaを置換させることにより、Lu側サイトまたはAl側サイトの単独のサイトに置換させた場合と比べて、濃度消光の限界濃度以上のLaを添加させて積分強度(発光強度)を高めることができた。また、PLピーク波長の観点からは、Lu側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは285nm、Al側サイト単独で置換させた場合に、PLピークは300nであり、Lu側サイトとAl側サイトの両方にLaを置換させることにより、PLピークは295nmにシフトさせることができた。すなわち、Laイオンの置換サイトを制御することによって、PLピーク波長を、285(nm)〜300(nm)、約15nmもシフトさせることができた。
本実施例では、希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、x=0、y=1)をベースとして、すなわち、YAl12をベースとして、発光中心を形成するY以外の遷移元素イオンのLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されたLaイオンは、Yの希土類サイトと、Alの第13族元素サイトの両サイトに置換された紫外発光蛍光体(実施例11)の発光特性について説明する。
また、比較例として、YAl12をベースとしてLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されたLaイオンは、Yの希土類サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例11a)の発光特性と、YAl12をベースとしてLaイオンが添加された蛍光体であって、添加されたLaイオンは、Alの第13族元素サイトのみに置換された紫外発光蛍光体(比較例10b)の発光特性について説明する。
まず、紫外発光蛍光体の試料の作製手順について説明する。図3のフローに示すように、紫外発光蛍光体の試料の作製は、Y、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量し(ステップS31)、アルミナ乳鉢を用いて粉末を混合し(ステップS32)、その後、混合した粉末に対してアニール処理を行った(ステップS33)。アニール処理は、電気炉を用いて大気中で行い、アニール温度は1600℃、アニール時間は10時間、昇温温度は4時間の条件で行った。
紫外発光蛍光体の試料作製条件を説明する。
実施例11の紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)となるように調製し、またY側サイトとAl側サイトの両サイトに置換されるように、Y、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、置換されるAl側サイトにLaが1.3(原子%)置換されるようにし、Y側サイトに1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるようにした。すなわち、Alを1.3(原子%)だけ少なくし、Yを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量することによって、LaイオンをY側サイトとAl側サイトの両サイトに置換させた。
比較例11aの紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、またY側サイトにのみ置換されるように、Y、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Y側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Yを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
比較例11bの紫外発光蛍光体の試料は、添加するLaイオンの添加量が1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)となるように調製し、またAl側サイトにのみ置換されるように、Y、Al、Laの各原料粉末を化学量論比に基づいて秤量した。ここで、Al側サイトにのみ1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)置換されるように、Alを1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)だけ少なくし、そして、Laが1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)増加するように、各原料粉末を秤量した。
実施例11と比較例11a,11bの紫外発光蛍光体の試料を纏めると下記の通りである。
11−1)実施例11の紫外発光蛍光体の試料・・・(YSc)(AlLa)Gと表記
添加したLa(Y側サイトとAl側サイトの両方に置換)は、
2.4、2.6、2.8、3.0(原子%)の4種類
但し、Al側サイトに、Laが1.3(原子%)置換されるように計量。
11−2)比較例11aの紫外発光蛍光体の試料・・・(YLa)AlGと表記
添加したLa(Y側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)の4種類
11−3)比較例11bの紫外発光蛍光体の試料・・・Y(AlLa)と表記
添加したLa(Al側サイトにのみ置換)は、
1.1、1.3、1.5、1.7(原子%)の4種類
ここで、La,Y,Alのそれぞれのイオン半径は、La(0.116nm)>Y(0.102nm) >Al(0.054nm)である。
実施例11の紫外発光蛍光体のPL測定結果を図36に、比較例11aの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図37に、比較例11bの紫外発光蛍光体のPL測定結果を図38に示す。それぞれのPL測定結果において、(1)はPLスペクトル、(2)は積分強度を示している。測定方法は、実施例8と同じである。なお、実施例9と異なり、PLピーク波長および(420)面X線回折ピークシフトは差が僅かであったことから割愛した。
図36の測定結果のグラフから、実施例11の紫外発光蛍光体の試料において、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は287nm付近であった。また、図36(2)のグラフから、積分強度が1.50×10〜1.60×10であり、Laの添加量が2.4(原子%)から増加するにつれて積分強度が減少することが確認できた。これは積分強度のピークは2.4(原子%)未満に存在するからであると推察する。
一方、比較例11aの紫外発光蛍光体の試料では、図37の測定結果から、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は287nm付近であった。また、図37(4)のグラフから、Laの添加量が1.5(原子%)の場合に、積分強度が1.80×10とピークになることが確認できた。Laの添加量が1.7(原子%)で積分強度が減少するのは濃度消光によって発光強度が低下するためであり、限界濃度に達していることがわかる。
また、比較例11bの紫外発光蛍光体の試料では、図38の測定結果から、Laの添加量が増加してもPLピーク波長は287nm付近であった。また、図38(4)のグラフから、Laの添加量が1.1(原子%)で積分強度が1.80×10と高く、1.3(原子%)以上で積分強度が1.65×10であり、発光強度が低下し積分強度が減少することが確認できた。YAGにLaを添加した時は、Laのイオン半径がAlのイオン半径の2倍以上あるため、LaがAl側サイトを置換したY(AlLa)Gの場合では、Laを添加するとたちまち発光強度が減衰することになる。これはLaのイオン半径が置換サイトのAlのイオン半径よりも大き過ぎて、Laを過剰に添加すると無輻射中心を作るためと推察する。
実施例11の紫外発光蛍光体の試料の場合においても、Y側サイトとAl側サイトの両方にLaを置換させることにより、Y側サイトまたはAl側サイトの単独のサイトに置換させた場合と比べて、濃度消光の限界濃度以上のLaを添加させて積分強度(発光強度)を高めることができるが、Al側サイトにLaが1.3(原子%)置換されるようにしたため、Al側サイトに過剰に添加されることになり(Al側サイトにLaを置換する最適濃度は1.1(原子%)以下であると推察)、積分強度(発光強度)を高める結果に至らなかった。
図39はPLE測定結果のグラフであり、PLE測定は、励起光波長(励起エネルギー)を変化させながらPLスペクトルを測定する。図39において、横軸は励起波長であり、縦軸はPL強度を示している。
図39(1)のグラフは、ベースとなる希土類アルミニウムガーネット結晶として、実施例1のLuAG,実施例2のLuYAG、実施例3のYAGを用いて、発光中心を形成する遷移元素イオンのScイオン1.5(原子%)が添加された蛍光体を作製して、それらをPLE測定した結果を示している。図39(1)のグラフでは、LuAGにScイオン1.5(原子%)を添加したもの“(LuSc)AlG,Sc=1.5at%”の吸収端が短波長側にあり、YAGにScイオン1.5(原子%)を添加したもの“(YSc)AlG,Sc=1.5at%”の吸収端が長波長側にあり、LuYAGにScイオン1.5(原子%)を添加したもの“(LuYSc)AlG,Sc=1.5at%”の吸収端が短波長側と長波長側にそれぞれに存在していることがわかる。このことは、LuAGにYを添加するにつれて、吸収端が長波長化し、Luを完全にYで置き換えたものが最も長波長側に吸収端を持ち、長波長励起効率が向上することが確認できたことになる。
図39(2)のグラフは、上述の実施例8の比較例8aの(LuSc)AlGと比較例8bのLu(AlSc)において、Scイオン1.5(原子%)を添加した蛍光体のPLE測定結果を示している。比較例8aの(LuSc)AlGと比較例8bのLu(AlSc)は、それぞれScの置換サイト(Lu又はAl)を変化させたものである。
図39(2)のグラフから、イオン半径の小さなScがイオン半径の大きなLuサイトに入ると、LuAGホスト結晶は圧縮応力を受けて吸収端が短波長化する。LuAGホスト結晶が圧縮応力を受けていることは、図28(3)のX線回折ピークシフトより明らかである。一方、Scよりイオン半径の小さなAlサイトに入った場合、図29(3)のX線回折ピークシフトから平均格子定数が膨張していることを示すが、吸収端は長波長化せず、逆に短波長化している。LuAGはガーネット結晶で、Luを含む酸素のカゴとAlを含む酸素のカゴの集合体であり、発光しているのはScを含む酸素のカゴである。Scがより小さなAlサイトに入ると、Scを含むカゴは膨張し、そのためその隣にあるLuを含むカゴは圧迫され圧縮されると推察する(人が小さな部屋に閉じ込められて隙間で風船が膨らむ感じと似ている)。ScがAlを置き換えるとバンド端がより短波長化したことから、Luを含むカゴが吸収端エネルギーを決めていると結論できる。すなわち、吸収端の制御には希土類サイトの置換が重要と結論付けることができる。したがって、LuをYで置き換えると図39(1)のグラフに示すように、効果的にバンド端が動くのであろう。
図39(3)のグラフは、上述の実施例8の比較例8aの(LuSc)AlGと実施例10の比較例10aの(LuLa)AlGにおいて、それぞれScイオン1.5(原子%)と1.2(原子%)を添加した蛍光体のPLE測定結果を示している。比較例8aの(LuSc)AlGと比較例10aの(LuLa)AlGは、置換サイトLuの置換元素(Sc,La)を変化させたものである。
図39(3)のグラフから、同じ希土類サイトを置換する場合は、イオン半径の小さなScがイオン半径の大きなLuサイトに入ると、LuAGホスト結晶は圧縮応力を受けて(図28(3)のX線回折ピークシフトより明らか)吸収端が短波長化するのに対して、Luよりイオン半径の大きなLaがLuサイトに入ると、逆にLuAGホスト結晶は引っ張り応力を受けて吸収端が長波長化することが確認できた。
本発明の紫外発光蛍光体とそれを用いた紫外発光デバイスは、水銀レス化が急がれる現在の工業用装置や分析装置類への利用可能性がある。また、環境・医療現場における殺菌・滅菌装置,色素による細胞選別、表面分析、蛍光分析や、環境汚染物質の分解・除去装置、水質管理システム等の極めて広範囲の応用分野広範囲な利用が期待できる。
1 紫外発光蛍光体
2 励起光源
3 励起光
4 出力光
11 紫外発光蛍光体薄膜
12 石英ガラス基板
13 アノード電極
15 スペーサ
16 電圧回路
17 SiドープAlN薄膜
18 Si基板
19 カソード電極

Claims (16)

  1. 希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する2種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンが少なくとも共添加された蛍光体であって、
    励起光を照射し、該励起光の照射により励起されて紫外光を発光することを特徴とする紫外発光蛍光体。
  2. 上記の希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−x(Al1−y12(但し、0<x<1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)であることを特徴とする請求項1に記載の紫外発光蛍光体。
  3. 共添加する遷移元素イオンは希土類イオンであり、Gd、Eu、Dy、La、Ce、Sm、Nd、Tb、Pr、Er、Tm、Yb、Sc、Pm、およびHoからなる群より選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外発光蛍光体。
  4. 共添加する遷移元素イオンの各添加量は、240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になるように添加比率が調製され、
    xとyの少なくとも一方をパラメータとして発光中心波長および輝度が調製されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の紫外発光蛍光体。
  5. 共添加する遷移元素イオンは、LaイオンとScイオンであり、各々の添加量は、280〜320nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外発光蛍光体。
  6. 上記の希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−xAl12(但し、0<x<1)であり、
    共添加する遷移元素イオンは、LaイオンとScイオンであり、各々の添加量は、280〜320nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外発光蛍光体。
  7. 希土類アルミニウムガーネット結晶(Lu1−x(Al1−y12(但し、0≦x≦1、0<y≦1、ZはB,Ga,In,Tl)をベースとして、発光中心を形成する1種以上のLu,Y以外の遷移元素イオンが少なくとも添加された蛍光体であって、
    添加された遷移元素イオンは、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの両サイトに置換されており、
    励起光を照射し、該励起光の照射により励起されて紫外光を発光することを特徴とする紫外発光蛍光体。
  8. 上記の希土類アルミニウムガーネット結晶が、(Lu1−xAl12(但し、x=0又は1)であり、
    添加された遷移元素イオンは、Lu又はYの希土類サイトとAlサイトの両サイトに置換されたことを特徴とする請求項7に記載の紫外発光蛍光体。
  9. 添加する遷移元素イオンは、Laイオン又はScイオンであり、各々の添加量は、280〜340nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長になる添加比率で、かつ、濃度消光が生じる限界近傍の添加量である、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の紫外発光蛍光体。
  10. 請求項1〜9の何れかの紫外発光蛍光体と、
    前記紫外発光蛍光体に対して励起光を照射させる励起光照射手段、
    を備えた紫外発光デバイス。
  11. 前記励起光照射手段は、プラズマ放電による紫外光が励起光となって前記紫外発光蛍光体に対して照射されるものであることを特徴とする請求項10に記載の紫外発光デバイス。
  12. 請求項1〜9の何れかの紫外発光蛍光体が薄膜であり、
    上記薄膜を有するアノード基板と、
    電界電子放出材料を有するカソード基板と、
    前記アノード基板と前記カソード基板とを対向して配設させ、基板間の空隙を真空雰囲気に保持させるスペーサと、
    前記アノード基板と前記カソード基板の間に電界を印加させる電圧回路とを少なくとも有し、
    前記アノード基板と前記カソード基板の間の空隙を真空チャネル領域とし、基板間に電界を印加することにより前記電界電子放出材料からの電子を前記紫外発光蛍光体の薄膜に注入させて、前記紫外発光蛍光体から紫外光を発光させることを特徴とする紫外発光デバイス。
  13. 請求項1〜5の何れかの紫外発光蛍光体の作製方法であって、
    1)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップと、
    2)発光中心を形成する2種以上の遷移元素イオンの添加比率を調製して前記発光中心波長を制御するステップと、
    3)発光中心を形成する2種以上の遷移元素イオンの各添加量の合計添加量が、各イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して輝度を制御するステップと、
    4)パラメータxとyの少なくとも一方を調製して前記発光中心波長および輝度を制御するステップと、
    5)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、上記添加比率と合計添加量が調製された2種以上の遷移元素イオンを共添加するステップと、
    6)焼成し、アニール処理するステップ、
    を備えることを特徴とする紫外発光蛍光体の作製方法。
  14. 請求項6の紫外発光蛍光体の作製方法であって、
    1)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップと、
    2)発光中心を形成するLaイオンとScイオンの添加比率を調製して前記発光中心波長を制御するステップと、
    3)LaイオンとScイオンの各添加量の合計添加量が、各イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して輝度を制御するステップと、
    4)パラメータxを調製して前記発光中心波長および輝度を制御するステップと、
    5)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、上記添加比率と合計添加量が調製されたLaイオンとScイオンを共添加するステップと、
    6)焼成し、アニール処理するステップ、
    を備えることを特徴とする紫外発光蛍光体の作製方法。
  15. 請求項7の紫外発光蛍光体の作製方法であって、
    1)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップと、
    2)発光中心を形成する1種以上の遷移元素イオンの添加量が、イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して前記発光中心波長を制御するステップと、
    3)添加された遷移元素イオンが、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの少なくとも何れかのサイトに置換するように、Lu又はYの希土類イオンの含有量と、Al又はZの含有量を制御するステップと、
    4)パラメータxとyの少なくとも一方を調製して前記発光中心波長および輝度を制御するステップと、
    5)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、上記添加量が調製された1種以上の遷移元素イオンを添加するステップと、
    6)焼成し、アニール処理するステップ、
    を備えることを特徴とする紫外発光蛍光体の作製方法。
  16. 請求項8の紫外発光蛍光体の作製方法であって、
    1)240〜400nmの範囲の紫外域で目標とする発光中心波長を決定するステップと、
    2)発光中心を形成するLaイオン又はScイオンの添加量が、イオンの濃度消光による限界濃度以上になるように調製して前記発光中心波長を制御するステップと、
    3)添加されたLaイオン又はScイオンが、Lu又はYの希土類サイトと、Al又はZの第13族元素サイトの少なくとも何れかのサイトに置換するように、Lu又はYの希土類イオンの含有量と、Al又はZの含有量を制御するステップと、
    4)パラメータxを調製して前記発光中心波長および輝度を制御するステップと、
    5)希土類アルミニウムガーネット結晶に対して、上記添加量が調製されたLaイオン又はScイオンを添加するステップと、
    6)焼成し、アニール処理するステップ、
    を備えることを特徴とする紫外発光蛍光体の作製方法。
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