JP2017143997A - 電極カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】先端電極が外力を受けたときに、カテーテルシャフトの不可逆的な変形や先端電極の脱落などがなく、X線影像上において先端電極の位置や形状を正確に把握できる電極カテーテルの提供。【解決手段】カテーテルシャフト10と中継部材20と先端電極と30リング状電極41とを備えてなり、中継部材20は、その近位部分21がカテーテルシャフト10のルーメンに挿入されることによりカテーテルシャフト10に接続され、その遠位部分22が先端電極30の内部空間35に挿入されることにより先端電極30に接続されており、中継部材20の近位部分21の近位端211は、リング状電極41の遠位端412よりも近位側に位置し、中継部材20は、ロックウェル硬さがM50以上であり、先端電極30およびリング状電極41を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料からなる。【選択図】 図2

Description

本発明は、先端偏向操作可能な電極カテーテルに関する。
従来、アブレーションカテーテルなどの電極カテーテルを構成する先端電極(チップ電極)は、電極部分と円筒状の細径部分とが一体的に形成されてなり、カテーテルシャフトの先端可撓部分のルーメンに円筒状の細径部分を挿入して接着剤などで固定することにより、当該カテーテルシャフトの遠位側に接続されている(例えば、下記特許文献1および特許文献2参照)。
特開平6−165824号公報 特開平9−140803号公報
しかしながら、先端電極の細径部分が挿入されているシャフト部分と、細径部分の近位端より近位側における当該細径部分が挿入されていないシャフト部分とでは、曲げ剛性が大きく異なるために、先端電極が外力を受けたとき、例えば、先端電極の電極部分を体内組織に押し付けたときに、細径部分の近位端より僅かに近位側におけるシャフト部分に応力が集中して、当該シャフト部分に不可逆的な変形(曲がり癖)が生じたり、カテーテルシャフトに装着されている先端電極が脱落したりすることがある。
このような問題は、先端電極の電極部分が長いほど起こりやすい。
このような問題に対して、カテーテルシャフトに挿入される先端電極の細径部分を長くすることが考えられる。
然るに、カテーテルシャフトの先端可撓部分の外周面には、通常、複数のリング状電極が装着されている。
また、電極カテーテルを使用する医療行為(手技)は、X線影像によって電極の位置や形状を確認しながら行われるため、先端電極およびリング状電極は、何れも造影性の高いX線不透過性金属から構成されている。
このため、最も遠位側にあるリング状電極の内側に先端電極の細径部分の近位端が到達する程度に当該細径部分を長くすると、先端電極の細径部分と、リング状電極とがX線影像上において重なって、先端電極と当該リング状電極とを識別できなくなり、この結果、先端電極の位置や形状を正確に把握することができなくなる。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、先端電極が外力を受けたときに、カテーテルシャフトの先端可撓部分に不可逆的な変形を生じたり、カテーテルシャフトから先端電極が脱落したりすることがなく、しかも、X線影像上において先端電極の位置や形状を正確に把握することができる電極カテーテルを提供することにある。
(1)本発明の電極カテーテルは、先端可撓部分を有するカテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの遠位側に接続された管状の中継部材と、X線不透過性金属からなり前記中継部材の遠位側に接続された第1極である先端電極と、X線不透過性金属からなり前記カテーテルシャフトの先端可撓部分の外周面に装着された少なくとも1つのリング状電極とを備えてなり、
前記先端電極には内部空間が形成され、
前記中継部材は、その近位部分が前記カテーテルシャフトのルーメンに挿入されることにより前記カテーテルシャフトに接続されているとともに、その遠位部分が前記内部空間に挿入されることにより前記先端電極に接続されており、
前記中継部材の近位部分の近位端は、第2極となる前記リング状電極の遠位端よりも近位側に位置し、
前記中継部材は、ロックウェル硬さがM50以上であり、前記先端電極および前記リング状電極を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料からなることを特徴とする。
このような構成の電極カテーテルによれば、カテーテルシャフトと先端電極とが硬質の中継部材を介して固定され、この中継部材の近位部分の近位端が第2極となるリング状電極の遠位端よりも近位側に位置している(すなわち、中継部材の近位部分がリング状電極の内側まで延びている)ので、中継部材の近位部分が挿入されているシャフト部分の曲げ剛性が当該近位部分によって高く保持されるとともに、中継部材の近位部分の近位端よりも近位側におけるシャフト部分の曲げ剛性は第2極となるリング状電極によって高く保持されることになる。これにより、中継部材の近位部分が挿入されているシャフト部分と、中継部材の近位部分の近位端より近位側における当該近位部分が挿入されていないシャフト部分とで曲げ剛性が大きく異なることはなく、先端電極が外力を受けたときに、中継部材の近位部分の近位端より僅かに近位側におけるシャフト部分に応力が集中して当該シャフト部分に不可逆的な変形(曲がり癖)が生じたり、カテーテルシャフトから先端電極が脱落したりすることはない。
また、カテーテルシャフトと先端電極との間に中継部材が介在しているとともに、この中継部材は、電極を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い(X線による造影性の低い)材料からなるので、X線影像上において、先端電極とリング状電極(第2極)とを識別することができ、先端電極の位置や形状を正確に把握することができる。
(2)本発明の電極カテーテルにおいて、前記先端電極および前記リング状電極を構成するX線不透過性金属が白金、金、銀またはこれらを主成分とする合金であり、
前記中継部材を構成する材料が、液晶ポリマー、ナイロン、ポリカーボネートまたはPEEKからなる樹脂材料、あるいはステンレスまたは黄銅(真鍮)からなる金属材料であることが好ましい。
(3)本発明の電極カテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトは、前記中継部材の近位部分の近位側においてマルチルーメン構造を有し、前記中継部材の近位部分には内側凹部が形成されていることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、中継部材の近位部分に内側凹部が形成されていることにより、中継部材(内側凹部の底面に形成された開口)から近位方向に延び出る先端電極の導線や電極カテーテルの遠位端の向きを変化させるための操作用ワイヤなどを、カテーテルシャフトのそれぞれのルーメンに確実に仕分けることができる。
(4)本発明の電極カテーテルにおいて、前記先端電極はX線不透過性金属によって一体的に形成され、
それぞれの中心が同一直線上に存在する3個以上の球面または略球面と、
隣り合う球面または略球面の間に、前記球面または略球面に接続した1つの縮径部を備えた曲面とを有し、
当該曲面により、前記先端電極には、隣り合う前記球面または略球面の間において括れが形成されていることが好ましい。
(5)本発明の電極カテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトの内部に延びるように配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤと、前記操作用ワイヤの遠位端を前記先端電極に固定するために、前記中継部材の遠位部分が挿入されている位置から遠位側に離間した前記先端電極の内部空間に嵌合されたアンカー部材とを備えてなり、
前記中継部材には、前記先端電極の導線を挿通させるための貫通孔と、前記操作用ワイヤを挿通させるための貫通孔とが形成されていることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、アンカー部材を備えていることにより、操作用ワイヤの遠位端を先端電極の内部空間の適正な位置に配置して固定することができる。
(6)上記(5)の電極カテーテルにおいて、前記中継部材の遠位部分に内側凹部が形成されていることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、中継部材の遠位部分に内側凹部が形成されていることにより、アンカー部材を固定する際に使用したはんだの一部を当該内側凹部に収容することができる。
(7)上記(6)の電極カテーテルにおいて、前記先端電極の近位端は、前記中継部材の遠位部分に形成されている前記内側凹部の底面より近位側に位置していることが好ましい。
先端電極の内部空間を形成する(取り囲む)金属壁は、通常、先端電極の近位端の近傍において薄肉になっているが、このような構成の電極カテーテルによれば、先端電極の近位端が、中継部材の遠位部分に形成されている内側凹部の底面より近位側に位置していることにより、中継部材の遠位部分における薄肉部(内側凹部を取り囲む側壁)の外側に先端電極における薄肉部(先端電極の近位端の近傍における金属壁)が位置することを回避することができる。この結果、薄肉部どうしが積重されることによる強度低下を防止することができる。
(8)上記(7)の電極カテーテルにおいて、前記先端電極の近位端と、前記中継部材の遠位部分に形成されている前記内側凹部の底面との距離(軸方向の距離d)が0.3〜1mmであることが好ましい。
(9)本発明の電極カテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトの内部に延びるように配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤを備えてなり、
前記中継部材の遠位部分は、前記操作用ワイヤの遠位端を前記先端電極に固定するためのアンカー部材としての機能を有しており、
前記中継部材の遠位部分には、その中心軸を挟んで対向するよう軸方向に延びる2つの貫通孔または貫通溝が形成され、
前記操作用ワイヤは、その一端および他端が近位端となり、前記カテーテルシャフトの内部を一端側(近位端側)から遠位方向に延びて前記中継部材に挿入され、前記遠位部分に形成された一方の貫通孔または貫通溝を通って遠位方向に延び、前記中継部材の遠位端で折り返し、前記遠位部分に形成された他方の貫通孔または貫通溝を通って近位方向に延び、前記中継部材から延び出て、前記カテーテルシャフトの内部を近位方向に延びて他端(近位端)に至る1本のワイヤからなることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、中継部材の遠位部分がアンカー部材としての機能を有していることにより、操作用ワイヤの遠位端を先端電極の内部空間の適正な位置に配置して固定することができる。
(10)上記(9)の電極カテーテルにおいて、前記中継部材の遠位部分には、軸方向に延びて少なくとも近位側が開口する内孔または貫通孔が形成され、前記内孔または貫通孔には、前記先端電極の導線が挿入されていることが好ましい。
本発明の電極カテーテルによれば、先端電極が外力を受けたときに、カテーテルシャフトの先端可撓部分に不可逆的な変形を生じたり、カテーテルシャフトから先端電極が脱落したりすることがなく、しかも、X線影像上において先端電極の位置や形状を正確に把握することができる。
本発明の第1実施形態に係る電極カテーテルの側面図である。 図1に示した電極カテーテルの先端部分を示す縦断面図である。 図1に示した電極カテーテルの先端部分を示す縦断面図(図2の III−III 断面図)である。 図1に示した電極カテーテルの先端部分を示す横断面図(図2のIV−IV断面図)である。 図1に示した電極カテーテルの先端部分を示す横断面図(図2のV−V断面図)である。 図1に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す側面図である。 図1に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す正面図である。 図1に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す背面図である。 図1に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す縦断面図である。 図1に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極カテーテルの先端部分を示す縦断面図である。 図7に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す側面図である。 図7に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す正面図である。 図7に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す背面図である。 図7に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す縦断面図である。 図7に示した電極カテーテルを構成する中継部材を示す縦断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1〜図5に示すこの実施形態の電極カテーテル100は、例えば、心臓における不整脈の診断または治療に用いられるものである。
本実施形態の電極カテーテル100は、先端可撓部分15を有するカテーテルシャフト10と、カテーテルシャフト10の遠位側に接続された管状の中継部材20と、X線不透過性金属からなり中継部材20の遠位側に接続された第1極である先端電極30と、X線不透過性金属からなりカテーテルシャフト10の先端可撓部分の外周面に装着されたリング状電極41〜43と、カテーテルシャフト10の内部に軸方向に沿って延在するように配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤ50と、先端電極30の内部温度を測定するための熱電対55と、操作用ワイヤ50の遠位端を先端電極30に固定するために先端電極30の内部空間35に嵌合された円柱状のアンカー部材70と、カテーテルシャフト10の近位端に装着されたコネクタ(ハンドル)80とを備えてなり、中継部材20は、その近位部分21がカテーテルシャフト10のルーメンに挿入されることによってカテーテルシャフト10に接続されているとともに、その遠位部分22が先端電極30の内部空間35に挿入されることにより先端電極30に接続されており、中継部材20の近位部分21の近位端211は、第2極となるリング状電極41の遠位端412よりも近位側に位置し、中継部材20は、ロックウェル硬さがM50以上であり、先端電極30およびリング状電極41〜43を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料から構成されている。
本実施形態の電極カテーテル100は、カテーテルシャフト10と、中継部材20と、先端電極30と、リング状電極41〜43と、操作用ワイヤ50と、熱電対55と、アンカー部材70と、コネクタ80とを備えている。
図1において、85は、カテーテルシャフト10の首振り操作(カテーテルの先端偏向操作)を行うための摘みである。
また、図2〜図5において、53は、先端電極30の導線、54は、リング状電極41の導線である。
カテーテルシャフト10は先端可撓部分15を有し、図4に示すように8つのルーメン101〜108が形成されたマルチルーメンチューブである。
但し、中継部材20の近位部分21が挿入されているカテーテルシャフト10の先端領域は、シングルルーメン構造となっている。
ここに、「先端可撓部分」とは、操作用ワイヤを引張操作することによって撓む(曲がる)ことのできるカテーテルシャフトの先端部分をいう。
カテーテルシャフト10は、軸方向に沿って同じ特性のチューブで構成されていてもよいが、比較的可撓性に優れた先端可撓部分と、先端可撓部分に対して軸方向に一体に形成され、先端可撓部分よりも比較的に剛性のある後端部分とを有するものであることが好ましい。カテーテルシャフト10の構成材料としては、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリウレタンなどの合成樹脂を挙げることができる。
カテーテルシャフト10の外径は、通常2Fr(0.65mm)〜8Fr(2.7mm)とされる。
カテーテルシャフト10の遠位側には、後に詳述する中継部材20を介して、第1極である先端電極30が接続されている。
先端電極30は、X線不透過性金属によって一体的に形成され、それぞれの中心が同一直線上に存在する3個の球面30Aと、隣り合う球面の間に、これら球面に接続した1つの縮径部30Bを備えた曲面とを有しており、当該曲面により、先端電極30には、隣り合う球面30Aの間において括れが形成されている。
先端電極30の外径(球面30Aにおける最大径)は、カテーテルシャフト10の外径と同程度であることが好ましい。
先端電極30には円柱状の内部空間35が形成されている。先端電極30の内径(内部空間35の径)は1.3〜1.8mmとされる。
先端電極30を構成するX線不透過性金属としてはX線に対する良好な造影性を有する金属であれば特に限定されるものではないが、好適な具体例として、白金、金、銀およびこれらを主成分とする合金などを挙げることができる。
カテーテルシャフト10の先端可撓部分15の外周面には、X線不透過性金属からなるリング状電極41〜43が装着されている。なお、リング状電極の数は3個に限定されないことは勿論である。
リング状電極41〜43の幅(カテーテルシャフト10の軸方向における長さ)としては、例えば1.2〜5.0mmとされる。
リング状電極41〜43を構成するX線不透過性金属としては先端電極30を構成するものと同様の金属を挙げることができる。
カテーテルシャフト10と先端電極30との間に介在して電極カテーテル100を構成する中継部材20は、近位部分21と、中間部分23と、遠位部分22とが一体的に形成されている。
この中継部材20を示す図6(図6A〜図6E)において、24は操作用ワイヤ50を挿通させるための貫通孔、25は先端電極30の導線53および熱電対55を挿通させるための貫通孔、26は近位部分21に形成された内側凹部、27は遠位部分22に形成された内側凹部、28は、近位部分21の外周に形成された抜け止め防止部である。
図2および図3に示すように、電極カテーテル100を構成する中継部材20の近位部分21は、カテーテルシャフト10のルーメン(先端可撓部分15の先端領域におけるシングルルーメン)に挿入されて接着剤等により固定されている。これにより、中継部材20はカテーテルシャフト10に接続されている。
ここで、中継部材20の近位部分21の近位端211は、第2極となるリング状電極41の遠位端412よりも近位側(リング状電極41の幅方向の略中間)に位置している。すなわち、中継部材20の近位部分21はリング状電極41の内側まで延びている。
他方、中継部材20の遠位部分22は、先端電極30の内部空間35に挿入されて接着剤等により固定されている。これにより、中継部材20は先端電極30に接続されている。
このように、本実施形態の電極カテーテル100では、カテーテルシャフト10と先端電極30との間に中継部材20が介在されている点に特徴がある。
中継部材20の構成材料は、ロックウェル硬さがM50以上であることが必要とされ、M90以上であることが好ましい。
ロックウェル硬さがM50以上の材料によって構成される中継部材20によれば、その近位部分21が挿入されているシャフト部分の曲げ剛性を十分高く保持することができる。
また、中継部材20の構成材料は、先端電極30およびリング状電極41〜43を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高いこと、すなわち、X線による造影性が低いことが必要である。
これにより、先端電極30の近位端301およびリング状電極41の遠位端412がX線影像上において明確となって、先端電極30とリング状電極41とを識別することが可能となり、この結果、先端電極30の位置や形状を正確に把握することができる。
先端電極やリング状電極と同様のX線不透過性金属によって中継部材を構成すると、X線影像上において、先端電極と中継部材とリング状電極とが1つの電極のように見えてしまうため、先端電極の位置や形状を正確に把握することは不可能となる。
上記のような硬度およびX線透過性を兼ね備えた材料としては、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン、ポリカーボネート樹脂、PEEK樹脂などの樹脂材料、並びに、ステンレススチール、黄銅(真鍮)などの金属材料を挙げることができ、これらのうち、液晶ポリマーが好ましい。
電極カテーテル100を構成する操作用ワイヤ50は、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン101およびルーメン108)において軸方向に沿って延在している。
ここに、操作用ワイヤ50は、一端側から遠位方向に延びる往路部分50Aがルーメン101に延在し、折り返されて近位方向に延びる復路部分50Bがルーメン108に延在している。
操作用ワイヤ50の近位端である一端および他端は、カテーテルシャフト10の偏向操作を行うための摘み85に接続され、これにより、引張操作可能となっている。
一方、操作用ワイヤ50の遠位端は、先端電極30の内部空間35に嵌合された円柱状のアンカー部材70によって先端電極30に固定されている。
図2および図3に示すように、アンカー部材70には、その中心軸を挟んで対向するように軸方向に延びる2つの貫通孔(貫通孔71および貫通孔72)と、アンカー部材70の中心軸上に延びて近位端側が開口する内孔73が形成されている。
アンカー部材70の外径は、先端電極30の内部空間35の径よりも僅かに小さく形成されており、アンカー部材70は、先端電極30の内部空間35(中継部材20の遠位部分22が挿入されている位置から遠位側に離間した位置における内部空間)に挿入され、先端電極30の内周面とアンカー部材70の外周面との僅かな隙間にははんだが充填されている。このようにして、アンカー部材70が、先端電極30の内部空間35に固定され(これにより、両者の中心軸が一致する)、両者の間には導電性および良好な熱伝導性が確保されている。
アンカー部材70の構成材料としては、はんだに対する濡れ性の良好な金属材料であることが好ましい。かかる観点から、アンカー部材70の好適な構成材料として銅または銅合金を挙げることができ、特に、熱伝導性およびはんだに対する濡れ性が良好である黄銅(真鍮)が好ましい。
先端電極30の内部空間35(アンカー部材70との隙間)に充填されているはんだとしては、特に限定されるものでなく、例えばSn−Pb、Sn−Pb−Ag、Sn−Pb−Cuを例示することができ、また、PbフリーのはんだであるSn−Ag−Cu、Sn−Cu、Sn−Ag、Sn−Ag−Cu−Biなどを使用することもできる。
なお、先端電極30の内部空間35にアンカー部材70を固定するために使用したはんだの一部は、アンカー部材70の近位側における内部空間35および中継部材20の遠位部分22に形成された内側凹部27に収容することができる。
このように、中継部材20の遠位部分22においてもはんだを収容することができるので、組み上げ精度の向上を図ることができる。
図2および図3に示すように、先端電極30の球面30Aにおいては、内部空間35を取り囲む金属壁が厚く形成されており、縮径部30Bでは、内部空間35を取り囲む金属壁が薄く形成されている。
また、先端電極30の近位端301の近傍における金属壁も、縮径部30Bにおける金属壁と同様に薄く形成されている(薄肉部となっている)。
また、中継部材20の遠位部分22に形成された内側凹部27を取り囲む側壁は薄肉部になっている。
もし、中継部材20の遠位部分22における薄肉部(内側凹部27を取り囲む側壁)の外側に、先端電極30の薄肉部(近位端301の近傍における金属壁)が位置して、薄肉部どうしが積重されると、当該部分の強度はきわめて低いものとなる。
そこで、本実施形態の電極カテーテル100においては、先端電極30の近位端301を、中継部材20の遠位部分22に形成された内側凹部27の底面272よりも近位側に位置させることにより、中継部材20の遠位部分22における薄肉部(内側凹部27を取り囲む側壁)と、先端電極30の薄肉部(近位端301の近傍における金属壁)とが積重されることを回避している。これにより、薄肉部どうしの積重による強度低下を防止することができる。
ここに、先端電極30の近位端301と、中継部材20の遠位部分22に形成されている内側凹部27の底面272との距離(図3に示すd)は0.3〜1mmであることが好ましい。
また、内側凹部27の底面272の形成位置における先端電極30を構成する金属壁の肉厚は、球面30Aにおける肉厚(最大肉厚)の25%以上であることが好ましい。
操作用ワイヤ50は、その一端および他端が近位端、折り返し部分が遠位端となる1本のワイヤにより構成されている。
操作用ワイヤ50は、カテーテルシャフト10のルーメン101において一端側(近位端側)から遠位方向に延び、ルーメン101から延び出て中継部材20に挿入され、中継部材20の内側凹部26、貫通孔24の一方、内側凹部27を遠位方向に延び、中継部材20から遠位側に延び出て、先端電極30の内部空間35を遠位方向に延びてアンカー部材70に挿入され、アンカー部材70の貫通孔71を通って遠位方向に延び、アンカー部材70の遠位端面70Dで折り返し、アンカー部材70の貫通孔72を通って近位方向に延び、アンカー部材70から近位側に延び出て、先端電極30の内部空間35を近位方向に延びて中継部材20に挿入され、中継部材20の内側凹部27、貫通孔24の他方、内側凹部26を近位方向に延び、中継部材20から延び出てカテーテルシャフト10のルーメン108に挿入され、ルーメン108において近位方向に延びて他端(近位端)に至る。
上記のように、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン101)を延在している操作用ワイヤ50が、アンカー部材70の貫通孔71を通って、遠位端面70Dで折り返され、アンカー部材の貫通孔72を通って再びカテーテルシャフト10の内部(ルーメン108)を延在することにより、操作用ワイヤ50の遠位端を、アンカー部材70(延いては、先端電極30)に対して強固に固定することができ、操作用ワイヤ50の近位端を引張操作しても、当該操作用ワイヤ50の遠位端が、先端電極30の内部空間35から抜けてしまうようなことはない。
また、貫通孔71および貫通孔72はアンカー部材70の中心軸(先端電極30の中心軸)を挟んで対向するよう配置されているので、これらの貫通孔に通された操作用ワイヤ50の近位端(一端および他端)を引張操作することにより、電極カテーテル100の遠位端の向きを両方向に変化させることができ、しかも、電極カテーテル100の先端可撓部分の形状変化の平面性にも優れている。
操作用ワイヤ50の構成材料としては特に限定されるものではなく、従来公知の先端偏向操作可能カテーテルの操作用ワイヤの構成材料と同一のものをすべて使用することができる。
特に、操作用ワイヤ50の遠位端は、先端電極30の内部空間35に充填されたはんだによって先端電極に対して直接固定されるものではないため、はんだに対する濡れ性の低い金属材料(例えばステンレス)であっても操作用ワイヤ50の構成材料として好適に使用することができ、また、非金属材料であっても使用することができる。
操作用ワイヤ50の直径としては、例えば0.05〜0.5mmとされ、好ましくは0.1〜0.3mmとされる。
なお、アンカー部材70の貫通孔71および貫通孔72の内径は、操作用ワイヤ50の直径よりも僅かに大きく形成されており、貫通孔71,72の内周面と操作用ワイヤ50の外周面との間の僅かな隙間にははんだが充填されている。
先端電極30の導線53は、先端電極30の内部空間35、中継部材20の内部(内側凹部27、貫通孔25、内側凹部26)、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン106)およびコネクタ80の内部を延在している。
導線53の近位部分は、コネクタ80から引き出され、例えば高周波発生装置に接続される。
導線53の遠位部分は、アンカー部材70に形成された内孔73に挿入され、この内孔73に浸入しているはんだによって、アンカー部材70に対して固定されている。これにより、導線53は、アンカー部材70(延いては先端電極30)に対して電気的に接続されている。
導線53としては、通常の樹脂被覆導線を使用することができる。
導線53の直径としては、例えば0.04〜0.3mmとされ、好ましくは0.06〜0.12mmとされる。
電極カテーテル100を構成する熱電対55は、先端電極30の内部の温度を測定するためのセンサである。
熱電対55は、先端電極30の内部空間35、中継部材20の内部(内側凹部27、貫通孔25、内側凹部26)、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン105)およびコネクタ80の内部を延在している。
熱電対55の遠位部分(測温部)は、導線53の遠位部分とともに、アンカー部材70に形成された内孔73に挿入されることによって、アンカー部材70に対して固定されている。
図2〜図4に示すように、操作用ワイヤ50の往路部分50Aが挿通されるカテーテルシャフト10のルーメン101と中継部材20の貫通孔24の一方とは同一直線上に位置しておらず、操作用ワイヤ50の復路部分50Bが挿通されるカテーテルシャフト10のルーメン108と中継部材20の貫通孔24の他方とは同一直線上に位置していない。
また、先端電極30の導線53が挿通されるカテーテルシャフト10のルーメン106と中継部材20の貫通孔25とは同一直線上に位置しておらず、熱電対55が挿通されるカテーテルシャフト10のルーメン105と中継部材20の貫通孔25とは同一直線上に位置していない。
そこで、本実施形態の電極カテーテル100においては、中継部材20の近位部分21に内側凹部26が形成されている。これにより、電極カテーテル100の製造時において、中継部材20の貫通孔24,24,25から近位方向に延び出させた操作用ワイヤ50(50A,50B)、先端電極30の導線53、熱電対55が断面方向に移動自在となり、これらを、それぞれ、カテーテルシャフト10のルーメン101,108,106,105に容易に仕分けることができる。
本実施形態の電極カテーテル100において、コネクタ80の摘み85を操作することにより、操作用ワイヤ50の一端または他端が近位方向に引っ張られて、電極カテーテル100の先端可撓部分15が撓み、電極カテーテル100の遠位端は、矢印AまたはBで示す方向に偏向が可能になる。
例えば、図1に示す摘み85をA1方向に回転させることにより、操作用ワイヤ50の一端が近位方向に引っ張られて、電極カテーテル100の遠位端が、矢印Aで示す方向に偏向する。また、摘み85をB1方向に回転させることにより、操作用ワイヤ50の他端が近位方向に引っ張られて、電極カテーテル100の遠位端が、矢印Bで示す方向に偏向する。なお、コネクタ80を軸回りに回転させれば、体腔内に挿入された状態で、電極カテーテル100に対するAまたはB方向の向きを自由に設定することができる。
本実施形態の電極カテーテル100によれば、カテーテルシャフト10と先端電極30とが、ロックウェル硬さがM50以上の材料により構成される硬質の中継部材20を介して固定され、この中継部材20の近位部分21の近位端211がリング状電極41の遠位端412よりも近位側に位置しているので、カテーテルシャフト10の先端可撓部分15において、中継部材20の近位部分21が挿入されているシャフト部分の曲げ剛性が、この近位部分21によって高く保持されるとともに、近位部分21の近位端211より近位側におけるシャフト部分の曲げ剛性は、リング状電極41によって高く保持されることになる。
これにより、近位部分21が挿入されているシャフト部分と、近位端211より近位側に位置する(近位部分21が挿入されていない)シャフト部分とで、カテーテルシャフト10の曲げ剛性が大きく異なることはなく、先端電極30が外力を受けたときに、近位端211より僅かに近位側におけるシャフト部分に応力が集中して当該シャフト部分に不可逆的な変形(曲がり癖)が生じたり、カテーテルシャフト10から中継部材20とともに先端電極30が脱落したりすることを防止することができる。
また、この電極カテーテル100によれば、カテーテルシャフト10と先端電極30との間に中継部材20が介在しているとともに、この中継部材20は、先端電極30およびリング状電極41〜43を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料からなるので、X線影像上において先端電極30とリング状電極41とを識別することができ、この結果、先端電極30の位置や形状を正確に把握することができる。
また、この電極カテーテル100によれば、中継部材20の近位部分21に内側凹部26が形成されていることにより、その製造時において、中継部材20の貫通孔から近位方向に延び出させた操作用ワイヤ50(50A,50B)、先端電極30の導線53、熱電対55を、それぞれ、カテーテルシャフト10のルーメン101,108,106,105に容易に仕分けることができる。
また、この電極カテーテル100によれば、中継部材20の遠位部分22が挿入されている位置から遠位側に離間した先端電極30の内部空間35に嵌合されたアンカー部材70を備えていることにより、操作用ワイヤ50の遠位端を先端電極30の内部空間35の適正な位置に配置して固定することができる。
また、この電極カテーテル100によれば、中継部材20の遠位部分22に内側凹部27が形成されていることにより、アンカー部材70を固定する際に使用したはんだの一部を当該内側凹部に収容することができる。
また、この電極カテーテル100によれば、先端電極30の近位端301が、中継部材20の遠位部分22に形成されている内側凹部27の底面272より近位側に位置していることにより、中継部材20の遠位部分22における薄肉部(内側凹部27を取り囲む側壁)の外側に先端電極30における薄肉部(近位端301の近傍における金属壁)が位置することを回避することができ、薄肉部どうしが積重されることによる強度低下を防止することができる。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る電極カテーテルの先端部分を示す縦断面図であり、同図において、図2と同一の符号で示したものは第1実施形態の電極カテーテル100と同一の構成である。
本実施形態の電極カテーテル200は、先端可撓部分15を有するカテーテルシャフト10と、カテーテルシャフト10の遠位側に接続された管状の中継部材60と、X線不透過性金属からなり中継部材60の遠位側に接続された第1極である先端電極30と、X線不透過性金属からなりカテーテルシャフト10の先端可撓部分15の外周面に装着された3個のリング状電極(図7では、リング状電極41および42のみを図示している)と、カテーテルシャフト10の内部に軸方向に沿って延在するよう配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤ50と、先端電極30の導線53と、先端電極30の内部温度を測定するための熱電対55と、カテーテルシャフト10の近位端に装着されたコネクタとを備えてなり、中継部材60は、その近位部分61がカテーテルシャフト10のルーメンに挿入されることによりカテーテルシャフト10に接続されているとともに、その遠位部分62が先端電極30の内部空間に挿入されることにより先端電極30に接続されており、中継部材60の近位部分61の近位端611は、第2極となるリング状電極41の遠位端412よりも近位側に位置し、中継部材60は、ロックウェル硬さがM50以上であり、先端電極30およびリング状電極を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料からなり、中継部材60の遠位部分62は、操作用ワイヤ50の遠位端を先端電極30に固定するためのアンカー部材としての機能を有しており、中継部材60の遠位部分62には、その中心軸を挟んで対向するよう軸方向に延びる2つの貫通溝641,642が形成され、操作用ワイヤ50は、その一端および他端が近位端となり、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン101)を一端側から遠位方向に延びて中継部材60に挿入され、遠位部分62に形成された貫通溝641を通って遠位方向に延び、中継部材60の遠位端面60Dで折り返し、遠位部分62に形成された貫通溝642を通って近位方向に延び、中継部材60から延び出て、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン108)を近位方向に延びて他端に至る1本のワイヤからなる。
本実施形態の電極カテーテル200は、カテーテルシャフト10と、中継部材60と、先端電極30と、リング状電極と、操作用ワイヤ50と、先端電極30の導線53と、熱電対55と、コネクタとを備えている。
この電極カテーテル200を構成するカテーテルシャフト10、先端電極30、リング状電極41、操作用ワイヤ50、先端電極30の導線53、熱電対55およびコネクタは、第1実施形態の電極カテーテル100を構成するものと同一である。
カテーテルシャフト10の遠位側には、中継部材60を介して、先端電極30が接続されている。
カテーテルシャフト10と先端電極30との間に介在して電極カテーテル200を構成する中継部材60は、近位部分61と遠位部分62とが一体的に形成されている。なお、この中継部材60には、近位部分61と遠位部分62との間に中間部分を有しておらず、中継部材60が直接血液などに接触することはない。
本実施形態の電極カテーテル200においては、中継部材60の遠位部分62が、操作用ワイヤ50の遠位端を先端電極30に固定するためのアンカー部材としての機能を有している。
この中継部材60を示す図8(図8A〜図8E)において、641,642は、操作用ワイヤ50(往路部分50A,復路部50B)を挿通させるために、遠位部分62に形成されている貫通溝であり、貫通溝641,642は、中継部材60の中心軸を挟んで対向するよう軸方向に延びている。
65は、先端電極30の導線53および熱電対55を挿通させるための貫通孔であり、66は近位部分61に形成された内側凹部である。
68は、近位部分61の外周に形成された抜け止め防止部であり、63は、遠位部分62の外周に形成されたネジ部である。なお、先端電極30の内周には、このネジ部63に螺合するネジ部が形成されている。
図7に示すように、中継部材60の近位部分61はカテーテルシャフト10のルーメン(先端可撓部分15の先端領域におけるシングルルーメン)に挿入されて接着剤等により固定されている。これにより、中継部材60はカテーテルシャフト10に接続されている。ここで、中継部材60の近位部分61の近位端611は、リング状電極41の遠位端412よりも近位側に位置している。すなわち、中継部材60の近位部分61は、リング状電極41の内側まで延びている。
他方、中継部材60の遠位部分62は、先端電極30の内部空間に挿入されて接着剤等により固定されている。これにより、中継部材60は先端電極30に接続されている。
このように、本実施形態の電極カテーテル200では、カテーテルシャフト10と先端電極30との間に中継部材60が介在されている。
中継部材60の構成材料は、ロックウェル硬さがM50以上であることが必要とされ、M90以上であることが好ましい。
ロックウェル硬さがM50以上の材料によって構成される中継部材60によれば、その近位部分61が挿入されているシャフト部分の曲げ剛性を十分高く保持することができる。
また、中継部材60の構成材料は、先端電極30およびリング状電極41を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高いこと、すなわち、X線による造影性が低いことが必要である。
これにより、先端電極30の近位端301およびリング状電極41の遠位端412がX線影像上において明確となって、先端電極30とリング状電極41とを識別することが可能となり、この結果、先端電極30の位置や形状を正確に把握することができる。
上記のような硬度およびX線透過性を兼ね備えた材料としては、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン、ポリカーボネート樹脂、PEEK樹脂などの樹脂材料、並びに、ステンレススチール、黄銅(真鍮)などの金属材料を挙げることができる。
電極カテーテル200を構成する操作用ワイヤ50は、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン101およびルーメン108)において軸方向に沿って延在している。
ここに、操作用ワイヤ50は、一端側から遠位方向に延びる往路部分50Aがルーメン101に延在し、折り返されて近位方向に延びる復路部分50Bがルーメン108に延在している。
操作用ワイヤ50の近位端である一端および他端は、カテーテルシャフト10の偏向操作を行うための摘みに接続され、これにより、引張操作可能となっている。
一方、操作用ワイヤ50の遠位端は、中継部材60の遠位部分62によって先端電極30に固定されている。
操作用ワイヤ50は、カテーテルシャフト10のルーメン101において一端側(近位端側)から遠位方向に延び、ルーメン101から延び出て中継部材60に挿入され、中継部材60の内側凹部66、遠位部分62に形成された貫通溝641を通って遠位方向に延び、中継部材60の遠位端面60Dで折り返し、遠位部分62に形成された貫通溝642、中継部材60の内側凹部66を通って近位方向に延び、中継部材60から延び出て、カテーテルシャフト10のルーメン108に挿入され、ルーメン108において近位方向に延びて他端(近位端)に至る。
上記のように、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン101)を延在している操作用ワイヤ50が、中継部材60の遠位部分62に形成された貫通溝641を通って、中継部材60の遠位端面60Dで折り返され、中継部材60の遠位部分62に形成された貫通溝642を通って再びカテーテルシャフト10の内部(ルーメン108)を延在することにより、操作用ワイヤ50の遠位端を、中継部材60の遠位部分62(延いては、先端電極30)に対して強固に固定することができ、操作用ワイヤ50の近位端を引張操作しても、当該操作用ワイヤ50の遠位端が、先端電極30の内部空間から抜けてしまうようなことはない。
また、貫通溝641,642は、中継部材60の中心軸(先端電極30の中心軸)を挟んで対向するよう配置されているので、これらの貫通溝に通された操作用ワイヤ50の近位端(一端および他端)を引張操作することにより、電極カテーテル200の遠位端の向きを両方向に変化させることができ、しかも、電極カテーテル200の先端可撓部分の形状変化の平面性にも優れている。
先端電極30の導線53は、中継部材60の遠位部分62に形成された貫通孔65、中継部材60の内側凹部66、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン106)およびコネクタの内部を延在している。
導線53の近位部分は、コネクタから引き出され、例えば高周波発生装置に接続される。
導線53の遠位部分は貫通孔65に挿入され、この貫通孔65に浸入しているはんだによって、中継部材60の遠位部分62に対して固定されている。これにより、導線53は、中継部材60(延いては先端電極30)に対して電気的に接続されている。
電極カテーテル200を構成する熱電対55は、中継部材60の遠位部分62に形成された貫通孔65、中継部材60の内側凹部66、カテーテルシャフト10の内部(ルーメン105)およびコネクタの内部を延在している。
熱電対55の遠位部分(測温部)は、導線53の遠位部分とともに貫通孔65に挿入されることによって、中継部材60の遠位部分62に対して固定されている。
本実施形態の電極カテーテル200によれば、中継部材60の近位部分61が挿入されているシャフト部分と、近位端611より近位側に位置する(近位部分61が挿入されていない)シャフト部分とで、カテーテルシャフト10の曲げ剛性が大きく異なることはなく、先端電極30が外力を受けたときに、近位端611より僅かに近位側におけるシャフト部分に応力が集中して当該シャフト部分に不可逆的な変形(曲がり癖)が生じたり、カテーテルシャフト10から中継部材60とともに先端電極30が脱落したりすることを防止することができる。
また、この電極カテーテル200によれば、X線影像上において先端電極30とリング状電極41とを識別することができ、この結果、先端電極30の位置や形状を正確に把握することができる。
また、この電極カテーテル200によれば、中継部材60の遠位部分62がアンカー部材としての機能を有していることにより、操作用ワイヤ50の遠位端を先端電極30の内部空間の適正な位置に配置して固定することができる。
そして、部品(アンカー部材)の削減により、製造の容易化、コストの低減を図ることができる。
100 電極カテーテル
10 カテーテルシャフト
101〜108 ルーメン
15 先端可撓部分
20 中継部材
21 近位部分
211 近位部分の近位端
22 遠位部分
23 中間部分
24,25 貫通孔
26,27 内側凹部
272 内側凹部の底面
28 抜け止め防止部
30 先端電極
301 先端電極の近位端
30A 球面
30B 縮径部
35 内部空間
41〜43 リング状電極
412 リング状電極の遠位端
50 操作用ワイヤ
50A 往路部分
50B 復路部分
53 先端電極の導線
54 リング状電極の導線
55 熱電対
70 アンカー部材
70D アンカー部材の遠位端面
71,72 貫通孔
73 内孔
80 コネクタ
85 摘み
200 電極カテーテル
60 中継部材
61 近位部分
62 遠位部分
611 近位部分の近位端
641,642 貫通溝
60D 中継部材の遠位端面
65 貫通孔
66 内側凹部
68 抜け止め防止部
63 ネジ部

Claims (10)

  1. 先端可撓部分を有するカテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの遠位側に接続された管状の中継部材と、X線不透過性金属からなり前記中継部材の遠位側に接続された第1極である先端電極と、X線不透過性金属からなり前記カテーテルシャフトの先端可撓部分の外周面に装着された少なくとも1つのリング状電極とを備えてなり、
    前記先端電極には内部空間が形成され、
    前記中継部材は、その近位部分が前記カテーテルシャフトのルーメンに挿入されることにより前記カテーテルシャフトに接続されているとともに、その遠位部分が前記内部空間に挿入されることにより前記先端電極に接続されており、
    前記中継部材の近位部分の近位端は、第2極となる前記リング状電極の遠位端よりも近位側に位置し、
    前記中継部材は、ロックウェル硬さがM50以上であり、前記先端電極および前記リング状電極を構成するX線不透過性金属よりもX線透過率の高い材料からなることを特徴とする電極カテーテル。
  2. 前記先端電極および前記リング状電極を構成するX線不透過性金属が白金、金、銀またはこれらを主成分とする合金であり、
    前記中継部材を構成する材料が、液晶ポリマー、ナイロン、ポリカーボネートまたはPEEKからなる樹脂材料、あるいはステンレスまたは黄銅(真鍮)からなる金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の電極カテーテル。
  3. 前記カテーテルシャフトは、前記中継部材の近位部分の近位側においてマルチルーメン構造を有し、
    前記中継部材の近位部分には内側凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極カテーテル。
  4. 前記先端電極は、X線不透過性金属によって一体的に形成され、
    それぞれの中心が同一直線上に存在する3個以上の球面または略球面と、
    隣り合う球面または略球面の間に、前記球面または略球面に接続した1つの縮径部を備えた曲面とを有し、
    当該曲面により、前記先端電極には、隣り合う前記球面または略球面の間において括れが形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電極カテーテル。
  5. 前記カテーテルシャフトの内部に延びるように配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤと、前記操作用ワイヤの遠位端を前記先端電極に固定するために、前記中継部材の遠位部分が挿入されている位置から遠位側に離間した前記先端電極の内部空間に嵌合されたアンカー部材とを備えてなり、
    前記中継部材には、前記先端電極の導線を挿通させるための貫通孔と、前記操作用ワイヤを挿通させるための貫通孔とが形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電極カテーテル。
  6. 前記中継部材の遠位部分に内側凹部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電極カテーテル。
  7. 前記先端電極の近位端は、前記中継部材の遠位部分に形成されている前記内側凹部の底面より近位側に位置していることを特徴とする請求項6に記載の電極カテーテル。
  8. 前記先端電極の近位端と、前記中継部材の遠位部分に形成されている前記内側凹部の底面との距離(d)が0.3〜1mmであることを特徴とする請求項7に記載の電極カテーテル。
  9. 前記カテーテルシャフトの内部に延びるように配置され、その近位側が引張操作可能な操作用ワイヤを備えてなり、
    前記中継部材の遠位部分は、前記操作用ワイヤの遠位端を前記先端電極に固定するためのアンカー部材としての機能を有しており、
    前記中継部材の遠位部分には、その中心軸を挟んで対向するよう軸方向に延びる2つの貫通孔または貫通溝が形成され、
    前記操作用ワイヤは、その一端および他端が近位端となり、前記カテーテルシャフトの内部を一端側から遠位方向に延びて前記中継部材に挿入され、前記遠位部分に形成された一方の貫通孔または貫通溝を通って遠位方向に延び、前記中継部材の遠位端で折り返し、前記遠位部分に形成された他方の貫通孔または貫通溝を通って近位方向に延び、前記中継部材から延び出て、前記カテーテルシャフトの内部を近位方向に延びて他端に至る1本のワイヤからなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電極カテーテル。
  10. 前記中継部材の遠位部分には、軸方向に延びて少なくとも近位側が開口する内孔または貫通孔が形成され、前記内孔または貫通孔には、前記先端電極の導線が挿入されていることを特徴とする請求項9に記載の電極カテーテル。
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