JP2017143192A - アレイ基板、表示素子、感放射線性樹脂組成物およびアレイ基板の製造方法 - Google Patents

アレイ基板、表示素子、感放射線性樹脂組成物およびアレイ基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた信頼性のアレイ基板を提供し、表示素子を提供し、感放射線性樹脂組成物およびアレイ基板の製造方法を提供する。【解決手段】アレイ基板1は、基板2の一方の表面側に、トップゲート型のTFT3と、TFT3を覆ってアレイ基板1の層間絶縁膜を構成する第1の絶縁膜10とを有する。TFT3の半導体層4には、ポリシリコンを用いる。第1の絶縁膜10は、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含んで調製された感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、TFT3のソース電極8およびドレイン電極9を覆うように配置される。アレイ基板1を用いて表示素子を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、アレイ基板、表示素子、感放射線性樹脂組成物およびアレイ基板の製造方法に関する。
近年、スマートフォン等の携帯情報機器の急速な市場拡大に対応して、薄型軽量で高表示品位の表示素子が求められており、液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)素子の開発が盛んに進められている。
液晶表示素子は、通常、一対の基板間に液晶層を挟持して構成される。そして、例えば、それら基板の一方を液晶駆動用のアレイ基板とする。このアレイ基板では、画素電極やスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transister)等を含む画素がマトリクス状に形成されている。また、アレイ基板と対向配置されたもう一方の基板は、カラーフィルタ基板とされる。このカラーフィルタ基板では、各画素に対応するように、カラー表示用の着色パターンからなるカラーフィルタ等が形成されている。このような構造を備えた液晶表示素子は、液晶層を構成する液晶の駆動によって、画素毎に光の透過率を制御し、カラー画像を形成することができる。
従来、上述したアレイ基板上に形成され、液晶を駆動するためのスイッチング素子となるTFTは、アモルファスシリコン(a−Si)TFTが主に用いられてきた。a−SiTFT製造プロセスがアモルファスシリコンプロセスによる。そして近年では、低温ポリシリコンプロセスによるポリシリコン(p−Si)TFTの開発が盛んに進められている。この低温プロセスによるp−SiTFTは、その形成のために高価な石英基板を使用する必要がなく、また、画素内のTFTと同時に周辺ドライバ回路も同一基板に同時に形成できて、液晶表示素子等の小型軽量化に有効な技術となる。
p−SiTFTは、その構造にしたがって、トップゲート型とボトムゲート型とに大別することができる。そして、液晶表示素子等の表示素子においては、TFTの半導体層への不純物注入によるソース・ドレイン領域の自己整合が容易である等の理由から、トップゲート型が主流となっている(例えば、特許文献1または特許文献2を参照。)。
液晶表示素子において、トップゲート型のp−SiTFTは、アレイ基板を構成する基板の一方の表面の側、すなわち、基板の液晶層側に設けられる。
より具体的には、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されるように、トップゲート型のp−SiTFTは、基板の一方の表面側に形成されたポリシリコンからなる半導体層と、その半導体層の表面を被覆する絶縁膜と、その絶縁膜上の半導体層と対向する位置に形成されたゲート電極とを有して構成される。半導体層を覆う上述の絶縁膜は、半導体層とゲート電極との間に配置され、ゲート絶縁膜等と称される。そして、トップゲート型のp−SiTFTは、ゲート電極および露出するゲート絶縁膜を覆うもう一層の別の絶縁膜を有し、さらに、その別の絶縁膜上に設けられて半導体層に電気的に接続されるソース電極およびドレイン電極を有して構成される。
液晶表示素子のトップゲート型p−SiTFTにおいて、ゲート電極は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)等の金属材料またはこれらの金属材料を含む合金等によって形成される。例えば、ゲート電極は、モリブデン・タングステンによって形成することができる。
また、ソース電極およびドレイン電極についても、ゲート電極と同様の金属材料にて形成することができる。例えば、ソース電極およびドレイン電極は、チタンおよびアルミニウムの積層体によって形成することができる。
基板上に設けられたトップゲート型のp−SiTFTは、例えば、特許文献2に記載されるように、それを覆って保護するとともにその表面を平坦化するための層間絶縁膜が設けられる。そして、さらに、その層間絶縁膜上に、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:錫をドープした酸化インジュウム)等からなる画素電極等が設けられて、液晶表示素子のアレイ基板が構成される。
特開2011−054897号公報 特開2015−210296号公報
以上のように、液晶表示素子等の表示素子においては、スイッチング素子として、トップゲート型のp−SiTFTが多用されている。そして、トップゲート型のp−SiTFTを有して構成されるアレイ基板では、p−SiTFTを覆って保護するとともにp−SiTFTの表面を平坦化するための層間絶縁膜が設けられている。アレイ基板上の層間絶縁膜は、例えば、特許文献2に記載されるように、透明な樹脂材料を用いて形成することが好ましい。
その場合、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板では、p−SiTFTのソース電極およびドレイン電極上に、樹脂材料からなる層間絶縁膜が直接に積層される場合がある。すなわち、p−SiTFTのソース電極およびドレイン電極に対し、樹脂材料からなる層間絶縁膜が直接に触れる場合がある。
そのため、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板においては、ソース電極およびドレイン電極の劣化が問題となることがあった。
例えば、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板において、ソース電極およびドレイン電極は、上述したように、Al等の金属材料からなるものである。したがって、樹脂材料からなる層間絶縁膜の成分の作用によって電極の腐食が生じ、劣化を引き起こすことがあった。このようなソース電極等の腐食による電極の劣化は、トップゲート型のp−SiTFTの信頼性を低下させ、ひいてはそれを有するアレイ基板および表示素子の信頼性を低下させることになる。
したがって、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板においては、ソース電極およびドレイン電極等の電極の劣化を生じ難くする技術が求められている。そして、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板において信頼性を向上させる技術が求められている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、優れた信頼性のアレイ基板を提供することにあり、特に、トップゲート型のp−SiTFTを有し、優れた信頼性のアレイ基板を提供することにある。
また、本発明の目的は、優れた信頼性のアレイ基板を有する表示素子を提供することにあり、特に、トップゲート型のp−SiTFTを有して優れた信頼性のアレイ基板を有する表示素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、優れた信頼性のアレイ基板を製造するのに用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、優れた信頼性のアレイ基板を製造するアレイ基板の製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、表示素子用のアレイ基板において、その構成に用いられる絶縁膜に含まれるカルボキシル基の量を制御することにより、上記課題を解決できることを見出した。特に、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板において、その層間絶縁膜に含有されるカルボキシル基の量を制御することにより、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明の第1の態様は、基板と、前記基板の一方の表面側に配置されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1の絶縁膜とを有するアレイ基板であって、
前記スイッチング素子は、前記基板の一方の表面側に形成された半導体層と、該半導体層の表面を被覆する第2の絶縁膜と、該第2の絶縁膜上の前記半導体層と対向する位置に形成されたゲート電極と、該ゲート電極および露出する前記第2の絶縁膜を覆う第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に設けられて前記半導体層に接続されるソース電極およびドレイン電極とを有して構成され、
前記第1の絶縁膜は、カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、前記ソース電極およびドレイン電極を覆うように配置されることを特徴とするアレイ基板に関する。
本発明の第1の態様において、前記半導体層が、ポリシリコンからなることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記重合体が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシロキサンおよび芳香族ポリエーテルからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記第1の酸解離性基が、下記の式(1−1)、式(1−2)および式(1−3)のいずれかで表わされる基であることが好ましい。
(式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはこの炭化水素基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間もしくは結合手側末端に酸素原子または硫黄原子を含む基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。
式(1−2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。nが2の場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1−3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。但し、R11、R12およびR13が共に水素原子である場合はない。
式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)中、「*」は、結合する部位を示す。)
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有する化合物を含有し、分子量2000以下の前記第2の酸解離性基を有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有する化合物を含有し、前記第2の酸解離性基が、下記の式(1−1)、式(1−2)および式(1−3)のいずれかで表わされる基であることが好ましい。
(式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはこの炭化水素基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間もしくは結合手側末端に酸素原子または硫黄原子を含む基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。
式(1−2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。nが2の場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1−3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。但し、R11、R12およびR13が共に水素原子である場合はない。
式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)中、「*」は、結合する部位を示す。)
本発明の第1の態様において、前記感放射線性樹脂組成物が、さらに、感放射線性酸発生体を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様において、さらに、前記感放射線性酸発生体を含み、前記感放射線性酸発生体が、下記式(Q−1)または下記式(Q−2)で表わされる基を含む化合物であることが好ましい。
(式(Q−1)および式(Q−2)中、Ra1は、アルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。「*」は、結合する部位を示す。)
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様のアレイ基板を有することを特徴とする表示素子に関する。
本発明の第3の態様は、カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物であって、
本発明の第1の態様のアレイ基板の製造に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第4の態様は、基板と、前記基板の一方の表面側に配置されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1の絶縁膜とを有するアレイ基板の製造方法であって、
[1]カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物の塗膜を、前記スイッチング素子の形成された前記基板上に形成する工程、
[2」前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
[3]前記放射線が照射された塗膜を現像する工程、および
[4]前記現像された塗膜を加熱して前記第1の絶縁膜を形成する工程
を有することを特徴とするアレイ基板の製造方法に関する。
本発明の第1の態様によれば、優れた信頼性のアレイ基板が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、優れた信頼性のアレイ基板を有する表示素子が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、優れた信頼性のアレイ基板を製造するのに用いられる感放射線性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、優れた信頼性のアレイ基板を製造するアレイ基板の製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態のアレイ基板の要部構造を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態のアレイ基板の模式的な電極配線図である。 本発明の第2実施形態の例である液晶表示素子の模式的な断面図である。 電極基板上に電極腐食がない例を示す顕微鏡写真である。 電極基板上に電極腐食がある例を示す顕微鏡写真である。
本発明の実施形態について、以下で説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠
紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
実施の形態1.
<アレイ基板>
本発明の第1実施形態のアレイ基板は、基板と、その基板の一方の表面側に配置されるスイッチング素子と、そのスイッチング素子を覆う第1の絶縁膜とを有し、表示素子の構成に用いることができる。
例えば、本実施形態のアレイ基板は、カラー表示が可能でアクティブ駆動の液晶表示素子の構成に用いられるのが好ましい。
以下、本実施形態のアレイ基板について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のアレイ基板の要部構造を示す模式的な断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態のアレイ基板の模式的な電極配線図である。
図1に示すアレイ基板1は、本実施形態のアレイ基板の一例である。アレイ基板1は、基板2の一方の表面側に、スイッチング素子の一例であるTFT3と、TFT3を覆ってアレイ基板1の層間絶縁膜を構成する第1の絶縁膜10とを有する。
アレイ基板1のTFT3は、基板2の一方の表面側に形成された半導体層4と、その半導体層4の表面を被覆するように配置された第2の絶縁膜であるゲート絶縁膜5とを有する。そして、TFT3は、そのゲート絶縁膜5上の半導体層4と対向する位置に、ゲート電極6を配置して有する。さらに、TFT3は、ゲート電極6およびそれから露出するゲート絶縁膜5を覆う第3の絶縁膜7と、第3の絶縁膜7上に設けられて半導体層4に接続されるソース電極8およびドレイン電極9とを有して構成される。
本実施形態のアレイ基板1において、TFT3は、トップゲート型のTFTであり、また、半導体層4にはポリシリコン(poly−Si(p−Si))を用いている。すなわち、本実施形態のアレイ基板1のTFT3は、トップゲート型のp−SiTFTとして構成される。
アレイ基板1において、TFT3を覆う第1の絶縁膜10の上には、画素電極(図示されない)を設けることができる。その画素電極は、TFT3を覆う第1の絶縁膜10にコンタクトホール(図示されない)を設けることによって、そのコンタクトホールを介したTFT3の半導体層4との接続が可能とされる。
また、図2には、アレイ基板1の電極配線等に係る要部のみが示されるが、基板2上に、映像信号線であるソース配線11と、走査信号線であるゲート配線12とがマトリクス状に配設される。ソース配線11とゲート配線12の交差部近傍にはそれぞれ、スイッチング素子である図1のTFT3が設けられる。
各TFT3のソース電極8は、ソース配線11と一体的に形成されてソース配線11に接続する一方で半導体層4と接続する。また、ゲート電極6はゲート配線12と一体的に形成されてゲート配線12に接続する。そして、TFT3のドレイン電極9は、半導体層4に接続する一方で画素電極(図示されない)に接続するように構成される。
以上により、アレイ基板1では、区画された各画素が構成される。アレイ基板1において、区画された各画素は、例えば、マトリクス状に配列される。
以下、本実施形態のアレイ基板1について、より詳しく説明する。
尚、本実施形態のアレイ基板1において、それを構成する基板2のTFT3側となる主面(図1の上方側を向く面)を表面とし、基板2のTFT3の配置されない側の主面を裏面とする。
本実施形態のアレイ基板1において、基板2は、光透過性を有することが好ましく、例えば、ガラス基板や樹脂基板等を用いて構成することができる。
基板2は、TFT3側となる表面が、アンダーコート層(図示されない)によって覆われていることが好ましい。このアンダーコート層は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の手段が用いられ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)等の単層体あるいは積層体によって形成することができる。アレイ基板1においては、アンダーコート層を設けることにより、基板2の構成にガラス基板が用いられた場合等に、基板2からの不純物がTFT3の半導体層4を汚染することを防止することができる。
尚、本実施形態のアレイ基板1においては、アンダーコート層の形成を省略して、半導体層4が基板2の表面に直接設けられてもよい。
また、本実施形態のアレイ基板1においては、基板2とアンダーコート層との間に、TFT3と対向するように遮光層を設けることも可能である。アレイ基板1が、このような遮光層を有することにより、TFT3を外光から遮光することができる。
本実施形態のアレイ基板1においては、TFT3が、基板2の表面側に配置される。ここで、基板2の表面がアンダーコート層で被覆されている場合、TFT3は、そのアンダーコート層の上に配置される。より具体的には、アレイ基板1の基板2の表面側であって、アンダーコート層の上に、TFT3の半導体層4が形成される。この半導体層4は、アンダーコート層の上にCVDによってa−Si膜が形成され、これをレーザアニールすることによってpoly−Si(p−Si)膜に変換されたものである。p−Si膜は、フォトリソグラフィ法によってパターニングされ、半導体層4の構成に用いられる。
TFT3において、半導体層4の上には、半導体層4の表面を被覆する第2の絶縁膜として、ゲート絶縁膜5が設けられる。ゲート絶縁膜5はTEOS(テトラエトキシシラン)によるSiO膜とすることができ、また、シリコン窒化物(SiN)による絶縁性の窒化膜とすることも可能である。そして、ゲート絶縁膜5もCVDによって形成することができる。ゲート絶縁膜5は、基板2の上、または基板2のアンダーコート層の上にも配置されている。
第2の絶縁膜であるゲート絶縁膜5の上には、半導体層4と対向する位置に、ゲート電極6が形成されて配置される。TFT3のゲート電極6は、上述した図2のゲート配線12の一部として形成することができ、ゲート配線12と同層で、同時に形成することができる。ゲート電極6は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)等の金属材料、または、これらの金属材料を含む合金等によって形成することができる。例えば、ゲート電極6は、MoW膜によって形成される。そして、ゲート配線12の抵抗を小さくする必要があるときはAl合金が使用されることが好ましい。
アレイ基板1のTFT3において、ゲート電極6は、上述したように、ゲート配線12とともに、フォトリソグラフィ法を利用してパターニングされることが好ましい。TFT3では、このパターニングの際に、イオンインプランテーションによって、リン(P)あるいはボロン(B)等の不純物を上述したp−Si膜にドープすることができる。その結果、TFT3では、パターニングされたp−Si膜に、チャネル領域CHとともに、ソース領域Sおよびドレイン領域Dを形成することができる。
すなわち、本実施形態のアレイ基板1の半導体層4は、p−Si膜を用いて形成され、チャネル領域CHを挟むようにして、このチャネル領域CHの一方にソース領域Sが形成され、他方にドレイン領域Dが形成された構造を有する。そして、ゲート電極6のパターニングの際のフォトレジストを利用して、パターニングされたp−Si膜のチャネル領域CHと、ソース領域Sまたはドレイン領域Dとの間にLDD(Lightly Doped Drain)層(図示されない)が形成される。
TFT3は、ゲート電極6を覆うように形成された第3の絶縁膜7を有する。この第3の絶縁膜7は、ゲート電極6から露出するゲート絶縁膜5も被覆する。すなわち、第3の絶縁膜7は、ゲート電極6とともに、それから露出する第2の絶縁膜であるゲート絶縁膜5も被覆する。
第3の絶縁膜7は、例えば、SiOを用いて形成することができる。第3の絶縁膜7はゲート配線12と後述するソース電極8との間を絶縁するように設けられる。
TFT3において、ソース電極8およびドレイン電極9は、第3の絶縁膜7の上に設けられる。ソース電極8は、例えば、上述した図2のソース配線11の一部をなすように、ソース配線11と一体的に形成することができる。
ソース電極8(ソース配線11)およびドレイン電極9は、ゲート電極6(ゲート配線12)と同様の材料にて形成することができる。例えば、ソース電極8(ソース配線11)およびドレイン電極9は、チタン(Ti)およびアルミニウム(Al)の積層体によって形成することができる。
これらのソース電極8およびドレイン電極9は、それぞれ第2の絶縁膜であるゲート絶縁膜5および第3の絶縁膜7を連続して貫通するコンタクトホールを介して半導体層4に接触し、それによって半導体層4に電気的に接続されている。
すなわち、TFT3においては、ゲート絶縁膜5および第3の絶縁膜7を連通するコンタクトホールを介して、半導体層4のソース領域Sとソース電極8(ソース配線11)とが接触し、それらの間が電気的に接続される。また、TFT3においては、ゲート絶縁膜5および第3の絶縁膜7を連通するコンタクトホールを介して、半導体層4のドレイン領域Dとドレイン電極9とが接触し、それらの間が電気的に接続される。
本実施形態のアレイ基板1においては、TFT3の上に、それを覆うように第1の絶縁膜10が配置される。第1の絶縁膜10は、その上に、図示されない画素電極等が設けられ、トップゲート型p−SiTFTであるTFT3の層間絶縁膜を構成することができる。すなわち、第1の絶縁膜10は、ソース電極8およびドレイン電極9並びにそれらから露出する第3の絶縁膜7を覆うように配置されている。そして、本実施形態のアレイ基板1が液晶表示素子等の構成に用いられる場合、第1の絶縁膜10の上には、図示されない画素電極等が設けられ、第1の絶縁膜10は層間絶縁膜を構成することができる。
第1の絶縁膜10は、例えば、透明な樹脂材料を用いて形成される有機膜とされる。そして、第1の絶縁膜10は、TFT3を覆って保護する機能に加え、その表面を平坦化する平坦化膜としての役割も有している。そのため、第1の絶縁膜10は、厚く形成される。第1の絶縁膜10の膜厚は、好ましくは、1μm以上5μm以下、すなわち、1μm〜5μmであり、多くの場合は2μm程度に設定される。本実施形態のアレイ基板1において、第1の絶縁膜10は、後述するように、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成することができる。
尚、本実施形態のアレイ基板1が液晶表示素子等の構成に用いられる場合、上述したように、第1の絶縁膜10の上には、図示されない画素電極等が設けられる。その場合、第1の絶縁膜10は、その画素電極等が、例えば、TFT3のドレイン電極9と電気的に接続できるように、所望の位置に、図示されないコンタクトホールを有することが好ましい。
以上の構造を備えた本実施形態のアレイ基板1は、第1の絶縁膜10が、トップゲート型のp−SiTFTであるTFT3の上に直接に積層され、それを覆うように配置される。第1の絶縁膜10は、上述したように、樹脂材料を用いて形成された有機膜である。したがって、本実施形態のアレイ基板1では、TFT3のソース電極8およびドレイン電極9が、樹脂材料からなる第1の絶縁膜10と直接に触れる構造を有している。
そのような構造のアレイ基板では、上述したような従来技術によると、ソース電極およびドレイン電極の劣化が問題にされることがある。
すなわち、トップゲート型のp−SiTFTを有するアレイ基板においては、ソース電極およびドレイン電極を、Al等の金属材料から構成することができる。その場合、従来技術では、ソース電極およびドレイン電極を直接に覆う層間絶縁膜の成分の作用によって腐食が生じ、劣化を引き起こすことがあった。このようなソース電極等の劣化は、トップゲート型のp−SiTFTの信頼性を低下させ、ひいてはアレイ基板の信頼性を低下させることになる。
これに対し、本実施形態のアレイ基板1は、TFT3がトップゲート型のp−SiTFTである一方で、その層間絶縁膜となる第1の絶縁膜10が、後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたものとなる。すなわち、アレイ基板1のTFT3では、ソース電極8およびドレイン電極9が金属材料を用いて形成される一方で、それらを覆って接触する第1の絶縁膜10が本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、後に詳述されるように、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含むように調製されたものである。したがって、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物では、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。その結果、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される第1の絶縁膜10もまた、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。
したがって、TFT3の第1の絶縁膜10は、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されて、樹脂材料からなる一方、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。
そのため、TFT3の第1の絶縁膜10は、上述したソース電極等の劣化に係る問題を生じ難くすることができる。
その結果、本実施形態のアレイ基板1は、第1の絶縁膜10を有することによって信頼性能に優れる。そして、本実施形態のアレイ基板1は高信頼性の液晶表示素子の構成に用いることができる。すなわち、本実施形態のアレイ基板1は、後述する高い信頼性の本発明の第2実施形態の液晶表示素子に用いることができる。
実施の形態2.
<表示素子>
本発明の第2実施形態の表示素子は、上述した本発明の第1実施形態のアレイ基板を有する表示素子である。
以下、本発明の第2実施形態の表示素子を、本発明の第1実施形態のアレイ基板を用いた液晶表示素子の場合を例にとって説明する。
図3は、本発明の第2実施形態の例である液晶表示素子の模式的な断面図である。
図3に示す液晶表示素子21は、本実施形態の表示素子の一例である。
液晶表示素子21は、図3に示すように、例えば、カラー表示が可能でアクティブ駆動のTN(Twisted Nematic)モード液晶表示素子である。
図3に示すように、液晶表示素子21は、駆動用の上述した本発明の第1実施形態のアレイ基板1と、カラー表示用の着色パターン32等が形成されたカラーフィルタ基板22とを有し、それらがTN液晶からなる液晶層23を挟持して互いに対向する構造を有する。すなわち、液晶表示素子21は、上述した図1の本発明の第1実施形態のアレイ基板1を有しており、共通する構成要素については、共通する符号を用いることにし、重複する説明は省略する。
図3に示すように、液晶表示素子21のアレイ基板1は、図1および図2に示した本発明の第1実施形態のアレイ基板1である。
液晶表示素子21のアレイ基板1は、基板2の一方の表面側に、スイッチング素子の一例であるTFT3と、TFT3を覆ってアレイ基板1の層間絶縁膜を構成する第1の絶縁膜10とを有する。
アレイ基板1のTFT3は、基板2の一方の表面側に形成された半導体層4と、その半導体層4の表面を被覆するように配置された第2の絶縁膜であるゲート絶縁膜5とを有する。そして、TFT3は、そのゲート絶縁膜5上の半導体層4と対向する位置に、ゲート電極6を配置して有する。さらに、TFT3は、ゲート電極6およびそれから露出するゲート絶縁膜5を覆う第3の絶縁膜7と、第3の絶縁膜7上に設けられて半導体層4に接続されるソース電極8およびドレイン電極9とを有して構成される。
本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1のTFT3は、トップゲート型のTFTであり、また、半導体層4にはp−Siを用いている。すなわち、本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1のTFT3は、トップゲート型のp−SiTFTとして構成される。
本実施形態の液晶表示素子21のアレイ基板1において、TFT3の半導体層4は、p−Si膜からなり、チャネル領域CHを挟むようにして、このチャネル領域CHの一方にソース領域Sが形成され、他方にドレイン領域Dが形成された構造を有する。そして、ゲート電極6のパターニングの際のフォトレジストを利用して、パターニングされたp−Si膜のチャネル領域CHと、ソース領域Sまたはドレイン領域Dとの間にLDD(Lightly Doped Drain)層(図示されない)が形成されている。
本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1の第1の絶縁膜10は、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成することができる。
また、本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1のTFT3を覆う第1の絶縁膜10の上には、画素電極20が配置される。画素電極20は、第1の絶縁膜10の有するコンタクトホールを介してTFT3のドレイン電極9に接続し、その結果、ドレイン電極9を介した半導体層4との接続が実現されている。画素電極20は、透明電極とすることが好ましく、例えば、ITOを用いて形成することができる。
本実施形態の液晶表示素子21において、カラーフィルタ基板22は、透明な基板31を有し、基板31上の液晶層23の側の面に、赤色、緑色および青色の微小な着色パターン32と、ブラックマトリクス33とが配置されて構成されている。赤色、緑色および青色の着色パターン32は、液晶表示素子21の画素の配置に対応するように、格子状等の規則的な形状をとって配列される。また、液晶表示素子21において、カラーフィルタ基板22の着色パターン32とブラックマトリクス33の上には透明な共通電極34が設けられている。共通電極34は、上述のように、透明電極とすることが好ましく、例えば、ITOを用いて形成することができる。
液晶表示素子21において、アレイ基板1の液晶層23に接する面およびカラーフィルタ基板22の液晶層23に接する面にはそれぞれ、図示されない配向膜が設けられている。この配向膜に対し、ラビング処理等の配向処理を施すことにより、液晶表示素子21は、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22との間に挟持された液晶層23の均一なツイスト配向を実現することができる。
本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1の液晶層23の側と反対の側の面、および、カラーフィルタ基板22の液晶層23の側と反対の側の面には、それぞれ偏光板36が配置されている。
本実施形態の液晶表示素子21において、アレイ基板1とカラーフィルタ基板22の間隔は、好ましくは、2μm〜10μmであり、これらは、周辺部に設けられたシール材(図示されない)によって互いに固定されている。尚、カラーフィルタ基板22上の液晶層23側に柱状のスペーサ(図示されない)を設け、上述のアレイ基板1とカラーフィルタ基板22の間隔が所望の値となるように、より正確に制御することも可能である。
図3において、符号37は、液晶表示素子21の光源となるバックライトユニット(図示されない)から液晶層23に向けて照射されたバックライト光を示している。上述のバックライトユニットとしては、例えば、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光管と、散乱板とが組み合わされた構造のものを用いることができる。また、白色LEDを光源とするバックライトユニットを用いることもできる。白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED;青色LEDと、赤色LEDと、緑色蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED;青色LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED;青色LEDと、YAG系蛍光体との混色により白色光を得る白色LED;青色LEDと、橙色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED;紫外線LEDと、赤色発光蛍光体と、緑色発光蛍光体と、青色発光蛍光体とを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
以上の構造を備えた本実施形態の液晶表示素子21は、アレイ基板1において、トップゲート型のp−SiTFTであるTFT3の上に第1の絶縁膜10が直接に積層される構造を有する。第1の絶縁膜10は、上述したように、樹脂材料を用いて形成された有機膜である。したがって、本実施形態の液晶表示素子21は、そのアレイ基板1のTFT3のソース電極8およびドレイン電極9が、樹脂材料からなる第1の絶縁膜10と直接に触れる構造を有している。
そのような構造の液晶表示素子21においては、上述したように、アレイ基板1のソース電極およびドレイン電極の劣化が懸念され、ひいては表示素子としての信頼性の低下が懸念される。
しかしながら、本実施形態の液晶表示素子21においては、アレイ基板1のTFT3がトップゲート型のp−SiTFTである一方で、その層間絶縁膜となる第1の絶縁膜10が、後述する本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたものとなる。すなわち、アレイ基板1のTFT3において、ソース電極8およびドレイン電極9が金属材料を用いて形成される一方で、それらを覆って接触する第1の絶縁膜10が本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、後に詳述されるように、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含むように調製されたものである。したがって、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物では、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。その結果、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される第1の絶縁膜10もまた、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。
したがって、本実施形態の液晶表示素子21においては、アレイ基板1のTFT3の第1の絶縁膜10が、上述したソース電極等の劣化に係る問題を生じ難くさせる構成を有する。
その結果、本実施形態の液晶表示素子21は、上述したアレイ基板1のソース電極等の劣化に係る問題が生じ難くすることができ、信頼性能に優れたものとなる。すなわち、本実施形態の液晶表示素子21は、信頼性能に優れたアレイ基板1を用いて構成され、その結果、高信頼性を有することができる。
実施の形態3.
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の第3実施形態である感放射線性樹脂組成物は、上述した本発明の第1実施形態のアレイ基板および第2実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜である第1の絶縁膜の形成に用いることができる。
本発明の第3実施形態である感放射線性樹脂組成物は、重合体を含有してなる感放射線性の樹脂組成物である。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が含有する重合体は、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量、すなわち、0モル%〜50モル%の量で有する重合体である。
すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、含有されるカルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基の量が制御されている。具体的には、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、含有されるカルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基の量が50モル%以下に制御されている。
そのため、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、含有されるカルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基の量が制御され、それによって、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される第1の絶縁膜は、含有されるカルボキシル基の量が制御される。
したがって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されて層間絶縁膜となる第1の絶縁膜は、アレイ基板等において、金属材料を用いて形成された電極と直接に接触することがあっても、その電極の劣化を生じ難くすることができる。すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された第1の絶縁膜は、アレイ基板のTFT、例えば、トップゲート型のp−SiTFTを構成するソース電極やドレイン電極等の電極を劣化させ難い絶縁膜となる。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、含有される上述の重合体は、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を0モル%より多い量、且つ、50モル%以下となる量で有する重合体とすることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される上述の重合体は、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基の含有量をこのような範囲とすることにより、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基を所定の量で有することができる。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される上述の重合体は、カルボキシル基に基づくアルカリ可溶性を備えることができ、その結果、アルカリ現像性を有することができる。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、さらに、第2の酸解離性基を有することがきる。
その場合、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、成分として、その第2の酸解離性基を有する化合物を含有することによって、その第2の酸解離性基を有することができる。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の有する上述の第2の酸解離性基は、分子量2000以下の基であることが好ましい。したがって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有することが好ましい。
すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、成分として、分子量2000以下の第2の酸解離性基を含有し、その結果、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有することが好ましい。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、分子量2000以下のその第2の酸解離性基を有することにより、さらに優れたパターニング性を有することができ、所望とするパターニングの施されたアレイ基板の第1の絶縁膜を形成することができる。
例えば、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、上述したように、含有されるカルボキシル基の量を制御することによって、パターニング性の低下が懸念されることがある。
そうした場合、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、さらに、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有することにより、パターニング性を維持または向上させることができる。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、所望とするパターニングの施されたアレイ基板の第1の絶縁膜を形成することができる。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、さらに、感放射線性酸発生体を含むことができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物が感放射線性酸発生体を含むことにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線性を有することができ、さらに優れたパターニング性を有することができる。
さらに、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、酸化防止剤等のその他の任意成分を含有してもよい。
以下、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される各成分についてより詳しく説明する。
〔重合体〕
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される重合体(以下、「(A)重合体」とも称する。)は、カルボキシル基またはカルボキシル基が酸解離性基で保護された基(以下、「カルボキシル基等」とも称する。)を0モル%〜50モル%の量で有する重合体である。このような(A)重合体を成分として含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、含有するカルボキシル基等の量が制御されている。すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したような(A)重合体を成分として含有することにより、有するカルボキシル基等の量が、50モル%以下に制御されている。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いた塗膜のパターニングが可能となるように、(A)重合体は、アルカリ可溶性樹脂であって、アルカリ現像性を有するものであることが好ましい。
以上から、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される重合体は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシロキサンおよび芳香族ポリエーテルからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
そして、上述した(A)重合体の例であるアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシロキサンおよび芳香族ポリエーテルは、それらを合成するに際し、後述する原料モノマー等の選択と仕込み量の調整が行われる。その結果、それらの(A)重合体は、カルボキシル基等を有する構造単位の含有量が制限されて、含有されるカルボキシル基等の量が、50モル%以下に制御される。
以下、(A)重合体の例となる、アクリル樹脂(以下、「(A−P1)アクリル樹脂」とも称する。)、ポリイミド樹脂(以下、「(A−P2)ポリイミド樹脂」とも称する。)、ポリシロキサン(以下、「(A−P3)ポリシロキサン」とも称する。)、および、芳香族ポリエーテル(以下、「(A−P4)芳香族ポリエーテル」とも称する。)について、具体的に説明する。
((A−P1)アクリル樹脂)
(A−P1)アクリル樹脂は、50モル%以下となる量でカルボキシル基等を含有し、そのカルボキシ基によりアルカリ溶解性を有する。(A−P1)アクリル樹脂は、カルボキシ基を有する構造単位と重合性基を有する構造単位とを有することが好ましい。この場合、アルカリ現像液に対する可溶性(アルカリ現像性)と硬化性とを良好に発揮することができる。
重合性基を有する構造単位は、エポキシ基を有する構造単位および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位であることが好ましい。(A−P1)アクリル樹脂が、上記特定の構造単位を含むことで、より強固な硬化膜を形成することができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構造単位は、例えば、重合体中のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させる方法、重合体中のカルボキシ基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、重合体中の水酸基にイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、重合体中の酸無水物部位に(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステルを反応させる方法等により形成することができる。これらの中でも、重合体中のカルボキシ基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法が好ましい。
カルボキシ基を有する構造単位と重合性基としてエポキシ基を有する構造単位を含むアクリル樹脂は、溶媒中で重合開始剤の存在下、(a1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「(a1)化合物」ともいう。)と、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「(a2)化合物」ともいう。)とを共重合して合成することができる。(a3)水酸基含有構造単位を与える水酸基含有不飽和化合物(以下、「(a3)化合物」ともいう。)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。さらに、カルボキシ基を有するアクリル樹脂の製造においては、上述の(a1)〜(a3)化合物以外の(a4)化合物(上述の(a1)〜(a3)化合物に由来する構造単位以外の構造単位を与える不飽和化合物)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。次に、(a1)〜(a4)の各化合物を詳述する。
((a1)化合物)
(a1)化合物としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
これらの(a1)化合物のうち、アクリル酸、メタクリル酸および無水マレイン酸が、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手の容易性などからより好ましい。これらの(a1)化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(a1)化合物の使用割合の下限値としては、(A−P1)アクリル樹脂を形成する全モノマーの合計に基づいて、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、この上限値としては、50質量%が好ましく、45質量%がより好ましい。(a1)化合物の使用割合をこのような範囲とすることによって、(A−P1)アクリル樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を最適化するとともに、放射線性感度に優れる膜を形成することができる。
((a2)化合物)
(a2)化合物は、ラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物である。エポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)、オキセタニル基(1,3−エポキシ構造)、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシル基等が挙げられる。
オキシラニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロへキシルメチル等が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、および3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレートが、共重合反応性および絶縁膜等の耐溶媒性等の向上の観点から好ましい。
オキセタニル基を有する不飽和化合物としては、例えば、
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの(a2)化合物のうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタンが好ましい。これらの(a2)化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(a2)化合物の使用割合の下限値としては、(A−P1)アクリル樹脂を形成する全モノマー合計に基づいて、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、この上限値としては、50質量%が好ましく、45質量%がより好ましい。(a2)化合物の使用割合をこのような範囲とすることによって、優れた硬化性等を有する硬化膜を形成することができる。
((a3)化合物)
(a3)化合物としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシフェニル、アクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。フェノール性水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシフェニル、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
ヒドロキシスチレンとしては、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。これらの(a3)化合物は、単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。
(a3)化合物の使用割合の下限値としては、(A−P1)アクリル樹脂を形成する全モノマーの合計に基づいて、1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。一方、この上限値としては、30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。(a3)化合物の使用割合をこのような範囲とすることで、アルカリ水溶液に対する溶解性を最適化することなどができる。
((a4)化合物)
(a4)化合物は、(a1)〜(a3)化合物以外の不飽和化合物であれば、特に制限されるものではない。(a4)化合物としては、例えば、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、アクリル酸鎖状アルキルエステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格等をもつ不飽和化合物、およびその他の不飽和化合物等が挙げられる。
メタクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
メタクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、メタクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
アクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
メタクリル酸アリールエステルとしては、例えば、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が挙げられる。
アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
不飽和芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
テトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えば、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オンなどが挙げられる。
その他の不飽和化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
これらの(a4)化合物のうち、メタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、マレイミド化合物、テトラヒドロフラン骨格、不飽和芳香族化合物、アクリル酸環状アルキルエステルが好ましい。これらのうち、特に、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、p−メトキシスチレン、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドおよびメタクリル酸テトラヒドロフルフリルが、共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。これらの(a4)化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(a4)化合物の使用割合としては、(A−P1)アクリル樹脂を形成する全モノマーの合計に基づいて、10質量%〜80質量%が好ましい。
(A−1)アクリル樹脂のGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限値としては1000が好ましく、3000がより好ましい。一方、この上限値としては、15000が好ましく、10000がより好ましい。Mwを上記下限値以上とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の成膜性を改善できる。一方、Mwを上記上限値以下とすることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の現像性の低下を防止できる。
((A−P2)ポリイミド樹脂)
(A−P2)ポリイミド樹脂としては、特に限定されないが、好ましくは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(ポリイミック酸)またはポリアミド酸エステルである。ポリイミド前駆体としては、下記式(M−1)で表される構造単位を有するポリマーを挙げることができる。式(M−1)で表される構造単位を主構造とするポリマーは、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造等を有するポリマーとなり得るものである。環状構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。
上記式(M−1)中、R1cは炭素数2以上の(2+p+m)価の有機基を示す。この有機基としては、置換または非置換の炭化水素基等を挙げることができる。R1cは、多価カルボン酸に由来する構造である。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル等の芳香族テトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸(2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸等)等の脂肪族テトラカルボン酸、これらのカルボキシ基の水素原子をメチル基やエチル基に置換したエステル化合物や酸無水物等を挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシトリメリット酸等の水酸基を有する酸も挙げることができる。これらの酸を2種以上用いることもできる。アルカリ現像液に対する溶解性や感光性の点から、上記構造単位は水酸基を有する酸の残基を50モル%以上含むことが好ましい。R1cは、耐熱性の点から芳香族環を有することが好ましく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基が好ましい。
式(M−1)中、R2cは炭素数2以上の(2+q+r)価の有機基を示す。この有機基としては、置換または非置換の炭化水素基や、置換または非置換の炭化水素基が酸素原子で連結された基(エーテル基)等を挙げることができる。R2cは、ジアミンに由来する構造である。R2cは、耐熱性の点から芳香族環を有することが好ましい。ジアミンとしては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(アミノ−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジン、ジアミノ安息香酸、ジアミノテレフタル酸、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、これらの芳香族環の水素をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン等を挙げることができる。
式(M−1)中、R3cおよびR4cは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜20の1価の有機基である。この有機基としては、置換または非置換の脂肪族または芳香族炭化水素基等を挙げることができる。アルカリ現像液に対する溶解性と、得られる感放射線性樹脂組成物の溶液安定性の点から、R3cおよびR4cのそれぞれ10モル%以上90モル%以下が水素であることが好ましい。さらには、RおよびRが、それぞれ炭素数1〜16の1価の炭化水素基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素原子であることがより好ましい。
式(M−1)中、pおよびqは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、p+q>0が好ましい。また、mおよびrは、それぞれ独立して、0〜2の整数であり、1および2が好ましい。nは、10以上100000以下、すなわち、10〜100000である。nが10未満であると、ポリマーのアルカリ現像液への溶解性が大きくなり過ぎ、露光部と非露光部のコントラストが得られず所望のパターンが形成できない場合がある。一方、nが100000より大きいと、ポリマーのアルカリ現像液への溶解性が小さくなり過ぎ、露光部が溶解せず、所望のパターンが形成できない場合がある。ポリマーのアルカリ現像液への溶解性などの点から、nの上限としては1000が好ましく、100がより好ましい。また、溶解性や伸度向上などの点から、nの下限としては20が好ましい。
((A−P3)ポリシロキサン)
(A−P3)ポリシロキサンは、シロキサン結合を有する重合体であれば特に制限されないが、加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物が好ましい。
「加水分解性シラン化合物」とは、通常、無触媒かつ過剰の水の共存下、室温(約25℃)以上100℃以下の温度範囲内で加熱することにより、加水分解してシラノール基またはシロキサン縮合物を生成する加水分解基を有する化合物をいう。尚、本実施形態の感放射線性樹脂組成物中において、一部の加水分解性シラン化合物は、その分子中の一部または全部の加水分解性基が未加水分解の状態で、且つ他の加水分解性シラン化合物と縮合せずに単量体の状態で残っていてもよい。
「加水分解縮合物」は、加水分解されたシラン化合物の一部のシラノール基同士が縮合した加水分解縮合物を意味する。
加水分解性シラン化合物としては、下記式(S−1)で表される化合物(以下、「(S−1)化合物」とも称する。)を挙げることができる。
式(S−1)中、R1dは、炭素数1〜6のアルキル基である。R2dは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のフッ化アルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、エポキシ基、3,4−シクロエポキシ基、オキセタニル基、アミノ基またはイソシアネート基である。qは0〜20の整数である。nは0〜3の整数である。但し、R1dおよびR2dが複数となる場合、複数のR1dおよびR2dはそれぞれ独立して上記定義を満たす。
上記R1dで表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基等が挙げられる。これらのうち、加水分解の容易性の観点から、メチル基およびエチル基が好ましい。
上記R2dで表される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、3−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜20のアルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましい。
炭素数1〜20のフッ化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、テトラフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。
が1の(S−1)化合物は、1個の非加水分解性基と3個の加水分解性基とを有するシラン化合物である。このシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、アミノトリメトキシシラン、アミノトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアノプロピルトリエトキシシランo−トリルトリメトキシシラン、m−トリルトリメトキシシランp−トリルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、2−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロブチルトリメトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸等のトリアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
が2の(S−1)化合物は、2個の非加水分解性基と2個の加水分解性基とを有するシラン化合物である。このシラン化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
が3の(S−1)化合物は、3個の非加水分解性基と1個の加水分解性基とを有するシラン化合物である。このシラン化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
が0の(S−1)化合物は、4個の加水分解性基を有するシラン化合物である。このシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン等が挙げられる。
((A−P3)ポリシロキサンの合成(加水分解縮合))
(A−P3)ポリシロキサンは、通常、過剰の水の共存下、必要に応じて溶媒や触媒の共存下、室温(約25℃)以上100℃以下の温度範囲内で加熱し、加水分解性シラン化合物の加水分解により得られるシラノール基を縮合することで合成できる。
加水分解縮合反応のための溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。加水分解縮合反応のための触媒としては、酸触媒、塩基触媒、アルコキシドが好ましい。
加水分解縮合物等の(A−P3)ポリシロキサンのGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限値としては、500が好ましく、1000がより好ましい。一方、この上限値としては、15000が好ましく、10000がより好ましい。(A−P3)ポリシロキサンのMwを上記下限値以上とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の成膜性を改善できる。一方、(A−P3)ポリシロキサンのMwを上記上限値以下とすることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の現像性の低下を防止できる。
((A−P4)芳香族ポリエーテル)
(A−P4)芳香族ポリエーテルは、芳香環がエーテル結合(酸素原子)で連結された構造を有するポリマーをいう。芳香族ポリエーテルとしては、下記式(T−1)で表される構造単位、下記式(T−2)で表される構造単位またはこれらの組み合わせを有するものが好ましい。
上記式(T−1)中、R1e〜R4eは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。a〜dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。
上記式(T−2)中、R1e〜R4eおよびa〜dの定義は、上記式(T−1)のものと同じである。Yは、単結合、−SO−または−C(=O)−である。R5eおよびR6eは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基である。eおよびfは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。mは、0または1である。但し、mが0のとき、R6eはシアノ基ではない。
上記式(T−1)および上記式(T−2)中のR1e〜R4eで表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、脂肪族または芳香族の炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシ基等を挙げることができる。
(A−P4)芳香族ポリエーテルとしては、下記式(T−3)で表される構造単位、下記式(T−4)で表される構造単位またはこれらの組み合わせを有することも好ましい。
上記式(T−3)中、R7eおよびR8eは、それぞれ独立して、炭素数1〜12の1価の有機基である。Zは、単結合、−O−、−S−、−SO−、>C=O、−CONH−、−COO−、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、または炭素数1〜12の2価の炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がカルボキシ基、水酸基、スルホ基およびフッ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換された基である。gおよびhは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。nは、0または1である。
7eおよびR8eで表される炭素数1〜12の1価の有機基としては、脂肪族または芳香族の炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシ基等を挙げることができる。
Zで表される炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、メタンジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、n−ペンタン−2,2−ジイル基、n−ヘキサン−2,2−ジイル基等のアルカンジイル基、アルケンジイル基、アレーンジイル基等を挙げることができる。
上記式(T−4)中、R5e、R6e、Y、m、eおよびfは、それぞれ独立して、上記式(T−2)中のR5e、R6e、Y、m、eおよびfと同義である。R7e、R8e、Z、n、gおよびhは、それぞれ独立して、上記式(T−3)中のR7e、R8e、Z、n、gおよびhと同義である。
(A−P4)芳香族ポリエーテルのGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限値としては、3000が好ましく、5000がより好ましい。一方、この上限値としては、20000が好ましく、15000がより好ましい。Mwを上記下限値以上とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の成膜性を改善できる。一方、Mwを上記上限値以下とすることによって、本実施形態の当該感放射線性樹脂組成物の現像性の低下を防止できる。
〔感放射線性酸発生体〕
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、感放射線性酸発生体を含むことができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される感放射線性酸発生体(以下、「(B)感放射線性酸発生体」とも称する。)は、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。放射線としては、上述したように、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、(B)感放射線性酸発生体を含むことで、ポジ型の感放射線特性を備えることができ、ポジ型の感放射線性樹脂組成物として使用することができる。
(B)感放射線性酸発生体は、放射線の照射によって酸(例えば、カルボン酸、スルホン酸等)を発生させるものである限り、特に限定されない。(B)感放射線性酸発生体の感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である感放射線性酸発生剤(以下、「(B)感放射線性酸発生剤」とも称する。)の形態でも、上述した(A)重合体または他の重合体の一部として組み込まれた感放射線性酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される感放射線性酸発生体である(B)感放射線性酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、オキシムスルホネート化合物、スルホンイミド化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物が好ましく、オキシムスルホネート化合物およびスルホンイミド化合物がより好ましい。
尚、これらの(B)感放射線性酸発生剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上述のオキシムスルホネート化合物としては、下記式(Q−1)で表される基を含む化合物が好ましい。また、上述のスルホンイミド化合物としては、下記式(Q−2)で表わされる基を含む化合物が好ましい。
したがって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される(B)感放射線性酸発生剤は、下記式(Q−1)または下記式(Q−2)で表わされる基を含む化合物であることが好ましい。
(式(Q−1)および式(Q−2)中、Ra1は、アルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。「*」は、結合する部位を示す。)
上記式(Q−1)および上記式(Q−2)中のRa1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。この炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環基を含む脂環式基等が挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプチルフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記Ra1で表される脂環式炭化水素基としては、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基が好ましい。この炭素数4〜12の脂環式炭化水素基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記Ra1で表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。上記アリール基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
オキシムスルホネート化合物の具体的な例としては、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等を挙げることができ、これらは市販品として入手することができる。
スルホンイミド化合物の具体的な例としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等が挙げられる。
また、上述したオニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
そして、オニウム塩としては、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩が好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートがより好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。
上述したスルホン酸エステル化合物の好ましい例としては、ハロアルキルスルホン酸エステルを挙げることができ、より好ましい例として、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを挙げることができる。
上述したキノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」ともいう)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドまたは1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとの縮合物を用いることができる。
上述の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの他、上記母核以外のその他の母核等が挙げられる。
これらの中で、母核としては、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
また、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがさらに好ましい。
上述したフェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%以上85モル%以下、すなわち、30モル%〜85モル%、好ましくは50モル%〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。尚、上記縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
(B)感放射線性酸発生剤を上述した化合物とすることで、それを含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、感度および溶解性を向上させることができる。(B)感放射線性酸発生剤の含有量としては、(A)重合体100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。(B)感放射線性酸発生剤の含有量を上述の範囲とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の感度を最適化し、優れたパターニング性で、表面硬度が高い硬化膜を形成でき、高信頼性のアレイ基板の第1の絶縁膜を提供することができる。
〔第2の酸解離性基を有する化合物〕
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、成分として、第2の酸解離性基を有する化合物を含有することができる。その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、第2の酸解離性基を有することができる。その第2の酸解離性基は、上述したように、分子量2000以下であることが好ましい。
したがって、、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、成分として、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有する化合物(以下、「(C)化合物」とも称する。)を含有することによって、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有することができる。
以下で、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される(C)化合物について説明する。
上述の(C)化合物は、下記式(1)で表される基を一分子中に2つ以上有する化合物である。
例えば、下記式(1)のXが硫黄原子を含む場合、下記式(1)で表される基は、以下の化学反応式に示すように、アセタール化でカルボキシル基がアセタール基で保護された不飽和二重結合を有する化合物と一分子中に複数個チオール基を有する化合物とのエンチオール反応によって得られる基であり、このような基を一分子中に2以上含む化合物が(C)化合物となる。
また、例えば、式(1)のXが窒素原子を含む場合、一分子中に複数の窒素原子とカルボキシル基を有する化合物をアセタール化することで、(C)化合物を得ることができる。
(式(1)中、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子または炭素数2以上の炭化水素基、あるいは、酸素原子、硫黄原子および窒素原子よりなる群から選ばれる少なくとも一つの原子を含む炭素数2以上の炭化水素基を示し、Yは第2の酸解離性基または第2の酸解離性基を有する有機基を示す。*は結合する部位を示す。)
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、(C)化合物は単独で、または互いに組み合わせて使用することができる。
上記式(1)のYが示す第2の酸解離性基または第2の酸解離性基を有する有機基における有機基とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。そして、上記式(1)のYが示す第2の酸解離性基または第2の酸解離性基を有する有機基における第2の酸解離性基とは、カルボキシ基やフェノール性水酸基等の水素原子を置換し、酸の作用により解離し得る基である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物の(C)化合物において、第2の酸解離性基は、上述したように、分子量2000以下であることが好ましい。そして、第2の酸解離性基としては、下記式(1−1)、下記式(1−2)および下記式(1−3)で表わされる基を挙げることができる。
上記式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはこの炭化水素基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間もしくは結合手側末端に酸素原子または硫黄原子を含む基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。
また上記式(1−2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。nが2の場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(1−3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。但し、R11、R12およびR13が共に水素原子である場合はない。
上記式(1−1)、上記式(1−2)、および上記式(1−3)中、「*」は、結合する部位を示す。
上述した炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖状および分岐状アルキル基、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。
直鎖状および分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基等の分岐状アルキル基等が挙げられる。
上述した炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上述した脂環式炭化水素基は、単環でも多環でもよく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
上述した芳香族炭化水素基は、単環、単環が連結した構造、縮合環でもよく、芳香環と脂肪族炭化水素基とが連結した構造であってもよい。芳香族炭化水素基しては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記式(1−1)のRとしては、水素原子が好ましい。Rとしては、炭素数1〜6の直鎖状および分岐状アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(1−1)のRとしては、結合手側末端に酸素原子を含む炭素数1〜30の炭化水素基(炭素数1〜30のアルコキシ基)が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状および分岐状アルコキシ基並びに炭素数3〜20のシクロアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖状および分岐状アルコキシ基並びに炭素数3から8のシクロアルコキシ基がさらに好ましい。
上記式(1)のYで表される第2の酸解離性基においては、酸解離性基の解離により、カルボキシ基やフェノール性水酸基等が生じる。
Yで表される第2の酸解離性基を有する有機基としては、下記式(2)および下記式(3)を挙げることができる。
上記式(2)中、R〜Rは、上述した式(1−1)のR〜Rと同義である。また、上記式(3)中、R〜R10およびnは、上述した式(1−2)のR〜R10およびnと同義である。上記式(2)および上記式(3)中、「*」は、結合する部位を示す。
Yで表される第2の酸解離性基および第2の酸解離性基を有する有機基が、以上のような構造を有することによって、加熱によっても第2の酸解離性基が解離することができる。したがって、このような基を含む(C)化合物は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された塗膜に対して露光を行った後の現像におけるパターニングを促進する化合物となる。
上記式(2)の具体例としては、例えば、以下に示す式(2−1)〜式(2−6)に示した基が挙げられる。*は結合する部位を示す。
式(3)の具体例としては、例えば、以下に示す式(3−1)〜式(3−4)に示した基が挙げられる。*は結合する部位を示す。
また、上記式(1−3)の具体例としては、例えば、以下に示す式(4−1)〜式(4−6)に示した基が挙げられる。*は結合する部位を示す。
上記式(1)において、Xは、上述したように、炭素数2以上の炭化水素基とすることができる。その場合、上記式(1)のXとしては、炭素数2〜40のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、2価の脂環式炭化水素基を挙げることができる。そして上述の炭素数2〜40のアルキレン基はその少なくとも一つ以上の水素原子が水酸基、ハロゲン、アミノ基、シアノ基、炭素数1から12のアルキル基、炭素数1から12のアルコキシ基、炭素数1から12のアシ基で置換されてもよく、また、その途中がフェニレン基、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合で中断されてもよい。
上述の炭素数2〜40のアルキレン基は、例えば、下記式(8)で示される基であり、式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基を示し、bは1〜39の整数である。*は結合する部位を示す。
上記式(1)中の「*−X−Y」(*は結合する部位を示す)で表わされる構造の具体例としては、例えば、下記の構造(下記式(7−1)、下記式(7−2))を挙げることができる。
以上のような(C)化合物の具体例としては、例えば、下記式(C−1)〜下記式(C−12)で示される化合物を挙げることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における(C)化合物の含有量については、その下限値として、(A)重合体100質量部に対して、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。一方、(C)化合物の含有量の上限値としては、200質量部が好ましく、100質量部がより好ましく、40質量部がさらに好ましい。(C)化合物の含有量をこのような範囲とすることで、例えば、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と非照射部分との溶解度の差を大きくして、パターニング性能を向上させることなどができる。
〔その他の任意成分〕
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、多官能アクリレート、界面活性剤、密着助剤、無機酸化物粒子、環状エーテル基を有する化合物、酸拡散制御剤、溶媒等のその他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分は、それぞれ単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
その他の任意成分である酸化防止剤(以下、「(D)酸化防止剤」とも称する。)は、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられるが、フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。(D)酸化防止剤は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。(D)酸化防止剤の含有量は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される(A)重合体100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、特に好ましくは0.2質量部〜5質量部である。この範囲で使用することによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される第1の絶縁膜の耐熱性をより高めることができる。
(D)酸化防止剤としては、特開2011−227106号公報等に記載の酸化防止剤を用いることができる。
多官能アクリレートは(A)重合体100質量部に対して、100質量部以下であり、0.1質量部以上80質量部以下、すなわち、0.1質量部〜80質量部が好ましく、0.5質量部〜50質量部がより好ましく、1質量部〜25質量部がさらに好ましい。この範囲で使用することによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される第1の絶縁膜の耐熱性、耐溶剤性をより高めることができる。
多官能アクリレートとしては、特開2005−227525号公報等に記載の多官能アクリレートを用いることができる。
界面活性剤は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性を高める成分である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、界面活性剤を含有することで、塗膜の表面平滑性を向上でき、その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される第1の絶縁膜の膜厚均一性をより向上できる。
密着助剤は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される第1の絶縁膜の接着性を向上させる成分である。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。
無機酸化物粒子としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、ストロンチウム、バリウム、セリウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む酸化物である無機酸化物粒子を用いることができる。特開2011−128385号公報に記載の無機酸化物粒子を用いることができる。
〔感放射線性樹脂組成物の調製方法〕
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、溶媒に(A)重合体、(B)感放射線性酸発生体および(C)化合物と必要に応じて好適成分、(D)酸化防止剤等のその他の任意成分を混合することによって溶解または分散させた状態に調製される。例えば、溶媒中で各成分を所定の割合で混合することにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を調製できる。
(溶媒)
溶媒としては、本実施形態の感放射線性樹脂組成物中の他の成分を均一に溶解または分散し、上記他の成分と反応しないものが好適に用いられる。このような溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。溶媒としては、特開2011−232632号公報に記載の溶媒を用いることができる。
実施の形態4.
<アレイ基板の製造方法>
次に、本発明の第4実施形態であるアレイ基板の製造方法について説明する。
本発明の第4実施形態のアレイ基板の製造は、公知の方法にしたがいい基板上にスイッチング素子であるTFTを形成し、次いで、そのTFTを覆うように層間絶縁膜である第1の絶縁膜を形成してアレイ基板を製造する。
例えば、本実施形態のアレイ基板の製造は、図1等に示したような基板2の一方の表面側に公知の方法によりTFT3を形成する。次いで、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いてTFT3を覆う第1の絶縁膜10を形成して、本発明の第1実施形態のアレイ基板1を製造することができる。
したがって、本発明の第4実施形態であるアレイ基板の製造においては、公知のTFTの製造方法の他に、主要な工程として、図1等に示したようなTFTの形成された基板上に、上述した本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて第1の絶縁膜を形成する工程が含まれる。以下、アレイ基板の製造方法について、その主要な構成をより詳しく説明する。
本実施形態のアレイ基板の製造方法では、公知の方法にしたがってトップゲート型のp−SiTFTが形成された基板上に、層間絶縁膜を構成する第1の絶縁膜が形成される。したがって、本実施形態のアレイ基板の製造方法は、少なくとも下記の工程[1]〜工程[4]を下記の順で含むことが好ましい。
[1]本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を、スイッチング素子であるトップゲート型のp−SiTFTや配線等(ソース配線およびゲート配線等。以下、「配線等」と総称することがある。)の形成された基板上に形成する工程(以下、「[1]工程」と称することがある。)
[2]工程[1]で形成された感放射線性樹脂組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「工程[2]」と称することがある。)。
[3]工程[2]で放射線が照射された塗膜を現像する工程(以下、「工程[3]」と称することがある。)。
[4]工程[3]で現像された塗膜を硬化して第1の絶縁膜を形成する工程(以下、「工程[4]」と称することがある。)。
以上の各工程を含む、本実施形態のアレイ基板の製造方法により、上述した本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて、トップゲート型のp−SiTFTや配線等の形成された基板上に、層間絶縁膜として第1の絶縁膜を形成することができる。例えば、図1等に示した、基板2と、基板2の一方の表面側に配置されるTFT3と、TFT3を覆う層間絶縁膜である第1の絶縁膜10とを有する本発明の第1実施形態のアレイ基板1を製造することができる。
以下で各工程について詳述する。
[工程[1]]
本工程では、上述した本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する。この基板には、スイッチング素子であるトップゲート型のp−SiTFTおよびソース配線およびゲート配線等の配線等が形成されている。これらトップゲート型のp−SiTFT等は、基板上で、通常の半導体層形成および公知の絶縁膜形成等と、フォトリソグラフィ法によるエッチングを繰り返すなどして公知の方法にしたがって形成されたものである。
上述の基板において、p−SiTFT等が形成された面に、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布した後、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。
基板の材料としては、例えば、アルカリ金属含有量が少ないガラス、石英、ポリカーボネートまたはポリイミド等の樹脂材料等が挙げられる。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、均一な厚みの膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
プレベークの条件は、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃の温度で行うのが好ましく、時間は、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置によって異なるが、おおよそ1分間〜15分間程度である。塗膜のプレベーク後の膜厚は、0.5μm〜10μmが好ましく、1.0μm〜7.0μm程度がより好ましい。
[工程[2]]
次いで、工程[1]で形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、塗膜の一部にのみ照射するには、例えば、所望のコンタクトホールの形成に対応するパターンのフォトマスクを介して行う。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が200nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線照射量(以下、「露光量」とも称する。)は、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、10J/m〜10000J/mとすることができ、100J/m〜5000J/mが好ましく、200J/m〜3000J/mがより好ましい。
本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物は、従来知られている絶縁膜形成のための組成物と比較して、放射線感度が高い。例えば、上記放射線照射量が700J/m以下、さらには600J/m以下であっても、所望の膜厚、良好な形状、優れた密着性および高い硬度の絶縁膜を得ることができる。
[工程[3]]
次に、工程[2]の放射線照射後の塗膜を現像して不要な部分を除去し、所定の形状のコンタクトホールが形成された塗膜を得る。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリや、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩や、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の水溶液が使用できる。上述のアルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を適当量添加して使用することもできる。さらに、界面活性剤をそれのみで、または、上述の水溶性有機溶媒の添加とともに、適当量添加して使用することもできる。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、シャワー法、スプレー法等のいずれでもよく、現像時間は、常温で5秒間〜300秒間とすることができ、好ましくは常温で10秒間〜180秒間程度である。現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することによって、所望のパターンが得られる。
[工程[4]]
次いで、工程[3]で得られた塗膜を、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により硬化(以下、「ポストベーク」とも称する。)させる。これにより、硬化膜としての第1の絶縁膜が得られる。硬化後の第1の絶縁膜の膜厚は、1μm〜5μmが好ましい。尚、第1の絶縁膜には、[3]工程により、所望の位置にコンタクトホールが形成されている。
以上のようにして、本実施形態のアレイ基板の製造方法は、例えば、図1等に示した、基板2と、基板2の一方の表面側に配置されるTFT3と、TFT3を覆う層間絶縁膜である第1の絶縁膜10とを有する本発明の第1実施形態のアレイ基板1を製造することができる。
そして、本実施形態のアレイ基板の製造方法により製造されたアレイ基板は、上述したように、第1の絶縁膜が、本発明の第3実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されて、樹脂材料からなる一方、含有されるカルボキシル基の量が制御されている。
そのため、製造されたアレイ基板の第1の絶縁膜は、上述したp−SiTFTのソース電極等の劣化に係る問題を生じ難くすることができる。
その結果、本実施形態のアレイ基板の製造方法により製造されたアレイ基板は、信頼性能に優れる。そして、本実施形態のアレイ基板の製造方法により製造されたアレイ基板は高信頼性の液晶表示素子の構成に用いることができる。例えば、本実施形態のアレイ基板の製造方法により製造されたアレイ基板は、高い信頼性を備えた本発明の第2実施形態のの液晶表示素子の構成に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
尚、(A)重合体の重量平均分子量(Mw)は、以下の方法により測定した。
[重量平均分子量(Mw)]
下記条件下、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:昭和電工社の「GPC−101」
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<(A)重合体の合成例>
[合成例1]重合体(A−1)、重合体(A−2)、重合体(A−3)および重合体(A−4)の合成
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続き、メタクリル酸13質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン10質量部、スチレン10質量部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート12質量部、N−シクロヘキシルマレイミド15質量部およびn−ラウリルメタクリレート10質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合した。これによりアルカリ可溶性樹脂である(A−P1)アクリル樹脂としての重合体(A−1)を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は、31.9質量%であり、重合体(A−1)のMwは8000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
重合体(A−2)、重合体(A−3)および重合体(A−4)は、テトラヒドロピラニルメタクリレートを上記組成にそれぞれ25mol%、50mol%、60mol%となるよう混合し、同手法で合成を行った。
[合成例2]重合体(A−5)の合成
反応容器に重合溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート80質量部を加えた後、重合溶剤の合計80gに対し固形分濃度20質量%となるように、ジアミン化合物およびテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸二無水物を重合溶剤中に加えた。ジアミン化合物としては、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)を用い、これを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCA)と1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル(TMHQ)とを、テトラカルボン酸二無水物の組成がTCA:TMHQ=95:5(モル比)となるように投入した。そして、ジアミン化合物の全体量100モル部に対し、テトラカルボン酸二無水物は90モル部を加えた。その後、この混合物を60℃で3時間反応させた。これにより、固形分濃度20%での溶液粘度100mPa・sの(A−P2)ポリイミド樹脂としてのポリアミック酸である重合体(A−5)を含有する溶液を約100g得た。
得られた重合体(A−5)においては、各原料の仕込み量から、含有されるカルボキシル基等の量が、50モル%以下に制御されている。
[合成例3]重合体(A−6)の合成
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル20質量部を仕込み、引き続き、メチルトリメトキシシラン70質量部、およびトリルトリメトキシシラン30質量部を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、リン酸0.15質量部、イオン交換水19質量部を仕込み、75℃になるまで加熱し、4時間保持した。さらに、溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水および加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。これによりアルカリ可溶性樹脂である(A−P3)ポリシロキサンとしての重合体(A−6)を得た。この重合体(A−6)のMwは6000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
[合成例4]重合体(A−7)の合成
冷却管、ディーンスタークおよび撹拌機を備えたフラスコに、モノマーとして2,6−ジフルオロベンゾニトリルを1.7質量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを0.5質量部、5,5−ビス(4−ヒドロキフェニル)ヘキサン酸を0.5質量部、塩基として炭酸カリウム2.2質量部を仕込み、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド100質量部、トルエン25質量部を加えた。真空引きと窒素置換を繰り返し、系中の水を除去した。その後、反応系中を窒素加圧下にし、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を130℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合した。これにより、アルカリ可溶性樹脂である(A−P4)芳香族ポリエーテルとしての重合体(A−7)を含有する溶液を得た。得られた重合体溶液にイオン交換樹脂を加え、4時間撹拌して濾過した。重合体溶液を濾過し、N,N−ジメチルアセトアミドで固形分を洗浄した後、溶液を回収し、得られた溶液を水で再沈することで目的の樹脂を得た。重合体(A−7)のMwは12000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
[合成例5]重合体(A−8)の合成
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続き、1−エトキシエチルメタクリレート40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、およびα−メチルスチレンダイマー3質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(A−8)を含む重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は、31.8重量%であり、重合体(A−8)の重量平均分子量(Mw)は9000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
<(C)化合物の合成>
[合成例6]化合物(C−1)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、トリメシン酸を5質量部(シグマアルドリッチ社)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(シグマアルドリッチ社)を7.2質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS:シグマアルドリッチ社)を1.8質量部、テトラヒドロフラン50質量部を入れた後、室温で2時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的とする、分子量2000以下の酸解離性基を有する化合物((C)化合物)として、化合物(C−1)を収率80%で得た。化合物(C−1)の1H−NMR(300MHz,CDCL)は、δ1.60−2.18(18H,m),δ3.54(6H,m),δ6.47(3H,t),δ8.82(3H,s)であった。
[合成例7]化合物(C−2)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、トリメリット酸を5質量部(シグマアルドリッチ社)、2,3−ジヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)を6質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS:シグマアルドリッチ社)を1.8質量部、テトラヒドロフラン50質量部を入れた後、室温で2時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的とする、分子量2000以下の酸解離性基を有する化合物((C)化合物)として、化合物(C−2)を収率80%で得た。
[合成例8]化合物(C−3)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸を10質量部(シグマアルドリッチ社)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(シグマアルドリッチ社)を9.8質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸一水和物(シグマアルドリッチ社)を0.02質量部、テトラヒドロフラン20質量部を入れた後、室温で2時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム5重量部を添加し、室温で1時間撹拌し、不溶物を濾過後、濃縮することで、メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル18重量部を無色液体物として得た。別の攪拌機を備えた反応容器に、得られたメタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルを17質量部、TS−G(四国化成)を9.6質量部、炭酸カリウム(シグマアルドリッチ社)を34質量部、テトラヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)を50質量部入れた後、室温で3時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的とする、分子量2000以下の酸解離性基を有する化合物((C)化合物)として、化合物(C−3)を収率92%で得た。化合物(C−3)のH−NMR(300MHz,CDCL3)は、δ1.29(12H,m),δ1.55−1.82(24H,m),δ2.71−2.86(20H,m),δ3.64−3.89(16H,m),δ5.44(2H,s),δ5.99(4H,m).であった。
[合成例9]化合物(C−4)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、4,4’,4’ ’−メチリジントリスフェノールを5質量部(シグマアルドリッチ社)、エチルビニルエーテル(シグマアルドリッチ社)を4.4質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS:シグマアルドリッチ社)を1.3質量部、テトラヒドロフラン50質量部を入れた後、室温で2時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的とする、分子量2000以下の酸解離性基を有する化合物((C)化合物)として、化合物(C−4)を収率88%で得た。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
実施例および比較例の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた(B)感放射線性酸発生体および(D)酸化防止剤を以下に示す。
(B)感放射線性酸発生体
B−1:トリフルオロメタンスルホン酸−1,8−ナフタルイミド
B−2:[(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル](BASF社製の「IRGACURE PAG 121」)
(D)酸化防止剤
D−1:トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(ADEKA社の「アデカスタブAO−20」)
D−2:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](ADEKA社の「アデカスタブAO−60」)
[実施例1](感放射線性樹脂組成物の調製)
重合体(A−1)100質量部(固形分)に相当する量に対して、感放射線性酸発生体(B−1)3質量部、化合物(C−1)20質量部、および酸化防止剤(D−1)並びに
密着助剤として3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、実施例1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜18および比較例1〜3](感放射線性樹脂組成物の調製)
下記表1〜2に示す種類および配合量の(A)重合体、(B)感放射線性酸発生体、(C)化合物および(D)酸化防止剤をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にしたがい、実施例2〜18および比較例1〜3の感放射線性樹脂組成物を調製した。尚、いずれの感放射線性樹脂組成物においても、実施例1と同様に、密着助剤として3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン3質量部を混合している。表1〜2において、「−」は該当する成分を配合しなかったことを示す。
[実施例19](評価)
上述した実施例1〜18および比較例1〜3の感放射線性樹脂組成物から硬化膜を形成し、以下に説明する手法により、放射線感度、残膜率、比誘電率(絶縁性)および電極腐食(腐食防止性)を評価した。実施例1〜18および比較例1〜3の感放射線性樹脂組成物およびそれらを用いて形成された絶縁膜の評価結果を、上述した表1〜2中の該当する欄に示す。
[感放射線性樹脂組成物の放射線感度の評価]
スピンナーを用い、60℃で60秒間HMDS処理したシリコン基板上に感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。この塗膜にキヤノン社製のMPA−600FA露光機を用い、幅10μmのライン・アンド・スペースパターンを有するパターンマスクを介して、水銀ランプによって所定量の紫外線を照射した。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液よりなる現像液を用い、25℃で60秒現像処理を行った後、超純水で1分間流水洗浄を行った。このとき、幅10μmのライン・アンド・スペースパターンを形成可能な最小露光量を測定した。この最小露光量の測定値が150mJ/m未満の場合に感度は良好であり、150mJ/m以上の場合に不良と評価できる。
[残膜率の評価]
上記「感放射線性樹脂組成物の放射線感度の評価」と同様に、シリコン基板上に塗膜を形成した。次いで、100μmのライン・アンド・スペース(1対1)のパターンを有するマスクを介して、塗膜に対し所定量の紫外線を照射した後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃で80秒間現像処理を行った。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥することにより、パターニングされた塗膜を形成した。
現像後のパターニングされた塗膜の高さ(T1)を触針式膜厚測定装置α−ステップ(KLAテンコール社製)により測定した。その後、パターニングされた塗膜が形成されたシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱し、熱硬化を行って、パターニングされた絶縁膜を得た。同様にして、熱硬化後のパターニングされた絶縁膜の高さ(t1)を測定した。これらの測定値から、残膜率{(T1−t1)/T1}×100〔%〕を算出した。このとき、残膜率が80%以上の場合に良好であり、80%未満の場合に不良と評価できる。
[絶縁性(比誘電率)の評価]
スピンナーを用い、SUS基板上に感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。露光機(キャノン社の「MPA−600FA」)を用い、積算照射量が9000J/m2となるように上記塗膜を露光し、露光した基板をクリーンオーブン内にて200℃で30分加熱することにより、SUS基板上に絶縁膜を形成した。次いで、蒸着法により、上記絶縁膜上にPt/Pd電極パターンを形成して誘電率測定用サンプルを作製した。この電極パターンを有する基板について、電極(横河・ヒューレットパッカード社の「HP16451B、」)およびプレシジョンLCRメーター(横河・ヒューレットパッカード社の「HP4284A」)を用い、周波数10kHzでCV法により比誘電率の測定を行った。比誘電率が3.7以下の場合に絶縁性が良好であると、3.7を超える場合に絶縁性が不良であると評価できる。
[電極腐食の評価]
スピンナーを用い、アルミで形成された櫛形の電極を備えた電極基板上に、感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。露光機(キャノン社の「MPA−600FA」)を用い、積算照射量が9000J/mとなるように上記塗膜を露光し、露光した基板をクリーンオーブン内にて200℃で30分加熱することにより、電極基板上に硬化膜(絶縁膜)を形成した。この電極基板について、65℃/90%の湿熱条件下にて、500時間放置し、電極劣化の試験として、電極腐食試験を実施した。試験後の基板について、電極腐食の有無を顕微鏡で観察して電極腐食性を以下の基準で評価した。
評価「A」:電極腐食なし
評価「B」:電極腐食あり
尚、図4は、電極基板上に電極腐食がない例を示す顕微鏡写真である。
また、図5は、電極基板上に電極腐食がある例を示す顕微鏡写真である。
表1および表2に示す評価結果から明らかなように、実施例1〜実施例18の感放射線性樹脂組成物およびそれを用いて形成された絶縁膜は、放射線感度、残膜率、絶縁性および腐食防止性に優れるものであった。
これに対し、比較例1〜比較例3の感放射線性樹脂組成物およびそれを用いて形成された絶縁膜は、腐食防止性または放射線感度が劣っていた。
本発明のアレイ基板は、高信頼性を有する。したがって、本発明のアレイ基板は、優れた表示品位と信頼性が求められる携帯情報機器のディスプレイ用等に好適に使用できる。
1 アレイ基板
2,31 基板
3 TFT
4 半導体層
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
7 第3の絶縁膜
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 第1の絶縁膜
11 ソース配線
12 ゲート配線
20 画素電極
21 液晶表示素子
22 カラーフィルタ基板
23 液晶層
32 着色パターン
33 ブラックマトリクス
34 共通電極
36 偏光板
37 バックライト光

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板の一方の表面側に配置されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1の絶縁膜とを有するアレイ基板であって、
    前記スイッチング素子は、前記基板の一方の表面側に形成された半導体層と、該半導体層の表面を被覆する第2の絶縁膜と、該第2の絶縁膜上の前記半導体層と対向する位置に形成されたゲート電極と、該ゲート電極および露出する前記第2の絶縁膜を覆う第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に設けられて前記半導体層に接続されるソース電極およびドレイン電極とを有して構成され、
    前記第1の絶縁膜は、カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、前記ソース電極およびドレイン電極を覆うように配置されることを特徴とするアレイ基板。
  2. 前記半導体層が、ポリシリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
  3. 前記重合体が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシロキサンおよび芳香族ポリエーテルからなる群から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のアレイ基板。
  4. 前記第1の酸解離性基が、下記の式(1−1)、式(1−2)および式(1−3)のいずれかで表わされる基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアレイ基板。
    (式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはこの炭化水素基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間もしくは結合手側末端に酸素原子または硫黄原子を含む基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。
    式(1−2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。nが2の場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    式(1−3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。但し、R11、R12およびR13が共に水素原子である場合はない。
    式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)中、「*」は、結合する部位を示す。)
  5. 前記感放射線性樹脂組成物が、分子量2000以下の第2の酸解離性基を有する化合物を含有し、分子量2000以下の前記第2の酸解離性基を有することを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
  6. 前記第2の酸解離性基が、下記の式(1−1)、式(1−2)および式(1−3)のいずれかで表わされる基であることを特徴とする請求項5に記載のアレイ基板。
    (式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはこの炭化水素基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間もしくは結合手側末端に酸素原子または硫黄原子を含む基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部がヒドロキシ基、ハロゲン原子もしくはシアノ基で置換された基である。
    式(1−2)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。nが2の場合、複数のRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
    式(1−3)中、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。但し、R11、R12およびR13が共に水素原子である場合はない。
    式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)中、「*」は、結合する部位を示す。)
  7. 前記感放射線性樹脂組成物が、さらに、感放射線性酸発生体を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアレイ基板。
  8. 前記感放射線性酸発生体が、下記式(Q−1)または下記式(Q−2)で表わされる基を含む化合物であることを特徴とする請求項7に記載のアレイ基板。
    (式(Q−1)および式(Q−2)中、Ra1は、アルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基またはこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。「*」は、結合する部位を示す。)
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のアレイ基板を有することを特徴とする表示素子。
  10. カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のアレイ基板の製造に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  11. 基板と、前記基板の一方の表面側に配置されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1の絶縁膜とを有するアレイ基板の製造方法であって、
    [1]カルボキシル基またはカルボキシル基が第1の酸解離性基で保護された基を0モル%以上50モル%以下の量で有する重合体を含む感放射線性樹脂組成物の塗膜を、前記スイッチング素子の形成された前記基板上に形成する工程、
    [2」前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    [3]前記放射線が照射された塗膜を現像する工程、および
    [4]前記現像された塗膜を加熱して前記第1の絶縁膜を形成する工程
    を有することを特徴とするアレイ基板の製造方法。
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