JP2017143170A - 金属化フィルムとこの金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムとこの金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサ Download PDF

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香純 長谷部
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雅史 水口
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Abstract

【課題】有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することが可能な信頼性の高い金属化フィルムを提供する。【解決手段】本発明の金属化フィルム1の蒸着金属部は、複数の非蒸着スリット3で細分化された複数の分割電極4とそれらを接続するヒューズ部5を有し、分割電極4は、略多角形の形状をなし、近接する分割電極4の頂点部分同士がヒューズ部5によって接続された構成となっている。すなわち、分割電極4の頂点部分にヒューズ部5を配置したことで、分割電極4から電界集中の原因となる角部分の数を減らし、電界集中の発生を抑制している。さらに、上述したような電極として機能する面積の減少を最小限に抑制できる。この結果、本発明を適用した金属化フィルム1は、有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することが可能な信頼性の高いものとなっている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器や自動車の電装用等に使用される金属化フィルムコンデンサとこの金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルムに関するものである。
金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、誘電体フィルム上に設けた蒸着金属を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着金属を電極(以下、金属蒸着電極)とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔を用いるものに比べて電極の占める体積が小さく小型軽量化が図れることと、金属蒸着電極特有の自己回復性能(絶縁欠陥部で短絡が生じた場合に、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属蒸着電極が蒸発・飛散して絶縁化し、コンデンサの機能が回復する性能)により絶縁破壊に対する信頼性が高いことから、従来から広く用いられている。
特許文献1に記載の、金属化フィルムコンデンサに用いる従来の金属化フィルムの構成について図16を用いて説明する。ここで図16は、特許文献1に記載の金属化フィルムコンデンサに用いる金属化フィルム161の上面図である。
図16に示すように金属化フィルム161は、誘電体フィルムの幅の一端に設けられた絶縁マージン162と、この絶縁マージン162を除く誘電体フィルムの表面に金属を蒸着することで形成された金属蒸着電極とを有する。この金属蒸着電極は非蒸着スリット163により、複数の分割電極164に分割される。ここで非蒸着スリット163とは金属の蒸着前に誘電体フィルムに予めオイル等を塗布することで、金属が蒸着されないようにして設けられたスリットである。
さらに、隣接する分割電極164同士は、非蒸着スリット163内に設けられたヒューズ部165により電気的に接続されている。
このような構成の金属化フィルム161を用いた従来の金属化フィルムコンデンサにおいて分割電極164のいずれかに絶縁欠陥部が発生した場合、この絶縁欠陥部を含む分割電極164に電流が大量に流れ込み、ヒューズ部165が蒸発し、切断される。このように、絶縁欠陥部を含む分割電極164がコンデンサとしての回路から電気的に切り離されることで、短絡を防ぎ金属化フィルムコンデンサの発火等を未然に防ぐことができる。
すなわち、従来の金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルム161に設けられたヒューズ部165により、自己保安機能を実現していた。
特開2004−87648号公報
ところで、誘電体フィルム上に蒸着された分割電極において、分割電極が角を有した形状をしているとこの角部分に電界が集中して誘電体フィルムの絶縁性能が低下、すなわち、絶縁欠陥部の発生の原因となる可能性があった。これに対しては一般的には、図17のような分割電極の角を丸くした構成によって電界集中を抑制する方法が知られている。
しかしながら、図17と図16を比較すると明らかなように、図17の分割電極は図16の分割電極164と比べて明らかに面積が小さく、すなわち図18の斜線部に示した面積分(ロス部分)だけ、実際にコンデンサとして作用する有効電極面積が減少してしまうという課題があった。
そこで本発明は、有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することが可能な信頼性の高い金属化フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の金属化フィルムは、誘電体フィルムと、前記誘電体フィルムの幅方向の一端に絶縁マージンを残して前記誘電体フィルムの片面または両面に形成された蒸着金属部とを備え、前記蒸着金属部は、複数の非蒸着スリットで細分化された複数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部を有し、前記分割電極は、略多角形の形状をなし、近接する前記分割電極の頂点部分同士が前記ヒューズ部によって接続されている。
本発明によると、有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することが可能な信頼性の高い金属化フィルムを提供することができる。
これは、本発明の金属化フィルムコンデンサに用いた金属化フィルムが、略多角形状の分割電極を有し、近接する分割電極の頂点部分同士がヒューズ部によって接続されていることによる。
すなわち、分割電極の頂点部分にヒューズ部を配置したことで、分割電極から電界集中の原因となる角部分の数を減らし、電界集中の発生を抑制している。さらに、この構成によると、上述したような電極として機能する面積の減少を最小限に抑制できる。この結果、コンデンサの容量の減少を抑えながらも、電界集中によって放電が進むことによる絶縁欠陥部の発生を抑制することができる。
したがって、本発明によると、有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することが可能な信頼性の高い金属化フィルムを提供することができる。
実施形態1の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例1の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例2の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例3の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例4の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例5の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の変形例6の金属化フィルムの上面図である。 実施形態3の金属化フィルムの上面図である。 実施形態3の変形例1の金属化フィルムの上面図である。 実施形態3の変形例2の金属化フィルムの上面図である。 実施形態3の変形例3の金属化フィルムの上面図である。 実施形態3の変形例4の金属化フィルムの上面図である。 実施形態2の金属化フィルムの上面拡大図である。 実施形態2の変形例4の金属化フィルムの比較例の上面図である。 特許文献1に記載の金属化フィルムの上面図である。 従来の金属化フィルムにおいて電界の集中を防ぐ構成を示した金属化フィルムの上面図である。 従来の金属化フィルムにおいて有効電極面積の減少部分を示した拡大図である。
本発明を適用した金属化フィルムコンデンサの各実施形態について、図面に沿って具体的に説明する。
(実施形態1)
図1を用いて、本実施形態の金属化フィルム1の構成について説明する。図1は、実施形態1の金属化フィルム1の上面図である。
図1において、金属化フィルム1には誘電体フィルムの幅方向(図1における上下方向)の一端側に誘電体フィルムの長手方向(金属化フィルム1の巻回方向)と平行な直線状の絶縁マージン2が設けられており、この絶縁マージン2を除く誘電体フィルムの両面又は片面にアルミニウム等の金属が蒸着された構成となっている。なお、誘電体フィルムとしては、ポリプロピレンフィルムを用いているが、これ以外にもポリイミドフィルム等のフィルムを用いてもよい。
そしてこの金属が蒸着された金属蒸着部のうち、金属化フィルム1の幅の半分より絶縁マージン2側には分割電極部8があり、もう半分には大電極部9がある。
まず、分割電極部8の構成について説明する。分割電極部8には非蒸着スリット3が設けられており、分割電極部8が複数の非蒸着スリット3に区切られることで、略菱形形状の分割電極4が各々構成されている。非蒸着スリット3は、「背景技術」の項で説明したものと同様、金属の蒸着前に誘電体フィルムに予めオイル等を塗布することで、金属が蒸着されないようにして設けられたスリットである。
この非蒸着スリット3には、長手方向(金属化フィルム1の巻回方向)に略45度の角をなす複数の非蒸着スリット3と、これに垂直な複数の非蒸着スリット3とがある。さらに、非蒸着スリット3は単位スリット3aが一直線上に整列することによって形成されている。なお、単位スリット3aは、非蒸着スリット3を構成する最小単位のスリットであって、金属が蒸着されていない一続きの部分を言う。ただし、絶縁マージン2と一続きに繋がった単位スリット3aに関しては、絶縁マージン2を除いた部分を単位スリット3aと定義する。単位スリット3aは分割電極4と後述のヒューズ部5に囲まれており、ヒューズ部5との境目の端部は丸みを持たせた形状となっている。これは以下に述べる実施形態及びその変形例の全てに共通する。
また、ヒューズ部5は略菱形形状の分割電極4の頂点部分に位置し、近接する分割電極4同士の頂点を電気的に接続している。本実施形態では近接する3つ又は4つの分割電極4の頂点同士を接続している。つまり、ヒューズ部5は図1の斜線部分に示すように、直交する非蒸着スリット3の交点部分であって、単位スリット3aの端部に囲まれた部分である。なお、図中では金属化フィルム1の構成を鮮明に示すため、一部のヒューズ部5にのみ斜線を付している。さらに、図1から分かるように、分割電極4の対角線上に存在するヒューズ部5は金属化フィルム1の幅方向及び長手方向と平行に直線的に配置されることになる。
次に大電極部9の構成について説明する。大電極部9には、非蒸着スリット3が設けられておらず、一続きの大電極10として構成されている。なお、大電極部9には複数の大電極を持つように、適宜非蒸着スリットを設けても良い。また、大電極部9を設けずに、非蒸着スリット3及び分割電極4を金属化フィルム1の全面に同じピッチで形成しても良い。
ただし、本実施形態のように金属蒸着部を分割電極部8と大電極部9で構成すると、ヒューズ部5の発熱による温度上昇を抑制するという効果がある。通常、金属化フィルム1上を流れる電流は、絶縁マージン部2に近づくほど小さくなる。それゆえ、この電流の大きさに対応して電極を形成すると、ヒューズ部5にかかる負荷を減らすことができ、ヒューズ部5の発熱による温度上昇も抑制できるのである。これは以下に述べる実施形態及びその変形例の全てに共通することである。
上記の構成によって以下のような効果が得られる。
まず、ヒューズ部5を略菱形形状の分割電極4の頂点部分に配置し、近接する分割電極4の頂点部分同士をヒューズ部5によって接続したことによって、本実施形態の分割電極4は角を有さず、略菱形形状の角への電界の集中を防止することができるようになる。単位スリット3aの端部に丸みを持たせたのも、角を取ることで同様の効果を意図したものである。なお、本実施形態においては分割電極4を略菱形形状としたが、これに限らず略多角形形状であれば本発明を適用することで上述の効果が得られる。
さらに、分割電極4の頂点部分に丸みを持たせたときに比べて、図18の斜線部分に示した面積分(ロス部分)の有効電極面積の減少を抑えることができる。すなわち本実施形態は、分割電極4の頂点部分とヒューズ部5とが一体化した構成であるから、電界の集中の原因となる角部分を無くしたとしても、有効電極面積の減少を最小限にとどめることができる。
加えて、分割電極4の対角線上に存在するヒューズ部5は金属化フィルム1の幅方向の直線上に配置されている。このため、金属化フィルムを流れる電流は大電極部9側から絶縁マージン2側に向かってほぼ一直線に流れることになり、その導電経路は短いものとなっている。このことによってコンデンサのtanδを低減することができる。
(実施形態2)
次に、図2を用いて、本実施形態の金属化フィルム21の構成について説明する。図2は、本実施形態の金属化フィルム21の上面図である。なお、本実施形態の金属化フィルム21は実施形態1の金属化フィルム1と非蒸着スリット3の形状のみが異なるものであり、それ以外の構成は金属化フィルム1と同様の構成となっている。したがって、金属化フィルム1と同様の構成については適宜説明を省略する。
図2において、金属化フィルム21には誘電体フィルムの幅方向の一端側に絶縁マージン22が設けられており、この絶縁マージン22を除く誘電体フィルムの両面又は片面にアルミニウム等の金属が蒸着された構成となっている。
そしてこの金属が蒸着された部分のうち、金属化フィルム21の幅の半分より絶縁マージン22側には分割電極部28があり、もう半分には大電極部29がある。
まず、分割電極部28の構成について説明する。分割電極部28には非蒸着スリット23が設けられており、分割電極部28が複数の非蒸着スリット23に区切られることで、四角形状の分割電極24が各々構成されている。分割電極24は金属化フィルム21の幅方向に4段設けられ、長手方向には無数に整列しており、分割電極部28全体としては格子状をなしている。
非蒸着スリット23には、金属化フィルム21の長手方向に平行な複数の第1非蒸着スリット26と、金属化フィルム21の幅方向に平行な複数の第2非蒸着スリット27とがある。さらに、第1非蒸着スリット26及び第2非蒸着スリット27は単位スリット23aが一直線上に整列することによって形成されている。
また、ヒューズ部25は四角形状の分割電極24の頂点部分に位置し、近接する分割電極24同士の頂点を電気的に接続している。つまり、ヒューズ部25は図2の斜線部分に示すように、直交する第1非蒸着スリット26及び第2非蒸着スリット27の交点部分であって、単位スリット23aの端部に囲まれた部分である。なお、金属化フィルム21の構成を鮮明に示すため、一部のヒューズ部25にのみ斜線を付している。
上記の構成によって、実施形態1の効果に加えて以下のような効果が得られる。すなわち、分割電極部28を構成する各々の分割電極24は格子状の非蒸着スリット23により分割されており、大きさが統一されているから、ヒューズ部25の動作性能が実施形態1と比較してより向上する。これについて図1を用いて説明する。実施形態1の場合、完全な菱形形状の分割電極4aと略三角形状の分割電極4bが混在することになる。一方、本実施形態では分割電極24の大きさが統一されており、各分割電極24に蓄えられている電荷が均等のため、短絡時にヒューズ部25に流れ込む電流量のばらつきが小さくなる。すなわち、自己保安機能がより高いと言える。
(実施形態2の変形例1)
次に、図3を用いて、本変形例の金属化フィルム31の構成について説明する。図3は、本変形例の金属化フィルム31の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第1非蒸着スリット26の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
実施形態2と比較して本変形例は、第1非蒸着スリット36のうち、分割電極部38と大電極部39との境目の一列の態様のみが異なる。すなわち、分割電極部38と大電極部39との境目の一列の第1非蒸着スリット36aに含まれる各単位スリット33aは、各々が金属化フィルム31の長手方向に対して角度をなしつつ、第1非蒸着スリット36a全体として見た場合には直線A上に整列している。つまり、各単位スリット33aの中心点は直線A上に存在しているが、一つ一つの単位スリット33aは直線Aに対して角度をなしている。各単位スリット33aが直線Aに対してなす角度は等しく、単位スリット33a同士は平行である。なお、直線Aは金属化フィルム31の長手方向に平行な直線である。
上記の構成により、実施形態2で述べた効果に加えて、下記のような効果が得られる。すなわち、最近ではフィルムコンデンサの小型化の要請から、フィルムコンデンサの誘電体フィルムは薄手化する傾向にある。薄手化したフィルムでは、言うまでもなく電界集中により発生する放電に対する耐性が弱く、より短絡しやすいという課題が生じるが、これに対しては本発明のように極力電界集中が発生しない構成とすることで、絶縁破壊を最小限に食い止めることができる。すなわち、電界集中の発生を抑制する本発明は薄手化した誘電体フィルムを用いた金属化フィルムに対して特に有用であると言える。その一方で薄手化したフィルムにおいては、フィルムを巻き取る際にしわが寄りやすいという課題も生じる。特に第1非蒸着スリット36がフィルムの巻き取り方向(金属化フィルムの長手方向)と平行であると、しわが寄り易いという傾向が見受けられる。そこで第1非蒸着スリット36に含まれる単位スリット33aに角度を持たせることで、大電極部側を通じてしわを金属化フィルム1の端から逃がし、フィルムを巻き取る際のしわの発生を抑制するようにしたのである。
つまり、本発明の効果を顕著に得るために薄手化した誘電体フィルムを用いた場合、その薄手化の排反事象として金属化フィルムにしわが発生してしまう虞があるが、本変形例の構成によるとこのしわ発生を抑制することが可能となる。なお、前記の効果は厚みが3.0μm以下の薄手化した誘電体フィルムについて特に有用である。
(実施形態2の変形例2)
次に、図4を用いて、本変形例の金属化フィルム41の構成について説明する。図4は、本変形例の金属化フィルム41の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第1非蒸着スリット26の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
実施形態2と比較して本変形例は、第1非蒸着スリット46の態様のみが異なる。すなわち、全ての第1非蒸着スリット46に含まれる単位スリット43aはそれぞれが金属化フィルム41の長手方向に対して角度をなしつつ、金属化フィルム41の長手方向に平行な複数の直線上に整列している。つまり、第1非蒸着スリット46aに注目すると、第1非蒸着スリット46aに含まれる各単位スリット43aの中心点は直線A上に整列する。ただし、一つ一つの単位スリット43aは直線Aに対して角度をなしている。各単位スリット43aが直線Aに対してなす角度は等しく、全ての単位スリット43a同士は平行である。なお、直線Aは金属化フィルム41の長手方向に平行な直線である。そして、全ての第1非蒸着スリット46は前記の第1非蒸着スリット46aと同様の構成をしている。
上記の構成により、実施形態2で述べた効果に加えて、フィルムを巻き取る際にしわの発生を抑制するという効果が得られる。基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらないが、本変形例の構成では全ての第1非蒸着スリットに含まれる単位スリット43aに角度がついているから、よりしわの発生を抑制するという効果を得やすい。
(実施形態2の変形例3)
次に、図5を用いて、本変形例の金属化フィルム51の構成について説明する。図5は、本変形例の金属化フィルム51の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第2非蒸着スリット27の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
実施形態2と比較して本変形例は、第2非蒸着スリット57の態様のみが異なる。すなわち、第2非蒸着スリット57に含まれる単位スリット53aは各々が金属化フィルム51の幅方向に対して角度をなしつつ、第2非蒸着スリット57全体として見た場合には直線Bと平行な複数の直線上に整列している。つまり、第2非蒸着スリット57aに注目すると、第2非蒸着スリット57aに含まれる各単位スリット53aの中心点は直線B上に整列する。ただし、一つ一つの単位スリット53aは直線Bに対して角度をなしている。各単位スリット53aが直線Bに対してなす角度は等しく、全ての単位スリット53a同士は平行である。なお、直線Bは金属化フィルム31の幅方向に平行な直線である。そして、全ての第2非蒸着スリット57は前記の第2非蒸着スリット57aと同様の構成をしている。
上記の構成によって、実施形態2で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。
まず、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。なお、基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらない。
次に、非蒸着スリット53を形成する際の精度が高くなるという効果がある。一般に非蒸着スリットの形成工程は、オイルを塗布した凸版を誘電体フィルムに押しあてて転写し誘電体フィルムの一部をマスキングする第1工程と、誘電体フィルムに金属を蒸着させる第2工程とからなる。この第2工程の際に、第1工程でオイルが塗布された部分には金属が蒸着されないから、凸版の形通りに非蒸着スリットが形成されるのである。
ここで、第1工程について詳しく説明する。第1工程では、誘電体フィルムの長さ方向に搬送されてきた一続きの誘電体フィルムに対して、ローラー状の凸版を押しあてることにより、非蒸着スリットが形成される部分にのみオイルを塗布している。この際、凸版を押し付ける圧を適切に保たなければならない。なぜならば、押圧が強すぎるとオイルがはみ出して非蒸着スリット同士が一体化してしまったり、押圧が弱すぎるとオイルが十分に転写されなかったりする可能性があるためである。ところが、例えば図2で示したように、実施形態2のような第2非蒸着スリット27部分が金属化フィルム21の幅方向に対して平行な構成の場合、第1非蒸着スリット26を転写するときと第2非蒸着スリット27を転写するときとでは、前記の押圧が異なる。すなわち同じ時間で比較した場合に、後者の方が前者に対して凸版が接している面積が広いため、凸版を押し付ける力が分散し押圧は弱くなる。特に、後者の方が前者に対して転写時間が短いため、押圧の変動は瞬間的に起きることになる。そうすると、一定の押圧で凸版を押し付けていた場合に、前記の構成では転写の状態にムラが発生することも考えられる。
そこで、本変形例では第2非蒸着スリット57に角度を持たせている。このような構成にすることで、第2非蒸着スリット57を転写している時間をより長くしている。よって、瞬間的な押圧の変動を抑制し転写ムラの発生を低減することができるから、非蒸着スリット53を形成する際の精度を高めることができる。
特に、本変形例のように近接した4本の単位スリット53a間にヒューズ部55を設けるような、複雑な形状を成したヒューズ部においては、より高度な蒸着精度が要求される。このため、上述のような第2非蒸着スリット57に含まれる単位スリット53aが金属化フィルム51の幅方向に対して角度をなした構成は、ヒューズ部55の形成に際して効果的に作用する。
(実施形態2の変形例4)
次に、図6を用いて、本変形例の金属化フィルム61の構成について説明する。図6は、本変形例の金属化フィルム61の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第1非蒸着スリット26及び第2非蒸着スリット27の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
実施形態2と比較して本変形例は、単位スリットの態様が異なる。すなわち、実施形態2において単位スリット23は1種類の直線状のスリットのみで構成したが、本変形例の単位スリットは、以下で詳述する単位スリット63b、単位スリット63c、単位スリット63dの3つの種類に分類される。
まず、単位スリット63bについて説明する。単位スリット63bは、L字状の単位スリットであって、長辺部と短辺部とこれらの接合部分である屈曲部とから構成される。長辺部の長さは分割電極64の一辺の長さよりわずかに短く、短辺部の長さは分割電極64の一辺の長さの半分よりわずかに短い。さらに、屈曲部は丸みを持たせ、電界の集中を防止している。なお、単位スリット63bの長辺部は金属化フィルム61の長手方向に沿って一直線上に整列し、第1非蒸着スリット66を構成している。また、単位スリット63bの短辺部は金属化フィルム61の幅方向に平行な複数の直線上に存在し、各第2非蒸着スリット67の一部を構成している。
次に、単位スリット63cについて説明する。単位スリット63cは、L字状の単位スリットであって、同じ長さの2つの辺部とこれらの接合部分である屈曲部とから構成される。辺部の長さは分割電極64の一辺の長さの半分よりわずかに短い。さらに、屈曲部は丸みを持たせ、電界の集中を防止している。なお、単位スリット63cの辺部は、金属化フィルム61の幅方向に平行な複数の直線上又は前記直線に直行する複数の直線状に存在し、各第1非蒸着スリット66又は各第2非蒸着スリット67の一部を構成している。
最後に、単位スリット63dについて説明する。単位スリット63dはI字状の単位スリットであるが、その一方の端部は絶縁マージン62とT字状に接合している。I字を構成する辺部の長さは、分割電極64の一辺の長さの半分よりわずかに短い。さらに、単位スリット63dと絶縁マージン62とがT字状に接合する部分は、角をとるように丸みを持たせ、電界の集中を防止している。なお、単位スリット63dは金属化フィルム61の幅方向に平行な複数の直線上に存在し、各第2非蒸着スリット67の一部を構成している。
上記の単位スリット63aによって囲まれる分割電極64は、対角線上に存在する一組の頂点がヒューズ部65a、分割電極64の各4辺の中央がヒューズ部65bに接続され、ヒューズ部65a及びヒューズ部65bを介して近接する分割電極64と電気的に接続されている。ただし、絶縁マージン62に隣接する分割電極64、及び大電極部69に隣接する分割電極64は3つの辺の中央がヒューズ部65bに接続されている。
上記の構成によって、実施形態2で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。
まず、対角線上に存在する複数組の頂点のうち、一組だけをヒューズ部65aに接続することで、意図しない分割電極を形成されないようにした。これについて図14を用いて説明する。図14は実施形態2の金属化フィルム21の上面拡大図である。実施形態2のような非蒸着スリット23を設けた場合、4つの単位スリット23aの端部に囲まれた空間144が形成され、これが意図せず小さな分割電極として機能してしまうことが考えられる。これにより分割電極の大きさが不均一になってしまい、ヒューズ部25がうまく機能しないことも生じ得る。そこで本変形例では一組の頂点のみをヒューズ部65aに接続させることで、ヒューズとしての動作性能を高めている。
さらに、分割電極64の辺部分もヒューズ部65bと接続されているため、一部の分割電極64で絶縁破壊が起きたとしても分割電極の有効利用ができる。これについて図15を用いて説明する。図15は対角線上に存在する一組の頂点のみをヒューズ部155に接続させた構成であり、本変形例との比較例である。この構成において、分割電極154aに絶縁破壊が起きることにより大電極部159と分割電極154a間のヒューズ部155が動作し(ヒューズ部155が蒸発し)、大電極部159と分割電極154a間の電気的接続が断たれた場合、分割電極154aに接続される分割電極154b、154c、154dへの電流経路も同時に断たれることとなる。すなわち、これら分割電極154b、154c、154dは絶縁破壊が生じていないにも関わらず電極として機能しないこととなる。そこで、本変形例では図6に示したように分割電極64の辺部分もヒューズ部65bにて隣接する分割電極64と接続させることで、1つの分割電極64に対し複数の電流経路を確保し、一部の分割電極64で絶縁破壊が起きた場合に、これに伴って正常な分割電極64までもが電極として作用しなくなる虞を解消している。
(実施形態2の変形例5)
次に、図7を用いて、本変形例の金属化フィルム71の構成について説明する。図7は、本変形例の金属化フィルム71の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第1非蒸着スリット26及び第2非蒸着スリット27の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
本変形例は、実施の形態2の変形例4の構成に加えて、3種類の単位スリット73b、73c、73dのうち、73bの態様が異なる。
すなわち、分割電極部78と大電極部79との境目の第1非蒸着スリット76に含まれる単位スリット73bの長辺部と、第2非蒸着スリット77に含まれる単位スリット73bの短辺部とがなす角度は鈍角になっている。具体的には、第1非蒸着スリット76に含まれる単位スリット73bの長辺部は金属化フィルム71の長手方向に対して15度大電極部79側に偏っている。
上記の構成によって、実施形態2で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。まず、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。なお、基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらない。次に意図しない電極が作られないことで、ヒューズの動作性能を高めることができる。さらに、電流の経路を複数確保することで、一部の分割電極で絶縁破壊が起きたとしても分割電極がより有効に利用されるようにできる。前記2つの効果の基本的な原理は、実施形態2の変形例4で述べたものと変わらない。
(実施形態2の変形例6)
次に、図8を用いて、本変形例の金属化フィルム81の構成について説明する。図8は、本変形例の金属化フィルム81の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態2の第1非蒸着スリット26及び第2非蒸着スリット27の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態2と変わらない。
本変形例は、実施の形態2の変形例4の構成に加えて、3種類の単位スリット83b、83c、83dのうち、83bの態様が異なる。
すなわち、分割電極部88と大電極部89との境目の第1非蒸着スリット86に含まれる単位スリット83bの長辺部と、第2非蒸着スリット87に含まれる単位スリット83bの短辺部とがなす角度は鋭角になっている。具体的には、第1非蒸着スリット86に含まれる単位スリット83bの長辺部は金属化フィルム81の長手方向に対して15度絶縁マージン82側に偏っている。
上記の構成によって、実施形態2で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。まず、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。なお、基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらない。次に意図しない電極が作られないことで、ヒューズの動作性能を高めることができる。さらに、電流の経路を複数確保することで、一部の分割電極で絶縁破壊が起きたとしても分割電極がより有効に利用されるようにできる。前記2つの効果の基本的な原理は、実施形態2の変形例4で述べたものと変わらない。
(実施形態3)
次に、図9を用いて、本実施形態の金属化フィルム91の構成について説明する。図9は、本実施形態の金属化フィルム91の上面図である。なお、本実施形態の金属化フィルム91は実施形態1の金属化フィルム1と非蒸着スリット3の態様のみが異なるものであり、それ以外の構成は金属化フィルム1と同様の構成となっている。したがって、金属化フィルム1と同様の構成については適宜説明を省略する。
図9において、金属化フィルム91には誘電体フィルムの幅方向の一端側に絶縁マージン92が設けられており、この絶縁マージン92を除く誘電体フィルムの両面又は片面にアルミニウム等の金属が蒸着された構成となっている。
そしてこの金属が蒸着された部分のうち、金属化フィルム91の幅の半分より絶縁マージン92側には分割電極部98があり、もう半分には大電極部99がある。
まず、分割電極部98の構成について説明する。分割電極部98には非蒸着スリット93が設けられており、分割電極部98が複数の非蒸着スリット93に区切られることで、平行四辺形状の分割電極94が各々構成されている。
この非蒸着スリット93には、金属化フィルム91の長手方向に平行な複数の第3非蒸着スリット96と、誘電体フィルムの幅方向の他端側から一端側に向けて設けられるとともに金属化フィルム91の幅方向に対して角度をなす複数の第4非蒸着スリット97とがある。本実施形態では、第4非蒸着スリット97と金属化誘電体フィルム91の幅方向のなす角を15度としている。さらに、第3非蒸着スリット96及び第4非蒸着スリット97は単位スリット93aが一直線上に整列することによって形成されている。
また、ヒューズ部95は分割電極94の頂点部分に位置し、近接する分割電極94同士の頂点を電気的に接続している。つまり、ヒューズ部95は図9の斜線部分に示すように、第3非蒸着スリット96及び第4非蒸着スリット97の交点部分であって、単位スリット93aの端部に囲まれた部分である。なお、金属化フィルム91の構成を鮮明に示すため、一部のヒューズ部95にのみ斜線を付している。
上記の構成によって、実施形態1で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。
まず、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。なお、基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらず、第4非蒸着スリットが金属化フィルム91の幅方向に対して角度をなしているため、しわを金属化フィルム91の端から逃がし、しわの発生が抑制されるという効果を得る。
次に、非蒸着スリット93を形成する際の精度が高くなるという効果もある。これも基本的な原理は実施形態2の変形例3で述べたものと変わらないが、本構成によれば、より凸版の押圧のばらつきを抑制し転写ムラの発生を低減することができる。なぜなら、第4非蒸着スリット97をフィルムの幅方向に対して角度をなすように配置したため、第3非蒸着スリット96と第4非蒸着スリット97が同時に転写される瞬間が増えているためである。これによって第3非蒸着スリット96と第4非蒸着スリット97を転写する際の押圧の差が減少し、結果として精度の高い非蒸着スリット93を形成できる。
なお、本実施形態においては第4非蒸着スリット97と金属化誘電体フィルム91の幅方向のなす角を15度としたが、これに限らず第4非蒸着スリット97と金属化誘電体フィルム91の幅方向のなす角が5度以上30度以下の範囲であれば、上述の効果が得られる。
(実施形態3の変形例1)
次に、図10を用いて、本変形例の金属化フィルム101の構成について説明する。図10は、本変形例の金属化フィルム101の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態3の非蒸着スリット93の構成を一部変形させたものであり、基本的な動作・効果等は実施形態3と変わらない。
実施形態3と比較して本変形例は、非蒸着スリット103の態様が異なる。すなわち、第3非蒸着スリット106に含まれる単位スリット103aはそれぞれが金属化フィルム101の長手方向に対して角度をなしつつ、第3非蒸着スリット106全体として見た場合には直線Cと平行な複数の直線上に整列している。つまり、第1非蒸着スリット106aに注目すると、第1非蒸着スリット106aに含まれる各単位スリット103aの中心点は、金属化フィルム101の長手方向に平行な一直線上に整列する。ただし、一つ一つの単位スリット103aは前記の直線に対して角度をなしている。各単位スリット103aが前記直線に対してなす角度は等しく、全ての単位スリット103a同士は平行である。
上記の構成によって、実施形態3で述べた効果に加えてさらにしわの発生を抑制するという効果が得られる。基本的な原理は実施形態3で述べたものと変わらないが、本変形例の構成では全ての第3非蒸着スリットに含まれる単位スリット103aに角度がついているから、よりしわの発生を抑制するという効果を得やすい。
(実施形態3の変形例2)
次に、図11を用いて、本変形例の金属化フィルム111の構成について説明する。図11は、本変形例の金属化フィルム111の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態3の非蒸着スリット93の構成を一部変形させたものであり、実施形態3の構成に実施形態2の変形例4の構成を組み合わせたものである。ゆえに、基本的な動作・効果等は実施形態3および実施形態2の変形例4と変わらない。
実施形態3及び実施形態2の変形例4と比較して本変形例は3種類の単位スリット113b、113c、113dの態様が異なる。すなわちL字状の非蒸着スリット113b及び113cにおいて、長辺部と短辺部、及び2つの辺部がなす角度は鈍角である。さらに113dにおいても絶縁マージン112と単位スリット113dの辺部は所定の角度をなし、第4非蒸着スリット117の直線上に単位スリット113dの辺部が存在するようになっている。
上記の構成によって、実施形態3で述べた効果に加えて以下のような効果が得られる。まず、意図しない電極が作られないことで、ヒューズの動作性能を高めることができる。次に、電流の経路を複数確保することで、一部の分割電極で絶縁破壊が起きたとしても分割電極がより有効に利用されるようにできる。前記2つの効果の基本的な原理は、実施形態2の変形例4で述べたものと変わらない。加えて、単位スリット113bおよび113cの屈曲部がよりなだらかな曲線を描くことで、実施形態3と比較してより電界の集中を防ぐことができる。
(実施形態3の変形例3)
次に、図12を用いて、本変形例の金属化フィルム121の構成について説明する。図12は、本変形例の金属化フィルム121の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態3の非蒸着スリット93の構成を一部変形させたものであり、実施形態3の構成に実施形態2の変形例4の構成を組み合わせたものである。ゆえに、基本的な動作・効果等は実施形態3および実施形態2の変形例4と変わらない。
本変形例は、実施の形態3の変形例2の構成に加えて、3種類の単位スリット123b、123c、123dのうち、123bの態様が異なる。
すなわち、分割電極部128と大電極部129との境目の第3非蒸着スリット126に含まれる単位スリット123bの長辺部と、第4非蒸着スリット127に含まれる単位スリット123bの短辺部とがなす角度は、実施形態3の変形例2と比べてより鈍角になっている。つまり、単位スリット123bのL字がなす角は、123cのL字がなす角と比べてより鈍角である。さらに具体的な構成としては、第3非蒸着スリット126に含まれる単位スリット123bの長辺部は金属化フィルム121の長手方向に対して15度大電極部129側に偏っている。
上記の構成によって、実施形態3で述べた効果に加えて以下のような4つの効果が得られる。まず1つ目は、意図しない電極が作られないことで、ヒューズの動作性能を高めることができる。また2つ目は、電流の経路を複数確保することで、一部の分割電極で絶縁破壊が起きたとしても分割電極がより有効に利用されるようにできる。前記2つの効果の基本的な原理は、実施形態2の変形例4で述べたものと変わらない。加えて3つ目は、単位スリット123aの屈曲部がよりなだらかな曲線を描くことで、実施形態3と比較してより電界の集中を防ぐことができる。この基本的な原理は実施形態3の変形例2で述べたものと変わらない。さらに4つ目は、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。この基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらない。
(実施形態3の変形例4)
次に、図13を用いて、本変形例の金属化フィルム131の構成について説明する。図13は、本変形例の金属化フィルム131の上面図である。本変形例にかかる構成は、実施形態3の非蒸着スリット93の構成を一部変形させたものであり、実施形態3の構成に実施形態2の変形例4の構成を組み合わせたものである。ゆえに、基本的な動作・効果等は実施形態3および実施形態2の変形例4と変わらない。
本変形例は、実施の形態3の変形例2の構成に加えて、3種類の単位スリット133b、133c、133dのうち、133bの態様が異なる。
すなわち、分割電極部138と大電極部139との境目の第3非蒸着スリット136に含まれる単位スリット133bの長辺部と、第4非蒸着スリット137に含まれる単位スリット133bの短辺部とがなす角度は、実施形態3の変形例2と比べて鋭角になっている。さらに具体的な構成としては、第3非蒸着スリット136に含まれる単位スリット133bの長辺部は金属化フィルム131の長手方向に対して15度絶縁マージン132側に偏っている。
上記の構成によって、実施形態3で述べた効果に加えて以下のような4つの効果が得られる。まず1つ目は、意図しない電極が作られないことで、ヒューズの動作性能を高めることができる。また2つ目は、電流の経路を複数確保することで、一部の分割電極で絶縁破壊が起きたとしても分割電極がより有効に利用されるようにできる。前記2つの効果の基本的な原理は、実施形態2の変形例4で述べたものと変わらない。加えて3つ目は、単位スリット123aの屈曲部がよりなだらかな曲線を描くことで、実施形態3と比較してより電界の集中を防ぐことができる。この基本的な原理は実施形態3の変形例2で述べたものと変わらない。さらに4つ目は、フィルムを巻き取る際にしわの発生が抑制される。この基本的な原理は実施形態2の変形例1で述べたものと変わらない。
(実施形態4)
次に、本実施形態の金属化フィルムコンデンサについて説明する。
本実施形態は、上記の実施形態1から実施形態3の変形例4までのいずれかの金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサ(図示せず)である。この金属化フィルムを蒸着金属部が誘電体フィルムを介して対向するように重ね合わせ、積層又は巻回することでコンデンサ素子が形成される。この際、夫々の絶縁マージン部が逆方向となるように配置して積層又は巻回する。さらに、このようにして作製したコンデンサ素子の両端に亜鉛等の金属を溶射しメタリコン電極を形成することで金属化フィルムコンデンサが完成する。
このようにして得られた金属化フィルムコンデンサは、有効電極面積の減少を最小限に抑えながら電界の集中を抑制することで、長期に亘って特性を維持することができ、優れた信頼性を有している。
本発明による金属化フィルムとこの金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサは長期に亘って特性を維持することができ、優れた信頼性を有している。したがって、本発明による金属化フィルムコンデンサは自動車の電装用など、広い分野での電子、電気機器に採用することが可能である。
1 金属化フィルム
2 絶縁マージン
3 非蒸着スリット
3a 単位スリット
4 分割電極
4a 完全な菱形形状の分割電極
4b 略三角形状の分割電極
5 ヒューズ部
8 分割電極部
9 大電極部
10 大電極

21 金属化フィルム
22 絶縁マージン
23 非蒸着スリット
23a 単位スリット
24 分割電極
25 ヒューズ部
26 第1非蒸着スリット
27 第2非蒸着スリット
28 分割電極部
29 大電極部

31 金属化フィルム
33a 単位スリット
36 第1非蒸着スリット
36a 第1非蒸着スリット
38 分割電極部
39 大電極部

41 金属化フィルム
43a 単位スリット
46 第1非蒸着スリット
46a 第1非蒸着スリット

51 金属化フィルム
53 非蒸着スリット
53a 単位スリット
55 ヒューズ部
56 第1非蒸着スリット
57 第2非蒸着スリット
57a 第2非蒸着スリット

61 金属化フィルム
62 絶縁マージン
63a 単位スリット
63b 単位スリット
63c 単位スリット
63d 単位スリット
64 分割電極
65a ヒューズ部
65b ヒューズ部
66 第1非蒸着スリット
67 第2非蒸着スリット
69 大電極部

71 金属化フィルム
73b 単位スリット
73c 単位スリット
73d 単位スリット
76 第1非蒸着スリット
77 第2非蒸着スリット
78 分割電極部
79 大電極部

81 金属化フィルム
82 絶縁マージン
83b 単位スリット
83c 単位スリット
83d 単位スリット
86 第1非蒸着スリット
87 第2非蒸着スリット
88 分割電極部
89 大電極部

91 金属化フィルム
92 絶縁マージン
93 非蒸着スリット
93a 単位スリット
94 分割電極
95 ヒューズ部
96 第3非蒸着スリット
97 第4非蒸着スリット
98 分割電極部
99 大電極部

101 金属化フィルム
103 非蒸着スリット
103a 単位スリット
106 第3非蒸着スリット
106a 第3非蒸着スリット

111 金属化フィルム
112 絶縁マージン
113b 単位スリット
113c 単位スリット
113d 単位スリット
117 第4非蒸着スリット

121 金属化フィルム
123b 単位スリット
123c 単位スリット
123d 単位スリット
126 第3非蒸着スリット
127 第4非蒸着スリット
128 分割電極部
129 大電極部

131 金属化フィルム
132 絶縁マージン
133b 単位スリット
133c 単位スリット
133d 単位スリット
136 第3非蒸着スリット
137 第4非蒸着スリット
138 分割電極部
139 大電極部

144 空間

154a 分割電極
154b 分割電極
154c 分割電極
154d 分割電極
155 ヒューズ部
159 大電極部

161 金属化フィルム
162 絶縁マージン
163 非蒸着スリット
164 分割電極
165 ヒューズ部

Claims (14)

  1. 誘電体フィルムと、
    前記誘電体フィルムの幅方向の一端に絶縁マージンを残して前記誘電体フィルムの片面または両面に形成された蒸着金属部とを備え、
    前記蒸着金属部は、複数の非蒸着スリットで細分化された複数の分割電極とそれらを接続するヒューズ部を有し、
    前記分割電極は、略多角形の形状をなし、近接する前記分割電極の頂点部分同士が前記ヒューズ部によって接続された金属化フィルム。
  2. 前記蒸着金属部は、
    前記誘電体フィルムの前記一端側に配置された前記複数の分割電極からなる分割電極部と、
    前記誘電体フィルムの他端側に配置された前記分割電極よりも面積の大きい1つあるいは複数の大電極からなる大電極部とを備える請求項1に記載の金属化フィルム。
  3. 前記ヒューズ部は、前記誘電体フィルムの幅方向と平行な直線上に配置された請求項1に記載の金属化フィルム。
  4. 前記非蒸着スリットは、前記誘電体フィルムの長手方向と平行な複数の第1非蒸着スリットと、前記誘電体フィルムの幅方向に平行な複数の第2非蒸着スリットとを備える請求項1に記載の金属化フィルム。
  5. 前記第1非蒸着スリットのうち前記大電極部側のスリットは、各々がフィルムの長手方向に対して角度をなしつつ整列している請求項4に記載の金属化フィルム。
  6. 前記第1非蒸着スリットは、各々がフィルムの長手方向に対して角度をなしつつ整列している請求項4に記載の金属化フィルム。
  7. 前記第2非蒸着スリットは、各々がフィルムの幅方向に対して角度をなしつつ整列している請求項4に記載の金属化フィルム。
  8. 前記分割電極は、対角線上に位置するとともに前記ヒューズ部と接続された一組の頂点部分と、前記対角線とは異なる対角線上に位置するとともに前記ヒューズ部に接続されずかつ角に丸みを持たせた一組の頂点部分とを有する請求項4に記載の金属化フィルム。
  9. 前記非蒸着スリットは、
    前記誘電体フィルムの長手方向と平行な複数の第3非蒸着スリットと、
    前記誘電体フィルムの幅方向の他端側から一端側に向けて設けられるとともに前記誘電体フィルムの幅方向に対して角度をなす複数の第4非蒸着スリットとを備えた請求項1に記載の金属化フィルム。
  10. 前記第3非蒸着スリットは、各々がフィルムの長手方向に対して角度をなしつつ整列している請求項9に記載の金属化フィルム。
  11. 前記蒸着金属部は、
    前記誘電体フィルムの前記一端側に配置された前記複数の分割電極からなる分割電極部と、
    前記誘電体フィルムの他端側に配置された前記分割電極よりも面積の大きい1つあるいは複数の大電極からなる大電極部とを備え
    前記第4非蒸着スリットは、前記大電極部から前記絶縁マージンにかけて設けられるとともに、前記絶縁マージン側の端部よりも前記大電極部側の端部が搬送方向において先行する請求項9に記載の金属化フィルム。
  12. 前記分割電極は、略平行四辺形状をなすとともに、鋭角部の頂点部分は隣接する他の前記分割電極前記ヒューズ部と接続され、鈍角部の頂点部分は隣接する他の前記分割電極前記ヒューズ部に接続されず円弧状をなす請求項9に記載の金属化フィルム。
  13. 前記分割電極同士は、前記頂点部分以外でも接続されている箇所を有する請求項8又は請求項12に記載の金属化フィルム。
  14. 請求項1に記載の金属化フィルムを、一対の前記蒸着金属部が前記誘電体フィルムを介して対向するように積層または巻回してコンデンサ素子を形成し、前記コンデンサ素子の両端面に電極引出部を設けた金属化フィルムコンデンサ。
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WO2024009844A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 株式会社指月電機製作所 金属化フィルム製造装置、金属化フィルム、およびフィルムコンデンサ

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