JP2017141894A - 一方向クラッチおよび逆入力防止クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】楔形空間にロック係合子を組み込んだ一方向クラッチにおいて、クラッチ全体を大型化させることなく、製造コストの増加を抑えながら、許容トルク容量を大きくする。
【解決手段】回転軸1の外周円筒面と外輪2内周のカム面2cの間に形成される楔形空間6に組み込まれ、板ばね5で楔形空間6の狭小部へ押し込まれるロック係合子4を、回転軸1の外周円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面4aの曲率の方が、外輪2内周のカム面2cに係合する凸円弧状の第2係合面4bの曲率よりも小さい形状のものとして、ロック係合子に円筒ころを用いた場合よりも回転軸1との間に生じる最大面圧を低減することにより、回転軸1や外輪2を大径化してクラッチ全体を大型化させることなく、また、スプラグを用いた場合のように寸法管理を厳格化することもなく、許容トルク容量の増大を図れるようにしたのである。
【選択図】図1

Description

本発明は、楔形空間にロック係合子を組み込んだ一方向クラッチと逆入力防止クラッチに関する。
一方向クラッチは、内方部材の径方向外側に外方部材を配し、内方部材の外周と外方部材の内周のうちの一方に円筒面を設け、他方に所定の一方向に傾斜するカム面を複数設けて、その円筒面と各カム面の間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、各楔形空間にロック係合子となる円筒ころを組み込んで、これらの円筒ころを弾性部材で楔形空間の狭小部へ押し込み、内方部材と外方部材のうちの一方の部材が所定方向に回転するときは、円筒ころが内方部材および外方部材と係合することにより、両部材が円筒ころを介してロックして、他方の部材に回転が伝達され、その一方の部材が逆方向に回転するときには、円筒ころが弾性部材の弾力に抗して楔形空間の広大部へ相対移動することにより、両部材のロック状態が解除されて、一方の部材のみが空転するようにしたものが多い(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記のような構成のほか、内方部材の外周面と外方部材の内周面をいずれも円筒面とし、両円筒面間に円筒ころに代わるロック係合子となるスプラグを複数組み込んで、これらのスプラグを弾性部材で所定の一方向に押圧して外方部材および内方部材と係合させ、上記と同様のクラッチ機能が得られるようにした一方向クラッチもある(例えば、特許文献2参照。)。
一方、逆入力防止クラッチは、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、その回転を出力側部材に伝達し、出力側部材に逆入力トルクが加えられたときは、入力側部材が回転しないようにする機能を有するクラッチものである。この逆入力防止クラッチには、逆入力トルクに対して出力側部材をロックさせる方式(以下、この方式を「ロック式」と称する。)のものがある(例えば、特許文献3参照。)。
上記特許文献3に記載されたロック式の逆入力防止クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力側部材と出力側部材との間に、入力側部材の回転を僅かな角度遅れをもって出力側部材に伝達するトルク伝達手段を設け、内周に円筒面を有する固定部材を出力側部材の径方向外側に配し、出力側部材の外周に複数のカム面を設けて、固定部材の内周円筒面と出力側部材の各カム面との間に周方向で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間にロック係合子となる一対の円筒ころとその円筒ころを楔形空間の狭小部へ押し込む弾性部材を組み込むとともに、各楔形空間の周方向両側(円筒ころを挟んで弾性部材と周方向で対向する位置)に入力側部材の柱部を挿入したものである。
この逆入力防止クラッチでは、各円筒ころが弾性部材の弾力で楔形空間の狭小部に押し込まれているので、出力側部材に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側の円筒ころが固定部材および出力側部材に係合することにより出力側部材がロックされ、入力側部材へ回転伝達しない。
一方、入力側部材に入力トルクが加えられたときは、入力側部材の柱部が回転方向後側の円筒ころを弾性部材の弾力に抗して楔形空間の広大部へ押し出すことにより、その円筒ころと固定部材および出力側部材との係合が解除されて、出力側部材がロック状態から解放された後、トルク伝達手段によって入力側部材から出力側部材に回転が伝達されるようになる(このとき、回転方向後側の円筒ころは楔形空間の広大部に相対移動するので、固定部材および出力側部材と係合することはない)。
また、上記と同様に入力側部材と出力側部材と固定部材を配し、入力側部材と出力側部材との間にトルク伝達手段を設けるとともに、出力側部材の外周面と固定部材の内周面をいずれも円筒面として、両円筒面間に円筒ころに代わるロック係合子となる複数のスプラグを組み込んで、入力トルクが加えられたときは、各スプラグが起立して固定部材および出力側部材と係合しない状態となり、トルク伝達手段によって入力側部材から出力側部材に回転伝達され、逆入力トルクが加えられたときは、各スプラグが傾いて固定部材および出力側部材と係合することにより出力側部材がロックされるようにした逆入力防止クラッチもある(例えば、特許文献4参照。)。
特許第3270667号公報 特開平4−11938号公報 特開2005−188558号公報 特許第3967201号公報(図16乃至図22)
ところで、ロック係合子として円筒ころを用いた一方向クラッチでは、通常、内方部材と外方部材が同じ材料で形成されるため、許容トルク容量は内方部材外周の円筒面またはカム面と円筒ころとの間の最大面圧によって決まる。したがって、許容トルク容量を大きくしようとするときは、内方部材または円筒ころを大径化することが多く、クラッチ全体のサイズが大きくなる問題があった。
また、外方部材の強度が内方部材よりも低い場合、例えば、内方部材が鋼で形成され、外方部材が焼結金属で形成されているような場合は、円筒ころと外方部材内周の円筒面またはカム面との間の最大面圧によって許容トルク容量が決まることもある。この場合も、許容トルク容量を大きくするために外方部材または円筒ころを大径化すると、クラッチ全体のサイズが大きくなることは避けられない。
これに対し、ロック係合子にスプラグを用いた一方向クラッチでは、スプラグの内方部材および外方部材との係合面を曲率の大きい凸円弧面とすることにより、クラッチ全体を大型化させることなく、許容トルク容量を大きくすることができるが、スプラグと内方部材および外方部材との係合によって内方部材と外方部材がロックする構造なので、内方部材の外周円筒面の直径と外方部材の内周円筒面の直径をいずれも厳密に寸法管理しなければ両部材のロック動作が不安定になるおそれがある。このため、内方部材や外方部材の製作時にはスプラグと係合する面を研磨加工等によって精度よく仕上げる必要があり、製造コストが高いという難点がある。
同様に、逆入力防止クラッチにおいても、特許文献3のようにロック係合子として円筒ころを用いた構成のものでは、許容トルク容量を大きくしようとすると、出力側部材、固定部材または円筒ころの大径化によってクラッチ全体のサイズが大きくなり、特許文献4のようにロック係合子としてスプラグを用いた構成のものでは、出力側部材の外周円筒面の直径寸法および固定部材の内周円筒面の直径寸法を厳しく管理する必要があり、製造コストが高くなる。
そこで、本発明は、楔形空間にロック係合子を組み込んだ一方向クラッチおよび逆入力防止クラッチにおいて、クラッチ全体を大型化させることなく、製造コストの増加を抑えながら、許容トルク容量を大きくすることを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、内方部材の径方向外側に外方部材が配され、前記内方部材の外周と外方部材の内周のうちの一方に円筒面が設けられ、他方に複数のカム面が設けられて、前記円筒面と各カム面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間が形成されており、前記各楔形空間にロック係合子が組み込まれているとともに、前記ロック係合子を楔形空間の狭小部へ押し込む弾性部材が組み込まれている一方向クラッチにおいて、前記ロック係合子は、前記円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面と前記カム面に係合する凸円弧状の第2係合面とを有し、前記第1係合面の曲率と前記第2係合面の曲率が異なっている構成を採用した。
上記の構成によれば、ロック係合子の2つの係合面のうち、許容トルク容量設定上の制約となる側の係合面の曲率を小さくして、その係合面と係合相手の部材との間に生じる最大面圧を低減することにより、許容トルク容量を大きくすることができる。しかも、許容トルク容量を大きくするのに内方部材、外方部材およびロック係合子の大径化を伴わないので、クラッチ全体のサイズは円筒ころを用いた場合と同等に維持できるし、ロック係合子は楔形空間の狭小部へ押し込まれて内方部材および外方部材と係合するので、スプラグを用いた場合に比べてロック係合子が係合する面の寸法を厳しく管理する必要がなく、製造コストを抑えることもできる。
ここで、前記ロック係合子は、前記第1係合面の中心と前記第2係合面の中心が異なっているものとすれば、互いに曲率の異なる第1係合面と第2係合面とを直接に接続したシンプルな形状として、製作しやすくすることができる。
さらに、前記ロック係合子は、前記第1係合面と前記第2係合面との間の最大距離が、第1係合面と第2係合面の曲率のうちの大きい方の曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されているものとすれば、円筒ころを用いた場合よりもクラッチ全体のサイズを小さくすることができる。
また、本発明は、同一軸心のまわりに回転する状態で配されている入力側部材および出力側部材と、前記出力側部材の径方向外側に配されている固定部材と、前記出力側部材に加えられる逆入力トルクに対して出力側部材と固定部材とをロックするロック手段と、前記入力側部材に加えられる入力トルクに対して前記ロック手段によるロック状態を解除するロック解除手段と、前記ロック手段によるロック状態が解除された状態のときに、前記入力側部材に加えられる入力トルクを前記出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備え、前記ロック手段は、前記固定部材の内周に円筒面が設けられ、前記出力側部材の外周に複数のカム面が設けられて、前記円筒面と各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間が形成されており、前記各楔形空間に一対のロック係合子とその一対のロック係合子に挟まれて各ロック係合子を楔形空間の狭小部へ押し込む弾性部材とが組み込まれているものである逆入力防止クラッチにおいて、前記ロック係合子は、前記円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面と前記カム面に係合する凸円弧状の第2係合面とを有し、前記第1係合面の曲率と前記第2係合面の曲率が異なっている構成を採用した。
上記の構成によれば、上述の一方向クラッチにおける作用と同様、ロック係合子の2つの係合面のうち、許容トルク容量設定上の制約となる側の係合面の曲率を小さくして、許容トルク容量を大きくすることができ、その際、クラッチ全体のサイズは円筒ころを用いた場合と同等に維持し、スプラグを用いた場合よりも製造コストを抑えることもできる。
そして、一方向クラッチの場合と同様に、前記ロック係合子を、前記第1係合面の中心と前記第2係合面の中心が異なっているものとすることにより、その形状をシンプルにして製作しやすくできる。また、前記ロック係合子を、前記第1係合面と前記第2係合面との間の最大距離が、第1係合面と第2係合面の曲率のうちの大きい方の曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されているものとすることにより、円筒ころを用いた場合よりもクラッチ全体のサイズを小さくすることができる。
上述したように、本発明の一方向クラッチおよび逆入力防止クラッチは、楔形空間に組み込まれるロック係合子の2つの凸円弧状の係合面の曲率を互いに異なるようにしたものであるから、その2つの係合面のうち、許容トルク容量設定上の制約となる側の係合面の曲率を小さくして、許容トルク容量を大きくすることができ、その際、クラッチ全体のサイズは円筒ころを用いた場合と同等に維持し、スプラグを用いた場合よりも製造コストを抑えることもできる。
第1実施形態の一方向クラッチの断面図 図1の要部の分解斜視図 図1に対応して一方向クラッチのクラッチ動作を説明する断面図 図1に対応してロック係合子の組込姿勢を変えた例を示す断面図 第2実施形態の逆入力防止クラッチの縦断正面図 図5のVI−VI線に沿った断面図 図5の板ばねの外観斜視図 a、bは、それぞれ図6に対応して逆入力防止クラッチのクラッチ動作を説明する断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1および図2は第1実施形態の一方向クラッチを示す。この一方向クラッチは、外周に円筒面を有する回転軸(内方部材)1と、回転軸1の径方向外側に配される外輪(外方部材)2と、外輪2の外周に装着される外装部材3と、回転軸1と外輪2との間に組み込まれる複数のロック係合子4と、各ロック係合子4をそれぞれ所定の一方向(図1における時計回りの方向)に押圧する複数の板ばね(弾性部材)5とで構成されている。その回転軸1と外輪2は、同等の強度を有する鋼で形成されている。なお、回転軸1に代えて、回転自在に支持された内輪を内方部材としたり、板ばね5に代わる弾性部材としてコイルばねを用いたりすることもできる。
前記外輪2は、その外周面に複数の軸方向溝2aが設けられ、これらの各軸方向溝2aに前記外装部材3の内周面に設けられた軸方向の突条3aが嵌まり込むことにより、外装部材3と一体に回転するようになっている。
また、この外輪2の内周には複数のポケット2bが設けられ、これらの各ポケット2bの一側に所定の一方向に傾斜するカム面2cが設けられて、回転軸1の外周円筒面と各カム面2cの間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間6が形成されている。そして、各楔形空間6に前記ロック係合子4がひとつずつ組み込まれ、外輪2の各ポケット2bの他側のスペースに組み込まれた板ばね5が、ロック係合子4を楔形空間6の狭小部へ押し込んでいる。
前記ロック係合子4は、回転軸1の外周円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面4aと、外輪2内周のカム面2cに係合する凸円弧状の第2係合面4bとを有し、その第1係合面4aと第2係合面4bは、第1係合面4aの曲率の方が第2係合面4bの曲率よりも小さく、それぞれの中心が互いに異なっている。そして、第1係合面4aと第2係合面4bとの間の最大距離(断面高さ)が、第2係合面4bの曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されている。
この一方向クラッチは、上記の構成であり、回転軸1に入力トルクが加えられる場合、図1において回転軸1が時計回りに回転すると、ロック係合子4が回転軸1および外輪2と係合することにより、ロック係合子4を介して回転軸1と外輪2とがロックして回転軸1のトルクが外輪2および外装部材3に伝達され、図3に示すように、回転軸1が反時計回りに回転するときは、ロック係合子4が板ばね5の弾力に抗して楔形空間6の広大部へ相対移動することにより、回転軸1と外輪2のロック状態が解除されて、回転軸1のみが空転する。
また、上記と逆に、外装部材3を介して外輪2に入力トルクが加えられる場合は、外輪2が反時計回りに回転すると回転軸1にトルクが伝達され、外輪2が時計回りに回転するときは、外輪2および外装部材3がロック係合子4および板ばね5とともに空転する。
ここで、この一方向クラッチの回転軸1と外輪2は同等の強度を有する材料で形成されているので、仮にロック係合子4に代えて従来の円筒ころを用いると、その円筒ころと回転軸1との間の面圧の方が円筒ころと外輪2との間の面圧よりも高くなり、円筒ころと回転軸1との間に生じる最大面圧によって許容トルク容量が決まる。これに対し、この実施形態のロック係合子4は、回転軸1に係合する第1係合面4aの曲率の方が外輪2に係合する第2係合面4bの曲率よりも小さいので、このロック係合子4を用いることにより、円筒ころを用いる場合に比べて、回転軸1との間に生じる最大面圧を低減でき、許容トルク容量を大きくすることができる。
しかも、許容トルク容量を大きくするのに回転軸1や外輪2を大径化する必要がないうえ、ロック係合子4の断面高さは第2係合面4bの曲率を有する仮想円(従来の円筒ころの断面に相当)の直径よりも小さく形成されているので、従来の円筒ころを用いた場合よりもクラッチ全体のサイズを小さくすることができる。
また、ロック係合子4は楔形空間6の狭小部へ押し込まれて回転軸1および外輪2と係合するので、スプラグを用いた場合に比べて、回転軸1の外周円筒面や外輪2内周のカム面2cの寸法を厳しく管理する必要がなく、製造コストを抑えることもできる。
さらに、ロック係合子4自体も、第1係合面4aの中心と第2係合面4bの中心が異なり、その2つの係合面4a、4bが直接に接続されたシンプルな形状となっているので、スプラグに比べて容易に製作できる。
上述した図1乃至図3の例では、回転軸1と外輪2が同等の強度を有する材料で形成されているため、ロック係合子4の第1係合面4aの曲率を第2係合面4bの曲率よりも小さくすることにより、ロック係合子4と回転軸1との間に生じる最大面圧が小さくなるようにして、許容トルク容量の増大を図った。これに対して、外輪2の強度が回転軸1よりも低い場合、例えば、回転軸1が鋼で形成され、外輪2が焼結金属で形成されている場合は、ロック係合子4と外輪2との間に生じる最大面圧によって許容トルク容量が決まるので、図4に示すようにロック係合子4をクラッチ径方向の向きが逆になるように組み込むとよい。そうすると、ロック係合子4の第2係合面4b’の曲率の方が第1係合面4a’の曲率よりも小さくなり、ロック係合子4と外輪2との間に生じる最大面圧が小さくなって、許容トルク容量の増大を図ることができる。
なお、上述した第1実施形態では、内方部材である回転軸1の外周面を円筒面とし、外方部材である外輪2の内周にカム面2cを設けたが、これと逆に内方部材の外周にカム面を設け、外方部材の内周面を円筒面とした一方向クラッチにも本発明は適用可能である。
図5および図6は第2実施形態の逆入力防止クラッチを示す。この逆入力防止クラッチは、入力軸11(入力側部材)と、出力軸12と内輪13が一体形成された出力側部材14と、内輪13の径方向外側に配される外輪15が一体形成された二段円筒状のハウジング(固定部材)16と、ハウジング16の一端に取り付けられる押え蓋17と、内輪13と外輪15との間に挿入される複数の柱部18aを有する保持器18と、内輪13と外輪15との間に組み込まれるロック係合子19および板ばね(弾性部材)20と、ハウジング16他端の小径部内周に嵌め込まれて出力軸12を回転自在に支持する軸受21とで構成されている。その出力側部材14とハウジング16は、同等の強度を有する鋼で形成されている。
前記ハウジング16は、一端のフランジの外周縁に複数の切欠き16aが形成されており、これらの切欠き16aに押え蓋17の外周縁に形成された爪17aを嵌め込んで折り曲げることにより、押え蓋17と一体化されている。そして、押え蓋17の外周から張り出す3つの舌状の張出部には取付孔17bが設けられており、これらの取付孔17bで押え蓋17とハウジング16が一体に図示省略した外部部材に固定されている。
前記入力軸11は、外周に二面幅(軸心と平行でかつ互いに平行な2つの係合面)が形成された係合部11aと、係合部11aの端面から突出する小径円筒部11bとを有し、その係合部11aの先端側部分が、前記内輪13の中央に設けられた係合穴13aに挿入され、小径円筒部11bが内輪13の係合穴13aの底から出力軸12の円形穴12aに嵌め込まれて、出力側部材14(出力軸12および内輪13)と同一軸心のまわりに回転するようになっている。ここで、内輪13の係合穴13aは、入力軸11を挿入したときに僅かな回転方向の隙間が生じるように形成され、これにより、入力軸11に加えられる入力トルクを僅かな角度遅れをもって出力側部材14に伝達するトルク伝達手段が構成されている。
また、入力軸11の係合部11aの軸方向中央側部分には、保持器18の円筒部18bが隙間なく嵌め込まれて、入力軸11と保持器18が一体回転するようになっている。そして、入力軸11はモータ等の駆動源(図示省略)から入力トルクを加えられ、出力軸12は外周に二面幅が形成された係合部12bに取り付けられる出力歯車等の回転伝達部材(図示省略)にトルクを出力するようになっている。
前記外輪15の内周は円筒面となっており、内輪13の外周にはカム面13bが周方向に複数設けられ、外輪15の内周円筒面と内輪13の各カム面13bとの間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間22が形成されている。そして、これらの各楔形空間22には前記ロック係合子19が一対ずつ組み込まれ、前記板ばね20がその一対のロック係合子19に挟まれるように組み込まれて各ロック係合子19を楔形空間22の狭小部へ押し込んでいる。これにより、出力側部材14に加えられる逆入力トルクに対して出力側部材14と固定部材の一部である外輪15とをロックするロック手段が構成されている。
また、前記各楔形空間22の周方向両側(ロック係合子19を挟んで板ばね20と周方向で対向する位置)には、前記保持器18の柱部18aが挿入されている。これにより、入力軸11に入力トルクが加えられたときに、保持器18が入力軸11と一体に回転して、保持器18の柱部18aが一対のロック係合子19のうちの回転方向後側のロック係合子19を楔形空間22の広大部へ押し出して、前記ロック手段によるロック状態を解除するようになっている。すなわち、この保持器18が入力軸11に加えられる入力トルクに対してロック状態を解除するロック解除手段となっている。
前記ロック係合子19は、前述の一方向クラッチに組み込まれているのと同じ形状のものである。すなわち、このロック係合子19は、内輪13外周のカム面13bに係合する凸円弧状の第1係合面19aと、外輪15の内周円筒面に係合する凸円弧状の第2係合面19bとを有し、その第1係合面19aと第2係合面19bは、第1係合面19aの曲率の方が第2係合面19bの曲率よりも小さく、それぞれの中心が互いに異なっている。そして、第1係合面19aと第2係合面19bとの間の最大距離(断面高さ)が、第2係合面19bの曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されている。
前記板ばね20は、図6および図7に示すように、金属片を複数回折り曲げて形成したもので、圧縮状態で前記一対のロック係合子19の間に組み込まれて両端部で各ロック係合子19を押圧している。そして、その両端部は、先端側部分が伸縮方向の外側へ折り曲げられて、ロック係合子19の第1係合面19aと係合する内側係合部20aとなっており、中央側部分が伸縮方向の外側へ張り出すように湾曲して、ロック係合子19の第2係合面19bと係合する外側係合部20bとなっている。これにより、板ばね20はクラッチ径方向の外側および内側への移動を規制されている。
この逆入力防止クラッチは、上記の構成であり、各ロック係合子19が板ばね20の弾力で楔形空間22の狭小部に押し込まれているので、出力軸12に逆入力トルクが加えられても、回転方向後側のロック係合子19が固定部材の一部である外輪15および出力側部材14の一部である内輪13に係合することにより出力側部材14がロックされ、入力軸11へ回転伝達しない。
一方、入力軸11に入力トルクが加えられたときには、まず、図8(a)に示すように、入力軸11と一体に回転する保持器18の柱部18aが、回転方向後側のロック係合子19を板ばね20の弾力に抗して楔形空間22の広大部へ押し出すことにより、そのロック係合子19と外輪15および内輪13との係合が解除されて、出力側部材14がロック状態から解放される。そして、図8(b)に示すように、入力軸11がさらに回転して、その係合部11aと内輪13の係合穴13aとが係合すると、入力軸11の回転が内輪13を介して出力軸12に伝達されるようになる(このとき、回転方向前側のロック係合子19は楔形空間22の広大部に相対移動するので、外輪15および内輪13と係合することはない)。
上記のように入力側から出力側へ回転が伝達されているときには、内輪13の回転にともなってロック係合子19や板ばね20も回転し、ロック係合子19や板ばね20に遠心力が作用するが、板ばね20はその内側係合部20aでロック係合子19と係合してクラッチ径方向の外側への移動を規制されるので、板ばね20が外輪15の内周円筒面に接触して折損等の不具合を生じることがない。また、板ばね20が外輪15に接触しないので、回転トルクの増大を防ぐこともできる。
さらに、入力軸11への入力トルクの供給が開始された直後や停止された直後には、出力側部材14が回転していない状態で板ばね20がロック状態とロック解除状態との間で伸縮するが、板ばね20は外側係合部20bでロック係合子19と係合してクラッチ径方向の内側への移動を規制されているので、内輪13に対して摺動して損傷するおそれもない。
ここで、上述した図5乃至図8の例では、板ばね20をその両端部の先端が内輪13のカム面13bに向くように組み込んでいるが、これと逆に、板ばね20をその両端部の先端が外輪15の内周円筒面に向くように組み込んでも、同様の効果を得ることができる。また、板ばね20に代わる弾性部材として、両端部を伸縮方向外側に向かって凹状に折り曲げたコイルばねを用いても、ロック係合子19のクラッチ径方向の移動を規制して、板ばね20を用いた場合と同様の効果が得られるようにすることができる。
そして、板ばね20に押されて外輪15および内輪13と係合するロック係合子19として、前述の一方向クラッチに組み込まれているのと同じ形状のものを用いたので、一方向クラッチの場合と同様、円筒ころを用いる場合に比べて、内輪13との間に生じる最大面圧を低減して、許容トルク容量を大きくすることができ、その際、クラッチ全体のサイズは円筒ころを用いた場合よりも小さくできるし、製造コストはプラグを用いた場合よりも抑えられる。また、ロック係合子19自体も、シンプルな形状でスプラグに比べて容易に製作できる。
なお、上述した図5乃至図8の例では、内輪13(出力側部材14)と外輪15(ハウジング16)が同等の強度を有する材料で形成されているが、外輪15の強度が内輪13よりも低い場合は、一方向クラッチの図4の例と同様に、ロック係合子19をクラッチ径方向の向きが逆になるように組み込むことにより、許容トルク容量の増大を図ることができる。
1 回転軸(内方部材)
2 外輪(外方部材)
2b ポケット
2c カム面
4 ロック係合子
4a、4a’ 第1係合面
4b、4b’ 第2係合面
5 板ばね(弾性部材)
6 楔形空間
11 入力軸(入力側部材)
12 出力軸
13 内輪
13b カム面
14 出力側部材
15 外輪
16 ハウジング(固定部材)
18 保持器
18a 柱部
19 ロック係合子
19a 第1係合面
19b 第2係合面
20 板ばね(弾性部材)
20a 内側係合部
20b 外側係合部
22 楔形空間

Claims (6)

  1. 内方部材の径方向外側に外方部材が配され、前記内方部材の外周と外方部材の内周のうちの一方に円筒面が設けられ、他方に複数のカム面が設けられて、前記円筒面と各カム面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間が形成されており、前記各楔形空間にロック係合子が組み込まれているとともに、前記ロック係合子を楔形空間の狭小部へ押し込む弾性部材が組み込まれている一方向クラッチにおいて、
    前記ロック係合子は、前記円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面と前記カム面に係合する凸円弧状の第2係合面とを有し、前記第1係合面の曲率と前記第2係合面の曲率が異なっていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 前記ロック係合子は、前記第1係合面の中心と前記第2係合面の中心が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の一方向クラッチ。
  3. 前記ロック係合子は、前記第1係合面と前記第2係合面との間の最大距離が、第1係合面と第2係合面の曲率のうちの大きい方の曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の一方向クラッチ。
  4. 同一軸心のまわりに回転する状態で配されている入力側部材および出力側部材と、前記出力側部材の径方向外側に配されている固定部材と、前記出力側部材に加えられる逆入力トルクに対して出力側部材と固定部材とをロックするロック手段と、前記入力側部材に加えられる入力トルクに対して前記ロック手段によるロック状態を解除するロック解除手段と、前記ロック手段によるロック状態が解除された状態のときに、前記入力側部材に加えられる入力トルクを前記出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備え、
    前記ロック手段は、前記固定部材の内周に円筒面が設けられ、前記出力側部材の外周に複数のカム面が設けられて、前記円筒面と各カム面との間に周方向両側で次第に狭小となる楔形空間が形成されており、前記各楔形空間に一対のロック係合子とその一対のロック係合子に挟まれて各ロック係合子を楔形空間の狭小部へ押し込む弾性部材とが組み込まれているものである逆入力防止クラッチにおいて、
    前記ロック係合子は、前記円筒面に係合する凸円弧状の第1係合面と前記カム面に係合する凸円弧状の第2係合面とを有し、前記第1係合面の曲率と前記第2係合面の曲率が異なっていることを特徴とする逆入力防止クラッチ。
  5. 前記ロック係合子は、前記第1係合面の中心と前記第2係合面の中心が異なっていることを特徴とする請求項4に記載の逆入力防止クラッチ。
  6. 前記ロック係合子は、前記第1係合面と前記第2係合面との間の最大距離が、第1係合面と第2係合面の曲率のうちの大きい方の曲率を有する仮想円の直径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項5に記載の逆入力防止クラッチ。
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