JP2017140076A - 流水検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流水検知装置において、特殊な又は大掛かりな器具等を備えずとも、流水検知装置の二次側室内の圧力上昇に伴う不具合を防止し、かつ、不具合の防止にかかる費用等を減らす。【解決手段】二次側室22の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室21に向けて弁が開通する安全弁111を逆止弁11の弁体に設けたことを特徴とする流水検知装置1Aである。【選択図】図1
Description
本発明は、消火設備等に設置される流水検知装置に関する。
消火設備(スプリンクラー設備、泡消火設備等)に設置される流水検知装置は、一定の方向にしか流体を流さない逆止弁を内部に備えた構造となっている。流水検知装置の種類としては、装置内部の弁体が開き、所定の流量(以下、作動流量とする。)以上の流体が装置内を流れた際に、弁体の動きそのものを機械的に検出する作動弁型の流水検知装置がある。また、弁体が開いた際にのみ通水を許す警報用の配管経路を設け、この警報用の配管経路内に一定の圧力の流体が流れ込んだことを圧力スイッチなどで検知する自動警報弁型の流水検知装置もある。流水検知装置は、これらの仕組みにより流水現象を検知し、この情報を装置の外部に電気信号により発信する。
流水検知装置の消火設備における役割については、主に以下の2つが挙げられる。1つは、火災感知部を有する消火ヘッドを用いる閉鎖型の消火設備(例えば、天井に配設され水の放出口が常に閉じられているスプリンクラー)において、火災感知部が火災により破壊されたり溶融したりすることで、消火ヘッドの放出口が開放されて、放出口に連通する配管内の消火用水、または消火薬剤の水溶液等(以下、消火液とする。)が放射された場合に、流水検知装置のシステム内に流水が発生したことを外部信号として出力(発報)する、すなわち、火災警報や消火ポンプ等を起動するための入力信号を発信する役割である。
流水検知装置の消火設備におけるもう1つの役割は、開放型の消火設備(例えば、天井に配設され水の放出口が常に開かれているスプリンクラー)において、消火設備の開放弁が火災の自動検知又は手動起動により一斉に開放され、流水検知装置のシステム内に流水が発生したことを外部信号として出力(発報)する、すなわち、火災警報や消火ポンプ等の起動するための入力信号を発信する役割である。
そして、火災検知に伴う正常な流水現象のみを正しく検出して発報を行うために、流水検知装置は、所定の流量以下の流水量(以下、不作動流量とする)では警報信号を出さないように設計されている。すなわち、例えば、作動弁型の流水検知装置においては、警報装置内にダンパー等を備えることで、また、自動警報型の流水検知装置においては、遅延装置や遅延タイマー等を備えることで、火災検知に伴う正常な流水現象のみを正しく検出して発報できるようになっている。
上記のような流水検知装置においては、例えば、流水検知装置の二次側室(本体における液体の流出側で弁体から先の部分)内の消火液の圧力が、外気温の低下等の原因により低下し、一次側室(本体における液体の流入側で弁体までの部分)内の消火液の圧力が二次側室内の圧力を相対的に上回ると、流水検知装置内の弁体が自発的に開き、または、補助逆止弁が開き、一次側室から二次側室へと向かう不作動流量以下の僅かな流水が発生する。これにより、流水検知装置が発報することなく二次側室は再び一次側室と同じ圧力まで充填され、弁体が再び自発的に閉じられる。
待機時における流水検知装置の二次側室内には、消火液が所定の圧力で充填されているため、もしも二次側室に圧力の逃げ場が配設されていない場合には、気温の上昇等に伴って二次側室内の消火液の圧力が異常に上昇することで、消火液の漏れや消火設備の損傷等の不具合を招く場合がある。
このような不具合が発生するのを回避するための措置として、例えば、手動で若しくは配管経路上に設けた安全弁により自動で圧抜きを行う、アキュムレーターや圧力空気槽を消火設備に備える(例えば、特許文献1に記載の消火設備を参照)、又は圧力変動抑制配管等の器具を消火設備に備える等があり、これらいずれかの措置をとることで、二次側室内及び二次側配管内の圧力の急激な変動を緩和している。
気温の上昇に伴って行う配管の圧抜きに関しては、上記のような手動による作業では、作業時間と人件費とが増大するという問題がある。そのため、代わりに配管経路上に安全弁を設置することが多い。この場合には、気温の上昇により二次側室内が所定の圧力(例えば、法定されている流水検知装置の使用上限圧力である1.4MPa)を超えた場合に安全弁が自動で開き、所定の圧力を下回るまで二次側室内の消火液を消火設備の外部に排出することになる。しかし、その後再び気温が下がった際には、二次側室内の圧力が異常低下するため、流水検知装置内の逆止弁が自ら開き一次側室から二次側室に自動的に給水される、あるいはジョッキーポンプにより流水検知装置が作動しない流量で二次側室に給水を行うことで、再度二次側室内が充圧されることになる。例えば、流水検知装置が、一日の気温差の大きな場所に設置されている場合には、消火液の排出と再充填とが短期間の間に何度も繰り返されることになる。特に、流水検知装置が備えられる消火設備が泡消火設備の場合においては、排出した分の泡消火薬剤の補充にかかる費用及び補充にかかる作業時間、並びに、外部に排出された泡消火薬剤を含む水溶液の産業廃棄物としての処理費用等が大きな問題となる。
また、気温の上昇に伴って行う二次側室の圧力上昇抑制措置として、アキュムレーターや圧力空気槽などの特殊な器具を用いる場合には、利便性や施工性が低く、コストが高まるという問題がある。さらに、比較的簡易な手段である圧力変動抑制配管を設置する場合には、その設置スペースを広くとられるという問題がある。
したがって、水又は泡系の消火設備に配設する流水検知装置においては、特殊な又は大掛かりな器具等を備えずとも、流水検知装置の二次側室内の圧力上昇に伴う不具合を防止し、かつ、不具合を防止するために掛ける費用等を減らすという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を逆止弁の弁体に設けたことを特徴とする流水検知装置である。
また、上記課題を解決するための本発明は、二次側検圧口から、二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を介して一次側検圧口にいたるバイパス管を有することを特徴とする流水検知装置である。
本発明に係る流水検知装置は、二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を逆止弁の弁体に設けたことにより、流水検知装置の二次側室内の圧力上昇を安全弁を開通させることで解消し、消火液の漏れや消火設備の損傷等の不具合が発生することを防止できる。また、流水検知装置内の逆止弁の構成を変更するだけであるため、特殊な又は大掛かりな器具等を備える必要がなく、費用の増大を抑制することができる。
一般的に、流水検知装置には、内部の逆止弁を挟んで形成される一次側室と二次側室の両方に、それぞれ圧力計を設置するための一次側検圧口及び二次側検圧口が設けられている。本発明に係る流水検知装置は、二次側検圧口から、二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を介して一次側検圧口にいたるバイパス管を有することで、流水検知装置の二次側室内の圧力上昇に伴う不具合の発生を防止できる。また、流水検知装置にバイパス管を取り付けるだけであるため、特殊な又は大掛かりな器具等を備える必要がなく、費用の増大を抑制することができる。
すなわち、本発明に係る流水検知装置においては、二次側室内の圧力が上昇して安全弁の作動圧力を超えた場合に、安全弁が開き逆止弁の弁体に設けた通路又はバイパス管を通じて、二次側室内から一次側室内に向かって消火水や泡消火薬剤等の水溶液を少量流入させて圧力を逃すことができる。さらに、従来は、二次側室内の圧力調整のために消火設備の外部に排出していた消火液を、一次側室内に還流することができ、特に泡消火設備等において顕著である泡薬剤の廃棄及び補充における処理費用等の問題を解決することができる。
(実施形態1)
図1に示す流水検知装置1Aは、本発明に係る流水検知装置の一実施形態であり、消火設備に配設され、配管内の水の流れを検知して警報信号を発する装置である。流水検知装置1Aは、法定の使用圧力範囲内(最低使用圧力0.15MPa〜最高使用圧力1.4MPa)で用いられる。
図1に示す流水検知装置1Aは、本発明に係る流水検知装置の一実施形態であり、消火設備に配設され、配管内の水の流れを検知して警報信号を発する装置である。流水検知装置1Aは、法定の使用圧力範囲内(最低使用圧力0.15MPa〜最高使用圧力1.4MPa)で用いられる。
図1に示す流水検知装置1Aの略短筒形状に形成された本体部10は、内部が空洞となっており、その上端及び下端に、本体部10の径方向外向きに延出するフランジ部100、フランジ部101がそれぞれ形成されている。フランジ部100の上面(フランジ部101の下面)には、ネジ孔が形成されており、複数のボルト及びナットを用いて、フランジ部100とスプリンクラー9に連通する二次側配管90とを接続することができ、また、複数のボルト及びナットを用いて、フランジ部101とポンプ等からなる水源8に連通する一次側配管80とを接続することができる。なお、図1において、スプリンクラー9及び二次側配管90、並びに水源8及び一次側配管80は模式的に示している。
本体部10の空洞内は、逆止弁11により、Z軸方向において一次側室21と二次側室22とに分けられている。一次側室21は、一次側配管80により水源8に連通しており、二次側室22は、二次側配管90によりスプリンクラー9に連通している。
円盤状に形成された逆止弁11の上面の外周領域には、二次側室22の内壁に一端が固定されたアーム12のもう一端が接続されている。アーム12は軸通孔を有しており、この軸通孔に回転軸120(図示の例においては、軸方向がX軸方向に対し水平方向に直交するY軸方向である回転軸120)を嵌挿するとともに抜止ピン等を打ち込むことで、回転軸120が逆止弁11と一体的に結合される。逆止弁11は、アーム12を介し回転軸120を軸として、本体部10の内部を二次側室22方向に向かって回動自在な構成となっており、回転軸120が回転すると、逆止弁11の下方に設置されたシートリング13の弁座面130から逆止弁11が離れて、一次側室21の流体が二次側室22に通過可能となる。
二次側室22の内壁には、ストッパー104が形成され、逆止弁11の全開時には、このストッパー104が逆止弁11の上面に当接することで、一次側室21からの流水量が多い場合でも逆止弁11がぐらつくこと無く全開状態が保持される。
逆止弁11の略中央部には、図1,2に示す補助逆止弁110が設けられている。補助逆止弁110は、弁体内部をZ軸方向へ貫通形成され一次側室21と二次側室22とを連通する貫通孔110aと、貫通孔110aを開閉する球体状のボール弁体110bとを備えている。貫通孔110aの内部には、一次側室21方向へ向かうにつれ内径がボール弁体110bの直径以下に縮径しボール弁体110bが閉弁時に着座する逆錐状の着座面110cと、貫通孔110aの二次側室22側の端(図示の例においては上端)において径方向へ架け渡され、ボール弁体110bが開弁時に貫通孔110a外へ離脱するのを規制する棒状の規制部材110dとが設けられている。気温変化等により一次側室21内の圧力の上昇や二次側室22内の圧力の低下が起こると、逆止弁11自体を開くことなく、補助逆止弁110のボール弁体110bが開弁し(貫通孔内110a内に浮遊し)、小流水が一次側室21内から二次側室22内へ流通するため、流水検知装置1Aが誤報を発することはない。
逆止弁11には、補助逆止弁110に並んで、二次側室22の圧力が所定の圧力(1.5MPa)以上となった場合に一次側室21に向けて弁が開通する安全弁111が設けられている。図2に示すように、安全弁111は、逆止弁11の厚み方向(図示の例においては、Z軸方向)に貫通形成された嵌合孔112に嵌合する弁ハウジング111aを備えている。弁ハウジング111aの上部内壁には、筒の内側方向に延出する環状の上面部111bが形成されている。また、弁ハウジング111aの下部内壁には、筒の内側方向に延出する環状の下面部111cが形成されている。弁ハウジング111a内において、下面部111cの上面上には、付勢手段であるスプリング111dが配設されており、スプリング111d上には、縦断面が略T字状の可動弁体111eが配設されている。スプリング111dは、可動弁体111eを図示の例においては+Z方向に付勢する。可動弁体111eは、ヘッド部111hと、ヘッド部111hの下面から−Z方向に向かって突設されヘッド部111hよりも小径の下端部111iを備えている。ヘッド部111hの直径は、弁ハウジング111aの側壁との間に隙間Sが形成される程度の大きさとなっており、下端部111iがスプリング111dの中央の開口部分にはめ込まれることで、スプリング111dの上端がヘッド部111hの下面に当接した状態となっている。
一次側室21内と二次側室22内の圧力がほぼ同圧である場合においては、図1、2に示すように、スプリング111dの反発力によって、ヘッド部111hの上面の外周領域は、環状の上面部111bの下面に当接した状態、すなわち安全弁111は閉じた状態となっている。例えば、可動弁体111eの上面には、ゴム等からなるパッキン111gが嵌めこまれており、パッキン111gはボルト部材111fにより固定されている。なお、スプリング111dの代わりにゴム柱等を用いて、ゴム柱の上面に可動弁体111eを配設するものとしてもよい。また、安全弁111は、図示の例には限定されず、二次側室22側から一次側室21に向かってのみ開口していく逆止弁としての構造を備えていればよい。
図1に示すように、本体部10の内の逆止弁11の下方には、円筒形状のシートリング13が設置されており、シートリング13の上端面130、すなわち、逆止弁11が着座する弁座面130に、逆止弁11が載置される。常時においては、流水検知装置1Aが配設される消火設備の配管内は充水された状態にあり、一次側室21の内部及び二次側室22の内部も充水状態にあり、一次側室21内と二次側室22内の圧力はほぼ同圧であることから、逆止弁11は、自重により弁座面130に着座して閉鎖した状態となっている。
シートリング13には、警報流路131が穿設されている。例えば、スプリンクラー9の放水により二次側室22内の圧力が降下し逆止弁11が開き、一次側室21から二次側室22への流水が発生した場合に、この流水の一部は信号水として警報流路131へと流れ込む。警報流路131は本体部10に設けられた中間路109に連通しており、中間路109は、常時においては開状態となっている信号停止弁14に連通している。そして、信号停止弁14は、信号水配管140介して、三方管15の内部に連通している。
信号停止弁14は、例えば、手動開閉式であり、使用者が把持して上下動させる操作レバー141を備えている。操作レバー141が、例えば、引き上げられた状態(引き手が鉛直方向を向いた状態)においては、信号停止弁14は開状態となり、引き下げられた状態(引き手が水平方向を向いた状態)においては、信号停止弁14は閉状態となる。信号停止弁14を閉止すると、流水検知装置1Aの逆止弁11が開いた際に警報流路131に流入し中間路109まで至った信号水を、信号停止弁14で遮断することができるため、図1に示す圧力スイッチ19まで信号水が到達しないので、圧力スイッチ19が作動することを防止できる。または、圧力スイッチ19まで信号水が到達している場合であっても、信号停止弁14を閉止すると、信号水を遮断し作動している圧力スイッチ19を停止する事ができる。
図示の例においては、三方管15は、−Z方向、+Z方向及び+X方向に分岐しており、+X方向側の管端には信号水配管140が接続されており、−Z方向側の管端にはオートドリップ16を介して排水部17が接続されており、+Z方向側の管端には、警報を発報する圧力スイッチ19が取り付けられた圧力スイッチ取り付け管18の下端が連結されている。
オートドリップ16は、その管内部が縮径され形成された図示しないオートドリップ孔を備えている。逆止弁11が開くことにより警報流路131に流入し三方管15にまで到達した信号水は、流水制限通路として働くオートドリップ孔により、排水量が制限されつつ排水部17に向かって連続的に排出される。
オートドリップ孔により、排水部17に対する信号水の排水量が制限されることで、三方管15に対する信号水の流入量がオートドリップ16の排水部17への排出量を超えると、三方管15内に信号水が充水されていく。三方管15内に溜まっていく信号水が、圧力スイッチ取り付け管18内を上昇していき、圧力スイッチ19に到達することにより、圧力スイッチ19が信号水により加圧作動する。例えば、圧力スイッチ19は、図示しないタイマを備えており、このタイマにより、非火災時に水源8の誤作動等があり、、1次側配管内の圧力上昇による逆止弁11の瞬間的な弁開が起こったとしても誤報の発生を防ぐことができる。圧力スイッチ19に信号水による圧力が加わって作動することにより、タイマが起動し、所定時間後に流水検知信号(電気信号及び警報等)を外部に出力する。逆止弁11が閉じ、信号水の三方管15への流入が絶たれると、三方管15内の信号水は排水部17から外部に排出されていき、圧力スイッチ19に対する加圧がなくなるため、圧力スイッチ19は流水検知信号の発信を止め、流水検知装置1Aは通常の状態に復帰する。
以下に、図1,2を用いて、安全弁111により二次側室22内の圧力上昇に伴う不具合を防止する場合における、流水検知装置1Aの動作について説明する。
流水検知装置1Aは、消火設備内に配設されており、例えば、一次側室21に連通する一次側配管80側は、外気温の影響を受けにくい建物深部に位置するように配設されており、二次側室22に連通する二次側配管90側は、その周囲の気温の変動が大きい場所に配設されているとする。また、水源8からスプリンクラー9までの配管内及び流水検知装置1A内には消火水が充満しており、いつでも消火設備が作動し消火できる状態になっている。
二次側配管90側の気温が上昇し、例えば、二次側室22の内部の圧力が1.5MPa以上になると、安全弁111が開弁する。すなわち、二次側室22の内部の圧力が1.5MPa以上になると、二次側室22内からの水圧により、図1に示す可動弁体111eが−Z方向に押圧され、可動弁体111eは、スプリング111dの付勢力に抗して弁ハウジング111a内を−Z方向に向かって移動する。
可動弁体111eが下降することで、図2に示すヘッド部111hが弁ハウジング111aの上面部111bから離間し、消火水が二次側室22内から隙間Sに対して流れ込み、弁ハウジング111a内を通り一次側室21内へと流入する。
一定量の消火水が、二次側室22から一次側室21内へと流入し、両室の内圧がほとんど等しくなると、可動弁体111eがスプリング111dの付勢力により+Z方向に押し戻される。そして、可動弁体111eの上面の外周領域が、環状の上面部111bの下面に当接した状態、すなわち安全弁111が閉じた状態に復帰する。
流水検知装置1Aは、二次側室22の圧力が所定の圧力(1.5MPa)以上となった場合に一次側室21に向けて弁が開通する安全弁111を逆止弁11の弁体に設けたことにより、流水検知装置1Aの二次側室22内の圧力上昇により安全弁111を開通させ、二次側室22内の圧力の異常上昇分の少量の消火水を一次側室21内に還流し、一次側室21内の圧力と二次側室22内の圧力とを均一化させることで、不具合が発生することを防止できる。また、流水検知装置1Aにおける逆止弁11は、従来の逆止弁の弁体部分のみを新たな構成に変更したものであるため、特殊な又は大掛かりな器具等を備える必要がなく、費用の増大を抑制することができる。また、流水検知装置1Aが、泡消火設備等に配設されている場合においては、従来は、二次側室22内の圧力調整のために消火設備の外部に排出していた消火水を、一次側室21内に還流することによって、泡薬剤の廃棄及び補充における処理費用等が発生するという問題が発生しない。
また、水や泡消火薬剤等の消火液は、非圧縮性流体であるため、圧力が上昇した二次側室22内から一次側室21内に、少量の消火液を流入させるだけで、効果的に二次側室22内を減圧することができる。一般的に、一次側室21に連通する一次側配管80側は、気温の影響を受けにくい建物深部に位置するように配設されていることがほとんどであるため、圧力の異常変動がもともと発生しにくい。また、仮に一次側室21内の圧力が上昇したとしても、流水検知装置1A内の補助逆止弁110が開き、二次側室22内への流水が起こり、再び一次側室21内の圧力が下がるため、一次側室21内の圧力の異常上昇はほとんどほとんど起こらない。したがって、二次側室22内の圧力の異常上昇分の少量の消火液を一次側室21内に還流することで、一次側室21内の圧力と二次側室22内の圧力とを均一化させることができ、これによって二次側室22、二次側室22内に連通する二次側室配管90、及び二次側室22に接続されるスプリンクラー9等の消火設備が受ける不具合の発生を防止することが可能となる。
また、水や泡消火薬剤等の消火液は、非圧縮性流体であるため、圧力が上昇した二次側室22内から一次側室21内に、少量の消火液を流入させるだけで、効果的に二次側室22内を減圧することができる。一般的に、一次側室21に連通する一次側配管80側は、気温の影響を受けにくい建物深部に位置するように配設されていることがほとんどであるため、圧力の異常変動がもともと発生しにくい。また、仮に一次側室21内の圧力が上昇したとしても、流水検知装置1A内の補助逆止弁110が開き、二次側室22内への流水が起こり、再び一次側室21内の圧力が下がるため、一次側室21内の圧力の異常上昇はほとんどほとんど起こらない。したがって、二次側室22内の圧力の異常上昇分の少量の消火液を一次側室21内に還流することで、一次側室21内の圧力と二次側室22内の圧力とを均一化させることができ、これによって二次側室22、二次側室22内に連通する二次側室配管90、及び二次側室22に接続されるスプリンクラー9等の消火設備が受ける不具合の発生を防止することが可能となる。
(実施形態2)
図3(A)、(B)に示す流水検知装置1Bは、本発明に係る流水検知装置の一実施形態であり、消火設備に備えられ、配管内の水の流れを検知して警報信号を発する装置である。流水検知装置1Bは、流水検知装置1Aの構造の一部を変更したものである。流水検知装置1Bは、法定の使用圧力範囲内(最低使用圧力0.15MPa〜最高使用圧力1.4MPa)で用いられる。
図3(A)、(B)に示す流水検知装置1Bは、本発明に係る流水検知装置の一実施形態であり、消火設備に備えられ、配管内の水の流れを検知して警報信号を発する装置である。流水検知装置1Bは、流水検知装置1Aの構造の一部を変更したものである。流水検知装置1Bは、法定の使用圧力範囲内(最低使用圧力0.15MPa〜最高使用圧力1.4MPa)で用いられる。
図3(A)、(B)に示す流水検知装置1Aの略短筒形状に形成された本体部10は、内部が空洞となっており、その上端及び下端に、実施形態1において示した流水検知装置1Aと同様に、フランジ部100、フランジ部101がそれぞれ形成されている。
図3(B)に示すように、本体部10の空洞内は、逆止弁11により、Z軸方向において一次側室31と二次側室32とに分けられている。一次側室31は、一次側配管80により水源8に連通しており、二次側室32は、二次側配管90によりスプリンクラー9に連通している。なお、本実施形態における逆止弁11の構造は、図1に示す安全弁111を備えていないこと以外は、図1に示す逆止弁11の構造と同一である。また、図1に示す流水検知装置1Aと同様に、流水検知装置1Bにおいても、逆止弁11はアーム12により回転可能に支持されており、また、常時においては、自重によりシートリング13の弁座面130に着座して閉鎖した状態となっている。
流水検知装置1Bにおいて、中間路109から+X方向側の各部材の構成は、図1に示す流水検知装置1Aと同様の構成となっている。
流水検知装置1Bは、図3(B)に示す二次側検圧口106から、二次側室32の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室31に向けて弁が開通する安全弁111を介して一次側検圧口105にいたるバイパス管70を有している。バイパス管70は、直管700、直管701及び直管702、並びに、三方管703及び三方管704から構成されている。なお、図3(A)、(B)においては、安全弁111及びバイパス管70等の構成を模式的に示している。
例えば、本体部10の一次側室31内の側壁には、一次側検圧口105が貫通形成されており、一次側検圧口105には、直管700の一端が接続されており、直管700のもう一端には三方管703が接続されている。三方管703には、圧力コック706a(図3(B)においては不図示)により開閉可能な一次側圧力計706が接続されており、一次側圧力計706は、逆止弁11及び安全弁111が閉じられた状態における一次側室31内部の圧力を計測して表示する。
本体部10の二次側室32内の側壁には、二次側検圧口106が貫通形成されており、二次側検圧口106には、直管701の一端が接続されており、直管701のもう一端には三方管704が接続されている。三方管704には、圧力コック707a(図3(B)においては不図示)により開閉可能な二次側圧力計707が接続されており、二次側圧力計707は、逆止弁11及び安全弁111が閉じられた状態における二次側室32内部の圧力を計測して表示する。
三方管703と三方管704とは、直管702により連通しており、直管702には安全弁111が配設されている。安全弁111は、例えば、実施形態1の流水検知装置1Aに備えられる図1、2に示す安全弁111と同様のものであり、直管702の管内に図2に示す弁ハウジング111aが嵌合した状態で配設されている。
以下に、図3(A)、(B)を用いて、安全弁111及びバイパス管70により二次側室32内の圧力上昇に伴う不具合を防止する場合における、流水検知装置1Bの動作について説明する。
流水検知装置1Bは、消火設備内に配設されており、例えば、一次側室31に連通する一次側配管80側は、外気温の影響を受けにくい建物深部に位置するように配設されており、二次側室32に連通する二次側配管90側は、その周囲の気温の変動が大きい場所に配設されているとする。また、水源8からスプリンクラー9までの配管内、流水検知装置1B内及びバイパス管70内には消火水が充満しており、いつでも消火設備が作動し消火できる態勢となっている。
二次側配管90側の気温が上昇し、例えば、二次側室32の内部の圧力が1.5MPa以上になると、二次側室32内からの水圧が、バイパス管70に配設された安全弁111を押圧し、安全弁111が開弁する。一定量の消火水が、二次側室32の二次側検圧口106からバイパス70を介して、一次側検圧口105を通り一次側室31内へと流入し、両室の内圧がほとんど等しくなると、安全弁111は閉じた状態に復帰する。
流水検知装置1Bは、二次側室32の圧力が所定の圧力(1.5MPa)以上となった場合に一次側室31に向けて弁が開通する安全弁111を介して二次側検圧口106から一次側検圧口105にいたるバイパス管70を有していることにより、流水検知装置1Bの二次側室32内の圧力上昇によって安全弁111を開通させ、二次側室32内の圧力の異常上昇分の少量の消火水を、バイパス管70を介して一次側室31内に還流し、一次側室31内の圧力と二次側室32内の圧力とを均一化させることで、不具合が発生することを防止できる。また、一般的な流水検知装置であれば元から備えられている一次側圧力計706、二次側圧力計707を設置するための、一次側検圧口105及び二次側検圧口106を利用し、これらにバイパス管70を取り付けるだけであるため、特殊な又は大掛かりな器具等を備える必要がなく、費用の増大を抑制することができる。また、流水検知装置1Bが、泡消火設備等に配設されている場合においては、従来は、二次側室32内の圧力調整のために消火設備の外部に排出していた消火水を、一次側室31内に還流することによって、泡薬剤の廃棄及び補充における処理費用等が発生するという問題が発生しない。
なお、本発明に係る流水検知装置は上記実施形態1及び2に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている各構成の大きさや形状等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
1A:流水検知装置
10:本体部 100、101:フランジ部 109:中間路
21:一次側室 22:二次側室
11:逆止弁
110:補助逆止弁 110a:貫通孔 110b:ボール弁体 110c:着座面
110d:規制部材
111:安全弁 111a:弁ハウジング 111b:環状の上面部
111c:環状の下面部 111d:スプリング 111e:可動弁体
111f:ボルト部材 111g:パッキン
12:アーム 120:回転軸
13:シートリング 130:弁座面 131:警報流路
14:信号停止弁 140:信号水配管 141:操作レバー
15:三方管 16:オートドリップ 17:排水部 18:圧力スイッチ取り付け管 19:圧力スイッチ
8:水源 80:一次側配管
9:スプリンクラー 90:二次側配管
1B:流水検知装置
31:一次側室 32:二次側室
70:バイパス管
105:一次側検圧口 106:二次側検圧口 706:一次側圧力計
707:二次側圧力計
10:本体部 100、101:フランジ部 109:中間路
21:一次側室 22:二次側室
11:逆止弁
110:補助逆止弁 110a:貫通孔 110b:ボール弁体 110c:着座面
110d:規制部材
111:安全弁 111a:弁ハウジング 111b:環状の上面部
111c:環状の下面部 111d:スプリング 111e:可動弁体
111f:ボルト部材 111g:パッキン
12:アーム 120:回転軸
13:シートリング 130:弁座面 131:警報流路
14:信号停止弁 140:信号水配管 141:操作レバー
15:三方管 16:オートドリップ 17:排水部 18:圧力スイッチ取り付け管 19:圧力スイッチ
8:水源 80:一次側配管
9:スプリンクラー 90:二次側配管
1B:流水検知装置
31:一次側室 32:二次側室
70:バイパス管
105:一次側検圧口 106:二次側検圧口 706:一次側圧力計
707:二次側圧力計
Claims (2)
- 二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を逆止弁の弁体に設けたことを特徴とする流水検知装置。
- 二次側検圧口から、二次側室の圧力が所定の圧力以上となった場合に一次側室に向けて弁が開通する安全弁を介して一次側検圧口にいたるバイパス管を有することを特徴とする流水検知装置。
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