JP2017139987A - 対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法 - Google Patents

対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】養殖篭から貝類を効率的に取出すことができ、作業迅速化、作業者の労力を軽減できる、対象物取出し装置を提供すること。
【解決手段】対象物取出し装置100は対象物Sが通る開口部を備えた網製篭Nから対象物Sを取出すための装置であり、篭Nを連続的に搬送する搬送ユニット20と、搬送ユニット20により搬送される篭Nを下方から支持するとともに揺動する揺動ユニット30とを備え、搬送ユニット20は無端軌道21と、これを駆動する搬送駆動手段22Mと、無端軌道21上に設けられた篭係止手段23とを備え、揺動ユニット30は篭係止手段23に係止されて垂下した状態で搬送される篭Nを下方から支持し得るよう形成された支持手段34と、これを揺動する揺動駆動手段35とを備え、支持手段34は揺動により開口部から排出される対象物Sが落下し得るよう形成されている構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法に係り、特に、貝類養殖等に用いられる網製篭の中から取出し対象物を効率よく取出すことのできる、対象物取出し装置等に関するものである。
ホタテ貝養殖においては従来、作業省力化の要望が高い。たとえば養殖用篭(以下、「養殖篭」)を海中から船上に引上げる作業には引上げ機を用いることが多いが、養殖篭はとても重くなっており、引上げ作業は相当な重労働である。これに対し、船上にクレーンを設置してこれにより引上げる場合は、作業はより軽減される、しかし、船上にクレーン設置スペースや作業スペースの確保が必要となる上、設置費用も高額であり、容易に導入できるものではない。
引上げ機を用いた養殖篭引上げ作業について、さらに詳しく説明する。養殖篭は、後出図4に示すような略四角錐状の篭(パールネット)がロープにより複数直列した形態、または円筒状の丸篭等が同じく複数直列した形態(図示せず)である。養殖期間中に生育の進んだ貝が収容されているだけでなく、種々の海洋性付着物も付着した状態となっている養殖篭は、それ自体相当の重量であるが、これを引上げる作業ではさらに、引上げ時の水の抵抗も加わる。
したがって、幹綱より取り外した養殖篭の二段目が引上げ機の頂上に達するまでは、引上げ機の回転部分にロープを抑えつつ強い力で引っ張るようにしないと、養殖篭を船上に引上げることは困難である。そこで作業者は、引上げロープを人差し指に数回巻きつけて引上げ機の上部まで人力で無理やり引っ張り上げ、引上げ機の回転力を借りて引上げる、ということを行う。そのため、長年この作業に従事している作業者には、人差し指の湾曲が多く認められる現状である。
船上に引上げられた養殖篭は、次に、篭からの貝の取出し作業へと進む。取出し作業は、直列状態となっている養殖篭を一枚ずつ順次手に持ち、腕を上下に振って、篭に設けられている開口部から内部の貝を振るい落としていくというものである。しかしこの作業は、効率が悪い上に重労働でもある。取出された貝はサイズによる選別作業に供され、その後、洗浄作業を経て出荷作業、あるいは耳吊り作業や篭養殖作業等といった次の養殖過程へと進んでいく。このような一連の作業の中で、少しでも労力軽減可能な技術や機械化が求められている。
さて、ホタテ貝等貝類養殖作業については従来、技術的な提案もなされている。そのうち後掲特許文献1には、養殖篭から貝類を取出す作業を自動化し、作業者を過酷な労働から解放するとともに作業を迅速化することを目的として、引上げ機により船上に連続的に引上げた養殖篭を、開口部側が下向きとなるように自動的に反転させ、その状態で車輪形状の回転体(回転揺動体)の外周面に載せ、回転揺動体の回転により行われる養殖篭の搬送中に、回転揺動体を揺動させて篭内の貝類を開口部から落下させる、という構成の貝類取出し装置が開示されている。
特開2014−121335号公報「貝類取り出し方法と貝類取り出し装置」(特許第5715720号)
上述のとおり、貝養殖においては作業省力化が課題であるところ、特許出願等による技術的提案は極めて少ない状況である。上記文献開示技術はこれに取り組んだものといえる。しかしながら、搬送装置の上部には洗浄装置、下部に選別機、あるいは回転誘導体の内部に選別機が組み込まれるという比較的複雑な総合的装置としての構成であるため相応のコストがかかると考えられ、決して導入容易とはいえない。しかも、既に洗浄機や選別機を導入済みの場合には、これら既存の装置が無駄になってしまうため、その点でも課題がある。
のみならず、当該技術によれば、揺動回転体の揺動のみでは反転させた篭内から効率的に貝を落下させることが必ずしも容易とは見受けられず、おそらくはそれ故に、液体噴射による篭内の貝の強制移動や、回転揺動体上で振動・浮動するとみられる篭を押さえつけるための抑え具を備えた構成とし、それによって取出し作用を補助する意図であると考えられる。しかし、取出しの容易化という課題を、十分な実用性をもって解決したものであるとはいえない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の状況を踏まえ、養殖篭から貝類を効率的に取出すことができ、作業を迅速化できるとともに、作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる、実用性の高い、対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法を提供することである。
また、貝類養殖分野に限定されず、同様の構造の網製篭から内部に収容された物を取出す際において、これを効率的に取出すことができ、作業を迅速化でき、作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる、実用性の高い、対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、網製篭を搬送する手段自体を揺動させるのではなく、搬送手段とは独立に篭を揺動させる手段を設け、両者の位置関係を所定の配置とすること、そして網製篭に特定の姿勢を保持せしめる方法を採ることによって課題解決できることに想到し、装置の試作を重ねつつ実証試験を繰り返し、かかる研究開発に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 対象物が通る開口部を備えた網製篭(以下、「篭」)から対象物を取出すための対象物取出し装置であって、篭を連続的に搬送する搬送ユニットと、該搬送ユニットにより搬送される篭を下方から支持するとともに揺動する揺動ユニットとを備えてなり、該搬送ユニットは、無端軌道と、該無端軌道を駆動する搬送駆動手段と、該無端軌道上に設けられた一または二以上の篭係止手段とを備え、該揺動ユニットは、該篭係止手段に係止されて垂下した状態で搬送される篭を下方から支持し得るよう形成されている支持手段と、該支持手段を揺動する揺動駆動手段とを備え、該支持手段は、揺動によって開口部から排出される対象物が落下し得るよう形成されていることを特徴とする、対象物取出し装置。
〔2〕 前記篭は、伸ばした状態において略四角錐状に形成されており、斜稜上に前記開口部が設けられている篭であることを特徴とする、〔1〕に記載の対象物取出し装置。
〔3〕 前記揺動駆動手段は前記支持手段を上下方向に揺動し、該支持手段は、少なくとも最高位置にある時に篭に接触してこれを揺動するよう配置されていることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の対象物取出し装置。
〔4〕 前記支持手段は篭の搬送方向に向かい0°以上の角度をもって設けられていることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔5〕 前記支持手段は垂下する篭の幅より狭い幅で設けられた一対のレールであることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔6〕 前記揺動駆動手段は、一端部が枢設された前記支持手段の他方端部を上下動させることを特徴とする、〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔7〕 前記篭係止手段は、篭の端部を挟持する挟持構造を備えてなり、該挟持構造に篭の端部を差込むことで篭が係止されることを特徴とする、〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔8〕 前記挟持構造は一対のローラからなり、篭を該挟持構造に案内するためのガイド構造を備えていることを特徴とする、〔7〕に記載の対象物取出し装置。
〔9〕 前記搬送ユニットは、該揺動ユニットの作用を受けた後の篭を前記篭係止手段から離脱させるための篭解放手段を備えていることを特徴とする、〔7〕または〔8〕に記載の対象物取出し装置。
〔10〕 前記篭解放手段は前記搬送ユニットの端部に設けられた篭遮断体であり、該篭遮断体は前記係止手段に係止された篭の前進を遮断することにより篭を該係止手段から離脱させることを特徴とする、〔9〕に記載の対象物取出し装置。
〔11〕 前記揺動ユニットの下方に、落下する対象物をサイズにより選別する選別ユニットが設けられており、対象物の取出しと選別を行うことを特徴とする、〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔12〕 前記選別ユニットは、対象物をサイズにより選別するための一以上の篩い構造からなる篩い部と、該篩い部を横方向に揺動する篩い部駆動手段とを備えてなることを特徴とする、〔11〕に記載の対象物取出し装置。
〔13〕 前記篩い部駆動手段は前記揺動駆動手段と動力源を共通とすることを特徴とする、〔12〕に記載の対象物取出し装置。
〔14〕 前記篩い部の前に選別準備部が備えられ、該選別準備部は、落下してくる対象物を受けてこれを搬送する対象物搬送路と、対象物を貯留するために該対象物搬送路の先に設けられた待機部とを備えてなることを特徴とする、〔12〕または〔13〕に記載の対象物取出し装置。
〔15〕 前記対象物搬送路における対象物の搬送を強制的になさしめる搬送強制手段が設けられていることを特徴とする、〔14〕に記載の対象物取出し装置。
〔16〕 前記篭は貝類養殖用の略四角錐状の篭(以下、「パールネット」)であることを特徴とする、〔1〕ないし〔15〕のいずれかに記載の対象物取出し装置。
〔17〕 前記搬送ユニットは取り外し可能であり、前記揺動ユニットへの載置によって貝類養殖用の略円筒状の篭(以下、「丸篭」)からの対象物取出しを行えることを特徴とする、〔16〕に記載の対象物取出し装置。
〔18〕 〔1〕ないし〔17〕のいずれかに記載の対象物取出し装置を用いて行う対象物取出し方法であって、前記支持手段上において篭の開口部が下方に向くよう篭を前記篭係止手段に係止し、対象物の取出し処理に供することを特徴とする、対象物取出し方法。
〔19〕 〔11〕ないし〔15〕のいずれかに記載の対象物取出し装置を用いて行う対象物取出し選別方法であって、前記支持手段上において篭の開口部が下方に向くよう篭を前記篭係止手段に係止し、対象物の取出し処理および選別処理に供することを特徴とする、対象物取出し選別方法。
本発明の対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法は上述のように構成されるため、これらを貝類の養殖作業に適用した場合は、養殖篭から貝類を効率的に取出すことができ、作業を迅速化でき、さらに作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる。しかも、基本的に搬送ユニットと揺動ユニットの組み合わせという簡素な構成であるために、コストも低く抑えることができ、既存の洗浄機や選別機等の装置とも組み合わせて用いることができるため、既存の装置が無駄にならず、導入しやすい。実際、貝類養殖業の従事者は洗浄機や選別機を既に導入済みである場合が多く、これらとの連結を行うことで、購入資金の軽減、労働の軽減、作業性の高効率、を実現できる。
本発明装置の主たる対象は、貝類養殖に用いるパールネットからの対象物取出しであるが、本装置は搬送ユニットと揺動ユニットを分離可能な構成をとることもできるため、その場合には揺動ユニットを、丸篭等パールネット以外の網製篭からの対象物取出しに用いることもできる。また、搬送ユニットと揺動ユニットという基本構成に対して、選別ユニットを備える構成とすることもでき、その場合には、篭からの対象物取出し〜対象物のサイズによる選別の作業を自動的に行うことができ、作業効率がさらに向上し、作業労力軽減、作業迅速化の効果がさらに大きくなる。なお選別ユニットは、装置全体に一体化した形態の他、必要に応じて着脱できる形態も採ることができ、使い方に合わせた仕様を提供することができる。
また本発明によれば、貝類養殖分野に限定されず、同様の構造の網製篭から内部に収容された物を取出す際において、これを効率的に取出すことができ、作業を迅速化でき、作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる。このように本発明の対象物取出し装置等は、船上クレーン設置のような高額な設備を導入することなく、対象物取出しを効率的に、迅速に、そして作業者の労力を大きく軽減した状態で実現することができ、実用性が極めて高い。
本発明対象物取出し装置の実施例を示す正面図である。 図1に示す実施例の平面図である。 図1に示す実施例の右側面図である。 図1等に示す本発明装置が主として適用対象とする網製篭の構成を示す斜視図である。 本発明対象物取出し装置の篭係止手段の実施例を示す側面図である。 図5の右側面図である。 篭解放手段を備えた構成の本発明対象物取出し装置の篭解放手段の構成例およびその周囲を示す説明図である。 図7に示す篭解放手段の作用を示す説明図である。 篭解放手段を備えた構成の本発明対象物取出し装置の篭解放手段の実施例を示す説明図である。 選別ユニットを備えた本発明対象物取出し装置の実施例を示す正面図である。 図8に示す実施例の平面図である。 図8等に示す実施例における篩い構造の説明図である。 本発明対象取出し装置の基本構成例を示す概念図である。 搬送ユニット取り外し可能な本発明対象物取出し装置の基本構成例を示す概念図である。 本発明対象物取出し装置への篭係止方法を示す説明図である。 篭からの対象物排出状態を示す右側面視の説明図である。 本発明の対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法の構成を示すフロー図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。なお、図面は主に実施例を示すが、本発明がかかる実施例に示す具体的構成・作用効果に限定されるものではない。
図1は、本発明対象物取出し装置の実施例を示す正面図である。また、
図2は図1に示す実施例の平面図、
図3は図1に示す実施例の右側面図である。また、
図4は図1等に示す本発明装置が主として適用対象とする網製篭(以下、「パールネット」ともいう)の構成を示す斜視図である。これらに示すように本発明対象物取出し装置100は、対象物Sが通る開口部Eを備えた網製篭N(以下、単に「篭」ともいう)から対象物Sを取出すための装置であって、篭Nを連続的に搬送する搬送ユニット20と、搬送ユニット20により搬送される篭Nを下方から支持するとともに揺動する揺動ユニット30とを備えてなることを、基本構成とする。すなわち、搬送ユニット20と揺動ユニット30とがそれぞれ上と下に配置されて協働する構成である。なお両ユニット20、30は基台部10によって一体化せしめられている。すなわち両ユニット20、30はともに基台部10に設けられている構成である。
搬送ユニット20は、一定方向に周回運動(C)するよう周回駆動される無端軌道21と、無端軌道21を駆動する搬送駆動手段22Mと、無端軌道21上に設けられた一または二以上の篭係止手段23とを備え、揺動ユニット30は、篭係止手段23に係止されて垂下した状態で搬送される篭Nを下方から支持し得るよう形成されている支持手段34と、支持手段34を揺動する揺動駆動手段35とを備え、支持手段34は、揺動によって開口部Eから排出される対象物Sが落下し得るよう形成されていることを、主たる構成とする。
なお、支持手段34における「篭Nを下方から支持し得るよう」な構成とは、搬送される篭Nが支持手段34上を通過する範囲において、かかる支持状態を最低限保持できる程度の鉛直方向間隔を有して、搬送ユニット20に対する配置がなされている構成である。具体的には、少なくとも垂下した状態で搬送される篭Nの最下部に接する状態を上記範囲において保持できる構成であり、これによって、後述する揺動作用を篭Nに対して及ぼすことができる。
図示するように、支持手段34と搬送ユニット20とは、篭Nが鉛直方向に垂下したままではなく、多少なりともこれが傾斜した姿勢となるような間隔で配置されることが望ましい。それによって、支持手段34による揺動がよりよく篭Nに及ぼされるとともに、開口部Eを下方に向けることができ、対象物Sの取出し作用・効果をより高めることができるからである。
図4に示すとおり、本発明の主要な適用対象たる篭Nは、伸ばした状態において略四角錐状に形成されており、斜稜上に開口部Eが設けられている、パールネットである。なお本願における「篭」または「網製篭」は、特に断りのない場合は略四角錐状で開口部Eを有する一の網製の収容体を主として指す。一方、これらがロープ等によって直列に複数連結されているものについては、以下、「篭連続体」ということとする。また、篭係止手段23は無端軌道21上に一または二以上が設けられるが、以下の説明では複数の篭係止手段23、23、・・・が設けられた構成を主として説明する。
上述の構成により本発明対象物取出し装置100は、次のように運転される。まず搬送ユニット20では、搬送駆動手段22Mによって無端軌道21が一定方向に周回駆動され、篭Nは無端軌道21上に設けられた篭係止手段23に対して一対一で係止される。この係止は人手によってなされることを主に想定しているが、それに限定されるものではない。たとえば、篭連続体を所定の設定位置に載せることで篭Nを自動的に篭係止手段23に対して係止せしめるような自動係止機構を備え、それによって係止処理することとしてもよい。
しかしながら、人手による係止作業はさほどの労力を要せず、しかも簡単にでき、さらに篭Nに所望の姿勢をとらせることを作業者の手によって直接、確実に行え、コストも抑制できるため、機械化に対して有利な点こそあれ、特段の不利益はない。篭係止手段23に係止された篭N、N、・・・は、周回運動Cする無端軌道21によって、C方向に連続的に自動搬送されてゆく。
なお、篭係止手段23に対する篭Nの係止では、象物Sの取出し処理が円滑になされるよう、支持手段34上において篭Nの開口部Eが下方に向くようにして段に係止される。ここで「下方」とは、開口部Eの向きが水平方向に対して俯角を有することをいい、そうである限り、角度は限定されない。また開口部Eは、下方に向けられるのみならず、垂下された篭Nの斜稜の中で最も低い位置(最下部)となるようにして係止される。これにより、対象部Sは開口部Eを通りやすい状態が形成され、その通過、落下が容易となり、取出し処理が円滑になされる。一方、上記文献開示の先行技術では篭の開口部が斜稜中の最下部になるわけではなく、揺動だけで対象物の取出し処理を行うことは容易ではない。
一方、揺動ユニット30においては、揺動駆動手段35によって支持手段34は揺動せしめられるが、この揺動は、最初の取出し対象となる篭Nが支持手段34上まで搬送される時点では既に開始されているように作動させるものとすることができる。順次搬送されてゆく各篭N、N、・・・からの対象物Sの取出し作用を、できるだけ早期に発生させることができるからである。篭Nは、篭係止手段23に係止されて垂下した状態で搬送されてくるが、支持手段34は、篭Nが通過する範囲において、これを下方から支持した状態を保持しつつ、これに対して連続的な揺動を与える。
篭N中の取出し対象物Sは、揺動によって、下方を向いた開口部Eを通して篭Nから排出される。支持手段34は、排出された対象物Sを受け止める形態ではなく、これが通過して下方へと落下していくような形態に形成されているため、対象物Sはそのとおりに落下していき、篭Nからの強制的な取出し処理が遂行される。
なお、無端軌道21を駆動する搬送駆動手段22Mとしては、モータを用いることができる。また、篭係止手段23としては、対象物Sにより相当の重量を有する篭Nを、少なくともこれが係止されてから指示手段34による揺動作用を受け続ける間は容易には離脱しないよう、安定的に係止、固定できる方式であれば、いかなるものであってもよい。たとえば篭Nの網目部分を引っ掛けられるフック等でもよいが、実用性の高い篭係止手段の例については後述する。また、無端軌道21に篭係手段23を複数設ける場合、設ける個数は限定されないが、篭係止手段23相互の間は等間隔とすることが、本装置100における連続的処理により適する。
また、揺動駆動手段35は支持手段34を上下方向に揺動する構造である。したがって、揺動駆動手段35により、支持手段34は上下方向に連続的に揺動する。そして支持手段34が、少なくともその揺動における最高位置にある時には、篭Nに接触した状態となって篭Nを揺動し得るよう、揺動駆動手段35において生じる上下動の大きさ、揺動駆動手段35による支持手段34への上下動伝動の仕様、支持手段34と搬送ユニット20あるいはその篭係止手段23との距離・位置関係が設定される。
なお、「支持手段34が、少なくともその揺動における最高位置にある時には、篭Nに接触した状態とな」ることは最低限の条件であり、支持手段34をより篭Nに下方から接触、支持するよう設計することが望ましい。図1に示すように、垂下した篭Nが支持手段34の範囲に入った当初から傾斜してその開口部Eが前方下方へと向けられる程度に、支持手段34と搬送ユニット20等との距離が設定され、また揺動駆動手段35等の仕様が備えられるようにすることで、効果的な対象物Sの開口部Eの通過、落下、取出し処理がなされる。
揺動駆動手段35としては、適宜仕様のモータ等のアクチュエータを好適に用いることができる。モータの場合、その回転力を上下動へと変換して支持手段34へと伝動するためのリンク35Lとしては、カム等適宜の構造を用いることができる。これにより、揺動駆動手段35において発生した回転力はリンク35Lによる変換作用を経て、支持手段34に対し上下動の駆動として伝動され、支持手段34における上下動の揺動が生じる。
支持手段34は図示するように、その一端部(固定端部)34Aが基台部10側に枢設され、他方端部(作動端部)34Bが揺動駆動手段35による作用を受けて上下動する構成とすることができる。運転時に、対象物Sの収容された相当重量の篭N、N、・・・を下方から支持することになる支持手段34全体を上下動させ揺動する構成も排除はされないが、支持手段34の一端部すなわち作動端部34Bのみを上下動させる構成の方が構造も動作も容易であり、かつ揺動効果は十分なものが得られる。
かかる構成により本対象物取出し装置100では、揺動駆動手段35による上下動は支持手段34の作動端部34Bを上下動させ、支持手段34全体にはその固定端部34Aを支点とした上下運動が生じる。これが連続的に行われ、支持手段34における揺動がなされる。
図示するように本対象物取出し装置100は、その支持手段34を、篭Nの搬送方向に向かい0°以上の角度、すなわち0°(水平)か、または仰角をもって設けるものとすることができる。支持手段34を水平とする場合、篭Nの開口部Eが向けられる角度は支持手段34に支持される当初に形成された角度が最後まで保持された状態で搬送されるため、当初に形成された対象物Sの通過しやすさが保持されたままで揺動を受け、円滑な取出し作用がなされる。
一方、支持手段34が搬送方向に向かい仰角をもった状態で設けられる場合は、篭係止手段23と篭N底部との垂直距離が徐々に短くなるために、篭Nの開口部Eが向けられる角度は支持手段34に支持される当初に形成された角度よりも徐々に俯角を増す状態で搬送される。そうすると、開口部Eも徐々に俯角を増す状態となっていき、当初に形成された対象物Sの通過しやすさが大きくなる状態で揺動を受け、水平の場合よりも一層円滑な取出し作用を得ることができる。なお、支持手段34が搬送方向に向かい俯角をもった状態で設けられる構成、すなわち搬送方向に向かい下り坂状態になる構成も本発明から除外されるものではないが、取出し作用をより高めるためには、水平もしくは図示するような多少なりとも仰角をもって傾斜した構成、すなわち搬送方向に向かい上り坂状態になる構成が望ましい。
支持手段34における、排出された対象物Sが落下し得る構成は、対象物Sを受け止めてしまう形態ではなく、これが通過して下方へと落下していくような形態である。具体的には図示するように、支持手段34を、垂下する篭Nの幅より狭い幅で設けられた一対のレール構造34L、34R(レール)によるものとすることができる。対象物Sの、揺動による開口部E通過および落下は、支持手段34の長手方向上のいずれの位置にても起こり得るため、開口部Eが通過する経路の下方には障害物がない方がよい。
また、上方において篭係止手段23に係止されている篭Nに対して支持手段34が果たすべき作用は、第一に篭Nをその開口部Eからの対象物S取出し(通過、落下)がなされやすい姿勢に保持すること、第二に揺動駆動手段35から伝動される揺動を篭Nに及ぼすことである。第一の作用をなさしめるには、篭Nの下方からの支持を行う作用箇所は二箇所あればよい。第二の作用をなさしめるには、篭Nに接触する箇所は一箇所あればよい。これらと、上記開口部E通過経路下方の開放という条件は、一対のレール構造34L、34Rとすることで必要十分に充たされる。本発明の支持手段の構成・方式がこれに限定されるものではないが、簡易な構造でもあるレール方式とすることが望ましい。
レール構造をとる支持手段34とすることにより、支持手段34からの揺動を受けた篭Nからは、中に収容されていた対象物Sが開口部Eを通過して排出され、対象物Sは落下していく。二本のレール構造34L、34Rは篭Nの左右端部支持をするが、その間には空間が形成されており、排出された対象物Sはちょうどその空間を通過して、つまり支持手段34を通過してより下方へと落下していく。
図5は、本発明対象物取出し装置の篭係止手段の実施例を示す側面図である。また、
図6は図5の右側面図である。これらに図示するように本発明装置の篭係止手段523は、篭の端部を挟持する挟持構造526を備えてなり、該挟持構造526に篭の端部を差込むことで篭が係止される構成とすることができる。図示する本例の挟持構造526は一対のローラ527a、527bからなり、篭を挟持構造526に案内するための、外部に拡径する二片の板構造からなるガイド構造528を備えている。ローラ527a、527bは並列して、その間に篭の一端部が強制的に差し込める程度に離間して設けられる。
網製篭の一端部は、本篭係止手段523のガイド構造528に向かって差込まれていき、当該一端部はガイド構造528による案内を受けてローラ527a、527bの間へと差込まれていき、ローラ527a等の向こう側へと挿通するまで押し込まれる。このようにして狭い間隙に強制的に差込まれた網製篭の一端部は、ローラ527a等を通過する間は圧縮を受けているが、ローラ527a等の向こう側に開放された後はその圧縮が解かれ、形態が元に戻る。そうするとそれは、ローラ527a等が逆に回転することに対して制動として機能するため、一旦差込まれた篭は安定的に係止された状態が保持される。篭は、本篭係止手段523にこのようにして係止される。
なお、図5、6に示した例は好適な実施例であるが、本発明がこれに限定されるものではない。上述したように、フック構造を用いた篭係止手段としたり、その他適宜の手段を篭係止に用いてもよい。要するに、相当重量を有する篭を、少なくともこれが支持手段上を搬送、通過する間は、揺動を受けても安定的に係止する状態を保持できる方式であれば、いかなる係止方式であってもよい。
図7は、篭解放手段を備えた構成の本発明対象物取出し装置の篭解放手段の構成例およびその周囲を示す説明図である。また、
図7−2は、図7に示す篭解放手段の作用を示す説明図である。なお図7は搬送方向端面、図7−2は搬送方向側面を示し、図7−2には左図と右図を示すが、両方とも搬送方向は左である。篭係止手段23に係止されて垂下され、支持手段34(図では、一対のレール構造34L、34R)からの支持および揺動を受けつつ搬送される篭Nは、対象物Sが排出された後は篭係止手段23から取り外さなければならない。これは作業者による手作業によっても可能であり、ただ篭Nを下方へ引っ張ればよい。しかしながら、人手を要することになる。
そこで、自動的に篭Nが篭係止手段23から自動的に解放される手段、離脱する手段を設ければ、人手を要さず便利である。図には、篭解放手段24として、搬送ユニットの端部に設けられた篭遮断体を用いた例を示す。篭遮断体24は、係止手段23に係止された篭Nの前進を遮断、阻止する位置に、係止手段23の走行の障害とはならないように設けられる。図7−2に示すように、対象物の排出がすんだ後も篭係止手段23に係止されたままの篭Nは、篭遮断体24の位置までくると(図中、左図)、無端軌道の周回走行により搬送方向に進行する篭係止手段23による係止の力と、篭遮断体24による遮断の力という、反対方向の力を受ける。
篭Nの係止を上述例のような挟持構造とした場合、挟持構造に保持されている篭Nはさらに強い力で引くことによりその挟持状態が解除されて、挟持構造から離脱する(図中、右図)。このようにして、取出し処理の済んだ篭Nを係止手段23から離脱させることができる。篭遮断体24は、図示するように板状の形態でも、あるいは棒状の形態でもよく、形態・構造等は特に限定されない。篭Nの前進を確実に阻止できる仕様であればよい。
図7−3は、篭解放手段を備えた構成の本発明対象物取出し装置の篭解放手段の実施例を示す説明図である。図中、(a)は側面図、(b)は端面図である。本例のように、搬送ユニット720の搬送方向端部に、棒材による篭遮断体724を左右一対設け、これらによって篭を遮断し、篭係止手段から離脱させる構造としてもよい。
図8は、選別ユニットを備えた本発明対象物取出し装置の実施例を示す正面図である。また、図9は、図8に示す実施例の平面図である。これらに示すように本例の対象物取出し装置6100は、図1等により既に述べた構成に加え、揺動ユニット20の下方に、落下する対象物Sをサイズにより選別するための選別ユニット60が設けられており、対象物Sの取出しと選別を行えるように形成されていることを、主たる構成とする。かかる構成の本装置6100によれば、対象物Sの篭Nからの取出し処理とその選別処理とを、連続的かつ自動的に行うことができる。
選別ユニット60は、対象物Sをサイズにより選別するための一以上の篩い構造61A等からなる篩い部61と、篩い部61を横方向に揺動する篩い部駆動手段(図示せず)とを備えて構成するものとすることができる。図では、二の篩い構造61A、61Bが備えられた篩い部61の例を示すが、篩い構造は一のみでも、また三以上備えることとしてもよい。
かかる構成により、篩い部駆動手段が運転されると篩い構造61A等からなる篩い部61が横方向Hに揺動する。篭Nから排出された対象物Sはこの篩い部61上に置かれるが、篩い部61の揺動を受けて篩いにかけられ、所定の選別処理がなされる。設ける篩い構造の数をnとすれば、対象物Sのサイズによる選別におけるグループ数はn+1である。したがって図示する二の篩い構造61A、61Bを有する例では、対象物Sのサイズを3段階に選別することができる。
図10は、図8等に示す実施例における篩い構造の説明図である。図示するように本実施例では、より大径の篩い孔62aを有する板状の篩い構造61Aと、より小径の篩い孔62bを有する板状の篩い構造61Bとが上下に配置されて篩い部61を形成している。上部の篩い構造61A上に置かれた対象物は、横方向の揺動によって62aの篩い孔上に位置したとき、この孔より大径であれば篩い構造61A上に残り、小径であれば篩い孔62aを通って下部の篩い構造61B上に落下する。そして、横方向の揺動によって62bの篩い孔上に位置したとき、この孔より大径であれば篩い構造62A上に残り、小径であれば篩い孔62bを通って下方に落下する。このようにして、3段階のサイズに選別されることができる。
なお、図示するように、篩い部61には俯角の傾斜により下り坂構造が形成され、これによって、篩い処理を受けた対象物が横方向の揺動Hを受けて下流側へと移動しやすくする構成とすることができる。処理後の対象物Sは最終的に、たとえば図示するように、サイズ別容器TL、TM等に回収することとすればよい。なお、篩い部を構成する全ての篩い構造のうち最下部の篩い構造を通過した対象物は、そのまま下方に落下するが、それを受ける回収容器(図示せず)を設置して回収すればよい。
篩い部駆動手段としてはモータ等のアクチュエータを好適に使用することができる。モータの場合、その回転運動を横方向揺動Hに変換する機構には、カム等適宜の手段を用いることができる。なおまた、篩い部駆動手段と揺動駆動手段とで、動力源を共通としてもよい。つまり、一つのモータ等の回転を、適宜のリンクを用いて、揺動ユニット30の支持手段34揺動駆動用の上下運動と、篩い部61の横方向揺動駆動用の横方向運動の双方に変換して用いるものとすることもできる。
また、図8等において、篩い部61の前に選別準備部63を備える構成とすることもできる。図示するように選別準備部63は、落下してくる対象物Sを受けてこれを搬送する対象物搬送路64と、対象物Sを貯留するために該対象物搬送路64の先に設けられた待機部65とを備えた構成とすることができる。対象物搬送路64は、落下してくる対象物Sが直接篩い部61に落下して双方の少なくともいずれかが損傷することがないよう、あるいはそれを軽減できるよう、事前に対象物Sを受け止める作用を有する。
それとともに対象物搬送路64は、設けられた俯角の傾斜によって対象物Sを下流側へと搬送する作用も行い、篩い部61での篩い処理に供する準備がなされる。なお、俯角の傾斜のみでは対象物Sの搬送に不十分な場合には、対象物搬送路64における対象物Sの搬送を強制的になさしめる搬送強制手段を設けることとしてもよい。図示するように、上流から水等の液体を流して対象物Sを押し流すことのできる流水手段68を用いてもよいし、あるいはまた、対象物搬送路64を揺動するモータ等の駆動手段を設けてもよい(図示せず)。その場合、上述した他の駆動手段と動力源を共通化する構成としてもよい。
また待機部65は、対象物搬送路64から搬送されてきた対象物Sを一時的に貯留する。ここで対象物Sを一時貯留した後に、篩い部61における篩い処理へと供するようにすることができる。なお図示しないが、待機部65や篩い部61にも、対象物搬送路64と同じく流水手段68等の搬送強制手段を設けることとしてもよい。
なおまた、流水手段68を用いることで、落下による対象物Sの受ける衝撃を緩和し、その損傷等の影響を軽減ないしはなくすることもできる。また、対象物搬送路64、待機部65、篩い部62のいずれも、対象物Sの損傷等を軽減ないしは防止するために、少なくとも対象物Sが接触する面を柔軟性のある構造としてもよい。
以上説明したように、本発明の対象物取出し装置は特に、貝類養殖用の略四角錐状の篭であるところのパールネットを適用対象として着想され、さらに範囲を拡大して発明完成したものである。なおパールネットは特に、ホタテ貝やアコヤ貝等の貝類養殖に好適に用いられている。
図11は、ここまで述べた本発明対象取出し装置の基本構成例を示す概念図である。(a)は図1等により示した構成例であり、対象物取出し装置100は、搬送ユニット20と、揺動ユニット30と、両ユニットを一体化せしめている基台部10とからなる。一方(b)は図8等により示した構成例であり、対象物取出し装置6100は、搬送ユニット20と、揺動ユニット30と、選別ユニット60と、これらのユニットを一体化せしめている基台部10とからなる。
図12は、搬送ユニット取り外し可能な本発明対象物取出し装置の基本構成例を示す概念図であり、(a)は図1等により示した構成例、(b)は図8等により示した構成例である。図示するように、いずれの例においても、本発明対象物取出し装置100等はその搬送ユニット20を、基台部10から取り外し可能な仕様とすることができる。取り外した搬送ユニット20は再び取付けることも可能とする。本装置100等は、搬送ユニット20を用いず揺動ユニット30のみで(基台部10はもちろんそのまま)、たとえば貝類養殖用の略円筒状の篭(丸篭)からの対象物取出しに用いることも可能である。
この場合、搬送ユニット20を一時取り外して揺動ユニット30のみとすることのできる本例の仕様は、無用な搬送ユニット20が離されているため、取出しの作業効率を高めることができ、便利である。図中(b)の装置6100は選別ユニット60を備えるため、対象物の取出しに続いて対象物の選別作業を行うことができる。
図13は、本発明対象物取出し装置への篭係止方法を示す説明図である。(a)は搬送方向からの正面図(手前が搬送方向)、(b)は(a)の右側面図である。また、
図14は、篭からの対象物排出状態を示す右側面視の説明図である。これらに示すように、また既に述べたように、本発明対象物取出し装置を用いて対象物取出し方法を実施する場合、支持手段上において篭Nの開口部Eが下方に向くよう篭Nを篭係止手段23に係止し、対象物Sの取出し処理に供する。これにより、対象物Sの開口部E通過、排出を円滑に行うことができ、実用性の高い取出し処理を行うことができる。
図15は、本発明の対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法の構成を示すフロー図である。図示するように、対象物S入りの篭NSは支持手段上において開口部が下方に向くよう篭Nを篭係止手段に係止する過程(係止過程P1)、ついで、揺動作用によって篭Nから対象物Sの取出し処理が行われる過程(取出し過程P2)に供され、これによって篭Nから対象物Sが取出される。ここまでの仮定は、対象物取出し装置100により行うことができる。
選別ユニットを備えた対象物取出し装置6100を用いた場合、取出し過程P2を経て取出された対象物Sは、サイズによる選別処理を行う過程(選別過程P3)に供され、この過程を経て、選別済み対象物SL等が得られる。本装置6100を用いることで、篭Nからの対象物Sの取出し、選別を連続的に、自動的に処理することができる。
なお、本発明対象物取出し装置は次のような使い方もできる。すなわち、揺動ユニット20の後処理側に、選別ユニット60装備やサイズ別容器TL等設置を行うのではなく、ベルトコンベア等の追加搬送装置を取り付け、取出された対象物Sを追加搬送装置によって別の処理装置へと送出する、という方式である。別の処理装置としては、サイズ別に選別する選別機や、たとえば養殖貝処理用であれば海洋性付着物の除去のための洗浄機等、取出し後の対象物の後処理を行う装置が全て適用し得る。この場合、
(I) 追加搬送装置の付加された形態の対象物処理装置、
(II) (I)に適宜の一または複数の後処理装置を組み合わせた対象物処理システム、
(III) (I)や(II)としての元の対象物処理装置の使用方法、
のいずれもまた本発明の範囲内である。
実証試験
前掲図1〜3に示した構成の本発明の対象物取出し装置実施例を用いて、対象物取出しの効果を試験した。
装置の電源スイッチを投入して搬送ユニットの無端軌道の周回駆動、および揺動ユニットの支持手段の揺動駆動を開始した。なおいずれの駆動も、モータによる。養殖ホタテ貝入りのパールネット(篭連続体)を、作業者の手で、所定の方法により篭係止手段に差込んで係止、固定することを、連続的に行った。
その結果、篭係止手段に係止された篭は搬送されつつ支持手段による揺動を受けて、ただちに篭内のホタテ貝が開口部から排出され始め、数秒から10秒程度で、一つの篭内のホタテ貝全てが、きれいに排出された。そして、図7−3に示す例の篭遮断体によって、篭は円滑に篭係止手段から離脱して落下した。本発明装置は対象物の取出し効果を十分に備えていることを実証できた。
本発明の対象物取出し装置、対象物取出し方法、および対象物取出し選別方法によれば、養殖篭から貝類を効率的に取出すことができ、作業を迅速化でき、さらに作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる。しかも、コストを低く抑えることができ、導入しやすい。また、貝類養殖分野のみならず、網製篭から内部に収容された物を取出す際、これを効率的に取出すことができ、作業を迅速化でき、作業者の労力を大幅に軽減、省力化することができる。したがって本発明は、貝類養殖分野や、類似構造の網製篭から内部に収容された物を取出す必要のある産業分野、およびこれらに関連する全分野において、実用性が極めて高く、産業上利用性が高い発明である。
10…基台部
20、720…搬送ユニット
21…無端軌道
22M…搬送駆動手段
23…篭係止手段
24、724…篭遮断体(篭解放手段)
30…揺動ユニット
34…支持手段
34A…支持手段の固定端部
34B…支持手段の作動端部
34L、34R…レール構造
35…揺動駆動手段
35L…リンク
100、6100…対象物取出し装置
523…篭係止手段
526…挟持構造
527a、527b…ローラ
528…ガイド構造
529…篭係止手段固定部
60…選別ユニット
61…篩い部
61A、61B…篩い構造
62a、62b…篩い孔
63…選別準備部
64…対象物搬送路
65…待機部
68…流水手段
C…周回運動
E…開口部
H…横方向揺動
N…網製篭(篭)
NS…対象物入りの篭
P1…係止過程
P2…取出し過程
P3…選別過程
S…対象物
SL、SM、SN…選別済み対象物
TL、TM…サイズ別容器
V…上下運動

Claims (19)

  1. 対象物が通る開口部を備えた網製篭(以下、「篭」)から対象物を取出すための対象物取出し装置であって、篭を連続的に搬送する搬送ユニットと、該搬送ユニットにより搬送される篭を下方から支持するとともに揺動する揺動ユニットとを備えてなり、該搬送ユニットは、無端軌道と、該無端軌道を駆動する搬送駆動手段と、該無端軌道上に設けられた一または二以上の篭係止手段とを備え、該揺動ユニットは、該篭係止手段に係止されて垂下した状態で搬送される篭を下方から支持し得るよう形成されている支持手段と、該支持手段を揺動する揺動駆動手段とを備え、該支持手段は、揺動によって開口部から排出される対象物が落下し得るよう形成されていることを特徴とする、対象物取出し装置。
  2. 前記篭は、伸ばした状態において略四角錐状に形成されており、斜稜上に前記開口部が設けられている篭であることを特徴とする、請求項1に記載の対象物取出し装置。
  3. 前記揺動駆動手段は前記支持手段を上下方向に揺動し、該支持手段は、少なくとも最高位置にある時に篭に接触してこれを揺動するよう配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の対象物取出し装置。
  4. 前記支持手段は篭の搬送方向に向かい0°以上の角度をもって設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  5. 前記支持手段は垂下する篭の幅より狭い幅で設けられた一対のレールであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  6. 前記揺動駆動手段は、一端部が枢設された前記支持手段の他方端部を上下動させることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  7. 前記篭係止手段は、篭の端部を挟持する挟持構造を備えてなり、該挟持構造に篭の端部を差込むことで篭が係止されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  8. 前記挟持構造は一対のローラからなり、篭を該挟持構造に案内するためのガイド構造を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の対象物取出し装置。
  9. 前記搬送ユニットは、該揺動ユニットの作用を受けた後の篭を前記篭係止手段から離脱させるための篭解放手段を備えていることを特徴とする、請求項7または8に記載の対象物取出し装置。
  10. 前記篭解放手段は前記搬送ユニットの端部に設けられた篭遮断体であり、該篭遮断体は前記係止手段に係止された篭の前進を遮断することにより篭を該係止手段から離脱させることを特徴とする、請求項9に記載の対象物取出し装置。
  11. 前記揺動ユニットの下方に、落下する対象物をサイズにより選別する選別ユニットが設けられており、対象物の取出しと選別を行うことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  12. 前記選別ユニットは、対象物をサイズにより選別するための一以上の篩い構造からなる篩い部と、該篩い部を横方向に揺動する篩い部駆動手段とを備えてなることを特徴とする、請求項11に記載の対象物取出し装置。
  13. 前記篩い部駆動手段は前記揺動駆動手段と動力源を共通とすることを特徴とする、請求項12に記載の対象物取出し装置。
  14. 前記篩い部の前に選別準備部が備えられ、該選別準備部は、落下してくる対象物を受けてこれを搬送する対象物搬送路と、対象物を貯留するために該対象物搬送路の先に設けられた待機部とを備えてなることを特徴とする、請求項12または13に記載の対象物取出し装置。
  15. 前記対象物搬送路における対象物の搬送を強制的になさしめる搬送強制手段が設けられていることを特徴とする、請求項14に記載の対象物取出し装置。
  16. 前記篭は貝類養殖用の略四角錐状の篭(以下、「パールネット」)であることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の対象物取出し装置。
  17. 前記搬送ユニットは取り外し可能であり、前記揺動ユニットへの載置によって貝類養殖用の略円筒状の篭(以下、「丸篭」)からの対象物取出しを行えることを特徴とする、請求項16に記載の対象物取出し装置。
  18. 請求項1ないし17のいずれかに記載の対象物取出し装置を用いて行う対象物取出し方法であって、前記支持手段上において篭の開口部が下方に向くよう篭を前記篭係止手段に係止し、対象物の取出し処理に供することを特徴とする、対象物取出し方法。
  19. 請求項11ないし15のいずれかに記載の対象物取出し装置を用いて行う対象物取出し選別方法であって、前記支持手段上において篭の開口部が下方に向くよう篭を前記篭係止手段に係止し、対象物の取出し処理および選別処理に供することを特徴とする、対象物取出し選別方法。
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