JP2017139054A - リチウムイオン二次電池システム、および、リチウムイオン二次電池の劣化診断方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池システム、および、リチウムイオン二次電池の劣化診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断するリチウムイオン二次電池システムの提供。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池システムは、電池モジュール(単電池群、単電池)で発生したAE信号に基づいてAEパラメータであるAE事象数を取得し、AE事象数に基づいてAE累積パラメータ(AE事象累積数)を取得する。そして、そのAE事象累積数に基づいて、電池モジュールの劣化を診断する。
【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池システム、および、リチウムイオン二次電池の劣化方法に関する。
ハイブリッド電気自動車においては、自動車の加速力をモータ駆動でアシストするために強力なアシスト力を必要とし、電源となる電池の高出力化が要求されている。また、車両走行時では、ハイブリッドシステムの制御方法にもよるが、電池は最大電流値が時間率10C以上に及ぶ大電流での充電および放電が瞬時に連続的に繰り返される。このような使用条件においても高出力性能が維持されることが求められている。
このようなリチウムイオン二次電池を用いた二次電池システムでは充放電サイクルによって電池の内部抵抗が徐々に増大する劣化現象が知られている。このような劣化現象は、大電流大容量な充放電サイクルの場合に発生し易く、さらに低温環境において充放電サイクルをすることにより、更に発生し易くなる。このように、上述の劣化現象は環境温度や電流に依存している。リチウムイオン二次電池の入出力は劣化に応じて変化するので劣化状態を適切に検出し、種々の制御を行う必要がある。
特許文献1、2には、リチウムイオン二次電池内部から発生するアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出することでリチウムイオン二次電池の状態を把握する発明が開示されている。
特許文献1には、充電時におけるAE信号と放電時におけるAE信号の差異から電池が充電状態および放電状態のいずれであるかを判断する発明が開示されている。特許文献1に記載の発明では、AE信号を検出することにより、電池の充電状態、もしくは放電状態を判断することは可能である。しかしながら、AE信号を使用することにより電池劣化状態(SOH:State of health)を診断するに至っていない。
特許文献2には、AE信号の増大を検出した場合に、充放電変曲点−信号発生情報に基づいて電池の負極活物質の充放電領域を判断する発明が開示されている。特許文献2に記載の発明では、AE信号を検出することにより、負極活物質の充放電領域の適切に検出可能である。しかしながら、特許文献1と同様に、AE信号を使用することにより電池劣化状態(SOH)を診断するに至っていない。
特開2013−113831号公報 特開2013−089423号公報
このように、リチウムイオン二次電池の劣化を診断するリチウムイオン二次電池システムが望まれていた。
(1)本発明のリチウムイオン二次電池システムは、リチウムイオン二次電池の充電時または放電時に、リチウムイオン二次電池の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出するAEセンサと、AE信号に基づいてAEパラメータを取得するAEパラメータ取得部と、AEパラメータを累積して、AE累積パラメータを取得するAE累積パラメータ取得部と、AE累積パラメータに基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化を診断する電池劣化診断部と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明のリチウムイオン二次電池の劣化診断方法は、AEセンサと、AEパラメータ取得部と、AE累積パラメータ取得部と、電池劣化診断部とを備えるリチウムイオン二次電池システムによるリチウムイオン二次電池の劣化診断方法であって、AEセンサが、リチウムイオン二次電池の充電時または放電時に、リチウムイオン二次電池の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出する第1手順と、AEパラメータ取得部が、AE信号に基づいてAEパラメータを取得する第2手順と、AE累積パラメータ取得部が、AEパラメータを累積してAE累積パラメータを取得する第3手順と、電池劣化診断部が、AE累積パラメータに基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化を診断する第4手順と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
本発明により、リチウムイオン二次電池の内部で発生したAE信号から算出されたAE累積パラメータ(AE事象累積数、AE事象累積強度)に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断することができる。
電池装置の全体構成図。 電池モジュールの構成図。 セルコントローラの回路構成を示す図。 第1〜第4実施形態に係るモジュールコントローラの回路構成を示す図。 AE事象累積数と電池内部抵抗変化の対応関係を示す図。 第1実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 第2実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 AE事象累積強度と電池内部抵抗変化の対応関係を示す図。 第3実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 第4実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 第5及び第6実施形態に係るモジュールコントローラの回路構成を示す図。 第5実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 第6実施形態に係る二次電池システムのシステムフロー図。 AE事象数及びAE事象強度を説明する図。 AE事象累積数及びAE事象累積強度を説明する図。
―第1実施形態―
図1は、電池装置1000の構成を示している。なお、本発明のリチウムイオン二次電池システムは、電池装置1000から少なくともリチウムイオン二次電池を除いた構成を指す。
電池装置1000は、システムコントローラ1500と、データベース部1700と、複数(N個)のユニット500、すなわち、ユニット500−1、500−2、・・・、500−Nとを有する。
各々のユニット500は、単電池群ユニット1250を複数有する電池モジュール1200と、電池モジュール1200の充放電電流を検出する電流検出部1100と、電池モジュール1200の電圧を検出する電圧検出部1300と、電池モジュール1200の充放電電流を制御するモジュールコントローラ1400と、リレー1600と、を有する。
モジュールコントローラ1400は、システムコントローラ1500の指令を受けて、電流検出部1100、電圧検出部1300、データベース部1700、リレー1600、及び、電池モジュール1200と通信し、ユニット500の充放電制御を行う。
モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200が有する単電池の電池電圧や温度、電流検出部1100から送信される電池モジュール1200に流れる電流値、電圧検出部1300から送信される電池モジュール1200の総電圧値に基づいて電池モジュール1200の状態検出、例えば単電池群1230の劣化診断などを行う。
また、モジュールコントローラ1400が行う処理の結果は、後述するセルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。
システムコントローラ1500は、図示下方の両端矢印で示すように車載システムなどの上位コントローラと通信する。また、システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400とも通信する。それらの通信情報に基づいて、システムコントローラ1500は、ユニット500内のモジュールコントローラ1400に、ユニット500の充放電制御の指令を出す。
データベース部1700は、単電池1210の電池特性に関する情報(閾値または特性マップ)を格納する。この情報に基づいて電池劣化診断を行う。
図2は、電池モジュール1200の構成を示している。図2に示すように、電池モジュール1200は、複数(M個)の単電池群ユニット1250、すなわち、単電池群ユニット1250−1、・・・、1250−Mを有する。
単電池群ユニット1250は、単電池群1230とセルコントローラ1220を有する。なお、1番目の単電池群ユニット1250内の単電池群1230とセルコントローラ1220には符号1230−1、1220−1をそれぞれ付し、M番目の単電池群ユニット1250内の単電池群1230とセルコントローラ1220には符号1230−M、1220−Mをそれぞれ付した。
単電池群1230は、複数(L個)の単電池1210、すなわち、単電池1210−1、・・・1210−Lを有する。単電池1210は、リチウムイオン二次電池である。図では、単電池1210同士を直列で接続しているが並列や直並列などで接続してもよい。
セルコントローラ1220は割り当てられた単電池群1230からの電力を受けて動作し、単電池群1230を構成する複数の単電池1210の状態を監視及び制御する。セルコントローラ1220については図3を用いて後述する。
図3は、単電池群ユニット1250の1つを示している。図3を用いて、セルコントローラ1220について説明する。
セルコントローラ1220は、電圧検出回路1221、温度検出部1222、AEセンサ1226、AE信号検出部1225、制御回路1223、信号入出力回路1224を備えている。
電圧検出回路1221は、各々の単電池1210の端子間電圧を測定する。
温度検出部1222は、複数ある単電池1210のうちの1つ、図では、単電池1210−L、の温度を測定し、単電池群1230の代表値として認識する。なお、複数ある単電池1210のそれぞれの温度を温度検出部1222が測定するように構成することもできる。
AEセンサ1226は、複数ある単電池1210のうちの1つ、図では、単電池1210−Lに密着している。そして、AEセンサ1226は、単電池1210−L内で発生するAE信号を検出し、それを単電池群1230のAE信号の代表値として認識する。なお、AEセンサを複数ある単電池1210のそれぞれに設け、単電池1210のそれぞれで発生するAE信号を測定するようにすることもできる。また、単電池1210−LにAEセンサ1226を密着させにくい場合には、AEセンサ1226と単電池1210−Lとを超音波が伝わりやすい金属等を介して接続してもよい。
AE信号検出部1225は、AEセンサ1226が検出した単電池群1230からのAE信号に基づいてAE事象数を測定する。本実施形態で使用しているAEセンサは共振周波数30kHzであり、30kHz以上の周波数のAE事象を測定可能である。
ここで、図14を用いて、AE信号検出部1225の動作について説明する。AE信号検出部1225は、AEセンサ1226が得たAE信号SAEを以下のように処理する。まず、所定のしきい値以上の振幅の信号が続く範囲を1つのグループと捉える。そのグループが有する波の数をAE事象数として取得する。また、そのグループの中での最大振幅をAE事象強度として取得する。なお、本実施形態においては、AE事象強度は単電池群1230の劣化診断には用いない。
このようにして得られたAE事象数とAE事象強度を総称して、「AEパラメータ」と呼ぶことにする。なお、後述するように、AE事象数からはAE事象累積数が求められ、AE事象強度からはAE事象累積強度が求められる。AE事象累積数とAE事象累積強度を総称して、「AE累積パラメータ」と呼ぶことにする。
図3の説明に戻る。制御回路1223は、電圧検出回路1221が得た電圧、温度検出部1222が得た温度、AE信号検出部1225が得たAE事象数の情報を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。
なお、セルコントローラ1220に一般的に実装される、自己放電や消費電流ばらつき等に伴い発生する単電池1210間の電圧ばらつきを均等化する回路構成は周知のものであり、記載を省略した。
図4は、モジュールコントローラ1400の構成を示す図である。モジュールコントローラ1400は、AEコントローラ1410と電池劣化診断部1420から構成される。
AEコントローラ1410は、AEパラメータを時間積算してAE累積パラメータを求める。本実施形態では、AEコントローラ1410は、AEパラメータであるAE事象数を時間積算して、AE累積パラメータであるAE事象累積数を求める。
ここで、図15を用いて、AE事象数からAE事象累積数を、AE事象強度からAE事象累積強度を求める方法について述べる。図15には、図14に示す方法で得られたグループ1〜3とそれらに対応するAEパラメータであるAE事象数A1〜A3とAE事象強度B1〜B3が示されている。AE累積パラメータは、測定期間に含まれているグループ、ここでは、グループ1〜3についてのAEパラメータを時間積算する。すなわち、図15においては、AE事象累積数はA1+A2+A3となり、AE事象累積強度はB1+B2+B3となる。
図4の説明に戻る。AE事象累積数を求めた後、AEコントローラ1410は、AE事象累積数を電池劣化診断部1420に出力する。
電池劣化診断部1420は、AE累積パラメータであるAE事象累積数に基づいて単電池群1230の電池劣化診断を行う。
なお、電池劣化診断部1420は、電池モジュール1200が充放電されていると判別すると、AEセンサ1226がAE信号を測定する指令をセルコントローラ1220に送る役割も担っている。詳細は、図5を用いて説明する。
図5は、AE事象累積数と電池内部抵抗変化の対応関係を示す図である。横軸はAE事象累積数、縦軸は電池内部抵抗の変化を示している。4本示されている曲線のうちの3本は、電流レート1〜3でそれぞれ充放電したときの曲線を示している。なお、電流レート1〜3において、
電流レート1 < 電流レート2 < 電流レート3
という大小関係がある。
残りの1本は、電流レート1〜3なども含む様々な電流レートが混合した一般的な使用状態を示す混合電流レートで充放電を行ったときの曲線を示している。一般的な使用状態とは、例えば、本発明による二次電池システムが車載用として用いられるとき、平均的なユーザが運転した場合に得られる曲線を示している。なお、様々な使用状態に対する内部抵抗変化を調べてデータベース化することで混合電流レートの曲線を増やすことができる。
それぞれの電流レートにおいて、AE事象累積数が大きくなると電池内部抵抗変化も大きくなる。したがって、初期の内部抵抗に内部抵抗変化分を加算すると経年変化後の内部抵抗が算出できる。
内部抵抗が所定値以上となったときに二次電池が劣化したと定義し、AE事象累積数と内部抵抗変化との対応関係を予め実験やシミュレーションにより求めて、所定値以上の内部抵抗となるAE事象累積数を閾値として記憶する。本実施形態では、電流レートに対応した閾値を算出して予めデータベース部1700に記憶されている。
なお、上述の閾値は、ユーザが各種経験をもとに、設定することも可能である。
図6に示す本実施形態における電池劣化診断について説明したフロー図を用いて、本実施形態における電池劣化診断について説明する。
<ステップ101>
リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。図6のフロー図は、例えば、モジュールコントローラ1400のプロセッサで実行されるプログラムの手順を示すものである。
<ステップ102>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400からの信号を受信すると、電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221の測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400に送信する。モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ103>
ステップ102で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象数が測定される。
<ステップ104>
モジュールコントローラ1400のAEコントローラ1410において、AE事象数を時間積算してAE事象累積数が演算される。
<ステップ105>
ステップ104で演算されたAE事象累積数が、電流から得られる電流レートに基づいて決定され予めデータベース部1700に記憶されている閾値以上であるか否かが電池劣化診断部1420で判定される。肯定判定されればステップ106に進み、否定判定されればステップ102に戻る。
<ステップ106>
リチウムイオン二次電池から検出されたAE事象累積数が閾値以上となったことを示す信号、すなわち電池特性劣化を示す信号を、電池劣化診断部1420が、セルコントローラ1220や、モジュールコントローラ1400に出力する。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態のリチウムイオン二次電池システムは、電池モジュール1200の充電時または放電時に、単電池群1230あるいは単電池1210の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出するAEセンサ1226と、AE信号に基づいてAEパラメータであるAE事象数を取得するAE信号検出部1225と、AE事象数に基づいてAE累積パラメータであるAE事象累積数を取得するAEコントローラ1410と、AE事象累積数に基づいて、電池モジュール1200の劣化を診断する電池劣化診断部1420と、を備える。
これによって、リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断することができる。
(2)第1実施形態の二次電池システムの電池劣化診断部1420は、AE累積パラメータであるAE事象累積数と劣化判定用の閾値とを比較して、リチウムイオン二次電池の劣化を診断する。たとえば、実験で予め算出した劣化判定用閾値がデータベース1700に記憶されており、AE事象累積数が劣化判定用閾値を超えたときに二次電池が劣化したと判定することができる。したがって、電池モジュール1200の劣化を簡便に診断することができる。
(3)第1実施形態の二次電池システムは、電池モジュール1200の充放電電流を検出する電流検出部1100をさらに備える。また、劣化判定用閾値は電流レートに対応して算出されて記憶されている。所定の電流レートで二次電池システムが充放電を繰り返す場合は検出された電流に対応する閾値を読み出し、AE事象累積数が読み出した閾値を超えたときに電池が劣化したと判定する。したがって、二次電池の充放電電流のレートに対応する閾値を使用して精度よく二次電池の劣化を判定することができる。
車載用途の二次電池システムのように充放電電流が変動する場合には、変動する充放電電流を模擬した混合電流レートで実験を予め行って、内部抵抗が所定値を超えるAE事象累積数を求めておき、その事象数を劣化判定用閾値としてデータベース1700に記憶しておくこともできる。この場合、複数の混合電流レートに対応する閾値を予め算出してデータベース1700に記憶しておき、電流検出部1100により検出した電流の変動の程度に応じた最適な混合電流レートを判定し、この混合電流レートに対応する劣化判定用閾値をデータベース1700から読み出せば、充放電電流が変動する二次電池システムでもAE事象累積数に基づいて電流レートに応じた電池劣化判定を精度良く行うことができる。
―第2実施形態―
図7に示す本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断のフロー図を用いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断を説明する。第2実施形態は、AE事象累積数と電流から内部抵抗を算出し、この内部抵抗が所定値以上の時に劣化と診断するものである。したがって、図5に示す対応関係を予め作成してデータベース1700に記憶されている。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
<ステップ201>
リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。
<ステップ202>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400からの信号を受信すると、電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221の測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400に送信する。モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ203>
ステップ202で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象数が測定される。
<ステップ204>
モジュールコントローラ1400のAEコントローラ1410において、AE事象数を時間積算してAE事象累積数が演算される。
<ステップ205>
電池劣化診断部1420では、AE事象累積数と、電流レートと、データベース部1700に予め記憶されている電流レートに対応したAE事象累積数と電池内部抵抗変化の対応関係(図5参照)とから電池内部抵抗を取得する。
<ステップ206>
上述の電池内部抵抗が所定値以上になっている場合は、電池が劣化したと診断する。電池内部抵抗の演算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400の情報を基に、充放電状態を管理し、制御する。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池システムは、電池モジュール1200(単電池群1230、単電池1210)の電流を検出する電流検出部1100をさらに備え、電池劣化診断部1420は、AE累積パラメータであるAE事象累積数と電流レートと電池内部抵抗との対応関係(図5)を用いて、AE事象累積数と検出した電流値とにより図5の対応関係を参照して、電池内部抵抗を算出し、電池内部抵抗が所定値以上のときは、リチウムイオン二次電池が劣化していると診断する。
これによって、第1実施形態と同様に、リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断することができる。
―第3実施形態―
図8に示す対応関係と、図9に示す本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断のフロー図とを用いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断を説明する。なお、本実施形態は、AEパラメータがAE事象強度で、AE累積パラメータがAE事象累積強度となっている点以外は、第1実施形態と同様であり、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
図8は、AE事象累積強度と電池内部抵抗変化の対応関係を示す図である。横軸はAE事象累積強度、縦軸は電池内部抵抗の変化を示している。4本示されている曲線のうちの3本は、電流レート1〜3でそれぞれ充放電したときの曲線を示している。なお、電流レート1〜3において、
電流レート1 < 電流レート2 < 電流レート3
という大小関係がある。
残りの1本は、電流レート1〜3なども含む様々な電流レートが混合した一般的な使用状態を示す混合電流レートで充放電を行ったときの曲線を示している。一般的な使用状態とは、例えば、本発明による二次電池システムが車載用として用いられたとき、平均的なユーザが運転した場合に得られる曲線を示している。なお、様々な使用状態に対する内部抵抗変化を調べてデータベース化することで混合電流レートの曲線を増やすことができる。
それぞれの電流レートにおいて、AE事象累積強度が大きくなると電池内部抵抗変化も大きくなる。したがって、初期の内部抵抗に内部抵抗変化分を加算すると経年変化後の内部抵抗が算出できる。
内部抵抗が所定値以上となったときに二次電池が劣化したと定義し、AE事象累強度と内部抵抗変化との対応関係を予め実験やシミュレーションにより求めて、所定値以上の内部抵抗となるAE事象累積強度を閾値として記憶する。本実施形態では、電流レートに対応した閾値を算出して予めデータベース部1700に記憶されている。
以下、図9に示すフロー図を用いて、本実施形態の劣化診断について説明する。
<ステップ301>
リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。
<ステップ302>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400からの信号を受信すると、電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221の測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400に送信する。モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ303>
ステップ302で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象強度が測定される。
<ステップ304>
モジュールコントローラ1400のAEコントローラ1410において、AE事象強度を時間積算してAE事象累積強度が演算される。
<ステップ305>
ステップ304で演算されたAE事象累積強度が、電流から得られる電流レートに基づいて決定され予めデータベース部1700に記憶されている閾値以上であるか否かが電池劣化診断部1420で判定される。肯定判定されればステップ306に進み、否定判定されればステップ302に戻る。
<ステップ306>
リチウムイオン二次電池から検出されたAE事象累積強度が閾値以上となったことを示す信号を、電池劣化診断部1420が、セルコントローラ1220や、モジュールコントローラ1400に出力する。
以上より、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断することができる。
―第4実施形態―
図10に示す本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断のフロー図を用いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化診断を説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同様の箇所については説明を省略する。また、本実施形態は、AEパラメータがAE事象強度で、AE累積パラメータがAE事象累積強度となっている点以外は、第2実施形態と同様である。
<ステップ401>
リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。
<ステップ402>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400からの信号を受信すると、電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221の測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400に送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400に送信する。モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ403>
ステップ402で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象強度が測定される。
<ステップ404>
モジュールコントローラ1400のAEコントローラ1410において、AE事象強度を時間積算してAE事象累積強度が演算される。
<ステップ405>
電池劣化診断部1420では、AE事象累積強度と、電流レートと、データベース部1700に予め記憶されている電流レートに対応したAE事象累積強度と電池内部抵抗変化の対応関係(図8参照)とから電池内部抵抗を取得する。
<ステップ406>
上述の電池内部抵抗が所定値以上になっている場合は、電池が劣化したと診断する。電池内部抵抗の演算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400の情報を基に、充放電状態を管理し、制御する。
以上より、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、リチウムイオン二次電池の劣化を簡便に診断することができる。
―第5実施形態―
本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同様の箇所は説明を省略する。本実施形態におけるリチウムイオン二次電池システムは、図4に示すモジュールコントローラ1400に代えて、図11に示すモジュールコントローラ1400Aを備えている。
モジュールコントローラ1400Aは、AEコントローラ1410と電池劣化診断部1420と電流制限値演算部1430で構成される。
図12に示す本実施形態に係る電池劣化診断のフロー図を用いて、本実施形態に係る電池劣化診断について説明する。
<ステップ501>
リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。
<ステップ502>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400Aからの信号を受信すると、電圧検出回路1221は、各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400Aに送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400Aに送信する。モジュールコントローラ1400Aは、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ503>
ステップ502で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象数が測定される。
<ステップ504>
モジュールコントローラ1400AのAEコントローラ1410において、AE事象数を時間積算してAE事象累積数が演算される。
<ステップ505>
電池劣化診断部1420では、AE事象累積数と、電流レートと、データベース部1700に予め記憶されていた電流レートに対応したAE事象累積数と電池内部抵抗変化の対応関係(図5参照)とから電池内部抵抗を取得する。
<ステップ506>
上述の電池内部抵抗が所定値以上になっている場合は、電池が劣化したと診断する。電池内部抵抗の演算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400Aの情報を基に、充放電状態を管理し、制御する。
<ステップ507>
電池が劣化したと診断した場合、電流制限値演算部1430にて、AE事象累積数と電池内部抵抗変化の関係から求められた電池内部抵抗から電池電圧、温度を用いて制限電流値Imaxを演算する。
制限充電電流値をIcmax、制限放電電流値をIdmax、AE事象累積数から求められた電池内部抵抗をR1、Vmaxを単電池1210の上限電圧、Vminを単電池1210の下限電圧、OCVは単電池1210の開回路電圧である。OCVは電池電圧から内部抵抗による電圧変化分を差し引いて求める。
Icmax=(Vmax−OCV)/R1(式1)
Idmax=(OCV−Vmin)/R1(式2)
電池電圧、電流、温度、時間から内部抵抗を算出する。充放電サイクルに対する内部抵抗の増加率は、環境温度によって傾向が大きく異なる。そのため、温度変化に応じて内部抵抗の閾値である制限値は適宜設定することが望ましい。
<ステップ508>
モジュールコントローラ1400Aの電流制限値演算部1430により算出された充放電電流制限値の計算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400Aの情報を基に、AE事象累積数を超える前の充放電電流値より小さくする。
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果に加え、以下のような作用効果を奏する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池システムは、電池内部抵抗に基づいて、電池モジュール1200の制限電流値を演算する制限電流値演算部をさらに備え、その制限電流値に基づいて、電池電流を制限する。
これによって、急激な電池劣化を抑制することができ、入出力電流を適切に制御することが出来る。
―第6実施形態―
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池システムは、図4に示すモジュールコントローラ1400に代えて、図11に示すモジュールコントローラ1400Aを備えている。なお、本実施形態は、AEパラメータがAE事象強度で、AE累積パラメータがAE事象累積強度となっている点以外は、第5実施形態と同様である。本実施形態を説明するにあたり、第1及び第5実施形態と同様の箇所は説明を省略する。
図13に示す本実施形態に係る電池劣化診断のフロー図を用いて、本実施形態に係る電池劣化診断について説明する。
<ステップ601>
最初に、リチウムイオン二次電池の充放電を開始する命令をシステムコントローラ1500から充放電する電池モジュール1200に信号を送信し、充放電を開始する。
<ステップ602>
セルコントローラ1220がモジュールコントローラ1400Aからの信号を受信すると、電圧検出回路1221は各単電池1210の端子間電圧を測定する。温度検出部1222は、単電池群1230の温度を測定する。制御回路1223は、電圧検出回路1221および温度検出部1222からの測定結果を受け取り、信号入出力回路1224を介してモジュールコントローラ1400Aに送信する。電流検出部1100は電池モジュール1200の電流を測定し、モジュールコントローラ1400に送信する。モジュールコントローラ1400は、電池モジュール1200内の各単電池1200の構成に合わせた変換方法を用いて、電池モジュール1200の電流を各単電池1200の電流に変換する。
<ステップ603>
ステップ602で得られた単電池1210の電流と電池電圧に基づき、電池劣化診断部1420において単電池1210が充放電状態にあると判別されると、電池劣化診断部1420の指令に基づいて、AEセンサ1226によりAE信号が検出され、AE信号検出部1225によりAE信号からAE事象強度が測定される。
<ステップ604>
モジュールコントローラ1400AのAEコントローラ1410において、AE事象強度を時間積算してAE事象累積強度が演算される。
<ステップ605>
電池劣化診断部1420では、AE事象累積強度と、電流レートと、データベース部1700に予め記憶されていた電流レートに対応したAE事象累積強度と電池内部抵抗変化の対応関係(図8参照)とから電池内部抵抗を取得する。
<ステップ606>
上述の電池内部抵抗が所定値以上になっている場合は、電池が劣化したと診断する。電池内部抵抗の演算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400Aの情報を基に、充放電状態を管理し、制御する。
<ステップ607>
電池が劣化したと判断した場合、電流制限値演算部1430にて、AE事象累積強度と電池内部抵抗変化の関係から求められた電池内部抵抗から電池電圧、温度を用いて制限電流値Imaxを演算する。
制限充電電流値をIcmax、制限放電電流値をIdmax、AE事象累積強度から求められた電池内部抵抗をR2、Vmaxを単電池1210の上限電圧、Vminを単電池1210の下限電圧、OCVは単電池1210の開回路電圧である。OCVは電池電圧から内部抵抗による電圧変化分を差し引いて求める。
Icmax=(Vmax−OCV)/R2(式3)
Idmax=(OCV−Vmin)/R2(式4)
電池電圧、電流、温度、時間から内部抵抗を算出する。充放電サイクルに対する内部抵抗の増加率は、環境温度によって傾向が大きく異なる。そのため、温度変化に応じて内部抵抗の閾値である制限値は適宜設定することが望ましい。
<ステップ608>
モジュールコントローラ1400Aの電流制限値演算部1430により算出された充放電電流制限値の計算結果は、セルコントローラ1220やシステムコントローラ1500に送信される。システムコントローラ1500は、モジュールコントローラ1400Aの情報を基に、AE事象累積強度を超える前の充放電電流値より小さくする。
以上のように、本実施形態によれば、第5実施形態と同様に、急激な電池劣化を抑制することができ、入出力電流を適切に制御することが出来る。
以上に示した第1〜第6実施形態によれば、以下の手順(A)〜(D)でリチウムイオン二次電池の劣化診断をすることができる。
(A)AEセンサ1226が、電池モジュール1200の充電時または放電時に、単電池群1230、または、単電池1210の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出する。
(B)AE信号検出部1225が、AE信号に基づいてAEパラメータであるAE事象数、AE事象強度を取得する。
(C)AEコントローラ1410が、AEパラメータに基づいてAE累積パラメータであるAE事象累積数、AE事象累積強度を取得する。
(D)電池劣化診断部1420が、AE累積パラメータに基づいて、電池モジュール1200の劣化を診断する。内部抵抗は温度によって変化するので、温度検知部1222で測定された温度を考慮した上で、上述の劣化診断を行う。
なお、本発明は、以下に示す文献に記載の発明よりも、以下に示す点で優れている。
特開2012−251919号公報には、AE信号の振幅(AE発生強度)を充放電電流の一次関数として近似(線形近似)して、その傾きと切片からリチウムイオン二次電池のサイクル数を求めて、リチウムイオン二次電池の劣化を診断する発明が開示されている。当該発明では、サイクル数を推定できるが、電池劣化状態(SOH)を診断するに至っていない。
しかし、本発明は、AE事象数やAE事象強度というAEパラメータを累積するだけなので、簡便に電池劣化状態(SOH)を診断できる。なお、本発明では、電池劣化状態(SOH)を診断するにあたり、SOHR(内部抵抗劣化指数)を診断基準として採用している。
特開2013−187031号公報には、1充放電サイクル内において発生するAE事象数が閾値以上である場合に劣化を示す信号を出力する発明が開示されている。当該発明は、1つのAE事象からAE事象数を求めて、それを劣化の判断基準としている。1つのAE事象からAE事象数を求めることは、一時的なノイズなどで誤った測定をした場合に、大きな影響を受ける。また、当該発明は、電池劣化状態(SOH)を診断するに至っていない。
しかし、本発明は、AE事象数やAE事象強度というAEパラメータを累積して得られるAE累積パラメータ(AE事象累積数またはAE事象累積強度)を用いて電池劣化状態(SOH)を診断している。よって、誤った測定値が一部含まれても、大部分は正確な測定値であるため大きな影響を受けることはない。また、AE累積パラメータ(AE事象累積数またはAE事象累積強度)を用いることにより電池劣化状態(SOH、厳密には、SOHR)を診断することが可能である。
本発明は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(EV)などの乗用車やハイブリッド鉄道車両といった産業用車両の電源を構成する二次電池装置の二次電池制御回路に適用できる。
以上の実施形態は本発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更が可能である。
1000:電池装置
1100:電流検出部
1200:電池モジュール
1210:単電池
1220:セルコントローラ
1221:電圧検出回路
1222:温度検出部
1223:制御回路
1224:信号入出力回路
1225:AE信号検出部
1226:AEセンサ
1230:単電池群
1300:電圧検出部
1400、1400A:モジュールコントローラ
1410:AEコントローラ
1420:電池劣化診断部
1430:電流制限値演算部
1500:システムコントローラ
1600:リレー
1700:データベース部

Claims (8)

  1. リチウムイオン二次電池の充電時または放電時に、前記リチウムイオン二次電池の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出するAEセンサと、
    前記AE信号に基づいてAEパラメータを取得するAEパラメータ取得部と、
    前記AEパラメータを累積して、AE累積パラメータを取得するAE累積パラメータ取得部と、
    前記AE累積パラメータに基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化を診断する電池劣化診断部と、を備えるリチウムイオン二次電池システム。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記電池劣化診断部は、前記AE累積パラメータと所定の閾値とを比較して、前記リチウムイオン二次電池の劣化を診断するリチウムイオン二次電池システム。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記リチウムイオン二次電池の電流を検出する電流検出部をさらに備え、
    前記所定の閾値は、予め記憶された前記AE累積パラメータと前記電流と電池内部抵抗変化との対応関係により決定されるリチウムイオン二次電池システム。
  4. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記リチウムイオン二次電池の電流を検出する電流検出部をさらに備え、
    前記電池劣化診断部は、予め記憶された前記AE累積パラメータと前記電流と電池内部抵抗変化との対応関係に前記AE累積パラメータを適用して、電池内部抵抗を算出し、前記電池内部抵抗が所定値以上のときは、前記リチウムイオン二次電池が劣化していると診断するリチウムイオン二次電池システム。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記算出された電池内部抵抗に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の制限電流値を演算する制限電流値演算部をさらに備え、
    前記制限電流値に基づいて、前記電流を制限するリチウムイオン二次電池システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記AE累積パラメータは、
    前記AEパラメータがAE事象数である場合には、AE事象累積数であり、
    前記AEパラメータがAE事象強度である場合には、AE事象累積強度であるリチウムイオン二次電池システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池システムにおいて、
    前記AEセンサは、30kHz以上のAE事象を検出するリチウムイオン二次電池システム。
  8. AEセンサと、AEパラメータ取得部と、AE累積パラメータ取得部と、電池劣化診断部とを備えるリチウムイオン二次電池システムによるリチウムイオン二次電池の劣化診断方法であって、
    前記AEセンサが、リチウムイオン二次電池の充電時または放電時に、前記リチウムイオン二次電池の内部で発生したアコースティックエミッション信号(AE信号)を検出する第1手順と、
    前記AEパラメータ取得部が、前記AE信号に基づいてAEパラメータを取得する第2手順と、
    前記AE累積パラメータ取得部が、前記AEパラメータを累積してAE累積パラメータを取得する第3手順と、
    前記電池劣化診断部が、前記AE累積パラメータに基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化を診断する第4手順と、をコンピュータが実行するリチウムイオン二次電池の劣化診断方法。

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