JP2017135772A - 電動モータ制御装置および電動モータ装置 - Google Patents

電動モータ制御装置および電動モータ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いPWMキャリア周波数等の、高い出力演算の周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができるようにする。
【解決手段】与えられた目標値Iに応じて、制御演算のサイクルを所定の周期Tで繰り返し電動モータ1に印加する操作量uを決定する制御演算手段6と、決定された前記操作量uに応じて、所定の出力周期Rで前記電動モータ1に印加する出力xを更新する出力サイクルを行う出力手段7とを有する。この構成において、前記制御演算手段6によって前記操作量uが決定された時刻より後の複数回の出力周期Rにおける前記出力手段7から前記電動モータ1への出力xが、前記複数回の出力xの平均値を前記制御演算手段6により決定した操作量uに概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期Rにおける出力xを調整する操作量分解能補完手段8を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、電気自動車やハイブリッド車における走行用の電動モータ、電動式ブレーキ装置の電動モータ、または各種産業機械等に用いられる電動モータを制御する電動モータ制御装置、およびこれら電動モータ制御装置と電動モータとでなる電動モータ装置に関する。
インバータを用いた交流モータの制御技術として、PWM(パルス幅変調)がある。
PWMでは、目標値の信号である指令信号の1周期当たりのPWMパルスが少ない場合、指令信号の値に応じた電圧がインバータから出力されなくなる恐れがある。ロータ回転数が増大すると、指令信号の1周期が短くなる。そのため、PWMの周期を回転数に応じて変更する電動モータ制御装置が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特許第4450102号公報 特開2007−159367号公報
特許文献1に記載のような電動モータ制御装置において、電動モータの制御はマイコンやASIC(特定用途向け集積回路)等を用いて電圧High-Lowのデューティ比を調整するPWM制御を用いるのが一般的となっている。PWM制御では、PWMのデューティ比は所定周期のクロック数のカウントにより管理する手法が一般的である。
モータ制御系の操作量はPWMによる印加電圧であり、その分解能はPWM1周期の長さをPWM生成装置の基本動作クロックの周期で除算した値に相当する。すなわち、モータ制御系における操作量であるモータ電圧の分解能は、PWMキャリア周波数を高くするほど低下してしまう問題がある。
例えば、電動モータを高速で回転させるような場合、電気角周波数に対してPWMキャリア周波数を十分に高くする必要がある。しかしその場合、上記の通りモータ制御系の操作量の分解能が低下してしまう問題がある。
また、PWMキャリア周波数が低いほど、PWM1周期におけるモータ電流の変動量が大きくなるため、PWMキャリア周波数はモータコイルの時定数に対して十分に高く設定する必要があるが、その場合も同様にPWMキャリア周波数を高くするほど操作量の分解能が低下する問題がある。
なお、「PWMキャリア周波数」は、PWMを行うためのデューティ比を決定する上で比較値として用いるタイマないしカウンタの動作周期であり、その周期がPWMの出力周期となる。
また、上記のキャリア周波数を高くするほど操作量の分解能が低下する問題は、PWMに限らず、この他にPAMなど、連続レベル変調によるパルス変調等を行う場合に一般に生じる。
この発明の目的は、高い出力演算の周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができるようにすることである。
この発明の他の目的は、高いPWMキャリア周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることである。
この発明の電動モータ制御装置は、電動モータ1を制御する電動モータ制御装置2において、
与えられた目標値Iに応じて、制御演算のサイクルを所定の周期Tで繰り返し前記電動モータ1に印加する操作量uを決定する制御演算手段6と、
この制御演算手段6で決定された前記操作量uに応じて、所定の出力周期Rで前記電動モータ1に印加する出力xを更新する出力サイクルを行う出力手段7とを有し、
前記制御演算手段6の前記制御演算の周期Tは、少なくとも前記出力手段7の前記出力周期Rよりも長い周期であり、前記制御演算手段6は、前記決定する操作量uとして、前記出力周期Rにおける出力分解能よりも高い分解能を有する操作量uを決定し、
前記制御演算手段6によって前記操作量uが決定された時刻より後の複数回の出力周期Rにおける前記出力手段7から前記電動モータ1への出力xが、前記複数回の出力xの平均値を前記制御演算手段6により決定した操作量uに概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期Rにおける出力xを調整する操作量分解能補完手段8を有することを特徴とする。
この構成によると、前記制御演算手段6の前記制御演算の周期Tは、少なくとも前記出力手段7の前記出力周期Rよりも長い周期であり、かつ操作量分解能補完手段8により、出力手段7の複数回の出力xの平均値が前記制御演算手段6により決定された操作量uに概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期Rにおける出力xを調整するため、高い出力演算の周波数における操作量uの分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
この発明において、前記出力手段7が出す前記出力xは、出力形式が、HighおよびLow の電圧のパルス出力であり、大きさが、前記所定の出力周期RにおけるHighおよびLow のパルス幅の比率(すなわちデューティ比)によって決定されるようにしても良い。換言すれば、出力手段7はPWMを行い、かつ出力xを電圧とする構成であっても良い。
この構成の場合、PWM周期のn倍(n:正の整数)の制御周期Tにおいて求めた操作量uを、PWMのn周期におけるデューティ比に設定し、前記n周期内のデューティ比の平均値が前記操作量に相当するよう、PWMデューティ比を設定する。
そのため、高いPWMキャリア周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。また、出力手段7がPWMを行うものであると、一般的な技術を応用してこの発明を適用することができる。
なお、この発明において、前記出力手段7は、例えばPAMなど、PWM以外の連続レベル変調によるパルス変調を行う手段であっても良い。
この発明において、前記操作量分解能補完手段8は、前記制御演算手段6による前記制御演算のサイクルにおいて決定された前記操作量u以上でかつ最も近い出力と、前記操作量u以下でかつ最も近い出力uとの、複数回の出力の比率を調整する構成であっても良い。(以下、「操作量以上以下の最も近い出力で調整する構成」と称する場合がある。)
このようにして複数のPWM周期におけるデューティ比の平均値を操作量uとすることで、高いPWMキャリア周波数における操作量uの分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
前述の操作量以上以下の最も近い出力で調整する構成の場合に、前記操作量分解能補完手段8が、前記出力手段7により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量u以上でかつ最も近い出力と、前記操作量u以下でかつ最も近い出力とのうち、何れか一方が、前記複数回(n回:nは正の整数)の出力サイクルのうち概ねn/2回目の出力サイクル近傍に出力され、もう一方が前記複数回の出力サイクルのうち開始近傍および終了近傍の両端時刻に出力されるようにする構成であっても良い。(実施形態に対応する図3(b)参照)
この構成の場合、所定の出力サイクルにおいて、少なくとも1/2回の出力サイクルを経れば、比率によらず平均出力は概ね安定する。
前述の操作量以上以下の最も近い出力で調整する構成の場合に、前記操作量分解能補完手段8が、前記出力手段7により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量以上でかつ最も近い出力と、前記操作量以下でかつ最も近い出力とを、何れか一方の出力回数が前記制御演算サイクルにて決定された所定の操作量に基づく規定値に達するまで交互に出力され、前記何れか一方の出力回数が規定値に達した後はもう一方の出力前記複数回の出力サイクルが完了するまで継続して出力されるようにする構成であっても良い。(実施形態に対応する図3(c)参照)
この構成の場合、所定の複数出力サイクル間における出力パターンを決定する演算負荷は最も高くなるものの、出力サイクル間における平均値は最も安定する。
この発明において、前記出力手段7が、前記電動モータ1の角速度または角速度に相当し得る所定値に基づいて前記出力サイクルの前記出力周期を変更する可変周期PWM機能を有し、この可変周期PWM機能によるPWM周期が所定値より短くなった条件において、前記操作量分解能補完手段8が実行するようにしても良い。
前記「角速度に相当し得る所定値」は、モータ端子の電流や電圧からセンサレスで推定される角速度、あるいはそのモータ端子の電流や電圧等を言う。
この発明の電動モータ装置は、電動モータ1と、この電動モータ1を制御するこの発明の上記いずれかの構成の電動モータ制御装置2とを備える。
この構成の電動モータ装置によると、高い出力演算の周波数における操作量uの分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
特に、前記電動モータ制御装置2の前記出力手段がPWMを行う手段である場合は、高いPWMキャリア周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
この発明の電動モータ制御装置は、電動モータを制御する電動モータ制御装置において、与えられた目標値に応じて、制御演算のサイクルを所定の周期で繰り返し前記電動モータに印加する操作量を決定する制御演算手段と、この制御演算手段で決定された前記操作量に応じて、所定の出力周期で前記電動モータに印加する出力を更新する出力サイクルを行う出力手段とを有し、前記制御演算手段の前記制御演算の周期は、少なくとも前記出力手段の前記出力周期よりも長い周期であり、前記制御演算手段は、前記決定する操作量として、前記出力周期における出力分解能よりも高い分解能を有する操作量を決定し、前記制御演算手段によって前記操作量が決定された時刻より後の複数回の出力周期における前記出力手段から前記電動モータへの出力が、前記複数回の出力の平均値を前記制御演算手段により決定した操作量に概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期における出力を調整する操作量分解能補完手段を有するため、高い出力演算の周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
特に、前記出力手段がPWMを行う手段である場合は、高いPWMキャリア周波数における操作量の分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
この発明の一実施形態に係る電動モータ制御装置の概念構成を示すブロック図である PWM波形生成の一例における分解能の概念につき示す波形図である。 同電動モータ制御装置における操作量分解能補完手段の機能を示す波形図である。 同操作量分解能補完手段の処理の流れを示すフロー図である。
この発明の一実施形態を図1〜図4と共に説明する。図1は、電動モータ装置の一例である。この電動モータ装置は、電動モータ1と、前記電動モータ1のトルクを制御する電動モータ制御装置2とを備え、その他、この電動モータ装置を搭載した車両における指令値を入力する車両操作手段3と、電源装置4とを備える。
電動モータ1は、限られた搭載スペースにおいて大トルク・高出力を可能とする永久磁石と励磁コイルを備えるブラシレスDCモータを用いると好適と考えられる。特に、リラクタンストルクとマグネットトルクを併用して高出力化が可能となる埋込磁石式(IPM)ロータが好適と考えられるが、表面磁石式(SPM)ロータを用いても良い。その他、誘導モータ等を用いても良い。
電動モータ制御装置2は、要求トルク等の要求値からモータの目標電流を決定し目標値として出力するモータ電流決定手段5と、目標電流となるようにモータ電流を制御する制御演算手段6と、制御演算手段6の制御周期Tより高速に動作可能な電圧出力手段等の出力手段7と、前記制御演算手段7により決定された操作量uに応じて前記出力手段7の出力電圧を調整する操作量分解能補完手段8と、モータコイルに電力を供給するモータドライバ9と、モータ電流を推定する電流推定手段10と、モータの回転角を推定する角度推定手段11とを備える。
モータ電流決定手段5は、例えば要求されるモータトルクと現在のモータ角速度から所定の電流振幅および位相、ないしd軸q軸電流を所定のテーブル(図示せず)より参照する手法を用いても良い。
制御演算手段6は、与えられた目標値Iに応じて、制御演算のサイクルを所定の周期Tで繰り返し前記電動モータ1に印加する操作量uを決定する手段である。この実施形態では制御演算手段6は、前述のように目標値Iが目標電流であって電流制御手段として機能し、モータ電流および角速度の検出値と、この検出値と目標値との偏差を基に電動モータ1の印加電圧を決定するフィードバック制御を行う。モータ電流および角速度の検出値には、前記電流推定手段10および角度推定手段11の推定値を用いる。制御演算手段6は、この他に、例えば電動モータ1のモデルを基に電動モータ1の印加電圧を決定するフィードフォワード制御でも良く、またファジィ制御等の経験則手法等を用いても良く、または前記各手法を適宜併用した制御形式であっても良い。
出力手段7は、前記制御演算手段6で決定された前記操作量uに応じて、所定の出力周期Rで前記電動モータ1に印加する出力を更新する出力サイクルを行う手段であり、前述のように制御演算手段6の制御周期Tより高速に動作可能である。すなわち、前記制御演算手段6の前記制御演算の周期Tは、少なくとも前記出力手段7の前記出力周期Rよりも長い周期であり、前記制御演算手段6は、前記決定する操作量uとして、前記出力周期Rにおける出力分解能よりも高い分解能を有する操作量uを決定する。
出力手段7は、例えば、後述のモータドライバ9のスイッチング時間を管理する基準クロックおよびタイマ等を有する演算および出力回路により構成され、この構成とすることで、安価でかつ高精度となり好適と考えられる。この場合に、出力手段7は、モータコイル端子(図示せず)のそれぞれのスイッチング時間を調整するPWM(パルス幅変調)制御器としてもよい。もしくは、モータコイル端子のスイッチングは電気角位相に応じた相切替のみとして、モータ駆動電源の電圧を昇圧/ 降圧回路のスイッチングにより調整するPAM(パルス振幅変調)制御器としても良い。
操作量分解能補完手段8は、前記制御演算手段6によって前記操作量uが決定された時刻より後の複数回の出力周期における前記出力手段7から前記電動モータ1への出力が、前記複数回の出力の平均値が前記制御演算手段6により決定された操作量uに概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期における出力を調整する。
具体的には、操作量分解能補完手段8は、例えば制御演算手段6の制御演算1サイクル時間Tに対して出力n(nは正の整数)サイクルを更新できる出力手段7において、制御演算手段6で演算された操作量u(k)に対して電圧出力手段の出力値u(k) …u(k) の平均値が概ね等しくなるよう調整する手段とされる。
モータドライバ9は、例えばIGBTやFET等の半導体スイッチング素子(以下、スイッチ素子と称する)で構成したハーフブリッジ回路等で構成され、これにより簡潔な構成となり好適と考えられる。加えて、これらスイッチ素子を高速で駆動するためのプリドライバ(図示せず)を設けても良い。また、前記出力手段7がPAM制御器である場合、可変電圧手段(図示せず)が別途設けられる。
電流推定手段10は、例えば図示するようにモータドライバ9から電動モータ1までの送電経路に設けた電流センサであっても良く、また電動モータ1の内部のバスバー等に設けた電流センサであっても良い。また、その他、電源装置4からモータドライバ9までの送電経路に電流センサ(図示せず)を設け、モータ角度や印加電圧等を用いて推定する構成であっても良い。電流推定手段10に用いる電流センサは、例えば電流による磁界を検出する磁界検出式、シャント抵抗、またはIGBT等の両端の電圧を測定する電圧測定式を用いても良い。
角度推定手段11は、レゾルバやエンコーダ等の、電動モータ1のロータの角度を直接検出する角度センサであっても良く、また電動モータ1の端子の電圧や電流からセンサレスで推定する手法を用いた手段であっても良い。
車両操作手段3は、例えば四輪自動車におけるアクセルペダルに該当し、運転者が操作する手段である。この場合に、アクセルペダルの操作量uをモータトルク指令とすると現行の四輪自動車の形態に該当するが、例えば車両の加速度指令や速度指令を生成する構成としてもよく、それらを制御する制御器を別途設けた構成であっても良い。車両操作手段3とモータ電流決定手段5との間には、ECUのトルク分配手段(図示せず)が介在しても良い。また、車両操作手段3は、自動運転装置における要求トルクを出力する手段であっても良い。
電源装置4は、例えばEV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)における高圧のバッテリに該当する。詳しくは、電源装置4は、電動モータ1を駆動する高電圧電源装置4aと、電動モータ制御装置2等の制御装置やセンサを動作させる低電圧電源装置4bとを設ける構成が一般的である。高電圧電源装置4aは、前記バッテリ、低電圧電源装置4bは、前記バッテリの電圧を低下させるDC−DCコンバータや12Vバッテリを用いることもできる。或いは図示する構成の他に、電動モータ制御装置2にDC−DCコンバータを設け、高圧バッテリのみと接続する構成としても良い。
なお、この実施形態において、その他の機能達成手段を必要に応じて別途設けても良い。
ここで、上記構成の動作の説明の前に、PWM制御における分解能につき説明する。
図2は、PWMの波形生成の一例における分解能の概念について示す。
同図(a)は、PWM波生成の一例と、その際の分解能の概念図を示す。規範クロック(以下、単にクロックと称す場合がある)の1クロック(周期t)ごとに、0からxまで1ずつカウントアップ・カウントダウンするカウンタ(図示せず)に対し、所定の比較値xとの大小関係に応じて、同図(a)の下側の図に示すPWM出力を反転させる。この時、このPWM出力で調整可能な電圧値はV/x(V:スイッチ素子に作用する電圧) となるため、PWMキャリア周期TであるPWM1周期における上限カウンタ値xが、操作量分解能と等しくなる。
同図(b)は、PWM周期長と分解能との相関の概念図を示す。規範クロック周期tはクロック発生用の素子や発熱の定格に基づいて一意に決定されている。そのため、PWM周期Rを、同図に示すようにR1からR2と短くすると、それに比例してカウンタ上限値もx/2と減少する。このため、同図(a)に示す概念に基づいて分解能が低下する。
次に、この実施形態における図1の操作量分解能補完手段8の機能の具体例を説明する。図3は、操作量分解能補完手段8の波形例を示す。
(a) 図は、電動モータ1が静止している状況下でのモータドライバ9中の所定のスイッチ素子における具体例として、制御演算装置6の行う1制御演算サイクル中に、出力手段7が行う5つの出力サイクルを有し、High時間が500.6クロックの操作量を生成する例を示す。
通常の場合、規範クロックに対して小数点は出力できないため、500または501となるPWM信号を出力することとなる。対して、この実施形態においては、図中に示すように5つの出力サイクルにおける平均値が所望のクロック数(500.6)になるように、所望のクロック数の小数点以下を切り捨てた値(500)、および所望のクロック数の少数点以下を切り上げた値(501)を所定の割合で変化させることで、小数点以下の操作量を等価的に出力する。
なお、この実施形態における数値はあくまで一例であり、実際には制御サイクルに対する出力サイクルの比率、クロック数、その他条件は構成素子のスペック等に合わせて適宜決められるものとする。
(b)、(c)、(d)図は、平均値を所望の値とするPWM波形を作り出す例を示す。x、xは、それぞれ所望のデューティ比となるパルス波形を作り出すための(a)図における比較値xの値を示し、所定の出力サイクル間で前記x,xの比率を調整する。
(b)図は、所定の2値の出力比率に基づいて、一方の値を所定の出力サイクル間における中央部近傍、もう一方を開始および終了部近傍に出力する例を示す。
すなわち、前記操作量分解能補完手段8が、前記出力手段7により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量u以上でかつ最も近い出力と、前記操作量u以下でかつ最も近い出力とのうち、何れか一方が、前記複数回(n回:nは任意の自然数)の出力サイクルのうち概ねn/2回目の出力サイクル近傍に出力され、もう一方が前記複数回の出力サイクルのうち開始近傍および終了近傍の両端時刻に出力されるようにする。
この構成の場合、所定の出力サイクルにおいて、少なくとも1/2回の出力サイクルを経れば、比率によらず平均出力は概ね安定することが特徴となる。
(c)図は、所定の出力比率に基づいて、2値を交互に出力する例を示す。
すなわち、前記操作量分解能補完手段8が、前記出力手段7により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量以上でかつ最も近い出力と、前記操作量以下でかつ最も近い出力とを、何れか一方の出力回数が前記制御演算サイクルにて決定された所定の操作量に基づく規定値に達するまで交互に出力され、前記何れか一方の出力回数が規定値に達した後はもう一方の出力前記複数回の出力サイクルが完了するまで継続して出力されるようにする。
この構成の場合、所定の複数出力サイクル間における出力パターンを決定する演算負荷は最も高くなるものの、出力サイクル間における平均値は最も安定することが特徴となる。
(d)図は、まず一方を所定出力回数を満足するまで出力し、もう一方を残りの出力サイクルにおいて出力する例を示す。演算負荷は最も軽減される一方、平均値は最もばらつくことが特徴となる。
その他、出力するパターンは上記に関わらず適宜決定されて良い。
(e)図は、実際に電動モータ1を回転させる際の所定のスイッチ素子におけるPWM波形(PWM信号の波形)の例を示す。(a)図に示した操作量分解能補完によるパルス幅変動と、従来技術である電動モータの回転に同期して疑似サイン波等の等価交流波形を生成するパルス幅変動が重畳した波形となる。
図4は、図1の操作量分解能補完手段8が実行するフローの一例を示す。
まず、演算制御演算6における操作量uに基づくPWM設定値x(i:正の整数)を決定する(ステップS1)。
ついで、平均値がxに最も近くなるn(n:正の整数)回分のPWM設定値xIu…xnuを決定する(ステップS2)。
変数iがnを超えるか否かを判定し(ステップS4)、超えない場合は、PWM設定値xiuでPWM出力を行い(ステップS6)、iを1だけインクリメントして(ステップS5)、再度、変数iがnを超えるか否かを判定する(ステップS4)。このステップS44、S6、S5を、変数iがnを超えるまで繰り返す。
このように、PWM周期のn倍の制御周期Tにおいて求めた操作量uを、PWMのn周期におけるデューティ比に設定し、前記n周期内のデューティ比の平均値が前記操作量uに相当するよう、PWMデューティ比を設定する。
このようにして複数のPWM周期におけるデューティ比の平均値を操作量uとすることで、高いPWMキャリア周波数における操作量uの分解能を高くし、制御精度を向上させることができる。
なお、前記各実施形態において、前記出力手段7が、前記電動モータ1の角速度または角速度に相当し得る所定値に基づいて前記出力サイクルの前記出力周期Rを変更する可変周期PWM機能を有し、前記操作量分解能補完手段8は前記出力手段7の可変周期PWM機能によるPWM周期が所定値より短くなった条件においてが実行する構成としても良い。 前記電動モータ1の角速度または角速度に相当し得る所定値は、例えば前述のように角速度をセンサレスで推定するモータ端子電圧や端子電流等である。
なお、上記各実施形態は、電気自動車の走行用の電動モータ1を制御する場合につき説明したが、この発明は、その他の各種用途の電動モータ1の制御に適用することができる。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電動モータ
2…電動モータ制御装置
3…車両操作手段
4…電源装置
5…モータ電流決定手段
6…制御演算手段
7…出力手段
8…操作量分解能補完手段
9…モータドライバ
10…電流推定手段
11…角度推定手段

Claims (7)

  1. 電動モータを制御する電動モータ制御装置において、
    与えられた目標値に応じて、制御演算のサイクルを所定の周期で繰り返し前記電動モータに印加する操作量を決定する制御演算手段と、
    この制御演算手段で決定された前記操作量に応じて、所定の出力周期で前記電動モータに印加する出力を更新する出力サイクルを行う出力手段とを有し、
    前記制御演算手段の前記制御演算の周期は、少なくとも前記出力手段の前記出力周期よりも長い周期であり、前記制御演算手段は、前記決定する操作量として、前記出力周期における出力分解能よりも高い分解能を有する操作量を決定し、
    前記制御演算手段によって前記操作量が決定された時刻より後の複数回の出力周期における前記出力手段から前記電動モータへの出力が、前記複数回の出力の平均値を記制御演算手段により決定した作量に概ね等しくなるように、前記複数回の出力周期における出力を調整する操作量分解能補完手段を有することを特徴とする電動モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータ制御装置において、前記出力手段が出す前記出力は、出力形式が、HighおよびLow の電圧のパルス出力であり、大きさが、前記所定の出力周期におけるHighおよびLow のパルス幅の比率によって決定される電動モータ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動モータ制御装置において、前記操作量分解能補完手段は、前記制御演算手段による前記制御演算のサイクルにおいて決定された前記操作量以上でかつ最も近い出力と、前記操作量以下でかつ最も近い出力との、複数回の出力の比率を調整する電動モータ制御装置。
  4. 請求項3に記載の電動モータ制御装置において、前記操作量分解能補完手段が、前記出力手段により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量以上でかつ最も近い出力と、前記操作量以下でかつ最も近い出力とのうち、何れか一方が、前記複数回(n回:nは正の整数)サイクルのうち概ねn/2回目の出力サイクル近傍に出力され、もう一方が前記複数回の出力サイクルのうち開始近傍および終了近傍の両端時刻に出力されるようにする機能を有する電動モータ制御装置。
  5. 請求項3に記載の電動モータ制御装置において、前記操作量分解能補完手段が、前記出力手段により、前記複数回の出力サイクルにおいて、前記操作量以上でかつ最も近い出力と、前記操作量以下でかつ最も近い出力とを、何れか一方の出力回数が前記制御演算サイクルにて決定された所定の操作量に基づく規定値に達するまで交互に出力され、前記何れか一方の出力回数が規定値に達した後はもう一方の出力前記複数回の出力サイクルが完了するまで継続して出力されるようにする機能を有する電動モータ制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電動モータ制御装置において、前記出力手段が、前記電動モータの角速度または角速度に相当し得る所定値に基づいて前記出力サイクルの前記出力周期を変更する可変周期PWM機能を有し、この可変周期PWM機能によるPWM周期が所定値より短くなった条件において、前記操作量分解能補完手段が実行する電動モータ制御装置。
  7. 電動モータと、この電動モータを制御する請求項1ないし請求項6の何れかに記載の電動モータ制御装置とを備えた電動モータ装置。
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