JP2017135688A - 圧電振動子と圧電ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】音叉型圧電振動子と、その音叉型圧電振動子と蓋とケースとを備えて構成される圧電ユニットとを提供する。【解決手段】基部部分30と、その基部部分に接続された音叉腕10、20と、枠部分とを備えて構成される音叉型圧電振動子100である。各音叉腕10、20の第1振動部11、21は第1幅Wと第1長さLを備え、第2振動部13、23は第1幅Wより大きい第2幅Weと第2長さLeを備える。前記枠部分は第1枠部分1と第2枠部分2とを備え、第1枠部分1は第3枠部分3と第4枠部分4を介して第2枠部分2に接続され、第1枠部分1から第4枠部分4の外側側面の長さの和が第1長さ寸法Loで定義され、かつ、第1枠部分1から第4枠部分4の内側側面の長さの和が第2長さ寸法Liで定義される時、第1長さ寸法Loは2.4mmより大きくて5mmより小さく、第2長さ寸法Liは1.6mmより大きくて4.4mmより小さい。【選択図】図1
Description
本発明は音叉型の圧電振動子(音叉型圧電振動子)と、その音叉型圧電振動子とケースと蓋とを備えて構成される圧電ユニットと、その圧電ユニットを備える圧電発振回路を備えた圧電発振器とその圧電発振器を備えた電子機器とそれらの製造方法に関する。
例えば、特許文献1の段落0035には、基部側から先端部の約半分の位置に第1幅Wfが、その第1幅より広い第2幅Wsが音叉腕の自由端である先端部から腕の長さの約半分の位置に形成されていることが記載されている。この形状で、かつ、従来のケースの内部の固定部に固定した方法では、基本波モード振動の発振周波数が、例えば約32.768kHzで、その周波数での等価直列抵抗R1の増加を抑え、かつ、ある程度の小型化(例えば、全長が2mm程度の水晶ユニット)を図ることができるが、全長が1.5mmより小さいより小型化された水晶ユニットを実現するには、音叉形状の屈曲水晶振動子のWsf=Ws/Wfをかなり大きく、かつ、Wfをかなり小さくする必要がある。しかし、Wsf=Ws/Wfをかなり大きく、かつ、Wfをかなり小さくすると等価直列抵抗R1が全長2mmの水晶ユニットの等価直列抵抗の2倍以上と極めて大きな等価直列抵抗となると共に、バラツキも大きくなり、等価直列抵抗R1の増加を抑制した音叉腕のより短い超小型の音叉型屈曲水晶振動子を実現ことは極めて困難であった。同時に、音叉型圧電振動子の長さを短く小型化すると等価インダクタンスL1が大きくなり、その振動子で発振器を構成し、その発振器の電源をオンにしたときに、その発振器の出力信号の立ち上がり時間(L1に比例する)、いわゆる起動時間が長くなるという課題が残されていた。
特開2003−436310
このようなことから、等価直列抵抗R1の増加を抑制し、かつ、等価インダクタンスL1の小さい音叉腕のより短い超小型の音叉型圧電振動子を実現するには、新形状の音叉型圧電振動子と、その音叉型圧電振動子と蓋とケースとを備えて構成される圧電ユニットと、その圧電ユニットと増幅器とコンデンサと抵抗とを備えて構成される圧電発振器と、その圧電発振器を備えた電子機器と、それらの製造方法が所望されていた。
本発明は、以下の方法で従来の課題を有利に解決した逆相の屈曲モードで振動する、超小型の音叉型圧電振動子と、その音叉型圧電振動子と蓋とケースとを備えて構成される圧電ユニットと、その圧電ユニットと増幅器とコンデンサと抵抗とを備えて構成される圧電発振器と、その圧電発振器を備えた電子機器と、それらの製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明の圧電振動子の第1の態様は、基部部分と、その基部部分に接続された第1音叉腕と第2音叉腕と、枠とを備えて構成される音叉型圧電振動子で、第1音叉腕と第2音叉腕の各音叉腕は少なくとも第1振動部と第2振動部とを備えて構成され、第1振動部は第1幅と第1長さを備え、第2振動部は第1幅より大きい第2幅と第1長さより小さい第2長さを備え、第1振動部の上面と下面の少なくとも一面に溝が形成され、前記枠は少なくとも第1枠部分と第2枠部分と第3枠部分と第4枠部分とを備えて構成され、第1枠部分と第2枠部分は第1音叉腕と第2音叉腕の外側に第1音叉腕と第2音叉腕と共通の方向に延在して形成され、第1枠部分は第3枠部分と第4枠部分を介して第2枠部分に接続され、前記基部部分は接続部分を介して第3枠部分に接続され、第1枠部分から第4枠部分の外側側面の長さがそれぞれa,b,c,dで与えられ、その和が第1長さ寸法Loで定義され、かつ、Lo=a+b+c+dで与えられ、第1枠部分から第4枠部分の内側側面の長さがそれぞれA,B,C,Dで与えられ、その和が第2長さ寸法Liで定義され、かつ、Li=A+B+C+Dで与えられるとき、第1長さ寸法Loは2.4mmより大きく、かつ、5mmより小さく、第2長さ寸法Liは1.6mmより大きく、かつ、4.4mmより小さい圧電振動子である。
本発明の圧電振動子の第2の態様は、第1の態様において、第4枠部分は第1音叉腕と第2音叉腕と異なる方向に延在し、かつ、第3枠部分と共通の方向に延在し、第4枠部分の幅F4が第1音叉腕の第2振動部分と第2音叉腕の第2振動部分の間の間隔W3と異なる圧電振動子である。
本発明の圧電振動子の第2の態様は、第1の態様において、第4枠部分は第1音叉腕と第2音叉腕と異なる方向に延在し、かつ、第3枠部分と共通の方向に延在し、第4枠部分の幅F4が第1音叉腕の第2振動部分と第2音叉腕の第2振動部分の間の間隔W3と異なる圧電振動子である。
本発明の圧電ユニットの第1の熊様は、第1の態様に記載の圧電振動子あるいは第2の態様に記載の圧電振動子とケースと蓋とを備えて構成される圧電ユニットで、ケースと蓋の各々は少なくとも第1固定部から第4固定部を備えていて、第1枠部分がケースの第1固定部と蓋の第1固定部の間にあるように、第1枠部分はケースの第1固定部と蓋の第1固定部に固定され、第2枠部分がケースの第2固定部と蓋の第2固定部の間にあるように、第2枠部分はケースの第2固定部と蓋の第2固定部に固定され、第3枠部分がケースの第3固定部と蓋の第3固定部の間にあるように、第3枠部分はケースの第3固定部と蓋の第3固定部に固定され、かつ、第4枠部分がケースの第4固定部と蓋の第4固定部の間にあるように、第4枠部分はケースの第4固定部と蓋の第4固定部に固定されている圧電ユニットである。
本発明の圧電ユニットの第2の態様は、第1の態様において、第1音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔と第2音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔がそれぞれ間隔L3で定義されるとき、第4枠部分の幅F4が間隔L3より大きい圧電ユニットである。
本発明の圧電ユニットの第2の態様は、第1の態様において、第1音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔と第2音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔がそれぞれ間隔L3で定義されるとき、第4枠部分の幅F4が間隔L3より大きい圧電ユニットである。
音叉型圧電振動子は音叉腕と基部部分と枠とを少なくとも備え、かつ、それらは一体に形成されると共に、枠をケースと蓋に挟むように、枠がケースと蓋の固定部に固定されるので、小さい等価インダクタンスL1を備えた音叉型圧電振動子が得られ、音叉型圧電振動子とケースと蓋とを備えて構成される超小型の圧電ユニットが実現できる。その結果、その音叉型圧電振動子を備えた圧電ユニットの長さ寸法が1.5mmより小さい超小型の圧電ユニットが高品質で実現できる。この寸法は本発明によって初めてもたらされるものでありその作用効果は極めて大きなものである。
加えて、音叉型圧電振動子の等価インダクタンスL1が小さくなるので、本振動子を用いて構成される発振器の電源をオンにしたとき、その発振器の出力信号の起動時間が短くなるという作用効果が奏される。
さらに、等価直列抵抗R1が小さく、かつ、等価インダクタンスの小さい音叉型圧電振動子を備えた超小型の圧電ユニットと、増幅器と、コンデンサと抵抗とを備えて圧電発振器は構成されるので、超小型の圧電発振器でありながら消費電流(R1に大略比例する)が従来のものと遜色ないという優れた作用効果がもたらされる。加えて、その圧電発振器を備えて構成される電子機器は電子機器の設計において自由度が増し、より多くの情報を備えた電子機器が実現できるという作用効果が奏される。
以下、本発明の実施の形態に係わる圧電振動子と圧電ユニットを図面に基づき具体的に述べる。
図1は本発明の実施1の形態に係わる逆相の屈曲モードで振動する音叉型圧電振動子100の平面図を示す。図1では、音叉腕に配置される電極と、基部部分に配置される電極とフレームに配置される電極は省略されている。音叉型圧電振動子100は基部部分30と、その基部部分30に接続された音叉腕10と音叉腕20と、基部部分30に接続された接続部分40と、その接続部分40に接続された第3枠部分3と、その第3枠部分3に接続された第1枠部分1と第2枠部分2と、その第1枠部分1と第2枠部分2に接続された第4枠部分4とを備えて構成される。それ故、枠は第1枠部分から第4枠部分で構成されている。
すなわち、基部部分30は接続部分40を介して第3枠部分3に接続されている。さらに、音叉腕10は第1振動部11と第2振動部13とを少なくとも備えている。第1振動部11は第1幅Wと第1長さLとを少なくとも備え、第2振動部13は第1幅Wより大きい第2幅Weと第1長さLより小さい第2長さLeとを少なくとも備えている。加えて、第1振動部11の上面に溝12が、下面に溝32(図示されていない)が形成されている。同様に、音叉腕20は第1振動部21と第2振動部23とを少なくとも備えている。第1振動部21は第1幅Wと第1長さLとを少なくとも備え、第2振動部23は第1幅Wより大きい第2幅Weと第1長さLより小さい第2長さLeとを少なくとも備えている。加えて、第1振動部21の上面に溝22が、下面に溝42(図示されていない)が形成されている。
詳述するならば、音叉腕10、20の各音叉腕は第1振動部と第2振動部を備え、第1振動部は第1幅Wと第1長さLとを有し、第1振動部の第1長さLは第2振動部の第2長さLeより大きく、第1振動部の第1幅Wは第2振動部の第2幅Weより小さくなる寸法を有し、第1振動部の第1幅Wは0.03mmより大きく、かつ、0.05mmより小さく、好ましくは、0.035mmから0.048mmの範囲内にある。また、第1振動部の第1長さLは0.3mmから0.75mmの範囲内にあり、好ましくは、0.32mmから0.72mmの範囲内にある。さらに、第2振動部の第2幅Weと第2長さLeとの間には、We<LeあるいはWe=Leの関係があり、第2幅Weは0.12mmから0.26mmの範囲内に、第2長さLeは0.15mmより大きく、かつ、0.5mmより小さい、好ましくは、0.17mmから0.38mmの範囲内にある。
また、第1枠部分1と音叉腕20の第1振動部分21との間の間隔をW5(図示されていない)で定義され、第2枠部分2と音叉腕10の第1振動部分11との間の間隔をW6(図示されていない)で定義されるとき、We>W5、W6の関係を備え、間隔W5と間隔W6の各々は0.02mmから0.18mmの範囲内にあり、好ましくは、0.03mmから0.16mmの範囲内にある。さらに、間隔W3と間隔W5と間隔W6との間には、W3<W5、W6の関係があり、間隔W3は0.015mmから0.07mmの範囲内にある。
加えて、音叉腕10の第1振動部11と音叉腕20の第1振動部21の間にある間隔をW7(図示されていない)で定義されると、音叉腕10、20の各音叉腕の第2振動部の第2幅Weと間隔W7との間には、We=W7あるいはWe≠W7の関係を備える。すなわち、We>W7あるいはWe<W7.また、間隔W7と間隔W5と間隔W6との間には、W7>W5、W6の関係を備えている。さらに、基部部分30は幅W2と長さL2を、接続部分40は幅W1と長さL1を有している。加えて、第1枠部分1は外側の寸法aと内側の寸法Aと幅F1を、第2枠部分2は外側の寸法bと内側の寸法Bと幅F2を、第3枠部分3は外側の寸法cと内側の寸法Cと幅F3を、そして、第4枠部分4は外側の寸法dと内側の寸法Dと幅F4を有している。
さらに、音叉腕10の第2振動部13と音叉腕20の第2振動部23の間の間隔W3で、音叉腕10の第2振動部13と第2枠部分2の間の間隔W4で与えられる。同様に、音叉腕20の第2振動部23と第1枠部分1の間も間隔W4で与えられる。加えて、第4枠部分4と音叉腕10の第2振動部13との間の間隔L3で、同様に、第4枠部分4と音叉腕20の第2振動部23との間も間隔L3で与えられる。すなわち、間隔L3は音叉腕10の先端部と第4枠部分4の間隔で、かつ、音叉腕20の先端部と第4枠部分4の間隔でもある。さらに、基部部分30と第1枠部分1との間の間隔がW8(図示されていない)で与えられ、基部部分30と第2枠部分2との間の間隔がW9(図示されていない)で与えられる。
さらに詳述するならば、間隔W4はW4=W3またはW4≠W3の関係を備え、すなわち、W4>W3またはW4<W3の関係を備え、間隔W4は0.01mmより大きく、かつ、0.2mmより小さく、好ましくは、0.012mmから0.18mmの範囲内に、より好ましくは、0.025mmから0.1mmの範囲内にある。さらに、間隔L3はL3=W4またはL3≠W4の関係を備え、すなわち、L3>W4またはL3<W4の関係を備え、L3は0.01mmより大きく、かつ、0.2mmより小さく、好ましくは、0.015mmから0.18mmの範囲内にあり、より好ましくは、0.025mmから0.1mmの範囲内にある。また、W3、W4<W8、W9の関係を備えている。
さらに、基部部分30の長さL2は間隔L3より大きく、または等しく、すなわち、L2>L3またはL2=L3の関係を有し、また、接続部分40の長さL1と間隔L3は等しいか、または異なる寸法を有する。換言するならば、L1=L3またはL1≠L3、すなわち、L1>L3またはL1<L3の関係を有する。加えて、音叉腕10の第2振動部13の幅Weは音叉腕10の第1振動部11と第2枠部分2の間の間隔より大きく、かつ、音叉腕20の第2振動部23の幅Weは音叉腕20の第1振動部21と第1枠部分1の間の間隔より大きい。さらに、L2<L3の関係を備えていても良い。
また、音叉腕10と音叉腕20の各音叉腕の第1振動部の幅Wと長さLの比(W/L)は0.098より大きく、好ましくは、0.0981から0.11の範囲内にある。あるいは、比(W/L)は0.097より小さく、好ましくは、0.088から0.0968の範囲内にある。
さらに、音叉腕10と音叉腕20の各音叉腕の第2振動部の第2長さLeと基部部分30の長さL2と第3枠部分3の幅F3との間には、Le>L2、F3の関係が存在する。また、接続部分40の幅W1と基部部分30の幅W2と第3枠部分3の内側側面の長さCとの間には、W1<W2、Cの関係を備えている。また、幅W1は0.04mmより大きく、かつ、0.2mmより小さい、好ましくは、0.045から0.18mmの範囲内に、より好ましくは、0.045mmから0.093mmの範囲内にある。さらに、
加えて、基部部分30の長さL2と接続部分40の長さL1と第3枠部分3の幅F3との間には、L2>L1、F3の関係が存在し、長さL2は0.025mmから0.12mmの範囲内に、好ましくは、0.025mmから0.08mmの範囲内に、より好ましくは、0.025mmから0.078mmの範囲内にある。また、長さL1は0.01mmより大きく、かつ、0.12mmより小さい、好ましくは、0.015mmから0.08mmの範囲内に、より好ましくは、0.015mmから0.04mmの範囲内にある。
さらに、枠の枠部分の幅F1、F2、F3、F4の4個の幅は通常F1=F2=F3=F4の関係を備えるが、4個の幅すべて異なった幅でも良いし、4個の幅の内少なくとも1個の幅が異なっていても良い。例えば、第4枠部分4の幅F4が異なる場合には、F4≠F1=F2=F3の関係を、また、第3枠部分3の幅F3が異なる場合には、F3≠F1=F2=F4の関係を有する。さらなる例として、第3枠部分3の幅F3と第4枠部分4の幅F4が異なるときには、F3≠F4、すなわち、F3>F4あるいはF3<F4の関係がある。加えて、比(F4/F3)は0.45から1.8の範囲内にあり、好ましくは、0.45より大きく、かつ、1より小さい、あるいは1より大きく、かつ、1.8より小さい。いくつかの例を述べたが、多くの組み合わせが存在し、本発明はこれら全ての組み合わせを包含するものである。特に、長さ寸法を小さくして小型化を図るには、F1、F2はF3、F4と異なる幅を有し、好ましくは、F1、F2がF3、F4より大きく、すなわち、F1、F2>F3、F4の関係を備え、F3とF4はF3>F4、または、F3=F4、または、F3<F4のいずれかの関係を備えている。
加えて、第4枠部分4の幅F4はF4>L1、L3、W3、W4の関係を有し、また、第1枠部分1の幅F1と第2枠部分2の幅F2はF1、F2>L1、L2、L3、W3の関係を有する。この場合には、F1=F2またはF1≠F2の関係を有する。すなわち、F1>F2またはF1<F2の関係を有する。本発明は上記した関係に限定されるものではなく、F1、F2<F3、F4の関係であっても良い。さらに、F4=L2あるいはF4≠L2の関係を備えている。すなわち、F4>L2あるいはF4<L2の関係を備えている。
また、第1枠部分1から第4枠部分4の各枠部分の外側側面の長さの和が第1長さ寸法Loで定義されると、Lo=a+b+c+dで与えられる。音叉型圧電振動子とケースと蓋から成る圧電ユニットの実装面積が小さく、衝撃に強い音叉型圧電振動子を得るために、Loは2.4mmより大きく、かつ、5mmより小さく、好ましくは、2.5mmから4.8mmの範囲内に、より好ましくは、2.6mmから4.7mmの範囲内にある。
さらに、第1枠部分1から第4枠部分4の各枠部分の内側側面の長さの和が第2長さ寸法Liで定義されると、Li=A+B+C+Dで与えられる。等価インダクタンスL1が小さく、小さい容量比と小さい等価直列抵抗R1を備えた音叉型圧電振動子を得るために、音叉腕10、20の各寸法をできるだけ大きく、かつ、振動漏れによる振動エネルギーの損失を小さくするために、Liは1.6mmより大きく、かつ、4.4mmより小さく、好ましくは、1.8mmから3.8mmの範囲内に,より好ましくは、1.9mmから3.7mmの範囲内にある。実施1の形態に係わる音叉型圧電振動子では、A=B及び/又はC=Dの関係を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、A≠B及び/又はC≠Dの関係を備えていても良い。換言するならば、A>BあるいはA<B及び/又はC>DあるいはC<Dの関係を備えている。
すなわち、第1長さ寸法と第2長さ寸法を限定することにより、音叉型圧電振動子とケースと蓋から成る圧電ユニットの実装面積が極めて小さく、等価インダクタンスL1が小さく、小さい容量比と小さい等価直列抵抗R1と、エージング特性に優れ、かつ、衝撃に強く、振動漏れによるエネルギー損失の小さい音叉型圧電振動子が得られるという作用効果が奏される。加えて、本音叉型圧電振動子を搭載した発振器の出力信号の起動時間が短くなるという著しい作用効果がもたらされる。
また、音叉型圧電振動子100の音叉腕10、20と基部部分30と接続部分40と第1枠部分1から第4枠部分4は一体に形成される。
本実施1の形態に係わる音叉型圧電振動子では第1振動部と第2振動部を備えているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第1振動部と第2振動部の間に、第3振動部または第3振動部と第4振動部を含む幅の異なる2個以上の振動部を形成しても良い。換言するならば、第3振動部と第4振動部と第5振動部と第6振動部と・・・とN1振動部、ただし、N1は7以上の整数である。例えば、N1=10の場合には、第3振動部から第10振動部を備えている。すなわち、第3振動部から第N2振動部を備えている。ただし、N2は4以上の整数である。
第1の例では、少なくとも第3振動部が第1振動部と第2振動部の間に形成される場合には、第3振動部の第3幅は第1振動部の第1幅Wより大きく、かつ、第2振動部の第2幅Weより小さい。また、第3振動部の第3長さは第1振動部の第1長さLより小さく、かつ、第2振動部の第2長さLeより小さい。また、第2振動部の第2長さLeと第3振動部の第3長さの和が長さL4で定義されると、長さL4は第1振動部の第1長さLより小さい。第3振動部が第1振動部と第2振動部の間にある場合には、音叉腕10と音叉腕20の各音叉腕の比(We/W)は3.3から6.1の範囲内に、好ましくは、3.3から5.9の範囲内にある。加えて、各音叉腕の全体の長さLt(=L+Le)は0.45mmから0.92mmの範囲内にある。好ましくは、0.45mmから0.88mmの間にある。
すなわち、音叉型圧電振動子を搭載した発振器では、その発振器の出力信号が一定の値になる時間は振動子形状と寸法と密接な関係がある。それ故、本発明では出力信号が一定の値となるその値の約80%に達するまでの時間を立ち上がり時間、あるいは起動時間という。音叉腕10と音叉腕20の各音叉腕の比(We/W)が3.3で、長さLtが0.45mmのとき、起動時間が約0.3秒となり、比(We/W)が6.1で、かつ、Ltが0.92mmのとき、起動時間が約0.7秒となり、音叉型圧電振動子を従来のものより小型化しても起動時間の短い発振器が得られるという作用効果が奏される。この結果は従来の大きなものと比較しても遜色のない結果であることは言うまでもない。
第2の例では、少なくとも第3振動部と第4振動部が第1振動部と第2振動部の間に形成される場合には、第3振動部の第3幅と第4振動部の第4幅の各幅、あるいは少なくとも一方の幅は第1振動部の第1幅Wより大きく、かつ、第2振動部の第2幅Weより小さい。また、第3振動部の第3長さと第4振動部の第4長さの各長さ、あるいは少なくとも一方の長さは第1振動部の第1長さLより小さく、かつ、第2振動部の第2長さLeより小さい。
すなわち、第3振動部から第N2振動部(N2は4以上)が第1振動部と第2振動部の間に形成される場合には、第3振動部の第3幅と第N2振動部の第N2幅の各幅、あるいは少なくとも1個の振動部の幅は第1振動部の第1幅Wより大きく、かつ、第2振動部の第2幅Weより小さい。加えて、第3振動部の第3長さと第N2振動部の第N2長さの各長さ、あるいは少なくとも一個の振動部の長さは第1振動部の第1長さLより小さく、かつ、第2振動部の第2長さLeより小さい。第3振動部と第N2振動部が第1振動部と第2振動部の間にある場合には、0.3秒から0.7秒の起動時間を得るために、音叉腕10と音叉腕20の各音叉腕の比(We/W)は3.4から6.3の範囲内に、好ましくは、3.4から6.1の範囲内にある。加えて、各音叉腕の全体の長さLt(=L+Le)は0.45mmから0.92mmの範囲内にある。好ましくは、0.45mmから0.88mmの間にある。
本実施1の形態では、少なくとも四つの角度を有する四角形をした枠であるが、すなわち、少なくとも第1枠部分から第4枠部分を備えた四個の枠であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、五角形以上(少なくとも第1枠部分から第5枠部分を備えた五個以上の枠)の形状をした枠も含まれる。
加えて、本実施1の形態では、音叉型圧電振動子は第1枠部分から第4枠部分を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4枠部分はなくても良い。すなわち、第1枠部分から第3枠部分を備えていても良い。この場合には、第1枠部分がケースの第1固定部に固定され、第2枠部分がケースの第2固定部に固定される。また、蓋がケースの開口部を真空中で封止するために、蓋がケースに接続される。
図2は本発明の実施1の形態に係わる圧電ユニット200の側面図である。圧電ユニット200はすでに述べた実施1の形態に係わる音叉型圧電振動子100とケース60と蓋50とを備えて構成されている。音叉型圧電振動子100の第1枠部分1はケース60と蓋50の間にある。また、ケース60は内部空間65を有し、蓋50も同様に内部空間55を有している。加えて、音叉型圧電振動子100は厚みT1を、ケース60は厚みT3を有し、そのケースの内部空間65の深さはT5で与えられる。一方、蓋50は厚みT2を有し、その蓋の内部空間55の深さはT4で与えられる。それ故、圧電ユニット200の厚みTはT=T1+T2+T3で与えられる。Tは0.6mmより小さく、好ましくは、0.2mmより大きく、かつ、0.5mmより小さく、より好ましくは、0.25mmから0.38mmの範囲内にある。
更に詳述するならば、ケース60と蓋50の各々は第1固定部から第4固定部を備えていて、実施1の形態に係わる音叉型圧電振動子100の第1枠部分がケース60の第1固定部と蓋の第1固定部に固定される。すなわち、第1枠部分がケースの第1固定部と蓋の第1固定部の間にある(挟まれる)ように第1枠部分は固定される。同様に、音叉型圧電振動子100の第2枠部分がケース60の第2固定部と蓋の第2固定部に固定される。すなわち、第2枠部分がケースの第2固定部と蓋の第2固定部の間にある(挟まれる)ように第2枠部分は固定される
さらに、音叉型圧電振動子100の第3枠部分がケース60の第3固定部と蓋の第3固定部に固定される。すなわち、第3枠部分がケースの第3固定部と蓋の第3固定部の間にある(挟まれる)ように第3枠部分は固定される。同様に、音叉型圧電振動子100の第4枠部分がケース60の第4固定部と蓋の第4固定部に固定される。すなわち、第4枠部分がケースの第4固定部と蓋の第4固定部の間にある(挟まれる)ように第4枠部分は固定される。また、等価直列抵抗R1の小さい音叉型圧電振動子を得るために、その振動子は真空中に収納されている。
本実施1の形態に係わる圧電ユニットでは、少なくとも第1枠部分から第4枠部分を備えた音叉型圧電振動子を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、五角形以上(少なくとも第1枠部分から第5枠部分を備えた五個以上の枠部分)の形状をした枠を備えた音叉型圧電振動子も含まれる。この場合には、ケースと蓋の各々が少なくとも第5固定部を含む五個以上の固定部を備え、音叉型圧電振動子の第5枠部分がケースの第5固定部と蓋の第5固定部に固定される。すなわち、音叉型圧電振動子の第5枠部分がケースの第5固定部と蓋の第5固定部の間にある(挟まれる)ように第5枠部分は固定される。第6枠部分、第7枠部分・・・・など無数の枠部分も同様に固定される。
さらに、音響効果の影響を受けない等価直列抵抗R1の小さい、等価インダクタンスL1が小さく、かつ、衝撃に強い音叉型圧電振動子を備えた圧電ユニットを実現するために、ケースの深さT5はT5>T3/6、T5<(3T3)/4の関係を備えている。同様に、蓋の深さT4はT4>T2/6、T4<(3T2)/4の関係がある。好ましくは、ケースの深さT5はT5>T3/5、T5<T3/2の関係を備えている。同様に、蓋の深さT4はT4>T2/5、T4<T2/2の関係がある。さらに、T4とT5は等しくても、あるいは異なっていても良い。すなわち、T4=T5あるいはT4>T5またはT4<T5の関係を備えている。
具体的には、ケース60の深さT5と蓋50の深さT4はそれぞれ0.01mmから0.2mmの範囲内にある。好ましくは、0.015mmから0.18mmの範囲内に、より好ましくは、0.02mmから0.15mmの範囲内にある。また、T2とT3は0.06mmより大きく、かつ、0.27mmより小さく、好ましくは、0.08mmから0.16mmの範囲内にある。さらに、温度変化による圧電ユニットの音叉型圧電振動子とケースと蓋との間の歪を小さくするために、T1=T2=T3の関係を備えている。しかしながら、本発明では、これに限定されることなく、T1≠T2、T3の関係であっても良い。すなわち、T1>T2,T3またはT1<T2、T3、あるいはT2=T3またはT2≠T3の関係であっても良い。すなわち、T2>T3またはT2<T3。
さらに、例えば、音叉型圧電振動子は水晶から作られた音叉型水晶振動子で、また、ケースと蓋は水晶などの結晶から作られている。加えて、音叉型圧電振動子とケースと蓋の加工は化学的、物理的、機械的なエッチング法などの少なくとも一つの方法を用いて形成される。
また、本発明の実施1の形態に係わる圧電ユニットは圧電発振器として用いられる。すなわち、圧電発振器を構成する圧電発振回路図は増幅器(CMOSインバータ)と、帰還抵抗と、ドレイン抵抗と、複数のコンデンサと音叉型圧電振動子とを備えて構成されている。すなわち、圧電発振回路は増幅器と帰還抵抗とを備えて構成される増幅回路と、ドレイン抵抗とゲート側のコンデンサとドレイン側のコンデンサとケースと蓋あるいはケースに固定された音叉型圧電振動子100とを備えて構成される帰還回路とを備えて構成される。
詳細には、圧電発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成されていて、増幅回路は少なくとも増幅器から構成され、帰還回路は少なくとも音叉型圧電振動子とコンデンサとを備えて構成されている。又、圧電発振器の圧電発振回路に用いられる音叉型圧電振動子は容器(ユニット)に収納されている。いわゆる、圧電ユニットが圧電発振回路に用いられる。そして、本発明の圧電ユニットを備えた圧電発振器の出力信号は携帯機器やファクシミリなどの電子機器の表示部に時間情報を表示するための信号として用いられる。
本発明の音叉型圧電振動子と圧電ユニットは小型化しても小さい等価直列抵抗R1と小さい等価インダクタンスL1とを備えているので、より小型化された音叉型圧電振動子と圧電ユニットを特に必要とする携帯電話などの携帯機器や民生機器を含む電子機器に適用できる。
100 音叉型圧電振動子
10,20 音叉腕
30 基部部分
40 接続部分
1〜4 第1フレーム〜第4フレーム
L 音叉腕の第1振動部分の長さ
L1 接続部分の長さ、
L2 基部部分の長さ
W1 接続部分の幅
W2 基部部分の幅
F1〜F4 第1フレーム〜第4フレームの幅
a 第1フレームの外側の長さ寸法
b 第2フレームの外側の長さ寸法
c 第3フレームの外側の長さ寸法
d 第4フレームの外側の長さ寸法
200 圧電ユニット
50 蓋
60 ケース
A 第1フレームの内側の長さ寸法
B 第2フレームの内側の長さ寸法
C 第3フレームの内側の長さ寸法
D 第4フレームの内側の長さ寸法
We 音叉腕の第2振動部の幅
10,20 音叉腕
30 基部部分
40 接続部分
1〜4 第1フレーム〜第4フレーム
L 音叉腕の第1振動部分の長さ
L1 接続部分の長さ、
L2 基部部分の長さ
W1 接続部分の幅
W2 基部部分の幅
F1〜F4 第1フレーム〜第4フレームの幅
a 第1フレームの外側の長さ寸法
b 第2フレームの外側の長さ寸法
c 第3フレームの外側の長さ寸法
d 第4フレームの外側の長さ寸法
200 圧電ユニット
50 蓋
60 ケース
A 第1フレームの内側の長さ寸法
B 第2フレームの内側の長さ寸法
C 第3フレームの内側の長さ寸法
D 第4フレームの内側の長さ寸法
We 音叉腕の第2振動部の幅
Claims (4)
- 基部部分と、その基部部分に接続された第1音叉腕と第2音叉腕と、枠とを備えて構成される音叉型圧電振動子で、
第1音叉腕と第2音叉腕の各音叉腕は少なくとも第1振動部と第2振動部とを備えて構成され、第1振動部は第1幅と第1長さを備え、第2振動部は第1幅より大きい第2幅と第1長さより小さい第2長さを備え、第1振動部の上面と下面の少なくとも一面に溝が形成され、
前記枠は少なくとも第1枠部分と第2枠部分と第3枠部分と第4枠部分とを備えて構成され、第1枠部分と第2枠部分は第1音叉腕と第2音叉腕の外側に第1音叉腕と第2音叉腕と共通の方向に延在して形成され、第1枠部分は第3枠部分と第4枠部分を介して第2枠部分に接続され、前記基部部分は接続部分を介して第3枠部分に接続され、
第1枠部分から第4枠部分の外側側面の長さがそれぞれa,b,c,dで与えられ、その和が第1長さ寸法Loで定義され、かつ、Lo=a+b+c+dで与えられ、第1枠部分から第4枠部分の内側側面の長さがそれぞれA,B,C,Dで与えられ、その和が第2長さ寸法Liで定義され、かつ、Li=A+B+C+Dで与えられるとき、第1長さ寸法Loは2.4mmより大きく、かつ、5mmより小さく、第2長さ寸法Liは1.6mmより大きく、かつ、4.4mmより小さいことを特徴とする圧電振動子。 - 請求項1において、第4枠部分は第1音叉腕と第2音叉腕と異なる方向に延在し、かつ、第3枠部分と共通の方向に延在し、第4枠部分の幅F4が第1音叉腕の第2振動部分と第2音叉腕の第2振動部分の間の間隔W3と異なることを特徴とする圧電振動子。
- 請求項1に記載の圧電振動子あるいは請求項2に記載の圧電振動子とケースと蓋とを備えて構成される圧電ユニットで、
ケースと蓋の各々は少なくとも第1固定部から第4固定部を備えていて、第1枠部分がケースの第1固定部と蓋の第1固定部の間にあるように、第1枠部分はケースの第1固定部と蓋の第1固定部に固定され、第2枠部分がケースの第2固定部と蓋の第2固定部の間にあるように、第2枠部分はケースの第2固定部と蓋の第2固定部に固定され、第3枠部分がケースの第3固定部と蓋の第3固定部の間にあるように、第3枠部分はケースの第3固定部と蓋の第3固定部に固定され、かつ、第4枠部分がケースの第4固定部と蓋の第4固定部の間にあるように、第4枠部分はケースの第4固定部と蓋の第4固定部に固定されていることを特徴とする圧電ユニット。 - 請求項3において、第1音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔と第2音叉腕の先端部と第4枠部分の間の間隔がそれぞれ間隔L3で定義されるとき、第4枠部分の幅F4が間隔L3より大きいことを特徴とする圧電ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016024104A JP2017135688A (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | 圧電振動子と圧電ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016024104A JP2017135688A (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | 圧電振動子と圧電ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017135688A true JP2017135688A (ja) | 2017-08-03 |
Family
ID=59503915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016024104A Pending JP2017135688A (ja) | 2016-01-25 | 2016-01-25 | 圧電振動子と圧電ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017135688A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019012874A1 (ja) | 2017-07-11 | 2019-01-17 | 株式会社キャタラー | 排ガス浄化用触媒 |
-
2016
- 2016-01-25 JP JP2016024104A patent/JP2017135688A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019012874A1 (ja) | 2017-07-11 | 2019-01-17 | 株式会社キャタラー | 排ガス浄化用触媒 |
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