以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、電子写真方式の画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を現像する現像器にトナーを供給するトナーボトル内のトナーの残量検知を例として説明する。また、本実施形態では、画像形成装置1として、モノクロ機を例に挙げて説明するが、本発明は、カラー画像形成装置についても同様に適用することができる。
図1において、画像形成装置1は、給紙部300と、画像形成部100と、原稿を読み取る画像読取装置200を有する。給紙部300には、記録媒体である紙やOHPフィルム等の記録紙Pが収納されている。記録材Pは呼出ローラ62によって給紙され、その後、画像形成部100へ搬送される。
画像形成部100は、像担持体、潜像担持体としての感光体10、書込装置47、帯電装置11、現像装置12、転写装置13、感光体クリーニング装置14、定着装置22を有している。帯電装置11は、回転駆動する感光体10の表面を一様帯電する。書込装置47は画像読取装置200で読み取った原稿内容に応じて感光体10にレーザー光を照射してレーザー書き込みを行い、感光体10の表面に静電潜像を形成する。
この静電潜像に現像装置12を用いてトナーを付着させ、これを可視像化する。可視像化にあたり、トナーを現像剤担持体である現像ローラによって感光体10の静電潜像に付着させる。転写装置13は転写ベルト17を備えており、この転写ベルト17は、転写位置Bで感光体10の周面に押し当てられている。
レジストローラ21を通過した記録紙Pは、転写位置Bへ送り込まれる。転写位置Bへ送り込まれた記録紙Pは、転写装置13により感光体10上のトナー像が転写され、その表面にトナー像を担持する。転写後の感光体10は、その表面に残留した残留トナーがクリーニング装置14で除去され、除電ランプにより感光体10上の残留電位も除去される。
定着装置22は、加熱ローラ30と加圧ローラ32を有し、トナー像を担持した記録紙Pに熱と圧力とを加え、記録紙P上のトナー像を定着する。その後、記録紙Pは、排紙ローラ35により排出スタック部39上に排出され、そこにスタックされる。一方、記録紙Pの両面に画像を形成する場合には、排出分岐爪34を切り替え、記録紙Pは排紙ローラ35ではなく反転路43に搬送される。その後、記録紙搬送ローラ66を逆回転させ、再搬送路44を介してレジストローラ21に搬送される。そして、記録紙Pの反対面にも上述と同様にしてトナー像を転写する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの概略断面図を示す。感光体10、帯電装置11、現像装置12、クリーニング装置14はプロセスカートリッジ80として一体に構成されている。
現像装置12には、感光体10の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ81、トナーを含む現像剤の層厚を規制するドクターブレード6、現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送スクリュー82、83が設けられている。また、クリーニング装置14には、感光体クリーニングブレード8が取り付けられている。除電ランプ9は、感光体クリーニングブレード8で感光体表面を清掃したあとに感光体10上の残留電位を除去するものである。
プロセスカートリッジ80を装置本体に対して着脱する際には、装置の前後方向に延びるガイドレール91によってプロセスカートリッジ80が装置手前側にスライドし、図1(b)に示す開口80aから取り外すことができる。
図3は、本実施形態に係る粉体収容部であるトナーボトル201の構成を示す図である。図4は、粉体搬送部としてのトナー供給部202の構成を示す構造図である。トナーボトルの一例として示す図3(a)のトナーボトル201は、その内壁面に、螺旋状の突起部211が設けられている。また、トナーボトル201の長手方向一端側の外周にギア203が形成されている。図4(a)に示すトナー供給部202にトナーボトル201を装着すると、トナー供給部202に設けられた駆動ギア250と係合する。
ボトル駆動部302の駆動により駆動ギア250が回転することでトナーボトル201が回転する。トナーボトル201の回転にともない、突起部211によってトナーが撹拌されながらトナーボトル201長手方向にトナーが移動する。トナー供給部202の搬送ノズル222は、トナー吐出口212の内部に侵入しており、トナーボトル201内を移動したトナーが搬送ノズル222の上面に形成された開口に落下する。開口に入ったトナーは、搬送ノズル222内の搬送スクリュー225によって現像装置12へ送られる。
トナーボトルの他の例として示す図3(b)のトナーボトル201は、内壁面に凹凸がない円筒形である。そして、トナーボトル201の内部に回転可能なスクリュー213が設けられている。図4(b)に示すトナー供給部202にトナーボトル201を装着すると、トナー供給部202に設けられた移動制御部である駆動軸251とスクリュー213とが係合する。ボトル駆動部302の駆動により駆動軸251が回転することでスクリュー213が回転する。
スクリュー213の回転にともない、トナーが撹拌されながらトナーボトル201長手方向にトナーが移動する。トナー吐出口212を通過したトナーはトナー供給部202の下面に形成された開口に落下する。開口に入ったトナーは、現像装置12へ送られる。
図3に示すトナーボトル201を交換するときは、図1(b)に示す開口20aから装置手前側に引出し、交換用のトナーボトルを奥側に挿入する。そのとき、トナー吐出口212を装置奥側に向けてトナーボトル201を挿入する。トナーボトル201挿入方向先端には、トナーボトル201に収容されているトナーを現像装置12に補給する紛体供給装置としてのトナー供給部202(図1、4)が設けられている。
以上説明したように、本実施形態に係るトナーボトル201においては、現像装置12にトナーを供給することで、トナーボトル201内のトナーが少なくなる。この時、トナーが充填された新しいトナーボトル201を入れ替えることで、トナーの枯渇を防ぐ。カートリッジ式のトナーボトル201を入れ替える際には、トナーの残量ができるだけ少なくなってから新しいトナーボトル201を入れ替えることが維持費の観点から望ましい。このような観点から、トナーボトル201内のトナーの残量を精度よく検知することが必要である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ20、画像読取装置200、ディスプレイパネル24、給紙テーブル25、プリントエンジン26及びネットワークI/F28を有する。
コントローラ20は、粉体供給制御装置としての主制御部50、エンジン制御部51、画像処理部53、操作表示制御部54及び入出力制御部52を含む。ディスプレイパネル24は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル24は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。
コントローラ20は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能し、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。主制御部50は、コントローラ20に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ20の各部に命令を与える。エンジン制御部51は、プリントエンジン26や画像読取装置200等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部53は、主制御部50の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。
画像処理部53は、画像読取装置200から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F28を介して他の情報処理端末や記憶装置に送信される情報である。操作表示制御部54は、ディスプレイパネル24に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル24を介して入力された情報を主制御部50に通知する。
入出力制御部52は、ネットワークI/F28を介して入力される情報を主制御部50に入力する。また、主制御部50は、入出力制御部52を制御し、ネットワークI/F28及びネットワークを介してネットワークに接続された他の機器にアクセスする。
図6は、本実施形態に係る特徴的な機能を実現する主制御部50及びエンジン制御部51の機能構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、主制御部50は、開閉制御部310、駆動制御部320、駆動検知部330、トルク検知実行判断部340、トルク検知部350、追加空回転実行判断部360、トナー残量算出部370を含む。また、エンジン制御部51は、シャッター駆動部301、ボトル駆動部302を含む。
開閉制御部310は、シャッター駆動部301にシャッター224の開閉を実行させる命令情報を送信する。シャッター駆動部301は、シャッター224を開閉駆動させる。駆動制御部320は、ボトル駆動部302にトナーボトル201もしくはスクリュー213を回転駆動させる命令情報を送信する。ボトル駆動部302は、トナーボトル201もしくはスクリュー213を回転駆動させる。
駆動検知部330は、ボトル駆動部302から駆動信号を取得し、トナーボトル201またはスクリュー213が駆動しているか否かを検知する。トルク検知実行判断部340は、トナーボトル201もしくはスクリュー213を駆動させる際に加わるトルクの検知を実行するか否かを判断する。
図7は、トルク検知実行判断部340の構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、トルク検知実行判断部340は、時間計測部341、温湿度測定部342、ボトル駆動量算出部343を含む。時間計測部341は、画像形成装置1の使用状況に応じて、所定のタイミングからの経過時間を測定する。温湿度測定部342は、画像形成装置1の画像形成部106奥側の本体筐体に設置された温湿度センサに画像形成装置1内部の温湿度を測定させた値を取得する。
ボトル駆動量算出部343は、開閉制御部310、駆動制御部320、駆動検知部330からトルク検知実行判断部340が取得した値に基づいて、トナーボトル201またはスクリュー213の駆動量を算出する。
図6に戻り、再び主制御部50の内部構成の説明を行う。トルク検知部350は、トナーボトル201もしくはスクリュー213を駆動させる際のトルクをトルクセンサ220に検知させ、トルク値を取得する。追加空回転実行判断部360は、トナーボトル201もしくはスクリュー213の追加回転駆動を行うか否かを判断する。
図8は、追加空回転実行判断部360の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、追加空回転実行判断部360は、トルク変化量算出部361、追加空回転時間算出部362を含む。トルク変化量算出部361は、トルク検知部350にて検知したトルクの値の変化量を算出する。
追加空回転時間算出部362は、トルク変化量算出部361にて算出されたトルクの変化量に基づいてトナーボトル201もしくはスクリュー213を回転駆動させる時間を算出する。
トナー残量算出部370は、トナーボトル201内のトナー残量を、トルク検知部350、トルク検知実行判断部340から取得した夫々の値に基づいて算出する粉体残量算出部である。本実施形態においては、このような機能構成を持つ画像形成装置1のトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理に特徴を有する。以下、図面を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理について説明する。
実施の形態1.
図9ないし図15を参照して、実施の形態1について説明する。本実施形態においては、図10に示す、トナーボトル201もしくはスクリュー213を空回転させる時間と、トナーの嵩密度との関係を利用して、トナー残量を算出する。
本実施形態における「空回転」とは、現像装置12へトナーボトル201からトナーを供給しない状態で、トナーボトル201またはスクリュー213を回転させてトナーボトル201内のトナーを撹拌する動作である。空回転動作の一例として、たとえば、図4においてトナーボトル201から現像装置12へトナーを供給するときのトナーボトル201(図4(a))、スクリュー213(図4(b))の回転方向に対して逆方向に回転させる。
この場合、トナーボトル201内のトナーは、トナーボトル201から現像装置12へトナーが供給されるときと逆方向に移動するので、現像装置12へトナーボトル201からトナーが供給されない状態となる。
図11は空回転動作の別の例を示す。空回転動作を実行するときは、トナーボトル201を載置する載置台304がモータ303によってトナー供給部202から離れる方向(図11の左方向)に移動する。すると、載置台304とともにトナーボトル201も左方向に移動することで、搬送ノズル222によってトナーボトル201内部に押されていた開閉部226が、バネの力でトナー吐出口212をふさぐ。
移動後のトナーボトル201は、ギア203と第2の駆動ギア252との係合により、回転可能である。第2の駆動ギア252は連結部を介してボトル駆動部302と連結しており、ボトル駆動部302からの駆動を第2の駆動ギア252を介してギア203に伝達する。ここで、第2の駆動ギア252の回転方向は正方向、逆方向のいずれであってもよい。
トナーボトル201内のトナーは、トナー吐出口212が開閉部226でふさがれた状態でトナーボトル201の内部で図11の左または右方向に移動しながら撹拌されるので、現像装置12へトナーボトル201からトナーが供給されない状態となる。
なお、ボトル駆動部302からの駆動伝達の構成は図11に限らず、載置台304の移動に伴い駆動ギア250がギア203と係合した状態で移動する構成としてもよい。
図12,13は空回転動作の別の例を示す。図12の形態では、トナーの供給を遮断するために、図4に示すトナー供給経路223にシャッター224を追加したものである。シャッター224は、トナー供給経路223を遮断する供給路遮断部であり、トナーの落下をせき止める。シャッター224は、図13(a)に示すようにトナー供給部202の内部にシャッター224が侵入してトナー供給経路を遮断したり(破線の位置)、退避してトナー供給経路をトナー搬送可能に開放したり(実線の位置)する。
シャッターの別の例としては、図13(b)に示すようにトナー供給部202の外周を覆う部材とし、シャッター224の外周の径を小さくすることでトナー供給経路223を遮断したり(破線の位置)、もとの径に戻すことでトナー供給経路223をトナー搬送可能に開放したり(実線の位置)する構成であってもよい。
トナーボトル201内のトナーは、トナー供給経路223が遮断された状態でトナーボトル201の内部で図12の左または右方向に移動しながら撹拌されるので、現像装置12へトナーボトル201からトナーが供給されない状態となる。
プロセスカートリッジ80にトナーが供給されない状態において、上述したいずれかの構成でトナーボトル201またはスクリュー213を回転(空回転)させると、図10に示すように(ボトル回転時間t2に対応する嵩密度)、トナーボトル内のトナーの嵩密度が小さくなる。しかし、そのままトナーボトル201を同じ方向回転させ続けると、トナー吐出口212またはトナー吐出口212と反対側にトナーが搬送される状態になるため、トナーの嵩密度は徐々に大きくなる。
本実施形態においては、空回転におけるトナーの嵩密度が極小となるタイミングを所定時間t2として、空回転後にトナー供給のためのボトル駆動部302のモータの回転数に基づいて、トナーがトナーボトル201からプロセスカートリッジに搬送された量に相当するトナー供給量からトナーの残量を検知する。尚、図10に示す、所定時間t1は、トナーボトル201もしくはスクリュー213の空回転中の任意のタイミングであり、所定時間t2は、トナーボトル201もしくはスクリュー213の空回転を停止するタイミングである。また、所定時間t2は、上述したように、トナーの嵩密度が極小となるタイミングであるが、トナーの材質や物性に応じて変動する値であるため、使用するトナーの種類ごとに実験によって定められた値が、画像形成装置1内の記憶領域に記憶されている。
図9は、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを示すフローチャートである。トナーをプロセスカートリッジに補給する要求信号である補給信号を受信する(S901)と、トナーの供給を遮断する(S902)。本発明における、「トナーの供給を遮断する」状態とは、以下に説明するような動作を実行して、トナーボトル201からプロセスカートリッジにトナーが搬送されないように遮断される状態のことを示す。すなわち、トナーボトル201がトナー供給部202から離間されている状態(図11)もしくはトナーの供給経路が遮断されている状態(図4でトナー供給時と逆方向にトナーボトル201やスクリュー213を回転する場合、図12)に制御することである。
トナーの供給が遮断される(S902)と、ボトル駆動部を駆動し、トナーボトル内のトナーをトナー吐出口212またはトナー吐出口212と反対側に向けて搬送させる、上述した空回転を開始する(S903)。そして、トルク検知部350は、空回転開始時におけるトルクの値T1を取得する(S904)。空回転を継続し、所定時間t1が経過したのち(S905/Yes)、トルク検知部350は、トルク値T2を取得する(S906)。
追加空回転実行判断部360は、所定時間t1及びt2におけるトルク値の情報を取得する。トルク変化量算出部361は、トルク値T1−トルク値T2の差分を算出し、この差分が所定の値αより大きい場合(S907/Yes)、追加空回転時間算出部362は、トルク値T1−トルク値T2の差分に基づいて、空回転を追加して実行する時間である所定時間t2を算出する。この時の所定時間t2は、トナーの材質や物性、さらに所定時間t1におけるトナーの残量に基づいて定められる図10のような関係曲線に基づいて算出される。
トルク値T1−トルク値T2の差分は、図14に示すように、トナーの嵩密度に応じて変動する。たとえば、空回転時間が同じ場合、嵩密度が大きいときのトルク値T1−トルク値T2の差分は、嵩密度が小さい時のトルク値T1−トルク値T2の差分よりも大きい。差分が大きいほど、トナーの嵩密度に変動があることまたは空回転開始時のトナーの嵩密度が大きいことを示しているため、この差分がαよりも大きい場合、追加して空回転を行うことにより、トナーの嵩密度を十分に小さくさせることが出来る。
そして、ボトル駆動部は、所定時間t2に相当するタイミングまで、空回転を実行する(S908/Yes)。所定時間t2に相当するタイミングまで空回転が行われると、トナーの供給を開放する(S909)。
トルク値T1−トルク値T2の差分を算出し、この差分が所定の値aより小さい場合(S907/No)、トナーの供給を開放する(S909)。本発明において「トナーの供給を開放する」状態とは、トナーボトル201からプロセスカートリッジにトナーが搬送される状態、すなわち、トナーボトル201がトナー供給部202に接合されている状態もしくはトナーの供給経路が開放されている状態のことを示す。
そして、ボトル駆動部は、トナーを供給する方向にトナーボトル201もしくはスクリュー213を駆動させ、プロセスカートリッジにトナーを供給する。この時、駆動検知部330は、ボトル駆動部302のモータの回転数を取得する(S910)。トナー残量算出部370は、ボトル駆動部302のモータの回転数に基づいて、トナーがトナーボトル201からプロセスカートリッジに搬送された量に相当するトナー供給量を算出し(S911)、前回のトナー残量及びトナー供給量に基づいてトナー残量を算出する(S912)。尚、前回のトナー残量は、トナー残量算出部370内部の記憶領域に記憶されている。
主制御部50は、算出されたトナー残量を図15に示すようにディスプレイパネル24に表示させるための表示情報を生成し、操作表示制御部54に送信する。操作表示制御部54は、表示情報に基づいて、トナー残量をディスプレイパネル24に表示させ(S913)、一連の処理が終了する。表示情報は、図15に示すように、トナーボトル201内のトナーの残量のみを表示するものか、交換時期に近づいた場合には、トナーの残量に加えて、もうすぐトナーが無くなることを示す表示としてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、ボトル駆動部302の駆動に伴うトナーボトル内の嵩密度の変動が小さいときにトナー残量を算出するため、精度よくトナーボトル201内のトナー残量を検知することが出来る。具体的には、ボトル駆動部302の回転停止前の嵩密度よりも小さい嵩密度の状態でボトル駆動部302を駆動したときの回転数からトナー残量を算出する。この場合、ボトル駆動部302を駆動しているときの嵩密度の変動が小さいため、嵩密度によるトナー供給量の変動の影響を小さくできるため精度よくトナーボトル201内のトナー残量を検知することが出来る。
なお、S908で所定時間t2追加撹拌したあとにトナー残量を検出していたが、この形態に限られない。そのため、以下に説明する処理を追加して実行してもよい。たとえば、所定時間t2経過後に、トルク検知部350は所定時間t2のときのトルク値T3を取得する。トルク変化量算出部361は、トルク値T2−トルク値T3の差分を算出し、この差分が所定の値α2より大きい場合、さらに追加で空回転を実行してもよい。また、トルク値T2−トルク値T3の差分が所定の値α2より小さい場合は、S910へ移行してもよい。
実施の形態2.
図16、図17を参照して、実施の形態2について説明する。図17は、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを示すフローチャートである。トナーをプロセスカートリッジに補給する要求信号である補給信号を受信する(S901)と、トルク検知実行判断部340は、トルクを検知するか否かを判定する。
図16は、トナーの嵩密度、温湿度、駆動モータ221停止からの経過時間の関係を示す図である。図16に示すように、温湿度が高くなると、トナーの嵩密度が大きくなり、所定時間bにおいてトナーボトル201を駆動させる際に駆動モータ221に加わるトルクが大きくなる。また、駆動モータ221停止からの経過時間が長くなると、トナーの嵩密度が大きくなり、トナーボトル201を駆動させる際に駆動モータ221に加わるトルクが大きくなる。
このように、トナーの嵩密度は、画像形成装置1の使用状況に応じて変動するため、本実施形態においては、画像形成装置1の使用状況を考慮して、トナーの残量を検知する処理を行うか否かを判定する。さらに、トナーボトル201が必要以上に回転された場合、トナーに悪影響を及ぼす恐れがあるため、本実施形態においては、トナーボトル201を駆動させる駆動モータ221の回転数も考慮してトナーの残量を検知する処理を行うか否かを判定する。
具体的には、温湿度測定部342が、画像形成装置1内部の温湿度の値に基づいて、画像形成装置1内部の絶対湿度を算出する。絶対湿度が所定の値βより小さい場合(S1701/No)、時間計測部341は、前回駆動モータ221停止時からの経過時間を測定する。経過時間が所定の経過時間γより小さい場合(S1702/No)、ボトル駆動量算出部343は、駆動モータ221の単位時間あたりの回転数を算出する。
この単位時間は、たとえば24時間(または所定日数に対応する時間でもよい)に対して、画像形成装置1が稼働していない状態の時間(夜間等の長時間にわたって画像形成装置1を使用しない時間)や空回転している時間を差し引いた時間をいう。尚、1701もしくはS1702でYesの場合は、S902から実施の形態1と同様の処理を行う。
駆動モータの単位時間あたりの回転数が所定の回転数δより大きい場合(S1703/Yes)、S902から実施の形態1と同様の処理を行うため、以後の説明を省略する。尚、駆動モータの単位時間あたりの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、トナー補給を実施し(S1704)、本処理を終了する。このようにすることで、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。
尚、所定の値β、経過時間γ、所定の回転数δは、トナーボトル201内のトナーの嵩密度が大きくなる時の絶対湿度、経過時間、回転数に基づいて実験的に定められ、画像形成装置1内の記憶領域に記憶されている。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201の回転駆動を低減させて必要な場合にのみ回転駆動させることにより、トナーボトル201を回転駆動させることに起因するトナーボトル201内のトナーの劣化を防ぐことができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2においては、ボトル駆動部302を駆動したときの回転数からトナー残量を算出した。これに対し、本実施形態では取得したトルクの値から供給済みのトナー量を算出し、トナーボトル201の未使用状態のトナー量から、供給済みのトナー量を差し引くことで、トナー残量を検知する。トナーの供給を行わない場合であっても 、以下のような処理を行うことにより、トナーボトル201内のトナーの残量を検知することが出来る。以下、図18、図19を参照して、実施の形態3について説明する。
図18は、本実施形態に係る供給済みのトナー量とトルクとの関係を示す理想曲線を示す図である。図18に示すように、トナーボトル201内における供給済みのトナー量が増えるにしたがって、駆動モータ221に加わるトルクは小さくなる。尚、理想曲線とは、図10において所定の嵩密度(トルク値T1−トルク値T2の差分がαよりも小さくなるときの嵩密度、もしくはボトル空回転時間t2に対応する嵩密度のように)における供給済みのトナー量とトルクの関係である。
図19は、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナー残量を検知する処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態においては、実施の形態2と同様に、画像形成装置1における、温湿度、トナーボトル201が停止してからの経過時間、トナーボトル201を回転駆動させる駆動モータの回転数に基づいてトナー残量を検知するか否かを判定する。従って、S1701〜S908までは、実施の形態2と同様の処理を行うため、説明を省略する。
尚、S1703の処理において、駆動モータの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、本処理を終了させる。このようにすることで、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。
以下、S908以降の処理について説明を行う。トルク検知部350は、所定時間t2追加撹拌が行われた後のトルク値T3を取得する(S1901)。トナー残量算出部370は、トルク値T3に基づいて、図18に示すトルクと供給済みのトナー量との関係から供給済みのトナー量を特定し、トナーボトル201の未使用状態のトナー量から供給済みのトナー量を差し引いてトナー残量を算出する(S1902)。
図18に示すように、トナーボトル201内における供給済みのトナー量が増えるにしたがって、駆動モータ221に加わるトルクは小さくなる。トナー残量算出部370は、S1901で取得したトルクの値T3(図10参照)を図18のTにあてはめ、Tに対応する供給済みのトナー量Sを算出する。一方、トルク値T1−トルク値T2の差分がαより小さい場合(S907/No)は、S906で取得したトルク値T2を図18のTにあてはめ、Tに対応する供給済みのトナー量Sを算出する。
そして、主制御部50は、算出されたトナー残量をディスプレイパネル24に表示する(図15(a)及び図15(b))ための表示情報を生成し、操作表示制御部54に送信する。
操作表示制御部54は、受信した表示情報をディスプレイパネル24に表示させる(S1903)。表示情報は、図15に示すように、トナーボトル201内のトナーの残量のみを表示するものか、交換時期に近づいた場合には、トナーの残量に加えて、もうすぐトナーが無くなることを示す表示としてもよい。
主制御部50によって、表示情報が操作表示制御部54に送信されると、開閉制御部310は、シャッター駆動部301を「トナーの供給を開放する」状態に制御し(S1904)、本処理を終了する。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、ボトル駆動部302の駆動に伴うトナーボトル内の嵩密度の変動が小さいときにトナー残量を算出するため、精度よくトナーボトル201内のトナー残量を検知することが出来る。
具体的には、ボトル駆動部302の回転停止前の嵩密度よりも小さい嵩密度の状態でボトル駆動部302を駆動したときのトルク値からトナー残量を算出する。この場合、ボトル駆動部302を駆動しているときの嵩密度の変動が小さいため、嵩密度による供給済みのトナー量の変動の影響を小さくできるため精度よくトナーボトル201内のトナー残量を検知することが出来る。
実施の形態4.
実施の形態1及び実施の形態2に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201内のトナーの嵩密度を、トナー供給時よりも小さくし、トナー残量を検知する。この時に、画像形成装置1の使用状況や設置環境によってトナーの嵩密度が変動する。そのため、そのため、ボトル駆動部302の回転によって、嵩密度が極小になりトルクが安定する時間txにおけるトナーの嵩密度が異なるため、トルクの値も異なる(T1、T0、T2)。
例えば、高温高湿度の場合、嵩密度が大きくなり、凝集したトナーがトナーボトル201から排出されるため、低温低湿度の場合と比較すると、トナーの供給量が大きくなる。そこで、本実施形態においては、トナー残量を検知するタイミングにおける温湿度の値を取得し、トナー残量を算出する際に補正値として用い、トナー残量を検知する。
例えば、温湿度測定部342が取得した温湿度の値が高温高湿度だった場合、トナー残量算出部370は、図20において高温高湿度の曲線に基づいて嵩密度を補正し、トルク値THを取得する。そして、実施の形態1および実施の形態2においては、取得した高温高湿度の時のトルク値THに基づいて一連の処理を実行する。
また、温湿度測定部342が取得した温湿度の値が低温低湿度だった場合、トナー残量算出部370は、図20において低温低湿度の曲線に基づいて嵩密度を補正し、トルク値TLを取得する。そして、実施の形態1および実施の形態2においては、取得した低温低湿度の時のトルク値TLに基づいて一連の処理を実行する。
このように、本実施形態においては、トナー残量を検知するタイミングにおける画像形成装置1内部の温湿度の値に基づいて、嵩密度を補正してトルク値を取得するため、より精度を高めてトナー残量を検知することが出来る。
実施の形態5.
また、実施の形態3に係る画像形成装置1における供給済みのトナー量とトルクの関係についても、画像形成装置1の使用状況や設置環境によってトナーの嵩密度が変動する。そのため、図21に示す曲線を利用して、トルク値T2に対応する高温高湿度のときの供給済みのトナー量Sを算出する。そして、トナーボトル201の未使用状態のトナー量から供給済みのトナー量Sを差し引くことで、トナー残量が導き出される。
例えば、温湿度測定部342が取得した温湿度の値が高温高湿度だった場合、トナー残量算出部370は、図20において嵩密度が極小になりトルクが安定する時間txに対応する高温高湿度の時のトルク値を取得し、図21において、このトルク値THに対する高温高湿度のときの供給済みのトナー量を算出する。
そして、実施の形態3においてトナー残量算出部370は、取得した高温高湿度の時のトルク値THを図21にあてはめて、供給済みのトナー量を算出する。そして、トナー残量算出部370は、算出された供給済みのトナー量に基づいてトナー残量を検知する。
例えば、温湿度測定部342が取得した温湿度の値が低温低湿度だった場合、トナー残量算出部370は、図20において嵩密度が極小になりトルクが安定する時間txに対応する低温低湿度の時のトルク値TLを取得し、図21において、このトルク値TLに対する低温低湿度のときの供給済みのトナー量を算出する。
そして、実施の形態3においてトナー残量算出部370は、取得し低温低湿度の時のトルク値TLを図21にあてはめて、供給済みのトナー量を算出する。そして、トナー残量算出部370は、算出された供給済みのトナー量に基づいてトナー残量を検知する。
本発明に係る全ての実施形態においては、以上説明したように、温湿度の値を考慮した補正を行ってトナー残量の検知を行ってもよい。また、トナー残量算出部370は、トナー残量の検知を行うトルク値を取得するタイミングで、画像形成装置1内の温湿度の値を温湿度測定部342に取得させ、取得した温湿度の値を補正値として使用して、トナー残量を算出してもよい。
実施の形態6.
図22を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを説明する。本実施形態においては、トナーの想定トルク値と実測のトルク値から空回転を行う所定時間t3を算出し、所定時間t3空回転後にボトル駆動部302を駆動したときの回転数からトナー残量を算出する。
図22に示すフローチャートにおいて、S901、S902は実施の形態1と同じ処理を行うため、説明を省略する。トナーの供給が遮断されると、トルク変化量算出部361は、想定トルク値T4を設定する(S2201)。想定トルク値T4は、前回トナー残量検知時に使用したトルク値に基づいて設定される値であり、画像形成装置1の記憶領域に格納されている。
トルク検知部350は、トナーボトル201またはスクリュー213を駆動させる際の実際のトルク値T5を取得する(S2202)。追加空回転時間算出部362は、想定トルク値T4−トルク値T5の差分に基づいて、トナーボトル201またはスクリュー213を空回転させる所定時間t3を算出する(S2203)。
駆動制御部320によってトナーボトル201またはスクリュー213の所定時間t3空回転が行われる(S2204/Yes)と、トナーの供給を開放する(S909)。以後の処理は、実施の形態1と同様の処理を行うため、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201を回転させることにより生じるトナーへの悪影響を低減させて、トナーボトル201内のトナー残量を検知することが出来る。
実施の形態7.
図23を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れについて説明する。本実施形態においては、実施の形態2と同様に、画像形成装置1における、温湿度、トナーボトル201が停止してからの経過時間、トナーボトル201を回転駆動させる駆動モータの回転数に基づいてトナー残量を検知するか否かを判定する。
従って、図23に示すフローチャートにおいて、S901、S902は実施の形態1と同じ処理を実行し、S1701からS1703までは実施の形態2と同じ処理を実行する。また、S2201からは実施の形態4と同じ処理を行うため、重複する説明を省略する。尚、S1703の処理において、駆動モータの単位時間あたりの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、トナー補給を実施し(S1704)、本処理を終了させる。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。
実施の形態8.
図24を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れについて説明する。本実施形態においては、まず、実施の形態2と同様に、画像形成装置1における、温湿度、トナーボトル201が停止してからの経過時間、トナーボトル201を回転駆動させる駆動モータの回転数に基づいてトナー残量を検知するか否かの判定を行う。
そして、トナー残量を検知する場合には、実施の形態6と同様にトナーの想定トルク値と実測のトルク値から空回転を行う所定時間t3を算出する(S2203)。そして、S204mで所定時間t3空回転した後のトルク値T6を取得する(S2401)。ここで、S2204で所定の時間t3空回転するとS2201で算出した想定トルク値T4になるはずなので、S2401でのT6をT4としてもよい。ただし、所定時間t3空回転した後のトルク値の実測値を測定した方がより精度が高くなる。そのため、S2401で実測値であるトルク値T6を測定している。そして、実施の形態3と同様に、取得したトルク値T6から供給済みのトナー量を算出し、トナー残量を検知する。
従って、S1701からS1703までは、実施の形態2と同様の処理を実行し、S2201からS2204までは実施の形態6と同様の処理を行う。さらに、S1901からS1903までは、取得したトルク値T6に基づいて実施の形態3と同様の処理を行うため、重複する説明を省略する。
尚、S1703の処理において、駆動モータの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、本処理を終了させる。本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。
上記説明を行った実施の形態6、7、8において所定時間t3を算出する場合に、画像形成装置1内部の温湿度に基づいて算出された絶対湿度や、トナーボトル201が駆動されていない時間に基づいて予め定められた時間を用いてもよい。図25は、画像形成装置1内部の温湿度に基づいて算出された絶対湿度によって設定される所定時間t3を示す図である。
図25に示すように、画像形成装置1内部の温湿度に基づいて算出された絶対湿度Hが、5g/m3未満である場合、所定時間t3は0秒と設定される。また、絶対湿度Hが、5g/m3以上かつ15g/m3未満である場合、所定時間t3は3秒と設定される。さらに、絶対湿度Hが、15g/m3以上かつ25g/m3未満である場合、所定時間t3は6秒と設定される。そして、絶対湿度Hが、25g/m3以上である場合には、所定時間t3は9秒と設定される。
また、図26は、トナーボトル201が駆動されていない時間に基づいて設定される所定時間t3を示す図である。図26に示すように、トナーボトル201が駆動されていない時間tが、1時間未満である場合、所定時間t3は0秒と設定される。また、トナーボトル201が駆動されていない時間が、1時間以上かつ3時間未満である場合、所定時間t3は3秒と設定される。
さらに、トナーボトル201が駆動されていない時間が、3時間以上且つ7時間未満である場合、所定時間t3は6秒と設定される。そして、トナーボトル201が駆動されていない時間が、7時間以上である場合には、所定時間t3は9秒と設定される。
実施の形態9.
図27を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを説明する。本実施形態においては、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向およびトナー搬送逆方向にそれぞれ空回転させた後にボトル駆動部302を駆動したときの回転数からトナー残量を算出する。
図27に示すフローチャートにおいて、S901、S902は同じ処理を行うため、説明を省略する。トナーの供給が遮断されると、駆動制御部320は、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送逆方向に回転させる(S2701)。さらに、駆動制御部320は、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向に回転させる(S2702)。
ボトル駆動量算出部343は、トナーボトル201またはスクリュー213の合計回転数を算出する。トルク検知実行判断部340は、トナーボトル201またはスクリュー213の合計回転数が合計N回以上である場合(S2703/Yes)、トナーの供給を開放する(S910)。
以後の処理は、実施の形態1と同様の処理を行うため、重複する説明を省略する。尚、合計回転数Nは、トナーボトル201内のトナーの嵩密度が小さくなるために必要なトナーボトル201の回転数であり、実験的に定められた値が、画像形成装置1内の記憶領域にされている。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナー搬送方向およびトナー搬送逆方向にそれぞれ空回転させるので、トナーボトル201の長手方向一端にトナーが集められることによるトナーの凝集を抑制できる。
実施の形態10.
図28を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを説明する。本実施形態においては、実施の形態2と同様に、画像形成装置1における、温湿度、トナーボトル201が停止してからの経過時間、トナーボトル201を回転駆動させる駆動モータの回転数に基づいて、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向およびトナー搬送逆方向に空回転させるか否かを判定する。
そして、実施の形態9と同様に、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向およびトナー搬送逆方向に空回転させた場合には、空回転後にボトル駆動部302を駆動したときの回転数からトナー残量を算出する。
従って、図28に示すフローチャートにおいては、S901、S1701からS1703、S902は実施の形態2と同様の処理を行う。また、S2701以降は、実施の形態9と同様の処理を行う。尚、S1703の処理において、駆動モータの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、トナー補給を実施し(S1704)、本処理を終了させる。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。
実施の形態11.
図29を参照して、本実施形態に係るトナーボトル201内のトナーの残量を検知する処理の流れを説明する。本実施形態においては、まず、実施の形態2と同様に、画像形成装置1における、温湿度、トナーボトル201が停止してからの経過時間、トナーボトル201を回転駆動させる駆動モータの回転数に基づいて、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向およびトナー搬送逆方向に空回転させるか否かを判定する。
そして、トナーボトル201またはスクリュー213をトナー搬送方向およびトナー搬送逆方向に空回転させた場合には、実施の形態3と同様に、取得したトルクの値からトナーの供給量を算出し、トナー残量を検知する。従って、図29に示すフローチャートにおいては、S1701からS1703、S902は実施の形態2と同様の処理を行う。
また、S2701からS2703までは実施の形態9と同様の処理を行う。そして、トルク検知部350は、トナーボトル201またはスクリュー213が合計N回以上回転された後のトルク値T7を取得する(S2901)。さらに、本実施系形態においては、S1902以降は、S2901の処理において取得したトルク値T7に基づいて、実施の形態3と同様の処理を行うため、重複する説明を省略する。
尚、S1703の処理において、駆動モータの回転数が所定の回転数δに満たない場合(S1703/No)、本処理を終了させる。
本実施形態に係る画像形成装置1においては、トナーボトル201を回転させてトナーに悪影響を及ぼすことを防ぐことが出来る。また、画像形成装置内部の温湿度を考慮することにより、トナーの材質や物性、さらには画像形成装置の使用状況を反映させ、さらに精度よくトナー残量を検知することが出来る。
上述した実施形態において、画像形成装置1における温湿度を測定する場合、画像形成装置1の使用状況によって、温湿度の値は変動する。そこで、図30においては、前回駆動モータ221停止時における絶対湿度を基準として、測定された湿度が基準以上の場合には、係数αを乗じて補正を行い、測定された湿度が基準以下の場合には、係数βを乗じて補正を行うことができる。
この時、絶対湿度変化量Z=A(領域Aの平均絶対温度−停止時の絶対湿度)/α(A+B)+B(領域Bの平均絶対湿度−停止時の絶対湿度)/β(A+B)の関係式を用いて、絶対湿度変化量Zを算出してもよい。尚、図30の夫々の係数はβ<0、0<αという関係である。
また、図31においては、前回駆動モータ221停止時における絶対湿度を基準として、基準より大きい値の温湿度が測定された場合、所定の係数を乗じて補正を加えたものである。図31においては、例えば、湿度h1より大きい湿度が測定される時間において最も大きい係数γを用い、測定される湿度が湿度h2以上かつh1未満の場合には、係数βを用い、測定される湿度が基準となる絶対湿度以上湿度h2未満の場合には、係数αを用いることができる。
この時、絶対湿度変化量Z=(a×α)+(b×β)+(c×γ)の関係式を用いて絶対湿度変化量Zを算出してもよい。尚、図31の夫々の係数は、0<α、β、γという関係である。
また、上述した実施形態において、駆動モータ221に加わるトルクを測定する場合、図32に示すように、モータの特性としてトルクにピークが現れる。このような時に、ピーク時のトルク値、所定時間のトルク値を積分した値、トルクが安定状態にある場合の一定のトルク値のうち、いずれか一つの値を採用して、トナーの残量を算出してもよい。
実施の形態12.
図33および図34を用いて実施の形態12について説明する。実施の形態12は、トナーボトル内のトナーを積極的に凝集させることでトルクが安定する高い嵩密度となる状態を作り出すものである。
本実施形態では、ボトル駆動部302の駆動をトナー供給部202へトナーを供給する方向とは逆に回転させて、トナーボトル内のトナーを凝集させる。図33は実施の形態12にかかるフローチャートである。トナー残量を検出するときは、まずボトル駆動部302の駆動をトナー供給部202へトナーを供給する方向とは逆に回転させる(S3301)。時間計測部341はボトル駆動部302の駆動終了からの経過時間Xを測定する(S3302)。
ボトル駆動部302の逆転駆動が開始すると、トナーボトル201内のトナーが撹拌されることでトナーの嵩密度が図34に示すように低下する。その後、ボトル駆動部302の逆転駆動が継続することで、トナー吐出口212と反対側にトナーが寄せられることで、寄せられたトナーが凝集する。
そのため、トナーの嵩密度は高くなっていき、所定の時間aが経過するとトナーの嵩密度が飽和する。所定の時間a経過後の嵩密度はボトル駆動部の回転停止前(トナー補給時)の嵩密度よりも高い。また嵩密度が高くなるにつれてボトル駆動部302に加わるトルクが大きくなるが、所定の時間を超えるとトルクの値も安定する。なお、所定時間aの値は、トナーの材質や物性に応じて変動する値であり、使用するトナーの種類ごとに実験によって定められ、画像形成装置1内の記憶領域に記憶されている。
スクリュー213もしくはトナーボトル201をトナー補給時と逆方向に回転してからトルクが安定する所定時間aになったら(S3303/Yes)、トルク検知部350はボトル駆動部302に加わるトルクの値Tをトルクセンサ220から取得する(S3304)。
トナー残量算出部370は、図18に示すトルクと供給済みのトナー量との関係から供給済みのトナー量を特定し、供給済みのトナー量からトナー残量を算出する(S3305)。トナー残量算出部370は、S3307で取得したトルクの値Tから供給済みのトナー量S(図18)を算出する。そして、トナーボトル201の未使用状態のトナー量から供給済みのトナー量Sを差し引くことで、トナー残量が導き出される。
主制御部50は、算出されたトナー残量をディスプレイパネル24に表示する(図15(a)及び図15(b))ための表示情報を生成し、操作表示制御部54に送信する。操作表示制御部54は、受信した表示情報をディスプレイパネル24に表示させる(S3306)。表示情報は、図15に示すように、トナーボトル201内のトナーの残量のみを表示するものか、交換時期に近づいた場合には、トナーの残量に加えて、もうすぐトナーが無くなることを示す表示としてもよい。
主制御部50によって表示情報がディスプレイパネル24に送信されると、時間計測部341は、経過時間Xの測定をリセットし(S3307)、制御が終了する。本実施形態に係る画像形成装置1においては、ボトル駆動部302の回転停止前の嵩密度よりも高い嵩密度の状態でボトル駆動部302を駆動したときのトルクからトナー残量を算出する。トルクが安定する高い嵩密度の状態のときのトルクを検知することで、従来に比べてより精度よくトナーボトル201内のトナー残量を算出することが可能である。
尚、S3304の処理においてトルク値を取得する際に、実施の形態4及び実施の形態5を適用させることが出来る。具体的には、S3304の後に温湿度を取得し、取得した温湿度の値に基づいてS3304にて取得したトルク値を補正してもよい。また、図12、図13に示すような構成を用いて、本実施形態に係る処理を開始する前に、トナーの供給を遮断し、S3307の処理が終了した後に、トナーの供給を開放する構成であってもよい。