JP2017134246A - 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、及び、表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、及び、表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】感光性樹脂組成物の保存安定性、及び、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の耐腐食性に優れた感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル及び表示装置の提供。
【解決手段】特定の重合体を含む重合体成分、キノンジアジド化合物、溶剤、並びに、下記式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体Dを含有し、重合体Dの構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率がd1:d2=3:1〜8:1、重合体Dの酸無水物価が1.00〜3.00mmol/g、重合体Dの含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%である感光性樹脂組成物。
Figure 2017134246

【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、タッチパネル、及び、表示装置に関する。
液晶表示装置、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のフラットパネルディスプレイが広く使用されている。また、近年、スマートフォンやタブレット端末の普及と共に静電容量式タッチパネルが注目を浴びている。静電容量式タッチパネルのセンサ基板は、ガラスやフィルム上に透明電極(ITO(Indium Tin Oxide)及びIZO(Indium Zinc Oxide)など)及び金属電極(銀、銅、モリブデン、チタン、アルミニウムなど、並びに、それらの積層体及び合金など)がパターニングされた配線を有し、その他、配線の交差部に絶縁膜、ITO及び金属を保護する保護膜を有する構造が一般的である。
従来の感光性樹脂組成物として、特許文献1には、(A)カルボキシル基を有するモノマー及び/又はフェノール性水酸基を有するモノマー由来の繰り返し単位(a1)と、下記一般式2−1及び/又は一般式2−2で表される繰り返し単位(a2)と、を有する共重合体と(B)感放射線酸発生化合物を含む、ポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。
Figure 2017134246
一般式2−1中、R1は水素原子、メチル基、−CH2OH、又は−CH2CH2OHを表す。Aは2価の連結基を表す。Raは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2017134246
一般式2−2中、R2は水素原子、水酸基、−CH2OH、−CH2CH2OH、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表す。R3及びR4は、一方が、水素原子、水酸基、−CH2OH、−CH2CH2OH、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表し、他方は水素原子である。R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、−CH2OH、−CH2CH2OH、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表し、上記R5及びR6のうち少なくとも一方は水素原子である。Aは2価の連結基を表す。Raは水素原子又はメチル基を表す。
特開2013−76939号公報
本発明が解決しようとする課題は、感光性樹脂組成物の保存安定性、及び、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の耐腐食性に優れた感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル及び表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<9>、<10>、<12>、<14>又は<15>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<8>、<11>及び<13>と共に以下に記載する。
<1> 下記a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、キノンジアジド化合物、溶剤、並びに、下記式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体Dを含有し、重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率がd1:d2=3:1〜8:1の範囲であり、重合体Dの酸無水物価が1.00〜3.00mmol/gであり、重合体Dの含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物、
a1:酸基を有する構成単位、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
a2:酸基を有する構成単位を有する重合体、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
Figure 2017134246
式1中、R1はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシ基、又は、ハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、nは0〜5の整数を表す、
<2> 重合体Dの含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜10質量%である、<1>に記載の感光性樹脂組成物、
<3> 無機粒子を更に含有する、<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物、
<4> 上記無機粒子の含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、10〜80質量%である、<3>に記載の感光性樹脂組成物、
<5> 上記無機粒子の数平均一次粒径が、10〜200nmである、<3>又は<4>に記載の感光性樹脂組成物、
<6> 上記構成単位d2が、5員環の環状カルボン酸無水物構造を含む構成単位である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<7> 上記構成単位d2が、下記式d2−1で表される構成単位及び/又は下記式d2−2で表される構成単位を含有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
Figure 2017134246
<8> 上記構成単位d2が、下記式d2−1で表される構成単位を含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
Figure 2017134246
<9> 少なくとも工程a〜工程dをこの順で含む、硬化膜の製造方法、
工程a:<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程d:感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
<10> 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む、硬化膜の製造方法、
工程1:<1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
<11> 工程5における熱処理温度が、80〜150℃である、<10>に記載の硬化膜の製造方法、
<12> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、
<13> 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、<12>に記載の硬化膜、
<14> <12>又は<13>に記載の硬化膜を有するタッチパネル、
<15> <12>又は<13>に記載の硬化膜を有する表示装置。
本発明によれば、感光性樹脂組成物の保存安定性、及び、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の耐腐食性に優れた感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の製造方法、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いたタッチパネル及び表示装置を提供することができた。
有機EL(Electroluminescence)表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。 タッチパネルの機能を有する液晶表示装置の他の一例の構成概念図を示す。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
また、「下記式1で表される構成単位d1」等を単に「構成単位d1」等ともいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、下記a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、キノンジアジド化合物、溶剤、並びに、下記式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体Dを含有し、重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率がd1:d2=3:1〜8:1の範囲であり、重合体Dの酸無水物価が1.00〜3.00mmol/gであり、重合体Dの含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%であることを特徴とする。
a1:酸基を有する構成単位、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
a2:酸基を有する構成単位を有する重合体、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
Figure 2017134246
式1中、R1はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシ基、又は、ハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、nは0〜5の整数を表す。
タッチパネル表示装置の大型化、省電力化に伴い、静電容量式タッチパネルのセンサ基板が有する配線を低抵抗化することが求められている。具体的には、抵抗値の低い金属(銀、銅、モリブデン、チタン、アルミニウムなど、並びに、それらの積層体及び合金など)の使用や検討が進んでいる。
しかしながら、本発明者等は、上記金属電極を使用したタッチパネルの保護膜として、通常の硬化膜を使用した場合に、長期による使用によって、配線が変色を伴い腐食し、抵抗値上昇や金属配線が断線してしまう場合があるという問題点を見出した。上記配線の変色は、例えば、使用者の汗や汗中の塩分等が保護膜を通して配線に接触し、配線が腐食することにより発生すると推定している。なお、本発明において、硬化膜によりこのような配線の腐食が抑制されることを硬化膜の耐腐食性という。
本発明者等は鋭意検討した結果、上記a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、キノンジアジド化合物、溶剤、並びに、上記式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体Dを含有し、重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率がd1:d2=3:1〜8:1の範囲であり、重合体Dの酸無水物価が1.00〜3.00mmol/gであり、重合体Dの含有量が、上記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の保存安定性、及び、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の耐腐食性に優れることを見出した。
詳細なメカニズムは不明であるが、上記各成分が協奏的に作用することにより上記効果が得られているものと推測している。
以下、本発明の感光性樹脂組成物が含有する、各成分について説明する。
<a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分>
本発明の感光性樹脂組成物は、下記a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体成分を含有する。
a1:酸基を有する構成単位、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
a2:酸基を有する構成単位を有する重合体、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
上記重合体成分は、全体として、酸基と、架橋性基を有することにより、硬化反応が可能となる。
上記重合体成分は、上記a1を満たす重合体成分であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、更に、上記a1及びa2に示す重合体以外の重合体を含んでいてもよい。
上記重合体成分に含まれる重合体は、酸無水物価が1.00未満であることが好ましく、酸無水物構造を有しないことがより好ましい。
重合体成分が複数の重合体を含有する場合、その全ての重合体について、酸無水物価が1.00未満であることが好ましく、酸無水物構造を有しないことがより好ましい。
上記重合体の酸無水物価は、後述する重合体Dの酸無水物価と同様に測定することが可能である。
上記重合体成分における各重合体は、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸及び/又はアクリル酸」を意味するものとする。
酸基を有する構成単位を有する重合体は、現像液に対する適度な溶解性を付与し目的のパターン形状を得やすい観点で、酸価が50mgKOH/g以上500mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、上記酸基を有する構成単位を有する重合体の酸価は、JIS K2501(2003)記載の方法に従って測定することができる。
以下、上記a1又はa2における重合体に含まれる、酸基を有する構成単位、架橋性基を有する構成単位、及び、その他の構成単位について説明する。
〔酸基を有する構成単位〕
上記重合体成分は、酸基を有する構成単位を有する重合体を少なくとも含有する。
上記重合体成分が、酸基を有する構成単位を有する重合体を含有することにより、アルカリ性の現像液への溶解性が向上し、現像性がよくなるだけでなく、感度に優れ、更に現像後の密着性にも優れる。
上記酸基を有する構成単位としては、カルボキシ基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基及びスルホニルイミド基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を有する構成単位が好ましく、カルボキシ基及びフェノール性水酸基よりなる群から選ばれた少なくとも1種を有する構成単位がより好ましく、カルボキシ基を有する構成単位が更に好ましい。
上記酸基を有する構成単位における酸基は、中和し塩構造を形成した基であってもよい。上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び、有機アンモニウム塩が好ましく例示できる。
−カルボキシ基を有する構成単位−
カルボキシ基を有する構成単位として、具体的には、分子中に少なくとも1個のカルボキシ基を有する不飽和カルボン酸に由来する構成単位が挙げられる。
上記カルボキシ基を有する構成単位を形成するために用いられる不飽和カルボン酸としては、以下に挙げるようなものが用いられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよいが、酸無水物でないことが好ましい。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。更に、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、カルボキシ基を有する構成単位としては、メタクリル酸由来の構成単位(下記式a1−1で表される構成単位)又はアクリル酸由来の構成単位(下記式a1−2で表される構成単位)が好ましく、メタクリル酸由来の構成単位(下記式a1−1で表される構成単位)がより好ましい。
Figure 2017134246
式a1−1及び式a1−2中、Raはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムイオン、又は、有機アンモニウムイオンを表す。
中でも、Raは水素原子が好ましい。
−フェノール性水酸基を有する構成単位−
フェノール性水酸基を有する構成単位としては、具体的には、特開2012−88459号公報の段落0029〜0043に記載の、フェノール性水酸基含有不飽和化合物に由来する構成単位が挙げられ、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性及び入手容易性の観点から、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等が好ましく挙げられる。
1つの重合体において、酸基を有する構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸基を有する構成単位の含有量は、全重合体成分の構成単位に対し、1〜80モル%が好ましく、10〜65モル%がより好ましく、20〜55モル%が最も好ましい。
なお、本発明において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、上記「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本発明において上記「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
〔架橋性基を有する構成単位〕
上記重合体成分は、架橋性基を有する構成単位を有する重合体を少なくとも含有する。
上記架橋性基を有する構成単位としては、加熱により効果反応を起こす基であれば特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位、(−NH−CH2−O−R)により表される基を有する構成単位(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)、並びに、エチレン性不飽和基を有する構成単位が挙げられ、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位、並びに、(−NH−CH2−O−R)により表される基(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)が好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位がより好ましい。
−エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位−
3員環の環状エーテル基はエポキシ基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位は、1つの構成単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基及び1つ以上のオキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ有することが更に好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらの中でも、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルが好ましく挙げられる。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2017134246
−(−NH−CH2−O−R)により表される基を有する構成単位−
(−NH−CH2−O−R)により表される基を有する構成単位としては、国際公開第2014/156873号の段落0023に記載の構成単位が好ましい。
−エチレン性不飽和基を有する構成単位−
エチレン性不飽和基を有する構成単位としては、国際公開第2014/156873号の段落0022に記載の構成単位が好ましい。
1つの重合体において、架橋性基を有する構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
架橋性基を有する構成単位の含有量は、全重合体成分の構成単位に対し、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜70モル%が更に好ましい。
〔その他の構成単位〕
本発明において、上記重合体成分に含まれる重合体は、上述した酸基を有する構成単位、及び、架橋性基を有する構成単位に加えて、これら以外の他の構成単位を有していてもよい。
その他の構成単位を形成する単量体としては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物を挙げることができる。
その他の構成単位を形成する単量体は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
その他の構成単位は、具体的には、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位としては、スチレン類、又は、脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位が、電気特性の観点で好ましい。具体的に、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及び、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1つの重合体において、その他の構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
その他の構成単位の含有量は、全重合体成分の構成単位に対し、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の諸特性が良好となる。
〔重合体の分子量〕
上記重合体成分における各重合体の分子量はそれぞれ独立に、ポリスチレン換算重量平均分子量で、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましく、10,000〜20,000が更に好ましい。上記範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比(分散度、Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.5がより好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量や数平均分子量の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することが好ましい。本発明におけるゲル浸透クロマトグラフィ法による測定は、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super HZ M−H、TSK gel Super HZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いることが好ましい。
〔重合体の製造方法〕
また、上記重合体の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、各構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物中における上記重合体成分の含有量は、感光性樹脂組成物の全有機固形分に対して、20〜95質量%であることが好ましく、50〜93質量%であることがより好ましく、55〜90質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、硬化性の良好な有機膜が得られる。
なお、感光性樹脂組成物の全固形分とは、溶剤を除いた全成分のことであり、感光性樹脂組成物の全有機固形分とは、後述する無機粒子等の無機成分及び溶剤を除いた全成分のことである。
<キノンジアジド化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。
上記キノンジアジド化合物としては、活性光線の照射によりカルボン酸を発生する1,2−キノンジアジド化合物を用いることができる。1,2−キノンジアジド化合物としては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物(以下、「母核」と称する。)と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。これらの化合物の具体例としては、例えば、特開2012−088459号公報の段落0075〜0078の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール性化合物又はアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30〜85モル%、より好ましくは50〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
また、1,2−キノンジアジド化合物としては、上記例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。また、4,4’−{1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン}ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.44モル)との縮合物などを用いてもよい。
これらのキノンジアジド化合物は、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物におけるキノンジアジド化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全有機固形分100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、2〜40質量部がより好ましく、10〜25質量部が更に好ましい。キノンジアジド化合物の配合量を上記範囲とすることで、現像液となるアルカリ水溶液に対する活性光線の照射部分と未照射部分との溶解度の差が大きく、パターニング性能が良好となり、また得られる硬化膜の耐溶剤性が良好となる。
<溶剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分である上記重合体成分及び上記キノンジアジド化合物と、後述の重合体Dと、任意成分とを、上記重合体成分、上記キノンジアジド化合物及び上記重合体Dが溶解する有機溶剤を使用して、これらの成分が溶解及び/又は分散した液として感光性樹脂組成物を調製することが好ましい。
溶剤としては、公知の有機溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ブチレングリコールジアセテート類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコール類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの有機溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。
好ましい具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、プロピレングリコールジアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールが挙げられる。
溶剤の沸点は、塗布性の観点から、100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。
本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種以上を併用することができる。沸点の異なる溶剤を併用することも好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、塗布に適した粘度に調整するという観点から、感光性樹脂組成物の全有機固形分100質量部あたり、100〜3,000質量部であることが好ましく、200〜2,000質量部であることがより好ましく、250〜1,000質量部であることが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の固形分濃度としては、3〜50質量%が好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
感光性樹脂組成物の粘度は、1〜200mPa・sが好ましく、2〜100mPa・sがより好ましく、3〜800mPa・sが最も好ましい。粘度は、例えば、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用いて、25±0.2℃で測定することが好ましい。測定時の回転速度は、5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上は10rpmで、それぞれ行うことが好ましい。
<式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体D>
本発明の感光性樹脂組成物は、式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体D(以下、単に「重合体D」ともいう。)を含有する。
重合体Dの重量平均分子量は、1,000〜200,000であることが好ましく、3,000〜100,000であることがより好ましく、3,000〜50,000であることが更に好ましい。
重合体Dは、酸価が500mgKOH/g未満であることが好ましく、300mgKOH/g未満であることがより好ましい。上記酸価の下限は特に限定されず、0mgKOH/g以上であればよい。なお、上記重合体Dの酸価は、JIS K2501(2003)記載の方法に従って測定することができる。
〔構成単位d1〕
構成単位d1は、下記式1で表される構成単位である。
式1で表される構成単位d1は、スチレン化合物に由来する構成単位であることが好ましい。
スチレン化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、α,p−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンが例示され、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。なお、スチレン化合物は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2017134246
式1中、R1はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシ基、又は、ハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、nは0〜5の整数を表す。
1はそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボキシ基、F原子、Cl原子、Br原子、又はI原子を表すことが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、Cl原子、又は、Br原子であることがより好ましい。
2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素原子6〜12のアリール基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
nは0〜3の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。
重合体Dにおける構成単位d1の含有量は、重合体Dの全質量に対し、20〜90質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが更に好ましい。
〔構成単位d2〕
構成単位d2は、カルボン酸無水物構造を有する構成単位である。
構成単位d2は、カルボン酸無水物構造を1つのみ有する構成単位であることが好ましい。
カルボン酸無水物構造としては、鎖状及び環状のいずれも用いることができるが、環状カルボン酸無水物構造であることが好ましい。上記環状カルボン酸無水物構造の環員数としては5〜7員環が好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、5員環であることが更に好ましい。
また、環状カルボン酸無水物構造に他の環構造が縮環又は結合して多環構造を形成していてもよいが、多環構造を形成していないことが好ましい。他の環構造が縮環又は結合していている場合は、ビシクロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していているか、スピロ構造を形成する形で他の環構造と結合していることが好ましく、縮環又は結合している他の環構造の数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。他の環構造としては、炭素数3〜20の環状の炭化水素基、炭素数3〜20のヘテロ環基等が挙げられる。ヘテロ環基としては、特に限定されないが、脂肪族環を構成する原子のうち1つ以上がヘテロ原子である基又は芳香族ヘテロ環基が挙げられる。また、ヘテロ環基としては、5員環又は6員環が好ましく、5員環が特に好ましい。具体的には、ヘテロ環基は、酸素原子を少なくとも一つ含有するものが好ましく、例えば、オキソラン環、オキサン環、ジオキサン環等が挙げられる。
また、本発明で用いられるカルボン酸無水物構造は、置換基を有していても、有していなくてもよいが、有していないことが好ましい。置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基などが挙げられる。より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基である。アルキル基としては、直鎖状の炭素数1〜6のアルキル基、分岐鎖状の炭素数3〜6のアルキル基又は環状の炭素数3〜6のアルキル基が好ましく、直鎖状の炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。カルボン酸無水物構造が置換基を有する場合、置換基の数は、特に限定されないが、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。本発明で用いられるカルボン酸無水物構造が複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、カルボン酸無水物構造に他の環構造が縮環していている場合、この他の環構造が置換基を有していてもよい。
本発明に用いられるカルボン酸無水物構造を有する構成単位は、下記式2で表される部分構造を含むことが好ましい。
Figure 2017134246
式2中、RA1aは置換基を表し、n1a個のRA1aはそれぞれ独立しており、同一でも異なっていてもよい。Z1aは−C(=O)−O−C(=O)−を含む環を形成する2価の基を表す。n1aは0以上の整数を表す。
式2中、RA1aは置換基を表し、n1a個のRA1aはそれぞれ独立しており、同一でも異なっていてもよい。RA1aは、上述したカルボン酸無水物構造が有していてもよい置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式2中、Z1aは−C(=O)−O−C(=O)−を含む環を形成する2価の基を表す。Z1aは炭素数2〜4のアルキレン基を表すことが好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数2のアルキレン基であることが更に好ましい。
上記部分構造は、ビシクロ構造を形成する形で他の環構造と縮環、又は、スピロ構造を形成する形で他の環構造と結合していてもよいが、他の環構造と縮環又は結合していないことが好ましい。他の環構造としては、上述した他の環構造と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式2中、n1aは0以上の整数を表す。Z1aが炭素数2〜4のアルキレン基を表す場合、n1aは0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0が更に好ましい。n1aが2以上の整数を表す場合、複数存在する置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基は、互いに結合して環を形成してもよいが、互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
また、構成単位d2は、不飽和カルボン酸無水物に由来する構成単位であることが好ましく、不飽和環式カルボン酸無水物に由来する構成単位であることが好ましく、不飽和脂肪族環式カルボン酸無水物に由来する構成単位であることがより好ましく、無水マレイン酸、又は、無水イタコン酸に由来する構成単位であることが更に好ましく、無水マレイン酸に由来する構成単位であることが特に好ましい。
以下に、構成単位d2の具体例を挙げるが、本発明に用いられる重合体D中の構成単位d2はこれらに限定されるものではない。下記の構成単位中、Rxは水素原子、メチル基、CH2OH基、又はCF3基を表し、Meはメチル基を表す。
Figure 2017134246
Figure 2017134246
構成単位d2は、上記式d2−1〜式d2−21よりなる群から選ばれた、少なくとも1つの式により表される構成単位を含有することが好ましく、上記式d2−1〜式d2−21のいずれかにより表される構成単位であることがより好ましい。
構成単位d2は、上記具体例の中でも、式a2−1で表される構成単位及び/又は式d2−2で表される構成単位を含有することが好ましく、式d2−1で表される構成単位を含有することがより好ましい。
また、構成単位d2は、式d2−1で表される構成単位及び/又は式d2−2で表される構成単位であることが好ましく、式d2−1で表される構成単位であることがより好ましい。
重合体Dにおける構成単位d2の含有量は、重合体Dの全質量に対し、5〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
また、重合体Dにおける構成単位d1と構成単位d2との合計含有量は、重合体Dの全質量に対し、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。上記合計含有量の上限は特に限定されず、100質量%以下であればよい。
〔構成単位d3〕
重合体Dは、構成単位d1及び構成単位d2の他に、構成単位d3を含有してもよい。
構成単位d3は、重合体Dの酸価の値を小さくする観点から、酸基を含有しないことが好ましい。
構成単位d3としては、特に限定されないが、単官能エチレン性不飽和化合物に由来する構成単位が挙げられる。上記単官能エチレン性不飽和化合物としては、公知の化合物を特に限定なく用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物の誘導体が好ましく用いられる。
重合体Dにおける構成単位d3の含有量は、重合体Dの全質量に対し、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜2質量%であることが更に好ましい。
〔重合体Dの特性〕
−含有量−
本発明の感光性樹脂組成物における重合体Dの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対し0.5〜8質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることが更に好ましい。上記範囲であれば、得られる硬化物の耐腐食性により優れる。
また、本発明の感光性樹脂組成物における重合体Dの含有量は、上述の重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%であり、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜9質量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、感光性樹脂組成物の保存安定性に優れ、得られる硬化物の耐腐食性により優れた感光性樹脂組成物が得られる。
−構成単位d1と構成単位d2の比−
重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率は、d1:d2=3:1〜8:1であり、d1:d2=3.5:1〜8:1であることが好ましく、d1:d2=4:1〜8:1であることがより好ましい。上記範囲であれば、感光性樹脂組成物の保存安定性に優れ、得られる硬化膜の耐腐食性により優れた感光性樹脂組成物が得られる。
−酸無水物価−
重合体Dの酸無水物価は、1.00〜3.00mmol/gであり、1.00〜2.80mmol/gであることが好ましく、1.10〜2.60mmol/gであることが更に好ましい。
重合体Dの酸無水物価は、例えばオクチルアミンと酸無水物の反応量を測定することで算出することができる。具体的には、下記に記載の手法が挙げられる。
下記組成の溶液A及び溶液Bを調製し、溶液Bを室温(25℃)で2時間撹拌して反応を完結させる。溶液A及び溶液Bを0.5mol/l塩酸水溶液で滴定し、溶液Aのアミンの価数A(mmol/g)及び溶液Bのアミンの価数B(mmol/g)を算出する。更に下記の計算式より重合体Dの酸無水物価を算出することができる。
溶液Bの酸無水物量(mmol)
=溶液Aのアミンの価数A×溶液Bの調製に用いた溶液Aの秤量値(g)−溶液Bのアミンの価数B×(溶液Bの調製に用いた溶液Aの秤量値(g)+溶液Bの調製に用いた重合体Dの秤量値(g))
重合体Dの酸無水物価(mmol/g)
=溶液Bの酸無水物量÷溶液Bの調製に用いた重合体Dの秤量値
溶液A:オクチルアミンの10質量%MFG(メチルプロピレングリコール)溶液
溶液B:重合体Dとアミン溶液Aとの混合物
溶液Bの調製に用いる重合体Dと溶液Aの混合比は、例えば溶液Bにおける重合体Dの酸量と溶液Aのアミン量をおおよそ一致させるか、溶液Aのアミン量が過剰となるように調整することができる。なお重合体Dの酸量とは、重合体Dが有する酸無水物が加水分解した状態での総酸量を意味し、重合体Dが有する酸無水物が加水分解した状態での重合体Dの総酸価と重合体Dの秤量値の積などから求めることができる。溶液Aのアミン量は、溶液Aのアミンの価数と、溶液Aの秤量値との積などから求めることができる。
<無機粒子>
本発明の感光性樹脂組成物は、無機粒子を含有する。無機粒子を含有することにより、硬化膜の密着性及び鉛筆硬度がより優れたものとなる。
本発明で用いる無機粒子の数平均一次粒径は、10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましく、10〜50nmが特に好ましい。数平均一次粒径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、投影面積から算出された円相当径を径とする。
また、硬化膜の硬度の観点から、無機粒子の空隙率は、10%未満が好ましく、3%未満がより好ましく、空隙がないことが最も好ましい。ここでいう空隙とは、粒子の断面を観察した際にみられる粒子内部の孔となった部分を意味する。粒子の空隙率は電子顕微鏡による断面画像の空隙部分と粒子全体との面積比の、200個の算術平均である。
無機粒子としては、粒子の安定性、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整性の観点から金属粒子、金属酸化物粒子、雲母の粒子などが挙げられる。
〔金属粒子〕
金属粒子としては、遷移金属元素、典型金属元素のいずれも適用でき、例えば、種々の用途に汎用的に用いられている、周期表第VIII族に属する鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金や、周期表第IB族に属する銅、銀、金などの適用が好ましい。中でも、導電性に優れる金、銀、白金、パラジウム、銅、ニッケルが好ましく、銅、銀、ニッケルがより好ましく、銀が更に好ましい。また、これらは、1種に限らず、2種以上組み合わせてもよく、合金であってもよい。
〔金属酸化物粒子〕
金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウムが、粒子の安定性、入手容易性、硬化膜の硬度、透明性、屈折率調整等の観点から特に好ましい。
酸化ケイ素としては、シリカが好ましく挙げられ、シリカ粒子がより好ましく挙げられる。
シリカ粒子としては、二酸化ケイ素を含む無機酸化物の粒子であれば特に問題はなく、二酸化ケイ素又はその水和物を主成分(好ましくは80質量%以上)として含む粒子が好ましい。上記粒子は、少量成分(例えば、5質量%未満)としてアルミン酸塩を含んでいてもよい。少量成分として含まれることがあるアルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが挙げられる。また、シリカ粒子は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の無機塩類やテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩類が含まれていてもよい。このような化合物の例として、コロイダルシリカが例示される。
コロイダルシリカの分散媒としては特に制限はなく、水、有機溶剤、及びこれらの混合物のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
〔雲母の粒子〕
雲母の粒子としては、国際公開第2015/076160号の段落0067に記載の雲母の粒子を好ましく用いることができる。
無機粒子としては市販品を使用することもでき、PMA−ST(日産化学工業(株)製)、MIBK−ST一L(日産化学工業(株)製)、TTO−51(石原産業(株)製)、銀ナノ粒子(安達新産業(株)製)等が例示される。
本発明において、無機粒子は、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合及び分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。なお、本発明の感光性樹脂組成物において、上述のコロイダルシリカがコロイド状態で存在していることを必須とするものではない。
無機粒子を配合する場合、無機粒子の含有量は、硬度の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。また、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が特に好ましい。
また、無機粒子の含有量は、重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、10〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることが更に好ましい。
無機粒子は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<密着促進剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、密着促進剤を含有することが好ましい。
上記密着促進剤としては、公知の密着促進剤を用いることができるが、アルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシ基がケイ素原子に直接結合した基を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はないが、ジアルコキシシリル基及び/又はトリアルコキシシリル基を有する化合物であることが好ましく、トリアルコキシシリル基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができるアルコキシシラン化合物は、基材、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。エチレン性不飽和結合を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
市販品としては、信越化学工業(株)製のKBM−403やKBM−402、KBM−5103、モメンティブパフォ−マンスマテリアルズ(株)製のシルクエストA−187SILANE等が例示される。
密着促進剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における密着促進剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全有機固形分に対し、0.1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2〜15質量%が更に好ましい。密着促進剤を2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<界面活性剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、例えば、市販品である、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781、同F781−F、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(三菱マテリアル電子化成(株)製)、フタージェント250(ネオス(株)製)が挙げられる。また、上記以外にも、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、PolyFox(OMNOVA社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤としては、特開2014−238438号公報段落0151〜0155に記載の化合物も好ましい例として挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、配合する場合、感光性樹脂組成物の全有機固形分中100質量部に対して、0.001〜5.0質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
界面活性剤は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<増感剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、キノンジアジド化合物との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。
増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、キノンジアジド化合物と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これによりキノンジアジド化合物は化学変化を起こして、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
増感剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物における増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物のキノンジアジド化合物100質量部に対し、0〜1,000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、50〜200質量部であることが更に好ましい。
<架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、架橋剤を含んでいてもよい。
上記架橋剤としては、分子量1,000以下の架橋剤であることが好ましい。
上記架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限なく使用できる(ただし、上記重合体、及び、上記アルコキシシリル化合物は除かれる。)。例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、分子内に2個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物(保護されたイソシアナト基を有する化合物)、分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物、及び、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、及び、分子内に2個以上のブロックイソシアネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における架橋剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全有機固形分に対し、0〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
上記架橋剤は、複数種を併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算した全含有量により添加量を計算する。
以下に、本発明において好ましく使用される架橋剤について説明する。
〔分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物〕
分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物としては、多官能の3及び/又は4員環環状エーテル化合物が挙げられる。すなわち、1分子内に、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を2個以上有する化合物であることを意味する。この化合物の分子量は、分子量1,000以下であることが好ましい。この低分子の架橋剤に、分子量1,000を超え5,000未満のオリゴマー、又は、分子量が5,000以上の高分子の架橋剤を少量併用してもよい。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、脂肪族エポキシ化合物等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上、ナガセケムテックス(株)製)、セロキサイド2021P、2081、3000、EHPE3150、エポリードGT400、セルビナースB0134、B0177(以上、(株)ダイセル製)などが挙げられる。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、分子内に2個以上のオキセタニル基を含む化合物は、単独で又は分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
〔分子内に2個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物〕
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Dとして、分子内に2個以上のブロックイソシアネート基を有する化合物(単に、「ブロックイソシアネート化合物」ともいう。)も好ましく採用できる。ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート基が化学的に保護されたブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はない。ブロックイソシアネート化合物もその分子量が、1,000以下である化合物を架橋剤として使用する。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
上記ブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、オキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、及び、ベンゾフェノンオキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としてはε−カプロラクタム、及び、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、及び、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、及び、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、第一級アミン及び第二級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンのいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、及び、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、及び、アセト酢酸メチル等が例示できる。上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、及び、ジメチルピラゾール等が例示できる。
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、及び、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
〔分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物〕
分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、メトキシメチル基が特に好ましい。
これらの化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい化合物として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
アルコキシメチル基含有架橋剤もその分子量が、1,000以下である化合物を感光性樹脂組成物に使用する。
これら分子内に2個以上のアルコキシメチル基を有する化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
〔少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物〕
少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を加える場合には、後述の熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
<塩基性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。
塩基性化合物としては、特に制限はなく、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜0207に記載の化合物が挙げられる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセン、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)などが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
これらの中でも、複素環式アミンが好ましく、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素が特に好ましい。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全有機固形分に対して、0.001〜3質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックス1010、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF社製)、チヌビン405(BASF社製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン405を好適に使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全有機固形分に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、かつ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、「高分子添加剤の新展開」((株)日刊工業新聞社)に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を感光性樹脂組成物に添加してもよい。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、紫外線吸収剤、金属不活性化剤や、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、重合禁止剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。また、これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落0201〜0224、特開2014−238438号公報の記載も参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<感光性組成物の特性>
〔酸価〕
本発明の感光性樹脂組成物は、組成物の全固形分に対する酸価が、0mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であることがより好ましく、5mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
感光性組成物の全固形分に対する酸価は、電位差自動滴定装置(AT−510、京都電子工業(株)製)を用い、滴定試薬として0.1mol/Lの水酸化ナトリウム/エタノール溶液を用いて、JIS K2501(2003)に基づき、電位差滴定法により酸価を測定することができる。
(硬化膜の製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。また、本発明の硬化物は、硬化膜であることが好ましい。本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜の製造方法は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させ硬化膜を製造する方法であれば、特に制限はないが、以下の工程a〜工程dをこの順で含むことが好ましい。
工程a:本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程d:感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
また、本発明の硬化膜の製造方法は、以下の工程1〜工程5をこの順で含むことが好ましい。
工程1:本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
工程4:露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
工程a〜工程dを含む硬化膜の製造方法では、現像工程が任意の工程となっており、例えば、基材上に一面に保護膜を設ける場合など、パターニングを必要としない場合が例示される。
上記塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことができる。更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザン等で基板表面を処理することができる。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する傾向にある。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミド−オレフィン共重合体、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、通常、最終製品の形態によって、例えば、TFT素子のような多層積層構造が形成されている。
また、オンセル構造のタッチパネルなどのような場合には、パネルとして一旦完成しているLCD(液晶ディスプレイ)セルやOLED(有機発光ダイオード)セルの上に、本発明の感光性樹脂組成物を適用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、スパッタリングにより製膜された金属膜や金属酸化物に対する密着がよいため、基板としては、スパッタリングにより製膜された金属膜を含むことが好ましい。金属としては、チタン、銅、アルミニウム、インジウム、スズ、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、銀、ネオジウム及びこれらの酸化物又は合金であることが好ましく、モリブデン、チタン、アルミニウム、銅及びこれらの合金であることが更に好ましい。なお、金属や金属酸化物は1種単独で用いても、複数種を併用してもよい。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法、インクジェット法、印刷法(フレキソ、グラビア、スクリーン等)等の方法を用いることができる。インクジェット法、印刷法は必要な箇所に絞って組成物を設置することができ、組成物を省液化できるため、好ましい。
塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.05〜10μmの範囲であることが好ましい。
更に、基板に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、いわゆる、プリウェット法を適用することも可能である。
上記溶剤除去工程では、塗布された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。また、上記溶剤除去工程においては、感光性樹脂組成物中の溶剤を完全に除去する必要はなく、少なくとも一部が除去されていればよい。
なお、上記塗布工程と上記溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、上記塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、上記溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、上記塗布工程におけるインクジェット塗布方式による感光性樹脂組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
上記露光工程では、得られた塗膜に波長300nm以上450nm以下の活性光線を所定のパターン状に照射することが好ましい。
上記露光工程に用いることができる露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED(発光ダイオード)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルタ、短波長カットフィルタ、バンドパスフィルタのような分光フィルタを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。
また、上記露光工程における露光量としては、特に制限はないが、1〜3,000mJ/cm2であることが好ましく、1〜500mJ/cm2であることがより好ましい。
また、上記露光工程における露光は、溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部に行われればよく、例えば、全面露光であっても、パターン露光であってもよい。
また、上記露光工程後に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上110℃以下が特に好ましい。
加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。この温度範囲であれば、基板、装置へのダメージなく加熱することができる。
現像工程においては、未硬化の感光性樹脂組成物を、水性現像液を用いて現像除去し、ポジ画像を形成する。現像工程で使用する現像液は、アルカリ性の水性現像液であることが好ましい。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.4〜2.5質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等のいずれでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
パターン露光及び現像については、公知の方法や公知の現像液を用いることができる。例えば、特開2011−186398号公報、特開2013−83937号公報に記載のパターン露光方法及び現像方法を好適に用いることができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、上記現像工程後、現像された感光性樹脂組成物を熱処理する工程(ポストベーク)を含むことが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物を現像した後に熱処理を行うことにより、より強度に優れた硬化膜を得ることができる。
上記熱処理工程における熱処理温度としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。下限値としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。加熱の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱時間としては、ホットプレートの場合は1分〜30分程度が好ましく、それ以外の場合は20分〜120分程度が好ましい。上記温度範囲であれば、基板、装置へのダメージを抑えて硬化することができる。
また、熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、80〜150℃で1〜60分加熱した後に、100℃以上の温度で熱処理することが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンの形状を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
また、現像工程後、熱処理工程前に、膜硬度向上の観点から、現像された感光性樹脂組成物に更に光を照射するポスト露光工程を含むことが好ましい。
上記ポスト露光工程においては、現像された感光性樹脂組成物の全面に露光することが好ましい。ポスト露光後にポストベークすることにより、露光部分に残存する光重合開始剤から開始種を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。また、ポスト露光工程においては、水銀灯やLEDランプなどで50〜3,000mJ/cm2程度のエネルギー露光することが好ましい
(硬化膜)
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜である。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜(絶縁膜)やオーバーコート膜(保護膜)として好適に用いることができ、タッチパネル用オーバーコート膜としてより好適に用いられ、オンセル構造タッチパネル用オーバーコート膜として更に好適に用いられる。オンセル構造タッチパネルとは、後述するオンセル型のタッチパネル表示装置と同義である。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化膜の製造方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物により、低温で硬化しても充分な硬度のある硬化膜、例えば、硬度がH以上である硬化膜が得られる。本発明の感光性樹脂組成物を硬化して形成される保護膜は、硬化膜物性に優れるため、有機EL表示装置や液晶表示装置の用途に有用である。
中でも、本発明の硬化膜は、タッチパネル配線用保護膜として好適に用いることができ、オンセル構造タッチパネルにおける配線用保護膜としてより好適に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)用デバイスの構造部材として、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化物やレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えばSAW(表面弾性波、Surface Acoustic Wave)フィルタ、BAW(バルク波、Bulk Acoustic Wave)フィルタ、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の感光性樹脂組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。この他、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、液晶表示装置のカラーフィルタやカラーフィルタ保護膜、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルタの結像光学系あるいは光ファイバコネクタのマイクロレンズにも好適に用いることができる。
(表示装置、及び、タッチパネル)
本発明の表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の表示装置としては、例えば、有機EL表示装置、液晶表示装置、タッチパネル表示装置等、種々の表示装置が挙げられる。
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が有するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図1は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34からなる絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図1には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlからなる第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂とを用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されるオーバーコート膜(保護膜)、平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物、いわゆる、IGZO)等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルタ上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図2は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置された全ての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルタ22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば、白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のもの(タッチパネル表示装置)としたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の感光性樹脂組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。
タッチパネル表示装置としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch on Lens)型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
また、図3は、タッチパネル表示装置の一例の構成概念図を示す。
例えば、本発明の硬化膜は、図3における、各層の間の保護膜に適用することが好適であり、また、タッチパネルの検出電極間を隔てる層間絶縁膜に適用することも好適である。なお、タッチパネルの検出電極としては、銀、銅、アルミニウム、チタン、モリブデン、これらの合金であることが好ましい。
図3において、110は画素基板を、140は液晶層を、120は対向基板を、130はセンサ部をそれぞれ示している。画素基板110は、図3の下側から順に、偏光板111、透明基板112、共通電極113、絶縁層114、画素電極115、配向膜116を有している。対向基板120は、図3の下側から順に、配向膜121、カラーフィルタ122、透明基板123を有している。センサ部130は、位相差フィルム124、接着層126、偏光板127をそれぞれ有している。また、図3中、125は、センサ用検出電極である。本発明の硬化膜は、画素基板部分の絶縁層(114)(層間絶縁膜ともいう。)や各種保護膜(図示せず)、画素基板部分の各種保護膜(図示せず)、対向基板部分の各種保護膜(図示せず)、センサ部分の各種保護膜(図示せず)等に使用できる。
更に、スタティック駆動方式の液晶表示装置でも、本発明を適用することで意匠性の高いパターンを表示させることも可能である。例として、特開2001−125086号公報に記載されているようなポリマーネットワーク型液晶の絶縁膜として本発明を適用することができる。
また、図4は、タッチパネル表示装置の他の一例の構成概念図である。
薄膜トランジスタ(TFT)440が具備された薄膜トランジスタ表示板に相当する下部表示板200、下部表示板200と対向して下部表示板200と対向する面に複数のカラーフィルタ330が具備されたカラーフィルタ表示板に相当する上部表示板300、及び下部表示板200と上部表示板300の間に形成された液晶層400を含む。液晶層400は液晶分子(図示せず)を含む。
下部表示板200は、第1絶縁基板210、第1絶縁基板210の上に配置する薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタ(TFT)の上面に形成された絶縁膜280、及び絶縁膜280の上に配置する画素電極290を含む。薄膜トランジスタ(TFT)は、ゲート電極220、ゲート電極220を覆うゲート絶縁膜240、半導体層250、オーミックコンタクト層260、262、ソース電極270、及び、ドレイン電極272を含むことができる。絶縁膜280には薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極272が露出するようにコンタクトホール282が形成されている。
上部表示板300は、第2絶縁基板310の一面の上に配置して、マトリックス状に配列された遮光部材320、第2絶縁基板310の上に配置する配向膜350、配向膜350の上に配置するカラーフィルタ330、及びカラーフィルタ330の上に配置し、下部表示板200の画素電極290と対応して、液晶層400に電圧を印加する共通電極370を含む。
図4に示すタッチパネル表示装置において、第2絶縁基板310の他の一面にはセンシング電極410、絶縁膜420、駆動電極430、及び、絶縁膜(保護膜)280を配置する。このように、図4に示す液晶表示装置の製造においては、上部表示板300を形成する時に、タッチスクリーンの構成要素であるセンシング電極410、絶縁膜420、及び、駆動電極430などを共に形成することができる。特に、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜は、絶縁膜280や絶縁膜420に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下、実施例中で使用されている略語の詳細は、下記の通りである。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製)
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
GMA:メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業(株)製)
αMHSt:α−メチル−p−ヒドロキシスチレン
CHM:N−シクロヘキシルマレイミド
THFM:メタクリル酸テトラヒドロフルフリル
LM:ラウリルメタクリレート
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製メトキシプロピルアセテート)
<合成例1:樹脂A−1の合成>
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続きスチレン25質量部、メタクリル酸20質量部、メタクリル酸グリシジル45質量部及びジシクロペンタニルメタクリレート10質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し、樹脂A−1を含む重合体溶液を得た。なお、得られた重合体溶液の固形分濃度は、40質量%になるよう調整した。
<合成例2〜7:樹脂A−2〜A−7の合成>
モノマーを下記表1に示すように変更し、樹脂A−1と同様の方法により各樹脂A−2〜A−7を合成した。
Figure 2017134246
表1に記載の各単量体成分、及び重合開始剤における数値の単位は、質量部である。また、表中の「−」は、該当する化合物を使用しなかったことを示している。
また、上記樹脂A−1〜A−7以外に実施例及び比較例において使用した各種成分の詳細を以下に示す。
<キノンジアジド化合物>
・B−1:4−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル]フェノール骨格のNQD、エステル化率66%、東洋合成工業(株)
・B−2:4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物
・B−3:1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物
・B−4:2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.44モル)との縮合物
<溶剤>
・C−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
<界面活性剤>
・メガファックF−554、パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤の2%PGMEA溶液、DIC(株)製
<重合体D>
・SMA−3000P:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=3:1、Mw=9,500、CrayValley社製
・SMA−EF−40:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=4:1、Mw=10,500、CrayValley社製
・SMA−EF−60:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=6:1、Mw=11,500、CrayValley社製
・SMA−EF−80:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=8:1、Mw=14,400、CrayValley社製
・D−1:下記合成品D−1、d1:d2=3:1
・D−2:下記合成品D−2、d1:d2=4:1
・D−3:下記合成品D−3、d1:d2=5:1
・SMA−1000P:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=1:1、Mw=5,500、CrayValley社製、比較例
・SMA−2000P:スチレン−無水マレイン酸共重合体、d1:d2=2:1、Mw=7,500、CrayValley社製、比較例
・SMA−2625:スチレン−無水マレイン酸共重合体のハーフエステル体、d1:d2=2:1、Mw=9,000、CrayValley社、比較例
<無機粒子>
・PMA−ST:シリカ粒子、日産化学工業(株)製、数平均一次粒径10〜15nm
・MIBK−ST−L:オルガノシリカゾル、日産化学工業(株)製、数平均一次粒径40〜50nm
・E−3:TTO−51、酸化チタン、石原産業(株)製、数平均一次粒径20nm
・E−4:銀ナノ粒子、安達新産業(株)製、数平均一次粒径200nm
・E−5:下記調製方法により調製した粒子E−6、数平均一次粒径300nm
<密着促進剤>
・KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製
・KBM−402:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製
・A−187:シルクエストA−187SILANE、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、モメンティブパフォ−マンスマテリアルズ(株)製
<D−1の合成>
3つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(119.9g)を入れ、窒素雰囲気下において85℃に昇温した。メタクリル酸(22.3g:全単量体成分中の11.2質量%となる量)、メタクリル酸メチル(41.8g:全単量体成分中の20.9質量%となる量)、スチレン(99.9g:全単量体成分中の50.0質量%に相当)、V−601(11.17g)(和光純薬工業(株)製)、4−メトキシフェノール(0.01g)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(15.0g)を加えた溶液を調整し滴下液1とし、イタコン酸無水物(35.8g:全単量体成分中の17.9質量%に相当)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(236.3g)、4−メトキシフェノール(0.01g)を加えた溶液を調整し滴下液2とした。
85℃±1℃を維持した3つ口フラスコ溶液中に、滴下液1を2時間かけて滴下し、滴下液2を滴下液1の滴下開始15分後から2時間15分かけて滴下した。
滴下液2の滴下終了後、85℃±1℃にて1時間30分撹拌した後、V−601(4.50g)を加え、更に85℃±1℃にて4時間撹拌した。これを室温まで冷却することで、重合体D−1(固形分濃度35.0質量%、Mw=13,000)を得た。
<D−2の合成>
スチレンの使用量を124.9gに、メタクリル酸メチルの使用量を19.0gに、イタコン酸無水物の使用量を33.6gに変えた以外は重合体D−1の場合と同様にして、重合体D−2(固形分濃度35.0質量%、Mw=12,000)を得た。
<D−3の合成>
メタクリル酸の使用量を17.2g、スチレンの使用量を145.7gに、メタクリル酸メチルの使用量を5.6gに、イタコン酸無水物の使用量を31.4gに変えた以外は重合体D−1の場合と同様にして、重合体D−3(固形分濃度35.0質量%、Mw=11,200)を得た。
<E−5の調製>
シーホスターKE−P30(アモルファスシリカ粒子、(株)日本触媒製、平均粒径0.3μm)100質量部にメタノール480質量部を加えてミキシングタンクで撹拌し、20質量シリカ分散液とした。
更にアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 20質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5質量部を加え混合した後に、イオン交換水を9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン 1.8質量部を添加した。総液量がほぼ一定になるようにメチルエチルケトンを添加しながら減圧蒸留により溶媒を置換した。
最終的に固形分が20質量%になるように調節して分散液E−5を調製した。
(実施例1〜68、及び、比較例1〜12)
<感光性樹脂組成物の調製>
下記表2〜表4に記載の各成分と、界面活性剤メガファックF−554、溶剤C−1とを配合、撹拌して溶剤の溶液及び/又は分散液とし、孔径0.3μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して、実施例1〜68、及び、比較例1〜12の各感光性樹脂組成物を得た。溶剤C−1の配合量は、各感光性樹脂組成物の固形分量が20%となるように調整した。
下記表2〜表4の各成分の添加量の単位は、有効成分の質量部である。
また、表中の各成分の「含有量」の欄に「−」と記載されている例は、該当する成分を含有していないことを意味する。
「d1:d2」の欄には、「重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率」が記載されており、「酸無水物価(mmol/g)」の欄には、上述の方法により測定された重合体Dの酸無水物価が記載されている。
なお、組成物が重合体Dを含有しない場合、「d1:d2」の欄には「−」を記載し、a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分を含有しない場合、重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対する重合体Dの含有量(質量%)の欄、及び、重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対する無機粒子の含有量(質量%)の欄には「−」を記載した。
実施例1〜23及び比較例1〜6においては、得られた感光性樹脂組成物を用い、下記のように耐腐食性及び保存安定性の評価を行った。評価結果は表2に記載した。
<耐腐食性(耐塩水)の評価>
各実施例及び比較例において得られた感光性樹脂組成物を、10μm幅の銅配線が形成されたガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。
次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製し、耐腐食性評価用試料を得た。
次いで、JIS規格(Z 2371:2000)を参考に、塩水噴霧試験機(スガ試験機(株)製STP−90V2)を用いて、試験槽内に上記の試料を載置し、濃度50g/Lの塩水(pH=6.7)を試験槽温度35℃、噴霧量1.5mL/hで48時間噴霧した。
噴霧終了後、塩水を拭き取って、評価用試料の表面状態を観察し、以下の評点に従って評価した。3、4、及び5が実用レベルであり、4又は5であることが好ましく、5であることがより好ましい。
5:保護膜表面に全く変化なし
4:保護膜表面にごくわずかな痕跡が見えるが、銅は変化なし
3:保護膜表面に痕跡が見えるが、銅は変化なし
2:保護膜表面に痕跡があり、かつ銅が少し青く変色する
1:保護膜表面に痕跡があり、かつ銅が激しく青く変色する
<保存安定性(液保存安定性)の評価>
調製直後の感光性樹脂組成物の粘度(初期粘度)と、30℃で2週間保管後の感光性樹脂組成物の粘度(経時粘度)とを、E型粘度計(東機産業(株)製)にて測定した。粘度測定時の温度は24℃とした。
得られた粘度測定結果から、下記式に従って初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)を算出し、以下の評点に従って評価した。3、4、及び5が実用レベルであり、4又は5であることが好ましく、5であることがより好ましい。
初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%) = |1−経時粘度/初期粘度|×100
5:初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)が5%未満である
4:初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)が5%以上10%未満である
3:初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)が10%以上15%未満である
2:初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)が15%以上20%未満である
1:初期粘度を100%とした場合の経時粘度の変化量(%)が20%以上である
実施例24〜68及び比較例7〜12においては、得られた感光性樹脂組成物を用い、下記のように耐腐食性、保存安定性、鉛筆硬度、透明性及び密着性の評価を行った。評価結果は表3〜4に記載した。
<耐腐食性(耐人工汗)の評価>
各感光性樹脂組成物を、スパッタ製膜された銅基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。
次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製し、耐腐食性評価用試料を得た。
次いで、JIS規格(JIS L0848:2004)を参考に、酸性の人工汗を作成した。この人工汗30μlを上記評価試料表面に滴下し、その後24時間かけて、汗を自然乾燥させた。
乾燥させた評価用試料を、高温高湿(85℃RH85%)下で、72時間静置させた。
銅腐食は、汗を滴下、乾燥させた点を中心に、腐食が同心円状に進行する。評価用基板の表面状態の観察、中心から腐食進行した距離を測定し、以下の評点に従って評価した。
3、4、及び5が実用レベルであり、4又は5であることが好ましく、5であることがより好ましい。
5:保護膜表面に全く変化なし
4:保護膜表面にごくわずかな痕跡が見え、かつ、腐食した距離は0.5mm未満
3:保護膜表面に痕跡が見え、かつ、腐食した距離は0.5mm以上10mm未満
2:保護膜表面に銅が少し青く変色した痕跡があり、かつ、腐食した距離は10mm以上20mm未満
1:保護膜表面に銅が激しく青く変色した痕跡があり、かつ、腐食した距離は20mm以上
<保存安定性の評価>
上記実施例1〜23及び比較例1〜6と同様の評価を行った。
<鉛筆硬度の評価>
上記で調製された各感光性樹脂組成物を、ガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作製した。
得られた硬化膜に対して、JIS K5600:1999に準拠した方法(荷重750g)により鉛筆硬度試験を行い、膜硬度を評価した。4H以上が実用範囲であり、5H以上であることが好ましく、6H以上であることがより好ましい。
<透明性の評価>
上記で調製された各感光性樹脂組成物を、ガラス基板上にスピンコートし、90℃、120秒のプリベークを行い、膜厚2.0μmの塗布膜を得た。次に高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより硬化膜を作成した。
得られた硬化膜に対して、ヘイズメータNDH7000(日本電色工業(株)製)を用いて、全光線透過率を測定した。
3、4、及び5が実用レベルであり、4又は5であることが好ましく、5であることがより好ましい。
評価基準は、以下の通りである
5:全光線透過率が98%以上である
4:全光線透過率が95%以上98%未満である
3:全光線透過率が90%以上95%未満である
2:全光線透過率が80%以上90%未満である
1:全光線透過率が80%未満である
<密着性評価>
Cu(銅)薄膜が成膜されたガラス基板上に、各感光性樹脂組成物をスピンコート塗布した後、90℃/120秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。続いて超高圧水銀灯を用いて積算照射量が300mJ/cm2(エネルギー強度:20mW/cm2、i線)となるように露光し、その後、この基板をオーブンにて230℃/30分加熱して硬化膜を得た。
硬化膜にカッターを用いて、縦横に1mmの間隔で切り込みを入れ、スコッチテープを用いてテープ剥離試験(100マスクロスカット法:JIS5600:1999に準拠)を行った。テープ裏面に転写された硬化膜の面積から硬化膜と基板間の密着性を評価した。その結果を下記表に示した。数値としては転写された硬化膜の面積が小さいほど好ましく、3、4、5及び6が実用上問題のないレベルである。
6:転写された面積が1%未満
5:転写された面積が1%以上5%未満
4:転写された面積が5%以上10%未満
3:転写された面積が10%以上30%未満
2:転写された面積が30%以上50%未満
1:転写された面積が50%以上
Figure 2017134246
Figure 2017134246
Figure 2017134246
<表示装置の作製>
図4に示す表示装置において、本発明の各実施例で得られた感光性樹脂組成物をタッチ検出電極保護膜(絶縁膜、420)に用いて、表示装置をそれぞれ作製した。具体的には、保護膜(420)は、各実施例で得られた感光性樹脂組成物をスリットコート塗布し、90℃、120秒のプリベークを行い、高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより形成した。表示装置のその他の部分は、特開2013−168125号公報に図19として記載された製造方法に従って作製した。作製した表示装置は、表示性能、タッチ検出性能とも優れていた。
<タッチパネルの製造>
銅膜が200nmの厚みで形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)基板(100mm×100mm)上に下記のレジスト組成物を塗布、露光、現像を行い、レジスト層のパターニングを行った。ここで、レジスト層のパターンは、メッシュ状のタッチセンサー部分、0.02mm〜0.05mm幅の引き出し用配線部分、接続端子に対応するパターンを有するようにパターニングした。
その後、銅エッチャント(CleanEtch SE−07、菱江化学(株)製、7倍希釈品)にてエッチングした後、レジストを除去することにより、銅配線層からなる基板を作製した。この配線層は、線幅5μm、配線膜厚200nm、配線ピッチ1:600の銅配線パターンを有するタッチセンサー部、引き出し用配線部及び接続端子に対応するパターン部を有する。
この基板に、各実施例で得られた感光性樹脂組成物をスリットコート塗布し、90℃、120秒のプリベークを行い、高圧水銀灯により500mJ/cm2(i線換算)の光照射を行い、更にオーブンで120℃、60分間ベークを行うことにより、第1のタッチパネル部材を形成した。また、上記と同様の方法で、第2のタッチパネル部材を形成し、第1及び第2のタッチパネル部材を貼り合わせた。上記第1及び第2のタッチパネル部材における接続端子に対応するパターン部を、フレキシブルプリント基板(FPC)で駆動IC(集積回路)と接続し、タッチパネルを製造した。
そして、上記タッチパネルにおいて、タッチ操作があった場合に生じる静電容量の変化を計測し、タッチ操作の有無を確認した。また、タッチ操作した際に、タッチ位置を検出できるか否かをテストした。
上記タッチパネルにおいても、問題なく動作することを確認した。
〔レジスト組成物〕
下記の各成分を溶解混合し、口径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルタでろ過して、レジスト組成物を得た。
・PHS−EVE(p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチル保護体/p−ヒドロキシスチレン共重合体(30モル%/70モル%)、下記構造):71.4部
・下記アクリルポリマー:28.6部
・IRGACURE PAG103(BASF社製):2.7部
・ジブトキシアントラセン:2.7部
・エポキシ樹脂(JER157S65、ジャパンエポキシレジン(株)製):2.7部
・溶剤PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):不揮発分が組成物全体に対して10質量%となるように調整した。
Figure 2017134246
Figure 2017134246
なお、上記アクリルポリマー(Acrylic polymer)の各構成単位における括弧の右下の数字は、モル比を表す。
1:TFT(薄膜トランジスタ)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルタ、110:画素基板、111:偏光板、112:透明基板、113:共通電極、114:絶縁層、115:画素電極、116:配向膜、120:対向基板、121:配向膜、122:カラーフィルタ、123:透明基板、124:位相差フィルム、125:センサ用検出電極、126:接着層、127:偏光板、130:センサ部、140:液晶層、200:下部表示板、210:第1絶縁基板、220:ゲート電極、240:ゲート絶縁膜、250:半導体層、260,262:オーミックコンタクト層、270:ソース電極、272:ドレイン電極、280:絶縁膜、282:コンタクトホール、290:画素電極、300:上部表示板、310:第2絶縁基板、320:遮光部材、330:カラーフィルタ、350:配向膜、370:共通電極、400:液晶層、410:センシング電極、420:絶縁膜、430:駆動電極、440:TFT

Claims (15)

  1. 下記a1及びa2の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分、
    キノンジアジド化合物、
    溶剤、並びに、
    下記式1で表される構成単位d1及びカルボン酸無水物構造を有する構成単位d2を含有する重合体Dを含有し、
    重合体Dにおける構成単位d1及び構成単位d2のモル含有比率がd1:d2=3:1〜8:1の範囲であり、
    重合体Dの酸無水物価が1.00〜3.00mmol/gであり、
    重合体Dの含有量が、前記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜15質量%であることを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
    a1:酸基を有する構成単位、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
    a2:酸基を有する構成単位を有する重合体、及び、架橋性基を有する構成単位を有する重合体
    Figure 2017134246
    式1中、R1はそれぞれ独立に、水酸基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシ基、又は、ハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、nは0〜5の整数を表す。
  2. 重合体Dの含有量が、前記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、0.5〜10質量%である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 無機粒子を更に含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記無機粒子の含有量が、前記重合体成分における酸基を有する構成単位を有する重合体の含有量に対し、10〜80質量%である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記無機粒子の数平均一次粒径が、10〜200nmである、請求項3又は4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記構成単位d2が、5員環の環状カルボン酸無水物構造を含む構成単位である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記構成単位d2が、下記式d2−1で表される構成単位及び/又は下記式d2−2で表される構成単位を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2017134246
  8. 前記構成単位d2が、下記式d2−1で表される構成単位を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2017134246
  9. 少なくとも工程a〜工程dをこの順で含む、硬化膜の製造方法。
    工程a:請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程b:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
    工程c:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
    工程d:感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
  10. 少なくとも工程1〜工程5をこの順で含む、硬化膜の製造方法。
    工程1:請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程2:塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
    工程3:溶剤が除去された感光性樹脂組成物の少なくとも一部を活性光線により露光する露光工程
    工程4:露光された感光性樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
    工程5:現像された感光性樹脂組成物を熱処理する熱処理工程
  11. 工程5における熱処理温度が、80〜150℃である、請求項10に記載の硬化膜の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
  13. 層間絶縁膜又はオーバーコート膜である、請求項12に記載の硬化膜。
  14. 請求項12又は13に記載の硬化膜を有するタッチパネル。
  15. 請求項12又は13に記載の硬化膜を有する表示装置。
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