JP2017134060A - 傾斜計測装置、傾斜計測システム、及び傾斜計測方法 - Google Patents

傾斜計測装置、傾斜計測システム、及び傾斜計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】傾斜情報の検出精度を向上させることができる。【解決手段】傾斜計測装置1cは、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動情報生成部と、計測対象物が等速運動している状態における計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサ32aと、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定部33aと、等速運動判定部33aによって計測対象物が等速運動していると判定された場合に、等速傾斜情報と、傾斜変動情報生成部によって生成された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報を検出する制御部35aとを備える。【選択図】図14

Description

本発明は、傾斜計測装置、傾斜計測システム、及び傾斜計測方法に関する。
計測対象物の角度や水平度などの傾斜情報を計測する技術が知られている(例えば、特許文献1、及び特許文献2を参照)。例えば、特許文献1に記載の技術では、計測対象物の少なくとも3箇所に配置された絶対圧センサの出力に基づいて、計測対象物の水平度を検出する。
また、例えば、特許文献2に記載の技術では、回転運動する物体に取り付けられた少なくとも2つの加速度センサの出力に基づいて、物体の傾斜角度を検出する。
特開2010−261798号公報 特開2015−28489号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一般に検出精度の低い絶対圧センサにより検出された気圧に基づいて傾斜情報を計測しているため、例えば、計測対象物の大きさによっては傾斜情報の検出精度が十分に得られない場合があった。
また、特許文献2に記載の技術では、加速度センサを使用しているため、例えば、計測対象物が加速運動している場合には、傾斜情報の検出精度が十分に得られない場合があった。
このように、上述した従来技術では、十分な検出精度が得られない場合があり、傾斜情報の検出精度を向上させることが望まれる。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、傾斜情報の検出精度を向上させることができる傾斜計測装置、傾斜計測システム、及び傾斜計測方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動情報生成部と、前記計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定部と、前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出部とを備えることを特徴とする傾斜計測装置である。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記計測対象物の傾斜情報の初期値を記憶する記憶部を備え、前記傾斜情報検出部は、前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に、前記等速傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させ、前記記憶部が記憶する前記初期値と、前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出するとともに、検出した当該計測対象物の傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記傾斜情報検出部は、前記初期値を初期化する初期化要求に応じて、前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に、前記等速傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記傾斜変動情報生成部は、前記少なくとも2つの前記気圧変動情報に基づいて、前記少なくとも2つの気圧変動センサの高度差の変動を示す高度変動情報を、前記傾斜変動情報として生成し、前記傾斜情報検出部は、前記等速傾斜情報と、前記所定の距離を示す距離情報と、前記高度変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記等速運動判定部は、前記計測対象物の測位情報を取得する測位システム機構によって取得された前記測位情報の変化に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記計測対象物は、移動可能であり、且つ、移動速度を取得する速度検出機構を有する移動体であり、前記等速運動判定部は、前記速度検出機構によって取得された前記移動速度に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記計測対象物は、車輪の駆動によって移動可能な移動体であり、前記等速運動判定部は、前記車輪の駆動状態に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記計測対象物が等速運動している状態には、前記計測対象物が静止している状態が含まれ、前記等速傾斜センサは、前記等速傾斜情報を、前記計測対象物が静止している状態における前記計測対象物の傾斜情報である静止傾斜情報として検出する静止傾斜センサであり、前記等速運動判定部は、前記計測対象物が静止しているか否かを判定する静止判定部であり、前記傾斜情報検出部は、前記静止判定部によって前記計測対象物が静止していると判定された場合に前記静止傾斜センサによって検出された前記静止傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の傾斜計測装置において、前記気圧変動センサは、空気が流入するキャビティを有するセンサ本体と、前記空気を前記キャビティの内外に流通させる連通孔を除く前記キャビティの開口面を塞ぐように基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状であり、前記キャビティの内部と外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み変形に応じた前記気圧変動情報を検出する気圧変動検出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動情報生成部と、前記計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定部と、前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出部とを備えることを特徴とする傾斜計測システムである。
また、本発明の一態様は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、を備える傾斜計測システムの傾斜計測方法であって、傾斜変動情報生成部が、前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、前記計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動生成ステップと、等速運動判定部が、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定ステップと、傾斜情報検出部が、前記等速運動判定ステップによって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動生成ステップによって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出ステップとを含むことを特徴とする傾斜計測方法である。
本発明によれば、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。
第1の実施形態による傾斜計測装置の一例を示す外観図である。 第1の実施形態による傾斜計測装置の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態による傾斜変動センサの一例を示すブロック図である。 第1の実施形態による気圧変動センサの一例を示す構成図である。 第1の実施形態による気圧変動検出部の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態における気圧変動センサの出力信号の一例を示す図である。 第1の実施形態における気圧変動センサの動作の一例を示す図である。 第1の実施形態における傾斜変動センサの動作の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態による傾斜変動センサの水平時(静止時)における出力信号の一例を説明する図である。 第1の実施形態による傾斜変動センサの傾斜時における出力信号の一例を説明する図である。 第1の実施形態による傾斜計測装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態による傾斜計測装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態による傾斜計測システムの一例を示すブロック図である。 第4の実施形態による傾斜計測装置の一例を示すブロック図である。 第4の実施形態による傾斜計測装置の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態による傾斜計測装置、及び傾斜計測システムについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図3を参照して、第1の実施形態による傾斜計測装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態による傾斜計測装置1の一例を示す外観図である。また、図2は、本実施形態による傾斜計測装置1の一例を示すブロック図である。また、図3は、本実施形態による傾斜変動センサ40の一例を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、傾斜計測装置1は、電源部31と、静止傾斜センサ32と、静止判定部33と、記憶部34と、制御部35と、傾斜変動センサ40とを備えている。また、傾斜変動センサ40は、通信部41と、傾斜変動情報生成部42と、2つの気圧変動センサ(51、52)とを備えている。
なお、本実施形態において、気圧変動センサ51と、気圧変動センサ52とは、同一の構成であり、傾斜計測装置1が備える任意の気圧変動センサを示す場合、又は特に区別しない場合には、気圧変動センサ50として説明する。
本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物に設置されて、計測対象物の傾斜情報を検出する。ここで、計測対象物の傾斜情報には、例えば、計測対象物の傾斜角θ、水平度、傾斜の有無を示す情報などが含まれる。本実施形態では、一例として、傾斜計測装置1が、計測対象物の傾斜角θを検出する例について説明する。
傾斜計測装置1は、例えば、図1に示すように、電源部31と、静止傾斜センサ32と、静止判定部33と、記憶部34と、制御部35と、傾斜変動センサ40とが1つのプリント基板PBに実装されており、例えば、数cm(センチメートル)〜十数cm規模のサイズに実装可能である。
また、本実施形態では、傾斜計測装置1が検出する傾斜角θの検出方向を、図1に示すX軸方向とし、高度の方向をZ軸方向として説明する。
電源部31は、傾斜計測装置1を動作させるための電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各部に供給する。
静止傾斜センサ32は、例えば、加速度センサを使用した傾斜角センサなどであり、計測対象物が静止している状態における計測対象物の傾斜角θ(静止傾斜角θ)を、静止傾斜情報として検出する。静止傾斜センサ32は、検出した計測対象物の傾斜角θ(静止傾斜角θ)を制御部35に出力する。
静止判定部33は、計測対象物が静止しているか否かを判定する。ここで、計測対象物とは、例えば、自転車、バイク、自動車などの移動可能な移動体である。例えば、計測対象物が、計測対象物の測位情報を取得するGPSシステム(測位システム機構の一例)を搭載している場合には、静止判定部33は、GPSシステムによって取得された測位情報の変化に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定する。この場合、静止判定部33は、例えば、GPSシステムによって取得された計測対象物の位置が所定の期間変化しない場合に、計測対象物が静止していると判定する。
また、例えば、計測対象物が、移動速度を取得する速度計など(速度検出機構の一例)を有する移動体である場合には、静止判定部33は、速度計によって取得された移動速度に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定する。この場合、静止判定部33は、例えば、速度計によって取得された移動速度を取得し、所定の期間、移動速度がゼロである場合に、計測対象物が静止していると判定する。
また、例えば、計測対象物が、自動車などの車輪の駆動によって移動可能な移動体である場合には、静止判定部33は、車輪の駆動状態に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定する。すなわち、静止判定部33は、車輪の回転の有無を示す回転有無情報を計測対象物から取得して、当該回転有無情報に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定する。この場合、静止判定部33は、例えば、回転有無情報が、所定の期間、“回転なし”である場合に、計測対象物が静止しているか否かを判定する。
静止判定部33は、計測対象物が静止しているか否かを示す判定結果を制御部35に出力する。
なお、静止判定部33は、上述した計測対象物の静止の判定方法のいずれか1つによって、計測対象物が静止しているか否かを判定してもよいし、複数の判定方法を組み合わせて判定してもよい。
傾斜変動センサ40は、図1及び図3に示すように、通信部41と、傾斜変動情報生成部42と、2つの気圧変動センサ50とを備えている。
気圧変動センサ50は、気圧の変動を検出する差圧センサである。気圧変動センサ51と気圧変動センサ52とは、検出方向(X軸方向)に沿って所定の距離(例えば、距離D“を離して配置されている。気圧変動センサ50は、検出した気圧の変動を、例えば検出信号(気圧変動情報)として、傾斜変動情報生成部42に出力する。なお、傾斜変動センサ40の構成の詳細については後述する。
また、本実施形態において、説明の便宜上、気圧変動センサ50が2つである場合の一例について説明するが、傾斜変動センサ40は、3個以上の気圧変動センサ50を備えるようにしてもよい。すなわち、傾斜変動センサ40は、少なくとも2つの気圧変動センサ50を備えるものとする。
通信部41は、傾斜変動センサ40と制御部35との間で、各種情報の授受を行うインターフェース部である。通信部41は、例えば、後述する傾斜変動情報生成部42が生成した傾斜変動情報(高度変動情報ΔH)を制御部35に送信する。
傾斜変動情報生成部42は、少なくとも2つの気圧変動センサ50によって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する。例えば、傾斜変動情報生成部42は、2つの気圧変動情報に基づいて、2つの気圧変動センサ50の高度差の変動を示す高度変動情報を、上述した傾斜変動情報として生成する。
例えば、傾斜変動情報生成部42は、気圧変動センサ51が検出した検出信号(気圧変動情報)と、気圧変動センサ52が検出した検出信号(気圧変動情報)との差分(気圧変動情報の差分情報ΔP)を算出する。この気圧変動情報の差分情報ΔPは、気圧変動センサ51と気圧変動センサ52との高度差に対応する。傾斜変動情報生成部42は、気圧変動情報の差分情報ΔPを、例えば、変換テーブルなどを利用して、高度変動情報ΔHを生成する。
記憶部34は、傾斜計測装置1が使用する各種情報を記憶する。記憶部34は、例えば、計測対象物の傾斜情報の初期値(傾斜角初期値θ)を記憶する。
制御部35(傾斜情報検出部の一例)は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、傾斜計測装置1を統括的に制御する。制御部35は、例えば、傾斜計測装置1の起動時に、静止判定部33から計測対象物が静止しているか否かを示す判定結果を取得して、計測対象物が静止したと判定されるまで当該処理を繰り返す。制御部35は、計測対象物が静止したと判定された場合に、静止傾斜センサ32から取得した静止傾斜情報(静止傾斜角θ)を、傾斜角初期値θとして、記憶部34に記憶させる。
また、制御部35は、記憶部34が記憶する傾斜角初期値θと、傾斜変動情報(高度変動情報ΔH)とに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。例えば、制御部35は、傾斜角初期値θを、上述した2つの気圧変動センサ50の距離Dにおける高度差ΔHに変換する。制御部35は、変換した高度差ΔHに高度変動情報ΔHを加算した現在の計測対象物の傾斜角θに対応する高度差を算出し、当該高度差と、距離Dとに基づいて、現在の計測対象物の傾斜角θを算出する。すなわち、制御部35は、例えば、静止傾斜情報(静止傾斜角θ=傾斜角初期値θ)と、上述した所定の距離を示す距離情報(距離D)と、高度変動情報ΔHとに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。
このように、制御部35は、例えば、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に静止傾斜センサ32によって検出された静止傾斜情報(静止傾斜角θ)と、傾斜変動情報生成部42によって生成された傾斜変動情報(高度変動情報ΔH)とに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。なお、制御部35による計測対象物の傾斜角θの算出処理の詳細については、後述する。
また、制御部35は、計測対象物の傾斜角θを検出した後に、記憶部34が記憶する傾斜角初期値θを更新する。すなわち、制御部35は、検出した当該計測対象物の傾斜角θを新たな初期値(傾斜角初期値θ)として記憶部34に記憶させる。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態における気圧変動センサ50の詳細な構成について説明する。
図4は、本実施形態による気圧変動センサ50の一例を示す構成図である。
図4(a)は、本実施形態における気圧変動センサ50の一例を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すA−A線に沿った気圧変動センサ50の断面図である。
図4に示すように、気圧変動センサ50は、表裏の圧力差に応じて変形するカンチレバー4と、一端がカンチレバー4と対向するように配設された蓋部12と、カンチレバー4の変位を測定するための気圧変動検出部5と、カンチレバー4及び蓋部12の一面に配設されたキャビティ筐体3と、を有している。
キャビティ筐体3(センサ本体の一例)は、内部にキャビティ10が形成された箱状の部材である。キャビティ筐体3は、例えば、キャビティ10を構成するセラミック材よりなる第1筐体部3aと、第1筐体部3a上に配置され、かつ後述のシリコン支持層2a及びシリコン酸化膜等の酸化層2bよりなる第2筐体部3bとを有している。
カンチレバー4は、例えば、シリコン支持層2a、シリコン酸化膜等の酸化層2b、及びシリコン活性層2cを熱的に貼り合わせたSOI基板2を加工することで形成されている。具体的には、カンチレバー4は、SOI基板2を構成するシリコン活性層2cよりなり、平板状のシリコン活性層2cから平面視コ字状に形成されたギャップ13を切り出した形状からなる。これにより、カンチレバー4は、基端部4aを固定端とし、蓋部12と対向する側の端部である先端部4bを自由端とした片持ち梁構造となる。
また、カンチレバー4は、キャビティ筐体3に形成されたキャビティ10の上面を囲うように配置されている。つまり、カンチレバー4は、キャビティ10の開口を略閉塞している。カンチレバー4は、基端部4aを介してキャビティ筐体3に第2筐体部3b上に対して一体的に固定されることで、片持ち支持される。これにより、カンチレバー4は、基端部4aを固定端としてキャビティ10内部と外部との圧力差(差圧)に応じた撓み変形が可能になる。
このように、カンチレバー4は、空気をキャビティ10の内外に流通させるギャップ13(連通孔)を除くキャビティ10の開口面を塞ぐように基端部4aから先端部4bに向けて一方向に延びる板状であり、キャビティ10の内部と外部との圧力差に応じて撓み変形する。
なお、カンチレバー4の基端部4aには、カンチレバー4が撓み変形しやすいように、平面視コ字状の貫通孔15が形成される。ただし、この貫通孔15の形状は、カンチレバー4の撓み変形を容易にする形状ならば、上記コ字状に限定されるものではない。
蓋部12は、キャビティ10上方に位置し、ギャップ13を介して、カンチレバー4の周囲に配置されている。当該蓋部12は、シリコン活性層2cで構成される。
気圧変動検出部5は、外部から加わる応力に応じて電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗20と、この電気抵抗値変化を取り出す検出回路22から構成されている。
ピエゾ抵抗20は、図4に示すように、Y方向において、貫通孔15を挟んだ両側に対となって配置される。これら一対のピエゾ抵抗20は、導電性材料からなる配線部21を介して相互に電気的に接続されている。
なお、この配線部21及びピエゾ抵抗20を含む全体的な形状は、例えば、図4に示すように平面視U字状とすることができるが、別の配置形状としてもよい。
検出回路22は、ピエゾ抵抗20と接続され、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値変化に基づいた信号を出力する回路である。検出回路22は、例えば、図5に示すように、ブリッジ回路及び増幅回路22aで構成される。すなわち、検出回路22は、ピエゾ抵抗20と、固定抵抗Ro、可変抵抗Ro’を用いて、ブリッジ回路221を構成することで、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値の変化を電圧変化として取り出すことができる。そして、検出回路22は、この電圧変化を差動増幅回路222により所定のゲインで増幅して出力する。
なお、上記のピエゾ抵抗20は、例えば、イオン注入法や拡散法等の各種方法によりリン等のドープ剤(不純物)をシリコン活性層2cにドーピングすることで形成される。また、ドープ剤は、シリコン活性層2c表面近傍のみに添加される。このため、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値の変化は、カンチレバー4に加わる応力の圧縮/伸長の方向に対して正負逆となる。
また、一対のピエゾ抵抗20間は、配線部21のみで電気的に導通するように構成されている。このため、カンチレバー4のうち配線部21近傍におけるシリコン活性層2cは、配線部21以外でピエゾ抵抗20双方が導通しないよう、エッチング等によりシリコン活性層2cを除去して形成した溝部16を有している。なお、上記の配線部21近傍におけるシリコン活性層2cは、部分的に不純物ドープされることで、エッチングを省略した構成としてもよい。
次に、図面を参照して、本実施形態による傾斜計測装置1の動作について説明する。
まず、図6及び図7を参照して、本実施形態における気圧変動センサ50の動作について説明する。ここでは、計測対象物の高度が変化することで、大気(空気)の圧力が変化した場合のカンチレバー4の動作と、その時の検出回路22の出力特性について説明する。なお、以下の説明において、空気の圧力は、以下、外圧Poutと表記することとする。外圧Poutは、カンチレバー4のキャビティ筐体3への配設面と対向する面(すなわち、図4における上面)側の圧力である。また、キャビティ10内部の内圧を内圧Pinと定義し、外圧Poutとする。
図6は、本実施形態における気圧変動センサ50の出力信号の一例を示す図である。
ここで、図6(a)は、外圧Pout及び内圧Pinの経時変化を示しており、図6(b)は、検出回路22の出力信号の経時変化を示している。
また、図7は、実施形態における気圧変動センサ50の動作の一例を示す図であり、図4及び図5に示すカンチレバー4の動作の一例を模式的に示す断面図である。
ここで、図7(a)は、初期状態のカンチレバー4の断面図を示し、(図7(b)は、外圧Poutが内圧Pinより高い状態のカンチレバー4の断面図を示している。また、図7(c)は、キャビティ10内外の圧力が同じに戻った状態のカンチレバー4の断面図を示している。なお、図7において、検出回路22の図示を省略する。
まず、図6(a)における期間Aのように、外圧Poutと内圧Pinとが等しく、差圧ΔPがゼロである場合には、図7(a)に示すように、カンチレバー4は、撓み変形しない。
次に、図6(a)における時刻t1以降の期間Bのように、例えば、外圧Poutがステップ状に上昇すると、内圧Pinは急激に変化できず、差圧ΔPが生じるため、図7(b)に示すように、カンチレバー4は、キャビティ10内部に向けて撓み変形する。すると、当該カンチレバー4の撓み変形に応じてピエゾ抵抗20に応力が加わり、電気抵抗値が変化するので、図6(b)に示すように、検出回路22の出力信号が増大する。
また、外圧Poutの上昇以降(時刻t1以降)において、ギャップ13を介してキャビティ10の外部から内部へと圧力伝達媒体が徐々に流動する。このため、図6(a)に示すように、内圧Pinは、時間の経過とともに、外圧Poutに遅れながら、かつ外圧Poutの変動よりも緩やかな応答で上昇する。
その結果、内圧Pinが外圧Poutに徐々に近づくので、カンチレバー4の撓みが徐々に小さくなり、図6(b)に示すように、上述の出力信号が、徐々に低下する。
そして、図6(a)に示す時刻t3以降の期間Dのように、内圧Pinが外圧Poutと同じになると、図7(c)に示すように、カンチレバー4の撓み変形が解消され、図7(a)に示す初期状態に復帰する。さらに、図6(b)に示すように、検出回路22の出力信号も期間Aの初期状態と同値に戻る。
なお、検出回路22の出力信号は、初期状態における基準電圧と、ピエゾ抵抗20の抵抗変化に基づいて増幅された信号との加算となる。初期状態における基準電圧は、カンチレバー4に加わる差圧ΔPがゼロの場合の、図5に図示したブリッジ回路221の分圧点Vaと分圧点Vbとの電圧差を差動増幅回路222で増幅した電圧値となる。
なお、上述した気圧変動センサ50では、SOI基板2のシリコン活性層2cを利用して半導体プロセス技術によりカンチレバー4を形成できるので、非常に薄型化(例えば数十から数百nm厚)しやすい。したがって、気圧変動センサ50では、微小な圧力変動の検出を精度よく行うことができる。
さらに、気圧変動センサ50では、外圧Poutが非常に緩やかに変化する場合、ギャップ13による圧力伝達媒体の流動制限機能が作用せず、内圧Pinは外圧Poutに対して時間遅れせず、ほぼ同じ圧力値となり、差圧ΔPが発生しない。本実施形態では、これを逆に利用し、外圧Poutが非常に遅い変化速度の場合(例えば、気象変化のような気圧変化の場合)、外圧Poutの変化を無視することが可能となる。よって、気象変化のような気圧変化をノイズとして除去することが可能になる。
次に、図8を参照して、上述した気圧変動センサ50を備える傾斜変動センサ40の動作について説明する。
図8は、本実施形態における傾斜変動センサ40の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、計測対象物に装着された傾斜計測装置1が、上述したX軸方向に傾斜した場合に、2つの気圧変動センサ50に大気圧(上述した外圧Pout)が変化する(ステップS101)。
すると、気圧変動センサ50のキャビティ10内部の内圧である内圧Pinは、ステップS101における外圧Poutの変化に追従するように変化する(ステップS102)。ここで、ギャップ13は、キャビティ10内外を連通する連通孔として機能するため、カンチレバー4の表裏に加わる差圧に応じて、高圧側から低圧側へと空気が移動する。ただし、空気の移動が微小なギャップ13によって規制されているため、内圧Pinは、外圧Poutの変化に応じて急激に変化することはなく、外圧Poutの変化に対して遅れ
て追従することとなる。
次に、カンチレバー4の表裏面には、上述の外圧Poutの変化に対する内圧Pinの遅れによって、圧力差(以下、差圧ΔP=Pout−Pin)が発生する(ステップS103)。その結果、カンチレバー4は、差圧ΔPの大きさに応じて撓み変形する(ステップS104)。
次に、カンチレバー4が、撓み変形をすると、カンチレバー4の基端部4aに設けられたピエゾ抵抗20に応力が加わり(ステップS105)、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値が変化する(ステップS106)。ここで、検出回路22は、ピエゾ抵抗20へ電流を流すことで、ピエゾ抵抗20の電気抵抗値の変化を検出し、当該電気抵抗の変化に応じた検出信号を出力する(ステップS107)。
次に、傾斜変動情報生成部42は、2つの気圧変動センサ50によって検出された2つの検出信号に基づいて、高度変動情報ΔHを生成する(ステップS108)。
上述したように、傾斜変動センサ40は、2つの気圧変動センサ50の検出信号に基づいて、高度変動情報ΔHを生成するが、その生成処理について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、本実施形態による傾斜変動センサ40の水平時(静止時)における出力信号の一例を説明する図である。
図9(a)において、傾斜計測装置1は、計測対象物に取り付けされており、計測対象物が水平に静止している場合の状態を示している。また、図9(b)は、計測対象物が水平に静止している場合における2つの気圧変動センサ50の出力信号(検出信号)を示している。
図9(b)に示すグラフの縦軸は出力電圧を示し、横軸は時間を示している。
また、図9(b)において、波形V11が、気圧変動センサ51の出力信号を示し、波形V21が、気圧変動センサ52の出力信号を示し、波形Diff1は、波形V11と波形V21の差を示している(Diff1=V11−V21)。
図9において、計測対象物が静止しているため、気圧変動センサ51の出力信号(波形V11)、気圧変動センサ52の出力信号(波形V21)、及び、その差分(波形Diff1)は、全て“0”になっている。なお、この状態は、計測対象物が水平であることに限らず、傾斜している状態であっても同様である。
次に、図10は、本実施形態による傾斜変動センサ40の傾斜時における出力信号の一例を説明する図である。
ここでは、図9に示す状態から図10に示す状態に計測対象物が傾斜した場合の一例である。
図10(a)において、傾斜計測装置1は、計測対象物がX軸方向に、プリント基板PBの中点を中心に傾斜角θだけ傾斜(回転)している場合の状態を示している。また、図10(b)は、計測対象物の傾斜時における2つの気圧変動センサ50の出力信号(検出信号)を示している。
図10(b)に示すグラフの縦軸は出力電圧を示し、横軸は時間を示している。
また、図10(b)において、波形V12が、気圧変動センサ51の出力信号を示し、波形V22が、気圧変動センサ52の出力信号を示し、波形Diff2は、波形V12と波形V22の差を示している(Diff2=V12−V22)。
プリント基板PBが傾斜すると、気圧変動センサ51及び気圧変動センサ52は、それぞれ高度が変化するため、各気圧変動センサ50が感じる気圧が変化し、出力が変化する。すなわち、図10(b)に示すように、気圧変動センサ51の出力信号(波形V12)と、気圧変動センサ52の出力信号(波形V22)とは、符号が反転した波形になり、その差分である波形Diff2は、波形V12の2倍の検出値となる。
ここで、波形Diff2は、計測対象物(プリント基板PB)が傾斜したことによる気圧変動センサ51及び気圧変動センサ52の高さの変化分(高度変動情報ΔH)に対応する信号である。したがって、傾斜変動情報生成部42は、気圧変動センサ51の検出値と、気圧変動センサ52の検出値との差分(波形Diff2)を算出し、算出した当該差分(波形Diff2)に基づいて、高度変動情報ΔHを生成する。
なお、例えば、気圧変動センサ52を中心にして回転した場合は、気圧変動センサ52の高度は不変なので気圧変動センサ52の出力信号は“0”のままで、気圧変動センサ51の出力信号のみ変化する。この場合も、傾斜変動情報生成部42は、気圧変動センサ51の検出値と、気圧変動センサ52の検出値との差分を算出することで、同一の高度変動情報ΔHを得ることができる。
ここで、図10を参照して、本実施形態による傾斜角θの検出原理について説明する。
図10(a)に示すように、気圧変動センサ51と気圧変動センサ52との高度差ΔH、気圧変動センサ51と気圧変動センサ52との間の距離D、X軸方向の傾斜角θである場合に、下記の式(1)の関係が成り立つ。
Figure 2017134060
また、この式(1)を変形すると、傾斜角θは、以下の式(2)により算出することができる。
Figure 2017134060
なお、図10に示す例は、水平状態からの傾斜であるため、気圧変動センサ51と気圧変動センサ52との高度差ΔH(=高度変動情報ΔH)であるが、傾斜した状態で停止していた場合には、上記の式(2)では対応できない場合がある。
そのため、本実施形態による制御部35は、以下のように、傾斜角θを算出する。
まず、制御部35は、傾斜した静止状態における2つの気圧変動センサ50の高度差ΔHを、傾斜角初期値θ(静止傾斜角θ)に基づいて算出する。制御部35は、例えば、上述した式(1)を変形した下記の式(3)と、傾斜角初期値θと、距離Dとに基づいて、静止時(前回算出時)の高度差ΔHを算出する。
Figure 2017134060
次に、制御部35は、傾斜変動情報生成部42が生成した高度変動情報ΔHを、通信部41を介して取得し、静止時の高度差ΔHに高度変動情報ΔHを加算した値を、高度差ΔHとして、下記の式(4)に用いて傾斜角θを算出する。
Figure 2017134060
次に、図11を参照して、傾斜計測装置1の動作について説明する。
図11は、本実施形態による傾斜計測装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、傾斜計測装置1の制御部35は、計測対象物が静止状態であるか否かの有無判定を実行する(ステップS201)。すなわち、制御部35は、静止判定部33に、例えば、計測対象物が静止状態であるか否かを問い合わせる信号を送信する。静止判定部33は、計測対象物が静止状態であるか否かの判定を実行し、当該判定結果を制御部35に送信する。
次に、制御部35は、静止判定部33から取得した判定結果に基づいて、計測対象物が静止状態であるか否かを判定する(ステップS202)。制御部35は、計測対象物が静止状態である場合(ステップS202:YES)に、処理をステップS203に進める。また、制御部35は、計測対象物が静止状態でない場合(ステップS202:NO)に、処理をステップS201に戻し、ステップS201及びステップS202の処理を、計測対象物が静止状態になるまで繰り返す。
ステップS203において、制御部35は、静止傾斜センサ32から静止傾斜度(静止傾斜角θ)を取得する。
次に、制御部35は、初期傾斜度(傾斜角初期値θ)を設定する(ステップS204)。すなわち、制御部35は、取得した静止傾斜度(静止傾斜角θ)を、初期傾斜度(傾斜角初期値θ)として、記憶部34に記憶させる。
次に、制御部35は、傾斜度変動を計測する(ステップS205)。ここで、傾斜変動センサ40の傾斜変動情報生成部42は、気圧変動センサ51の検出値と、気圧変動センサ52の検出値との差分を算出し、算出した当該差分に基づいて、高度変動情報ΔHを生成する。制御部35は、傾斜変動情報生成部42が生成した高度変動情報ΔHを、傾斜変動情報として、傾斜変動センサ40から取得する。
次に、制御部35は、傾斜度(傾斜角θ)を算出する(ステップS206)。制御部35は、まず、記憶部34が記憶する初期傾斜度(傾斜角初期値θ)を取得し、上述した式(3)を用いて、静止時、又は前回算出した傾斜角θに対応する高度差ΔHを算出する。次に、制御部35は、取得した高度変動情報ΔHと、算出した当該高度差ΔHとに基づいて、傾斜角算出用の高度差ΔH(=ΔH+ΔH、累積高度差)を算出する。そして、制御部35は、上述した式(4)を用いて、現在の傾斜度(傾斜角θ)を算出する。
なお、制御部35は、算出した現在の傾斜角θを、新たな初期傾斜度(傾斜角初期値θ)として、記憶部34に記憶させる。
次に、制御部35は、計測を継続するか否かを判定する(ステップS207)。制御部35は、計測を継続する場合(ステップS207:YES)に、処理をステップS205に戻す。また、制御部35は、計測を継続しない場合(ステップS207:NO)に、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態による傾斜計測装置1は、少なくとも2つの気圧変動センサ50と、傾斜変動情報生成部42と、静止傾斜センサ32と、静止判定部33と、制御部35(傾斜情報検出部)とを備えている。少なくとも2つの気圧変動センサ50は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される。傾斜変動情報生成部42は、少なくとも2つの気圧変動センサ50によって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報(例えば、検出信号)に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する。静止傾斜センサ32は、計測対象物が静止している状態における計測対象物の傾斜情報を、静止傾斜情報として検出する。静止判定部33は、計測対象物が静止しているか否かを判定する。そして、制御部35は、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に静止傾斜センサ32によって検出された静止傾斜情報(静止傾斜角θ)と、傾斜変動情報生成部42によって生成された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物が静止している状態における静止傾斜センサ32から取得した静止傾斜情報(静止傾斜角θ)と、高精度に検出可能な気圧変動センサ50を利用して生成された傾斜変動情報とに基づいて計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を計測するため、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。例えば、気圧変動センサ50を利用して計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出するため、本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物が加速運動している場合であっても、高精度に傾斜情報を計測することができる。
また、例えば、絶対圧センサ(気圧センサ)では、高度の検出精度は、数cm程度である。そのため、絶対圧センサを使用した従来技術では、絶対圧センサを、例えば、1m離して配置して傾斜を計測したとしても、数度(deg)程度の計測精度となる。
これに対して、本実施形態による傾斜計測装置1は、mm(ミリメートル)オーダの高度差を検出可能であるため、数cm〜十数cmの間隔に、気圧変動センサ50を配置すれば、絶対圧センサを使用した従来技術よりも高精度に計測精度を実現できる上、傾斜計測装置1のサイズを大幅に縮小することができる。
また、本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物の傾斜情報の初期値を記憶する記憶部34を備えている。制御部35は、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に、静止傾斜情報(静止傾斜角θ)を初期値(傾斜角初期値θ)として記憶部34に記憶させる。そして、制御部35は、記憶部34が記憶する初期値(傾斜角初期値θ)と、傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出するとともに、検出した当該計測対象物の傾斜情報を初期値(傾斜角初期値θ)として記憶部34に記憶させる。
これにより、初期値(傾斜角初期値θ)を記憶部34に記憶させて毎回更新して行くことで、本実施形態による傾斜計測装置1は、静止判定部33による静止状態の判定、及び静止傾斜センサ32による静止傾斜情報(静止傾斜角θ)の取得を、計測の度に毎回実行する必要がない。よって、本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物が加速運動している場合であっても、測定不可能な期間を低減しつつ、高精度に傾斜情報を計測することができる。
また、本実施形態では、傾斜変動情報生成部42は、少なくとも2つの気圧変動情報に基づいて、少なくとも2つの気圧変動センサの高度差の変動を示す高度変動情報(ΔH)を、傾斜変動情報として生成する。制御部35は、静止傾斜情報と、所定の距離(距離D)を示す距離情報と、高度変動情報(ΔH)とに基づいて、計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測装置1は、例えば、式(3)及び式(4)に基づいて、簡易な演算により、高精度に傾斜情報を算出することができる。また、本実施形態による傾斜計測装置1は、積分による演算処理を必要としないため、誤差の蓄積がなく、傾斜情報(傾斜角θ)の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、静止判定部33は、計測対象物の測位情報を取得する測位システム機構(例えば、GPSシステム)によって取得された測位情報の変化に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定する。また、計測対象物は、移動可能であり、且つ、移動速度を取得する速度検出機構を有する移動体(例えば、自動車、バイクなど)であり、静止判定部33は、速度検出機構によって取得された移動速度に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定してもよい。また、計測対象物は、車輪の駆動によって移動可能な移動体であり、静止判定部33は、車輪の駆動状態に基づいて、計測対象物が静止しているか否かを判定してもよい。
このように、計測対象物が備えている機構を利用して、計測対象物が静止しているか否かを判定することで、本実施形態による傾斜計測装置1は、自装置で計測対象物が静止していることを検出する手段を備える必要がなく、自装置の構成を簡略化することができる。
また、本実施形態では、気圧変動センサ50は、空気が流入するキャビティ10を有するキャビティ筐体3(センサ本体)と、カンチレバー4と、気圧変動検出部5とを備えている。カンチレバー4は、空気をキャビティ10の内外に流通させるギャップ13(連通孔)を除くキャビティ10の開口面を塞ぐように基端部4aから先端部4bに向けて一方向に延びる板状であり、キャビティ10の内部と外部との圧力差に応じて撓み変形する。気圧変動検出部5は、カンチレバー4の撓み変形に応じた気圧変動情報を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測装置1は、カンチレバー4の撓み変形に応じた抵抗変化に基づいて、圧力変化(高度変化)をより正確に検出することができるため、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。なお、半導体プロセス技術によりカンチレバー4を形成できるので、本実施形態による傾斜計測装置1では、カンチレバー4を非常に薄型化(例えば数十から数百nm厚)することができる。よって、本実施形態による傾斜計測装置1では、微小な圧力変動の検出を精度よく行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、図12を参照して、第2の実施形態による傾斜計測装置1について説明する。
なお、本実施形態による傾斜計測装置1は、制御部35の処理の一部が異なる変形例である。本実施形態による傾斜計測装置1の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態では、制御部35は、傾斜角初期値θを初期化する初期化要求(リセット要求)に応じて、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に、静止傾斜情報(静止傾斜角θ)を傾斜角初期値θとして記憶部34に記憶させる。
図12は、本実施形態による傾斜計測装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図12において、ステップS301からステップS307までの処理は、上述した図11に示すステップS201からステップS207までの処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
なお、本実施形態では、ステップS307において、制御部35は、計測を継続する場合(ステップS307:YES)に、処理をステップS308に進める。
ステップS308において、制御部35は、リセット要求があるか否かを判定する。制御部35は、リセット要求がある場合(ステップS308:YES)に、処理をステップS309に進める。また、制御部35は、リセット要求がない場合(ステップS308:NO)に、処理をステップS305に戻し、傾斜度変動を計測する。
また、ステップS309において、制御部35は、再び、計測対象物が静止状態であるか否かの有無判定を実行する。
次に、制御部35は、静止判定部33から取得した判定結果に基づいて、計測対象物が静止状態であるか否かを判定する(ステップS310)。制御部35は、計測対象物が静止状態である場合(ステップS310:YES)に、処理をステップS303に進める。また、制御部35は、計測対象物が静止状態でない場合(ステップS310:NO)に、処理をステップS305に戻し、傾斜度変動を計測する。
以上説明したように、本実施形態による傾斜計測装置1は、制御部35は、傾斜角初期値θを初期化する初期化要求(リセット要求)に応じて、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に、静止傾斜情報(静止傾斜角θ)を傾斜角初期値θとして記憶部34に記憶させる。
これにより、例えば、計測誤差が蓄積した場合などに、リセット要求により静止傾斜情報(静止傾斜角θ)を傾斜角初期値θとして再設定することで、本実施形態による傾斜計測装置1は、計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)の検出精度を高精度に維持することができる。
また、リセット要求があった場合であっても、制御部35は、計測対象物が静止状態でない場合には、計測を継続するので、本実施形態による傾斜計測装置1は、測定不可能な期間を低減しつつ、高精度に傾斜情報を計測することができる。
[第3の実施形態]
次に、図13を参照して、第3の実施形態による傾斜計測システム100について説明する。
なお、本実施形態では、上述した傾斜計測装置1を複数の装置に分割して、傾斜計測システム100とした場合の一例について説明する。
図13に示すように、傾斜計測システム100は、傾斜計測装置1aと、センサユニット1bとを備えている。
なお、図13において、図2及び図3に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
傾斜計測装置1aは、電源部31と、静止判定部33と、記憶部34と、制御部35とを備えている。また、センサユニット1bは、静止傾斜センサ32と、傾斜変動センサ40とを備えている。
本実施形態による傾斜計測システム100は、傾斜計測装置1aは、静止傾斜センサ32及び傾斜変動センサ40を、傾斜計測装置1aとは別体のセンサユニット1bに備えるように構成し、傾斜計測装置1aと、センサユニット1bとを異なる場所に配置することを可能にする。
なお、傾斜計測装置1aと、センサユニット1bとの間の接続は、有線接続であってもよいし、無線通信などで接続するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態による傾斜計測システム100は、第1の実施形態の傾斜計測装置1と同様に、少なくとも2つの気圧変動センサ50と、傾斜変動情報生成部42と、静止傾斜センサ32と、静止判定部33と、制御部35とを備えている。
これにより、本実施形態による傾斜計測システム100は、第1の実施形態の傾斜計測装置1と同様に、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態による傾斜計測方法は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサ50と、計測対象物が静止している状態における計測対象物の傾斜情報を、静止傾斜情報として検出する静止傾斜センサ32と、を備える傾斜計測システム100(傾斜計測装置1)の傾斜計測方法であって、傾斜変動生成ステップと、静止判定ステップと、傾斜情報検出ステップとを含んでいる。傾斜変動生成ステップにおいて、傾斜変動情報生成部42が、少なくとも2つの気圧変動センサ50によって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報(例えば、高度変動情報ΔH)を生成する。静止判定ステップにおいて、静止判定部33が、計測対象物が静止しているか否かを判定する。そして、傾斜情報検出ステップにおいて、制御部35が、静止判定ステップによって計測対象物が静止していると判定された場合に静止傾斜センサ32によって検出された静止傾斜情報と、傾斜変動生成ステップによって検出された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測方法は、上述した第1の実施形態の傾斜計測装置1、及び傾斜計測システム100と同様に、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態による傾斜計測装置1cについて説明する。
本実施形態では、第1の実施形態における計測対象物が静止している静止状態を、計測対象物が等速運動している等速運動状態に拡張した場合の一例について説明する。すなわち、静止状態は、速度が0(ゼロ)である場合の等速運動している状態であるとして、本実施形態では、静止を等速運動に置き換えた一例について説明する。
図14は、第4の実施形態による傾斜計測装置1cの一例を示すブロック図である。
図14に示すように、傾斜計測装置1cは、電源部31と、等速傾斜センサ32aと、等速運動判定部33aと、記憶部34と、制御部35aと、傾斜変動センサ40とを備えている。
なお、傾斜計測装置1cの外観は、静止傾斜センサ32、静止判定部33、及び制御部35が、等速傾斜センサ32a、等速運動判定部33a、及び制御部35aに置き変わっている点を除いて、図1に示す傾斜計測装置1と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、図14において、図2と同一の構成には、同一の符号を付与し、その説明を省略する。また、傾斜変動センサ40の詳細な構成は、第1の実施形態において、図3を参照して説明しているため、ここではその説明を省略する。
等速傾斜センサ32aは、例えば、加速度センサを使用した傾斜角センサなどであり、計測対象物が等速運動している状態における計測対象物の傾斜θ(等速傾斜角θ)を、等速傾斜情報として検出する。等速傾斜センサ32aは、検出した計測対象物の傾斜角θ(等速傾斜角θ)を制御部35aに出力する。
等速運動判定部33aは、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。例えば、計測対象物が、計測対象物の測位情報を取得するGPSシステム(測位システム機構の一例)を搭載している場合には、等速運動判定部33aは、GPSシステムによって取得された測位情報の変化に基づいて、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。
また、例えば、計測対象物が、移動速度を取得する速度計など(速度検出機構の一例)を有する移動体である場合には、等速運動判定部33aは、速度計によって取得された移動速度に基づいて、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。この場合、等速運動判定部33aは、例えば、速度計によって取得された移動速度を取得し、所定の期間、移動速度の変化が所定の範囲以内である場合に、計測対象物が等速運動していると判定する。
また、例えば、計測対象物が、自動車などの車輪の駆動によって移動可能な移動体である場合には、等速運動判定部33aは、車輪の駆動状態に基づいて、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。すなわち、等速運動判定部33aは、車輪の回転速度を示す回転速度情報を計測対象物から取得して、当該回転速度情報に基づいて、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。この場合、等速運動判定部33aは、例えば、回転速度情報の変化が、所定の期間、所定の範囲以内である場合に、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。
また、計測対象物が、自動車などのように動力源(例えば、エンジン、モータなど)を持つものである場合には、等速運動判定部33aは、動力源から得られる駆動情報に基づいて、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。
なお、計測対象物が等速運動している状態には、計測対象物が静止している状態が含まれる。
等速運動判定部33aは、計測対象物が等速運動しているか否かを示す判定結果を制御部35aに出力する。
なお、等速運動判定部33aは、上述した計測対象物の等速運動の判定方法のいずれか1つによって、計測対象物が等速運動しているか否かを判定してもよいし、複数の判定方法を組み合わせて判定してもよい。
制御部35a(傾斜情報検出部の一例)は、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、傾斜計測装置1cを統括的に制御する。制御部35aは、例えば、傾斜計測装置1cの起動時に、等速運動判定部33aから計測対象物が等速運動しているか否かを示す判定結果を取得して、計測対象物が等速運動したと判定されるまで当該処理を繰り返す。制御部35aは、計測対象物が等速運動したと判定された場合に、等速傾斜センサ32aから取得した等速傾斜情報(等速傾斜角θ)を、傾斜角初期値θとして、記憶部34に記憶させる。なお、本実施形態では、傾斜角初期値θをリセット傾斜度として説明する。
また、制御部35aは、記憶部34が記憶するリセット傾斜度(傾斜角初期値θ)と、傾斜変動情報(高度変動情報ΔH)とに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。例えば、制御部35aは、リセット傾斜度(傾斜角初期値θ)を、上述した2つの気圧変動センサ50の距離Dにおける高度差ΔHに変換する。制御部35aは、変換した高度差ΔHに高度変動情報ΔHを加算した現在の計測対象物の傾斜角θに対応する高度差を算出し、当該高度差と、距離Dとに基づいて、現在の計測対象物の傾斜角θを算出する。すなわち、制御部35aは、例えば、等速傾斜情報(等速傾斜角θ=傾斜角初期値θ)と、上述した所定の距離を示す距離情報(距離D)と、高度変動情報ΔHとに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。
このように、制御部35aは、例えば、等速運動判定部33aによって計測対象物が等速運動していると判定された場合に等速傾斜センサ32aによって検出された等速傾斜情報(等速傾斜角θ)と、傾斜変動情報生成部42によって生成された傾斜変動情報(高度変動情報ΔH)とに基づいて、計測対象物の傾斜角θを検出する。なお、制御部35aによる計測対象物の傾斜角θの算出処理の詳細については、第1の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
また、制御部35aは、計測対象物の傾斜角θを検出した後に、記憶部34が記憶するリセット傾斜度(傾斜角初期値θ)を更新する。すなわち、制御部35aは、検出した当該計測対象物の傾斜角θを新たな初期値(リセット傾斜度)として記憶部34に記憶させる。
次に、図15を参照して、傾斜計測装置1cの動作について説明する。
図15は、本実施形態による傾斜計測装置1cの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、傾斜計測装置1cの制御部35aは、計測対象物が等速運動状態であるか否かの有無判定を実行する(ステップS401)。すなわち、制御部35aは、等速運動判定部33aに、例えば、計測対象物が等速運動状態であるか否かを問い合わせる信号を送信する。等速運動判定部33aは、計測対象物が等速運動状態であるか否かの判定を実行し、当該判定結果を制御部35aに送信する。
次に、制御部35aは、等速運動判定部33aから取得した判定結果に基づいて、計測対象物が等速運動状態であるか否かを判定する(ステップS402)。制御部35aは、計測対象物が等速運動状態である場合(ステップS402:YES)に、処理をステップS403に進める。また、制御部35aは、計測対象物が等速運動状態でない場合(ステップS402:NO)に、処理をステップS401に戻し、ステップS401及びステップS402の処理を、計測対象物が等速運動状態になるまで繰り返す。
ステップS403において、制御部35aは、等速傾斜センサ32aから等速傾斜度(等速傾斜角θ)を取得する。
次に、制御部35aは、リセット傾斜度(傾斜角初期値θ)を設定する(ステップS404)。すなわち、制御部35aは、取得した等速傾斜度(等速傾斜角θ)を、リセット傾斜度(傾斜角初期値θ)として、記憶部34に記憶させる。
次に、制御部35aは、傾斜度変動を計測する(ステップS405)。ここで、傾斜変動センサ40の傾斜変動情報生成部42は、気圧変動センサ51の検出値と、気圧変動センサ52の検出値との差分を算出し、算出した当該差分に基づいて、高度変動情報ΔHを生成する。制御部35aは、傾斜変動情報生成部42が生成した高度変動情報ΔHを、傾斜変動情報として、傾斜変動センサ40から取得する。
次に、制御部35aは、傾斜度(傾斜角θ)を算出する(ステップS406)。制御部35aは、まず、記憶部34が記憶するリセット傾斜度(傾斜角初期値θ)を取得し、上述した式(3)を用いて、等速動作時、又は前回算出した傾斜角θに対応する高度差ΔHを算出する。次に、制御部35aは、取得した高度変動情報ΔHと、算出した当該高度差ΔHとに基づいて、傾斜角算出用の高度差ΔH(=ΔH+ΔH、累積高度差)を算出する。そして、制御部35aは、上述した式(4)を用いて、現在の傾斜度(傾斜角θ)を算出する。
なお、制御部35aは、算出した現在の傾斜角θを、新たなリセット傾斜度(傾斜角初期値θ)として、記憶部34に記憶させる。
次に、制御部35aは、計測を継続するか否かを判定する(ステップS407)。制御部35aは、計測を継続する場合(ステップS407:YES)に、処理をステップS405に戻す。また、制御部35aは、計測を継続しない場合(ステップS407:NO)に、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態による傾斜計測装置1cは、少なくとも2つの気圧変動センサ50と、傾斜変動情報生成部42と、等速傾斜センサ32aと、等速運動判定部33aと、制御部35a(傾斜情報検出部)とを備えている。少なくとも2つの気圧変動センサ50は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される。傾斜変動情報生成部42は、少なくとも2つの気圧変動センサ50によって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報(例えば、検出信号)に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する。等速傾斜センサ32aは、計測対象物が等速運動している状態における計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する。等速運動判定部33aは、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。そして、制御部35aは、等速運動判定部33aによって計測対象物が等速運動していると判定された場合に等速傾斜センサ32aによって検出された等速傾斜情報(等速傾斜角θ)と、傾斜変動情報生成部42によって生成された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測装置1cは、計測対象物が等速運動している状態における等速傾斜センサ32aから取得した等速傾斜情報(等速傾斜角θ)と、高精度に検出可能な気圧変動センサ50を利用して生成された傾斜変動情報とに基づいて計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を計測するため、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。例えば、気圧変動センサ50を利用して計測対象物の傾斜情報(傾斜角θ)を検出するため、本実施形態による傾斜計測装置1cは、第1の実施形態と同様に、計測対象物が加速運動している場合であっても、高精度に傾斜情報を計測することができる。
また、本実施形態による傾斜計測方法は、気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサ50と、計測対象物が等速運動している状態における計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサ32aと、を備える傾斜計測装置1cの傾斜計測方法であって、傾斜変動生成ステップと、等速運動判定ステップと、傾斜情報検出ステップとを含んでいる。傾斜変動生成ステップにおいて、傾斜変動情報生成部42が、少なくとも2つの気圧変動センサ50によって検出された気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報(例えば、高度変動情報ΔH)を生成する。等速運動判定ステップにおいて、等速運動判定部33aが、計測対象物が等速運動しているか否かを判定する。そして、傾斜情報検出ステップにおいて、制御部35aが、等速運動判定ステップによって計測対象物が等速運動していると判定された場合に等速傾斜センサ32aによって検出された等速傾斜情報と、傾斜変動生成ステップによって検出された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報を検出する。
これにより、本実施形態による傾斜計測方法は、上述した傾斜計測装置1cと同様に、傾斜情報の検出精度を向上させることができる。
なお、本実施形態における計測対象物が等速運動している状態には、第1〜第3の実施形態における計測対象物が静止している状態が含まれる。例えば、等速傾斜センサ32aは、等速傾斜情報を、計測対象物が静止している状態における計測対象物の傾斜情報である静止傾斜情報として検出する静止傾斜センサ32であってもよい。等速運動判定部33aは、計測対象物が静止しているか否かを判定する静止判定部33であってもよい。すなわち、静止傾斜センサ32は、等速傾斜センサ32aの一例であり、静止判定部33は、等速運動判定部33aの一例である。そして、制御部35a(傾斜情報検出部)は、静止判定部33によって計測対象物が静止していると判定された場合に静止傾斜センサ32によって検出された静止傾斜情報と、傾斜変動情報生成部42によって生成された傾斜変動情報とに基づいて、計測対象物の傾斜情報を検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1の実施形態に対して、静止状態を等速運動状態に拡張する例を説明したが、第2の実施形態による傾斜計測装置1及び第3の実施形態による傾斜計測システム100に対して、同様に静止状態を等速運動状態に拡張してもよい。
例えば、第2の実施形態による傾斜計測装置1において、静止状態を等速運動状態に拡張する場合には、静止傾斜センサ32、静止判定部33、及び制御部35が、等速傾斜センサ32a、等速運動判定部33a、及び制御部35aに置き変えた上で、図12に示す処理を、以下のように変更すればよい。
例えば、図12に示すステップS301からステップS307までの処理は、上述した図15に示すステップS401からステップS407までの処理に変更すればよい。
また、ステップS309において、制御部35aが、再び、計測対象物が等速運動状態であるか否かの有無判定を実行するように変更する。
また、ステップS310において、制御部35aが、等速運動判定部33aから取得した判定結果に基づいて、計測対象物が等速運動状態であるか否かを判定するように変更する。ここでは、制御部35aは、計測対象物が等速運動状態である場合(ステップS310:YES)に、処理をステップS303に進める。また、制御部35aは、計測対象物が等速運動状態でない場合(ステップS310:NO)に、処理をステップS305に戻し、傾斜度変動を計測する。
また、例えば、第3の実施形態による傾斜計測システム100において、静止状態を等速運動状態に拡張する場合には、静止傾斜センサ32、静止判定部33、及び制御部35が、等速傾斜センサ32a、等速運動判定部33a、及び制御部35aに置き変えればよい。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報の一例として、高度変動情報ΔHを適用する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、計測対象物が水平に近い範囲でのみ使用する場合には、傾斜変動情報は、傾斜変動情報生成部42によって、上述した式(2)に基づいて、生成された傾斜角の変動分(Δθ)であってもよい。この場合、制御部35(35a)は、記憶部34が記憶する傾斜角初期値θに、当該傾斜角の変動分(Δθ)を加算して、現在の傾斜角θを算出してもよい。
また、上記の各実施形態において、記憶部34には、傾斜角初期値θを記憶させる例を説明したが、傾斜角初期値θの代わりに、傾斜角初期値θから変換した高度差ΔHを記憶させるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、静止傾斜センサ32(等速傾斜センサ32a)が、加速度センサを使用した傾斜角センサである例を説明したが、ジャイロセンサ等を使用した傾斜角センサであってもよい。
また、上記の第4の実施形態の等速運動判定部33aにおいて、移動速度の変化が所定の範囲以内である場合に、計測対象物が等速運動していると判定する例を説明したが、所定の条件に応じて、所定の範囲を変更するようにしてもよい。ここで、所定の条件としては、例えば、等速運動判定部33aが前回に等速運動していると判定して、等速傾斜センサ32aから等速傾斜度(等速傾斜角θ)を取得するリセット処理から経過した経過時間である。すなわち、等速運動判定部33aは、当該経過時間に応じて、所定の範囲を変更するようにしてもよい。例えば、等速運動判定部33aは、当該経過時間が長くなるほど、等速運動を判定する所定の範囲を緩める(広げる)ように変更するようにしてもよい。
また、上述した図12に示すリセット要求は、定期的にされるようにしてもよい。すなわち、静止判定部33(等速運動判定部33a)が前回に静止(等速運動)していると判定して、静止傾斜センサ32(等速傾斜センサ32a)から静止傾斜角θ(等速傾斜角θ)を取得するリセット処理から所定の時間が経過した場合に、リセット要求がされるようにしてもよい。
なお、上述した傾斜計測装置1(1a、1c)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した傾斜計測装置1(1a、1c)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した傾斜計測装置1(1a、1c)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に傾斜計測装置1(1a、1c)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した傾斜計測装置1(1a、1c)が備える機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
1、1a、1c 傾斜計測装置
1b センサユニット
2 SOI基板
2a シリコン支持層
2b 酸化層
2c シリコン活性層
3 キャビティ筐体
3a 第1筐体部
3b 第2筐体部
4 カンチレバー
4a 基端部
4b 先端部
5 気圧変動検出部
10 キャビティ
12 蓋部
13 ギャップ
15 貫通孔
16 溝部
20 ピエゾ抵抗
21 配線部
22 検出回路
221 ブリッジ回路
222 差動増幅回路
31 電源部
32 静止傾斜センサ
32a 等速傾斜センサ
33 静止判定部
33a 等速運動判定部
34 記憶部
35、35a 制御部
40 傾斜変動センサ
41 通信部
42 傾斜変動情報生成部
50、51、52 気圧変動センサ
100 傾斜計測システム
PB プリント基板

Claims (11)

  1. 気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、
    前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動情報生成部と、
    前記計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、
    前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定部と、
    前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出部と
    を備えることを特徴とする傾斜計測装置。
  2. 前記計測対象物の傾斜情報の初期値を記憶する記憶部を備え、
    前記傾斜情報検出部は、
    前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に、前記等速傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させ、
    前記記憶部が記憶する前記初期値と、前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出するとともに、検出した当該計測対象物の傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜計測装置。
  3. 前記傾斜情報検出部は、
    前記初期値を初期化する初期化要求に応じて、前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に、前記等速傾斜情報を前記初期値として前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の傾斜計測装置。
  4. 前記傾斜変動情報生成部は、
    前記少なくとも2つの前記気圧変動情報に基づいて、前記少なくとも2つの気圧変動センサの高度差の変動を示す高度変動情報を、前記傾斜変動情報として生成し、
    前記傾斜情報検出部は、
    前記等速傾斜情報と、前記所定の距離を示す距離情報と、前記高度変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  5. 前記等速運動判定部は、前記計測対象物の測位情報を取得する測位システム機構によって取得された前記測位情報の変化に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  6. 前記計測対象物は、移動可能であり、且つ、移動速度を取得する速度検出機構を有する移動体であり、
    前記等速運動判定部は、前記速度検出機構によって取得された前記移動速度に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  7. 前記計測対象物は、車輪の駆動によって移動可能な移動体であり、
    前記等速運動判定部は、前記車輪の駆動状態に基づいて、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  8. 前記計測対象物が等速運動している状態には、前記計測対象物が静止している状態が含まれ、
    前記等速傾斜センサは、前記等速傾斜情報を、前記計測対象物が静止している状態における前記計測対象物の傾斜情報である静止傾斜情報として検出する静止傾斜センサであり、
    前記等速運動判定部は、前記計測対象物が静止しているか否かを判定する静止判定部であり、
    前記傾斜情報検出部は、前記静止判定部によって前記計測対象物が静止していると判定された場合に前記静止傾斜センサによって検出された前記静止傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  9. 前記気圧変動センサは、
    空気が流入するキャビティを有するセンサ本体と、
    前記空気を前記キャビティの内外に流通させる連通孔を除く前記キャビティの開口面を塞ぐように基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状であり、前記キャビティの内部と外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの撓み変形に応じた前記気圧変動情報を検出する気圧変動検出部と
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の傾斜計測装置。
  10. 気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、
    前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動情報生成部と、
    前記計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、
    前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定部と、
    前記等速運動判定部によって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動情報生成部によって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出部と
    を備えることを特徴とする傾斜計測システム。
  11. 気圧の変動を検出し、検出方向に沿って所定の距離を離して配置される、少なくとも2つの気圧変動センサと、計測対象物が等速運動している状態における前記計測対象物の傾斜情報を、等速傾斜情報として検出する等速傾斜センサと、を備える傾斜計測システムの傾斜計測方法であって、
    傾斜変動情報生成部が、前記少なくとも2つの気圧変動センサによって検出された前記気圧の変動を示す気圧変動情報に基づいて、前記計測対象物の傾斜角の変動に関する情報を示す傾斜変動情報を生成する傾斜変動生成ステップと、
    等速運動判定部が、前記計測対象物が等速運動しているか否かを判定する等速運動判定ステップと、
    傾斜情報検出部が、前記等速運動判定ステップによって前記計測対象物が等速運動していると判定された場合に前記等速傾斜センサによって検出された前記等速傾斜情報と、前記傾斜変動生成ステップによって生成された前記傾斜変動情報とに基づいて、前記計測対象物の傾斜情報を検出する傾斜情報検出ステップと
    を含むことを特徴とする傾斜計測方法。
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