JP2017133345A - 水洗大便器装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロートが軸部上で移動を妨げられ、フロートスイッチが適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができ、フロートスイッチを確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる水洗大便器装置を提供する。【解決手段】本発明の水洗大便器装置1のフロート上昇速度制御タンク38は、給水装置28による洗浄水タンク26内への洗浄水の給水により、洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート58の下端部分59より上部に形成された窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に流入することにより、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度が、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されるように形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、水洗大便器装置に係り、特に、洗浄水によって洗浄し、汚物を排出する水洗大便器装置に関する。
従来から、特許文献1に示すように、水洗大便器に洗浄水を供給するための貯水タンク内の上部にフロートスイッチを配置し、洗浄水の水位が、給水中に満水水位に到達するとき、フロートスイッチが洗浄水の水位が満水水位に到達したことを検知し、洗浄水の給水を停止させるようなフロートスイッチが知られている。
特許文献1及び2に示すように、貯水タンク内の水位を検出するフロートスイッチは、貯水タンクに取付けられるベース部と、ベース部から延びる支持軸と、この支持軸に沿って上下動できるフロートとを備えている。
特開2010−236202号公報 特開2001−323540号公報
しかしながら、上述のような従来のフロートスイッチにおいては、支持軸に沿って上下動できるフロートの動作が不安定となり、洗浄水の水位の検知が確実に行えない場合があるという問題が生じていた。
例えば、フロートスイッチのフロートと支持軸とが接触した状態で静止している場合において、フロートスイッチのフロートが支持軸との間において静止摩擦力が発生されるため、給水時に洗浄水の水位が満水水位に到達してもフロートが支持軸に対して移動されず、フロートスイッチが作動されない又は作動のタイミングが遅延する場合があるという問題がある。また、例えば、フロートスイッチのフロート又は支持軸に気泡が付着する場合において、気泡等の付着により、フロートの移動が妨げられ、給水時に洗浄水の水位が満水水位に到達してもフロートが支持軸に対して移動されず、フロートスイッチが作動されない又は作動のタイミングが遅延する場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点と課題を解決するためになされたものであり、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロートが軸部上で移動を妨げられ、フロートスイッチが適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができ、フロートスイッチを確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる水洗大便器装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、洗浄水によって洗浄し、汚物を排出する水洗大便器装置であって、便器本体と、便器本体を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、洗浄水タンク内に洗浄水を給水する給水装置と、洗浄水タンク内の上部に設けられるフロートスイッチであって、洗浄水の水位に連動して上下移動するフロートと、フロートが上下移動可能に取付けられている軸部とを有し、洗浄水の水位の上昇により、フロートが軸部上を所定位置まで上昇したときに給水停止信号を発信するフロートスイッチと、フロートスイッチの発信した給水停止信号を受信することにより給水装置による洗浄水の給水を停止させるように制御する制御装置と、洗浄水タンクの内部おいて、フロートの少なくとも下部の外側を囲うように形成されたフロート上昇速度制御タンクと、を有し、フロート上昇速度制御タンクは、水抜き用の水抜き穴を形成する水抜き穴部と、フロートの下端部分より上部に形成された窓部と、を備え、フロート上昇速度制御タンクは、給水装置による洗浄水タンク内への洗浄水の給水により、洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水タンク内の洗浄水がフロートの下端部分より上部に形成された窓部からフロート上昇速度制御タンク内に流入することにより、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度が、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されるように形成されることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロート上昇速度制御タンクは、給水時に洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水タンク内の洗浄水がフロートの下端部分より上部に形成された窓部からフロート上昇速度制御タンク内に流入するように形成されている。フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大される。よって、フロートが、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受ける。従って、フロートスイッチのフロートが軸部との間において静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力を受ける場合においても、フロートがフロートと軸部との間の移動を妨げようとする力に打ち勝つような増大された浮力を受けて軸部に対して上昇しやすくなる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロートが軸部上で移動を妨げられ、フロートスイッチが適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水がフロートの上部側に形成された窓部からフロート上昇速度制御タンク内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロートを揺らすことにより、フロートがフロートと軸部との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロートと軸部との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロートを軸部に対して上昇させやすくすることができる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロートが軸部上で移動を妨げられ、フロートスイッチが適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。
従って、フロートスイッチを確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクの窓部は、フロート上昇速度制御タンクのほぼ同じ高さ位置に形成されている。
このように構成された本発明においては、給水時に洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水タンク内の洗浄水が、フロート上昇速度制御タンクのほぼ同じ高さ位置に形成されている窓部から、フロート上昇速度制御タンク内にほぼ同じタイミングで一気に流入が開始される。よって、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりもより増大される。従って、フロートが、より増大された水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクの窓部は、フロート上昇速度制御タンクのほぼ全周に形成されている。
このように構成された本発明においては、給水時に洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水タンク内の洗浄水が、フロート上昇速度制御タンクのほぼ全周に形成されている窓部から、フロート上昇速度制御タンク内にほぼ全周から一気に流入する。よって、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりもより増大される。従って、フロートが、より増大された水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクの水抜き穴部は、洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、水抜き用の水抜き穴部を閉止する水抜き穴用フロート部を備えている。
このように構成された本発明においては、水抜き穴用フロート部が、洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、水抜き用の水抜き穴部を閉止するので、洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部に到達するまで、洗浄水が水抜き用の水抜き穴部からフロート上昇速度制御タンク内に流入することを防ぐことができる。
従って、洗浄水を窓部から空の状態のフロート上昇速度制御タンク内に一気に流入させることができ、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されることができ、フロートが、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受けることができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水がフロートの下端部分より上部側に形成された窓部からほぼ空の状態のフロート上昇速度制御タンク内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロートを揺らすことにより、フロートがフロートと軸部との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロートと軸部との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロートを軸部に対して上昇させやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、7mm/s〜100mm/sの範囲の速度とされている。
このように構成された本発明においては、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、7mm/s〜100mm/sの範囲の速度とされている。従って、フロートが、7mm/s〜100mm/sの範囲の水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンク内の底部に形成された水抜き穴部は、直径1mm〜15mmの範囲の大きさの孔により形成されている。
このように構成された本発明においては、水抜き穴部が、直径1mm〜15mmの範囲の大きさの孔により形成されているので、洗浄水タンク内の洗浄水の排水に伴う洗浄水の水位の下降中に、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水が水抜き穴部の孔から洗浄水タンク内に全部又は概ね全部流出されるようになっており、さらに、洗浄水タンクの給水時に、フロート上昇速度制御タンクの周りの洗浄水の水位が窓部に到達するまでに、水抜き穴部の孔からフロート上昇速度制御タンク内に流入する洗浄水の水量がフロート部の下端部分よりも低い位置の比較的少ない水量に抑制される。従って、洗浄水を窓部から比較的低い水位の状態のフロート上昇速度制御タンク内に一気に流入させることができ、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されることができ、フロートが、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受けることができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部に到達するとき、洗浄水がフロートの下端部分より上部側に形成された窓部から比較的低い水位の状態のフロート上昇速度制御タンク内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロートを揺らすことにより、フロートがフロートと軸部との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロートと軸部との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロートを軸部に対して上昇させやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクは、さらに、前記窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びる庇部を備えている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内に入った浮遊物等の小物体が、表面張力によりフロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿って存在する場合においても、庇部が窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びるので、洗浄水タンク内の水位の上昇に伴って上昇する小物体を、窓部の下方から窓部の高さまで上昇させないように庇部によって引っかけることができる。従って、フロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿う位置に存在する小物体が、フロート上昇速度制御タンクの窓部内へ浸入することを抑制することができる。
また、洗浄水タンク内の洗浄水の水位が庇部の高さにおいて徐々に上昇する場合において、庇部が窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びているので、水平な洗浄水の水面と斜め下方に延びる庇部の上面との間で比較的大きな表面張力が発生することを抑制することができる。従って、洗浄水が庇部の上面から窓部内に流入するタイミングが表面張力の影響により遅れる又はばらつくことを抑制することができ、フロート上昇速度制御タンク内の水位上昇のタイミングの遅延が生じる問題を低減することができ、フロートスイッチの作動タイミングを精度良く保つことができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクの前記窓部は、洗浄水タンクの中央領域側の前記フロート上昇速度制御タンクの壁面において形成されている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内に入ったゴミ、浮遊物等の小物体は、表面張力により洗浄水タンクの内側壁面に集まりやすい。従って、フロート上昇速度制御タンクの窓部を、洗浄水タンクの中央領域側のフロート上昇速度制御タンクの壁面において形成することにより、洗浄水タンクの内側壁面に集まるゴミ、浮遊物等の小物体が、洗浄水タンクの中央領域側の窓部内へ浸入することを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクは、さらに、窓部の下端から外方に向かって延びる庇部を備えている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内に入った浮遊物等の小物体が、表面張力によりフロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿って存在する場合においても、庇部が窓部の下端から外方に向かって延びるので、洗浄水タンク内の水位の上昇に伴って上昇する小物体を、窓部の下方から窓部の高さまで上昇させないように庇部によって引っかけることができる。従って、フロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿う位置に存在する小物体が、フロート上昇速度制御タンクの窓部内へ浸入することを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクは、さらに、窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びる庇部を備えている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内に入った浮遊物等の小物体が、表面張力によりフロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿って存在する場合においても、庇部が窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びるので、洗浄水タンク内の水位の上昇に伴って上昇する小物体を、窓部の下方から窓部の高さまで上昇させないように庇部によって引っかけることができる。従って、フロート上昇速度制御タンクの窓部の下方の外壁面に沿う位置に存在する小物体が、フロート上昇速度制御タンクの窓部内へ浸入することを抑制することができる。
また、洗浄水タンク内の洗浄水の水位が庇部の高さにおいて徐々に上昇する場合において、庇部が窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びているので、水平な洗浄水の水面と斜め下方に延びる庇部の上面との間で比較的大きな表面張力が発生することを抑制することができる。従って、洗浄水が庇部の上面から窓部内に流入するタイミングが表面張力の影響により遅れる又はばらつくことを抑制することができ、フロート上昇速度制御タンク内の水位上昇のタイミングの遅延が生じる問題を低減することができ、フロートスイッチの作動タイミングを精度良く保つことができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクは、フロート上昇速度制御タンクの底部において、フロートの軸部に取付けられる取付開口部を備え、取付開口部は、軸部に取付けられた状態で、軸部に対するフロート上昇速度制御タンクの傾きを抑制する傾き抑制部を備えている。
このように構成された本発明においては、フロート上昇速度制御タンクの取付開口部は、軸部に取付けられた状態で、軸部に対するフロート上昇速度制御タンクの傾きを抑制する傾き抑制部を備えているので、フロート上昇速度制御タンクの傾きをほぼ水平に保持することができ、フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の傾きを抑制し、フロートスイッチの作動タイミングを精度良く保つことができる。
本発明において、好ましくは、フロート上昇速度制御タンクは、水抜き穴部をシール部によって閉止する閉止姿勢と、閉止姿勢からシール部を斜めに移動させることにより水抜き穴部を開放する開放姿勢とを有する開閉機構を備え、開閉機構は、シール部及びシール部に浮力を作用させる水抜き穴用フロート部を支持する支持腕と、支持腕と支持腕を取付ける支持腕取付部との間の隙間に向かって突出することにより、支持腕と支持腕取付部との間の接触を抑制させる凸部とを備えている。
このように構成された本発明においては、フロート上昇速度制御タンクの開閉機構は、閉止姿勢からシール部を斜めに移動させることにより水抜き穴部を比較的大きく開放する開放姿勢を有するので、水抜き穴部を比較的大きく開放することができ、フロート上昇速度制御タンク内に入った浮遊物等の小物体を水抜き穴部においてつまりにくくさせることができ、且つ比較的大流量の洗浄水と共に水抜き穴部から洗浄水タンク内に排出させることができる。従って、小物体がフロート上昇速度制御タンク内に入った場合においても、小物体によるフロートスイッチの動作不良及び水抜き穴部におけるつまりを抑制させることができ、フロート上昇速度制御タンクの信頼性を向上させることができる。
また、凸部が支持腕と支持腕取付部との間の接触を抑制させるので、支持腕と支持腕取付部とが接触した状態で固着し、開閉機構の動作不良が生じることを抑制することができる。
本発明の水洗大便器装置によれば、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロートが軸部上で移動を妨げられ、フロートスイッチが適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができ、フロートスイッチを確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、ケーシング、便座及び便蓋を省略した状態で、水洗大便器装置の前後方向の中央断面を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、ケーシング、洗浄水タンク装置の内側蓋体、便座及び便蓋を省略した状態で、水洗大便器装置を示す上面図である。 図1のIII-III線に沿って見た断面図である。 図3のIV-IV線に沿って見た断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が低下され且つフロート上昇速度制御タンクから洗浄水が完全に排水されている状態で、図3のフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの左右方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が満水水位にある状態で、図3のフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの左右方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が低下され且つフロート上昇速度制御タンクから洗浄水が完全に排水されている状態で、図1に示すようなフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの前後方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置のフロート上昇速度制御タンクの高さ位置の水平断面に沿って見た断面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクを斜め上方から見た斜視図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、フロート上昇速度制御タンクのダンパー部が水抜き穴部を閉止している閉止姿勢を取っている状態を洗浄水タンクの中央近傍から見た正面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクを斜め下方から見た斜視図である。 図8のXII-XII線に沿って見た断面図である。 図8のXIII-XIII線に沿って見た断面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクをフロートスイッチを取り外した状態で上方から見た上面図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、フロート上昇速度制御タンクのダンパー部が水抜き穴部を比較的大きく開放する開放姿勢を取っている状態を洗浄水タンクの中央近傍から見た正面図である。
つぎに、添付図面により、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置について説明する。
まず、図1乃至図4により、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置について説明する。
図1は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、ケーシング、便座及び便蓋を省略した状態で、水洗大便器装置の前後方向の中央断面を示す断面図であり、図2は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、ケーシング、洗浄水タンク装置の内側蓋体、便座及び便蓋を省略した状態で、水洗大便器装置を示す上面図であり、図3は図1のIII-III線に沿って見た断面図であり、図4は図3のIV-IV線に沿って見た断面図である。
図1乃至図4に示すように、符号1は、洗浄水によって洗浄し、汚物を排出する水洗大便器装置であり、この水洗大便器装置1は、陶器製の便器本体2を備え、この便器本体2には、便器本体2の上方に設けられる便蓋(図示せず)と、便蓋(図示せず)と便器本体2との間で便器本体2の上面に配置される便座(図示せず)と、ボウル部4と、このボウル部4の下部と連通する排水トラップ管路6がそれぞれ形成されている。なお、便器本体2は、陶器以外に、樹脂と陶器、又は樹脂のみで形成するようにしても良い。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム8が形成され、便器本体2のボウル部4の左側上方には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路9から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口10とが形成され、この第1吐水口10から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部4を洗浄するようになっている。
ボウル部4の下方には、溜水面が鎖線W0で示された溜水部12が形成されている。この溜水部12の下方には、排水トラップ管路6の入口6aが開口し、この入口6aから後方の排水トラップ管路6は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。
また、ボウル部4の溜水面W0の後方右側の上方位置には、便器本体2の後方側の内部に形成される導水路9から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口14が形成され、この第2吐水口14から吐水される洗浄水が溜水部12の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
便器本体2の後方側の上面には、洗浄ユニット16が設けられている。
洗浄ユニット16は、便器本体2の後方側の上面上に配置され且つ洗浄ユニット16の基部を形成しているケーシングプレート18と、ケーシングプレート18の上面に設けられ、人体の局部を洗浄する洗浄水を噴出するノズル部20を作動させる局部洗浄装置22と、ケーシングプレート18の上面に設けられ、ボウル部4へ供給する水を貯水する洗浄水タンク装置24と、を備えている。
ケーシングプレート18は、洗浄水タンク装置24と、局部洗浄装置22とを一緒にケーシングプレート18上に互いに近傍に並んで配置して、一つのケーシングカバー(図示せず)内部に一体のユニットとして一緒に収納できる。
図1及び図3に示すように、洗浄水タンク装置24は、自身の高さが比較的低く形成されているいわゆるローシルエットタンクであり、ボウル部4へ供給する水を貯水する。
洗浄水タンク装置24は、水洗大便器装置1を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンクである洗浄水タンク26と、自身の一部が洗浄水タンク26内に設けられ且つ水道等の給水源からこの洗浄水タンク26内に洗浄水を給水する給水装置28と、洗浄水タンク26内に設けられ且つ洗浄水タンク26に貯えられた洗浄水について排水口30を開放して便器本体2の導水路9に流出させる排水弁装置32と、洗浄水タンク26内の上部に設けられるフロートスイッチ34と、フロートスイッチ34の発信した給水停止信号を受信することにより給水装置28による洗浄水の給水を停止させるように制御する制御装置36と、停電時において、給水装置28の給水動作を停止させることができる停電時用フロート部37と、洗浄水タンク26の内部且つフロートスイッチ34の外側において、フロートスイッチ34の少なくとも下部を外側から囲うように形成されたフロート上昇速度制御タンク38と、を有している。
洗浄水タンク26には、この洗浄水タンク26の上方の開口を覆うような洗浄水タンク蓋40が取付けられている。洗浄水タンク26の底部には、便器本体2の導水路9と連通する排水口30が形成され、洗浄水タンク26内の洗浄水が排水口30を介して便器本体2の導水路9へと供給されるようになっている。
給水装置28は、従来の給水装置の構成と同様であるため、具体的な説明は省略するが、洗浄水タンク26の外部の給水源から給水装置28まで延びて洗浄水を所定の給水圧で給水する給水管42と、この給水管42の上端部に取り付けられ、給水管42から給水される洗浄水の洗浄水タンク26内への吐水と止水を切り替える給水バルブ44と、給水バルブ44の下流側において開口して、給水バルブ44からの洗浄水を洗浄水タンク26内に吐水する吐水口46と、を備えている。給水装置28は、所定の単位時間当たりの流量の洗浄水を吐水口46から洗浄水タンク26内に吐水するようになっている。例えば、給水装置28による洗浄水の単位時間あたりの給水流量は、4L/min〜10L/minの範囲となっている。このとき、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度は、1mm/s〜4mm/sの範囲の上昇速度、例えば2mm/sの上昇速度とされている。
排水弁装置32の構成については、従来の排水弁装置の構成と同様であるため、具体的な説明は省略するが、この排水弁装置32は、上下方向に延びるオーバーフロー管48と、オーバーフロー管48の下端部に固着された排水弁54と、を備え、このオーバーフロー管48内の下方部分は、排水口30と連通しており、洗浄水タンク26内の水位が万一満水水位WL0よりも上昇してオーバーフロー管48の上端開口部48aに達したときに、このオーバーフロー管48の上端開口部48aから流入した洗浄水は、排水口30から便器本体2の導水路9へ排出されるようになっている。
使用者が壁等に取り付けられた操作スイッチ(図示せず)等を操作して、大洗浄又は小洗浄の所定の洗浄モードを実行させることにより、駆動装置50が駆動して、玉鎖52を介して、オーバーフロー管48及び排水弁54を引き上げると、排水口30が所定時間開放され、所定時間経過後に排水弁54が下降して排水口30を閉止するまで、洗浄水タンク26内の洗浄水が便器本体2の導水路9に一定量排出されるようになっている。
制御装置36は、洗浄水タンク装置24と、局部洗浄装置22とに備えられている電子部品を電気的に制御できるようになっている。例えば、制御装置36は、洗浄水タンク装置24の給水装置28の給水バルブ44、フロートスイッチ34、排水弁装置32の駆動装置50、局部洗浄装置22、各種操作を行う操作の開始及び停止を操作する操作スイッチ(図示せず)等と、それぞれ電気的に接続され、各機器の操作に必要な指令信号を送受信できるようになっている。制御装置36は、局部洗浄装置22側に設けられているが、洗浄水タンク装置24側の洗浄水タンク26の外側等に設けられていてもよい。
制御装置36は、洗浄水の排水が開始された直後から、給水装置28の給水バルブ44を開弁させ洗浄水の給水を開始させるように制御する。変形例として、制御装置36は、洗浄水の排水が開始されてから所定時間を経過した場合、又は、洗浄水タンク内に別に設けられた下部フロートスイッチ(図示せず)が水位の低下を検知することにより発信した給水開始信号を制御装置36が受信した場合に、給水装置28の給水バルブ44を開弁させ洗浄水の給水を開始させるように制御してもよい。
本実施形態においては、制御装置36は、フロートスイッチ34の発信した給水停止信号を受信した場合には、給水装置28の給水バルブ44を閉弁させ洗浄水の給水を停止させるように制御する。
また、制御装置36は、使用者が壁等に取り付けられた操作スイッチ(図示せず)等を操作するとき、操作スイッチ等から発信された洗浄開始指令信号等を受信し、大洗浄又は小洗浄等の所定の洗浄モードを実行させるため、駆動装置50を駆動させ、すなわち、駆動部を回転させ、玉鎖52を引上げて、オーバーフロー管48及び排水弁54を引き上げるように制御する。
つぎに、図3乃至図7を参照して、本発明の第1実施形態によるフロートスイッチ34の詳細について説明する。
図5は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が低下され且つフロート上昇速度制御タンクから洗浄水が完全に排水されている状態で、図3のフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの左右方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図であり、図6は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が満水水位にある状態で、図3のフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの左右方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図であり、図7は本発明の第1実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置内の洗浄水の水位が低下され且つフロート上昇速度制御タンクから洗浄水が完全に排水されている状態で、図1に示すようなフロートスイッチ及びフロート上昇速度制御タンクの前後方向の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。
フロートスイッチ34は、フロートスイッチ34の棒状の軸部を形成するステム(軸部)56と、洗浄水タンク26内の水位の変動に応じて、水位に応じた浮力を受けながらステム56に沿って上下動するフロート部(フロート)58と、を備えている。
フロートスイッチ34は、洗浄水タンク26の上部且つその内側に取付けられている。さらに、フロートスイッチ34は、フロート上昇速度制御タンク38の内側に配置されるようになっている。
図5乃至図7に示すように、ステム56は、洗浄水タンク26の上部に取付けられた取付部60から垂下するように鉛直方向下方に延びるように配置されている。取付部60においてはネジ62により固定されている。ステム56の下端部よりわずかに上方の位置にはフロート止め64が形成されている。このフロート止め64によりフロート部58が下降した場合に抜け落ちることを防ぎ且つ洗浄水の水位がフロート止め64より下降している場合におけるフロート部58の待機位置をフロート止め64上に規定することができる。
ステム56は、ステム56内部にリードスイッチ66を備えている。フロートスイッチ34のリードスイッチ66は、制御装置36と電気的に接続されている。リードスイッチ66は、ONの状態となる場合に、給水停止信号を制御装置36に対して発信(送信)する。また、リードスイッチ66は、OFFの状態である場合には、給水停止信号を発信せずに待機している状態となる。
フロート部58は、円筒形状に形成され、中心の空間にステム56が通されて配置されている。フロート部58は、その外縁の直径が15mm〜25mmの範囲の直径を有する円筒形状に形成されている。フロート部58は、水平断面が環状に形成されている。よって、フロート部58は、ステム56に沿って上下方向に自由に移動できるようになっている。フロート部58は、ステム56との間にわずかに隙間を形成している。フロート部58は、自身の位置や姿勢によっては、自身の一部がステム56と接触した状態となる。通常、フロート部58がステム56と接触した状態のまま移動する。
フロート部58をステム56に沿って相対的に移動させようとする場合には、フロート部58は、ステム56との間で静止摩擦力(又は動摩擦力)を受け、移動を妨げようとする力を受けることとなる。例えば、フロート部58がステム56に接した状態で静止している場合には、フロート部58を、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力に打ち勝つ力(例えば浮力、又は水流による衝撃力、水流による揺れ、水面の乱れ等の波力を生じさせるような力等)により移動させる必要がある。フロート部58に、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力(又は動摩擦力)以下の力を作用させる場合には、フロート部58がステム56に対して静止した状態のまま、又はフロート部58がステム56に対して動いている状態から静止した状態となる場合があり、フロートスイッチ34の誤作動の原因となるため、このように移動されない状態を防ぐ必要がある。
フロート部58は、下部の内側の位置にマグネット68が埋め込まれるように配置されている。従って、フロート部58の上下動に伴ってマグネット68の位置も上下するようになっている。図5に示す状態においては、フロート部58のマグネット68はリードスイッチ66から離れた状態である。図5に示す状態から、フロート部58のマグネット68が上昇してリードスイッチ66に近づく場合には、マグネット68から生じている磁界がリードスイッチ66に強い磁界の影響を及ぼすことによりリードスイッチ66をONの状態にさせることができる。また、図6に示す状態においては、フロート部58のマグネット68はリードスイッチ66に近づいている状態である。図6に示す状態からフロート部58のマグネット68が下降してリードスイッチ66から遠ざかる場合には、マグネット68の磁界がリードスイッチ66において弱くなることによりリードスイッチ66をOFFの状態にさせることができる。
つぎに、図3乃至図7を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンク38の詳細について説明する。
フロート上昇速度制御タンク38は、洗浄水タンク装置24の内部且つフロート部58の外側において、フロート部58の少なくとも下部を囲うように形成されている。
フロート上昇速度制御タンク38は、直方体形状に形成されている。よって、フロート上昇速度制御タンク38は、フロート部58の外側において、直方体の各辺がフロート部58の上部及び下部(底部を含む)の周囲を囲うように形成されている。フロート上昇速度制御タンク38は、直方体形状のみならず、円筒形状あるいは他の形状に形成されていてもよい。
フロート上昇速度制御タンク38は、フロート部58の外側に形成され且つ縦方向に延びている縦壁70と、縦壁70の下端から内側に延び且つフロート部58の下部(底部を含む)を囲うように形成された底部72と、その底部72に水抜き用の水抜き穴を形成する水抜き穴部74と、フロート部58の下端部分59より上部側の領域の縦壁70に形成された窓部76と、を備えている。
縦壁70は、直方体形状のフロート上昇速度制御タンク38の4辺の平板状の壁面を形成している。底部72は、直方体形状のフロート上昇速度制御タンク38の底面を形成し、この底面は水抜き穴部74に向かって下り傾斜している。
フロート上昇速度制御タンク38の水抜き穴部74は、フロート上昇速度制御タンク38の底面においてフロート上昇速度制御タンク38の内部と外部とを連通する開口部として形成されている。水抜き穴部74は、フロート上昇速度制御タンク38の底部72から下方に延び且つ内側に水抜き用の流路を形成する第一筒状部78と、第一筒状部78の下端からさらに下方に延び且つ内側に水抜き用の流路を形成する第二筒状部80と、洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、水抜き穴部74内の流路を閉止する水抜き穴用フロート部82と、を備えている。
第一筒状部78及び第二筒状部80は、フロート上昇速度制御タンク38の底部中央から下方に延びるように、フロート上昇速度制御タンク38の底部72及び縦壁70と一体に形成されている。なお、第一筒状部78及び第二筒状部80は、それぞれ、フロート上昇速度制御タンク38の各部と別体に形成されていてもよい。
第一筒状部78は、円筒形状に形成され、自身の内部にフロート上昇速度制御タンク38内部と、その外部とを連通するような洗浄水の流路を形成している。
第一筒状部78は、後述するスナップ固定部86及び水抜き穴用フロート支持部99を内側に配置することが可能な円筒形状の空間領域を自身の内側に形成している。
第一筒状部78は、その内周壁の下端から内部方向に所定距離延びた後、長手方向に上方に向かって延びるスナップ固定支持部84の先端に形成されたスナップ固定部86を備え、スナップ固定部86がステム56の下部に形成された溝部88に嵌合するようになっている。スナップ固定部86がステム56の下部の溝部88と嵌合することにより、フロートスイッチ34のステム56の先端をフロート上昇速度制御タンク38の底部近傍において固定し、フロートスイッチ34を確実に固定且つ姿勢を安定させて正確に動作させることができる。
第二筒状部80は、円筒形状に形成され、自身の内部にフロート上昇速度制御タンク38内部と、その外部とを連通するような洗浄水の流路を形成している。第二筒状部80及び第一筒状部78は中心軸線が共通に配置され、且つ第二筒状部80は第一筒状部78よりも大きな半径を有している。よって、第一筒状部78の内部に形成された第一筒状内流路90と第二筒状部80の内部に形成された第二筒状内流路92との接合領域近傍においては環状の平坦部94が形成されている。第二筒状部80は、内側に水抜き穴用フロート部82を上下方向に移動可能に配置する。
水抜き穴用フロート部82は、円筒形状を有し、内側に円柱形状の内部空間96が形成され且つこの内部空間96が下方に開口され、ペットボトルのキャップのようなキャップ形状に形成されている。
さらに、水抜き穴用フロート部82は、この上面から上方に延び且つ先端にスナップ(爪状部)が形成されているフロート用スナップ部98を備えている。フロート用スナップ部98は、第一筒状部78の内側に突出する水抜き穴用フロート支持部99と係合できるようになっており、水抜き穴用フロート部82が最も下降した場合に、フロート用スナップ部98と水抜き穴用フロート支持部99とが係合して水抜き穴用フロート部82が吊下ったような状態で支持される。なお、洗浄水タンク26内の水位の上昇時には、水抜き穴用フロート部82のフロート用スナップ部98は水抜き穴用フロート支持部99から外れて上昇し、水抜き穴用フロート部82が上昇され、後述するように、水抜き穴用フロート部82と、第一筒状部78及び/又は第二筒状部80との間に洗浄水が連通可能な流路を形成するようになっている。
水抜き穴用フロート部82は、洗浄水の上昇に伴い、浮力を受けて上昇するようになっており、洗浄水の水位の上下に応じて上下移動するようになっている。水抜き穴用フロート部82は、洗浄水の水位が上昇する場合には、キャップ形状のフロート部の内部空間96に空気を貯留した状態で、水抜き穴用フロート部82の外側の洗浄水の水位が上昇していくこととなるため、内部空間96に貯留された空気により上向きの浮力を生じることとなる。水抜き穴用フロート部82が上向きの浮力を受ける場合に、水抜き穴用フロート部82の上面100がシール部102と当接し、第二筒状部80の内部且つ水抜き穴用フロート部82の外側の第二筒状内流路92と、第一筒状部78の内部の第一筒状内流路90との連通を遮断するように流路をシールする。
環状の平坦部94は下向きの平面を形成し、この環状の平坦部94には、環状の平坦部94から下方に延びるシール部102が設けられている。水抜き穴用フロート部82の上面100が浮力によりシール部102に対して押し付けられることで、水抜き穴部74内の第一筒状内流路90と第二筒状内流路92とが遮断され、すなわち水抜き穴部74が閉止される。
シール部102は、円筒形状に形成され、その下端部において水抜き穴用フロート部82の上面100と当接することにより、水抜き穴を内部でシールするようになっている。
水抜き穴部74は、シール部102と水抜き穴用フロート部82とが当接されていない状態においては、フロート上昇速度制御タンク38内部と、フロート上昇速度制御タンク38外部とを接続する流路を形成している。水抜き穴部74は、シール部102と水抜き穴用フロート部82とが当接されている状態においては、第一筒状内流路90と第二筒状内流路92とを分離し、それぞれ独立した貯溜領域を形成するようになっている。
本実施形態における水洗大便器装置1のフロート上昇速度制御タンク38の水抜き穴部74は、第一筒状部78と第二筒状部80と水抜き穴用フロート部82とを備えているが、変形例によれば、水抜き穴部74は、水抜き穴用フロート部82を省略し、フロート上昇速度制御タンク38の底部72において形成された小径の孔のみにより形成されていてもよい。このような水抜き穴部74の孔は、直径1mm〜15mmの範囲の大きさの孔により形成されている。よって、洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するまで、洗浄水が水抜き穴部74の孔からフロート上昇速度制御タンク38内に流入する水量を比較的少なく抑制することができる。
本実施形態においては、フロート上昇速度制御タンク38の窓部76は、フロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周にわたって形成されている。フロート上昇速度制御タンク38の窓部76は、フロート部58の上方の縦壁70内に形成されている。窓部76は、4辺の縦壁70においてほぼ全周、すなわちほぼ全体にわたって形成されている。縦壁70には、ある窓部76とその隣の窓部76との間にわずかに下部の縦壁70を支持する支持部104が形成されている。支持部104の大きさが比較的小さく形成され、全周のうちの窓部76の大きさが比較的大きく形成されることにより、後述するように洗浄水の水位上昇が窓部76の高さに到達した場合に、各窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に流入する洗浄水の流路断面積が比較的大きく形成され、各窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に流入する洗浄水の水量(単位時間当たりの水量)を比較的大きくすることができる。
なお、支持部104を省略し、フロート上昇速度制御タンク38の下部の縦壁70が、支持部104を介さずに洗浄水タンク装置24の内壁等に直接固定される場合には、窓部76が、フロート上昇速度制御タンク38の外周の全周に形成されることができる。このように、窓部76が縦壁70の全周のうち100%の領域にわたって形成される場合には、窓部76の下方側の縦壁70は、洗浄水タンク装置24の内壁等に接続される支持部等により支持される。
フロート上昇速度制御タンク38の窓部76は、フロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周に同じ高さ位置に形成されている。縦壁70に形成されている各窓部76の開口部分の下端部106は、全周にわたってほぼ同じ高さ位置H1に形成されている。よって、後述するように洗浄水の水位が上昇しながら窓部76の高さ位置H1に到達した場合に、洗浄水が各窓部76の下端部106から同時にフロート上昇速度制御タンク38内に一気に流入を開始することとなり、フロート上昇速度制御タンク38内に流入する洗浄水の水量を比較的大きくすることができ、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度を増大させ、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の上昇しようとする水勢をその外部の上昇しようとする水勢よりも強くすることができる。
なお、窓部76は、一部の窓部76の下端部106が異なる高さ位置に形成されていたとしても、他の窓部76の下端部106が概ね同じ高さ位置H1に形成されている場合も含む。
フロート上昇速度制御タンク38の窓部76は、その上端部107が満水水位WL0よりも上方に形成されている。よって、窓部76は、満水水位WL0が、窓部76上に位置するように形成されている。洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が満水水位WL0となる場合にはフロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位も満水水位WL0となる。
各窓部76の下端部106は、満水水位WL0の高さよりも低い位置に配置され、且つフロートが浮力を受けて上昇を開始するフロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の高さ位置H2よりも高い位置H1に配置されている。
窓部76の下端部106は、フロート上昇速度制御タンク38の底部72からの高さ位置H3に形成されている。高さ位置H3は、例えば底部72から17mm〜33mmの範囲の高さ位置に設定されている。窓部76から流入した洗浄水が所定の高さ位置H3から流れ落ち且つ底部72において勢いよく跳ね返ることにより、フロート部58を横方向又は上下方向に揺らすようにして静止摩擦力を解除させフロート部58を上昇させやすくすることができる。フロート部58を揺らすようにしてフロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させることができれば、フロート部58をフロート部58とステム56との間の動摩擦力(動摩擦力は静止摩擦力よりも小さくなっている)に抗して上昇させることができ、フロート部58をスムーズに上昇させやすくすることができる。
上述のような各窓部76の開口部分の下端部106の長さlを合計した下端部合計長さL1は、フロート上昇速度制御タンク38の水平断面の全周長さL2のうち100%〜80%の長さに形成されていることとなる。
フロート上昇速度制御タンク38は、給水装置28による洗浄水タンク26内への洗浄水の給水により、洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部側に形成された窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に流入することにより、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度(水面の上昇速度)が、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度(水面の上昇速度)よりも大きくなるように形成される。
例えば、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水が窓部76から流入を開始してから洗浄水の水位が窓部76の高さに到達するまで、7mm/s〜100mm/sの範囲とされている。また、例えば、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、少なくとも洗浄水がフロート部58の高さに到達する時点においては、7mm/s〜100mm/sの範囲とされている。
フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度が、比較的速い上昇速度であるので、フロート部58が比較的速い速度の水位の上昇に合わせて増大された浮力を受けることになる。
フロート上昇速度制御タンク38は、内部の水平断面の断面積の大きさを変えることにより、内部の洗浄水の水位の上昇速度を変更するように設定できる。フロート上昇速度制御タンク38は、給水装置28による洗浄水の単位時間あたりの給水流量に対して、フロート上昇速度制御タンク38内部の洗浄水の水位の上昇速度を、所望の上昇速度に制御することができる。
例えば、フロート上昇速度制御タンク38の内部の貯水可能領域S1のある高さ位置の水平断面の断面積は、洗浄水タンク26の内部の貯水可能領域S2の同じ高さ位置における水平断面の断面積の30分の1〜3分の1の範囲とされている。また、本実施形態の洗浄水タンク26の水平断面の断面積は、例えば、30000mm2〜50000mm2の範囲、好ましくは40000mm2〜50000mm2の範囲に設定されている。
つぎに、図3、図4及び図7を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置の洗浄動作(作用)を説明する。
なお、以下、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置により実行される大洗浄モードと小洗浄モードの2種類の洗浄モードのうち、大洗浄モード時の玉鎖52による排水弁装置32の排水弁54の引き上げ量が小洗浄モード時よりも大きくなり、洗浄水タンク装置24の排水口30を開放している時間が長い点と、大洗浄モード時の死水水位(図示せず)が小洗浄モード時よりも低くなる点以外については、大洗浄モードと小洗浄モードの基本動作は共通しているため、大洗浄モードについてのみ説明する。
図3に示すように、排水弁装置32の排水開始前(洗浄を開始する前)の待機状態では、排水弁装置32の排水弁54が排水口30を閉止しており、洗浄水タンク装置24内の初期水位が満水水位WL0となっている。フロート部58は上昇した状態であり、リードスイッチ66がONの状態となっており、給水装置28の給水バルブ44は閉止された状態となっている。
このとき、水抜き穴用フロート部82は、内部空間96に貯留された空気により上向きの浮力を受け、水抜き穴用フロート部82の上面100がシール部102と当接し、第二筒状内流路92と、第一筒状内流路90との連通を遮断するように流路をシールした状態となっている。従って、流路が遮断された状態において、フロート上昇速度制御タンク38内の貯水領域と、洗浄水タンク26内の貯水領域とは、それぞれ独立した貯水領域を形成している。
つぎに、使用者が操作部(図示せず)を操作する、又は所定の制御装置36の判断により、洗浄動作が開始され、排水弁装置32が洗浄水タンク装置24の排水口30を開放し、洗浄水タンク装置24の排水弁装置32による水洗大便器装置1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始され、洗浄水タンク26内の水位が低下し始める。
洗浄水が、洗浄水タンク26の排水口30から便器本体2の導水路9へと排出され、洗浄水タンク26内の水位が下降するとともに、便器洗浄開始の要求指令を受けた制御装置36が給水装置28の給水バルブ44を開弁させ、一定の瞬間流量の洗浄水の吐水口46から洗浄水タンク26内への吐水が開始される。
洗浄水タンク26内の水位が水抜き穴用フロート部82の高さよりも低下するとき、水抜き穴用フロート部82が下降する。すると、水抜き穴用フロート部82の上面100とシール部102との当接が解除され、第一筒状内流路90と第二筒状内流路92とが連通して、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水が水抜き穴部74から洗浄水タンク26内に流出を開始する。この後、また、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水が水抜き穴部74から洗浄水タンク26内に流出し、フロート上昇速度制御タンク38内の水位が徐々に下降する。このとき、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位は、洗浄水タンク26内の水位よりも高い位置となっている。
フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位が徐々に下降するとき、フロート部58の高さが水位に伴って徐々に下降する。フロート部58の高さが下降すると、マグネット68の位置が下降するため、リードスイッチ66がOFFの状態となる。
つぎに、洗浄水タンク26内の水位が死水水位(図示せず)まで低下すると、排水弁装置32が洗浄水タンク26の排水口30を閉止する。排水弁装置32による水洗大便器装置1の便器本体2への大洗浄モードの排水は完了される。この間、フロート部58は下降した状態であり、フロートスイッチ34のリードスイッチ66はOFFの状態となっているため、給水バルブ44が開放されて給水装置28による洗浄水タンク26への給水が継続して行われ、洗浄水タンク26内の水位が死水水位(図示せず)から上昇する。給水装置28による洗浄水タンク26への給水は、一定の給水流量(一定の瞬間流量)となっているため、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位は、ほぼ一定の速度で水位上昇することになる。水位の上昇速度は、吐水口46からの給水流量を洗浄水タンク26の水平断面の断面積で除すことにより求められる。
さらに、給水装置28からの給水が継続されて水位が上昇すると、水抜き穴用フロート部82が上昇する。水抜き穴用フロート部82の内部空間96に貯留された空気により水抜き穴用フロート部82には上向きの浮力が生じ、水抜き穴用フロート部82の上面100とシール部102とが当接することにより第二筒状内流路92と、第一筒状内流路90との連通が遮断される。
すると、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が、フロート上昇速度制御タンク38の下部の外周側まで上昇した場合においても、フロート上昇速度制御タンク38の内部においては洗浄水が貯水されていない空の状態が維持される。すなわち、フロート上昇速度制御タンク38の内部は、洗浄水が貯水されていない空の内部空間を形成しており、洗浄水が存在していないためフロート部58が最も下降した状態となっている。
洗浄水タンク26内の洗浄水の水位がさらに上昇し、窓部76の下端部106に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周にわたって形成された窓部76からほぼ同じタイミングでフロート上昇速度制御タンク38の内部に流入する。給水装置28から給水される一定の給水流量がフロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周にわたって形成された窓部76から一気にフロート上昇速度制御タンク38の内部に流入するので、フロート上昇速度制御タンク38の内部における洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも大きくなる。このとき、フロート上昇速度制御タンク38の内部の貯水可能領域S1の水平断面の断面積は、洗浄水タンク26の水平断面の内部の貯水可能領域S2の断面積の30分の1〜3分の1の範囲、好ましくは25分の1〜20の1の範囲とされているので、同じ一定の給水流量がフロート上昇速度制御タンク38内に流入した場合においても、フロート上昇速度制御タンク38の内部における洗浄水の水位の上昇速度は外部の上昇速度よりも速くなる。フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度の3倍〜23倍の範囲、好ましくは15倍〜23倍の範囲とされている。
フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度が比較的速い上昇速度であるので、フロート部58が比較的速い速度の水位の上昇に合わせて増大された浮力及び上昇方向への上昇エネルギーを受けることになる。フロートスイッチ34のフロート部58がステム56との間において静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力を受ける(生じている)場合においても、フロート部58がフロート部58とステム56との間の移動を妨げようとする力に打ち勝つような増大された浮力及び上昇エネルギー等を受けてステム56に対して水位の上昇に対してタイムラグを生じることなく上昇する。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水がフロート部58の下端部分より上方側に形成された窓部76から空のフロート上昇速度制御タンク38内に落下する。このとき、フロート上昇速度制御タンク38内に落下する洗浄水が空のフロート上昇速度制御タンク38内で跳ね返り、さらに水面の乱れを生じさせ、水面を波立たせ、フロート部58を上下方向及び前後左右方向に揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力等の移動を妨げようとする力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させ、フロート部58をステム56に対してスムーズに上昇させる。
フロート部58の上昇が開始された後、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇に伴い、フロート部58がフロート部58とステム56との間の動摩擦力等の移動を妨げようとする力に打ち勝つような力(例えば浮力等)を受け続け、フロート部58をステム56に対してスムーズに上昇させる。洗浄水タンク26内の水位が満水水位WL0となり、フロート部58が満水水位WL0の水位に応じた高さ位置まで上昇されると、フロート部58の上方向への移動に伴ってマグネット68の位置も上方向に移動され、リードスイッチ66がOFFの状態からONの状態に変化する。フロートスイッチ34のリードスイッチ66が給水停止信号を制御装置36に対して発信し、これを受信した制御装置36が給水バルブ44が閉弁させ、吐水口46が止水される。これにより、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位は、所定の満水水位WL0に維持される。
洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が満水水位WL0になり、給水バルブ44が閉弁すると、洗浄水タンク装置24の一連の洗浄動作は完了し、待機状態に戻る。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1によれば、フロート上昇速度制御タンク38は、給水時に洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部に形成された窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に流入するように形成されている。フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大される。よって、フロート部58が、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受ける。従って、フロートスイッチ34のフロート部58がステム56との間において静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力を受ける場合においても、フロート部58がフロート部58とステム56との間の移動を妨げようとする力に打ち勝つような増大された浮力を受けてステム56に対して上昇しやすくなる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロート部58がステム56上で移動を妨げられ、フロートスイッチ34が適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水がフロート部58の上部側に形成された窓部76からフロート上昇速度制御タンク38内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロート部58を揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロート部58をステム56に対して上昇させやすくすることができる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロート部58がステム56上で移動を妨げられ、フロートスイッチ34が適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。
従って、フロートスイッチ34を確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、給水時に洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水が、フロート上昇速度制御タンク38のほぼ同じ高さ位置に形成されている窓部76から、フロート上昇速度制御タンク38内にほぼ同じタイミングで一気に流入が開始される。よって、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりもより増大される。従って、フロート部58が、より増大された水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、給水時に洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水が、フロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周に形成されている窓部76から、フロート上昇速度制御タンク38内にほぼ全周から一気に流入する。よって、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりもより増大される。従って、フロート部58が、より増大された水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、水抜き穴用フロート部82が、洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、水抜き用の水抜き穴部74を閉止するので、洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部76に到達するまで、洗浄水が水抜き用の水抜き穴部74からフロート上昇速度制御タンク38内に流入することを防ぐことができる。従って、洗浄水を窓部76から空の状態のフロート上昇速度制御タンク38内に一気に流入させることができ、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されることができ、フロート部58が、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受けることができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部側に形成された窓部76から空の状態のフロート上昇速度制御タンク38内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロート部58を揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロート部58をステム56に対して上昇させやすくすることができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、7mm/s〜100mm/sの範囲の速度とされている。従って、フロートが、7mm/s〜100mm/sの範囲の水位の上昇速度に対応して、より増大された浮力を受けることができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置1によれば、水抜き穴部74が、直径1mm〜15mmの範囲の大きさの孔により形成されているので、洗浄水タンク26内の洗浄水の排水に伴う洗浄水の水位の下降中に、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水が水抜き穴部74の孔から洗浄水タンク26内に全部又は概ね全部流出されるようになっており、さらに、洗浄水タンク26の給水時に、フロート上昇速度制御タンク38の周りの洗浄水の水位が窓部76に到達するまでに、水抜き穴部74の孔からフロート上昇速度制御タンク38内に流入する洗浄水の水量がフロート部58の下端部分59よりも低い位置の比較的少ない水量に抑制される。従って、洗浄水を窓部76から比較的低い水位の状態のフロート上昇速度制御タンク38内に一気に流入させることができ、フロート上昇速度制御タンク38内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されることができ、フロート部58が、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受けることができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部76に到達するとき、洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部側に形成された窓部76から比較的低い水位の状態のフロート上昇速度制御タンク38内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロート部58を揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロート部58をステム56に対して上昇させやすくすることができる。
次に、図8乃至図15を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器装置101について説明する。本実施形態の水洗大便器装置は、フロート上昇速度制御タンク138が上述した第1実施形態におけるフロート上昇速度制御タンク38とは異なる。ここでは、本発明の第2実施形態の第1実施形態とは異なる点を主に説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。
図8は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、洗浄水タンク装置のフロート上昇速度制御タンクの高さ位置の水平断面に沿って見た断面図であり、図9は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクを斜め上方から見た斜視図であり、図10は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、フロート上昇速度制御タンクのダンパー部が水抜き穴部を閉止している閉止姿勢を取っている状態を洗浄水タンクの中央近傍から見た正面図であり、図11は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクを斜め下方から見た斜視図であり、図12は図8のXII-XII線に沿って見た断面図であり、図13は図8のXIII-XIII線に沿って見た断面図であり、図14は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置のフロート上昇速度制御タンクをフロートスイッチを取り外した状態で上方から見た上面図であり、図15は本発明の第2実施形態による水洗大便器装置において、フロート上昇速度制御タンクのダンパー部が水抜き穴部を比較的大きく開放する開放姿勢を取っている状態を洗浄水タンクの中央近傍から見た正面図である。
図8乃至図13に示すように、本発明の第2実施形態による水洗大便器装置101のフロート上昇速度制御タンク138の詳細について説明する。
フロート上昇速度制御タンク138は、洗浄水タンク装置24の内部且つフロート部58の外側において、フロート部58の少なくとも下部を囲うように形成されている。
フロート上昇速度制御タンク138は、直方体形状に形成されている。よって、フロート上昇速度制御タンク138は、フロート部58の外側において、直方体の各辺がフロート部58の上部及び下部(底部を含む)の周囲を囲うように形成されている。フロート上昇速度制御タンク138は、直方体形状のみならず、円筒形状あるいは他の形状に形成されていてもよい。
フロート上昇速度制御タンク138は、フロート部58の外側に形成され且つ縦方向に延びている縦壁170と、縦壁170の下端から内側に延び且つフロート部58の下部(底部を含む)を囲うように形成された底部172と、その底部172に水抜き用の水抜き穴を形成する水抜き穴部174と、フロート部58の下端部分59より上部側且つ縦壁170の頂部より下方側のいずれかの領域の縦壁170上に形成された窓部176と、を備えている。
縦壁170は、直方体形状のフロート上昇速度制御タンク138の4辺の平板状の壁面を形成している。底部172は、直方体形状のフロート上昇速度制御タンク138の底面を形成し、ほぼ平坦な平坦面として形成されている。底部172が平坦面として形成されていても、後述するようにダンパー部側シール部175aが水抜き穴部174を比較的大きな開口として開放できるので、水抜き穴部174から流出する洗浄水の水流が比較的強く形成され、小物体を底部172から水抜き穴部174を通して確実に排出することができる。なお、底部172は、水抜き穴部174に向かって下り傾斜を有するように形成されていてもよい。
縦壁170は、洗浄水タンク26の中央側寄りの中央側壁170aと、洗浄水タンク26の内側壁26aと平行な向きに延び且つ洗浄水タンク26の内側壁26a寄りの位置に配置される壁側縦壁170bと、洗浄水タンク26の内側壁26aと直交する向きに延び且つ洗浄水タンク26の左右方向の側方側に向かう側壁170cとを備えている。
図8に示すように、壁側縦壁170bは、洗浄水タンク26の内側壁26aと概ね平行に延びている。縦壁170の壁側縦壁170bと、洗浄水タンク26の内側壁26aとの間には隙間sが形成されている。本実施形態においては、洗浄水タンク26の内側壁26aは、洗浄水タンク26の前方側の内側壁26aであるが、洗浄水タンク26の内側壁26aは、洗浄水タンク26の後方側の内側壁又は側方側の内側壁であってもよい。すなわち、フロート上昇速度制御タンク138は、洗浄水タンク26内の前方側、後方側又は側方側のいずれの内側壁寄りにも配置することができる。このいずれの配置方法においても、窓部176が、洗浄水タンク26の中央側寄りの中央側壁170aに形成されるようになっている。また、窓部176は、内側壁26a近傍に位置する小物体を流入させにくくするように、壁側縦壁170b及び側壁170cには形成されず、中央側壁170aにのみ形成されている。
中央側壁170aは、縦壁170のうちの最も中央側寄りに配置されている。中央側壁170aは、洗浄水タンク26の内側壁26aと反対側の壁を形成している。洗浄水タンク26の内側壁26a寄りの近位側の位置に配置される壁側縦壁170bに対し、中央側壁170aは、内側壁26aから遠位側の位置に配置される。
中央側壁170aは、図8に示すような水平断面において、洗浄水タンク26の内側壁26aと連続した壁面を形成していないので、洗浄水タンク26の内側壁26aに表面張力によって引き寄せられる小物体、例えばごみ等の浮遊物及び異物、が、水面上において洗浄水タンク26の内側壁26aから中央側壁170aに連続した壁面を伝わることにより移動しないように形成されている。このように、フロート上昇速度制御タンク138は、洗浄水タンク26中において浮遊する浮遊物が洗浄水タンク26の内側壁26aから中央側壁170aの窓部176内に流入しにくいように形成されている。
底部172は、ほぼ平坦な四角形状の底面を形成している。底部172のほぼ中心には、フロートスイッチ34のステム56の先端部56aに取付けられるステム取付部173(取付開口部)が形成されている。
ステム取付部173は、ステム56の先端部56aの直径D1よりもわずかに小さい直径D2の円形開口部173aを形成している。また、ステム取付部173は、ステム取付部173の高さ位置に対応する高さ位置におけるステム56の軸の直径D3よりもわずかに大きい直径D2を有する円形開口部173aを形成している。
ステム取付部173は、この円形開口部173aから放射状に延びる切れ込み部173bを形成している。よって、円形開口部173aの直径D2よりも大きな直径D1を有するステム56の先端部56aを、円形開口部173aを通して挿入することができ、且つステム56の先端部56aを円形開口部173aを通して挿入した後に、ステム56の先端部56aが円形開口部173aから抜けにくくすることができる。このように、ステム56の先端部56aを円形開口部173aを通して挿入した状態で、フロートスイッチ34によりフロート上昇速度制御タンク138を支持することができ、フロート上昇速度制御タンク138がフロートスイッチ34のステム56に取付けられた状態となる。
さらに、ステム取付部173は、円形開口部173aの外周のうち3カ所に均等間隔に配置された返し部173c(傾き抑制部)を形成している。この返し部173cは、フロート上昇速度制御タンク138の底部172の下面から鉛直方向下方側に向かって突出する突起を形成している。返し部173cは、円形開口部173aの内周に沿った弧形状を形成している。返し部173cの先端面(フロート上昇速度制御タンク138が取付けられている状態における返し部173cの下端面)は、平面に形成されている。
3つの返し部173cの大きさ及び突起の長さ(高さ)及び横幅はすべて同一に形成され且つ円周上において均等に配置されている。よって、ステム56の先端部56aを円形開口部173aを通して挿入した状態で、ステム56の先端部56aの縁部56bと返し部173cとが接し、ステム56の先端部56aの縁部56b上に返し部173c、すなわちフロート上昇速度制御タンク138が載るように配置されることとなる。3つの返し部173cが円形開口部173aの中心に対して対称となるように配置されている(例えば3つの返し部173cの間の角度がそれぞれ120度となるように配置されている)ため、ステム56の先端部56aの縁部56b上に載る返し部173cが比較的安定し、上下方向のみならず、前後左右方向(周方向)についても、フロート上昇速度制御タンク138の傾き及びがたつきを抑制させることができる。ステム56に対してフロート上昇速度制御タンク138の傾きをほぼ水平に保持することができるので、フロートに対してフロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の傾きを抑制し、フロートスイッチ34の作動タイミングを精度良く保つことができる。
なお、返し部173cの配置及び/又は数は変更することができる。返し部173cは、例えば、円形開口部173aの内周のうち6カ所に均等間隔に配置されてもよい。また、返し部173cは、2カ所、又は4カ所に形成されることにより、フロート上昇速度制御タンク138をステム56の先端部56aの縁部56b上に安定して配置できるようにしてもよい。
ステム56の先端部56aは、返し部173cと合致することにより、フロートスイッチ34と、フロート上昇速度制御タンク138とが安定して組み合わされ、フロートスイッチ34のステム56の先端部56aをフロート上昇速度制御タンク138の底部172近傍において固定し、フロートスイッチ34とフロート上昇速度制御タンク138とを確実に固定且つ姿勢を安定させて配置することができ、フロートスイッチ34を正確に動作させることができる。
フロート上昇速度制御タンク138の水抜き穴部174は、フロート上昇速度制御タンク138の底部172においてフロート上昇速度制御タンク138の内部と外部とを連通する開口部として形成されている。水抜き穴部174は、四角形形状に形成された比較的大きな開口部を形成している。このような比較的大きな開口部は、フロート上昇速度制御タンク138内に流入した異物、ゴミ等の浮遊物(小物体)を排出できる大きさに形成されている。
フロート上昇速度制御タンク138の水抜き穴部174は、水抜き穴部174の下流端に水抜き穴部側シール部(水抜き穴弁体部)177を備えている。水抜き穴部側シール部177は、水抜き穴部174の四角形状の開口部の内周上に形成され且つフロート上昇速度制御タンク138の底部172から下方にわずかに突出するように形成されている。水抜き穴部側シール部177は、水抜き穴部174の開口部よりわずかに大きな大きさのシール部分を形成している。水抜き穴部側シール部177は、後述するダンパー部側シール部175aと合致することにより水抜き穴部174の開口部を水密にシールするようになっている。
また、フロート上昇速度制御タンク138の水抜き穴部174は、水抜き穴部174を開閉する開閉機構を形成するダンパー部175(開閉機構)を備えている。ダンパー部175は、水抜き穴部174の開口を開閉する開閉機構を形成している。
ダンパー部175は、水抜き穴部174内の開口の流路を開閉するダンパー部側シール部175a(シール部)と、ダンパー部側シール部175aと接続され、且つ洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、ダンパー部側シール部175aを水抜き穴部174の水抜き穴部側シール部177に押し付けるようにして流路を閉止させるように形成されている水抜き穴用フロート部175bと、ダンパー部側シール部175aと水抜き穴用フロート部175bとを支点部175cを中心に回動させる支持腕175dと、フロート上昇速度制御タンク138の下面から下方に突出するダンパー取付部179(支持腕取付部)と、を備えている。
このようなダンパー部175は、水抜き穴部174をダンパー部側シール部175a及び水抜き穴部側シール部177によって閉止する閉止姿勢と、この閉止姿勢からダンパー部側シール部175aを斜めに移動させることにより水抜き穴部174を比較的大きく開放する開放姿勢とを有する。
ダンパー部側シール部175aは、ダンパー部175の上面に設けられた弁体を形成している。ダンパー部側シール部175aは、水抜き穴部174内の水抜き穴部側シール部177の大きさに合致するような大きさ及び形状に形成され、本実施形態においてはほぼ四角形状の弁体を形成している。ダンパー部側シール部175aは、水抜き穴用フロート部175bの頂部に形成されていることから、水抜き穴用フロート部175bと連動して上昇する又は下降する。よって、ダンパー部側シール部175aは、水抜き穴用フロート部175bが受ける浮力を共に受けて、水抜き穴部174の水抜き穴部側シール部177に押圧され且つ水抜き穴部174をシールする。また、ダンパー部側シール部175aは、水抜き穴用フロート部175bが浮力を受けていない又は浮力が比較的小さい場合には、水抜き穴部174から離間し、水抜き穴部174を比較的大きな開口として開放するようになっている。
水抜き穴部174は、ダンパー部側シール部175aと水抜き穴部側シール部177とが当接されていない状態においては、フロート上昇速度制御タンク138内部と、フロート上昇速度制御タンク138外部とを接続する流路を形成している。水抜き穴部174は、ダンパー部側シール部175aと水抜き穴部側シール部177とが当接されている状態においては、フロート上昇速度制御タンク138内部と、フロート上昇速度制御タンク138外部とを分離し、それぞれ独立した貯溜領域を形成するようになっている。
ダンパー部側シール部175aは、ダンパー部175の上面においてほぼ平坦な平面として形成されている。水抜き穴用フロート部175bが下降し、ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177から離間して水抜き穴部174を開放している状態において、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水は、水抜き穴部174から下方に流出され、ダンパー部175の上面のダンパー部側シール部175a上を流れて洗浄水タンク26内に流出する。このように、洗浄水がほぼ平坦面として形成されたダンパー部側シール部175a上を流れて流出できるようになっている。
水抜き穴用フロート部175bは、フロート上昇速度制御タンク138の下面に取付けられた状態で下向きに開口する箱型の形状を形成している。水抜き穴用フロート部175bは、洗浄水タンク26内の水位の上昇時において、水抜き穴用フロート部175b内の空間に空気が溜まった状態となり、洗浄水の水位がさらに上昇することにより、溜まっている空気により上向きの浮力を生じるようになっている。水抜き穴用フロート部175bが上向きの浮力を受けて上昇する(又は停止している状態において上方向きの力を受ける)ことにより、ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部174の水抜き穴部側シール部177に押圧される。ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177に押圧された状態が、フロート上昇速度制御タンク138の内部空間とフロート上昇速度制御タンク138外部の洗浄水タンク26内の空間との連通を遮断するように流路をシールし、水抜き穴部174を水密に閉止した状態を生じさせる。このとき、水抜き穴用フロート部175bが支点部175cを中心に支持腕175dを介して上昇するように回動される。
支持腕175dは、水抜き穴用フロート部175b及びダンパー部側シール部175aと、支点部175cとを接続するように形成された棒状の部材である。支持腕175dは、水抜き穴用フロート部175bの両端から2本のアームが互いに並行に延びるように形成されている。支持腕175dは、支点部175cを中心として水抜き穴用フロート部175b及びダンパー部側シール部175aを上下方向の一定角度内で回動できるように構成されている。
支持腕175dの基部に設けられた支点部175cは、フロート上昇速度制御タンク138の下面から下方に突出するダンパー取付部179に取付けられ、ダンパー取付部179に対して自由に回転できるようになっている。
図12に示すように、ダンパー部175は、さらに、支持腕175dとダンパー取付部179との間の隙間空間に向かって突出する凸部179aを備えている。凸部179aの先端は丸められてほぼ球状に形成されている。すなわち、凸部179aは微小な半球形状に形成されている。凸部179aは、支持腕175dとダンパー取付部179との間の接触を点接触に抑制(他の言葉によれば制限)させる機能を有する。すなわち、凸部179aは、支持腕175dとダンパー取付部179とが接触する場合においても、比較的広い領域で面接触させることなく点接触までの接触にとどめる機能を有する。この点接触の用語は、完全な一点に限られず、ある一点領域部分における接触を含む、すなわち微小な広がりの領域の部分が同時に接触することも含む。この微小な凸部179aが形成されていることにより、支持腕175dとダンパー取付部179との間には常に微小な隙間が維持されることとなり、支持腕175dとダンパー取付部179とが密着されることを防ぐことができ、支持腕175dとダンパー取付部179との接触を抑制させ、支持腕175dとダンパー取付部179とが水中のさまざまな成分等により固着することを防ぐことができる。よって、支持腕175dとダンパー取付部179とが固着することによりダンパー部175の動作不良を生じさせることを防ぐことができる。
本実施形態においては、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176は、箱型の4辺の縦壁170のうち洗浄水タンク26中央側寄りの1辺の中央側壁170aに形成されている。窓部176は、フロート上昇速度制御タンク138において洗浄水タンク26の内側向き、例えば洗浄水タンク26を前後に前部と後部とに二分するような洗浄水タンク26の横断線C1に向かう内側向き、に開口されており、さらに好ましくは洗浄水タンク26の中央領域向きに開口されている。窓部176は、洗浄水タンク26中央側寄りの中央側壁170aの一面において四角形状の比較的大きな開口部を形成している。窓部176は、箱型を形成する4つの壁面のうち3面を形成する壁側縦壁170b及び側壁170cにおいては形成されていない。従って、フロート上昇速度制御タンク138は、洗浄水タンク26の内側向きに開口する窓部176のみを形成するようになっている。
フロート上昇速度制御タンク138の中央側壁170aは、洗浄水タンク26の内側壁26aから最も離れた位置にある壁面であるので、内側壁26aに寄りやすい小物体等が中央側壁170aの窓部176に流れ込みにくくすることができる。
また、フロート上昇速度制御タンク138の中央側壁170aを含む縦壁170と洗浄水タンク26の内側壁26aとは連続した壁面を形成していないので、洗浄水タンク26の内側壁26aに表面張力によって引き寄せられる小物体、例えば浮遊系のごみ等の異物等が洗浄水タンク26の内側壁26aから中央側壁170aに連続した壁面上を伝わるように移動しないように形成されている。
窓部176は、洗浄水タンク26中央側寄りの中央側壁170aに設けられる。ここで、中央側壁170aは、洗浄水タンク26の中央近傍領域に配置されている給水装置28の吐水口46の比較的近くに位置し、且つ吐水口46から吐水された洗浄水が中央近傍から洗浄水タンク26の内側壁26aに向けて拡がるように流れる流れの途中の位置に位置している。従って、洗浄水タンク26内に流入する小物体が中央側壁170aよりもさらに外側の洗浄水タンク26の内側壁26aに向かって押し流されやすくなっている。
洗浄水タンク26内に流入した小物体は、中央側壁170aの近傍に留まるよりも中央側壁170aよりもさらに外側の洗浄水タンク26の内側壁26aに向かって流され且つ洗浄水タンク26の内側壁26aに表面張力によって引き寄せられる。このように、洗浄水タンク26の中央側寄りに位置する中央側壁170aの近傍には、小物体が留まりにくくなっている。また、仮に、吐水口46から吐水された洗浄水中に小物体が含まれていたとしても、給水時において、洗浄水タンク26内の水位が窓部176よりも低い水位となっている状態のうちに、小物体は中央側壁170aよりもさらに外側の洗浄水タンク26の内側壁26aに向かって流されやすく、且つ窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内部に流入しにくくなっている。
また、洗浄水タンク装置24上に使用者が手洗いをすることができる手洗い器装置を取付けて使用する場合においては、手洗い器装置からの排水が洗浄水タンク26内の中央近傍領域に流入されることとなる。このとき、手洗い器装置からの排水中に小物体が含まれる場合においても、流入した小物体が中央側壁170aよりもさらに外側の洗浄水タンク26の内側壁26aに向かって押し流されやすくなっている。
窓部176は、窓部176の開口の大きさが比較的大きく形成されることにより、後述するように洗浄水の水位上昇が窓部176の高さに到達した場合に、窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内に流入する洗浄水の流路断面積が比較的大きく形成され、窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内に流入する洗浄水の水量(単位時間当たりの水量)を比較的大きくすることができる。
フロート上昇速度制御タンク138の窓部176は、フロート部58の上方側の縦壁170内に形成されている。窓部176は、中央側壁170aの左右方向のほぼ全体にわたるような比較的大きな大きさの開口部分を形成している。中央側壁170aに形成されている窓部176の開口部分の下端部106は、所定の高さ位置H1に形成されている。よって、後述するように洗浄水の水位が上昇しながら窓部176の高さ位置H5に到達した場合に、洗浄水が窓部176の下端部106からフロート上昇速度制御タンク138内に一気に流入を開始することとなり、フロート上昇速度制御タンク138内に流入する洗浄水の水量を比較的大きくすることができ、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度を増大させ、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の上昇しようとする水勢をその外部の上昇しようとする水勢よりも強くすることができる。
フロート上昇速度制御タンク138の窓部176は、その上端部107が満水水位WL0よりも上方に形成されている。よって、窓部176は、満水水位WL0が、窓部176上に位置するように形成されている。洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が満水水位WL0となる場合にはフロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位も満水水位WL0となる。
窓部176の下端部106は、満水水位WL0の高さよりも低い位置に配置され、且つフロート部58が浮力を受けて上昇を開始するフロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の高さ位置H2よりも高い位置H5に配置されている。フロート部58は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の高さ位置H2(図5参照)においてフロートが浮力を受けて上昇を開始するように構成されている。
また、図12に示すように、窓部176の下端部106は、フロート上昇速度制御タンク138の底部172からの高さ位置H6に形成されている。フロート部58は、フロート上昇速度制御タンク138の底部172からの高さ位置H7(上述のように洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の高さ位置H2)においてフロート部58が浮力を受けて上昇を開始するように構成されている。窓部176の下端部106の高さ位置H6は、フロートが上昇を開始する高さ位置H7よりも高い位置に設定されている。
なお、フロート部58が上昇した状態となり、リードスイッチ66がONの状態となる水位の高さ位置は、満水水位WL0の水位に応じた高さ位置とされ、窓部176の下端部106よりも高い位置とされている。これに伴い、本実施形態においては、フロートスイッチ34のリードスイッチ66も窓部176の下端部106よりも高い位置に配置されている。従って、仮に、ダンパー部175が固着、故障等の何らかの理由により動作できず、フロート上昇速度制御タンク138から水抜きができず、フロート上昇速度制御タンク138内に洗浄水が貯水されたままとなるような事象が発生した場合においても、洗浄水タンク26内の水位の下降に合わせ、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位が窓部176の下端部106まで低下することによりフロート部58がわずかに下降し、リードスイッチ66をOFFの状態とすることができ、給水装置28の給水を行うことができる。
窓部176から流入した洗浄水が所定の高さ位置H6から流れ落ち且つ底部172において勢いよく跳ね返ることにより、フロート部58を横方向又は上下方向に揺らすようにして静止摩擦力を解除させフロート部58を上昇させやすくすることができる。フロート部58を揺らすようにしてフロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させることができれば、フロート部58をフロート部58とステム56との間の動摩擦力(動摩擦力は静止摩擦力よりも小さくなっている)に抗して上昇させることができ、フロート部58をスムーズに上昇させやすくすることができる。
窓部176の下端部106には、窓部176の下端部106から外方側に向けて延び且つ下り傾斜を形成する庇部181が取付けられている。庇部181は、窓部176の開口幅の全体にわたる幅を有し且つ板状のスロープ部を形成している。庇部181は、窓部176の下端部106から斜め下方に延びる傾斜路を形成している。
庇部181は、庇部181の先端部において下方向きに向けられた垂下部181aと、庇部181の基端部から斜め下方に延びる平板部181bと、平板部181bと垂下部181aとの間をなめらかに接続する湾曲部181cと、を形成している。
庇部181の平板部181bの上面は、洗浄水をこの上面上からフロート上昇速度制御タンク138の内部に導く流路を形成するようになっている。平板部181bは、庇部181の先端部から基端部に向かって上昇する比較的平坦な斜面を形成している。なお、庇部181は、庇部181の傾斜方向に沿って切った断面視において、庇部181の先端部から基端部に向かって直線的な平板状に形成されていてもよく、また、庇部181の先端部から基端部に向かって全体的に湾曲した形状により形成されていてもよい。
庇部181は、窓部176の下端部106から斜め下方に延びることにより、洗浄水タンク26内の洗浄水の水平な水位が庇部181の高さにおいて平板部181bに沿って徐々に上昇する場合において、水平な洗浄水の水面と斜め下方に延びる平板部181bの上面との間で比較的大きな表面張力が発生することを抑制することができる。従って、洗浄水が庇部181の上面から窓部176内に流入するタイミングが表面張力の影響を受けて遅れる又はばらつくことを抑制し、フロート上昇速度制御タンク138内の水位上昇のタイミングの遅延が生じる問題を低減することができ、フロートスイッチの作動タイミングを精度良く保つことができる。
なお、後述するような庇部181が窓部176の下端部106から水平方向に延びるように形成されている場合と比べて、本実施形態におけるように庇部181が窓部176の下端部106から斜め下方に延びることにより、表面張力の影響をさらに低減し、洗浄水が窓部176に流入するタイミングを精度よく設定することができる。
庇部181は、窓部176の下端部106から外方に向かって斜め下方に延びている。従って、庇部181の裏面は、庇部181の平板部181bと湾曲部181cと垂下部181aとにより、中央側壁170aに沿って存在する小物体が水位(水面)の上昇に伴って中央側壁170aに沿って窓部176まで上昇できないように覆う返し部181dを形成している。具体的には、返し部181dは、平板部181bと中央側壁170aとの間に形成される小空間において小物体が水面の上昇に伴ってこれ以上上昇されないように留めることができるようになっている。洗浄水タンク26内の水位の上昇時に中央側壁170aに沿って上昇する小物体は、返し部181dに引掛り、これ以上上昇することができないようになっている。このように上昇が制限されて庇部181によって引っ掛けられたような状態の小物体は、次回の洗浄水の排水時において、洗浄水と共に下降し、排水口30から排出される。
本実施形態においては、庇部181が窓部176の下端部106から斜め下方に延びているが、変形例としては庇部181が窓部176の下端部106から水平方向又はほぼ横向きに延びるように形成されていてもよい。横向きに延びる庇部181においても、庇部181の裏面により、中央側壁170aに沿って存在する小物体が水位(水面)の上昇に伴って中央側壁170aに沿って窓部176まで上昇できないように覆う返し部181dを形成することができる。
庇部181は、さらに、平板部181bと、垂下部181aとの側部において側壁部181eを形成している。側壁部181eは、平板上の縦壁を形成しており、側壁部181eの下端が平板部181bの両端及び垂下部181aの左右両側端部に接続されている。また、側壁部181eの基部側は、窓部176の左右両側の縁において中央側壁170aと接続されている。側壁部181eは、窓部176の高さ方向の中央近傍から窓部176の下端部106まで中央側壁170aと接続されている。よって、側壁部181eは、庇部181の左右両側の側壁を形成するようになっており、窓部176への導水路を窓部176の正面側に延びる直線的な導水路として形成するようになっている。側壁部181eは、洗浄水が庇部181の側方側から窓部176内に流入することを防ぎ、図9において矢印F1によって示すように、洗浄水を庇部181の正面側の洗浄水タンク26の中央近傍領域から窓部176内に流入させるようになっている。このようにして、側壁部181eは、洗浄水が庇部181の側方側から窓部176内に流入することを防ぐことができ、小物体が表面張力の作用を受けて側壁170cに沿って上昇する場合においても、小物体が側壁170cから窓部176内に流入しにくくすることができる。
フロート上昇速度制御タンク138は、給水装置28による洗浄水タンク26内への洗浄水の給水により、洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部176に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部側に形成された窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内に流入することにより、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度(水面の上昇速度)が、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度(水面の上昇速度)よりも大きくなるように形成される。
フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度が、比較的速い上昇速度であるので、フロート部58が比較的速い速度の水位の上昇に合わせて増大された浮力を受けることになる。
フロート上昇速度制御タンク138は、内部の水平断面の断面積の大きさを変えることにより、内部の洗浄水の水位の上昇速度を変更するように設定できる。フロート上昇速度制御タンク138は、給水装置28による洗浄水の単位時間あたりの給水流量に対する洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度に対して、フロート上昇速度制御タンク138内部の洗浄水の水位の上昇速度を、所望の上昇速度に制御することができる。
つぎに、図8乃至図15を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器装置の洗浄動作(作用)を説明する。
なお、以下、本発明の第2実施形態による水洗大便器装置により実行される大洗浄モードと小洗浄モードの2種類の洗浄モードのうち、大洗浄モード時の玉鎖52による排水弁装置32の排水弁54の引き上げ量が小洗浄モード時よりも大きくなり、洗浄水タンク装置24の排水口30を開放している時間が長い点と、大洗浄モード時の死水水位(図示せず)が小洗浄モード時よりも低くなる点以外については、大洗浄モードと小洗浄モードの基本動作は共通しているため、大洗浄モードについてのみ説明する。
図9乃至図13等に示すように、排水弁装置32の排水開始前(洗浄を開始する前)の待機状態においては、排水弁装置32の排水弁54が排水口30を閉止しており、洗浄水タンク装置24内の初期水位が満水水位WL0となっている。フロート部58は上昇した状態であり、リードスイッチ66がONの状態となっており、給水装置28の給水バルブ44は閉止された状態となっている。
この待機状態においては、水抜き穴用フロート部175bは、その内部空間に貯留された空気により上向きの浮力を受け、水抜き穴用フロート部175bの上面に接続されたダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177と当接し、水抜き穴部174をシールした状態となっている。従って、流路が遮断された状態において、フロート上昇速度制御タンク138内の貯水領域と、洗浄水タンク26内の貯水領域とは、それぞれ独立した貯水領域を形成している。
つぎに、使用者が操作部(図示せず)を操作する、又は所定の制御装置36の判断により、洗浄動作が開始され、排水弁装置32が洗浄水タンク装置24の排水口30を開放し、洗浄水タンク装置24の排水弁装置32による水洗大便器装置1の便器本体2への大洗浄モードの排水が開始され、洗浄水タンク26内の水位が低下し始める。
洗浄水が、洗浄水タンク26の排水口30から便器本体2の導水路9へと排出され、洗浄水タンク26内の水位が下降するとともに、便器洗浄開始の要求指令を受けた制御装置36が給水装置28の給水バルブ44を開弁させ、一定の瞬間流量の洗浄水の吐水口46から洗浄水タンク26内への吐水が開始される。
図15に示すように、洗浄水タンク26内の水位がダンパー部175の高さよりも低下するとき、水抜き穴用フロート部175bが下降する。水抜き穴用フロート部175bの下降に伴って、ダンパー部側シール部175aと水抜き穴部側シール部177との当接が解除され、水抜き穴部174が開状態にされ、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水が水抜き穴部174から洗浄水タンク26内に流出を開始する。フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水が水抜き穴部174から洗浄水タンク26内に流出し、フロート上昇速度制御タンク38内の水位が徐々に下降する。このとき、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位は、洗浄水タンク26内の水位よりも高い位置となっている。
フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位が徐々に下降するとき、フロート部58の高さが水位に伴って徐々に下降する。ダンパー部175は、ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177をシールしている閉止姿勢から、ダンパー部側シール部175aを斜めに移動させることにより水抜き穴部174を比較的大きく開放する開放姿勢に変化する。ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177から離間して下降するとき、ダンパー部側シール部175aは、支点部175cを中心とした支持腕175dの回動に沿って鉛直方向下方に対して斜めの回動方向に沿って下降移動する。このように、ダンパー部175が、ダンパー部側シール部175aを支点部175cを中心として回動させ、ダンパー部側シール部175aを水抜き穴部側シール部177から十分に離間させ、少ない移動距離で水抜き穴部174の開口を十分に大きく形成することができる。
フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の下降に伴い、フロート部58の高さが下降すると、マグネット68の位置が下降するため、リードスイッチ66がOFFの状態となる。
図15に示すように、ダンパー部側シール部175aが水抜き穴部側シール部177から離間して斜め下方に移動するので、ダンパー部側シール部175aが依然として水抜き穴部174の下方に位置している状態であっても、水抜き穴部174の下方に拡がる開口部分が比較的大きくなり、水抜き穴部174は比較的大きな開口として開放される。よって、フロート上昇速度制御タンク138内に入ったゴミ等の浮遊物等の小物体を水抜き穴部174においてつまりにくくさせることができ、且つ比較的大流量の洗浄水と共に水抜き穴部174から洗浄水タンク26内に排出させることができる。また、水抜き穴部174は比較的大きな開口として形成されるので、水抜き穴部174から流出する洗浄水の流れが比較的強く形成され、小物体がフロート上昇速度制御タンク138内において水抜き穴部174側に導かれ、水抜き穴部174から排出されやすくすることができる。
つぎに、洗浄水タンク26内の水位が死水水位(図示せず)まで低下すると、排水弁装置32が洗浄水タンク26の排水口30を閉止する。排水弁装置32による水洗大便器装置1の便器本体2への大洗浄モードの排水は完了される。このとき、フロート部58は下降した状態となっており、フロートスイッチ34のリードスイッチ66はOFFの状態となっているため、給水バルブ44が開放されて給水装置28による洗浄水タンク26への給水が継続して行われ、洗浄水タンク26内の水位が死水水位(図示せず)から上昇する。給水装置28による洗浄水タンク26への給水は、一定の給水流量(一定の瞬間流量)となっているため、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位は、ほぼ一定の速度で水位上昇することになる。水位の上昇速度は、吐水口46からの給水流量を洗浄水タンク26の水平断面の断面積で除すことにより求められる。
図10乃至図13に示すように、さらに、給水装置28からの給水が継続されて水位が水抜き穴用フロート部175bの高さまで上昇すると、水抜き穴用フロート部175bが上昇する。水抜き穴用フロート部175bの下向きの空間に空気が貯留されることにより水抜き穴用フロート部175bには上向きの浮力が生じ、ダンパー部側シール部175aと水抜き穴部側シール部177とが当接され、水抜き穴部174をシールする。すると、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が、フロート上昇速度制御タンク138の下部の外周側まで上昇した場合においても、水抜き穴部174がシールされているので、フロート上昇速度制御タンク138の内部においては洗浄水が貯水されていないほぼ空の状態が維持される。すなわち、フロート上昇速度制御タンク138の内部は、洗浄水が貯水されていない空の内部空間を形成しており、洗浄水が存在していないためフロート部58が最も下降した状態となっている。
給水装置28からの給水又は手洗い器装置からの排水が洗浄水タンク26内の中央近傍領域に流入される場合において、洗浄水タンク26内に流入した(又は洗浄水タンク26内に存在する)小物体は、中央側壁170aよりもさらに外側の洗浄水タンク26の内側壁26aに向かって押し流され、且つ洗浄水タンク26の内側壁26aに表面張力によって引き寄せられる。例えば、小物体は、内側壁26aに沿って水面に浮いているような状態となる。給水時に洗浄水の水位が窓部176の高さに到達する前に、多くの小物体は内側壁26aに向かって押し流され、内側壁26aに沿って水面に浮いているような状態となる。また、給水時に洗浄水の水位が窓部176の高さに到達した場合においても、多くの小物体は内側壁26aに向かって押し流され、内側壁26aに沿って水面に浮いているような状態となる。このように、小物体が表面張力により内側壁26aに沿っている場合には、小物体が内側壁26aから窓部176まで壁面に沿って移動しにくくなっているため、小物体が窓部176内に流入してフロート上昇速度制御タンク138の内部内のつまりを生じさせにくくなっている。
また、小物体がフロート上昇速度制御タンク138の内部に流入し、小物体がフロート部58とステム56との間に噛み込まれる又は絡まることによるフロート部58の動作不良を生じさせることを抑制することができる。
上述のように小物体は基本的には内側壁26aに向かって流されやすくなっているが、洗浄水タンク26内の水面が上昇している際に、小物体がフロート上昇速度制御タンク138の縦壁170に表面張力の作用を受けて沿う位置に存在してしまっている場合においては、中央側壁170a側に沿うように存在する小物体を返し部181dに引掛け、水面の上昇に対してこれ以上上昇することができないようにし、窓部176に流入させにくくすることができる。このように中央側壁170aに引き寄せられるように存在している小物体を中央側壁170aに形成された窓部176に流入させにくくすることができる。
また、洗浄水タンク26内の水面が上昇している際に、小物体が表面張力の作用を受けてフロート上昇速度制御タンク138の縦壁170に沿う位置に存在してしまっている場合においては、側壁170c側に沿うように存在する小物体を、側壁部181eにより側壁170c側から窓部176内に流れ込みにくくすることができる。側壁部181eが側壁170c側から窓部176内に向かう流れを形成しにくくすることができる。
洗浄水タンク26内の洗浄水の水位がさらに上昇し、窓部176の下端部106に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水が洗浄水タンク26中央側に向けて開口する窓部176からフロート上昇速度制御タンク138の内部に流入する。洗浄水タンク26内の洗浄水の水平な水位が平板部181bに沿って徐々に上昇する場合において、水平な洗浄水の水面と斜め下方に延びる平板部181bの上面との間で比較的大きな表面張力が発生することが抑制され、洗浄水の水位が下端部106に到達するとすぐに、遅延なく、窓部176内に洗浄水の流入が開始される。
給水装置28から給水される一定の給水流量がフロート上昇速度制御タンク138の大開口として形成された窓部176から一気にフロート上昇速度制御タンク138の内部に流入するので、フロート上昇速度制御タンク138の内部における洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも大きくなる。このとき、フロート上昇速度制御タンク138の内部の貯水可能領域S1の水平断面の断面積は、洗浄水タンク26の水平断面の内部の貯水可能領域S2の断面積の30分の1〜3分の1の範囲、好ましくは25分の1〜20の1の範囲とされているので、同じ一定の給水流量がフロート上昇速度制御タンク138内に流入した場合においても、フロート上昇速度制御タンク138の内部における洗浄水の水位の上昇速度は外部の上昇速度よりも速くなる。フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度の3倍〜23倍の範囲、好ましくは15倍〜23倍の範囲とされている。
フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度が比較的速い上昇速度であるので、フロート部58が比較的速い速度の水位の上昇に合わせて増大された浮力及び上昇方向への上昇エネルギーを受けることになる。フロートスイッチ34のフロート部58がステム56との間において静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力を受ける(生じている)場合においても、フロート部58がフロート部58とステム56との間の移動を妨げようとする力に打ち勝つような増大された浮力及び上昇エネルギー等を受けてステム56に対して水位の上昇に対してタイムラグを生じることなく上昇する。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部176に到達するとき、洗浄水がフロート部58の下端部分より上方側に形成された窓部176から空のフロート上昇速度制御タンク138内に一気に落下する。このとき、フロート上昇速度制御タンク138内に落下する洗浄水が空のフロート上昇速度制御タンク138内で跳ね返り、さらに水面の乱れを生じさせ、水面を波立たせ、フロート部58を上下方向及び前後左右方向に揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力等の移動を妨げようとする力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させ、フロート部58をステム56に対してスムーズに上昇させる。
フロート部58の上昇が開始された後、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇に伴い、フロート部58がフロート部58とステム56との間の動摩擦力等の移動を妨げようとする力に打ち勝つような力(例えば浮力等)を受け続け、フロート部58をステム56に対してスムーズに上昇させる。洗浄水タンク26内の水位が満水水位WL0となり、フロート部58が満水水位WL0の水位に応じた高さ位置まで上昇されると、フロート部58の上方向への移動に伴ってマグネット68の位置も上方向に移動され、リードスイッチ66がOFFの状態からONの状態に変化する。フロートスイッチ34のリードスイッチ66が給水停止信号を制御装置36に対して発信し、これを受信した制御装置36が給水バルブ44が閉弁させ、吐水口46が止水される。これにより、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位は、所定の満水水位WL0に維持される。洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が満水水位WL0になり、給水バルブ44が閉弁すると、洗浄水タンク装置24の一連の洗浄動作は完了し、待機状態に戻る。
上述した本発明の第2実施形態による水洗大便器装置101によれば、フロート上昇速度制御タンク138は、給水時に洗浄水タンク26内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が窓部176に到達するとき、洗浄水タンク26内の洗浄水がフロート部58の下端部分59より上部に形成された窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内に流入するように形成されている。フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の上昇速度は、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大される。よって、フロート部58が、増大された水位の上昇速度に対応して、増大された浮力を受ける。従って、フロートスイッチ34のフロート部58がステム56との間において静止摩擦力の発生、気泡の付着等の移動を妨げようとする力を受ける場合においても、フロート部58がフロート部58とステム56との間の移動を妨げようとする力に打ち勝つような増大された浮力を受けてステム56に対して上昇しやすくなる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロート部58がステム56上で移動を妨げられ、フロートスイッチ34が適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。
また、給水時に洗浄水の水位が窓部176に到達するとき、洗浄水がフロート部58の上部側に形成された窓部176からフロート上昇速度制御タンク138内に落下するため、水面の乱れを生じさせ、フロート部58を揺らすことにより、フロート部58がフロート部58とステム56との間の静止摩擦力に打ち勝つような力を受け、フロート部58とステム56との間の静止摩擦力を解除させやすくして、フロート部58をステム56に対して上昇させやすくすることができる。よって、洗浄水の水位が上昇しているにも関わらずフロート部58がステム56上で移動を妨げられ、フロートスイッチ34が適切なタイミングで動作せず、給水の停止のタイミングが遅れることを抑制することができる。従って、フロートスイッチ34を確実に動作させ、給水の停止を確実に行うことができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置101によれば、洗浄水タンク26内に入ったゴミ、浮遊物等の小物体は、表面張力により洗浄水タンク26の内側壁26aに集まりやすい。従って、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176を、洗浄水タンク26の中央領域側のフロート上昇速度制御タンク138の中央側壁170aにおいて形成することにより、洗浄水タンク26の内側壁面に集まるゴミ、浮遊物等の小物体が、洗浄水タンク26の中央領域側の窓部176内へ浸入することを抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置101によれば、洗浄水タンク26内に入った浮遊物等の小物体が、表面張力によりフロート上昇速度制御タンク138の窓部176の下方の外壁面(例えば中央側壁170a)に沿って存在する場合においても、庇部181が窓部176の下端部106から外方に向かって延びるので、洗浄水タンク26内の水位の上昇に伴って上昇する小物体を、窓部176の下方から窓部176の高さまで上昇させないように庇部181によって引っかけることができる。従って、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176の下方の外壁面に沿う位置に存在する小物体が、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176内へ浸入することを抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置101によれば、洗浄水タンク26内に入った浮遊物等の小物体が、表面張力によりフロート上昇速度制御タンク138の窓部176の下方の外壁面(例えば中央側壁170a)に沿って存在する場合においても、庇部181が窓部176の下端部106から外方に向かって斜め下方に延びるので、洗浄水タンク26内の水位の上昇に伴って上昇する小物体を、窓部176の下方から窓部176の高さまで上昇させないように庇部181によって引っかけることができる。従って、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176の下方の外壁面(例えば中央側壁170a)に沿う位置に存在する小物体が、フロート上昇速度制御タンク138の窓部176内へ浸入することを抑制することができる。
また、洗浄水タンク26内の洗浄水の水位が庇部181の高さにおいて徐々に上昇する場合において、庇部181が窓部176の下端部106から外方に向かって斜め下方に延びているので、水平な洗浄水の水面と斜め下方に延びる庇部181の上面との間で比較的大きな表面張力が発生することを抑制することができる。従って、洗浄水が庇部181の上面から窓部176内に流入するタイミングが表面張力の影響により遅れる又はばらつくことを抑制することができ、フロート上昇速度制御タンク138内の水位上昇のタイミングの遅延が生じる問題を低減することができ、フロートスイッチ34の作動タイミングを精度良く保つことができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置101によれば、フロート上昇速度制御タンク138の取付開口部は、ステム56に取付けられた状態で、ステム56に対するフロート上昇速度制御タンク138の傾きを抑制する返し部173cを備えているので、フロート上昇速度制御タンク138の傾きをほぼ水平に保持することができ、フロート上昇速度制御タンク138内の洗浄水の水位の傾きを抑制し、フロートスイッチ34の作動タイミングを精度良く保つことができる。
また、本実施形態による水洗大便器装置101によれば、フロート上昇速度制御タンク138のダンパー部175は、閉止姿勢からダンパー部側シール部175aを斜めに移動させることにより水抜き穴部174を比較的大きく開放する開放姿勢を有するので、水抜き穴部174を比較的大きく開放することができ、フロート上昇速度制御タンク138内に入った浮遊物等の小物体を水抜き穴部174においてつまりにくくさせることができ、且つ比較的大流量の洗浄水と共に水抜き穴部174から洗浄水タンク26内に排出させることができる。従って、小物体がフロート上昇速度制御タンク138内に入った場合においても、小物体によるフロートスイッチ34の動作不良及び水抜き穴部174におけるつまりを抑制させることができ、フロート上昇速度制御タンク138の信頼性を向上させることができる。
最後に、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1及び/又は第2実施形態による水洗大便器装置101の変形例について説明する。
例えば、一つの変形例としては、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1におけるようにフロート上昇速度制御タンク38のほぼ全周にわたって形成された窓部76の全て又は一部に、第2実施形態による水洗大便器装置101におけるような窓部76の下端部106から外方側に向けて延び且つ斜め下方に下り傾斜を形成する庇部181が取付けられていてもよい。
また、別の一つの変形例としては、例えば、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1におけるようにフロート上昇速度制御タンク38の複数の縦壁70に形成された複数の窓部76の全て又は一部に、第2実施形態による水洗大便器装置101におけるような窓部76の下端部106から外方側に向けて延び且つ斜め下方に下り傾斜を形成する庇部181が取付けられていてもよい。
また、別の一つの変形例としては、例えば、本発明の第1実施形態による水洗大便器装置1における水洗大便器装置1のフロート上昇速度制御タンク38の水抜き穴部74の構造に代えて、第2実施形態による水洗大便器装置101におけるフロート上昇速度制御タンク138の水抜き穴部174の構造を適用した水洗大便器装置を構成してもよい。
また、別の一つの変形例としては、例えば、上述の及び他の変形例の一部又は複数を組合せることにより水洗大便器装置を構成してもよい。
1、101 水洗大便器装置
2 便器本体
4 ボウル部
6 排水トラップ管路
6a 入口
8 リム
9 導水路
10 第1吐水口
12 溜水部
14 第2吐水口
16 洗浄ユニット
18 ケーシングプレート
20 ノズル部
22 局部洗浄装置
24 洗浄水タンク装置
26 洗浄水タンク
26a 内側壁
28 給水装置
30 排水口
32 排水弁装置
34 フロートスイッチ
36 制御装置
37 停電時用フロート部
38 フロート上昇速度制御タンク
40 洗浄水タンク蓋
42 給水管
44 給水バルブ
46 吐水口
48 オーバーフロー管
48a 上端開口部
50 駆動装置
52 玉鎖
54 排水弁
56 ステム
56a 先端部
56b 縁部
58 フロート部
59 下端部分
60 取付部
62 ネジ
66 リードスイッチ
68 マグネット
70 縦壁
72 底部
74 穴部
76 窓部
78 第一筒状部
80 第二筒状部
82 水抜き穴用フロート部
84 スナップ固定支持部
86 スナップ固定部
88 溝部
90 第一筒状内流路
92 第二筒状内流路
94 平坦部
96 内部空間
98 フロート用スナップ部
99 穴用フロート支持部
100 上面
102 シール部
104 支持部
106 下端部
107 上端部
138 フロート上昇速度制御タンク
170 縦壁
170a 中央側壁
170b 壁側縦壁
170c 側壁
172 底部
173 ステム取付部
173a 円形開口部
173b 切れ込み部
173c 返し部
174 水抜き穴部
175 ダンパー部
175a ダンパー部側シール部
175b 水抜き穴用フロート部
175c 支点部
175d 支持腕
176 窓部
177 水抜き穴部側シール部
179 ダンパー取付部
179a 凸部
181 庇部
181a 垂下部
181b 平板部
181c 湾曲部
181d 返し部
181e 側壁部
C1 横断線
D1 直径
D2 直径
D3 直径
F1 矢印
H1 位置
H2 位置
H3 位置
H5 位置
H6 位置
H7 位置
s 隙間
S1 貯水可能領域
S2 貯水可能領域
W0 溜水面
WL0 満水水位

Claims (12)

  1. 洗浄水によって洗浄し、汚物を排出する水洗大便器装置であって、
    便器本体と、
    前記便器本体を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、
    前記洗浄水タンク内に洗浄水を給水する給水装置と、
    前記洗浄水タンク内の上部に設けられるフロートスイッチであって、洗浄水の水位に連動して上下移動するフロートと、前記フロートが上下移動可能に取付けられている軸部とを有し、洗浄水の水位の上昇により、前記フロートが前記軸部上を所定位置まで上昇したときに給水停止信号を発信するフロートスイッチと、
    前記フロートスイッチの発信した給水停止信号を受信することにより前記給水装置による洗浄水の給水を停止させるように制御する制御装置と、
    前記洗浄水タンクの内部おいて、前記フロートの少なくとも下部の外側を囲うように形成されたフロート上昇速度制御タンクと、を有し、
    前記フロート上昇速度制御タンクは、水抜き用の水抜き穴を形成する水抜き穴部と、前記フロートの下端部分より上部に形成された窓部と、を備え、
    前記フロート上昇速度制御タンクは、前記給水装置による前記洗浄水タンク内への洗浄水の給水により、前記洗浄水タンク内において洗浄水の水位が上昇し、洗浄水の水位が前記窓部に到達するとき、前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記フロートの下端部分より上部に形成された前記窓部から前記フロート上昇速度制御タンク内に流入することにより、前記フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度が、前記洗浄水タンク内の洗浄水の水位の上昇速度よりも増大されるように形成される、ことを特徴とする水洗大便器装置。
  2. 前記フロート上昇速度制御タンクの前記窓部は、ほぼ同じ高さ位置に形成されている請求項1に記載の水洗大便器装置。
  3. 前記フロート上昇速度制御タンクの前記窓部は、前記フロート上昇速度制御タンクのほぼ全周に形成されている請求項1又は2に記載の水洗大便器装置。
  4. 前記フロート上昇速度制御タンクの前記水抜き穴部は、洗浄水の水位の上昇により受ける浮力により、前記水抜き用の水抜き穴部を閉止する前記水抜き穴用フロート部を備えている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
  5. 前記フロート上昇速度制御タンク内の洗浄水の水位の上昇速度は、7mm/s〜100mm/sの範囲の速度とされている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
  6. 前記フロート上昇速度制御タンク内の底部に形成された前記水抜き穴部は、直径1mm〜15mmの範囲の大きさの孔により形成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
  7. 前記フロート上昇速度制御タンクは、さらに、前記窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びる庇部を備えている請求項1乃至6の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
  8. 前記フロート上昇速度制御タンクの前記窓部は、前記洗浄水タンクの中央領域側の前記フロート上昇速度制御タンクの壁面において形成されている請求項1に記載の水洗大便器装置。
  9. 前記フロート上昇速度制御タンクは、さらに、前記窓部の下端から外方に向かって延びる庇部を備えている請求項8に記載の水洗大便器装置。
  10. 前記フロート上昇速度制御タンクは、さらに、前記窓部の下端から外方に向かって斜め下方に延びる庇部を備えている請求項8に記載の水洗大便器装置。
  11. 前記フロート上昇速度制御タンクは、前記フロート上昇速度制御タンクの底部において、前記フロートの前記軸部に取付けられる取付開口部を備え、
    前記取付開口部は、前記軸部に取付けられた状態で、前記軸部に対する前記フロート上昇速度制御タンクの傾きを抑制する傾き抑制部を備えている請求項1、8乃至10の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
  12. 前記フロート上昇速度制御タンクは、
    前記水抜き穴部をシール部によって閉止する閉止姿勢と、前記閉止姿勢から前記シール部を斜めに移動させることにより前記水抜き穴部を開放する開放姿勢とを有する開閉機構を備え、
    前記開閉機構は、
    前記シール部及び前記シール部に浮力を作用させる水抜き穴用フロート部を支持する支持腕と、
    前記支持腕と前記支持腕を取付ける支持腕取付部との間の隙間に向かって突出することにより、前記支持腕と前記支持腕取付部との間の接触を抑制させる凸部とを備えている、請求項1、8乃至11の何れか1項に記載の水洗大便器装置。
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